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特許7237217情報処理システム、プログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-02
(45)【発行日】2023-03-10
(54)【発明の名称】情報処理システム、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230303BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022054696
(22)【出願日】2022-03-29
【審査請求日】2022-03-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】和田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】富田 湧平
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-143188(JP,A)
【文献】特開2014-127034(JP,A)
【文献】特開2003-162487(JP,A)
【文献】特開2021-117995(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01533724(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0074006(US,A1)
【文献】CLOUDSIGN,日経 xTECH EXPO 2018,2018年10月17日,pp.1-6
【文献】石田栄美,情報のフィルタリング,情報の科学と技術,日本,社団法人情報科学技術協会,2006年10月01日,第56巻, 第10号,pp.469-474
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、第1取得ステップ、第2取得ステップ、及び紐付ステップを実行するように構成され、
前記第1取得ステップでは、契約相手側が利用する第2の電子契約サービスで実現される電子契約に関する電子メールであって前記契約相手側から送信された電子メールを取得し、
前記第2取得ステップでは、前記取得した電子メールから契約関連情報を取得し、
前記契約関連情報は、前記電子契約に関する情報であり、以下の(1)及び(2)の少なくとも1つを含み;
(1)前記電子契約の相手方に関する相手方情報
(2)前記電子メールに添付ファイルが含まれる場合には、前記添付ファイルのファイル名または前記添付ファイルにより特定される書類の書類名
前記紐付ステップでは、前記取得した契約関連情報を、案件管理情報紐付け、
前記案件管理情報は、前記第2の電子契約サービスとは異なる第1の電子契約サービスにおいて管理される案件に関する情報である、
情報処理システム。
【請求項2】
第1の電子契約サービスを実現するための情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、第1取得ステップ、第2取得ステップ、及び表示制御ステップを実行するように構成され、
前記第1取得ステップでは、契約相手側が利用する第2の電子契約サービスで実現される電子契約に関する電子メールであって前記契約相手側から送信された電子メールを取得し、
前記第2取得ステップでは、前記取得した電子メールから契約関連情報を取得し、
前記契約関連情報は、前記電子契約に関する情報であり、以下の(1)及び(2)の少なくとも1つを含み;
(1)前記電子契約の相手方に関する相手方情報
(2)前記電子メールに添付ファイルが含まれる場合には、前記添付ファイルのファイル名または前記添付ファイルにより特定される書類の書類名
前記表示制御ステップでは、前記第1の電子契約サービスの管理画面に、前記取得した契約関連情報を表示させる、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2取得ステップでは、前記取得した前記電子メールの件名、本文、前記電子メールに添付ファイルが含まれる場合には前記添付ファイル、及び前記電子メールに特定情報が含まれる場合には前記特定情報、の少なくとも1つに基づいて、前記契約関連情報を取得し、
前記添付ファイルは、前記電子契約に関する電子契約データであり、
前記特定情報は、前記電子契約に関する電子契約データの格納場所を特定する情報である、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、特定ステップを実行するように構成され、
前記特定ステップでは、前記電子メールが所定のメールアドレスから送信されたものであり、かつ、前記件名、前記本文、前記電子メールに添付ファイルが含まれる場合には前記添付ファイル、及び前記電子メールに前記特定情報が含まれる場合には前記特定情報により特定される前記格納場所に含まれる情報、の少なくとも一つに前記電子契約が締結されたことを示す情報が含まれている場合、前記電子メールが、前記電子契約が締結されたことを示す電子メールであると特定する特定処理を実行する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記特定ステップでは、複数の前記所定のメールアドレス毎に定められた規則に基づいて、前記特定処理を実行する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記規則は、第1規則及び第2規則を含み、
前記所定のメールアドレスは、第1の所定のメールアドレス及び第2の所定のメールアドレスを含み、
前記第1規則は、前記電子メールが前記第1の所定のメールアドレスから送信されたものであり、かつ、前記添付ファイルが存在する場合に、前記電子契約が締結されたと判断するものであり、
前記第2規則は、前記電子メールが前記第2の所定のメールアドレスから送信されたものであり、かつ、前記件名または前記特定情報により特定される前記格納場所に含まれる情報に前記電子契約が締結された旨の情報が含まれる場合に、前記電子契約が締結されたと判断するものである、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記所定のメールアドレスは、第1の所定のメールアドレスを含み、
前記特定ステップでは、前記第1の所定のメールアドレスに対して定められた第1規則に基づいて、前記特定処理を実行し、
前記第1規則は、前記電子メールが前記第1の所定のメールアドレスから送信されたものであり、かつ、前記添付ファイルが存在し、前記電子メールの件名に前記電子契約が締結された旨の情報が含まれる場合に、前記電子契約が締結されたと判断するものである、
情報処理システム。
【請求項8】
請求項3~請求項7のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、表示制御ステップを実行するように構成され、
前記第1取得ステップでは、複数の前記電子メールを取得し、
前記第2取得ステップでは、前記複数の電子メールのそれぞれから、前記電子契約を特定する契約特定情報を取得し、
前記表示制御ステップでは、ユーザー端末に、前記第2取得ステップにおいて取得した複数の前記契約特定情報を並べて表示させた管理画面を表示させる、
情報処理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、受付ステップ及び紐付ステップを実行するように構成され、
前記受付ステップでは、前記ユーザー端末から、前記管理画面に表示された複数の前記契約特定情報から一つの契約特定情報を選択する選択指示を受け付け、
前記紐付ステップでは、前記選択指示により選択された契約特定情報により特定される電子契約の前記契約関連情報と、案件管理情報とを紐付け、
前記案件管理情報は、前記電子契約を用いて管理される案件に関する情報である、
情報処理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、変更ステップを実行するように構成され、
前記表示制御ステップでは、前記管理画面にワークフロー情報を表示させ、
前記ワークフロー情報は、前記案件を管理するワークフローを構成する複数のステップを含む情報であり、
前記変更ステップでは、前記案件に対応する電子契約が締結された場合、前記案件のステータスを、現在のステップから、前記現在のステップと異なるステップに変更する、
情報処理システム。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、変更ステップを実行するように構成され、
前記表示制御ステップでは、前記管理画面にワークフロー情報を表示させ、
前記ワークフロー情報は、前記案件を管理するワークフローを構成する複数のステップを含む情報であり、
前記受付ステップでは、前記ユーザー端末から紐付指示を受け付け、
前記紐付指示は、前記電子メールに添付ファイルが含まれる場合に取得した前記添付ファイルを、前記案件に紐付ける指示であり、
前記変更ステップでは、前記受付ステップにおいて前記案件に対する紐付指示を受け付けた場合、前記案件のステータスを、現在のステップから、前記現在のステップと異なるステップに変更する、
情報処理システム。
【請求項12】
請求項8~請求項11のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記表示制御ステップでは、所定の主体により提供される電子契約サービスと、前記所定の主体以外の主体により提供される電子契約サービスとを区別可能に、前記管理画面に前記契約特定情報を表示させる、
情報処理システム。
【請求項13】
請求項8~請求項12のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記契約特定情報は、前記電子契約データのファイル名を表す、
情報処理システム。
【請求項14】
請求項3~請求項13のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、第3取得ステップ、及び格納ステップを実行するように構成され、
前記第3取得ステップでは、前記第1取得ステップにおいて取得した前記電子メールに基づいて、前記電子メールに対応する電子契約に関する電子契約データを取得し、
前記格納ステップでは、前記第3取得ステップにおいて取得した前記電子契約データを、予め定められた格納領域に格納する、
情報処理システム。
【請求項15】
請求項3~請求項13のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、第3取得ステップ、及び格納ステップを実行するように構成され、
前記第3取得ステップでは、前記第1取得ステップにおいて取得した前記電子メールに添付ファイルが含まれる場合、前記添付ファイルを取得し、
前記格納ステップでは、前記第3取得ステップにおいて取得した前記添付ファイルを、予め定められた格納領域に格納する、
情報処理システム。
【請求項16】
請求項14又は請求項15に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、付与ステップを実行するように構成され、
前記付与ステップでは、前記契約関連情報及び前記電子契約データから取得した文字情報の少なくとも一方と、予め定められた命名規則とに基づいて、前記電子契約データにファイル名を付与する、
情報処理システム。
【請求項17】
請求項3~請求項16のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、特定ステップを実行するように構成され、
前記特定ステップでは、学習モデルに基づいて特定処理を実行し、
前記学習モデルは、機械学習により生成されたものであり、所定のメールアドレス、前記電子メールの件名、本文、添付ファイル、及び前記特定情報の少なくとも1つを学習データとして利用したものである、
情報処理システム。
【請求項18】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項17の何れか1つに記載の各ステップを実行させる、
プログラム。
【請求項19】
請求項1~請求項17の何れか1つに記載の情報処理システムにより実行される情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、プログラム及び情報処理方法
【背景技術】
【0002】
近年、企業間等で締結される契約においては、電子契約を用いて電子取引を行うケースが増加しつつある。特許文献1には、組織に属する者が権限なく電子契約を締結することを防止するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-021710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電子契約の締結は主に電子メールを介して実施されるており、複数の契約に関する情報が
異なる電子メールでやりとりされるため、契約に関する情報を一元管理することが手間である
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、電子契約に係る情報の管理を支援する技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、第1取得ステップ、第2取得ステップ、及び紐付ステップを実行するように構成される。第1取得ステップでは、電子契約サービスで実現される電子契約に関する電子メールを取得する。第2取得ステップでは、取得した電子メールから契約関連情報を取得する。契約関連情報は、電子契約に関する情報である。紐付ステップでは、取得した契約関連情報と、案件管理情報とを紐付ける。案件管理情報は、電子契約を用いて管理される案件に関する情報である。
【0007】
本開示によれば、電子契約に係る情報の管理を支援する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の構成を示す図である。
図2】情報処理システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】情報処理システム1の機能を示す機能ブロック図である。
図4】第2ユーザー端末2bに表示される管理画面MSの一例である。
図5】ユーザー端末2に表示される詳細画面DSを示す模式図である。
図6図5に対応するデータ構成の一例である。
図7】第1ユーザー端末2aに表示される管理画面MSの一例である。
図8】情報処理システム1による処理の一例を表すアクティビティ図である。
図9】取得部12により取得される電子メールの一例である。
図10】取得部12により取得される電子メールの一例である。
図11】付与部14により付与されるファイル名の命名規則の一例である。
図12】ユーザー端末2に表示される管理画面MSを示す模式図である。
図13】契約関連情報の紐付対象となる案件を選択する選択画面SSを示す模式図である。
図14】契約関連情報と案件管理情報が紐付けられた後の詳細画面DSを示す模式図である。
図15図14に対応するデータ構成の一例である。
図16】電子契約の締結が完了し、対応する案件のステータスが変更された後の管理画面MSを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.情報処理システム1を含むシステム100の概要
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るシステム100は、情報処理システム1を備える。本実施形態では、システム100はさらに、複数のユーザー端末2と、メールサーバ3と、を備える。そして、情報処理システム1、ユーザー端末2及びメールサーバ3がネットワークNWを介して互いに接続されている。情報処理システム1は、例えばサーバにより構成される。
【0014】
ユーザー端末2は、ユーザーが利用する端末であり、任意のコンピュータにより構成される。例えば、スマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ、ノートPC、デスクトップPC、多機能音楽プレーヤー等の多機能端末により構成される。また、ユーザー端末2は、表示部を備える。表示部は、テキストや画像(静止画及び動画を含む)を表示するものであり、任意のディスプレイにより構成される。本実施形態では、ユーザー端末2は、第1ユーザー端末2a及び第2ユーザー端末2bを備える。第1ユーザー端末2aのユーザーは、例えば、電子契約への電子署名を実行するユーザー(署名者)である。また、第2ユーザー端末2bのユーザーは、例えば、署名者に電子契約を締結することの承認や、電子契約への電子署名を依頼するユーザーである。
【0015】
メールサーバ3は、ユーザー端末2のユーザーが属する組織の電子メールを管理するサーバである。サービスサーバ4は、電子契約サービスの提供者が運営するサーバである。かかる電子契約サービスは、SaaS(Software as a Service)形式により提供されてもよい。
【0016】
2.情報処理システム1のハードウェア構成
図2に示すように、情報処理システム1は、制御部10、通信部20、記憶部30、入力部40及び表示部50を備える。
【0017】
<制御部10>
制御部10は、情報処理システム1に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部10は、例えば、不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)により構成される。制御部10は、記憶部30に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理システム1に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部30に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェア(制御部10)によって具体的に実現されることで、制御部10に含まれる各機能部(図3参照)として実行されうる。なお、制御部10は、単一のモジュールにより構成されてもよく、機能ごとに複数のモジュールにより制御部10を構成してもよい。
【0018】
<通信部20>
通信部20は、他の情報処理装置又は構成要素と有線又は無線によりデータ通信可能に構成される。通信部20は、例えば、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段、及び無線LANネットワーク通信、5G/LTE/3G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等の組み合わせにより構成される。
【0019】
<記憶部30>
記憶部30は、種々のプログラム及びデータを記憶するものであり、例えばメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。また、記憶部30は、プログラムや種々のデータ等を記憶する。そして、記憶部30に記憶されているプログラムに基づいて制御部10が種々の処理を実行することにより、種々の機能が実現する。また、記憶部30は、所定のメールアドレス毎に定められた規則と、予め定められた命名規則と、を記憶してもよい。
【0020】
<入力部40>
入力部40は、情報処理システム1に種々の情報を入力するものであり、マウス、キーボード、ポインティングデバイス等により構成される。なお、他の情報処理装置に接続されたこれらのデバイスを用いて、ネットワークNWを介して入力部40として機能させてもよい。
【0021】
<表示部50>
表示部50は、テキスト、写真、画像(静止画及び動画を含む)を表示するものであり、任意のディスプレイにより構成される。表示部50は、情報処理システム1がサーバである場合、情報処理システム1に直接又は間接的に接続されたディスプレイにより構成される。
【0022】
3.情報処理システム1の機能構成
図3に示すように、情報処理システム1の制御部10は、制御部10は、取得部12及び紐付部17を備える。制御部10は、管理部11、特定部13、付与部14、表示制御部15、受付部16、紐付部17、格納部18、及び変更部19を備えてもよい。
【0023】
<管理部11>
管理部11は、情報処理システム1により管理される案件を管理する。本実施形態では、管理部11が管理する案件は、電子契約を用いて管理される案件である。例えば、株式会社AAAにコンサルティング業務を依頼する際に、秘密保持契約書を締結する必要がある場合には、「コンサルティング業務の依頼」が案件に相当する。また、案件には、その案件を推進するために必要な電子契約が紐付けられる。ここで、1つの案件に対して紐付けられる電子契約は、1つであっても複数であってもよい。
【0024】
かかる案件は、情報処理システム1が提供する案件管理機能により管理され、予め定義されたワークフローに紐付けられる。ワークフローは、第2ユーザー端末2bのユーザーが案件に関する情報を案件管理システムに登録し、第1ユーザー端末2aのユーザーによる承認を経て、電子契約の相手方との間で契約内容を互いに確認し、第1ユーザー端末2aのユーザーの最終承認を経て電子契約の締結に進むように設定されてもよい。
【0025】
<取得部12>
取得部12は、電子メールを取得する。本実施形態では、取得部12は、電子契約サービスで実現される電子契約に関する電子メールを取得する。ここで、本実施形態における電子メールは、ユーザー端末2のユーザーが属する組織の少なくとも一人が受信した電子メールであり、部門やチーム毎の共有メールアドレスにより受信した電子メールも含まれる。ユーザー端末2のユーザーが属する組織の少なくとも一人が受信した電子メールであることは、例えば、電子メールの宛先に含まれる電子メールのドメインにより判断することができる。この電子メールは、サービスサーバ4が利用するメールサーバからメールサーバ3宛に送信されたものである。
【0026】
取得部12が、署名者以外のユーザーが受信した電子メールも取得対象とすることで、例えば、電子契約の窓口となる人物と電子署名を行う人物が別である場合に、契約交渉相手からの電子契約の署名依頼が含まれる電子メールが、担当者のみに送信されるが署名者に送信されない場合や、担当者及び署名者に送信されず、ユーザー端末2のユーザーが属する組織の少なくとも一人に誤って送信された場合に対応することができる。
【0027】
一方、電子契約の窓口となる人物が署名者に署名依頼をするときに、署名者のメールアドレスに依頼メールが通知される場合には、取得部12は、署名者が受信した電子メールを取得すればよい。
【0028】
取得部12は、通信部20を介してユーザーが属する組織が利用している電子メールのメールサーバ3にアクセスし、組織の少なくとも一人の電子メールアドレス宛に送信された電子メールを取得してもよい。ここで、メールサーバ3は、組織に属するユーザーの電子メール宛に送信された電子メールを格納してもよく、他のサーバに格納された電子メールを管理してもよい。より具体的には、情報処理システム1がユーザーから電子メールへのアクセス権を得た状態で、取得部12がメールサーバ3に直接アクセスし、メールサーバ3に格納された電子メールを取得する。
【0029】
他の方法としては、取得部12は、ユーザーの電子メールアドレス宛に送信され且つ情報処理システム1が管理する別の電子メールアドレス宛に転送された電子メールを、通信部20を介して取得してもよい。この電子メールは、例えば、ユーザーの電子メールアドレス宛に送信され、メールサーバ3に格納された電子メールを、メールサーバ3から情報処理システム1が管理する別の電子メールアドレスを宛先として転送されたものである。また、メールサーバ3の設定によっては、ユーザーの電子メールアドレス宛に送信され、ユーザー端末2に格納された電子メールを、ユーザー端末2から情報処理システム1が管理する別の電子メールアドレスを宛先として転送される場合もある。
【0030】
電子メールの転送は、ユーザーの電子メールアドレス宛に電子メールが送信されたときに、電子メールの転送先として事前に情報処理システム1が管理する電子メールアドレスを設定することにより実現する。ここで、かかる転送は、全ての電子メールを転送するか、特定の種類の電子メールのみを転送するか、ユーザーが任意に決定することができる。例えば、取得部12は、所定のメールアドレス(例:電子契約サービスに関する電子メールの送信元)から送信された電子メールのみを取得対象としてもよい。
【0031】
ここで、取得部12は、予め定められたユーザーが受信した電子メールを取得してもよい。例えば、特定の人物が全ての電子契約について電子署名する場合には、特定の人物が受信した電子メールを優先的に取得することで、取得部12によるデータ処理量を低減することができる。
【0032】
また、取得部12は、取得した電子メールから契約関連情報を取得する。ここで、契約関連情報は、電子契約に関する情報である。本実施形態では、契約関連情報は、電子契約の相手方に関する相手方情報、電子メールに添付ファイルAF(図9参照)が含まれる場合には添付ファイルAFのファイル名または添付ファイルAFにより特定される書類の書類名の少なくとも1つである。別の言い方をすれば、取得部12は、契約関連情報として、相手方情報や書類名などの、電子契約の主項目(書誌的な事項)を取得することができる。ここで、書類名は、添付ファイルAFのファイル名と同一であってもよく、添付ファイルAFの中身のタイトルであってもよい。例えば、ある添付ファイルAFのファイル名が「ドラフト_NDA.pdf」であり、そのファイルの中身のタイトルが「秘密保持契約書」である場合、書類名は「ドラフト_NDA.pdf」又は「秘密保持契約書」となる。
【0033】
なお、契約関連情報はこれらに限定されず、例えば、図6に示すように、電子契約を用いて管理される案件を特定するための情報、案件管理において用いられる電子契約の書類名、自社の契約担当者の氏名又はメールアドレス、電子契約の相手方の名称、担当者、代表者、契約書の種別、契約書類名、締結方法、契約締結日、契約開始日、契約終了日、自動更新の有無、及びその他の情報であってもよい。
【0034】
また、取得部12は、取得した電子メールの件名、本文、電子メールに添付ファイルAFが含まれる場合には添付ファイルAF、及び電子メールに特定情報II(図10参照)が含まれる場合には特定情報II、の少なくとも1つに基づいて、契約関連情報を取得してもよい。ここで、添付ファイルAFは、電子契約に関する電子契約データの一例である。かかる電子契約データは、契約書を電子化したデータであり、電子契約サービスで広く利用されるpdf形式のデータであってもよい。また、特定情報IIは、電子契約に関する電子契約データの格納場所を特定する情報である。具体的には、電子契約データは、電子契約サービスの提供者が運用するサーバ上の所定の格納場所に格納されている。そして、特定情報IIは、例えば、格納場所を特定するURL(Uniform Resource Locator)又はハイパーリンクにより表現される。
【0035】
さらに、取得部12は、取得した電子メールに基づいて、電子メールに対応する電子契約に関する電子契約データを取得する。具体的には、取得部12は、取得した電子メールに添付ファイルAFが含まれる場合、添付ファイルAFを取得する。また、取得部12は、取得した電子メールに添付ファイルAF名が含まれず、特定情報IIにより電子契約データの格納場所が特定される場合、特定情報IIにより特定される格納場所へ移動し、そこに表示される例えば「保存」アイコンを押すことにより、電子契約データを取得する。
【0036】
<特定部13>
特定部13は、電子メールが所定のメールアドレスから送信されたものであり、かつ、件名、本文、電子メールに添付ファイルAFが含まれる場合には添付ファイルAF、及び電子メールに特定情報IIが含まれる場合には特定情報IIにより特定される格納場所に含まれる情報の少なくとも一つに電子契約が締結されたことを示す情報が含まれている場合、電子メールが、電子契約が締結されたことを示す電子メールであると特定する特定処理を実行する。電子契約が締結されたことを示す情報は、例えば、以下のテキスト情報である。

・件名:電子契約の締結完了のお知らせ
・本文:電子契約の締結が完了しました
・添付ファイルAF:添付ファイルAFとして添付された、締結済みの電子契約データ
・特定情報II:特定情報IIにより特定される格納場所に格納された締結済みの電子契約データ、又は、格納場所へリンクしたときに表示される「締結完了」等の情報

なお、上記は単なる一例であり、電子契約が締結されたことを示す情報は、アイコン等の画像であってもよい。
【0037】
これにより、取得部12により取得した電子メールの中から、電子契約が締結された電子メールを特定することができる。
【0038】
<付与部14>
付与部14は、契約関連情報及び電子契約データから取得した文字情報の少なくとも一方と、予め定められた命名規則とに基づいて、電子契約データにファイル名を付与する。これにより、電子契約の相手方が作成した電子契約データを用いて相互に内容確認するときに、相手方が電子契約データに付与したファイル名を、自社の規則に則ったファイル名に変換することができる。ここで、命名規則については図11を用いて後述する。なお、本実施形態では付与部14を用いた処理について説明するが、付与部14を用いずに情報処理システム1を構成することもできる。
【0039】
<表示制御部15>
表示制御部15は、ユーザー端末2に種々の画面を表示させる。本実施形態では、表示制御部15は、ユーザー端末2に、取得部12が取得した複数の契約特定情報を並べて表示させた管理画面MSを表示させる。また、表示制御部15は、ユーザー端末2に、後述の詳細画面DS及び選択画面SSを表示させてもよい。ここで、これらの画面は、情報処理システム1が生成してもよく、ユーザー端末2が生成してもよく、ユーザー端末2が任意のブラウザを用いて表示させたものでもよい。
【0040】
<受付部16>
受付部16は、ユーザー端末2から、管理画面MSに表示された複数の契約特定情報から所定の契約特定情報を選択する選択指示を受け付ける。ここで、契約特定情報は、電子契約を特定する情報であり、電子契約の書類名、ファイル名、契約ID、及びその他の任意の情報である。好ましくは、契約特定情報は、電子契約データのファイル名を表すものである。
【0041】
<紐付部17>
紐付部17は、取得した契約関連情報と、案件管理情報とを紐付ける。ここで、案件管理情報は、電子契約を用いて管理される案件に関する情報である。具体的には、図6に示すように、案件情報(案件ID、書類名)、自社の契約担当者情報(担当者・メールアドレス)、相手方情報(相手方名称、相手方担当者、相手方代表者)、契約情報(契約種別、契約書類名、締結方法、契約締結日、契約開始日、契約終了日、自動更新の有無)、及びその他の情報であってもよい。
【0042】
<格納部18>
格納部18は、取得部12が取得した電子契約データを、予め定められた格納領域に格納する。本実施形態では、格納部18は、取得した電子メールに添付ファイルAFが含まれる場合、取得部12が取得した添付ファイルAFを、予め定められた格納領域に格納する。つまり、この場合は、添付ファイルAFが電子契約データに該当する。また、格納部18は、取得した電子メールに添付ファイルAF名が含まれず、特定情報IIにより電子契約データの格納場所が特定される場合、格納場所へアクセスして取得した電子契約データを、予め定められた格納領域に格納する。ここで、かかる格納領域は、情報処理システム1が管理可能な格納領域であり、情報処理システム1又は外部の記憶装置に存在する領域である。
【0043】
<変更部19>
変更部19は、案件に対応する電子契約が締結された場合、案件のステータスを、現在のステップから、現在のステップと異なるステップに変更する。かかる処理については、図16を用いて後述する。
【0044】
4.案件管理について
【0045】
本実施形態に係る情報処理システム1が実行する処理に先立ち、事前の準備として、ユーザー端末2のユーザーにより、情報処理システム1において管理される案件に関する情報が情報処理システム1に登録される。図4は、第2ユーザー端末2bに表示される管理画面MSの一例である。管理画面MSには案件リストLが含まれる。案件リストLには、第2ユーザー端末2bのユーザーにより登録された案件が表示される。本実施形態では、案件を特定するために、契約特定情報の一例である書類名が表示される。また、案件リストLには、すでに登録されている電子契約データ(書類)が存在することを表すアイコン、電子契約の相手方の名称、及び利用される電子契約サービスの名称が含まれても良い。ここで、Xサイン、MFサイン、Yサインはそれぞれ、異なる主体により提供される電子契約サービスの名称である。ここで、本実施形態では、MFサインは、情報処理システム1の提供者が提供する電子契約サービスである。
【0046】
また、本実施形態では、表示制御部15は、管理画面MSにワークフロー情報WFを表示させる。ワークフロー情報WFは、案件を管理するワークフローを構成する複数のステップを含む情報である。ワークフローを表す情報である。図4の例では、案件リストLの左側にワークフロー情報WFが表示される。本実施形態では、ワークフロー情報WFには、「社内承認中、相手方確認中、取込み、締結完了」が含まれる。また、ワークフロー情報WFには、「下書き、却下」が含まれても良い。また、ワークフロー情報WFの近傍に「設定」が含まれてもよい。不図示の設定画面にて、ワークフローを構成する各ステップの流れや、関係者等についての設定を変更することができる。
【0047】
また、ワークフロー情報WFを構成する各ステップに並列表示される数字は、各ステップに対応する案件の数を表す。図4の例では、第2ユーザー端末2bの管理画面MSに「社内承認中(3)」の案件が3つ表示されている。また、管理画面MSには、特定サービス表示アイコンSIが表示される。特定サービス表示アイコンSIを選択することで、表示制御部15は、所定の主体により提供される電子契約サービスと、所定の主体以外により提供される電子契約サービスとを区別可能に、管理画面MSに契約特定情報を表示させる。本実施形態では、MFサインを提供する企業が所定の主体に該当し、Xサイン及びYサインを提供する企業が所定の主体以外の主体に該当する。本実施形態では、第2ユーザー端末2bにより特定サービス表示アイコンSIが選択されると、図4の状態から書類名が「20220410_共同開発契約書」で特定される案件のみが表示される。
【0048】
そして、第2ユーザー端末2bを操作し、書類名が「AAA社_秘密保持契約書_ドラフト」で特定される案件が選択され、タブルクリック等の所定の操作により、図5に示す詳細画面DSが表示される。
【0049】
図5は、書類名が「AAA社_秘密保持契約書_ドラフト」で特定される案件の詳細な情報を管理する詳細画面DSの一例である。詳細画面DSには、案件IDと、書類名と、が表示される。かかる情報は、案件を特定するための情報である。また、これらの情報の近傍に、データアイコンDIが表示される。データアイコンDIは、詳細画面DSにより管理される案件に対し、任意の電子契約データが紐付けられていることを表すものである。ユーザーは、データアイコンDIを選択することにより、データアイコンDIに対応する電子契約データをダウンロード又は表示させることができる。本実施形態では、かかる電子契約データは、電子契約の契約書である。また、データアイコンDIの近傍に、「ドラフト」の文字が表示されてもよい。これは、案件に紐付けられている電子契約データにより特定される契約書が、ドラフト(草稿)段階のものであることを表す。
【0050】
本実施形態では、詳細画面DSには、自社の契約担当者情報、相手方情報、及び契約情報が表示される。自社の契約担当者情報には、「担当者・メールアドレス(契約担当者の氏名及びメールアドレス)」が含まれてもよい。相手方情報には、相手方名称、相手方担当者名、相手方代表者が含まれてもよい。契約情報には、書類種別、契約書類名、契約締結日、締結方法、契約開始日、契約終了日、自動更新の有無が含まれてもよい。
【0051】
図5の例では、第2ユーザー端末2bのユーザーにより、案件ID、書類名、データアイコンDIにより特定される契約書の電子契約データ、担当者・メールアドレス、相手方名称、相手方担当者、書類種別、及び契約書類名が登録されている。ここで、書類名(AAA社との秘密保持契約)と契約書類名(AAA社_秘密保持契約書_ドラフト)は、同じであってもよく、異なっていても良い。図5の例では、第2ユーザー端末2bのユーザーにより、書類名として「AAA社との秘密保持契約」が登録され、契約書類名については、案件管理システムにアップロードされた電子契約データのファイル名である「AAA社_秘密保持契約書_ドラフト」が自動で反映されたため、書類名と契約書類名が異なっている。また、他の欄はこの時点では空欄となっている。
【0052】
図6は、図5の状態に対応するデータ構成を表す模式図である。図5の時点では、案件管理情報の一例である「案件、書類名、担当者・メールアドレス、相手方名称、相手方担当者、書類種別、契約書類名」に対応する契約書類関連情報が紐付けられている。これらの契約書類関連情報は、第2ユーザー端末2bのユーザーにより登録されたものである。
【0053】
そして、図4に示すように、第2ユーザー端末2bにより書類名が「AAA社_秘密保持契約書_ドラフト」で特定される案件が選択された状態で、承認申請アイコンI1が選択されると、第1ユーザー端末2aのユーザーに対して承認申請がなされる。
【0054】
このように、第2ユーザー端末2bのユーザー(例:契約担当者)が、第2ユーザー端末2bを操作することで案件に関する情報を登録し、この条件で案件を進めること、つまり、電子契約の締結に向けて交渉を進めることの承認を第1ユーザー端末2aのユーザー(例:上司、署名者)に申請することができる。
【0055】
図7は、第1ユーザー端末2aに表示される管理画面MSの一例である。管理画面MSに含まれる情報は、第2ユーザー端末2bと同様であるが、承認申請アイコンI1に変えて承認アイコンI2が表示される。図7の例では、第2ユーザー端末2bのユーザーから承認申請がなされた案件が3つ表示されている。そして、第1ユーザー端末2aを操作して承認アイコンI2を選択することで、承認申請がなされた案件に対して承認をすることができる。つまり、図5に示される内容で、電子契約の締結を進めることを承認する。
【0056】
この後、「AAA社_秘密保持契約書_ドラフト」で特定される電子契約データを相手方と共有し、内容に問題いかを相手方に確認してもらうステップに以降する。このように、図4図7に示される状態を経て、案件のステータスは「相手方確認中」へと変更される
【0057】
5.情報処理システム1により実行される処理
以下、図7図16を用いて、情報処理システム1により実行される処理について説明する。
【0058】
図7は、情報処理システム1により実行される処理を表すアクティビティ図である。図7中におけるA1~A10は各アクティビティを表すものとする。
【0059】
まず、A1において、取得部12により、第1取得ステップが実行される。つまり、取得部12が電子メールを取得する。また、本実施形態では、取得部12は、複数の電子メールを取得する。A1において取得した電子メールが、所定のメールアドレスから送信されたものでない場合、処理を終了する。ここで、所定のメールアドレスは、電子契約サービスの提供者が利用するメールアドレスであり、例えば、図4に示されるXサイン及びYサインの利用者に対して送信される電子メールの送信元のメールアドレスである。
【0060】
一方、A1において取得した電子メールが、所定のメールアドレスから送信されたものであり、かつ、添付ファイルAF又は特定情報IIが含まれる場合には、処理をA2に進める。
【0061】
次に、A2において、特定部13により、特定ステップが実行される。つまり、特定部13は、電子メールが所定のメールアドレスから送信されたものであり、かつ、件名、本文、電子メールに添付ファイルAFが含まれる場合には添付ファイルAF、及び電子メールに特定情報IIが含まれる場合には特定情報IIにより特定される格納場所に含まれる情報、の少なくとも一つに電子契約が締結されたことを示す情報が含まれている場合、電子メールが、電子契約が締結されたことを示す電子メールであると特定する。
【0062】
好ましくは、特定部13は、複数の所定のメールアドレス毎に定められた規則に基づいて、特定処理を実行する。本実施形態では、規則は、第1規則及び第2規則を含む。また、所定のメールアドレスは、第1の所定のメールアドレス及び第2の所定のメールアドレスを含む。第1の所定のメールアドレス及び第2の所定のメールアドレスは、それぞれ異なる事業体により運用されるメールアドレスである。
【0063】
第1規則は、電子メールが第1の所定のメールアドレスから送信されたものであり、かつ、添付ファイルAFが存在する場合に、電子契約が締結されたと判断するものである。第2規則は、電子メールが第2の所定のメールアドレスから送信されたものであり、かつ、件名または特定情報IIにより特定される格納場所に含まれる情報に電子契約が締結された旨の情報が含まれる場合に、電子契約が締結されたと判断するものである。
【0064】
例えば、Xサイン及びYサインでは、電子契約が締結したときに、サービスサーバ4から以下の電子メールがメールサーバ3に送信されるとする。

(1)件名
・Xサイン:契約締結のお知らせ
・Yサイン:締結完了のご案内
(2)本文
・Xサイン:上記文書の電子署名が完了しました
・Yサイン:Yサインサポートセンターからのご案内
(3)電子契約データ
・Xサイン:電子メールに添付ファイルAFとして添付
・Yサイン:電子メールの本文中に特定情報IIを含め、特定情報IIにより特定される格納場所からユーザーにダウンロードさせる
【0065】
この場合、所定のメールアドレス毎に定められた規則は、例えば以下の通りである。

(所定のメールアドレス毎に定められた規則)
・Xサイン(第1規則):電子メールが第1の所定のメールアドレス(Xサインの提供者が管理するメールアドレス)から送信されたものであり、かつ、添付ファイルAFが含まれる場合に、電子契約が締結されたことを示す電子メールであると特定する
・Yサイン(第2規則):電子メールが第2の所定のメールアドレス(Yサインの提供者が管理するメールアドレス)から送信されたものであり、かつ、電子メールの件名または電子メールの本文に特定情報IIが含まれる場合に、電子契約が締結されたことを示す電子メールであると特定する
【0066】
なお、上記に加え、特定処理の精度を高めるため、電子メールの本文中に含まれる情報を規則に加えてもよい。例えば、上記Xサインについての第1規則として、さらに、「電子メールの件名に「締結完了」が含まれる場合を追加してもよい。」このように、特定部13は、第1の所定のメールアドレスに対して定められた第1規則に基づいて、特定処理を実行する。また、特定部13は、第2の所定のメールアドレスに対して定められた第2規則に基づいて、特定処理を実行する。
【0067】
図9及び図10はそれぞれ、Xサイン及びYサインを用いた場合に電子契約が締結されたことを示す電子メールの一例である。Xサインを用いて電子契約が締結された場合、サービスサーバ4からメールサーバ3に図9に示される電子メールが送信される。取得部12は、メールサーバ3からこの電子メールを取得する。図9に示される電子メールは、Xサインの提供者が管理する第1の所定のメールアドレスから送信されたものであり、件名に「契約締結のお知らせ」が含まれ、さらに添付ファイルAFが存在する。このとき、特定部13は、この電子メールが、Xサインを用いて電子契約が締結されたことを示す電子メールであると特定する。
【0068】
また、Yサインを用いて電子契約が締結された場合、サービスサーバ4からメールサーバ3に図10に示される電子メールが送信される。取得部12は、メールサーバ3からこの電子メールを取得する。図10に示される電子メールは、Yサインの提供者が管理する第2の所定のメールアドレスから送信されたものであり、件名に「締結完了のご案内」が含まれ、さらに特定情報IIが存在する。このとき、特定部13は、この電子メールが、Yサインを用いて電子契約が締結されたことを示す電子メールであると特定する。
【0069】
ここで、説明の都合上、A2を特定ステップとして説明したが、A1~A2の一連の流れを特定ステップとして捉えてもよい。
【0070】
そして、A2において、特定部13により、取得部12が取得した電子メールが、電子契約が締結されたことを示す電子メールであると特定されると、処理をA3に進める。
【0071】
A3において、取得部12により、第2取得ステップが実行される。つまり、取得部12が、取得部12により取得された電子メールから契約関連情報を取得する。本実施形態では、取得部12は、複数の電子メールのそれぞれから、電子契約を特定する契約特定情報を取得する。このとき、取得部12は、電子メールに添付ファイルAFが含まれる場合、添付ファイルAFの中身からOCR(Optical Character Recognition)等により文字情報を取得し、かかる文字情報から契約関連情報を取得してもよい。
【0072】
そして、電子メールに添付ファイルAF又は特定情報IIが含まれる場合、A4a又はA4bにおいて、取得部12により第3取得ステップが実行される。つまり、取得部12が、取得した電子メールに基づいて、電子メールに対応する電子契約に関する電子契約データを取得する。本実施形態では、電子メールに添付ファイルAFが含まれる場合、取得部12は、取得した電子メールにから添付ファイルAFを取得する(A4a)。一方、電子メールに特定情報IIが含まれる場合、取得部12は、特定情報IIにより特定される格納場所から電子契約データを取得する(A4b)。
【0073】
次に、A5において、付与部14により、付与ステップが実行される。つまり、付与部14が、契約関連情報及び電子契約データから取得した文字情報の少なくとも一方と、予め定められた命名規則とに基づいて、電子契約データにファイル名を付与する。本実施形態では、OCRにより電子契約データから文字情報を取得する。図11は、命名規則の一例である。本実施形態における命名規則は、取得できた情報の種別に基づいて、電子契約データのファイル名を自動で付与するための規則である。
【0074】
例えば、取得部12により、「書類種別、相手方名称、締結日、締結方法」に対応する情報として「a,b,c,d」が取得できた場合、電子契約データのファイル名を「a_b_c_d」とする。ここで、電子契約データがpdf形式である場合、電子契約データのファイル名は、形式を含めて「a_b_c_d.pdf」となる(規則1)。一方、取得部12により、締結方法に対応する情報が取得できなかった場合、ファイル名は「a_b_c」となる(規則2)。また、取得部12により、書類種別に対応する情報が取得できなかった場合、ファイル名は「XXX_b_c_d」となる(規則3)。これは、書類種別は案件管理をする上で重要な情報であるため、ファイル名に必要な情報がブランクであることを示す「XXX」を付与し、ユーザーによる書類種別の手入力を促すものである。また、取得部12により、相手方名称および締結日に対応する情報が取得できなかった場合、ファイル名は「a_XXX_XXX_d」となる。これは、書類種別と同様に、相手方名称と締結日は案件管理をする上で重要な情報であるため、ファイル名に必要な情報がブランクであることを示す「XXX」を付与し、ユーザーによる書類種別の手入力を促すものである。
【0075】
このように、命名規則を用いることで、社内規則に則ったファイル名を自動で付与することが可能になる。なお、A5は必須ではなく、A4からA6に処理を進めてもよい。
【0076】
次に、A6において、格納部18により、格納ステップが実行される。つまり、格納部18は、第3取得ステップにおいて取得した電子契約データを、予め定められた格納領域に格納する。本実施形態では、電子メールに添付ファイルAFが含まれる場合、格納部18は、第3取得部において取得した添付ファイルAFを、予め定められた格納領域に格納する。
【0077】
次に、A7において、表示制御ステップが実行される。つまり、表示制御部15は、ユーザー端末2に、取得部12が取得した複数の契約特定情報を並べて表示させた管理画面MSを表示させる。本実施形態では、ユーザー端末2に、図12に示される管理画面MSが表示される。ここで、運用上は、ユーザー端末2のうち、第2ユーザー端末2bに図12に示される管理画面MSが表示される。図12の例では、ワークフロー情報WFに含まれる「取込み」ステップに対応する案件が案件リストLに表示されている。これは、案件のステータスが「取込み」の直前であることを示す。具体的には、取得部12により契約関連情報と、電子契約データと、が取得され、それをすでに存在する案件管理情報に取り込む(紐付ける)ための画面である。
【0078】
図12に示される管理画面MSにおいて、第2ユーザー端末2bにより、書類名が「20211228_秘密保持契約書」で特定される電子契約が選択されると、選択された電子契約の契約関連情報を、対応する案件の案件管理情報に取り込む(紐付ける)ことができる。ここで、図4及び図7に表示されている「AAA社_秘密保持契約書_ドラフト」と、図12に表示されている「20211228_秘密保持契約書」と、はそれぞれ同じ案件に対応する電子契約を示す。これは、図4及び図7の状態、つまり、取得部12により契約関連情報が取得される前の状態では、書類名は第2ユーザー端末2bのユーザーが手動で登録したものであり、具体的には契約締結前の電子契約データのファイル名が表示されているためである。一方、図12の状態、つまり、取得部12により契約関連情報が取得された後の状態では、取得部12により取得された、図9に示されるような契約締結時の実際のファイル名(20211228_秘密保持契約書)が表示されているためである。
【0079】
そして、ユーザー端末2により、契約特定情報の一例である書類名が「20211228_秘密保持契約書」で特定される電子契約が選択されると、A8において、受付部16により、受付ステップが実行される。つまり、受付部16は、ユーザー端末2から、管理画面MSに表示された複数の契約特定情報から一つの契約特定情報を選択する選択指示を受け付ける。
【0080】
ユーザー端末2により一つの電子契約が選択されると、表示制御部15は、ユーザー端末2に図13に示される選択画面SSを表示させる。図13に示される選択画面SSは、選択された電子契約の契約関連情報の紐付け先の案件を選択するものである。図13の例では、案件IDが001~004で特定される4つの案件が、紐付先の候補として表示されている。ここで、「書類名」に表示されているアイコンは、案件管理システムに書類に対応する電子契約データが紐付けられていることを示す。案件IDが001の案件については、図5に示すように、ドラフト段階のデータアイコンDIが紐付けられている。
【0081】
そして、ユーザー端末2により、案件IDが001で特定される案件が選択されると、受付部16は、ユーザー端末2から紐付指示を受け付ける。ここで、紐付指示は、ユーザー端末2により選択された電子契約(図12に相当)の契約関連情報を、所定の案件(図13に相当)の案件管理情報に紐付ける指示である。本実施形態では、紐付指示は、電子メールに添付ファイルAFが含まれる場合に取得した添付ファイルAFを、案件に紐付ける指示である。
【0082】
ここで、紐付候補となる案件が1つしか存在しない場合、又は契約関連情報と案件管理情報を比較することで紐付候補が一意に特定される場合、表示制御部15は、紐付候補となる案件のみをユーザー端末2に表示させてもよく、紐付候補の確認を省略して自動的にA9における紐付ステップを実行してもよい。
【0083】
その後、A9において、紐付部17により、紐付ステップが実行される。つまり、紐付部17は、選択指示により選択された契約特定情報により特定される電子契約の契約関連情報と、案件管理情報とを紐付ける。これにより、契約関連情報が対応する案件管理情報に紐付けられ、図14及び図15に示す状態となる。
【0084】
図14は、紐付ステップが完了した後における、ユーザー端末2に表示される詳細画面DSの一例である。図5(紐付前)と比べ、データアイコンDIの近傍に、「締結完了」と表示されている。これは、案件に紐付けられている電子契約データにより特定される契約書が、締結済みの契約書であることを表す。
【0085】
ここで、図14におけるデータアイコンDIに対応する電子契約データは、第3取得ステップにおいて、受付部16により予め定められた格納領域に格納されたものである。
【0086】
また、図5及び図6(紐付前)と比べ、契約関連情報の一例である「相手方代表者、契約締結日、締結方法、契約開始日、契約終了日、自動更新の有無」が、新たに案件管理情報に紐付けられている。なお、図15における太枠で囲われた箇所は、紐付ステップにおいて新たに追加された契約関連情報を示す。これらの情報は、取得部12により、電子メールの件名又は本文から取得されてもよく、添付ファイルAF又は特定情報IIに基づいて取得された電子契約データに対してOCRを実行し、契約書中の文字情報から取得してもよい。
【0087】
また、図15における薄墨色の箇所は、紐付ステップの前後において変更された情報を示す。例えば、図5及び図6(紐付前)では、「書類名」が「AAA社との秘密保持契約」であったものが、図14(紐付後)では、「書類名」が契約締結時の電子契約データのファイル名である「20211228_秘密保持契約書」に変更されている。ここで、紐付前における「書類名」は、案件管理システムに紐付けられている電子契約データのファイル名であってもよく、ユーザーが任意に登録した情報でもよい。
【0088】
また、図5及び図6(紐付前)では、「契約書類名」が「AAA社_秘密保持契約書_ドラフト」であったものが、図14(紐付後)では、「契約書類名」が契約締結時の電子契約データのファイル名である「20211228_秘密保持契約書」に変更されている。ここで、本実施形態における「契約書類名」は、案件管理システムに紐付けられた電子契約データの実際のファイル名である。具体的には、「契約書類名」は、図5及び図14のデータアイコンDIに対応する電子契約データのファイル名である。
【0089】
そして、A10において、変更部19により、変更ステップが実行される。つまり、変更部19は、案件に対応する電子契約が締結された場合、案件のステータスを、現在のステップから、現在のステップと異なるステップに変更する。また、変更部19は、受付部16により案件に対する紐付指示を受け付けた場合、案件のステータスを、現在のステップから、現在のステップと異なるステップに変更する。このように、ユーザーによる紐付指示がない場合でも、特定部13が、電子契約が締結されたことを特定した場合に、変更ステップを実行してもよい。また、ユーザーによる紐付指示がある場合にも、変更ステップを実行してもよい。
【0090】
図16は、変更ステップにおいて案件のステータスが変更された状態を表す図である。図4の管理画面MSでは、書類名が「AAA社_秘密保持契約書_ドラフト」で特定される案件は、ワークフロー情報WFの中の「社内承認中(現在のステップ)」であったところ、図16の管理画面MSでは、書類名が「20211228_秘密保持契約書」で特定される案件は、ワークフロー情報WFの中の「締結完了(後続のステップ)」に変更されている。これにより、取得部12が電子メールに基づいて、特定部13による特定処理が実行されることで電子契約が締結されたことを特定し、対応する案件のステータスがワークフロー情報WFの中でも変更される。
【0091】
<まとめ>
このように、本実施形態に係る情報処理システム1は、電子メールに基づいて契約関連情報を取得し、対応する案件管理情報に紐付けることができる。これにより、ユーザーが案件管理システムに登録した、電子契約を用いて管理される案件について、電子契約が締結されたときに速やかに案件管理システムに反映される。
【0092】
特に、情報処理システム1が、案件管理システム及び電子契約サービス(例:MFサイン)を提供する場合、他社が提供する電子契約サービスを用いる場合、電子契約に関する契約関連情報や、電子契約が締結されたときの電子契約データを案件管理システムに取り込む手間が生じる。これに対し、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1が提供する処理によれば、電子契約サービスの提供者が管理する電子メールに基づいて、取得部12が契約関連情報又は電子契約データを取得し、対応する案件の案件管理情報と紐付けることが容易になる。
【0093】
また、電子契約が締結したことを示す電子メールが、相手方のミス等により担当者に届かず、他の人物に届いてしまった場合でも、取得部12がメールサーバ3から電子メールを取得し、他の機能と協働してその後の紐付ステップまでを実行することにより、担当者が他の人物が受信した電子メールを探し出す手間を省くことができる。
【0094】
6.その他
特定部13は、学習モデルに基づいて特定処理を実行してもよい。ここで、学習モデルは、機械学習により生成されたものであり、所定のメールアドレス、電子メールの件名、本文、添付ファイルAF、及び特定情報IIの少なくとも1つを学習データとして利用したものである。学習モデルを用いることで、所定のメールアドレス毎に定められた所定の規則を用いることなく、特定処理を実行することが可能になる。これにより、電子契約サービスの提供者により電子メールの件名及び本文に含まれる文言が変更された場合でも、特定処理を実行することが可能になる。
【0095】
また、変更部19は、ユーザーにより選択された電子契約の紐付け先を、学習モデルに基づいて提示又は決定してもよい。この場合における学習モデルは、過去に選択された電子契約の契約関連情報と、紐付対象として選択された案件の案件管理情報と、学習データとして利用したものである。これにより、ユーザーが電子契約の紐付対象となる案件を選択することなく、契約関連情報と案件管理情報とを紐付けることができる。
【0096】
これらの機械学習のアルゴリズムは特に限定されず、k近傍法、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、トピックモデル、混合ガウスモデル等を適宜採用することができる。
【0097】
[その他]
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、契約関連情報は、前記電子契約の相手方に関する相手方情報、前記電子メールに添付ファイルが含まれる場合には前記添付ファイルのファイル名または前記添付ファイルにより特定される書類の書類名の少なくとも1つである、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記第2取得ステップでは、前記取得した前記電子メールの件名、本文、前記電子メールに添付ファイルが含まれる場合には前記添付ファイル、及び前記電子メールに特定情報が含まれる場合には前記特定情報、の少なくとも1つに基づいて、前記契約関連情報を取得し、前記添付ファイルは、前記電子契約に関する電子契約データであり、前記特定情報は、前記電子契約に関する電子契約データの格納場所を特定する情報である、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、特定ステップを実行するように構成され、前記特定ステップでは、前記電子メールが所定のメールアドレスから送信されたものであり、かつ、前記件名、前記本文、前記電子メールに添付ファイルが含まれる場合には前記添付ファイル、及び前記電子メールに前記特定情報が含まれる場合には前記特定情報により特定される前記格納場所に含まれる情報、の少なくとも一つに前記電子契約が締結されたことを示す情報が含まれている場合、前記電子メールが、前記電子契約が締結されたことを示す電子メールであると特定する特定処理を実行する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記特定ステップでは、複数の前記所定のメールアドレス毎に定められた規則に基づいて、前記特定処理を実行する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記規則は、第1規則及び第2規則を含み、前記所定のメールアドレスは、第1の所定のメールアドレス及び第2の所定のメールアドレスを含み、前記第1規則は、前記電子メールが前記第1の所定のメールアドレスから送信されたものであり、かつ、前記添付ファイルが存在する場合に、前記電子契約が締結されたと判断するものであり、前記第2規則は、前記電子メールが前記第2の所定のメールアドレスから送信されたものであり、かつ、前記件名または前記特定情報により特定される前記格納場所に含まれる情報に前記電子契約が締結された旨の情報が含まれる場合に、前記電子契約が締結されたと判断するものである、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記所定のメールアドレスは、第1の所定のメールアドレスを含み、前記特定ステップでは、前記第1の所定のメールアドレスに対して定められた第1規則に基づいて、前記特定処理を実行し、前記第1規則は、前記電子メールが前記第1の所定のメールアドレスから送信されたものであり、かつ、前記添付ファイルが存在し、前記電子メールの件名に前記電子契約が締結された旨の情報が含まれる場合に、前記電子契約が締結されたと判断するものである、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、表示制御ステップを実行するように構成され、前記第1取得ステップでは、複数の前記電子メールを取得し、前記第2取得ステップでは、前記複数の電子メールのそれぞれから、前記電子契約を特定する契約特定情報を取得し、前記表示制御ステップでは、ユーザー端末に、前記第2取得ステップにおいて取得した複数の前記契約特定情報を並べて表示させた管理画面を表示させる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、受付ステップを実行するように構成され、前記受付ステップでは、前記ユーザー端末から、前記管理画面に表示された複数の前記契約特定情報から一つの契約特定情報を選択する選択指示を受け付け、前記紐付ステップでは、前記選択指示により選択された契約特定情報により特定される電子契約の前記契約関連情報と、前記案件管理情報とを紐付ける、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、変更ステップを実行するように構成され、前記表示制御ステップでは、前記管理画面にワークフロー情報を表示させ、前記ワークフロー情報は、前記案件を管理するワークフローを構成する複数のステップを含む情報であり、前記変更ステップでは、前記案件に対応する電子契約が締結された場合、前記案件のステータスを、現在のステップから、前記現在のステップと異なるステップに変更する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、変更ステップを実行するように構成され、前記表示制御ステップでは、前記管理画面にワークフロー情報を表示させ、前記ワークフロー情報は、前記案件を管理するワークフローを構成する複数のステップを含む情報であり、前記受付ステップでは、前記ユーザー端末から紐付指示を受け付け、前記紐付指示は、前記電子メールに添付ファイルが含まれる場合に取得した前記添付ファイルを、前記案件に紐付ける指示であり、前記変更ステップでは、前記受付ステップにおいて前記案件に対する紐付指示を受け付けた場合、前記案件のステータスを、現在のステップから、前記現在のステップと異なるステップに変更する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記表示制御ステップでは、所定の主体により提供される電子契約サービスと、前記所定の主体以外の主体により提供される電子契約サービスとを区別可能に、前記管理画面に前記契約特定情報を表示させる、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記契約特定情報は、前記電子契約データのファイル名を表す、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、第3取得ステップ、及び格納ステップを実行するように構成され、前記第3取得ステップでは、前記第1取得ステップにおいて取得した前記電子メールに基づいて、前記電子メールに対応する電子契約に関する電子契約データを取得し、前記格納ステップでは、前記第3取得ステップにおいて取得した前記電子契約データを、予め定められた格納領域に格納する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記第3取得ステップでは、前記第1取得ステップにおいて取得した前記電子メールに添付ファイルが含まれる場合、前記添付ファイルを取得し、前記格納ステップでは、前記第3取得ステップにおいて取得した前記添付ファイルを、予め定められた格納領域に格納する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、付与ステップを実行するように構成され、前記付与ステップでは、前記契約関連情報及び前記電子契約データから取得した文字情報の少なくとも一方と、予め定められた命名規則とに基づいて、前記電子契約データにファイル名を付与する、情報処理システム。
前記情報処理システムにおいて、前記特定ステップでは、学習モデルに基づいて前記特定処理を実行し、前記学習モデルは、機械学習により生成されたものであり、前記所定のメールアドレス、前記電子メールの件名、本文、添付ファイル、及び前記特定情報の少なくとも1つを学習データとして利用したものである、情報処理システム。
プログラムであって、コンピュータに、前記各ステップを実行させる、プログラム。
前記情報処理システムにより実行される情報処理方法。
もちろん、この限りではない。
【0098】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0099】
1 :情報処理システム
2 :ユーザー端末
2a :第1ユーザー端末
2b :第2ユーザー端末
3 :メールサーバ
4 :サービスサーバ
10 :制御部
11 :管理部
12 :取得部
13 :特定部
14 :付与部
15 :表示制御部
16 :受付部
17 :紐付部
18 :格納部
19 :変更部
20 :通信部
30 :記憶部
40 :入力部
50 :表示部
100 :システム
AF :添付ファイル
DI :データアイコン
DS :詳細画面
I1 :承認申請アイコン
I2 :承認アイコン
II :特定情報
L :案件リスト
MS :管理画面
NW :ネットワーク
SI :特定サービス表示アイコン
SS :選択画面
WF :ワークフロー情報
【要約】
【課題】電子契約に係る情報の管理を支援する技術を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、第1取得ステップ、第2取得ステップ、及び紐付ステップを実行するように構成される。第1取得ステップでは、電子契約サービスで実現される電子契約に関する電子メールを取得する。第2取得ステップでは、取得した電子メールから契約関連情報を取得する。契約関連情報は、電子契約に関する情報である。紐付ステップでは、取得した契約関連情報と、案件管理情報とを紐付ける。案件管理情報は、電子契約を用いて管理される案件に関する情報である。
【選択図】図1
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