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特許7237018ワイドウェブ転向フィルムと、四分の一波長リターダを有する反射偏光子とを含むバックライト
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  • 特許-ワイドウェブ転向フィルムと、四分の一波長リターダを有する反射偏光子とを含むバックライト 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】ワイドウェブ転向フィルムと、四分の一波長リターダを有する反射偏光子とを含むバックライト
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230303BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20230303BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20230303BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20230303BHJP
   F21V 9/14 20060101ALI20230303BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230303BHJP
【FI】
F21S2/00 431
G02B5/30
G02B5/02 B
G02F1/13357
F21V9/14
F21Y115:10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019566766
(86)(22)【出願日】2018-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 US2018036081
(87)【国際公開番号】W WO2018226711
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】62/515,861
(32)【優先日】2017-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】サンフォード,クイン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】エプスタイン,ケネス エー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,マシュー ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ボイド,ゲイリー ティー.
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-173066(JP,A)
【文献】特表2009-532721(JP,A)
【文献】特開2013-047794(JP,A)
【文献】特表2011-508250(JP,A)
【文献】特開2009-211873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02B 5/30
G02B 5/02
G02F 1/13357
F21V 9/14
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライトガイドと、
反射体と、
前記ライトガイドの縁に沿って配置された少なくとも1つの光源と、
前記ライトガイドの前記反射体とは反対側に配置されたワイドウェブ転向フィルムであって、プリズムを含む第1の主表面、及び構造化された拡散表面を含む第2の主表面を有するワイドウェブ転向フィルムと、
前記ワイドウェブ転向フィルムよりも前記ライトガイドから更に遠くに配置された反射偏光子であって、前記反射偏光子と前記ワイドウェブ転向フィルムとの間に存在する四分の一波長リターダが反射偏光子の上に配置された反射偏光子と
を備え、
前記ワイドウェブ転向フィルムが複屈折基材を含み、前記複屈折基材が、少なくとも1つの方向にわたって少なくとも5度変化する面内高速軸を有し、
前記四分の一波長リターダが、550nmの光に対して137.5nm±50nmのリターダンスを有し、
前記ワイドウェブ転向フィルムが、少なくとも32インチの対角寸法を有する、
バックライト。
【請求項2】
前記四分の一波長リターダが液晶を含む、請求項1に記載のバックライト。
【請求項3】
前記反射偏光子が多層反射偏光子である、請求項1に記載のバックライト。
【請求項4】
前記ワイドウェブ転向フィルムの前記複屈折基材がポリエチレンテレフタレートを含む、請求項1に記載のバックライト。
【請求項5】
前記バックライトが、前記ライトガイド、前記反射体、前記転向フィルム及び前記反射偏光子以外の他のフィルムを含まない、請求項1に記載のバックライト。
【請求項6】
前記ワイドウェブ転向フィルムが少なくとも42インチの対角寸法を有する、請求項1に記載のバックライト。
【請求項7】
前記ワイドウェブ転向フィルムが少なくとも55インチの対角寸法を有する、請求項1に記載のバックライト。
【請求項8】
前記構造化された拡散表面がビーズを含む、請求項1に記載のバックライト。
【請求項9】
前記構造化された拡散表面がビーズを含まない、請求項1に記載のバックライト。
【請求項10】
前記ライトガイドが狭い光出力角度範囲を提供し、前記出力角度範囲が、30度未満の半値全幅を有する、請求項1に記載のバックライト。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
バックライトは、見るための画像を生成するために、液晶表示パネルに一様な照明を提供する。反射偏光子は、1つの偏光の光を優先的に反射し、かつ、直交偏光の光を優先的に透過させる。反射体と共に反射偏光子を使用して、光を再循環させることによって効率を高くすることができる。四分の一波長リターダは、光の直交成分のうちの1つを約四分の一波長だけ遅延させることによって光の位相を変化させる。
【発明の概要】
【0002】
一態様では、本説明はバックライトに関する。詳細には、本説明は、ライトガイドと、反射体と、ライトガイドの縁に沿って配置された少なくとも1つの光源と、ライトガイドの反射体とは反対側に配置されたワイドウェブ転向フィルムであって、プリズムを含む第1の主表面、及び構造化された拡散表面を含む第2の主表面を有するワイドウェブ転向フィルムと、ワイドウェブ転向フィルムよりもライトガイドから更に遠くに配置された反射偏光子であって、反射偏光子とワイドウェブ転向フィルムとの間に存在する四分の一波長リターダがその上に配置された反射偏光子とを含むバックライトに関する。ワイドウェブ転向フィルムは複屈折基材を含み、複屈折基材は、少なくとも1つの方向に沿って少なくとも5度変化する平面内高速軸を有する。四分の一波長リターダは、550nmの光に対して137.5nm±50nmのリターダンスを有する。ワイドウェブ転向フィルムは、少なくとも32インチの対角寸法を有する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】バックライトの略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
転向フィルムシステムは、ディスプレイのためのバックライトに使用される。転向フィルムは、ディスプレイにおいて、概ね従来のバックライトスタックに優る特定の利点を有し得る。コリメート化されたライトガイドからの光の制御された方向変更を利用している転向フィルムバックライトには、所望の輝度分布を提供するために光を循環させ、かつ、光の向きを変えるための追加プリズムフィルムは不要である。更に、転向フィルム自体に拡散を組み込むことができるため、欠陥隠蔽のためのシステム内の個別の拡散層も不要である。したがって総スタックをより薄くすることができ、供給チェーン及び組立てプロセスをより単純にすることができる。
【0005】
転向フィルム自体は、典型的には基材上に高精細化(microreplicated)される。一般的には、低コストであり、可用性が広く、かつ、処理が容易であるため、配向されたポリエチレンテレフタレートが望ましい。しかしながらポリエチレンテレフタレートは、配向されると実質的な複屈折をもたらす。ポリエチレンテレフタレートの延伸における特定の不可避的非一様性のため、複屈折基材の高速軸は、ポリエチレンテレフタレートウェブのクロスウェブ方向にわたって実質的に変化し得る。反射偏光子又は吸収偏光子(従来は液晶ディスプレイに使用されている)などの直線偏光素子を通して見ると、高速軸方向の変化は、偏光子を通って透過する光に対応する変化をもたらし得る。観察者は、次に、表示画面全体にわたる意図しない、かつ、望ましくない輝度変化を観察し得る。小型フォーマットデバイスの場合、これは、高速軸が著しく変化しない微小部分のみを変換することによって回避することができる。しかしながらノートブック、モニタ及びとりわけテレビジョンサイズの部分に対しては、すべてのクロスウェブ幅、又はほぼすべてのクロスウェブ幅を同じ部分に使用しなければならない。必要とされるワイドウェブ転向フィルムは、表示品質を崩壊し得る高速軸変化を有することになるため、したがって転向フィルムシステムは、より大きいサイズのディスプレイに使用するためには不適切であるとされていた。
【0006】
本説明においては、ワイドウェブ転向フィルムを使用する転向フィルムシステムが説明される。四分の一波長板がその上に配置された反射偏光子を組み込むことにより、これらの転向フィルムシステムは、驚くべきことには優れた視覚一様性を示し、更には視野角の改善を示した。設計の傾向は、薄くなる一方のディスプレイに向かっているため、必要なフィルムの数の削減によって得られる設計柔軟性は、正に望ましい利点である。
【0007】
図1はバックライトの略正面図である。バックライト100は、ライトガイド110、反射体120、光源130、プリズムを含む第1の主表面142及び構造化された拡散表面を含む第2の主表面144を有するワイドウェブ転向フィルム140、及び四分の一波長リターダ152を含む反射偏光子150を含む。
【0008】
ライトガイド100は、任意の適切なサイズ又は形状にすることができ、任意の適切な材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、ライトガイド110は、例えばアクリルの射出成形一体構造片から形成することができ、あるいは任意の他の適切な材料から形成することができる。ライトガイド110は、高透過率、低吸収性又は低散乱などの有利な光学的特性のために、あるいは剛性、可撓性、又は耐熱性及び耐湾曲性などの物理的特性のためにその材料を選択することができる。いくつかの実施形態では、ライトガイド110はくさび形ライトガイドであってもよい。いくつかの実施形態では、ライトガイド110は、印刷された点、負の微細特徴(すなわち空気/ライトガイド界面が臨界未満の角度で光を散乱させ、あるいは反射することによって内部全反射に打ち勝ち、次に、ライトガイドの他の表面を通過する傾向にある凹み)、又は正の微細特徴などの抽出特徴を含むか、あるいは包含することができる。抽出特徴は、光がライトガイド(及び最終的にはバックライト100全体)の領域にわたって一様に抽出されるよう、勾配パターンで配置することができる。言い換えると、ライトガイドのうちの光源に近い領域などの、光全体のうちのより多くの光を有する部分では、抽出特徴の密度をより疎らにすることができる。別法としては、いくつかのアプリケーションに対して、電話キーパッド上の番号又はボタンの下、等々などの、より大きい光出力が望ましい領域では、抽出特徴の密度をより高くすることができる。抽出特徴は、周期的に、一定の勾配で、又は非周期的に、のうちのいずれかで、サイズ、形状及び数を変更することができる。
【0009】
反射体120は、光の広帯域反射体である任意の適切な層である。いくつかの実施形態では、反射体120は、アルミニウム又は銀などの金属反射体であるか、又は金属反射表面がその上に堆積された基材である。いくつかの実施形態では、反射体120は多層光学フィルムである。
【0010】
本明細書において説明されている多層光学フィルム反射偏光子と同様、多層光学フィルム反射体は、慎重に選択された、配向されると複屈折をもたらすことができる高分子材料の高屈折率及び低屈折率の交互層を含む。これらの層は、光の広いスペクトルが層同士の間の界面で、強め合う干渉を介して反射するように共押出しされ、かつ、配向される。個々の層の対の光学的厚さは、異なる層の対が光の異なる波長の反射に寄与するように設計される。例示的多層光学フィルム反射体は、Enhanced Specular ReflectorすなわちESR(Minnesota州St.Paulの3M Companyから入手することができる)である。適切な反射体は、光の少なくとも90%、95%、光の98%、更には99%を反射することができる。反射体は、拡散(更にはLambert)鏡面又は半鏡面として特性化された反射パターンを提供することができる。
【0011】
光源130は、任意の適切な光源又は光源の組合せであってもよい。発光ダイオード(light emitting diode、LED)、冷陰極蛍光灯(cold cathode fluorescent lamp、CCFL)、更には白熱電球などの従来の光源を使用することができる。光源130は、図6には単一の対象として描写されているが、いくつかの実施形態では、LEDの組合せを使用して十分に白色の入力光を提供することができ、アプリケーションに応じて任意の適切なスペクトル又はスペクトルの組合せを利用することができる。いくつかの実施形態では、LEDは、蛍光体又は他のダウンコンバート要素を使用することができる。光源130は、ライトガイド110中への光の結合を促進し、あるいはライトガイドに合わせた光入力の整形を補助するための適切な注入光学又はコリメーション光学を含むことができる。光源130は、ライトガイド110のいずれかの側に配置することができ、バックライト100の残りの構成要素は、それに応じて調整することができる。
【0012】
ワイドウェブ転向フィルム140は、任意の適切な転向フィルムであってもよい。典型的には、転向フィルムは、内部全反射を介してその上に入射した光の方向を変えるために、ライトガイドに向かって面している少なくとも何らかの種類のプリズム又はプリズム様構造を有する。図1に示されているように、ワイドウェブ転向フィルム140は、第1の主表面142にプリズムを含み、構造化された拡散表面を第2の主表面144に有する。図1では、バックライト100の一部しか示されていないこと、及び数十万又は数百万個の個別のプリズムを含み得るワイドウェブ転向フィルムの全体の幅は示されていないことを理解されたい。いくつかの実施形態では、プリズムのうちの1つ以上は、少なくとも1つの湾曲面を有することができ、あるいは含むことができる。いくつかの実施形態では、プリズムは線形プリズムであってもよい。線形とは、プリズムのうちの1つのピークが第1の主表面を横切る線である(例えば平面図で見た場合に)ことを意味している。いくつかの実施形態では、製造プロセスの限界を含む実際的な理由で、線形プリズムは、厳密な直線からのわずかな逸脱を含み得る。いくつかの実施形態では、プリズムは線形であるが、ピッチが周期的又は非周期的に変化し得る。いくつかの実施形態では、プリズムは線形であり得るが、周期的又は非周期的のいずれかで高さが変化し得る。いくつかの実施形態では、隣接するプリズム間に空間すなわち「ランド」が存在し得る。空間は一定であっても、あるいは変化してもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、ワイドウェブ転向フィルム140は、1つ以上の(典型的には2つの)従来の輝度改善フィルムに置き換えることができる。これらの輝度改善フィルムは、典型的には、図1の図解とは反対側の、プリズムがライトガイドから離れる方向に向いている「プリズムアップ」として構成される。いくつかの実施形態では、実質的にすべての方向に視野角改善を提供するために、2つの輝度改善フィルムが互いに90度回転される。ワイドウェブ転向フィルム140に対する説明及び設計考察は、本明細書において説明されるバックライトに使用される場合、輝度改善フィルムに適用することができる。
【0014】
ワイドウェブ転向フィルム140は大きくてもよく、又は極めて大きくてもよい。いくつかの実施形態では、ワイドウェブ転向フィルム140は、9インチ以上の対角線寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、ワイドウェブ転向フィルム140は、14インチ以上の対角線寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、ワイドウェブ転向フィルム140は、17インチ以上の対角線寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、ワイドウェブ転向フィルム140は、19インチ以上の対角線寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、ワイドウェブ転向フィルム140は、32インチ以上の対角線寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、ワイドウェブ転向フィルム140は、42インチ以上の対角線寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、ワイドウェブ転向フィルム140は、55インチ以上の対角線寸法を有することができる。有用な実施形態では、ワイドウェブ転向フィルムは、典型的にはプリズムを支えている基材の複屈折のために複屈折を示す。いくつかの実施形態では、ワイドウェブ転向フィルムは、少なくとも1つの方向に沿って、5度以上のその平面内高速軸の変化を示す。いくつかの実施形態では、ワイドウェブ転向フィルムは、少なくとも1つの方向に沿って、10度以上のその平面内高速軸の変化を示す。
【0015】
アプリケーションに応じて、バックライト100の総合設計の特定の特性、特にワイドウェブ転向フィルム140の底部の構造化された表面142の設計、及びライトガイド110の出力分布は、その性能に対する重大な影響を有し得る。ライトガイド110の設計は、ワイドウェブ転向フィルム140が、特定の他の入力角度よりも望ましい出力を提供する特定の入力角度を有しうることを考慮することができ、言い換えると、ライトガイド及びバックライトを総合的に設計して、これらの入力角度を有するワイドウェブ転向フィルム140を提供することができる。その逆も同じく可能であり、すなわちワイドウェブ転向フィルム140は、ライトガイドの出力角度が望ましい出力を提供する入力角度になるように設計することができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、製造、組立てに起因する、又は使用及び環境への露出による視覚的な欠陥を隠すために、あるいはモアレパターンなどの視覚干渉のために、ある程度のレベルの拡散及びヘイズが望ましい。更に、いくつかの実施形態では、拡散を使用してバックライト輝度に対する出力角度分布を制御することができ、それによりいずれかの方向又はすべての方向に沿って出力角度分布を広げることができ、更にはいずれかの方向又はすべての方向に沿って分布を狭くすることができる。ワイドウェブ転向フィルム140は、底部の構造化された表面又は頂部の構造化された表面に表面拡散構造を含むことができる。このような表面拡散構造は、すべての表面又は表面の一部のみに存在してもよく、例えば表面拡散構造は、構造の一方の側にのみ存在してもよい。いくつかの実施形態では、表面拡散構造は、構造化された表面と下層基材の間に存在し得る。別法又は追加として、構造化された表面の任意の構造、又は任意の基材層は、バルク拡散又は散乱要素を有することができる。いくつかの実施形態では、ワイドウェブ転向フィルム140は、埋設されたマット層、すなわち構造化された表面と下層基材の間の、構造化された表面層及びその下層基材のうちの少なくとも1つとは異なる屈折率を有する拡散層を含むことができる。いくつかの実施形態では、ワイドウェブ転向フィルム140の第2の主表面144は構造化された拡散表面を含む。いくつかの実施形態では、ワイドウェブ転向フィルム140の第2の主表面144はビーズを含む。
【0017】
どちらか一方の表面拡散構造を特性化するための量は、表面の傾斜分布である。傾斜分布は、比較的緩い傾斜を有することが望ましい実施形態(例えばほとんどの傾斜が40度未満)において、表面拡散構造のとりわけ有用な特性化を提供する。いくつかの実施形態では、表面拡散構造の約20パーセント以下、又は約10パーセント以下、又は約7パーセント以下、又は約5パーセント以下、又は約3パーセント以下が、約20度より大きい、約15度より大きい、約10度より大きい、又は約7度より大きい、又は約5度より大きい、又は約3.5度より大きい傾斜の大きさを有する。いくつかの実施形態では、表面拡散構造は、より急峻な傾斜を有することができる。例えばいくつかの実施形態では、表面拡散構造の約20パーセント以下、約10パーセント以下、約7パーセント以下が、約20度より大きい、又は約30度より大きい、又は約35度より大きい、又は約40度より大きい傾斜の大きさを有する。いくつかの実施形態では、表面拡散構造のかなりの部分が1度より大きい傾斜の大きさを有し、第2の主表面のかなりの部分が10度未満又は15度未満の傾斜の大きさを有する。いくつかの実施形態では、表面拡散構造の少なくとも約50パーセント、又は少なくとも約70パーセント、又は少なくとも約80パーセント、又は少なくとも約85パーセント、又は少なくとも約90パーセントが1度より大きい傾斜の大きさを有する。いくつかの実施形態では、表面拡散構造の約85パーセント以下、又は約80パーセント以下が、約15度より大きい、又は約10度より大きい傾斜の大きさを有する。
【0018】
いくつかの実施形態では、傾斜分布は、2つの直交方向に沿って個別に測定することができる。これらの傾斜は、1つの方向に沿って極めて小さい大きさを有し、第2の直交方向に沿ってより大きい大きさを有することができる。言い換えると、傾斜分布は非対称であってもよい。いくつかの実施形態では、1つの方向に沿った傾斜は、上で説明した大きさ分布を有することができる(ただし上記では表面全体に適用されているが、ここでは単一の方向に沿って適用される)。いくつかの実施形態では、ゼロ又は何らかの他の定数の近辺の極めて狭い分布が存在し、あるいは1つの方向に沿った傾斜(例えば平らな傾斜又は一定の傾斜)は存在し得ない。いくつかの実施形態では、1つの方向に沿った傾斜の大きさの少なくとも50パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも85パーセント、又は少なくとも90パーセントは、0.5度未満又は0.1度未満である。いくつかの実施形態では、1つの方向に沿った傾斜の大きさの少なくとも50パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも85パーセント、又は少なくとも90パーセントは、同じ非ゼロ傾斜から0.5度未満又は0.1度未満である。いくつかの実施形態では、非対称的により大きい傾斜分布方向は、頂部構造又は底部構造の直線延長方向(すなわちx軸又はy軸に沿った)方向に対して直角であってもよく、あるいはより大きい傾斜分布方向は、頂部構造又は底部構造の直線延長方向の方向に対して平行であってもよい。
【0019】
構造化された表面の傾斜は、例えば表面プロファイルH(x、y)(すなわち基準平面より高い、直交平面内座標x及びyの関数としての表面の高さH)を決定するために、原子間力顕微鏡法(atomic force microscopy、AFM)又は共焦点走査レーザ顕微鏡法(confocal scanning laser microscopy、CSLM)を使用して特性化することができる。次に、以下の2つの表現式から、それぞれのx方向及びy方向に沿った傾斜S及びSを計算することができる。
【数1】
【0020】
傾斜の大きさSは、以下の表現式から計算することができる。
【数2】
【0021】
表面拡散構造を製造するために高精細化することができるツールを切断するために使用される切断工具システムは、ねじ切り旋盤回転プロセスを使用することができ、かつ、ドライバによって中心軸の周りに回転させることができ、及び/又は中心軸に沿って移動させることができるロール、及びロール材料を切断するためのカッターを含むことができる。カッターはサーボの上に取り付けられ、ドライバによってx方向に沿ってロール中に、及び/又はロールに沿って移動させることができる。通常、カッターは、ロール及び中心軸に対して直角に取り付けられ、ロールが中心軸の周りを回転している間、ロールの彫刻可能な材料中に駆動される。次に、中心軸に平行にカッターが駆動され、それによりねじ切りが製造される。カッターは、高い周波数及び小さい変位で同時に駆動することができ、それにより高精細化されると表面拡散構造をもたらす特徴をロール中に生成することができる。カッターは任意のタイプのカッターであってもよく、アプリケーションにおける望ましい任意の形状を有することができる。適切なカッターは、米国特許第8,657,472号(Aronsonら)又は米国特許第8,888,333号(Yapelら)に記載されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、表面拡散構造は、電気めっきによってテクスチャ化された工具を使用して形成することができる。これらの構造を形成する方法、及びその方法によって生成される拡散フィルムは、米国付与前特許公開第2010-00302479号(Aronsonら)に記載されている。いくつかの実施形態では、表面拡散構造は、多段電気めっきプロセスを使用して形成することができる。これらの構造を形成する方法、及びその方法によって生成される拡散フィルムは、米国付与前公開第2015-0923272号(Phamら)に記載されている。
【0023】
反射偏光子150は任意の適切な反射偏光子であってもよい。反射偏光子は、第1の偏光が少なくとも部分的に反射し、あるいは多くの場合、第1の偏光が実質的に反射し、その一方で第2の直交偏光のほとんどが透過することによって特性化される。いくつかの実施形態では、反射偏光子150は、その上に配置された、反射偏光子とワイドウェブ転向フィルムとの間の四分の一波長リターダ152を有することができる。リターダは、位相を変化させ、かつ、偏光を変えるために、入射光の直交成分のうちの1つを遅延させる光学的層である。四分の一波長は、このようなリターダが入射光の四分の一波長にほぼ等しいリターダンスを有することを意味している。遅延は、典型的には波長によって変化するため、試験波長を識別することが有用である。いくつかの実施形態では、四分の一波長リターダ152は、550nmの光に対して137.5±50nmのリターダンスを有する。いくつかの実施形態では、四分の一波長リターダ152は色消しリターダであり、したがって四分の一波長リターダのリターダンスは、拡張波長範囲にわたって有意に変化しない(例えば拡張波長範囲にわたって±50nm以下である)。四分の一波長リターダ及び反射偏光子は、積み重ね、積層し、さもなければ取り付けることができる。いくつかの実施形態では、接着層、保護層又は拡散層などの追加層を提供することができる。反射偏光子150及び四分の一波長リターダ152の組合せは、第1の偏光左右像を有する光を少なくとも部分的に反射し、その一方で他の偏光左右像のほとんどを透過させる点で、事実上、円形反射偏光子として機能することができる。四分の一波長リターダは、いくつかの実施形態では液晶重合体であるか、あるいは液晶重合体を含むことができる。いくつかの実施形態では、四分の一波長リターダは分厚い複屈折層を含むことができる。
【0024】
反射偏光子は多層反射偏光子であってもよい。多層反射偏光子は、高屈折率層及び低屈折率層が交番する共押出しパケットから形成され、適切に配向されると、強め合う干渉によって特定の偏光の光を反射するための適切な厚さを有する内部屈折率界面を有する。反射偏光子の例には、DBEF及びAPF(Minnesota州St.Paulの3M Companyから入手することができる)などが挙げられる。拡散反射偏光子は、2つの重合体の配向された混合しないブレンドから形成することができ、重合体のうちの少なくとも一方は、延伸されると複屈折をもたらすことができる。
【0025】
上で説明した実施形態は、本発明の様々な態様についての説明を容易にするために詳細に説明されたものであり、したがって上で説明した特定の例及び実施形態に限定されるものとして本発明を見なしてはならない。そうではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物によって定義されている本発明の範囲の範疇である様々な変形形態、等価プロセス及び代替デバイスを含む、本発明のすべての態様を包含するものとして理解されたい。
【実施例
【0026】
視野角の関数としての輝度の角度分布が、コノスコープを使用して、従来のバックライトスタック、及びワイドウェブバックライトスタックを有する転向フィルムシステムに対して決定された。更に、転向フィルムシステムのクロスウェブ輝度変化が、ウェブ幅全体にわたる異なる位置から選択された転向フィルムを使用して転向フィルムシステムの輝度を測定することによって決定された。輝度は、転向フィルム基材の光軸の変化によって、及びマット構造及びプリズム構造を含む表面構造の変化によってクロスウェブを変化させる。
【0027】
すべての例は、マット構造及びプリズム構造を有する転向フィルムを使用している。転向フィルムの構造の詳細は表1に示されている。プリズムは平凸プリズムである。頂点は、プリズムの先端における、平ファセットと凸ファセットの弦との間の角度を表している。Rtipは、プリズムの先端の曲率半径を表している。Rvalleyは、プリズムの谷の曲率半径を表している。マットヘイズ値(ヘイズメータによって特性化される)も、同じくクロスウェブをわずかに変化させる。これらの変化は、転向フィルム基材高速軸の変化とは別である。マット(表面拡散)構造は、多段電気めっきプロセス(米国付与前公開第2015-0923272号(Phamら)に記載されている)を使用して形成された工具を使用して形成された。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例1-視野角の関数としての輝度の角度分布
従来のバックライトスタックの準備
第1の3M輝度改善フィルムの上に配置された3M反射偏光子DBEF D4-400(3M、Minnesota州Saint Paul)を含む従来のバックライトスタックを準備し、第1の輝度改善フィルムの、プリズムを含む主表面は、3M DBEF D4-400の主表面に隣接し、第1の輝度改善フィルムは第2の輝度改善フィルムの上に配置され、第2の輝度改善フィルムの、線形プリズムを含む主表面は、第1の輝度改善フィルムの、プリズムを含んでいない主表面に隣接し、第1の輝度改善フィルムプリズムに沿った方向は、第2の輝度改善フィルムプリズムに沿った方向に対して直角であり、第2の輝度改善フィルムは拡散体層の上に配置され、ライトガイド板は拡散体層の上に配置され、白色反射体は、拡散体層の反対側のライトガイド板の下方に配置されている。この例における3M輝度改善フィルム、拡散体層及び白色反射体は、3M(Minnesota州Saint Paul)から商用的に入手することができる。転向フィルムシステムにおけるコノスコピック輝度を試験するために、従来のバックライトスタックを使用して1つの試料を準備した。
【0030】
試料1は、Sony 55W900A(Sony Corporation,Japan,Tokyo)ディスプレイに適合するように切断された従来のバックライトスタックを使用して準備した。Sony 55W900A LCDパネルを従来のバックライトスタックの3M DBEF D4-400に接着した。従来のバックライトスタックにおけるライトガイド板は、Sony 55W900Aディスプレイからのものであった。
【0031】
ワイドウェブバックライトスタックの準備
転向フィルムシステムのためのワイドウェブバックライトスタックを準備した。ワイドウェブバックライトスタックは、四分の一波長板に接着された吸収偏光子を含み、四分の一波長板は、四分の一波長リターダコーティングを有する反射偏光子からなり、四分の一波長板の四分の一波長リターダでコーティングされた表面は、プリズムを含む第1の主表面及び構造化された拡散表面を含む第2の主表面を有するワイドウェブ転向フィルムの上に配置され、第2の主表面は、四分の一波長板、ワイドウェブ転向フィルムの第1の主表面に配置されたライトガイド板、及びライトガイド板に接着された3M鏡面反射体に隣接している。
【0032】
この例における反射偏光子、四分の一波長板、光学的に透明な接着剤及び鏡面反射体は、Minnesota州Saint Paulの3Mから商用的に入手することができる。表1に示されている転向フィルムタイプAを、ワイドウェブ転向フィルムとして使用した。
【0033】
表2の試料2は、Sony 55W900Aディスプレイに適合するように切断されたワイドウェブバックライトスタックを使用して準備した。Sony 55W900A LCDパネルをワイドウェブバックライトスタックの反射偏光子に接着した。ワイドウェブバックライトスタックにおけるライトガイド板は、Sony 55W900Aディスプレイからのものであった。
【0034】
試験
転向フィルムシステムからの光の角度分布を、コノスコープ(France,Herouville Saint ClairのEldimから入手することができるEldim L80)を使用して、上で説明した試料を有する転向フィルムシステムに対して決定した。ディスプレイに対して直角の輝度を決定した(軸方向輝度)。半値全幅(FWHM)を決定するために、固定方位角に沿って測定された輝度が軸方向の値の半分になる法線からの極角をコノスコープデータから決定した。個々の試料の軸方向の輝度及びFWHMを決定し、かつ、従来のバックライトスタック及び比較試料のそれぞれのディスプレイを含む転向フィルムシステムと比較した(表2)。
【0035】
【表2】
【0036】
ワイドウェブバックライトスタックは、大型フォーマットディスプレイにおける従来のバックライトスタックに優る改善された軸方向輝度を示している。更に、ワイドウェブバックライトスタックにおけるFWHMは、従来のバックライトスタックにおけるFWHMより小さい。軸方向の輝度の34%の増加は、FWHMの平方の比率と無矛盾であり、試料2は、より集束した出力を有している。また、ワイドウェブバックライトスタックは、同じディスプレイにおける従来のバックライトスタックと比較すると、ディスプレイ全体にわたって輝度の優れた一様性をもたらすことが同じく観察された。
【0037】
実施例2-クロスウェブ輝度変化
バックライトスタックの準備
個々のバックライトスタック、すなわち試料は、転向フィルムの上に配置された頂部板(top plate)、転向フィルムの下方に配置されたライトガイドフィルム、及びライトガイドフィルムの下方に配置された鏡面反射体を含み、転向フィルムはプリズムを含む主表面を有し、その主表面はライトガイドフィルムに隣接している。
【0038】
3つのタイプの頂部板、すなわち吸収偏光子(P1)に接着されたガラス板、反射偏光子(P2)に接着された吸収偏光子に接着されたガラス板、及び四分の一波長板に接着された吸収偏光子に接着されたガラス板が存在しており、四分の一波長板は、四分の一波長リターダコーティング(P3)を有する反射偏光子からなっている。
【0039】
この例における転向フィルムは、表1で説明されているタイプBである。試料に使用された転向フィルムは、切片1及び切片2のラベルが振られた、2つの平行部分に切り取られたワイドウェブPET基材の結果である。これらの切片は、それらの個々の幅全体にわたる高速軸のそれらの変化の相違によって区別される。試料中の転向フィルムは、切片の幅全体にわたってほぼ均等に間隔を隔てた6つの位置のうちの1つから選択した。
【0040】
試料のタイプ毎に多数の試料を準備した。個々の試料は試料タイプを有しており、試料タイプ同士の間の相違は、頂部板タイプ、切片、及び吸収偏光子の通過軸及びライトガイドのソース縁に対する角度によって画定される頂部板バイアスである(表3)。
【0041】
【表3】
【0042】
試験
転向フィルムシステムからの軸方向の輝度変化を、上で説明した試料タイプを有する転向フィルムシステムに対して決定した。光分光計PR650(Photo Research,New York州Syracuse)を使用して個々の試料タイプの試料から軸方向の輝度測値を収集した。発光ダイオードがライトガイドソース縁に光を供給し、ディスプレイに対して直角の輝度を決定した。試料の軸方向の輝度測値から、試料タイプ毎に平均輝度(Avg)、最小輝度(Min)、最大輝度(Max)、標準偏差(Stdev)、平均輝度にわたる標準偏差(stedev/avg)、並びに誤差バーの下部境界(dmin)及び上部境界(dmax)を決定した(表4)。
【0043】
【表4】
【0044】
表4から、反射偏光子(S2、S5、S8、S11)のみの代わりに四分の一波長板(S3、S6、S9、S12)を使用することにより、ワイドウェブ転向フィルムを有するバックライトシステムにおける軸方向の輝度の変化が小さいことが分かる。また、四分の一波長板(S3、S6、S9、S12)を有するバックライトシステムにおける軸方向の輝度の変化は、吸収偏光子(S1、S4、S7、S10)のみを有する場合より小さいことが同じく分かる。軸方向の輝度の変化のこの低減により、ディスプレイから観察される輝度の一様性が改善されるものと思われる。
【0045】
以下は、本開示による例示的実施形態である。
項目1.バックライトであって、
ライトガイドと、
反射体と、
ライトガイドの縁に沿って配置された少なくとも1つの光源と、
ライトガイドの反射体とは反対側に配置されたワイドウェブ転向フィルムであって、プリズムを含む第1の主表面、及び構造化された拡散表面を含む第2の主表面を有するワイドウェブ転向フィルムと、
ワイドウェブ転向フィルムよりもライトガイドから更に遠くに配置された反射偏光子であって、反射偏光子とワイドウェブ転向フィルムとの間に存在する四分の一波長リターダがその上に配置された反射偏光子と
を備え、
ワイドウェブ転向フィルムが複屈折基材を含み、
複屈折基材が、少なくとも1つの方向にわたって少なくとも5度変化する平面内高速軸を有し、
四分の一波長リターダが、550nmの光に対して137.5nm±50nmのリターダンスを有し、
ワイドウェブ転向フィルムが、少なくとも32インチの対角寸法を有する、
バックライト。
【0046】
項目2.四分の一波長リターダが液晶を含む、項目1のバックライト。
【0047】
項目3.反射偏光子が多層反射偏光子である、項目1のバックライト。
【0048】
項目4.ワイドウェブ転向フィルムの複屈折基材がポリエチレンテレフタレートを含む、項目1のバックライト。
【0049】
項目5.バックライトが、ライトガイド、反射体、転向フィルム及び反射偏光子以外の他のフィルムを含まない、項目1のバックライト。
【0050】
項目6.ワイドウェブ転向フィルムが少なくとも42インチの対角寸法を有する、項目1のバックライト。
【0051】
項目7.ワイドウェブ転向フィルムが少なくとも55インチの対角寸法を有する、項目1のバックライト。
【0052】
項目8.構造化された拡散表面がビーズを含む、項目1のバックライト。
【0053】
項目9.構造化された拡散表面がビーズを含まない、項目1のバックライト。
【0054】
項目10.ライトガイドが狭い光出力角度範囲を提供し、出力角度範囲が、30度未満の半値全幅を有する、項目1のバックライト。
図1