(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】ハザード警告装置のネットワークのテスト
(51)【国際特許分類】
G08B 29/12 20060101AFI20230303BHJP
G08B 17/00 20060101ALI20230303BHJP
G05B 9/02 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
G08B29/12
G08B17/00 D
G05B9/02 K
(21)【出願番号】P 2021517107
(86)(22)【出願日】2018-05-29
(86)【国際出願番号】 EP2018064115
(87)【国際公開番号】W WO2019228617
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2021-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】520466674
【氏名又は名称】アウトロニカ ファイア アンド セキュリティ エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ヴァネーボ,ペール ヨハン
【審査官】永井 啓司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0011144(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B9/00-9/05
G08B17/00-31/00
H03J9/00-9/06
H04Q9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークアラームシステム(107)であって、
ループ回路(108)、第1の電源(110)、第2の電源(135)、及び前記ループ回路(108)に電気的に接続されている第1のコントローラ(115)であって前記第1の電源(110)及び前記第2の電源(135)を制御している前記第1のコントローラ(115)と、
前記ループ回路(108)に電気的に接続されている複数のアラームユニットであって、それぞれ、対応する電流シンク(120)を備えた、前記複数の前記アラームユニットと、を含み、
前記第1のコントローラ(115)が、
前記第2の電源(135)を切り離し、
複数の前記対応する電流シンクを同時に作動させるように前記複数のアラームユニットに指示し、
前記ループ回路(108)全体の第1の電圧を判定し、
前記第2の電源(135)を係合して前記第1の電源(110)を切り離し、
複数の前記対応する電流シンクを同時に作動させるように前記複数のアラームユニットに指示し、
前記ループ回路(108)全体の第2の電圧を判定し、
所定の閾値に対して前記第1及び第2の電圧を比較して前記システム(107)の動作状態を判定する、
ことを含むシステム状態テストを実行する、
ネットワークアラームシステム(107)。
【請求項2】
前記システム状態テストは、前記第1のコントローラ(115)が、
前記複数のアラームユニットから対応する複数の測定された電圧を受信することと、
前記複数の測定された電圧から前記システム(107)の前記動作状態を判定することと
を含む、請求項1に記載のシステム(107)。
【請求項3】
前記第1のコントローラ(115)が前記システム状態テストを定期的に実行する、請求項1
または2に記載のシステム(107)。
【請求項4】
前記複数のアラームユニットが第2の電源(135)に電気的に接続されている、請求項1~
3のいずれかに記載のシステム(107)。
【請求項5】
ネットワークアラームシステム(107)によってシステム状態テストを実行する方法であって、前記ネットワークアラームシステム(107)は、
ループ回路(108)、第1の電源(110)、第2の電源(135)、及び前記ループ回路(108)に電気的に接続されている第1のコントローラ(115)であって前記第1の電源(110)及び前記第2の電源(135)を制御している前記第1のコントローラ(115)と、
前記ループ回路(108)に電気的に接続されている複数のアラームユニットであって、ぞれぞれ、対応する電流シンク(120)を備えた、前記複数の前記アラームユニットと、を含み、
前記方法は、前記第1のコントローラ(115)が、
前記第2の電源(135)を切り離し、
複数の前記対応する電流シンクを同時に作動させるように前記複数のアラームユニットに指示し、
前記ループ回路(108)全体の第1の電圧を判定し、
前記第2の電源(135)を係合して前記第1の電源(110)を切り離し、
複数の前記対応する電流シンクを同時に作動させるように前記複数のアラームユニットに指示し、
前記ループ回路(108)全体の第2の電圧を判定し、
所定の閾値に対して前記第1及び第2の電圧を比較して前記システム(107)の動作状態を判定する、
ことを備えた、方法。
【請求項6】
前記システム状態テストは、前記第1のコントローラ(115)が、
前記複数のアラームユニットから対応する複数の測定された電圧を受信することと、
前記複数の測定された電圧から前記システム(107)の前記動作状態を判定することと
を含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のコントローラ115が前記システム状態テストを定期的に実行する、請求項
5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のアラームユニットが第2の電源(135)に電気的に接続されている、請求項
5~
7のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態は、ハザード警告装置の技術に関し、より詳しくはハザード警告装置のネットワークのテストに関する。
【背景技術】
【0002】
産業用ハザード警告システムでは、検出器/音響器などがループ状に配置される場合がある。ループのスパンは、2~4kmの長さである場合がある。このようなシステムに電力を供給するために利用できるエネルギーは限られている場合があり、電圧降下が懸念され得る。ループユニットは、通常動作では最大アラーム状態の間よりもエネルギー使用を少なくしてもよい。ループユニットの実際のフィールドテストなしでは、ループ破壊で発生し得るような最悪の場合の消費電流を見積もることは難しい場合がある。定常状態での使用の間は検出ループがすべての要件を満たすが、最大負荷の下では要件を満たさない、という状況が生じる場合がある。
【0003】
完全なループユニット活性化テストは、ループが最大負荷の下で動作していることを確認し得る。しかしながら、このような手順は、すべての音響器、入出力装置、フラッシュビーコンなどの活性化を同時に必要とし得るので、煩雑となる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ネットワーク化されたアラームシステムのループ回路に電気的に接続されたアラームユニットが開示され、ループ回路は、第1の電源及び第1のコントローラに電気的に接続され、アラームユニットは、電流シンク、電流シンクを制御するための第2のコントローラを含み、第2のコントローラは、第1のコントローラから電流シンクを作動させるための命令を受信し、電流シンクを作動させることを含む、アラームユニット状態テストを実行する。
【0005】
上記の開示された機能の1つ以上に加えて、または代替として、システム状態テストは、第2のコントローラが、電流シンク全体の電圧を測定し、測定した電圧を回路コントローラに送信することを含む。
【0006】
上記の開示された機能の1つ以上に加えて、または、代替として、アラームユニットは、第2の電源に電気的に接続されている。
【0007】
上記の開示された機能の1つ以上に加えて、または、代替として、アラームユニットは、煙検出器、熱感知器、プルステーション、ビーコン、音響器、炎検出器、入出力ユニット、ガスセンサ、無線ゲートウェイ、爆発バリア、複合煙/熱感知器及び複合煙/熱/一酸化炭素検出器のうちの1つ以上である。
【0008】
さらに開示されるのは、ループ回路、第1の電源及びループ回路に電気的に接続された第1のコントローラを含むネットワークアラームシステムであって、第1のコントローラは第1の電源を制御し、複数のアラームユニットは第1の回路に電気的に接続された上記の開示された機能の1つ以上を有し、複数のアラームユニットは対応する複数の電流シンクを含み、第1のコントローラは、複数のアラームユニットに対応する複数の電流シンクを作動させるように指示すること、及び少なくとも1つの測定した電圧からシステムの動作状態を判定することを含む、システム状態テストを実行する。
【0009】
上記の開示された機能の1つ以上に加えて、または、代替として、状態テストは、第1のコントローラが、複数のアラームユニットから、対応する複数の測定した電圧を受信し、複数の測定した電圧から、システムの動作状態を判定することを含む。
【0010】
上記の開示された機能の1つ以上に加えて、または、代替として、システムの動作状態を判定することは、回路ケーブルセグメントの接続の品質、複数のアラームユニット間の回路ケーブルセグメントの抵抗及び複数のアラームユニット間の回路ケーブルセグメントのスパンのうちの1つ以上を判定することを含む。
【0011】
上記の開示された機能の1つ以上に加えて、または、代替として、第1のコントローラは、システム状態テストを定期的に実行する。
【0012】
上記の開示された機能の1つ以上に加えて、または、代替として、複数のアラームユニットは、第2の電源に電気的に接続されている。
【0013】
上記の開示された機能の1つ以上に加えて、または、代替として、第1のコントローラは、第2の電源を切り離し、対応する複数の電流シンクを作動させるように複数のアラームユニットに指示し、ループ回路上の第1の電圧を判定し、第2の電源を係合して第1の電源を切り離し、対応する複数の電流シンクを作動させるように複数のアラームユニットに指示し、ループ回路上の第2の電圧を判定し、第1及び第2の電圧を閾値と比較して、システムの動作状態を判定する。
【0014】
さらに開示されるのは、アラームユニットによって状態テストを実行する方法であって、アラームユニットは、上記の開示された機能の1つ以上を有する。またさらに開示されるのは、ネットワークアラームシステムによって状態テストを実行する方法であって、ネットワークアラームシステムは、上記の開示された機能の1つ以上を含む。
【0015】
以下の説明は、いかなる形であれ制限的なものであるとみなされるべきではない。添付の図面に関し、同様の要素には同様の番号が付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】開示された実施形態のネットワーク化されたアラームシステムを示す。
【
図2】開示された実施形態のアラームユニットによって実行されるプロセスを示す。
【
図3A】開示された実施形態のシステムコントローラによって実行されるプロセスを示す。
【
図3B】開示された実施形態のシステムコントローラによって実行されるプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
開示された装置及び方法の1つ以上の実施形態の詳細な説明は、図を参照して、限定ではなく例証として本明細書において提示される。
【0018】
図1を参照すると、開示されているのは、ループ回路108を含むネットワーク化されたアラームシステム107に電気的に接続されているアラームユニット100である。ループ回路108は、第1のパス105に沿ってループ回路108に通電する第1の電源110に電気的に接続し得る。加えて、ループ回路108は、第1のコントローラ115を含んでもよい。アラームユニット100は、電流シンク120及び電流シンク120を制御するための第2のコントローラ125を含んでもよい。
【0019】
図2に示すように、第2のコントローラ125は、アラームユニット状態テストを実行する第1のステップS200を実行し得る。ステップS200は、第1のコントローラ115から命令を受信して電流シンク120を作動させる第1のステップS210を含んでもよい。第2のステップS220は、第2のコントローラ125が電流シンク120を作動させることを含んでもよい。第3のステップS230は、第2のコントローラ125が電流シンク120全体の電圧を測定することを含んでもよい。電圧測定は、一体型電圧計133を通して実行し得る。第4のステップS240は、第2のコントローラ125が測定した電圧を回路コントローラ115に送信することを含んでもよい。
【0020】
図1に戻ると、アラームユニット100の追加機能には、アラームユニット100が、第2のパス130に沿ってループ回路107に通電する第2の電源135に電気的に接続され得る、ということが含まれる。第1及び第2の電源110、135は、ループ回路108に遮断または短絡があり、そうでなければ1つ以上の動作中のループユニットを第1の電源110からの電力がない状態のままにする場合に、一緒に使用してもよい。したがって、第2の電源135は、ループ回路108のための冗長電源と見なしてもよい。
【0021】
アラームユニット100は、様々なタイプの検出器の1つ以上、またはそれらの組み合わせであり得る。例えば、ユニット100は、煙検出器、熱感知器、プルステーション、ビーコン、音響器、炎検出器、入出力ユニット、ガスセンサ、無線ゲートウェイ、爆発バリア、複合煙/熱感知器及び複合煙/熱/一酸化炭素検出器であってもよい。これらのタイプのハザード警告装置は、制限することを意図したものではない。
【0022】
一実施形態では、アラームユニット100は発光ダイオード(LED)を含み、それは電流シンク120として作動する。他の形の耐電流器具は、アラームユニット100に一体化されて、テスト中の短絡を防止し得る。
【0023】
ここでシステム107を参照すると、システム107は、第1の回路105に電気的に接続されている複数のアラームユニットを含んでもよい。複数のアラームユニットは、対応する複数の電流シンクを含んでもよい。
【0024】
図3Aを参照すると、第1のコントローラ115は、システム状態テストを実行するステップS300を実行し得る。ステップS300は、対応する複数の電流シンクを作動させるように第1のコントローラ115が同時に複数のアラームユニットに指示する、第1のステップS310を含んでもよい。第2のステップは、第1のコントローラ115が複数のアラームユニットから対応する複数の測定された電圧を受信する、ステップS320を含んでもよい。第3のステップS330は、第1のコントローラ115が複数の測定された電圧からシステム107の動作状態を判定することを含んでもよい。ステップS330は、回路ケーブルセグメントの接続の品質、複数のアラームユニット間の回路ケーブルセグメントの抵抗及び複数のアラームユニット間の回路ケーブルセグメントのスパンのうちの1つ以上を判定することを含んでもよい。一実施形態では、第1のコントローラ115は作動の前に、定期的に、システム状態テストを実行して、システムが適切に機能していることを確認するかまたは、問題が起こると接続もしくはアラームユニットを修正する。
【0025】
図3Bを参照すると、一実施形態では、第1のコントローラ115は、システム状態テストを実行するための代替ステップS350を実行し得る。ステップS350は、第1のコントローラ115が第2の電源135を切り離す、第1のステップS355を含んでもよい。この構成については、第2の電源135は、ループ回路108に電力を供給しない。その後、ステップS360は、対応する複数の電流シンクを作動させるように第1のコントローラ115が複数のアラームユニットに指示することを含んでもよい。ステップS365で、第1のコントローラ115は、ループ回路108全体の電圧を測定し得る。
【0026】
次に、ステップS370で、第1のコントローラ115は、第2の電源135を再接続して、第1の電源110を切り離し得る。この構成については、第1の電源110は、第1の回路105に電力を供給しない。その後、ステップS375は、対応する複数の電流シンクを作動させるように第1のコントローラ115が複数のアラームユニットに指示することを含んでもよい。ステップS380で、第1のコントローラ115は、ループ回路108全体の電圧を測定し得る。ステップS385で、第1のコントローラ115は、2つの測定した電圧を閾値に対して比較する。ステップS390で、比較を使用して、第1のコントローラ115は、システム107の動作状態を判定する。すなわち、測定した電圧が所定の許容限度内である場合、システム10は十分に動作可能であると見なされる。
【0027】
図3Aに示されるテストは、
図3Bに示されるテストと比較して、1つ以上の利点を有し得る。例えば、
図3Aに示されるテストは、両方の回路に同時電力が利用できることで、
図3Bのテストによるよりも多くの診断情報を取得することを可能にする。
【0028】
図1に戻って、システム107の追加機能について述べる。一実施形態では、ループ回路は、アラームユニットと第1のコントローラ115の間の共通線を介した電源及びデータの伝達を提供する。さらに、システム107は、第1のコントローラ115、第1の電源110及び第2の電源135のうち1つ以上を含んでいる火災アラームコントロールパネル140を含んでもよい。
【0029】
上記の開示された実施形態は、アラームシステムをテストして、それが「最悪の場合の状態」、すなわち壊れたループを処理し得るかどうかを、音響器、ビーコンなどを別個にテストする必要なしに判定するための、システム及び方法を提供する。プログラマブル電流シンクは、あらゆるアラームユニット(ループユニット)に設けてもよい。電流シンクは、最大ストレスの下でアラームユニットの実際の電力消費量を模倣し得る。すべてシンクを同時に起動させた後、ループユニットは実際のループ電圧を測定してシステムコントローラ(ファイアセントラル)に報告し得る。
【0030】
取得されたデータの分析を用いて、ループユニットの間のケーブルセグメントの抵抗をマッピングしてもよく、ケーブル距離などの推定を可能にする。光学煙検出器については、この機能のための回路を追加することなくシンク電流に既存のLEDを使用するのが好ましいことであり得る。
【0031】
しかしながら、アラームシステムをテストするために、開示された実施形態は、調整テストの間、及び、アラームシステムの寿命の間、使用してもよい。開示された実施形態を適用することで、アラームシステムの有効寿命の間に、欠陥のあるケーブル接続及び類似の問題を、このような問題が出る前に検出し得る。例えば、このような問題は、腐食、振動などから生じる場合がある。
【0032】
図4をここで参照すると、コントローラの追加機能が簡単に開示される。上記のように、本明細書の実施形態は、第1のコントローラ115及び第2のコントローラ125を含む複数のコントローラを含んでもよい。複数のコントローラは、実質的に同じ技術機能を有し得る。したがって、複数のコントローラの機能は第1のコントローラ115に関して以下で開示してもよく、それは以下では概して、コントローラ115と呼ばれ得る。
【0033】
コントローラ115は、処理回路を含むコンピューティング装置であってもよく、処理回路はさらに、特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のソフトウェアアルゴリズムまたはファームウェアアルゴリズム及びプログラムを実行し、動的に集められるかまたは1つ以上のルックアップテーブルに配置し得る関連データを含む、抵抗器、電子プロセッサ(共有されるか、専用であるか、またはグループ)400及びメモリ405などの1つ以上の基本的な回路部品を有する電子回路、1つ以上のオペレーショナルアンプを含む組合せ論理回路、及び/または、記載されている機能性を提供する他の適切なインタフェース及びコンポーネントを含んでもよい。例えば、プロセッサ400は、メモリ405に格納されたデータを処理して、種々の制御アルゴリズム、診断などにおいてそのデータを使用する。
【0034】
コントローラ115は、プロセッサ400及びメモリ405に加えて、搭載(ローカル)インタフェースを介して通信で連結されて複数のコントローラの中で通信する、1つ以上の入力及び/または出力(I/O)デバイスインタフェース(複数可)410をさらに含んでもよい。搭載インタフェースは、例えば、限定するものではないが、(デバイス間通信のための)制御バス420、(物理アドレス指定のための)アドレスバス425及び(データの転送のための)データバス430を含んだ、搭載システムバス415を含んでもよい。すなわち、システムバス415は、プロセッサ400、メモリ405及びI/O接続410の間の電子通信を可能にする。I/O接続410は、配線接続及び/または無線接続を含んでもよい。搭載インタフェースは、簡単にするために省略されているが、電子通信を可能にするために、コントローラ、バッファ(キャッシュ)、ドライバ、リピータ及び受信機などの追加要素を有し得る。
【0035】
動作において、コントローラ115に搭載されたプロセッサ400は、メモリ405の中に格納されたソフトウェアアルゴリズムを実行して、メモリ405との間でデータを通信し、そしてソフトウェアアルゴリズムに従って全般的に計算動作を制御するように構成してもよい。メモリ405のアルゴリズムは、全体的にあるいは部分的に、プロセッサ400によって読み込まれ、おそらくプロセッサ400の中でバッファリングされて、それから実行され得る。プロセッサ400は、アルゴリズム、特にメモリ405に格納されたアルゴリズムを実行するための、ハードウェアデバイスを含んでもよい。プロセッサ400は、カスタムメイドであるか市販のプロセッサ400、中央処理装置(CPU)、コンピューティング装置と関連したいくつかのプロセッサの中の補助プロセッサ、半導体ベースのマイクロプロセッサ(マイクロチップまたはチップセットの形で)または一般に、ソフトウェアアルゴリズムを実行するための任意のデバイスであってもよい。
【0036】
コントローラ115に搭載されたメモリ405は、揮発性記憶素子(例えば、ランダムアクセスメモリ(DRAM、SRAM、SDRAM、VRAMなどのRAM))及び/または不揮発性の記憶素子(例えば、ROM、ハードディスク、テープ、CD-ROMなど)のいずれか1つまたは組合せを含んでもよい。さらに、メモリ405は、電子、磁気、光学及び/または、他のタイプの記憶媒体の組み込んでもよい。メモリ405は分散アーキテクチャも有してもよく、様々なコンポーネントは互いから遠隔に配置されるが、プロセッサ400によってアクセスされ得る。
【0037】
コントローラ115に搭載されたメモリ405内のソフトウェアアルゴリズムは1つ以上の別個のプログラムを含んでもよく、そのそれぞれは論理機能を実施するための実行可能命令の順序づけられたリストを含む。ソフトウェアアルゴリズムとして実施されるシステムコンポーネントは、実行される命令のセットを含むソースプログラム、実行可能プログラム(オブジェクトコード)、スクリプトまたは他の任意の実体と解釈され得る。ソースプログラムとして構築されると、ソフトウェアアルゴリズムは、コンパイラ、アセンブラ、インタプリタ等を介して翻訳され得るが、これらはメモリの中に含まれていてもよく、または含まれていなくてもよい。
【0038】
システムI/Oインタフェース(複数可)410、ワイヤードインタフェース及び/または無線インタフェースを用いてコントローラ115に連結し得る入出力(I/O)デバイスのいくつかはここで識別されるが、簡潔にするためにその説明は省略する。このようなI/Oデバイスには、限定するものではないが、(i)キーボード、マウス、スキャナ、マイクロホン、カメラ、近接デバイスなどの入力装置、(ii)プリンタ、ディスプレイなどの出力装置、及び(iii)変調器/復調器(別のデバイス、システムまたはネットワークにアクセスするためのモデム)、無線周波数(RF)もしくは他のトランシーバ、電話インタフェース、ブリッジ、ルータなどの、入力及び出力の両方として通信するデバイスが含まれる。
【0039】
さらに、無線接続を用いて、コントローラ115は別の電子デバイスの別のコントローラ460にネットワーク450を介して通信して、例えば、故障したアラーム状態を報告し得る。無線通信は、電子短距離通信(SRC)プロトコルを適用することによって発生する場合がある。このようなプロトコルは、ローカルエリアネットワーク(LAN)プロトコル及び/またはプライベートエリアネットワーク(PAN)プロトコルを含んでもよい。LANプロトコルはWiFi技術を含み、これは電気電子学会つまりIEEEのセクション802.11規格に基づく技術である。PANプロトコルは、例えば、Bluetooth Low Energy(BTLE)を含み、これは短波長電波を使用して短い距離でのデータ交換を行うための、Bluetooth Special Interest Group(SIG)によって設計されて市場に出された無線技術規格である。PANプロトコルは、電気電子学会(IEEE)のセクション802.15.4プロトコルに基づく技術である、Zigbeeも含む。より具体的には、Zigbeeは、低出力低バンド幅ニーズのための小型で低電力のデジタル無線によるパーソナルエリアネットワークを作成するために用いる高レベル通信プロトコルの組合せを表して、無線接続を用いた小規模プロジェクトのために最適である。このような無線接続は無線周波数識別(RFID)技術を含んでもよく、これはRFIDスマートカード上の集積チップ(IC)と通信するために用いられる別のSRC技術である。
【0040】
コントローラ115の上記の開示されたアーキテクチャ、機能性及び/またはハードウェア操作がソフトウェアアルゴリズムを用いて実施され得る点に留意しなければならない。ソフトウェアアルゴリズムでは、このような機能性はモジュール、セグメントまたはコードの一部として表してもよく、それは指定の論理機能(複数可)を実施するための1つ以上の実行可能命令を含む。このようなモジュールは、必ずしも何らかの特定の順序で実行される必要があるわけではなく、及び/または全く実行されなくてもよいことにも留意しなければならない。
【0041】
本明細書において記載されているコントローラ115の機能性のいずれもが、コンピュータベースのシステム、プロセッサを含むシステムまたは、命令実行システム、装置もしくはデバイスから命令をフェッチして命令を実行することができる他のシステムなどの、命令実行システム、装置もしくはデバイスによって、または、それらに関連して用いるための、任意の非一時的コンピュータ可読媒体で具現化できる点にも留意しなければならない。本明細書の文脈において、「コンピュータ可読媒体」は、命令実行システム、装置または機器によってまたはそれと接続して使用されるプログラムを、含み、記憶し、通信し、伝搬し、及び/または転送する。
【0042】
さらに、コントローラ115のコンピュータ可読媒体は、様々な形態のコンピュータ可読メモリ405を含んでもよい。例えば、コンピュータ可読メモリ405は、1つ以上の半導体を含んでもよく、通信及び/または記憶技術が電子、磁気、光学、電磁気または赤外線であるものの1つ以上であり得る、装置またはデバイスに一体化されていてもよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な実施例(網羅的ではないリスト)は、簡潔にするために例証が省略されているが、ポータブルコンピュータディスケット(磁気)、ランダムアクセスメモリ(RAM)(電子)、読取り専用メモリ(ROM)(電子)、消去可能プログラム可能読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)(電子)及び携帯用コンパクトディスク読取り専用メモリ(CDROM)(光学)を含む。
【0043】
加えて、コントローラの上記の分散システムは、限定することを意図したものではない。一実施形態では、ネットワークの同じ側の各コントローラは同じデバイスであってもよく、そのためその間にはネットワークは必要とされない。一実施形態では、単一のオンサイトのコントローラが、コントローラの分散システムの代わりに設けられる。一実施形態では、ネットワークの同じ側のコントローラは、クラウドコンピューティング構成を用いてワールドワイドウェブ上に配置されているサーバによって制御される。一実施形態では、分散コントローラネットワークはすべての電気通信サービスに対して配線接続されているので、無線ネットワークは必要ではない。一実施形態では、このようなサービスの間で自動的に切り替わってネットワーク輻輳を最小化する冗長な無線及び有線ネットワークが利用される。
【0044】
「約」という用語は、出願時に利用可能な装置に基づく特定の量の測定に関連する誤差の程度を含むことを意図している。
【0045】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上別段に明示されていない限り、複数形も同様に含むことが意図されている。本明細書で使用する場合、用語「含む(comprises)」及び/または「含んでいる(comprising)」は、記載された機能、整数、ステップ、動作、要素、及び/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の機能、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことが更に理解されよう。
【0046】
本開示は、例示の1つ以上の実施形態を参照して説明したが、本開示の範囲から逸脱することなく、種々の変更を行ってもよく、等価物がその要素の代わりをする場合もあることは当業者によって理解されるであろう。更に、本開示の本質的な範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況または材料を適合させるために、多くの修正を行ってもよい。したがって、本開示は、本開示を実施するために企図された最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されるのではなく、本開示は、特許請求の範囲内に収まる全ての実施形態を含むことが意図されている。