(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】保護包装形成装置
(51)【国際特許分類】
B65B 9/067 20120101AFI20230306BHJP
B65B 51/10 20060101ALI20230306BHJP
B65B 51/16 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
B65B9/067
B65B51/10 N
B65B51/16 100
(21)【出願番号】P 2018550760
(86)(22)【出願日】2017-03-30
(86)【国際出願番号】 US2017025135
(87)【国際公開番号】W WO2017173140
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-03-27
(32)【優先日】2016-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507365695
【氏名又は名称】プレジス イノベーティブ パッケージング エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ウェッシュ, トーマス ディー.
(72)【発明者】
【氏名】オストワルド, ポール エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ワッツ, ウィリアム ジェームズ
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06605169(US,B2)
【文献】特開平10-194218(JP,A)
【文献】実開昭57-193604(JP,U)
【文献】特開2009-004232(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0250753(US,A1)
【文献】特表2013-516159(JP,A)
【文献】米国特許第08061110(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2006/0090421(US,A1)
【文献】米国特許第05376219(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/00-9/24
B65B 47/00-47/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリメリックウェブからなる第1の重なり層と第2の重なり層との間に流体を向ける流体導管を有する膨張アセンブリと、
下流方向に前記ウェブを駆動する駆動機構と、
基板、及び前記基板上に形成され、
振幅を有する波形形状を有す
るヒートトレースを含む加熱要素を有する薄いフィルム加熱器を有するシーリング機構と、
を有し、
前記薄いフィルム加熱器
の加熱要素は、前記第1の重なり層と前記第2の重なり層を加熱することにより、前記ウェブが
前記下流方向で前記シーリング機構を横切って移動するように前記駆動機構が前記ウェブを駆動するときに、前記ウェブである前記第1の重なり層と前記第2の重なり層とを一緒にシールし、その間に前記流体を閉じ込める長手方向のシールを生成
し、
前記波形形状の振幅は、前記長手方向のシールの幅を決定する、保護包装形成装置。
【請求項2】
前記シーリング機構は、前記ウェブと前記薄いフィルム加熱器との間に配置される低摩擦層をさらに有する、
請求項1に記載の保護包装形成装置。
【請求項3】
前記ウェブは、前記シーリング機構に対して直接係合し、前記シーリング機構の前記低摩擦層を横切って移動する、
請求項2に記載の保護包装形成装置。
【請求項4】
前記薄いフィルム加熱器は、
第1の層と第2の層と、
前記第1の層と前記第2の層との間に挟まれた加熱要素と、
を有し、
前記第1の層、前記第2の層および前記加熱要素が互いに結合されている、
請求項1に記載の保護包装形成装置。
【請求項5】
前記第1の層及び前記第2の層はポリイミドである、
請求項4に記載の保護包装形成装置。
【請求項6】
前記薄いフィルム加熱器は、前記駆動機構と前記ポリメリックウェブとに対して動作の間は固定されている、
請求項1に記載の保護包装形成装置。
【請求項7】
前記駆動機構は、前記シーリング機構に対して前記ウェブを圧縮する第1の圧縮要素を有する、
請求項1に記載の保護包装形成装置。
【請求項8】
前記第1の圧縮要素は回転可能である、
請求項7に記載の保護包装形成装置。
【請求項9】
前記駆動機構は、前記第1の圧縮要素に対して配置される第2の圧縮要素をさらに有し、前記ウェブが前記第1の圧縮要素と前記第2の圧縮要素との間で圧縮される、
請求項8に記載の保護包装形成装置。
【請求項10】
前記シーリング機構は、前記ウェブが前記第1の圧縮要素と前記第2の圧縮要素とにより前記シーリング機構に対して圧縮される前記ウェブとともに移動するときに、前記ウェブに接触する、
請求項9に記載の保護包装形成装置。
【請求項11】
前記第2の圧縮要素は、第1の部分と第2の部分とを有し、
前記シーリング機構は、前記第1の部分と前記第2の部分との間に少なくとも部分的に収容される、
請求項9に記載の保護包装形成装置。
【請求項12】
前記第1の圧縮要素と前記第2の圧縮要素とは、前記ウェブが前記シーリング機構を横切って移動するように直接駆動される、
請求項9に記載の保護包装形成装置。
【請求項13】
前記シーリング機構は、熱膨張の間に前記加熱要素の張力を保持するように構成される、
請求項4に記載の保護包装形成装置。
【請求項14】
前記波形形状は正弦波または矩形波である、
請求項1に記載の保護包装形成装置。
【請求項15】
前
記ヒートトレースは、前記基板上に蒸着により形成される、請求項1に記載の保護包装形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2016年3月30日に出願された「ヒートシーラー」という発明の名称である米国仮特許出願第62/315,518号に関する優先権を主張し、その開示は本明細書の一部を構成するものとしてここに組み込まれる。
【0002】
本開示は、包装材料に関する。より詳細には、本開示は、包装材料として使用される膨張可能な緩衝材を製造するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の膨張した緩衝材はよく知られており、種々の包装用途に使用されている。例えば、膨張した緩衝材は、発泡ピーナッツ(foam peanuts)、揉紙(crumpled paper)、および類似製品と同様またはそれに代わる方法により、空隙充填包装として使用されることが多い。また例えば、膨張した緩衝材は、成形または押出された包装構成要素の代わりに保護包装(protective packaging)として使用されることが多い。一般に、膨張した緩衝材は、シールにより互いに接合された2層のフィルムから形成される。シールは、中に空気を中に取り込みながら膨張すると同時に形成され、または、膨張前に膨張可能な空洞(chamber)を有するフィルムの構成を画定すると同時に形成される。膨張可能な空洞は、空気もしくは他の気体で膨張させることができ、または膨張させた後にシールして空気または気体の放出を防止または抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空洞を膨張させてシーリングする処理では、フィルムは、様々な加熱装置によりシールされる。いくつかの装置は、様々な駆動部品とともに移動する加熱要素を有する。例えば、駆動ドラムまたはベルトは、ドラムまたはベルトとともに移動する加熱要素を有する。また、加熱装置はしばしば、加熱装置が温度変化に適応できるような調整機構を有しない。このように、温度が上昇するにつれて、加熱装置の形状が変化し、加熱装置が材料をシールする方法の変化を生じさせる。このように、このシステムにおける改良が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態によると、保護包装形成装置は、ポリメリックウェブ(polymeric web)からなる、重なり層(overlapping plies)の間に流体を向ける流体導管を有する膨張アセンブリを有する。装置はまた、下流方向にフィルムを駆動する駆動機構を有する。装置はまた、フィルム層を一緒にシールする長手方向のシールを生成する層を加熱する薄いフィルム加熱器を有するシーリング機構を有する。駆動機構は、ウェブが下流方向で層の間に流体を閉じ込める加熱アセンブリを横切って移動するようにウェブを駆動する。
【0007】
いくつかの実施形態によると、加熱アセンブリは、ウェブと薄いフィルム加熱器との間に配置される低摩擦層をさらに有する。ウェブは、加熱アセンブリに対して直接係合し、加熱アセンブリの低摩擦層を横切って移動する。薄いフィルム加熱器はまた、第1の層と第2の層との間に挟まれた加熱要素を有する。第1の層、第2の層および加熱要素は、互いに結合されている。結合材料は、ポリイミドである。
【0008】
いくつかの実施形態によると、薄いフィルム加熱器は、駆動機構とポリメリックウェブとに対して動作の間は固定されている。駆動機構は、加熱アセンブリに対してウェブを圧縮する第1の圧縮要素を有する。第1の圧縮要素は、回転可能である。駆動機構は、ウェブが第1の圧縮要素と第2の圧縮要素との間で圧縮されるように第1の圧縮要素に対して配置される第2の圧縮要素をさらに有する。加熱アセンブリは、ウェブが第1の圧縮要素と第2の圧縮要素とにより加熱アセンブリに対して圧縮されるウェブとともに移動するときに、ウェブに接触する。第2の圧縮要素は、第1の部分と第2の部分とを有し、加熱アセンブリは、第1の部分と第2の部分との間で少なくとも部分的に受け取られる。第1の圧縮要素と第2の圧縮要素とは、ウェブが加熱アセンブリを横切って移動するように直接駆動される。
【0009】
いくつかの実施形態によると、加熱アセンブリは、熱膨張の間に加熱要素で張力を保持するように構成される。加熱要素は、波形形状を有する。一実施例では、波形形状は、正弦波である。一実施例では、波形形状は、矩形波である。
【0010】
いくつかの実施形態によると、保護包装形成装置は、ポリメリックウェブからなる第1の重なり層と第2の重なり層との間に流体を向ける流体導管を有する膨張アセンブリを有する。装置はまた、下流方向にフィルムを駆動する駆動機構を有する。装置はまた、駆動機構がウェブを駆動するときに、第1のフィルム層と第2のフィルム層を一緒にシールし、その間に流体を閉じ込める長手方向のシールを生成する層を加熱する加熱要素を有するシーリング機構を有する。加熱要素は、バネ引張機構が熱膨張の間に加熱要素で張力を維持し実質的に加熱要素を横切って張力を維持するように、加熱要素の長さに沿って加熱要素の膨張を吸収するバネ引張機構を有する。
【0011】
いくつかの実施形態によると、加熱要素は、加熱要素の一方の側に配置された固定接点(stationary contact)と、加熱要素の反対の側に配置されたバネ式接点(spring loaded contact)とを有する。一実施例では、バネ式接点は、加熱要素が加熱されて膨張すると板バネが緩みを取り除き加熱要素の張力を保つように、加熱要素ハウジング内に配置され、板バネの第1の端部は固定され、板バネの第2の端部は自由に浮動して曲げられ加熱要素内に所望の張力を生成する板バネである。他の実施例では、バネ式接点は、加熱要素が加熱されて膨張すると引張バネが緩みを取り除き加熱要素の張力を保つように、加熱要素ハウジング内に配置され、引張バネの第1の端部は固定され、引張バネの第2の端部は自由に浮動して曲げられ加熱要素内に所望の張力を生成する引張バネである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態による非膨張状態の材料のウェブの平面図である。
【
図2A】第1の実施形態による膨張シーリング装置の透視図である。
【
図2B】第1の実施形態による膨張シーリング装置のカバー有りの正面図である。
【
図2C】第1の実施形態による膨張シーリング装置のカバーなしの正面図である。
【
図2D】第1の実施形態による膨張シーリング装置の側面図である。
【
図3A】第2の実施形態による膨張シーリング装置の透視図である。
【
図3B】第2の実施形態による膨張シーリング装置のカバー有りの正面図である。
【
図3C】第2の実施形態による膨張シーリング装置のカバーなしの正面図である。
【
図4A】種々の実施形態による膨張シーリングアセンブリのカバーなしの詳細な正面図である。
【
図4B】種々の実施形態による膨張シーリングアセンブリの正面透視図である。
【
図5】
図4Bに示される断面A-Aに沿った加熱アセンブリの断面図である。
【
図6】一実施形態による加熱アセンブリの等軸測視図である。
【
図7A】一実施形態による加熱アセンブリの等軸測視図である。
【
図7B】一実施形態による加熱アセンブリの底面図である。
【
図7C】一実施形態による加熱アセンブリの分解立体図である。
【
図8A】一実施形態による加熱アセンブリの立体分解図である。
【
図8B】一実施形態による加熱アセンブリの下端の正面図である。
【
図8C】一実施形態による加熱アセンブリの底面図である。
【
図9】一実施形態による加熱アセンブリの模式図である。
【
図10A】一実施形態による加熱要素の模式的な平面図である。
【
図10B】一実施形態による
図10Aの加熱要素アセンブリの模式的な平面図である。
【
図10C】一実施形態による
図10Bの加熱要素アセンブリの模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、非膨張状態の材料を、包装および輸送用の緩衝材および保護材として使用される膨張緩衝材に変換する保護包装、システムおよび方法に関する。
【0014】
図1に示されるように、膨張可能な緩衝材のために多層の可撓性構造物100が提供される。可撓性構造物100は、第1の長手方向の縁部102と第2の長手方向の縁部104とを有する第1のフィルム層105と、第1の長手方向の縁部106と第2の長手方向の縁部108とを有する第2のフィルム層107とを有する。第2の層107は、第1の層105と重なってほぼ同一の広がりを有するような位置に整列される。すなわち、少なくともそれぞれの第1の長手方向の縁部102、106は互いに整列し、および/または、第2の長手方向の縁部104、108は互いに整列する。いくつかの実施形態では、層は、重なり合う領域において非膨張領域が部分的に重なってもよい。
【0015】
図1は、可撓性構造物100の平面図を示し、可撓性構造物100は、フィルム(film)100の第1の長手方向の縁部110と第2の長手方向の縁部112とを画定するために接合された第1および第2の層105、107を有する。第1および第2の層105、107は、可撓性構造物100材料の単一のシート、縁部にスリット(slit)または開口部を有する可撓性構造物100の平坦なチューブ、または可撓性構造物100の2枚のシートから形成されてもよい。例えば、第1および第2の層105、107は、接合された第2の縁部104、108(例えば、「c重フィルム(c-fold film)」)を画定するために折り畳まれた可撓性構造物100の単一のシートを有してもよい。また、例えば、第1および第2の層105、107は、第1の長手方向の縁部102、106に沿って整列したスリットを有する可撓性構造物のチューブ(例えば、平坦なチューブ)を有してもよい。また、例えば、第1および第2の層105、107は、整列した第2の縁部104、108に沿って互いに接合、シール、または他の方法でくっつけられた2つの独立した可撓性構造物のシートを有してもよい。
【0016】
可撓性構造物100は、当業者に公知の種々のウェブ材料から任意に形成することができる。このようなウェブ材料は、エチレンビニルアセテート(EVAs)、メタロセン、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、および高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレン樹脂、およびそれらを組合せたものを含んでもよいが、これに限られるものではない。他の材料および構成が使用されてもよい。開示された可撓性構造物100は、中空チューブ(hollow tube)、固形芯(solid core)に巻かれたり、もしくは扇状に折り畳まれたボックス(fan-folded box)に折り畳まれたり、または保管および出荷のために他の所望の形態で巻かれたり、折り畳まれたりしてもよい。
【0017】
図1に示されるように、可撓性構造物100は、可撓性構造物100の長手方向に沿って配置された一連の横方向のシール118を有してもよい。各横方向のシール118は、長手方向の縁部112から膨張経路(inflation channel)114と、図示された実施形態では第1の長手方向の縁部110とに向かって延びる。各横方向のシール118は、第2の長手方向の縁部112に近接する第1の端部122と、フィルム110の第1の長手方向の縁部110から横方向に距離dだけ離れた第2の端部124とを有する。空洞120は、長手方向のシール112と、一対の隣接する横方向のシール118とにより形成される境界内で画定される。
【0018】
図1に示される実施形態では、各横方向のシール118は、略直線であり、第2の長手方向の縁部112に対して略垂直に延びる。しかし、横方向のシール118の配置は、異なる配置が可能であることも理解される。例えば、いくつかの実施形態では、横方向のシール118は波状パターンまたはジグザグパターンを有してもよい。
【0019】
シールされた長手方向の縁部110、112と同様に横方向のシール118は、当業者に公知の種々の技術のいずれかから形成されてもよい。このような技術は、接着、摩擦、溶接、融着、熱シール、レーザーシール、および超音波溶接を含むが、これに限定されるものではない。
【0020】
また、長手方向の膨張経路114になり得る閉鎖経路のような膨張領域が設けられてもよい。
図1に示されるように、長手方向の膨張経路114は、横方向のシール118の第2の端部124と、フィルムの第1の長手方向の縁部110との間に配置される。好ましくは、長手方向の膨張経路114は、長手方向の側部110に沿って長手方向に延び、膨張開口部116は、長手方向の膨張経路114の少なくとも1つの端部に配置される。長手方向の膨張経路114は、横方向の幅Dを有する。好ましい実施形態では、横方向の幅Dは、長手方向の縁部101と第2の端部124との間の横方向の距離dと実質的に同じ幅である。しかし、他の構成では、他の適切な横方向の幅Dを使用できることが理解される。
【0021】
第2の長手方向の縁部112と横方向のシール118とは、膨張可能な空洞120の境界を協働して画定する。
図1に示されるように、各膨張可能な空洞120は、長手方向の膨張経路114に向かって開口する開口部125を介して長手方向の膨張経路114と流体連通しており、本明細書でさらに説明するように膨張可能な空洞120の膨張を可能にする。
【0022】
一実施形態では、横方向のシール118は、膨張可能な空洞120に向かって延びる1つ以上のノッチ(notch)128を有する。
図1に示されるように、対向するノッチ128は、隣接する一対の横方向のシール118に沿って長手方向に整列し、膨張可能な空洞120内の複数の空洞部分130を画定する。ノッチ118は、容易に曲げられまたは折り畳まれる可撓性構造物100の可撓性を高める屈曲可能な線を形成する。このような可撓性により、フィルム100は、規則的および不規則な形状の物体を包むことができる。空洞部分130は、隣接する空洞部分130と膨張経路114で流体連通している。ノッチは、いかなる形状または大きさでもよい。他の実施形態によると、横方向のシール118は、連続的であり、ノッチなどにより中断されない。
【0023】
一連の弱い線126(lines of weaknesses)は、フィルムの長手方向の範囲に沿って配置され、フィルム100の第1および第2の層を横切って横方向に延びる。各横方向の弱い線126は、第2の長手方向の縁部112から第1の長手方向の縁部110に向かって延びる。可撓性構造物100の各横方向の弱い線126は、一対の隣接する空洞120の間に配置される。好ましくは、
図1に示されるように、各弱い線126は、2つの隣接する横方向のシール118の間に配置され、2つの隣接する空洞120との間に配置される。横方向の弱い線126は、隣接する膨張可能な緩衝材120の分離を容易にする。
【0024】
横方向の弱い線126は、当業者に公知の種々の弱い線を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、横方向の弱い線126は、ミシン目の列を有し、ミシン目の列は、スリットとスリットを有しない領域(land)とを列の横方向の広がりに沿って交互に有する。スリットを有しない領域とスリットとは、列の横方向の範囲に沿って規則的または不規則な間隔で配置されてもよい。また、例えば、いくつかの実施形態では、横方向の弱い線126は、可撓性構造物に形成された分割線(score line)などを有してもよい。
【0025】
また、横方向の弱い線126は、当業者に公知の種々の技術から形成されてもよい。このような技術は、切断(例えば、バー、ブレード、ブロック、ローラー、ホイールなどの切断要素または歯付き要素を使用する技術)、および/または、スコアリング(scoring)(例えば、電磁的(例えば、レーザ)スコアリングおよび機械的スコアリングなどのように第1および第2の層の材料の強度または厚さを減少させる技術)を含んでもよいが、これに限られるものではない。
【0026】
好ましくは、膨張可能な空洞120の横方向の幅129は、幅3インチから幅約40インチであり、より好ましくは幅約6インチから幅約30インチであり、最も好ましくは幅約12インチである。弱い領域126の間の長手方向の長さ127は、少なくとも約2インチから約30インチであり、より好ましくは少なくとも約5インチから約20インチであり、最も好ましくは少なくとも約6インチから約10インチでもよい。さらに、空洞120の各膨張した高さは、少なくとも約1インチから約3インチであり、最も好ましくは約6インチでもよい。他の適切な寸法を使用してもよいことが理解される。
【0027】
ここで
図2A-3Cを参照すると、非膨張状態の材料の可撓性構造物100を一連の膨張ピロー(pillow)または緩衝材120に変換する膨張シーリング装置102が設けられている。
図2Aに示されるように、非膨張状態の可撓性構造物100は、ロール軸136の上に設けられた材料134のロールでもよい。ロール軸136は、ウェブ材料134のロールの中心を収容する。トレイ、固定スピンドル、または複数のローラーのような、ロールを支持するための代替構造を使用してもよい。
【0028】
可撓性構造物100は、駆動機構により引っ張られる。いくつかの実施形態では、ガイドローラーなどの中間部材がロール134と駆動機構との間に配置されてもよい。例えば、オプションのガイドローラーは、ハウジング141から略垂直に延びてもよい。ガイドローラーは、材料のロール134から離れて材料が処理される材料経路「B」に沿って可撓性構造物100をガイドするように配置されてもよい。一実施例では、ガイドローラーは、膨張ノズル140とロール134との間にたるみが生じないように、材料134の制御を補助することができるダンサーローラーでもよい。いくつかの実施形態では、ストック材料(stock material)は、ガイドロールに係合することなく材料のストックロール134から下流に進行してもよく、代わりに、膨張シーリングアセンブリ132に直接進行してもよい。
【0029】
ロール134からほどけるときにウェブ材料100が束になることを防止または抑制するために、ロール軸136には、ロール134から自由にほどけることを防止または抑制し、ロール134から安定して制御された速度で解けることを保証するためのブレーキが設けられている。しかし、本明細書で説明されるように、ブレーキ、ガイドローラー、またはウェブ供給機構の使用に加えてまたはその代替として、可撓性構造物100をシーリング機構103の一部であるピンチ領域176に向かってガイドするために、他の構造が使用されてもよい。上述のとおり、可撓性構造物100は、ガイドローラー138に沿って垂れ下がったり、跳ね上がったり、流れたり、ピンチ領域176との整列から外れたり、張ったり緩んだりと交互に変化したり、進行中の他の変動を受けやすくなるので、膨張シーリングアセンブリ132は、これらの変動を補償するために適切な調整機能を備えてもよい。例えば、ノズル140は少なくとも部分的に可撓性を有してもよく、これにより構造体がノズル140に向かっておよびその上に供給されるときに、可撓性構造物100が近づく方向にノズル140を適応させることができ、可撓性構造物100をノズル140に向かって、またはノズル140の上に供給されるときに生じる供給角度、方向、および他の変動を補償するか、または、それに適応するようにノズル140を動作させることができる。
【0030】
膨張シール装置102は、膨張シーリングアセンブリ132を有する。好ましくは、膨張シーリングアセンブリ132は、可撓性構造物100がロール134からほどけるにつれて、可撓性構造体100を連続的に膨張させるように構成される。好ましくは、ロール134は、直列に配置された複数の鎖状の空洞120を有する。ウェブ材料100から膨張ピローを製造し始めるために、可撓性構造物100の膨張開口部116は、膨張ノズル140のような膨張アセンブリの周りに挿入され、材料経路「E」に沿って進行する。
図2A-3Cに示されるいくつかの実施形態では、好ましくは、可撓性構造物100は、膨張ノズル140の上を進行し、空洞120は、膨張ノズル140と側部排出口(side outlets)146とに対して横方向に延びる。可撓性構造物100が材料経路「E」に沿って長手方向に進行するときに、側部排出口146は、ノズル基部144に対して横方向の流体を空洞120に向けて、空洞120を膨張させる。そして、膨張した可撓性構造物100は、シール領域174内のシーリングアセンブリ103によりシールされ、膨張ピローまたは膨張材がつながったものを形成する。
【0031】
また、側部膨張領域168は、側部排出口146に隣接する経路「E」に沿った膨張シーリングアセンブリの一部として示されており、側部排出口146では、側部排出口146からの空気が空洞120を膨張させている。いくつかの実施形態では、膨張領域168は、膨張先端部142とピンチ領域176との間に配置された領域である。可撓性構造物100は、ノズル先端部142で膨張ノズル140の周囲に挿入され、ノズル先端部142は膨張ノズル140の最先端部に配置される。膨張ノズル140は、ノズル排出口を通じて非膨張状態の可撓性構造物100に圧縮空気のような流体を送り込み、材料を膨張ピローまたは緩衝材120に膨張させる。例えば、
図6Aと6Dとに示されるように、膨張ノズル140は、流体注入口(fluid inlet)143aから注入される流体供給源(fluid source)と1つ以上のノズル排出口(例えば、側部排出口146)とを流体的に接続するノズル膨張経路143を有してもよい。他の構成では、流体は他の適切な加圧ガス、発泡体、または液体でもよいことが理解される。ノズルは、延長部分を有してもよい。延長部分は、ノズル基部144、可撓性部分142a、および先端部142のうちの1つ以上を有してもよい。延長部分は、可撓性構造体をピンチ領域176にガイドしてもよい。同時に、ノズルは、1つ以上の排出口を通じて可撓性構造体を膨張させてもよい。1つ以上の排出口は、膨張経路143からノズル基部144(例えば、排出口146)、可撓性部分142a、または先端部142のうちの1つ以上から外に出ていてもよい。膨張ノズル140は、角度θで装置の前面から離れるように延びてもよい。一実施例では、角度θは、1/2°と2°との間である。より詳細な実施例では、角度θは、1°と1と1/2°との間である。好ましくは、角度θは、1と1/4°である。
【0032】
図4A-Bに示されるように、側部排出口146は、ノズル基部144に沿って膨張先端部142から長手方向に向かって延びてもよい。いくつかの実施形態では、側部排出口146は、膨張可能な空洞120をシーリングするまで膨張させ続けるシーラーアセンブリに近接しまたは一部の構成では重なっている。これにより、シーリング前に膨張可能な空洞120に送り込む流体の量を最大にすることができ、デッド空洞(dead chambers)、すなわち十分な量の空気を有しない空洞の量を最小にすることができる。しかし、他の実施形態では、スロット排出口146は、入口ピンチ領域176を通じて下流に延びてもよく、排出口146から出る流体の部分は可撓性構造物100に向けられてもよい。本明細書で使用される上流および下流という用語は、可撓性構造物100の移動方向に対して使用される。ウェブの始点は上流であり、可撓性構造物が膨張し、シールされ、冷却され、膨張シール装置から取り外されるときに下流に流れる。
【0033】
側部排出口146の長さは、先端部142と入口ピンチ領域176との間の膨張ノズル140の長さの一部に延びる長さを有するスロットでもよい。一実施例では、スロットの長さは、入口ピンチ領域176の先端部142からの距離の半分未満でもよい。他の実施形態では、スロットの長さは、先端部142からピンチ領域176までの距離の半分より大きくてもよい。他の実施形態では、スロットの長さは、先端部142からピンチ領域176までの距離の約半分でもよい。例えば、側部排出口146は、膨張ノズル140の長さの少なくとも約30%、いくつかの実施形態では、膨張ノズル140の長さの少なくとも約50%の長さ、または膨張ノズル140の長さの約80%膨張ノズル140の長さ169を有するが、他の関連性のある長さを使用してもよい。側部排出口146は、空洞120および空洞部分130を膨張させるために、各空洞120の開口部125を通じて膨張ノズル140に対して横方向にノズル基部144の側面から流体を排出する。
【0034】
また、ノズル140を通る流体の流量は、典型的には約2から15cfmであり、例示的な実施形態では、約3から5cfmである。例示的な実施形態では、約14から20cfmの送風機700を有する。しかし、はるかに大きな風量を使用してもよく、例えば、より高い流量の流体が使用されるときは、1100cfmの風量を有する送風機700などが使用されてもよい。
【0035】
ノズル140は、固定された長手方向軸Xを有する部分と移動可能な長手方向軸Yを有する部分とをさらに有してもよい。ノズル140は、ノズル140を移動経路「E」に対して調整可能にする可撓性部分142aを有してもよい。可撓性構造物100が近づき膨張開口部116が先端部142に係合すると、可撓性芯(flexible core)147は、たわみ、膨張経路114がノズル140の上を容易に横に移動するような膨張開口部116の向きに適合してもよい。同様に、動作中に可撓性構造物100が整列から外れて移動すると、可撓性芯147はたわみ、膨張経路114の向きに適合してもよい。膨張ノズルの先端部は、材料がチップの上に押し込まれるときに、先端部の膨張経路内の層を開き分離するために使用されてもよい。例えば、ウェブが伝統的な膨張ノズルの上に引っ張られると、伝統的な膨張ノズルの先端部が互いに分離させるよう層に力を加える。側部排出口146のような側面の排出口に加えて、またはそれがない場合には、長手方向の排出口を設けてもよく、側面の排出口は、長手方向の排出口の下流で、膨張ノズル140のノズル基部144のノズル壁の長手方向側に沿って配置されてもよい。
【0036】
図2A-4Bは、膨張シーリングアセンブリ132の側面図を示す。図に示されるように、流体供給源は、ハウジングプレート184、またはノズルおよびシーリングアセンブリのための他の構造支持体の後方に配置されてもよく、好ましくは、膨張ノズル140の後ろに配置されてもよい。
図4Aに示されるように、ハウジングプレート184は、シーリングおよび膨張アセンブリ開口部184aを有する。流体供給源は、流体膨張ノズル導管143(fluid inflation nozzle conduit)に接続され、流体膨張ノズル導管143に供給される。可撓性構造物100は、膨張ノズル140の上に供給される。膨張ノズル140は、ウェブを膨張シーリングアセンブリ132の方向に向ける。
【0037】
種々の実施例が本明細書に記載され、
図2A-4Dに示されているが、これらの実施例は限定的ではなく、ノズル140および膨張アセンブリは、当業者が本明細書の開示に基づいて適用できるように、本明細書の開示から利益を得ることができる任意の既知の実施形態または開発された実施形態にしたがって構成することができることが理解されるべきである。
【0038】
可撓性構造物100は、駆動機構160により膨張シーリングアセンブリ132を通って前進または駆動される。駆動機構160は、可撓性構造物がシステムを通じて動くように動作可能な1つ以上の装置を有する。例えば、駆動機構は、可撓性材料100を材料経路「E」に沿って下流方向に駆動するように動作可能な1つ以上のモーター駆動ローラーを有する。1つ以上のローラーまたはドラムが駆動モーターに接続され、1つ以上のローラーがシステムを駆動する。いくつかの実施形態によると、駆動機構160は、ベルトが可撓性構造物に接触することなく可撓性構造物100を駆動する。一実施例では、システム全体はベルトレスである。他の実施例では、システムは、可撓性構造体100と接触しない駆動要素の上にベルトを有する。他の実施例では、その他の実施形態はさておき、システムはいくつかの駆動要素の上にベルトを有する。他の実施例では、システムは、ローラーにより織り込まれたベルトを有し、材料がベルトによりシステムを介して駆動されるようにすることができる。例えば、米国特許第8,128,770号は、緩衝材の膨張およびシーリングを制御するためにベルトおよびローラーを使用するシステムを開示し、本明細書で提供される開示は、このようなシステムとともに利用することができる。
【0039】
駆動機構のこれらの各システムでは、シーリングアセンブリ132はまた、可撓性構造物100の異なる層を互いにシールするように動作可能な加熱アセンブリ400を有する。本明細書で論じられる種々の実施例はローラーに向けられているが、本開示に基づいて、ベルト駆動システムなどの他のタイプの駆動システムとともに加熱アセンブリ400の種々の実施形態を使用することができることを当業者は理解するであろう。
【0040】
いくつかの実施形態では、シーリングアセンブリ132は、駆動機構160を有する。駆動機構160は、少なくとも1つの圧縮要素162を有する。少なくとも1つの圧縮要素162は、曲げ軸162bの周りに沿ってウェブを曲げるように動作可能な曲面162aを有してもよい。駆動機構160は、圧縮要素162に隣接して配置された他の圧縮要素161を有する。2つの圧縮要素161、162が一緒にピンチ領域176で可撓性材料100を受けるように動作するよう、圧縮要素162に対して圧縮要素161の位置が決められる。ピンチ領域176は、圧縮要素161と圧縮要素162とが可撓性構造物100に対して、その間に可撓性構造物100を挟むように配置される領域により画定される。
【0041】
いくつかの実施形態によると、駆動システムは、第1のピンチ160の下流に配置される冷却経路を形成する。一実施例では、冷却経路は、曲面162aにより画定される。圧縮要素162に沿った曲面162aの周辺領域は、可撓性材料と直接係合する接触領域を形成する。以下により詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、周辺領域は円筒形であり、したがって周辺領域は円筒の外周領域である。他の実施形態では、周辺領域は、圧縮要素162を画定する形状の表面の外側領域である。いくつかの実施形態によると、圧縮要素162は、可撓性材料100の上に新たに形成された長手方向のシール112を可能にするピンチ領域176とピンチ領域178との間の経路を形成する。長手方向のシール112は、シーリングアセンブリ132の一部である加熱アセンブリ400により形成される。ピンチ領域178は、ウェブを圧縮要素162の曲面162aに対して十分に隙間なく保持し、長手方向のシール112が冷却するにつれて流体を空洞120内に保持する。長手方向のシール112を冷却領域で保持することにより、長手方向のシール112での膨張した空洞内の空気圧により引き起こされる伸張および変形を制限する。曲面162aに沿った冷却領域に対するピンチ領域176および178により生じる保持圧力がないと、膨張した空洞内の空気圧のために長手方向のシール112の有効性が低下する。いくつかの実施形態によると、冷却領域は、シールするときに設定する長手方向のシール112が十分に冷却される程度に十分に長いので、膨張した空洞120内の空気圧は、長手方向のシール112’がその中に空気圧を保持する能力を超えて、長手方向のシール112を伸張または変形させない。冷却領域が十分に長くないときは、長手方向のシールは適切に設定されない。ピンチ領域176とピンチ領域178との間の角度が大きすぎると、膨張した材料はそれ自身の上に折り返される。したがって、湾曲面162aの周囲の圧縮要素163と圧縮要素161との互いに対する位置は、可撓性材料がそれ自体と干渉することのない最も適切なシールを生成する位置でなければならず、それにより空気を適切に保持する長手方向のシール112を有する優れたものを提供することとなる。
【0042】
いくつかの実施形態によると、ピンチ領域178は、軸162aの周りで測定されたときに、ピンチ領域176から15°よりも大きい角度で配置される。このような実施形態では、圧縮要素161および163の曲率は、圧縮要素162の湾曲領域162aの半径よりも小さい。いくつかの実施形態では、ピンチ領域178は、軸162aの周りで測定されたときに、ピンチ領域176から60°よりも大きい角度で配置される。このような実施形態では、圧縮要素161および163の曲率半径は、圧縮要素162の湾曲領域162aとほぼ同じ半径にすることができる。この実施形態の他の実施例では、圧縮要素161および163の曲率半径は、圧縮要素162の湾曲領域162aの半径よりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、ピンチ領域178は、軸162aの周りで測定されたときに、ピンチ領域176から30°から180°の間で配置される。このような実施形態では、湾曲表面162aは、ピンチ領域176および178の間に半径を有する円筒形である。
【0043】
上述の各実施形態および実施例において、ピンチ領域176および178は、圧縮要素161、162および163の互いに対する位置により画定することが理解される。このように、圧縮要素161と圧縮要素163との間の位置は、これらの位置が上述のピンチの位置にかかる相対位置を生成するように、その間の角度により同様に画定されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態によると、圧縮要素161および163の一方または両方とも曲面を有する。一実施例によると、3つの圧縮要素161、162、および163は全て円筒形である。より特定の実施例では、圧縮要素161、162、および163のうちの1つ以上がローラーである。これらのローラーは、可撓性材料100を挟むニップローラーでもよい。このように、いくつかの実施例では、圧縮要素161もまた、軸162bの周りの回転軸を有するローラーである圧縮要素162とともに、第1のピンチ領域176を形成するローラーであってもよい。同様に、同じ実施例では、圧縮要素163もまた、軸162bを中心とする回転軸を有するローラーである圧縮要素162とともに、第2のピンチ領域178を形成するローラーであってもよい。この実施例では、ニップローラー161および162は、可撓性材料100をピンチ領域176に挟み、可撓性材料100とニップローラー162の外側周辺162aとの間の直接的な接触を維持しながら、ニップローラー163および162の間のピンチ領域178に当該材料を押し込む。
【0045】
いくつかの実施形態によると、各圧縮要素は、他の圧縮要素に対して様々に調整可能でもよい。このように、圧縮要素161は、圧縮要素162または163の少なくとも1つに対して調整可能でもよい。圧縮要素162は、圧縮要素161または163の少なくとも1つに対して調整可能でもよい。圧縮要素163は、圧縮要素161または162の少なくとも1つに対して調整可能でもよい。好ましい実施形態では、圧縮要素162は静止しており、1つまたは複数の圧縮要素161と163とが圧縮要素162に対して調整可能である。例えば、圧縮要素161は、圧縮要素162に対して調整可能である。他の実施例では、圧縮要素163は、圧縮要素162に対して調整可能である。第3の実施例では、圧縮要素161と163との両方は、圧縮要素162に対して調整可能である。種々の圧縮要素がその間に可撓性材料100を挟むために、種々の圧縮要素は互いに関連して調整され、開いている状態では圧縮要素の各々の間に隙間を形成し、閉じている状態では隙間を除去しまたは十分に小さな隙間を形成する。
【0046】
いくつかの実施形態によると、1つ以上の圧縮要素161、162、および163は、種々の圧縮要素161、162、および163の間で上述した調整を可能にする調整機構を有してもよい。互いに関連する様々な圧縮要素161、162、および163の調整は、手動、機械的、またはその2つの組み合わせにより達成されてもよい。この調整は、直線的、曲線的、または様々な圧縮要素間の制御された移動を可能にする任意の経路の組み合わせを有してもよい。
【0047】
図4A-Bに示されるようにいくつかの実施例によると、圧縮要素162も、調整機構164のような調整機構の上に配置される。調整機構164は、圧縮要素162を、圧縮要素162のような他の圧縮要素に近づけたり遠ざけたりするように動かすことができる装置である。この調整により可撓性材料100が隙間に嵌め込まれ圧縮要素162および161の間に挟まれるため、上述の隙間が生成されまたは減少する。種々の実施例では、調整機構164はレバー530を有する。レバー530は、単一の一体構造、または
図4A-Cに示されるように複数の連結構造で作られてもよい。レバー530は、軸532を中心に旋回可能である。例えば、レバー530は、スタッド536に取り付けられた第1の端部に穴を有し、スタッド536およびレバーの穴は、軸532において共通の軸を有する。圧縮要素162は、軸532から第1の距離に配置された第2の軸162bと共通の軸に取り付けられている。様々な実施形態において、圧縮要素162は、レバー530(セクション530aまたは530bのいずれか)に直接取り付けられず、代わりにクリアランス542でレバー530に対して配置される。一実施例では、留め具(fastener)544は、レバー530に駆動モーター332(またはギアボックス、取り付けブラケットなど)を取り付け、圧縮要素162は、駆動軸162bに沿って駆動モーター332に取り付けられる。いくつかの実施形態によると、軸532の周りでレバー530が回転することにより、圧縮要素162をピンチ領域178で圧縮要素163にほぼ接線方向に、ピンチ領域176で圧縮要素161に略半径方向に移動するように、軸532が配置される。
【0048】
いくつかの実施形態によると、圧縮要素163は、圧縮要素162に向かって付勢される(biased)。例えば、付勢機構520は、圧縮要素163が圧縮要素162に向かって付勢されるように、調整機構165を圧縮要素162に向かって付勢する。一実施例では、付勢機構520は、スタッド516の周りに配置されたねじりバネ(torsion spring)であり、ねじりバネの第1の端部は、ハウジング(例えば、ハウジングプレート184)から延びるスタッド518に接続し、ねじりバネ520の第2の端部は、レバー510に接続する。ねじりバネ520は、ねじりバネ520がスタッド516の反対側のレバーの端部を圧縮要素162の方に押すように配置される。圧縮要素163がスタッド516と反対側のレバーの端部に配置された状態で、圧縮要素163はスタッド516で軸512を中心に旋回し、圧縮要素162に押し付けられる。バネにより加えられる力は、圧縮要素163と圧縮要素162との間のバネの力のもとで可撓性材料を圧縮するように働く。この実施例および
図4A-Cに示されるように、コイルバネ、引張りバネ、可撓性レバー、釣り合いおもり(counterweights)、または当該技術分野で知られているかまたは開発された任意の装置を有する他の付勢機構も使用できると理解される。
【0049】
図4A-Bに示されるようにいくつかの実施例によると、圧縮要素162は、調整機構164と同様の又は他の調整機構の上に配置される。調整機構164は、圧縮要素162を、圧縮要素162のような他の圧縮要素に近づけたり遠ざけたりするように動かすことができる装置である。この調整により可撓性材料100が隙間に嵌め込まれ圧縮要素162および161の間に挟まれるため、上述の隙間が生成されまたは減少する。種々の実施例では、調整機構164はレバー530を有する。レバー530は、単一の一体構造、または
図4A-Bに示されるように複数の連結構造で作られてもよい。レバー530は、軸532を中心に旋回可能である。例えば、レバー530は、スタッド536に取り付けられた第1の端部に穴を有し、スタッド536およびレバーの穴は、軸532において共通の軸を有する。圧縮要素162は、軸532から第1の距離に配置された第2の軸162bと共通の軸に取り付けられている。様々な実施形態において、圧縮要素162は、レバー530(セクション530aまたは530bのいずれか)に直接取り付けられず、代わりにレバー530に対してクリアランス542に配置される。一実施例では、留め具(fastener)544は、レバー530に駆動モーター332(またはギアボックス、取り付けブラケットなど)を取り付け、圧縮要素162は、駆動軸162bに沿って駆動モーター332に取り付けられる。いくつかの実施形態によると、軸532の周りでレバー530が回転することにより、圧縮要素162をピンチ領域178で圧縮要素163にほぼ接線方向に、ピンチ領域176で圧縮要素161に略半径方向に移動するように、軸532が配置される。
【0050】
いくつかの実施形態によると、圧縮要素162は、圧縮要素161に向かって付勢される。例えば、付勢機構540は、圧縮要素162が圧縮要素161に向かって付勢されるように、調整機構164を圧縮要素161に向けて付勢する。一実施例では、付勢機構540は、スタッド539とスタッド538との間に配置された1つ以上の引張りバネを有する。スタッド538は、ハウジング(例えば、ハウジングプレート184)から延びて取り付けられ、スタッド539は、レバー530から延びて取り付けられる。このようにして、引張りバネは、スタッド538をスタッド539に向かって付勢する。引張バネ540は、引張バネ540がスタッド536の反対側でレバーの端部を圧縮要素161に向かって押し込むように配置される。スタッド536と反対側のレバー530の端部に配置された圧縮要素162とともに、圧縮要素162は、スタッド536で軸532を中心に旋回し、圧縮要素161および/または加熱アセンブリ400に押し付けられる。付勢部材540により及ぼされる力により、圧縮要素162と圧縮要素161とは、付勢部材540の力のもとで可撓性材料100を圧縮する。この実施例と
図4A-Bに示されるように、コイルバネ、ねじりバネ、可撓性レバー、釣り合いおもり、または機械システムを付勢するのに適した当該技術分野で知られているかまたは開発された任意の装置を有する他の付勢機構も使用できると理解される。
【0051】
いくつかの実施形態では、1つ以上の圧縮要素は、上述したニップローラーでもよい。各ニップローラーは、モーターにより直接駆動されてもよい。一実施例では、ニップローラー162は、モーター332により直接駆動される。一実施例では、ニップローラー161は、モーター330により直接駆動される。一実施例では、両方のニップローラー161および162は、各モーター330および332により直接駆動される。いくつか実施形態では、ニップローラーは、ニップローラー16と組み合わせて、ニップローラー162と組み合わせて、または両方のニップローラー161および162を組み合わせて、単独で駆動されてもよい。他の実施形態では、1つのモーターが、タイミングベルトのようなトランスミッションを介して1つ以上のニップローラーを駆動してもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、膨張シーリング装置102は、膨張シーリングアセンブリ132の上に1つ以上のカバー(例えば、181および182)を有してもよい。カバー(例えば、181および182)は、ウェブが第2のピンチ領域178を出た後にウェブを方向転換するように操作可能でもよい。例えば、カバーは、ピンチ領域178を出るときに可撓性材料100と接触し、可撓性材料100を圧縮要素162および163から分離して、可撓性材料100を任意の所望の方向に向け直すたわみ面183を有する。カバーは、ローラーよりも硬い材料であってもよく、可撓性材料100との係合または付着の傾向が比較的小さいように十分に滑らかで連続的なものでもよい。
【0053】
好ましい実施形態によると、加熱アセンブリ400は固定されている。可撓性材料100および駆動機構が加熱アセンブリおよび加熱要素に対して移動する間に、いくつかの固定されている加熱アセンブリおよび加熱要素の例は、
図2C、3C、4A、4Bおよび5、6、7A-C、8A-C、9、10A-Cに記載されている。可撓性材料100が加熱アセンブリ400を横切って移動する間に加熱アセンブリ400が固定されたままになるように加熱アセンブリ400を配置することにより、シール全体は加熱アセンブリの同じセクションにより形成され、これにより加熱アセンブリの温度、位置、および全体的な条件の安定化を可能とし、安定したシールが提供される。加熱アセンブリ400の配置を固定することはまた、特定の加熱要素および/または加熱要素引張機構(heating element tensioning mechanism)の簡易な構成を可能とし、シールが安定して適用されることをさらに改善する。
【0054】
一実施例では、加熱アセンブリ400は、ハウジングプレート184に取り付けられる。加熱アセンブリ400は、圧縮要素162または163などの1つ以上の駆動部材に隣接して配置される。より詳細な実施例では、加熱アセンブリは、
図2Dおよび5に示すように側面から見たときに、部分161aおよび161bなどの圧縮要素161の分離部分の間に配置される。例えば、ヒーターは、溝付きローラー161の上の溝に取り付けられる。加熱アセンブリ400とローラー部分161aおよび161bの間に隙間を設けることができる。例えば、加熱要素の両側に約1/16インチのクリアランスギャップの隙間を設けることができる。ローラーの分離部分が加熱アセンブリ400の上で引きずられる可能性を制限するために、隙間が維持されることが好ましい。ヒーター400の両側のピンチ領域に圧力があるので、ローラーは、ローラー部分161aおよび161bの間の溝にローラーを装着することにより、ヒーター400を通過して材料を均一に引き寄せることができる。これらローラー部161aおよび161bは、モーターなどの動力源(motivational source)により駆動される。種々の実施例では、シール導線412は、ローラー部分161aおよび161bの外面から約1/2インチ未満に向けられている。好ましい実施形態では、シール導線412は、ローラー部分161aおよび161bの外面から約0.44インチ未満に向けられている。膨張ピローの一部はローラーを通過するときに平坦化されるので、ピローの充填量は、ローラーの後にその領域が広がると減少する。加熱要素412とローラー部分161aおよび161bの外面との間の距離を最小にすることは、最大ピロー体積(maximum pillow volume)を増加させる。
【0055】
いくつかの実施形態では、加熱アセンブリ400は、ノズル140と、各横方向のシールを横切ってシールするよう膨張する空洞120との間に横断して配置される。いくつかの実施形態は中央膨張経路を有してもよく、この場合、第2のシーリングアセンブリと膨張排出口とは、ノズルの反対側に設けられてもよい。他に知られているウェブの配置ならびに膨張ノズルおよびシーリングアセンブリの側面の配置もまた、使用されてもよい。
【0056】
膨張後、可撓性構造物100は、材料経路「E」に沿ってピンチ領域176に向かって進行し、ピンチ領域176はシーリングアセンブリ103に入る。一実施例では、ピンチ領域176は、隣接する圧縮要素161および162の間に配置される。ピンチ領域176は、流体が空洞120から漏れるのを防止し、加熱アセンブリ400によるシールを容易にするために、第1および第2の層105、107が一緒に押圧されるかまたは挟まれる領域である。
図5に示すように、ピンチ領域176は、圧縮要素162と加熱アセンブリ400との間のピンチ領域を有してもよい。圧縮要素162と加熱アセンブリ400との間のこのピンチ領域に生じる圧力は、シールを形成するのを助ける。上述したように、加熱アセンブリ400は固定されていてもよい。このように、そのような実施形態では、圧縮要素162と加熱アセンブリ400との間のピンチ領域176は、例えば圧縮要素162のような移動要素と、例えば加熱アセンブリのような実質的に固定された要素とを有する。いくつかの実施形態によると、駆動機構160のローラー161および162は、システムを介して可撓性材料100を駆動するために互いに圧縮され、ローラー161および162は、可撓性材料100を駆動機構160に通すために開くことができる。同様に、
図5に示すように、駆動機構160の開いた状態により、可撓性材料100が加熱シールアセンブリ400と対向ローラー162との間を通ることも可能となる。
【0057】
加熱アセンブリ400は、ピンチ領域176を加熱するために、ピンチの位置に隣接して配置された加熱要素アセンブリ410を有する。本明細書で開示されるいくつかの実施形態では、ピンチ領域176に隣接する圧縮要素は回転することができるが、加熱要素アセンブリ410は、固定された加熱要素である。上述したように、ピンチ領域176は、圧縮要素161および162が互いにまたは可撓性材料100と接触する領域であり、同様に、圧縮要素162および加熱要素アセンブリ410は、互いにまたは可撓性材料100と接触する領域である。他の実施形態では、加熱要素アセンブリ410は、圧縮要素162に直接接触しない。代わりに、圧縮要素161および162は、層105、107を隙間なく挟んだり押圧したりするために十分な張力を有し、加熱アセンブリ400の反対側に対向する圧力を必ずしも有することなく層105、107を加熱アセンブリ400に押し付ける。
【0058】
加熱要素アセンブリ410は、1つ以上の加熱要素412を有する。加熱要素は、隣接する層を一緒にシールするのに適した任意の材料または設計であってもよい。いくつかの実施形態では、加熱要素412は、抵抗性導線または箔でもよい。導線(wire)または箔(foil)は、ニクロム、鉄-クロム-アルミニウム、銅ニッケル、または可撓性材料の層をシールするために使用される条件下で加熱要素を形成および操作するのに適した他の金属で形成することができ、2つの層105、107を接続、結合、または一体化することができる。他の実施形態では、加熱要素412は、薄膜加熱素子とすることができる。薄膜加熱素子412は、加熱要素412が層を一緒にシールするのに十分な熱を得ることができる条件下で、チタン酸バリウムおよびチタン酸鉛複合材または加熱要素を形成および操作するのに適した他の材料で形成することができる。
【0059】
いくつかの実施形態によると、低摩擦層414は、固定された加熱要素412と移動ローラー162または可撓性材料100との間に配置される。低摩擦層414は、ローラー162と加熱要素412との間の摩耗を減少させるのに適している。導線加熱要素412を有する実施形態では、低摩擦層414は、導線への磨耗を減少させ、またシール中に可撓性材料100内で導線が切断される傾向を制限することができる。薄膜加熱素子412を有する実施形態では、低摩擦層414は、加熱素子412および加熱素子412自体を支持する基板への摩耗を減少させる。薄膜加熱素子412は、導線加熱素子よりも構造的に薄くなる傾向があるので、浮動する(flow)摩擦層414はまた、摩耗による薄膜加熱素子412の劣化を制限する。低摩擦層414はまた、可撓性材料100が加熱要素412を横切って滑らかに移行することを可能にし、シールを改善する。一実施例では、低摩擦層は、加熱要素412の露出部分を横切って取り付けられたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の薄いストリップである。さらに、摩耗要素としてPTFEを使用することにより、高価な加熱要素を交換することなく、当該層を交換することができる。PTFEは、加熱要素および周囲の構成要素にテープとして取り付けることができる。PTFEの非接着層も、加熱要素に対して機械的に配置することができる。機械的に取り付けること(mechanical fixturing)により、接着剤を気にすることなく部品の交換が可能となる。例えば、PTFEを適所に保持するためのネジ取り付け具またはクリップまたは他の機械的ハードウェア、またはハウジングを成形して当該層を収容することができる。他の実施例では、シリコーンなどの加熱要素412で生成された熱を受け入れることができる他の低摩擦材料が適用される。
【0060】
図7A-7Cまたは
図9に示される一実施形態によると、加熱要素412はニクロム線である。加熱要素アセンブリ410は、裏当てブロック(backer block)418にわたって延びたニクロム線412を有する。ニクロム線412の各側は、接点415および416に取り付けられている。リード線432および430は、加熱要素412に電流を供給して発熱させることができるように、接点415および416に接続されている。熱出力は、導線の幅を制御することによる影響を受ける。例えば、導線の幅を狭くすると、同じ電気入力に比べて熱出力が増加する。しかし、これは可撓性材料上に形成されたシールを狭めるという欠点を有する。いくつかの実施例では、シールの幅は、加熱要素のための複数のトレースを設けることにより制御される。
【0061】
図8A-8Cに示される一実施形態によると、加熱要素412は薄膜ヒーターである。このような実施形態では、加熱要素アセンブリ410は、2つの接点412bを接続する薄膜ヒートトレース412aを有する(
図8Cおよび
図10Aに示されるように)加熱要素412を含む。
図10Bに示されるように、加熱要素412は、基板417により懸架されている。2つの接点412bは、加熱要素410をリード422および420に接続する接点422aおよび420aに接続することができる。基板417は、脆弱な薄膜ヒートトレース412aを保持するのに適している。例えば、加熱要素アセンブリ410は、ヒートトレース412aを支持するポリイミド基板417を有する。
図10Cに示されるように、加熱要素412は、基板417の2つの層の間に挟まれている。加熱要素410は、ポリイミド層の上に蒸着することにより形成することができる。一実施例では、ポリイミド層は、約1ミルと約3ミルとの間の厚さである。好ましい実施例では、ポリイミド層は、それぞれ約2ミルの厚さである。ポリイミド層は、ヒートトレース412を挟み、一実施例では、約1ミルと約3ミルとの間の厚さである。好ましい実施例では、ヒートトレース412は、約2ミルの厚さである。ポリイミド層は、ヒートトレースをカプセル化し、分離特性を提供する。ポリイミドを結合させるプロセスは、加熱要素412が形成することができる温度を扱い、接着剤の必要性を排除する。接着剤は、典型的には、より低い温度で機能し加熱要素により一般的に回避される。さらに、ポリイミドをそれ自体に直接結合することにより、1つの変動要素がアセンブリから排除される。
【0062】
他の実施形態では、加熱要素410回路は、フルオリネイテッドエチレンプロピレン(FEP)からなる層からヒートトレース412の上に形成することができる。この構造では、高い熱と高い圧力は、接着剤の使用を必要としない。また、FEPの外層は、摩擦を減らし、他の構成要素と粘着するようにテクスチャー加工することができる。他の実施形態では、薄膜回路410は、続いて、さらなる保護を提供し、絶縁を提供し、結合剤として作用するシリコーンなどの他の材料で覆われてもよく、回路のオーバーモールドなどの追加の製造オプションを提供する。
【0063】
加熱要素410は、裏当てブロック418を横切って引っ張られて保持される。加熱要素412の上の2つの各接点412bは、加熱アセンブリの接点415および416に接続され、加熱アセンブリ接点の415および416は、リード線430および432に接続される。本明細書で説明する加熱アセンブリのいくつかの実施形態では、接点415および416ならびに裏当てブロックは、ハウジング420の内側に配置されてもよい。一実施例では、ハウジング420は、構成要素をその間に挟む2つの等分(halve)420aおよび420bを含む。2つの等分されたハウジングは、一方のハウジングを貫通し他方のハウジングの開口部に係合するねじ450により接続されてもよい。低摩擦層414はまた、ハウジング内に閉じ込められても、または他の実施形態では、ハウジングの外部に適用されてもよい。他の実施例では、ハウジングは、構成要素を覆ってオーバーモールドされていてもよく、または、種々の構成要素の相互に対して所定の位置に固定するのに適した他の構成を有してもよい。一実施例では、ハウジングは、ハウジングが固定されているときにローラー部161が「U」字形ハウジングの中央で回転できるように、2つのローラー部161aおよび161bを分離する溝に嵌合する適切なサイズの細長い「U」形状を有する(
図6参照)。ハウジングはまた、ハウジング420をローラー161の溝と整列させるのに適切なスタンドオフ440および442を有してもよい。一実施例では、スタンドオフは、プレート184に取り付けられ、ハウジングからローラー161の溝とハウジングを整列させるために、適切な距離だけプレート420から離して配置される。スタンドオフ440および442はまた、それぞれ、リード線430および432を収容してもよい。本明細書では実施例として説明しているが、加熱アセンブリ400は溝付きローラーと整列しているが、ローラーまたはドラムの端部との整列、またはベルト駆動機構との整列、または可撓性材料が固定された加熱アセンブリを通過して搬送されることを可能にする任意の構造的関係など、他の実施形態もまた含まれることが理解される。他の実施形態では、可撓性材料は固定されていてもよく、加熱アセンブリは固定された可撓性材料を横切って駆動されてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、加熱シーラーアセンブリ400は、加熱要素410のための引張機構を含む。張力付与機構は、裏当てブロック418を横切って加熱要素410に張力を保持するように構成されたシステムである。加熱要素が加熱され冷却されると、加熱要素の長さおよび/または構造が変化する。これらの変化は、加熱要素410と周囲の構成要素または可撓性材料100との間の関係を変えることがあり得る。導線(wire)用途では、弱いシールを形成し、導線加熱要素が可撓性材料100を切断し得るには、導線加熱要素の長さの変化は十分に大きい。加熱要素の温度が上昇すると、加熱要素の追加の長さは張力機構により「吸収」され、これにより加熱要素が裏当てブロックと同一平面上に留まり、定位置に留まることが可能となる。加熱要素が裏当てブロックと同一平面上ではないときは、シールする際にフィルムを切断する可能性がある。一定の圧力により、安定したシールが提供される。いくつかの実施形態では、
図7Cおよび
図9に示すように、接点415および416の1つ以上は弾性を有してもよく、その結果、加熱要素を裏当てブロック418にわたって引き伸ばす力が提供される。一実施例では、
図7Cに示すように、接点415は板バネであり、加熱要素412を引っ張って配置する。板バネ415は、ハウジング420上の点415aにより吊り下げられ、板バネのアームが加熱素子410に向かって曲がり、バネの力を反対方向にすることが可能になる。バネ引張機構は、熱膨張中に加熱要素に張力をかける。バネ引張機構はまた、本明細書で論じられる2次引張機構として使用されてもよい。
【0065】
他の実施例では、
図8Cおよび10Aに示すように、引張機構は、発熱要素アセンブリ410内に組み込まれてもよい。例えば、薄膜ヒーター410は、
図10Aに示すように、接点412b間に波形412aを形成する。薄膜ヒーター410の波形は、膨張および収縮のために収容される。代替的な幅のシールパターンを生成するために、種々の幅のパターンが使用されている。ヒートトレースまたは物理的パターンの厚さは、種々のワット密度を提供するように変更されてもよい。一実施例では、波形は、正弦波パターンである。正弦波パターンは、シールのために設けられた短い空間で改善された熱(ワット密度)を可能にする。正弦波パターンは、熱による膨張も最小にする。他の実施例では、波形412aは矩形波である。矩形波パターンは、熱膨張中に加熱要素の膨張および収縮を吸収する。この吸収により、加熱要素の張力を過度に低下させることなく、波自体の形状が膨張に適応できるので、構成要素に対する追加的なバネの張力の必要性が低減または排除される。薄膜要素は、トレース組成(trace composition)を変化させることにより、幅および長さを変化させることができる。波形を使用すると、波形の振幅の高さを変更することにより、シールの幅を変更することができる。したがって、トレースの数を増やすことなくシールの幅を制御しながら、ワット密度を容易に制御することができる。薄膜加熱要素により生成されたシールは、膨張した緩衝材の漏出に対してより大きな保護手段を提供することができる所望の幅とすることができる。薄膜要素はまた、加熱要素で可撓性材料100を切断する可能性をより滑らかに減少させるかまたは排除する。薄膜要素の滑らかな表面はまた、様々のテープまたは被覆材をヒーターの表面に塗布することを可能にする。これらのカバーは熱伝達を改善し、摩擦を低減し、または改善されたシール特性を提供することができる。いくつかの実施形態では、薄膜ヒーターは、本明細書で論じられたものなどの2次引張機構(すなわち、バネ引っ張り機構)とともに使用することもできる。
【0066】
本明細書で論じられる種々の実施形態および実施例は、固定された加熱アセンブリ400に向けられているが、本明細書で論じられる種々の実施形態および実施例の様々な特徴または要素は、いくつかの移動加熱アセンブリにも適用可能である。一実施例では、加熱アセンブリは、ローラーとともに移動可能なローラーの一部とすることができる。したがって、加熱要素アセンブリ構造のいくつかは、ローラーとともに移動することができる。他の実施例では、加熱要素引張機構のいくつかは、移動する加熱アセンブリに適用してもよい。他の実施形態では、加熱要素アセンブリ410は、駆動要素とともに移動してもよく、移動駆動要素に対して静止してもよく、圧縮要素の移動に対して移動してもよく、可撓性構造100に対して移動してもよく、ハウジング141に対して固定されていてもよい。当業者は、本明細書の開示に基づいて、これらの特徴および要素を、種々の他のシステムに適用することができ、このようなシステムのうちのいくつかだけが本明細書に開示されている。
【0067】
シールされた後、第1および第2の層105、107は冷却され、シールされた第1および第2の層105、107を冷却要素の周りに回転させることによりシールを硬化させる。冷却要素は、熱浴に作用してもよく、または熱が空気中に消散するのに十分な冷却時間を提供してもよい。いくつかの実施形態によると、冷却要素は、圧縮要素161、162のうちの1つ以上である。
【0068】
好ましくは、可撓性構造物100は、第1および第2の層105、107を一緒にシールすることにより可撓性旺造物に沿って連続的な長手方向のシール170を形成するために、シーリングアセンブリ103を通り材料経路「E」に沿って連続的に進行し、領域176で加熱アセンブリ400を通過する。可撓性構造物100は、ピンチ領域176を出て、要素162との接触を維持する。
図2A-Dおよび3A-Cに示されるように、可撓性構造体100は、圧縮要素162の表面に沿って、第1のピンチ領域176の下流に配置された領域である第2のピンチ領域178まで連続している。シーリング領域174は、可撓性構造物100が加熱アセンブリ400によりシールされている第1ピンチ領域176に近接する領域である。長手方向のシール170は、
図1の仮想線として示されている。好ましくは、長手方向のシール170は、第1の長手方向縁部102、106から横方向に離れて配置され、最も好ましくは、長手方向のシール170は、各空洞120の開口部125に沿って配置される。
【0069】
好ましい実施形態では、加熱アセンブリ400および1つ以上の圧縮要素161、162は、第1のピンチ領域176で第1および第2の層105、107を加熱アセンブリ400に対して協働して押圧または挟んで2つの層をシールする。シーリングアセンブリ103は、加熱要素400に対して圧縮要素162からの圧力を利用して、加熱要素400と加熱要素400との間の層105、107を隙間なく押圧しまたは挟む。圧縮要素161、162の可撓性のある弾性材料は、圧縮要素161、162の位置により圧力を良好に制御することが可能となる。いくつかの実施形態では、圧縮要素の外表面はエラストマー材料でもよい。例えば、圧縮要素の外表面は、約1/4インチの厚さを有する高温ショアA45デュロメーターシリコーンゴム(high temperature shore A45 durometer silicone rubber)とすることができる。他の材料または厚さを使用してもよい。例えば、1つ以上の圧縮要素は、ポリテトラフルオロエチレンまたは同様のポリマーまたは低摩擦材料などの低摩擦外面を有してもよい。
【0070】
いくつかの実施形態によると、膨張シーリングアセンブリ132は、可撓性構造物100を切断するための切断アセンブリ300をさらに有してもよい。好ましくは、切断部材は、可撓性構造物100が材料経路「E」に沿って縁部を通過して移動するときに可撓性構造物100を切断するのに十分なものである。より詳細には、切断アセンブリ300は、空洞の第1の長手方向の縁部101と開口部125との間で第1および第2の層105、107を切断することができる。いくつかの構成では、切断アセンブリ300は、可撓性構造物100を切断して、可撓性構造物100の膨張経路114を開き、第1および第2の層105、107を膨張ノズル140から取り外すことができる。いくつかの実施形態では、可撓性構造物の膨張経路114は、構造体の中心または他の位置でもよい。そのような実施形態では、切断アセンブリ300は、膨張シーリングアセンブリ、特にノズル140から膨張経路114を除去するようにさらに適合させることができる。
【0071】
本願明細書において具体的に特定された任意のおよび全ての参考文献は、その全体を参照することにより明示的に本明細書を構成する。本明細書で使用される「約」という用語は、一般に、対応する数およびある範囲の数の両方を指すと理解すべきである。さらに、本明細書におけるすべての数値範囲は、範囲内の各整数全体を含むと理解すべきである。
【0072】
本明細書のいくつかの実施形態を説明したが、当業者であれば、様々な変更、代替構成、および均等物を使用できることを理解できる。いくつかの例および実施形態は、別々に使用されてもよく、またはそれらを混合し組み合わせて、代替案の反復(iteration)を形成してもよい。また、多くの周知のプロセスおよび要素は、本開示の焦点を不必要に不明瞭にすることを避けるために記載されていない。したがって、上記の説明は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。当業者であれば、本開示の実施形態は、限定ではなく例として教示することが理解される。したがって、上記の説明に含まれるか、または添付の図面に示される事項は、例示的なものであり、限定的な意味ではないと解釈されるべきである。以下の特許請求の範囲は、本明細書に記載された全ての一般的かつ具体的な特徴を含むとともに、文言上、本発明の方法およびシステムの範囲に含まれる全ての記述を含むものといえる。