特許 7237312 治具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2023-03-03

(45)【発行日】2023-03-13

(54)【発明の名称】治具

(51)【国際特許分類】

   B23P 19/00 20060101AFI20230306BHJP

   B62D 65/14 20060101ALI20230306BHJP

【ＦＩ】

B23P19/00 304C

B62D65/14 Z

【請求項の数】 5

(21)【出願番号】P 2019118442

(22)【出願日】2019-06-26

(65)【公開番号】P2021003763

(43)【公開日】2021-01-14

【審査請求日】2022-01-17

(73)【特許権者】

【識別番号】000241500

【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社

(73)【特許権者】

【識別番号】518065119

【氏名又は名称】有限会社スカイ・テック

(74)【代理人】

【識別番号】100105957

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 誠

(74)【代理人】

【識別番号】100068755

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 博宣

(72)【発明者】

【氏名】亀田 信博

(72)【発明者】

【氏名】名倉 修

【審査官】吉川 直也

(56)【参考文献】

【文献】特開昭５９－１４４５９６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開昭６１－２９３６８３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００４－１２２２９８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０２－２０８１５３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開昭６３－２７８７３４（ＪＰ，Ａ）

【文献】実開平０２－１４９３８８（ＪＰ，Ｕ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ２３Ｐ １９／００－２１／００

Ｂ６２Ｄ ６５／０６；６５／１４

Ｂ２３Ｋ ３７／０４

Ｂ２３Ｑ ３／０２

Ｂ２５Ｈ １／１６

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

複数の受け面にて物品を受ける治具であって、
軸部、及び前記軸部の第１端に設けられ、前記受け面を有する受け部を備える複数の受け部材を含み、前記軸部の各々が互いに間隔をおいて並列して配置される受け部材群と、
前記軸部の軸線方向に沿って前記軸部の各々を変位可能に支持する支持部材と、
当接面を有し、前記軸部の各々の前記第１端とは反対側の第２端が前記当接面に当接されることで前記軸線方向における前記受け面の各々の位置を調整するとともに、前記軸部の各々の並列方向における前記当接面の形状の変化態様が互いに異なる複数の調整部材を含む調整部材群と、
前記調整部材群を前記軸線方向において変位させる変位機構と、
前記受け部材群の各々が前記調整部材群から離れている状態において、前記調整部材の各々のうちの１つを前記軸線方向において前記軸部の各々の前記第２端に対向する対向位置に切り替える切替機構と、を備える、
治具。

【請求項2】

前記軸線方向及び前記並列方向の双方に直交する方向を直交方向とするとき、
前記調整部材群を構成する前記調整部材の各々を前記直交方向において並列した状態で固定する固定部材を備えており、
前記切替機構は、前記固定部材を前記直交方向に沿って変位させることにより、前記調整部材の各々のうちの１つを前記対向位置に切り替える、
請求項１に記載の治具。

【請求項3】

前記受け部材群は、前記直交方向において互いに間隔をおいて複数設けられており、
前記調整部材群は、前記受け部材群の各々に対応して複数設けられている、
請求項２に記載の治具。

【請求項4】

前記受け面の各々は、長方形状であり、
前記受け面の長辺方向が前記直交方向と一致しており、
前記受け面の短辺方向が前記並列方向と一致している、
請求項３に記載の治具。

【請求項5】

前記受け部材を前記当接面に向けて付勢する付勢機構を有する、
請求項１～請求項４のいずれか一項に記載の治具。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、物品に対して部品を組み付ける等の作業を行う際に当該物品を受ける治具に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、物品に対して部品を組み付ける等の作業を行う際には、当該物品を受ける治具が用いられる。こうした治具は、物品の表面形状に対応した形状の受け部を有している。こうした治具によれば、受け部上に物品を載置することにより、物品が保持される。

【0003】

また、特許文献１には、ドアトリムに貼付けされるオーナメントの形状に一致させて形成した３次元曲面の表面部分を有する貼付け治具が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【文献】特開昭６２－６０６３５号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

ところで、従来の組み付け治具では、物品の形状に対応した専用の治具を用意する必要がある。そのため、複数種類の治具を用意することに伴って治具を保管するスペースが必要となるなどの問題がある。

【0006】

本発明の目的は、形状の異なる複数種類の物品を受けることのできる治具を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上記目的を達成するための治具は、複数の受け面にて物品を受けるものであって、軸部、及び前記軸部の第１端に設けられ、前記受け面を有する受け部を備える複数の受け部材を含み、前記軸部の各々が互いに間隔をおいて並列して配置される受け部材群と、前記軸部の軸線方向に沿って前記軸部の各々を変位可能に支持する支持部材と、当接面を有し、前記軸部の各々の前記第１端とは反対側の第２端が前記当接面に当接されることで前記軸線方向における前記受け面の各々の位置を調整するとともに、前記軸部の各々の並列方向における前記当接面の形状の変化態様が互いに異なる複数の調整部材を含む調整部材群と、前記調整部材群を前記軸線方向において変位させる変位機構と、前記受け部材群の各々が前記調整部材群から離れている状態において、前記調整部材の各々のうちの１つを前記軸線方向において前記軸部の各々の前記第２端に対向する対向位置に切り替える切替機構と、を備える。

【0008】

同構成によれば、調整部材の当接面に各受け部材の軸部の第２端が当接されることで、軸線方向における各受け面の位置を、当該調整部材の当接面の形状に沿わせることができる。

【0009】

一方、各受け面の位置を変更する際には、変位機構によって調整部材群を軸線方向において変位させることで調整部材群を各受け部材群から離す。この状態において、切替機構によって各調整部材のうちの１つを軸線方向において各軸部の第２端に対向する対向位置に切り替える。そして、変位機構によって調整部材群を軸線方向において変位させることで、調整部材群を受け部材群に近づける。これにより、切り替え後の調整部材の当接面に各受け部材の軸部の第２端が当接されることで、軸線方向における各受け面の位置を、当該調整部材の当接面の形状に沿わせることができる。

【発明の効果】

【0010】

本発明によれば、形状の異なる複数種類の物品を受けることができる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】治具の一実施形態を示す斜視図。

【図2】同実施形態の受け部材を中心に示す断面図。

【図3】同実施形態の調整部材群を示す斜視図。

【図4】同実施形態の受け部材の受け部を中心に拡大して示す斜視図。

【図5】同実施形態の受け部材と調整部材とが離れている状態を示す側面図。

【図6】同実施形態の受け部材と調整部材とが当接している状態を示す側面図。

【図7】変更例の受け部材を中心に示す断面図。

【発明を実施するための形態】

【0012】

以下、図１～図６を参照して、一実施形態について説明する。
本実施形態の治具１０は、車両用ドアトリムの基材に対して各種部品を組み付ける作業を行う際に当該基材を受ける装置である。

【0013】

以下、治具１０の各構成について説明する。
図１に示すように、治具１０は、平面視長方形枠状のベース部９１と、ベース部９１の４つの角部から上下方向（以下、上下方向Ｙ）に沿って上方に向かって延在する４つの支柱９２とを有している。なお、ベース部９１の下面の各角部には、都合４つのキャスタ９３が設けられている。

【0014】

図１及び図２に示すように、各支柱９２の上端部には、平面視略長方形板状の支持部材３１の各角部が固定されている。支持部材３１には、厚さ方向、すなわち上下方向Ｙに貫通する複数の孔３２が設けられている。複数の孔３２は、支持部材３１の長辺方向に沿って互いに間隔をおいて設けられている。本実施形態では、複数の孔３２が長辺方向において等間隔にて設けられている。複数の孔３２は、支持部材３１の短辺方向に沿って互いに間隔をおいて設けられている。本実施形態では、複数の孔３２が短辺方向において等間隔にて設けられている。

【0015】

図２に示すように、各孔３２には、軸部２２が挿通されている。軸部２２の上端２３には、長方形板状の受け部２５が設けられている。なお、上端２３が本発明に係る第１端に相当する。

【0016】

軸部２２及び受け部２５により、受け部材２１が構成される。軸部２２は、支持部材３１によって、軸部２２の軸線方向、すなわち上下方向Ｙに沿って変位可能に支持されている。

【0017】

上記短辺方向において並列して配置される複数の受け部材２１によって受け部材群２０が構成される。本実施形態では、受け部材群２０が上記長辺方向において互いに間隔をおいて複数設けられている。

【0018】

以降において、受け部材群２０を構成する複数の受け部材２１の並列方向、すなわち本実施形態における上記短辺方向を並列方向Ｘとして説明する。また、上下方向Ｙ及び並列方向Ｘの双方に直交する方向、すなわち本実施形態における上記長辺方向を直交方向Ｚとして説明する。

【0019】

図４に示すように、受け部２５は、平面視長方形状をなし、上記基材を受ける受け面２５ａを有している。受け部２５の板厚方向は、並列方向Ｘと一致している。したがって、受け面２５ａの短辺方向及び長辺方向は、それぞれ並列方向Ｘ及び直交方向Ｚと一致している。

【0020】

図２に示すように、受け部２５の下面と支持部材３１の上面との間には、スペーサ３３が設けられている。スペーサ３３は、軸部２２が挿通される中心孔３３ａを有している。
図１に示すように、各支柱９２の上下方向Ｙの中間部には、平面視略長方形状の連結板３４の各角部が固定されている。連結板３４の並列方向Ｘ及び直交方向Ｚの双方における中央部には、厚さ方向に貫通する図示しない挿通孔が設けられている。

【0021】

図１、図５及び図６に示すように、連結板３４の下面には、第１の電動シリンダ５１が固定されている。第１の電動シリンダ５１は、上記挿通孔に挿通されるとともに連結板３４よりも上方に突出する出力軸５１ａを有している。第１の電動シリンダ５１は、出力軸５１ａを上下方向Ｙに沿って変位させる。出力軸５１ａの上端には、平面視略長方形状をなす可動板３５が固定されている。可動板３５は、第１の電動シリンダ５１によって上下方向Ｙに沿って変位可能である。また、連結板３４の各角部付近には、厚さ方向に貫通する図示しない都合４つの案内孔が設けられている。可動板３５の下面の各角部付近には、下方に向かって延在する都合４つの案内柱５２の上端が固定されている。各案内孔に各案内柱５２が挿通されることで、可動板３５の上下方向Ｙに沿った変位が案内される。

【0022】

図１に示すように、可動板３５の上面には、直交方向Ｚに沿って延在する一対のレール３６が並列方向Ｘに互いに間隔をおいて設けられている。
各レール３６には、レール３６の延在方向、すなわち直交方向Ｚに沿ってスライド可能な複数のスライド部材４５が直交方向Ｚに互いに間隔をおいて設けられている。本実施形態では、１つのレール３６に対して２つのスライド部材４５が設けられている。

【0023】

各スライド部材４５の上面には、平面視略長方形板状の固定部材４４が固定されている。
図２及び図３に示すように、固定部材４４の上面には、複数の調整部材群４０が直交方向Ｚに互いに間隔をおいて設けられている。

【0024】

複数の調整部材群４０は、複数の受け部材群２０にそれぞれ対応して設けられている。
各調整部材群４０は、直交方向Ｚに互いに間隔をおいて並列して配置された３つの調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃを有している。

【0025】

各調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃは、並列方向Ｘに沿って延びる板状である。各調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃの板厚方向は、直交方向Ｚと一致している。各調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃの上端面は、各受け部材２１の軸部２２の下端２４に当接される当接面４３ａ，４３ｂ，４３ｃである。なお、軸部２２の下端２４が本発明に係る第２端に相当する。各調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃの並列方向Ｘにおける当接面４３ａ，４３ｂ，４３ｃの形状の変化態様は互いに異なっている。

【0026】

図１、図５及び図６に示すように、可動板３５の下面には、第２の電動シリンダ６１が固定されている。第２の電動シリンダ６１は、直交方向Ｚに沿って延在する出力軸６１ａを有している。第２の電動シリンダ６１は、出力軸６１ａを直交方向Ｚに沿って変位させる。出力軸６１ａの先端と固定部材４４の下面とは、連結部材４６を介して連結されている。なお、可動板３５には、連結部材４６を逃がすための図示しない逃がし孔が設けられている。

【0027】

以上、説明した本実施形態では、第１の電動シリンダ５１と、４つの案内柱５２と、挿通孔及び４つの案内孔を有する連結板３４と、可動板３５とによって、複数の調整部材群４０を上下方向Ｙにおいて変位させる変位機構５０が構成されている。

【0028】

また、第２の電動シリンダ６１と、連結部材４６と、固定部材４４と、可動板３５と、一対のレール３６と、スライド部材４５とによって、切替機構６０が構成されている。
切替機構６０は、各受け部材群２０が各調整部材群４０から離れている状態において、固定部材４４を直交方向Ｚに沿って変位させることにより、受け部材群２０を構成する各調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃのうちの１つを上下方向Ｙにおいて各軸部２２の下端２４に対向する対向位置に切り替える。

【0029】

次に、本実施形態の作用について説明する。
図６に示すように、例えば各調整部材４１ａの当接面４３ａに各受け部材２１の軸部２２の下端２４が当接されることで、上下方向Ｙにおける各受け面２５ａの位置を、当該各調整部材４１ａの当接面４３ａの形状に沿わせることができる。

【0030】

一方、他の種類のドアトリムの基材に対して各種部品を組み付ける作業を行うべく、各受け面２５ａの位置を変更する際には、図５に示すように、第１の電動シリンダ５１を作動させて各調整部材群４０を下方に変位させることで各調整部材群４０を各受け部材群２０から離す。この状態において、各受け部材２１は、自重により降下し、受け部２５の下面がスペーサ３３に当接する。また、この状態において、第２の電動シリンダ６１を作動させて各調整部材４１ａ～４１ｃのうちの１つ、例えば調整部材４１ｂを上下方向Ｙにおいて各軸部２２の下端２４に対向する対向位置に切り替える。そして、第１の電動シリンダ５１を作動させることによって各調整部材群４０を上昇させることで、各調整部材群４０を各受け部材群２０に近づける。これにより、切り替え後の調整部材４１ｂの当接面４３ｂに各受け部材２１の軸部２２の下端２４が当接されることで、上下方向Ｙにおける各受け面２５ａの位置を、当該調整部材４１ｂの当接面４３ｂの形状に沿わせることができる。

【0031】

次に、本実施形態の効果について説明する。
（１）治具１０は、受け部材群２０と、支持部材３１と、調整部材群４０とを備えている。受け部材群２０は、軸部２２、及び軸部２２の上端２３に設けられ、受け面２５ａを有する受け部２５を備える複数の受け部材２１を含み、各軸部２２が互いに間隔をおいて並列して配置されている。支持部材３１は、軸部２２の上下方向Ｙに沿って各軸部２２を変位可能に支持している。調整部材群４０は、当接面４３ａ，４３ｂ，４３ｃを有し、下端２４が当接面４３ａ，４３ｂ，４３ｃに当接されることで上下方向Ｙにおける各受け面２５ａの位置を調整するとともに、各軸部２２の並列方向Ｘにおける当接面４３ａ，４３ｂ，４３ｃの形状の変化態様が互いに異なる複数の調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃを含んでいる。

【0032】

また、治具１０は、調整部材群４０を上下方向Ｙにおいて変位させる変位機構５０と、各受け部材群２０が調整部材群４０から離れている状態において、各調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃのうちの１つを上下方向Ｙにおいて各軸部２２の下端２４に対向する対向位置に切り替える切替機構６０とを備えている。

【0033】

こうした構成によれば、上述した作用を奏するため、形状の異なる複数種類のドアトリムを受けることができる。
（２）調整部材群４０を構成する各調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃを直交方向Ｚにおいて並列した状態で固定する固定部材４４を備えており、切替機構６０は、固定部材４４を直交方向Ｚに沿って変位させることにより、各調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃのうちの１つを対向位置に切り替える。

【0034】

こうした構成によれば、固定部材４４を直交方向Ｚに沿って変位させることで調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃを容易に切り替えることができる。また、調整部材群４０を直交方向Ｚに沿って並列した状態で固定部材４４に固定すればよいため、固定部材４４を直交方向Ｚに沿って延びる軸線を中心に回転させることで調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃを切り替える構成に比べて、治具１０全体の体格を小さくできる。

【0035】

（３）受け部材群２０は、直交方向Ｚにおいて互いに間隔をおいて複数設けられており、調整部材群４０は、各受け部材群２０に対応して複数設けられている。
こうした構成によれば、受け部材２１が並列方向Ｘ及び直交方向Ｚの双方において間隔をおいて配置される。これにより、上下方向Ｙにおける各受け面２５ａの位置を並列方向Ｘ及び直交方向Ｚの双方において設定することができる。したがって、ドアトリムを安定して受けることができる。

【0036】

（４）各受け面２５ａは、長方形状であり、受け面２５ａの長辺方向が直交方向Ｚと一致しており、受け面２５ａの短辺方向が並列方向Ｘと一致している。
上記構成においては、調整部材群４０を構成する各調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃが直交方向Ｚにおいて並列した状態で固定部材４４に固定されている。このため、直交方向Ｚにおいて互いに隣り合う受け部材２１同士の間隔を小さくする上で制約となる。

【0037】

一方、並列方向Ｘにおいて互いに隣り合う受け部材２１同士の間隔は、直交方向Ｚにおいて互いに隣り合う受け部材２１同士の間隔よりも小さくすることが可能である。
この点、上記構成によれば、各受け面２５ａの形状が長方形状であり、受け面２５ａの長辺方向及び短辺方向がそれぞれ直交方向Ｚ及び並列方向Ｘと一致している。このため、直交方向Ｚ及び並列方向Ｘの双方において互いに隣り合う受け部材２１同士の間隔を小さくすることと、受け面２５ａの面積を大きくすることとを両立できる。したがって、ドアトリムを安定して受けることができる。

【0038】

＜変更例＞
上記実施形態は、例えば以下のように変更して実施することもできる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。

【0039】

・第１の電動シリンダ５１や第２の電動シリンダ６１に代えて、油圧シリンダなどの他のアクチュエータを採用することもできる。
・第１の電動シリンダ５１によって可動板３５を上下方向Ｙに沿って変位させることができるのであれば、案内柱５２を省略してもよい。

【0040】

・第２の電動シリンダ６１によって固定部材４４を直交方向Ｚに沿って変位させることができるのであれば、レール３６やスライド部材４５を省略してもよい。
・各調整部材群４０を各受け部材群２０から離すために、第１の電動シリンダ５１を作動させて各調整部材群４０を下方に変位させても、受け部材２１の軸部２２が支持部材３１の孔３２の内面にひっかかることで受け部材２１がスペーサ３３に当接するまで降下しないおそれがある。

【0041】

図７に示すように、軸部２２における下端２４と支持部材３１との間にフランジ２２ａを設け、支持部材３１とフランジ２２ａとの間に圧縮ばね３９などの付勢部材を設けることで、受け部材２１を当接面４３ａ，４３ｂ，４３ｃに向けて付勢することもできる。

【0042】

上記構成によれば、調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃの当接面４３ａ，４３ｂ，４３ｃと軸部２２の下端２４との間に隙間が生じることを抑制できる。これにより、受け部材２１をスペーサ３３に当接するまで降下させることができる。したがって、上下方向Ｙにおける受け面２５ａの位置を、調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃの当接面４３ａ，４３ｂ，４３ｃの形状に沿わせることができる。

【0043】

・受け面２５ａの長辺方向を並列方向Ｘに一致させるとともに、短辺方向を直交方向Ｚと一致させるようにしてもよい。
・受け部２５は長方形板状に限定されるものではなく、半円球状など他の形状にすることもできる。

【0044】

・上記実施形態では、固定部材４４を直交方向Ｚに沿って変位させることにより、各調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃのうちの１つを対向位置に切り替える切替機構６０について例示した。切替機構６０は、固定部材を回転させることによって各調整部材４１ａ，４１ｂ，４１ｃのうちの１つを対向位置に切り替える構成であってもよい。この場合、例えば固定部材４４を並列方向Ｘに沿って延在する正四角柱などの正多角柱とし、当該正多角柱の各側面に調整部材群４０を設ける。そして、正多角柱の一対の底面の中心を通る回転軸を中心に固定部材４４を回転させればよい。

【0045】

・本発明に係る治具が受ける物品は、ドアトリムに限定されるものではなく、任意の物品に対して適用することができる。

【符号の説明】

【0046】

１０…治具、２０…受け部材群、２１…受け部材、２２…軸部、２２ａ…フランジ、２３…上端（第１端）、２４…下端（第２端）、２５…受け部、２５ａ…受け面、３１…支持部材、３２…孔、３３…スペーサ、３３ａ…中心孔、３４…連結板、３５…可動板、３６…レール、３９…圧縮ばね（付勢機構）、４０…調整部材群、４１ａ，４１ｂ，４１ｃ…調整部材、４３ａ，４３ｂ，４３ｃ…当接面、４４…固定部材、４５…スライド部材、４６…連結部材、５０…変位機構、５１…第１の電動シリンダ、５１ａ…出力軸、５２…案内柱、６０…切替機構、６１…第２の電動シリンダ、６１ａ…出力軸、９１…ベース部、９２…支柱、９３…キャスタ。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】