(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】軸肥大加工の加工条件設定方法、軸肥大加工方法及び軸肥大加工装置
(51)【国際特許分類】
B21J 5/08 20060101AFI20230303BHJP
B21J 13/00 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
B21J5/08 Z
B21J13/00 Z
(21)【出願番号】P 2021157093
(22)【出願日】2021-09-27
(62)【分割の表示】P 2017212187の分割
【原出願日】2017-11-01
【審査請求日】2021-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】390029089
【氏名又は名称】高周波熱錬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 充宏
(72)【発明者】
【氏名】生田 文昭
(72)【発明者】
【氏名】桑原 義孝
(72)【発明者】
【氏名】森 一樹
(72)【発明者】
【氏名】池田 多賀司
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-055292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 5/08
B21J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸材の軸方向に距離をおいて前記軸材を保持する一対の保持部と、
前記一対の保持部の距離を縮小して前記一対の保持部の間に配置される前記軸材の中間部に軸方向の圧縮力を付与する加圧部と、
前記一対の保持部のうち一方の保持部を他方の保持部に対して傾けて前記軸材の中間部に曲げ角度を付与する曲げ部と、
前記一対の保持部及び前記軸材を前記軸材の軸まわりに回転させる回動部と、
前記軸材の回転回数を検出する回転回数検出部と、
前記加圧部によって移動される前記一対の保持部の変位量を検出する軸方向変位検出部と、
前記加圧部、前記曲げ部、及び前記回動部を制御して前記軸材の中間部に軸方向の圧縮力と曲げ角度とを付与した状態で前記軸材を軸まわりに回転させることにより、前記軸材の中間部を所定の外径に肥大させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記一対の保持部の変位量に基づき、前記軸材の中間部の圧縮量を検出し、この圧縮量に基づき、前記軸材の中間部が所定の外径に肥大されたことを検出し、前記軸材の中間部が前記所定の外径に肥大されるまでに要した前記軸材の回転回数に基づき、前記軸材の合否を判定する軸肥大加工装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記加圧部によって移動させる前記一対の保持部のうち、一方の保持部の距離の変位量に基づき、前記軸材の中間部が前記所定の外径に肥大されたことを検出することを特徴とする請求項1に記載の軸肥大加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸肥大加工方法の加工条件設定方法、軸肥大加工方法及び軸肥大加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
軸材の一部に大径部を形成する加工方法の一つとして軸肥大加工が知られており、軸肥大加工方法の一例として、軸材の中間部に圧縮力と曲げ角度とを付与して軸材を回転させることにより軸材の中間部を肥大させる方法が知られている。
【0003】
上記の軸肥大加工を行う軸肥大加工機は、一般に、軸材の軸方向に距離をおいて配置された一対の保持部によって軸材を保持し、一対の保持部の距離を縮小して軸材の中間部に圧縮力を付与し、一方の保持部を他方の保持部に対して傾けて軸材の中間部に曲げ角度を付与し、その状態で一対の保持部を回転して軸材を回転させることにより、軸材の中間部を肥大させる。そして、軸材の中間部を肥大させるプロセスは、一対の保持部の距離が所定の距離まで縮小したところで終了され(例えば特許文献1参照)、又は、中間部の外径が所定の外径に達したところで終了される(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-212937号公報
【文献】特開2008-212936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
軸肥大加工では、肥大された中間部と中間部を除く軸部との接続部に亀裂が発生する場合があり、また、肥大された中間部の外周部に亀裂が発生する場合がある。亀裂は、例えば目視検査、磁気探傷検査、渦流探傷検査等によって検出可能であるが、量産される軸材の全数検査は時間及びコストがかかる。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、亀裂の有無の検査に要する時間及びコストを節減可能な軸肥大加工方法の加工条件設定方法、軸肥大加工方法及び軸肥大加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の軸肥大加工の加工条件設定方法は、軸材の軸方向の中間部に軸方向の圧縮力と曲げ角度とを付与した状態で前記軸材を軸まわりに回転させることにより前記軸材の中間部を径方向に肥大させる軸肥大加工の加工条件設定方法であって、前記軸材と同一材料且つ同一形状の試験軸材に対して軸肥大加工を行って得られた試験データであって、前記試験軸材の中間部を所定の外径に肥大させるまでに要した前記試験軸材の回転回数と、前記試験軸材の中間部と当該中間部を除く軸部との接続部における亀裂の発生確率との関係を示す試験データに基づき、前記接続部における亀裂の発生確率が閾値以下である許容回転回数を設定し、前記軸材に対する軸肥大加工で前記軸材の中間部を前記所定の外径に肥大させる際の前記軸材の回転回数を、前記許容回転回数以下とする。
【0008】
また、本発明の一態様の軸肥大加工の加工条件設定方法は、軸材の軸方向の中間部に軸方向の圧縮力と曲げ角度とを付与した状態で前記軸材を軸まわりに回転させることにより前記軸材の中間部を径方向に肥大させる軸肥大加工の加工条件設定方法であって、前記軸
材と同一材料且つ同一形状の試験軸材に対して軸肥大加工を行って得られた試験データであって、前記試験軸材の中間部の加工前の外径に対する加工後の外径の比である肥大率と、前記試験軸材の中間部の外周部における亀裂の発生確率との関係を示す試験データに基づき、前記外周部における亀裂の発生確率が閾値以下である許容肥大率を設定し、前記軸材に対する軸肥大加工で前記軸材の中間部を所定の外径に肥大させる際の前記軸材の中間部の肥大率を、前記許容肥大率以下とする。
【0009】
また、本発明の一態様の軸肥大加工方法は、軸材の軸方向の中間部に軸方向の圧縮力と曲げ角度とを付与した状態で前記軸材を軸まわりに回転させることにより前記軸材の中間部を径方向に肥大させる軸肥大加工方法であって、前記軸材の中間部を所定の外径に肥大させるまでに要した前記軸材の回転回数に基づき、前記軸材の合否を判定する。
【0010】
また、本発明の一態様の軸肥大加工方法は、軸材の軸方向の中間部に軸方向の圧縮力と曲げ角度とを付与した状態で前記軸材を軸まわりに回転させることにより前記軸材の中間部を径方向に肥大させる軸肥大加工方法であって、前記軸材の中間部の加工前の外径に対する加工後の外径の比である肥大率に基づき、前記軸材の合否を判定する。
【0011】
また、本発明の一態様の軸肥大加工装置は、軸材の軸方向に距離をおいて前記軸材を保持する一対の保持部と、前記一対の保持部の距離を縮小して前記一対の保持部の間に配置される前記軸材の中間部に軸方向の圧縮力を付与する加圧部と、前記一対の保持部のうち一方の保持部を他方の保持部に対して傾けて前記軸材の中間部に曲げ角度を付与する曲げ部と、前記一対の保持部及び前記軸材を前記軸材の軸まわりに回転させる回動部と、前記軸材の回転回数を検出する回転回数検出部と、前記加圧部、前記曲げ部、及び前記回動部を制御して前記軸材の中間部に軸方向の圧縮力と曲げ角度とを付与した状態で前記軸材を軸まわりに回転させることにより、前記軸材の中間部を所定の外径に肥大させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記軸材の中間部が前記所定の外径に肥大されるまでに要した前記軸材の回転回数に基づき、前記軸材の合否を判定する。
【0012】
また、本発明の一態様の軸肥大加工装置は、軸材の軸方向に距離をおいて前記軸材を保持する一対の保持部と、前記一対の保持部の距離を縮小して前記一対の保持部の間に配置される前記軸材の中間部に軸方向の圧縮力を付与する加圧部と、前記一対の保持部のうち一方の保持部を他方の保持部に対して傾けて前記軸材の中間部に曲げ角度を付与する曲げ部と、前記一対の保持部及び前記軸材を前記軸材の軸まわりに回転させる回動部と、前記一対の保持部の距離の変化量を検出する軸方向変位検出部と、前記軸材の中間部の外径の変化量を検出する径方向変位検出部と、前記加圧部、前記曲げ部、及び前記回動部を制御して前記軸材の中間部に軸方向の圧縮力と曲げ角度とを付与した状態で前記軸材を軸まわりに回転させ且つ前記一対の保持部の距離を所定量縮小させることにより、前記軸材の中間部を肥大させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記軸材の中間部の外径の変化量に基づき、前記軸材の中間部の加工前の外径に対する加工後の外径の比である肥大率を求め、求めた肥大率に基づき、前記軸材の合否を判定する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、亀裂の有無の検査に要する時間及びコストを節減可能な軸肥大加工の加工条件設定方法、軸肥大加工方法及び軸肥大加工装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態を説明するための、軸肥大加工装置の一例のブロック図である。
【
図2】
図1の軸肥大加工装置の変形例のブロック図である。
【
図3A】
図1の軸肥大加工装置を用いた軸肥大加工方法の一例の模式図である。
【
図3B】
図1の軸肥大加工装置を用いた軸肥大加工方法の一例の模式図である。
【
図3C】
図1の軸肥大加工装置を用いた軸肥大加工方法の一例の模式図である。
【
図3D】
図1の軸肥大加工装置を用いた軸肥大加工方法の一例の模式図である。
【
図4A】試験軸材の圧縮力と回転回数との関係を示す試験データの一例のグラフである。
【
図4B】試験軸材の回転回数と亀裂の発生確率との関係を示す試験データの一例のグラフである。
【
図5A】試験軸材の圧縮率と肥大率との関係を示す試験データの一例のグラフである。
【
図5B】試験軸材の肥大率と亀裂の発生確率との関係を示す試験データの一例のグラフである。
【
図6】
図1の軸肥大加工装置の制御部が行う処理の一例のフローチャートである。
【
図7】
図1の軸肥大加工装置の制御部が行う処理の他の例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の実施形態を説明するための、軸肥大加工装置の一例を示す。
【0016】
図1に示す軸肥大加工装置1は、軸材Wを保持する一対の保持部2,3と、加圧部4と、曲げ部5と、回動部6と、回転回数検出部7と、制御盤8とを備える。
【0017】
保持部2が軸材Wの軸方向の一方の端部と嵌合し、保持部3が軸材Wの軸方向の他方の端部と嵌合し、これにより軸材Wは一対の保持部2,3によって保持される。一対の保持部2,3は、基準線A上で基準線Aに沿って距離をおいて配置されており、図示しない支持台によって支持されている。一対の保持部2,3に保持された軸材Wも基準線A上に配置される。一方の保持部2は、基準線Aに沿って移動可能、すなわち軸材Wの軸方向に移動可能であり、他方の保持部3は、基準線Aと交差する方向に移動可能である。
【0018】
加圧部4は、例えば流体圧シリンダ等を含んで構成され、保持部2を基準線Aに沿って移動させ、一対の保持部2,3の距離を縮小させる。一対の保持部2,3の距離が縮小されるのに伴い、一対の保持部2,3の間に配置されている軸材Wの軸方向の中間部Waに軸方向の圧縮力が付与される。
【0019】
曲げ部5は、例えば流体圧シリンダ等を含んで構成され、保持部3を基準線Aと交差する方向に移動させ、保持部3を基準線A上に配置されている保持部2に対して傾ける。保持部3が保持部2に対して傾けられるのに伴い、軸材Wの中間部Waに曲げ角度θが付与される。
【0020】
回動部6は、例えば電動モータ等を含んで構成され、保持部3を、保持部3の中心軸まわりに回転させる。保持部3が回転されるのに伴い、一方の端部が保持部3に嵌合している軸材Wも軸まわりに回転され、軸材Wの他方の端部が嵌合している保持部2もまた回転される。
【0021】
回転回数検出部7は、例えばロータリーエンコーダ等を含んで構成され、軸材Wの回転回数として、保持部3の回転回数を検出する。なお、回転回数検出部7は、保持部3に替えて保持部2の回転回数を検出してもよいし、軸材Wの回転回数を検出してもよい。
【0022】
制御盤8は、スイッチ等のハードウェアキーを有し、加工条件等の入力に用いられる操作部11と、LCD(liquid crystal display)等の表示装置を有し、操作画面等を表示する表示部12と、制御部13とを含んで構成されている。
【0023】
制御部13は、例えばPLC(programmable logic controller)等のコンピュータであり、一つ以上のプロセッサと、プロセッサが実行するプログラムを記憶しており、また、操作部11を介して入力された加工条件を記憶するROM(Read Only Memory)、RAM(Random access memory)等の記憶装置とを有し、プロセッサがプログラムを実行することによって、入力された加工条件に基づき、加圧部4と、曲げ部5と、回動部6とを制御する。
【0024】
制御部13の制御のもとで、加圧部4によって軸材Wの中間部Waに軸方向の圧縮力が付与され、且つ曲げ部5によって軸材Wの中間部Waに曲げ角度θが付与された状態で、回動部6によって軸材Wが軸まわりに回転される。これにより、軸材Wの中間部Waは、軸方向に圧縮され且つ径方向に肥大される。
【0025】
回転回数検出部7によって検出される回転回数は、制御部13に入力される。なお、加圧部4には、圧縮力を検出するセンサが設けられ、曲げ部5には、例えば保持部3の変位量に基づいて曲げ角度θを検出するセンサが設けられ、回動部6には、保持部3の回転速度を検出するセンサが設けられ、これらのセンサによって検出される圧縮力、曲げ角度θ及び回転速度も制御部13に入力される。なお、回転速度は、回転回数検出部7によって検出される回転回数に基づいて制御部13が算出してもよい。
【0026】
軸肥大加工装置1は、軸方向変位検出部9をさらに備える。軸方向変位検出部9は、例えばリニアエンコーダ等を含んで構成され、加圧部4によって移動される保持部2の変位量を検出する。
【0027】
軸方向変位検出部9によって検出される保持部2の変位量は、制御部13に入力される。制御部13は、圧縮力が上昇を開始してからの保持部2の変位量に基づき、軸材Wの中間部Waの圧縮量(中間部Waの軸方向長さの減少量)を検出し、この圧縮量に基づき、中間部Waが所定の外径に肥大されたことを検出する。
【0028】
なお、
図2に示すように、軸肥大加工装置1は、軸材Wの中間部Waの外径の変化量を検出する径方向変位検出部10を備えてもよく、制御部13は、径方向変位検出部10によって検出される中間部Waの加工前の外径からの外径の変化量に基づき、中間部Waが所定の外径に肥大されたことを検出してもよい。
【0029】
次に、
図3A~
図3Eを参照して、軸肥大加工装置1を用いた軸肥大加工方法の一例を説明する。
【0030】
まず、
図3Aに示すように、軸材Wが一対の保持部2,3によって保持される。軸材Wの中間部Waの加工前の軸方向長さL
0は、中間部Waの加工前の外径をD
0として、D
0との関係で、中間部Waの加工後の軸方向長さL及び外径Dに応じて適宜決定される。以後、L/L
0を圧縮率と言い、D/D
0を肥大率と言うものとする。
【0031】
次に、
図3Bに示すように、保持部2が加圧部4(
図1参照)によって基準線Aに沿って移動され、軸材Wの中間部Waに軸方向の圧縮力が付与される。また、保持部3が曲げ部5(
図1参照)によって保持部2に対して傾けられ、中間部Waに曲げ角度θが付与される。曲げ角度θは、軸材Wの曲げが軸材Wの弾性限度の変形内に収まる角度とされ、軸材Wの材料の弾性限度によって異なるが、典型的には2°~4°程である。そして、軸材Wの中間部Waに圧縮力と曲げ角度θとが付与された状態で、保持部3が回動部6(
図1参照)によって回転され、軸材Wが軸まわりに回転される。
【0032】
図3Cに示すように、軸材Wの中間部Waの圧縮、曲げ及び回転に伴い、中間部Waの周方向の各部に径方向の交番負荷が作用し、この交番負荷が繰り返し作用することによって中間部Waが次第に径方向に肥大する。具体的には、中間部Waの圧縮及び曲げによって、曲げ内側の材料が塑性流動して膨出する。そして、軸材Wの回転に伴い、中間部Waの曲げ内側の材料の塑性流動による膨出が全周に亘って成長し、中間部Waが次第に径方向に肥大する。
【0033】
図3Dに示すように、軸材Wの中間部Waの圧縮量に基づき、又は中間部Waの外径の変化量に基づき、中間部Waが所定の外径に肥大されたことが制御部13(
図1参照)によって検出されると、中間部Waの圧縮は停止される。そして、保持部3が再び基準線Aに沿って配置されて軸材Wの中間部Waが曲げ戻され、肥大された中間部Waの厚みは全周に亘って均される。以上のプロセスを経て軸材Wに対する軸肥大加工は完了し、軸材Wの回転が停止される。
【0034】
軸肥大加工が施された軸材Wの中間部Waと、中間部Waを除く軸部Wb(保持部2,3に嵌合していた部分)との接続部Wcにおける亀裂の発生は、交番負荷が繰り返し作用することによって材料が疲労することに起因し、中間部Waが所定の外径に肥大されるまでに要した軸材Wの回転回数に関連する。そこで、加工条件として、中間部Waが所定の外径に肥大されるまでに要する軸材Wの回転回数に対して許容回転回数が設定される。
【0035】
また、軸肥大加工が施された軸材Wの中間部Waの外周部Wdにおける亀裂の発生は、材料の展性限界を超えて中間部Waが肥大されることに起因し、中間部Waの肥大率D/D0に関連する。そこで、加工条件として、中間部Waの肥大率D/D0に対して許容肥大率が設定される。
【0036】
図4A及び
図4Bは、許容回転回数の設定に用いられる試験データの一例を示す。
【0037】
図4A及び
図4Bに示す試験データは、軸材Wと同一材料且つ同一形状の試験軸材に対して軸肥大加工を行って得られた試験データである。そして、
図4Aに示す試験データは、試験軸材の中間部に付与する圧縮力を変更することによって試験軸材の中間部を所定の外径に肥大させるまでに要する試験軸材の回転回数を変更した際の、圧縮力と回転回数との関係を示している。また、
図4Bに示す試験データは、設定した圧縮力毎に複数本の試験軸材に対して軸肥大加工を行った際の試験軸材の接続部における亀裂の発生確率を、圧縮力に対応する回転回数との関係で示している。
【0038】
図4Bに示す試験データの補完曲線では、回転回数が40以下で、接続部における亀裂の発生確率が0%となっており、回転回数が40を超えて上昇するほどに亀裂の発生確率も上昇し、そして、回転回数が70以上では、亀裂の発生確率が100%となっている。回転回数が増加するほどに交番負荷の繰り返し作用回数が増加し、交番負荷の繰り返し作用回数が増加するほどに材料が疲労し、亀裂の発生確率が高まっていると言える。
【0039】
許容回転回数は、亀裂の発生確率が閾値以下である回転回数とすることができ、亀裂の発生確率の閾値は、歩留まり等を考慮して設定することができ、例えば0%とすることができる。そこで、
図4Bに示す試験データによれば、許容回転回数は、亀裂の発生確率が0%の上限の回転回数である40とすることができ、好ましくは、亀裂の発生確率が0%の上限の回転回数40に対して軸材の材料特性のばらつき等を考慮して設定される余裕度をもった回転回数とすることができ、例えば許容回転回数は32(余裕度20%)とすることができる。
【0040】
なお、軸材Wの中間部Waに付与される曲げ角度θが相対的に小さい場合に、交番負荷1回あたりの材料の疲労は相対的に小さく、軸材Wの中間部Waに付与される曲げ角度θが相対的に大きい場合には、交番負荷1回あたりの材料の疲労は相対的に大きくなる。すなわち、軸材Wの接続部Wcにおける亀裂の発生には、中間部Waに付与される曲げ角度θも関連する。よって、好ましくは、許容回転回数の設定に用いられる試験データは、軸材Wと同一材料且つ同一形状の試験軸材に対し、軸材Wと同じ曲げ角度で軸肥大加工を行って得られた試験データである。
【0041】
図5A及び
図5Bは、許容肥大率の設定に用いられる試験データの一例を示す。
【0042】
図5A及び
図5Bに示す試験データは、軸材Wと同一材料且つ同一形状の試験軸材に対して軸肥大加工を行って得られる試験データである。そして、
図5Aに示す試験データは、試験軸材の中間部の圧縮率L/L
0を変更することによって試験軸材の中間部の肥大率D/D
0を変更した際の、圧縮率L/L
0と肥大率D/D
0との関係を示している。また、
図5Bに示す試験データは、設定した肥大率毎に複数本の試験軸材に対して軸肥大加工を行った際の試験軸材の中間部の外周部における亀裂の発生確率を、肥大率との関係で示している。
【0043】
図5Bに示す試験データの補完曲線では、肥大率が1.8以下で、外周部における亀裂の発生確率が0%となっており、肥大率が1.8を超えて上昇するほどに亀裂の発生確率も上昇し、そして、肥大率が3.0以上では、亀裂の発生確率が100%となっている。肥大率が増加するほどに、材料の展性限界を超える確率が高まり、亀裂の発生確率も高まっていると言える。
【0044】
許容肥大率は、亀裂の発生確率が閾値以下である肥大率とすることができ、亀裂の発生確率の閾値は、歩留まり等を考慮して設定することができ、例えば0%とすることができる。そこで、
図5Bに示す試験データによれば、許容肥大率は、亀裂の発生確率が0%の上限の肥大率である1.8とすることができ、好ましくは、亀裂の発生確率が0%の上限の肥大率1.8に対して軸材の材料特性のばらつき等を考慮して設定される余裕度をもった肥大率とすることができ、例えば許容肥大率は1.6(余裕度10%)とすることができる。
【0045】
図6は、軸材Wに対する軸肥大加工において制御部13が行う処理の一例を示す。
【0046】
まず、加工条件が操作部11に入力され、制御部13は、入力された加工条件を記憶する(ステップS1)。入力される加工条件は、圧縮力、回転速度、曲げ角度θ、加工完了条件及び許容回転回数Nである。圧縮力及び回転速度は適宜設定でき、例えばサイクルタイムを短縮する観点から、加圧部4及び回動部6が出力可能な最大値とすることができる。
【0047】
加工完了条件は、軸材Wの中間部Waが所定の外径に肥大されたことを検出するための条件であって、軸肥大加工装置1が保持部2の変位量を検出する軸方向変位検出部9を備える場合には、圧縮力が上昇を開始してからの保持部2の変位量(中間部Waの圧縮量)が設定される。また、軸肥大加工装置1が中間部Waの外径の変化量を検出する径方向変位検出部10を備える場合には、中間部Waの加工前の外径からの外径の変化量が設定される。
【0048】
ここで、保持部2の変位量又は中間部Waの外径の変化量は許容肥大率との関係で設定される。まず、中間部Waの加工前の外径D0と、必要な加工後の外径Dとから求まる肥大率D/D0が許容肥大率以下となる軸材Wが、加工前の外径D0が異なる複数の軸材のなかから必要な加工後の外径Dに応じて選定される。中間部Waの外径の変化量は、選定された軸材Wの中間部Waの加工前の外径D0と、必要な加工後の外径Dとの差である。また、中間部Waの体積は加工前後で変化せず、中間部Waの加工前の軸方向長さL0と、許容肥大率以下である肥大率D/D0とに基づいて中間部Waの加工後の軸方向長さLが求まり、保持部2の変位量は、中間部Waの加工前の軸方向長さL0と加工後の軸方向長さLとの差である。
【0049】
許容回転回数Nは、選定された軸材Wの許容回転回数である。そして、曲げ角度θは、選定された軸材Wと同一材料且つ同一形状の試験軸材に対し、許容回転回数Nの設定に用いる試験データを取得するために行った軸肥大加工と同じ曲げ角度とすることができる。
【0050】
次に、加工開始指示が操作部11に入力されると、制御部13は、ステップS1で入力された加工条件に従って加圧部4と、曲げ部5と、回動部6とを制御し、軸材Wに対して
図3A~
図3Dに示した軸肥大加工を行う(スッテプS2)。制御部13は、軸方向変位検出部9によって検出される保持部2の変位量、又は径方向変位検出部10によって検出される中間部Waの外径の変化量が加工完了条件に達したところで軸材Wに対する軸肥大加工を完了する(ステップS3)。
【0051】
次に、制御部13は、回転回数検出部7によって検出される軸材Wの回転回数であって、中間部Waが所定の外径Dに肥大されるまでに要した回転回数nを取得し、取得した回転回数nに基づいて軸材Wの合否を判定する(ステップS4)。この合否の判定において、制御部13は、スッテプS1で入力された許容回転回数Nを用い、n≦Nである場合には合格と判定し(ステップS5)、n>Nである場合には不合格と判定する(ステップS6)。
【0052】
回転回数nが許容回転回数Nを超える場合としては、軸材の材料特性のばらつきにより、加工対象の軸材Wが特異的に硬い場合を例示することができる。そして、n>Nである場合に、
図4Bに示した試験データの補完曲線上の回転回数nに対応した確率で、軸材Wの接続部Wcにおける亀裂の発生が見込まれる。そこで、制御部13は、n>Nである場合には不合格と判定する。判定結果は、例えば制御部13の制御のもとで表示部12に表示されるなどして、作業者に報知される。
【0053】
このように、軸材Wの接続部Wcにおける亀裂の発生の合否を、軸材Wの中間部Waが所定の外径Dに肥大されるまでに要した回転回数nに基づいて判定することにより、加工完了直後に判定でき、亀裂の有無の検査に要する時間及びコストを節減することができる。
【0054】
さらに、本例では、加工完了条件としての保持部2の変位量又は中間部Waの外径の変化量が許容肥大率との関係で設定されており、軸材Wの外周部Wdにおける亀裂の発生も抑制される。これにより、亀裂の有無の検査に要する時間及びコストをさらに節減することができる。
【0055】
図7は、軸材Wに対する軸肥大加工において制御部13が行う処理の他の例を示す。
【0056】
図7に示す例は、加工条件として圧縮力、回転速度、曲げ角度θ、加工完了条件及び許容肥大率D/D
0が入力され、制御部13は、入力された許容肥大率D/D
0を用いて合否を判定するものである。本例では、軸肥大加工装置1は、保持部2の変位量を検出する軸方向変位検出部9と、軸材Wの中間部Waの外径の変化量を検出する径方向変位検出部10とを備え、加工完了条件は保持部2の変位量によって設定され、径方向変位検出部10は加工が完了した中間部Waの外径の変化量を検出する。
【0057】
まず、加工条件が操作部11に入力され、制御部13は、入力された加工条件を記憶する(ステップS11)。次に、加工開始指示が操作部11に入力されると、制御部13は、ステップS1で入力された加工条件に従って加圧部4と、曲げ部5と、回動部6とを制御し、軸材Wに対して
図3A~
図3Dに示した軸肥大加工を行う(スッテプS12)。制御部13は、軸方向変位検出部9によって検出される保持部2の変位量が加工完了条件に達したところで軸材Wに対する軸肥大加工を完了する(ステップS13)。
【0058】
次に、制御部13は、径方向変位検出部10によって検出される中間部Waの外径の変化量を取得し、加工が完了した中間部Waの肥大率を求める(ステップS14)。中間部Waの肥大率は、中間部Waの加工前の外径D0と、径方向変位検出部10によって検出される中間部Waの外径の変化量ΔDとを用い、(D0+ΔD)/D0によって求めることができる。
【0059】
そして、制御部13は、ステップS14で求めた肥大率(D0+ΔD)/D0に基づいて軸材Wの合否を判定する(ステップS15)。この合否の判定において、制御部13は、ステップS11で入力された許容肥大率D/D0を用い、(D0+ΔD)/D0≦D/D0である場合には合格と判定し(ステップS16)、(D0+ΔD)/D0>D/D0である場合には不合格と判定する(ステップS17)。
【0060】
肥大率(D
0+ΔD)/D
0が許容肥大率D/D
0を超える場合としては、軸材の寸法誤差により、加工対象の軸材Wの中間部Waの加工前の軸方向長さL
0が特異的に大きく、加工後の外径変化量ΔDが特異的に大きくなる場合、を例示することができる。保持部2の一定の変位量に対し、加工前軸方向長さL
0が大きいほど、中間部Waの外径の変化量ΔDは大きくなる。そして、(D
0+ΔD)/D
0>D/D
0である場合に、
図5Bに示した試験データの補完曲線上の肥大率(D
0+ΔD)/D
0に対応した確率で、軸材Wの外周部Wdにおける亀裂の発生が見込まれる。そこで、制御部13は、(D
0+ΔD)/D
0>D/D
0である場合には不合格と判定する。判定結果は、例えば制御部13の制御のもとで表示部12に表示されるなどして、作業者に報知される。
【0061】
このように、軸材Wの外周部Wdにおける亀裂の発生の合否を、軸材Wの中間部Waの肥大率に基づいて判定することにより、加工完了直後に判定でき、亀裂の有無の検査に要する時間及びコストを節減することができる。
【0062】
なお、
図7に示した、中間部Waの肥大率及び許容肥大率に基づく外周部Wdにおける亀裂の発生の合否判定は、
図6に示した、軸材Wの回転回数及び許容回転回数に基づく接続部Wcにおける亀裂の発生の合否判定と組み合わせて行うこともできる。
【0063】
以上、説明したとおり、本明細書に開示された軸肥大加工の加工条件設定方法は、軸材の軸方向の中間部に軸方向の圧縮力と曲げ角度とを付与した状態で前記軸材を軸まわりに回転させることにより前記軸材の中間部を径方向に肥大させる軸肥大加工の加工条件設定方法であって、前記軸材と同一材料且つ同一形状の試験軸材に対して軸肥大加工を行って得られた試験データであって、前記試験軸材の中間部を所定の外径に肥大させるまでに要した前記試験軸材の回転回数と、前記試験軸材の中間部と当該中間部を除く軸部との接続部における亀裂の発生確率との関係を示す試験データに基づき、前記接続部における亀裂の発生確率が閾値以下である許容回転回数を設定し、前記軸材に対する軸肥大加工で前記軸材の中間部を前記所定の外径に肥大させる際の前記軸材の回転回数を、前記許容回転回数以下とする。
【0064】
また、本明細書に開示された軸肥大加工の加工条件設定方法は、前記試験データが、前記軸材に対する軸肥大加工と同じ曲げ角度で前記試験軸材に対して軸肥大加工を行って得られたものである。
【0065】
また、本明細書に開示された軸肥大加工の加工条件設定方法は、軸材の軸方向の中間部に軸方向の圧縮力と曲げ角度とを付与した状態で前記軸材を軸まわりに回転させることにより前記軸材の中間部を径方向に肥大させる軸肥大加工の加工条件設定方法であって、前記軸材と同一材料且つ同一形状の試験軸材に対して軸肥大加工を行って得られた試験データであって、前記試験軸材の中間部の加工前の外径に対する加工後の外径の比である肥大率と、前記試験軸材の中間部の外周部における亀裂の発生確率との関係を示す試験データに基づき、前記外周部における亀裂の発生確率が閾値以下である許容肥大率を設定し、前記軸材に対する軸肥大加工で前記軸材の中間部を所定の外径に肥大させる際の前記軸材の中間部の肥大率を、前記許容肥大率以下とする。
【0066】
また、本明細書に開示された軸肥大加工方法は、軸材の軸方向の中間部に軸方向の圧縮力と曲げ角度とを付与した状態で前記軸材を軸まわりに回転させることにより前記軸材の中間部を径方向に肥大させる軸肥大加工方法であって、前記軸材の中間部を所定の外径に肥大させるまでに要した前記軸材の回転回数に基づき、前記軸材の合否を判定する。
【0067】
また、本明細書に開示された軸肥大加工方法は、前記軸材と同一材料且つ同一形状の試験軸材に対して軸肥大加工を行って得られた試験データであって、前記試験軸材の中間部を前記所定の外径に肥大させるまでに要した前記試験軸材の回転回数と、前記試験軸材の中間部と当該中間部を除く軸部との接続部における亀裂の発生確率との関係を示す試験データに基づき、前記接続部における亀裂の発生確率が閾値以下である許容回転回数を設定し、前記軸材の回転回数が前記許容回転回数以下である場合に前記軸材を合格と判定し、前記軸材の回転回数が前記許容回転回数を超える場合に前記軸材を不合格と判定する。
【0068】
また、本明細書に開示された軸肥大加工方法は、前記試験データが、前記軸材に対する軸肥大加工と同じ曲げ角度で前記試験軸材に対して軸肥大加工を行って得られたものである。
【0069】
また、本明細書に開示された軸肥大加工方法は、前記試験軸材に対して軸肥大加工を行って得られた試験データであって、前記試験軸材の中間部の加工前の外径に対する加工後の外径の比である肥大率と、前記試験軸材の中間部の外周部における亀裂の発生確率との関係を示す試験データに基づき、前記外周部における亀裂の発生確率が閾値以下である許容肥大率を設定し、前記軸材の中間部を前記所定の外径に肥大させる際の前記軸材の中間部の肥大率を、前記許容肥大率以下とする。
【0070】
また、本明細書に開示された軸肥大加工方法は、軸材の軸方向の中間部に軸方向の圧縮力と曲げ角度とを付与した状態で前記軸材を軸まわりに回転させることにより前記軸材の中間部を径方向に肥大させる軸肥大加工方法であって、前記軸材の中間部の加工前の外径に対する加工後の外径の比である肥大率に基づき、前記軸材の合否を判定する。
【0071】
また、本明細書に開示された軸肥大加工方法は、前記軸材と同一材料且つ同一形状の試験軸材に対して軸肥大加工を行って得られた試験データであって、前記試験軸材の中間部の加工前の外径に対する加工後の外径の比である肥大率と、前記試験軸材の中間部の外周部における亀裂の発生確率との関係を示す試験データに基づき、前記外周部における亀裂の発生確率が閾値以下である許容肥大率を設定し、前記軸材の肥大率が、前記許容肥大率以下である場合に前記軸材を合格と判定し、前記軸材の肥大率が前記許容肥大率を超える場合に前記軸材を不合格と判定する。
【0072】
また、本明細書に開示された軸肥大加工装置は、軸材の軸方向に距離をおいて前記軸材を保持する一対の保持部と、前記一対の保持部の距離を縮小して前記一対の保持部の間に配置される前記軸材の中間部に軸方向の圧縮力を付与する加圧部と、前記一対の保持部のうち一方の保持部を他方の保持部に対して傾けて前記軸材の中間部に曲げ角度を付与する曲げ部と、前記一対の保持部及び前記軸材を前記軸材の軸まわりに回転させる回動部と、前記軸材の回転回数を検出する回転回数検出部と、前記加圧部、前記曲げ部、及び前記回動部を制御して前記軸材の中間部に軸方向の圧縮力と曲げ角度とを付与した状態で前記軸材を軸まわりに回転させることにより、前記軸材の中間部を所定の外径に肥大させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記軸材の中間部が前記所定の外径に肥大されるまでに要した前記軸材の回転回数に基づき、前記軸材の合否を判定する。
【0073】
また、本明細書に開示された軸肥大加工装置は、軸材の軸方向に距離をおいて前記軸材を保持する一対の保持部と、前記一対の保持部の距離を縮小して前記一対の保持部の間に配置される前記軸材の中間部に軸方向の圧縮力を付与する加圧部と、前記一対の保持部のうち一方の保持部を他方の保持部に対して傾けて前記軸材の中間部に曲げ角度を付与する曲げ部と、前記一対の保持部及び前記軸材を前記軸材の軸まわりに回転させる回動部と、前記一対の保持部の距離の変化量を検出する軸方向変位検出部と、前記軸材の中間部の外径の変化量を検出する径方向変位検出部と、前記加圧部、前記曲げ部、及び前記回動部を制御して前記軸材の中間部に軸方向の圧縮力と曲げ角度とを付与した状態で前記軸材を軸まわりに回転させ且つ前記一対の保持部の距離を所定量縮小させることにより、前記軸材の中間部を肥大させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記軸材の中間部の外径の変化量に基づき、前記軸材の中間部の加工前の外径に対する加工後の外径の比である肥大率を求め、求めた肥大率に基づき、前記軸材の合否を判定する。
【符号の説明】
【0074】
1 軸肥大加工装置
2 保持部
3 保持部
4 加圧部
5 曲げ部
6 回動部
7 回転回数検出部
8 制御盤
9 軸方向変位検出部
10 径方向変位検出部
11 操作部
12 表示部
13 制御部
A 基準線
W 軸材
Wa 中間部
Wb 軸部
Wc 接続部
Wd 外周部