(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】塵芥収集車
(51)【国際特許分類】
B65F 3/00 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
B65F3/00 C
(21)【出願番号】P 2019042460
(22)【出願日】2019-03-08
【審査請求日】2021-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】中倉 章夫
(72)【発明者】
【氏名】前川 亘
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-083594(JP,A)
【文献】特開2002-188672(JP,A)
【文献】実公昭38-007222(JP,Y1)
【文献】実公平06-050401(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 3/00~ 3/28
B60R 9/00~15/04
B60P 1/00~ 1/64
B62D 17/00~25/08
B62D 25/14~29/04
E05F 1/00~13/04
E05F 17/00
E06B 11/00~11/08
B66B 13/00~13/30
F16B 23/00~43/02
F16F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵芥収容箱と、該塵芥収容箱の後方に位置し、外部から塵芥が投入される投入口を有する塵芥投入箱とを備えた塵芥収集車において、
前記塵芥投入箱は、投入案内板と支持装置とを備え、
前記投入案内板は、前記投入口の下部に軸支されて、後方へ張り出した展開姿勢と、起立した起立姿勢とに回動可能であり、
前記支持装置は、前記展開姿勢の前記投入案内板を下側から支持するものであって、支持部材、緩衝部材、該緩衝部材を前記支持部材に取付けるためのボルトおよびナットとを備え、
前記支持部材は、前記塵芥投入箱の後面における前記投入口下方に固定されるとともにボルト貫通穴を備えて該ボルト貫通穴と径方向にオフセットした位置に被係合部を備え、
前記緩衝部材は、前記支持部材の上側にボルトおよびナットで固定され、
前記ボルトまたは該ボルトに固定された部材には、ボルト軸と径方向にオフセットした位置に係合部を備え、
前記係合部は、前記ボルトを前記ボルト貫通穴に通した際、前記被係合部と係合して、前記ボルトの回り止めをするよう構成され
、
前記被係合部は、前記支持部材を貫通して、前記オフセットの方向に長い長穴とされたことを特徴とする塵芥収集車。
【請求項2】
平面積が前記ボルトのボルト頭の平面積より大きく前記緩衝部材と接着する緩衝部材支持板を備え、該緩衝部材支持板に前記係合部を備えた請求項1に記載の塵芥収集車。
【請求項3】
平面積が前記ボルトのボルト頭の平面積より大きく前記緩衝部材と接着する緩衝部材支持板を備え、該緩衝部材支持板は、前記ボルト頭下面に固定されている請求項1または請求項2に記載の塵芥収集車。
【請求項4】
前記緩衝部材は、前記ボルトのボルト頭を覆っている請求項1ないし請求項3の何れかに記載の塵芥収集車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は塵芥収集車に関し、特に、塵芥投入箱の投入口下部に設けられて一時的に塵芥を置くことが可能な投入案内板の支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、塵芥投入箱の投入口下部に設けられ、積込装置作動中に一時的にごみを置くための投入案内板(テーブル)と、塵芥投入箱の後面における投入口下方に設けられ、投入案内板を開いた状態で下面から支持する支持部材(ブラケット)と、緩衝部材(ゴム)とを設ける構成が開示されている。
【0003】
ところで一般に、
図13に示すように、塵芥投入箱50の後面51に取付けられた支持部材52に、緩衝部材53を取付けるには、緩衝部材53の上方からボルト54を貫通させ、さらにボルト54を支持部材52まで貫通させ、支持部材52の下面からボルト54にナット55を締結させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、支持部材52は、塵芥投入箱50の後面51に固定されるが、
図14に示すように、支持部材52の溶接の仕方や、あるいは支持部材52の精度によって、塵芥投入箱50の後面51に対し、支持部材52が左右斜めに固定される場合も考えられる。このような場合、投入案内板56の展開姿勢において緩衝部材53の端に投入案内板56が当接すると、投入案内板56が緩衝部材53に対してその片方で当たり、この当たる際の力によって緩衝部材53を後方へ押出すことがある。そうなると、緩衝部材53と一緒にボルト54が微細に回ってしまい、その結果ボルト54が緩む。
【0006】
そこで本発明は、支持装置のボルトが緩みにくい塵芥収集車の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、塵芥収容箱と、該塵芥収容箱の後方に位置し、外部から塵芥が投入される投入口を有する塵芥投入箱とを備えた塵芥収集車において、前記塵芥投入箱は、投入案内板と支持装置とを備え、前記投入案内板は、前記投入口の下部に軸支されて、後方へ張り出した展開姿勢と、起立した起立姿勢とに回動可能であり、前記支持装置は、前記展開姿勢の前記投入案内板を下側から支持するものであって、支持部材、緩衝部材、該緩衝部材を前記支持部材に取付けるためのボルトおよびナットとを備え、前記支持部材は、前記塵芥投入箱の後面における前記投入口下方に固定されるとともにボルト貫通穴を備えて該ボルト貫通穴と径方向にオフセットした位置に被係合部を備え、前記緩衝部材は、前記支持部材の上側にボルトおよびナットで固定され、前記ボルトまたは該ボルトに固定された部材には、ボルト軸と径方向にオフセットした位置に係合部を備え、前記係合部は、前記ボルトを前記ボルト貫通穴に通した際、前記被係合部と係合して、前記ボルトの回り止めをするよう構成されたことを特徴としている。
【0008】
上記構成の塵芥収集車によれば、投入案内板が展開姿勢となって投入案内板が緩衝部材に当たった際に、被係合部と係合部とが係合して、回動が防止されるためボルトが緩んでしまうことを防止できる。
【0009】
本発明の塵芥収集車では、平面積が前記ボルトのボルト頭の平面積より大きく前記緩衝部材と接着する緩衝部材支持板を備え、該緩衝部材支持板に前記係合部を備えた構成を採用できる。
【0010】
上記構成によれば、ボルト軸からオフセットする距離を、緩衝部材と接着するための緩衝部材支持板をつかって大きくできる(距離を稼ぐことができる)。このため、大きくした距離の分、ボルト軸に対して確実に回動を防止できる。
【0011】
本発明の塵芥収集車では、平面積が前記ボルトのボルト頭の平面積より大きく前記緩衝部材と接着する緩衝部材支持板を備え、前記緩衝部材支持板は、前記ボルト頭下面に固定された構成を採用できる。
【0012】
上記構成によれば、ボルト頭下面に固定した緩衝部材支持板を、ボルト頭と支持部材とで挟むため、挟む力が緩衝部材支持板に作用して、緩衝部材支持板がボルトから外れにくい。
【0013】
本発明の塵芥収集車では、前記緩衝部材は、前記ボルトのボルト頭を覆っている構成を採用できる。
【0014】
上記構成によれば、緩衝部材の上面にボルト用の凹みを形成する必要がないため、雨水等の水分が緩衝部材上部に溜まるのを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の塵芥収集車によれば、投入案内板の支持装置のボルトが緩みにくい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係る塵芥収集車の、運転席の後方を示した斜視図である。
【
図2】同投入案内板および支持装置を主として記載した、塵芥収集車における車幅方向中心の断面図である。
【
図11】同支持装置において、緩衝部材支持板、ボルト、および緩衝部材をアッセンブリとした下方からの斜視図である。
【
図12】本発明の他の実施形態を表し、(a)、(b)はその一部破断正面断面図である。
【
図13】従来の支持装置を表す一部破断正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係る塵芥収集車を、
図1ないし
図12を参照して説明する。まず、本発明の第一の実施形態を説明する。はじめに
図1に示すように、塵芥収集車1の概要の構成を説明する。塵芥収集車1は、運転席(図示せず)の後方に配置される塵芥収容箱2と、塵芥収容箱2の後方に位置した塵芥投入箱3を備える。
【0018】
塵芥投入箱3の後方には、外部から塵芥が投入される投入口4を備える。塵芥投入箱3は、投入口4の下部に設けられて、一時的に塵芥を置くことが可能な投入案内板5を備え、投入案内板5を後述するような展開姿勢A1(
図2参照)で支持する支持装置6を備える。
【0019】
図1に示すように、投入案内板5は投入口4の略幅方向に亘って形成され、
図2に示すように、投入案内板5の基端5aは、投入口4の下部に配置された投入口下縁材7、すなわち塵芥投入箱3の後面上部に、車幅方向に配置された支軸8に取付けられている。
【0020】
投入案内板5は、平板状の載置面9と、載置面9と平行な被支持面10とを備えている。投入案内板5は、投入口4から後方へ張り出した前記展開姿勢A1と、支軸8回りに起立した起立姿勢A2とに回動可能である。なお、この姿勢の切替えは作業者によって行われる。
【0021】
起立姿勢A2は、投入口4に配置されたラッチ機構11で支持され、展開姿勢A1は支持装置6によって支持される。さらに具体的に、塵芥収集車1が水平な路面に置かれた場合に、起立姿勢A2では、支軸8回りに投入案内板5が回動され、ラッチ機構11で保持されることで、載置面9と被支持面10とが略垂直な状態となる。展開姿勢A1では、支軸8回りに投入案内板5が回動されて、載置面9と被支持面10とが略水平な状態であり、且つ被支持面10が支持装置6に支持される。また、投入案内板5の被支持面10が支持装置6によって水平となるよう、支持装置6が投入口下縁材7に位置づけられた構成となっている。
【0022】
次に、
図3を参照して、支持装置6を説明する。本実施形態では、
図1に示すように、展開姿勢A1の投入案内板5を下側から支持するものであって、投入口4の下方に、車幅方向の三箇所に配置されているが、支持装置6は何れも同様の構成であるため、そのうちの一箇所において説明する。
【0023】
図2に示すように、支持装置6は、支持部材12、緩衝部材支持板13、緩衝部材14、緩衝部材支持板13および緩衝部材14を支持部材12に取付けるための、ボルト15、ナット16とを備える。
【0024】
図2ないし
図8を参照して、支持部材12を説明する。支持部材12はブラケットとも称され、
図2に示すように、塵芥投入箱3の投入口4の後方、すなわち投入口下縁材7の後面における、上下方向途中に配置されている。支持部材12は、投入口下縁材7の後面に溶接される前方および下方を開口とされるとともに、
図4、
図5に示すように、投入口下縁材7の後面に水平方向に配置される天面17、両側面18,18、背面19とから金属製で一体に形成されている。
【0025】
図5ないし
図7で示すように、天面17の略中央には、平面視して円形のボルト貫通穴20が貫通されている。また、支持部材12のボルト貫通穴20の近傍、この場合、前側には後述する緩衝部材支持板13の係合部21を挿通する被係合穴22(被係合部に相当)が貫通されている。この被係合穴22は、天面17において、ボルト貫通穴20と径方向にオフセットした位置に配置されている。すなわち、後述するボルト15のボルト軸24が貫通する部分の軸の径方向にオフセットされている。また、被係合穴22は板状の係合部21に対応した形状に形成されている。本実施形態では、前後方向に長い長方形の穴とされている。
【0026】
図3ないし
図8を参照して、緩衝部材支持板13を説明する。緩衝部材支持板13は金属製であり、
図3に示すように、支持部材12の天面17に乗せるように配置される板体23と、板体23の端部から折曲げられる前記係合部21とを一体的に備えている。
【0027】
図8に示すように、板体23は、扇状の板材から構成され、板体23の中心にはボルト15のボルト軸24が挿通するボルト挿通穴25が形成されている。また、ボルト15の平面積よりも、板体23の平面積の方が大きく形成されている。係合部21は、扇状の板体23の直線部分27の途中にあって、板体23に対して直交となるよう、支持部材12の天面17側に折曲されている。この係合部21は、ボルト挿通穴25と径方向にオフセットした位置に配置されていて、前述のように、支持部材12の天面17の被係合穴22に挿通される。なお径方向とは、ボルト軸24(ねじ部分)の径方向である。
【0028】
図3を参照して、ボルト15およびナット16を説明する。ボルト15は、前記ボルト軸(ボルト15のねじ部分に相当する)24と、ボルト軸24より径の大きなボルト頭26とを備える。ナット16は、緩衝部材支持板13の板体23が天面17に乗せられて、係合部21が被係合穴22に挿入された状態で、ボルト挿通穴25およびボルト貫通穴20を上方から通したボルト軸24に対して締結される。
【0029】
図3、
図9および
図10を参照して、緩衝部材14を説明する。これらの図に示すように、緩衝部材14は全体として円柱状の合成ゴムから形成され、ボルト軸24を同心として、ボルト頭26および緩衝部材支持板13の板体23を、その上方から覆う。したがって、緩衝部材14の下面14aには、ボルト頭26および緩衝部材支持板13の板体23を覆うような凹部28が形成されている。
【0030】
凹部28は、緩衝部材14の軸中心に形成されボルト頭26に対応する形状のボルト凹部29と、ボルト凹部29の外周に形成され、扇状の板体23および係合部21の板体23側に対応する形状でこれを覆う支持板凹部30とを備えている。
【0031】
板体23に形成されたボルト挿通穴25にボルト15(ボルト軸24)を挿通して、ボルト頭26をボルト凹部29に内嵌し、板体23を支持板凹部30に嵌合した際に、緩衝部材14の下面14aと板体23の底面とは略面一である。また、緩衝部材14においては、緩衝部材14の下面14aの一部、すなわちこの場合は外周面31が、支持部材12の天面17に載置される。
【0032】
上記構成の支持装置6では、投入口下縁材7の後面の上下方向途中に、支持部材12の天面17が水平となるように前方を溶接されることで、支持部材12が投入口下縁材7に固定される。
【0033】
また、支持装置6の組立の一例として、
図11に示すように、緩衝部材支持板13、ボルト15、および緩衝部材14をアッセンブリ(組品)Bとして構成しておく。このアッセンブリBを構成する際には、緩衝部材支持板13(板体23)のボルト挿通穴25に、ボルト15のボルト軸24を通しておき、ボルト頭26を板体23に溶接等で固定したうえで、ボルト頭26をボルト凹部29に内嵌するとともに、板体23を支持板凹部30に内嵌して、緩衝部材14と緩衝部材支持板13(板体23)とを接着(焼付接着等)しておく。このようしておくことで、緩衝部材14と緩衝部材支持板13(板体23)とが一体化されることになる。なお、板体23には直線部分27が形成されているので、緩衝部材14の中心に対して緩衝部材支持板13が回転しにくい構成となっている。
【0034】
さらに、アッセンブリBにおいて、緩衝部材14を上側にして、ボルト15のボルト軸24を、支持部材12の天面17に形成されたボルト貫通穴20に通すとともに、緩衝部材支持板13の係合部21を、天面17に形成された被係合穴22に通して、支持部材12に配置する。このようにすると、板状の係合部21が、被係合穴22の周面に、ボルト15を軸心とした径方向で係合可能となる。すなわち、あらかじめボルト15側に緩衝部材14を固定しておくことで、ボルト15を支持部材12に止めて、ボルト15で緩衝部材14を支持部材12に固定している。
【0035】
したがって、緩衝部材14で覆われたボルト15のボルト頭26を工具で直接つかめなくなるものの、板体23に対するボルト頭26の固定、および係合部21と被係合穴22との係合により、支持部材12の下方からボルト軸24にナット16を締付けることで、緩衝部材14および板体23を天面17に強固に締付けることができる(
図3参照)。
【0036】
第一の実施形態によれば、ボルト頭26を緩衝部材14が上側から覆っているので、緩衝部材14の上面にボルト(特にボルト頭26)用の凹みを形成する必要がない。このため、緩衝部材14の上面に水分(雨水等)が溜まることを防止でき、ボルト24が錆びるのを防止できる。
【0037】
緩衝部材支持板13と緩衝部材14は接着されており、支持板凹部30に板体23が嵌合することで、板体23の上面および外周面の上部が、緩衝部材14で覆われている。このため、緩衝部材支持板13と緩衝部材14の間に水分が入ってきにくく、両者の接着面の腐食等により緩衝部材支持板13と緩衝部材14が剥がれるのを抑制できる。
【0038】
また、平面積がボルト頭26の平面積より大きく緩衝部材14と接着する緩衝部材支持板13(板体23)を備えており、緩衝部材支持板13は、緩衝部材14に接着されるとともに、ボルト頭26の下面に固定されている。このため、緩衝部材支持板13と支持部材12とが重なる部分の外周からボルト15のボルト軸14までの距離を、ボルト頭26の外周からボルト15のボルト軸14までの距離に比べて長く形成できる。したがって、ボルト15のボルト軸14に水分が到達しにくい。よって、ボルト15とナット16の螺合部に水分が入って錆びることで、ボルト15が緩んで外れてしまうことを抑制できる。
【0039】
また、ボルト15のボルト頭26を工具でつかめなくなるものの、支持部材12の下方からボルト軸24にナット16を締付けることで、緩衝部材14および板体23を天面17に強固に締付けることができるだけではなく、次の作用効果を生ずる。
【0040】
すなわち、支持部材12は、ボルト貫通穴20と径方向にオフセットした位置に被係合部22を備えており、ボルト15に固定された緩衝部材支持板13(板体23)には、ボルト軸24と径方向にオフセットした位置に、被係合穴22に対して係合する係合部21を備える構成である。このため、仮に、支持部材12が、溶接の仕方や、あるいは支持部材12の精度によって、支持部材12が左右斜めに固定される場合であっても、投入案内板5が展開姿勢A1となって投入案内板5が緩衝部材14に当たった際に、被係合穴22と係合部21とが係合するため、ボルト15が緩んでしまうことを防止できる。
【0041】
また、第一の実施形態では、平面積がボルト15のボルト頭26の平面積より大きく緩衝部材14と接着する緩衝部材支持板13を備えており、緩衝部材支持板13に係合部21を備えた構成である。このため、ボルト軸24からオフセットする係合部21の距離が、緩衝部材支持板13をつかって大きくでき(距離を稼ぐことができ)、緩衝部材14と接着する緩衝部材支持板13の面積も大きくなる。このため、ボルト軸24に対する回動が確実に防止されることになる。
【0042】
また、平面積がボルト15のボルト頭26の平面積より大きく緩衝部材14と接着する緩衝部材支持板13を備えており、緩衝部材支持板13は、ボルト頭26の下面に固定された構成である。このように、ボルト頭16の下面に固定した緩衝部材支持板13を、ボルト頭16と支持部材12とで挟むため、挟む力が緩衝部材支持板13に作用して、緩衝部材支持板13がボルト15から外れにくい。
【0043】
第一の実施形態においては、支持装置6を構成する際に、緩衝部材支持板13のボルト挿通穴25に、ボルト15のボルト軸24を通しておき、ボルト頭26をボルト凹部29に内嵌するとともに、板体23を支持板凹部30に内嵌して、緩衝部材14と緩衝部材支持板13とを接着して、アッセンブリBとした。
【0044】
しかしながら、本発明では、アッセンブリBを構成しなくともよい。すなわち、緩衝部材支持板13の板体23を支持部材12の天面17に乗せ、且つ係合部21を、天面17に形成された被係合穴22に嵌合し、ボルト15のボルト軸24を板体23に形成されたボルト挿通穴25、天面17に形成されたボルト貫通穴20に通して、ボルト頭26を板体23に乗せ、ボルト軸24に対し、支持部材12の下方からナット16によりボルト15を締結する。次に、緩衝部材14のボルト凹部29にボルト頭26を嵌合するとともに、支持板凹部30に板体23を嵌合し、ボルト頭26および板体23をその上側から覆う。このとき、板体23と支持板凹部30とは、強固に保持される接着材によって接着される。このような支持装置6の組立て方法であっても、上記第一の実施形態と同様の効果を奏し得る。
【0045】
本発明は、上記第一の実施形態に限定されない。例えば、
図12に他の実施形態をしめす。
図12(a)は、緩衝部材支持板13を設けない実施形態である。すなわち支持装置6は、支持部材12、ボルト15、および緩衝部材14を備えている。
【0046】
この場合、ボルト15のボルト頭26の径が上記第一の実施形態よりも大きめに形成される(但し、必須ではない)とともに、ボルト軸24から離れた位置のボルト頭26の下面に係合部21が形成される。また、緩衝部材14の凹部にはボルト凹部29が形成されて、ボルト頭26がボルト凹部29に嵌合される。緩衝部材14の下面14aは環状面となっており、ボルト頭26の下面と緩衝部材14の下面14aは略面一の面とされる。そして、係合部21を支持部材12の被係合穴22に通すとともに、ボルト軸24を支持部材12のボルト貫通穴20に通し、ボルト頭26と緩衝部材14を支持部材12の天面17に載置する。そして、天面17の下方からのナット16を利用してボルト15に締結し、ボルト頭26と緩衝部材14を天面17に固定する。なお、ボルト頭26と緩衝部材14とは接着させてもいいし、接着されていなくてもよい。
【0047】
この構成によれば、投入案内板5を展開姿勢A1とした際にも、係合部21をボルト軸24から径方向にオフセットした位置に形成することで、係合部21と被係合穴22との係合が円滑に行われるため、ボルト15が回転しにくく、ボルト15が緩みにくい。
【0048】
図12(b)に示す支持装置6は、支持部材12、ボルト15、緩衝部材14、および緩衝部材支持板13を備えている。ボルト15は緩衝部材14に貫通され、緩衝部材14の上面には、ボルト15のボルト頭26が通される凹み14bが形成され、凹み14bと連通しボルト軸24を通すボルト穴14cが形成されている。また、緩衝部材14の下面に設けられる緩衝部材支持板13は、平面形状が緩衝部材14の下面14aと同一形状であり、ボルト挿通穴25が形成されている。緩衝部材支持板13のボルト挿通穴25において、接着剤等の固定手段によりボルト軸24が固定されている。また、緩衝部材支持板13では、ボルト軸24から離れた位置の下面に係合部21が形成されている。
【0049】
上記構成では、支持部材12の被係合穴22に係合部12を通して緩衝部材支持板13を支持部材12の天面17に載置するとともに、緩衝部材支持板13に緩衝部材14を載置して、ボルト軸24をボルト穴14cに通し、ボルト頭26を凹み14bに配置する。さらに、ボルト軸24を緩衝部材支持板13に固定する。そして、天面17の下方からのナット16を利用してボルト15に締結して、緩衝部材支持板13を天面17に締付ける。
【0050】
この構成によれば、投入案内板5を展開姿勢A1とした際にも、係合部21をボルト軸24から離れた位置に形成することで、係合部21と被係合穴22との係合が円滑に行われるため、ボルト15が回転しにくく、ボルト15が緩みにくい。
【0051】
また、上記実施形態では、緩衝部材支持板13のボルト挿通穴25に、ボルト15のボルト軸24を通しておき、ボルト頭26を板体23に溶接等で固定したうえで、緩衝部材14と緩衝部材支持板13とを接着しておく例を挙げた。しかしながら、緩衝部材14は、緩衝部材支持板13やボルト15と必ずしも接着する必要はない。例えば、緩衝部材14には、ボルト頭26側のボルト軸24を外部から覆うような凹部を設けておいて、該凹部にボルト頭26を保持させることもできる。この場合、該凹部は、ボルト頭26の上下移動や左右移動を許容させるものであってもよい。より好ましくは、ボルト15の回転に追従して、緩衝部材14も回転する構成である。
【0052】
上記実施形態では、平面視して円形のボルト貫通穴20を設けたが、ボルト貫通穴20の平面視形状は円形に限らず、ボルト軸24が貫通すればよく、したがって多角形であってもよい。
【0053】
また本発明は、上記実施形態では、支持部材12に被係合穴22を形成し、緩衝部材支持板13に係合部21を形成した例を挙げた。しかしながら、図示しないが、例えば、支持部材12の天面17の一部を上方に突出させた被係合部とし、緩衝部材支持板13の下面の一部を係合部に径方向で嵌合する係合部とすることもできる。
【0054】
また、支持部材12と緩衝部材支持板13とが径方向で係止するものであれば、係止部と被係止部との位置関係として、ボルト貫通孔20を中心として、左右方向、前後方向であることは問わず、また左右方向および前後方向に配置することもできる。
【0055】
なお、上記実施形態において、緩衝部材支持板13を延長させることで係合部21をボルト貫通孔20からさらに支持部材12の天面17から延長させて、係合部21を支持部材12の側面18、あるいは背面19の外側で係合させることもできる。この場合、係合部21は側面18、あるいは背面19の外側で係合するから、支持部材12の天面17には、被係合穴22が不要である。
【0056】
上記実施形態では、係合部21と、係合部21を挿通する被係合穴22を設けた。しかしながら、ボルト貫通孔20を、被係合穴22として利用することもできる。具体的に、ボルト頭26の下面(ボルト軸24のボルト頭26寄り)に、多角形状でボルト頭26に溶接等された板状体を配置しておき、ボルト貫通孔20の上部に、該板状体に嵌合する嵌合凹部を形成する。この構成においても、板状体の角度と嵌合凹部とが係合することが可能となり、ボルト貫通孔20(ボルト軸24)に対して径方向にオフセットされた係合部、被係合部となる。なお、前記板状体は、平面視してボルト頭26よりも小さいか大きいかを問わない。
【符号の説明】
【0057】
1…塵芥収集車、2…塵芥収容箱、3…塵芥投入箱、4…投入口、5…投入案内板、6…支持装置、7…投入口下縁材、8…支軸、9…載置面、10…被支持面、12…支持部材、13…緩衝部材支持板、14…緩衝部材、14a…下面、15…ボルト、16…ナット、17…天面、20…ボルト貫通穴、21…係合部、22…被係合穴、23…板体、24…ボルト軸、25…ボルト挿通穴、26…ボルト頭、27…直線部分、28…凹部、29…ボルト凹部、30…支持板凹部、31…外周面、A1…展開姿勢、A2…起立姿勢