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特許7237389物品の原産資格調査を依頼及び管理する方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】物品の原産資格調査を依頼及び管理する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0831 20230101AFI20230306BHJP
【FI】
G06Q10/0831
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021565858
(86)(22)【出願日】2021-08-03
(86)【国際出願番号】 JP2021028864
【審査請求日】2021-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】518430041
【氏名又は名称】株式会社東京共同トレード・コンプライアンス
(74)【代理人】
【識別番号】110003786
【氏名又は名称】HIPF弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】内山 ▲隆▼太郎
【審査官】玉木 宏治
(56)【参考文献】
【文献】特許第6886217(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより輸出品の原産資格の調査を依頼及び管理する方法であって、
前記コンピュータが、
輸出者からの輸出品についての原産資格の調査依頼を受信し、
前記輸出品が前記輸出者からの支給品を含むことを決定し、
前記支給品についての調査依頼を選択可能に表示し、
前記支給品についての調査依頼が選択されたことに応答して、前記支給品についての調査依頼を作成し、
前記支給品についての調査依頼が作成されたことを前記輸出者に通知し、
前記支給品についての調査依頼を前記輸出者に送信することを含み、
前記支給品についての調査依頼が対応する原産資格調査依頼の情報を含み、
前記輸出品が前記輸出者からの支給品を含むことを決定することが、前記輸出品又はその部品毎に仕入れ先を特定することができるテーブルを参照し、又は生産者端末により指定された仕入れ先名を参照して、仕入れ先が前記輸出者が指定した者であることを決定することを含む、
原産資格調査依頼及び管理方法。
【請求項2】
前記輸出品についての原産資格の調査依頼が、前記輸出品に含まれる支給品の情報を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記輸出品に含まれる支給品の情報が、前記輸出品の輸出者により供給された 支給品であることを示す情報を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記輸出品の輸出者により供給された支給品が、前記輸出者がサプライヤから調達した支給品を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記輸出品が前記輸出者からの支給品を含むことを決定することが、前記輸出者を仕入先に指定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記調査依頼が希望回答期限を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記支給品についての調査依頼を作成することが、
前記支給品である旨を示すコードを付与することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記支給品である旨を示すコードがダミーHSコードを含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記支給品についての調査依頼を作成することが、
前記支給品である旨を示すフラグを立てることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記支給品についての調査依頼を選択可能に表示することが、前記支給品について既に行われた調査結果が利用可能である旨表示することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記支給品がサプライヤから調達した支給品である場合、前記支給品についての調査依頼を前記サプライヤに対して送信することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
さらに、前記サプライヤからの前記支給品についての調査回答を受信することを含み、前記調査回答が部品名、HSコード、生産工場名、生産場所、原産資格の有無、有効期限のうち少なくとも1つを有する生産情報を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記サプライヤからの前記支給品についての調査回答を受信したことに応答して、前記輸出品についての原産資格の調査回答を前記輸出者に送信することを含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
さらに、前記調査依頼の進捗状況を表示することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記調査依頼の進捗状況の表示が、依頼中、調査中、回答済のうち少なくとも1つを含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記輸出者からの輸出品についての調査依頼を受信することが、第三者を介して受信することを含み、
前記支給品についての調査依頼を前記輸出者に送信することが、前記第三者を介して送信することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
コンピュータに、
輸出者からの輸出品についての原産資格の調査依頼を受信することと、
前記輸出品が前記輸出者からの支給品を含むことを決定することと、
前記支給品についての調査依頼を選択可能に表示することと、
前記支給品についての調査依頼が選択されたことに応答して、前記支給品についての調査依頼を作成することと、
前記支給品についての調査依頼が作成されたことを前記輸出者に通知することと、
前記支給品についての調査依頼を前記輸出者に送信すること
を実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
前記支給品についての調査依頼が対応する原産資格調査依頼の情報を含み、
前記輸出品が前記輸出者からの支給品を含むことを決定することが、前記輸出品又はその部品毎に仕入れ先を特定することができるテーブルを参照し、又は生産者端末により指定された仕入れ先名を参照して、仕入れ先が前記輸出者が指定した者であることを決定することを含む、
前記記録媒体。
【請求項18】
輸出品の原産資格の調査を依頼及び管理するシステムであって、
輸出品についての原産資格の調査依頼を送信し、該調査依頼の回答を受信するように構成された輸出者端末と、
前記輸出品についての原産資格の調査依頼を受信し、前記輸出品が輸出者からの支給品を含む場合に前記支給品についての調査依頼を作成したこと及び前記支給品についての調査依頼を前記輸出者端末に送信するように構成された生産者端末とを含み、
前記支給品についての調査依頼が対応する原産資格調査依頼の情報を含み、
前記輸出品が前記輸出者からの支給品を含む場合が、生産者端末が、前記輸出品又はその部品毎に仕入れ先を特定することができるテーブルを参照し、又は生産者端末により指定された仕入れ先名を参照して、仕入れ先が前記輸出者が指定した者であることを決定した場合である、
原産資格調査依頼及び管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、物品の原産資格調査を依頼及び管理する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
幅広い経済関係の強化を目指して、貿易や投資の自由化・円滑化の実現を図るべく、世界中で自由貿易協定(Free Trade Agreement: FTA)の締結は加速する傾向にある。近年では2国間のFTAに留まらず、メガFTAとよばれる広域の自由貿易圏を構築する動きも、活発になってきている。我が国においても環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership: CPTPP)、日EU・経済連携協定(Economic Partnership Agreement: EPA)が発効され、メガFTA時代の幕開けを迎えている。貿易障壁撤廃に伴う域内貿易の更なる拡大効果により、輸入国の消費者は同じ輸入財・サービスをより安く国内に流通させることができ、一方、輸出者はサプライチェーンの再設計によるコスト削減や商機拡大によるメリットを享受できる可能性が広がってきている。今後、FTAの活用は、国際商取引の標準となることが予測され、実務を担う輸出国側では、事業全体に大きな影響を与えるテーマとして輸出者・生産者・サプライヤを巻き込んだ対応が求められることが想定される。このように、国際通商ルールの変革のさなか、企業の通商戦略の策定は急務とされており、関税削減効果を享受するための全体での仕組みづくりが重要となってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2021/029001号パンフレット
【文献】特開平4-160671号公報
【文献】特開2002-73760号公報
【文献】特開2003-323522号公報
【文献】特表2003-535401号公報
【文献】特許第5650090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
FTAのメリットを適切な法令遵守のもとで享受するためには、実務を担う輸出国の主体者(輸出者)が生産者、サプライヤとの協力体制を構築し、対応を図ることが必要とされてきている。その準備は発効済みの既存協定に加え、新たに発効したCPTPP、日EU・EPAへの正確な理解、リスク対策など多岐に及ぶ。FTA利用における「原産品」となるためには、協定で定められた原産地規則を満たすことが条件とされている。但し、原産地規則が複雑である為、原産資格の証明作業は煩雑で想像以上に負荷のかかる作業となっている。また、一企業の担当者が、サプライチェーンに関連する各協定の原産地規則すべてをマンパワーで把握するには自ずと限界があると推測される。原産資格の証明は、企業責任に基づく証明であり、正しい証明を行うには、リスクと効率性を考慮した仕組み作りが重要となってくる。さらにCPTPP、日EU・EPAにおいては、従来の第三者機関による判定証明でなく自己申告制度を取り入れている。
【0005】
このように、各企業として証明する方法の確立、これにかかるコンプライアンス体制の整備は益々深い課題となってきている。また、原産資格を証明する書類が妥当な内容であったか、書類は適切に保管されているかなどの管理体制が問われる場合も多くなってくることが推測される。
【0006】
また、例えば自動車の製造のように、完成車メーカー、部品メーカー、2次部品メーカー等のように階層的に分業されている場合、原産資格の調査を迅速かつ効率的に行う方法及びシステムが望まれる。
【0007】
また、原産資格の調査の対象である物品の生産にあたり、その構成材料に発注委託企業からの支給品を含み、双方向の取引関係がある場合でも、原産資格の調査を迅速かつ効率的に行う方法及びシステムが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術は、例えば、コンピュータにより、輸出品の原産資格の調査を依頼及び管理する方法であって、コンピュータが、輸出者からの輸出品についての原産資格の調査依頼を受信し、輸出品が輸出者からの支給品を含むことを決定し、支給品についての調査依頼を選択可能に表示し、支給品についての調査依頼が選択されたことに応答して、支給品についての調査依頼を作成し、支給品についての調査依頼を輸出者に送信することを含む、原産資格調査依頼及び管理方法を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本技術の実施例による原産資格調査及び管理システムを示す図である。
図2】本技術の実施例による原産資格調査及び管理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
原産資格証明の取得に当たっては、典型的には輸出者が生産者に物品の原産資格の調査及び証明を依頼する。物品が生産者以外のサプライヤにより生産された部品を含む場合は、さらに生産者がサプライヤに当該部品の原産資格の調査及び証明を依頼する。なお、本明細書において「輸出者」は、輸出品だけでなく国内生産に供される部品に対する原産資格調査を行う者も含み、輸出品はこの国内生産に供される部品も含むものとする。
【0011】
図1に本技術の実施例による原産資格調査管理システム100を示す。
【0012】
原産資格調査管理システム100は、ネットワーク110に有線又は無線で通信可能に接続された、サーバ120、輸出者端末130、生産者端末140、サプライヤA端末150、サプライヤB端末160を含む。
【0013】
ネットワーク110は、インターネットであってもよく、プライベートネットワーク、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、第5世代移動通信システム(5G)であってもよい。
【0014】
サーバ120は、プロセッサ及びメモリを含み、ネットワーク110を介して輸出者端末130、生産者端末140、サプライヤA端末150、サプライヤB端末160と通信する機能を有するコンピュータである。輸出者端末130は、プロセッサ及びメモリを含み、インターネットを介してサーバ120と通信する機能を有するコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォン等であり、生産者端末140、サプライヤA端末150、サプライヤB端末160も同様である。サプライヤA端末150、サプライヤB端末160は、それぞれ2つ以上であってもよく、さらにサブ・サプライヤ端末(図示せず)を含んでもよい。
【0015】
輸出者端末130は、輸出者(最終組立者であってもよい)が輸出しようとする産品や生産物、加工品等の物品がFTA、CPTPP、EPA等の協定において自国で生産されたものとして認定される原産資格を有するか否かについての生産者端末140に対する調査依頼をサーバ120に送信し、生産者端末140からの調査回答をサーバ120から受信する。調査依頼は、物品名及び/又はHSコード(「商品の名称及び分類についての統一システム(Harmonized Commodity Description and Coding System)に関する国際条約(HS条約)」に基づいて定められたコード番号)を含んでもよい。調査依頼は、さらに、物品を構成する部品(部材を含む。以下同じ)のそれぞれの部品名及び/又はHSコード、部品を生産・供給するサプライヤ名及び/又はサプライヤコードを含んでもよい。調査依頼は、さらに、部品を構成する子部品のそれぞれの子部品名及び/又はHSコード、子部品を生産・供給するサプライヤ名及び/又はサプライヤコードを含んでもよい。調査依頼は、当該産品の生産にあたり、輸出者からの支給品が存在する旨の連絡を含んでもよい。調査依頼は、さらに、調査依頼日及び/又は原産資格についての有効期限を含んでもよい。また、依頼に対する希望回答期限を含んでもよい。サーバ120は、輸出者端末130から調査依頼を受信したことを生産者端末140に通知してもよい。
【0016】
生産者端末140は、輸出者端末130からの調査依頼に応答して、又は調査依頼に先立って、物品を構成する部品のそれぞれの部品名及び/又はHSコード、生産工場名や生産場所などの生産にかかる情報、原産資格の有無及びその有効期限等を調査回答としてサーバ120に送信する。調査回答は部品を供給するサプライヤ名及び/又はサプライヤコードを含んでもよい。調査回答は、さらに、部品についての材料費、利益、製造方法、材料リスト、部品リスト、原価を含んでもよい。また、生産者端末140及び/又はサーバ120において、調査回答のうち少なくとも一部が他の端末に開示さないよう設定可能にしてもよい。
【0017】
部品がサプライヤAにより生産者に供給された子部品(サブコンポーネント)を含む場合、生産者端末140は、必要に応じて、当該子部品が原産資格を有するか否かについてのサプライヤA端末150に対する調査依頼をサーバ120に送信し、サプライヤA端末150からの調査回答をサーバ120から受信する。調査依頼は、子部品名及び/又はHSコードを含んでもよい。調査依頼は、さらに、子部品を構成する孫部品のそれぞれの孫部品名及び/又はHSコード、孫部品を生産・供給するサブ・サプライヤ名及び/又はサブ・サプライヤコードを含んでもよい。調査依頼は、さらに、調査依頼日及び/又は原産資格についての希望有効期限を含んでもよい。サーバ120は、生産者端末140から調査依頼を受信したことをサプライヤA端末150に通知してもよい。
【0018】
サプライヤA端末150は、生産者端末140からの調査依頼に応答して、又は調査依頼に先立って、部品を構成する子部品のそれぞれの子部品名及び/又はHSコード、原産資格の有無及びその有効期限等を調査回答としてサーバ120に送信してもよい。調査回答は子部品を供給するサプライヤ名及び/又はサプライヤコードを含んでもよい。調査回答は、さらに、子部品についての生産地に掛かる情報、材料費、利益、製造方法、材料リスト、部品リスト、原価を含んでもよい。また、サプライヤA端末150及び/又はサーバ120において、調査回答のうち少なくとも一部が他の端末に開示さないよう設定可能にしてもよい。
【0019】
サーバ120は、調査依頼の対象である物品又は部品が輸出者自身又は輸出者の指定したサプライヤBから提供された支給品を含むことを決定してもよい。サーバ120は、例えば物品又は部品毎に仕入れ先を特定することができるテーブルを参照し、又は生産者端末140により指定された仕入れ先名を参照して、仕入れ先が調査の依頼者と同一である場合又は調査の依頼者が指定した者である場合に支給品であると決定してもよい。なお、支給品は依頼者から直接提供された部品だけでなく商社等を介して間接的に提供された物品又は部品を含んでもよい。また、支給品は有償であっても無償であってもよい。テーブルは、例えば部品の階層構造を示す部品表(BOM)と、各部品、子部品、孫部品の直接又は間接の仕入れ先の情報を組み合わせたものであってもよい。また、テーブルは、生産者端末140により予め作成されてもよい。
【0020】
物品を構成する部品がサプライヤBにより生産され輸出者を介して生産者に提供された支給品を含む場合、生産者端末140の画面上に支給品調査依頼を選択可能に表示してもよい。サーバ120は、テーブルを参照して、当該部品が輸出者により提供される、又はサプライヤBから輸出者を経由して提供される場合に支給品を含むことを決定してもよい。支給品調査依頼は、例えば画面上に支給品調査依頼であることを示したクリックボタンを表示して、当該クリックボタンがクリックされたときに支給品調査依頼が作成されるようにしてもよい。支給品調査は依頼されなくてもよく、依頼された後にキャンセルされてもよい。
【0021】
生産者端末140は、必要に応じて、当該支給品が原産資格を有するか否かについて、輸出者端末130又はサプライヤB端末160に対する調査依頼をサーバ120に送信し、輸出者端末130又はサプライヤB端末160からの調査回答をサーバ120から受信する。調査依頼は、部品名及び/又はHSコードを含んでもよい。調査依頼は、ダミーの部品及び/又はHSコードを含んで支給品であることを明示してもよい。調査依頼は、支給品である旨を示すフラグを立てることを含んでもよい。調査依頼は、さらに、部品を構成する子部品(サブコンポーネント)のそれぞれの子部品名及び/又はHSコード、子部品を生産・供給するサブ・サプライヤ名及び/又はサブ・サプライヤコードを含んでもよい。調査依頼は、さらに、調査依頼日及び/又は原産資格についての希望有効期限を含んでもよい。サーバ120は、生産者端末140から支給品調査依頼を受信したことを輸出者端末130又はサプライヤB端末160に通知してもよい。
【0022】
輸出者端末130又はサプライヤB端末160は、生産者端末140からの支給品調査依頼に応答して、又は支給品調査依頼に先立って、支給品名及び/又はHSコード、原産資格の有無及びその有効期限等を調査回答としてサーバ120に送信してもよい。調査回答は子部品を供給するサプライヤ名及び/又はサプライヤコードを含んでもよい。調査回答は、さらに、子部品についての材料費、利益、製造方法、材料リスト、部品リスト、原価を含んでもよい。また、サプライヤB端末160及び/又はサーバ120において、調査回答のうち少なくとも一部が他の端末に開示さないよう設定可能にしてもよい。
【0023】
図2に本技術の実施例による原産資格調査の依頼及び管理方法200を示す。
【0024】
ステップ210で、輸出者端末130からの原産資格調査依頼情報の入力を経て、原産資格調査依頼及び管理方法200をサーバ120において開始する。
【0025】
次に、ステップ220で、サーバ120は、輸出者端末130から生産者端末140に対する、輸出品の原産資格の調査依頼を受信する。輸出品の原産資格の調査依頼は、輸出品に含まれる支給品の情報(輸出品に支給品が含まれる旨の情報を含む)を含んでもよい。
【0026】
次に、ステップ230で、生産者端末140がサーバ120を経て送信された原産資格の調査依頼を受信し、原産資格調査を開始する。生産者端末140において入力された原産資格調査の情報をもとに、サーバ120は、輸出品に輸出者からの支給品が含まれることを決定する。サーバ120は、輸出品に含まれる少なくとも1つの部品が、輸出者により供給された場合、その仕入れ先が当該輸出者である場合、輸出者がサプライヤから調達した場合、又は生産者端末において輸出者を仕入先に指定した場合に、当該部品が支給品であると決定してもよい。
【0027】
ステップ230で輸出品の原産資格調査においてその構成材料に輸出者又は発注委託企業からの支給品が含まれることが決定されると、ステップ240で、サーバ120は、支給品についての調査依頼を選択可能に表示する。サーバ120は、支給品について既に行われた調査結果が利用可能である旨表示してもよい。
【0028】
支給品についての調査依頼が選択された場合、ステップ250で、サーバ120は、支給品についての調査依頼を作成する。調査依頼の作成は、HSコードが特定できない支給品である旨を示すダミーHSコードを付与することを含んでもよい。サーバ120は、さらに、支給品の提供者(例えば輸出者端末130)又はその指定した者(例えばサプライヤB端末160)に対して支給品についての調査依頼が作成されたことを通知してもよい。支給品についての調査依頼は、対応する原産資格調査依頼の情報を含んでもよい。
【0029】
次に、ステップ260で、サーバ120は、支給品についての調査依頼を輸出者端末130に送信する。支給品がサプライヤから調達されたものである場合、サーバ120は、支給品についての調査依頼をサプライヤに対して送信してもよい。
【0030】
さらに、生産者端末140が、サプライヤからの支給品についての調査回答を受信し、それに応答して、輸出品についての原産資格の調査回答を輸出者に送信するようにしてもよい。
【0031】
次に、ステップ270で、原産資格調査依頼及び管理方法200を終了する。
【0032】
本実施例において、さらに、輸出者端末130及び/又は生産者端末140において調査依頼の進捗状況を表示するように構成してもよい。調査依頼の進捗状況の表示は、例えば、依頼中、調査中、回答済又はこれらの組み合わせであってよい。
【0033】
また、輸出者からの輸出品についての調査依頼は、第三者を介して生産者端末140が受信するようにしてもよく、支給品についての輸出者端末130に対する調査依頼は当該第三者を介して送信するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本技術は、例えば、原産資格の調査を迅速かつ効率的に行うことを可能にする方法及びシステムを提供する。
【符号の説明】
【0035】
100 原産資格調査管理システム
110 ネットワーク
120 サーバ
130 輸出者端末
140 生産者端末
150 サプライヤA端末
160 サプライヤB端末
【要約】
物品の原産資格調査を依頼及び管理する方法及びシステムを提供する。
本技術による原産資格調査管理方法は、例えば、コンピュータにより、物品の原産資格の調査を管理する方法であって、コンピュータが、物品に支給品が含まれることを決定し、支給品についての調査依頼を選択可能に表示し、支給品についての調査依頼が選択されたことに応答して、支給品についての調査依頼を作成することを含む、原産資格調査依頼及び管理方法を含む。

図1
図2