(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】ワイヤメッシュ作製装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B23K 37/04 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
B23K37/04 J
(21)【出願番号】P 2019567353
(86)(22)【出願日】2018-06-05
(86)【国際出願番号】 IT2018050101
(87)【国際公開番号】W WO2018225108
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-03-10
(31)【優先権主張番号】102017000061837
(32)【優先日】2017-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】592060639
【氏名又は名称】エム・イー・ピー・マシーネ・エレトロニーチェ・ピエガトリーチ・エス・ピー・エイ
【氏名又は名称原語表記】M.E.P. MACCHINE ELETTRONICHE PIEGATRICI SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】デル ファブロ、ジョルジョ
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-080686(JP,A)
【文献】国際公開第2007/110400(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/007612(WO,A1)
【文献】特開昭53-071654(JP,A)
【文献】国際公開第2011/010256(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 31/00 - 31/02、31/10 - 33/00、37/00 - 37/08
B23K 11/00 - 11/36
B21F 1/00 - 99/00
E04B 1/00 - 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤメッシュ(11)を作製する装置であって、
-溶接ユニット(17)と、
-縦方向ワイヤ(13)をフィードするように構成された第1のフィーダ(15)と、
-少なくとも1本の横方向ワイヤ(14)を前記溶接ユニット(17)にフィードするように構成された第2のフィーダ(16)と、
-第1の方向(D1)に平行に配置され、且つ少なくとも1つの位置決め装置(45)によって画定される支持平面(46)上の予め設定されたパターンに従って距離を置いた複数の前記縦方向ワイヤ(13)を前記第1のフィーダ(15)から受け取るように構成された位置決めユニット(31)であって、前記少なくとも1つの位置決め装置(45)は、前記縦方向ワイヤ(13)を平行に保ちながら及び前記第1の方向(D1)に直交する移動方向(D2)において互いに距離を置いた状態に保ちながら前記縦方向ワイヤ(13)を移動させるように構成されるとともに、前記縦方向ワイヤ(13)の少なくとも1本を受け取るように構成された複数のハウジング座部(34)を備えており、位置決めユニット(31)はさらに、前記縦方向ワイヤ(13)を前記支持平面(46)より上に持ち上げるとともに前記ハウジング座部(34)から取り除くことができる持上げ部材(42)を備える、位置決めユニット(31)と、
-前記位置決めユニット(31)から前記縦方向ワイヤ(13)の1本を取り除き、前記縦方向ワイヤ(13)をそれぞれのフィード方向(A1、A2、A3、A4、A5、A6)に及び前記溶接ユニット(17)に向かって移動させるようにそれぞれ構成された複数の把持部材(36)であって、前記フィード方向(A1、A2、A3、A4、A5、A6)は互いに距離を置いて配置される、複数の把持部材(36)と、を備える装置において、
前記位置決めユニット(31)が前記移動方向(D2)に平行な方向において互いに隣接する準備領域(50)と引き渡し領域(51)とを備え、前記把持部材(36)が前記引き渡し領域(51)に配置され、前記準備領域(50)が、前記移動方向(D2)に平行な方向において、少なくとも前記引き渡し領域(51)の幅(L2)以上の幅(L1)を有することと、前記持上げ部材(42)がそれぞれ
、平坦な形状を有する支持平面を備えていることと、を特徴とする、装置。
【請求項2】
前記位置決めユニット(31)が、前記第1の方向(D1)に直交する方向において第1の位置決め装置(45)と平行な少なくとも第2の位置決め装置(45)を備えており、前記複数のハウジング座部(34)が、少なくとも1つの支持要素(33)に関連付けられるとともに、予め設定されたピッチだけ互いに相互に距離を置いており、前記支持要素(33)が前記ハウジング座部(34)を、前記準備領域(50)から前記引き渡し領域(51)へ、及び前記引き渡し領域(51)から前記準備領域(50)へ搬送するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記位置決め装置(45)のそれぞれに、互いに平行に配置された少なくとも2つの支持要素(33)が提供され、そのそれぞれにハウジング座部(34)が提供されること、及び、前記2つの支持要素(33)の第1の要素が、前記第1のフィーダ(15)から前記縦方向ワイヤ(13)を受け取るために前記準備領域(50)に位置決め可能であり、及び前記引き渡し領域(51)に向かって移動可能であり、前記2つの支持要素(33)の第2の要素が、他の縦方向ワイヤの取り除き及び引き渡しを可能にするために前記引き渡し領域(51)に位置決め可能であり、及び前記準備領域(50)に向かって移動可能であることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記支持要素(33)が、使用中に上方の、支持平面(46)を画定するように構成された第1の戻りセグメント(33a)と、前記第1の戻りセグメント(33a)の反対側の、使用中に下方の第2の戻りセグメント(33b)とを画定すること、及び、前記第1の戻りセグメント(33a)の一部が前記準備領域(50)に位置決めされ、前記第1の戻りセグメント(33a)に連続する前記第1の戻りセグメント(33a)の第2の部分が前記引き渡し領域(51)に位置決めされることを特徴とする、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
作動装置(48)が前記支持要素(33)に関連付けられるとともに、前記支持要素(33)及び前記ハウジング座部(34)を前記移動方向(D2)に移動させるように構成されることを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記把持部材(36)のそれぞれが、それぞれのフィード方向(A1、A2、A3、A4、A5、A6)と整列させられるとともに、それぞれのハウジング座部(34)から縦方向ワイヤ(13)を取り出すように構成された少なくとも1つの取除きグリッパ(38)を備えており、前記取除きグリッパ(38)は、隣接するハウジング座部(34)間のピッチ以上の把持振幅を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記溶接ユニット(17)が、前記縦方向ワイヤ(13)及び前記横方向ワイヤ(14)を互いに溶接するように構成された複数の溶接ヘッド(26)を備えること、及び、前記溶接ヘッド(26)のそれぞれがそれぞれのフィード方向(A1、A2、A3、A4、A5、A6)と整列させられることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のフィーダ(15)が前記縦方向ワイヤ(13)を前記第1の方向(D1)に配置するように構成されるとともに、前記縦方向ワイヤ(13)の保管部(25)、及び/又は、切断及び直線化手段、引き出し部材(22)及び測定手段(24)と組み合わされた1つ又は複数のワイヤ巻き出しリールを備えることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの位置決め装置(45)が、前記縦方向ワイヤ(13)を配置する支持平面(46)を画定することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記把持部材(36)が前記支持平面(46)の1つの側に対応して配置され、前記側は前記移動方向(D2)に平行であることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記把持部材(36)が、前記フィード方向(A1、A2、A3、A4、A5、A6)に平行な方向において前記位置決めユニット(31)と前記溶接ユニット(17)との間で移動可能な共通の支持構造(52)上に設置されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
ワイヤメッシュ(11)を作製する方法であって、
-第1のフィーダ(15)によって前記ワイヤメッシュ(11)の縦方向ワイヤ(13)をフィードすること、
-第2のフィーダ(16)によって少なくとも1本の横方向ワイヤ(14)を溶接ユニット(17)にフィードすること、
-第1の方向(D1)に平行に及び支持平面(46)上の予め設定されたパターンに従って距離を置いて位置決めユニット(31)内に配置された複数の前記縦方向ワイヤ(13)を前記第1のフィーダ(15)から受け取ること、
-前記縦方向ワイヤ(13)を位置決め装置(45)を使用して、前記縦方向ワイヤ(13)を複数のハウジング座部(34)において平行に保ちながら及び前記第1の方向(D1)に直交する移動方向(D2)において互いに距離を置いた状態に保ちながら移動させること、
-各把持部材(36)を使用して前記位置決めユニット(31)から前記縦方向ワイヤ(13)のそれぞれを取り除くこと、及び
-前記縦方向ワイヤ(13)を前記把持部材(36)によってそれぞれのフィード方向(A1、A2、A3、A4、A5、A6)に及び前記溶接ユニット(17)に向けて移動させることであって、前記フィード方向(A1、A2、A3、A4、A5、A6)は、前記横方向ワイヤ(14)に溶接されるときに前記縦方向ワイヤ(13)がとるパターンに調整された第2の予め設定されたパターンに従って互いに距離を置いて配置される、移動させること、を提供する方法において、
前記位置決めユニット(31)が前記移動方向(D2)に平行な方向において互いに隣接する準備領域(50)と引き渡し領域(51)とを備え、
前記準備領域(50)において、前記第1のフィーダ(15)が縦方向ワイヤ(13)の第1のグループを予め決定されたパターンに従って互いに距離を置きながら引き渡す一方、前記引き渡し領域(51)において、持上げ部材(42)がそれぞれ
、平坦な形状を有する支持平面を備えており、前記準備領域(50)において前もって準備された縦方向ワイヤ(13)の第2のグループを前記支持平面(46)より上に持ち上げ、前記縦方向ワイヤ(13)の第2のグループを前記複数のハウジング座部(34)から取り除き、前記縦方向ワイヤ(13)の第2のグループを前記把持部材(36)によって保持させることを特徴とする、方法。
【請求項13】
前記溶接ユニット(17)の複数の溶接ヘッド(26)をそれぞれ、それぞれのフィード方向(A1、A2、A3、A4、A5、A6)と整列させて、及び作製される前記ワイヤメッシュ(11)の縦方向ワイヤ(13)間の軸間に基づいて位置決めすることを提供することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記把持部材(36)のそれぞれを、それぞれのフィード方向(A1、A2、A3、A4、A5、A6)と整列させて位置決めすることと、取除きグリッパ(38)によって縦方向ワイヤ(13)をそれぞれのハウジング座部(34)から取り出し、前記取除きグリッパ(38)を閉じることで前記縦方向ワイヤ(13)の端部を対応するフィード方向(A1~A6)に整列させることと、を提供することを特徴とする、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
第2の取り除きのパターンと同様の第3のパターンに従って相互に距離を置いた前記縦方向ワイヤ(13)を前記位置決めユニット(31)に及び前記第1のフィーダ(15)によって供給することと、前記各把持部材(36)によって前記縦方向ワイヤ(13)のいくつかの第1の取り除きを行うことと、前記位置決めユニット(31)上に残っている前記縦方向ワイヤ(13)を前記移動方向(D2)に並進させて、各把持部材(36)によって残りの前記縦方向ワイヤ(13)の少なくともいくつかの少なくとも前記第2の取り除きを行うことと、を提供することを特徴とする、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば、鉄筋コンクリート構造用の補強材、或いは保持用及び/又は分離用メッシュとして、又はそれらに関連して、ワイヤメッシュを使用可能にする装置に関する。
【0002】
本発明は、均一な又は特殊化された、所望のサイズのリンク(link)を有するワイヤメッシュを得ることを可能にする。さらに、本発明は、ワイヤメッシュを作製する方法にも関する。
【0003】
本発明は、その構成要素がすべて又は部分的に相互に溶接されているワイヤメッシュに適用可能である。
本発明の実施形態はまた、縦方向ワイヤを位置決めしてワイヤメッシュを作製するユニット、並びに縦方向ワイヤを取り除いて結合及び場合により溶接ユニットに供給するユニットに関する。
【背景技術】
【0004】
互いに距離を置いて配置された複数の縦方向ワイヤによって、及び互いに距離を置いて配置され且つ縦方向ワイヤの展開(development)を横切るように縦方向ワイヤに溶接された複数の横方向ワイヤによって画定されるワイヤメッシュを作製する装置が知られている。
【0005】
既知の装置は、通常、縦方向ワイヤと横方向ワイヤとの間の接続領域に実質的に同時に、互いに距離を置かれた複数の縦方向ワイヤを供給するように構成された、縦方向ワイヤをフィード(feed)する第1のユニットを備える。
【0006】
既知の装置は、横方向ワイヤをフィードし、各場合において、及び所望の位置で、横方向ワイヤを複数の縦方向ワイヤに供給するユニットを備える。
これらの装置は、溶接が提供される場合、各場合において、相互重なり領域で1つ又は複数の縦方向ワイヤに横方向ワイヤを溶接する少なくとも1つの溶接ユニットを備える。
【0007】
最新技術では、縦方向ワイヤ間の相互距離は、各場合において、縦方向ワイヤのフィードグループの個々のフィードユニットの相互位置決めによって決定され、この位置決めは装置の初期設定ステップにおいて決定される。
【0008】
しかしながら、この既知の解決策には、特に、単一の装置で、異なるセクション及び/又はサイズを有するワイヤによって画定されたリンクを有するワイヤメッシュを、又はさらには、その縦方向及び/又は横方向ピッチが特定の生産バッチの理由により各場合において異なるメッシュを作製する必要がある場合、多くの欠点がある。
【0009】
(特許文献1)により、縦方向ワイヤをフィードする第1のユニット、各場合において少なくとも1本の横方向ワイヤをフィードする第2のユニット、及び各横方向ワイヤを縦方向ワイヤに溶接するために設けられた溶接ユニットを備えたメッシュを作製する装置も知られている。
【0010】
(特許文献1)に記載されているこの装置は、一度に第1のフィードユニットから1本の縦方向ワイヤを受け取るように構成された位置決めユニットも備える。
縦方向ワイヤは、第1の方向に平行に配置され、所定のパターンに従って互いに距離を置くように、第1のフィードユニットによって位置決めユニットに向かってリリースされる。具体的には、位置決めユニットは、縦方向ワイヤをそれらの長方形の展開に直交する方向、すなわち第1の方向に直交する方向に移動させるために設けられた位置決め装置を備える。したがって、位置決めユニットには、得られるワイヤメッシュの特定の構成によって決まるほぼ所望の距離に縦方向ワイヤが配置されるローディング平面又はローディング領域が提供される。ローディング領域に複数の把持部材が直接配置され、各把持部材は縦方向ワイヤのうちの1本を取り除き、それを縦方向ワイヤの縦方向の展開に平行な方向に及びそれらが横方向ワイヤと溶接される溶接ユニットに向かって移動させるために提供される。
【0011】
溶接ユニットは、縦方向ワイヤの縦方向の展開と平行な方向において、縦方向ワイヤのローディング平面又はローディング領域と直接整列させられる。
縦方向ワイヤの縦方向の展開に平行な方向に移動する把持部材は、溶接ユニットへの入口で縦方向ワイヤを供給し、溶接ユニットはその後、連続するステップによって、縦方向ワイヤを前進させて、縦方向ワイヤ上で横方向ワイヤを溶接する。
【0012】
通常、最低5mから12~15m以上ですらある、縦方向ワイヤが有し得るかなりの長さを考えると、ローディング平面又はローディング領域は、溶接作業の大部分に関しても、すなわち、縦方向ワイヤを溶接ユニットに向けて搬送する作業に関して、縦方向ワイヤで占められたままである。
【0013】
これは、縦方向ワイヤのフィードに関してかなり長い中断時間を意味し、その結果、プラントの生産性と効率が低下する。実際には、ワイヤメッシュを画定するすべての縦方向ワイヤがローディング平面に提供され、少なくともおおよその方法で相互に距離を置かなければならないため、ローディング平面への縦方向ワイヤのフィードは通常、かなりの作業時間を必要とする。
【0014】
溶接ユニットへの縦方向ワイヤの移動ステップ中、及び少なくとも縦方向ワイヤが溶接ユニットに導入されるまで、ローディング平面内への縦方向ワイヤの新しいグループの位置決めを開始することは不可能である。これは、ローディング平面が、縦方向ワイヤの前のグループが形成されることによって占有されているためである。
【0015】
したがって、最新技術の欠点の少なくとも1つを克服するワイヤメッシュを作製するための装置及び方法を完成させ利用可能にする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の1つの目的は、中断時間を回避することによりワイヤメッシュの作業時間を短縮することを可能にするワイヤメッシュを製造する装置を提供することである。
また本発明は、非常に用途が広く、数レンジに制限されたサイズのピッチを有するワイヤメッシュの製造を制限しないワイヤメッシュ作製装置を提供することを目的とする。
【0018】
別の目的は、限られたスペースを占有するか、いずれにしても、既知の装置の規模よりも小さい装置を提供することである。
本発明の別の目的は、少なくとも縦方向ワイヤ間の距離が等しい値、異なる値、又は混合された値を有するワイヤメッシュを製造できる装置を提供することである。
【0019】
本発明は、縦方向及び横方向ワイヤが直交に又は所望の角度で配置されたワイヤメッシュを得るのに適した装置にも適用することができる。
本発明は、縦方向ワイヤが所定の距離にあり、メッシュの目的に関してその都度定めることができるメッシュを得るのに特に適している。
【0020】
また、本発明の目的は、ワイヤメッシュのフォーマットが変更された場合でも、装置の設定時間及び停止時間を短縮し、さらには取り消すことさえ可能にする効率的な装置を提供することである。
【0021】
また本発明は、ワイヤメッシュを迅速に、そしてその都度定められる金属ワイヤ間のピッチで作製する方法を提供することを目的とする。
本出願人は、最新技術の欠点を克服し、これら及び他の目的及び利点を得るために、本発明を考案し、試験し及び具現化した。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、独立請求項に記載され特徴付けられているが、従属請求項は、本発明の他の特徴又は主要な発明思想の変形を記載している。
ここに記載する実施形態は、縦方向ワイヤ及び横方向ワイヤが互いに接続され且つ所望のサイズ及び/又は配置のリンクを画定するワイヤメッシュを作製する装置に関する。
【0023】
本発明において、縦方向ワイヤと横方向ワイヤとの間の接続とは、主に溶接を意味するが、本発明はあらゆるタイプの接続に適用可能である。したがって、以下の記載において、溶接という用語は、あらゆるタイプの接続を意味する。
【0024】
ワイヤメッシュを作製する装置は、溶接ユニット、縦方向ワイヤをフィードするように構成された第1のフィーダ、及び各場合において少なくとも1本の横方向ワイヤを溶接ユニットにフィードするように構成された第2のフィーダを備える。
【0025】
本発明の一態様によれば、装置は、第1のフィーダから、第1の方向に平行に配置され、予め設定されたパターンに従って距離を置いた複数の縦方向ワイヤを受け取るように構成された位置決めユニットを備える。
【0026】
位置決めユニットは、縦方向ワイヤを平行に保ちながら、及び第1の方向に直交する移動方向において互いに距離を置いた状態に保ちながら移動するように構成された少なくとも1つの位置決め装置を備える。
【0027】
この装置は、位置決めユニットから縦方向ワイヤの1本を取り除き、縦方向ワイヤをそれぞれのフィード方向に溶接ユニットに向かって移動させるようにそれぞれ構成された複数の把持部材を備える。
【0028】
フィード方向は、横方向ワイヤに溶接されたときに縦方向ワイヤがとるパターンに調整されたパターンに従って、互いに距離を置いて定められる。
本発明の一態様によれば、位置決めユニットは、移動方向に平行な方向において互いに隣接する準備領域と引き渡し領域とを備える。
【0029】
把持部材は、引き渡し領域で見出される縦方向ワイヤを取り除くために、引き渡し領域に配置される。
準備領域は、移動方向に平行な方向に、少なくとも引き渡し領域の幅以上の幅を有する。
【0030】
このようにして、準備領域において第1のフィーダが縦方向ワイヤの第1グループを引き渡し、予め決定された距離だけ予め離して縦方向ワイヤを配置する一方、引き渡し領域において準備領域から予め前もって位置決めされ受け取られた縦方向ワイヤの第2グループを溶接ユニットにフィードすることができる。これにより、ローディング平面が空くのを待つ間、縦方向ワイヤの準備を停止する必要が回避される。
【0031】
本発明により、縦方向ワイヤ及び横方向ワイヤが製造されるバッチに従って定められたパターンに従って溶接され相互に距離を置いて配置されたワイヤメッシュを作製することが可能である。
【0032】
本発明はまた、横方向ワイヤが溶接されるときに縦方向ワイヤがとる距離に対して縦方向ワイヤを迅速且つ正確に位置決めすることを可能にする。
これにより、ワイヤメッシュの製造時間が大幅に短縮され、ワイヤメッシュのフォーマットを変更するための長い時間は不要になる。
【0033】
本発明の実施形態はまた、第1のフィーダによって縦方向ワイヤをフィードすること、及び、第2のフィーダによって、各場合において、少なくとも1本の横方向ワイヤを溶接ユニットにフィードすることを提供する、ワイヤメッシュを作製する方法に関する。
【0034】
本発明によれば、本方法は以下を提供する。
-第1の方向に平行に及び予め設定されたパターンに従って距離を置いて位置決めユニット内に配置される複数の縦方向ワイヤを第1のフィーダから受け取ること、
-縦方向ワイヤを位置決め装置を使用してそれらを平行に保ちながら及び第1の方向に直交する移動方向において互いに距離を置いた状態に保ちながら移動させること、
-各把持部材を使用して位置決めユニットから縦方向ワイヤのそれぞれを取り除くこと、及び
-縦方向ワイヤを把持部材によってそれぞれのフィード方向に溶接ユニットに向けて移動させること。前記フィード方向は、横方向ワイヤに溶接されるときに縦方向ワイヤがとるパターンに調整されたパターンに従って互いに相互に距離を置いて定められる。
【0035】
また、本発明による方法は、位置決めユニットが、移動方向に平行な方向において互いに隣接する準備領域及び引き渡し領域を備えることを提供し、準備領域において、第1のフィーダが予め設定されたパターンに従って互いに距離を置いて配置された縦方向ワイヤの第1グループを引き渡し、引き渡し領域において、把持部材が前もって準備領域に準備された縦方向ワイヤの第2グループを取り除く。
【0036】
本方法の可能な実施によれば、溶接ユニットの複数の溶接ヘッドをそれぞれ、それぞれのフィード方向と整列させて、及び作製されるワイヤメッシュの縦方向ワイヤ間の軸間に基づいて位置決めする。
【0037】
本方法の別の可能な実施によれば、各把持部材をそれぞれのフィード方向と整列して位置決めすることが提供される。
本方法の別の可能な実施によれば、後続の取り除きのパターンと同様のパターンに従って相互に距離を置いた縦方向ワイヤを前記第1のフィーダによって位置決めユニットに供給し、各把持部材によって縦方向ワイヤのいくつかの第1の取り除きを行い、位置決めユニット上に残っている縦方向ワイヤを移動方向に並進させ、各把持部材によって残りの縦方向ワイヤの少なくともいくつかの少なくとも第2の取り除きを行うことが提供される。
【0038】
本発明のこれら及び他の特徴は、添付の図面を参照して非限定的な例として与えられるいくつかの実施形態の以下の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】ワイヤメッシュを作製する装置の概略図であり、縦方向ワイヤの可能な位置が示されている。
【
図2】後続の縦方向ワイヤの位置決め及び取り除きステップにおける位置決めユニット及び取除き及び供給ユニットを概略的に示す。
【
図3】後続の縦方向ワイヤの位置決め及び取り除きステップにおける位置決めユニット及び取除き及び供給ユニットを概略的に示す。
【
図4】後続の縦方向ワイヤの位置決め及び取り除きステップにおける位置決めユニット及び取除き及び供給ユニットを概略的に示す。
【
図5】後続の縦方向ワイヤの位置決め及び取り除きステップにおける位置決めユニット及び取除き及び供給ユニットを概略的に示す。
【
図6】取除き及び供給ユニットの把持部材の可能な実施形態の斜視図である。
【
図7】取除き及び供給ユニットの把持ユニットを示す概略図である。
【
図8】本発明の可能な実施形態による溶接ユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
理解を容易にするために、可能であれば同じ参照番号を使用して、図面内の同一の共通要素を識別している。一実施形態の要素及び特性は、さらに説明することなく他の実施形態に都合よく組み込むことができる。
【0041】
ここで添付の図面を参照して記載する実施形態は、ワイヤメッシュ11を作製する装置10に関する。特に、本発明では、リンクのサイズ及びワイヤメッシュ11を作り上げるワイヤの配置が各場合において予め決定されるワイヤメッシュ11を作製することが可能である。
【0042】
ワイヤメッシュ11は、縦方向ワイヤ13及び横方向ワイヤ14によって画定される。縦方向ワイヤ13及び横方向ワイヤ14は、同じ直径又は異なる直径を有することができる。
【0043】
縦方向ワイヤ13間のピッチ及び/又は横方向ワイヤ14間のピッチは、各場合において、ワイヤメッシュ11が使用中に有するであろう動作要件に従って決定することができる。
【0044】
ワイヤは、縦方向ワイヤ13であろうと横方向ワイヤ14であろうと、円形、楕円形、正方形、長方形、又は多角形の断面形状を有することができる。
縦方向ワイヤ13及び横方向ワイヤ14は、使用中にコンクリート内でより良いグリップ力を得るために、滑らか、リブ付き、又は波形にすることができる。縦方向ワイヤ13及び横方向ワイヤ14は、巻く及び/又は引っ張ることができる。
【0045】
横方向ワイヤ14は縦方向ワイヤ13に溶接される、例えば、相互重なり領域に対応して電気溶接される。
本発明の一態様によれば、装置10は、各場合において1本の縦方向ワイヤ13を供給し、第1の方向D1に配置するように構成された第1のフィーダ15を備える。特に、縦方向ワイヤ13は、その長方形の展開が第1の方向D1に平行になるように位置決めされる。
【0046】
図示されていない可能な変形実施形態によれば、第1のフィーダ15は、各場合において、1本を超える縦方向ワイヤ13を供給するように、例えば、2本、3本、又はそれ以上の縦方向ワイヤ13を供給するように構成される。
【0047】
特に、第1のフィーダ15は、縦方向ワイヤ13を、例えば上から又は横方向に供給することにより、第1の方向D1に整列させられた方向に、又は第1の方向D1に平行な方向に移動させながら供給するように構成される。
【0048】
可能な解決策(
図1)によれば、第1のフィーダ15は、所定の長さに前もって予備切断された縦方向ワイヤ13が位置決めされる保管部25を備えることができる。
図示されていない可能な変形実施形態によれば、第1のフィーダ15は、第1の縦方向ワイヤ13の長さを決定するために設けられた1つ又は複数のワイヤ巻き出しリール並びに切断及び直線化手段を備えることができる。
【0049】
可能な解決策によれば、第1のフィーダ15は、第1の方向D1に整列した方向に縦方向ワイヤ13を供給するように設けられた引き出し部材22を備えることができる。
保管部25には、引き出し部材22に対応して縦方向ワイヤ13を位置決めするために設けられたそれぞれの位置決め装置(図示せず)を設けることができる。
【0050】
第1のフィーダ15はまた、各場合において、引き出し部材22によって供給される縦方向ワイヤの長さを検出するために設けられた測定手段24、例えばカウンタローラを備えることができる。
【0051】
第1のフィーダ15の下流に、第1のフィーダ15から複数の縦方向ワイヤ13を受け取り、それらを互いに平行に、且つ所定のパターンに従って相互に距離を置いて位置決めするように構成された位置決めユニット31が設けられる。
【0052】
可能な解決策によれば、位置決めユニット31は、第1の方向D1に関して、第1のフィーダ15に隣接して配置される。
可能な解決策によれば、位置決めユニット31は、縦方向ワイヤ13を受け取り、縦方向ワイヤ13を第1の方向D1に直交する移動方向D2において互いに平行に距離を保ちながら移動させるように構成された少なくとも1つの位置決め装置45を備える。
【0053】
有利な解決策によれば、位置決めユニット31は、第1の方向D1に直交する方向において互いに平行に配置され、それぞれが第1の方向D1に直交する方向において縦方向ワイヤ13を移動させるように構成された複数の位置決め装置45を備える。
【0054】
少なくとも1つの位置決め装置45、この場合全位置決め装置45は、共通して位置する平面(common lying plane)上にあるすべての縦方向ワイヤ13を配置する支持平面46を画定する。
【0055】
少なくとも1つの位置決め装置45、この場合各位置決め装置45は、支持要素33に関連付けられ、互いに所定のピッチだけ相互に距離を置いた複数のハウジング座部34を備えることができる。
【0056】
特に、ハウジング座部34は、支持要素33の少なくとも一部に、互いに隣接して設けられる。各ハウジング座部34は、縦方向ワイヤ13の少なくとも1つを受けるように構成される。
【0057】
支持要素33は、第1の方向D1に直交する方向に互いに整列したハウジング座部34を支持するように構成される。
可能な解決策によれば、位置決めユニット31は、移動方向D2に平行な方向に隣接して配置された準備領域50及び引き渡し領域51を備えることができる。換言すれば、準備領域50と引き渡し領域51は、移動方向D2において隣接している。
【0058】
準備領域50は、移動方向D2に平行な方向において測定された第1の幅L1を有し、第1の幅L1は、同じく移動方向D2に平行な方向において測定された第2の幅L2に少なくとも等しいかそれより大きく、少なくとも引き渡し領域51の幅L2以上である。
【0059】
このようにして、引き渡し領域51には、準備ができている、又は場合によっては溶接ユニット17に移動する縦方向ワイヤ13の第1グループがある一方、準備領域50は、既に相互に距離を置いて配置された縦方向ワイヤ13の新しいグループを位置決めユニット31に正確にローディングして位置決めするために使用することができる。
【0060】
この解決策により、縦方向ワイヤを溶接ユニットに供給する中断時間を大幅に削減することが可能になり、生産性とプラント効率が大幅に向上される。
第1の幅L1及び第2の幅L2は、得られるワイヤメッシュ11の幅に少なくとも等しいか、それより大きく、又はワイヤメッシュ11の外側の周囲に位置する2つの縦方向ワイヤ間の相互距離に少なくとも等しいことができる。
【0061】
準備領域50では、第1のフィーダ15は、ワイヤメッシュ11を画定する縦方向ワイヤ13の位置決めパターンが画定されるまで、各場合において、縦方向ワイヤ13の1つを供給する。ワイヤメッシュ11を画定する縦方向ワイヤ13のグループのローディングが準備領域50で完成すると、それらは移動され、取り除くことができるように引き渡し領域51に対応するように搬送される。
【0062】
支持要素33は、準備領域50から引き渡し領域51までハウジング座部34を搬送するように構成される。
可能な解決策によれば、支持要素33は、チェーン、ベルト、コンベヤベルト、ケーブルの少なくとも1つを備えることができる。
【0063】
例えば
図2~5に示される可能な解決策によれば、支持要素33は、ハウジング座部34を一体化する。
一例として(
図2~5)、支持要素33はチェーンを備え、チェーンのリンクは、それらがどのように適合されるかによってハウジング座部34を画定する。
【0064】
図示されていない可能な変形実施形態によれば、ハウジング座部34は、所定のピッチに従って支持要素33に取り付けられた成形体で作ることができる。
支持要素33は、閉じたリング状をなし、戻りローラ47の周りに巻き付くことができる。
【0065】
このようにして、支持要素33は、使用中に上方の(facing upward)、各場合において、支持平面46を画定するように構成された第1の戻りセグメント33aと、第1の戻りセグメント33aの反対側で使用中に下方の(facing downward)第2の戻りセグメント33bとを画定する。
【0066】
この実施形態によれば、第1の戻りセグメント33aの一部が準備領域50に位置決めされる一方で第1の戻りセグメント33aに連続する第1の戻りセグメント33aの第2の部分が引き渡し領域51に位置決めされる。
【0067】
一例として、ハウジング座部34は、15mm~100mmの間、好ましくは30mm~70mmの間のピッチで互いに距離を置く。
可能な解決策によれば、作動装置48を支持要素33に関連付けられることができ、作動装置48は第1の方向D1に直交する移動方向D2において支持要素33及びハウジング座部34を移動させるように構成される。
【0068】
作動装置48は、2つの戻りローラ47のうちの少なくとも1つと関連付けることができる。
このようにして、ハウジング座部34は、第1のフィーダ15によって供給される各縦方向ワイヤ13がハウジング座部34に位置決めされる準備領域50に搬送されることができる。次いでハウジング座部34は以下に記載するように縦方向ワイヤ13を取り除くことを可能にするように引き渡し領域51へ並進される。
【0069】
ハウジング座部34内の縦方向ワイヤ13の放出動作を位置決め装置45の移動と適切に調整することにより、ハウジング座部34内の縦方向ワイヤ13の位置決めを制御でき、したがって、縦方向ワイヤ13自体の相互位置を正確に制御することが可能である。
【0070】
特に、ハウジング座部34内の縦方向ワイヤ13の位置決め又は放出を適切に調整することにより、以下に記載するように、その後の取り除きのパターンに近い予め決定されたパターンに従って縦方向ワイヤを配置することが可能である。
【0071】
可能な解決策によれば、いくつかの位置決め装置45がある場合、そのそれぞれに、互いに平行に配置された少なくとも2つの支持要素33が設けられ、そのそれぞれにハウジング座部34が設けられる。
【0072】
特に、2つの支持要素33のうちの第1の要素を第1のフィーダ15から縦方向ワイヤ13を受け取るように準備領域50に位置決めすることができ、縦方向ワイヤ13のその後の取り除きを可能にするべく引き渡し領域51に向かって移動させることができる。一方、2つの支持要素33のうちの第2の要素は、他の縦方向ワイヤのその後の取り除き及び引き渡しを可能にするべく引き渡し領域51内に位置決めすることができ、準備領域50に向かって移動可能であり、逆もまた同様である。第1及び第2の支持要素33は、準備領域50と引き渡し領域51との間で交互に移動することができ、逆もまた同様であり、交互にそれらの位置を交換し、すなわち、一方が準備領域50に位置するとき、他方は引き渡し領域51に位置し、逆もまた同様である。
【0073】
この解決策により、位置決めユニット31における縦方向ワイヤ13の位置決めステップとその後の取り除きステップとの間の中断時間を大幅に短縮することが可能になる。
支持要素33には、その全長の一部のみに対して、又は引き渡し領域51の長さと実質的に接続する縦方向延長部に対して、ハウジング座部34を設けることができる。
【0074】
可能な解決策によれば、第1のフィーダ15は、単一の縦方向ワイヤ13を順番に位置決めユニット31に提供する供給ユニット30を備えることができる。
特に、例えば引き出し部材22から縦方向ワイヤ13を受け取ると、供給ユニット30はそれを位置決め装置45の特定のハウジング座部34に引き渡す。
【0075】
供給ユニット30は、単一の縦方向ワイヤ13を移動方向D2に平行な方向に並進させることにより、それを供給するように構成することができる。
可能な解決策によれば、供給ユニット30は、第1の方向D1に平行な方向に互いに離間した複数のねじ43を備えることができる。ねじ43はそれぞれ、縦方向ワイヤ13の縦方向延在部の異なる領域に対応して、それぞれの縦方向ワイヤ13を支持することを可能にする。
【0076】
特に、第1のフィーダ15は、それぞれのねじ43の螺旋の間に画定されるキャビティに対応して、縦方向ワイヤ13の1つをフィードする。
ねじ43を同期して回転させることにより、縦方向ワイヤ13をねじ43の軸に平行な方向に前進させ、位置決め装置45のハウジング座部34の1つに放出することが可能である。
【0077】
この目的のために、ねじ43は、それらの回転軸が第1の方向D1に実質的に直交し、移動方向D2に平行になるように配置され得る。
さらに、ねじ43の使用により、例えば、供給ユニット30及び位置決めユニット31の側方に存在する可能性のある当接体49に対応して、縦方向ワイヤ13を当接させることが可能になる。
【0078】
本発明の一態様によれば、装置は、縦方向ワイヤ13を位置決めユニット31から取り除き、それらを溶接ユニット17に供給するように構成された取除き及び供給ユニット32を備える。
【0079】
取除き及び供給ユニット32は、移動軸D2に実質的に平行な位置決め軸に沿って互いに隣接して配置された複数の把持部材36を備える。
把持部材36は、ハウジング座部34から個々の縦方向ワイヤ13を取り除き、それぞれのフィード方向に、
図1~5に示す場合フィード方向A1、A2、A3、A4、A5、A6に移動させるように構成されている。フィード方向A1~A6は、縦方向ワイヤ13が横方向ワイヤ14に溶接されたときにとるパターンに調整されたパターンに従って、互いに距離を置いて定められる。
【0080】
したがって、フィード方向A1~A6間の相互距離は、把持部材36間の相互距離に対応する。
本発明の解決策により、縦方向ワイヤ13間の相互距離が、必ずしもハウジング座部34間のピッチにもピッチの倍数にも対応しない。相互距離は、ハウジング座部34から完全に独立し、各場合において、メッシュに必要な構造抵抗パラメータに従って決定される。
【0081】
把持部材36は、移動方向D2に平行に配置された位置決めユニット31の支持平面46の1つの側に対応して配置することができる。このようにして、把持部材36のそれぞれは、縦方向ワイヤ13の終端部の1つを取り込んでフィードすることができる。
【0082】
把持部材36は、少なくとも把持部材36の簡単な作動で縦方向ワイヤ13を取り込むことができるように支持平面46の上方又は下方で縦方向ワイヤ13を取り除く状態で配置することができる。
【0083】
取除き及び供給ユニット32は、移動方向D2に平行に配置され、その上に把持部材36が位置決めされる位置決めガイド37を備えることができる。
取除き及び供給ユニット32は、各把持部材を位置決めガイド37に沿った所定の位置に及び移動距離A1~A6間の相互距離に対応して位置決めするために設けられた図示しない位置決め手段を備えることができる。位置決め手段は、メッシュの構築に必要な構築パラメータに従って装置の初期設定ステップで駆動することができる。
【0084】
各把持部材36は、それぞれのハウジング座部34から縦方向ワイヤ13を取り出すように構成された少なくとも1つの取除きグリッパ38を備えることができる。
可能な解決策によれば、取除きグリッパ38は、隣接するハウジング座部34間のピッチ以上の把持振幅を有することができる。
【0085】
このようにして、把持動作を備えた取除きグリッパ38は、対応するフィード方向A1~A6と完全に整列させられていなくても、縦方向ワイヤ13を取り除くことができる。
取除きグリッパ38を閉じると、縦方向ワイヤ13の端部は対応するフィード方向A1~A6に整列させられる。
【0086】
他の実施形態では、把持部材36は、取り除かれた縦方向ワイヤ13を保持することができ、続いてそれを対応するフィード方向A1~A6に引くことも可能にする保持グリッパ39を含むことができる、又は含むこともできる。
【0087】
可能な実施形態によれば、把持部材36はそれぞれ、対応する縦方向ワイヤ13をハウジング座部34から取り除く把持位置と、把持部材36が縦方向ワイヤ13を保持し対応する溶接ヘッド26に供給する保持及び供給位置との間で把持部材36を動かすように構成された作動装置53を備えることができる。
【0088】
特に、作動装置53は支持平面46に直交する方向に可動である、すなわち、把持部材を把持状態にするか、又は縦方向ワイヤ13の動きと干渉しないようにすることができる。
【0089】
各把持部材36は、取除きグリッパ38及び/又は保持グリッパ39に配置されたときに縦方向ワイヤ13の存在を検出できる検出装置40を備えることができる。
可能な実施形態によれば、検出装置40は、接触により縦方向ワイヤ13の存在を検出するように構成され、例えば、縦方向ワイヤ13が位置決めされる整列方向A1~A6に位置する可動部41を備えることができる。縦方向ワイヤ13が可動部41と接触すると、可動部41は、縦方向ワイヤ13を妨害することなく上昇し、縦方向ワイヤ13の把持を確認する信号を提供する。確認信号は、後続の操作ステップの開始に対する同意の信号、発光信号、音響信号を備えることができる。
【0090】
把持部材36は、フィード方向A1~A6に平行な方向に位置決めユニット31と溶接ユニット17との間を移動可能な共通の支持構造52上に設置することができる。
支持構造52の動きにより、すべての縦方向ワイヤ13をフィード方向A1~A6に同時に並進させることが可能になる。
【0091】
可能な解決策によれば、支持構造52は、フィード方向A1~A6に平行に配置されたガイド35上に設置することができる。ガイド35は、縦方向ワイヤ13の長さ以上の縦方向延在部を有することができる。このようにして、支持構造52が移動すると、縦方向ワイヤ13は支持平面46から完全に引き出され、支持平面46を空いた状態にする。
【0092】
可能な解決策によれば、位置決めユニット31は持上げ部材42を備えることができ、持上げ部材42は縦方向ワイヤ13を支持平面46より上に持ち上げることができ、それらをハウジング座部34から取り除くことができる。このようにして、縦方向ワイヤ13がフィード方向A1~A6において移動させられるとき、それらはハウジング座部34内で摺動して摩耗を引き起こす可能性がない。
【0093】
持上げ部材42は、少なくとも一対の位置決め装置45の間に位置決めすることができ、支持平面46に対して垂直に移動することができる。
持上げ部材42はそれぞれ、実質的に平坦な形状を有し、位置決め装置45から縦方向ワイヤ13を完全に持ち上げるために設けられた支持平面を備えることができる。
【0094】
持上げ部材42は、引き渡し領域41に配置することができる。縦方向ワイヤ13が持上げ部材42によって持ち上げられると、位置決め装置45を再び動かして、準備領域50に、又はそれに近接して位置決めすることができる。これにより、装置の効率がさらに向上し、中断時間が短縮される。
【0095】
本発明による装置10はまた、縦方向ワイヤ13を少なくとも1本の横方向ワイヤ14と溶接するように構成された溶接ユニット17を備えている。
特に、溶接ユニット17は、それぞれがそれぞれの縦方向ワイヤ13を少なくとも1つの横方向ワイヤ14と溶接するように構成された複数の溶接ヘッド26を備える。
【0096】
溶接ヘッド26は、フィード方向A1~A6に直交する共通の位置決め軸に沿って互いに整列して設置することができる。
特に、各溶接ヘッド26は、それぞれのフィード軸A1~A6と整列する。
【0097】
このようにして、縦方向ワイヤ13が位置決めユニット31から取り除かれると、取除き及び供給ユニット32は、それらをフィード軸A1~A6に沿った並進のために溶接ヘッド26に対応して移送する。
【0098】
各溶接ヘッド26は、それぞれのワイヤの相互重なり領域の1つに対応して位置決めすることができる。例えば、溶接ヘッド26は、位置決めガイド27に沿った適切なアクチュエータにより、例えば初期設定ステップ中に位置決めすることができる。
【0099】
可能な実施形態によれば、各溶接ヘッド26は、縦方向ワイヤ13及び横方向ワイヤ14の相互重なり領域に関して互いに反対の第1の電極28及び第2の電極29を備えることができる。
【0100】
第1及び第2の電極28及び29は、溶接に必要なエネルギーを縦方向ワイヤ13及び横方向ワイヤ14に印加するために、電気エネルギー発生器(図示せず)によって電力供給される。
【0101】
第1の電極28又は第2の電極29の少なくとも一方は、2つの電極28及び29が互いに離され、ギャップを画定し、そこに溶接するべきワイヤを配置できる第1の位置と、2つの電極28及び29がワイヤをクランプして溶接する第2の溶接位置との間で選択的に移動可能である。
【0102】
溶接ヘッド26はそれぞれ、フィード手段(図示せず)を備えることができ、取除き及び供給ユニット32から受け取った縦方向ワイヤ13を溶接ユニット17自体を通して前進させるように構成することができる。
【0103】
縦方向ワイヤ13の前進ピッチと、横方向ワイヤ14に供給される頻度に応じて、横方向ワイヤ14間の軸間が各場合において規定される。
装置10はまた、各場合において、フィード軸A1~A6に対して横方向に配置された少なくとも1つの横方向ワイヤ14をフィードするために設けられた第2のフィーダ16を備える。第2のフィーダ16は、上述の第1のフィーダ15に実質的に類似していてもよい。
【0104】
可能な解決策(
図1)によれば、第2のフィーダ16は、縦方向ワイヤ13を供給する1つ又は複数のリール20と、場合により直線化部材21と、引き出し部材22と、金属ワイヤを所定の長さに切断し且つ横方向ワイヤ14を画定するように構成された切断部材23とを備えることができる。第2のフィーダ16は、第1のフィーダ15について上述したものと実質的に類似した測定手段24を備えることもできる。
【0105】
図2~5を参照すると、縦方向ワイヤ13の一連の位置決め及び取り除きステップが示されている。
特に、把持部材36は所定の距離に従って互いに距離を置いて配置され、仕様によって設置され、これは横方向ワイヤ14に溶接されたときに縦方向ワイヤ13がとる相互距離に実質的に対応する。
【0106】
第1のフィーダ15は各場合において、縦方向ワイヤ13を位置決めユニット31に引き渡して対応するハウジング座部34に配置する。縦方向ワイヤ13の引き渡しは、縦方向ワイヤ13のすべてが一旦引き渡し領域51に対応して位置決めされると、ある位置すなわち、フィード方向の位置に近いワイヤの相互位置をとるようなものである。
【0107】
図2~6は、それぞれのフィード方向A1~A4に配置された4つの把持部材36による4本の縦方向ワイヤ13の供給を示している。
図2を参照すると、フィード方向A1、A3、及びA4に対応して配置された縦方向ワイヤ13は、それぞれの把持部材36から取り除くことができる。
【0108】
続いて、取り除かれていない縦方向ワイヤ13を取り除くために、矢印F(
図3)によって示される方向に従って位置決め装置45が移動し、縦方向ワイヤ13を自由な把持部材36による取り除きに適した位置に配置する(
図4及び5)。
【0109】
図1を参照すると、縦方向ワイヤ13の3つの可能な位置決め構成S1、S2、S3が示されている。
第1の構成S1では、第1のフィーダ15は、縦方向ワイヤ13を位置決めユニット31に引き渡し、それらを相互に距離を空けて配置し、引渡し領域51に位置するとき、それぞれがフィード方向A1~A6の1つに整列するようにする。
【0110】
第2の構成S2では、縦方向ワイヤ13が引き渡し領域51に搬送されると、それらのうちのいくつかのみが、それぞれのフィード方向A1~A6、この場合フィード方向A2及びA3に整列する。これらの位置にある縦方向ワイヤ13は、それぞれの把持部材36によって直接取り除くことができる。その後、位置決め装置45を用いて、取り除かれない残りの縦方向ワイヤ13を並進させ、他の把持部材36に対応して配置し、その後縦方向ワイヤ13を取り除く。
【0111】
第3の構成S3では、フィード方向A4に対応して配置された縦方向ワイヤ13のみを、それぞれの把持部材36によって取り除くことができる。その後、位置決め装置45により、縦方向ワイヤ13を横方向に並進させて、縦方向ワイヤ13を取り除くために提供されたそれぞれの把持部材36に対応して縦方向ワイヤ13を配置することが可能である。
【0112】
この解決策によれば、第1のフィーダ15が取除き及び供給ユニット32によるその後の取り除きの位置に近い位置において縦方向ワイヤ13を位置決めユニット31に引き渡さない場合でも、位置決め装置45の作動を適切に調整することにより、取除き及び供給ユニット32による取り除きに適した位置に縦方向ワイヤ13を配置することが可能である。
【0113】
可能な実施形態によれば、装置10は、装置10のユニットの機能を管理及び調整して、各場合において所望のリンクを有するワイヤメッシュ11を作製するように構成された制御及びコマンドユニット12を備える。
【0114】
特に、制御及びコマンドユニット12は、少なくとも第1のフィーダ15、位置決めユニット31、及び取除き及び供給ユニット32に接続されて、それらの駆動を調整し、取除き及び供給ユニット32による縦方向ワイヤ13の正しい取り除きを可能にすることができる。
【0115】
本発明の実施形態はまた、上述のような第1のフィーダ15、位置決めユニット31及び取除き及び供給ユニット32を備える縦方向ワイヤ13を供給する装置に関する。
本発明の分野及び範囲から逸脱することなく、上記のようなワイヤメッシュ11を作製するための装置10及び方法に対して部品及び/又はステップの修正及び/又は追加を行うことができる。
【0116】
可能な変形実施形態(
図7)によれば、取除き及び供給ユニット32の各把持部材36は、適切な移動部材44によって3つの直交軸X、Y、及びZ(
図7に示す)に沿って移動することができる。移動部材44は、アクチュエータ、モータ部材、ガイド、可動スライダ、又は少なくとも1つの直交軸X、Y、Zによって規定される方向に移動可能な他の装置を備えることができる。軸Xは、フィード方向A1~A6に対して垂直である。軸Yは、対応するフィード方向A1~A6に平行である。軸Zは軸X及び軸Yに直交する。
【0117】
いくつかの特定の例を参照して本発明を記載したが、当業者は、特許請求の範囲に記載された、したがってそれによって定義される保護の分野にすべて含まれる特徴を有する装置10及び方法の他の多くの等価の形態を確実に達成できることも明らかである。