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特許7237278アクチュエータ構造ならびにこのアクチュエータ構造を備えたエアゾール式製品およびポンプ式製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】アクチュエータ構造ならびにこのアクチュエータ構造を備えたエアゾール式製品およびポンプ式製品
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/16 20060101AFI20230306BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20230306BHJP
   B05B 9/04 20060101ALI20230306BHJP
   B05B 11/00 20230101ALN20230306BHJP
【FI】
B65D83/16 100
B65D83/00 K
B05B9/04
B05B11/00 102G
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018054846
(22)【出願日】2018-03-22
(65)【公開番号】P2019167125
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000144463
【氏名又は名称】株式会社三谷バルブ
(74)【代理人】
【識別番号】100097593
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 治幸
(72)【発明者】
【氏名】横山 勇樹
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-179758(JP,U)
【文献】特開昭48-055411(JP,A)
【文献】特開2007-076746(JP,A)
【文献】特開2006-044684(JP,A)
【文献】米国特許第05360145(US,A)
【文献】実開平07-020112(JP,U)
【文献】特開2016-010919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/16
B65D 83/00
B05B 9/04
B05B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物放出弁作用を呈するステムへ取り付けることにより、前記ステムの天面との対向面部分に、容器本体から外部空間域へいたる内容物通路部の下流部分が設定されるアクチュエータ構造であって、
前記対向面部分の周囲より前記下流部分から離間するかたちで垂下し、前記ステムの上端外周部に係合する垂下部と、
前記対向面部分の前方端部から連続して前記ステムの外周面の延長上に一致し隣接する態様で設けられた前面起立部と、を備え、
前記対向面部分は、
前記ステムの内容物出力側の開口部との対向部分を含み、
前記内容物通路部の下流部分は、
前記天面と前記対向面部分とが当接した状態で、前記開口部と連通し、かつ、前記開口部から前記前面起立部を介して前記外部空間域へ通じる態様で前記対向面部分に連続形成された溝状部からなる、
ことを特徴とするアクチュエータ構造。
【請求項2】
前記対向面部分は、
前記ステムの天面部分と対向当接する下面部分からなっている、
ことを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ構造。
【請求項3】
前記垂下部の水平断面はC字状であり
前記容器本体の側に係合して前記ステムへの取付け状態を保持する被取付け保持部を備えている、
ことを特徴とする請求項1または2記載のアクチュエータ構造。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のアクチュエータ構造を備え、かつ、放出剤および放出対象内容物を収容した、
ことを特徴とするエアゾール式製品。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載のアクチュエータ構造を備え、かつ、放出対象内容物を収容した、
ことを特徴とするポンプ式製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール式製品やポンプ式製品のステムに取り付けられることによりステム流出側開口部との間で内容物通路を設定する、溝状部を形成した操作ボタンなどのアクチュエータ構造ステムに関する。以下の説明では必要に応じて「操作ボタン」をアクチュエータ構造の意で用いる。
【0002】
この溝状部は例えば横方向内容物通路の上側部分として作用する。
すなわち操作ボタン自体にステムの流出側開口部と連通する例えばL字状通路部の全体を成形加工するのではなく、操作ボタンには、その下面部分などに通路部構成要素としての溝状部を形成している。溝状部自体は外部に直接露出した態様で形成される。
【0003】
アクチュエータ構造をステムに取り付けることにより内容物噴射用の例えばL字状通路部(ステム流出側筒状部+操作ボタン下面溝状部)が設定される。
【0004】
この溝状部を形成するのは、外部空間域への内容物通過用のアクチュエータ構造の成形加工においてスライド金型を不要とするためである。
【0005】
ただ、スライド金型を用いないと、ステム取付け用の操作ボタン筒状垂下部に、成形加工後の可動金型の溝状部成形部分を移動可とするための上下方向開口部を設ける必要がある。すなわち操作ボタン筒状垂下部を完全筒状部で形成することはできない。
【0006】
そのため操作ボタン筒状垂下部が変形して、操作ボタンが取付け先のステムから外れてしまう可能性がある。本発明では、このような操作ボタンのステムからの外れへの対策も講じている(図4図5参照)。
【0007】
本明細書では、操作ボタンの操作面側を「上」といい、ステム取り付け側を「下」という。また、操作ボタンの内容物噴射側を「前」といい、それとは反対側を「後」という。例えば図1の左上手前側,図2図3図5の左側,図4の手前側が「前」、その反対側(図1の右下奥側,図2図3図5の右側,図4の奥側)が「後」となる。また、前後方向と直交する、図1の右上手前から左下奥への方向,図2図3図5の手前から奥への方向,図4の右から左への方向を「左右」とする。
【背景技術】
【0008】
従来、ステムの押下げ方向とは略直交する方向への内容物放出機能を備えたアクチュエータ構造では、ステム出力側から放出口の間にL字状通路部が形成されている。(特許文献1参照)。
【0009】
このL字状通路部の流入側端部はステム出力側と連通し、流出側端部は放出口を通じて外部空間域と連通している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特公昭31-4589公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来のアクチュエータ構造の成形加工では、直交するL字状通路部を形成するために、L字状通路部の屈曲部分で型が分離するスライド金型を用いる必要があり、金型作成コストの増大や、分離する部分の隙間に溶融材料が流れ込むことを原因とするバリをL字状通路部内で発生させないように金型の精度管理が必要といった問題点があった。
【0012】
また、スライド金型を用いた場合、L字状通路部の型がピン形状となるため熱が型の基部に拡散しづらく、冷却を待つために単位時間あたりの成形加工回数を多くできないといった問題点があった。
【0013】
そこで本発明では、L字状通路部形成用のスライド金型を不要とした新たな着想に基づく、縦方向のステムの流出側から径方向に連通する横方向通路部を備えたアクチュエータ構造を提供する。
【0014】
すなわち、アクチュエータ構造をステムに取り付けることで、ステム操作方向とは略直交方向への噴射孔(通路部)がステムとの間に構成されるアクチュエータ構造とした。
【0015】
またあわせて、アクチュエータ構造がステムから外れて脱落することを防止する。
【0016】
本発明は、このようなアクチュエータ構造の採用により、
(11)成形加工のためのスライド金型を不要にして金型作成コストの低減化を図り、
(12)金型の精度管理を容易にし、また単位時間あたりの成形加工回数を多くすることで製造コストの低減化を図り、
(13)アクチュエータ構造がステムから外れたり、脱落したりすることを防止する、
ことなどを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
(1)内容物放出弁作用を呈するステム(例えば後述のステム3)へ取り付けることにより、前記ステムの天面との対向面部分(例えば後述の対向面部分4d)に、容器本体から外部空間域へいたる内容物通路部の下流部分が設定されるアクチュエータ構造であって、
前記対向面部分の周囲より前記下流部分から離間するかたちで垂下し、前記ステムの上端外周部に係合する垂下部(例えば後述のC型垂下部4c,5c,6c)と、
前記対向面部分の前方端部から連続して前記ステムの外周面の延長上に一致し隣接する態様で設けられた前面起立部(例えば後述の前面起立部4e)と、を備え、
前記対向面部分は、
前記天面と前記対向面部分とが当接した状態で、前記ステムの内容物出力側の開口部(例えば後述の開口部3a)との対向部分を含み、
前記内容物通路部の下流部分は、
前記開口部と連通し、かつ、前記開口部から前記前面起立部を介して前記外部空間域へ通じる態様で前記対向面部分に連続形成された溝状部(例えば後述の溝状部4f)からなる、
構成態様のものを用いる。
(2)上記(1)において、
前記対向面部分は、
前記ステムの天面部分と対向当接する下面部分からなっている、
構成態様のものを用いる。
(3)上記(1),(2)において、
前記垂下部の水平断面はC字状であり
前記容器本体の側に係合して前記ステムへの取付け状態を保持する被取付け保持部(例えば後述の係止片5d,係止用凸部5e,環状固定部6d,結合部6e)を備えた、
構成態様のものを用いる。
【0018】
このような構成からなるアクチュエータ構造ならびに当該アクチュエータ構造を備えたエアゾール式製品およびポンプ式製品を本発明の対象としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上の構成をとることにより、
(21)成形加工のためのスライド金型を不要にして金型作成コストの低減化を図り、
(22)金型の精度管理を容易にし、また単位時間あたりの成形加工回数を多くすることで製造コストの低減化を図り、
(23)アクチュエータ構造がステムから外れたり、脱落したりすることを防止する、
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】アクチュエータ構造の下方斜視状態を示す説明図である。
図2図1のアクチュエータ構造の成形状態を示す説明図である。
図3図1のアクチュエータ構造をステムに取り付けた状態(静止モード)を示す説明図である。
図4】ステムからの脱落防止機構付きのアクチュエータ構造(その1)を示す説明図である。
図5】ステムからの脱落防止機構付きのアクチュエータ構造(その2)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1乃至図5を用いて本発明を実施するための形態を説明する。
なお、本発明のアクチュエータ構造は上述したようにエアゾール式製品およびポンプ式製品それぞれを対象としているが、図を用いた以下の記載では単なる説明の便宜上、エアゾール式製品を前提とする。
【0022】
以下のアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば内向きカシメ凹部2a)は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素(例えばマウンティングカップ2)の一部であることを示している。
【0023】
図1図5において、
1は、後述の内容物および噴射用ガスを収納したエアゾール式製品の周知の容器本体,
2は、容器本体1の上側開口端の巻締め部分に取り付けられた周知のマウンティングカップ,
2aは、マウンティングカップ2の上側環状凹部の外周側面であって、マウンティングカップ2を容器本体1に固定することで形成される環状の内向きカシメ凹部,
3は、その上端側部分がマウンティングカップ2の中央開口部から上方に突出する態様で設定されて、上方への付勢力に抗して押し下げることにより周知のバルブ作用を呈するステム,
3aは、ステム3の天面中央に開口し、ステム3のバルブ作用が開状態のときに、容器本体1に収容した内容物が流出する開口部,
をそれぞれ示している。
【0024】
また、
4は、ステム3の上端部に取り付けて使用される一体成型された操作ボタン(図1図3で使用),
4aは、操作ボタン4の上部であって円板形状の操作部,
4bは、操作部4aの上面であって利用者の操作対象となる操作面,
4cは、操作部4aの下面に水平断面がC字状で垂下し、ステム3の上端外周部に係合するC型垂下部,
4dは、C型垂下部4cの内側上端に設けられ、操作ボタン4をステム3に取り付けた状態で後述の溝状部4f以外がステム3の天面に当接する対向面部分,
4eは、対向面部分4dの前方端部から操作部4aの下面に至る態様で設けられた前面起立部,
4fは、対向面部分4dの中央から前面起立部4eに至る態様で形成され、操作ボタン4をステム3に取り付けた状態で内容物の通路および放出口となる溝状部(内容物通路部),
をそれぞれ示している。
【0025】
また、
5は、ステム3の上端部に取り付けて使用される一体成型された操作ボタン(図4のみで使用),
5aは、操作ボタン5の上部であって板状の操作部,
5bは、操作部5aの上面であって利用者の操作対象となる操作面,
5cは、操作部5aの下面に水平断面がC字状で垂下し、ステム3の上端外周部に係合するC型垂下部,
5dは、操作部5aの左右に下向きに設けられて、それぞれの下端外面部分が内向きカシメ凹部2aに係合保持される弾性変形可能な一対の係止片,
5eは、係止片5dそれぞれの下端に外向きに突出する態様で形成されて内向きカシメ凹部2aに係合する係止用凸部,
をそれぞれ示している。
【0026】
また、
6は、ステム3の上端部に取り付けて使用される一体成型された操作ボタン(図5のみで使用),
6aは、操作ボタン6の上部であって板状の操作部,
6bは、操作部6aの上面であって利用者の操作対象となる操作面,
6cは、操作部6aの下面に水平断面がC字状で垂下し、ステム3の上端外周部に係合するC型垂下部,
6dは、マウンティングカップ2の外周面に係合する環状固定部,
6eは、操作部6aの後端と環状固定部6dとを連結し、弾性変形可能な一対の結合部,
をそれぞれ示している。
【0027】
また、図2において、
7は、操作ボタン4の成形時に、操作面4bの形状を形成する固定金型,
8は、操作ボタン4の成形時に、操作部4aの下面,C型垂下部4c,対向面部分4d,前面起立部4eおよび溝状部4fの形状を形成する可動金型,
をそれぞれ示している。
【0028】
ここで、操作ボタン4,5,6は例えばポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。
【0029】
また、容器本体1,ステム3は例えばプラスチック製,金属製のものである。マウンティングカップ2は例えば金属性のものである。
【0030】
図示のアクチュエータ構造の基本的特徴は、
(31)ステムとの対向面部分が、当該ステムの内容物出力側の開口部との対向部分を含み、外部に直接露出した態様の外面部分であり、
(32)対向面部分には、前記開口部と連通し、かつ、前記開口部から外部空間域へ通じる態様で前記外面部分に連続形成された溝状部を設定した、
ことなどである。
【0031】
図1は、下方斜視状態のプラスチック射出成形によって一体成型された操作ボタン4を示している。
【0032】
操作ボタン4は、上下方向に型から抜く場合に障害となる、「無理抜き」といわれるプラスチックの弾性変形を利用しても型から抜くことができない横穴や水平段部などのアンダーカット形状が外面部分に設けられていない。
【0033】
図2は、当接させた固定金型7および可動金型8によってできる空間域にプラスチックを充填した状態の成形中の操作ボタン4を示している。
【0034】
固定金型7の凹部が、操作ボタン4の操作面4bの形状を形成し、可動金型8の凹部が操作部4aの下面,C型垂下部4c,対向面部分4d,前面起立部4eおよび溝状部4fの形状を形成する。
【0035】
充填されたプラスチックが冷却固化したのち、図4の状態から可動金型8を下方に分離して操作ボタン4を取り出す。
【0036】
このとき、操作ボタン4は、固定金型7に対し下方に分離が容易な形状であり、かつ可動金型8に対しても上方に分離が容易な形状になっていることから、スライド金型を使用しなくても金型から容易に取り外すことができる。
【0037】
図3は、操作ボタン4を容器本体1のステム3に取り付けたエアゾール式製品の静止モードを示している。
【0038】
操作ボタン4を下方に押下げ操作すると、ステム3が下方に移動し、容器本体1の内容物がステム3の開口部3aに供給される。このとき押下げ操作の付勢力で溝状部4f以外の対向面部分4dがステム3の天面に液密に当接し、前面起立部4eに露出した溝状部4fが内容物の放出口となって、容器本体1の内容物は開口部3aから溝状部4fを通りこの放出口から前方の外部空間に噴射される。
【0039】
図4および図5は、それぞれ脱落防止機構付きのアクチュエータ構造を示している。
【0040】
図1図3のC型垂下部4cは、周方向の切れ目が開いて内径が変化しやすく、筒状のステム取付部と比較してステム3から脱落しやすい。
【0041】
図4は、一対の係止片5dを設けた操作ボタン5を容器本体1のステム3に取り付けたエアゾール式製品の静止モードを示している。
【0042】
操作ボタン5の操作部5aの左右それぞれに一対の係止片5dが下向きに設けられ、その下端には係止用凸部5eが外向きに突出している。操作ボタン5のC型垂下部5cをステム3に取り付けたときに、この係止用凸部5eがマウンティングカップ2の内向きカシメ凹部2aに係合する。
【0043】
静止モードでは、操作ボタン5に上方向の外力が加わっても、内向きカシメ凹部2aと係止用凸部5eとの係合作用により、操作ボタン5のC型垂下部5cがステム3から容易に外れることはない。
【0044】
静止モードから、操作ボタン5を押下げ操作すると、内向きカシメ凹部2aに対し下方に移動する係止用凸部5eの倣い作用で係止片5dが変形しその下端が内側に変位するので、係止片5dが押下げ操作に影響することはなく、作動モードに移行する。
【0045】
図5は、マウンティングカップ2の外周面に係合する環状固定部6dを設けた操作ボタン6を容器本体1のステム3に取り付けたエアゾール式製品の静止モードを示している。
【0046】
操作ボタン6の操作部6aの後方に一対の結合部6eを介して連結された環状固定部6dが設けられている。操作ボタン6のC型垂下部6cをステム3に取り付けるとともに、環状固定部6dをマウンティングカップ2の外周面に係合し固定する。
【0047】
静止モードでは、操作ボタン6の操作部6aに上方向の外力が加わっても、マウンティングカップ2に固定された環状固定部6dと操作部6aとがの結合部6eを介して連結されているので、変形に逆らう結合部6eの弾性力が操作部6aを下方向に働き、操作ボタン6のC型垂下部6cがステム3から容易に外れることはない。
【0048】
また、C型垂下部6cがステム3から外れたとしても、環状固定部6dと操作部6aとがの結合部6eを介して連結されているので、操作部6aやC型垂下部6cが脱落して紛失してしまうことはない。
【0049】
静止モードから、操作ボタン6を押下げ操作すると、結合部6eは操作力で変形するので、結合部6eや環状固定部6dが押下げ操作に影響することはなく、作動モードに移行する。
【0050】
本発明のアクチュエータ構造が図示の実施形態に限定されるものでないことは勿論であり例えば、
(41)操作面4b,5b,6bを噴射方向に登り傾斜としたり、上方からみた形状を「将棋駒状」,「二等辺三角形状」,「逆涙滴形状」や「矢印形状」にしたりして噴射方向を明確化する、
(42)C型垂下部4c,5c,6cを囲むように操作部4a,5a,6aから垂下する外周面を設ける、
(43)係止片5dや結合部6eの設置数や設置箇所を変更する、
(44)溝状部4fを複数設け、その複数の溝状部を平行に設けるほか、放出方向に広がる態様や狭まる態様で設ける、
(45)図示の単一の溝状部4fの代わりに、複数の溝状部が前面起立部4e付近で合流する態様で設ける、
などのようにしてもよい。
【0051】
本発明が適用されるエアゾール式製品およびポンプ式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタミンなど),医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
【0052】
容器本体に収容される内容物としては、液状,クリーム状,ゲル状など種々の形態のものを用いる。内容物に配合される成分は例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分,水などである。
【0053】
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
【0054】
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
【0055】
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコール,グリセリン,1,3-ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【0056】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【0057】
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼイン,ヒドロキシエチルセルロース,キサンタンガム,カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
【0058】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ピレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
【0059】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【0060】
エアゾール式製品における内容物噴射用ガスとしては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。
【符号の説明】
【0061】
1:容器本体
2:マウンティングカップ
2a:内向きカシメ凹部
3:ステム
3a:開口部
【0062】
4:操作ボタン
4a:操作部
4b:操作面
4c:C型垂下部
4d:対向面部分
4e:前面起立部
4f:溝状部(内容物通路部)
【0063】
5:操作ボタン
5a:操作部
5b:操作面
5c:C型垂下部
5d:一対の係止片
5e:係止用凸部
【0064】
6:操作ボタン
6a:操作部
6b:操作面
6c:C型垂下部
6d:環状固定部
6e:一対の結合部
【0065】
7:固定金型
8:可動金型
図1
図2
図3
図4
図5