(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】ロール保持盤
(51)【国際特許分類】
B65D 85/672 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
B65D85/672
(21)【出願番号】P 2019027157
(22)【出願日】2019-02-19
【審査請求日】2021-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】西村 翔馬
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-067395(JP,A)
【文献】特開2010-235128(JP,A)
【文献】米国特許第05344013(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/672
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状の保持対象物の端側平面と対向する平板部と、
前記平板部の略中央に設けられ、前記保持対象物の芯材を支持する芯材支持部と、
前記平板部の厚み方向へ延びることによって前記平板部の周面を構成する側壁部と、
前記平板部から前記平板部の厚み方向へ凹んだ凹部と、
バンドが掛けられるバンド掛け部とを備え、
前記凹部は、
前記平板部の厚み方向に略平行な凹部側壁と、
前記凹部側壁の端面の側で前記凹部側壁に連なる凹部底壁と、
前記凹部側壁と、前記凹部底壁とに亘って形成され、前記凹部の外方へ張り出した曲面部とを備え、
前記凹部側壁は、
前記側壁部に対向する凹部対向壁と、
前記凹部側壁と前記凹部対向壁とを連結する凹部連結壁とを備え、
前記バンド掛け部は、前記凹部側壁、前記凹部底壁、及び前記曲面部で構成されることを特徴とするロール保持盤。
【請求項2】
ロール状の保持対象物の端側平面と対向する平板部と、
前記平板部の略中央に設けられ、前記保持対象物の芯材を支持する芯材支持部と、
前記平板部の厚み方向へ延びることによって前記平板部の周面を構成する側壁部と、
前記平板部から前記平板部の厚み方向へ凹んだ凹部と、
バンドが掛けられるバンド掛け部とを備え、
前記凹部は、
前記平板部の厚み方向に略平行な凹部側壁と、
前記側壁部に対向する凹部対向壁と、
前記凹部側壁と前記凹部対向壁とを連結する凹部連結壁と、
前記凹部側壁の端面の側で前記凹部側壁に連なる凹部底壁と、
前記凹部側壁と前記凹部底壁とに亘って形成され、前記凹部の外方へ張り出した曲面部とを備え、
前記バンド掛け部は、前記凹部側壁、前記凹部底壁、及び前記曲面部で構成されることを特徴とするロール保持盤。
【請求項3】
前記凹部側壁は、前記側壁部の一部である凹部兼用壁を備え、
前記凹部は、前記凹部兼用壁の端面又は前記端面の近傍まで前記平板部の厚み方向へ凹んでいることを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載のロール保持盤。
【請求項4】
ロール状の保持対象物の端側平面と対向する平板部と、
前記平板部の略中央に設けられ、前記保持対象物の芯材を支持する芯材支持部と、
前記平板部の厚み方向へ延びることによって前記平板部の周面を構成する側壁部と、
前記平板部から前記平板部の厚み方向へ凹んだ凹部と、
バンドが掛けられるバンド掛け部とを備え、
前記凹部は、
前記平板部の厚み方向に略平行な凹部側壁と、
前記凹部側壁の端面の側で前記凹部側壁に連なる凹部底壁と、
前記凹部の外方へ張り出した曲面部とを備え、
前記凹部側壁は、
前記側壁部の一部である凹部兼用壁と、
前記側壁部に対向する凹部対向壁と、
前記凹部兼用壁と前記凹部対向壁とを連結する凹部連結壁とを備え、
前記曲面部は、前記凹部兼用壁と、前記凹部底壁とに亘って形成されており、
前記バンド掛け部は、前記凹部側壁、前記凹部底壁、及び前記曲面部で構成されることを特徴とするロール保持盤。
【請求項5】
前記平板部は、
前記保持対象物の前記端側平面と対向する側とは反対側の外面において格子状に立設された格子リブと、
前記外面の略中央に立設された円状リブと、
前記格子リブの一部であって、前記円状リブと前記凹部対向壁との間に渡設された連結リブとを備えることを特徴とする
請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のロール保持盤。
【請求項6】
前記平板部の隅において、前記平板部の厚み方向に沿って設けられた脚部を備え、
前記脚部の一部が前記凹部連結壁であることを特徴とする
請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のロール保持盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール保持盤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、バンド掛けが行われるロール保持盤に関し、種々の技術が提案されている。例えば、下記特許文献1に記載のロール製品用プロテクターは、広幅の帯状製品を中空心部に巻回してなるロール製品を輸送・保管するためのプロテクターにおいて、裏面で前記ロール製品の端面を押える方形の基板部と、前記ロール製品の中空心部の中空孔に挿入可能に前記基板部の裏面中央に突設した円筒部からなり該円筒部内周に複数個の補強リブを軸方向に設けたロール製品支持用円筒部と、前記基板部の裏面四角に突設した、三角形の断面形状を有する筒状体からなる段積み用脚部と、該脚部の先端を挿入可能に前記基板部の表面四角に設けた段積み用凹部とを具備してなる硬質合成樹脂成形体であって、前記基板部の各辺長を前記ロール製品の外径よりも長くするとともに、前記脚部の脚長を前記円筒部の全長よりも長くしたことを特徴とするものである。また、前記基板部の各側面中央に梱包用バンド溝を設けると、輸送や保管中の荷崩れを防止することができる。
【0003】
上記構成のプロテクターをロール製品に適用するには、一対のプロテクターの基板部裏面でロール製品の両端面を押えて挟持するとともに、円筒部をロール製品の中空心部の中空孔に挿入してロール製品を支持し、必要に応じ、バンド溝に2本の梱包用バンドを十字状に掛けて全体を緊締する。この作業は、基板部と円筒部とが一体成形されているので簡単である。このようにプロテクターを適用したロール製品は、水平状態に段積みした時、上段のプロテクターの基板部及び脚部の下面が対応する下段のプロテクターの基板部及び脚部の上面に載る。そのため、ロール製品どうしが水平方向に少々ずれても荷崩れするおそれはない。使用しないプロテクターは、段積みして輸送・保管する。その際、上段のプロテクターの脚部先端を下段のプロテクターの基板部表面に設けた凹部に挿入し、必要に応じて、バンド溝に梱包用バンドを掛けて全体を緊締しておく。これにより、プロテクターどうしのずれがなくなり、荷崩れが防止される。なお、プロテクターは、硬質合成樹脂からなるので耐久性に富む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、梱包用バンドは、全体を緊締するために、バンド溝に掛けられると、バンド溝内にある基板部の角部分で擦り切れる虞があった。また、バンド溝内にある基板部の角部分が、梱包用バンドで変形して破損する虞があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、バンド掛け部の破損やバンドの擦り切れを防止するロール保持盤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、ロール保持盤であって、ロール状の保持対象物の端側平面と対向する平板部と、平板部の略中央に設けられ、保持対象物の芯材を支持する芯材支持部と、平板部の厚み方向へ延びることによって平板部の周面を構成する側壁部と、平板部から平板部の厚み方向へ凹んだ凹部と、バンドが掛けられ
るバンド掛け部とを備え、凹部は、平板部の厚み方向に略平行な凹部側壁と、凹部側壁の端面の側で凹部側壁に連なる凹部底壁と、凹部側壁と凹部底壁とに亘って形成され、凹部の外方へ張り出した曲面部とを備え、凹部側壁は、側壁部に対向する凹部対向壁と、凹部側壁と凹部対向壁とを連結する凹部連結壁とを備え、バンド掛け部は、凹部側壁、凹部底壁、及び曲面部で構成されることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のロール保持盤であって、凹部側壁は、側壁部の一部である凹部兼用壁を備え、凹部は、凹部兼用壁の端面又は端面の近傍まで平板部の厚み方向へ凹んでいることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載のロール保持盤であって、平板部は、保持対象物の端側平面と対向する側とは反対側の外面において格子状に立設された格子リブと、外面の略中央に立設された円状リブと、格子リブの一部であって、円状リブと凹部対向壁との間に渡設された連結リブとを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載のロール保持盤であって、平板部の隅において、平板部の厚み方向に沿って設けられた脚部を備え、脚部の一部が凹部連結壁であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、請求項2、請求項4に係る発明のロール保持盤において、ロール状の保持対象物が保持される際は、平板部に保持対象物の端側平面を対向させると共に、芯材支持部で保持対象物の芯材を支持させた状態で、バンド掛け部にバンドが掛けられる。バンド掛け部を構成する曲面部は、その掛けられたバンドが圧接するものであるが、凹部の外方へ張り出した、比較的大きな曲面である。これにより、請求項1、請求項2、請求項4に係る発明のロール保持盤は、バンド掛け部の破損やバンドの擦り切れを防止する。
【0014】
請求項3に係る発明のロール保持盤において、凹部側壁は、側壁部の一部である凹部兼用壁を備えており、側壁部の外方からバンド掛け部にバンドが掛けられるため、バンドを掛けることが容易である。
【0015】
請求項1に係る発明のロール保持盤において、バンド掛け部を構成する曲面部が形成された凹部側壁は、側壁部に対向する凹部対向壁と、凹部側壁と凹部対向壁とを連結する凹部連結壁とを備えている。これにより、請求項1に係る発明のロール保持盤において、バンド掛け部は、強度が高まるので、バンドが掛けられることによって力が作用しても、変形・破損し難い。
【0016】
請求項5に係る発明のロール保持盤では、平板部の外面に設けられた格子リブ、円状リブ、及び連結リブによって、バンド掛け部の強度が一層に高まるので、バンド掛け部が変形・破損し難い。
【0017】
請求項6に係る発明のロール保持盤では、平板部の隅において、凹部連結壁が、平板部の厚み方向に沿って設けられた脚部の一部である。そのため、バンド掛け部に対して、バ
ンドが掛けられることによって力が作用しても、その力は、凹部連結壁を介して、脚部に分散される。よって、請求項6に係る発明のロール保持盤では、バンド掛け部の変形等が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施形態のロール保持盤で保持対象物を保持する際の状態が表された斜視図である。
【
図2】同ロール保持盤の平板部が表された斜視図である。
【
図3】同ロール保持盤の平板部が表された斜視図である。
【
図4】同ロール保持盤の平板部の外面が表された斜視図である。
【
図6】同ロール保持盤の平板部の外面が表された平面図である。
【
図7】同ロール保持盤の平板部が表された平面図である。
【
図8】同ロール保持盤を段積みで使用した状態の一例が表された斜視図である。
【
図9】同ロール保持盤の使用状態の一例を
図8の線C-Cに相当する線で切断した断面が表された斜視図である。
【
図10】
図9の使用状態にあるロール保持盤を
図8の線C-Cに相当する線で切断した断面が表された図である。
【
図11】同ロール保持盤が積み重ねられた状態で表された斜視図である。
【
図12】
図11の積み重ね状態にある同ロール保持盤を
図11の線E-Eで切断した断面が表された図である。
【
図13】同ロール保持盤の変更例が表された斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るロール保持盤について、具体化した本実施形態に基づき、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図1に表されたように、本実施形態のロール保持盤1は、ロール状の保持対象物100をその端側平面102から一対で挟んだ状態で保持するものであって、ポリプロピレン等の樹脂を材料として金型成形されたものである。保持対象物100は、円筒状の芯材104に対して、例えば、フィルム等が巻回されたものである。芯材104は、保持対象物100において、端側平面102から突出している。
【0022】
【0023】
図2及び
図3に表されたように、本実施形態のロール保持盤1は、平板部10、芯材支持部20、脚部30、側壁部40、及び凹部50等を備えている。平板部10は、その厚み方向Dから視て、略正方形状をなしている。芯材支持部20は、円筒形状をなしており、平板部10の略中央において、平板部10の厚み方向Dへ突出して設けられている。脚部30は、平板部10の四隅において、芯材支持部20と同じ方向へ突出して設けられている。つまり、脚部30は、平板部10の厚み方向Dに沿って設けられている。脚部30には、平板部10の厚み方向Dから視て、半円状の平面凸部31が突設されている。これにより、脚部30は、本実施形態のロール保持盤1の自立安定性を確保している。
【0024】
側壁部40は、平板部10の四辺において、芯材支持部20及び脚部30の突出方向とは反対方向へ延びることによって、平板部10の周面を構成している。つまり、側壁部40は、平板部10の厚み方向Dへ延びている。側壁部40は、側凸部42、側凹部44、溝46、及び側平部48を含んでいる。側凸部42は、側壁部40において、平板部10の外方へ突出した部位である。側凹部44は、側壁部40において、平板部10の内方へ凹んだ部位である。溝46は、側壁部40において、平板部10の厚み方向Dに沿って設けられた細長い凹みの部位である。側平部48は、側壁部40において、平板部10の厚み方向Dに沿って設けられた平らな部位である。
【0025】
凹部50は、平板部10から平板部10の厚み方向Dへ凹んだものである。凹部50は、平板部10の四辺において、各辺の略中央の位置と、各辺の両端側の脚部30に隣接する位置に設けられている。脚部30に隣接する凹部50において、平板部10の外方側に位置する側凸部42は、溝46を兼用している。
【0026】
尚、以下の説明では、平板部10の厚み方向Dを、「厚み方向D」と略記することがある。
【0027】
図4乃至
図6に表されたように、凹部50は、凹部側壁52、凹部底壁54、及び曲面部56を備えている。凹部側壁52は、厚み方向Dに平行な壁であって、凹部兼用壁52A、凹部対向壁52B、及び一対の凹部連結壁52Cを備えている。凹部兼用壁52Aは、側壁部40の一部であって、側壁部40の側凸部42又は溝46を兼用している。凹部対向壁52Bは、凹部兼用壁52Aに対して、本実施形態のロール保持盤1の内方側で対向するようにして設けられたものである。一対の凹部連結壁52Cは、凹部兼用壁52Aと凹部対向壁52Bとを厚み方向Dに沿って連結するようにして設けられたものである。
【0028】
凹部底壁54は、芯材支持部20及び脚部30の突出方向とは反対方向に位置する側壁部40(凹部側壁52)の端面40Aの側において、凹部側壁52(つまり、凹部兼用壁52A、凹部対向壁52B、及び一対の凹部連結壁52C)に連なるようにして設けられたものである。曲面部56は、凹部50の外方へ張り出すように曲がった壁であって、凹部側壁52の凹部兼用壁52Aと凹部底壁54とに亘って設けられたものである。このようにして、凹部50は、側壁部40の端面40Aまで凹んでいるが、側壁部40の端面40Aの近傍まで凹んでいてもよい。
【0029】
脚部30は、その内部において、脚部30の突出方向へ凹んだ脚凹部32が設けられている。脚凹部32(つまり、脚部30)を形成する壁の一部は、一対の凹部連結壁52Cの一方を構成している。
【0030】
バンド掛け部70は、側壁部40の一部(つまり、凹部50の凹部側壁52の凹部兼用壁52A)、凹部底壁54、及び曲面部56で構成されるものである。
【0031】
外面12は、上記の平板部10の裏面である。外面12には、格子リブ14A、円状リブ14B、連結リブ14C、及び斜めリブ14D等が、芯材支持部20及び脚部30の突出方向とは反対方向へ突出するようにして垂設されている。格子リブ14Aは、縦リブと横リブとが交差した状態で設けられたものである。円状リブ14Bは、外面12の略中央に設けられたものであって、円筒状をなし、芯材支持部20に略連なっている。連結リブ14Cは、格子リブ14Aの一部であって、円状リブ14Bと、側壁部40の略中央に位置する凹部50の凹部対向壁52Bとの間に渡し設けられたものである。斜めリブ14Dは、円状リブ14Bと脚部30との間に渡し設けられたものである。
【0032】
図7に表されたように、平板部10には、ドーナツ状の対向領域16が含まれている。対向領域16は、平らな面が連続した平坦領域であって、本実施形態のロール保持盤1で保持対象物100が保持された際において、保持対象物100の端側平面102が向かい合うものである。対向領域16は、各バンド掛け部70(及び凹部50)から距離的に離間している。
【0033】
尚、上記の外面12は、上述したように、平板部10の裏面であるので、平板部10において、保持対象物100の端側平面102と対向する側とは反対側にある。
【0034】
本実施形態のロール保持盤1は、例えば、
図8に表されたように、2個の保持対象物100を段積み状態で保持することが可能である。あるいは、
図9及び
図10に表されたように、本実施形態のロール保持盤1は、1個の保持対象物100を保持することが可能である。そのためには、本実施形態のロール保持盤1は、平板部10の厚み方向Dが保持対象物100の芯材104の円筒高さ方向に沿った状態において、芯材支持部20が保持対象物100の芯材104に嵌入され、平板部10が保持対象物100の芯材104に当接又は近接するまで、保持対象物100の端側平面102に向けて移動させられる。これにより、芯材支持部20が保持対象物100の芯材104を支持すると共に、平板部10の対向領域16が保持対象物100の端側平面102と距離的に離間した状態で対向する。
【0035】
このようにして、保持対象物100は、一対のロール保持盤1で挟まれる。更に、一対のロール保持盤1の間では、各側壁部40の略中央において、相対するバンド掛け部70にバンドBが掛け渡される。これにより、バンド掛け部70を構成する側壁部40の一部(つまり、凹部50の凹部側壁52の凹部兼用壁52A)、凹部底壁54、及び曲面部56には、バンドBが圧接した状態で掛けられるので、保持対象物100は、一対のロール保持盤1に挟まれた状態で緊締される。もっとも、バンドBは、各側壁部40の端側(脚部30の側)において、相対するバンド掛け部70に掛け渡されてもよい。
【0036】
尚、保持対象物100は、一対のロール保持盤1に挟まれた状態で、段ボールで梱包されてもよい。そのような場合には、保持対象物100は、一対のロール保持盤1によって、段ボール内で浮いた状態になるので、外部からの衝撃から保護され、傷付きが防止される。
【0037】
上記の
図8に表されたように、本実施形態のロール保持盤1が2個の保持対象物100を段積み状態で保持する場合には、上段のロール保持盤1と下段のロール保持盤1との間において、バンドBが掛け渡される。更に、上段のロール保持盤1と下段のロール保持盤1との間において、側壁部40の側凸部42及び側凹部44が嵌合することによって、段積み状態のガタつきが防止される。この点は、本実施形態のロール保持盤1が3個以上の保持対象物100を段積み状態で保持する場合も同様である。また、本実施形態のロール保持盤1が複数個の保持対象物100を左右方向に並べた状態で保持する場合も同様である。
【0038】
本実施形態のロール保持盤1は、例えば、
図11及び
図12に表されたようにして、厚み方向Dが上下方向に沿った状態で積み重ねられることが可能である。尚、以下の説明では、
図11及び
図12で示すように、上側のロール保持盤に関する符号には「X」を付し、下側のロール保持盤に関する符号には「Y」を付す。
【0039】
上側のロール保持盤1Xが下側のロール保持盤1Yに積み重ねられると、上側のロール保持盤1Xの脚部30Xの脚凹部32Xに対して、下側のロール保持盤1Yの脚部30Yの平面凸部31が入り込む。その際、上側のロール保持盤1Xの脚部30Xでは、脚凹部32Xの壁面及び脚凹部32Xの壁面から互いに直交する方向において脚部30Xの内方へ突出する2個の規制リブ34Xの端面が、下側のロール保持盤1Yの脚部30Yの平面凸部31に近接する。これにより、上側のロール保持盤1Xと下側のロール保持盤1Yとが積み重ねられた状態において、上側のロール保持盤1Xと下側のロール保持盤1Yの相対的な位置決めがなされると共に、ガタつきが防止される。この点は、
図11及び
図12に表された上側のロール保持盤1Xと下側のロール保持盤1Yの積み重ね状態が、上下方向で逆さまになっても、同様である。
【0040】
以上詳細に説明した通り、本実施形態のロール保持盤1において、ロール状の保持対象物100が保持される際は、平板部10に保持対象物100の端側平面102を対向させると共に、芯材支持部20で保持対象物100の芯材104を支持させた状態で、バンド掛け部70にバンドBが掛けられる。バンド掛け部70を構成する曲面部56は、その掛けられたバンドBが圧接するものであるが、凹部側壁52(の凹部兼用壁52A)と凹部底壁54とに亘って形成され、凹部50の外方へ張り出した、比較的大きな曲面である。これにより、本実施形態のロール保持盤1は、バンド掛け部70の破損やバンドBの擦り切れを防止している。
【0041】
この点、バンドBが圧接する部位は、凹部側壁52と凹部底壁54とに及ぶ場合もある。しかしながら、そのような場合であっても、凹部側壁52と凹部底壁54は、
図5及び
図9等に表されたように、平面を有する壁で構成されているため、曲面部56と協働するようにして、バンドBの擦り切れを防止している。
【0042】
本実施形態のロール保持盤1において、凹部側壁52は、側壁部40の一部である凹部兼用壁52Aを備えており、側壁部40の外方からバンド掛け部70にバンドBが掛けられるため、バンドBを掛けることが容易である。
【0043】
本実施形態のロール保持盤1において、バンド掛け部70を構成する曲面部56が形成された凹部側壁52は、側壁部40(の一部である凹部兼用壁52A)に対向する凹部対向壁52Bと、側壁部40(凹部兼用壁52A)と凹部対向壁52Bとを連結する一対の凹部連結壁52Cとによって、四面の枠で構成されている。これにより、本実施形態のロール保持盤1において、バンド掛け部70は、強度が高まるので、バンドBが掛けられることによって力が作用しても、変形・破損し難い。
【0044】
本実施形態のロール保持盤1では、平板部10の外面12に設けられた格子リブ14A、円状リブ14B、及び連結リブ14Cによって、バンド掛け部70の強度が一層に高まるので、バンド掛け部70が変形・破損し難い。
【0045】
本実施形態のロール保持盤1では、平板部10の四隅において、凹部連結壁52Cが、平板部10の厚み方向Dに沿って設けられた脚部30の一部になっている。そのため、バンド掛け部70に対して、バンドBが掛けられることによって力が作用しても、その力は、凹部連結壁52Cを介して、脚部30に分散される。これにより、本実施形態のロール保持盤1では、バンド掛け部70の変形等が抑制されている。
【0046】
本実施形態のロール保持盤1では、平板部10において、保持対象物100の端側平面102と向かい合う対向領域16が一つの平坦領域で構成されているので、保持対象物100の端側平面102が傷つくことが防止されている。
【0047】
本実施形態のロール保持盤1では、対向領域16が各バンド掛け部70から距離的に離間しているので、各バンド掛け部70に掛けられたバンドBによって保持対象物100が傷つくことがない。
【0048】
本実施形態のロール保持盤1では、平板部10に設けられた凹部50によって、バンド掛け部70に対応する部位の厚肉化が防止されている。これにより、ロール保持盤1の樹脂成形後の変形が防止されると共に、ロール保持盤1の軽量化が図られている。
【0049】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、
図13に表れたように、平板部10の対向領域16と芯材支持部20との間において、ドーナツ状の台座部110が設けられてもよい。台座部110は、平板部10から芯材支持部20の突出方向へ突出するようにして設けられており、保持対象物100の芯材104と当接又は近接することによって、保持対象物100の芯材104と平板部10とを距離的に離間させた状態にする。これにより、保持対象物100(の端側平面102)と平板部10との接触防止性が高められる。
【0050】
また、ロール保持盤1(つまり、平板部10)は、円形又はその他の多角形等であってもよい。平板部10には、複数の貫通孔が設けられていてもよい。バンド掛け部70は、側壁部40以外に設けられていてもよい。格子リブ14A等のリブが、側壁部40と凹部側壁52の間にあってもよい。
【0051】
また、対向領域16は、例えば、複数の凹部を含むことによって、複数の平らな面(つまり、平坦領域)が連なったものであってもよい。
【0052】
また、芯材支持部20は、平板部10の内方に入り込んだ湾入部であってもよいし、平板部10に設けられた穴であってもよい。その穴は、貫通していてもよいし、貫通していなくてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 ロール保持盤
10 平板部
12 外面
14A 格子リブ
14B 円状リブ
14C 連結リブ
16 対向領域
20 芯材支持部
30 脚部
40 側壁部
40A 端面
50 凹部
52 凹部側壁
52A 凹部兼用壁
52B 凹部対向壁
52C 凹部連結壁
54 凹部底壁
56 曲面部
70 バンド掛け部
100 保持対象物
102 端側平面
104 芯材
B バンド
D 平板部の厚み方向