IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イルミナ インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】試料の構造化照明
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/00 20060101AFI20230303BHJP
   G02B 21/06 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
G02B21/00
G02B21/06
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020572696
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-06
(86)【国際出願番号】 IB2019057854
(87)【国際公開番号】W WO2020058867
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-09-16
(31)【優先権主張番号】62/733,330
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】2022286
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500358711
【氏名又は名称】イルミナ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100122297
【弁理士】
【氏名又は名称】西下 正石
(72)【発明者】
【氏名】スタンリー・ホン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・マクギガン
(72)【発明者】
【氏名】フランク・デウィット・ザ・フォース
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第1988/008631(WO,A1)
【文献】特開昭60-068314(JP,A)
【文献】国際公開第2014/040800(WO,A1)
【文献】国際公開第2004/030166(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 19/00 - 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源;
第1の及び第2の回折格子;及び
第1の位置において、光源で生じ、前記第1の回折格子に延び、その後システムにおける後続のコンポーネントに延びる、第1の光路を形成し、第2の位置において、光源で生じ、前記第2の回折格子に延び、その後後続のコンポーネントに延びる、第2の光路を形成する、第1の反射コンポーネント、
を含む、システムであって、
前記第1の反射コンポーネントは、第1の又は第2の位置を担う回転鏡を含み、
前記回転鏡は両面性であり、伸長部材を含み、心棒は前記伸長部材の実質的に中心で伸長部材と結合している、システム
【請求項2】
前記心棒は、前記第1の及び第2の光路により規定される平面からオフセットであり、実質的に平行である、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記回転鏡が第1の位置を担う場合、前記伸長部材の第1の端部は、光源で生じ、前記第2の回折格子に延びる第1のパスを遮断し、光源で生じる第1の光を前記第1の回折格子に反射する、請求項又はに記載のシステム。
【請求項4】
前記回転鏡が第1の位置を担う場合、前記伸長部材の第2の端部は前記第1の回折格子から後続のコンポーネントへの第2のパスを遮断しない、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記回転鏡が第2の位置を担う場合、前記伸長部材の第2の端部は前記第2の回折格子からの第2のパスを遮断し、第2の回折格子から後続のコンポーネントに第2の光を反射する、請求項又はのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記回転鏡が第2の位置を担う場合、前記伸長部材の第1の端部は、光源で生じ、前記第2の回折格子に延びる第1のパスを遮断しない、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の及び第2の回折格子は、それらの各垂線が互いに実質的に逆平行であり、前記心棒が該垂線に実質的に並ぶよう向いている、請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記回転鏡は、前記第1の及び第2の位置間を行き来する、請求項のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記後続のコンポーネントは、位相選択器である、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記光源と第1の反射コンポーネント間に配置されている位相選択器を更に含む、請求項1~のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の及び第2の光路のそれぞれの第1の及び第2の回折格子の前に位置する、第2の反射コンポーネントを更に有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の及び第2の光路のそれぞれは、光源で生じ、前記第2の反射コンポーネントに延びる第1の光路部分を有し、前記第1の及び第2の光路のそれぞれは、後続のコンポーネントで生じる第2の光路部分を有し、そして前記第1の及び第2の光路は相互に実質的に並行である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の及び第2の回折格子の各回折格子の向きは、互いに実質的に垂直である、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の及び第2の回折格子は、互いに面する、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも1つの反射コンポーネントを配置して、光源で生じ、第1の回折格子に延び、その後後続のコンポーネントに延びる、第1の光路を規定する工程;
前記第1の光路から試料に第1の位相選択された光を向ける工程;
前記少なくとも1つの反射コンポーネントを配置して、光源で生じ、第2の回折格子に延び、その後後続のコンポーネントに延びる、第2の光路を規定する工程;及び
前記第2の光路から試料に第2の位相選択された光を向ける工程、
を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステムを使用する方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの反射コンポーネントを配置して第1の光路を規定する工程は、光源で生じ、第2の回折格子に延びる、第1のパスを遮断する工程、前記第1の回折格子に第1の光を向ける工程、一方、前記第1の回折格子から後続のコンポーネントへの第2のパスを遮断しない工程、を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの反射コンポーネントを配置して第2の光路を規定する工程は、前記第2の回折格子からの第3のパスを遮断する工程、第2の回折格子から後続のコンポーネントに第2の光を向ける工程、一方、第1のパスを遮断しない工程、を含む、請求項15又は16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年9月19日に出願された米国仮出願第62/733,330号、及び2018年12月21日に出願されたオランダ特許出願第2022286号に対する優先権を主張する;その内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
構造化照明顕微鏡法(SIM)は、試料から得られる画像の解像度を増加させるために使用されてきた。SIMは、試料上の異なる位置がある範囲の照明強度に曝露されるよう、異なる縞パターンを有する試料のいくつかの画像を利用する。いくつかの例において、該手順は、別個の角度で光軸周りにパターンの向きを回転させることにより、繰り返すことができる。撮影された画像は、拡張された空間周波数帯域幅を有する単一の画像にすることができ、従来の顕微鏡により撮影されたものよりも高解像度を有する画像を生成させる、実空間に再変換することができる。SIMに対する既存のアプローチは、複雑性、サイズ、製造コスト、及び/又はシステムの作動のコストを増加させる1つ以上の特徴を有し得る。
【発明の概要】
【0003】
第1の態様において、システムは:光源;第1の回折格子及び第2の回折格子;及び第1の位置において、光源で生じ、第1の回折格子に延び、その後システムの後続のコンポーネントに延びる第1の光路を形成し、第2の位置において、光源で生じ、第2の回折格子に延び、その後後続のコンポーネントに延びる第2の光路を形成する、第1の位置及び第2の位置に選択的に配置することができる、少なくとも1つの反射コンポーネント、を含む。
【0004】
実施は、次の特徴のうちの任意のもの又はすべてを含むことができる。反射コンポーネントは、第1の又は第2の位置を担う回転鏡を含む。回転鏡は両面性であり、伸長部材を含み、心棒は、伸長部材の実質的に中心で伸長部材と結合している。心棒は、第1の及び第2の光路により規定される平面からオフセットであり、平面に対して実質的に平行である。回転鏡が第1の位置を担う場合、伸長部材の第1の端部は、光源で生じ、第2の回折格子に延びる第1のパス(path)を遮断し、光源で生じる第1の光を第1の回折格子に反射する。回転鏡が第1の位置を担う場合、伸長部材の第2の端部は、第1の回折格子から後続のコンポーネントへの第2のパスを遮断しない。回転鏡が第2の位置を担う場合、伸長部材の第2の端部は、第2の回折格子からの第2のパスを遮断し、第2の回折格子から後続のコンポーネントに第2の光を反射する。回転鏡が第2の位置を担う場合、伸長部材の第1の端部は、光源で生じ、第2の回折格子に延びる第1のパスを遮断しない。第1の及び第2の回折格子は、それらの各垂線が互いに実質的に逆平行であるよう向いており、心棒は実質的に垂線に並んでいる。回転鏡は、第1の及び第2の位置間を行き来することができる。反射コンポーネントは、第1の位置への第1の移動を受ける、第1の移動鏡を含む。反射コンポーネントは、第2の位置への第2の移動を受ける、第2の移動鏡を更に含む。第1の及び第2の移動は、第1の及び第2の光路により規定される平面に実質的に垂直である。第1の移動は、第1の及び第2の光路に規定される平面に実質的に平行である。第1の移動鏡は第2の位置への第2の移動を受け、第2の移動は第1の及び第2の光路により規定される平面に実質的に平行である。反射コンポーネントは、第1の又は第2の位置を担う回転プリズムを含む。第1の及び第2の回折格子は、互いに隣接して配置されており、第1の位置における回転プリズムは、第1の回折格子に第1の光路に沿って、第1の光を反射し、第2の位置における回転プリズムは、第2の回折格子に第2の光路に沿って、第2の光を反射する。第1の及び第2の回折格子は、後続のコンポーネントに面する。第1の及び第2の回折格子は、光源に対して固定された位置にある。後続のコンポーネントは、位相選択器である。システムは、光源及び反射コンポーネント間に配置された位相選択器を更に含む。位相選択器は、光源に対して固定された位置にある。
【0005】
第2の態様、第1の態様と組み合わせることができるがその必要はないもの、において、システムは:光源;第1の回折格子及び第2の回折格子;及び第1の位置において、光源で生じ、第2の回折格子に延びる第1のパスを遮断し、第1の光を第1の回折格子に向けるが、第1の回折格子からシステムにおける後続のコンポーネントへの第2のパスを遮断しない、及び第2の位置において、第2の回折格子からの第3のパスを遮断し、第2の回折格子から後続のコンポーネントに第2の光を向けるが、第1のパスを遮断しない、第1の位置及び第2の位置に選択的に配置することができることができる、少なくとも1つの鏡を含む、少なくとも1つの反射コンポーネント、を含む。
【0006】
第3の態様において、前記システムは、構造化照明顕微鏡装置の光学サブシステムを形成する。
【0007】
実施は、次の特徴のうちの任意のもの又はすべてを含むことができる。第1の及び第2の回折格子の各回折格子の向きは、互いに実質的に垂直である。第1の及び第2の回折格子は、互いに面する。後続のコンポーネントは、位相選択器である。システムは、光源及び少なくとも1つの鏡間に配置された、位相選択器を更に含む。
【0008】
第4の態様において、方法は、:少なくとも1つの反射コンポーネントを配置して、光源で生じ、第1の回折格子に延び、その後後続のコンポ―ネントに延びる、第1の光路を規定する工程;第1の光路から試料に第1の位相選択された光を向ける工程;少なくとも1つの反射コンポーネントを配置して、光源で生じ、第2の回折格子に延び、その後後続のコンポーネントに延びる、第2の光路を規定する工程;及び第2の光路から試料に第2の位相選択された光を向ける工程、を含む。
【0009】
実施は、次の特徴のうちの任意のもの又はすべてを含むことができる。少なくとも1つの反射コンポーネントを配置して第1の光路を規定する工程は、光源で生じ、第2の回折格子に延びる第1のパスを遮断する工程、第1の回折格子に第1の光を向ける工程、一方、第1の回折格子から後続のコンポーネントへの第2のパスを遮断しない工程、を含む。少なくとも1つの反射コンポーネントを配置して第2の光路を規定する工程は、第2の回折格子からの第3のパスを遮断する工程、第2の回折格子から後続のコンポーネントに第2の光を向ける工程、一方、第1のパスを遮断しない工程、を含む。
【0010】
前記概念及び下記により詳細に説明される更なる概念(ただし、かかる概念は相互に一貫性のないものではない)のすべての組み合わせは、本明細書に開示されている発明の主題の一部であるものとして、熟慮されていることは理解されたい。特に、本開示の最後に現れる請求項の主題のすべての組み合わせは、本明細書に開示されている発明の主題の一部であるものとして、熟慮されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、構造化照明顕微鏡法(SIM)を促進することができ、反射コンポーネントの後に位相選択器が配置されているシステムの一例の概略図である。
図2図2は、図1のシステムの一部として実施することができる、回転鏡を有する、回転するインライン回折格子システム(RIGS)の一例を示す。
図3図3Aは、第1の位置における回転鏡を示す、図2のシステムの上面図である。図3Bは、図3Aに示される第1の位置における回転鏡の詳細な透視図である。
図4図4Aは、第2の位置における回転鏡を示す、図2のシステムの上面図である。図4Bは、図4Aに示される第2の位置における回転鏡の詳細な透視図である。
図5図5は、図1のシステムの一部として実施されてSIMを促進することができる、1つ以上の鏡を有するシステムの概略図である。
図6図6は、図1のシステムの一部として実施することができる、移動鏡を有するシステムの一例の概略図である。
図7図7A-Bは、図6のシステムの一部として実施することができる、垂直移動鏡の一例を概略的に示す。
図8図8A-Bは、図6のシステムの一部として実施することができる、水平移動鏡の一例を概略的に示す。
図9図9は、図1のシステムの一部として実施することができる、回転プリズムを有するシステムの概略図である。
図10図10は、SIMを行うための1つ以上の反射コンポーネントを配置するために使用することができる、方法の一例を示す。
図11図11は、SIMを促進することができ、位相選択器が反射コンポーネントの前に配置されているシステムの一例の概略図である。
図12図12は、生物学的及び/又は化学的分析のために使用することができるシステムの一例の概略図である;図1のシステムは、図12のシステムの一部であることができる。
図13図13は、システムの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書は、構造化照明顕微鏡法(SIM)を促進することにより(これを含むが、これに限定さない)構造化照明を提供することができるシステム及び技術の例を述べる。かかるシステム/技術は、例えば下記に示されるように、既存のアプローチを上回る1つ以上の利点を提供することができる。
【0013】
イメージング(例えば、SIMを使用する)を行い、複数の材料のうちの任意の試料を分析することができる。いくつかの実施において、SIMイメージング又は別のタイプのイメージングは、生物学的又は化学的分析、例えばシーケンシング遺伝物質をシーケンシングする方法、の一部として実施することができる。1つの例において、前記方法は、DNAシーケンシング法、例えば、合成によるシーケンシング又は次世代シーケンシング(ハイスループットシーケンシングとしてまた知られる)であることができる。別の例において、前記方法は、遺伝子型の決定を可能とするのに使用することができる。当業者はおわかりであろうが、遺伝子型の決定は、生物学的アッセイを使用して個々のDNAシーケンスを調べ、それを別の個々のシーケンス又は参照シーケンスと比較することによる、個々の遺伝子構造(遺伝子型)における違いを決定することを含む。かかる方法は、遺伝物質の試料が光(例えば、レーザービーム)を受けて遺伝物質上の1つ以上のマーカーによる蛍光応答を引き起こす、蛍光イメージングを含むことができる。ヌクレオチドの中には、エネルギー源への曝露に対して応答性の、蛍光を発するためにヌクレオチドと関連した蛍光タグを有することができるものもある。蛍光応答の波長は、対応するヌクレオチドの存在を決定するために使用することができる。蛍光応答は、シーケンシング法の間にわたり、検出することができ、試料中のヌクレオチドの記録を構築するために使用することができる。
【0014】
SIMイメージングは、空間的構造化光に基づいている。例えば、該構造は、得られる画像の解像度が向上するのを助ける照明光におけるパターンからなる又はあるパターンを含むことができる。いくつかの実施において、前記構造は縞のパターンを含むことができる。光の縞は、光のビームを反射型回折又は透過型回折が生じるよう、回折する回折格子(簡単のため、回折格子という)に作用させることにより、発生させることができる。構造化光は、試料に作用させることができ、ある周期性に応じて生じ得る各縞に応じて、試料を照射する。例えば、試料の画像は、構造化光における縞の異なる位相で得ることができ、しばしば各パターン位相の画像と称される。これにより、試料上の様々な位置を多量の照明強度に曝露することが可能となる。構造化光のパターンは、試料に対して回転させることができ、ちょうど説明した画像は、回転角の各々について撮影することができる。
【0015】
種々のタイプの回折格子を種々の実施において使用することができる。回折格子は、周期構造の1つ以上の形態を含むことができる。いくつかの実施において、回折格子は、基材から物理マテリアルを除く又は省くことにより、形成することができる。他の実施において、光学フィルター又は他の非物理マテリアルを実施して回折格子を形成してもよい。例えば、基材は、1セットのスリット及び/又はその中の溝とともに提供されて回折格子を形成することができる。いくつかの実施において、回折格子は、マテリアルを基材に添加することにより形成することができる。例えば、周期的に隔てられた構造は、同一の又は異なるマテリアルにより、基材上に形成することができる。
【0016】
SIMシステムとともに、高スループットを促進するために、システムは試料を迅速に処理できることが好ましくあり得る。より高速のSIMイメージングにより、分析システムのより優れたスループットを可能とすることができる。すなわち、より化学的又は生物学的な試料を同一の時間をかけて画像化することができる。高スループットについて、システムは、高コントラストの縞で試料の比較的大きい領域を照らしてよく及び/又は縞の向き間を迅速に切り替えてもよい。高スループットを達成するかかるシステムについて、イメージングは、それゆえ、高い再現性及び信頼性のあるものであるべきである。高屈折力は、比較的短い露光時間を維持するために有用であり得る。かかるものとして、良好な光学効率及び強力な光源は、高屈折力を達成するために有用であり得る。
【0017】
高コントラスト縞を投影するいくつかのSIMシステムにおいて、コヒーレント光源を使用することができる。かかるシステムにおいて、シングルモードレーザはかかるコヒーレント光源であり得るが、なされる分析のタイプ及び/又は必要とされる電力の量といった文脈においては、法外な費用がかかり得る。他のタイプの光源、例えば光発光ダイオード(LED)又はアークランプは、アプリケーションのための十分な干渉を提供しない可能性がある。したがって、マルチモードレーザが、コヒーレント光源として実施可能な候補であり得るが、スペクトルマルチモードパターンを有するという特徴と関連している。マルチモードレーザで所望の均一性を達成するために、マルチモードレーザ出力は、モードスクランブルであることができる。しかしながら、モードスクランブルマルチモードレーザの使用は、光学スイッチが使用されない場合、多重回折格子を選択的に励起する多重光源となり得、コスト及び光学システムの複雑性を増加させ得る。さらに、モードスクランブルマルチモードレーザの使用により、所望の縞周波数及び変調コントラストのための0次ブロッキング(blocking)を得るためにリレーレンズシステムに依るという結果にまたなり得る。
【0018】
本明細書に記載されているのは、試料を分析するための構造化照明システムの実施であり、いくつかのかかるシステムでは、単一光源、少なくとも2つの固定された回折格子、及び光源から回折格子の一方又は他方へビーム全体を向けるための機構を含む。位相選択器は、パターン位相を選択するために使用することができる。機構は、2、3例を挙げると、回転両面鏡、非回転鏡、又は回転プリズム鏡のいずれかを含むことができる。回転両面鏡とともに、鏡のブレードは第1の回折格子上のみへの反射のために第1の位置に配置することでき、第2の回折格子上のみへの反射のために第2の位置に配置することができる。非回転鏡は、第1の又は第2の位置に移動することができる。回転プリズム鏡は、光源からの光を選択的に第1の又は第2の回折格子上に向けることができる。
【0019】
本明細書に記載されている例は、以前のアプロ―チと比較して利点を提供することができる。いくつかの実施において、回転鏡は、各回折格子の励起間を切り替えるために使用することができる。かかる回転鏡は、単一光源を使用して2つの光路間を切り替えることができる。さらに、かかる回転鏡は、回転位置における誤差及び/又は熱的効果が感知できるほどに光路を変更しないよう、形成することができる。かかる光路上への回転変化量及び/又は熱的効果の影響の減少により、SIMイメージングシステムは、可動式回折格子又は他のコンポーネントを実施するシステムと比較して、回転鏡を移動させるコンポーネント(例えば、モータ)が、配置の微細な調整への依存がより少なくより速く作動することができるため、より速く作動することができる。2つより多くの光路が実施されることとなる場合、複数の回転鏡は、複数の光路に対して実施することができる。いくつかの実施において、回折格子は、回転し、移動し、又はそうでなければ操作の一部として移動する回折格子ではなく、定位置に固定することができる。これにより、回折格子は精巧な位置的調整をまた必要としないため、ちょうど2つ例を挙げると、角度正確性及び安定性を提供することができる。いくつかの実施において、単一光源は、回転鏡が単一光源からの対応する光路をブロックする又はブロックしない各光路に入るように又は出るように回転することができるように、使用することができる。SIMシステムの光学サブシステムとして、この選択的に配置することができる反射コンポーネントを含む、今提唱されたシステムを実施することにより、マルチモードレーザについては、モード-ブロッキングを省略してよく、全光路は、伝搬されるか又はブロックされ得る。かかるシステムは、システムのある特定のステージ(例えば、1次以上がブロックされ、1次以上が伝搬されるあるステージで焦点が合うことを光の次数に要求する)で互いに隔てることが可能な回折格子から放出される光の次数を有することをまた除くことができる。すなわち、回折格子は、回折されていない、0次の光と称される光を放出することができ、0次の光の反対側に伝搬し、各々、+/-1次の光と称される回折光をまた放出することができる。次数ブロッキングを使用するシステムにおいて、0及び+/-1次の光は、例えば、0次光がブロックされ、+/-1次はブロックされないブロッキングステージで、すべて焦点を合わせることができる。次数ブロッキングを使用しないシステムにおいて、光の次数のうちのいくつかのもの又はすべては、システム内のどこか(例えば、対物レンズで)で焦点を合わせることができ、かかるシステムは、より短い光路長を有することができる。さらに、選択的に配置することができる反射コンポーネントを有するかかるシステムは、光学スイッチを省略することができ、それによりコンポーネント及び光学システムの複雑さを減少させることができる。さらに、かかるシステムは、全体的なコンパクトさを増加させることができる;例えば、多重回折格子パスを再結合させることを促進するリレーレンズシステムを省くことにより。
【0020】
図1は、SIMイメージングを促進することができるシステム100の一例を概略的に示す。システム100は、本明細書に記載されている1つ以上の他の例を組み合わせて使用することができる。この及び他の例におけるいくつかコンポーネントをブロック又は他の一般的コンポーネントとして概念的に示す;かかるコンポーネントは、指示された機能を行うために1つ以上の別個の又は統合コンポーネントの形態で実施することができる。
【0021】
システム100は、光源102を含む。光源102は、システム100が実施されることとなるコヒーレンス及び/又は出力に基づき、選択することができる。例えば、マルチモードレーザは、光源102として使用することができる。
【0022】
システム100は、光源102から光を受ける光構造化コンポーネント104を含む。いくつかの実施において、光構造化コンポーネント104は、光の縞のパターンを発生させるために受け取った光が1つ以上の回折格子と作用することを促進する。例えば、1つ以上の反射コンポーネントは、光を適切な回折格子に向けるために及び/又は更に光をシステム100における次のステージに案内するために使用することができる。光構造化コンポーネント104の例は、下記に示される。光源102と光構造化コンポーネント104との間に延びるビーム106は、光の伝搬を概略的に示す。光構造化コンポーネント104は、構造化光を発生させることができ、構造化光をシステム100における後続のコンポーネントに提供することができる。
【0023】
いくつかの実施において、後続のコンポーネントは、システム100における位相選択器108である。位相選択器108は、光構造化コンポーネント104から光を受け取ることができる。いくつかの実施において、位相選択器108は、画像が撮影されることとなるパターン位相を選択するために使用される。例えば、位相選択器108は、本明細書に非常に詳細に記載されているように、所望の試料の照明又は要求される解像度に応じた、複数の候補パターン位相間での選択を促進することができる。
【0024】
システム100は、位相選択器108から光を受け取ることができる投影レンズ110を含む。かかる光は、位相選択された光と称すことができ、光が、例えば位相選択器108の経由により、なされた特定のパターン位相の選択に対応することを示す。投影レンズ110は、1つ以上の光学素子、例えば位相選択された光がシステム100における次のステージに作用する前に位相選択された光を調整するレンズ、を含むことができる。
【0025】
システム100は、投影レンズ110から対物レンズ114に光を少なくとも部分的に反射する鏡112を含む。いくつかの実施において、鏡112は、例えば投影レンズ110から届く照明光のいくらかの部分を反射し、対物レンズ114から鏡112に届くイメージング光の少なくともいくらかの部分を伝搬する、選択的伝搬を提供することができる。例えば、鏡112は、二色性鏡であることができる。
【0026】
対物レンズ114は、鏡112から照明光を受け取る。対物レンズ114は、1つ以上の光学素子、例えば光がシステム100における次のステージに作用する前に投影レンズ110からの光(鏡112に反射される)を調整するレンズ、を含むことができる。
【0027】
対物レンズ114は、試料116に光を向ける。いくつかの実施において、試料116は、分析される1つ以上の物質を含む。例えば、試料116は、蛍光応答の検出のために光を当てられる、遺伝物質を含むことができる。試料116は、試料に対して選択的に液体又は他の流体を流させるフローセルを含むが、これに限定されない、好適な基材上に保持することができる。例えば、試料116は、照射及びその後の画像撮影及び分析に先立ち、1つ以上のヌクレオチドを含む試薬を受けさせることができる。
【0028】
試料116は、システム100のステージ118に保持することができる。ステージ118は、試料116に対して1つ以上のタイプの操作を提供することができる。いくつかの実施において、試料116の物理的な移動を提供することができる。例えば、ステージ118は、システム100の少なくとも1つの他のコンポーネントに対して試料116を移動させて及び/又は回転させて再配置することができる。いくつかの実施において、試料116の熱処理を提供することができる。例えば、ステージ118は、試料116を加熱したり及び/又は冷却することができる。
【0029】
位相選択は、ステージ118により促進することができる。いくつかの実施において、ステージ118は、静止している光の縞に対してある距離試料116を移動させて、位相選択を達成することができる(例えば、ステージ118におけるピエゾアクチュエータを使用して)。例えば、位相選択器108は、システム100において無視することができ、又はシステム100から除くことができる。
【0030】
すなわち、前記コンポーネントにおいて調整された、光源102において生じる光は、対物レンズ114を介した伝搬の後、照射のために試料116に向けることができる。試料116により放出された何らかの光は、反対方向に対物レンズ114を横断することができ、鏡112を介して部分的に又は完全に伝わることができる。システム100は、鏡112を介して対物レンズ114から光を受け取る、フィルターコンポーネント120を含むことができる。フィルターコンポーネント120は、1つ以上の方法において、かかる光をフィルタリングすることができる。例えば、フィルターコンポーネント120は、ある特定の波長を通過することができ及び/又はある他の特定の波長をブロック(又は反射)することができる。いくつかの実施において、鏡112は、例えば鏡112の裏面にフィルターコンポーネント120を配置することにより、鏡の一部としてフィルターコンポーネント120を組み入れることができる。
【0031】
フィルターコンポーネント120を横断する光は、システム100におけるカメラシステム122に入ることができる。カメラシステム122は、行われる分析と関連する種類の電磁気的照射を検出することができる1つ以上のイメージセンサーを含むことができる。いくつかの実施において、カメラシステム122は、蛍光を使用して画像を撮影するために配置されている。例えば、カメラシステム122は、電荷結合装置、相補的金属酸化物半導体装置、又は他の画像撮影装置を含むことができる。カメラシステム122は、デジタル及び/又はアナログ形態で出力を発生させることができる。例えば、カメラシステム122により撮影された画像に対応するデータは、保存及び/又は分析のために、カメラシステム122により保存することができ又は別個のコンポーネント(例えば、コンピュータシステム又は他の装置)に送ることができる。
【0032】
システム100の操作又は他の装置又は機械の操作を下記に説明する。いくつかの実施において、光構造化コンポーネント104は、1つ以上の反射コンポーネント及び少なくとも1つの回折格子を含む。例えば、反射コンポーネントは、回折格子に、又は回折格子から届く、光をリダイレクトし、試料116の照射の1つ以上の形態を提供するために調整された光を発生させることができる。いくつかの実施において、光構造化コンポーネント104は、光源102からの光を調整してSIMイメージングを行うことができる。例えば、かかる構造化光は、光構造化コンポーネント104内の特定の位置で焦点が合う必要はなくてもよい;むしろ、構造化光(例えば、回折パターンの縞)は、システム100の別のステージで焦点が合うことができ、対物レンズ114の背後を含むが、これに限定されない。
【0033】
図2は、回転鏡202を有するシステム200の一例を示す。システム200は、本明細書に記載されている1つ以上の他の例と組み合わせて使用することができる。システム200の個々のコンポーネントは、本明細書の別の例に関連して記載されている、対応するコンポーネントと同様の又は同一の機能を実施することができる。
【0034】
システム200は、光源204を含む。いくつかの実施において、光源204は、少なくとも1つの光ファイバケーブル206を介して順に受け取る光を提供する。例えば、光源204及び光ファイバケーブル206は、集めてファイバランチモジュールとみなすことができる。
【0035】
システム200は、回折格子208及び回折格子210を含む。いくつかの実施において、回折格子208及び/又は210は、光源204からの光に関して回折コンポーネントとして機能することができる。例えば、回折格子208及び/又は210は、周期構造を有する基材であって、プリズムと結合した基材を含むことができる。回折格子208及び210は、1つ以上の配置に従って互いに配置することができる。ここで、回折格子208及び210は、システム200において、互いに面する。回折格子208及び210は、互いに実質的に同一であることができ又は1つ以上の違いを有することができる。回折格子208及び210の一方のサイズ、周期性又は他の空間態様は、他方のそれとは異なることができる。回折格子208及び210のうちの1つの回折格子の向き(すなわち、周期構造の空間的な向き)は、他方のそれとは異なることができる。いくつかの実施において、回折格子それ自体が互いに面する、回折格子208及び210の各回折格子の向きは、互いに実質的に垂直又は互いにその他の角度であることができる。いくつかの実施において、回折格子208及び210は、回転鏡202に対してオフセット位置にあることができる。いくつかの実施において、回折格子208及び/又は210は、光源204に対して固定された位置にあることができる。
【0036】
システム200は、1つ以上のコンポーネント(例えば、図1の位相選択器108のような)を含んで試料に(例えば、図1の試料116に)適用されるべき光に関して位相選択を促進することができる。ここで、システム200は、ピエゾ干渉縞調整器212を含む。いくつかの実施において、ピエゾ干渉縞調整器212は、回折格子208及び/又は210から光を受け取ることができ、その光のいくらか又はすべてに関して位相選択を行うことができる。例えば、ピエゾ干渉縞調整器212は、それを使用して特定の画像が撮影されるべき、構造化光のパターン位相を制御するために使用することができる。ピエゾ干渉縞調整器212は、ピエゾアクチュエータを含むことができる。例えば、ピエゾピストンシステムは、位相選択を達成するために使用することができる。他のアプローチを使用することができる。例えば、傾斜した光学プレートは、位相選択のために使用することができる。例えば、システム200は、ここで、ボード214上で実施され、ボード214の1つ以上の領域を傾けて位相選択を達成することができる。別の例として、回折格子208及び210のうちの1つ以上は、例えばピエゾアクチュエータにより、位相選択のために動かす(例えば、移動する)ことができる。ピエゾ干渉縞調整器212から発せられる光は、しばしば位相選択された光と称され、特定の位相選択により調整された光を示す。いくつかの実施において、回折格子208及び/又は210は、光源204に対して固定された位置にあることができる。
【0037】
システムは、1つ以上の光学コンポーネント(例えば、レンズ)を含むことができる投影レンズ216を含み、ピエゾ干渉縞調整器212から受け取る光を調整する。例えば、投影レンズ216は、光が対物レンズ(例えば、図1における対物レンズ114)に入る前に光の特徴を制御することができる。
【0038】
回転鏡202は、回折格子208又は210のうちの1つ以上、に及び/又はから届く、少なくとも1つの光のビームをリダイレクトするために使用することができる。回転鏡202は、試料が照射されることとなる電磁波について十分に反射性であるために、1つ以上の材料を含むことができる。いくつかの実施において、光源204からの光は、1つ以上の波長のレーザービームを含む。例えば、金属コート鏡及び/又は誘電体反射鏡を、使用することができる。回転鏡202は、両面性であることができる。例えば、その両側の少なくとも一部で反射を行うことができる場合(例えば、第1のビーム路について第1の端部で反射性及び第2のビーム路について、第1の端部とは反対の、第2の端部で反射性)、回転鏡202は両面性であるとみなすことができる。
【0039】
回転鏡202は、伸長部材を含むことができる。回転鏡202は、様々な形態要素又は他の形状特性のうちの任意のものを有することができる。回転鏡202は、一般的に平坦な配置を有することができる。回転鏡202は、実質的に正方形又はそうでなければ四角形を有することができる。回転鏡202は、丸みを帯びた角を有することができる。回転鏡202は、実質的に一定の厚さを有することができる。回転鏡202の反射面は、実質的に平面状であることができる。
【0040】
回転鏡202は、システム200の心棒218により支持することができる。心棒218により、回転鏡202はいずれかの方向に又は双方向に心棒218周りに回転することが可能となる。心棒218は、回転鏡202を保持及び操作するのに十分な剛直性を有する材料からなることができ、かかる材料は金属を含むが、それに限定されない。心棒218は、回転鏡202の実質的に中心で結合することができる。例えば、回転鏡202は、心棒218との結合を促進するために、中心に開口部、すなわち中心に達する一方の側からの切り出し口を有することができる。別の例として、心棒218は、回転鏡202において開口部を必要とすることなく、回転鏡202の各面と結合した別個の心棒部分を含むことができる。心棒218は、少なくとも1つのサスペンション220を有することができる。ここで、サスペンション220は、回転鏡202の両側で心棒218の端部に配置されている。サスペンション220は、ベアリング又は低摩擦操作を促進する他の特徴を含むことができる。
【0041】
回転鏡202は、作動して1つ以上の位置を担うことができる。任意の形態のモータ又は他のアクチュエータは、回転鏡202を制御するために使用することができる。いくつかの実施において、ステッピングモータ222が使用される。ステッピングモータ222は、心棒218と結合することができ、心棒218、及びそれにより回転鏡202を回転させ、所望の位置を担わせることができる。いくつかの実施において、回転鏡202は、新しい位置に向けて同一方向に回転する(例えば、心棒218の回転軸周りに、常に時計回りに、又は常に反時計回りに)。いくつかの実施において、回転鏡202は、2つ以上の位置間を行き来する(例えば、心棒218の回転軸周りに、交互に時計回りに又は反時計回りに)。
【0042】
図3A-Bは、図2におけるシステム200に関する一例を示す。図3Aは、上面図においてシステム200を示し、図3Bは、透視図においてシステム200を示す。回転鏡202は、図3A-Bの各々において、同一の位置にある。
【0043】
光源204は、ここで、回折格子210に伝搬する光300を発生させる。回転鏡202は、回転鏡202の第1の端部302が光300を遮断しないよう、配置されている(例えば、心棒218の回転軸周りの向きに)。今、第1の端部302は、図の面内を伝搬し得る光300であるビューア(viewer)のより近くに配置することができる。すなわち、光源204に面する回転鏡202の反射面202Aは、今光300を遮断しない。というのは、第1の端部302は、光300のパスをブロックしないためである。光300は、それゆえ回折格子210に到達するまで(空気、真空、又は別の流体を介して)伝搬する。
【0044】
光300は、1つ以上の方法で回折格子210と相互作用する。いくつかの実施において、光300は、回折格子210に基づき、回折を受ける。ここで、光304は、光300による光300とのとの相互作用に基づき、回折格子210から発せられる構造化光(例えば、1つ以上のパターン縞を有する)である。光304は、初めに、一般的に投影レンズ216に向かう方向に実質的に伝搬する。しかしながら、回転鏡202の位置は、回転鏡202の第2の端部306が光304を遮断するものである。第2の端部306は、第1の端部302の反対側にあることができる。いくつかの実施において、第1の端部302及び第2の端部306は、互いに任意の角度、例えば0度及び180度間の任意の角度で配置することができる、今、第2の端部306は、光304であるビューアとおよそ同程度近くに配置することができる。すなわち、回折格子210に面する回転鏡202の反射面202Bは、光304を遮断する。というのは、第2の端部306は、光304のパスをブロックするためである。光304から、回転鏡202は、それゆえ、光308をピエゾ干渉縞調整器212に向ける。
【0045】
ピエゾ干渉縞調整器212は、光308に位相選択を行う。例えば、ピエゾ干渉縞調整器212は、試料が本願の照明において受けることとなるパターン位相を選択する(例えば、1つ以上の特定の画像を撮影する目的のために)。光310は、ピエゾ干渉縞調整器212から発せられ、投影レンズ216に伝搬し、入る。光310は、ピエゾ干渉縞調整器212を使用してなされた、特定の位相選択に対応する。光310は、それゆえ、位相選択された光として特徴付けることができる。光310は、例えば試料116を照射するために、システム(図におけるシステム100におけるもののような)を介して伝搬し続けることができる。
【0046】
ここで、光310の位相選択された電磁波の特徴は、光300が回折格子210により回折され、位相選択がピエゾ干渉縞調整器212により行われるという事実に対応する。回折格子210の包含は、さらに、ここで、その第2の端部306は光304を遮断するが、第1の端部302は光300を遮断しないよう、回転鏡202を配置することの結果であった。
【0047】
今、回転鏡202が、その代わり異なる位置に配置されていると仮定しよう。図4A-Bは、図2におけるシステム200に関する別の例を示す。図4Aは、上面図においてシステム200を示し、図4Bは、透視図においてシステム200を示す。回転鏡202は、図4A-Bの各々で同一の位置にある。
【0048】
光源204は、ここで、初めに回折格子210に伝搬する光300を発生させる。回転鏡202は、回転鏡202の第1の端部302が光300を遮断するよう配置されている(例えば、心棒218の回転軸周りの向きに)。今、第1の端部302は、光300であるビューアとおよそ同程度近くに配置することができる。すなわち、光源204に面する回転鏡202の反射面202Aは、光300を遮断する。というのは、第1の端部302は、光300のパスをブロックするためである。光312は、それゆえ、回折格子208に到達するまで(空気、真空、又は別の流体を介して)伝搬する。
【0049】
光312は、1つ以上の方法で、回折格子208と相互作用する。いくつかの実施において、光312は、回折格子208に基づき、回折を受ける。ここで、光314は、光312による、光312との相互作用に基づき、回折格子208から発せられる構造化光(例えば、1つ以上のパターン縞を有する)である。光314は、ピエゾ干渉縞調整器212に向かう方向に実質的に伝搬する。回転鏡202の位置は、回転鏡202の第2の端部306が光314を遮断しないものである。今、第2の端部306は、光314であるビューアにより近くに配置することができる。すなわち、回転鏡202の反射面202B、及び回折格子208に面する反射面202Cは、今いずれも光314を遮断しない。というのは、第2の端部306は、光314のパスをブロックしないためである。光314は、それゆえ、ピエゾ干渉縞調整器212に到達するまで伝搬する。
【0050】
ピエゾ干渉縞調整器212は、光314について位相選択を行う。例えば、ピエゾ干渉縞調整器212は、試料が本願の照明において受けることとなる、パターン位相を選択する(例えば、1つ以上の特定の画像を撮影する目的のために)。光316は、ピエゾ干渉縞調整器212から発せられ、投影レンズ216に伝搬し、入る。光316は、ピエゾ干渉縞調整器212を使用してなされる、特定の位相選択に対応する。光316は、それゆえ、位相選択された光として特徴付けることができる。光316は、システム(例えば、図1におけるシステム100におけるような)を介して、例えば試料116を照射するために、伝搬し続けることができる。
【0051】
ここで、光316の位相選択された電磁波の特徴は、光300が回折格子208により回折し、位相選択がピエゾ干渉縞調整器212により行われる、という事実に対応する。回折格子208の包含は、さらに、ここで、その第1の端部302が光300を遮断するが、第2の端部306が光314を遮断しないよう、回転鏡202を配置することの結果であった。回転鏡202は、様々な回転により、繰り返し異なる位置を担わせることができる(例えば、各々、図3A-B及び図4A-Bのもの)。例えば、回転鏡202は、図3A-Bの位置及び図4A-Bの位置間を行き来することができる。別の例として、回転鏡202は、同一方向に(例えば、ステッピングモータ222の透視図から、時計回りに又は反時計回りに)回転することができ、繰り返し図3A-Bの位置及び図4A-Bの位置を担うことができる。
【0052】
前記のように、回折格子208及び210は、互いに関して異なる回折格子の向きを有することができる。例えば、回折格子208及び210は、互いに実質的に垂直な回折格子の向きを有することができる。回折格子210から発せられる光304(図3A)、及び、回折格子208から発せられる、光314(図4A)は、それゆえ、異なる特徴を有することができる。例えば、縞のパターンは、光304及び314の一方において、他方におけるものとは異なることができる。異なる構造化光で試料(例えば、図1における試料116)を照射することにより、SIMイメージングのためのシステム200の使用を促進することができる。
【0053】
前記例は、光源(例えば、光源204);第1の回折格子(例えば、回折格子210)及び第2の回折格子(例えば、回折格子208);位相選択器(例えば、ピエゾ干渉縞調整器212);及び少なくとも1つの反射コンポーネント(例えば、回転鏡202)を含むシステムを示す。第1の位置(例えば、図3A-Bにおいて示される)において、反射コンポーネントは、光源から第1の回折格子への(例えば、光300を遮断しない第1の端部302による)及びその後位相選択器への(例えば、光304をブロックする第2の端部306による)第1の光路を形成する。第2の位置(例えば、図4A-Bにおいて示される)において、反射コンポーネントは、光源から第2の回折格子への(例えば、光300をブロックする第1の端部302による)及びその後位相選択器への(例えば、光304を遮断しない第2の端部306による)第2の光路を形成する。
【0054】
前記例は、光源(例えば、光源204);第1の回折格子(例えば、回折格子208)及び第2の回折格子(例えば、回折格子210);位相選択器(例えば、ピエゾ干渉縞調整器212);及び少なくとも1つの鏡(例えば、回転鏡202)を含むシステムをまた示す。特に、鏡は、光源から第2の回折格子への第1のパスを遮断するが(例えば、第1の端部302により)、第1の回折格子から位相選択器への第2のパスを遮断しない(例えば、光314をブロックしない第2の端部306により)、第1の位置(例えば、図4A-Bにおいて示されるような)を有する。鏡は、第2の回折格子からの第3のパスを遮断し(例えば、第2の端部306により)、第2の光(例えば、光308)を位相選択器に向けるが、第1のパスを遮断しない(例えば、光300をブロックしない第1の端部302により)、第2の位置(例えば、図3A-Bにおいて示されるような)を有する。
【0055】
本明細書における例は、SIMイメージングのために使用することができる構造化光を提供する反射コンポーネント及び1つ以上の回折格子の使用に関する。いくつかの実施において、機械的動作は、重要であり得る(例えば、鏡又は別の反射コンポーネントを回転させることによる)。しかしながら、合理的な機械的及び動作耐性を提供することができる。例えば、反射コンポーネント(例えば、鏡又はプリズム鏡)の開始又は停止位置に関して、正確性は、それほど又はまったく必要とされないかもしれない;及び安定性及び再現性は、正確なベアリング(例えば、サスペンション220における)、正確なスピンドル(例えば、心棒218における)、及び/又は正確な鏡(例えば、小さい逃げ及び/又は良好な平坦性を有する回転鏡202を有する)を使用することにより、(例えば、回転鏡を用いて)提供することができる。安定性及び再現性は、すり減ることができる部分(例えば、ガイドウェイ及び/又は端部停止部)とは、独立して、なされ得る。
【0056】
図5は、SIMイメージングシステムの一部として使用することができる、システム500の別の例を概略的に示す。システム500は、本明細書に記載されている1つ以上の他の例と組み合わせて使用することができる。システム500は、光源502、鏡504、回折格子506及び回折格子508、鏡510、位相選択器512、及び投影レンズ514を含む。システム500の個々のコンポーネントは、本明細書の別の例に関連して記載されている、対応するコンポーネントと同様の又は同一の機能を行うことができる。ここで、回折格子506及び508は、互いに面する。いくつかの実施において、回折格子506及び508は、異なる回折格子の向きを有し、互いに実質的に垂直であるもの又は互いにその他の角度であるものを含むが、それらに限定されない。いくつかの実施において、回折格子506及び508は、鏡504及び/又は鏡510に対してオフセット位置であることができる。
【0057】
各x-、y-及びz-軸を有するデカルト座標系を示す。ここで、図の平面におけるx-及びy-軸は、図の平面において伸び、z-軸はビューアに向かう方向において、x-及びy-軸に垂直に伸びる。
【0058】
パス516は、光源502及び回折格子508間に示される。この及び他の例において、光のビームが何らかの構造により遮られていない限り、パスは、光のビームが進むことができる道を示すことができる。パス517は、鏡504及び回折格子506間に示される。パス518は、回折格子506及び位相選択器512間に示される。この例において、回折格子508から投影レンズ514の側に延びるパス520が示される。パス516、517、518、520は、ここでは破線を使用して示される。
【0059】
光源502は、ここで、パス516の少なくとも一部に沿って光522を発生させる。鏡504の位置が鏡504がパス516を遮断せず、光522をブロックしないものである場合、光522は、パス516に沿って伝搬し、回折格子508に達することができる。すなわち、鏡504は光522の光路を形成するとみなすことができ、光路は光源502から回折格子508に延びる。他方、鏡504の位置が鏡504がパス516を遮断し、光522をブロックするものである場合、鏡504は光522を反射することができ、光524は回折格子506に向かってパス517に沿って伝搬することができる。リダイレクトされた光524は、ここで、点破線で示される。すなわち、鏡504は光522及び光524の光路を形成するとみなすことができ、光路は光源502から回折格子506に延びる。したがって、鏡504は、鏡504の位置に基づき、2つのパス間の光源502から回折格子506又は508のうちの選択した1つに光522を選択的にリダイレクトすることができる。
【0060】
鏡510は、鏡510の位置に基づき、回折格子506又は508のうちの選択された1つから位相選択器512に選択的に光をリダイレクトすることができる。光526が回折格子508から発せられるよう、鏡504がパス516を遮断せず、鏡510の位置が鏡510がパス520を遮断し、回折格子508から発せられる光526をブロックするものである場合、鏡510は光528を位相選択器512に反射することができる。すなわち、鏡504及び510は協同して光522、光526及び光528の光路を形成することみなすことができ、光路は光源502から位相選択器512に延びる。他方、鏡504が光524が回折格子506にリダイレクトされるよう、パス516を遮断し、鏡510の位置が鏡510がパス518を遮断せず、光530をブロックしない場合、光530はパス518に沿って伝搬し、位相選択器512に達することができる。光530は、ここで、点破線で示される。すなわち、鏡504及び510は協同して光522、光524、及び光530の光路を形成するとみなすことができ、光路は光源502から位相選択器512に延びる。
【0061】
パス516、517、518及び520は、システム500のコンポーネントの向きに依存する1つ以上の面を規定することができる。ここで、光522、光526及び光528を含む光路は、図示したx-y-平面において(例えば、図の面内において)実質的に延びる。同様に、光522、光524及び光530を含む光路は、x-y-平面においてまた実質的に延びる。システム500の少なくとも1つの態様は、1つ以上のかかる面に実質的に並ぶことができる。いくつかの実施において、鏡504及び510は、回転鏡(例えば、図2における回転鏡202)の一部である。例えば、かかる回転鏡は、鏡504及び510間にここに概略的に示される軸532周りに少なくとも部分的に回転することができる。軸532は、光路の1つ以上の平面に対して実質的に平行であることができる。例えば、軸532は、ある方向(例えば、図2における心棒218の配置と同様、ビューアに向かう)において、平面からオフセットであることができる。いくつかの実施において、光522、524、526、528、及び/又は530のうちの1つ以上は、x-、y-、及びz-軸において、コンポーネントを有する光路を形成するために、x-y面(すなわち、ビューアに向かう又はビューアから離れる方向に)に対してある角度を形成する平面に沿って伝搬することができる。
【0062】
図6は、移動鏡602を有するシステム600の一例を概略的に示す。移動鏡602は、ここで、破線を使用して概略的に示す。移動鏡602の例は、下記に与えられる。システム600は、本明細書に記載されている1つ以上の他の例と組み合わせて使用することができる。システム600は、光源604、回折格子606及び回折格子608、及び位相選択器610を含む。システム600の個々のコンポーネントは、本明細書の別の例に関連して記載されている、対応するコンポーネントと同様の又は同一の機能を行うことができる。
【0063】
移動鏡602は、システム600の操作の一部として移動(1つ以上の方向に)を受けることができる、1つ以上の鏡を含むことができる。移動鏡602は、移動鏡602が光源604から回折格子606へ、その後位相選択器610への光路612を形成する、第1の位置に移動することができる。移動鏡602は、移動鏡602が光源604から回折格子608へ、その後位相選択器610への光路614を形成する、第2の位置に移動することができる。したがって、移動鏡602は、2つの光路612及び614間の光源604から位相選択器610に光を選択的にリダイレクトすることができる。
【0064】
回折格子606及び608は、互いに任意の様々な位置に配置することができる。回折格子606の向きは、回折格子606の垂線616を使用して特徴付けることができる。例えば、垂線616は、回折格子606の光学的に活性な面に垂直に規定されたベクトルであることができる。回折格子608の向きは、回折格子608の垂線618を使用して特徴付けることができる。例えば、垂線618は、回折格子608の光学的に活性な面に垂直に規定されたベクトルであることができる。いくつかの実施において、垂線616及び618は、互いに実質的に並んでいる。例えば、垂線616及び618は、互いに実質的に逆平行(例えば、互いに向いている)であることができる。他の実施において、垂線616及び618は、垂線616及び618間にある角度を形成することができる。
【0065】
光路612及び614は、システム600のコンポーネントの向きに応じて1つ以上の平面を規定することができる。ここで、光路612及び614の各々は、図の面内に実質的に延びる。他の実施において、光路612及び/又は614は、図の面から又は面に延びる1つ以上の部分を有することができる。システム600の少なくとも1つの態様は、光路612又は614の1つ以上のかかる面に実質的に並ぶことができる。いくつかの実施において、移動鏡602は、光路612及び614の面に実質的に垂直な移動を受けることができる。いくつかの実施において、移動鏡602は、光路612及び614の面に実質的に平行な移動を受けることができる。これらのアプローチの組み合わせを使用することができる。いくつかの実施において、移動鏡602の第1の側は第1の反射角(例えば、光路612を形成する)を有することができ、及び移動鏡602の第2の側は第2の反射角(例えば、光路614を形成する)を有することができ、第1の反射角は第2の反射角とは異なる。
【0066】
図7A-Bは、図6におけるシステム600に関する一例を概略的に示す。記載されている例は、本明細書に記載されている1つ以上の他の例と組み合わせて使用することができる。移動鏡602’を、ここで、概略的に示す。移動鏡602’は、図6における移動鏡602として、又はその一部として、使用することができる。すなわち、鏡700及び704のペアは、図7Aに示される第1の移動された位置にある場合、光路614を形成することができ、鏡700及び704のペアは、図7Bに示される第2の移動された位置にある場合、光路612を形成することができる。移動鏡602’は、トラック702と結合した鏡700を含む。ここで、鏡700は四角形を有し、鏡700の700A側はトラック702の702A側に面する。トラック702は、702A側に沿って垂直に鏡700の移動を促進することができる。例えば、アクチュエータ(図示していない)は鏡700に作用することができ、トラック702に沿っていずれかの方向に再配置することができる。同様に、移動鏡602’は、四角形を有し、鏡704の704側がトラック706の706A側に面するようトラック706と結合された鏡704を含む。したがって、トラック706は、706A側に沿って垂直に鏡704の移動を促進することができる。1つより多くのトラックは、鏡700及び/又は704の移動のために使用することができる。他のタイプの作動を使用することができる。例えば、鏡700及び/又は704は、アクチュエータにより操作することができる。
【0067】
図7Aは、トラック702の端部708に向けて配置された鏡700を有する移動鏡602’、及びトラック706の端部710に向けて配置された鏡704の構成を示す。いくつかの実施において、図7Aの位置は、1つ以上の光路の形成に対応することができる。例えば、図6をまた参照すると、端部710に向けての鏡704の位置は、光源604及び回折格子606間の光路612の遮断を促進することができる。ブロックのために、鏡704は、光源604から回折格子608に光をリダイレクトする働きをすることができ、そうする際、光路614を形成することができる。今、端部708に向けて配置されている、鏡700は、さらに、回折格子608及び位相選択器610間の光路614を遮断しなくてもよい。かかるものとして、示された配置への移動鏡602’の移動により、システム600における光路614を形成することができる。
【0068】
図7Bは、トラック702の端部712に向けて配置された鏡700を有する移動鏡602’、及びトラック706の端部714に向けて配置された鏡704の構成を示す。端部712は、ここで、端部708と実質的に反対であり、端部714は、ここで、端部710と実質的に反対である。いくつかの実施において、図7Bの位置は、1つ以上の光路の形成に対応することができる。例えば、図6をまた参照すると、端部714に向けての鏡704の位置は、光源604からの光路612を遮断しなくてもよく、光は、それゆえ、回折格子606に達することができる。今、端部712に向けて配置されている、鏡700は、さらに、回折格子606から発せられる光路612を遮断することができる。ブロックのために、鏡700は、回折格子606から位相選択器610に光をリダイレクトする働きをし、そうする際、光路612を形成することができる。かかるものとして、示された配置への移動鏡602’の移動により、システム600における光路612を形成することができる。図7A-Bにおいて示される位置への又は位置からの移動は、光路612及び614の面の1つ以上に実質的に垂直である方向に生じることができる。
【0069】
図8A-Bは、図6におけるシステム600に関する別の例を概略的に示す。記載されている例は、本明細書に記載されている1つ以上の他の例と組み合わせて使用することができる。移動鏡602’’を、ここで、概略的に示す。移動鏡602’’は、図6の移動鏡602として、又はその一部として使用することができる。移動鏡602’’は、トラック802と結合した鏡800を含む。ここで、鏡800は四角形を有し、鏡800の800A側はトラック802の802A側に面する。トラック802は、802A側に沿って鏡800の移動を促進することができる。例えば、アクチュエータ(図示していない)は鏡800に作用することができ、トラック802に沿っていずれかの方向に鏡800を再配置することができる。
【0070】
図8Aは、トラック802の端部804に向けて配置された鏡800を有する移動鏡602’’の構成を示す。いくつかの実施において、図8Aの位置は、1つ以上の光路の形成に対応することができる。例えば、図6をまた参照すると、端部804に向けての鏡800の位置は、光源604及び回折格子606間の光路612間の遮断を促進することができる。ブロックのために、鏡800は光源604から回折格子608に光をリダイレクトする働きをすることができ、そうする際、光路614を形成することができる。トラック802の端部806に、鏡は今配置されていない。結果として、移動鏡602’’は、回折格子608及び位相選択器610間の光路614を遮断しなくてもよい。かかるものとして、移動鏡602’’の示された配置への移動により、システム600における光路614を形成することができる。
【0071】
図8Bは、トラック802の端部806に向けて配置された鏡800を有する移動鏡602’’の構成を示す。いくつかの実施において、図8Bにおける位置は、1つ以上の光路の形成に対応することができる。例えば、図6をまた参照すると、端部804に鏡がないことにより、光源604から回折格子606への光の伝搬を促進することができる。さらに、端部806に向けての鏡800の位置は、回折格子606から発せられる光路612の遮断を促進することができる。ブロックのために、鏡800は、回折格子606から位相選択器610に光をリダイレクトする働きをすることができ、そうする際、光路612を形成することができる。
【0072】
図9は、回転プリズム902を有するシステム900の一例を示す。システム900は、本明細書に記載されている1つ以上の他の例と組み合わせて使用することができる。システム900は、光源904、回折格子906及び回折格子908、位相選択器910、及び投影レンズ912をまた含む。システム900の個々のコンポーネントは、本明細書の別の例に関連して記載されている、対応するコンポーネントと同様の又は同一の機能を行うことができる。
【0073】
回転プリズム902は、1つ以上の位置を担う1つ以上の回転軸周りに回転を受けることができる。ここで、回転プリズム902は図の面に対し、垂直な軸周りに回転することができ、回転は矢印914により概略的に示される。簡単のため、回転プリズム902は、ここでは単一方向に示す。しかしながら、システム900の操作は、回転プリズム902の少なくとも2つの異なる向きに基づき、説明されることとなる。ここで、回折格子906及び908は、位相選択器910に面する。他の配置又は向きを使用することができる。
【0074】
光源904は、回転プリズム902に伝搬する光916を提供する。光916は、回転プリズム902と相互作用し、反射を受けることとなる。ここで、回転プリズム902から発せられる光918は、回転プリズム902が第1の位置にある場合、かかる反射の結果である。光918は回折格子906に向けられており、それと相互作用する。光920は、この相互作用の結果として、回折格子906から発せられ、位相選択器910に向けて伝搬し、それと相互作用する。光922は、この相互作用の結果として、位相選択器910から発せられ、投影レンズ912に向けて伝搬し、それと相互作用する。すなわち、回転プリズム902が第1の位置にある場合、それは回転プリズム902から回折格子906に第1の光路に沿って光918を反射する。
【0075】
さらに、回転プリズム902から発せられる光924は、回転プリズム902が第2の位置にある場合、光916の反射の結果である。光924は、回折格子908に向けられており、それと相互作用する。光926は、この相互作用の結果として、回折格子908から発せられ、位相選択器910に伝搬し、それと相互作用する。光922は、この相互作用の結果として、位相選択器910から発せられ、投影レンズ912に伝搬し、それと相互作用する。すなわち、回転プリズム902が第2の位置にある場合、それは回転プリズム902から回折格子908に第2の光路に沿って光924を反射する。
【0076】
図10は、SIMを行うために使用することができる方法1000の一例を示す。方法1000は、本明細書に説明されているシステムの1つ以上において行うことができる。方法1000は、示されているよりも多くの又は少ない操作を含むことができる。方法1000の操作の2つ以上は、別段示されていない限り、異なる順序で行うことができる。本明細書に記載されている他の例のいくつかの態様は、説明目的のために参照されることとなる。
【0077】
1010にて、方法1000は、第1の位置に反射コンポーネントを配置することを含む。第1の位置は、光源で生じ、第1の回折格子に延び、その後後続のコンポーネントに延びる第1の光路の規定を促進することができる。例えば、回転鏡202は、図3A-Bに示される位置に配置して光源204から回折格子210へ、その後ピエゾ干渉縞調整器212への光路を規定することができ、光路は光300、304及び308を含む。別の例として、回転鏡202は、図4A-Bに示される位置に配置されて光源204から回折格子208へ、その後ピエゾ干渉縞調整器212への光路を規定することができ、光路は光300、312及び314を含む。別の例として、図5の鏡504及び510は、光522、526及び528を含む光路を規定するために配置することができる。別の例として、図5の鏡504及び510は、光522、524及び530を含む光路を規定するために配置することができる。別の例として、移動鏡602’は、図7Aに示される位置に配置されて図6における光路614を規定することができる。別の例として、移動鏡602’は、図7Bに示される位置に配置されて図6における光路612を規定することができる。別の例として、移動鏡602’’は、図8Aに示される位置に配置されて図6における光路614を規定することができる。別の例として、移動鏡602’’は、図8Bに示される位置に配置されて図6における光路612を規定することができる。別の例として、図9における回転プリズム902は、光916、918、920及び922を含む光路を規定する位置に配置することができる。別の例として、図9における回転プリズム902は、光916、924、926及び922を含む光路を規定する位置に配置することができる。例えば、後続のコンポーネントは、図1における位相選択器108であることができる。別の例として、後続のコンポーネントは、図11における投影レンズ110であることができる。
【0078】
1020にて、方法1000は、第1の光路から試料に第1の位相選択された光を向ける工程を含む。例えば、位相選択された光は、ピエゾ干渉縞調整器212(図2)及び/又は位相選択器108(図1)、512(図5)、610(図6)又は910(図9)のうちの1つ以上から発することができる。位相選択された光は、図1における試料116に向けることができる。したがって、試料は、位相選択された光(例えば、構造化光)を使用して照射することができる。試料は第1の位相選択された光によるかかる照射に基づき、画像化することができ(例えば、図1におけるカメラシステム122を使用して)、かかる操作は、簡略のため、明確に説明されてない。
【0079】
1030にて、方法1000は、第2の位置に反射コンポーネントを配置する工程を含む。第2の位置は、光源で生じ、第2の回折格子に延び、その後後続のコンポーネントに延びる第2の光路の規定を促進することができる。例えば、回転鏡202は、図3A-Bにおいて示される位置に配置されて、光源204から回折格子210へ、その後ピエゾ干渉縞調整器212への光路を規定することができ、光路は、光300、304及び308を含む。別の例として、回転鏡202は、図4A-Bにおいて示される位置に配置されて光源204から回折格子208へ、その後ピエゾ干渉縞調整器212への光路を規定することができ、光路は、光300、312及び314を含む。別の例として、図5における鏡504及び510は、配置されて光522、526及び528を含む光路を規定することができる。別の例として、図5における鏡504及び510は、配置されて光522、524及び530を含む光路を規定することができる。別の例として、移動鏡602’は、図7Aにおいて示される位置に配置されて図6における光路614を規定することができる。別の例として、移動鏡602’は、図7Bにおいて示される位置に配置されて図6における光路612を規定することができる。別の例として、移動鏡602’’は、図8Aにおいて示される位置に配置されて図6における光路614を規定することができる。別の例として、移動鏡602’’は、図8Bにおいて示される位置に配置されて図6における光路612を規定することができる。別の例として、図9における回転プリズム902は、光916、918、920及び922を含む光路を規定する位置に配置することができる。別の例として、図9における回転プリズム902は、光916、924、926及び922を含む光路を規定する位置に配置することができる。
【0080】
1040にて、方法1000は、第2の光路から試料に第2の位相選択された光を向ける工程を含む。例えば、位相選択された光は、ピエゾ干渉縞調整器212(図2)及び/又は位相選択器108(図1)、512(図5)、610(図6)又は910(図9)のうちの1つ以上からから発することができる。位相選択された光は、図1における試料116に向けることができる。したがって、試料は、位相選択された光(例えば、構造化光)を使用して照射することができる。試料は、第2の位相選択された光によるかかる照射に基づき、画像化することができ(例えば、図1におけるカメラシステム122を使用して)、かかる操作は、簡単のため、ここでは明確に説明しない。
【0081】
図11は、SIMを促進することができるシステム1100の別の例を概略的に示す。システム1100は、本明細書に記載されている1つ以上の他の例と組み合わせて使用することができる。この及び他の例におけるいくつかのコンポーネントをブロック又は他の一般的コンポーネントとして概念的に示す;かかるコンポーネントは、示された機能を行うために、1つ以上の別個の又は統合コンポーネントの形態で実施することができる。明確に述べられていないシステム100(図1)のそれと対応するコンポーネントは、システム1100において、同一の又は同様の役割を果たすことができる。
【0082】
システム1100は、光構造化コンポーネント104’より前に配置された位相選択器108’を含む。いくつかの実施において、位相選択器108’は、光源102からビーム106を受け取ることができる。位相選択器108’は、位相選択された光を光構造化コンポーネント104’に提供することができる。光構造化コンポーネント104’は、構造化光を発生させ、構造化光をシステム1100における後続のコンポーネントに提供することができる。いくつかの実施において、後続のコンポーネントは、投影レンズ110である。他のアプローチを使用することができる。
【0083】
いくつかの実施において、ステージ118は、静止している光の縞に対して試料116をある距離移動させて位相選択を達成することができる(例えば、ステージ118においてピエゾアクチュエータを使用して)。例えば、位相選択器108’は、システム1100において無視することができ、又はシステム1100から除くことができる。
【0084】
図12は、生物学的及び/又は化学的分析のために使用することができるシステム1200の一例の概略図である。システム100(図1)及び/又は方法1000(図10)を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載されたシステム及び/又は技術は、いくつかの実施において、システム1200の一部であることができる。システム1200は、少なくとも1つの生物学的及び/又は化学的物質に関する何らかの情報又はデータを得るために作動することができる。いくつかの実施において、担体1202は、分析される材料を供給する。例えば、担体1202は、カートリッジ又は材料を保持する任意の他のコンポーネントを含むことができる。いくつかの実施において、システム1200は、少なくとも分析の間、担体1202を受け取る容器1204を有することができる。容器1204は、システム1200のハウジング1206において開口部を形成することができる。例えば、システム1200のうちのいくつか又はすべてのコンポーネントは、ハウジング1206内にあることができる。
【0085】
システム1200は、担体1202の材料の生物学的及び/又は化学的分析のための光学システム1208を含むことができる。光学システム1208は、材料の照射及び/又はイメージングを含むが、これに限定されない、1つ以上の光学操作を行うことができる。例えば、光学システム1208は、本明細書のどこかに記載された任意の又はすべてのシステムを含むことができる。別の例として、光学システム1208は、本明細書のどこかに記載された任意の又はすべての操作を行うことができる。
【0086】
システム1200は、生物学的及び/又は化学的分析に関する熱処理を提供するための熱システム1210を含むことができる。いくつかの実施において、熱システム1210は、分析される材料及び/又は担体1202の少なくとも一部を熱的に調整する。
【0087】
システム1200は、生物学的及び/又は化学的分析に関する1つ以上の流体を管理するための流体システム1212を含むことができる。いくつかの実施において、流体は、担体1202又はその材料に提供することができる。例えば、流体は、担体1202の物質に添加することができ及び/又は担体1202の物質から除くことができる。
【0088】
システム1200は、生物学的及び/又は化学的分析に関する入力及び/又は出力を促進するユーザインタフェース1214を含む。ユーザインタフェースは、2、3例を挙げると、システム1200の操作のための1つ以上のパラメータを特定するために及び/又は生物学的及び/又は化学的分析の結果を出力するために使用することができる。例えば、ユーザインタフェース1214は、1つ以上のディスプレイスクリーン(例えば、タッチスクリーン)、キーボード、及び/又はポインティング装置(例えば、マウス又はトラックパッド)を含むことができる。
【0089】
システム1200は、生物学的及び/又は化学的分析を行うためのシステム1200の1つ以上の態様を制御することができる、システムコントローラ1216を含むことができる。システムコントローラ1216は、容器1204、光学システム1208、熱システム1210、流体システム1212、及び/又はユーザインタフェース1214を制御することができる。システムコントローラ1216は、プロセッサへの実施可能な命令とともに、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つの記憶媒体(例えば、メモリ)を含むことができる。
【0090】
図13は、回転鏡1302を有するシステム1300の一例を示す。いくつかの実施において、システム1300は、RIGSとして特徴付けることができる。システム1300は、本明細書に記載されている1つ以上の他の例と組み合わせて使用することができる。システム1300の個々のコンポーネントは、本明細書の別の例に関連して記載されている、対応するコンポーネントと同様の又は同一の機能を行うことができる。
【0091】
システム1300は、光源1304を含む。いくつかの実施において、光源1304は、少なくとも1つの光ファイバケーブル1306を介して順に受け取る光を提供する。例えば、光源1304及び光ファイバケーブル1306を集めてファイバランチモジュールとみなすことができる。
【0092】
システム1300は、回折格子1308及び回折格子1310を含む。いくつかの実施において、回折格子1308及び/又は1310は、光源1304からの光に関して回折コンポーネントとして機能することができる。例えば、回折格子1308及び/又は1310は、周期構造を有する基材を含むことができ、基材はプリズムと結合している。回折格子1308及び1310は、1つ以上の配置に応じて互いに配置することができる。ここで、回折格子1308及び1310は、システム1300において、互いに面する。回折格子1308及び1310は、互いに実質的に同一であることができ又は1つ以上の違いを有することできる。回折格子1308及び1310の一方のサイズ、周期性又は他の空間態様は、他方のそれとは異なることができる。回折格子1308及び1310の一方の回折格子の向き(すなわち、周期構造の空間的な向き)は、他方のそれとは異なることができる。いくつかの実施において、回折格子自体が互いに面する、回折格子1308及び1310の各回折格子の向きは、互いに実質的に垂直又は互いにその他の角度であることができる。いくつかの実施において、回折格子1308及び1310は、回転鏡1302に対してオフセット位置であることができる。いくつかの実施において、回折格子1308及び/又は1310は、光源1304に対して固定された位置にあることができる。
【0093】
システム1300は、試料に(例えば、図1における試料116に)適用されるべき光に関して位相選択を促進する、1つ以上のコンポーネント(例えば、図1の位相選択器108のような)を含むことができる。ここで、システム1300は、ピエゾ干渉縞調整器1312を含む。いくつかの実施において、ピエゾ干渉縞調整器1312は、回折格子1308及び/又は1310から光を受け取ることができ、その光のいくらか又はすべてに関して位相選択を行うことができる。例えば、ピエゾ干渉縞調整器1312は、それを使用して特定の画像が撮影されるべき、構造化光のパターン位相を制御するために使用することができる。ピエゾ干渉縞調整器1312は、ピエゾアクチュエータを含むことができる。例えば、ピエゾピストンシステムは、位相選択を達成するために使用することができる。他のアプローチを使用することができる。例えば、傾斜した光学プレートは、位相選択のために使用することができる。例えば、システム1300は、ここで、ボード1314上で実施され、ボード1314の1つ以上の領域は傾けて位相選択を達成することができる。別の例として、回折格子1308及び1310のうちの1つ以上は、例えばピエゾアクチュエータにより、位相選択のために動かす(例えば、移動する)ことができる。ピエゾ干渉縞調整器1312から発せられる光は、しばしば位相選択された光と称されて特定の位相選択に従って光が調整されたことを示す。いくつかの実施において、回折格子1308及び/又は1310は、光源1304に対して固定された位置にあることができる。
【0094】
システムは、1つ以上の光学コンポーネント(例えば、レンズ)を含むことができる投影レンズ1316を含んでピエゾ干渉縞調整器1312から受け取る光を調整する。例えば、投影レンズ1316は、光が対物レンズ(例えば、図1における対物レンズ114)に入る前に光の特徴を制御することができる。
【0095】
回転鏡1302は、回折格子1308又は1310のうちの1つ以上に及び/又は回折格子1308又は1310のうちの1つ以上から届く、少なくとも1つの光のビームをリダイレクトするために使用することができる。回転鏡1302は、試料が照射されることとなる電磁波が十分に反射性であるために1つ以上の材料を含むことができる。いくつかの実施において、光源1304からの光は、1つ以上の波長のレーザービームを含む。例えば、金属コート鏡及び/又は誘電体反射鏡を使用することができる。回転鏡1302は、両面性であることができる。例えば、回転鏡1302は、その両側の少なくとも一部上で反射を行うことができる場合(例えば、第1のビーム路について第1の端部で反射性及び第2のビーム路について、第1の端部とは反対の、第2の端部で反射性)、両面性であるとみなされる。
【0096】
回転鏡1302は、伸長部材を含むことができる。回転鏡1302は、様々な形態要素又は他の形状特性のうちの任意のものを有することができる。回転鏡1302は、一般的に平坦な配置を有することができる。回転鏡1302は、実質的に正方形又はそうでなければ四角形を有することができる。回転鏡1302は、丸みを帯びた角を有することができる。回転鏡1302は、実質的に一定の厚さを有することができる。回転鏡1302の反射面は、実質的に平面状であることができる。
【0097】
回転鏡1302は、システム1300の心棒1318により支持することができる。心棒1318により、いずれかの方向に又は双方向に心棒1318周りに回転鏡1302を回転させることができる。心棒1318は、回転鏡1302を保持及び操作するために十分な剛直性を有する素材からなることができ、かかる素材は金属を含むが、それに限定されない。心棒1318は、実質的に回転鏡1302の中心で結合されることができる。例えば、回転鏡1302は、心棒1318との結合を促進するために、中心に開口部、すなわち中心に達する一方の側からの切り出し口を有することができる。別の例として、心棒1318は、回転鏡1302において開口部を必要とすることなく、回転鏡1302の各1つ以上の面と結合した、1つ以上の別個の心棒部分を含むことができる。心棒1318は、少なくとも1つのサスペンション1320を有することができる。ここで、サスペンション1320は、回転鏡1302の一方の側で心棒1318の一端に配置することができる。サスペンション1320は、ベアリング又は低摩擦操作を促進する他の特徴を含むことができる。
【0098】
回転鏡1302は、作動して1つ以上の位置を担うことができる。モータ又は他のアクチュエータの任意の形態は、回転鏡1302を制御するために使用することができる。いくつかの実施において、ステッピングモータ1322が使用される。ステッピングモータ1322は、心棒1318に結合することができ、心棒1318に、及びそれにより回転鏡1302に、回転及び所望の位置を担わせるために使用することができる。いくつかの実施において、回転鏡1302は、新しい位置に対して同一方向に(例えば、心棒1318の回転軸周りに、常に時計回りに、又は常に反時計回りに)回転することができる。いくつかの実施において、回転鏡1302は、2つ以上の位置間を行き来する(例えば、心棒1318の回転軸周りに、交互に時計回りに又は反時計回りに)。
【0099】
システム1300のスループット及び/又は別の性能特性は、回転鏡1302が1つの位置から別の位置に変更されるべき場合、少なくとも部分的に取得される時間に依存する。いくつかの実施において、ステッピングモータ1322のタイプ及び/又は型(make)は、少なくとも部分的にシステム1300の予期した又は意図した性能に基づき、選択することができる。例えば、ステッピングモータ1322をより早くすることにより、回転鏡1302の切り替え速度を増加させることができる。
【0100】
システム1300を製造する及び/又は維持するコストは、少なくとも部分的にステッピングモータ1322のタイプに依存する。いくつかの実施において、ステッピングモータ1322は、ギア又は他の中間コンポーネントなしに心棒1318を直接駆動させる、直接駆動電気モータである。例えば、かかる実施は、システム1300の部品数及び/又は部品のコストを減少させることができる。
【0101】
光源1304は、ここで、光源1304及び鏡1326間を伝搬する光1324Aを含む光1324を発生させる。光1324は、伝搬の異なる可能性を説明するために、本願の図において概略的に示され、システム1300の構造により不明瞭にされることなく、明確のため、全体の光路を示す。鏡1326は、光1324Aを反射して回転鏡1302及び/又は回折格子1310に向けられた光1324Bを形成するために使用することができる。鏡1326は、試料が照射されることとなる電磁波を十分に反射するために1つ以上の材料を含むことができる。いくつかの実施において、光源1304からの光は、1つ以上の波長のレーザービームを含む。例えば、金属コート鏡及び/又は誘電体反射鏡を使用することができる。
【0102】
回転鏡1302は、回転鏡1302の第1の端部1328が光1324Bを遮断しないよう、今配置されている(例えば、心棒1318の回転軸周りの向きで)。今、第1の端部1328は、図の面内に伝搬し得る光1324Bであるビューアにより近くに配置することができる。すなわち、光源1304に面する回転鏡1302の反射面1302Aは、今光1324Bを遮断しない。というのは、第1の端部1328は、光1324Bのパスをブロックしないためである。光1324Bは、それゆえ、回折格子1310に到達するまで(空気、真空、又は別の流体を介して)伝搬する。
【0103】
光1324Bは、1つ以上の方法において、回折格子1310と相互作用する。いくつかの実施において、光1324Bは、回折格子1310に基づき、回折を受ける。ここで、光1324Cは、光1324Bによる、光1324Bとの相互作用に基づき、回折格子1310から発せられる構造化光(例えば、1つ以上のパターン縞を有する)である。光1324Cは、初めに投影レンズ1316の側に一般的に向かう方向に実質的に伝搬する。しかしながら、回転鏡1302の位置は、回転鏡1302の第2の端部1330が光1324Cを遮断するものである。第2の端部1330は、第1の端部1328の反対であることができる。いくつかの実施において、第1の端部1328及び第2の端部1330は、互いに任意の角度、例えば0度及び180度間の任意の角度、で配置することができる。今、第2の端部1330は、光1324Cであるビューアにおよそ同程度近くに配置することができる。すなわち、回折格子1310に面する回転鏡1302の反射面1302Bは、光1324Cを遮断する。というのは、第2の端部1330は、光1324Cのパスをブロックするためである。光1324Cから、回転鏡1302は、それゆえ、光1324Dをピエゾ干渉縞調整器1312に向ける。
【0104】
ピエゾ干渉縞調整器1312は、光1324Dに位相選択を実施する。例えば、ピエゾ干渉縞調整器1312は、試料が本願の照明において受けることとなる(例えば、1つ以上の特定の画像を撮影する目的のために)パターン位相を選択する。光1324Eは、ピエゾ干渉縞調整器1312から発せられ、投影レンズ1316に伝搬し、入る。光1324Eは、ピエゾ干渉縞調整器1312を使用してなされた、特定の位相選択に対応する。光1324Eは、それゆえ、位相選択された光として特徴付けることができる。光1324Eは、例えば試料116を照射するために、システム(例えば、図1におけるシステム100のような)を介して伝搬し続けることができる。
【0105】
ここで、光1324Eの位相選択された電磁波の特徴は、光1324Bが回折格子1310により回折し、位相選択がピエゾ干渉縞調整器1312により行われるという事実に対応する。回折格子1310の包含は、さらに、ここで、その第2の端部1330は光1324Cを遮断するが、第1の端部1328は光1324Bを遮断しないよう、回転鏡1302を配置することの結果であった。
【0106】
回転鏡1302が、代わりに異なる位置に配置されていると仮定しよう。以前の例と同様に、光源1304は、ここで、鏡1326に初めに伝搬する光1324Aを発生させる。しかしながら、以前の例とは異なり、回転鏡1302は、ここで、回転鏡1302の第1の端部1328が光1324Bを遮断するよう配置されている(例えば、心棒1318の回転軸周りの向きで)。今、第1の端部1328は、光1324BであるビューアBにおよそ同程度近くに配置することができる。すなわち、光源1304に面する回転鏡1302の反射面1302Aは、光1324Bを遮断する。というのは、第1の端部1328は光1324Bのパスをブロックするためである。光1324Fは、それゆえ、回折格子1308に到達するまで(空気、真空、又は別の流体を介して)伝搬する。
【0107】
光1324Fは、1つ以上の方法において、回折格子1308と相互作用する。いくつかの実施において、光1324Fは、回折格子1308に基づき、回折を受ける。ここで、光1324Gは、光1324Fによる、光1324Fとの相互作用に基づき、回折格子1308から発せられた構造化光(例えば、1つ以上のパターン縞を有する)である。光1324Gは、ピエゾ干渉縞調整器1312に向かう方向に実質的に伝搬する。回転鏡1302の位置は、回転鏡1302の第2の端部1330が光1324Gを遮断しないものである。今、第2の端部1330は、光1324Gであるビューアにより近くに配置することができる。すなわち、回転鏡1302の反射面1302B及び回折格子1308に面する反射面1302Cは、今いずれも光1324Gを遮断しない。というのは、第2の端部1330は光1324Gのパスをブロックしないためである。光1324Gは、それゆえ、ピエゾ干渉縞調整器1312に到達するまで伝搬する。
【0108】
ピエゾ干渉縞調整器1312は、光1324Gに位相選択を行うことができる。例えば、ピエゾ干渉縞調整器1312は、試料が本願の照明において受けることとなる(例えば、1つ以上の特定の画像を撮影する目的のために)パターン位相を選択する。光1324Eは、ピエゾ干渉縞調整器1312から発せられ、前記例と同様の、投影レンズ1316に伝搬し、入る。
【0109】
ここで、光1324Eの位相選択された電磁波の特徴は、光1324Fが回折格子1308により回折され、位相選択がピエゾ干渉縞調整器1312により行われるという事実に対応する。回折格子1308の包含は、さらに、ここで、その第1の端部1328が光1324Bを遮断するが、第2の端部1330が光1324Gを遮断しないよう、回転鏡1302を配置することの結果であった。回転鏡1302は、様々な回転により、繰り返し異なる位置(例えば、各々、本願の例に記載されているもの)を担わせることができる。例えば、回転鏡1302は、これらの位置間を行き来することができる。別の例として、回転鏡1302は、同一方向に(例えば、ステッピングモータ1322の透視図から、時計回りに又は反時計回りに)回転して繰り返し、位置を担うことができる。
【0110】
前記のように、回折格子1308及び1310は、互いに異なる回折格子の向きを有することができる。例えば、回折格子1308及び1310は、互いに実質的に垂直である回折格子の向きを有することができる。回折格子1310から発せられる光1324C、及び回折格子1308から発せられる、光1324Gは、それゆえ、異なる特徴を有することができる。例えば、縞のパターンは、光1324C及び1324Gの一方において、他方におけるものとは異なるものであることができる。異なる構造化光で試料(例えば、図1における試料116)を照射することにより、SIMイメージングのためのシステム1300の使用を促進することができる。
【0111】
システム1300における1つ以上のコンポーネントは、少なくとも部分的にシステム1300を実施するために必要とされる空間を減少させる設計を促進することができる。例えば、設計は、空間の減少を達成するために選択された、システム1300のうちの1つ以上のコンポーネントの形状を含むことができる。いくつかの実施において、光1324は、実質的にU型形状を有するシステム1300を介してパスを横断する。例えば、かかる設計は、光源1304及び投影レンズ1316の配置を促進し、光1324A及び光1324Eは互いから実質的に反対方向に進む。いくつかの実施において、鏡1326は、光源1304、ステッピングモータ1322、及び投影レンズ1316により形成される空間内部への回折格子1308及び1310の配置を促進することができる。いくつかの実施において、鏡1326は、回折格子1308及び1310を実質的に光源1304及びステッピングモータ1322間に配置を促進することができる。
【0112】
前記例は、光源(例えば、光源1304);第1の回折格子(例えば、回折格子1310)及び第2の回折格子(例えば、回折格子1308);位相選択器(例えば、ピエゾ干渉縞調整器1312);及び少なくとも1つの反射コンポーネント(例えば、回転鏡1302)を含むシステムを示す。第1の位置(例えば、第1に説明したような)において、反射コンポーネントは、光源から第1の回折格子へ(例えば、光1324Bを遮断しない第1の端部1328による)、その後位相選択器への(例えば、光1324Cをブロックする第2の端部1330による)、第1の光路を形成する。第2の位置(例えば、第2に説明したような)において、反射コンポーネントは、光源から第2の回折格子へ(例えば、光1324Bをブロックする第1の端部1328による)、その後位相選択器への(例えば、光1324Gを遮断しない第2の端部1330による)、第2の光路を形成する。
【0113】
前記例は、光源(例えば、光源1304);第1の回折格子(例えば、回折格子1308)及び第2の回折格子(例えば、回折格子1310);位相選択器(例えば、ピエゾ干渉縞調整器1312);及び少なくとも1つの鏡(例えば、回転鏡1302)を含むシステムをまた示す、特に、鏡は、光源から第2の回折格子への第1のパスを遮断するが(例えば、第1の端部1328により)、第1の回折格子から位相選択器への第2のパスを遮断しない(例えば、光1324Gをブロックしない第2の端部1330により)、第1の位置(例えば、第2に説明したような)を有する。鏡は、第2の回折格子からの第3のパスを遮断し(例えば、第2の端部1330により)、第2の光(例えば、光1324D)を位相選択器に向けるが、第1のパスを遮断しない(例えば、光1324Bをブロックしない第1の端部1328により)、第2の位置(例えば、第1に説明したような)を有する。
【0114】
鏡1326は、システム1300において使用することができる、反射コンポーネントの一例である。前記例は、第1の及び第2の光路(例えば、各々、回折格子1308又は1310に作用する)の各々が、光源で生じ、第2の反射コンポーネントに延びる第1の光路部分(例えば、光1324A)を有し、第1の及び第2の光路の各々が、後続のコンポーネント(例えば、ピエゾ干渉縞調整器1312)で生じる第2の光路部分(例えば、光1324E)を有し、第1の及び第2の光路部分が互いに実質的に平行である、実施を示す。
【0115】
本明細書における例は、SIMイメージングのために使用することができる構造化光を提供する、反射コンポーネント及び1つ以上の回折格子の使用に関する。いくつかの実施において、機械的動作(例えば、鏡又は別の反射コンポーネントを回転させることによる)は、重要であり得る。しかしながら、合理的な機械的及び動作耐性を提供することができる。例えば、反射コンポーネント(例えば、鏡又はプリズム鏡)の開始又は停止位置に関して正確性はそれ程又はまったく必要とされないかもしれない;及び安定性及び再現性は、正確なベアリング(例えば、サスペンション1320における)、正確なスピンドル(例えば、心棒318における)、及び/又は正確な鏡(例えば、逃げが小さい及び/又は良好な平坦性を有する回転鏡1302を有する)を使用することにより、(例えば、回転鏡を用いて)提供することができる。安定性及び再現性は、すり減ることができる部分(例えば、ガイドウェイ及び/又は端部停止部)とは、独立して、なされ得る。
【0116】
本明細書を通じて使用される用語『実質的に』及び『およそ』は、例えば方法における変動による、小さな揺れを記載し及び説明するために使用される。例えば、それらは、±5%未満であるか又は等しい、例えば±2%未満であるか又は等しい、例えば±1%未満であるか又は等しい、例えば±0.5%未満であるか又は等しい、例えば±0.2%未満であるか又は等しい、例えば±0.1%未満であるか又は等しい、例えば±0.05%未満であるか又は等しい、と称することができる。また、本明細書において使用される場合、不定冠詞、例えば『a』又は『an』は、『少なくとも1つ』を意味する。
【0117】
前記概念及び下記詳細に説明される追加の概念(ただし、かかる概念は相互に一貫性のないものではない)のすべての組み合わせは、本明細書に開示されている発明の主題の一部であるものとして、熟慮されていることは理解されたい。特に、本開示の最後に現れる請求項の主題のすべての組み合わせは、本明細書に開示されている発明の主題の一部であるものとして、熟慮されている。
【0118】
多くの実施を記載した。それにもかかわらず、本明細書の範囲から離れることなく、種々の改変をなすことできることが理解できるであろう。
【0119】
さらに、図に示される論理フローは、特定の順序、又は連続する順序を必要とすることなく、所望の結果を達成する。さらに、他の方法を提供することができ、又は方法は記載したフローから除いてもよく、他のコンポーネントを前記システムに加えてもよく、前記システムから除いてもよい。したがって、他の実施は、以降の請求項の範囲内である。
【0120】
前記実施のある特徴を本明細書に記載したように説明してきたが、多くの改変、置換、変形及び等価のものを今当業者は思いつくであろう。それゆえ、添付の請求項は、本実施の範囲内にある滝のごとくすべてのかかる改変及び変形にわたることを目的としていることを理解されたい。それらは、例のみを経由して示してきたが、限定でなく、形態及び詳細における種々の変形をなすことができることは理解されたい。本明細書に記載されている装置及び/又は方法の任意の部分は、相互に排他的な組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本明細書に記載されている実施は、記載されている異なる実施の機能、コンポーネント及び/又は特徴の種々の組み合わせ及び/又はサブコンビネーションを含むことができる。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13