(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】揮散装置
(51)【国際特許分類】
A61L 9/12 20060101AFI20230306BHJP
B65D 21/036 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A61L9/12
B65D21/036
(21)【出願番号】P 2019101081
(22)【出願日】2019-05-30
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000102544
【氏名又は名称】エステー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】小野 知子
(72)【発明者】
【氏名】小林 諒子
【審査官】太田 一平
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-046090(JP,A)
【文献】特開2002-355302(JP,A)
【文献】特開2011-251004(JP,A)
【文献】国際公開第2014/085385(WO,A1)
【文献】特開2018-102262(JP,A)
【文献】特開2014-114032(JP,A)
【文献】特表2016-507254(JP,A)
【文献】実開昭58-029943(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0153038(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00 - 9/22
A61L 9/12
B65D 21/00 - 21/08
B65D 85/00 - 85/28
B65D 85/575
B65D 35/44 - 35/54
B65D 39/00 - 55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の揮散口を有してドーム状に膨出した
表面形状を有する蓋体と、
前記蓋体を装着する開口部および底部を有し、前記底部の下面に前記蓋体の
前記表面形状
と一致する形状の凹部を有し、薬剤を収容した容器本体と、
を有する揮散装置。
【請求項2】
前記蓋体が頂部に突起を有し、
前記凹部が前記突起を
嵌合する凹みを有する、
請求項1の揮散装置。
【請求項3】
前記蓋体は、前記複数の揮散口を区画する複数のリブを有し、
前記複数のリブが、別の揮散装置を前記蓋体の上に重ねた状態で前記別の揮散装置の容器本体の凹部の縁に当接する環状のリブを含む、
請求項1または請求項2の揮散装置。
【請求項4】
前記環状のリブは、前記蓋体の膨出方向
の中間にある、
請求項3の揮散装置。
【請求項5】
前記複数のリブは、前記環状のリブを支える支えリブを含む、
請求項4の揮散装置。
【請求項6】
前記蓋体は、少なくとも1つの前記揮散口を塞ぐ閉塞板部を有する、
請求項1の揮散装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、芳香剤や消臭剤などの揮発性を有する薬剤を揮散させる揮散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、芳香剤や消臭剤などの薬剤を揮散させる揮散装置として、例えば、複数の揮散口を有する蓋体を薬剤を収容した容器本体の開口部に取り付けた揮散装置が知られている。
【0003】
また、この種の揮散装置として、蓋体の外周部に冠状のフランジ(囲いのようなもの)を設けて、フランジの内側に別の揮散装置を重ねて載置することができるようにした揮散装置が知られている。複数個の揮散装置を上下に重ねて陳列することにより、陳列のためのスペースを小さくすることができるとともに、商品の見栄えを良くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来の揮散装置は、上下に重ねた状態における姿勢安定性を確保するため、蓋体の外周縁部に冠状のフランジを設ける必要があり、デザイン上の自由度が低かった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、デザイン上の自由度が高く上下に安定して重ねることができる揮散装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の揮散装置の一態様は、複数の揮散口を有してドーム状に膨出した表面形状を有する蓋体と、蓋体を装着する開口部および底部を有し、底部の下面に蓋体の前記表面形状と一致する形状の凹部を有し、薬剤を収容した容器本体と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、デザイン上の自由度が高く上下に安定して重ねることができる揮散装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る揮散装置を示す外観斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の揮散装置の容器本体を示す外観斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の揮散装置の蓋体を示す外観斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1の揮散装置をF4-F4に沿って切断した断面図である。
【
図5】
図5は、
図1の揮散装置を矢印F5方向から見た平面図である。
【
図6】
図6は、
図1の揮散装置の上に別の揮散装置を重ねた状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る揮散装置10は、容器本体2と蓋体4を有する。容器本体2は、例えばポリエチレンテフタレート(PET)樹脂により形成されている。蓋体4は、例えばポリプロピレン(PP)樹脂により形成されている。容器本体2および蓋体4の材質は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、収容する薬剤の成分に合わせて、ポリエチレン(PE)樹脂やポリスチレン(PS)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂やポリ塩化ビニル(PVC)
樹脂、または合成樹脂以外にもガラスや金属など種々変更が可能である。
【0011】
図2および
図4に示すように、容器本体2は、略円筒状の周壁11と、周壁11の図示下端を塞ぐ略円板状の底壁12(底部)と、を一体に有する。底壁12は、容器本体2の内側に向けて(図示上方に)凹んだ略円形のドーム状の凹部15を有する。凹部15は、底壁12の下面に設ければよく、底壁12の肉厚内に形成してもよい。
【0012】
凹部15は、底壁12の中心と同心に設けられている。凹部15は、後述する蓋体4のドーム形状に合った曲面形状を有する。凹部15の中央には、容器本体2の内側に向けてさらに凹んだ有底の略円筒状の凹み16が設けられている。凹み16も凹部15の底に形成すればよく、底壁12の肉厚内に形成してもよい。凹み16は、後述する蓋体4の突起24を受け入れ可能な形状および大きさを有する。
【0013】
凹部15および凹み16を有する底壁12は、底壁12を貫通した孔を有しておらず、1枚の板状体により形成されている。一方、周壁11の底壁12から離間した図示上端は開放している。つまり、底壁12から離間した周壁11の図示上端には円形の開口部13が設けられている。容器本体2は、例えば、樹脂の一体成形により形成されており、芳香剤や消臭剤などの揮発性を有する薬剤(図示省略)を収容する。
【0014】
周壁11の上端外周面には、容器本体2の開口部13に蓋体4を装着するための略円環状の段部14が設けられている。段部14の外径は、周壁11の外径よりわずかに小さい。段部14の外周面には、蓋体4の後述する複数の係合爪22aを係合させるための円環状の突条部14aが一体に突設されている。突条部14aは、段部14の外周面から径方向の外方に向けて突出している。突条部14aが段部14の外周面から外方へ突出した突出高さは、周壁11の外周面を超えない高さである。突条部14aは、段部14の上下方向の中間位置に設けられている。
【0015】
図3および
図4に示すように、蓋体4は、容器本体2に近い図示下端側に、容器本体2の段部14に外側から重なる略円筒状の縁壁部22を有する。また、蓋体4は、縁壁部22の上端縁部から図示上方に膨出した部分を有する。
【0016】
図1に示すように、縁壁部22の外径は、容器本体2の周壁11の外径と略同じである。縁壁部22の図示上下方向の幅は、容器本体2の段部14の幅と略同じである。縁壁部22の内径は、容器本体2の段部14の外径より大きい。よって、縁壁部22を段部14の外側に重ねることができる。
【0017】
縁壁部22の内周面には、容器本体2の段部14に設けた突条部14aに係合する複数(本実施形態では4つ)の係合爪22aが設けられている。各係合爪22aは、縁壁部22の内周面から内側に突出して設けられている。複数の係合爪22aは、周方向に等間隔で設けられている。係合爪22aの個数は、4個に限らず、任意に設定可能である。
【0018】
容器本体2の段部14の外側に蓋体4の縁壁部22を重ねて蓋体4を容器本体2に向けて押し込むと、複数の係合爪22aが容器本体2の段部14に設けた突条部14aを乗り越えて突条部14aに係合する。
【0019】
係合爪22aの突出高さおよび突条部14aの突出高さは、蓋体4の縁壁部22や容器本体2の段部14の弾性変形を伴って、複数の係合爪22aが容器本体2の段部14に設けた突条部14aを乗り越えることができる高さに設計されている。複数の係合爪22aが突条部14aを乗り越えた後で、弾性変形した縁壁部22や段部14が元の形状に戻り、複数の係合爪22aが突条部14aに係合し、蓋体4が容器本体2に固定され、蓋体4の脱落が防止される。
【0020】
容器本体2に蓋体4を固定するための取り付け構造は、上述した突条部14aと係合爪22aによるものに限らず、任意に変更可能である。例えば、容器本体2の段部14の外周面に雄ネジを設けて、蓋体4の縁壁部22の内周面に雌ネジを設けてもよい。この場合、容器本体2の段部14に蓋体4の縁壁部22を重ねて蓋体4を回転させ、容器本体2の段部14に蓋体4の縁壁部22を螺合することができる。
【0021】
蓋体4は、縁壁部22の図示上端(容器本体2から離間した側の端部)から後述する略円筒状の突起24に向けて徐々に縮径しつつ図示上方に向けてドーム状に膨出した形状を有する。突起24は、縁壁部22から離れる方向(図示上方)に突出している。突起24は、上述した容器本体2の底壁12の凹部15に設けた凹み16内に挿入可能な形状および大きさを有する。
【0022】
凹み16および突起24の形状および大きさは、例えば
図6に示すように、2つの揮散装置10、10’を上下に重ねたときに、上方の揮散装置10’の容器本体2の底壁12に設けた凹み16内に下方の揮散装置10の蓋体4の突起24がちょうど嵌り、下方の揮散装置10に対する上方の揮散装置10’の移動を規制することができる形状および大きさであればよい。
【0023】
本実施形態の突起24の突出高さは、容器本体2の凹み16の深さよりわずかに小さい。また、突起24の外径は、凹み16の内径よりわずかに小さい。さらに、蓋体4のドーム状部分の表面形状(後に詳述する)は、容器本体2の底壁12に設けた凹部15の形状と略一致する。よって、2つの揮散装置10、10’を上下に重ねると、下方の揮散装置10の蓋体4の突起24が上方の揮散装置10’の容器本体2の底壁12の凹み16に嵌り、下方の揮散装置10の蓋体4の膨出側の表面の一部が上方の揮散装置10’の容器本体2の凹部15の底面に接触する。この状態で、下方の揮散装置10の蓋体4が上方の揮散装置10’の容器本体2の底壁12を下方から支え、上方の揮散装置10’の底壁12に設けた凹み16に嵌った下方の揮散装置10の蓋体4の突起24が上方の揮散装置10’の倒れや脱落を防止する。
【0024】
なお、容器本体2の底壁12に設けた凹み16および蓋体4の突起24の形状や大きさは、本実施形態のものに限定されるものではなく、揮散装置10、10’を上下に積み重ねたときの姿勢安定性を確保することができるものであればいかなるものであってもよい。また、本実施形態では、容器本体2の底壁12に凹み16を設けて蓋体4に突起24を設けたが、逆であってもよい。つまり、容器本体2の底壁12の凹部15の中央から外方(下方)へ突出した突起(図示せず)を設けて蓋体4の頂部にこの突起を嵌める穴部(図示せず)を設けてもよい。この場合、凹部15の中央から突出した突起の突出高さは、底壁12の下面のレベルを超えない高さである必要がある。
【0025】
蓋体4は、縁壁部22と突起24との間の上述した膨出部分に複数の揮散口21a~21n、23a~23f、25a~25lを有する。言い換えると、蓋体4の膨出した部分は、複数の揮散口21a~21n、23a~23f、25a~25lを区画する複数本のリブ31a~31j、32a~32l、33a~33l、34a~34h、35a~35l、および特定の揮散口(実際には開口していないため揮散口ではない)だけを塞いだ複数枚の閉塞板部41a、41b、42a、42bにより形成されている。蓋体4、すなわち縁壁部22、突起24、リブ31a~31j、32a~32l、33a~33l、34a~34h、35a~35l、および閉塞板部41a、41b、42a、42bは、例えば、樹脂の一体成形により形成されている。
【0026】
複数本のリブ31a~31j、32a~32l、33a~33l、34a~34h、35a~35lの形状、すなわち複数の揮散口21a~21n、23a~23f、25a~25lの形状は、蓋体4の機械強度およびデザイン性を考慮した形状に形成することが望ましい。また、複数本のリブ31a~31j、32a~32l、33a~33l、34a~34h、35a~35lの配置、すなわち複数の揮散口21a~21n、23a~23f、25a~25lのレイアウトも、蓋体4の機械強度およびデザイン性を考慮しつつ自由に設計できる。つまり、複数本のリブ31a~31j、32a~32l、33a~33l、34a~34h、35a~35lおよび複数の揮散口21a~21n、23a~23f、25a~25lは、本実施形態における形状およびレイアウトに限定されるものではなく、その形状およびレイアウトは任意に変更可能である。
【0027】
ここで、主に
図5を参照して、本実施形態の蓋体4のリブ31a~31j、32a~32l、33a~33l、34a~34h、35a~35l、揮散口21a~21n、23a~23f、25a~25l、および閉塞板部41a、41b、42a、42bの形状およびレイアウトについて詳細に説明する。
蓋体4は、縁壁部22と同心に配置された環状リブ31を有する。環状リブ31の直径(円形ではないので例えば径方向の平均的な長さ)は、縁壁部22の直径より小さい。本実施形態の環状リブ31は、縁壁部22の半径よりわずかに大きい直径を有する。環状リブ31は、2本の円弧状リブ31a、31bと8つの渦状リブ31c、31d、31e、31f、31g、31h、31i、31jを環状につなげた形状を有する。より正確には、渦状リブ31c、31d、31e、31f、31g、31h、31i、31jは、それぞれ、その全体が環状リブ31の一部として機能する訳ではなく、環状リブ31として機能する部分と後述する支えリブ34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34hとして機能する部分を含む。
【0028】
2つの円弧状リブ31a、31bは、ドーム状に膨出した蓋体4の頂部に設けた突起24を中心にした円弧に沿った形状に形成されている。2つの円弧状リブ31a、31bは、突起24を間に挟んで蓋体4の径方向に対向する位置に配置されている。環状リブ31は、2つの円弧状リブ31a、31bの間にそれぞれ4つずつ渦状リブ31c、31d、31e、31f、31g、31h、31i、31jを有する。渦状リブ31c、31d、31e、31f、31g、31h、31i、31jは、それぞれ、円弧状リブ31a、31bとは逆向きに湾曲した螺旋状に形成されている。
【0029】
具体的には、一方の円弧状リブ31aの一端(図示時計回り方向の下流側端部)に連結部分P1を介して渦状リブ31cの基端が連結され、渦状リブ31cの中間部分に連結部分P2を介して渦状リブ31dの中間部分が連結されている。2つの渦状リブ31c、31dは、その中間部分において湾曲形状の外側同士が連結部分P2を介して連結されている。また、渦状リブ31dの基端に連結部分P3を介して渦状リブ31eの基端が連結されている。さらに、渦状リブ31eの中間部分に連結部分P4を介して渦状リブ31fの中間部分が連結され、渦状リブ31fの基端に連結部分P5を介してもう一方の円弧状リブ31bの一端(図示時計回り方向の上流側端部)が連結されている。
【0030】
同様に、円弧状リブ31bの他端(図示時計回り方向の下流側端部)に連結部分P6を介して渦状リブ31gの基端が連結され、渦状リブ31gの中間部分に連結部分P7を介して渦状リブ31hの中間部分が連結されている。2つの渦状リブ31g、31hは、その中間部分において湾曲形状の外側同士が連結部分P7を介して連結されている。また、渦状リブ31hの基端に連結部分P8を介して渦状リブ31iの基端が連結されている。さらに、渦状リブ31iの中間部分に連結部分P9を介して渦状リブ31jの中間部分が連結され、渦状リブ31jの基端に連結部分P10を介して円弧状リブ31aの他端(図示時計回り方向の上流側端部)が連結されている。
【0031】
縁壁部22と環状リブ31の間には、12本の傾斜リブ32a、32b、32c、32d、32e、32f、32g、32h、32i、32j、32k、32l、および12本の湾曲リブ33a、33b、33c、33d、33e、33f、33g、33h、33i、33j、33k、33lがかけ渡されている。傾斜リブ32a~32lおよび湾曲リブ33a~33lは、蓋体4の周方向に沿って2本ずつ交互に等間隔で並べて設けられている。傾斜リブ32a~32lは、その傾斜方向を交互に異ならせて配置されている。湾曲リブ33a~33lは、湾曲の向きを交互に異ならせて配置されている。
【0032】
具体的には、傾斜リブ32aの一端が連結部分P11を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、傾斜リブ32aの他端が上述した連結部分P1を介して環状リブ31に連結されている。また、湾曲リブ33aの一端が連結部分P12を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、湾曲リブ33aの他端が連結部分P1を介して環状リブ31に連結されている。また、湾曲リブ33bの一端が連結部分P12を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、湾曲リブ33bの他端が連結部分P1を介して環状リブ31に連結されている。2本の湾曲リブ33a、33bは、湾曲の内側が互いに対向する向きで連結部分P1と連結部分P12の間に設けられている。さらに、傾斜リブ32bの一端が連結部分P13を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、傾斜リブ32bの他端が連結部分P1を介して環状リブ31に連結されている。
【0033】
同様に、傾斜リブ32cの一端が連結部分P13を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、傾斜リブ32cの他端が上述した連結部分P3を介して環状リブ31に連結されている。また、湾曲リブ33cの一端が連結部分P14を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、湾曲リブ33cの他端が連結部分P3を介して環状リブ31に連結されている。また、湾曲リブ33dの一端が連結部分P14を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、湾曲リブ33dの他端が連結部分P3を介して環状リブ31に連結されている。2本の湾曲リブ33c、33dは、湾曲の内側が互いに対向する向きで連結部分P3と連結部分P14の間に設けられている。さらに、傾斜リブ32dの一端が連結部分P15を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、傾斜リブ32dの他端が連結部分P3を介して環状リブ31に連結されている。
【0034】
さらに、傾斜リブ32eの一端が連結部分P15を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、傾斜リブ32eの他端が上述した連結部分P5を介して環状リブ31に連結されている。また、湾曲リブ33eの一端が連結部分P16を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、湾曲リブ33eの他端が連結部分P5を介して環状リブ31に連結されている。また、湾曲リブ33fの一端が連結部分P16を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、湾曲リブ33fの他端が連結部分P5を介して環状リブ31に連結されている。2本の湾曲リブ33e、33fは、湾曲の内側が互いに対向する向きで連結部分P5と連結部分P16の間に設けられている。さらに、傾斜リブ32fの一端が連結部分P17を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、傾斜リブ32fの他端が連結部分P5を介して環状リブ31に連結されている。
【0035】
また、傾斜リブ32gの一端が連結部分P17を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、傾斜リブ32gの他端が上述した連結部分P6を介して環状リブ31に連結されている。また、湾曲リブ33gの一端が連結部分P18を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、湾曲リブ33gの他端が連結部分P6を介して環状リブ31に連結されている。また、湾曲リブ33hの一端が連結部分P18を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、湾曲リブ33hの他端が連結部分P6を介して環状リブ31に連結されている。2本の湾曲リブ33g、33hは、湾曲の内側が互いに対向する向きで連結部分P6と連結部分P18の間に設けられている。さらに、傾斜リブ32hの一端が連結部分P19を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、傾斜リブ32hの他端が連結部分P6を介して環状リブ31に連結されている。
【0036】
また、傾斜リブ32iの一端が連結部分P19を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、傾斜リブ32iの他端が上述した連結部分P8を介して環状リブ31に連結されている。また、湾曲リブ33iの一端が連結部分P20を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、湾曲リブ33iの他端が連結部分P8を介して環状リブ31に連結されている。また、湾曲リブ33jの一端が連結部分P20を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、湾曲リブ33jの他端が連結部分P8を介して環状リブ31に連結されている。2本の湾曲リブ33i、33jは、湾曲の内側が互いに対向する向きで連結部分P8と連結部分P20の間に設けられている。さらに、傾斜リブ32jの一端が連結部分P21を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、傾斜リブ32jの他端が連結部分P8を介して環状リブ31に連結されている。
【0037】
さらに、傾斜リブ32kの一端が連結部分P21を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、傾斜リブ32kの他端が上述した連結部分P10を介して環状リブ31に連結されている。また、湾曲リブ33kの一端が連結部分P22を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、湾曲リブ33kの他端が連結部分P10を介して環状リブ31に連結されている。また、湾曲リブ33lの一端が連結部分P22を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、湾曲リブ33lの他端が連結部分P10を介して環状リブ31に連結されている。2本の湾曲リブ33k、33lは、湾曲の内側が互いに対向する向きで連結部分P10と連結部分P22の間に設けられている。さらに、傾斜リブ32lの一端が連結部分P11を介して縁壁部22の上端縁部に連結され、傾斜リブ32lの他端が連結部分P10を介して環状リブ31に連結されている。
【0038】
なお、上述した環状リブ31の8つの渦状リブ31c、31d、31e、31f、31g、31h、31i、31jは、それぞれ、その先端が傾斜リブ32b、32c、32d、32e、32h、32i、32j、32kの中間部分に連結されている。
【0039】
渦状リブ31c、31d、31e、31f、31g、31h、31i、31jの先端は、それぞれ、傾斜リブ32b、32c、32d、32e、32h、32i、32j、32kの表面よりわずかに外方へ突出している。言い換えると、渦状リブ31c、31d、31e、31f、31g、31h、31i、31jの先端側の表面は、傾斜リブ32b、32c、32d、32e、32h、32i、32j、32kの表面と面一につながっていない。
【0040】
渦状リブ31cの中間部分である連結部分P2と傾斜リブ32bの中間部分をつなぐ渦状リブ31cの先端側の一部分は、環状リブ31を支える支えリブ34aとして機能する。渦状リブ31dの中間部分である連結部分P2と傾斜リブ32cの中間部分をつなぐ渦状リブ31dの先端側の一部分は、環状リブ31を支える支えリブ34bとして機能する。渦状リブ31eの中間部分である連結部分P4と傾斜リブ32dの中間部分をつなぐ渦状リブ31eの先端側の一部分は、環状リブ31を支える支えリブ34cとして機能する。渦状リブ31fの中間部分である連結部分P4と傾斜リブ32eの中間部分をつなぐ渦状リブ31fの先端側の一部分は、環状リブ31を支える支えリブ34dとして機能する。
【0041】
渦状リブ31gの中間部分である連結部分P7と傾斜リブ32hの中間部分をつなぐ渦状リブ31gの先端側の一部分は、環状リブ31を支える支えリブ34eとして機能する。渦状リブ31hの中間部分である連結部分P7と傾斜リブ32iの中間部分をつなぐ渦状リブ31hの先端側の一部分は、環状リブ31を支える支えリブ34fとして機能する。渦状リブ31iの中間部分である連結部分P9と傾斜リブ32jの中間部分をつなぐ渦状リブ31iの先端側の一部分は、環状リブ31を支える支えリブ34gとして機能する。渦状リブ31jの中間部分である連結部分P9と傾斜リブ32kの中間部分をつなぐ渦状リブ31jの先端側の一部分は、環状リブ31を支える支えリブ34hとして機能する。
【0042】
環状リブ31と突起24の間には、上述した湾曲リブ33a~33lより長い12本の湾曲リブ35a、35b、35c、35d、35e、35f、35g、35h、35i、35j、35k、35lがかけ渡されている。12本の湾曲リブ35a~35lは、蓋体4の周方向に沿ってその湾曲方向を交互に異ならせて配置されている。
【0043】
具体的には、湾曲リブ35aの一端が上述した連結部分P1を介して環状リブ31に連結され、湾曲リブ35aの他端が突起24の外周面に連結されている。また、湾曲リブ35bの一端が連結部分P1を介して環状リブ31に連結され、湾曲リブ35bの他端が突起24の外周面に連結されている。2つの湾曲リブ35a、35bは、湾曲の内側が互いに対向する向きで配置されている。
【0044】
同様に、湾曲リブ35cの一端が上述した連結部分P3を介して環状リブ31に連結され、湾曲リブ35cの他端が突起24の外周面に連結されている。また、湾曲リブ35dの一端が連結部分P3を介して環状リブ31に連結され、湾曲リブ35dの他端が突起24の外周面に連結されている。2つの湾曲リブ35c、35dは、湾曲の内側が互いに対向する向きで配置されている。
【0045】
さらに、湾曲リブ35eの一端が上述した連結部分P5を介して環状リブ31に連結され、湾曲リブ35eの他端が突起24の外周面に連結されている。また、湾曲リブ35fの一端が連結部分P5を介して環状リブ31に連結され、湾曲リブ35fの他端が突起24の外周面に連結されている。2つの湾曲リブ35e、35fは、湾曲の内側が互いに対向する向きで配置されている。
【0046】
また、湾曲リブ35gの一端が上述した連結部分P6を介して環状リブ31に連結され、湾曲リブ35gの他端が突起24の外周面に連結されている。また、湾曲リブ35hの一端が連結部分P6を介して環状リブ31に連結され、湾曲リブ35hの他端が突起24の外周面に連結されている。2つの湾曲リブ35g、35hは、湾曲の内側が互いに対向する向きで配置されている。
【0047】
また、湾曲リブ35iの一端が上述した連結部分P8を介して環状リブ31に連結され、湾曲リブ35iの他端が突起24の外周面に連結されている。また、湾曲リブ35jの一端が連結部分P8を介して環状リブ31に連結され、湾曲リブ35jの他端が突起24の外周面に連結されている。2つの湾曲リブ35i、35jは、湾曲の内側が互いに対向する向きで配置されている。
【0048】
また、湾曲リブ35kの一端が上述した連結部分P10を介して環状リブ31に連結され、湾曲リブ35kの他端が突起24の外周面に連結されている。また、湾曲リブ35lの一端が連結部分P10を介して環状リブ31に連結され、湾曲リブ35lの他端が突起24の外周面に連結されている。2つの湾曲リブ35k、35lは、湾曲の内側が互いに対向する向きで配置されている。
【0049】
蓋体4は、上述した複数本のリブ31a~31j、32a~32l、33a~33l、34a~34h、35a~35lの形状およびレイアウトに依存する形状の複数の揮散口21a~21n、23a~23f、25a~25lを有する。
【0050】
揮散口21aは、円弧状リブ31a、傾斜リブ32a、および傾斜リブ32lにより囲まれた略三角形の領域にある開口部であり、揮散口21bも、円弧状リブ31b、傾斜リブ32f、および傾斜リブ32gにより囲まれた略三角形の領域にある開口部である。
【0051】
揮散口21cは、傾斜リブ32bと渦状リブ31cにより囲まれた領域にある開口部であり、揮散口21dは、傾斜リブ32cと渦状リブ31dにより囲まれた領域にある開口部である。揮散口21eは、傾斜リブ32b、傾斜リブ32c、渦状リブ31c、および渦状リブ31dにより囲まれた領域にある開口部である。
【0052】
揮散口21fは、傾斜リブ32dと渦状リブ31eにより囲まれた領域にある開口部であり、揮散口21gは、傾斜リブ32eと渦状リブ31fにより囲まれた領域にある開口部である。揮散口21hは、傾斜リブ32d、傾斜リブ32e、渦状リブ31e、および渦状リブ31fにより囲まれた領域にある開口部である。
【0053】
揮散口21iは、傾斜リブ32hと渦状リブ31gにより囲まれた領域にある開口部であり、揮散口21jは、傾斜リブ32iと渦状リブ31hにより囲まれた領域にある開口部である。揮散口21kは、傾斜リブ32h、傾斜リブ32i、渦状リブ31g、および渦状リブ31hにより囲まれた領域にある開口部である。
【0054】
揮散口21lは、傾斜リブ32jと渦状リブ31iにより囲まれた領域にある開口部であり、揮散口21mは、傾斜リブ32kと渦状リブ31jにより囲まれた領域にある開口部である。揮散口21nは、傾斜リブ32j、傾斜リブ32k、渦状リブ31i、および渦状リブ31jにより囲まれた領域にある開口部である。
【0055】
また、揮散口23aは、湾曲リブ33aと湾曲リブ33bにより囲まれた領域にある開口部であり、揮散口23bは、湾曲リブ33cと湾曲リブ33dにより囲まれた領域にある開口部であり、揮散口23cは、湾曲リブ33eと湾曲リブ33fにより囲まれた領域にある開口部であり、揮散口23dは、湾曲リブ33gと湾曲リブ33hにより囲まれた領域にある開口部であり、揮散口23eは、湾曲リブ33iと湾曲リブ33jにより囲まれた領域にある開口部であり、揮散口23fは、湾曲リブ33kと湾曲リブ33lにより囲まれた領域にある開口部である。
【0056】
円弧状リブ31a、湾曲リブ35a、湾曲リブ35l、および突起24により囲まれた領域は、閉塞板部41aにより閉塞されており、この領域は揮散口として機能しない。また、円弧状リブ31b、湾曲リブ35f、湾曲リブ35g、および突起24により囲まれた領域は、閉塞板部41bにより閉塞されており、この領域も揮散口として機能しない。
【0057】
湾曲リブ35c、湾曲リブ35d、および突起24により囲まれた領域は、閉塞板部42aにより閉塞されており、この領域は揮散口として機能しない。また、湾曲リブ35i、湾曲リブ35j、および突起24により囲まれた領域も、閉塞板部42bにより閉塞されており、この領域は揮散口として機能しない。
【0058】
揮散口26aは、湾曲リブ35a、湾曲リブ35b、および突起24により囲まれた領域にある開口部である。揮散口26bは、湾曲リブ35e、湾曲リブ35f、および突起24により囲まれた領域にある開口部である。揮散口26cは、湾曲リブ35g、湾曲リブ35h、および突起24により囲まれた領域にある開口部である。揮散口26dは、湾曲リブ35k、湾曲リブ35l、および突起24により囲まれた領域にある開口部である。
【0059】
揮散口27aは、湾曲リブ35b、湾曲リブ35c、渦状リブ31c、渦状リブ31d、および突起24により囲まれた領域にある開口部である。揮散口27bは、湾曲リブ35d、湾曲リブ35e、渦状リブ31e、渦状リブ31f、および突起24により囲まれた領域にある開口部である。揮散口27cは、湾曲リブ35h、湾曲リブ35i、渦状リブ31g、渦状リブ31h、および突起24により囲まれた領域にある開口部である。揮散口27dは、湾曲リブ35j、湾曲リブ35k、渦状リブ31i、渦状リブ31j、および突起24により囲まれた領域にある開口部である。
【0060】
以下、蓋体4の機能についてさらに説明する。
蓋体4の複数本のリブ31a~31j、32a~32l、33a~33l、35a~35lは、それぞれ所定の曲率で湾曲した架空の曲面に沿った表面を有する。ここで言う各リブの表面とは、容器本体2から離間した蓋体4のドーム状
に膨出した上面側(
図5で紙面手前側)の面である。
【0061】
例えば、環状リブ31と突起24の間に設けた12本の湾曲リブ35a~35lの表面は、当該蓋体4の上に別の揮散装置10’を重ねたときに、この揮散装置10’の容器本体2の底壁12に設けた凹部15の表面に面で接触する曲率を有する。つまり、これら12本の湾曲リブ35a~35lは、凹部15と同じ曲率の表面を有する。
【0062】
これに対し、環状リブ31と縁壁部22の間に設けた12本の湾曲リブ33a~33lの表面も、所定の曲率で湾曲した架空の曲面に沿った曲面である。湾曲リブ33a~33lの表面の曲率は、湾曲リブ35a~35lの表面の曲率と同じであってもよく、異なる曲率であってもよい。
【0063】
しかし、湾曲リブ33a~33lの表面を含む架空の曲面と湾曲リブ35a~35lの表面を含む架空の曲面は同一のつながった曲面を形成していない。言い換えると、湾曲リブ33a~33lの表面を含む架空の曲面と湾曲リブ35a~35lの表面を含む架空の曲面の間には円環状の架空の変曲部分がある。
【0064】
湾曲リブ33a~33lの表面を含む架空の曲面と湾曲リブ35a~35lの表面を含む架空の曲面の間の変曲部分は、環状リブ31の上にある。また、湾曲リブ33a~33lの表面を含む架空の曲面と湾曲リブ35a~35lの表面を含む架空の曲面の間の変曲部分は、蓋体4の内側に向けてわずかに凹んでいる。
【0065】
このように、蓋体4の表面の円環状の変曲部分が凹んでいることにより、当該蓋体4の上に別の揮散装置10’を重ねたときに、揮散装置10’の容器本体2の底壁12に設けた凹部15の縁15aが当該蓋体4の変曲部分にちょうど引っ掛かる。つまり、蓋体4に上述した変曲部分を設けたことで、当該蓋体4の上に重ねた揮散装置10’を安定して支持することができる。
【0066】
なお、
図6に示すように、揮散装置10の上に別の揮散装置10’を積み重ねると、上側の揮散装置10’の容器本体2の底壁12に設けた凹部15に下側の揮散装置10の蓋体4の一部(環状リブ31、湾曲リブ35a~35l)が接触する。このとき、同時に、上側の揮散装置10’の容器本体2の凹部15に設けた凹み16内に下方の揮散装置10の蓋体4の突起24が嵌る。この状態で、上側の揮散装置10’の容器本体2の凹部15の縁15aが下側の揮散装置10の蓋体4の環状リブ31に当接する。
【0067】
言い換えると、環状リブ31は、2つの揮散装置10、10’を上下に重ねた状態で、上方の揮散装置10’の底壁12の凹部15の縁15aが下方の揮散装置10の蓋体4の環状リブ31に重なる位置に設けられている。さらに言い換えると、容器本体2の底壁12に設けた凹部15の直径は、蓋体4の環状リブ31の直径と略同じであり、凹部15は蓋体4を全体的に覆う大きさではなく部分的に覆う大きさを有する。
【0068】
本実施形態では、環状リブ31を蓋体4の膨出方向(図示上下方向)の略中間に設けた。このため、
図6に示すように2つの揮散装置10、10’を上下に重ねた状態で、上方の揮散装置10’の容器本体2の底壁12が下方の揮散装置10の蓋体4の膨出方向の略中間に位置し、下方の揮散装置10の蓋体4の一部(図示下側の約半分)が外部から目視可能となり、複数の揮散装置10を積み重ねた際の美観を向上させることができる。
【0069】
また、蓋体4は、所定の機械強度を有する。上記構造の揮散装置10によると、容器本体2の開口部13に蓋体4を装着する際に、蓋体4に対して容器本体2に向かう方向(図示下方)の押圧力が作用する。また、揮散装置10の上に別の揮散装置10’を重ねて載置すると、蓋体4に対して容器本体2に向かう方向の押圧力が作用する。このため、蓋体4には、特に、上下方向の押圧力に対する十分な機械強度が必要となる。
【0070】
蓋体4の環状リブ31は、このような押圧力を比較的多く受ける位置に配置されている。また、環状リブ31と縁壁部22の間には、複数本の傾斜リブ32a~32l、および複数本の湾曲リブ33a~33lが配置されているとともに、複数の支えリブ34a~34hが配置されている。このため、環状リブ31が受けた押圧力を縁壁部22との間に配置した複数本のリブ32a~32l、33a~33l、34a~34hにより受けて荷重を支えることができ、蓋体4に対して十分な機械強度を付与することができる。
【0071】
なお、本実施形態では、環状リブ31に沿って複数の支えリブ34a~34hを等間隔で設けておらず、円弧状リブ31a、傾斜リブ32a、および傾斜リブ32lにより囲まれた領域、および円弧状リブ31b、傾斜リブ32f、および傾斜リブ32gにより囲まれた領域には支えリブが無い。代わりに、これらの領域には、円弧状リブ31a、31bの強度を高めるため、閉塞板部41a、41bを設けた。これにより、蓋体4の周方向における機械強度のばらつきを抑制している。
【0072】
つまり、本実施形態によると、蓋体4の模様に相当するリブ形状を比較的自由に設計することができ、その上、十分な機械強度を付与することもでき、複数の揮散装置10の積み重ねに適した構造を提供することができる。また、揮散装置10による薬剤の揮散量を決める揮散口の開口面積に関係する構成として、複数枚の閉塞部材41a、41b、42a、42bを有するが、これらの閉塞部材41a、41b、42a、42bも、蓋体4の強度バランスを考慮した位置に自由に配置することができ、設計の自由度が高い。
【0073】
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0074】
例えば、上述した実施形態では、2つの揮散装置10、10’を上下に重ねた場合について説明したが、3つ以上の揮散装置10を重ねることもできる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
複数の揮散口を有してドーム状に膨出した蓋体と、
前記蓋体を装着する開口部および底部を有し、前記底部の下面に前記蓋体のドーム形状に合った形状の凹部を有し、薬剤を収容した容器本体と、
を有する揮散装置。
[2]
前記蓋体が頂部に突起を有し、
前記凹部が前記突起を受け入れる凹みを有する、
[1]の揮散装置。
[3]
前記蓋体は、前記複数の揮散口を区画する複数のリブを有し、
前記複数のリブが、別の揮散装置を前記蓋体の上に重ねた状態で前記別の揮散装置の容器本体の凹部の縁に当接する環状のリブを含む、
[1]または[2]の揮散装置。
[4]
前記環状のリブは、前記蓋体の膨出方向の略中間にある、
[3]の揮散装置。
[5]
前記複数のリブは、前記環状のリブを支える支えリブを含む、
[4]の揮散装置。
[6]
前記蓋体は、少なくとも1つの前記揮散口を塞ぐ閉塞板部を有する、
[1]の揮散装置。
【符号の説明】
【0075】
2…容器本体、 4…蓋体、 10、10’…揮散装置、 11…周壁、 12…底壁、 13…開口部、 14…段部、 14a…突条部、 15…凹部、 16…凹み、 21a、21b、21c、21d、21e、21f、21g、21h、21i、21j、21k、21l、21m、21n、23a、23b、23c、23d、23e、23f、25a、25b、25c、25d、25e、25f、25g、25h、25i、25j、25k、25l、26a、26b、26c、26d、27a、27b、27c、27d…揮散口、 22…縁壁部、 22a…係合爪、 24…突起、 31…環状リブ、 31a、31b…円弧状リブ、 31c、31d、31e、31f、31g、31h、31i、31j…渦状リブ、 32a、32b、32c、32d、32e、32f、32g、32h、32i、32j、32k、32l…傾斜リブ、 33a、33b、33c、33d、33e、33f、33g、33h、33i、33j、33k、33l…湾曲リブ、 34a、34b、34c、34d、34e、34f、34g、34h…支えリブ、 35a、35b、35c、35d、35e、35f、35g、35h、35i、35j、35k、35l…湾曲リブ。