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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】月における飛行方法及び月飛行装置
(51)【国際特許分類】
   B64G 1/10 20060101AFI20230303BHJP
   B64G 1/40 20060101ALI20230303BHJP
   B64G 1/44 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
B64G1/10 464
B64G1/40 900
B64G1/44
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021544685
(86)(22)【出願日】2019-05-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2019085934
(87)【国際公開番号】W WO2020155460
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】201910107832.6
(32)【優先日】2019-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510173476
【氏名又は名称】中国科学院▲寧▼波材料技▲術▼▲与▼工程研究所
【氏名又は名称原語表記】NINGBO INSTITUTE OF MATERIALS TECHNOLOGY & ENGINEERING,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】No.519 Zhuangshi Avenue,Zhenhai District,Ningbo,Zhejiang,315201 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼文武
(72)【発明者】
【氏名】王玉峰
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/049153(WO,A1)
【文献】特開平06-056100(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104743113(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64G 1/10
B64G 1/40
B64G 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
月における媒質と媒質加速ユニットを採用し、
電気力の作用下で、媒質加速ユニットが作動し、月飛行装置の外部から媒質保存ユニットへ予めキャプチャされた前記媒質を前記媒質保存ユニットから前記媒質加速ユニットへ輸送し、当該媒質が前記媒質加速ユニットで加速されてから前記媒質加速ユニットから離脱し、運動量保存効果により反力が生じ、当該反力が月の引力を克服し、負荷を駆動して離陸する、ことを特徴とする月における飛行方法。
【請求項2】
前記媒質は固体媒質又は流体媒質である、ことを特徴とする請求項1に記載の月における飛行方法。
【請求項3】
前記固体媒質は土壌、砂礫、岩石のうちの一種類又は複数種類であり、前記流体媒質は水である、ことを特徴とする請求項2に記載の月における飛行方法。
【請求項4】
前記媒質加速ユニットは、駆動ユニットと回転ユニットとを含み、電気力の作用下で、駆動ユニットが作動し、回転ユニットを駆動して回転させ、媒質を回転ユニットへ輸送し、媒質が回転ユニットで加速されてから飛び出される、ことを特徴とする請求項1に記載の月における飛行方法。
【請求項5】
前記駆動ユニットは電動モーター又は電動機である、ことを特徴とする請求項4に記載の月における飛行方法。
【請求項6】
前記回転ユニットはブレード又はインペラである、ことを特徴とする請求項4に記載の月における飛行方法。
【請求項7】
前記媒質加速ユニットは電磁装置であり、媒質に対して分極処理を行ってから電磁装置内へ注入させ、電磁界の作用下で、媒質が加速されてから電磁装置から離れる、ことを特徴とする請求項1に記載の月における飛行方法。
【請求項8】
発電機、蓄電池、リモートエネルギー輸送電源、オンボード原子力電源の中の一種類又は複数種類を採用して媒質加速ユニットに対して給電する、ことを特徴とする請求項1に記載の月における飛行方法。
【請求項9】
月における太陽光発電所を利用し、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換して駆動ユニットに対して給電する、ことを特徴とする請求項1に記載の月における飛行方法。
【請求項10】
媒質は、伝動伝達、振動伝達又は自由落下によって媒質加速ユニットへ輸送される、ことを特徴とする請求項1に記載の月における飛行方法。
【請求項11】
媒質を使い果たす前に着陸し、媒質を積載してから再び離陸する、ことを特徴とする請求項1に記載の月における飛行方法。
【請求項12】
前記媒質加速ユニットは、駆動ユニットと回転ユニットとから構成され、回転ユニットの直径、回転速度及び媒質の飛び出される質量流速を制御することによって離陸する負荷質量を制御する、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の月における飛行方法。
【請求項13】
電源と、媒質加速ユニットと、媒質保存ユニットとを含み、
作動状態の際に、電源が媒質加速ユニットに対して給電し、媒質加速ユニットが作動し、月飛行装置の外部から媒質保存ユニットへ予めキャプチャされた、月における媒質が前記媒質保存ユニットから媒質加速ユニットへ輸送され、前記媒質加速ユニットで加速されてから前記媒質加速ユニットから離脱し、生じた反力により月の引力を克服し、前記月飛行装置を駆動して離陸する、ことを特徴とする月飛行装置。
【請求項14】
噴出ユニットをさらに含み、前記媒質は噴出ユニットを通ってから媒質加速ユニットから離脱する、ことを特徴とする請求項13に記載の月飛行装置。
【請求項15】
前記噴出ユニットは、第一噴出ユニットと、第二噴出ユニットとを含み、前記媒質は加速されてから第一噴出ユニットを介して媒質加速ユニットから離脱し、生じた反力が月の引力の克服に用いられ、第二噴出ユニットを介して媒質加速ユニットから離脱し、生じた反力が飛行方向の制御に用いられる、ことを特徴とする請求項14に記載の月飛行装置。
【請求項16】
前記第一噴出ユニットは飛行装置の底部に設けられ、第二噴出ユニットは飛行装置の側面に設けられる、ことを特徴とする請求項15に記載の月飛行装置。
【請求項17】
前記電源は、発電機又は蓄電池である、ことを特徴とする請求項13に記載の月飛行装置。
【請求項18】
前記発電機は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する、ことを特徴とする請求項17に記載の月飛行装置。
【請求項19】
飛行装置にはソーラーパネルが設けられ、前記ソーラーパネルは太陽エネルギーを受けて電気エネルギーに変換する、ことを特徴とする請求項17に記載の月飛行装置。
【請求項20】
前記蓄電池は、太陽エネルギーによって充電される、ことを特徴とする請求項17に記載の月飛行装置。
【請求項21】
月の太陽光発電所によってソーラー充電、又は飛行装置に設けられたソーラーパネルによってソーラー充電される、ことを特徴とする請求項20に記載の月飛行装置。
【請求項22】
前記飛行装置は、探査機をさらに含む、ことを特徴とする請求項13に記載の月飛行装置。
【請求項23】
前記飛行装置は、通信機をさらに含む、ことを特徴とする請求項13に記載の月飛行装置。
【請求項24】
前記飛行装置は、中央コントローラーをさらに含む、ことを特徴とする請求項13に記載の月飛行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行の技術分野に属し、特に月における飛行方法及び月飛行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
月は、濃厚な大気層が存在する地球と異なり、表面に大気層がないので、月において大気の浮力を介して飛行運動を行うことができない。
【0003】
現在、月の着陸、戻りは主に、ロケットの原理に依頼し、即ち、飛行機自身が反応物質を持ち、化学反応によって媒質インパルスが発生し、引力の拘束を克服する。しかし、ロケットは燃料が限られているため、月の環境において長時間ロケット燃料を利用することは困難である。電気推進、プラズマ推進などのようなその他の推進手段は、大きい補助エネルギー、構成と媒質消費を必要とし、飛行問題を解決するためにはより大きい困難が存在する。よって、着陸してからの月探査は主に電気駆動輪装置によって実現し、即ち、車載電力駆動ホイールによって転動し、月面における運動を実現する。
【0004】
但し、月面における多くの領域の土壌(月の土)は柔らかく、月面の運動は大きい抵抗を克服する必要があり、特に複雑な地形に出会った場合、電気駆動輪装置には予想外な事態が発生しやすい。なお、絶壁又は高い地形について、電気駆動輪装置は近づいて観察、サンプリングすることができない。よって、月に対する探査、探知等は大きな苦境に直面している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記技術の現状に鑑み、本発明は、月における飛行方法であって当該方法を利用して月での飛行を実現し、よって月の表面の形態の科学考査に対する障害を突破し、人類の月に対する探査、開拓能力を拡大することができる月における飛行方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、月における飛行方法であって、月における媒質と媒質加速ユニットを採用し、電気力の作用下で、媒質加速ユニットが作動し、媒質を媒質加速ユニットへ輸送し、媒質が媒質加速ユニットで加速されてから媒質加速ユニットから離脱し、運動量保存効果により反力が生じ、当該反力が月の引力を克服し、負荷を駆動して離陸する。
【0007】
前記媒質は、例えば土壌、砂礫、岩石等の天体における十分な資源である固体媒質を含み、例えば月の水資源等のような流体媒質も含む。
【0008】
媒質を獲得する方式は限定されず、例えばハンドグリップ、ベルト巻き込み器、吸入パイプ等のうちの一種類又は複数種類の組み合わせのような、媒質獲得ユニットを介する方式を含む。
【0009】
前記媒質加速ユニットは限定されず、例えば電動機、モーター等の駆動ユニットとブレード、インペラ等の回転ユニットとによって構成され、電気力の作用下で、駆動ユニットが作動し、回転ユニットを駆動して回転し、媒質を回転ユニットへ輸送し、媒質が回転ユニットで加速されてから飛び出されるような、電気エネルギーを機械運動に変換する装置であってもよく、例えば、媒質に対して分極処理を行ってから電磁装置内へ注入させ、電磁界の作用下で、媒質が加速されて電磁装置から離れるような電磁装置であってもよい。
【0010】
前記媒質加速ユニットが作動する際、給電方式は限定されておらず、発電機、蓄電池、リモートエネルギー輸送電源、オンボード原子力電源等の中の一種類又は複数種類を採用することができる。
【0011】
前記発電機は燃料類の発電機を含むが、これに限らず、地球においては酸素を大気から取得する燃油型内燃機関であってもよく、月においては、ケロシンと酸素を混合する等、燃料と酸化剤を利用するロケットエンジンに類似する配置であってもよい。発電機の利点はパワーが必要に応じて拡張でき、重荷飛行を実現することにある。太陽エネルギーは月で利用可能な資源であるため、本発明において、発電機は太陽エネルギーを利用して電気エネルギーに変換し、電力供給ユニットとすることができる。1つの具現方式として、飛行装置に太陽エネルギーを受けて電気エネルギーに変換するソーラーパネルを設けることができる。
【0012】
前記蓄電池は発電所によって充電を行うことができ、例えば、月における太陽光発電所又はその他のタイプの発電所によって充電を行うことができる。
【0013】
前記蓄電池は太陽光発電所又はその他のタイプの発電所を含む発電所によって充電されてもよいし、飛行装置に設けられたソーラーパネルによってソーラー充電されてもよい。
【0014】
リモートエネルギー輸送電源はリモートでエネルギーを輸送し、例えば、マイクロ波、光エネルギー等を含む電磁波より長距離でエネルギーを伝送し、その後、電気エネルギーに変換する。
【0015】
オンボード原子力電源は長時間にわたって電力を供給することができる。
【0016】
飛行過程において、媒質は絶えず消耗されるが、1つの実現方式として、媒質を使い果たす前に着陸し、媒質を積載してから再び離陸する。
【0017】
媒質が媒質加速ユニットへ輸送される方法は限定されず、自由落下、例えばベルトコンベアのような伝動伝達、又は振動伝達を介してもよい。
【0018】
前記媒質加速ユニットが駆動ユニットと回転ユニットを含む場合、衝撃による摩耗を低減させるために、回転ユニットは軽量の素材を利用することが好ましい。さらに好ましくは、回転ユニットの表面に、例えば、ダイヤモンドコーティング等のような耐摩耗性コーティングを設ける。また、回転ユニットが高速で回転する時に耐える応力はその極限降伏応力より低い。
【0019】
前記反力の大きさは離陸できる負荷質量の大きさを決める。反力の大きさは回転ユニットの直径(m)、回転速度(rpm)及び媒質の飛び出される質量流速(Kg/s)等のパラメータに関連する。即ち、その他の条件が一定であり、回転ユニットの直径(m)、回転速度(rpm)及び媒質が飛び出される質量流速(Kg/s)を制御することによって反力の大きさを制御することができ、よって、離陸できる負荷質量を制御する。媒質の飛び出される質量流速が一定で、且つ、その他の条件が一定である場合、反力と回転ユニットの直径(m)、回転速度(rpm)は正比例する。
【0020】
例えば、以下の表は高速モーターを採用してブレードを駆動して実現した反力及び月において離陸する極限質量である。
【表1】
【0021】
上記表から、月の土の飛び出される質量流速を0.1Kg/sに設定し、直径が100cmのインペラを利用する場合、75000rpmの回転速度において、月の土の飛び出される速度は392.7m/sであり、略39Nの反力を実現できることがわかる。月の引力の定数は略地球の1/6であり、よって、当該反力が駆動して離陸できる負荷質量は略24Kgである。同じ条件において、直径が200cmのインペラを利用する場合、48Kg級の負荷の離陸を実現することができ、直径が400cmのインペラを利用する場合、96Kg級の負荷の離陸を実現することができる。高速モーターはブレードを駆動して10000-600000rpmの回転速度を実現することができ、よって駆動して離陸できる負荷質量が大きい。
【0022】
本発明はさらに月飛行装置であって、電源と、媒質加速ユニットと、媒質保存ユニットとを含み、作動状態の際に、電源が媒質加速ユニットに対して給電し、媒質加速ユニットが作動し、媒質が媒質保存ユニットから媒質加速ユニットへ輸送され、媒質加速ユニットで加速されてから媒質加速ユニットから離脱し、生じた反力より月の引力を克服し、飛行装置を駆動して離陸する月飛行装置を提供する。
【0023】
好ましくは、前記月飛行装置はさらに噴出ユニットを含み、媒質は噴出ユニットを通ってから媒質加速ユニットから離脱する。さらに好ましくは、前記噴出ユニットは第一噴出ユニットと、第二噴出ユニットとを含み、媒質は加速されてから第一噴出ユニットを介して媒質加速ユニットから離脱し、生じた反力を月の引力の克服に用いられ、第二噴出ユニットを介して媒質加速ユニットから離脱し、生じた反力を飛行方向の制御に用いられる。さらに好ましくは、前記第一噴出ユニットは飛行装置の底部に設けられ、第二噴出ユニットは飛行装置の側面に設けられる。
【0024】
前記電源は、発電機であってもよく、蓄電池であってもよい。
【0025】
前記発電機は、燃料と酸化剤を利用するロケット発動機を含むが、これに限定されない。発電機の利点は必要に応じてパワーを拡張でき、重荷飛行を実現することにある。太陽エネルギーは、月で利用可能な資源であるため、本発明において、発電機は太陽エネルギーを利用して電気エネルギーに変換し、電力供給ユニットとする。1つの実現形態として、飛行装置に太陽エネルギーを受けて電気エネルギーに変換するソーラーパネルを設けることができる。
【0026】
前記蓄電池は太陽エネルギーによって充電、例えば、月の太陽光発電所によってソーラー充電されてもよいし、飛行装置に設けられたソーラーパネルによってソーラー充電されてもよい。
【0027】
好ましくは、前記飛行装置はさらに探査機を含み、探査、探知、研究等の目的に用いる。
【0028】
好ましくは、前記飛行装置はさらに通信機を含み、通信連絡に用いる。
【0029】
好ましくは、前記飛行装置はさらに中央コントローラーを含み、飛行装置全体の協調制御に用いる。
【0030】
本発明は、新しい月における飛行方法を提供することにより、月に大気がないため大気の浮力を介して飛行を行うことができない点に鑑み、本発明は、月に存在する媒質を利用し、当該媒質は媒質加速ユニットによって加速されてから媒質加速ユニットから離脱して月へ再帰し、運動量保存の効果によって反力が生じ月の引力を克服して飛行の目的を巧みに実現し、月の地面形態の科学考査に対する障害を突破し、人類の月に対する探査、探知、開拓能力を伸ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施例1における月面飛行装置の構成模式図である。
図2】本発明の実施例2における月面飛行装置の構成模式図である。
図3】本発明の実施例3における月面飛行装置の構成模式図である。
図4】本発明の実施例4における月面飛行装置の構成模式図である。
図5】本発明の実施例5における月面飛行装置の構成模式図である。
図6】本発明の実施例6における月面飛行装置の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、実施例と組み合わせて本発明をさらに詳細に説明するが、以下に記載の実施例は、本発明に対する理解を容易にするためのものであり、それに対し何ら限定的な役割を果たさないことに留意されたい。
【0033】
実施例1
月面飛行装置は、図1に示すように、飛行主体1を含み、飛行主体1は電源16と、高速モーター12と、インペラ13と、月の土の貯蔵容器14とを含む。
【0034】
作動状態の際に、電源16は高速モーター12に対して給電し、高速モーター12が作動し、インペラ13を駆動して高速に回転させ、月の土8が月の土の貯蔵容器14からインペラ13へ落下し、高速に転するインペラ13により加速され、ノズル6を介して飛び出され、生じた反力が月の引力を克服し、飛行装置を駆動して月面を離陸する。
【0035】
当該飛行装置は、さらに探査機A3と探査機B4とを含み、探査研究に用いる。
【0036】
当該飛行装置は、さらに通信機5を含み、通信連絡に用いる。
【0037】
当該飛行装置は、さらに中央コントローラー15を含み、飛行装置全体の協調制御に用る。
【0038】
本実施例において、月の土8は、月の土のキャプチャ及びフィルタ装置10により飛行装置の外部から月の土の貯蔵容器14へキャプチャされる。月の土の貯蔵容器14における月の土は30Kgであり、月の土8の飛び出される質量流速は0.1Kg/sであり、300秒の飛行を実現することができ、このような飛行時間は、一定した科学探査とプロジェクト要求を満たすことができる。月の土8を使い果たす前に、当該飛行装置はソフトランディングを実現し、月の土のキャプチャ及びフィルタ装置10を利用して月の土8を積載し、再び離陸し続ける。
【0039】
実施例2
月面飛行装置は、図2に示すように、飛行主体1を含み、飛行主体1は電源11と、高速モーター12と、インペラ13と、月の土の貯蔵容器14とを含む。
【0040】
作動状態の際に、電源11は高速モーターに対して給電し、高速モーター12が作動し、インペラ13を駆動して高速に回転させ、月の土8が月の土の貯蔵容器14からインペラ13へ落下し、高速に回転するインペラ13により加速され、ノズル6を介して飛び出され、生じた反力が月の引力を克服し、飛行装置を駆動して月面を離陸する。
【0041】
本実施例において、電源11は蓄電池であり、必要に応じて当該オンボード蓄電池は月面の太陽光発電所9によって快速に充電されることができる。
【0042】
また、本実施例において、月の土8は、月の土のキャプチャ及びフィルタ装置10により飛行装置の外部から月の土の貯蔵容器14へキャプチャされる。月の土8を使い果たす前に、当該飛行装置は、ソフトランディングを実現し、月の土のキャプチャ及びフィルタ装置10を利用して月の土8を積載し、再び離陸し続ける。
【0043】
当該飛行装置は、さらに探査機A3と探査機B4とを含み、探査研究に用いる。
【0044】
当該飛行装置は、さらに通信機5を含み、通信連絡に用いる。
【0045】
当該飛行装置は、さらに中央コントローラー15を含み、飛行装置全体の協調制御に用る。
【0046】
実施例3
本実施例において、月面飛行装置の構成は、太陽光発電所9がソーラーパネル2より置換され、ソーラーパネル2が飛行装置に設けられている点を除き、基本的に実施例2と同じであるため、電力が不足する場合、当該飛行装置はソーラーパネル2によって蓄電池11に対して充電を行う。
【0047】
本実施例において、飛行装置の飛行方法は実施例1と同じである。
【0048】
実施例4
本実施例において、月面飛行装置は、図4に示すように、飛行主体1を含み、飛行主体1は高速モーターと、インペラと、月の土の貯蔵容器とを含む。
【0049】
飛行主体1の側面には二つのソーラーパネル2が設けられ、月に大気の抵抗がない利点を利用して、ソーラーパネルを飛行機の上部に取付けることができ、高速モーターに対して電気エネルギーを供給する。
【0050】
作動状態の際に、ソーラーパネル2は高速モーターに対して電気エネルギーを供給し、高速モーターが作動し、インペラを駆動して高速に回転させ、月の土8が月の土の貯蔵容器からインペラへ落下し、高速に回転するインペラにより加速され、第一ノズル6と第二ノズル7を介して飛び出され、第一ノズル6は飛行主体1の側面に設けられ、月の土の飛び出されてからの反力は飛行方向の制御に用いられ、第二ノズル7は飛行主体1の底面に設けられ、月の土の飛び出されてからの反力は月の引力の克服に用いられる。
【0051】
本実施例において、飛行装置はさらにサポートホイール9を含み、飛行主体1の側面に設けられ、飛行装置の姿態の保持に用いるとともに、離陸と着陸のバッファを実現する。
【0052】
また、本実施例において、当該飛行装置は、月の土8を使い果たす前に、ソフトランディングを実現し、月の土8を積載してから再び離陸する。
【0053】
当該飛行装置は、さらに探査機A3と探査機B4とを含み、探査研究に用いる。
【0054】
当該飛行装置は、さらに通信機5を含み、通信連絡に用いる。
【0055】
当該飛行装置は、さらに中央コントローラー15を含み、飛行装置の一連の動作の協調制御に用い、離陸、探査、時間内の着陸補給等を含む。
【0056】
実施例5
本実施例において、月面飛行装置の構成は、月に大気の抵抗がない利点を利用して、図5に示すように、ソーラーパネル2を飛行主体の最上部に取付け、垂直に放置した点を除き、基本的に実施例4と同じである。
【0057】
本実施例において、飛行装置の飛行方法は実施例4と同じである。
【0058】
実施例6
本実施例において、月面飛行装置の構成は、ソーラーパネル2が、飛行主体1の内部に設けられた発電装置16より置換された点を除き、基本的に実施例4と同じであり、図6に示すように、当該発電装置16は、発電機、蓄電池、リモートエネルギー輸送電源又はオンボード原子力電源であってもよく、高速モーターに対して電気エネルギーを提供する。
【0059】
上記の実施例は、本発明の態様を詳細に説明したが、上記は本発明の具体的な実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の原則的範囲内で行われるいかなる修正、補充又は類似形態の代替等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるものであることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0060】
1:飛行機主体
2:ソーラーパネル
3:探査機A
4:探査機B
5:通信機
6:ノズル
7:第一ノズル
8:月の土
9:太陽光発電所
10:月の土のキャプチャ及びフィルタ装置
11:電源
12:高速モーター
13:インペラ
14:月の土の貯蔵容器
15:中央コントローラー
16:発電装置
17:第二ノズル
19:サポートホイール
図1
図2
図3
図4
図5
図6