(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】開閉制御システム及び開閉制御方法
(51)【国際特許分類】
E06B 9/68 20060101AFI20230306BHJP
E05F 15/77 20150101ALI20230306BHJP
【FI】
E06B9/68 A
E05F15/77
(21)【出願番号】P 2019007120
(22)【出願日】2019-01-18
【審査請求日】2021-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】大館 一樹
(72)【発明者】
【氏名】和気 亮二
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-319477(JP,A)
【文献】特許第4557621(JP,B2)
【文献】特許第6448934(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/56- 9/92
E05F 15/00-15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部に設けられる開閉体手段と、
前記開口部の所定領域に存在する物体等を感知し、感知信号を出力する感知手段と、
1点式スイッチの操作に応じた1点式信号を出力する1点式操作子手段と、
前記1点式信号及び前記感知信号の入力に応じて、前記開閉体手段の動作を電動にて制御する制御手段とを備える開閉制御システムにおいて、
3点式スイッチの操作に応じた開閉停の操作信号を出力する3点式操作子手段と、
前記開閉停の操作信号を入力した時点における前記開閉体手段の開閉位置及び動作状態に基づいて、前記操作信号に対応した動作を前記開閉体手段が実行するように前記1点式信号及び前記感知信号を前記制御手段に出力するアダプタ手段を備えたことを特徴とする開閉制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉制御システムにおいて、
前記制御手段は、前記開閉体手段の停止中に前記1点式信号を入力した時に、その停止位置が開限位置又は中間位置にある場合は前記開閉体手段を閉動作し、前記停止位置が閉限位置にある場合は前記開閉体手段を開動作し、
前記開閉体手段の動作中に前記1点式信号を入力した時に、開動作中の場合は前記開閉体手段の開動作を停止し、閉動作中の場合は前記開閉体手段の
閉動作を停止後に開動作を開始し、
前記開閉体手段の動作中に前記感知信号の入力が有った時に、開動作中の場合はそのまま開動作を維持し、閉動作中の場合は前記開閉体手段を停止後に開動作を開始することを特徴とする開閉制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載の開閉制御システムにおいて、
前記アダプタ手段は、
前記制御手段に供給される電流を検出し、電流を検出した場合に検出状態ONを、電流を検出しない場合に検出状態OFFを出力する電流検出手段と、
前記開閉体手段が下限位置にあることを検出し、下限位置にある場合に検出状態ONを、下限位置にない場合に検出状態OFFを出力する下限位置検出手段とを備え、
前記電流検出手段の検出状態がOFFであって、前記下限位置検出手段の検出状態がOFFの時に、前記3点式スイッチから閉操作信号を入力した場合は前記1点式信号を前記制御手段に出力し、
前記電流検出手段の検出状態がONであって、前記下限位置検出手段の検出状態がOFFの時に、前記3点式スイッチから停操作信号を入力した場合は前記感知信号を出力し、その後に前記1点式信号を前記制御手段に出力し、
前記電流検出手段の検出状態がONであって、前記下限位置検出手段の検出状態がOFFの時に、前記3点式スイッチから開操作信号を入力した場合は前記感知信号を前記制御手段に出力し、
前記電流検出手段の検出状態がOFFであって、前記下限位置検出手段の検出状態がONの時に、前記3点式スイッチから開操作信号を入力した場合は前記1点式信号を前記制御手段に出力することを特徴とする開閉制御システム。
【請求項4】
開口部に設けられる開閉体手段と、前記開口部の所定領域に存在する物体等を感知し、感知信号を出力する感知手段と、1点式スイッチの操作に応じた1点式信号を出力する1点式操作子手段と、前記1点式信号及び前記感知信号の入力に応じて、前記開閉体手段の動作を電動にて制御する制御手段とを備える開閉体装置の開閉動作を制御する開閉制御方法において、
3点式スイッチを備えた3点式操作子手段の操作に応じた開閉停の操作信号を入力した場合に、前記開閉停の操作信号を入力した時点における前記開閉体手段の開閉位置及び動作状態に基づいて、前記操作信号に対応した動作を前記開閉体手段が実行するように前記1点式信号及び前記感知信号を前記制御手段に出力することを特徴とする開閉制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の開閉制御方法において、
前記制御手段は、前記開閉体手段の停止中に前記1点式信号を入力した時に、その停止位置が開限位置又は中間位置にある場合は前記開閉体手段を閉動作し、前記停止位置が閉限位置にある場合は前記開閉体手段を開動作し、
前記開閉体手段の動作中に前記1点式信号を入力した時に、開動作中の場合は前記開閉体手段の開動作を停止し、閉動作中の場合は前記開閉体手段の
閉動作を停止後に開動作を開始し、
前記開閉体手段の動作中に前記感知信号の入力が有った時に、開動作中の場合はそのまま開動作を維持し、閉動作中の場合は前記開閉体手段を停止後に開動作を開始することを特徴とする開閉制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の開閉制御方法において、
前記制御手段に供給される電流を検出し、電流を検出した場合を検出状態ONとし、電流を検出しない場合を検出状態OFFとし、
前記開閉体手段が下限位置にあることを検出し、下限位置にある場合を検出状態ONとし、下限位置にない場合を検出状態OFFとし、
前記電流の検出状態がOFFであって、前記下限位置の検出状態がOFFの時に、前記3点式スイッチから閉操作信号を入力した場合は前記1点式信号を前記制御手段に出力し、
前記電流の検出状態がONであって、前記下限位置の検出状態がOFFの時に、前記3点式スイッチから停操作信号を入力した場合は前記感知信号を出力し、その後に前記1点式信号を前記制御手段に出力し、
前記電流の検出状態がONであって、前記下限位置の検出状態がOFFの時に、前記3点式スイッチから開操作信号を入力した場合は前記感知信号を前記制御手段に出力し、
前記電流の検出状態がOFFであって、前記下限位置の検出状態がONの時に、前記3点式スイッチから開操作信号を入力した場合は前記1点式信号を前記制御手段に出力することを特徴とする開閉制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家屋、ビル、工場、倉庫などの建物を含む構造物躯体の窓や出入口などの開口部に設置される開閉装置を制御する開閉制御システム及び開閉制御方法に係り、特に1点式のリモコン装置からの制御信号に応じて電動で動作する開閉装置の開閉制御システム及び開閉制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル、工場、倉庫などの建物を含む構造物躯体の開口部に設置されるオーバーヘッドドア、シャッター、ドアなどの開閉装置には、その開閉停の各動作を電動で行う電動シャッターや電動ドアが使用されることが多い。このように電動で開閉停の各動作を行うものは、開閉停の3種類のスイッチ(操作子)を備えた有線又は無線方式の3点式スイッチや1個のスイッチ(操作子)を備えた有線又は無線方式の1点式スイッチからの制御信号に応じて所定の動作を実行する。開閉制御システムは、1点式又は3点式スイッチの操作に対応して、オーバーヘッドドアやシャッターカーテンなどの開閉体の開閉動作を制御している。
特許文献1には、1個の操作キーを有する操作手段(1点式スイッチ)と、複数の動作指示信号のうち、操作キーの操作変化に応じて定まる種類の動作指示信号を形成して出力する動作指示信号形成手段とを有し、操作キーの現段階の操作変化ではどの種類の動作指示信号を形成し得るかを報知する報知手段を有するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の開閉制御システムは、3点式スイッチのリモコン装置からの操作指示信号に対応して動作するように構成されているので、1点式スイッチのリモコン装置を用いて、3点式スイッチのリモコン装置と同様の操作を実現することができる。
しかしながら、1点式スイッチのリモコン装置からの操作指示信号に対応して動作するように構成されている開閉制御システムにおいては、3点式スイッチのリモコン装置を接続し、その操作指示信号に従って開閉制御システムを動作させようとしても、3点式スイッチのリモコン装置の操作指示信号に対応した開閉停の動作を実行させることができなかった。
【0005】
すなわち、開閉制御システムが1点式及び3点式スイッチのリモコン装置に対応している場合は、問題なくいずれか一方のリモコン装置を接続して所定の動作を行うことができる。また、開閉制御システムが3点式スイッチのリモコン装置に対応している場合は、1点式スイッチのリモコン装置を接続しても、特許文献1に記載の発明によって所定の動作を行うことができる。しかしながら、開閉制御システムが1点式スイッチのリモコン装置にのみ対応している場合は、3点式スイッチのリモコン装置を接続しても、スイッチ操作に対応した操作指示信号に対応した動作を実行させることができないという状態にあった。
【0006】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、1点式スイッチのリモコン装置にのみ対応している開閉制御システムに3点式スイッチのリモコン装置を接続した場合でも、その3点式スイッチの操作に対応した動作を実行することができる開閉制御システム及び開閉制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る開閉制御システムの第1の特徴は、開口部に設けられる開閉体手段と、前記開口部の所定領域に存在する物体等を感知し、感知信号を出力する感知手段と、1点式スイッチの操作に応じた1点式信号を出力する1点式操作子手段と、前記1点式信号及び前記感知信号の入力に応じて、前記開閉体手段の動作を電動にて制御する制御手段とを備える開閉制御システムにおいて、3点式スイッチの操作に応じた開閉停の操作信号を出力する3点式操作子手段と、前記開閉停の操作信号を入力した時点における前記開閉体手段の開閉位置及び動作状態に基づいて、前記操作信号に対応した動作を前記開閉体手段が実行するように前記1点式信号及び前記感知信号を前記制御手段に出力するアダプタ手段を備えたことにある。
【0008】
開閉体手段は、ビル、工場、倉庫などの建物を含む構造物躯体の出入口部に設置されるオーバーヘッドドアやシャッターカーテンなどで構成される。開口部付近には、所定の距離だけ離間した位置に配置された投光器及び受光器などから構成される感知手段が設けられている。制御手段は、1点式操作子手段から出力される1点式信号及び感知手段からの感知信号の入力に応じて開閉体手段の開閉停の各動作を電動にて制御実行している。1点式スイッチが操作される度に1点式信号は出力されるので、制御手段は、1点式信号の入力に応じて、開-停止-閉-開-停止-閉-・・・というように巡回的に開閉体手段の動作を制御している。従って、1点式信号の入力に応じて開閉体手段の動作を制御している制御手段に、3点式スイッチの操作に対応した開閉停の操作信号をそのまま入力しても、制御手段は正常に動作しない。そこで、この発明では、3点式スイッチの操作に応じた開閉停の操作信号を入力した時点における開閉体手段の開閉位置及び動作状態に基づいて、操作信号に対応した動作を開閉体手段が実行するように1点式信号及び感知信号を制御手段に出力するアダプタ手段を設けることにした。これによって、1点式スイッチのリモコン装置にのみ対応している制御手段に3点式スイッチのリモコン装置を接続しても、その3点式スイッチの操作に対応した開閉体手段の動作を実行させることができる。
【0009】
本発明に係る開閉制御システムの第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉制御システムにおいて、前記制御手段は、前記開閉体手段の停止中に前記1点式信号を入力した時に、その停止位置が開限位置又は中間位置にある場合は前記開閉体手段を閉動作し、前記停止位置が閉限位置にある場合は前記開閉体手段を開動作し、前記開閉体手段の動作中に前記1点式信号を入力した時に、開動作中の場合は前記開閉体手段の開動作を停止し、閉動作中の場合は前記開閉体手段の開動作を停止後に開動作を開始し、前記開閉体手段の動作中に前記感知信号の入力が有った時に、開動作中の場合はそのまま開動作を維持し、閉動作中の場合は前記開閉体手段を停止後に開動作を開始することにある。
これは、1点式信号の入力に応じて、開-停止-閉-開-停止-閉-・・・というように巡回的に開閉体手段の動作を制御し、開動作中に感知信号を入力した場合はそのまま開動作を維持し、閉動作中に感知信号を入力した場合は反転開動作を実行するという一般的な制御手段の動作に関するものである。
【0010】
本発明に係る開閉制御システムの第3の特徴は、前記第2の特徴に記載の開閉制御システムにおいて、前記アダプタ手段は、前記制御手段に供給される電流を検出し、電流を検出した場合に検出状態ONを、電流を検出しない場合に検出状態OFFを出力する電流検出手段と、前記開閉体手段が下限位置にあることを検出し、下限位置にある場合に検出状態ONを、下限位置にない場合に検出状態OFFを出力する下限位置検出手段とを備え、前記電流検出手段の検出状態がOFFであって、前記下限位置検出手段の検出状態がOFFの時に、前記3点式スイッチから閉操作信号を入力した場合は前記1点式信号を前記制御手段に出力し、前記電流検出手段の検出状態がONであって、前記下限位置検出手段の検出状態がOFFの時に、前記3点式スイッチから停操作信号を入力した場合は前記感知信号を出力し、その後に前記1点式信号を前記制御手段に出力し、前記電流検出手段の検出状態がONであって、前記下限位置検出手段の検出状態がOFFの時に、前記3点式スイッチから開操作信号を入力した場合は前記感知信号を前記制御手段に出力し、前記電流検出手段の検出状態がOFFであって、前記下限位置検出手段の検出状態がONの時に、前記3点式スイッチから開操作信号を入力した場合は前記1点式信号を前記制御手段に出力することにある。
これは、制御手段に供給される電流を検出し、電流の検出状態ONと検出状態OFFに基づいて、開閉体手段が動作中か停止中かを判断し、下限位置の検出状態ONと検出状態OFFに基づいて、開閉体手段の開閉位置を判断し、3点式スイッチからの開閉停の各操作信号の入力時に、その操作信号に対応した動作を開閉体手段が実行するように1点式信号及び感知信号を制御手段に出力するようにしたものである。
【0011】
本発明に係る開閉制御方法の第1の特徴は、開口部に設けられる開閉体手段と、前記開口部の所定領域に存在する物体等を感知し、感知信号を出力する感知手段と、1点式スイッチの操作に応じた1点式信号を出力する1点式操作子手段と、前記1点式信号及び前記感知信号の入力に応じて、前記開閉体手段の動作を電動にて制御する制御手段とを備える開閉体装置の開閉動作を制御する開閉制御方法において、3点式スイッチを備えた3点式操作子手段の操作に応じた開閉停の操作信号を入力した場合に、前記開閉停の操作信号を入力した時点における前記開閉体手段の開閉位置及び動作状態に基づいて、前記操作信号に対応した動作を前記開閉体手段が実行するように前記1点式信号及び前記感知信号を前記制御手段に出力することにある。
これは、前記開閉制御システムの第1の特徴に対応したものである。
【0012】
本発明に係る開閉制御方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉制御方法において、前記制御手段は、前記開閉体手段の停止中に前記1点式信号を入力した時に、その停止位置が開限位置又は中間位置にある場合は前記開閉体手段を閉動作し、前記停止位置が閉限位置にある場合は前記開閉体手段を開動作し、前記開閉体手段の動作中に前記1点式信号を入力した時に、開動作中の場合は前記開閉体手段の開動作を停止し、閉動作中の場合は前記開閉体手段の開動作を停止後に開動作を開始し、前記開閉体手段の動作中に前記感知信号の入力が有った時に、開動作中の場合はそのまま開動作を維持し、閉動作中の場合は前記開閉体手段を停止後に開動作を開始することにある。
これは、前記開閉制御システムの第2の特徴に対応したものである。
【0013】
本発明に係る開閉制御方法の第3の特徴は、前記第2の特徴に記載の開閉制御方法において、前記制御手段に供給される電流を検出し、電流を検出した場合を検出状態ONとし、電流を検出しない場合を検出状態OFFとし、前記開閉体手段が下限位置にあることを検出し、下限位置にある場合を検出状態ONとし、下限位置にない場合を検出状態OFFとし、前記電流の検出状態がOFFであって、前記下限位置の検出状態がOFFの時に、前記3点式スイッチから閉操作信号を入力した場合は前記1点式信号を前記制御手段に出力し、前記電流の検出状態がONであって、前記下限位置の検出状態がOFFの時に、前記3点式スイッチから停操作信号を入力した場合は前記感知信号を出力し、その後に前記1点式信号を前記制御手段に出力し、前記電流の検出状態がONであって、前記下限位置の検出状態がOFFの時に、前記3点式スイッチから開操作信号を入力した場合は前記感知信号を前記制御手段に出力し、前記電流の検出状態がOFFであって、前記下限位置の検出状態がONの時に、前記3点式スイッチから開操作信号を入力した場合は前記1点式信号を前記制御手段に出力することにある。
これは、前記開閉制御システムの第3の特徴に対応したものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の開閉制御システム及び開閉制御方法によれば、1点式スイッチのリモコン装置にのみ対応している開閉制御システムに3点式スイッチのリモコン装置を接続した場合でも、その3点式スイッチの操作に対応した動作を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】現行の1点式スイッチのリモコン装置に対応した開閉制御システムを搭載したシャッター装置の外観を示す図である。
【
図2】
図1のシャッター装置を正面から見た一部透視図である。
【
図3】
図1のシャッター装置の開閉制御システムの概略を示す図である。
【
図4】
図3のシャッター開閉機制御装置が実行する1点式スイッチのリモコン装置に対応した処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図5】
図3の開閉制御システムに外部コントローラアダプタを設けた場合の具体例を示す図である。
【
図6】
図5の外部コントローラアダプタが実行する3点式スイッチのリモコン装置による処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図7】
図4及び
図6の1点式及び3点式スイッチのリモコン装置のそれぞれの操作と、シャッターカーテンの動作との対応関係の一覧表を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下添付図面に従って本発明に係る開閉制御システムの好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では開閉制御システムによって制御される開閉体装置として、上方が開放方向で下方が閉鎖方向である上下に開閉制御されるシャッター装置を例に説明する。
【0017】
図1は、現行の1点式スイッチのリモコン装置に対応した開閉制御システムを搭載したシャッター装置の外観を示す図である。
図2は、
図1のシャッター装置を正面から見た一部透視図である。
図3は、
図1のシャッター装置の開閉制御システムの概略を示す図である。通常、シャッター装置は、建物などの構造物の開口部に設けられるものであり、基本的にシャッターケース1、シャッターカーテン2、ガイドレール3,4、1点式リモコンスイッチ5及び光電センサ6,7から構成される。
【0018】
ガイドレール3,4は、シャッターカーテン2の両端部に接するように建物の開口部の両端側に設けられ、まぐさ部から床面まで掛け渡された断面形状がコの字型状(角のある略C字型状又は略U字型状)の案内溝を有する金属製部材で構成されている。シャッターカーテン2は、このガイドレール3,4の各案内溝に沿って上昇下降し、開口部の開閉動作を行う。シャッターケース1内には、巻取シャフト11が回動可能に設けられており、これにシャッターカーテン2が巻き取られたり巻き戻されたりする。また、シャッターケース1内には、モータ13が設けられており、このモータ13の回転駆動力で巻取シャフト11が回転し、シャッターカーテン2の開閉動作が制御されるようになっている。
【0019】
図2に示すように、シャッターケース1内には、巻取シャフト11、チェーン12、モータ13、位置検出装置14、シャッター開閉機制御装置15が設けられている。巻取シャフト11は、シャッターケース1内に回動可能に設けられ、シャッターカーテン2を巻き取ったり巻き戻したりする。チェーン12は、モータ13の回転軸に設けられた主動スプロケットと巻取シャフト11の回転軸に設けられた従動スプロケットとを連結している。従って、モータ13の回転駆動力はチェーン12を介して巻取シャフト11側に伝達され、モータ13が回転すると、チェーン12を介して巻取シャフト11が回転し、シャッターカーテン2の開閉動作が制御されるようになっている。
【0020】
モータ13には、その回転位置すなわちシャッターカーテン2の開閉位置と開閉状態を検出するための位置検出装置14が設けられている。この位置検出装置14は、パルス発生型のロータリーエンコーダ等で構成される。モータ13の回転に応じたパルス信号がシャッター開閉機制御装置15に出力されるので、モータ13の回転位置やシャッターカーテン2の閉鎖側先端部の開口部における開閉位置や動作状態などはこのパルスの発生状況に基づいてシャッター開閉機制御装置15が演算にて求めることになる。
【0021】
シャッター開閉機制御装置15は、マイクロコンピュータ構成になっており、電源16から電源ライン16a,16bを介して電力が供給されている。シャッター開閉機制御装置15は、1点式リモコンスイッチ5上の操作ボタンの操作に対応してモータ13の回転を制御する。1点式リモコンスイッチ5は、操作ボタンの操作に応じたオン/オフの信号をシャッター開閉機制御装置15に出力する。なお、有線式の1点式スイッチなどを用いてシャッター開閉機制御装置15に制御信号を送信し、開閉動作を実行させるものもある。
【0022】
光電センサ6,7は、人や自動車等の通過状態、及び物体等の存在を確認するために使用される障害物感知装置であり、開口部の下側左右両端に設けられている。なお、図では、開口部の前後のいずれか一方の所定箇所に設けられているが、前後両方及び/又は開口部上方に設けるようにしてもよい。光電センサ6は、角柱状の投光器支持部材によって構成され、その反対側に同じ形状の受光器支持部材によって構成される光電センサ7が対となるように設けられている。これらの光電センサ6,7は、シャッターカーテン2の座板の長手方向寸法又は開口部の横幅寸法に相当する距離だけ互いに離間して配置されている。
【0023】
光電センサ6には、例えば赤外線等の光を自ら発光する発光素子からなる投光器6aが支持されている。一方、光電センサ7には、光を自ら受光感知する受光素子からなる受光器7aが支持されている。光電センサ6の投光器6aおよび光電センサ7の受光器7aは、互いに向かい合って配置され、開口部の下側位置で座板に沿って走る物体感知用の光線の光路8を形成している。光電センサ6,7が光路8内で人や物体(自動車)を感知した場合には、光電センサアンプ6b,7bのスイッチング機構によって、その感知信号がシャッター開閉機制御装置15に送信される。図示1において、光路8は、光電センサ6,7の物体感知領域を模式的に示している。
【0024】
シャッター開閉機制御装置15は、光電センサ6の投光器6aと光電センサ7の受光器7aとの間に人や物体(自動車)などが存在するか否かに応じて、シャッターカーテン2の開放動作及び/又は閉鎖動作を制御する。
【0025】
図4は、
図3のシャッター開閉機制御装置が実行する1点式スイッチのリモコン装置に対応した処理の一例を示すフローチャート図である。
ステップS41では、1点式スイッチの入力が有りか否かの判定を行い、有り(yes)の場合は次のステップS42に進み、入力無し(no)の場合はステップS50に進む。
ステップS42では、現在のシャッターカーテン2の動作が停止中か動作中(否)かの判定を行い、停止中(yes)の場合は次のステップS43に進み、動作中(no)の場合はステップS47に進む。
【0026】
ステップS43及びステップS44では、前のステップS42で停止中と判定されたので、どの位置で停止中かの判定を行い、それぞれの停止位置に対応した処理を実行する。
ステップS43では、全開位置(開限)で停止中か否かの判定を行い、開限で停止中(yes)の場合はステップS45に進み、開限以外で停止中(no)の場合はステップS44に進む。
ステップS44では、全開と全閉の間の中間で停止中か否かの判定を行い、中間停止(yes)の場合はステップS45に進み、中間停止でない(no)場合は、閉限で停止中と判定されるので、ステップS46に進む。
ステップS45では、ステップS43で開限停止中又はステップS44で中間停止中と判定されたので、シャッターカーテン2を閉動作させて、リターンする。
ステップS46では、ステップS44で閉限停止中と判定されたので、シャッターカーテン2を開動作させて、リターンする。なお、ここでは、シャッターカーテン2の開動作中における移動を正方向移動とし、閉動作中における移動を逆方向移動とする。
【0027】
ステップS47では、ステップS42で停止中でない、すなわち動作中であると判定されたので、その動作が開動作なのか閉動作(否)なのかの判定を行い、開動作(yes)の場合は次のステップS48に進み、閉動作(no)の場合はステップS49に進む。
ステップS48では、ステップS47で開動作中と判定されたので、シャッターカーテン2の動作を停止させて、リターンする。
ステップS49では、ステップS47で閉動作中と判定されたので、シャッターカーテン2の閉動作を停止し、その後開動作を開始させる、いわゆる反転開の動作を実行させて、リターンする。
【0028】
ステップS50では、光電管入力が有りか否かの判定を行い、有り(yes)の場合は次のステップS51に進み、入力無し(no)の場合はリターンする。
ステップS51では、シャッターカーテン2が動作中か停止中(否)かの判定を行い、動作中(yes)の場合はステップS53に進み、停止中(no)の場合はリターンする。
ステップS52では、前のステップS51で動作中であると判定されたので、動作が開動作中なのか否かの判定を行い、開動作中(yes)の場合はリターンし、閉動作中(no)の場合はステップS53に進む。
ステップS53では、閉動作中に光電管入力があったので、シャッターカーテン2の閉動作を停止し、その後開動作を開始させる、いわゆる反転開動作を実行させて、リターンする。
【0029】
上述のフローチャートによれば、シャッターカーテン2の停止中に1点式スイッチが操作された場合は、ステップS42~44によって、その停止位置が開限又は中間位置の場合は閉動作を実行し、停止位置が閉限の場合は開動作を実行する。また、シャッターカーテン2の動作中に1点式スイッチが操作された場合は、ステップS47によって、開動作中は開動作を停止し、閉動作中は反転開動作を実行する。さらに、シャッターカーテン2の動作中に光電管入力が有った場合は、開動作中はそのまま開動作を維持し、閉動作中は反転開動作を実行する。
【0030】
上述した現行の1点式スイッチのリモコン装置にのみ対応した開閉制御システムを搭載したシャッター装置に、3点式スイッチのリモコン装置を接続しても所望の動作を実行させることはできない。そこで、この実施の形態では、1点式スイッチのリモコン装置に対応したシャッター開閉機制御装置15の構成に、例えば複数の素子が搭載されている基板の変更や複数素子の変更を行う等の大幅な変更を加えることなく、多くともシャッター開閉機制御装置15と外部コントローラアダプタ20との間のインターフェイス部の若干の変更(例えば端子の変更や交換、信号線の変更や追加等の変更等の簡易な変更)で対処可能なように、シャッター開閉機制御装置15に外部コントローラアダプタ20を別途設け、3点式スイッチのリモコン装置を用いて1点式スイッチのリモコン装置にのみ対応した開閉制御システムを制御できるようにした。
【0031】
図5は、
図3の開閉制御システムに外部コントローラアダプタを設けた場合の具体例を示す図である。
図5において、
図3と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。
【0032】
外部コントローラアダプタ20は、無線回路21、下限リミットスイッチ22、1点式信号発生用スイッチ23、センサ信号発生用スイッチ24及び電流センサ25から構成される。
無線回路21は、3点式リモコンスイッチ8及び携帯通信端末9に無線接続され、3点式リモコンスイッチ8及び携帯通信端末9の開ボタン、停止ボタン、閉ボタンの操作に対応した操作信号を受信し、所定の処理を実行する制御手段である。
【0033】
無線回路21と3点式リモコンスイッチ8とは所定の周波数帯(例えば、426[MHz])で接続され、所定のIDを介してそれぞれ接続されるようになっている。
また、携帯通信端末9を無線回路21に接続する方式として、汎用の携帯通信端末9に内蔵されている近距離無線通信インターフェイス(例えば、Wi-Fi、赤外線通信、ブルートゥース(登録商標)など)を採用し、この通信インターフェイスを介して携帯通信端末9を無線回路21に接続し、携帯通信端末9をリモコンスイッチとして利用できるようにする。携帯通信端末9は、アプリケーションソフトの起動によって開閉停制御用の3点式リモコンスイッチとして機能する、例えば、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯通信端末9をアプリケーションソフトによって3点式リモコンスイッチとして機能させる。
【0034】
下限リミットスイッチ22は、シャッターカーテン2が全閉すなわち下限位置にあることを検出するスイッチ(下限位置検出手段)であり、モータの減速機に設けられている位置検出装置14を使用する。なお、位置検出装置14を下限リミットスイッチ22として利用できない場合には、シャッターカーテン2の下限位置を検出することのできるスイッチを別途設けても良い。下限リミットスイッチ22は、シャッターカーテン2が全閉すなわち下限位置にある場合に下限検出状態ONの信号を、下限位置にない場合に下限検出状態OFFの信号を出力する。
【0035】
1点式信号発生用スイッチ23は、1点式リモコンスイッチ5が操作された場合に出力されるのと同じ1点式信号をシャッター開閉機制御装置15に出力するものである。
センサ信号発生用スイッチ24は、光電センサ6,7が光路8内で人や物体(自動車)を感知した場合に、光電センサアンプ6b,7bのスイッチング機構によって出力される感知信号と同じセンサ信号をシャッター開閉機制御装置15に出力するものである。
【0036】
電流センサ25は、電源16からシャッター開閉機制御装置15に供給される電流値に応じた信号として、電流を検出した場合に電流検出状態ONの信号を出力し、電流を検出しない場合には電流検出状態OFFの信号を出力する電流検出手段であり、例えば、磁気センサ(ホール素子)を用いて構成されたものやその他電流を検出可能なもので構成される。
【0037】
この実施の形態では、無線回路21が3点式リモコンスイッチ8及び携帯通信端末9からの操作信号、下限リミットスイッチ22からの下限検出状態ON/OFFの信号及び電流センサ25からの電流検出状態ON/OFFの信号に基づいて、1点式信号発生用スイッチ23及びセンサ信号発生用スイッチ24を動作させて、1点式信号及びセンサ信号をシャッター開閉機制御装置15に出力する場合について説明する。なお、無線回路21の他に別途制御回路を設けても良い。
【0038】
図6は、
図5の外部コントローラアダプタが実行する3点式スイッチのリモコン装置による処理の一例を示すフローチャート図である。
ステップS61では、3点式スイッチからの操作信号が停止操作信号か否かの判定を行い、停止操作信号(yes)の場合は次のステップS62に進み、そうでない(no)場合はステップS64に進む。
【0039】
ステップS62では、電流センサ25からの電流検出状態がON(電流検出ON)であって、且つ、シャッターカーテン2の位置が下限位置に存在しない、すなわち下限リミットスイッチ22の下限検出状態がOFF(下限リミットOFF)であるか否かの判定を行い、判定結果がyesの場合は次のステップS63に進み、noの場合はリターンする。
【0040】
ステップS63では、センサ信号をシャッター開閉機制御装置15に出力し、その後に1点式信号を出力する。すなわち、電流センサ25の電流検出状態がON(電流検出ON)にあり、下限検出状態がOFF(下限リミットOFF)であるということは、シャッターカーテン2は下限位置に存在せず、開動作又は閉動作中であることを意味するので、外部コントローラアダプタ20はシャッター開閉機制御装置15にセンサ信号を出力する。これによって、
図4のステップS41、ステップS50及びステップS51の判定を経て、ステップS52の判定が行われ、シャッターカーテン2が開動作中の場合はそのまま開動作が続行され、閉動作中の場合は反転開動作が実行される。すなわち、シャッターカーテン2は、開動作を実行する。その直後に、外部コントローラアダプタ20は1点式信号をシャッター開閉機制御装置15に出力する。これによって、
図4のステップS41、ステップS42及びステップS47の判定を経て、ステップS48の停止処理が実行され、シャッターカーテン2は停止する。これによって、3点式スイッチからの停止操作信号に対応してシャッターカーテン2の停止動作が実行されるようになる。
【0041】
ステップS64では、3点式スイッチからの操作信号が開操作信号か否かの判定を行い、開操作信号(yes)の場合は次のステップS65に進み、そうでない(no)場合はステップS69に進む。
ステップS65では、電流センサ25の電流検出状態がON(電流検出ON)であって、且つ、シャッターカーテン2の位置が下限位置に存在しない、すなわち下限リミットスイッチ22の下限検出状態がOFF(下限リミットOFF)であるか否かの判定を行い、判定結果がyesの場合は次のステップS66に進み、noの場合はステップS67に進む。
【0042】
ステップS66では、センサ信号をシャッター開閉機制御装置15に出力する。すなわち、電流センサ25の電流検出状態がON(電流検出ON)であり、下限リミットスイッチ22の下限検出状態がOFF(下限リミットOFF)であるということは、シャッターカーテン2は下限位置に存在せず、開動作又は閉動作中であることを意味するので、外部コントローラアダプタ20はシャッター開閉機制御装置15にセンサ信号を出力する。これによって、
図4のステップS41、ステップS50及びステップS51の判定を経て、ステップS52の判定が行われ、開動作中の場合はそのまま開動作が続行され、閉動作中の場合は反転開動作が実行される。これによって、3点式スイッチからの開操作信号に対応してシャッターカーテン2の開動作が実行されるようになる。
【0043】
ステップS67では、電流センサ25の電流検出状態がOFF(電流検出OFF)であって、且つ、シャッターカーテン2の位置が下限位置に存在する、すなわち下限リミットスイッチ22の下限位置状態がON(下限リミットON)にあるか否かの判定を行い、判定結果がyesの場合は次のステップS68に進み、noの場合はリターンする。
【0044】
ステップS68では、1点式信号をシャッター開閉機制御装置15に出力する。すなわち、電流センサ25の電流検出状態がOFF(電流検出OFF)であり、下限リミットスイッチ22の下限位置状態がON(下限リミットON)であるということは、シャッターカーテン2は下限位置に停止中であることを意味するので、外部コントローラアダプタ20はシャッター開閉機制御装置15に1点式信号を出力する。これによって、
図4のステップS41~ステップS44の判定を経て、ステップS46の開動作が実行される。これによって、3点式スイッチからの開操作信号に対応してシャッターカーテン2の開動作が実行されるようになる。
【0045】
ステップS69では、3点式スイッチからの操作信号が閉操作信号か否かの判定を行い、閉操作信号(yes)の場合は次のステップS70に進み、そうでない(no)場合はリターンする。
ステップS70では、電流センサ25の電流検出状態がOFF(電流検出OFF)であって、且つ、シャッターカーテン2の位置が下限位置に存在しない、すなわち下限リミットスイッチ22の下限位置状態がOFF(下限リミットOFF)であるか否かの判定を行い、判定結果がyesの場合は次のステップS71に進み、noの場合はリターンする。
【0046】
ステップS71では、1点式信号をシャッター開閉機制御装置15に出力する。すなわち、電流センサ25の電流検出状態がOFF(電流検出OFF)であり、下限リミットスイッチ22の下限位置状態がOFF(下限リミットOFF)であるということは、シャッターカーテン2は上限位置(開限)に停止中であるか、中間停止中(言い換えれば、開限と閉限の間である途中位置での停止中)であることを意味するので、外部コントローラアダプタ20はシャッター開閉機制御装置15に1点式信号を出力する。これによって、
図4のステップS41~ステップS44の判定を経て、ステップS45の閉動作が実行される。これによって、3点式スイッチからの閉操作信号に対応してシャッターカーテン2の閉動作が実行されるようになる。
【0047】
図7は、
図4及び
図6の1点式及び3点式スイッチのリモコン装置のそれぞれの操作と、シャッターカーテンの動作との対応関係の一覧表を示す図である。
図7の一覧表において、横方向に各項目として、「シャッターの状態」、「1点式入力」、「電流検出状態」、「下限位置状態」及び「3点式入力」の5つの項目が示してある。
【0048】
「シャッターの状態」及び「1点式入力」の項目は、「シャッターの状態」の項目に示す状態にシャッターがある場合に、1点式スイッチのリモコン装置が操作された場合に実行される動作を示す表である。
シャッター状態が中間停止中又は開限停止中のときに、1点式スイッチが操作された場合には「1点式入力」の項目に示すように、
図4のステップS45の閉動作が実行される。シャッター状態が開動作中のときは、
図4のステップS48の停止動作が実行される。シャッター状態が閉動作中のときは、
図4のステップS49の反転開動作が実行される。シャッター状態が閉限停止中のときは、
図4のステップS45の閉動作が実行される。シャッター状態が閉限停止から開動作に移行した直後のときは、
図4のステップS48の停止動作が実行される。シャッター状態が閉動作から閉限停止直後のときは、
図4のステップS49の反転開動作が実行される。
【0049】
「電流検出」及び「下限リミット」の項目は、「シャッターの状態」の項目に示す状態にシャッターがある場合に、外部コントローラアダプタ20の電流センサ25の電流検出状態のON/OFF及び下限リミットスイッチ22の下限位置状態のON/OFFをそれぞれ示す表である。
【0050】
シャッター状態が中間停止中又は開限停止中のときは、電流検出状態及び下限位置状態は共にOFFである。シャッター状態が開動作中又は閉動作中のときは、電流検出状態はONであり、下限位置状態はOFFである。シャッター状態が閉限停止中のときは、電流検出状態はOFF、下限位置状態はONである。シャッター状態が閉限停止から開動作に移行した直後又は閉動作から閉限停止直後のときは、電流検出状態及び下限位置状態は共にONである。
【0051】
従って、外部コントローラアダプタ20は、電流検出状態及び下限位置状態が共にOFFのときに、3点式スイッチから閉操作信号を受信した場合には1点式スイッチの操作信号をシャッター開閉機制御装置15に出力する。これによって、
図4のステップS45の閉動作が実行されるようになる。
【0052】
外部コントローラアダプタ20は、電流検出状態がONであって、下限位置状態がOFFのときに、3点式スイッチから開操作信号を受信した場合にはセンサ信号をシャッター開閉機制御装置15に出力する。これによって、
図4のステップS53の反転開動作が実行されるようになる。
【0053】
一方、外部コントローラアダプタ20は、電流検出状態がONであって、下限位置状態がOFFのときに、3点式スイッチから停止操作信号を受信した場合には、センサ信号をシャッター開閉機制御装置15に出力し、
図4のステップS53の反転開動作を実行させて、その直後に1点式信号をシャッター開閉機制御装置15に出力する。これによって、ステップS48の停止処理が実行されるようになる。
【0054】
外部コントローラアダプタ20は、電流検出状態がOFFであって、下限位置状態がONのときに、3点式スイッチから開操作信号を受信した場合には1点式信号をシャッター開閉機制御装置15に出力する。これによって、ステップS46の開動作が実行されるようになる。
【0055】
なお、
図6のフローチャートにおいて、電流検出状態及び下限位置状態が共にONのときの判定を行っていないが、この場合は、ステップS62、ステップS65、ステップS67及びステップS70でnoと判定され、直ちにリターンし、何も処理が実行されないので、表には無効と記載してある。これ以外にも表中で無効と記載してあるものは、何も処理を行わないでリターンすることを意味する。
【0056】
上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出されるシャッターカーテンを例に説明したが、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。また、開閉体装置としては、例えば、シャッター装置、オーバードア装置、窓シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置、引戸装置、移動間仕切装置、オーニング装置、防水板装置などにも適用可能である。
【0057】
上述の実施の形態では、外部コントローラアダプタ20は、無線回路21を介して3点式リモコンスイッチ8及び携帯通信端末9に無線接続される場合について説明したが、有線を介して3点式リモコンスイッチを接続してもよい。また、車両のUSB又は電源ソケットに差し込まれることによって、3点式スイッチのリモコン装置点として機能する車載用自動開閉リモコンなども無線回路を介して接続可能である。
【0058】
無線回路21に携帯通信端末9が無線接続されている場合には、電流検出状態及び下限位置状態に基づいてシャッター状態を認識することが可能となるので、そのシャッター状態に関する信号を無線回路21経由にて携帯通信端末9にアンサーバック(又はフィードバック)することによって、携帯通信端末9の表示画面にシャッター状態を認識可能に表示することができる。例えば、電流検出状態及び下限位置状態は共にOFFの場合、シャッター状態は中間停止中又は開限停止中なので、そのシャッター状態を携帯通信端末9に表示する。この停止中の表示中に閉操作ボタンが操作された場合には、閉動作が開始されるので、シャッター状態が閉動作中であることを携帯通信端末9に表示する。電流検出状態がONで、下限位置状態がOFFの場合、シャッター状態は、開動作中又は閉動作中なので、そのシャッター状態を携帯通信端末9に表示する。開動作中又は閉動作中の表示中に停止ボタンが操作された場合には、停止が実行されるので、シャッター状態が停止中であることを携帯通信端末9に表示する。また、開動作中又は閉動作中の表示中に開ボタンが操作された場合には、反転開動作が実行されるので、シャッター状態が開動作中であることを携帯通信端末9に表示する。電流検出状態がOFFで、下限位置状態がONの場合、シャッター状態は閉限停止中に該当するので、そのシャッター状態を携帯通信端末9に表示する。閉限停止中の表示中に開ボタンが操作された場合には、開動作が実行されるので、シャッター状態が開動作中であることを携帯通信端末9に表示する。電流検出状態及び下限位置状態が共にONの場合は、閉限停止から開動作直後や閉動作から閉限停止直後のように極めて短時間なので、携帯通信端末9にはこのときのシャッター状態は表示しないこととする。
【0059】
上述の実施の形態では、シャッターカーテンの開閉位置や動作状態を取得する手段として、下限リミットスイッチ22や電流センサ25を用いているが、これ以外にシャッター下端等からの高さ位置(開閉位置)や動作状態が判るセンサ、例えば変位センサと加速度センサを組み合わせたものを用いて、そのセンサからの信号を無線等で無線回路21に送信してもよい。また、オーバーヘッドドアの下端等からの高さ位置(開閉位置)や動作状態を検出することのできるセンサとして、STEEL-LINE社製のGarage Door Sensorを使用してもよい。
また、シャッターカーテンの先端部にGPSを取り付け、GPSの位置情報に基づいてシャッター下端等からの高さ位置(開閉位置)や動作状態を判断してよい。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される特許請求の範囲の技術思想について、実施の形態における符号等を援用してその対応関係を記載する。
請求項1~6に記載の「開閉体手段」,「感知手段」,「1点式操作子手段」,「3点式操作子手段」及び「アダプタ手段」は、それぞれ実施の形態に記載されている「シャッターカーテン2」(段落[0017]),「光電センサ6,7」(段落[0017]),「1点式リモコンスイッチ5」(段落[0017]),「3点式スイッチのリモコン装置」(段落[0030])及び「外部コントローラアダプタ20」(段落[0030])に対応する。ただし、この記載における各符号は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【符号の説明】
【0060】
1…シャッターケース
2…シャッターカーテン
3,4…ガイドレール
5…1点式リモコンスイッチ
6,7…光電センサ
6a…投光器
7a…受光器
8…3点式リモコンスイッチ
9…携帯通信端末
11…巻取シャフト
12…チェーン
13…モータ
14…位置検出装置
15…シャッター開閉機制御装置
16…電源
16a,16b…電源ライン
20…外部コントローラアダプタ
21…無線回路
22…下限リミットスイッチ
23…1点式信号発生用スイッチ
24…センサ信号発生用スイッチ
25…電流センサ