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特許7237729計測装置、計測部材用台座、および水準器取付具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】計測装置、計測部材用台座、および水準器取付具
(51)【国際特許分類】
   G01C 9/00 20060101AFI20230306BHJP
   G01C 9/28 20060101ALI20230306BHJP
   G01C 15/00 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
G01C9/00 Z
G01C9/28
G01C15/00 105R
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019098041
(22)【出願日】2019-05-24
(65)【公開番号】P2020193827
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079968
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 光司
(72)【発明者】
【氏名】高橋 淳二
【審査官】續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-072008(JP,U)
【文献】登録実用新案第3011098(JP,U)
【文献】登録実用新案第3139323(JP,U)
【文献】特開2003-014454(JP,A)
【文献】特開2006-064492(JP,A)
【文献】特開2009-133742(JP,A)
【文献】特開2018-080973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 9/00
G01C 9/28
G01C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計測物の所定の状態を計測するための計測装置であって、
本体と保持体とを備え、
前記本体は、前記被計測物の状態を計測する計測部と、本体自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備え、
前記保持体は、前記本体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記本体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備え
前記補助当接部は、再粘着性および再剥離性を有して前記被計測物に粘着可能な粘着部からなり、また、
前記計測装置は、前記粘着部からなる補助当接部を、外部に露出しないように覆う覆い部を備え、
前記覆い部は、前記補助当接部を覆う覆い位置と、前記補助当接部を覆うことなくその補助当接部が前記被計測物に当接可能な非覆い位置とに移動可能である、計測装置。
【請求項2】
前記保持体は、前記本体に対して変位すべく、前記本体に回動可能に軸支される、請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
被計測物の所定の状態を計測するための計測装置であって、
本体と保持体とを備え、
前記本体は、前記被計測物の状態を計測する計測部と、本体自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備え、
前記保持体は、前記本体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記本体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備え、また、
前記保持体は、前記本体に対して変位すべく、前記本体に回動可能に軸支され、
前記保持体は、前記回動により、前記基準当接部を隠す位置と、前記基準当接部を露出させる位置とに移動する、計測装置。
【請求項4】
被計測物の所定の状態を計測するための計測装置であって、
本体と保持体とを備え、
前記本体は、前記被計測物の状態を計測する計測部と、本体自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備え、
前記保持体は、前記本体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記本体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備え、また、
前記保持体は、前記本体に対して変位すべく、前記本体に回動可能に軸支され、
前記保持体は、前記本体に回動可能に軸支される一対の可動翼からなって、その回動により、前記一対の可動翼は、互いが接近離間し、
前記補助当接部は、前記一対の可動翼の向かい合う面のそれぞれに設けられ、
前記一対の可動翼のそれぞれに設けられた前記補助当接部は、それら一対の可動翼が接近して重なることで、互いにその補助当接部が設けられた側とは異なる側の可動翼で覆われる、計測装置。
【請求項5】
前記一対の可動翼のそれぞれは、可動翼本体と前記補助当接部とからなり、
前記補助当接部は、再粘着性および再剥離性を両面に有する粘着体からなり、
前記粘着体は、その一方の面が前記可動翼本体の取付け面に粘着により取り付けられて、他方の面が前記被計測物に粘着可能となり、また、
前記粘着体は、前記一対の可動翼が重なったとき、前記他方の面が、その他方の面を覆う可動翼に設けられた離間防止面に当接し、
前記取付け面の前記粘着体の一方の面と接する面積に比して、前記離間防止面の前記粘着体の他方の面と接する面積が小となっている、請求項4に記載の計測装置。
【請求項6】
被計測物の所定の状態を計測するための計測装置であって、
本体と保持体とを備え、
前記本体は、前記被計測物の状態を計測する計測部と、本体自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備え、
前記保持体は、前記本体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記本体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備え、また、
前記保持体は、前記本体に対して変位すべく、前記本体に回動可能に軸支され、
前記保持体は、前記本体に回動可能に軸支される一対の可動翼からなって、その回動により、前記一対の可動翼は、互いが接近離間し、
前記補助当接部は、前記一対の可動翼の向かい合う面のそれぞれに設けられ、
前記本体と、前記一対の可動翼の一方と、前記一対の可動翼の他方との間に、両可動翼が前記本体を基準にして対称に接近離間する連動機構を備える、計測装置。
【請求項7】
前記保持体は、前記回動により、前記基準当接部を隠す位置と、前記基準当接部を露出させる位置とに移動する、請求項2、4、5または6に記載の計測装置。
【請求項8】
前記保持体は、前記本体に回動可能に軸支される一対の可動翼からなって、その回動により、前記一対の可動翼は、互いが接近離間し、
前記補助当接部は、前記一対の可動翼の向かい合う面のそれぞれに設けられる、請求項2または3に記載の計測装置。
【請求項9】
前記保持体は、前記本体に対して変位することで、前記基準当接部が前記被計測部に当接した状態で、前記補助当接部が前記被計測物から離れた位置と前記被計測物に当接する位置との間を移動する、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の計測装置。
【請求項10】
前記補助当接部は、再粘着性および再剥離性を有して前記被計測物に粘着可能な粘着部からなる、請求項3、4または6に記載の計測装置。
【請求項11】
前記計測部は、前記本体に一体に設けられる、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の計測装置。
【請求項12】
前記本体は、前記計測部を有する計測部材と、前記基準当接部を有する基台とを備え、
前記基台は、前記計測部材が据え付けられる据付部を有し、
前記保持体は、前記本体における前記基台に対して変位可能に設けられる、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の計測装置。
【請求項13】
前記計測部は、前記被計測物の少なくとも水平状態を計測するものである、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の計測装置。
【請求項14】
被計測物の状態を計測する計測部を有する計測部材を、前記被計測物に留めるための計測部材用台座であって、
基台と、保持体とを備え、
前記基台は、前記計測部材が据え付けられる据付部と、基台自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備え、
前記保持体は、前記基台に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記基台の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備え
前記補助当接部は、再粘着性および再剥離性を有して前記被計測物に粘着可能な粘着部からなり、また、
前記計測部材用台座は、前記粘着部からなる補助当接部を、外部に露出しないように覆う覆い部を備え、
前記覆い部は、前記補助当接部を覆う覆い位置と、前記補助当接部を覆うことなくその補助当接部が前記被計測物に当接可能な非覆い位置とに移動可能である、計測部材用台座。
【請求項15】
被計測物の状態を計測する計測部を有する計測部材を、前記被計測物に留めるための計測部材用台座であって、
基台と、保持体とを備え、
前記基台は、前記計測部材が据え付けられる据付部と、基台自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備え、
前記保持体は、前記基台に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記基台の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備え、また、
前記保持体は、前記基台に対して変位すべく、前記基台に回動可能に軸支され、
前記保持体は、前記回動により、前記基準当接部を隠す位置と、前記基準当接部を露出させる位置とに移動する、計測部材用台座。
【請求項16】
被計測物の状態を計測する計測部を有する計測部材を、前記被計測物に留めるための計測部材用台座であって、
基台と、保持体とを備え、
前記基台は、前記計測部材が据え付けられる据付部と、基台自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備え、
前記保持体は、前記基台に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記基台の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備え、また、
前記保持体は、前記基台に対して変位すべく、前記基台に回動可能に軸支され、
前記保持体は、前記基台に回動可能に軸支される一対の可動翼からなって、その回動により、前記一対の可動翼は、互いが接近離間し、
前記補助当接部は、前記一対の可動翼の向かい合う面のそれぞれに設けられ、
前記一対の可動翼のそれぞれに設けられた前記補助当接部は、それら一対の可動翼が接近して重なることで、互いにその補助当接部が設けられた側とは異なる側の可動翼で覆われる、計測部材用台座。
【請求項17】
被計測物の状態を計測する計測部を有する計測部材を、前記被計測物に留めるための計測部材用台座であって、
基台と、保持体とを備え、
前記基台は、前記計測部材が据え付けられる据付部と、基台自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備え、
前記保持体は、前記基台に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記基台の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備え、また、
前記保持体は、前記基台に対して変位すべく、前記基台に回動可能に軸支され、
前記保持体は、前記基台に回動可能に軸支される一対の可動翼からなって、その回動により、前記一対の可動翼は、互いが接近離間し、
前記補助当接部は、前記一対の可動翼の向かい合う面のそれぞれに設けられ、
前記基台と、前記一対の可動翼の一方と、前記一対の可動翼の他方との間に、両可動翼が前記基台を基準にして対称に接近離間する連動機構を備える、計測部材用台座。
【請求項18】
水準器を被計測物に取り付けるための水準器取付具であって、
前記水準器は、前記被計測物の少なくとも水平状態を計測する計測部と、水準器自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備え、
前記水準器取付具は、前記水準器に取り付け固定される取付け体と、保持体とを備え、
前記保持体は、前記取付け体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記取付け体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備え、
前記補助当接部は、再粘着性および再剥離性を有して前記被計測物に粘着可能な粘着部からなり、また、
前記水準器取付具は、前記粘着部からなる補助当接部を、外部に露出しないように覆う覆い部を備え、
前記覆い部は、前記補助当接部を覆う覆い位置と、前記補助当接部を覆うことなくその補助当接部が前記被計測物に当接可能な非覆い位置とに移動可能である、水準器取付具。
【請求項19】
水準器を被計測物に取り付けるための水準器取付具であって、
前記水準器は、前記被計測物の少なくとも水平状態を計測する計測部と、水準器自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備え、
前記水準器取付具は、前記水準器に取り付け固定される取付け体と、保持体とを備え、
前記保持体は、前記取付け体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記取付け体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備え、また、
前記保持体は、前記取付け体に対して変位すべく、前記取付け体に回動可能に軸支され、
前記保持体は、前記回動により、前記基準当接部を隠す位置と、前記基準当接部を露出させる位置とに移動する、水準器取付具。
【請求項20】
水準器を被計測物に取り付けるための水準器取付具であって、
前記水準器は、前記被計測物の少なくとも水平状態を計測する計測部と、水準器自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備え、
前記水準器取付具は、前記水準器に取り付け固定される取付け体と、保持体とを備え、
前記保持体は、前記取付け体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記取付け体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備え、また、
前記保持体は、前記取付け体に対して変位すべく、前記取付け体に回動可能に軸支され、
前記保持体は、前記取付け体に回動可能に軸支される一対の可動翼からなって、その回動により、前記一対の可動翼は、互いが接近離間し、
前記補助当接部は、前記一対の可動翼の向かい合う面のそれぞれに設けられ、
前記一対の可動翼のそれぞれに設けられた前記補助当接部は、それら一対の可動翼が接近して重なることで、互いにその補助当接部が設けられた側とは異なる側の可動翼で覆われる、水準器取付具。
【請求項21】
水準器を被計測物に取り付けるための水準器取付具であって、
前記水準器は、前記被計測物の少なくとも水平状態を計測する計測部と、水準器自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備え、
前記水準器取付具は、前記水準器に取り付け固定される取付け体と、保持体とを備え、
前記保持体は、前記取付け体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記取付け体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備え、また、
前記保持体は、前記取付け体に対して変位すべく、前記取付け体に回動可能に軸支され、
前記保持体は、前記取付け体に回動可能に軸支される一対の可動翼からなって、その回動により、前記一対の可動翼は、互いが接近離間し、
前記補助当接部は、前記一対の可動翼の向かい合う面のそれぞれに設けられ、
前記取付け体と、前記一対の可動翼の一方と、前記一対の可動翼の他方との間に、両可動翼が前記取付け体を基準にして対称に接近離間する連動機構を備える、水準器取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被計測物の所定の状態、例えば角度とか長さとか振動等を計測するための、計測装置、計測部材用台座、および水準器取付具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水平や鉛直を計測する水準器において、計測の対象となる被計測部に取り付けて計測できるようにした、取付具付き水準器があった(例えば、特許文献1参照)。この取付具付き水準器は、被計測部に当接する面を、例えば再剥離粘着剤塗布面とするものであり、これにより、水準器を被計測部に取り付けて安定した状態で、水平や鉛直を計測することができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3011098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記取付具付き水準器においては、被計測部に当接する再剥離粘着剤塗布面に、異物が付着すると、被計測部に対する水準器の姿勢が狂い、正確な計測が困難となる虞があった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、姿勢を保持することができるとともに、正確に計測することができる、計測装置、計測部材用台座、および水準器取付具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る計測装置、計測部材用台座、および水準器取付具は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る計測装置は、被計測物の所定の状態を計測するための計測装置であって、本体と保持体とを備える。ここで、前記本体は、前記被計測物の状態を計測する計測部と、本体自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備える。一方、前記保持体は、前記本体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記本体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備える。この補助当接部は、再粘着性および再剥離性を有して前記被計測物に粘着可能な粘着部からなる。また、前記計測装置は、前記粘着部からなる補助当接部を、外部に露出しないように覆う覆い部を備える。この覆い部は、前記補助当接部を覆う覆い位置と、前記補助当接部を覆うことなくその補助当接部が前記被計測物に当接可能な非覆い位置とに移動可能である。
【0007】
この計測装置によると、計測装置は、被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部のほかに、計測部が設けられた本体の姿勢を保持するように被計測物に当接する補助当接部を備えている。このように、補助当接部を設けることで、本体の姿勢を保持することができ、また、この補助当接部を、基準当接部とは別に設けることで、基準当接部に異物が付着することによる本体の姿勢の狂いを排して、被計測物の所定の状態を正確に計測することができる。そして、覆い部は、補助当接部を覆う覆い位置と、補助当接部を覆うことなくその補助当接部が被計測物に当接可能な非覆い位置とに移動可能であり、この計測装置を使用しないときには、覆い部で補助当接部を覆うことで、その補助当接部を保護することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る計測装置は、請求項1に記載の計測装置において、前記保持体は、前記本体に対して変位すべく、前記本体に回動可能に軸支される。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る計測装置は、被計測物の所定の状態を計測するための計測装置であって、本体と保持体とを備える。ここで、前記本体は、前記被計測物の状態を計測する計測部と、本体自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備える。一方、前記保持体は、前記本体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記本体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備える。また、前記保持体は、前記本体に対して変位すべく、前記本体に回動可能に軸支される。そして、前記保持体は、前記回動により、前記基準当接部を隠す位置と、前記基準当接部を露出させる位置とに移動する。
この計測装置によると、計測装置は、被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部のほかに、計測部が設けられた本体の姿勢を保持するように被計測物に当接する補助当接部を備えている。このように、補助当接部を設けることで、本体の姿勢を保持することができ、また、この補助当接部を、基準当接部とは別に設けることで、基準当接部に異物が付着することによる本体の姿勢の狂いを排して、被計測物の所定の状態を正確に計測することができる。そして、保持体は、回動により、基準当接部を隠す位置と、基準当接部を露出させる位置とに移動することから、この計測装置を使用しないときには、保持体で基準当接部を隠すことで、その基準当接部を保護することができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る計測装置は、被計測物の所定の状態を計測するための計測装置であって、本体と保持体とを備える。ここで、前記本体は、前記被計測物の状態を計測する計測部と、本体自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備える。一方、前記保持体は、前記本体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記本体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備える。また、前記保持体は、前記本体に対して変位すべく、前記本体に回動可能に軸支される。そして、前記保持体は、前記本体に回動可能に軸支される一対の可動翼からなって、その回動により、前記一対の可動翼は、互いが接近離間する。そこで、前記補助当接部は、前記一対の可動翼の向かい合う面のそれぞれに設けられる。そして、前記一対の可動翼のそれぞれに設けられた前記補助当接部は、それら一対の可動翼が接近して重なることで、互いにその補助当接部が設けられた側とは異なる側の可動翼で覆われる。
この計測装置によると、計測装置は、被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部のほかに、計測部が設けられた本体の姿勢を保持するように被計測物に当接する補助当接部を備えている。このように、補助当接部を設けることで、本体の姿勢を保持することができ、また、この補助当接部を、基準当接部とは別に設けることで、基準当接部に異物が付着することによる本体の姿勢の狂いを排して、被計測物の所定の状態を正確に計測することができる。そして、一対の可動翼のそれぞれに設けられた補助当接部は、それら一対の可動翼が接近して重なることで、互いにその補助当接部が設けられた側とは異なる側の可動翼で覆われることから、この計測装置を使用しないときには、一対の可動翼を重ねて補助当接部を覆うことで、その補助当接部を保護することができる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る計測装置は、請求項に記載の計測装置において、前記一対の可動翼のそれぞれは、可動翼本体と前記補助当接部とからなる。ここで、前記補助当接部は、再粘着性および再剥離性を両面に有する粘着体からなる。この粘着体は、その一方の面が前記可動翼本体の取付け面に粘着により取り付けられて、他方の面が前記被計測物に粘着可能となる。そして、前記粘着体は、前記一対の可動翼が重なったとき、前記他方の面が、その他方の面を覆う可動翼に設けられた離間防止面に当接する。このとき、前記取付け面の前記粘着体の一方の面と接する面積に比して、前記離間防止面の前記粘着体の他方の面と接する面積が小となっている。こうして、一対の可動翼が重なったとき、粘着体の他方の面が、その他方の面を覆う可動翼に設けられた離間防止面に当接することで、一対の可動翼の互いの離間が防止される。そして、可動翼における取付け面の粘着体の一方と接する面積に比して、離間防止面の粘着体の他方の面と接する面積が小となることで、一対の可動翼を互いに離間させたとき、粘着体の一方の面が、可動翼の取付け面に付着したままで、その粘着体の他方の面と離間防止面との間が離れる。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係る計測装置は、被計測物の所定の状態を計測するための計測装置であって、本体と保持体とを備える。ここで、前記本体は、前記被計測物の状態を計測する計測部と、本体自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備える。一方、前記保持体は、前記本体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記本体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備える。また、前記保持体は、前記本体に対して変位すべく、前記本体に回動可能に軸支される。そして、前記保持体は、前記本体に回動可能に軸支される一対の可動翼からなって、その回動により、前記一対の可動翼は、互いが接近離間する。そこで、前記補助当接部は、前記一対の可動翼の向かい合う面のそれぞれに設けられる。そして、前記本体と、前記一対の可動翼の一方と、前記一対の可動翼の他方との間に、両可動翼が前記本体を基準にして対称に接近離間する連動機構を備える。
この計測装置によると、計測装置は、被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部のほかに、計測部が設けられた本体の姿勢を保持するように被計測物に当接する補助当接部を備えている。このように、補助当接部を設けることで、本体の姿勢を保持することができ、また、この補助当接部を、基準当接部とは別に設けることで、基準当接部に異物が付着することによる本体の姿勢の狂いを排して、被計測物の所定の状態を正確に計測することができる。
【0013】
また、請求項7に記載の発明に係る計測装置は、請求項2、4、5または6に記載の計測装置において、前記保持体は、前記回動により、前記基準当接部を隠す位置と、前記基準当接部を露出させる位置とに移動する。これにより、この計測装置を使用しないときには、保持体で基準当接部を隠すことで、その基準当接部を保護することができる。
【0014】
また、請求項8に記載の発明に係る計測装置は、請求項2または3に記載の計測装置において、前記保持体は、前記本体に回動可能に軸支される一対の可動翼からなって、その回動により、前記一対の可動翼は、互いが接近離間する。そして、前記補助当接部は、前記一対の可動翼の向かい合う面のそれぞれに設けられる。
【0015】
また、請求項9に記載の発明に係る計測装置は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の計測装置において、前記保持体は、前記本体に対して変位することで、前記基準当接部が前記被計測部に当接した状態で、前記補助当接部が前記被計測物から離れた位置と前記被計測物に当接する位置との間を移動する。
【0016】
また、請求項10に記載の発明に係る計測装置は、請求項3、4または6に記載の計測装置において、前記補助当接部は、再粘着性および再剥離性を有して前記被計測物に粘着可能な粘着部からなる。
【0017】
また、請求項11に記載の発明に係る計測装置は、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の計測装置において、前記計測部は、前記本体に一体に設けられる。
【0018】
また、請求項12に記載の発明に係る計測装置は、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の計測装置において、前記本体は、前記計測部を有する計測部材と、前記基準当接部を有する基台とを備える。ここで、前記基台は、前記計測部材が据え付けられる据付部を有する。そして、前記保持体は、前記本体における前記基台に対して変位可能に設けられる。
【0019】
また、請求項13に記載の発明に係る計測装置は、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の計測装置において、前記計測部は、前記被計測物の少なくとも水平状態を計測するものである。
【0020】
また、請求項14に記載の発明に係る計測部材用台座は、被計測物の状態を計測する計測部を有する計測部材を、前記被計測物に留めるための台座であって、基台と、保持体とを備える。ここで、前記基台は、前記計測部材が据え付けられる据付部と、基台自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備える。一方、前記保持体は、前記基台に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記基台の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備える。この補助当接部は、再粘着性および再剥離性を有して前記被計測物に粘着可能な粘着部からなる。また、前記計測部材用台座は、前記粘着部からなる補助当接部を、外部に露出しないように覆う覆い部を備える。この覆い部は、前記補助当接部を覆う覆い位置と、前記補助当接部を覆うことなくその補助当接部が前記被計測物に当接可能な非覆い位置とに移動可能である。
【0021】
この計測部材用台座によると、計測部材用台座は、被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部のほかに、計測部材が据え付けられた基台の姿勢を保持するように被計測物に当接する補助当接部を備えている。このように、補助当接部を設けることで、基台、ひいては計測部材の姿勢を保持することができ、また、この補助当接部を、基準当接部とは別に設けることで、基準当接部に異物が付着することによる計測部材の姿勢の狂いを排して、被計測物の所定の状態を正確に計測することができる。そして、覆い部は、補助当接部を覆う覆い位置と、補助当接部を覆うことなくその補助当接部が被計測物に当接可能な非覆い位置とに移動可能であり、この計測部材用台座や計測部材を使用しないときには、覆い部で補助当接部を覆うことで、その補助当接部を保護することができる。
また、請求項15に記載の発明に係る計測部材用台座は、被計測物の状態を計測する計測部を有する計測部材を、前記被計測物に留めるための台座であって、基台と、保持体とを備える。ここで、前記基台は、前記計測部材が据え付けられる据付部と、基台自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備える。一方、前記保持体は、前記基台に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記基台の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備える。また、前記保持体は、前記基台に対して変位すべく、前記基台に回動可能に軸支される。そして、前記保持体は、前記回動により、前記基準当接部を隠す位置と、前記基準当接部を露出させる位置とに移動する。
この計測部材用台座によると、計測部材用台座は、被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部のほかに、計測部材が据え付けられた基台の姿勢を保持するように被計測物に当接する補助当接部を備えている。このように、補助当接部を設けることで、基台、ひいては計測部材の姿勢を保持することができ、また、この補助当接部を、基準当接部とは別に設けることで、基準当接部に異物が付着することによる計測部材の姿勢の狂いを排して、被計測物の所定の状態を正確に計測することができる。そして、保持体は、回動により、基準当接部を隠す位置と、基準当接部を露出させる位置とに移動することから、この計測部材用台座や計測部材を使用しないときには、保持体で基準当接部を隠すことで、その基準当接部を保護することができる。
また、請求項16に記載の発明に係る計測部材用台座は、被計測物の状態を計測する計測部を有する計測部材を、前記被計測物に留めるための台座であって、基台と、保持体とを備える。ここで、前記基台は、前記計測部材が据え付けられる据付部と、基台自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備える。一方、前記保持体は、前記基台に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記基台の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備える。また、前記保持体は、前記基台に対して変位すべく、前記基台に回動可能に軸支される。そして、前記保持体は、前記基台に回動可能に軸支される一対の可動翼からなって、その回動により、前記一対の可動翼は、互いが接近離間する。そこで、前記補助当接部は、前記一対の可動翼の向かい合う面のそれぞれに設けられる。そして、前記一対の可動翼のそれぞれに設けられた前記補助当接部は、それら一対の可動翼が接近して重なることで、互いにその補助当接部が設けられた側とは異なる側の可動翼で覆われる。
この計測部材用台座によると、計測部材用台座は、被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部のほかに、計測部材が据え付けられた基台の姿勢を保持するように被計測物に当接する補助当接部を備えている。このように、補助当接部を設けることで、基台、ひいては計測部材の姿勢を保持することができ、また、この補助当接部を、基準当接部とは別に設けることで、基準当接部に異物が付着することによる計測部材の姿勢の狂いを排して、被計測物の所定の状態を正確に計測することができる。そして、一対の可動翼のそれぞれに設けられた補助当接部は、それら一対の可動翼が接近して重なることで、互いにその補助当接部が設けられた側とは異なる側の可動翼で覆われることから、この計測部材用台座や計測部材を使用しないときには、一対の可動翼を重ねて補助当接部を覆うことで、その補助当接部を保護することができる。
また、請求項17に記載の発明に係る計測部材用台座は、被計測物の状態を計測する計測部を有する計測部材を、前記被計測物に留めるための台座であって、基台と、保持体とを備える。ここで、前記基台は、前記計測部材が据え付けられる据付部と、基台自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備える。一方、前記保持体は、前記基台に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記基台の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備える。また、前記保持体は、前記基台に対して変位すべく、前記基台に回動可能に軸支される。そして、前記保持体は、前記基台に回動可能に軸支される一対の可動翼からなって、その回動により、前記一対の可動翼は、互いが接近離間する。そこで、前記補助当接部は、前記一対の可動翼の向かい合う面のそれぞれに設けられる。そして、前記基台と、前記一対の可動翼の一方と、前記一対の可動翼の他方との間に、両可動翼が前記基台を基準にして対称に接近離間する連動機構を備える。
この計測部材用台座によると、計測部材用台座は、被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部のほかに、計測部材が据え付けられた基台の姿勢を保持するように被計測物に当接する補助当接部を備えている。このように、補助当接部を設けることで、基台、ひいては計測部材の姿勢を保持することができ、また、この補助当接部を、基準当接部とは別に設けることで、基準当接部に異物が付着することによる計測部材の姿勢の狂いを排して、被計測物の所定の状態を正確に計測することができる。
【0022】
また、請求項18に記載の発明に係る水準器取付具は、水準器を被計測物に取り付けるための水準器取付具である。ここで、前記水準器は、前記被計測物の少なくとも水平状態を計測する計測部と、水準器自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備える。そこで、前記水準器取付具は、前記水準器に取り付け固定される取付け体と、保持体とを備える。そして、前記保持体は、前記取付け体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記取付け体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備える。この補助当接部は、再粘着性および再剥離性を有して前記被計測物に粘着可能な粘着部からなる。また、前記水準器取付具は、前記粘着部からなる補助当接部を、外部に露出しないように覆う覆い部を備える。この覆い部は、前記補助当接部を覆う覆い位置と、前記補助当接部を覆うことなくその補助当接部が前記被計測物に当接可能な非覆い位置とに移動可能である。
【0023】
この水準器取付具によると、水準器は、被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部を備え、水準器取付具は、水準器に取り付け固定される取付け体の姿勢を保持するように被計測物に当接する補助当接部を備えている。このように、補助当接部を設けることで、取付け体、ひいては水準器の姿勢を保持することができ、また、この補助当接部を、基準当接部とは別に設けることで、基準当接部に異物が付着することによる水準器の姿勢の狂いを排して、被計測物の所定の状態を正確に計測することができる。そして、覆い部は、補助当接部を覆う覆い位置と、補助当接部を覆うことなくその補助当接部が被計測物に当接可能な非覆い位置とに移動可能であり、この水準器取付具や水準器を使用しないときには、覆い部で補助当接部を覆うことで、その補助当接部を保護することができる。
また、請求項19に記載の発明に係る水準器取付具は、水準器を被計測物に取り付けるための水準器取付具である。ここで、前記水準器は、前記被計測物の少なくとも水平状態を計測する計測部と、水準器自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備える。そこで、前記水準器取付具は、前記水準器に取り付け固定される取付け体と、保持体とを備える。そして、前記保持体は、前記取付け体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記取付け体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備える。また、前記保持体は、前記取付け体に対して変位すべく、前記取付け体に回動可能に軸支される。そして、前記保持体は、前記回動により、前記基準当接部を隠す位置と、前記基準当接部を露出させる位置とに移動する。
この水準器取付具によると、水準器は、被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部を備え、水準器取付具は、水準器に取り付け固定される取付け体の姿勢を保持するように被計測物に当接する補助当接部を備えている。このように、補助当接部を設けることで、取付け体、ひいては水準器の姿勢を保持することができ、また、この補助当接部を、基準当接部とは別に設けることで、基準当接部に異物が付着することによる水準器の姿勢の狂いを排して、被計測物の所定の状態を正確に計測することができる。そして、保持体は、回動により、基準当接部を隠す位置と、基準当接部を露出させる位置とに移動することから、この水準器取付具や水準器を使用しないときには、保持体で基準当接部を隠すことで、その基準当接部を保護することができる。
また、請求項20に記載の発明に係る水準器取付具は、水準器を被計測物に取り付けるための水準器取付具である。ここで、前記水準器は、前記被計測物の少なくとも水平状態を計測する計測部と、水準器自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備える。そこで、前記水準器取付具は、前記水準器に取り付け固定される取付け体と、保持体とを備える。そして、前記保持体は、前記取付け体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記取付け体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備える。また、前記保持体は、前記取付け体に対して変位すべく、前記取付け体に回動可能に軸支される。そして、前記保持体は、前記取付け体に回動可能に軸支される一対の可動翼からなって、その回動により、前記一対の可動翼は、互いが接近離間する。そこで、前記補助当接部は、前記一対の可動翼の向かい合う面のそれぞれに設けられる。そして、前記一対の可動翼のそれぞれに設けられた前記補助当接部は、それら一対の可動翼が接近して重なることで、互いにその補助当接部が設けられた側とは異なる側の可動翼で覆われる。
この水準器取付具によると、水準器は、被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部を備え、水準器取付具は、水準器に取り付け固定される取付け体の姿勢を保持するように被計測物に当接する補助当接部を備えている。このように、補助当接部を設けることで、取付け体、ひいては水準器の姿勢を保持することができ、また、この補助当接部を、基準当接部とは別に設けることで、基準当接部に異物が付着することによる水準器の姿勢の狂いを排して、被計測物の所定の状態を正確に計測することができる。そして、一対の可動翼のそれぞれに設けられた補助当接部は、それら一対の可動翼が接近して重なることで、互いにその補助当接部が設けられた側とは異なる側の可動翼で覆われることから、この水準器取付具や水準器を使用しないときには、一対の可動翼を重ねて補助当接部を覆うことで、その補助当接部を保護することができる。
また、請求項21に記載の発明に係る水準器取付具は、水準器を被計測物に取り付けるための水準器取付具である。ここで、前記水準器は、前記被計測物の少なくとも水平状態を計測する計測部と、水準器自身の姿勢を定めるように前記被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部とを備える。そこで、前記水準器取付具は、前記水準器に取り付け固定される取付け体と、保持体とを備える。そして、前記保持体は、前記取付け体に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体は、前記取付け体の姿勢を保持するように前記被計測物に当接する、補助当接部を備える。また、前記保持体は、前記取付け体に対して変位すべく、前記取付け体に回動可能に軸支される。そして、前記保持体は、前記取付け体に回動可能に軸支される一対の可動翼からなって、その回動により、前記一対の可動翼は、互いが接近離間する。そこで、前記補助当接部は、前記一対の可動翼の向かい合う面のそれぞれに設けられる。そして、前記取付け体と、前記一対の可動翼の一方と、前記一対の可動翼の他方との間に、両可動翼が前記取付け体を基準にして対称に接近離間する連動機構を備える。
この水準器取付具によると、水準器は、被計測物の計測対象となる被計測部に当接する基準当接部を備え、水準器取付具は、水準器に取り付け固定される取付け体の姿勢を保持するように被計測物に当接する補助当接部を備えている。このように、補助当接部を設けることで、取付け体、ひいては水準器の姿勢を保持することができ、また、この補助当接部を、基準当接部とは別に設けることで、基準当接部に異物が付着することによる水準器の姿勢の狂いを排して、被計測物の所定の状態を正確に計測することができる。
【発明の効果】
【0024】
この発明に係る計測装置によれば、補助当接部を、基準当接部とは別に設けることで、計測部を備えた本体の姿勢を保持することができるだけでなく、被計測物の所定の状態を正確に計測することができる。
【0025】
また、この発明に係る計測部材用台座によれば、補助当接部を、基準当接部とは別に設けることで、基台、ひいては計測部材の姿勢を保持することができるだけでなく、被計測物の所定の状態を正確に計測することができる。
【0026】
また、この発明に係る水準器取付具によれば、補助当接部を、水準器が備える基準当接部とは別に設けることで、取付け体、ひいては水準器の姿勢を保持することができるだけでなく、被計測物の少なくとも水平状態を正確に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】この発明の一実施の形態の、計測装置を大径の配管材に適用した、斜視図である。
図2】同じく、基準当接部が大径の配管材の被計測部に当接した状態で、補助当接部が配管材に当接する位置にあるときの、側面図である。
図3】同じく、基準当接部が大径の配管材の被計測部に当接した状態で、補助当接部が配管材から離れた位置にあるときの、側面図である。
図4】同じく、計測装置を小径の配管材に適用した、斜視図である。
図5】同じく、基準当接部が小径の配管材の被計測部に当接した状態で、補助当接部が配管材に当接する位置にあるときの、側面図である。
図6】同じく、基準当接部が小径の配管材の被計測部に当接した状態で、補助当接部が配管材から離れた位置にあるときの、側面図である。
図7】同じく、計測装置の、一対の可動翼が閉じた状態の、斜め上から見た斜視図である。
図8】同じく、計測装置の、一対の可動翼が閉じた状態の、正面図である。
図9】同じく、図8におけるA-A線による断面図である。
図10】同じく、図8におけるB-B線による断面図である。
図11】同じく、計測装置の、一対の可動翼が開いた状態の、斜め上から見た斜視図である。
図12】同じく、計測装置の、一対の可動翼が開いた状態の、斜め下から見た斜視図である。
図13】同じく、本体を、斜め上から見た斜視図である。
図14】同じく、本体を、斜め下から見た斜視図である。
図15】同じく、本体の縦断面図である。
図16】同じく、可動翼を斜め上から見た斜視図である。
図17】同じく、可動翼を背面側から見た斜視図である。
図18】同じく、可動翼の背面図である。
図19】同じく、図18におけるC-C線による断面図である。
図20】この発明の他の実施の形態の、計測装置において、計測部材用台座の基台から計測部材を離したときの、斜視図である。
図21】同じく、計測装置において、計測部材用台座の基台に計測部材を据え付けたときの、斜視図である。
図22】この発明のさらに他の実施の形態の、計測装置において、水準器取付具を水準器から離したときの、斜視図である。
図23】同じく、計測装置において、水準器取付具を水準器に取り付けたときの、斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明に係る計測装置、計測部材用台座、および水準器取付具を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1図19は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、被計測物を示す。2は、前記被計測物1の所定の状態を計測するための計測装置である。
【0030】
計測装置2は、本体3と保持体4とを備える。ここで、本体3は、被計測物1の状態を計測する計測部3aと、本体3自身の姿勢(ひいては、計測部3aの姿勢)を定めるように被計測物1の計測対象となる被計測部1aに当接する基準当接部3bとを備える。そして、保持体4は、前記本体3に対して変位可能に設けられるとともに、その保持体4は、本体3の姿勢(ひいては、計測部3aの姿勢)を保持するように被計測物1に当接する、補助当接部4aを備える。詳しくは、保持体4は、本体3に対して変位することで、基準当接部3bが被計測部1aに当接した状態で、補助当接部4aが被計測物1から離れた位置(図3図6参照)と被計測物1に当接する位置(図2図5参照)との間を移動する。
【0031】
詳細には、前記補助当接部4aは、再粘着性および再剥離性を有して被計測物1に粘着可能な粘着部からなる。そこで、計測装置2は、粘着部からなる補助当接部4aを、外部に露出しないように覆う覆い部5を備える。この覆い部5は、補助当接部4aを覆う覆い位置(図7図10参照)と、補助当接部4aを覆うことなくその補助当接部4aが被計測物1に当接可能な非覆い位置(図11図12参照)とに移動可能となっている。
【0032】
また、保持体4は、本体3に対して変位すべく、本体3に回動可能に軸支されている。そして、保持体4は、その回動により、基準当接部3bを隠す位置(図7図10参照)と、基準当接部3bを露出させる位置(図11図12参照)とに移動する。
【0033】
具体的には、図示実施の形態においては、被計測物1は、配管材からなる。この被計測物1(配管材)は、横に配管されて、その上部部分が、前記被計測部1aとなる。そして、計測部3aは、被計測物1(詳しくは、被計測部1a)の状態として少なくとも水平状態(図示実施の形態においては、水平状態と、勾配)を計測するものである。
【0034】
本体3は、本体ケース3cと、支持体3dと、前記計測部3aとなる気泡管301とを備える。本体ケース3cは、断面逆U字形状が横に延びた横長状に形成されている。すなわち、本体ケース3cは、断面逆U字形状を形成するように、天壁3eと側壁3fとを有し、さらに、その延びる横方向(左右方向)の両端を閉じるように端壁3gを有している。そこで、この本体ケース3cの下端面(図示実施の形態においては、端壁3gおよび側壁3fの下端面)が、前記基準当接部3bとなり、この基準当接部3bは、両側壁3f、3f間の中央側ほど幅狭となるように傾斜するテーパー面からなる。そして、この本体ケース3cの天壁3eには、窓3hがあけられ、その窓3hから気泡管301が露出する。また、本体ケース3cの両端壁3g、3gには、後述する可動翼401を軸支する軸孔3iが、一対の可動翼401、401に対応するように一対設けられている。
【0035】
支持体3dは、気泡管301を下から支持するものであって、本体ケース3cの内側に、ビス等の固着具3jにより取り付けられる。こうして、気泡管301(計測部3a)は、支持体3dと本体ケース3cの窓3h周縁とに挟まれるようにして取り付けられ、この気泡管301(計測部3a)は、本体3に一体に設けられることとなる。気泡管301は、図示実施の形態においては、各側に3本の標線3k、3kを有しており、標線3kに対する気泡の位置によって、気泡管301、ひいては基準当接部3bが当接する被計測部1aが、例えば、水平状態にあるか、1/100勾配にあるか、2/100勾配にあるかなどがわかる。
【0036】
保持体4は、本体3に回動可能に軸支される一対の可動翼401、401からなって、その回動により、一対の可動翼401、401は、互いが接近離間する。そこで、前記補助当接部4aは、一対の可動翼401、401の向かい合う面のそれぞれに設けられる。そして、一対の可動翼401、401のそれぞれに設けられた補助当接部4aは、それら一対の可動翼401、401が接近して重なることで、互いにその補助当接部4aが設けられた側とは異なる側の可動翼401で覆われる。そこで、これら可動翼401、401が、前記覆い部5となり、可動翼401、401は、互いに接近して重なって、補助当接部4aを覆う覆い位置と、互いに離間して、補助当接部4aを覆うことなくその補助当接部4aが被計測物1に当接可能な非覆い位置とに移動可能となる。そして、一対の可動翼401、401のそれぞれの補助当接部4aが被計測物1に当接した際、一対の可動翼401、401は、被計測物1(詳しくは、配管材)を両側から挟むように位置する。
【0037】
詳細には、保持体4となる一対の可動翼401、401のそれぞれは、可動翼本体4bと前記補助当接部4aとからなる。補助当接部4aは、再粘着性および再剥離性を両面に有する粘着体402(図示実施の形態においては、板状の粘着体)からなって、クッション性を備える。この粘着体402は、その一方の面が可動翼本体4bの取付け面4cに粘着により取り付けられて、他方の面が被計測物1に粘着可能となる。また、粘着体402は、一対の可動翼401、401が重なったとき、その粘着体402の他方の面が、その他方の面を覆う可動翼401に設けられた離間防止面4dに当接する。このとき、取付け面4cと離間防止面4dとは、取付け面4cの粘着体402の一方の面と接する面積に比して、離間防止面4dの粘着体402の他方の面と接する面積が小となるように設けられる。
【0038】
より詳細には、各可動翼本体4bは、横長板状に形成された翼部4eと、その翼部4eの延びる横方向(左右方向)の両端部分から上方に突き出すように延びる腕部4fとを有している。そして、腕部4fの先端部分には、軸部4gが設けられており、この軸部4gが本体3の軸孔3iに挿入されることで、可動翼本体4b(可動翼401)は、本体3に回動可能に軸支される。
【0039】
そこで、両翼部4e、4eの対向する内側の面のそれぞれに、前記取付け面4cと前記離間防止面4dとが設けられる。ここで、取付け面4cは、粘着体402の一方の面の全体と接するように広く設けられ、離間防止面4dは、粘着体402の他方の面の一部と接するように狭く設けられる。図示実施の形態においては、取付け面4cは、翼部4eの内側の面において、若干窪むように設けられる。離間防止面4dにあっては、翼部4eの内側の面に、凹部4hが設けられ、その凹部4hに形成されたリブの先端面が、離間防止面4dとなっている。そして、一対の可動翼401、401が接近して重なったとき、粘着体402は、翼部4e内(つまり、可動翼本体4b内)に収容される。
【0040】
そして、このように、一対の可動翼401、401が接近して重なり、本体3が、可動翼401(保持体4)における腕部4f、4fの間に位置すると、基準当接部3bが、可動翼401の翼部4e(詳しくは、翼部4eの上面)で隠される。そして、一対の可動翼401、401が離間することで、基準当接部3bが露出する。こうして、可動翼401(保持体4)は、その回動により、基準当接部3bを隠す位置と、基準当接部3bを露出させる位置とに移動することとなる。
【0041】
また、計測装置2は、本体3と、一対の可動翼401、401の一方と、一対の可動翼401、401の他方との間に、両可動翼401、401が本体3を基準にして対称に接近離間する連動機構6を備えている。図示実施の形態においては、この連動機構6は、可動翼401を本体3に回動可能に軸支するための、軸孔3iおよび軸部4gと、軸部4gを中心とし可動翼本体4b(可動翼401)に一体となって設けられたギア部6aからなる。そこで、両可動翼401、401におけるギア部6a、6aが互いにかみ合って、それぞれ軸孔3iを中心に回動することで、両可動翼401、401は、本体3を基準にして対称に接近離間する。
【0042】
ところで、図1図3は、被計測物1が大径の配管材である場合を示し、そのうち、図1および図2は、基準当接部3bが被計測部1aに当接した状態で、補助当接部4aが被計測物1に当接する位置にあり、図3は、基準当接部3bが被計測部1aに当接した状態で、補助当接部4aが被計測物1から離れた位置にある。そして、図4図6は、被計測物1が小径の配管材である場合を示し、そのうち、図4および図5は、基準当接部3bが被計測部1aに当接した状態で、補助当接部4aが被計測物1に当接する位置にあり、図6は、基準当接部3bが被計測部1aに当接した状態で、補助当接部4aが被計測物1から離れた位置にある。このように、この計測装置2は、保持体4が、一対の可動翼401、401からなって、それら一対の可動翼401、401が任意の角度で離間することから、この計測装置2は、複数種類の径の配管材への適用が可能となる。
【0043】
次に、以上の構成からなる計測装置2の作用効果について説明する。この計測装置2は、被計測物1の計測対象となる被計測部1aに当接する基準当接部3bのほかに、計測部3aが設けられた本体3の姿勢を保持するように被計測物1に当接する補助当接部4aを備えている。このように、補助当接部4aを設けることで、本体3の姿勢(つまりは、計測部3aの姿勢)を保持することができ、また、この補助当接部4aを、基準当接部3bとは別に設けることで、基準当接部3bにほこり等の異物が付着することによる本体3の姿勢の狂いを排して、被計測物1の所定の状態を正確に計測することができる。すなわち、この計測装置2によれば、補助当接部4aを、基準当接部3bとは別に設けることで、計測部3aを備えた本体3の姿勢を保持することができるだけでなく、被計測物1の所定の状態を正確に計測することができる。
【0044】
また、補助当接部4aが、被計測物1に粘着可能な粘着部(図示実施の形態においては、粘着体402)からなることで、勾配合わせの際の揺れ、その他の理由によって、計測装置2が被計測物1からずれたり、落下したりするのを防止することができる。
【0045】
また、計測装置2は、粘着部(詳しくは、粘着体402)からなる補助当接部4aを、外部に露出しないように覆う覆い部5(図示実施の形態においては、可動翼401)を備えている。このため、この計測装置2を使用しないときには、覆い部5で補助当接部4aを覆うことで、その補助当接部4aを、ほこりやごみ等の異物から保護することができる。
【0046】
また、保持体4(図示実施の形態においては、可動翼401)は、回動により、基準当接部3bを隠す位置と、基準当接部3bを露出させる位置とに移動する。このため、この計測装置2を使用しないときには、保持体4で基準当接部3bを隠すことで、その基準当接部3bを保護することができる。
【0047】
また、一対の可動翼401、401が重なったとき、粘着体402の他方の面が、その他方の面を覆う可動翼401に設けられた離間防止面4dに当接することで、一対の可動翼401、401の互いの離間が防止される。そして、可動翼401における取付け面4cの粘着体402の一方と接する面積に比して、離間防止面4dの粘着体402の他方の面と接する面積が小となることで、一対の可動翼401、401を互いに離間させたとき、粘着体402の一方の面が、可動翼401の取付け面4cに付着したままで、その粘着体402の他方の面と離間防止面4dとの間が離れる。
【0048】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、図20および図21に示すように、本体3は、計測部3aを有する計測部材3mと、基準当接部3bを有する基台3nとを備えていてもよい。ここにおいて、基台3nは、計測部材3mが据え付けられる据付部3pを有する。そして、保持体4は、本体3における前記基台3nに対して変位可能に設けられる。
【0049】
このように、計測装置2は、本体3が、計測部材3mと基台3nとに分離して設けられるが、この本体3における基台3nと、保持体4とで、計測部材用台座7が形成される。すなわち、計測部材用台座7は、被計測物1の状態を計測する計測部3aを有する計測部材3mを、被計測物1に留めるための台座であって、基台3nと保持体4とを備える。ここで、基台3nは、計測部材3mが据え付けられる据付部3pと、基台3n自身の姿勢(つまりは、本体3の姿勢、ひいては、計測部3aの姿勢)を定めるように被計測物1の計測対象となる被計測部1aに当接する基準当接部3bとを備える。そして、保持体4は、基台3nに対して変位可能(つまりは、本体3に対して変位可能)に設けられるとともに、その保持体4は、基台3nの姿勢(つまりは、本体3の姿勢、ひいては、計測部3a(計測部材3m)の姿勢)を保持するように被計測物1に当接する、補助当接部4a(図示せず)を備える。
【0050】
図示実施の形態においては、前述の一実施の形態と同様に、計測部3aは、被計測物1(詳しくは、配管材)の少なくとも水平状態を計測する気泡管301からなる。計測部材3mは、横長の直方体状に形成されたボディ3qを有し、そのボディ3qの上部中央位置に設けられた凹部3rに、気泡管301が嵌められている。基台3nは、横長の直方体状に形成されて、その上面が前記据付部3pとなり、その下面が前記基準当接部3bとなる。ここで、この基台3nの据付部3pに計測部材3mを据え付けるにあたっては、例えば、両面粘着テープとか、マグネットとかが用いられたり、基台3nに計測部材3mに係合する爪等が設けられたりする。また、この基台3nの左右の両端に、前述の一実施の形態における本体3と同様に、軸孔(図示せず)が設けられる。そして、保持体4は、前述の一実施の形態と同様に、一対の可動翼401、401からなって、基台3nに設けられた前記軸孔に軸支される。すなわち、これら一対の可動翼401、401のそれぞれに、前記軸孔に挿入される軸部が設けられ、また、例えば、前述の一実施の形態と同様に、補助当接部4a(図示せず)が粘着体(粘着部)からなったり、その粘着体に対する、取付け面とか離間防止面とかが設けられる。
【0051】
この計測部材用台座7にあっては、被計測物1の計測対象となる被計測部1aに当接する基準当接部3bのほかに、計測部材3mが据え付けられた基台3nの姿勢を保持するように被計測物1に当接する補助当接部4aを備えている。このように、補助当接部4aを設けることで、基台3n、ひいては計測部材3mの姿勢(つまりは、計測部3aの姿勢)を保持することができ、また、この補助当接部4aを、基準当接部3bとは別に設けることで、基準当接部3bにほこり等の異物が付着することによる計測部材3mの姿勢の狂いを排して、被計測物1の所定の状態を正確に計測することができる。すなわち、この計測部材用台座7によれば、補助当接部4aを、基準当接部3bとは別に設けることで、基台3n、ひいては計測部材3mの姿勢を保持することができるだけでなく、被計測物1の所定の状態を正確に計測することができる。
【0052】
また、図22および図23に示すように、本体3は、水準器3sと取付け体3tとを備えてもよい。ここにおいて、水準器3sは、被計測物1の状態を計測する計測部3a(詳しくは、少なくとも水平状態を計測する計測部であって、図示実施の形態においては、気泡管301)と、水準器3s自身の姿勢(ひいては、計測部3aの姿勢)を定めるように被計測物1の計測対象となる被計測部1aに当接する基準当接部3bとを備えている。そして、取付け体3tは、水準器3sに取り付け固定される。そこで、保持体4は、本体3における取付け体3tに対して変位可能に設けられる。
【0053】
このように、計測装置2は、本体3が、水準器3sと取付け体3tとに分離して設けられるが、この本体3における取付け体3tと、保持体4とで、水準器取付具8が形成される。つまり、水準器取付具8は、水準器3sを被計測物1に取り付けるための取付具であって、水準器3sに取り付け固定される(詳しくは、着脱可能に取り付け固定される)取付け体3tと、保持体4とを備える。そこで、保持体4は、取付け体3tに対して変位可能(つまりは、本体3に対して変位可能)に設けられるとともに、その保持体4は、取付け体3tの姿勢(つまりは、本体3の姿勢、ひいては、計測部3a(水準器3s)の姿勢)を保持するように被計測物1に当接する、補助当接部4a(図示せず)を備える。
【0054】
図示実施の形態においては、水準器3sは、横長の直方体状に形成されたボディ3uを有し、そのボディ3uの上部中央位置に設けられた凹部3vに、気泡管301が嵌められている。そして、ボディ3uの下面が、前記基準当接部3bとなる。この水準器3sに対し、水準器取付具8が一対設けられて、各水準器取付具8は、水準器3sの左右の端側に取り付けられる。ここで、取付け体3tは、コ字状に形成されている。そこで、取付け体3tは、水準器3sのボディ3uを跨ぐようにして挟持することで、そのボディ3u(つまりは、水準器3s)に取り付けられる。この取付け体3tは、コ字状の両先端に軸受け部3wが突出形成され、その軸受け部3wの両側に軸孔(図示せず)が設けられる。保持体4は、前述の一実施の形態と同様に、一対の可動翼401、401からなって、取付け体3t(詳しくは、軸受け部3w)に設けられた前記軸孔に軸支される。すなわち、これら一対の可動翼401、401のそれぞれに、前記軸孔に挿入される軸部が設けられ、また、例えば、前述の一実施の形態と同様に、補助当接部4a(図示せず)が粘着体(粘着部)からなったりする。
【0055】
この水準器取付具8にあっては、水準器3sは、被計測物1の計測対象となる被計測部1aに当接する基準当接部3bを備え、水準器取付具8は、水準器3sに取り付け固定される取付け体3tの姿勢を保持するように被計測物1に当接する補助当接部4aを備えている。このように、補助当接部4aを設けることで、取付け体3t、ひいては水準器3sの姿勢(つまりは、計測部3aの姿勢)を保持することができ、また、この補助当接部4aを、基準当接部3bとは別に設けることで、基準当接部3bにほこり等の異物が付着することによる水準器3sの姿勢の狂いを排して、被計測物1の所定の状態を正確に計測することができる。すなわち、この水準器取付具8によれば、補助当接部4aを、水準器3sが備える基準当接部3bとは別に設けることで、取付け体3t、ひいては水準器3sの姿勢を保持することができるだけでなく、被計測物1の少なくとも水平状態を正確に計測することができる。
【0056】
また、計測部3aは、被計測物1の状態として少なくとも水平状態を計測するものであるが、一般に、水平とか垂直とか45度等の角度を計測するものであってもよく、その計測手段としては、気泡管301に限らずレーザー等を用いたものでもよい。さらには、計測部3aは、角度に限らず、長さとか振動とか温度等を計測するものであってもよい。
【0057】
また、被計測物1は、配管材に限らず、棒材とか板材とか、その他の物であってもよい。
【0058】
また、計測装置2は、両可動翼401、401が本体3を基準にして対称に接近離間する連動機構6を備えるが、この連動機構6はなくてもよい。このことは、計測部材用台座7とか水準器取付具8においても同様であって、両可動翼401、401が基台3nとか取付け体3tを基準にして対称に接近離間する連動機構6を備えていても、備えていなくてもよい。
【0059】
また、保持体4は、一対の可動翼401、401からならなくても、一方が、保持体4としての可動翼401となり、他方が、可動翼401ではなく本体3に固定された固定翼となってもよい。
【0060】
また、保持体4は、本体3に回動可能に軸支されなくても、本体3にスライド可能に支持されてもよい。例えば、先端に補助当接部4aを設けた保持体4が、被計測物1に当接するよう本体3から突出する方向にスライドしたり、被計測物1から離れるよう突出方向とは反対の控える方向にスライドしてもよい。
【0061】
また、可動翼401は、覆い部5としても機能するが、この覆い部5が、可動翼401とは別に設けられてもよい。また、覆い部5は、なくてもよい。
【0062】
また、補助当接部4aは、被計測物1に粘着可能な粘着部(図示実施の形態においては、粘着体402)からなるが、粘着することなく、この補助当接部4aを備えた保持体4が、被計測物1を挟持するようにしてもよい。
【0063】
また、水準器取付具8において、取付け体3tは、水準器3sの左右の端側に取り付けられるが、水準器3sの左右の両端面に取り付けられてもよい。そして、水準器3sへの取付け体3tの取り付けにあたっては、ビスとか止めネジ等の固着具を用いて取り付けたり、貼り付けにより取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 被計測物
1a 被計測部
2 計測装置
3 本体
3a 計測部
3b 基準当接部
3m 計測部材
3n 基台
3p 据付部
3s 水準器
3t 取付け体
4 保持体
401 可動翼
402 粘着体
4a 補助当接部
4b 可動翼本体
4c 取付け面
4d 離間防止面
5 覆い部
6 連動機構
7 計測部材用台座
8 水準器取付具
図1
図2
図3
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