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特許7237112熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターユニット
(51)【国際特許分類】
   F26B 21/00 20060101AFI20230303BHJP
   F26B 25/06 20060101ALI20230303BHJP
   F26B 23/04 20060101ALI20230303BHJP
   H01L 21/324 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
F26B21/00 B
F26B25/06
F26B23/04 B
H01L21/324 R
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021093656
(22)【出願日】2021-06-03
(65)【公開番号】P2022140212
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0032225
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520252033
【氏名又は名称】コヨ サーモ システム コリア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】ナカニシ サトル
(72)【発明者】
【氏名】ハ ジェウク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジンヨン
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-343982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 21/00
F26B 25/06
F26B 23/04
H01L 21/324
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の加熱乾燥のために基板を収容するチャンバーを備え、前記チャンバー内に複数のヒーターユニットを実装することにより、前記ヒーターユニットから発生する熱によって基板を加熱又は乾燥させる熱処理オーブンにおいて、
前記ヒーターユニットの前面、背面及び両側面に配置され、前記ヒーターユニットの外郭枠を形成するヒーターフレームと、
前記熱処理オーブンのチャンバー炉内の気流を外部へ排出するように前記ヒーターフレームに統合された排気ダクトと、を含んでなり、
前記ヒーターフレームは、少なくとも二つに分割できるようになっており
前記ヒーターフレームは、前記ヒーターフレームと前記排気ダクトとを少なくとも二つに分割できるように組み立てるジョイントブラケットで組み立てられており、かつ、前記ジョイントブラケットは、前記ヒーターフレームの両側面に設けられていることを特徴とする、熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターユニット。
【請求項2】
前記排気ダクトの下部には、前記熱処理オーブンのチャンバー炉内の気流を排気流路を介して排気する多数の排出孔が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターユニット。
【請求項3】
前記ヒーターフレームの下部には、前記ヒーターフレームを連結して補強し且つ中空の排気流路を備える補強台が装着され、前記補強台には、前記熱処理オーブンのチャンバー炉内の気流を排気流路を介して排気する多数の排出孔が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターユニット。
【請求項4】
前記ヒーターフレームの両側面には、前記熱処理オーブンの内壁に設置されるスライドトラックに沿って移動する転がり軸受が装着されたことを特徴とする、請求項1に記載の熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターユニット。
【請求項5】
前記熱処理オーブンのチャンバー炉内の前面部と背面部に位置する前記排気ダクトの両端には、前記熱処理オーブンのチャンバー炉内の排気気流を外部へ排気する排気管が装着されたことを特徴とする、請求項1に記載の熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理オーブンにおいてヒーターを固定するフレームに、熱処理オーブンの炉内気流を外部へ排出する排気ダクトを一体型に含む、熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ディスプレイは、TV、携帯電話、モニターなどのさまざまな種類の画像装置に適用されており、急速な技術の発達により、製品の性能を向上させるための努力が続けられている。有機発光表示装置及びLCD基板は、次世代ディスプレイ装置の一つであり、様々な製品分野に適用されている。ディスプレイ装置を構成するガラス基板は熱処理によって製造するが、熱処理の際に工程ごとに要求される条件を満たすためには、外気の影響を防ぎ、熱がチャンバーの外に放出されることを最小限に抑えなければならない。すると、性能の低下を防止することができ、製品の不良率を下げることができる。また、完成品の歩留まりを向上させるためには熱処理の際に基板の面内バラツキが少ないほど良いので、より高性能の熱処理オーブンが求められており、継続的な研究が行われている。
【0003】
フラットディスプレイの代表的な有機発光表示装置の基板やLCDガラス基板(以下、「基板」または「ガラス基板」という)を製造するにあたり、温度管理と温度均一性は、良品の基板品質及び歩留まりの維持のために必ず必要である。例えば、熱処理オーブンを用いた基板製造工程では、基板の表面に有機物層が形成され、一定量の水分を含むことができるため、水分を蒸発させる乾燥工程を必要としているが、LCDガラス基板の製造工程では、基板の表面に感光膜をコートする前に洗浄工程を行い、洗浄工程の後には水分除去のための加熱乾燥工程を行っており、基板製造工程の多くは、加熱及び乾燥工程を行って基板を製造している。このように基板製造工程から発生する水分は、赤外線を活用するか、或いは、シースヒーター(sheath heater)などの発熱体を含む熱処理オーブンのチャンバーに入れて加熱乾燥によって除去している。これに関連して、韓国登録特許第10-1238560号公報及び韓国公開特許第10-2013-0028322号公報には、「LCDガラスオーブンチャンバー」が提案されている。
【0004】
一方、ディスプレイ装置のガラス基板を熱処理するためには、工程ごとに要求される条件があり、同じ時間に、より多くの良品を量産するために、より迅速に昇温させるか或いは冷却することができる構造が必要であり、このためには、チャンバー内の構造物を単純化する方案、及び排気を適切に制御することができる提案が求められている。また、メンテナンス必要空間を縮小することにより、限られた工場の空間内に、より容易に装備を配置し、メンテナンスを容易にすることができる熱処理オーブンの設計を必要としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国登録特許第10-1238560号公報(公告日2013年2月28日)
【文献】韓国登録特許第10-0722154号公報(公告日2007年5月28日)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0028322号公報(公開日2013年3月19日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、熱処理オーブンのヒーターと排気ダクトとの一体化を介して熱処理オーブンの構造単純化と排気能力の向上を図ることにある。
【0007】
本発明の他の目的は、熱処理オーブンのヒーターと排気ダクトとの一体化を介して熱処理オーブンのメンテナンス必要空間を縮小することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、熱処理オーブンのヒーターと排気ダクトとの一体化を介して熱処理オーブンのメンテナンス作業性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、本発明によれば、基板の加熱乾燥のために基板を収容するチャンバーを備え、前記チャンバー内に複数のヒーターユニットを実装することにより、前記ヒーターユニットから発生する熱によって基板を加熱又は乾燥させる熱処理オーブンにおいて、前記ヒーターユニットの前面、背面及び両側面に配置され、前記ヒーターユニットの外郭枠を形成するヒーターフレームと、前記熱処理オーブンのチャンバー炉内の気流を外部へ排出するように前記ヒーターフレームに統合された排気ダクトと、を含んでなることを特徴とする、熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターユニットによって達成できる。
【0010】
本発明の実施形態によれば、前記排気ダクトの下部には、前記熱処理オーブンのチャンバー炉内の気流を排気流路を介して排気する多数の排出孔を形成することができる。
【0011】
本発明の実施形態によれば、前記ヒーターフレームの下部には、ヒーターフレームを連結して補強し且つ中空の排気流路を備える補強台が装着され、前記補強台には、前記熱処理オーブンのチャンバー炉内の気流を排気流路を介して排気する多数の排出孔を形成することができる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、前記ヒーターフレームの両側面は、前記ヒーターフレームと前記排気ダクトとを少なくとも二つに分割できるように組み立てるジョイントブラケットで組み立てることができる。
【0013】
本発明の実施形態によれば、前記ヒーターフレームの両側面には、前記熱処理オーブンの内壁に設置されるスライドトラックに沿って移動する転がり軸受を装着することができる。
【0014】
本発明の実施形態によれば、前記熱処理オーブンのチャンバー炉内の前面部と背面部に位置する前記排気ダクトの両端には、前記熱処理オーブンのチャンバー炉内の排気気流を外部へ排気する排気管を装着することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、熱処理オーブンのチャンバー内のヒーターフレームを排気ダクトと一体型に構成することにより、従来に比べて構造単純化をなして装備の製造コストダウンと排気能力の向上を図るという効果がある。
【0016】
また、本発明は、熱処理オーブンのチャンバー内のヒーターフレームを排気ダクトと一体型に構成することにより、部品の数量を減少させて昇温時間を短くし、チャンバーの中心部に排気ホールを設置して、相対的に冷却性能が脆弱な部分の直接排気を可能にするという効果がある。
【0017】
また、本発明は、熱処理オーブンの排気ダクトと一体化されたヒーターフレームを複数に分ける分割構造で構成して熱処理オーブンの炉内に順次ドッキング(Docking)/アンドッキング(Undocking)を可能にすることにより、熱処理オーブンの背面のドア側メンテナンス必要空間を縮小することができ、これにより、工場に熱処理オーブン装備の配置をより容易にするとともに作業性を改善することができるという効果がある。
【0018】
また、本発明は、熱処理オーブンの排気ダクトと一体化されて分割されたヒーターフレームの左/右側に軸受を設置してチャンバーのガイドレールに沿ってスライド方式でドッキング/アンドッキングを行うようにすることにより、ヒーターユニットの設置作業性を従来に比べて向上させ、作業時間を短縮させるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】熱処理オーブンを示す例示図である。
図2】熱処理オーブンの正面を示す例示図である。
図3】熱処理オーブンの平面を示す例示図である。
図4】熱処理オーブンの一側面を示す例示図である。
図5】本発明の一実施形態に係る排気ダクト一体型ヒーターユニットの例示図であって、(a)は斜視図、(b)は一側面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る排気ダクト一体型ヒーターユニットの例示図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る排気ダクト一体型ヒーターユニットにおけるヒーターフレームの分割状態を説明する例示図である。
図8】本発明の一実施形態に係る排気ダクト一体型ヒーターユニットの底面構造を示す例示図である。
図9図8のA部の詳細図であって、本発明の一実施形態に係る排気ダクト一体型ヒーターユニットの排気ダクトによる排気状態を示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施形態に係る「熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターユニット」を説明する。
【0021】
基板を熱処理するための熱処理オーブンは、熱処理対象基板を、ヒーターが設置されたチャンバー内に設けられた各段に取り込んだり、熱処理工程済みの基板をチャンバーから取り出したりするために、背面部にはドア、前面部にはシャッターをそれぞれ備えることができる。
【0022】
また、熱処理オーブンは、加熱または乾燥を必要とする基板を収容するチャンバーを備え、チャンバー内に発熱体からなるヒーターユニットを実装することにより、ヒーターユニットから発生する熱によって基板を加熱するか或いは水分を蒸発乾燥させるように構成される。そして、仕様によって異なるが、通常の場合、ヒーターを構成する発熱体の上下部には上部熱伝達板及び下部熱伝達板を密着するように設置して、基板加熱工程を効果的に行うように構成されている。
【0023】
熱処理オーブンのチャンバーの一側には、プロセスガスを含む流体を流入させる給気口、及びチャンバー内の流体を排気させる排気口を備え、チャンバーを支持及びサポートするラグ付きフレーム、及びヒーターの発熱線を接続して電流を通電させる多数のバスバーが接続された導電部を含んで構成されている。
【0024】
一方、熱処理オーブンは、チャンバーの内部に基板の熱処理工程中、基板上に残存する水分を除去するためにヒーターユニットを含んでおり、製品の品質向上のために、より効率的で高い性能の工程能力を要求している。
【0025】
図1は熱処理オーブンを示す例示図である。図2は熱処理オーブンの正面を示す例示図である。図3は熱処理オーブンの平面を示す例示図である。図4は熱処理オーブンの側面を示す例示図である。
【0026】
図1乃至図4は熱処理オーブン100の全体構造を示すもので、チャンバー200を含む熱処理オーブン100の例示図である。
【0027】
熱処理オーブン100は、図1乃至図4に示されているように、熱処理対象基板を、チャンバー200内に設けられた各段に取り込んだり、熱処理工程済みの基板をチャンバー200から取り出したりするために、背面部にはドア部110、前面部にはシャッター部120をそれぞれ備えることができる。
【0028】
また、熱処理オーブン100は、加熱または乾燥が必要とされる基板を収容するチャンバー200を備え、チャンバー200内に発熱体からなる複数のヒーターユニット300を実装することにより、そのヒーターユニット300から発生する熱によって基板を加熱するか或いは水分を蒸発乾燥させるように構成される。
【0029】
そして、熱処理オーブン100は、チャンバー200の一側に、プロセスガスを含む流体を流入させる給気口、及びチャンバー200内の流体を排気させる排気口を備え、チャンバー200を支持又はサポートするラグ付きフレーム、及びヒーターユニット300の発熱線を接続して電流を通電させる多数のバスバーが接続された導電部を含んで構成されている。
【0030】
また、仕様によって異なるが、通常の場合、ヒーターユニット300を構成する発熱体であるパイプの上下部には上部熱伝達板及び下部熱伝達板を密着するように設置して、チャンバー200内で行われる基板加熱工程を効果的に行うように構成されている。
【0031】
一方、図1及び図4において、未説明符号「210」と「220」は、チャンバー200の「内外部ケーシング」を示す。未説明符号「230」は、チャンバー200に冷却気流を形成して、チャンバー200の内部に構成された冷却気流誘導路を介してチャンバー200を均一な温度分布で冷却させる「冷却ジャケット」を示す。未説明符号「240」は、フィードスルーを突出させ、これを介してチャンバー200内に電源を供給する「電源供給部」を示す。
【0032】
ちなみに、図1及び図4に示されているような、熱処理オーブンを構成する基本的な構成、例えば、チャンバーの構造及びプロセスガスの給気及び排気系統、ヒーターユニットに電源を供給するバスバーを含む導電部及び電源供給部の構成は、本発明と直接の関連がない。そして、熱処理オーブンの基本的な該当構成は、本発明の要旨とは無関係である公知の構成なので、本発明の構成及び動作の説明で省略することとする。
【0033】
一方、熱処理オーブンの発熱体として機能するヒーターユニット300は、パイプ(金属保護管)に、電気抵抗により発熱する発熱線(発熱コイル)を内蔵し、絶縁粉末である酸化マグネシウム(MgO)を入れて一緒に充填して熱線とパイプを絶縁した板状型のヒーターであり得る。
【0034】
図1乃至図4に示されているように、従来の熱処理オーブンに適用されているヒーターユニットは、排気ダクトと分離される分離型構造であり、熱処理オーブンの前面と背面(シャッター部/ドア部)部にのみ排気ダクトが設置されている構造になっている。
【0035】
しかし、熱処理オーブン設備のサイズが大型化され、高温の性能を出す仕様を要求する傾向なので、前面部と背面部、すなわち、シャッター部120及びドア部110側にのみ排気ダクトを設置するとき、チャンバーの炉内中心部は排気による冷却が不可能なので、これを解決することができる構造変更が求められる状態である。
【0036】
また、ヒーターのメンテナンスの際に、ヒーターフレームを熱処理オーブンの設備背面、すなわちドア部側に引き出してメンテナンスを行うが、この場合、熱処理オーブンの設備サイズが大型化することにより、その分さらに大きいメンテナンス空間が必要とされるため、工場で与えられる限られた空間を十分に活用し難い状態である。
【0037】
また、熱処理オーブンを構成する従来のヒーター及び排気ダクトは、構造的にヒーターフレームをチャンバーの外部へ引き出すときにヒーターフレームのサイズが大面積であるので、作業が難しく、作業時間が多くかかっている。
【0038】
これにより、本発明では、熱処理オーブンのヒーターフレームと排気ダクトとの一体化によって熱処理オーブンの構造単純化及び排気能力の向上を図る、熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターフレームを提示する。
【0039】
また、本発明では、熱処理オーブンの設備性能の向上、メンテナンス作業性の改善及びメンテナンス作業時間の短縮のために排気ダクトを一体化するヒーターフレームを提示する。
【0040】
また、本発明では、熱処理オーブンのヒーターフレームと排気ダクトとの一体化によってメンテナンス必要空間を縮小することができる、熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターフレームを提示する。
【0041】
また、本発明では、熱処理オーブンのヒーターフレームと排気ダクトとの一体化によってメンテナンス作業性を向上させることができる、熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターフレームを提示する。
【0042】
本発明に係る熱処理オーブンのヒーターユニットを構成する主要構成について、図5乃至図9を参照して具体的に説明する。
【0043】
熱処理オーブン100は、基板の加熱乾燥のために基板を収容するチャンバー200を備え、チャンバー200の炉内には複数のヒーターユニット300を実装することにより、ヒーターユニット300から発生する熱によって基板を加熱又は乾燥させることができるように構成できる。
【0044】
図5は本発明の一実施形態に係る排気ダクト一体型ヒーターフレームを含むヒーターユニットの例示図であって、(a)は斜視図、(b)は一側面図である。図6は本発明の一実施形態に係る排気ダクト一体型ヒーターフレームを含むヒーターユニットの例示図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である。図7は本発明の一実施形態に係る排気ダクト一体型ヒーターフレームを含むヒーターユニットにおけるヒーターフレームの分割状態を説明する例示図である。図8は本発明の一実施形態に係る排気ダクト一体型ヒーターフレームを含むヒーターユニットの底面構造を示す例示図である。図9図8のA部の詳細図であって、本発明の一実施形態に係る排気ダクト一体型ヒーターユニットの排気ダクトによる排気状態を示す例示図である。
【0045】
本発明に係るヒーターユニット300は、図5乃至図9に示されているように、外郭枠を形成するよう、前面、背面及び両側面がヒーターフレーム310で構成できる。
【0046】
そして、熱処理オーブン100のチャンバー200炉内の気流を外部へ排出するように、ヒーターフレーム310に統合された排気ダクト311a、311b、312a、312bで構成できる。
【0047】
このために、排気ダクト311a、311b、312a、312bの下部には、図9に示されているように、熱処理オーブン100のチャンバー200炉内の気流を排気流路315を介して排気する多数の排出孔316を形成することができる。
【0048】
一方、図5乃至図9において、未説明符号「320」は、内部の発熱体(パイプ)から発熱する熱の伝導を受けて加熱される「熱伝達板」を示す。
【0049】
また、ヒーターフレーム310の下部には、図9に示されているように、ヒーターフレーム310を連結して補強し且つ中空の排気流路310bを備える補強台310aを装着することができる。ここで、補強台310aには、熱処理オーブン100のチャンバー200炉内の気流を排気流路310bを介して排気する多数の排出孔310cを形成することができる。
【0050】
このように、ヒーターフレーム310に排気ダクト311a、311b、312a、312bが統合された一体型ヒーターユニット300で構成する場合、熱処理オーブン100の炉内に別途の排気ダクトを設置しなくてもよいので、その分ほど部品が減り、部品が減る分ほど昇温又は冷却時に時間が少なくかかるため、高性能の熱処理オーブン100を製作するのに有利であり得る。
【0051】
また、ヒーターフレーム310の補強台310aに構成される中空の排気流路310bを排気ダクトとして活用して、相対的に冷却に脆弱な熱処理オーブン100のチャンバー200炉内の中心部分の排気気流を迅速に直接排気することができる。
【0052】
また、本発明に係る排気ダクト一体型ヒーターフレームを含むヒーターユニット300は、図7及び図8に示されているように、ヒーターフレーム310の両側面は、ヒーターフレーム310と排気ダクト312a、312bとを少なくとも二つに分割できるように組み立てるジョイントブラケット313で組み立てて構成できる。図7を参照すると、ヒーターフレーム310と排気ダクト312a、312bとが4つのジョイントブラケット313を介して組み立てられて3つに分割された状態で示されている。
【0053】
図7に示されているように、ジョイントブラケット313は、互いに対向する両側のヒーターフレーム310の対応面を密着させた後、別途の締結手段(図示せず)を介して締め付けることにより組み立てることができ、分解の際にジョイントブラケット313を締結する締結手段を解除することにより簡単に分解することができる。
【0054】
これにより、ヒーターフレーム310と排気ダクト311a、311b、312a、312bとの一体型構造物を分割(例えば、3区間など)して熱処理オーブン100のチャンバー200にドッキング/アンドッキング時に順次ヒーターユニット300を組み立てて設置することができるので、ヒーターフレーム310のサイズによって定められるメンテナンス空間のサイズを縮小することができる。
【0055】
また、本発明に係る排気ダクト一体型ヒーターフレームを含むヒーターユニット300は、図5及び図6に示されているように、ヒーターフレーム310の両側面には、熱処理オーブン100の内壁に設置されるスライドトラックに沿って移動する転がり軸受314を装着することができる。
【0056】
このように、ヒーターフレーム310の両側面に装着された転がり軸受314を介して、熱処理オーブン100のチャンバー200の内部に設置されたガイドトラック(図示せず)に沿ってスライド移動でチャンバー200の内部にヒーターユニット300を容易に装着するか或いは逆に簡単に搬出することができるので、ヒーターユニット300の設置及び保守などのメンテナンス作業性を改善することができる。
【0057】
また、本発明に係る排気ダクト一体型ヒーターフレームを含むヒーターユニット300は、熱処理オーブン100のチャンバー200の前面部と背面部に位置する排気ダクト311a、311bの両端には、熱処理オーブン100のチャンバー200炉内の気流を外部へ排気する排気管317を装着することにより、チャンバー200内の気流をヒーターユニット300のヒーターフレーム310に統合された排気ダクト311a、311bを介して外部へ排気するように構成できる。
【0058】
このように、本発明に係る熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターユニット300は、熱処理オーブン100のチャンバー200炉内のヒーターフレーム310を排気ダクト311a、311b、312a、312bと統合して一体型に構成することにより、従来に比べて構造単純化をなして装備の製造コストダウンと排気能力の向上を図るという利点がある。
【0059】
また、本発明に係る熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターユニット300は、熱処理オーブン100のチャンバー200炉内のヒーターフレーム310を排気ダクト311a、311b、312a、312bと統合して一体型に構成することにより、部品の数量を減少させて昇温時間を短くし、チャンバー200の中心部に排気流路を位置させて、相対的に冷却性能が脆弱な部分に対する直接排気を可能にするという利点がある。
【0060】
また、本発明に係る熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターユニット300は、熱処理オーブン100のチャンバー200炉内のヒーターフレーム310を排気ダクト311a、311b、312a、312bと統合して一体型に構成し、ヒーターフレーム310を複数に分ける分割構造で構成して、熱処理オーブン100の炉内に順次ドッキング(Docking)/アンドッキング(Undocking)を可能にすることにより、熱処理オーブン100の背面のドア側メンテナンス必要空間を縮小することができ、これにより、工場内の熱処理オーブン装備の配置を容易にするとともに設置及びメンテナンス作業性を改善することができるという利点がある。
【0061】
また、本発明に係る熱処理オーブンの排気ダクト一体型ヒーターユニット300は、熱処理オーブン100のチャンバー200炉内のヒーターフレーム310を排気ダクト311a、311b、312a、312bと統合して一体型に構成し、排気ダクト311a、311b、312a、312bと一体化されて分割されたヒーターフレーム310の両側面に軸受を設置してチャンバー200のガイドレールに沿ってスライド方式でドッキング/アンドッキングを行うようにすることにより、ヒーターユニット300の設置作業性を従来に比べて向上させ、作業時間を短縮させるという利点がある。
【0062】
本発明は、図示された一実施形態を参照して説明されたが、実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱することなく修正及び変更して実施することができ、それらの修正と変更も本発明の技術思想に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0063】
100 熱処理オーブン
200 チャンバー
300 ヒーターユニット
310 ヒーターフレーム
310a 補強台
310b 排気流路
310c 排出孔
311a、311b 排気ダクト(チャンバーの前面/背面部の位置)
312a、312b 排気ダクト(チャンバーの側面部の位置)
313 ジョイントブラケット
314 転がり軸受
315 排気流路
316 排出孔
317 排気管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9