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特許7237063損傷のない取り外しを可能にする接着性物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】損傷のない取り外しを可能にする接着性物品
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/20 20180101AFI20230303BHJP
   B32B 3/30 20060101ALI20230303BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20230303BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20230303BHJP
   B32B 38/06 20060101ALI20230303BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20230303BHJP
   C09J 7/21 20180101ALI20230303BHJP
【FI】
C09J7/20
B32B3/30
B32B27/00 M
B32B27/12
B32B38/06
C09J7/38
C09J7/21
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020511175
(86)(22)【出願日】2018-08-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2018047864
(87)【国際公開番号】W WO2019040820
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】62/550,204
(32)【優先日】2017-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/622,387
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】クリュル,ブレット ピー.
(72)【発明者】
【氏名】タン,ダウド エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】バトラ,サウラバー
(72)【発明者】
【氏名】ジェハード,ブライアン エル.
(72)【発明者】
【氏名】サノッキ,スティーブン エム.
【審査官】川嶋 宏毅
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/069784(WO,A1)
【文献】特開2011-046909(JP,A)
【文献】特開2015-000984(JP,A)
【文献】特開2005-113085(JP,A)
【文献】特公平07-047718(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を表面に取り付けるための接着性物品であって、
第1の接着層と、
前記第1の接着層に隣接し周辺部を画定するコアであって、コア材料を含み、第1主面及び第2主面を含む、コアと、
前記コアの少なくとも前記第1主面上の凹部の第1の配列パターンであって、各凹部は膜で終端し、前記膜は前記凹部の底面を画定する、第1の配列パターンと、
記第1の接着層と前記膜との間のコンタクトを有する接着性界面と、を含み、
前記接着性物品は、接着面から35度を超える剥離角度での前記接着性物品の剥離が前記コアの前記第1主面からの前記第1の接着層の剥離又は前記コアの損傷のうちの少なくとも1つをもたらすように構成される、接着性物品。
【請求項2】
前記コアが、不織布材料を含む、請求項1に記載の接着性物品。
【請求項3】
前記コア材料が空隙容積を有し、前記膜の前記空隙容積が、隣接する凹部間の隙間空間内の前記コア材料の空隙容積より実質的に小さい、請求項1又は2に記載の接着性物品。
【請求項4】
前記膜が、前記第1主面と一致する平面に実質的に平行なもう1つの平面内に存在する、請求項1又は2に記載の接着性物品。
【請求項5】
第2の接着層と、前記コアの前記第2主面上の凹部の第2の配列パターンと、を更に含み、前記第2の配列パターンの各凹部は、前記第1の配列パターンの凹部と共有される膜で終端し、前記膜は、各凹部の底面を規定前記接着性物品は、前記第2の接着層と前記膜との間のコンタクトを有する第2の接着性界面を更に含む、請求項1又は2に記載の接着性物品。
【請求項6】
接着性物品の製造方法であって、
互いに反対側にある第1主面及び第2主面を有し、かつ固化可能なコア材料を含むコアを準備することと、
前記主面のうちの少なくとも1つに剥離可能接着剤を積層して第1の接着層を形成することと、
前記コア材料の複数の別個の領域を固化させて、凹部の配列パターンを形成することであって、各凹部は膜で終端し、前記膜は前記凹部の底面を画定する、前記形成することと、
前記剥離可能接着剤と前記の各膜との間に複数の接着性界面を作製することと、を含み、
前記接着性物品は、接着面から35度を超える剥離角度での前記接着性物品の剥離が前記コアの前記第1主面からの前記第1の接着層の剥離又は前記コアの損傷のうちの少なくとも1つをもたらすように構成される、製造方法。
【請求項7】
対象物を表面に取り付けるための接着性物品であって、
第1の剥離可能接着性組成物を含む第1の接着層と、
前記第1の接着層に隣接し周辺部を画定するコアであって、第1の空隙容積を有する多孔質コア材料を含み、第1主面及び第2主面を含む、コアと、
前記コアの少なくとも前記第1主面上の凹部の第1の配列パターンであって、各凹部は前記第1の空隙容積よりも小さい第2の空隙容積を有する膜で終端する、第1の配列パターンと、を含み、
前記第1の剥離可能接着性組成物が、少なくとも部分的に各膜の孔内にあり、
前記接着性物品は、接着面から35度を超える剥離角度での前記接着性物品の剥離が前記コアの前記第1主面からの前記第1の接着層の剥離又は前記コアの損傷のうちの少なくとも1つをもたらすように構成される、接着性物品。
【請求項8】
前記第1の接着性組成物が、前記膜に隣接するコア材料の第1の前記空隙容積を少なくとも部分的に浸潤している、請求項7に記載の接着性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年8月25日及び2018年8月25日に出願された、それぞれ「Adhesive Articles Permitting Damage Free Removal」という表題の3M代理人整理番号第79561US002号及び同第79561WO003号に関連し、それぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概ね、基材に付着又は接着することができ、かつ基材に損傷を与えることなく基材から取り外すことができる、剥離可能接着性物品に関する。本開示はまた、概ね、そのような接着性物品の製造方法及び使用方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
革新的なCommand(登録商標)Adhesive Strip製品は、様々な表面(塗料、木材、及びタイルなど)に強力に留まり、穴、跡、又は粘着性残留物なしにきれいに取り外せる、伸長取り外し可能な接着ストリップの商品群である。これらの製品は概ね、多数の用途のために様々な表面又は基材に結合させるのに有用である。
【0004】
概ね、これらの製品は、テープ又は他のバッキングに配された伸長剥離接着性組成物を含む。伸長剥離可能接着剤は、強力な保持力と表面損傷を伴わないきれいな取り除きとを組み合わせた、高性能感圧接着剤である。伸長剥離可能接着剤製品は、(絵画若しくは衣類品を保持するための)フック又は他の装飾的若しくは実用的要素などの物品を表面(被着体)にしっかりと接着させながらも、構造物の表面から小さな角度で引き剥がされるときれいに取り外せるように設計されている。きれいな取り外し態様とは、伸長剥離接着剤を取り除いた後に、粘着性の及び/又は見苦しい残留物が表面に残らないことを意味し、表面への損傷が取り外しプロセス中に生じないことを意味する。伸長剥離取り外しプロセスの間、接着層は典型的に、バッキングが引き伸ばされている際にテープバッキングに接着したままであるが、表面(被着体)からは剥離される。
【0005】
剥離可能接着剤の技術は、取り付けのための製品に最近導入された。いくつかの例示的な市販の剥離可能な取り付け製品(例えば、Jimmy Hook(商標)製品、GeckoTech(商標)製品、Elmer’s Freestyle(商標)製品、及びHook Um(商標)製品)は、取り付けデバイスの保持力を生み出すために、吸引技術及び摩擦若しくは乾式接着剤の両方に依存している。これらの取り付けデバイスは、半剛性可塑性バッキング及び剛性フックを含み、これらは両方とも一体型の物品支持体として統合されている。剛性フックは、半剛性可塑性バッキングの第1の主平坦面に恒久的に付着している。バッキングの第2の主平坦面は、壁表面に接着することができる。第2の主平坦面は、吸引技術(例えば、多数のマイクロ吸引若しくはナノ吸引要素)及び/又は摩擦接着剤(基材とバッキングとの間の摩擦を増加させるためにバッキングにゴムベースの接着剤を浸透させたもの)若しくは乾式接着剤(ファンデルワールス力に依存するもの)のうちの1つ以上を含む。その後、構造体全体が剥離によって取り外され得る。
【発明の概要】
【0006】
既存の剥離可能接着剤製品は、多くの場合、例えば塗装表面及び粗表面(例えば、乾式壁)などの様々な表面において良好に機能しなかった。加えて、既存の剥離可能な製品は、低い剪断強度を示し得るため、重量をほとんど保持できなかったり、又は比較的厚い構造を必要としたりする場合があり、このため、このような製品が被着体から取り外されるときに損傷の可能性が高まることがある。取り外し時の剥離力を低減するために、既存のバッキングをより低い剛性(弾性率)を有するものと置き換える試みがなされてきた。例えば、柔らかく弾性のあるバッキングにより、剥離力が低くなることが示されており、これは剥離時の接着剤の容易に感知できる伸び(ひずみ)と相関している。本発明者らは、バッキング材料に有利な改良を加えても、特にバッキングの伸長性が損なわれている状況では、特定の繊細な表面(例えば、紙及び乾式壁)が、依然として視認可能な損傷を受けることを認識した。したがって、本開示の発明者らは、適用される基材を一切損傷することなく、より高い剪断強度、塗装表面若しくは粗表面での良好な機能性、及び/又はより高い重量を一貫して保持する能力のうちの少なくとも1つを備えた、剥離可能な取り付け製品及び/又は接着性物品の製作を追求した。
【0007】
本開示の発明者らは、取り外し中に接着剤によって生じる剥離力へのバッキングの寄与を低減又は排除することによって、既存の剥離接着剤製品を改善又は強化できることを認識した。これは場合によっては、コアがその主面によって画定される平面に垂直な方向で構造的一体性を確実に失うことによって達成することができる。他の例では、バッキングと剥離可能接着層との間の界面を損なうことによって、寄与が低減される。剥離力をバッキングの特性から分離することにより、本開示の接着性物品は、損傷のない除去性(removability)に悪影響を及ぼすことなく、無数のバッキング材料及び構造を利用することができる。場合によって、構造を強化することで、接着性物品がより大きな重量を保持することが可能となる。いくつかの実施形態において、性能を強化することで、接着性物品を新たな表面(例えば、繊細な紙)上で使用することが可能となる。いくつかの実施形態において、除去性を向上させることで、特定の表面(例えば、粗い表面又はテクスチャ加工された表面、例えば、壁紙、乾式壁など)上での製品性能が増大又は向上する。
【0008】
本開示の発明者らは、取り外しプロセス中に剥離力に最小限に寄与するバッキングを設けることが、製品の、損傷をもたらさないという特徴を強化しながら接着性物品の性能を向上させるための新規かつ有効な方法であることも認識した。
【0009】
一態様では、本開示は、第1の剥離可能接着層と、第2の剥離可能接着層と、第1の剥離可能接着剤と第2の剥離可能接着剤との間に配置され、コア平面を画定する別個のコアと、を含む、接着性物品を提供する。
【0010】
別の態様では、本開示は、対象物を表面に取り付けるための接着性物品であって、第1の接着層と、第1の接着層に隣接し周辺部を画定するコアであって、コア材料を含み、第1主面及び第2主面を含む、コアと、コアの少なくとも第1主面上の凹部の第1の配列パターンであって、各凹部がコア材料を含む膜で終端する、第1の配列パターンと、底壁面にある接着性界面であって、第1の接着層と膜との間の接触を含む、接着性界面と、を含む、接着性物品を提供する。
【0011】
別の態様では、本開示は、互いに反対側にある第1主面及び第2主面を有し、かつ固化可能なコア材料を含むコアを準備することと、主面のうちの少なくとも1つに剥離可能接着剤を積層することと、材料の複数の別個の領域を固化させて、凹部の配列パターンを形成することと、剥離可能接着剤とバッキングの固化された各領域との間に複数の接着性界面を作製することと、を含む、接着性物品の製造方法を提供する。いくつかの実施形態では、固化は超音波点結合によって生じる。別の態様では、凹部の第1の配列パターンを有するバッキングが提供され、固化は凹部の第2のパターンを作製する。
【0012】
更に別の態様では、本開示は、対象物を表面に取り付けるための接着性物品であって、第1の剥離可能接着性組成物を含む第1の接着層と、第1の接着層に隣接し周辺部を画定するコアであって、多孔質コア材料を含み、第1主面及び第2主面を含む、コアと、コアの少なくとも第1主面上の凹部の第1の配列パターンであって、各凹部はコア材料を含む膜で終端する、第1の配列パターンと、を含み、第1の剥離可能接着性組成物が、少なくとも部分的に各膜の孔内にある、接着性物品を提供する。
【0013】
本明細書で使用するとき、「多孔率(porosity)」は、材料中の空隙の尺度を意味する。孔及び空隙のサイズ、頻度、数、及び/又は相互連結性は、材料の多孔率に寄与する。
【0014】
本明細書で使用するとき、「空隙容積」とは、ウェブ又はフィルタなどの多孔質体又は繊維体内の無充填空間に対する百分率又は分数値を意味し、これはウェブ又はフィルタの重量及び体積を測定した後、同じ体積の同じ構成材料の固体質量の理論重量に対する重量を比較することによって計算され得る。
【0015】
本明細書で使用するとき、「ソリディティ」は、固体(例えば、ポリマーフィラメント)材料によって占められる不織布ウェブの総体積の割合を表す無次元画分(通常はパーセントで報告される)を示す。ロフトは100%からソリディティを引いたものであり、固体材料によって占められていないウェブの総容積の割合を表す。
【0016】
本明細書で使用するとき、「層」は、表面上で連続的であっても不連続的であってもよい単一の層を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「高さ」、「深さ」、「上部」、及び「底部」は、例示のみを目的としており、必ずしも表面と侵入特徴部との間の向き又は関係を定義するものではない。したがって、用語「高さ」及び「深さ」、並びに「上部」及び「底部」は、互換性があると見なされるべきである。
【0018】
用語「含む(comprises)」及びその変化形は、これらの用語が本明細書及び特許請求の範囲に現れる場合、限定的な意味を有するものではない。
【0019】
「好ましい(preferred)」及び「好ましくは(preferably)」という語は、ある特定の状況下である特定の利益をもたらし得る本発明の実施形態を指す。ただし、他の実施形態もまた、同じ又は他の状況において好ましい場合がある。更にまた、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用でないことを含意するものではなく、他の実施形態を本発明の範囲から排除することを意図するものでもない。
【0020】
本明細書で記載される全ての数は、用語「約」によって修飾されるものと見なすこととする。
【0021】
本明細書で用いる場合、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの(at least one)」、及び「1つ以上の(one or more)」は、互換的に用いられる。したがって、例えば、凹部の「ある(a)」パターンを含むコアは、「1つ以上の」パターンを含むコアとして解釈され得る。
【0022】
また、本明細書において、端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
【0023】
特性又は属性に対する修飾語として本明細書で使用されるとき、用語「概ね」は、特に別途定めのない限り、その特性又は属性が、当業者によって容易に認識されるものであるが、絶対的な精度又は完全な一致を必要とするものではないこと(例えば、定量化可能な特性に関しては、+/-20%の範囲内)を意味する。用語「実質的に」は、特に別途定めのない限り、高い近似度(例えば、定量化可能な特性に関しては、+/-10%の範囲内)を意味するが、この場合もまた、絶対的な精度又は完全な一致を必要とするものではない。同一の、等しい、均一な、一定の、厳密に、などの用語は、絶対的な精度又は完全な一致を必要とするものではなく、特定の状況に適用可能な、通常の許容誤差又は計測誤差の範囲内にあるものと理解される。
【0024】
本開示の上記の「発明の概要」は、本発明の開示された各実施形態又は全ての実施の記載を意図するものではない。以下の説明は、例示的な実施形態をより具体的に例示する。本出願を通していくつかの箇所において、例を列挙することによって指針が示されるが、それらの例は様々な組み合わせで使用することができる。いずれの場合でも、記載した列挙は、代表的な群としての役割を果たすのみであり、全てを網羅する列挙として解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本明細書に概ね記載されるタイプの例示的な接着性物品の一実施形態の上面図である。
図2図2の接着性物品の断面図である。
図3A】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3B】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3C】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3D】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3E】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3F】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3G】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3H】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3I】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3J】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3K】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3L】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3M】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3N】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3O】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3P】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3Q】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3R】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3S】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3T】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3U】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3V】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3W】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図3X】本開示の接着性物品に好適な凹部の例示的な配列パターンの写真である。
図4】本明細書に概ね記載されるタイプの例示的な接着性物品の一実施形態の断面図である。
図5】熱エンボス加工によって作製された凹部の配列パターンを特徴とする接着性物品の断面顕微鏡写真である。
図6】超音波溶接によって作製された凹部の配列パターンを特徴とする接着性物品の断面顕微鏡写真である。
図7】本明細書に概ね記載されるタイプの別の例示的な接着性物品の一実施形態の断面図である。
図8】コアの1つ以上の表面上に凹部の配列パターンを作製する方法を詳述するブロック図である。
図9】本開示の例示的な接着性物品の「重り吊り下げ試験」を実施するために使用されるフックの斜視図である。
【0026】
特定の図示された実施形態における層は、例示のみを目的としており、厚さ、それに関連したもの、若しくはその他のもの、又はあらゆる構成要素の絶対位置を完全に画定することを意図するものではない。上記で特定された図は、本開示のいくつかの実施形態を説明するものであるが、本明細書で言及されるとおり、他の実施形態もまた企図される。全ての場合において、本開示は、限定ではなく代表例として提示される。多くの他の変更形態及び実施形態を当業者であれば考案することができ、それらは本開示の原理の範囲及び趣旨に入ることが理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
様々な実施形態及び実施態様を詳細に説明する。これらの実施形態は、いかようにも本出願の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、変更及び改変を行うことができる。更に、いくつかの最終用途のみを本明細書で詳解しているが、本明細書に明確に記載されていない最終用途も本出願の範囲内に含まれる。したがって、本出願の範囲は、特許請求の範囲によって決定されるべきである。
【0028】
本開示は概ね、基材、壁又は表面(一般的に、被着体)から損傷を伴わずに取り外すことができる接着性物品に関する。本明細書で使用されるとき、「損傷を伴わずに」及び「損傷のない」などの用語は、接着性物品が、塗料、コーティング、樹脂、被覆物、又は下に存在する基材に、視認可能な損傷を与えることなく、かつ/又は残留物を残存させることなく、基材から分離され得ることを意味する。基材への視認可能な損傷は、例えば、基材のいずれかの層の引っ掻き、ちぎれ、層間剥離、破断、崩れ、ひずみなどの形態であり得る。視認可能な損傷は、変色、脆弱化、光沢の変化、ヘイズの変化、又は基材の外観における他の変化でもあり得る。
【0029】
接着性物品は、(2)別個のコアに隣接する(1)1つ以上の剥離可能接着層を含む。本明細書で使用するとき、用語「剥離可能」は、接着性物品が、約1°~約180°の角度で剥離することによって、基材又は表面から取り外すことができることを意味する。いくつかの実施形態では、接着性物品は、30°~120°の角度で剥離することによって、基材又は表面から取り外すことができる。いくつかの実施形態では、接着性物品は、少なくとも約35°の角度で剥離することによって、基材又は表面から取り外すことができる。
【0030】
剥離取り外し中、コア及び接着剤の指定された領域が層間剥離を受ける。特に、本開示の物品は、主面からオフセットされた破壊可能な接着剤/コア材料界面を特徴とし、剥離取り外し中に生じた荷重から被着体への力の容易な伝達を防ぐ。したがって、接着性物品は、「バッキングなし」構造を再現するように特別に設計されており、コアは、被着体が受ける接着剤除去力(adhesive removal force)にほとんど又は全く寄与しないように設計されている。「バッキングなし」構造は、例えば、乾式壁、塗料、ガラスなどを含む基材上の損傷閾値を超えない剥離力を有する接着性物品を提供する。
【0031】
図1及び図2は、本明細書で概ね記載されている接着性物品100の例示的な実施形態を示す。接着性物品100は、互いに反対側にある第1主面111及び第2主面112を有するコア110を含む。図1は、接着性物品100を上面図で示しており、コア110が接着層140を通して視認できる。いくつかの実施形態では、接着剤140は、コアが少なくとも部分的に視認できるように、概ね光学的に透明であり得る。他の実施形態では、接着層140は概ね不透明であってもよく、又はそうではなければコアは上面図において視覚的に識別可能でなくてもよい。図2に見られるように、コア110は、上縁部、下縁部、及び側縁部によって画定される正方形の形状を有する。コア110の形状は特に限定されず、任意の好適な形状又は形状の組み合わせを含むことができる。縁部は共にコア周辺部114を形成し、コア周辺部114は、コアと接着性物品100の残りの部分(例えば、接着層140)との間の識別可能な境界を画定する。
【0032】
コア110は、接着性物品100の別個の構造的構成要素として存在し、接着層140、142の一方又は両方に分散された、又は別の方法で分配された材料としては存在しない。コア110を形成する材料としては、紙、天然若しくは合成ポリマーフィルム、天然及び/若しくは合成繊維並びにこれらの組み合わせから作られた不織布、布地強化ポリマーフィルム、繊維若しくは紡績糸強化ポリマーフィルム若しくは不織布、綿、ナイロン、レーヨン、ガラス、セラミック材料などの合成材料若しくは天然材料の糸から形成される織布などの布地、又はこれらの材料のいずれかの組み合わせを挙げることができる。コア110はまた、上記のうちの少なくとも1つと組み合わせて、金属、金属化ポリマーフィルム、又はセラミックシート材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、コアは、2つ以上の層を有する多層フィルムであり、いくつかのこのような実施形態では、層は積層されている。例えば、コアは、任意の好適な厚さ、組成、及び不透明度又は透明度を有する、発泡体、フィルム、又はこれらの組み合わせで形成されてもよい。他の実施形態では、コアは、別個の粒子の配列、又は比較的高いゲル含有量を有する接着剤若しくは他の組成物を含んでもよい。コア110の例示的な材料及び構造は、以下で更に詳細に検討される。2つ以上のこのような組成物及び構造体の組み合わせもまた、本開示の様々な実施形態において有用である。
【0033】
図1及び図2の特定の実施形態では、コア110は、厚さ「T」を有する材料の単一のコア層を含むが、多層又は多材料構造もまた、本明細書で企図され、説明される。いくつかの実施形態において、コアは、約2mil~約100milの厚さ「T」を有する。いくつかの実施形態において、コアは、2mil超、5mil超、8mil超、10mil超、12mil超、15mil超、20mil超、22mil超、又は24mil超の厚さを有する。いくつかの実施形態では、コアは、100mil未満、90mil未満、80mil未満、75mil未満、70mil未満、65mil未満、60mil未満、55mil未満、50mil未満、45mil未満、40mil未満、38mil未満、35mil未満、32mil未満、30mil未満、28mil未満、又は25mil未満の厚さを有する。
【0034】
図2に示されるように、コア110は、断面が概ね矩形であるが、コアは様々な断面形状を有してもよい。例えば、コア110の断面形状は、正多角形であってもなくてもよい多角形(例えば、正方形、四面体、菱形、台形)であってもよく、又は、コア110の断面形状は湾曲していてもよい(例えば、円形又は楕円形)。第1のコア平面115は第1主面111と一致し、第2のコア平面116は第2主面112と一致する。コア平面115、116は、平行に描かれているが、他の実施形態では交差して斜角を形成してもよい。
【0035】
主面111、112のそれぞれは、剥離可能接着層140及び142に隣接している。剥離可能接着層140及び142は、互いに同じであっても、互いに異なっていてもよい。このコンテクストで、「異なる」は、組成物又は接着性能の実質的な違いを説明するために使用される。接着層140及び142は、それぞれ単一層であってもよく、多層であってもよい。接着層140及び142はそれぞれ、コア110の主面にわたって連続的又は不連続的な(例えば、パターン化された)ものであり得る。接着層140及び142のそれぞれは、互いに反対側にある主面141、145をそれぞれ含む。物品のための利用可能な結合面積は、コア110の主面111、112上の各接着層の互いに反対側にある主面141、145によって画定される総面積を含む。本明細書に詳述されるような凹部を特徴とする実施形態では、利用可能な結合面積は凹部を含まない。主面141、145の利用可能な結合面積を使用して、接着性物品100を、例えば壁面又はハードグッド(hardgood)に結合する。他の例示的な実施形態では、接着性物品100は、第2主面112上に接着層を欠いていてもよい。
【0036】
図示される接着層140及び142は、コアの主面111、112を越えないほどの同じ広がりを有し、厚さ「T」だけ離れている。したがって、コア110は、接着層140、142とは別個のものであり、上述のように、画定され識別可能な幾何学形状を含む。他の実施形態では、接着層は、コア110の周辺部を囲む領域内で接触している。このような構造は、「Adhesive Articles Permitting Damage Free Removal」と題され、出願人らにより同時出願された仮出願第79561US002号に詳細に記載されている。接着層の厚さは特に限定されないが、典型的には、コアの少なくとも主面にわたって実質的に連続している。現時点で好ましい実施態様では、接着層の厚さは、コアの厚さ「T」の95%以下、90%以下、80%以下、75%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、いくつかの実施形態では、コアの厚さ「T」の10%以下である。典型的な実施形態では、接着層140、142の一方又は両方は、約1mil~約3milの厚さを有する。所与の接着層140、142の厚さは、他のものと異なっていても同じでもよい。
【0037】
コア110は、第1主面111上の凹部170のアレイと、第2主面112上の凹部180のアレイとを含む。凹部は、例えば、ウェル、空洞、凹面、ポケット、チャネルなどを含むことができる。凹部170、180は、直径、半径、深さ、長さ、及び幅などの寸法と共に、容積を有することができる。凹部のベースとは、概ね、主面の平均高度に最も近い点を有する凹設された特徴部内の位置を指すことができ、一方、平均高度から最も遠い凹部の表面又は領域は頂点又は底面と見なされる。
【0038】
いくつかの実施形態では、図1及び図2に示されるように、コア110は、凹部170、180の配列パターンを含む。「配列パターン」は、所定の位置に配列されているか、ある程度の規則性で配列されるか、又は任意の所望の様式で配列されている複数の特徴部(例えば、凹部、チャネルなど)である。コア110内の凹部170、180はそれぞれ、グリッドアレイ内に配列されているが、他のパターン及び配列も可能である。いくつかの実施形態では、凹部170、180の一方又は両方は、コア表面(例えば、一次元アレイ又は二次元アレイ、例えば、正方形アレイ、六角形、又は他の規則的なアレイ)にわたって周期的なアレイとして分布している。例えば、凹部の配列パターンとしては、配列された列パターン、配列された正方格子パターンなどの配列された格子パターン、配列されたジグザクパターン、又は配列された放射状パターンを挙げることができる。配列パターンは、表面全体に均一に形成される必要はなく、所与の主面の一部分のみに形成されてもよい。凹部のパターンは、物品の任意の部分にわたって変化してもよく、同じままであってもよい。例えば、同様のパターン又は異なるパターンを同じ平面内で使用することができる。パターン内の凹部は、同様の幾何学形状であってもよく、異なる幾何学形状を有してもよい。同様に、第1主面111上の凹部170のパターンは、第2主面上の凹部180の対応するパターンと同じであっても異なっていてもよい。特定の実施態様では、第1主面111及び第2主面112上のパターンは、実質的に同じピッチ及び凹部の幾何学形状を有してもよいが、後述するように、横方向又は長手方向にオフセットされている。
【0039】
例示的な一構造では、特徴部の配列パターンは、別個の凹部(例えば、ウェル)のアレイと、個々のウェルの間及び/又は個々のウェルにかけて延びる一連のチャネルとの両方を含む。
【0040】
参考のために図1及び図2には、デカルトx-y-z座標系が含まれる。第1主面111及び第2主面112は、x-y平面に概ね平行に延び、コア110の厚さ「T」はz軸に対応する。凹部170、180の各アレイは、概ねx軸に沿った横方向と、概ねy軸に沿った長手方向とを含む。配列パターンは、最も近い隣接する凹部170、180間に画定されたピッチ171、181を含む。アレイ又はパターンにおける最も近い隣接する凹部170、180間のピッチは、横方向及び長手方向の両方において同じであってもよい。他の実施形態では、横方向に沿ったピッチは、長手方向に沿ったピッチよりも小さく、逆もまた同様である。任意の所与の領域における凹部の構成は、ピッチが少なくとも0.25ミリメートル、少なくとも0.5ミリメートル、他の実施形態では少なくとも15ミリメートル、他の実施形態では少なくとも20ミリメートル、他の実施形態では少なくとも25ミリメートル、更に他の実施形態では少なくとも30ミリメートルであるように選択することができる。特定の実施形態では、ピッチは70ミリメートル以下であり、いくつかの実施形態では60ミリメートル以下であり、いくつかの実施形態では50ミリメートル以下であり、特定の実施形態では45ミリメートル以下である。
【0041】
凹部の配列パターンは、1平方センチメートル当たり、凹部170、180の特定の密度をもたらし得る。例えば、凹部は、多数のコア材料の中で別個の特徴部として現れてもよく、コアがメッシュ又はスクリムとして現れるように、コア表面の大部分を包含してもよい。いくつかの実施態様では、主面は、1平方センチメートル当たり少なくとも50個の凹部、いくつかの実施形態では、1平方センチメートル当たり少なくとも100個の凹部、いくつかの実施形態では、少なくとも200個、更に他の実施形態では、1平方センチメートル当たり少なくとも300個の微細構造を含む。コアは、1平方センチメートル当たり2000個以下の凹部、いくつかの実施形態では1500凹部/cm以下、いくつかの実施形態では1000凹部/cm以下、いくつかの実施形態では750凹部/cm以下、他の実施形態では500凹部/cm以下を含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、凹部の密度が高くなるほど、相関して接着性物品の剪断性能が高くなることが示されている。特定の状況下では、凹部の密度を高めるには、必要に応じて内部層間剥離を起すための剥離力を高めることが必要である。
【0042】
凹部170、180は、任意の形状の形態をとることができる。同様に、凹部170、180の三次元幾何学形状は、凹部がコアの厚さにわたって反対側の主面まで延びない限り、特に限定されない。コア110の図示された実施形態は、複数の円形凹部ベース172、182を含む。凹部ベース172、182に好適である形状の非限定的な例としては、円形、三角形、正方形、矩形、及び多角形が挙げられる。凹部170、180の三次元幾何学形状としては、円形円筒形、楕円形円筒形、立方形(例えば、正方形立方体又は矩形立方体)、円錐形、切頭円錐形などを挙げることができる。
【0043】
断面形状にかかわらず、各凹部170、180は、ベース172、182及び/又は底面174、184における最大断面寸法を含む。最大断面寸法のサイズは特に限定されないが、典型的には少なくとも0.5ミリメートルである。凹部170、180は、典型的には、膜176の厚さ「M」に反比例する深さ「D」を含む。膜が比較的厚くなると、凹部の深さが浅くなる。しかし、複数の凹部のうちの全ての凹部が、上記の深さ範囲内に収まる必要があるわけではないことに留意されたい。
【0044】
図示のように、凹部170、180は、横方向及び長手方向の両方に沿って離れている。他の実施形態では、凹部170、180の一方又は両方は、開口部がコア内のチャネルに類似するように、一方向に沿って離れていてもよく、又はコアの主面111、112の一方若しくは両方にわたって(図1に示される配向に対して)斜めに延びていてもよい。このようなチャネルは、任意の所望の経路をたどることができ、任意の所与の方向でコアの表面にわたって連続的又は不連続的であることができる。チャネルを含む例示的な配列パターンを図3A図3Xに示す。
【0045】
凹部170、180は本質的に目立たず、コア110は、それぞれ隣接する凹部170、180の間に隙間空間160、190を含む。隙間空間160、190は、図示された実施態様では、いずれかの追加の階層的特徴部を概ね欠いているという点で、パターン化されていない。したがって、隙間空間160、190の合計面積は、それぞれ第1主面111及び第2主面112上のパターン化されていない領域を画定する。
【0046】
第1主面111及び第2主面112のそれぞれの凹部170、180は、それぞれ実質的に同じ幾何学形状を有する。他の実施形態では、凹部170、180のサイズ又は形状は、横方向、長手方向、又はこれらの組み合わせにわたって変化してもよい。更に他の実施形態では、主面は、繰り返し単位セル内に配列された異なる幾何学形状の2つ以上の凹部を含むことができる。単位セルは、単位セルの配列パターンで繰り返されてもよい。矩形、円、半円、楕円、半楕円、三角形、台形、及び他の多角形(例えば、五角形、六角形、八角形)など、及びこれらの組み合わせを含む、様々な形状を使用して、単位セルを画定することができる。このような実施形態では、各単位セル境界は、隣接する単位セルの境界に直接隣接しているため、複数の単位セルは、例えばグリッド又はテッセレーションに似ている。
【0047】
各凹部170、180は、それぞれの主面111、112からコア110の厚さ方向に特定の深さ「D」だけ延びている。概ね、凹部は、主面に隣接して実質的に同一平面上にあるベース172、182と、深さ「D」だけベース172、182から離れた底面174、184とを含む。底面174、184に隣接するコアは、コア材料の比較的薄い膜176を画定する。
【0048】
膜176は、第2主面112上の凹部180の一部又は全てから、第1主面111上の凹部170を分け隔てている。任意の所与の膜の集合は、コア110内の同じ平面に沿って延びることができ、その結果、深さDは主面111、112の一方又は両方の配列内の全ての凹部に対して実質的に同じである。代替的な実施態様では、コア110内のz方向における膜176の位置は、横方向、長手方向、又はその両方に沿って変化する。
【0049】
膜176は、各凹部170、180にわたって接着層140、142を分け隔てている。したがって、各凹部170、180は、底面174、184、1つ以上の側壁175、185、又はこれらの組み合わせ上にコア-接着性界面を含む。このコア-接着性界面は、以下、凹部界面と称される。膜176は、典型的には、コアの厚さ「T」の少なくとも約5%、他の実施形態ではコアの厚さの少なくとも約10%の厚さ「M」を有する。同じ又は他の実施形態では、厚さ「M」はコア110の厚さの95%以下である。不織布コアを特徴とする実施形態では、膜の厚さは、典型的には、所与の不織布材料の多孔率と相関する。本明細書に記載され、理論に束縛されるものではない特定の状況及び構造下では、コアの構造的一体性は、コア110の本体全体にわたる比較的薄い膜176での剥離取り外し時により容易に損なわれ得る。
【0050】
多孔質コア材料(例えば、不織布)を特徴とする実施形態では、膜176は、典型的には、非凹部/非パターン化領域160、190内のコアよりも低い多孔率を有する。いくつかの実施形態では、膜の空隙容積(又は多孔率)は、非凹部領域の50パーセント以下、40パーセント以下、30パーセント以下、20パーセント以下であり、いくつかの他の実施形態では、10パーセント以下の多孔率である。
【0051】
第1の接着層140と隙間空間160との間の接触は、第2のコア界面120を画定する。同様に、第2主面112上の第2の接着層142と隙間空間190との間の接触は、第2のコア界面120の反対側にある第3のコア界面122を画定する。いくつかの実施形態において、第2の界面120及び第3の界面122は、コアの少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、又は少なくとも約80%との接着性接触の面積を含む。いくつかの実施形態では、第2のコア界面及び第3のコア界面は、接着層140、142とコアとの間の約10%~約100%の接着性接触の面積を含む。いくつかの実施形態では、第2のコア界面120及び第3のコア界面122は、接着層140、142とコアとの間の約40%~約90%の接着性接触の面積を含む。各コア界面120、122の接着性接触の面積は、同じであっても異なっていてもよい。第2の剥離可能接着層142に取り付けられたハードグッドを有するものを含むいくつかの実施形態では、第3のコア界面122における接着性接触の面積は、第2のコア界面120における接着性接触の面積よりも大きい。他の実施形態では、第3のコア界面122における接着性接触の面積は、第2のコア界面120における接着性接触の面積よりも大きい。典型的な実施形態では、接着層140、142は、所与の開口部内の利用可能な容積の全てを占めるわけではない。
【0052】
コア110及び接着層140、142を構成する材料、並びに接着性物品の構造は、凹部界面における結合が、1)第1のコア界面120及び/又は第2のコア界面122における、又はその付近の結合強度、2)コア平面115に実質的に垂直な方向におけるコア110の構造的一体性(例えば、凝集力)、又は3)これらの組み合わせ、よりも強くなるように選択することができる。
【0053】
凹部界面とコア界面との間の関係は、コア界面における剥離強度と比較して、凹部界面における剥離強度(oz/in)として定義される剥離比として表すことができる。いくつかの実施形態では、剥離比は、少なくとも1.15:1、いくつかの実施形態では少なくとも1.25:1、いくつかの実施形態では少なくとも1.5:1、いくつかの実施形態では少なくとも2:1、いくつかの実施形態では少なくとも3:1、いくつかの実施形態では少なくとも5:1、いくつかの実施形態では少なくとも10:1、いくつかの実施形態では少なくとも15:1、いくつかの実施形態では少なくとも20:1であり得る。
【0054】
凹部170、180は、接着層が主面に適用される前、適用されている間、又は適用された後に、コア材料内に作製することができる。凹部170は、超音波溶接(又は結合)、熱接触溶接、及び/又は点溶接などの力及び熱/融合エネルギーを組み合わせて、コア材料の厚さを低減(すなわち、固化)することによって作製することができる。不織布又は他の多孔質コア材料を特徴とする実施態様では、凹部170、180を作製することで、多孔率を低減させることにより、及び/又はコア材料を結合部位に隣接するコアの領域に流し込むことにより、コア材料を凝縮させることができる。図1図3の実施形態の特定の実施態様では、凹部は、配列パターンに従って接着層とコアとの超音波点結合によって作製される。点結合はまた、例えば、コア及び接着層を加熱パターン化されたエンボスロールニップに通すことによっても起こり得る。点結合は、接着剤とコアとの間に断続的な結合を形成し、剥離可能接着剤及びコア材料の両方の一部分を個々の凹部の深さに凝縮する。他の実施形態では、所望のパターン(1つ又は複数のパターンを含む)は、接着層の適用前にコア内に作製されてもよい。更に他の実施形態では、複数のパターンが、接着層の適用前に1つ以上、及び接着層の適用後に1つ以上、コア内に作製されてもよい。
【0055】
超音波溶接(又は結合)は、概ね、例えば、音波ホーンとパターン化ロール(例えば、アンビルロール)との間で材料の必要な層を通すことによって実行されるプロセスを指す。このような結合方法は、当該技術分野において周知である。例えば、静止ホーン及び回転パターン化アンビルロールの使用による超音波溶接は、米国特許第3,844,869号(Rust Jr.)、及び同第4,259,399,号「Ultrasonic Nonwoven Bonding」(Hill)に記載されている。また、回転パターン化アンビルロールを有する回転ホーンの使用による超音波溶接は、米国特許第5,096,532号(Neuwirthら)、同第5,110,403号(Ehlert)、及び同第5,817,199号(Brenneckeら)に記載されている。当然ながら、任意の他の超音波溶接技術もまた、本発明で使用されてもよい。
【0056】
不織布コアを特徴とする実施形態では、接着剤を不織布又はウェブに断続的に結合して(例えば、上述のような熱、圧力、又は超音波のうちの少なくとも1つを使用して)、凹部を作製することにより、結合部位で又は結合部位中で多孔質構造を崩壊(すなわち、凝縮又は固化)させ、その結果、膜176を作製することができる。結合部位は、周囲の領域と対照的な、より多孔率の低いシースルー領域であってよい。用語「シースルー」は、透明である(すなわち、光の通過を許し、向こう側にある対象物を明瞭に見ることが可能である)こと、又は、半透明である(すなわち、光の通過を許すが向こう側にある対象物を明瞭に見ることはできない)ことの、いずれかを指す。シースルー領域は、着色されていても無色であってもよい。「シースルー」領域は肉眼で見える程度に十分に広いことを理解されたい。
【0057】
特定の実施形態では、コア110の材料は、接着層のいずれかと相対的に弱い結合を形成するように選択される。
【0058】
他の実施形態では、コアの材料又は構造は、取り外し中に接着性物品に発生する力が加わると、層間剥離、凝集破壊(fails cohesively)、又は別様に分離するように選択される。
【0059】
破壊可能なコアを特徴とする実施形態であっても、コア110は、その分離の全体の平面に沿って十分な強度を依然として提供できるため、特定の用途にもよるが、取り付け面に対象物を取り付けるための接着性物品100の使用に基づき、コアの構造的一体性が損なわれない。コア110は、対象物を支持し、物品100に一定レベルの弾力性を提供するのに十分なコア平面115、116に平行な方向に内部静的剪断強度を有利に提供することができる。
【0060】
接着性物品200の別の例示的な実施形態を図4に示す。別途記載のない限り、接着性物品100に関する全ての他の考慮事項は、接着性物品200にも等しく適用される。図1及び図2の接着性物品のように、接着性物品200は、コア210と、コア210の第1主面211上の第1の剥離可能接着層240と、コア210の第2主面212上の第2の剥離可能接着層242と、を含む。コア210は、1つ以上の多孔質材料で作製され、典型的には不織布ウェブを含む。
【0061】
コア210は、コア材料内の深さ「D」まで延びる、それぞれ第1主面211及び第2主面212上の凹部270、280の配列パターンを含む。凹部270、280は、典型的には同じパターンで配列され、それぞれの互いに反対側にある凹部は実質的に同じ幾何学形状を有する。特定の実施態様では、第2主面上の凹部280は、第1主面上の凹部270よりもベース281において小さくてもよい。
【0062】
底面274、284に隣接するコア210は、コア材料の比較的薄い膜276を画定する。膜276は、第2主面212上の凹部280の一部又は全てから、第1主面211上の凹部270を分け隔てている。任意の所与の膜の集合は、コア210内の同じ平面に沿って延びることができ、その結果、深さDが主面211、212の一方又は両方の配列内の全ての凹部に対して実質的に同じになる。代替的な実施態様では、コア210内のz方向における膜276の位置は、横方向、長手方向、又はその両方に沿って変化する。
【0063】
膜176とは異なり、膜276は、接着剤が少なくとも部分的に注入されている。特定の現時点で好ましい実施形態では、接着性物品は、多孔質コアの孔内に少なくとも部分的に剥離可能接着性組成物を含む。このような実施形態では、少なくとも40容積%、少なくとも50容積%、少なくとも60容積%、少なくとも70容積%、少なくとも80容積%、好ましくは少なくとも90容積%、より好ましくは100容積%の空隙容積が剥離可能接着性組成物で充填されている。孔内の接着剤の量は、とりわけ、接着剤の弾性率、凹部の作製に使用される方法、コアの厚さ、及びコア材料の多孔率に応じて変わる。
【0064】
膜空隙の浸潤の程度に応じて、凹部270、280の底壁274、284及び側壁273、283の少なくとも一部は、薄い接着層(図示せず)を含んでもよい。
【0065】
図4の実施形態は、上記の方法によって作製されてもよい。現時点で好ましい実施態様では、コア210は、米国特許第2,464,301号(Francis Jr.)、同第3,507,943号(Suchら)、同第3,737,368号(Suchら)、及び同第6,383,958号(Swansonら)に記載され、以下により詳細に記載されるものなどの、当該技術分野において周知の手順に従って、パターンエンボス加工されている。概ね、コア及び接着層は、凹凸領域を有するパターン化された(例えば、刻まれた)金属ロールと、概ね金属又はゴムで形成された固体バックアップロールとを通過する。しかしながら、コアは、対応する領域又は交互に刻まれた領域を表示する2つのパターン化されたロールの間に供給されてもよい。いずれの場合も、コアがパターン接触点に沿って熱結合されるように、1つ以上のロールに熱を供給することが典型的である。
【0066】
いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、エンボス加工されたパターンの凹部は、パターン化されたエンボス加工ロール上の凸領域のパターンでコアを局所的に溶融することによって形成されると考えられる。コアは加工によって破壊されるのではなく、代わりにその一体性を維持する。更に、図5に示すように、1つ以上のロールからの熱により、接触圧による凹部の作製前及び/又は作製と同時に、接着剤がコア内の空隙の少なくとも一部に流れ込む。典型的には、接着剤の大部分は膜空隙内に留まるが、いくらかの容積は、周囲のコアにも流入し得る。本明細書で使用するとき、「エンボス加工されたパターン」は、コアの表面上の凹部の所定の構成を指す。エンボス加工されたパターンは、「穿孔された」パターンと区別可能であり、穿孔されたパターンとは、コアの厚さ全体を通過する穿刺部の所定の構成を指す。例えば、接着積層された不織布をエンボス加工する加熱パターンを介して作製された凹部のアレイは、典型的には、超音波溶接によって作製された同じパターンと比較して、空隙内により多量の接着剤を含む。
【0067】
特定の条件下では、超音波溶接を使用すると、膜内に接着剤がほとんど又は全く注入されないことがあり、代わりにコア材料自体が隣接する空隙に注入される。この結果を例示する凹部及び膜を図6に示し、以下の実施例18と同様の条件下で作製した。
【0068】
パターンエンボス加工によって凹部のアレイが作製されるとき、所与の膜における固化又は高密度化による空隙容積の低減の程度は、超音波溶接から生じる固化に比例して低減され得る。エンボス加工されたパターンを特徴とするいくつかの実施形態では、膜の空隙容積(又は多孔率)は、コアの非凹部領域の、90パーセント以下、70パーセント以下、60パーセント以下、50パーセント以下、及びいくつかの他の実施形態では40パーセント以下の多孔率である。
【0069】
図7は、ハードグッド490、コア410、並びに第1の剥離可能接着層440及び第2の剥離可能接着層442を含む、本明細書に概ね記載されるタイプの接着性物品の別の例示的な実施形態を示す。コア410は、本明細書に記載される材料及び構造のいずれであってもよく、コア材料内の深さ「D」まで延びる凹部470、480の配列されたアレイを含む。ハードグッド490の第2主面494は、第2の接着層442に固定され、コア平面416と同一平面上にない場合には、概ね平行な平面内に複数のハードグッド界面498を作製する。接着層440と第1主面411との間の接触は、ハードグッド界面498の上の平面内に配置されたコア界面420を画定する。接着層440の第1主面441を使用して、物品400を所望の被着体(例えば、壁面、キャビネット表面など)に固定することができる。第2のコア界面422は、コア410の第2主面412と第2の接着層442との間の接触によって形成され、コア平面416と概ね平行な平面内に存在する。
【0070】
他の実施形態(図示せず)では、コア材料を選択的に固化させて凹部を作製する間に、コアをハードグッドに固定することができる。このような実施形態は、コアとハードグッドとの間に第2の接着層を欠いていてもよい。
【0071】
特定の実施形態では、第2の接着層442は、第1の接着層440よりも大きいコーティング重量で適用されてもよい。コーティング重量及び/又は層の厚さの不均衡により、接着性物品400が被着体から取り外されるときに、コアがハードグッドに留まることを確実にすることができる。
【0072】
本開示の接着性物品は、コアのパターン化されていない領域の総面積によって画定される利用可能な結合面積を含む(すなわち、各凹部(開口部又はチャネル)内の面積は、凹部の深さ内の接着剤が典型的には物品の所望の被着体への結合にそれほど寄与しないため、結合面積計算から除外される)。いくつかの実施形態では、物品の利用可能な結合面積は、同様の寸法を含み凹部を含まないコア材料の予想表面積の、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、又は少なくとも約80%である。いくつかの実施形態では、物品は、約10%~約90%の利用可能な結合面積を含む。更に他の実施形態では、物品は、同様の寸法及び凹部を含まないコア材料の予想される表面積の約15%~約70%の利用可能な結合面積を含む。
【0073】
本明細書に記載される接着性物品の構成要素は、以下でより詳細に検討される。
【0074】
コア
コアは接着構造体の一部であり、コアがなければ隣接している接着層の部分の界面結合を妨げる。コアは、単一層構造又は多層構造とすることができる。コア内には、2つ以上のコア層が存在し得る。複数のコア層は、1つ以上の層を更に含んでもよいフィルムの層によって分け隔てられることができる。いくつかの実施形態では、コアは、プラスチック、金属、紙、不織布材料、織物、織布材料、発泡体、接着剤、ゲル、及び/又はフィラメント強化材料のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、コアは、材料の単一層又は多層フィルムのうちの少なくとも1つである。他の実施形態では、コアは、隣接する接着層の間に配置された粒子の配列であり得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、コアを形成するために、2つ以上のサブ層を共押出することができる。いくつかの実施形態では、コアは可撓性である。いくつかの実施形態は、コア層に染料又は顔料を含む。いくつかの実施形態は、コアの少なくとも1つの層に少なくとも1つの粘着付与剤を含む。いくつかの実施形態は、コアの1つ以上の層に可塑化油を含む。
【0076】
コアは、例えば、正方形、矩形、三角形、多角形、円形、四辺形、台形、円筒形、半円形、星形、半月形、四面体などをはじめとする任意の所望の形状であり得る。
【0077】
コアは、任意の望ましい材料で作製され得る。コアに好適な材料の代表例としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、及び直鎖状超低密度ポリエチレンをはじめとするポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブチレンなどのポリオレフィン;可塑化及び非可塑化ポリビニルクロライドの両方、及びポリビニルアセテートなどのビニルコポリマー;エチレン/メタクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー、及びエチレン/プロピレンコポリマーなどのオレフィンコポリマー;アクリルポリマー及びコポリマー;ポリウレタン;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリウレタン/ポリオレフィン、ポリウレタン/ポリカーボネート、ポリウレタン/ポリエステルなどの、任意のプラスチック、又はプラスチックとエラストマーの材料の混合物又はブレンドを使用することもできる。
【0078】
いくつかの実施形態では、コアは、可撓性ポリマー発泡体層と、発泡体層の第1主面に積層された第1のフィルムと、発泡体層の第2の反対側の主面に積層された第2のフィルムと、を含む、複合発泡体であるか、又はそれを含む。接着剤をフィルムに付着させて、接着剤-フィルム-発泡体-フィルム-接着剤の構造を形成することができる。可撓性ポリマー発泡体層は、典型的な壁面などの表面凹凸部を有する表面に接着性物品を接着する場合に有用である適合性及び弾力性特性を最適化するように選択することができる。例示的な可撓性ポリマー発泡体層は、3M Company(St.Paul,Minn)から商品名「Command」で市販されている。いくつかの実施形態では、コアの可撓性ポリマー発泡体層としては、Voltek,Division of Sekisui America Corporation(Lawrence,Mass.)から商品名「Volextra」及び「Volara」で入手可能なポリオレフィン発泡体を挙げることができる。いくつかの実施形態では、コアは金属であるか、金属を含むか、又は金属様のものである。いくつかの実施形態では、コアは木材であるか、木材を含むか、又は木質様のものである。
【0079】
コアは、以下の特許出願(全ては、本明細書にその全体が組み込まれている)、国際出願PCT/US2018/024347号、並びに国際公開第2015/195344号、同第2017/136432号、及び同第2018/039584号のいずれかに記載の材料又はバッキングのいずれかであってもよく、又はそれらを含むことができる。
【0080】
様々な実施形態において、バッキングは、例えば、Bartusiakらの米国特許第8,530,021号に記載されている微細構造化されたテープ材料から製作又は製造することができる。
【0081】
コアは、実質的に非伸長性であってもよく、又は弾性であってもよい。いくつかの実施形態では、コア材料は、25℃で約15×10Pa~約2.5×10Paの貯蔵弾性率を有する。ガラス材料又は他のセラミックを有するものを含む他の実施形態では、コア材料は、最大1×1010Paの貯蔵弾性率を有することができる。いくつかの実施形態では、コア材料は、25℃で約0.4~約1.2のtanδ(tanδは貯蔵弾性率で除算された損失弾性率である)を有する。いくつかの実施形態では、コアは、約-125~約40℃のガラス転移温度を有する。他の実施形態では、コア材料は、10秒後に10%~100%の応力緩和を有する。
【0082】
いくつかの実施形態では、コアは、10%のひずみにおいて1~99%の弾性回復率を呈する。いくつかの実施形態では、コアは、20%のひずみにおいて1~99%の弾性回復率を呈する。本開示のいくつかの実施形態において、コア材料は、少なくとも1つの方向において50%超の破断伸びを有する。本開示のいくつかの実施形態において、コア材料は、少なくとも1つの方向において約50%~約1200%の破断伸びを有する。
【0083】
いくつかの実施形態において、コアは、約100psi~約100,000psiのヤング率を有する。ガラス材料又はセラミックを特徴とする他の実施形態では、コアは、最大10,000,000psiのヤング率を有し得る。いくつかの実施形態では、コアは、ASTM D5459-95によって測定した場合に10%のひずみにおいて1~100%の弾性回復率を呈する。いくつかの実施形態では、コアは、20%のひずみにおいて1~100%の弾性回復率を呈する。
【0084】
いくつかの実施形態において、コアが、ASTM D638-14及びASTM D412-06aのうちの少なくとも1つによって決定される約100psi~約15,000psiの弾性率及び/又はセカント係数を有する。いくつかの実施形態では、コアは、100psi~15000psiの範囲の弾性率を有する。いくつかの実施形態において、この弾性率は、100psi超、500psi超、1000psi超である。いくつかの実施形態において、コアの弾性率は、15000psi未満、10000psi未満、8,000psi未満、5,000psi未満、3,500psi未満、2000psi未満、及び1500psi未満である。
【0085】
いくつかの実施形態において、コアは、約0.1mil~約100milの厚さを有する。いくつかの実施形態において、コアは、1mil超、5mil超、8mil超、10mil超、12mil超、15mil超、20mil超、22mil超、又は24mil超の厚さを有する。いくつかの実施形態では、コアは、100mil未満、90mil未満、80mil未満、75mil未満、70mil未満、65mil未満、60mil未満、55mil未満、50mil未満、45mil未満、40mil未満、38mil未満、35mil未満、32mil未満、30mil未満、28mil未満、又は25mil未満の厚さを有する。
【0086】
不織布
いくつかの現時点で好ましい実施形態では、コアは不織布基材を含む。不織布基材は、不織布又はウェブを製造するための一般的に知られているプロセスのいずれかによって製造された不織布又はウェブであり得る。本明細書で用いる場合、用語「不織布」は、不規則にかつ/又は一方向に、マット状に組み込まれているが、ニット布地のように識別可能な性質ではない、個々の繊維又はフィラメントの構造を有する布地を指す。不織布又は不織布ウェブは、メルトブローンプロセス、スパンボンドプロセス、スパンレースプロセス、結合カードウェブプロセス、エアレイイングプロセス、及びウェットレイイングプロセスなどの、様々なプロセスで形成することができる。いくつかの実施形態では、コアは、例えば、少なくとも1つのメルトブローン不織布の層及び少なくとも1つのスパンボンド不織布の層、又は不織布材料の任意の他の好適な組み合わせを有する、多層の不織布材料を含む。例えば、コアは、スパンボンド-メルトボンド-スパンボンド、スパンボンド-スパンボンド、又はスパンボンド-スパンボンド-スパンボンドの多層材料であってもよい。又は、コアは、不織布層及びフィルム層を含む、複合ウェブであり得る。
【0087】
本明細書で使用される「メルトブローン」とは、ダイ中の複数のオリフィスを通じて溶融繊維形成材料を押出し、繊維を形成しながら、この繊維を空気又は他の減衰性流体と接触させて、繊維を繊維状に細くした後、細くなった繊維を捕集することによって、不織布繊維ウェブを形成するための方法を意味する。例示的なメルトブローンプロセスは、例えば米国特許第6,607,624号(Berriganら)で教示されている。「メルトブローン繊維」とは、メルトブローン又はメルトブローンプロセスによって作製された繊維を意味する。「スパンボンディング」及び「スパンボンドプロセス」とは、紡糸口金の複数の微細な毛細管から連続又は半連続繊維として溶融繊維形成材料を押出し、その後、細くなった繊維を捕集することによって、不織布繊維ウェブを形成するための方法を意味する。例示的なスパンボンディングプロセスは、例えば、米国特許第3,802,817号(Matsukiら)で開示されている。「スパンボンド繊維」及び「スパンボンドされた繊維」は、スパンボンディング又はスパンボンドプロセスを用いて製造される繊維を意味する。そのような繊維は、概ね、連続繊維であり、凝集不織布繊維ウェブを形成するように充分に交絡又は点結合されるため、通常、そのような繊維の塊から1つの完全なスパンボンド繊維を取り出すことは不可能である。この繊維は、例えば、非従来型の形状を有する繊維を記述している、米国特許第5,277,976号(Hogleら)で記述されるものなどの形状を有してもよい。「カーディング」及び「カードプロセス」とは、コーミング又はカーディングユニットにより短繊維を加工することによって、不織布繊維ウェブを形成する方法であって、短繊維を分離又は分解し、縦方向に整列させて、概ね縦方向に配向された繊維不織布ウェブを形成する方法を意味する。例示的なカーディングプロセス及びカーディング機械は、例えば、米国特許第5,114,787号(Chaplinら)及び同第5,643,397号に教示されている。「結合カードウェブ」とは、カードプロセスによって形成された不織布繊維ウェブを指し、繊維の少なくとも一部分が、例えば、熱点結合、自己結合、熱風結合、超音波結合、ニードルパンチング、カレンダー加工、スプレー接着剤の適用などを含む方法によって一緒に結合される。不織布ウェブ及び不織布ウェブを含む積層体の製造及び特性に関する更なる詳細は、例えば、米国特許第9,469,091号(Henkeら)に見出すことができ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。「エアレイイング」とは、約3~約52ミリメートル(mm)の典型的な長さを有する小繊維の束が分離されて給気に取り込まれた後、通常、真空供給の助けで形成スクリーンの上に堆積されるプロセスを指す。次いで、ランダムに配向された繊維を、例えば、熱点結合、自己結合、熱風結合、ニードルパンチング、カレンダー加工、スプレー接着剤などを使用して、互いに結合してもよい。例示的なエアレイイングプロセスは、例えば、米国特許第4,640,810号(Laursenら)において教示されている。「ウェットレイイング」とは、約3~約52ミリメートル(mm)の典型的な長さを有する小繊維の束が分離されて給液に取り込まれた後、通常、真空供給の助けで形成スクリーンの上に堆積されるプロセスを指す。水は、典型的には、好ましい液体である。ランダムに堆積された繊維を、更に絡合(例えば、水流絡合)してもよく、又は例えば、熱点結合、自己結合、熱風結合、超音波結合、ニードルパンチ、カレンダー加工、スプレー接着剤の適用などを使用して、互いに結合してもよい。例示的なウェットレイイング及び結合プロセスは、例えば、米国特許第5,167,765号(Nielsenら)に教示されている。例示的な結合プロセスは、例えば、米国特許第9,139,940号(Berriganら)にも開示されている。
【0088】
有用な不織布コアを提供する繊維材料は、天然繊維(例えば、木質繊維又は綿繊維)、合成繊維(例えば、熱可塑性繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせで作製することができる。熱可塑性繊維を形成するための例示的材料としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、エチレンコポリマー、プロピレンコポリマー、ブチレンコポリマー、並びにこれらのポリマーのコポリマー及びブレンド)、ポリエステル、及びポリアミドが挙げられる。不織布基材は、任意の好適な熱可塑性ポリマー材料製の繊維又はフィラメントから形成することができる。好適なポリマー材料としては、限定されるものではないが、ポリオレフィン、ポリ(イソプレン)、ポリ(ブタジエン)、フッ素化ポリマー、塩素化ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(スルホン)、ポリ(ビニルアセテート)、ビニルアセテートのコポリマー、例えばポリ(エチレン)-co-ポリ(ビニルアルコール)等、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(ビニルエステル)、ポリ(ビニルエーテル)、ポリ(ビニルアルコール)、及びポリ(カーボネート)が挙げられる。好適なポリオレフィンとしては、限定されるものではないが、ポリ(エチレン)、ポリ(プロピレン)、ポリ(1-ブテン)、エチレンとプロピレンとのコポリマー、αオレフィンコポリマー(例えば、エチレン又はプロピレンの、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、及び1-デセンとのコポリマー等)、ポリ(エチレン-co-1-ブテン)及びポリ(エチレン-co-1-ブテン-co-1-ヘキセン)が挙げられる。好適なフッ素化ポリマーとしては、限定されるものではないが、ポリ(フッ化ビニル)、ポリ(フッ化ビニリデン)、フッ化ビニリデンのコポリマー(例えばポリ(フッ化ビニリデン-co-ヘキサフルオロプロピレン)等)、及びクロロトリフルオロエチレンのコポリマー(例えばポリ(エチレン-co-クロロトリフルオロエチレン)等)が挙げられる。好適なポリアミドとしては、限定されるものではないが、ポリ(イミノアジポイルイミノヘキサメチレン)、ポリ(イミノアジポイルイミノデカメチレン)、及びポリカプロラクタムが挙げられる。好適なポリイミドとしては、ポリ(ピロメリットイミド)が挙げられる。好適なポリ(エーテルスルホン)としては、限定されるものではないが、ポリ(ジフェニルエーテルスルホン)及びポリ(ジフェニルスルホン-co-ジフェニレンオキシドスルホン)が挙げられる。好適なビニルアセテートのコポリマーとしては、限定されるものではないが、ポリ(エチレン-co-ビニルアセテート)、及びコポリマー中でアセテート基のうちの少なくともいくつかが加水分解され、ポリ(エチレン-co-ビニルアルコール)等の各種のポリ(ビニルアルコール)を生成するようなコポリマーが挙げられる。
【0089】
繊維はまた、例えば、ある熱可塑性材料のコア及び別の熱可塑性材料のシースを有する、多成分繊維であってもよい。シースは、コアよりも低い温度で溶融してもよく、繊維のマットがシース溶融物に曝露されると、繊維間に部分的にランダムな結合を提供する。異なる融点を有する単成分繊維の組み合わせもまた、この目的に有用であり得る。いくつかの実施形態では、本開示によるコアに有用な不織布又はウェブは、少なくとも部分的に弾性である。弾性繊維を作製するためのポリマーの例としては、ABAブロックコポリマー、ポリウレタンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー(例えば、メタロセンポリオレフィンエラストマー)、オレフィンブロックコポリマー、ポリアミドエラストマー、エチレン酢酸ビニルエラストマー、及びポリエステルエラストマーなどの、熱可塑性エラストマーが挙げられる。ABAブロックコポリマーエラストマーは、概ね、Aブロックがポリスチレン系であり、Bブロックが共役ジエン(例えば、低級アルキレンジエン)から調製される、エラストマーである。Aブロックは、主に置換(例えば、アルキル化)若しくは非置換スチレン系部分(例えば、ポリスチレン、ポリ(アルファメチルスチレン)、又はポリ(t-ブチルスチレン))から概ね形成され、1モル当たり約4,000~50,000グラムの平均分子量を有する。Bブロックは概ね、置換又は非置換であり得る共役ジエン(例えば、イソプレン、1,3-ブタジエン、又はエチレン-ブチレンモノマー)から主に形成され、1モル当たり約5,000~500,000グラムの平均分子量を有する。Aブロック及びBブロックは、例えば、線状、放射状、又は星形構成で構成されてもよい。ABAブロックコポリマーは、複数のAブロック及び/又はBブロックを含有してもよく、これらのブロックは同一の又は異なるモノマーから製造されてもよい。典型的なブロックコポリマーは、Aブロックが同一であっても異なっていてもよい線状ABAブロックコポリマーであるか、又は、Aブロックで主に停止する4つ以上のブロックを有するブロックコポリマーである。マルチブロックコポリマーは、例えば、より粘着性のあるエラストマーフィルムセグメントを形成する傾向がある、ある特定の割合のABジブロックコポリマーを含有してもよい。他の弾性的ポリマーを、ブロックコポリマーエラストマーとブレンドすることができ、様々な弾性的ポリマーを、様々な程度の弾性特性を有するようにブレンドしてもよい。数多くのタイプの熱可塑性エラストマーが市販されており、BASF(Florham Park,N.J.)から、「STYROFLEX」の商品名で市販されているもの、Kraton Polymers(Houston,Tex.)から「KRATON」の商品名で市販されているもの、Dow Chemical(Midland,Mich.)から「PELLETHANE」、「INFUSE」、「VERSIFY」、又は「NORDEL」の商品名で市販されているもの、DSM(Heerlen,Netherlands)から「ARNITEL」の商品名で市販されているもの、E.I.duPont de Nemours and Company(Wilmington,Del.)から「HYTREL」の商品名で市販されているもの、ExxonMobil(Irving,Tex.)から「VISTAMAXX」の商品名で市販されているもの、その他のものを挙げることができる。
【0090】
例えば、繊維不織布ウェブは、カード、エアレイド、ウェットレイド、スパンレース、スパンボンド、電界紡糸、又はメルトスパン若しくはメルトブローン等のメルトブロー法、又はこれらの組み合わせによって製造することができる。不織布ウェブのいずれかは、熱可塑性ポリマーの種類、形状、及び/又は厚さが異なる単一のタイプの繊維又は2種以上の繊維から作られてもよく、単一繊維タイプ又は複数の繊維タイプのうちの少なくとも1つはそれぞれ、上記のような多成分繊維であってもよい。
【0091】
短繊維もまた、ウェブ中に存在し得る。短繊維の存在により、概ね、メルトブローンマイクロファイバーのみのウェブよりも、よりロフトが高く、より低密度のウェブがもたらされる。よりロフトが高いウェブは、コア界面又はコア自体のバルクで凝集力が低下し、1つ以上の接着層からの分離がより容易になり得る。
【0092】
不織布物品は、任意選択的に、1層以上のスクリムを更に含み得る。例えば、主表面のいずれか又は両方が、それぞれ任意選択的に、スクリム層を更に含み得る。スクリムは、典型的には、繊維から製造される織布又は不織布の補強材であり、不織布物品に含まれ、強度をもたらす。好適なスクリム材料としては、限定されるものではないが、ナイロン、ポリエステル、繊維ガラス、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。スクリムの平均厚さは様々であってもよい。スクリムの層は、任意選択的に、不織布基材に結合されてもよい。各種の接着剤を用い、スクリムを基材に結合することができる。あるいは、スクリムは、不織布に熱結合されてもよい。
【0093】
有用な不織布コアは、特定の用途にとって望まれる任意の好適なEFD、基本重量又は厚さを有し得る。「有効繊維直径」又は「EFD」は、1気圧及び室温での空気が、指定された厚さ及びの面速度(5.3cm/秒)でウェブサンプルを通され、対応する圧力低下が測定される、空気透過試験に基づく、繊維ウェブ内の繊維の見かけの直径である。測定された圧力低下に基づいて、有効繊維直径は、Davies,C.N.,The Separation of Airborne Dust and Particulates,Institution of Mechanical Engineers,London Proceedings,1B(1952)に記載されているように計算される。不織布基材の繊維は、典型的には、少なくとも0.1、1、2、又は更には4マイクロメートルから、最大で125、75、50、35、25、20、15、10、8、又は更には6マイクロメートルの有効繊維直径を有する。スパンボンドコアは、典型的には、35以下のEFDを有するが、エアレイドコアは、100ミクロン程度でより大きいEFDを有し得る。不織布コアは、好ましくは、基本重量が少なくとも5、10、20、又は50g/m、かつ最大800、600、400、200、又は100g/mの範囲である。基本重量は、10cm×10cmのサンプルの重量から計算される。不織布ウェブの最小引張強度は、縦方向で約4.0ニュートンである。接着性組成物が少なくとも部分的に注入される膜を特徴とする実施形態では、エアレイド又は結合カードウェブで利用可能なより大きいEFD(例えば、少なくとも45)が、特定の状況において望ましい場合がある。理論に束縛されるものではないが、より大きなEFDとそれに付随する高ロフトにより、膜を通る接着剤の浸透を改善することができる。
【0094】
コア不織布のロフトはまた、ソリディティ(本明細書で定義されるように、及び本明細書に報告される方法によって測定される)で特徴付けることができる。ソリディティは、不織布繊維ウェブのバルク密度の測定値をウェブの固体部分を構成する材料の密度で割ることによって求める。ウェブのバルク密度は、最初にウェブの(例えば、10cm×10cmの切片の)重量を測定することによって決定することができる。ウェブの重量の測定値をウェブの面積で割ることでウェブの基本重量が得られ、g/m単位で表される。ウェブの厚さは、直径135mmのウェブのディスクを(例えば、ダイカットによって)得て、直径100mmの230gの重りをウェブ上の中央に置いてウェブ厚さを測定することによって、測定することができる。ウェブのバルク密度は、ウェブの基本重量をウェブの厚さで割ることによって決定され、g/mで表される。次に、不織布繊維ウェブのバルク密度を、ウェブの固体フィラメントを含む材料(例えば、ポリマー)の密度で割ることによって、ソリディティが決定される。バルクポリマーの密度は、供給業者が材料密度を特定していない場合、標準的手段によって測定することができる。
【0095】
ロフトは、100%からソリディティを引いた値として報告される(例えば、7%のソリディティは、93%のロフトに等しい)。より高いロフトはパターンエンボス加工されたコアにおいて特に有利である。というのは、熱エネルギー及び/又は圧力の適用中に、比較的容易に、接着剤が空隙容積全体に浸潤して流れることができるからである。したがって、パターンエンボス加工プロセスで高ロフト不織布コアを結合して、必要な凹部のアレイを作製することが望ましい場合がある。
【0096】
本明細書に開示されるように、約2.0%~12.0%未満(すなわち、約98.0%~88.0%超のロフトの)ソリディティのウェブを製造することができる。様々な実施形態において、本明細書に開示されるウェブは、最大で約7.5%、最大で約7.0%、又は最大で約6.5%のソリディティを有する。更なる実施形態では、本明細書に開示されるウェブは、少なくとも約5.0%、少なくとも約5.5%、又は少なくとも約6.0%のソリディティを有する。
【0097】
ポリマーフィルム
本開示の多くの実施形態では、コアはポリマーフィルムを含んでもよく、ポリマーフィルムからなってもよい。ポリマーフィルムコア層は、例えば単一層又は多層フィルム、多孔質フィルム、及びこれらの組み合わせを含む、様々な形態であってもよい。ポリマーフィルムは、1つ以上の充填材(例えば炭酸カルシウム)を含有してもよい。ポリマーフィルムは、連続層であってもよく、あるいは不連続層であってもよい。多層ポリマーフィルムは、複合フィルム、積層フィルム、及びこれらの組み合わせの形態で、互いに一体的に結合されていることが好ましい。多層ポリマーフィルムは、例えば、共成形、共押出し、押出コーティング、接着剤による接合、加圧接合、加熱接合、及びこれらの組み合わせなどの任意の好適な方法を使用して調製することができる。
【0098】
フィルムは、単一のポリマー材料を含んでもよく、ポリマー材料の混合物から調製されてもよい。好適な材料の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、コポリエステル、又はナフタレンジカルボン酸をベースとするポリエステルブレンドなどのポリエステル;ポリカーボネート;ポリスチレン;スチレン-アクリロニトリル;セルロースアセテート;ポリエーテルスルホン;ポリメチルメタクリレートなどのポリ(メタ)アクリレート;ポリウレタン;ポリビニルクロライド;ポリシクロオレフィン;ポリイミド;又はこれらの組み合わせ若しくはブレンドが挙げられる。
【0099】
コアに含むことができる材料の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン(アイソタクチックポリプロピレンを含む)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリイミド、ポリ(カプロラクタム)、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリラクチド、セルロースアセテート、及びエチルセルロースなどのポリオレフィンが挙げられる。ポリマーフィルム層は、単一層又は多層構造とすることができる。2つ以上のポリマーフィルム層が存在することができる。ポリマーフィルム層は、任意のフィルム形成ポリマーで構成することができる。
【0100】
いくつかの実施形態において、ポリマーフィルム層は、ビニル芳香族共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンと(メタ)アクリレートモノマーとのコポリマー、エチレンと酸修飾を含む(メタ)アクリレートモノマーとのコポリマー、エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー、エチレンとアクリレートを含む酢酸ビニルとのコポリマー、及び/又は酸修飾のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、フィルムは、2~16個の炭素を有するオレフィンモノマーによるポリマーを含有する。いくつかの実施形態において、フィルムは、2つ以上のオレフィンモノマーのコポリマーである。いくつかの実施形態において、フィルムは、アタクチック、シンジオタクチック、又はアイソタクチック立体化学を有するオレフィンモノマーによるポリマーを含有する。いくつかの実施形態において、フィルムは、メタロセン触媒を使用して重合された1つ以上のオレフィンモノマーのコポリマーである。いくつかの実施形態において、フィルムは、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(酢酸ビニル)などのビニルコポリマーで構成される。いくつかの実施形態において、フィルムは、上に列挙したポリマーのいずれかで構成されるブレンドである。
【0101】
例示的な好適なフィルム材料としては、SEBS、SEPS、SIS、SBS、ポリウレタン、エチルビニルアセテート(EVA)、直鎖状超低密度ポリエチレン(ULLDPE)、水素化ポリプロピレン、エチルメチルアクリレート(EMA)、直鎖状超低密度ポリエチレン(ULLDPE)、水素化ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、及びそれらの組み合わせ又はブレンドを挙げることができる。いくつかの実施形態において、ポリマーフィルムは、上に列挙したポリマーのいずれかの複数の層からなる。特定の実施形態において、複数の層は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT出願第US2017/016039号(Rungeら)に記載されているように、コア層及び1つ以上のスキン層を含む。
【0102】
本明細書に記載されるポリマーフィルムは、当該技術分野で知られている任意の方法を用いて製造することができる。
【0103】
粒子
いくつかの実施形態では、コア層は、粒子の集まりからなる。粒子は、1つ以上のコア層に分散させることができる。概ね、粒子は、中実、中空、又は多孔質であり、剛性又は非剛性であってもよい。粒子は、木材、ガラス、セラミック、ポリマー、金属、金属酸化物、及び炭素材料などの任意の好適な材料でできていてもよい。コア層の粒子は、概ね、約1ミクロン~約100milのサイズ範囲である。異なる粒子は、異なるコア層に分散させることができる。1つのコア層には、複数の組成、タイプ、又はサイズの粒子を含有することもできる。1つのコア層の粒子は、同じ又は異なる組成及び表面処理のものであり得る。粒子は、特定の形状に配列させることも、不均一に分布させることもできる。粒子の表面は、疎水性又は親水性となるように処理又は官能化されてもよい。粒子は、アグロメレートしたもの又はアグロメレートしていないものであってもよく、アグリゲートしたもの又はアグリゲートしていないものであってもよい。「アグロメレート」とは、電荷又は極性によりまとまっていてもよく、より小さい構成要素に分解可能である、一次粒子間の弱い会合を意味する。「アグリゲート」とは、得られた外表面積が別個の構成要素の計算された表面積の合計より著しく小さくてもよい、強く結合した、又は融合した粒子を指す。アグリゲートを一体に保持する力としては、強い力、例えば共有結合、又は焼結若しくは複雑な物理的交絡から生じる力を挙げることができる。アグリゲートはまた、可逆的又は温度依存性の結合(例えば、イオン結合)によって共に保持されてもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、コアは無機粒子を含む。無機粒子は、天然のものでも合成のものでもよい。本明細書で使用するとき、用語「合成無機粒子」は、化学合成プロセス(例えば、溶液からの沈殿、火炎加水分解などによって生成)によって、又は物理的合成プロセス(例えば、気相からの沈殿、ゾル-ゲルプロセスなどで固化)によって、その天然に存在する採掘された状態であり得る元の状態からその現在の状態に変換、再生、再結晶化、再構成等がなされた任意の粒子を含む。本明細書で使用するとき、用語「合成無機充填剤」はまた、物理的合成プロセスによって、(その天然に存在する採掘された状態であり得る)元の状態からその現在の状態へ実質的に変換された任意の充填剤を含み、物理的合成プロセスは、少なくとも部分的に軟化又は溶融状態にされ、次いで冷却によって固化され、天然状態に存在し得る任意の実質的に結晶構造が実質的に消去されることにより、材料が(例えば、約0.5重量パーセント未満の結晶化度を有する)実質的に非晶質の形態になるように行われる。このようなプロセスとしては、例えば、溶融加工、火炎融合などが挙げられる。逆に、「天然無機粒子」は、天然に存在する形態で土から抽出された鉱物として定義され、実質的にその天然に存在する形態でありながら、精製及び/又は改質プロセスに供される間に使用されることがある。
【0105】
上記定義を使用すると、合成無機粒子としては、例えば、いわゆるグラスバブルズ又は微小球(3M Company(St.Paul,MN)から商品名3M Glass Bubblesで入手可能なものなど)、セラミック微小球(3M Companyから商品名3M Ceramic Microspheres)で入手可能なものなど)、合成粘土(例えば、Southern Clay Products(GONZALES,TX)から商品名Laponiteで入手可能なものなどの合成ケイ酸塩粘土)、沈殿シリカ、ヒュームドシリカ、ガラス質シリカ、合成二酸化チタン(例えば、硫酸塩プロセス又は塩化物プロセスにより作られる)、合成(沈殿)炭酸カルシウム(例えば、二酸化炭素を水酸化カルシウム溶液に通すことにより作られる)等が挙げられる。
【0106】
好適な天然無機粒子としては、カルサイト、ウィザライト、ルチル、アナターゼ、イルメナイト、マイカ、セリサイト、パーライト、タルク、石灰岩、シリカ、重晶石、石膏、焼成石膏、カオリナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト、イライト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スチブンサイト、セピオライト、ベントナイト、パイロフィライト、珪藻土など、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0107】
コアにおいて使用される場合、ポリマー粒子は、任意の好適なポリマー材料でできていてもよい。ポリマー粒子は、剛性材料又はエラストマー材料でできていてもよい。好適な剛性ポリマー材料としては、熱硬化性ポリマー、例えば、フェノールポリマー、又は熱可塑性ポリマー、例えば、ポリ塩化ビニリデンアクリロニトリルコポリマー(PVDCコポリマー)が挙げられる。例示的なエラストマー微小球は、米国特許第3,691,140号(Silver)、同第3,857,731号、及び同第4,166,152号(Bakerら)に記載されている。他の好適なポリマー粒子としては、Akzo Nobelにより商品名EXPANCEL(登録商標)で販売されているものなどの、アクリロニトリル/メチルメタクリレート熱可塑性コポリマーを含む流体充填微小球が挙げられる。別の態様では、ポリマー粒子は、Henkelによって商品名DUALITE(登録商標)で販売されているものなど、炭酸カルシウムコーティングを有するアクリロニトリルコポリマー又はポリ塩化ビニリデンコポリマーのいずれかからなるシェルを含むことができる。
【0108】
他の例示的な粒子としては、溶融酸化アルミニウム、熱処理酸化アルミニウム、白色溶融酸化アルミニウム、黒色炭化ケイ素、緑色炭化ケイ素、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタン、ダイヤモンド(天然及び合成の両方)、シリカ、酸化鉄、クロミア、セリア、ジルコニア、チタニア、ケイ酸塩、酸化スズ、立方晶窒化ホウ素、ガーネット、溶融アルミナジルコニア、ゾルゲル粒子など、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0109】
典型的には、コアで使用される粒子は、1ミクロン以下の平均一次(いくつかの実施形態では、平均一次及びアグロメレート)粒径(例えば、直径)を有する。「一次粒径」は、単一の(アグリゲートしていない、アグロメレートしていない)粒子の最大寸法(例えば、球状粒子の直径)を指す。いくつかの実施形態では、粒子は、0.1ミクロン以下の平均一次(いくつかの実施形態では、平均一次及びアグロメレート)粒径を有する。
【0110】
粒子は、形状が実質的に球形であり得る。しかしながら、細長い形状等の他の形状が、代わりに利用されてもよい。このような形状の例としては、ロッド、三角形、小板、角錐、円錐、中実球、中空球などが挙げられる。また、粒子はランダムに形作られていてもよい。
【0111】
接着剤
いくつかの実施形態において、コアは接着剤を含む。いくつかの実施形態において、コアは感圧接着剤である。有用な感圧接着剤の一般的な説明は、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,Vol.13,Wiley-Interscience Publishers(New York,1988)に見出され得る。有用な感圧接着剤の更なる説明は、Encyclopedia of Polymer Science and Technology,Vol.1,Interscience Publishers(New York,1964)に見出され得る。感圧接着性組成物は、以下:(1)粘着性、(2)指圧以下の圧力による接着、(3)被着体上に留まる十分な能力、並びに(4)被着体からきれいに取り外すことができるのに十分な凝集力、などの特性を保有することが、当業者には周知である。感圧接着剤として十分に機能することが判明している材料は、所望のバランスの粘着力、剥離接着力、及び剪断保持力をもたらすのに必要な粘弾性特性を呈するように設計かつ配合されたポリマーである。好適なPSAは、架橋又は非架橋(メタ)アクリル、ゴム、熱可塑性エラストマー、シリコーン、ポリウレタンなどをベースとしてもよく、所望の粘着性を提供するための粘着付与剤、並びに他の添加剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、PSAは、(メタ)アクリルPSA又は少なくとも1つのポリ(メタ)アクリレートをベースとするものであり、(メタ)アクリレートは、アクリレート基及びメタクリレート基の両方を指す。いくつかの実施形態では、PSAは、オレフィンブロックコポリマー系接着剤である。アクリル系感圧接着剤は、例えば、米国特許第4,726,982号(Traynorら)、及び同第5,965,256号(Barrera)に記載されている。シリコーン系感圧接着剤は、例えば、米国特許第6,730,397号(Melanconら)、及び同第5,082,706号(Tangney)に記載されている。ポリウレタン系感圧接着剤は、例えば、米国特許出願公開第2005/0137375号(Hansenら)に記載されている。オレフィンブロックコポリマー系感圧接着剤は、例えば、米国特許出願公開第2014/0335299(Wangら)に記載されている。
【0112】
コアは、複数の接着層を含んでもよい。例えば、コアは、内側層として比較的剛性のゴム系接着剤を含んでもよく、内側コア層と剥離可能接着層との間に配置されたより軟質のアクリル系PSAを含んでもよい。別の例として、コアは、比較的軟質のアクリル系接着剤を内側層として含んでもよく、内側コア層と剥離可能接着層との間に配置された比較的剛性のゴム系接着剤を含んでもよい。コア内の接着剤の特性は、所望の特性を達成するように選択又は改質されてもよい。
【0113】
コアで使用される場合、接着剤は、剥離可能接着層とは異なる組成のものとし、任意のコア-接着性界面における凝集力の増加を回避することができる。あるいは、接着剤の表面は、上述のように、剥離材又は防音材層(deadening layer)によって改質されてもよい。
【0114】
ゲル
コアで使用される場合、ゲルは、典型的には、Brookfield LVT粘度計を使用して23℃で測定したときに、少なくとも100,000センチポアズ(cps)、少なくとも500,000cps、少なくとも600,000cps、更に他の実施形態では少なくとも700,000cpsの粘度(測定可能な範囲まで)を有する。いくつかの実施形態では、コアは、好適な溶媒(例えば、加熱テトラヒドロフラン又はトルエン)内で可溶性ポリマーの抽出によって測定されたときに、25%を超える、又は50%を超える、又は80%を超えるゲル含有量(すなわち、ゲル画分)を有することができる。いくつかの実施形態では、ゲルは、上記のような接着剤である。特定のゲル中の結合又は他の引力は、分離後に再構成可能であり、接着性物品が被着体から取り外された後であってもゲルコアを再使用することができる。
【0115】
チキソトロープゲルは、本開示の接着性物品の使用中に通常受ける力の下で流れにくいため、コアに含めるのに特に有用である。好適なゲルとしては、グリセリンを含有するゲル(例えば、米国特許第3,780,537号(Spencer)、及び米国特許出願公開第2010/0274333号(Dunsheeら)を参照);シリコーン及びシロキシ含有化合物を含有するゲル(例えば、米国特許第7,795,326号(Salamoneら)を参照);プロピレングリコールを含有するゲル(例えば、米国特許第5,843,145号(Brink)を参照);架橋ポリアクリルアミド及びポリアクリル酸ナトリウムなどの架橋吸水性ポリマーを含有するゲル(例えば、米国特許第5,697,961号(Kiamil)を参照);並びにポリ(エチレンオキシド)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸-ビニルエーテルコポリマー、ポリアクリル酸、エチレン-無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルエーテル、デキストラン、ゼラチン、ヒドロキシルプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルキルピリジニウムハライド、ポリプロリン、天然デンプン、カゼイン、タンパク質、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルアミン、ポリ-4-ビニルピリジン、オレフィン酸の重合モノエステル、オレフィン酸の重合ジエステル、アクリルアミド及び二官能性重合性材料(例えば、二塩基酸、ジエステル、又はジアミド)等の出発原料から調製された親水性ゲルが挙げられる。
【0116】
例示的な好適なゲルは、NICKELODEON GAKとして(NSI Internationalから)市販されている。
【0117】
剥離可能接着層
本明細書に記載される接着性物品に使用される接着剤は、所望の特性を有する任意の接着剤を含むことができる。いくつかの実施形態において、接着剤は剥離可能である。いくつかの実施形態において、接着剤は、接着性物品が被着体の表面から約35°以下の角度で剥離されるときに、被着体の表面からきれいに剥離する。いくつかの実施形態において、剥離可能接着剤は、物品が被着体の表面から約35°以上の角度で剥離されるときに、被着体の表面に接着剤の跡が実質的に残らないように被着体の表面から剥離される。
【0118】
接着剤は、例えば、以下の特許出願のいずれかに記載される接着剤のいずれかであってもよく、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる:国際公開第2015/035556号、同第2015/035960号、同第2017/136219号、同第2017/136188号、及び米国特許出願公開第2015/034104号、これらは全てその全体が本明細書に組み込まれる。
【0119】
いくつかの実施形態において、剥離可能接着剤は、感圧接着剤である。任意の好適な組成物、材料、又は成分を感圧接着剤に使用することができる。例示的な感圧接着剤は、例えば、1種以上の粘着性樹脂と組み合わせて、1種以上の熱可塑性エラストマーを用いる。いくつかの実施形態において、接着剤は感圧接着剤ではない。
【0120】
いくつかの実施形態において、剥離可能接着層は、ゴム、シリコーン、又はアクリル系の接着剤のうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態において、剥離可能接着層は、感圧接着剤(PSA)を含むことができる。いくつかの実施形態において、剥離可能接着剤は、天然ゴムなどの粘着付与ゴム接着剤;オレフィン;シリコーンポリウレア又はシリコーンブロックコポリマーなどのシリコーン;ポリイソプレン、ポリブタジエン、及びスチレン-イソプレン-スチレンコポリマー、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンコポリマー及びスチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、及び他の合成エラストマーなどの合成ゴム接着剤;及び放射法、溶液法、懸濁法、又はエマルション法によって重合することのできるイソオクチルアクリレートとアクリル酸とのコポリマーなどの粘着付与のアクリル系接着剤又は非粘着付与のアクリル系接着剤;ポリウレタン;シリコーンブロックコポリマー;並びに上記のものの組み合わせを含み得る。
【0121】
概ね、接着剤の配合に有用な任意の既知の添加剤も含まれ得る。添加剤としては、可塑剤、劣化防止剤、紫外線安定剤、着色剤、熱安定剤、抗感染剤、充填剤、架橋剤、並びにこれらの混合物及び組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、接着剤は、無機繊維及び/又は有機繊維を含み得る繊維又は繊維スクリムで強化することができる。好適な繊維スクリムは、織布、不織布、又はニットウェブ又はスクリムを含んでもよい。例えば、スクリム内の繊維としては、ワイヤ、セラミック繊維、ガラス繊維(例えば、ファイバーグラス)、及び有機繊維(例えば、天然及び/又は合成有機繊維)を挙げることができる。
【0122】
いくつかの実施形態において、接着剤は粘着付与剤を含む。いくつかの例示的な粘着付与剤は、ポリテルペン、テルペンフェノール、ロジンエステル、及び/又はロジン酸のうちの少なくとも1つを含む。
【0123】
いくつかの実施形態において、剥離可能接着剤は、バッキング上にコーティングすることのできる流動性接着剤である。いくつかの実施形態において、剥離可能接着剤は、例えば、ドイツ特許第3331016号に概ね記載されているように、より固形の接着剤である。
【0124】
いくつかの実施形態では、剥離可能接着剤は、tanδピーク値の動的機械分析によって測定される、約-125℃~約20℃のTgを有する。いくつかの実施形態において、剥離可能接着剤は、約-70℃~約0℃のTgを有する。いくつかの実施形態において、剥離可能接着剤は、約-60℃~約-20℃のTgを有する。いくつかの実施形態において、剥離可能接着剤が、-80℃超、-70℃超、-60℃超、-50℃超、-40℃超、又は-30℃超のTgを有する。いくつかの実施形態において、剥離可能接着剤が、20℃、10℃、0℃、-10℃、-20℃、又は-30℃未満のTgを有する。
【0125】
本開示の接着性物品に使用できるいくつかの剥離可能接着剤は、動的機械分析によって測定したときに、25℃で約300,000Pa以上、約400,000Pa以上、約500,000Pa以上、約1,000,000Pa以上の貯蔵弾性率を有する。他の実施形態では、接着剤は、動的機械分析によって測定したときに、25℃で750,000Pa以下、500,000Pa以下、400,000Pa以下、300,000Pa以下、又は250,000Pa以下の貯蔵弾性率を有する。
【0126】
いくつかの実施形態において、コアの第1主面又は第2主面のうちの少なくとも一方における剥離可能接着剤の厚さは、約1μm~約1mmである。
【0127】
いくつかの実施形態において、接着剤の接着特性は、0.1N/dm~25N/dmの範囲であり得る。いくつかの実施形態において、接着剤の接着特性は、0.5N/dm~10N/dmの範囲であり得る。いくつかの実施形態において、接着剤の接着特性は、1N/dm~5N/dmの範囲であり得る。
【0128】
いくつかの実施形態において、剥離可能接着剤は、ASTM試験方法D3654M-06によって測定されるように、例えば、1平方インチ当たり1~20ポンドの剪断強度をもたらすことができる。
【0129】
いくつかの実施形態において、剥離可能接着剤は、損傷がない又は最小限である剥離を達成するように調整される。そのようにするための例示的な方法及び物品は、例えば、米国特許第6,835,452号、国際公開第2018/039584号、同第2017/136188号に記載されており、それぞれ全体が本明細書に組み込まれる。
【0130】
接着性物品
いくつかの実施形態において、接着性物品は更にタブを含む。タブは、被着体からの接着性物品の剥離を支援又は開始するために、ユーザが容易にアクセスできる領域である。取り外し用タブは、最も外側の接着層によって粘着性とすることができ、又は伸長フィルム、非伸長フィルム、剥離ライナーの層による被覆によって、又は粘着性低減接着剤によって非粘着性とすることができる。タブは、物品の全ての構成要素を組み立てること、及び、例えば、ダイカット法、レーザーカット法、又は圧着法を使用してタブ周辺部を画定することによって作製されてもよい。
【0131】
いくつかの実施形態において、接着性物品は更に、1つ以上の剥離ライナーを含む。剥離ライナーは、例えば、接着層の主面のいずれか又は両方にあることができる。剥離ライナーは、製造中、輸送中、及び使用前に接着剤を保護する。ユーザは、接着性物品の使用を望む場合、剥離ライナーを剥ぎ取るか又は取り除いて接着剤を露出させることができる。好適なライナーの例としては、紙、例えばクラフト紙、又はポリマーフィルム、例えばポリエチレン、ポリプロピレン若しくはポリエステルが挙げられる。ライナーの少なくとも一方の表面を、シリコーン、フルオロケミカル、又は他の低表面エネルギー系剥離材料などの剥離剤で処理して、剥離ライナーを設けることができる。好適な剥離ライナー、及びライナーを処理する方法は、例えば、米国特許第4,472,480号、同第4,980,443号、及び同第4,736,048号に記載されており、これらは本明細書に組み込まれる。好ましい剥離ライナーは、フルオロアルキルシリコーンポリコーティング紙である。剥離ライナーに、線、ブランド証印又は他の情報を印刷することができる。
【0132】
いくつかの実施形態において、本開示の接着性物品は、損傷を伴わずに基材又は表面から取り外すことができる。特に有利な実施形態では、接着性物品は、損傷を伴わずに、塗装された乾式壁及び壁紙のうちの少なくとも一方から取り外すことができる。
【0133】
本開示のいくつかの接着性物品は、優れた剪断強度を有する。本開示のいくつかの実施形態は、ASTM D3654-82に従って測定されたときに、1600分を超える剪断強度を有する。本開示のいくつかの実施形態は、ASTM D3654-82に従って測定されたときに、10,000分を超える剪断強度を有する。本開示のいくつかの他の実施形態は、ASTM D3654-82に従って測定されたときに、100,000分を超える剪断強度を有する。
【0134】
本開示のいくつかの接着性物品は、より低い90°剥離接着強度を示し、接着性物品の取り外しをより容易にする。他のものは、より高い90°剥離接着強度を示すが、依然として損傷のない取り外しを提供する。本開示のいくつかの接着性物品は、偶発的に分離することなく、ユーザによる接着性物品の取り扱いを可能にするように、より高い90°剥離接着強度を有することができる。本開示のいくつかの実施形態は、約50oz/in~400oz/inの90°剥離接着強度を有する。本開示のいくつかの実施形態は、約100oz/in~300oz/inの90°剥離接着強度を有する。本開示のいくつかの実施形態は、約150oz/in~250oz/inの90°剥離接着強度を有する。
【0135】
本開示のいくつかの接着性物品は、重り吊り下げ試験による、2lbs重量を少なくとも48時間保持する、改善された重量支持能力を示す。現時点で好ましい実施形態では、本開示の接着性物品は、重り吊り下げ試験による、2lbs重量を少なくとも72時間保持する、改善された重量支持能力を示す。
【0136】
本開示のいくつかの接着性物品は、少なくとも1つの方向において50%超の破断伸びを有する。本開示のいくつかの接着性物品は、少なくとも1つの方向において約50%~約1200%の破断伸びを有する。
【0137】
本開示のいくつかの接着性物品は、35°以上の角度で被着体から取り外される前に接着性物品が裂けないほどに十分高い破断点引張強度を有する。いくつかの実施形態において、本開示の接着性物品は、先行技術の接着材装着物品よりも向上した、基材又は表面に対する形状適合性を有する。いくつかの実施形態において、本開示の接着性物品は、基材又は表面に接着したり取り付けられたりしたときに、先行技術の接着剤装着物品よりも大きな重量を保持する。いくつかの実施形態において、本開示の接着性物品は、基材又は表面に接着したり取り付けられたりしたときに、先行技術の接着剤装着物品よりも長い時間にわたってより大きな重量を保持する。いくつかの実施形態において、本開示の接着性物品は、先行技術の接着剤装着物品よりも長い時間にわたって、テクスチャ加工された、粗い、又は不規則な表面に接着されたままである。いくつかの実施形態において、本開示の接着性物品は、テクスチャ加工された、粗い、又は不規則な表面に接着されたときに、先行技術の接着剤装着物品よりも大きな重量を保持する。
【0138】
いくつかの実施形態では、接着性物品は実質的に光学的に透明である。いくつかの実施形態は、少なくとも約50%の光透過率を有する。いくつかの実施形態は、少なくとも約75%の光透過率を有する。いくつかの実施形態は、40%以下のヘイズを有する。いくつかの実施形態は、20%以下のヘイズを有する。接着性物品の光透過率及びヘイズの両方は、例えば、ASTM D1003-95を使用して決定することができる。
【0139】
いくつかの実施形態において、接着性物品は、10%のひずみにおいて、70%超、又は80%超、又は95%超の弾性回復率を呈する。いくつかの実施形態において、接着性物品は、25%のひずみにおいて、70%超、又は80%超、又は90%超の弾性回復率を呈する。いくつかの実施形態において、接着性物品は、50%のひずみにおいて、70%超、又は80%超、又は90%超、又は95%超の弾性回復率を呈する。いくつかの実施形態において、接着性物品は、100%のひずみにおいて、50%超、又は70%超、又は95%超の弾性回復率を呈する。
【0140】
いくつかの実施形態では、コアは、コア材料の剥離力への寄与を低減、最小化、又は排除することによって、基材の損傷を防止又は最小化することができ、損傷のない接着剤の取り外しを助ける。いくつかの実施形態において、これは0~180度の範囲の剥離角度で起こり得る。いくつかの実施形態において、最終的な接着性物品構造体が被着体から90~180度で剥離されるとき、コアは、剥離中に1%未満伸長する。いくつかの実施形態において、接着性物品構造体が被着体から90~180度で剥離されるとき、コアは、剥離中に5%未満伸長する。いくつかの実施形態において、構造体が被着体から90~180度で剥離されるとき、コアは、剥離中に10%未満伸長する。いくつかの実施形態において、物品が被着体から90~180度で剥離されるとき、コアは、ひずみ10%超で伸長し、その変形の80%超を弾性回復する。いくつかの実施形態において、接着剤が被着体から90~180度で剥離されるとき、コアは、ひずみ10%超で伸長し、その変形の90%超を弾性回復する。いくつかの実施形態において、接着性物品が被着体から90~180度で剥離されるとき、コアは、ひずみ10%超で伸長し、その変形の95%超を弾性回復する。いくつかの実施形態において、接着性物品が被着体から90~180度で剥離されるとき、コアは、ひずみ10%超で伸長し、その変形の99%超を弾性回復する。
【0141】
本開示の接着性物品は、有利には、取り外しの際に基材の損傷の低減又は排除を伴う、向上した重量支持能力を提供することができる。したがって、本開示の現時点で好ましい実施形態は、有効な重量支持能力、利用可能な接着剤面積1平方インチ当たりのより強い接着性、及び損傷を伴わずに塗装された乾式壁基材からの剥離、除去性を示す。
【0142】
ハードグッド
いくつかの実施形態は、ハードグッド又は取り付けデバイスを更に含む。例示的なハードグッド又は取り付けデバイスとしては、例えば、フック、ノブ、クリップ、及びループが挙げられる。いくつかの実施形態において、ハードグッドは釘に似ている。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、吊り下げ面として機能するための単一の外向き突出部を有する。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、吊り下げ面として機能するための複数の外向き突出部を有する。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、1つ以上の物品を、非限定的に箱又は小箱などの内部に保持できる形状に成形される。いくつかの実施形態において、ハードグッドは棚板、棚状突起、又は架台である。いくつかの実施形態において、ハードグッドはバーであり、バーは、真っ直ぐ若しくは湾曲していてもよく、又は実質的にリングでもよく、バーは、基材表面に対して平行又は垂直に装着することができる。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、物品を装着する又は吊り下げるための複数の方法を使用する。本開示の接着性物品と共に、以下の取り付けデバイス:出願案件番号77486US002(本譲受人に譲渡されている)、米国特許第5,409,189号(Luhmann)、同第5,989,708号(Kreckel)、同第8,708,305号(McGreevy)、同第5,507,464号(Hamerskiら)、同第5,967,474号(doCantoら)、同第6,082,686号(Schumann)、同第6,131,864号(Schumann)、同第6,811,126号(Johanssonら)、同第D665,653号、及び同第7,028,958号(Pitzenら)のうちのいずれも使用することができ、それらの文献は全て、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。ハードグッドは、基材に装着される任意の対象物でもよい。
【0143】
いくつかの実施形態において、ハードグッドは、1つ以上の箇所で基材に装着され、装着位置の1つ以上が、本発明で説明される接着性物品を含む。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、取り外し可能な物品と、非限定的に釘、ねじ、ボルト、及びリベットなどの従来のメカニカルファスナーとの組み合わせを使用して装着される。
【0144】
いくつかの実施形態において、ハードグッドは、熱可塑性ポリマーから製造される。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、熱硬化性ポリマーから製造される。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、ポリオレフィン材料を使用して製造される。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、ポリカーボネート材料を使用して製造される。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、高耐衝撃性ポリスチレンを使用して製造される。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)ターポリマーを使用して製造される。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、2種以上のポリマー材料を使用して製造される。いくつかの実施形態において、ハードグッドは金属から製造される。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、ステンレス鋼から製造される。いくつかの実施形態において、金属は、その外観を改変するために、塗装、艶出し、染色、ブラッシング、又はコーティングされる。いくつかの実施形態において、ハードグッドはセラミックから製造される。いくつかの実施形態において、ハードグッドは艶出しセラミックから製造される。いくつかの実施形態において、ハードグッドは非艶出しセラミックから製造される。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、木材、竹材、パーティクルボード、布、キャンバスなどの天然系材料、又は生物源由来材料などで構成される。いくつかの実施形態において、天然系材料は、それらの外観を変更するために、塗装、艶出し、染色、又はコーティングされてもよい。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、上記のリストから2種以上の材料を使用して製造される。いくつかの実施形態において、ハードグッドは、可逆的若しくは不可逆的に取り付けられる、接合される、又は溶接される2つの部品から製造される。
【0145】
いくつかの実施形態において、ハードグッドは2つの部品を備え、第1の部品は、基材に接着性物品を取り付けるための装着面として機能し、第2の部品は、基材に対象物を吊り下げる又は装着するために使用され得る吊り下げ部材として機能する。2つの部品は、メカニカルファスナー、フックアンドループ材料、又は追加の接着層を使用して可逆的に取り付けられてもよい。
【0146】
ハードグッドは、当該技術分野で知られている任意の方法を使用して作製することができる。
【0147】
いくつかの実施形態において、剥離可能接着層及びコアは、積層プロセスを使用してハードグッドに取り付けられてもよい。いくつかの実施形態において、剥離可能接着層及びコアは、複数の積層プロセスを使用してハードグッドに取り付けられてもよい。
【0148】
いくつかの実施形態において、コアは、1つ以上の成形型を使用する2つ以上の射出成形工程を使用して、ハードグッドに取り付けられてもよい。
【0149】
いくつかの実施形態において、コア及び/又は剥離可能接着層は、エンドユーザによって手で取り付けられてもよい。
【0150】
本明細書に記載される接着性物品の製造方法
本明細書に記載される接着性物品は、様々な方法で製造することができる。一実施形態は、コアの主面に、又は主面に隣接して接着剤を配置することを伴う。いくつかの実施形態において、コアの他の主面に第2の接着剤が配置される。
【0151】
接着剤は、知られている任意の方法でコア上に配置することができ、例えば、感圧接着性組成物は、剥離ライナー上にコーティングされる、コア上に直接コーティングされる、又は別個の層として形成され(例えば、剥離ライナー上にコーティングされ)た後にコアに積層されることができる。接着剤は、例えば、溶媒コーティング法、水性コーティング法、又はホットメルトコーティング法、例えば、ナイフコーティング、ロールコーティング、リバースロールコーティング、グラビアコーティング、ワイヤ巻きロッドコーティング、スロットオリフィスコーティング、スロットダイコーティング、押出コーティングなどをはじめとする、既知の堆積方法でコア上に堆積させることができる。
【0152】
コアは、上述の方法を使用して、選択的に固化、薄化、又は高密度化されてもよい。コアは、接着剤が一方又は両方の主面上に配置される前、配置されている間、又は配置された後に固化(例えば、凝縮)されてもよい。現時点で好ましい実施態様では、接着剤が堆積されるにつれて(すなわち、同時に又はほぼ同時に)固化が生じる。
【0153】
特定の実施態様では、コアは、超音波溶接を使用して選択的に固化される(すなわち、凹部の配列パターンが作製される)。超音波溶接(「音響溶接」又は「音波溶接」と呼ばれることもある)において、接合される2つのパーツは、振動エネルギーを送達するための超音波「ホーン」と呼ばれるツールに近接して配置される。これらのパーツ(又は「ワークピース」)は、ホーンとアンビルとの間に拘束されている。多くの場合、ホーンは、ワークピース及びアンビルの垂直上方に位置付けられている。ホーンは、典型的には20,000Hz~40,000Hzで振動し、典型的には圧力下の摩擦熱の形態で、パーツにエネルギーを伝達する。摩擦熱及び圧力により、パーツのうちの少なくとも1つの部分が軟化又は溶融し、パーツを接合するか、又はホーン又はアンビルのいずれかから移送されたパーツにエンボス加工されたパターンを作製する。
【0154】
溶接プロセス中に、交流(AC)信号は、コンバータ、ブースタ、及びホーンを含むホーンスタックに供給される。コンバータ(「トランスデューサ」とも呼ばれる)は、AC信号を受信し、AC信号の周波数に等しい周波数で圧縮及び伸張することによってそれに応答する。したがって、音響波は、コンバータを通ってブースタに伝わる。音響波面がブースタを通って伝播すると、増幅され、ホーンによって受信される。最後に、波面はホーンを通って伝播し、ワークピース上に付与され、それによって、ワークピースを一緒に溶接するか、又は前述のようにパーツ上にエンボス加工されたパターンを作製する。
【0155】
別のタイプの超音波溶接は、「連続超音波溶接」である。このタイプの超音波溶接は、典型的には、布地及びフィルム、又は他の「ウェブ」ワークピースを封止するために使用され、溶接装置を通して概ね連続的に供給され得る。連続溶接では、超音波ホーンは典型的には静止しており、溶接されるパーツはその下に移動される。連続超音波溶接の1つのタイプは、回転式に固定されたバーホーン及び回転アンビルを使用する。ワークピースは、バーホーンとアンビルとの間に供給される。ホーンは、典型的には、ワークピースに向かって縦方向に延び、振動はホーンに沿ってワークピース内へと軸方向に移動する。別のタイプの連続超音波溶接では、ホーンは回転式であり、円筒形であり、縦軸を中心に回転する。入力振動はホーンの軸方向であり、出力振動はホーンの径方向である。ホーンは、アンビルに近接して配置され、典型的には、溶接されるワークピースが、円形表面の接線速度に実質的に等しい直線速度で円筒形表面の間を通過するように回転することもできる。超音波溶接システムは、米国特許第5,976,316号、及び同第7,690,548,号に記載されており、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0156】
他の現時点で好ましい実施態様では、コアはパターンエンボス加工によって固化される。概ね、コアは、凹部の所望の配列に対応する凹凸領域を有するパターン化された(例えば、刻まれた)金属ロール、及び概ね金属又はゴムで形成された固体バックアップロールを通される。しかしながら、コアはまた、米国特許第5,256,231号(Gormanら)に記載されているように、対応する又は交互の刻まれた領域を表示する2つのパターン化されたロール間に供給されてもよい。いずれの場合も、コアがパターン接触点に沿って熱結合されるように、1つ以上のロールに熱を供給することが典型的である。
【0157】
現時点で好ましい実施形態では、本発明による繊維ウェブは、パターンロール及びパターン化されたバックアップロールで熱的にエンボス加工される。概ね、温度は、コアが破壊されることなく、又は別様に使用可能な強度レベルより低くコアを著しく弱めることなく、コアの繊維が接触点で熱融着される温度である必要がある。この点に関して、パターンロールの温度を約70℃~220℃、又は約85℃~180℃に維持することが典型的である。パターンロールは、同じ又は異なる温度で維持されてもよい。加えて、パターンロールは、典型的には、約17N/mm~約150N/mm、又は約35N/mm~約90N/mmの圧力で不織布シート材料と接触する。
【0158】
別の態様では、本開示は、表面に1つ以上の凹部の配列パターンを作製する方法を提供する。このプロセスのフロー図を図8に示す。工程500では、コア材料(すなわち、バッキング)が提供される。コア材料は、別個の形態で、又は材料の連続ウェブの一部として提供され得る。工程510では、第1の特徴パターンに関するパターンパラメータが定義され、表面上の凹部の初期位置、間隔、及びサイズを制御する。第1の特徴パターンとしては、デカルトグリッドアレイ、六角形アレイ、並びに他の構造化及び非構造化アレイを挙げることができるが、これらに限定されない。次に、工程520では、結合装置を、所定の移動経路に沿ってコアの第1の表面に対して移動させて、材料を固化させ、第1の特徴パターンの第1の部分を作製する。連続的な溶接又はパターンエンボス加工を特徴とするものを含む他の実施態様では、コアの表面を、結合装置に対して移動させてもよい。第1の部分は、第1の特徴パターン及びコア表面上の第1の特徴パターンの所望の配向に応じて、概ね水平形、垂直形、斜め形、正弦波形、渦巻き形、又は他の線形若しくは非線形の列の特徴であってもよい。
【0159】
パターン部分を作製するこのプロセスは、凹部の第1の配列パターン全体がコア表面の所望の部分上に作製されるまで、工程530で繰り返される。特定の実施形態では、結合装置は、第1のパターンパラメータ(例えば、ピッチ)に従って第1の列からオフセットされ、続けて装置とコア表面との間の同じ相対配向で表面を再び横断して、第1の配列パターンの第2の後続部分を作製する。パターン化ロールによるエンボス加工などの連続ウェブ固化に依存するプロセスでは、コアは、ウェブ全体の所望の部分上に第1のパターン部分が連続的に作製されるように、ロールを通して供給され続けることができる。あるいは、プロセス500は、a)パターンが完全である場合、及び/又は、b)更なるコア材料を固化する必要がない場合、工程520で停止してもよい。
【0160】
任意選択的に、工程500~530で概説されるプロセスを使用して、工程540~560に記載されるように、第1の配列パターンと少なくとも部分的に重なり合う追加のパターンを作製することができる。しかしながら、表面に対する配列パターンの配向及び特性は、第1のパターンと第2のパターンとの間で、又はそれらの中で変更することができる。例えば、第2のパターンは、より大きい寸法を有するチャネル又は凹部からなってもよい。第1のパターンと第2のパターンとの間のピッチ又は他のパラメータの変更により、工程500~530で作製された凹部が著しく破壊される可能性がある。特定の実施態様では、この破壊は、予想される断面寸法(典型的には直径)を超える特徴部の境界領域を重ねることによって引き起こされる。隣接する凹部間の実質的な重なりにより破壊することで、ベース及び/又は底面における深さ、容積、曲率、及び断面寸法を含むがこれらに限定されない特徴の1つ以上の特性を変えることができる。典型的な実施態様では、コア材料は、第2の配列パターンの外観を呈する。
【0161】
図8に示すプロセスは、2つの重なり合う特徴パターンの作製のみを概説するが、当業者は、多くの重なり合うパターンが作製され得ることを理解するであろう。例えば、3つ、4つ、6つ、及び8つの重なり合うアレイ及び凹部のパターンを有する表面を作製することが可能である。現時点で好ましい状況では、表面に対するパターンの配向は、各パターンの作製後に変更(例えば、回転)される。
【0162】
別の態様では、本開示は、侵入特徴部の第1の配列パターンを既に有するコア材料内に接着性物品を作製するための方法を提供する。最初に、凹部の第1の配列パターン及び2つの主面を含むコア材料が提供される。コアは、例えば、Midwest Filtration LLC(West Chester Township,OH)から入手可能な、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド不織布ウェブである点結合フィルムUnipro 275であってもよい。次に、コアの一方又は両方の主面上に接着剤を堆積させることができる。接着剤-コア界面が作製されると、図8の方法の工程500~530で概説されるプロセスを使用して、第1の配列パターンと少なくとも部分的に重なり合う追加のパターンを作製することができる。表面に対する配列パターンの配向及び特性は、第1のパターンと第2のパターンとの間で、又はそれらの中で変更することができる。例えば、第2のパターンは、第1のパターンの要素よりも大きい寸法を有するチャネル又は凹部からなってもよい。
【0163】
2つ以上の配列パターンを使用することにより、本開示の接着性物品に特定の利点を提供することができる。例えば、第1の配列パターンは、物品の剪断保持能力を改善するように選択され得る。第1のパターンとは異なる第2の配列パターンは、剥離中の性能(例えば、損傷低減及び剥離力)を改善するように選択することができる。例示的な一実施形態では、第1の配列パターンは別個の円形の凹部を含み、第2のパターンは、コアの主面にわたって延びる複数のチャネルを含む。
【0164】
別個の接着性物品は、例えば、レーザーカット、ダイカット、スタンピング、クリンプ、又はこれらの組み合わせなどの切断プロセスによって、コア又は接着剤積層コアの連続ウェブから形成することができる。
【0165】
本明細書に記載される接着性物品の使用方法
本開示の剥離可能な物品は、様々な方法で使用することができる。いくつかの実施形態において、接着性物品は、被着体に、適用され、付着され、又は押し付けられる。このようにして、接着性物品は被着体と接触する。剥離ライナーが存在する場合、剥離ライナーは、接着性物品が被着体に適用され、付着され、又は押し付けられる前に、取り除かれる。いくつかの実施形態では、接着性物品が被着体に適用され、付着され、又は押し付けられる前に、被着体の少なくとも一部分がアルコールで拭われる。
【0166】
接着性物品を被着体から取り外すために、接着性物品の少なくとも一部分が、被着体から剥ぎ取られたり伸長剥離されたりする。いくつかの実施形態において、伸長角度は35°以下である。タブが存在する実施形態において、ユーザは、タブを掴み、それを使用して接着性物品を被着体から剥離する又は取り外すことができる。
【0167】
接着性物品は、表面に取り付けられた多くの物品のうちの1つとして、又は接着性物品のスタックの一部として、単独で使用することができる。後者の実施態様では、結果として得られる構造体が、互いに垂直の関係で配置された複数の接着性物品を含むかもしれない。
【0168】
使用
接着性物品は、浴室に見られるような湿潤環境又は高湿度環境で使用されてもよい。例えば、接着性物品はトイレ(例えば、トイレタンク)、バスタブ、シンク、及び壁に接着することができる。接着性物品は、シャワー、ロッカー室、スチーム室、プール、高温タブ、及びキッチン(例えば、キッチンシンク、食器洗浄機、及びバックスプラッシュ領域、冷蔵庫及びクーラー)で使用されてもよい。接着性物品はまた、屋外用途及び冷蔵庫などの低温用途で使用されてもよい。有用な屋外用途としては、標識などの物品を窓、ドア、及び車両などの屋外表面に結合することが挙げられる。
【0169】
接着性物品は、塗装された乾式壁、石膏、コンクリート、ガラス、セラミック、ガラス繊維、金属又はプラスチックなどの表面に様々な物品及び対象物を装着するために使用されてもよい。装着可能な物品としては、非限定的に、壁ハンガー、オーガナイザー、ホルダー、バスケット、容器、装飾(例えば、休日装飾)、カレンダー、ポスター、ディスペンサー、ワイヤクリップ、車両上のボディサイド成形、取っ手、道路標識、車両マーキング、輸送マーキング、及び反射シートなどの標識用途が挙げられる。
【0170】
接着性物品は、滑り防止マット又は摩耗しにくいマットなどの物品及び材料を、床面又はタブ若しくはシャワーの底部に装着したり、エリアラグなどの物品を床に固定したりするために使用されてもよい。接着性物品は、後で分離する少なくとも2つの容器(例えば、箱)を接着するなど、様々な接合用途及び組み立て用途で使用することができる。接着性物品は、例えば、対象物の下に配置するための緩衝材、遮音シート材、振動減衰、及びそれらの組み合わせなどの、様々な緩衝用途及び音抑制用途で使用することができる。接着性物品は、容器密閉具(例えば、ボックス密閉具、食品容器用の密閉具、及び飲料容器用の密閉具)、おむつ密閉具、及び外科用ドレープ密閉具を含む様々な閉鎖用途で使用することができる。接着性物品は、様々な断熱用途で使用することができる。接着性物品は、液体用、蒸気(例えば、水分)用、及び塵埃用のガスケットなどの様々な封止用途で使用することができる。接着性物品は、取り外し可能なラベル(例えば、ノート、値札、及び容器上の識別ラベル)などの様々なラベル、及び標識に使用することができる。接着性物品は、様々な医療用途(例えば、病院における救急絆、創傷ケアなどの医療器具の標識)で使用することができる。接着性物品は、1つの対象物(例えば、壺又は他の壊れやすい対象物)を別の対象物(例えば、テーブル又は本棚)に固定するなどの様々な固定用途で使用することができる。接着性物品は、ロック機構の1つ以上の構成要素を基材に固定するなどの様々な固定用途で使用することができる(例えば、子供用の安全ロックをキャビネット又はカップボードに接着できる)。接着性物品は、様々な改ざん表示用途(例えば、改ざん表示物品)で使用することができる。接着性物品はまた、非限定的に、研磨物品(例えば、サンダー仕上げ用)、サンダー仕上げ及び研磨用途の物品(例えば、バフ磨きパッド、ディスクパッド、ハンドパッド、及び研磨パッド)、路面マーキング物品、カーペット(例えば、カーペット用バッキング)、及び電子機器(例えば、携帯電話又はPDA(携帯情報端末)内の筐体内に電池を固定して、望ましくない動きを防止するなど)の様々な他の構造体に組み込むことができる。
【0171】
接着性物品(すなわち、接着テープ又は単一物品内のもの)は、例えば、テープ、ストリップ、シート(例えば、有孔シート)、ラベル、ロール、ウェブ、ディスク、及びキット(例えば、装着用の対象物と、対象物を装着するために使用される接着テープ)などの、任意の有用な形態で提供することができる。同様に、例えば、ディスペンサー、バッグ、箱、及びカートンを含む任意の好適なパッケージ内の、例えば、テープ、ストリップ、シート(例えば、有孔シート)、ラベル、ロール、ウェブ、ディスク、キット、スタック、タブレット、及びそれらの組み合わせを含む任意の好適な形態で、複数の接着性物品を提供することができる。接着性物品は、活性接着剤面積のサイズが本質的に限定されない可能性があるため、ロール形態で提供されるのに特に適している。
【0172】
また、光学レンズ又はカバーなどの基材を、セルラー電話又は携帯音楽プレーヤ(例えば、MP3プレーヤ)などの光学ディスプレイデバイスに固定するための使用を可能にする望ましい光学特性を有する接着性物品に対する必要性も存在する。そのような最終用途において、接着性物品は光学的に透明であることが望ましい場合がある。
【0173】
接着性物品はまた、最初に再配置可能であってもよく、そして尚、接着層のうちの1つが粘着性を失うまで、一部コアの反復適用の中で再利用可能であってもよい。本明細書で使用するとき、「再配置可能」とは、基材に適用し、次いで、接着性物品又は基材を歪ませたり、汚損したり、又は破壊したりすることなく、取り外し及び再適用することができる接着性物品を意味する。
【0174】
実施形態
1.対象物を表面に取り付けるための接着性物品であって、第1の接着層と、第1の接着層に隣接し周辺部を画定するコアであって、コア材料を含み、第1主面及び第2主面を含む、コアと、コアの少なくとも第1主面上の凹部の第1の配列パターンであって、各凹部はコア材料を含む膜で終端する、第1の配列パターンと、底壁面にある接着性界面であって、第1の接着層と膜との間の接触を含む、接着性界面と、を含む、接着性物品。
【0175】
2.コアが、不織布材料を含む、実施形態1に記載の接着性物品。
【0176】
3.膜が、固化された不織布材料を含む、実施形態2に記載の接着性物品。
【0177】
4.コア材料が空隙容積を有し、膜の空隙容積が、空隙容積がないことも含め、隣接する凹部間の隙間空間内のコア材料の空隙容積より実質的に小さい、実施形態3に記載の接着性物品。
【0178】
5.膜が、コア材料のフィルムを含む、実施形態1に記載の接着性物品。
【0179】
6.膜が、第1主面と一致する平面に平行なもう1つの平面内に存在する、実施形態1~5に記載の接着剤。
【0180】
7.第1の接着層又は第2の接着層に隣接したハードグッドを更に含む、実施形態1~6に記載の接着性物品。
【0181】
8.第1主面が、凹部間の隙間空間を含み、隙間空間と第1の接着層との間の接触が第1のコア界面を画定し、凹部界面と第1のコア界面との間の剥離比が少なくとも1.15:1である、実施形態1~7に記載の接着性物品。
【0182】
9.物品の90°接着強度が、少なくとも40oz/inである、実施形態1~8に記載の接着性物品。
【0183】
10.物品の90°接着強度が、少なくとも100oz/inである、実施形態1~9に記載の接着性物品。
【0184】
11.第2主面に隣接する第2の接着層を更に含む、実施形態1~10に記載の接着性物品。
【0185】
12.第2の接着層と第2主面との間の接触が第2のコア界面を形成し、凹部の界面と第2のコア界面との間の剥離比が少なくとも1.15:1である、実施形態11に記載の接着性物品。
【0186】
13.凹部の配列パターンが、1平方センチメートル当たり少なくとも20個の凹部の密度を有する、実施形態1~11に記載の接着性物品。
【0187】
14.凹部の配列パターン内の各凹部が、少なくとも0.5mmの最大断面寸法を有する、実施形態1~13に記載の接着性物品。
【0188】
15.コアが厚さを含み、膜がコアの厚さの少なくとも5%の膜厚を有する、実施形態1~14に記載の接着性物品。
【0189】
16.第2主面上に第2の接着層を更に含む、実施形態1~15に記載の接着性物品。
【0190】
17.任意の接着層が、剥離可能接着剤である、実施形態1~16に記載の接着性物品。
【0191】
18.接着剤が、膜に超音波結合されている、実施形態1~17のいずれか1つに記載の接着性物品。
【0192】
19.接着性物品は、被着体から損傷なく剥がれる、実施形態1~18のいずれか1つに記載の接着性物品。
【0193】
20.被着体が、艶無し又は光沢無し~光沢有りの範囲の輝きを有する塗装された乾式壁である、実施形態16に記載の接着性物品。
【0194】
21.コア平面に垂直な方向に力を加えることにより、コアの一部分内での構造的一体性が失われる、実施形態1~20のいずれか1つに記載の接着性物品。
【0195】
22.接着性物品の製造方法であって、互いに反対側にある第1主面及び第2主面を有し、かつ固化可能なコア材料を含むコアを準備することと、主面のうちの少なくとも1つに剥離可能接着剤を積層することと、コア材料の複数の別個の領域を固化させて、凹部の配列パターンを形成することと、剥離可能接着剤とバッキングの固化された各領域との間に複数の接着性界面を作製することと、を含む、製造方法。
【0196】
23.積層工程が、凝縮工程の前に行われる、実施形態22に記載の方法。
【0197】
24.積層工程が、凝縮工程の後に行われる、実施形態22に記載の方法。
【0198】
25.凝縮工程が、少なくともバッキング材料を複数の別個の領域で超音波結合することを含む、実施形態23又は24に記載の方法。
【0199】
26.結合が超音波点結合を含む、実施形態25に記載の方法。
【0200】
27.積層工程が、主面上にコア-接着性界面を形成する、実施形態23又は24に記載の方法。
【0201】
28.凝縮工程が、凹部間に隙間空間を作製し、剥離可能接着層と隙間空間との間の接触が第1のコア界面を形成する、実施形態23に記載の方法。
【0202】
29.バッキングの第2主面をハードグッドに結合することを更に含む、実施形態23~28に記載の方法。
【0203】
30.結合工程が凝縮工程の後に行われる、実施形態29に記載の方法。
【0204】
31.互いに反対側にある第1主面及び第2主面を有するバッキングを準備することが、主面のうちの少なくとも1つに凹部の配列パターンを有するバッキングを提供することを含む、実施形態23に記載の方法。
【0205】
32.主面のうちの少なくとも1つに凹部の配列パターンを有するバッキングを提供することが、主面のうちの少なくとも1つに凹部の配列パターンを作製する工程を含む、実施形態31に記載の方法。
【0206】
33.提供されたバッキング上の配列パターンが、別個の凹部のアレイを含む、実施形態31に記載の方法。
【0207】
34.バッキング材料の複数の別個の領域を固化させて凹部の配列パターンを形成することが、第1主面及び第2主面のうちの少なくとも1つにわたって、チャネルの配列パターンを作製することを含む、実施形態31に記載の方法。
【0208】
35.対象物を表面に取り付けるための接着性物品であって、第1の剥離可能接着性組成物を含む第1の接着層と、第1の接着層に隣接し周辺部を画定するコアであって、多孔質コア材料を含み、第1主面及び第2主面を含む、コアと、コアの少なくとも第1主面上の凹部の第1の配列パターンであって、各凹部はコア材料を含む膜で終端する、第1の配列パターンと、を含み、第1の剥離可能接着性組成物が、少なくとも部分的に各膜の孔内にある、接着性物品。
【0209】
36.コアが、不織布を含む、実施形態35に記載の接着性物品。
【0210】
37.コアが、エアレイド不織布及び結合カードウェブのうちの少なくとも1つを含む、実施形態36に記載の接着性物品。
【0211】
38.コア材料が空隙容積を有し、第1の接着性組成物が、膜の空隙容積を少なくとも部分的に浸潤している、実施形態35に記載の接着性物品。
【0212】
39.物品が、第1の接着層の主面上に約10%~約90%の利用可能な結合面積を含む、実施形態35に記載の接着性物品。
【0213】
40.物品が、第1の接着層の主面上に約15%~約60%の利用可能な結合面積を含む、実施形態39に記載の接着性物品。
【0214】
以下の実施例は、本出願の範囲内の様々な実施形態のいくつかの例示的な構造及び構造化法について説明する。以下の実施例は例示を意図したものであるが、これらの実施例において列挙される特定の材料及びその量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限すると解釈されるべきではない。
【実施例
【0215】
【表1】
【0216】
試験方法
ラップ剪断(0°剥離)接着強度試験
次の方法により剥離接着強度及び除去性を評価した。中程度の圧力(およそ5ポンド)で5秒間、手で試験構造体を被着体に適用した。接着したサンプルは、試験の前に、72°F(22℃)、相対湿度50%で3日間エージングさせた。試験直前に、接着構造体の残りのライナーを取り外し、ステンレス鋼シム(6”×2”×0.031”、ChemInstruments(West Chester Township,OH)から入手)を、中程度の圧力(およそ5ポンド)で5秒間、上部接着剤表面に適用した。被着体及びステンレス鋼シムの露出した縁部を、INSTRON万能試験機上の対向するクランプに配置した。12インチ/分(30.5cm/分)のクロスヘッド速度で、被着体表面から構造体が取り外されるまで、INSTRON万能試験機を用いて、剪断試験を実施した。クロスヘッド変位の関数としてロードセルの力を記録した。各サンプルにつき4反復を試験した。
【0217】
90°剥離接着強度試験
次の方法により剥離接着強度及び除去性を評価した。中程度の圧力(およそ5ポンド)で5秒間、手で試験構造体を被着体に適用した。接着したサンプルは、試験の前に、72°F(22℃)、相対湿度50%で3日間エージングさせた。試験直前に、接着構造体の残りのライナーを取り外し、アルミニウムt-バー(アルミニウム6061-T6むき出しのt-バー1.5”×1.5”×0.25”を1.5”に切断、OnlineMetals(Seattle WA))を、中程度の圧力(およそ5ポンド)で5秒間、上部接着剤表面に適用した。被着体を平坦な表面にクランプし、アルミニウムt-バーをINSTRON万能試験機の上部クランプに配置した。12インチ/分(30.5cm/分)のクロスヘッド速度で、被着体表面から構造体が取り外されるまで、INSTRON万能試験機を用いて、剥離試験を実施した。クロスヘッド変位の関数としてロードセルの力を記録した。接着剤が多少なりとも被着体上に残っている場合、損傷レベルをより良好に観察するために手で取り除いた。各サンプルにつき4反復を試験した。損傷の視覚的評価は次のとおりであった:0-損傷なし、1-小さな塗料気泡(表面積の10%未満)、2-大きな塗料気泡(表面積の10%超)、3-小さな紙の破れ、4-紙の破れ/損傷(50%未満)、5-紙の破れ損傷(50%超)。各サンプルにつき2反復を試験した。
【0218】
重り吊り下げ試験
試験構造体を、最初に1.25インチ×1.35インチの射出成形ポリカーボネートフック(各フックは、30milの厚さ及び図9に示されるタイプのもの)に適用し、中程度の圧力下(およそ5ポンド)で5秒間手で適用した。次いで、フック及び接着構造体を、中程度の圧力(約5ポンド、5秒間)下で手で被着体に適用し、フックが構造体の底部に配置されて、重りが吊り下がるようにした。スチールショット(実施例1~11の場合は2.0ポンド、実施例12~21の場合は1.0ポンド)を含むプラスチック袋を、壁板の被着体への適用直後にフックから吊り下げた。1時間、24時間、48時間、及び72時間の吊り下げ後にサンプルが観察され、各時点で損傷が記録された。2反復の実施例9を除いて、全てのサンプルを3反復試験した。性能値は、所与の実施例の全ての反復に対する吊り下げ時間の平均であり、最大性能値だと72時間、最小性能値だと0時間になるようにする。
【0219】
再配置試験
試験構造体を、最初に1.25インチ×1.35インチの射出成形ポリカーボネートフック(各フックは、30milの厚さ及び図9に示されるタイプのもの)に適用し、中程度の圧力下(およそ5ポンド)で5秒間手で適用した。フック及び接着構造体を、中程度の圧力(およそ5ポンド)で5秒間、手で被着体に適用した。スチールショット(1.0ポンド)を含むプラスチック袋をフックから吊り下げた。およそ1分間待機した後、重量を取り外した。次いで、フック及び接着構造体を取り外し、中程度の圧力下で被着体の別個の区分に手で再適用し、重りを直ちに再適用した。この取り外し及び再適用のプロセスを更に2回繰り返してから、重りを最終フック位置に72時間吊り下げる。1時間、24時間、48時間、及び72時間の吊り下げ後にサンプルが観察され、各時点で損傷が記録された。全てのサンプルを3反復試験した。性能値は、所与の実施例の全ての反復に対する吊り下げ時間の平均であり、最大性能値だと72時間、最小性能値だと0時間になるようにする。
【0220】
ピーク力の測定
接着強度試験のそれぞれのピーク力を、クロスヘッド変位及び力(oz)を記録したINSTRON Bluehill 3ソフトウェアから出力された生データから求めた。次いで、ピーク力を活性接着剤面積で除算して、単位面積(平方インチ)当たりの力(オンス)を得た。
【0221】
試験被着体
乾式壁パネル(Materials Company(Metzger Building,St.Paul,MN)より入手)に、剥離試験用のSherwin-Williams DURATION Interior Acrylic Latex Ben Bone White Paint(Sherwin-Williams Company(Cleveland,OH))、及び重り吊り下げ試験用のBehr Premium Plus Ultra Flat Egyptian Nile Paint & Primer in One Interior Paint(Behr Process CorpoRation(Santa Ana,CA))を塗装した。
塗装手順:塗料の第1のコートを塗装ローラーによってパネルに適用し、続いて、周囲条件にて約1時間にわたり空気乾燥した。塗料の第2のコートを適用し、使用前に少なくとも7日間にわたり、周囲条件で乾燥させた。
【0222】
実施例1~11及び比較例1~4及び対照1~2
【0223】
【表2】
【0224】
不織布ウェブ
米国特許第8,162,153号に記載の一般タイプの不織布ウェブ1を3M Company(St.Paul,MN)から入手した。ウェブは、1平方メートル当たり65グラムの基本重量、及び18.40μmの有効繊維直径(‘153特許に定義され記載されている)を有するスパンボンドウェブであった。ウェブは、11.9%のソリディティを有する。
【0225】
不織布ウェブ2は、典型的なカーディングマシン(米国特許第4,599,766号に記載されている)を使用して、1平方メートル当たり106グラムの基本重量、42.3μmの有効繊維直径(‘153特許に定義され記載されている)、及び2.5%のソリディティを有する不織布ウェブを作り出すことによって得た。ウェブに使用される繊維は、70% 15デニールType295(商標)Polyester Staple繊維(Indoroma Ventures PCL(Bangkok,Thailand)から入手可能)、及び30% 4デニールPE/PETバイコンポーネント繊維(Kilop USA,Inc.(High Point,NC)から入手可能)であった。次いで、カードウェブを280°F(138℃)の典型的な強制空気オーブンに通し、ウェブ内の繊維を熱結合させた。
【0226】
不織布ウェブ3は、典型的なカーディングマシン(米国特許第4,599,766号に記載されている)を使用して、1平方メートル当たり70グラムの基本重量、31.4μmの有効繊維直径(‘153特許に定義され記載されている)、及び1.2%のソリディティを有する不織布ウェブを作り出すことによって得た。ウェブに使用される繊維は、70% 70デニールナイロンStaple(米国特許第2,679,072号に記載されているものと同様のプロセスによって作製)、及び30% 15PE/PETバイコンポーネント繊維(Kilop USA,Inc.(High Point,NC)から入手可能)であった。次いで、カードウェブを280°F(138℃)の典型的な強制空気オーブンに通し、ウェブ内の繊維を熱結合させた。
【0227】
不織布ウェブ4は、典型的なカーディングマシン(米国特許第4,599,766号に記載されている)を使用して、1平方メートル当たり26グラムの基本重量、54.8μmの有効繊維直径(‘153特許に定義され、記載されている)、及び1.5%のソリディティを有する不織布ウェブを作り出すことによって得た。ウェブに使用される繊維は、70% 6デニールポリエステル短繊維(米国特許第2,679,072号に記載)、及び30% 4デニールPE/PETバイコンポーネント繊維(Kilop USA,Inc.(High Point,NC)から入手可能)であった。次いで、カードウェブを280°F(138℃)の典型的な強制空気オーブンに通し、ウェブ内の繊維を熱結合させた。
【0228】
UNIPRO 150及びUNIPRO 275は、Midwest Filtration LLCから入手し、受け取った状態のまま使用した。
【0229】
感圧接着性組成物
接着剤1:エラストマー成分として85:15の比率のKRATON D1184とSOLPRENE 1205、及び100部の全エラストマーに基づいて35部の全粘着付与剤成分を有する、感圧接着性組成物を調製した。成分の全てをトルエンと併せてガラスジャーに加え、固形分およそ30%の溶液を作った。ジャーを密閉し、コーティング前に、ジャーを約2~6rpmのローラー上に少なくとも24時間置くことにより、内容物を十分に混合した。
【0230】
接着剤2:組成物が50重量%のMQ樹脂量を有するように調製した以外は、米国特許第6,569,521号の実施例28に記載された方法に従って、シリコーンポリウレアブロックコポリマー系感圧接着性組成物を調製した。
【0231】
転写接着剤の調製
接着剤1:上記の感圧接着性組成物を、シリコーン剥離面を有する紙ライナーウェブ上にナイフコーティングした。紙ライナーウェブ速度は2.75メートル/分であった。コーティング後、3つの温度ゾーンを有する長さ11メートルのオーブン(滞留時間合計4分)にウェブを通した。ゾーン1(2.75メートル)の温度は57℃であり、ゾーン2(2.75メートル)の温度は71℃であり、ゾーン3(約5.5メートル)の温度は82℃であった。乾燥した接着剤のキャリパーはおよそ2.0mil厚であった。次に、転写接着剤を周囲条件で保管した。
【0232】
接着剤2:感圧接着性組成物を、シリコーン剥離面を有する紙ライナーウェブ上にナイフコーティングした。紙ライナーウェブ速度は2.75メートル/分であった。コーティング後、3つの温度ゾーンを有する長さ11メートルのオーブン(滞留時間合計4分)にウェブを通した。ゾーン1(2.75メートル)の温度は57℃であり、ゾーン2(2.75メートル)の温度は80℃であり、ゾーン3(約5.5メートル)の温度は93℃であった。乾燥した接着剤のキャリパーはおよそ2.5~3.0mil厚であった。次に、転写接着剤を周囲条件で保管した。
【0233】
前述した物品構造体の超音波溶接及びエンボス加工を、Branson 2000X ULTRASONIC WELDERで実施した。超音波溶接機は、1:2のゲインを有する矩形のチタンホーンを有した。ホーンの溶接面は、1.5”×4”の寸法を有した。超音波溶接を、パターン化されたアルミニウムプレートに対して実施した。パターンの例を図3A図3Kに示す。超音波溶接条件は、1:1ゲインブースタ、80~90psi(0.55~0.62MPa)、50ポンド(23kg)のフォーストリガー、1秒の溶接保持時間終了時の100%の溶接振幅を使用した。ピーク電力が20~40%(800~1600W)に設定されたピーク電力モードで超音波溶接を行った。溶接/エンボス加工される物品構造体を、ホーンとパターン化されたプレート(アンビル)との間に配置し、次にホーンを下げて、構造体を圧縮し、トリガーフォースが満たされたとき、超音波振動を開始した。超音波処理を、目標ピーク電力設定で停止し、超音波処理されたサンプルを、設定された保持時間中ホーンとアンビルとの間に収容した。
【0234】
【表3】
【0235】
【表4】
【0236】
【表5】
【0237】
【表6】
【0238】
ラップ剪断は、物品が剪断して破損するのに必要な力の指標を与える。データは、接着剤の固体スラブ(対照2)が所与の接着性組成物に最も高い値をもたらすが、損傷を引き起こすことを示す。本発明に記載されるコアが存在することにより、損傷のない剥離を可能にするが、剪断強度を代償にする(対照1)。本開示の接着構造体へ超音波溶接又は点結合を導入することで、接着剤の固体スラブと同等であるが、損傷のない剥離という更なる利点を伴う剪断剥離強度が得られる。また、超音波溶接パターンの形式(形状)及び密度が、接着性能に影響を及ぼすことも実証された。対照的に、比較例ではそれぞれ損傷を引き起こしているが、様々な程度の剪断性能を示す。
【0239】
重り吊り下げ試験データは、点結合が接着構造体の重量支持能力を劇的に改善することを明確に示す。
【0240】
実施例12~21
【0241】
【表7】
【0242】
接着剤3の組成
実施例21の接着性物品で使用したポリジシロキサンポリオキサミドエラストマー(PDMSエラストマーI)は、米国特許第8,765,881号の実施例12のものと同様であった。実施例12は、10,174g/molの当量重量、又は約20,000g/molの分子量のアミンを示す。感圧接着性組成物中で使用されたMQ樹脂粘着付与剤樹脂は、SR545(トルエン中61%の固形分)(GE Silicones(Waterford,NY)から入手可能)であった。
【0243】
接着剤3を、全ての指示した成分を、酢酸エチル中の30重量%の固形分の支持した比率でガラスジャーに添加することによって調製した。ジャーを密封し、コーティングの前に、ジャーを約2~6rpmのローラー上に少なくとも24時間置くことにより、内容物を十分に混合した。
【0244】
転写接着剤フィルムの調製
接着剤3を、シリコーン剥離面を有する紙ライナーウェブ上にナイフコーティングした。紙ライナーウェブ速度は2.75メートル/分であった。コーティング後、3つの温度ゾーンを有する長さ11メートルのオーブン(滞留時間合計4分)にウェブを通した。ゾーン1(2.75メートル)の温度は57℃であり、ゾーン2(2.75メートル)の温度は80℃であり、ゾーン3(約5.5メートル)の温度は93℃であった。乾燥した接着剤のキャリパーはおよそ2.5~3.0mil厚であった。次に、転写接着剤フィルムを周囲条件で保管した。
【0245】
パターンエンボス加工
最初に、転写テープの露出面を、適切な寸法の不織布サンプルの片側に手で積層することによって、実施例18及び20を除く全ての実施例を調製した。次に、第2の転写テープを不織布の残りの露出した側に積層して、ライナー-接着剤-不織布-接着剤-ライナースタックを作製した。次いで、サンプルを手でエンボス加工ステーションに送り、ライナーを通して接着構造体をエンボス加工した。サンプル18及び20をロール-ロールプロセスとして調製し、接着剤の2つのロール及び不織布の1つのロールが、単一のニッププロセスでライナー-接着剤-不織布-接着剤-ライナースタックアップに積層され、エンボス加工されるようにした。
【0246】
エンボス加工ステーション1
以下の表8に報告されている条件での、例えば、米国特許第6,383,958号(Swansonら)に記載されている方法と概ね同様の方法で、凹凸領域を有するパターン化された(例えば、刻まれた)金属ロール、及び約14インチ幅の平滑な金属ロールを通過させることによって、サンプルをエンボス加工した。
【0247】
エンボス加工ステーション2
以下の表8に報告されている条件での、例えば、米国特許第6,383,958号(Swansonら)に記載されている方法と概ね同様の方法で、凹凸領域を有するパターン化された(例えば、刻まれた)金属ロール、及び約22インチ幅の平滑な金属ロールを通過させることによって、サンプルをエンボス加工した。
【0248】
【表8】
【0249】
【表9】
【0250】
【表10】
【0251】
【表11】
【0252】
【表12】
【0253】
本明細書に引用した特許、特許文献、及び特許出願は、それぞれが個別に援用されているかのように、それらの全体が参照により援用される。上記の発明概念から逸脱することなく、様々な変更及び修正がなされ得ることが、当業者には明らかであろう。それゆえ、本開示の範囲は、本明細書に記載される構造のみに限定されるべきではない。当業者であれば、上述の実施形態及び実施態様の詳細には、それらの基礎をなす原理を逸脱することなく多くの変更が行われ得ることを理解するであろう。更に、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、本発明の様々な改変形態及び変化形態が当業者には明らかとなるであろう。したがって、本出願の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ決定されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
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図9