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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】生体物質収集装置及びアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/10 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
G01N1/10 V
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020507680
(86)(22)【出願日】2018-08-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-22
(86)【国際出願番号】 US2018045817
(87)【国際公開番号】W WO2019032705
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-08-02
(31)【優先権主張番号】15/674,866
(32)【優先日】2017-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517387694
【氏名又は名称】ダブリュケー ホールディングス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ハイディ クレーマー
(72)【発明者】
【氏名】ハーマン ワグシャル
(72)【発明者】
【氏名】ジョーセフ ワグシャル
(72)【発明者】
【氏名】カレブ バイニッカ
(72)【発明者】
【氏名】ブレーデン エリアソン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス イー.クレーマー
(72)【発明者】
【氏名】ローガン エー.マクダーモット
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ジェイ.マリンズ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー エイチ.ラスト
(72)【発明者】
【氏名】ダラス ジェイ.エルダヒ
【審査官】三木 隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-520349(JP,A)
【文献】国際公開第2016/178711(WO,A1)
【文献】特開平08-262014(JP,A)
【文献】特開2003-149235(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0320404(US,A1)
【文献】米国特許第03943770(US,A)
【文献】米国特許第09149163(US,B2)
【文献】米国特許第05785044(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0138587(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0321218(US,A1)
【文献】米国特許第04067335(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の排尿の尿を収集するための方法であって、この方法が、
収集容器(400)及び収集導管(300)を含むハウジング(202)を有するカートリッジ(200)を提供するステップと、
前記収集容器(400)を前記ハウジング(202)の下の位置に展開しかつ前記収集導管(300)を前記ハウジング(202)の上の位置に展開するようにガスを前記カートリッジ(200)に送るステップと、
前記ガスの送りに続いて、前記排尿の尿の初期体積を展開された前記収集容器において前記収集導管を通して採取するステップであって、前記尿の前記初期体積は、前記排尿の尿の総体積よりも少ないステップと、
前記排尿から前記初期体積の尿が前記収集容器(400)で採取されたことを自動的に検出するステップと、
前記検出するステップに応じて、及び前記排尿の尿の総体積が採取される前に、前記収集容器(400)を密封するステップと、
前記密封するステップに続いて、前記排尿の第1の非初期体積の尿を採取するステップと、を具備することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記方法が、前記排尿の前記第1の非初期体積の尿を密封するステップを更に具備する、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記方法が
排尿の第2の非初期体積の尿を採取するステップと、
記第2の非初期体積の尿を密封するステップと、を更に具備しており、
前記排尿の前記尿の総体積は、前記初期体積と、前記第1の非初期体積と、前記第2の非初期体積と、の合計に等しい、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記初期体積の尿を密封するステップは、前記収集容器(400)を解放可能に押圧して密封する、第1の密封アーム(512)により実行されており、
前記第1の非初期体積の尿を密封するステップは、前記収集容器(400)を解放可能に押圧して密封する、第2の密封アーム(514)により実行されており、そして
前記第2の非初期体積の尿を密封するステップは、前記収集容器(400)を解放可能に押圧して密封する、第3の密封アーム(516)により実行される、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記検出するステップは、光センサ、熱センサ、重量センサ(96)及び体積センサ(61)の内の少なくとも1つによって実行される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年8月8日に国際出願として出願されており、2017年8月11日に出願された米国特許出願第15/674,866号の優先権を主張しており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
生体物質(例えば、尿、血液、糞便)は、様々な生物学的状態、疾患、薬物又はアルコール障害等のいずれかについて試験するために、医学及び別の専門家により日常的に収集される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
生体物質サンプルの収集及び/又は処理のための改善されたシステムに関する必要性が存在する。
【0004】
本開示は、一般的に、手を使わずに済ませる生体物質収集装置及び/又はその関連する構成要素及び/又はシステムに関する。幾つかの例において、収集装置は、少なくとも部分的に自動化される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の特定の形態によれば、生体物質収集装置は、便器を具備しており、便器は、開いた上部を有し、更に2つのポート(出入口)、即ち、排水又は下水システムと連通する第1のポートと、開閉可能な第2のポート又は収集ポートと、を画定する。従って、この装置は、下水システムと、電力網、電池又は別の形式の発電機等の電源と、の両方に接続可能である。
【0006】
幾つかの例において、収集ポートは、プラグ(栓)により開閉可能である。プラグは、電子的に動作可能である。プラグの配置により、装置の動作状態を決定可能である。プラグが第2のポートの所定の位置にある時に、トイレは水洗可能で、そして便器内に含まれる内容物は、第1のポートを介して便器から排水/下水システム内に排出できる。これに対して、プラグが収集ポートから取り外されると、装置は、生体物質の収集に使用できる。従って、幾つかの例において、収集ポートは、生体物質収集アセンブリ(組立体)の1つ又は複数の部分を受け取るように及び/又は位置的に整列するように適合される。
【0007】
本開示の別の形態によれば、生体物質収集システムが提供される。生体物質収集システムは、1つ以上のアセンブリを具備可能である。幾つかの例において、生体物質収集システムは、便器を具備する生体物質収集装置の一部として機能的に統合される。
【0008】
本開示による生体物質収集システムは、1つ以上の生体物質収集カートリッジ(弾薬筒状体)、又は単にカートリッジを具備可能である。カートリッジは、第1と第2の室を区画する、ハウジングを具備する。第1の室は、漏斗等の、拡張可能で且つ折り畳み可能な生体物質サンプル収集導管を、その折り畳まれた状態で収容するか又は実質的に収容するように適合される。第2の室は、その折り畳まれた状態で、バッグ等の、拡張可能で且つ折り畳み可能な収集容器を収容するか又は実質的に収容するように適合される。
【0009】
幾つかの例において、収集導管及び収集容器の一方又は両方は、膨張可能であり、カートリッジハウジングは、収集導管又は収集容器の少なくとも一方と連通する空気入口を画定する。これらの例において、収集容器及び収集導管の各々は、膨張開口部を有する1つ以上の膨張可能なブラダー(空気袋)を画定する。幾つかの例において、カートリッジハウジングは、2つの空気入口を画定しており、その1つは、その膨張開口部を介して、膨張式収集容器の1つ又は複数のブラダーの内部と連通しており、そしてもう一方は、その膨張開口部を介して、膨張可能な収集導管の1つ又は複数のブラダーの内部と連通する。
【0010】
カートリッジハウジングは、例えば剛性プラスチック製の剛性シェル(殻)を具備可能である。幾つかの例において、剛性シェルは、例えば、スナップ嵌め又は摩擦嵌めにより、あるいはこれとは別に接着剤等の結合媒体により、互いに連結可能な第1と第2のシェル部品を具備可能である。第1のシェル部品は、第1の室を画定可能であるか又は部分的に画定可能であり、そして第2のシェル部品は、第2の室を画定可能であるか又は部分的に画定可能である。
【0011】
幾つかの例において、カートリッジは、第1と第2のシェル部品の間に配設されていて且つ各シェル部品に連結される、固定ユニットを具備する。固定ユニットは、収集容器及び収集導管の各々をカートリッジに固定し、各々の膨張開口部をカートリッジのその対応する空気入口に連結して気密に密封するように適合される。
【0012】
固定ユニットの例示的な構造によれば、固定ユニットは、容器マニホールド(集合体)と導管マニホールドとを具備する。容器マニホールド及び導管マニホールドの各々は、空気入口を画定していて且つ互いに協働する、第1と第2のフレーム部材、及び/又は空気入口と膨張開口部との間に形成された気密な又は実質的に気密なシール(密封部)により、収集容器及び収集導管をそれぞれ固定する、仕切り構成要素、を具備する。幾つかの例において、容器マニホールド及び導管マニホールドの各々の第1と第2のフレーム部材の1つは、シェル部品の1つにしっかりと連結するように適合される。更に、固定ユニットは、導管マニホールドから容器マニホールドを分離する仕切りを具備可能であり、そして収集容器と収集導管とを固定することを支援可能である。
【0013】
本開示の別の形様によれば、生体物質収集システムは、単一の生体物質サンプルを複数の個別に密封された容器内に分離するように適合された、密封機構を具備する。幾つかの例において、密封機構は、生体物質サンプルの個々に密封された容器を時系列的に順次密封するように構成される。従って、例えば、生体物質サンプルが収集されると、密封機構が、複数回作動して、サンプルの第1の部分と、サンプルの任意の数の後続部分、例えば1、2、3、4又はそれ以上のサンプルの追加部分と、を分離する。光/レーザーセンサ、重量センサ、体積センサ、及び/又は熱センサ等の、1つ以上のセンサは、進行中の生体物質サンプル収集の進行を検出可能であり、更に適切な時間において、例えば、各サンプル部分が収集される際に、密封機構の起動を実行するように、収集システム内において使用可能である。
【0014】
特定の用途において、システムは、尿検査のために尿サンプルを収集するように構成され、連続的に起動される密封機構は、所定の尿サンプルのための1つ以上の後続尿収集体積から初期尿収集体積を分離する。所定の尿サンプルについて、尿流の初期部分は、通常「汚れている」、即ち、患者/被験者の尿の実際の組成を表していない、と一般的に考えられる。従って、患者はしばしば、分析のために「中央の流れ」の尿サンプルを採取し、初期の流れを廃棄するように求められる。
【0015】
本開示の生体物質収集装置は、追加の構成要素及び/又は形態を具備可能である。例えば、生体物質収集装置は、装置の異なる位置又は領域間においてカートリッジ又はカートリッジの一部分を輸送するための1つ以上のカートリッジ搬送アセンブリを、生体物質収集装置と一体化することができる。即ち、
収集ポートのプラグを取り外し及び交換するためのプラグ搬送アセンブリと、
膨張可能な収集導管(単数又は複数)及び/又は膨張可能な収集容器を膨張させるための空圧システムと、
収集されたサンプルを分析用にそれから回収できるサンプル回収レセプタクル(容器)と、
使用済みカートリッジの一部分をそれから回収して廃棄できる廃棄物レセプタクルと、
収集容器の残りの部分から1つ以上の密封されたサンプル部分を切断するための1つ以上の切断機構と、
サンプル収集状態及び/又は装置の様々な構成要素の状態又は位置決めを決定するための1つ以上のセンサと、
収集された生体物質サンプルへのラベルの自動印刷及び適用のためのサンプルラベル付けシステムと、
収集された生体物質試料を所望の温度において又は所望の温度範囲内に維持するための温度制御システム(例えば、冷却及び/又は加熱システム)と、
装置の様々な構成要素の自動化された動きのための、例えば、1つ以上のモータ(例えば、ステッピングモータ)、駆動装置、ソレノイド(電磁石)、作動機等を具備する機械と、
装置の1つ以上の機械化された構成要素の動作を制御するための1つ以上のコントローラ(制御装置)と、
例えば、装置により実行される1つ以上の動作を開始、一時停止、継続及び/又は繰り返すために、1つ以上のコントローラと通信するためのコンピュータハードウェア及びソフトウェアと、
コントローラとデバイス(装置)の任意の機械とに電力を供給するための電源と、
装置の1つ以上の構成要素又は領域への選択的なアクセス(接近)を提供するための、1つ以上のドア又はロック(錠)等の装置アクセスシステムと、
便器の上の便座と、及び/又は
患者による便器への選択的アクセス/アクセス拒否を提供するための、開閉可能、及び/又はロック(錠で閉止)可能及びロック解除可能な蓋と、である。
【0016】
少なくとも第1と第2の患者の各々から尿サンプルを収集するために、本開示による生体物質収集装置を使用する例示的な方法において、方法は、以下のステップを具備可能である。ステップの少なくとも幾つかは、医療又は法執行の専門家等の装置の操作者により入力された1つ以上の命令に応じて、コントローラにより自動化され且つ制御される。本方法のステップは、次の1つ以上を具備する。
例えば、操作者による装置の蓋のロックを解除し、蓋を開いて便器を露出させ、サンプル収集プロセス(工程)を開始するステップ。
便器の収集ポートからプラグを取り外すステップ。
搬送システムを使用して、未使用の収集カートリッジをカートリッジディスペンサ(分配機)から収集ポートの下の位置に輸送するステップ。
空圧デバイス(装置)を、カートリッジの空気取り入れ口及び/又は搬送システムと係合させるステップ。
空圧デバイスにより収集導管と収集容器とを膨脹させるステップ。
収集導管を介して、収集容器内に、第1の患者からの初期体積の尿を採取するステップ。
初期体積の尿が収集容器に採取されたことを検出するステップ。
収集容器の第1の部分の初期体積の尿を密封して、収集容器の残部から初期体積の尿を分離するステップ。
密封に続いて、収集容器内の第1の患者から第2の体積の尿を採取するステップ。
第2の体積の尿が収集容器に採取されたことを検出するステップ。
収集容器の第2の部分内に第2の体積の尿を密封して、第2の体積の尿を第1の体積の尿及び収集容器の残部から分離するステップ。
第2の体積の尿の採取に続いて、第1の患者から第3の体積の尿を収集容器内に採取するステップ。
第3の体積の尿が収集容器に採取されたことを検出するステップ。
収集容器の第3部分内に第3の尿容体積を密封して、第3の尿容体積を第1と第2の尿容体積から分離するステップ。
収集容器の第1と第2と第3の部分を残りの収集容器から取り外すステップ。
収集導管の少なくとも一部をカートリッジから取り外すステップ。
例えば、便器の第1のポートを介して収集導管を洗い流すことにより、収集導管を廃棄するステップ。
蓋を閉じてロック(錠閉止)するステップ。
密封された収集容器部分にアクセスして回収するために、及び/又は使用済みカートリッジの残りの部分を回収するために、装置のドアのロックを解除して開く(例えば、操作者により)ステップ。
ドアを再ロックするステップ。
そして、例えば操作者により、装置の蓋をロック解除することにより、及び蓋を開いて便器を露出させ、第1の患者について丁度説明したばかりのように第2の患者のためのサンプル収集プロセスを開始することにより、第2の患者の尿の収集を開始するステップ。
【0017】
本開示による別の例示的な方法によれば、方法は、収集容器により採取された初期体積の尿を検出するステップであって、初期体積が容器により採取された尿の総体積未満である、検出するステップと、検出に応じて及び尿の総体積が採取される前に、容器の第1の部分の初期体積を密封するステップと、密封に続いて、容器の第2の部分に第1の非初期体積の尿を採取するステップと、を具備する。
【0018】
幾つかの例において、本方法は、採取に続いて、容器の第2の部分内に第1の非初期体積の尿を密封するステップを更に具備する。
【0019】
幾つかの例において、本方法は、容器の第2の部分における密封するステップに続いて、容器の第3の部分において第2の非初期体積の尿を採取するステップと、第2の非初期体積の尿を採取するステップに続いて、容器の第3の部分における第2の非初期体積の尿を密封するステップと、を更に具備しており、そこでは、尿の総体積が、初期体積と第1の非初期体積と第2の非初期体積との合計に等しい。
【0020】
幾つかの例において、初期体積の尿の密封は、容器の第1の位置において収集容器を解放可能に押圧して密封する、第1の一対の密封アーム(腕部)により実行されており、第1の非初期体積の尿の密封は、容器の第2の位置において収集容器を解放可能に押圧して密封する、第2の一対の密封アームにより実行されており、そして第2の非初期体積の尿の密封は、容器の第3の位置において収集容器を解放可能に押圧して密封する、第3の一対の密封アームにより実行される。患者又は被験者から採取された尿サンプルの所望の数の別々に密封された部分、例えば2、3、4、5、6又はそれ以上の、対の密封アームを提供するように、任意の数の対の密封アームが、密封装置において提供可能である。
【0021】
幾つかの例において、密封の各々は、対の密封アームを時系列的に作動させるように構成された、コントローラにより制御される。
【0022】
幾つかの例において、第1と第2と第3の対の密封アームの各々は、加熱要素及び圧縮可能なパッド(当て物)を具備する。
【0023】
幾つかの例において、第1と第2と第3の対の密封アームの各々は、ソレノイドにより作動される。
【0024】
幾つかの例において、対の密封アームの各々について、密封アームの1つは、密封アームが連結された、板から延び且つ板に向かって後退する、延長シャフト(軸)に連結する。
【0025】
本開示による方法の更に別の例において、検出は、光/レーザーセンサ、熱センサ、重量センサ又は体積センサの内の1つ又は複数により実行される。
【0026】
様々な追加の形態が、以下の説明において記載される。形態は、個々の特徴及び特徴の組み合わせに関連する。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、単に例示及び説明であり、本明細書に開示される実施の形態が基づく広範な発明概念を制限しないことが理解されるべきである。
【0027】
以下の図面は、本開示の特定の実施の形態の例示であり、従って、本開示の範囲を限定するものではない。図面は、縮尺通りではなく、以下の詳細な説明の説明と併せて使用することが意図される。以下、本開示の実施の形態は、添付の図面と併せて説明されるが、図面において、同様の数字は、同様の要素を指定する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本開示による生体物質収集装置の正面斜視図であり、この装置は閉じた蓋を有する。
図2図2は、図1の生体物質収集装置の正面斜視図であり、装置は、開いた蓋を有する。
図3図3は、蓋なしで示される、図1の生体物質収集装置の背面斜視図である。
図4図4は、蓋なしで示される図1の生体物質収集装置の上面図である。
図5図5は、図1の生体物質収集装置の上面図である。
図6図6は、図5の線6-6に沿った、図1の生体物質収集装置の断面図であり、装置は、プラグモードにある。
図7図7は、図5の線7-7に沿った、図1の生体物質収集装置の断面図であり、装置は、プラグモードにある。
図8図8は、図7のコールアウト(呼び出し)領域Aの拡大図である。
図9図9は、図6のコールアウト領域Bの拡大図である。
図10図10は、図5の線A-Aに沿った、斜視断面図であり、装置は、プラグモードにある。
図11図11は、図10のコールアウト領域Cの拡大図である。
図12図12は、未使用のカートリッジを具備する、図1の生体物質収集装置のカートリッジ収集アセンブリ部分の斜視図である。
図13図13は、図12のカートリッジ収集アセンブリの一部分の斜視図であり、全てのカートリッジは、取り外された状態である。
図14図14は、図1の装置の例示的な搬送アセンブリの斜視図である。
図15図15は、図14の搬送アセンブリの別の斜視図である。
図16図16は、図12のカートリッジ収集アセンブリの配置を示す、図1の装置の内部の一部分の斜視図である。
図17図17は、図16のコールアウト領域Dの拡大図である。
図18図18は、図1の装置と共に使用される例示的な収集カートリッジの上面斜視図である。
図19図19は、図18のカートリッジの底面斜視図である。
図20図20は、図18のカートリッジの背面図である。
図21A図21Aは、図18のカートリッジの分解図である。
図21B図21Bは、図式的な容器又は導管を具備する、図18のカートリッジのマニホールド部分の分解図である。
図22図22は、図18のカートリッジの背面図である。
図23図23は、図22の線23-23に沿った、図18のカートリッジの断面図である。
図24図24は、収集カートリッジに設置された膨張していない収集導管が図式的に図示された、図18の例示的な収集カートリッジの上面斜視図である。
図25図25は、カートリッジに設置された膨張していない収集容器が図式的に示される、図18のカートリッジの底面斜視図である。
図26図26は、図1の装置と共に使用される例示的な容器密封アセンブリの上面斜視図であり、容器密封アセンブリは、非作動構成にある。
図27図27は、図26の容器密封アセンブリの別の上面斜視図である。
図28図28は、図26の容器密封アセンブリの正面図である。
図29図29は、図26の容器密封アセンブリの底面斜視図である。
図30図30は、図26の容器密封アセンブリの上面斜視図であり、容器密封アセンブリは、第1の作動構成にある。
図31図31は、図30の容器密封アセンブリの別の上面斜視図である。
図32図32は、図30の容器密封アセンブリの正面図である。
図33図33は、図30の容器密封アセンブリの底面斜視図である。
図34図34は、図26の容器密封アセンブリの上面斜視図であり、容器密封アセンブリは、第2の作動構成にある。
図35図35は、図34の容器密封アセンブリの別の上面斜視図である。
図36図36は、図34の容器密封アセンブリの正面図である。
図37図37は、図34の容器密封アセンブリの底面斜視図である。
図38図38は、図26の容器密封アセンブリの上面斜視図であり、容器密封アセンブリは、第3の作動構成にある。
図39図39は、図38の容器密封アセンブリの別の上面斜視図である。
図40図40は、図38の容器密封アセンブリの正面図である。
図41図41は、図38の容器密封アセンブリの底面斜視図である。
図42図42は、図1の生体物質収集装置の内部の一部分の斜視図である。
図43図43は、図1の生体物質収集装置の一部分の正面図である。
図44図44は、図43の線44-44に沿って切断された、図1の生体物質収集装置の一部分の断面図である。
図45図45は、図44のコールアウト領域Eの拡大図である。
図46図46は、図1の装置の内部の一部分の正面図であり、装置は、初期収集構成にある。
図47図47は、図46の装置部分の正面図であり、装置は、第1の密封構成にあり、第1の密封構成は、図46の構成の次のものである。
図48図48は、図46の装置の正面図であり、装置は、第2の密封構成にあり、第2の密封構成は、図47の構成の次のものである。
図49図49は、図46の装置の正面図であり、装置は、第3の密封構成にあり、第3の密封構成は、図48の構成の次のものである。
図50図50は、本開示による例示的なカートリッジから展開された例示的な膨張した収集導管の斜視図であり、カートリッジは、図式的に示される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
様々な実施の形態は、図面を参照して詳細に説明されており、図面においては、幾つかの図を通して、同様の参照番号は、同様の部品及びアセンブリ(組立体)を表す。様々な実施の形態への言及は、添付の特許請求の範囲を限定しない。更に、本明細書に記載される任意の例は、限定することを意図したものではなく、添付の特許請求の範囲の多くの可能な実施の形態の一部を単に示しているに過ぎない。
【0030】
本開示を通して使用されるように、生体物質は、人間により産生される任意の生物学的物質を具備する。生体物質の非限定的な例は、血液、尿、唾液、精液、糞便、汗等を具備する。本開示の生体物質収集システムの実施の形態は、人被験者からの尿の収集を特に参照して、又は生体物質の収集を一般的に参照して説明される。本明細書に記載の実施の形態の原理は、尿以外の及び人被験者から以外の生体物質の収集に容易に適用されてもよいことが理解されるべきである。
【0031】
図1から図4を参照すると、生体物質収集装置10は一般的に、前部12と、後部14と、上部16と、底部18と、を具備する。タンク20は、便器22に配管できる、水又は別の流体を保持できる。水洗装置24は、便器の内容物を、下水ポート(出入口)26を介して便器22の後方に向かって下水システム内に流すように作動可能である。下水ポート26は、排水管27に接続する。
【0032】
便座28は、便器22の上方で便器22を取り囲む。開閉可能な蓋30は、図1に示される閉鎖構成においてロック(錠で閉止)すること、及び図2に示すように、蓋を開けるためにロック解除することを選択的に実施可能である。閉鎖構成において、蓋30は、便器22を閉じ、そのことにより、装置の生体物質収集構成要素への不正アクセスを最小限に抑えることができる。
【0033】
キー操作ロック機構32は、蓋30をロック及びロック解除するように、かつ、また、装置のサンプル処理領域へのアクセス点をロック及びロック解除するように使用可能である。これらのアクセス点は、例えば、1つ以上の取り外し可能なパネル34、36と、引き出し軌道に沿って引き出し(前部12に向かって)及び押し戻しできる、引き出し38と、を具備可能である。
【0034】
第2のポート又はサンプル収集ポート40は、便器22の前部に向かって配設される。収集ポート40は、プラグ(栓)により開閉可能であり得る。栓をした時に液密シール(密封部)を促進するために、収集ポート40は、十分な接触力でプラグに当接する時に液密シールを提供するように適合された、ガスケット42又は別の密封要素により選択自在に取り囲むことができる。例示的な収集ポート40は、実質的に丸いプラグヘッド(頭部)を受容するように適合された、実質的に丸い開口部を画定するが、しかし別の形状及び構成もまた使用されてもよい。選択自在に、収集ポート40は、収集ポート40の後方に配設された下水ポート26に向かって下向きに(即ち、地球に向かって)傾斜した、便器22の実質的に平面状の表面44に配設される。表面44の平面性は、プラグヘッドと収集ポート40との密封を促進可能であり、そして表面44の下向き傾斜は、装置10から洗い流すために下水ポート26に向かう、使用済みで取り外された収集導管等の収集システムからの未収集生体物質及び廃棄物成分の移送を促進可能である。
【0035】
装置10は、例えば、プラグ(栓閉止)モード(方式)と、収集モードと、回収モードと、装置が2つの動作モード間において移行する、様々な移行モードと、を具備する様々なモードで動作可能である。
【0036】
プラグモードにおいて、収集ポートが栓閉止されて、装置10は、通常のトイレとして動作可能で、及び/又は非操作者による装置へのアクセスを防止するようにロック(錠で閉止)可能である。収集モードにおいて、収集ポートは、栓閉止解除されており、そしてカートリッジは、カートリッジから展開された収集導管と収集容器と共に、収集ポートに垂直に整列する。回収モードにおいて、収集ポートは、栓閉止又は栓閉止解除可能であり、カバーは、便器へのアクセスを防ぐようにロックすることができ、収集されたサンプル(単数又は複数)は、密封され、装置から回収可能であり、使用済みのカートリッジの残部は、装置から回収可能である。
【0037】
ここで図6~11を参照すると、装置10は、プラグモードで示されている。装置は、便器22の下にサンプル処理体積50を具備する。処理体積50は、装置の様々な構成要素及びシステムを収容する。サンプル処理体積50へのアクセスは、ロック機構32と、パネル34、36と、引き出し38とにより調節可能である。
【0038】
処理体積50が収容できる構成要素及びシステムの例は、引き出し38用のガイド(案内)軌道、1つ以上の未使用カートリッジを保持するカートリッジディスペンサ(分配機)、搬送アセンブリ60、空圧システム600、容器密封システム500、加熱又は冷却システム、視覚又は別のセンサ、1つ以上の電子コントローラ(制御装置)、及び/又は廃棄された使用済みカートリッジ用のレセプタクル(容器)100を具備する。
【0039】
ここで、図12~17を参照すると、搬送アセンブリ60は、プラグ70とカートリッジバスケット72との両方に連結された、本体62を具備する。本体62は、コントローラにより制御され、一連のリニアドライブ(直線駆動機)を介して三次元で移動可能である。従って、搬送システムは、プラグ70とカートリッジバスケット72とを、駆動装置の直進運動制限により決定される様々な位置の間において移動させるように適合される。カートリッジバスケット72及びプラグ70は、互いに独立して又は縦に並んで移動することができる。幾つかの例において、駆動装置は、ロッド(棒体)/ねじの回転運動をロッド/ねじの軸線に平行な本体62の直進運動に変換する、駆動ねじ又はねじ付きロッドを具備可能である。ガイド64等の1つ以上のガイドは、直進運動中に搬送アセンブリ60を支持する、対応するガイドロッド65を受容可能である。図16を参照すると、搬送アセンブリ60の上下の直進運動は、例えば、駆動ねじ67及び垂直ガイド68により提供可能である。
【0040】
第1の動作において、搬送アセンブリ60は、プラグ70を収集ポート40から外に及びサンプル処理体積50内に降ろす。
【0041】
第2の動作において、搬送アセンブリ60は、下げられたプラグを水平方向に動かすことができるので、プラグはもはや、収集ポート40と垂直方向に整列しない。
【0042】
第3の動作(第2の動作と一致することができる)において、搬送システムは、カートリッジバスケット72をカートリッジディスペンサ74まで移動させて、バスケット72は、ディスペンサ74内の最上部の未使用カートリッジ200を捕捉する。
【0043】
第4の動作において、搬送アセンブリ60は、バスケット72内の捕捉されたカートリッジ200を、収集ポート40の下にあって且つ収集ポート40と垂直に整列する、サンプル処理体積50内の位置に移動させる。
【0044】
選択自在な第5の動作において、搬送アセンブリ60は、収集導管が膨張すると、便器22内に部分的に伸張するように、捕捉されたカートリッジ200を採取部分40の下の位置に上昇させることができる。
【0045】
生体物質サンプルの収集に続いて、第6の動作において、搬送システムは、バスケット72にまだ保持されているカートリッジ200の使用済み部分を、バスケットが使用済みカートリッジを、処理体積50から選択自在に取り外し可能である(そしてその後に処理体積50の中で交換可能である)、レセプタクル(容器)100等の廃棄物レセプタクル内に放出できる、処理体積50内の位置に移動できる。
【0046】
第7の動作において、搬送アセンブリ60は、プラグ70を移動させて収集部分40と垂直に整列するように戻すことができる。
【0047】
第8の動作において、搬送アセンブリ60は、プラグ70を収集ポート40内に上昇させて、後続の生体物質サンプル収集の前に収集ポート40を密封可能である。
【0048】
プラグ70は、ガスケット42に対して密封するように適合された環状リブ(肋材)76を具備可能である。幾つかの例において、ガスケット42は、環状リブ76を受容するように適合された環状溝を具備可能である。
【0049】
ここで図12~15を参照すると、脚部77は、搬送アセンブリ60の本体62から延びて、プラグ70を本体62の上で支持する。
【0050】
カートリッジディスペンサ74は、サンプル処理体積50の底部を少なくとも部分的に画定する、基部46に固定される。カートリッジディスペンサ74は、カートリッジ200の積層を収容する、ディスペンサ74の内部体積79を画定する、壁75を具備する。ディスペンサ74は、開いた上部78を有する。積層の最上部のカートリッジ200は、開いた上部78の上及び壁75の上に載るので、最上部のカートリッジ200は、バスケット72により捕捉可能である。
【0051】
最下部のカートリッジ200が載る可動水平プラットフォーム(台)80は、例えば、プラットフォーム80に連結された電動垂直駆動ねじ82を介して上下に移動可能である。従って、各カートリッジが使用されるに従って、プラットフォーム80は、積層内の次のカートリッジを捕捉可能にするように、徐々に上昇可能である。加えて、ディスペンサ74が追加の新しいカートリッジを受け取り可能であるように、プラットフォーム80は、降下可能である。コントローラは、プラットフォーム80の位置を制御するように使用可能である。
【0052】
カートリッジバスケット72は、実質的に開いた対向する側部86及び88、ならびに実質的に開いた上部及び底部を有する、フレーム(構造)84を具備する。バスケットの後壁93は、カートリッジ200の空気取り入れ口と整列するように適合された孔90を具備する。後壁93は、カートリッジ200の収集導管と収集容器とを膨張させる目的でホースが接続させられる場合に、空圧ホースのノズルと係合する。捕捉されたカートリッジは、バスケット72の基部97上に載り、更に、例えば、カートリッジ200の外側シェル(殻)の周りに弾性的にスナップ(嵌合)するように、適合された可撓性保持部材92により保持される。
【0053】
カートリッジをバスケット72に装填するために、空のバスケットがディスペンサ74に移動し、最上部のカートリッジは、側部88から開始して側部86に向かってフレーム84内において摺動する。停止ブロック94は、装填プロセス中にカートリッジの積層からカートリッジ200を、バスケット72が押し出すことを防止可能である。一旦装填されると、可撓性保持部材92は、バスケット72の後壁93の空気入口81が、カートリッジの空気入口と整列して更に孔90を介して互いに連通するように、カートリッジをバスケット72内で適切に整列させて保持する。
【0054】
カートリッジ200がバスケット72に装填された状態で、バスケットは、尿収集のための位置に移動可能であり、そこ(尿収集のための位置)では、収集導管及び収集容器の展開が実施できる。収集に続いて、カートリッジ200の廃棄可能な構成要素を含むバスケット72は、例えば、フック等の引っ掛け要素でカートリッジシェルを引っ掛けることにより及びシェルが引っ掛けられる間にバスケットを離れるように移動させることにより、それらの廃棄可能な構成要素がバスケット72から放出される、処理体積50の別の領域に移動する。1つ以上の斜角縁部91、99は、カートリッジ200の装填及び取り出しを容易にすることができる。
【0055】
カートリッジバスケット72は、例えばカートリッジの容器が尿で満たされる時の、カートリッジ200の重量変化を検出する、電子重量センサ又はスケール(秤)95等のセンサ/検出器を具備可能である。例えば、容器が尿で満たされると、センサ95により検出される重量の量が増加する。重量が尿採取中に増加し更に事前定義された重量閾値がセンサ95により検出されると、信号は、重量閾値が次第により高く検出されるにつれて、密封システム500の適切な対の密封アーム(腕部)の作動を順次(底部から上に)起動させるように、カートリッジバスケット72と容器密封システム500との間において送信可能である。
【0056】
ここで図18~23を参照すると、カートリッジ200は、第1と第2の室204及び206を画定する、ハウジング202を具備する。第1の室204は、漏斗等の拡張可能で折り畳み可能な生体物質サンプル収集導管を、その折り畳まれた状態において収容又は実質的に収容するように適合される。第2の室206は、その折り畳まれた状態で、バッグ等の拡張可能で折り畳み可能な収集容器を収容又は実質的に収容するように適合される。
【0057】
幾つかの例において、収集導管及び収集容器の一方又は両方は、膨張可能であり、カートリッジハウジングは、収集導管又は収集容器の少なくとも一方と連通する空気入口208を画定する。これらの例において、収集容器及び収集導管の各々は、膨張開口部を有する、1つ以上の膨張可能なブラダー(空気袋)を画定する。
【0058】
幾つかの例において、カートリッジハウジング202は、2つの空気入口210及び212を画定しており、一方の入口212は、その膨張開口部を介して膨張可能な収集容器のブラダー(単数又は複数)の内部と連通しており、更にもう一方の入口210は、その膨張開口部を介して、膨張可能な収集導管のブラダー(単数又は複数)の内部と連通する。
【0059】
カートリッジハウジング202は、例えば剛性プラスチック製の剛性シェルを具備可能である。幾つかの例において、剛性シェルは、例えば、スナップ嵌め又は摩擦嵌めを介して、あるいはこれとは別に、接着剤等の結合媒体を用いて、互いに連結可能な第1と第2のシェル部品214及び216を具備可能である。第1のシェル部品214は、第1の室204を画定又は部分的に画定可能であり、第2のシェル部品216は、第2の室206を画定又は部分的に画定可能である。
【0060】
幾つかの例において、カートリッジは、第1と第2のシェル部品214及び216の間に配設されていて且つシェル部品の各々に連結された、固定ユニット(装置)220を具備する。固定ユニット220は、収集容器及び収集導管の各々をカートリッジに固定し、更に各々の膨張開口部をカートリッジのその対応する空気入口に連結して、気密に密封するように適合される。
【0061】
固定ユニット220は、容器マニホールド(集合体)222と導管マニホールド224とを具備する。構造的に、容器マニホールド222及び導管マニホールド224は、互いに同一であり得る。
【0062】
容器マニホールド222及び導管マニホールド225の各々は、空気入口212、210をそれぞれ画定していて且つ空気入口212、210と容器及び導管の膨張開口部との間にそれぞれ形成された気密な又は実質的気密なシールにより収集容器及び収集導管をそれぞれ固定するように互いに協働する、第1と第2のフレーム部材226、228及び230、232を具備する。
【0063】
幾つかの例において、容器マニホールド222及び導管マニホールド224の各々の第1と第2のフレーム部材226、228及び230、232の内の1つは、シェル部品216、214の1つにそれぞれ確実に連結するように適合される。
【0064】
更に、固定ユニット220は、導管マニホールド224から容器マニホールド222を分離する、仕切り234を具備可能である。仕切り234は、開口部237を囲む壁239により画定された、中央開口部237を具備する。収集容器及び収集導管が、カートリッジ200から展開される場合に、収集導管の底部は、開口部237を介して収集容器の上部と開放連通するので、尿は、開口部237を介して収集導管を通過して収集容器内に入る。
【0065】
特定の例によれば、容器の膨張開口部の第1の側にある収集容器の可撓性の内皮又は可撓性の外皮の一方は、フレーム部材226及び228の間においてしっかりと押圧される一方で、容器の膨張開口部の対向する側にある収集容器の内皮又は外皮のもう一方は、仕切り234とフレーム部材226との間でしっかりと押圧される。押圧は、カートリッジの隣接する構成要素の対向する面の間において起こり得る。更に、収集容器の表皮は、図21A及び21B(まとめて図21)に示される表面227、229等の様な表面に接着可能である。
【0066】
特に図21Bを参照すると、マニホールド222、224は、マニホールド222、224への導管300又は容器400の例示的な固定を図式的に示す分解図で示される。導管300又は容器400の内皮330、430はそれぞれ、フレーム部材226、230の孔252の全周囲の周りの表面227に接着される。導管300又は容器400の外皮340、440はそれぞれ、フレーム部材228、232の孔254の全周囲の周りの表面229に接着される。
【0067】
フレーム部材(226、230)及びフレーム部材(228、232)が互いに連結される場合に、空気チャネル(導管)250は、内皮330、430と外皮340、440との間に形成される。空気チャネル250は、空気入口210、212と気体連通しており、孔252、254の周囲にほぼ沿っており、チャネル250に流入する空気/ガスを、内皮330、430と外皮340、440との間に形成されるブラダー全体内に導くことを支援しており、それにより、導管300又は容器400を少なくとも実質的に均一に膨張させる。
【0068】
一旦導管300又は容器400が図21Bに示されるように固定されて、更にカートリッジ200が完全に組み立てられると、導管300又は容器400の残りの膨張されていない材料は、例えば図24-25に示されるように、室204、206の内側にきちんと適合するように折り畳むことができる。一旦折り畳まれると、幾つかの例において、折り畳まれた導管又は容器は、導管300の部分が室204の外側に突出しないように、及び導管400及び容器400がそれぞれ膨張していない時に容器400の部分が室206の外側に突出しないように、第1又は第2のシェル部品又は仕切り234により画定されるリップ(唇部)の下に押し込まれる。
【0069】
収集容器の膨張開口部は、収集容器の1つ又は複数のブラダーの内部へのアクセス点であり、ブラダー(単数又は複数)は、収集容器の可撓性の外皮と可撓性の内皮との内面により画定されることが理解されるべきである。収集容器の可撓性の内皮の外面は、容器の収集体積を画定しており、収集された尿に接触する、収集容器の表面である。
【0070】
同様に、導管の膨張開口部の第1の側の収集導管の可撓性の内皮又は可撓性の外皮の一方は、フレーム部材230及び232の間にしっかりと押圧される一方で、導管の膨張開口部の対向する側の収集導管の内皮又は外皮のもう一方は、仕切り234とフレーム部材230との間でしっかりと押圧される。押圧は、カートリッジの隣接する構成要素の対向する表面間において起こり得る。更に、収集導管表皮は、図21に示される表面231、235等のその様な表面に接着可能である。
【0071】
収集導管の膨張開口部は、収集導管の1つ又は複数のブラダーの内部へのアクセス点であり、ブラダー(単数又は複数)は、収集導管の可撓性の外皮と可撓性の内皮との内面により画定されることが理解されるべきである。収集導管の可撓性の内皮の外面は、尿を収集容器に向けて導く、収集導管の表面である。
【0072】
フレーム部材230及び226からそれぞれ突出するリップ236、238は、収集容器及び収集導管の固定を更に容易にすることができ、及び/又は固定ユニット構成要素の互いへの連結を容易にすることができる。
【0073】
第1のシェル部品214は、膨張した時に、固定された収集導管がそれを介して拡張する、開いた上部215を有する。第2のシェル部品216は、膨張した時に、固定された収集容器がそこを介して拡張する、開いた底部217を有する。
【0074】
ここで図24及び25を参照すると、非膨張収集導管300が、膨張前の第1の室204内に収容された状態で、図式的に示される。非膨張収集容器400が、膨張前の第2の室206に収容された状態で、図式的に示されている。幾つかの例において、収集導管300及び/又は収集容器400は、カートリッジ200のそれらのそれぞれの室に設置する目的で、それらの非膨張状態で折り畳み可能である。
【0075】
ここで図26~29を参照すると、例示的な容器密封アセンブリ500が、開示される。アセンブリ500は、装置10のサンプル処理体積50に収容可能である。幾つかの例において、アセンブリ500は、容器100とカートリッジディスペンサ74との間に配設される。
【0076】
動作原理において、容器密封アセンブリ500は、収集容器400等の展開された収集容器の複数の部分を連続的に密封するように適合される。収集容器400は、感熱材料製であり得る。収集容器400の表皮は、密封アセンブリ500の一対の水平に整列したアームの間に挟まれ、これらアームの少なくとも1つは、収集容器に十分な熱を与えて熱シールを生成する。収集容器上の熱シールの位置は、制御可能であり、そして収集容器は、収集容器の複数の別個の密封部分を提供するように、複数の位置で密封可能である。
【0077】
収集容器の各密封部分は、被験者の尿の一部を含むことができる。収集された体積の尿を互いに分離するために、及び特に特定の被験者の収集された尿の初期体積を、同じ被験者からその後収集された尿のから分離するために、尿が収集されるにつれて、容器上のシールは、収集容器において連続的且つ漸進的により高くすることができる。
【0078】
別の密封機構は、説明した動作原理を達成するように使用可能である。例えば、単一の対のアームは、単一の収集容器において全てのシールを作成するように使用可能であり、そこでは、アーム及び/又は収集容器自体は、排尿中に垂直方向に移動可能であるので、アームは、排尿過程中に容器の異なる部分と水平に整列する。幾つかの例において、アームは、互いに向かって旋回し且つ互いから離れるように旋回して、密封を提供するように構成可能である。別の例において、アームは、各シールの全幅が同時に形成されるように、回転ではなく直進運動のみするように適合される。アームの一方又は両方は、熱シールを提供するように、電気抵抗等の加熱要素を具備可能である。
【0079】
図示される特定のアセンブリ500において、アセンブリは、水平方向において、互いに近づいたり離れたりするように適合された、一対の対向する板502及び504を具備する。モータ510は、駆動装置506を動作させて、板502及び504を水平ガイド508に沿って水平方向において互いに近づけたり遠ざけたりすることができる。この例において、容器密封アセンブリ500は、装置10の処理体積50内で垂直に静止する。
【0080】
3つのアーム512、514及び516は、板502から板504に向かって延びている。3つのアーム512、514及び516は、それらのそれぞれのソレノイド518により独立して作動可能である(例えば、コントローラにより)。所定のソレノイド518が作動すると、ソレノイド518は、その対応するアーム512、514又は516を板504に向かって水平に移動させる。ソレノイド518がオフ(作動停止)に切り替えられると、対応するアームは、図26-29に示される休止位置に後退する。
【0081】
3つのアーム512、514及び516の各々は、板504から板502に向かって延びる、対応する加熱アーム520、522及び524と水平に整列する。この例において、加熱アーム520、522及び524は、板504に対して静止したままである。加熱アーム520、522及び524の各々は、電源に接続された加熱要素526を具備する。動作中において、水平に整列したアーム/加熱アームの対は、収集容器の一部を押圧してそれにより収集容器を密封する。幾つかの例において、アーム512、514及び516の各々は、適切なシールを達成するように、容器上におけるアーム/加熱アーム対による十分な接触及び力を確保するように、耐熱性圧縮可能なパッド530を具備可能である。
【0082】
ここで、図30~33を参照すると、容器密封アセンブリ500は、第1の作動構成において示される。板502及び504は、各々に向かって水平に駆動されているので、対応するソレノイド518が作動する時に、アーム512、514及び516が対応する加熱アーム520、522及び524に到達して接触するために、板502及び504は、十分に近いが、しかし収集容器400による尿の採取を阻害するほど近くない。
【0083】
図30~33に示される第1の作動構成において、最下部のソレノイド518のみが、最下部のアーム516を、板504に向かって水平に延びる(延長シャフト(軸)517を介して)ように作動させるように発動されて、それにより収集容器の底部部分、即ち、アーム516と加熱アーム524の間において、及びより具体的には加熱アーム524の加熱要素526とアーム516の圧縮可能なパッド530との間において、容器を押圧することにより形成されるシールの下の容器の一部分、を密封する。
【0084】
ここで図34~37を参照すると、容器密封アセンブリ500は、第2の作動構成において示される。板502及び504は、対応するソレノイド518が作動する場合に、アーム512、514及び516が対応する加熱アーム520、522及び524に到達して接触するために互いに十分に近接したままである。最下部のソレノイド518は、オフに切り替えられて、アーム516は後退する。
【0085】
図34~37に示されていて且つ所定の尿サンプル採取のための第1の作動構成に続いて通常実行される、第2の作動構成において、中央ソレノイド518のみが、中央アーム514を、板504に向かって水平に延びる(延長シャフト515を介して)ように作動させるように発動させられて、それにより収集容器の第2の部分を、即ち、第1のシールのすぐ上の容器の部分を、アーム514と加熱アーム522との間において、及びより具体的には加熱アーム522の加熱要素526とアーム514の圧縮可能なパッド530との間において、容器を押圧することにより密封する。
【0086】
ここで図38~41を参照すると、容器密封アセンブリ500が、第3の作動構成において示される。板502及び504は、対応するソレノイド518が作動する場合に、アーム512、514及び516が対応する加熱アーム520、522及び524に到達して接触するように互いに十分に近接したままである。下部の2つのソレノイド518が、オフに切り替えられて、アーム514は、後退する。
【0087】
図38~41に示されていて且つ所定の尿サンプル採取のための第2の作動構成に続いて通常実行される、第3の作動構成において、上部ソレノイド518のみが、上部アーム512を、板504に向かって水平方向に延びる(延長シャフト513を介して)ように作動させるように発動させられて、それにより収集容器の第3の部分を、即ち、第2のシールの直ぐ上の容器の部分を、アーム512と加熱アーム520との間において、及びより具体的には加熱アーム520の加熱要素526とアーム512の圧縮可能なパッド530との間において、容器を押圧することにより密封する。
【0088】
容器密封アセンブリ500の第3の作動構成を介した収集容器上の第3のシールの作成に続いて、アーム520は、そのソレノイド518の遮断停止後に後退可能であり、そして板502及び504は、アセンブリ500を図26~29の構成に戻すように水平方向に離れて駆動され得る。
【0089】
ここで図42~45を参照すると、装置10は、カートリッジ200から展開された、収集容器400における尿サンプルの収集及び密封後の構成において示される。収集導管300もまた、カートリッジ200から展開された状態で図式的に示される。
【0090】
空圧システム600は、装置10の処理体積50内に収容される。空圧システム600は、被験者から尿サンプルを受け取る時になった場合に、空気圧力差を介して、収集導管300及び収集容器400を膨張及び/又は拡張するように適合される。空圧システムは、例えば、1つ以上の、ポンプ、モータ、アキュムレータ(蓄圧器)、圧縮機、弁、ホース及び/又はノズルを具備可能である。
【0091】
空圧システムのホース出口又はノズルは、カートリッジ200の空気入口210及び212及び/又は搬送アセンブリ60の入口81と解放可能に嵌合するように適合可能であり、搬送アセンブリ60の入口81は、カートリッジ200の空気入口210及び212と順に気体連通しており、吐出された空気/ガス流は、2つの空気入口210及び212の間において分けられる。
【0092】
幾つかの例において、空圧システム600の空気出口(単数又は複数)は、カートリッジが収集ポートの下の尿サンプル収集位置に移動すると、搬送アセンブリ60の入口81と自動的に嵌合するように配置される。別の例において、1つ又は複数の電動駆動装置は、空圧システム600の空気出口(単数又は複数)の位置決めを制御可能であり、空圧システム600の空気出口(単数又は複数)を、搬送アセンブリ60の入口81に向かって移動させて係合させることができ、そしてまた、尿サンプルの収集の後に、搬送アセンブリ60から離れて移動して係合解除可能である。
【0093】
図42~45に示される空圧システム600の特徴をここで参照すると、例示的な空圧システム600は、圧縮機608と、空気(又は別の気体物質)吐出ポート604及び空気(又は別の気体物質)吸入ポート606に接続するホース602と、を具備する。ホース602の遠位端部610は、搬送アセンブリ60の入口81と嵌合して、入口81の周りに気密性シールを形成する。空気/ガスは、ホース602の遠位端部610を介して空圧システム600から吐出される。ガスはその後、空気入口210を介して収集導管300と、空気入口212を介して収集容器400と、を膨脹させる。
【0094】
収集導管300及び収集容器400の膨張は、同時に起こり得ることが理解されるべきである。幾つかの例において、空圧システム600は、尿の収集中に、即ちホース602が搬送アセンブリ60から係合解除されるまで、収集容器400及び収集導管300を膨張させるように空気を連続的に吐出するように適合される。別の例において、収集導管300及び/又は収集容器400は、尿収集中の収縮を防止又は低減するように弁を具備可能であり、そして一旦収集導管300及び/又は収集容器400が膨張すると、ホース602は、サンプル収集の完了前に、搬送アセンブリ60から取り外し可能である。
【0095】
ここで図46~49を参照すると、搬送アセンブリ60は、収集容器及び収集導管の垂直方向の拡張を便器22内の収集ポート40と整列させるようにカートリッジ200を配置する。ホース602は、搬送アセンブリ60及び収集導管300に接続させられて、収集容器400は、膨張させられる。収集導管300が膨張すると、収集導管300は、カートリッジ200から上方に展開して、収集ポート40を介して便器22内に上方に延びる。収集容器400が膨張すると、収集容器400は、カートリッジ200から装置10の処理体積50内に下方に展開する。
【0096】
収集容器400は、内皮と外皮とを具備可能であり、内皮と外皮の内面は、膨張可能な1つ以上のブラダーを内皮と外皮の間に画定しており、内皮の外面は、容器400の内部収集体積を画定する。
【0097】
図46及び47を参照すると、装置10が尿サンプルを受け取る準備ができた時に、容器密封アセンブリ500の板502及び504は、互いに向かって水平に移動する。その時点において、尿は、収集導管300により採取されて、収集容器400内に流入する。センサ61(図16)は、尿の閾値体積が容器400により採取された時点を検出可能であり、アーム516と加熱アーム524との間において容器400を押圧することにより、容器400上に熱シールを形成する、アーム516を作動させるようにソレノイド518を起動する。シールは、被験者の尿流の初期部分を含む、第1の密封容器サブユニット(副装置)402を生成する。これとは別に、上記のように、カートリッジバスケット72の重量センサ95は、アーム516と加熱アーム524との間において容器400を押圧すことにより容器400上に熱シールを形成する、アーム516を作動させるように信号を提供可能である。
【0098】
図48を参照すると、第1の密封容器サブユニット402の作成に続いて、センサ(例えば、センサ61)は、尿の別の閾値体積が容器400により採取された時点を検出して、アーム514と加熱アーム522との間において容器400を押圧することにより容器400上の熱シールを形成する、アーム514を作動させるようにソレノイド518を起動する。シールは、被験者の尿流の第2の部分を含む、第2の密封容器サブユニット404を生成する。これとは別に、上記のように、カートリッジバスケット72の重量センサ95は、アーム514と加熱アーム522との間において容器400を押圧することにより容器400上に熱シールを形成する、アーム514を作動させるように、信号を提供可能である。
【0099】
この例において、第1と第2の密封容器サブユニット402及び404は、互いに付着したままである。別の例において、第1と第2の密封容器サブユニット402及び404は、各サブユニットのシールを損なうことなく、互いに切り離される(例えば、ブレード(刃)又はサブユニット間の接合部を溶かす加熱要素により)。
【0100】
図49を参照すると、第1と第2の密封容器サブユニット402及び404の生成に続いて、センサー(例えば、センサ61)は、排尿が完了した(即ち、容器400によりそれ以上の尿が採取されない)時点を検出し、アーム512と加熱アーム520との間において容器400を押圧することにより容器400上に熱シールを形成する、アーム512を作動させるようにソレノイド518を起動する。シールは、被験者の尿流の第3と最終の部分を含む、第3の密封容器サブユニット406を生成する。これとは別に、上述のように、カートリッジバスケット72の重量センサ95は、アーム512と加熱アーム520との間において容器400を押圧することにより容器400上に熱シールを形成する、アーム512を作動させるように信号を提供可能である。
【0101】
更に、幾つかの例において、少なくとも加熱アーム520は、シールの一部が切開部の上にあり、そしてシールの一部が切開部の下にあり、更に相互接続された密封容器サブユニットを落下させるように、アーム512と協働して、加熱アーム520とアーム512との間に形成された容器400上のシールを、実質的に水平に切開して切断するように適合されていて且つ水平に延びる、金属ワイヤ又はブレード等の切断要素を具備する。
【0102】
この例において、第1と第2と第3の密封容器サブユニット402、404及び406は、装置の操作者による回収のために、互いに取り付けられたままである。別の例において、1つ以上のサブユニットは、各サブユニットのシールを損なうことなく、別のもの(サブユニット)から切り離される(例えば、ブレード又はサブユニット間の接合部を溶かす加熱要素を使用して)。例えば、別の加熱アーム522、524の一方又は両方はまた、対応する密封容器サブユニット402、404の一方又は両方を、互いから又はサブユニット406から切り離す目的で、対応するアーム514、516と協働するように、丁度説明したばかりの切断要素を具備可能である。
【0103】
尿採取及びサブユニットの密封の完了後に、第3の容器サブユニット406の上の収集容器400の上部分407は、例えば、手により、1つ以上の刃により又は1つ以上の加熱要素により、切断可能であるので、サブユニット402、404及び406は、操作者により装置10から回収可能である。選択自在に、サブユニットは、例えば、被験者及び/又は初期尿流サブユニット等を示すようにラベル付けすることができる。一旦回収されると、1つ以上のサブユニットに含まれる尿は、多数の異なる化合物のいずれかの存在について試験可能である。
【0104】
幾つかの例において、一対の密封板550及び552(図49)は、カートリッジ200の上方に設置可能である。密封板550及び552は、例えば軌道上で、互いに向かって及び互いから離れるように、水平に移動するように適合される。
【0105】
排尿が完了した(例えば、患者が収集室を出て、装置の操作者がサンプル回収プロセスを開始する)後のある時点において、容器400の上部分407内において、加熱アーム520とアーム518とにより形成された最上部のシールの上に採取されてもよい、過剰な尿は、廃棄されなければならない。
【0106】
その様な過剰な尿を衛生的に廃棄するために、密封板550及び552は、導管300の下部分360の上及び導管300の上部分370の下で導管300を密封するように作動可能である。密封板550、552の内の1つはまた、密封板550及び552により形成される、シールの上部分と下部分との間の導管300を切断するように、ワイヤ又はブレード等の切断要素を具備可能であり、容器400の上部分407と導管300の下部分360とを具備する、過剰な尿の密封されたポーチ(小容器)を生成する。例えば、密封板550及び552の対向する縁部554及び556は、加熱アーム520及びアーム518と同様な状態で協働可能であり、更に加熱アーム520及びアーム518と同じ加熱及び切断形態を具備可能である。
【0107】
過剰な尿の密封されたポーチは、依然として、カートリッジ200に固定されており、カートリッジの残部と共に廃棄可能である。一方で、導管300の切り離された部分370は、部分370の中に採取された任意の追加の尿と共に、下水ポート26に洗い流すことができる。
【0108】
容器400の上部分407からの容器サブユニット402、404及び406の切断に続いて、ホース602は、搬送アセンブリ60から外すことができ、更に搬送サブアセンブリは、使用済みカートリッジ200がレセプタクル100内に放出される、レセプタクル100の上の位置まで水平に移動させられる。密封板550及び552が、例えば、切断要素を具備しない、幾つかの例において、搬送アセンブリ60のこの水平移動は、収集導管300の上部分370を、上部分370を下水ポート26にそこから洗い流すことができる、便器22内に切り離すことができる。
【0109】
ここで図50を参照すると、本開示に従うカートリッジ200(図式的に示される)から展開され得る、例示的な収集導管300が示されており、そして漏斗を実質的に画定する。漏斗は、上述の、可撓性の内皮330と可撓性の外皮340とを具備しており、内皮330と外皮340の内面は、複数の膨張可能なブラダー306を一緒に画定しており、内皮330と外皮340は、互いに分離されており、及び/又はシーム(継ぎ目)又はバッフル(隔壁)308により補強される。収集導管300の比較的狭い首部領域310は、収集ポート40に嵌合して通過するように適合される。漏斗領域312は、首部領域310から上方に延び且つ拡張する。
【0110】
本明細書で使用されるように、「垂直」という用語は、地球上の重力と実質的に整列することを意味しており、そして「水平」という用語は、地球上の重力と実質的に垂直であることを意味する。
【0111】
上記は、本発明の特定の実施の形態の十分な説明であるが、様々な代替、修正及び等価物が使用されてもよい。従って、上記の説明は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
尿サンプルを収集するためのカートリッジであって、このカートリッジが、
第1の室と第2の室を画定する、カートリッジハウジングを形成するように互いに連結可能な第1のシェル部品と第2のシェル部品と、
前記第1の室内に少なくとも部分的に配設された拡張可能な収集導管と、
前記第2の室内に少なくとも部分的に配設された拡張可能な収集容器と、
前記第1のシェル部品と前記第2のシェル部品の間に配設されていて且つ前記第1のシェル部品と前記第2のシェル部品の各々に連結する、固定ユニットと、を具備するカートリッジにおいて、
前記固定ユニットが、
前記第1のシェル部品と前記第2のシェル部品の間に配設されていて且つ前記第1の室と前記第2の室の部分に及ぶ、仕切りと、
前記収集導管を前記カートリッジに固定するために前記仕切りと協働する、少なくとも1つのフレーム部材を具備する導管マニホールドと、
前記収集容器を前記カートリッジに固定するために前記仕切りと協働する、少なくとも1つのフレーム部材を具備する容器マニホールドと、を具備することを特徴とするカートリッジである。
第2の態様は、
前記導管マニホールドは、前記収集導管を前記カートリッジに固定するように、互いに及び前記仕切りと協働する第1のフレーム部材と第2のフレーム部材を具備しており、
前記容器マニホールドは、前記収集容器を前記カートリッジに固定するように、互いに及び前記仕切りと協働する第1のフレーム部材と第2のフレーム部材を具備しており、更に
前記導管マニホールド及び前記容器マニホールドの各々の前記第1のフレーム部材と前記第2のフレーム部材は、空気入口を画定することを特徴とする第1の態様におけるカートリッジである。
第3の態様は、
前記収集容器及び前記収集導管は、膨張可能である、ことを特徴とする第2の態様におけるカートリッジである。
第4の態様は、
前記収集容器の膨張孔は、前記空気入口の一方に連結されており、更に前記収集導管の膨張孔は、前記空気入口のもう一方に連結される、ことを特徴とする第3の態様におけるカートリッジである。
第5の態様は、
前記収集容器及び前記収集導管の各々は、複数の膨張可能なブラダーを画定する、ことを特徴とする第3の態様におけるカートリッジである。
第6の態様は、
前記収集導管は、複数の前記膨張可能なブラダーと複数のバッフルとを有する漏斗領域を具備することを特徴とする第4の態様におけるカートリッジである。
第7の態様は、
前記仕切りは、前記カートリッジの中央開口部を囲む壁を具備しており、前記中央開口部は、前記第1の室及び前記第2の室と連通する、ことを特徴とする第1の態様におけるカートリッジである。
第8の態様は、
前記フレーム部材の内の1つ以上が、前記フレーム部材の中央開口部に隣接する複数の突出リップを具備する、ことを特徴とする第1の態様におけるカートリッジである。
第9の態様は、
前記空気入口は、前記カートリッジの一方の側において互いに隣接する、ことを特徴とする第2の態様におけるカートリッジである。
第10の態様は、
尿サンプルを収集するためのアセンブリであって、このアセンブリがカートリッジを具備しており、
前記カートリッジが、
互いに連結されて、第1の室と第2の室を画定するカートリッジハウジングを形成する、第1のシェル部品と第2のシェル部品と、
前記第1の室内に少なくとも部分的に配設された拡張可能な収集導管と、
前記第2の室内に少なくとも部分的に配設された拡張可能な収集容器と、
前記第1のシェル部品と前記第2のシェル部品との間に配設されていて且つ前記第1のシェル部品と前記第2のシェル部品の各々に連結する、固定ユニットであって、前記固定ユニットが一対のガス入口を画定する、固定ユニットと、を具備しており、
前記アセンブリが、カートリッジバスケットを支持する、本体を具備する搬送機を具備しており、
前記カートリッジバスケットが、フレームの対向する第1の壁と第2の壁を具備する、アセンブリにおいて、
ガス入口は、前記第1の壁から突出しており、更に前記カートリッジの前記一対のガス入口と整列するように適合された、前記第1の壁の孔を区画する、ことを特徴とするアセンブリである。
第11の態様は、
前記カートリッジバスケットは、前記カートリッジの装填及び取り出しに適合された、対向する第1の開いた側部と第2の開いた側部を具備する、ことを特徴とする第10の態様におけるアセンブリである。
第12の態様は、
前記カートリッジバスケットは、前記カートリッジを前記カートリッジバスケット内に解放可能に保持するように適合された1つ以上の可撓性保持部材を更に具備する、ことを特徴とする第11の態様におけるアセンブリである。
第13の態様は、
前記本体は、ガイドロッドを受容するための1つ以上の中空ガイドを画定する、ことを特徴とする第10の態様におけるアセンブリである。
第14の態様は、
前記本体は、排出プラグを更に支持する、ことを特徴とする第10の態様におけるアセンブリである。
第15の態様は、
前記排出プラグは、垂直シャフトを介して前記本体に取り付けられる、ことを特徴とする第14の態様におけるアセンブリである。
第16の態様は、
開いた上部と可動プラットフォームとを有する、カートリッジディスペンサを更に具備する、ことを特徴とする第10の態様におけるアセンブリである。
第17の態様は、
前記カートリッジは、前記可動プラットフォームにより支持される複数のカートリッジの内の第1のカートリッジであり、前記第1のカートリッジは、前記カートリッジディスペンサの前記開いた上部の上に配置される、ことを特徴とする第16の態様におけるアセンブリである。
第18の態様は、
収集容器において尿サンプルを収集するための方法であって、この方法が、
前記収集容器により採取された尿の初期体積を検出するステップであって、前記初期体積は、前記収集容器により採取された尿の総体積よりも少ない、検出するステップと、
前記検出するステップに応じて、及び尿の総体積が採取される前に、前記収集容器の第1の部分の前記初期体積を密封するステップと、
前記密封するステップに続いて、前記収集容器の第2の部分において第1の非初期体積の尿を採取するステップと、を具備することを特徴とする方法である。
第19の態様は、
前記採取するステップに続いて、前記収集容器の前記第2の部分の前記第1の非初期体積の尿を密封するステップを更に具備する、ことを特徴とする第18の態様における方法である。
第20の態様は、
前記方法が、
前記収集容器の前記第2の部分の前記密封するステップに続いて、前記収集容器の第3の部分の第2の非初期体積の尿を採取するステップと、
前記第2の非初期体積の尿前を採取するステップに続いて、前記収集容器の前記第3の部分における前記第2の非初期体積の尿を密封するステップと、を更に具備しており、
前記尿の総体積は、前記初期体積と、前記第1の非初期体積と、前記第2の非初期体積と、の合計に等しい、ことを特徴とする第19の態様における方法である。
第21の態様は、
前記初期体積の尿を密封するステップは、前記収集容器を解放可能に押圧して密封する、第1の一対の密封アームにより実行されており、
前記第1の非初期体積の尿を密封するステップは、前記収集容器を解放可能に押圧して密封する、第2の一対の密封アームにより実行されており、そして
前記第2の非初期体積の尿を密封するステップは、前記収集容器を解放可能に押圧して密封する、第3の一対の密封アームにより実行される、ことを特徴とする第20の態様における方法である。
第22の態様は、
前記密封するステップの各々は、前記第1の一対の密封アーム及び前記第2の一対の密封アームを時系列的に作動させるように構成されたコントローラにより制御される、ことを特徴とする第21の態様における方法である。
第23の態様は、
前記第1の一対の密封アームと前記第2の一対の密封アームと前記第3の一対の密封アームの各々が、加熱要素と圧縮可能なパッドとを具備する、ことを特徴とする第21の態様における方法である。
第24の態様は、
前記第1の一対の密封アームと前記第2の一対の密封アームと前記第3の一対の密封アームの各々が、ソレノイドにより作動させられることを特徴とする第23の態様における方法である。
第25の態様は、
前記第1の一対の密封アームと前記第2の一対の密封アームと前記第3の一対の密封アームの各々について、前記密封アームの1つは、前記密封アームが連結される板から延びていて且つ前記板に向かって後退する、延長シャフトに連結する、ことを特徴とする第24の態様における方法である。
第26の態様は、
前記検出するステップの前に、一対の板を互いに向かって移動させるステップを更に具備しており、前記板の各々が、少なくとも1つの密封アームを支持する、ことを特徴とする第18の態様における方法である。
第27の態様は、
前記収集容器内の前記尿の総体積を採取するステップの後に、前記一対の板を互いに離れるように移動させるステップを更に具備する、ことを特徴とする第26の態様における方法である。
第28の態様は、
前記検出するステップは、光センサ、熱センサ、重量センサ又は体積センサの内の1つ以上により実行される、ことを特徴とする第18の態様における方法である。
第29の態様は、
前記カートリッジバスケットは、前記カートリッジの重量を検出するように適合された重量センサを具備する、ことを特徴とする第10の態様におけるアセンブリである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
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図45
図46
図47
図48
図49
図50