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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】収容体
(51)【国際特許分類】
   B42F 7/00 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
B42F7/00 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019011685
(22)【出願日】2019-01-25
(65)【公開番号】P2020116890
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-12-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載日 : 平成30年10月18日 掲載アドレス: https://www.kaunet.com/ https://www.kaunet.com/rakuraku/variation/00018198/ https://www.kaunet.com/kaunet/goods/43134816/ タイトル「カウネット katazuk 書類トレー」 公開者 :株式会社カウネット
(73)【特許権者】
【識別番号】501067193
【氏名又は名称】株式会社カウネット
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】武林 宏記
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-088579(JP,U)
【文献】実開昭55-052379(JP,U)
【文献】実開平07-004064(JP,U)
【文献】実開昭54-154028(JP,U)
【文献】実開昭54-120339(JP,U)
【文献】実開昭62-038178(JP,U)
【文献】実開昭59-153843(JP,U)
【文献】登録実用新案第3090890(JP,U)
【文献】特開2012-000179(JP,A)
【文献】特開平08-008112(JP,A)
【文献】特開2004-358887(JP,A)
【文献】実開昭52-090123(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 1/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着対象物に接着し得る接着部を有し、当該接着部を前記接着対象物に接着させた状態で使用される収容体であって、
一枚板である基材を所定の位置で折り曲げ成形することによって、内部に物品を収容し得る収容空間と当該収容空間に物品を収容するための開口部が形成されたものであり、
外面が外部に露出する主壁と、この主壁の両側端縁から前記主壁と交差する方向に延びた一対の側縁壁と、前記主壁における前記開口部の反対側の縁から前記主壁と交差する方向に延びた奥縁壁と、この奥縁壁の先端縁から内方に向かって延出した奥延出壁を備えてなるものであり、
前記一対の側縁壁の先端縁から内方に向かって延出し前記接着部を設けた一対の延出壁を備えており、これら一対の延出壁の先端部同士が互いに当接しないように構成されているものであり、
前記主壁の後端部分、前記奥縁壁、及び、前記奥延出壁によって、側面視において略コ字状をなす部分が形成されており、当該略コ字状をなす部分の両端部は、前記側縁壁により閉塞されておらず開放された形態をなしている収容体。
【請求項2】
前記接着部が、前記接着対象物に吸着し得る磁石を設けてなるものである請求項1記載の収容体。
【請求項3】
前記主壁における前記開口部側に、前記収容空間に収容された前記物品を取り出し易くする切欠部が形成されている請求項1又は2記載の収容体。
【請求項4】
前記基材が合成樹脂製のものである請求項1、2又は3記載の収容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の物品を収容し得る収容体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スチール製の家具等にマグネットを利用して吸着し得るように構成された収容体が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この種のものは、家具等に添着される比較的面積の大きな矩形板状のベースプレートを有しており、そのベースプレートを基礎としてその前側に書類等の収容部分等を設けているのが通常である。
【0004】
ところが、このような構成のものであると、ベースプレートの製造に要する材料(例えば、金属や合成樹脂)を減少させ難いため、製造コストを抑制し得る設計の自由度が制限されるものとなっていた。
【0005】
さらに、従来のものは、ベースプレートに対して書類等の収容部分を設ける製造工程が複雑化し易く、必ずしも簡単に製造し得るものとは言えなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開昭59-153843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、少なくとも、製造コストを抑制し得る設計の自由度に優れるとともに製造し易さに寄与し得る構成をなす収容体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0009】
請求項1に記載の発明は、接着対象物に接着し得る接着部を有し、当該接着部を前記接着対象物に接着させた状態で使用される収容体であって、一枚板である基材を所定の位置で折り曲げ成形することによって、内部に物品を収容し得る収容空間と当該収容空間に物品を収容するための開口部が形成されたものであり、外面が外部に露出する主壁と、この主壁の両側端縁から前記主壁と交差する方向に延びた一対の側縁壁と、前記主壁における前記開口部の反対側の縁から前記主壁と交差する方向に延びた奥縁壁と、この奥縁壁の先端縁から内方に向かって延出した奥延出壁を備えてなるものであり、前記一対の側縁壁の先端縁から内方に向かって延出し前記接着部を設けた一対の延出壁を備えており、これら一対の延出壁の先端部同士が互いに当接しないように構成されているものであり、前記主壁の後端部分、前記奥縁壁、及び、前記奥延出壁によって、側面視において略コ字状をなす部分が形成されており、当該略コ字状をなす部分の両端部は、前記側縁壁により閉塞されておらず開放された形態をなしている収容体である。
【0011】
請求項に記載の発明は、前記接着部が、前記接着対象物に吸着し得る磁石を設けてなるものである請求項1記載の収容体である。
【0012】
請求項に記載の発明は、前記主壁における前記開口部側に、前記収容空間に収容された前記物品を取り出し易くする切欠部が形成されている請求項1又は2記載の収容体である。
【0013】
請求項に記載の発明は、前記基材が合成樹脂製のものである請求項1、2又は3記載の収容体。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、製造コストを抑制し得る設計の自由度に優れるとともに製造し易さに寄与し得る構成をなす収容体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
図2】同実施形態における正面図。
図3】同実施形態における右側面図。
図4】同実施形態における平面図。
図5】同実施形態における使用状態の一例を説明するための斜視図。
図6】同実施形態における使用状態の一例を説明するための斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図1~6を参照して説明する。
【0017】
この実施形態は、本発明を、オフィス等に置かれた接着対象物である机Bに取り付けて使用され、主として物品である紙葉類Pを好適に収容し得るトレー状の収容体Aに適用したものである。
【0018】
ここで、「接着対象物」とは机Bに限られるものではないのはもちろんのことであり、「物品」とは紙葉類Pに限られるものではないのはもちろんのことである。本発明の一実施形態の説明では、接着対象物をその一例である机Bとし、物品をその一例である紙葉類Pとして説明するものとする。
【0019】
また、本発明は、図5に示すような机Bの下向き面に接着し開口部Kを前方に開放した使用形態を採り得るだけでなく、図6に示すような机Bの起立壁面に接着し開口部Kを上方に開放した使用姿勢も採り得るものとなっている。この明細書では、説明の便宜上、収容体Aに関する前後・上下・左右は、図1~5に示す姿勢、より具体的に言えば、机Bの下肢空間上に位置する配された引き出しb1の下向き面に接着した場合の姿勢に基づいて説明するものとする。
【0020】
収容体Aは、机Bに接着した状態で使用者の使用に供されるものとなっている。この実施形態では、収容体Aは、机Bの引き出しb1における下向き面に、磁石Mによる吸着力を利用して接着し得る接着部Sを有し、当該接着部Sを机Bに接着させた状態で使用されるものである。
【0021】
収容体Aは、一枚板である基材を所定の位置で折り曲げ成形することによって、内部に紙葉類Pを収容し得る収容空間spと当該収容空間spに紙葉類Pを収容するための開口部Kが形成されている。収容体Aの基材は、合成樹脂製(例えば、ポリ塩化ビニル製)のものである。収容体Aの収容空間spは、A4サイズの紙葉類P(及び、A4サイズよりも小さな大きさの紙葉類等)を折り曲げることなく収容し得る大きさに設定されている。
【0022】
収容体Aは、使用状態において、外面が外部すなわち下方に露出する主壁1と、主壁1の両側端縁から主壁1と交差する方向すなわち上方に延びた一対すなわち左右の側縁壁2と、左右の側縁壁2の先端縁たる上端縁から内方に向かって延出し上面側に接着部Sを設けた一対すなわち左右の延出壁3と、主壁1における開口部Kの反対側の縁たる後端縁から主壁1と交差する方向すなわち上方に延びた奥縁壁4と、奥縁壁4の先端縁から内方たる前方に向かって延出した奥延出壁5とを備えている。
【0023】
以下、この収容体Aについて詳述する。
【0024】
主壁1は、比較的大きな面積を有した水平板状をなしている。主壁1における開口部K側には、収容空間spに収容された紙葉類Pを取り出し易くする切欠部11が形成されている。
【0025】
左右の側縁壁2は、主壁1に対して略直交する方向に起立した姿勢をなしている。左右の側縁壁2は、収容空間spに収容された紙葉類Pが左右方向に移動することを規制し得る部位をなす。左右の側縁壁2は、側面視において前後方向に延びた長方形状をなしている。
【0026】
左右の延出壁3は、それぞれ水平板状をなしている。左右の延出壁3の外方端縁は左右の側縁壁2に連設されている。左右の延出壁3は、平面視において前後方向に延びた長方形状をなしている。
【0027】
左右の延出壁3は、先端部である内方端縁3t同士が互いに当接しないように構成されている。すなわち、左右の延出壁3の内方端縁3t同士は離れた構成をなしている。換言すれば、収容体Aは、左の延出壁3の内方端縁3tと右の延出壁3の内方端縁3tとの間に離間空間rを形成したものとなっている。
【0028】
左右の延出壁3の上面側には、接着部Sが設けられている。この実施形態における接着部Sは、机Bの金属性部分に吸着し得るシート状の磁石M(いわゆるマグネットシート)を設けてなるものである。
【0029】
なお、収容体Aは、机Bに接着された状態で使用されるため、左右の延出壁3間の離間空間rは、机Bの接着対象面により覆われるものとなっている。換言すれば、収容体Aにおける離間空間rは、接着対象面(机Bの引き出しb1の下向き面)によって塞がれ得るように構成されている。
【0030】
奥縁壁4は、主壁1に対して略直交する方向に起立した姿勢をなしている。奥縁壁4は、収容空間spに収容された紙葉類Pが奥方に移動することを規制し得る部位をなしている。奥縁壁4は、正面視又は背面視において左右方向に延びた長方形状をなしている。
【0031】
奥延出壁5は、水平板状をなしている。奥延出壁5は、平面視において左右方向に延びた長方形状をなしている。奥延出壁5の前端縁は、左右の延出壁3の後端縁に当接しないように構成されている。すなわち、奥延出壁5の前端縁5eと左右の延出壁3の後端縁3eは離れた構成をなしている。
【0032】
この実施形態では、主壁1の後端部分、奥縁壁4、及び、奥延出壁5によって、側面視において略コ字状をなす部分(以下、「コ字状部分C」という。)が形成されている。そして、コ字状部分Cの左右両端部は、左右の側縁壁2により閉塞されておらず、左右方向に開放された形態すなわち収容空間spと外部空間とが連通し得る形態をなしている。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に係る収容体Aは、接着対象物たる机Bに接着し得る接着部Sを有し、当該接着部Sを机Bに接着させた状態で使用されるものである。そして、収容体Aは、一枚板である基材を所定の位置で折り曲げ成形することによって、内部に物品を収容し得る収容空間spと当該収容空間spに物品たる紙葉類Pを収容するための開口部Kが形成されている。
【0034】
収容体Aは、外面が外部に露出する主壁1と、この主壁1の両側端縁から主壁1と交差する方向に延びた左右の側縁壁2と、主壁1における開口部Kの反対側の縁から主壁1と交差する方向に延びた奥縁壁4とを備えてなるものである。左右の側縁壁2の先端縁から内方に向かって延出し接着部Sを設けた左右の延出壁3を備えており、これら左右の延出壁3の先端部同士が互いに当接しないように構成されている。
【0035】
このため、製造コストを抑制し得る設計の自由度に優れるとともに製造し易さに寄与し得る構成をなす収容体Aを提供することができるものとなる。
【0036】
つまり、接着部Sを設けた左右の延出壁3の先端部同士が互いに当接しないように構成されている。このため、紙葉類Pを収容し得る機能を損ねることなく製造コストの低減に資するように左右の延出壁3の材料を少なくすることが可能となる。換言すれば、従来のようなベースプレートを設ける必要がないにもかかわらず、必要な紙葉類Pの収容機能を無理なく発揮し得る収容体Aを提供することができるものとなっている。しかも、収容体Aは、一枚板である基材を所定の位置で折り曲げ成形して作られたものであるため、製造工数を低減し易く製造し易さに寄与し得る好適な構成を備えたものとなっている。
【0037】
奥縁壁4の先端縁から内方に向かって延出した奥延出壁5を備えている。このため、収容空間spに収容された紙葉類Pが奥縁壁4の近傍から外部に抜け出してしまうことを好適に抑制し得るものとなっている。
【0038】
接着部Sが、接着対象物である机Bに吸着し得る磁石を設けてなるものである。このため、収容体Aを磁力による吸着力を利用して机Bに対して簡単に取り付けることができるものとなっている。
【0039】
主壁1における開口部K側に、収容空間spに収容された紙葉類Pを取り出し易くする切欠部が形成されている。このため、使用者の手が主壁1の前端縁に干渉し難くなり紙葉類Pの取り出しを容易に行うことができるものとなっている。
【0040】
基材が合成樹脂製のものである。このため、熱可塑性に優れ、収容体Aを形成するための折り曲げ成形を好適に実施し得るものとなっている。換言すれば、収容体Aにおける主壁1、後縁壁2、延出壁3、奥縁壁4、及び、奥延出壁5は、合成樹脂により一体に構成されたものとなっているため、全体的な強度に優れた構成が実現されたものとなっている。
【0041】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0042】
接着対象物は、机に限られたものではなく、接着部が接着し得るものであればどのようなものであってもよいのはもちろんのことである。なお、接着対象物の例としては、建物の壁面や家具(机やワゴンや棚やホワイトボート等)の外面等を挙げることができる。
【0043】
収容体の姿勢は収容空間に収容される物品が落下しない態様で種々の姿勢を採り得るものである。
【0044】
例えば、図6に示すように、収容体Aは、机Bの収納部b1の起立壁面に接着し開口部Kを上方に開放した使用姿勢を採るようにしてもよい。
【0045】
物品とは、紙葉類に限られるものではなく、収容空間に収容され得るものであればどのようなものであってもよいのは言うまでもない。なお、紙葉類の例としては、用紙、ノート、雑誌等の冊子等を挙げることができる。また、物品には、紙葉類を収容し得るファイルやフォルダー等を挙げることができる。
【0046】
接着部は、磁石を利用したものに限られるものではなく、例えば、両面テープ等の接着剤を利用したものであってもよいし、吸盤を利用したものであってもよい。
【0047】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…主壁
2…側縁壁
3…延出壁
4…奥縁壁
A…収容体
B…机(接着対象物)
K…開口部
P…紙葉類(物品)
S…接着部
sp…収容空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6