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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】エアロゾル凝縮を備えたシーシャ装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 1/30 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
A24F1/30
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020515238
(86)(22)【出願日】2018-09-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 IB2018057112
(87)【国際公開番号】W WO2019069160
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】17195274.0
(32)【優先日】2017-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ビアレク ヤクブ
(72)【発明者】
【氏名】ディットマン レアンデル
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス フローレス アナ イザベル
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0265521(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0099873(US,A1)
【文献】スイス国特許発明第00698789(CH,B)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生基体を燃焼することなく加熱することによってシーシャ装置内でエアロゾルを発生することと、
少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子を前記シーシャ装置の気流経路に導入することと、を含み、
前記気流経路が、前記エアロゾル発生基体によって発生した前記エアロゾルを、ユーザーへの送達のために、前記シーシャ装置の出口に搬送する、方法。
【請求項2】
前記少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子が液滴を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子が固体粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、および炭素のうちの少なくとも一つを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法が、前記シーシャ装置によって実行される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、シーシャ装置。
【請求項7】
ある体積の液体を収容するように構成された内部を画定するベッセルであって、前記ベッセルがエアロゾルをユーザーに送達するために出口と連通する上部空間を含む、ベッセルと、
前記ベッセルと流体接続するエアロゾル発生要素であって、前記エアロゾル発生要素が、エアロゾル発生基体を燃焼することなく加熱してエアロゾルを発生するように構成される、エアロゾル発生要素と、
前記エアロゾル発生基体から発生した前記エアロゾルを、前記ユーザーへの送達のために、シーシャ装置の出口に搬送するように配置された、気流経路と、
少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子を前記気流経路内に分配するように構成される、エアロゾル凝縮粒子ディスペンサーと、を備える、シーシャ装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子の供給源をさらに備え、前記エアロゾル凝縮粒子供給源が、前記少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子を前記供給源から前記気流経路内に送達するために前記エアロゾル凝縮粒子ディスペンサーに動作可能に結合される、請求項7に記載のシーシャ装置。
【請求項9】
前記エアロゾル凝縮粒子供給源が、前記少なくとも一つのエアロゾル発生粒子を含む液体組成物を含む、請求項8に記載のシーシャ装置。
【請求項10】
前記エアロゾル凝縮粒子ディスペンサーが、前記少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子を前記エアロゾル発生基体の下流の前記気流経路に送達するように位置付けられる、請求項7~9のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項11】
前記エアロゾル凝縮粒子ディスペンサーがネブライザーを含む、請求項7~10のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項12】
前記気流経路と連通する吸煙センサーをさらに備え、前記吸煙センサーが前記エアロゾル凝縮粒子ディスペンサーに動作可能に結合されて、吸煙の検出に応答して、前記ディスペンサーに、前記少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子を前記気流経路に送達させる、請求項7~11のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項13】
前記エアロゾル発生要素が、電気発熱体を含む、請求項7~12のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項14】
電力を前記電気発熱体に供給するように構成された電源をさらに備える、請求項13に記載のシーシャ装置。
【請求項15】
エアロゾル発生基体が配置されている容器と、
請求項7~14のいずれか一項に記載のシーシャ装置であって、前記エアロゾル発生基体を含む前記容器を受けるように構成されるエアロゾル発生ユニットを含むシーシャ装置と、を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シーシャ装置に関し、より具体的には、エアロゾル発生基体を燃焼することなくその基体を加熱し、そして発生したエアロゾルの特徴を強化するシーシャ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シーシャ装置は一般に、たばこを喫煙するために使用され、また消費者による吸入の前に蒸気および煙が水盤を通過するように構成される。シーシャ装置は、一つの出口を含んでもよく、または二人以上の消費者が同時に装置を使用することができるように二つ以上の出口を含んでもよい。多くの人にとって、シーシャ装置の使用は余暇活動および社会的経験であると考えられている。
【0003】
シーシャ装置に使用されるたばこは、例えば、生成される蒸気および煙の量を増やすため、風味を変化させるため、またはその両方のために、その他の成分と混合されてもよい。典型的には、シーシャ装置では木炭のペレットがたばこを加熱するため使用され、木炭のペレットは、たばこまたはその他の成分を完全にまたは部分的に燃焼させることができる。
【0004】
一部のシーシャ装置は、例えば木炭燃焼の副産物を回避するため、またはたばこの加熱または燃焼の一貫性を改善するために、たばこを加熱または燃焼するために電気加熱源を使用することが提案されてきた。しかしながら、木炭を電気ヒーターで代用することは、可視的な煙またはエアロゾル、総エアロゾル質量、または可視的な煙もしくはエアロゾルおよびエアロゾル質量の観点から不満足なエアロゾルの産生をもたらす場合がある。
【0005】
満足な量の可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量のうちの一方または両方を生成する電気ヒーターを採用するシーシャ装置を提供することが望ましい。
【0006】
燃焼副産物をもたらさない様式で基体を加熱するシーシャ装置を提供することも望ましい。
【発明の概要】
【0007】
本発明の様々な態様において、エアロゾル発生基体を燃焼することなく加熱することによってシーシャ装置内でエアロゾルを発生すること、および少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子をシーシャ装置の気流経路に導入することを含む方法が提供されている。気流経路は、エアロゾル発生基体によって発生したエアロゾルを、ユーザーへの送達のために、シーシャ装置の出口に搬送する。方法は、可視的なエアロゾルの増加または総エアロゾル質量の増加をもたらしうる。
【0008】
本発明の様々な態様において、本方法を実行するように構成されたシーシャ装置が提供されている。シーシャ装置は、ベッセルと、エアロゾル発生要素と、エアロゾル凝縮粒子ディスペンサーと、を備えうる。容器はある体積の液体を含むように構成された内部を画定する。ベッセルは、エアロゾルをユーザーに送達するために出口と連通する上部空間を含む。エアロゾル発生要素は、ベッセルと流体接続し、エアロゾル発生基体を加熱するように構成される。エアロゾル凝縮粒子ディスペンサーは、少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子を気流経路に送達するように構成される。
【0009】
本明細書に記述されるシーシャ装置の様々な態様または実施形態は、既存のシーシャ装置に対して一つ以上の利点を提供する場合がある。例えば、本明細書に記述される一つ以上のシーシャ装置は、実質的により可視的なエアロゾルを生成し、実質的により多くの総エアロゾル質量を送達する、または実質的により多くの可視的なエアロゾルを生成し、エアロゾル凝縮粒子が気流経路に送達されない類似の装置よりも実質的により多くの総エアロゾル質量を送達する場合がある。その結果、装置のユーザーは、木炭またはエアロゾル発生基体の燃焼副産物を有することなく、エアロゾル発生基体が木炭で燃焼されるシーシャ装置のより典型的な経験を有する場合がある。本明細書に記述されるシーシャ装置のこれらの利点およびその他の利点は、本開示を検討すると当業者には明らかになるであろう。
【0010】
本明細書に記述される方法、装置、およびシステムは、エアロゾル発生基体を加熱するが燃焼しない電気ヒーターを有するエアロゾル発生要素を備えるシーシャ装置における、可視的なエアロゾルの増加、総エアロゾル質量の送達の増加、または、可視的なエアロゾルの増加および総エアロゾル質量の送達の増加を提供しうる。可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量の一方または両方における増加は、エアロゾル凝縮粒子を、エアロゾル発生基体を加熱することによって発生するエアロゾルを吸入によるユーザーへの送達のために出口に搬送するように構成された気流経路内に導入することに起因する。理論に束縛されるものではないが、エアロゾル凝縮粒子は、可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量の一方または両方を増加させる、非均質な核生成の工程を促進すると考えられる。
【0011】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル凝縮粒子」という用語は、その上またはその周りで、蒸気粒子が凝縮してエアロゾルの形態の固体粒子または液滴を形成しうる、種子または核生成部位としての役割を果たしうる任意の粒子状物質を意味する。エアロゾル凝縮粒子は固体粒子であってもよく、または液滴であってもよい。
【0012】
本明細書に記載の方法、装置およびシステムは、一つのエアロゾル凝縮粒子を気流経路に導入しうる。ただし、本明細書に記載の方法、装置およびシステムは通常、複数のエアロゾル凝縮粒子を気流経路内に導入する。
【0013】
蒸気濃度がその最大にある場所において少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子を気流経路内に提供することが有利でありうる。複数のエアロゾル凝縮粒子が気流経路に導入される場合、気流経路内のエアロゾル凝縮粒子の濃度が、蒸気の濃度がその最大である気流経路内の場所において最大となるように、できるだけ基体の近くで複数のエアロゾル凝縮粒子を気流経路に導入することが有利でありうる。通常、気流経路内の蒸気の濃度は、エアロゾル発生基体において、またはエアロゾル発生基体の周りにおいてその最大にある。したがって、できるだけエアロゾル発生基体の近くで少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子を気流経路に導入することが有利でありうる。これによりさらに核生成が促進され、可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量の一方または両方が増加しうる。
【0014】
少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子は、エアロゾル発生基体に対する気流経路内の任意の好適な場所において気流経路に導入されうる。少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子が最終的に基体によって発生した蒸気中に存在する場合、少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子は、基体の上流で、基体において、または基体の下流で気流経路に導入されうる。
【0015】
少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子が基体の下流で気流経路に導入される場合、少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子は、基体の±20センチメートル、基体の±5センチメートル、または基体の±2センチメートルで気流経路に導入されうる。
【0016】
本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」とは、シーシャ装置を通る気流経路に対する。気流経路の下流端は、エアロゾルが装置のユーザーに送達される端である。
【0017】
好適な任意のエアロゾル凝縮粒子は、ユーザーへの送達のためにエアロゾルを出口に搬送するように構成された気流経路に導入されうる。約0.01マイクロメートル~約5マイクロメートルの範囲のサイズを有する粒子は、非均質な核生成の促進に好適であり、従って可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量の一方または両方の増加が発生しうる。エアロゾル凝縮粒子は、約0.01マイクロメートル~約5マイクロメートル、約0.05マイクロメートル~約2マイクロメートル、約0.1マイクロメートル~約0.3マイクロメートル、または約0.2マイクロメートルの平均サイズを有しうる。
【0018】
少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子は、例えば、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、炭粒子、またはその他の任意の好適な粒子状物質を含みうる。
【0019】
少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子は、溶液、分散液または懸濁液などの液体組成物から形成されうる。例えば、少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子は、液体組成物の液滴を含みうる。液体組成物は、水、およびエアロゾルの凝縮を強化するための一つ以上の追加的な構成成分を含みうる。例えば、液体組成物は、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、炭粒子、またはその他の任意の好適な構成成分を含みうる。液体組成物は、水および塩化ナトリウムを含みうる。塩化ナトリウムは、霧化された溶液中に任意の好適な濃度で存在しうる。例えば、液体組成物は、蒸留水1リットル中に約5グラム~蒸留水1リットル中に約50グラムのNaCl、蒸留水1リットル中に約20グラム~蒸留水1リットル中に約50グラムのNaCl、または蒸留水1リットル中に約35グラムのNaClの濃度の塩化ナトリウムを含みうる。霧化された溶液中の塩濃度は、霧化された乾燥エアロゾルのサイズに影響を与える。
【0020】
少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子が、水、およびエアロゾル凝縮を高めるための一つ以上の追加的な構成成分などの液体組成物から形成される場合、少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子は、基体の上流で、そして特にヒーターの上流で気流経路に導入されうる。いくつかの実施形態では、これは、エアロゾル凝縮粒子の水構成成分がエアロゾルの核生成を促進するのに必要ではない場合があり、また、気流経路内のエアロゾル凝縮粒子がヒーターを通過して引き出されるのにつれて、エアロゾル凝縮粒子の含水量が実質的に蒸発しうるために、有利でありうる。しかしながら、気流経路内の空気はエアロゾル発生基体にわたって、またはエアロゾル発生基体を通して引き出されるため、基体の上流で気流経路に導入されたエアロゾル凝縮粒子の一部は、基体との衝突において失われうる。これは、エアロゾルの核生成を促進するのに利用可能なエアロゾル凝縮粒子の数の減少につながりうる。したがって、いくつかの実施形態では、少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子を基体の下流で気流経路に導入することが有利でありうる。少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子が基体の下流で気流経路に導入される場合、できるだけ基体の近くで少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子を気流経路に導入することが有利でありうる。
【0021】
少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子は、任意の好適な方法でシーシャ装置の気流経路に導入されうる。少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子は、エアロゾル凝縮粒子ディスペンサーによって導入されてもよい。少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子は、エアロゾル凝縮粒子ディスペンサーによってシーシャ装置の気流経路内に直接導入されてもよい。少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子は、エアロゾル凝縮粒子ディスペンサーによって、気流経路の近くに、気流経路に、または気流経路の周りで導入されてもよく、その後気流経路に入ってもよい。
【0022】
エアロゾル凝縮粒子ディスペンサーは、エアロゾル凝縮粒子を気流経路に導入するのに好適な任意のタイプのディスペンサーとしうる。例えば、エアロゾル凝縮粒子ディスペンサーはネブライザーでありうる。エアロゾル凝縮粒子ディスペンサーがネブライザーである場合、粒子は霧状化された形態で導入されてもよい。従って、エアロゾル凝縮粒子は霧状化された液滴を含みうる。霧状化された液滴は、圧縮空気、または超音波供給源などの圧縮ガスを使用して液体組成物を液滴に粉砕するなど、任意の好適な方法で生成されうる。形成された液滴は、気流経路内に導入するために、ベンチュリノズルなどのノズルを通過しうる。液滴のサイズは、例えば、ガスの速度およびノズルの特性によって制御されうる。
【0023】
ネブライザーを備える実施形態では、液滴を含むエアロゾル凝縮粒子を形成するために、任意の好適なネブライザーが採用されうる。例えば、ネブライザーは、液体組成物を液滴に粉砕するための圧縮空気または超音波振動要素などの圧縮ガス供給源を含んでもよい。ネブライザーは、液滴をシーシャ装置の気流経路に向けるように位置付けられたノズルを含みうる。ネブライザーが圧縮ガスを採用する場合、ガスは交換可能なカートリッジ内に存在しうる。霧状化される液体組成物は、交換可能な容器に含まれてもよく、または再充填可能な貯蔵部内にあってもよい。
【0024】
本発明のシーシャ装置は、任意の好適なエアロゾル発生要素、エアロゾル発生要素、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生要素を備えうる。例えば、シーシャ装置は、エアロゾル発生基体を加熱してエアロゾルを生成するためのヒーターを有してもよい。エアロゾル発生基体は、電気ヒーターによって加熱されうる。
【0025】
シーシャ装置は、エアロゾル発生基体を受けるための容器を備えてもよい。容器は、エアロゾル発生基体を収容するカートリッジを受けるように構成されうる。エアロゾル発生要素は容器を含みうる。エアロゾル発生基体は、カートリッジ内に収容されうる。エアロゾル発生基体がカートリッジ内に収容される場合、容器は、カートリッジを受けるように構成されうる。エアロゾル発生基体は、発熱体によって加熱された時にカートリッジ内に収容されうる。
【0026】
エアロゾル発生基体がカートリッジ内に収容される実施形態では、エアロゾル発生要素は、カートリッジを受けるように構成されたカートリッジ容器を含みうる。容器は、エアロゾル発生基体を収容するカートリッジ、およびエアロゾル発生基体のうちの一方または両方を直接受けるように構成されうる。エアロゾル発生要素は、外気吸込み口、およびエアロゾル出口を含む。ユーザーがシーシャ装置を吸煙する時、外気が外気吸込み口に入り、エアロゾル発生基体の表面を通り過ぎ、または通過し、そしてエアロゾル出口から出る。
【0027】
エアロゾル発生要素のヒーターは、エアロゾル発生基体またはカートリッジを保持するための容器の少なくとも一つの表面を画定しうる。ヒーターは、容器の少なくとも二つの表面を画定しうる。例えば、ヒーターは、上面、側面、および底面のうちの二つ以上の少なくとも一部分を形成してもよい。ヒーターは、上面の少なくとも一部分、および側面の少なくとも一部分を画定しうる。ヒーターは、容器の上面全体および側壁表面全体を形成しうる。ヒーターは、容器の内表面または外表面上に配置されてもよい。
【0028】
任意の好適なヒーターが採用されてもよい。特に、シーシャ装置は電気ヒーターを備えうる。例えば、電気ヒーターは、抵抗加熱構成要素および誘導加熱構成要素のうちの一方または両方を含みうる。電気ヒーターは好適な抵抗加熱構成要素を含みうる。例えば、電気ヒーターは、一つ以上の抵抗性ワイヤーまたはその他の抵抗性要素を含みうる。抵抗ワイヤーは、熱伝導性材料と接触し、生成された熱をより広い領域にわたって分配しうる。特に適切な導電性材料には、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびその組み合わせが含まれる。本開示の目的のためには、抵抗性ワイヤーが熱伝導性材料と接触する場合、抵抗性ワイヤーおよび熱伝導性材料の両方は、カートリッジ容器の表面の少なくとも一部分を形成する発熱体の一部である。
【0029】
電気ヒーターは任意の好適な誘導発熱構成要素を含んでもよい。例えば、電気ヒーターは、カートリッジ容器の表面を形成するサセプタ材料を含みうる。本明細書で使用される「サセプタ」という用語は、電磁エネルギーを熱に変換することが可能な材料を意味する。交流電磁場内に位置する時、典型的にはサセプタ内で渦電流が誘導され、ヒステリシス損失が生じることがあり、これはサセプタの加熱を引き起こす。サセプタがエアロゾル発生基体と熱接触して位置するか、または熱的に近接すると、そのサセプタによってその基体が加熱され、これによりエアロゾルが形成される。サセプタはエアロゾル発生基体と少なくとも部分的に直接物理的接触して配置されうる。
【0030】
サセプタは、エアロゾル発生基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。サセプタは金属または炭素を含みうる。サセプタは、強磁性材料またはフェリ磁性材料(例えばフェライト鉄)、強磁性またはフェリ磁性合金(強磁性鋼またはステンレス鋼など)、およびフェライトを含むか、それらから成ってもよい。適切なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。
【0031】
サセプタは、金属サセプタ(例えばステンレス鋼)でありうる。しかし、サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、シリコン炭化物、アルミニウム、ニオブ、インコネル合金(オーステナイトニッケル・クロム系超合金)、金属蒸着フィルム、セラミック(例えば、ジルコニウムなど)、遷移金属(例えば、Fe、Co、Niなど)、または半金属構成要素(例えば、B、C、Si、P、Alなど)を含みうるか、またはそれらで作られうる。
【0032】
サセプタは、任意の好適な比率の強磁性材料または常磁性材料を含みうる。例えば、サセプタは、少なくとも5%、少なくとも20%、少なくとも50%、または少なくとも90%の強磁性材料または常磁性材料を含んでもよい。サセプタは250℃を超える温度まで加熱されてもよい。適切なサセプタは、非金属コアの上に配置された金属層を有する非金属コア(例えば、セラミックコアの表面上に形成された金属のトラック)を備えてもよい。
【0033】
シーシャ装置はまた、サセプタ材料内に渦電流および/またはヒステリシス損失を誘発するように構成された一つ以上の誘導コイルを備えてもよく、これは結果としてサセプタ材料の加熱をもたらす。サセプタ材料はまた、エアロゾル発生基体を収容するカートリッジ内に位置付けられてもよい。サセプタ材料を含むサセプタ素子は、例えば、PCT特許出願公開第2014/102092号および同第2015/177255号に記述されている材料など、任意の好適な材料を備えてもよい。
【0034】
シーシャ装置は、抵抗発熱体または誘導コイルに動作可能に連結された制御電子回路を備えてもよい。制御電子回路は発熱体の加熱を制御するように構成されている。
【0035】
制御電子回路は任意の適切な形態で提供されてもよく、また例えばコントローラー、またはメモリおよびコントローラーを含みうる。コントローラーは、「特定用途向け集積回路(ASIC)」状態マシン、デジタルまたはアナログ信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの一つ以上を含んでもよい。制御電子回路は、回路の一つ以上の構成要素に制御電子回路の機能または態様を実行させる命令を含むメモリを含みうる。本開示における制御電子回路に帰属する機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアのうちの一つ以上として具現化されてもよい。
【0036】
電子回路はマイクロプロセッサ備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。電子回路は電力供給を調節するように構成されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーター要素または誘導コイルに供給されてもよい。
【0037】
電気ヒーターが抵抗発熱体を含む場合、制御電子回路は、抵抗発熱体の電気抵抗を監視し、抵抗発熱体の電気抵抗に応じて抵抗発熱体への電力供給を制御するように構成されうる。このように、制御電子回路は抵抗発熱体の温度を調節しうる。
【0038】
電気ヒーターが誘導コイルを含み、発熱体がサセプタ材料を含む場合、制御電子回路は、誘導コイルの態様を監視するように、および例えばWO2015/177255号で説明されているようなコイルの態様に応じて誘導コイルへの電力供給を制御するように構成されうる。このように、制御電子回路はサセプタ材料の温度を調節しうる。
【0039】
シーシャ装置は、発熱体の温度を制御するために制御電子回路に動作可能に結合された少なくとも一つの温度センサー(熱電対など)を備えてもよい。少なくとも一つの温度センサーは、任意の好適な場所に位置付けられうる。例えば、温度センサーは、加熱されるエアロゾル発生基体の温度を監視するために、容器内に受けられたエアロゾル発生基体またはカートリッジの中へと挿入されるように構成されてもよい。温度センサーは、ヒーターの発熱体と接触しうる。温度センサーは、エアロゾル発生要素のエアロゾル出口など、シーシャ装置のエアロゾル出口での温度を検出するように位置付けられてもよい。各センサーは、感知された温度に関する信号を制御電子回路に送信してもよく、これは発熱体の加熱を調整して、センサーでの好適な温度を達成しうる。
【0040】
シーシャ装置が温度センサーを含むかどうかにかかわらず、装置は、エアロゾル発生基体を燃焼することなくエアロゾルを発生するのに十分な程度まで容器内に受けられたエアロゾル発生基体を加熱するように構成されうる。
【0041】
制御電子回路は電源に動作可能に連結されてもよい。シーシャ装置は任意の好適な電源を備えてもよい。例えば、シーシャ装置の電源は、電池、コンデンサおよび燃料電池のうちの少なくとも一つを含みうる。電源は電池を備えてもよい。一部の実施例では、電源は、電池の幾何学的形状、サイズおよび形態因子がシーシャ装置の一部分に適合するように構成された電池を含みうる。例えば、電池の陰極要素および陽極要素をロールして、それらが配置されるシーシャ装置の一部分の幾何学的形状に適合するように組み立てることができる。電源は再充電可能であってもよい。電源は取り外し可能かつ交換可能であってもよい。任意の好適な電源が使用されうる。例えば、産業用耐久型電気工具に使用されものなど、市販の耐久型または標準電池である。電源ユニットは、スーパーコンデンサまたはハイパーコンデンサを含む任意のタイプの電力供給源とすることができる。いくつかの実施形態では、装置は、外部電源への接続を介して電力供給されうる。シーシャ装置は、その特定の電源との動作のために電気的におよび電子的に設計されうる。採用される電源のタイプにかかわらず、電源は再充電または外部電源への接続を必要とする前に、およそ70分間の装置の連続動作において装置が正常に機能するために十分なエネルギーを提供しうる。
【0042】
シーシャ装置は、エアロゾル発生基体を収容するための容器と流体接続している外気吸込み口チャネルを備える。外気は、シーシャ装置が使用されている時に、発生したエアロゾルをエアロゾル発生基体からエアロゾル出口へと搬送するために、チャネルを通して容器へ、そして容器内に配置された基体へと流れうる。チャネルの少なくとも一部分は、容器に入る前に空気を予熱するために、発熱体によって形成されうる。
【0043】
エアロゾル発生基体は、予熱された空気、および発熱体からの加熱の一方または両方を通して、約150℃~約250℃、約180℃~約230℃、または約200℃~約230℃の範囲の温度へと加熱されうる。こうした温度は、基体を燃焼することなく基体からエアロゾルを生成するのに十分でありうる。
【0044】
外気吸込み口チャネルは、シーシャ装置の外側からの外気がチャネルを通し、かつ開口部を通して容器の中へと流れうるように、容器を通した一つ以上の開口部を備えてもよい。チャネルが二つ以上の開口部を備える場合、チャネルは、チャネルを通して各開口部へと流れる空気を方向付けるためのマニホールドを備えてもよい。シーシャ装置は、二つ以上の外気吸込み口チャネルを備えうる。
【0045】
容器は、一つ以上の外気吸込み口チャネルと連通する任意の好適な数の開口部を備えてもよい。例えば、容器は1~1000個の開口部(10~500個の開口部など)を備えてもよい。開口部は、均一なサイズであってもよく、不均一なサイズであってもよい。開口部は、均一に分布されてもよく、また不均一に分布されてもよい。開口部は、カートリッジ容器内の任意の好適な場所において形成されてもよい。例えば、開口部は、容器の上部または側壁のうちの一方または両方に形成されてもよい。開口部は容器の上部に形成されうる。
【0046】
容器は、基体またはカートリッジが容器によって受けられた時に、容器の表面を形成する発熱体によるエアロゾル発生基体の伝導性加熱を容易にするように、容器の一つ以上の壁または天井と、エアロゾル発生基体またはエアロゾル発生基体を収容するカートリッジとの間で接触できるような形状およびサイズでありうる。一部の実施例では、エアロゾル発生基体を収容するカートリッジの少なくとも一部分と容器の表面との間に空隙が形成されてもよい。
【0047】
容器は、一つ以上の部品から形成されてもよい。容器は、二つ以上の部品から形成されてもよい。容器の少なくとも一部は、カートリッジを容器の中へと挿入するための容器の内部へのアクセスを可能にするために、別の部品に対して移動可能でありうる。例えば、一つの部品は、部品が分離された時にエアロゾル発生基体またはエアロゾル発生基体を収容するカートリッジの挿入を可能にするために、別の部品に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。部品は、ねじ係合、締まり嵌め、スナップ嵌め、またはこれに類するものによるなどの、任意の好適な様式で取り付け可能であってもよい。一部の実施例では、部品はヒンジを介して互いに取り付けられる。部品がヒンジを介して取り付けられている時、部品はまた、容器が閉位置にある時に部品を互いに対して固定するための係止機構を含んでもよい。一部の実施例では、容器は、エアロゾル発生基体またはカートリッジが引き出し内に定置されることを可能にするように摺動的に開けられてもよく、かつシーシャ装置を使用されることを可能にするように摺動的に閉めることのできる引き出しを備える。
【0048】
任意の好適なエアロゾル発生カートリッジは、本明細書に記述されるシーシャ装置と併用されてもよい。カートリッジは、熱伝導性のあるハウジングを含みうる。例えば、ハウジングはアルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせから形成されてもよい。ハウジングはアルミニウムから形成されうる。一部の実施例では、カートリッジは、アルミニウムよりも熱伝導性の低い一つ以上の材料から形成される。例えば、ハウジングは、任意の好適な熱的に安定な高分子材料から形成されてもよい。材料が十分に薄い場合、特に熱伝導性のない材料からハウジングが形成されていても、ハウジングを通して十分な熱が伝達される場合がある。
【0049】
カートリッジは、使用時にカートリッジを通した空気の流れを可能にするために、ハウジングの上部および底部に形成された一つ以上の開口部を備えてもよい。容器の上部が一つ以上の開口部を含む一部の実施形態では、カートリッジの上部にある少なくとも一部の開口部は、容器の上部の開口部と整列してもよい。容器の上部が一つ以上の開口部を含む一部の実施形態では、カートリッジの上部にある少なくとも一部の開口部は、容器の上部の開口部とオフセットしている、または整列していなくてもよい。カートリッジは、容器の相補的な整列の特徴と嵌合してカートリッジの開口部を容器の開口部に対して位置付けるように構成された整列の特徴を備える場合がある。例えば、カートリッジは、カートリッジが容器の中へと挿入された時に、カートリッジの開口部を容器の開口部と整列させるように構成された整列の特徴を備える場合がある。カートリッジのハウジング内の開口部は、カートリッジ内に貯蔵されたエアロゾル発生基体がカートリッジから漏れ出るのを防止するために、貯蔵中は覆われてもよい。一部の実施形態では、ハウジング内の開口部は、エアロゾル発生基体がカートリッジから出るのを防止または抑止するのに十分に小さい寸法を有してもよい。開口部が覆われている場合、消費者はカートリッジを容器の中へと挿入する前にカバーを取り外してもよい。一部の実施例では、容器はカートリッジを穿孔してカートリッジ内に開口部を形成するように構成される。容器は、カートリッジの上部に穿孔するように構成されうる。
【0050】
任意の好適なエアロゾル発生基体は、本発明のシーシャ装置と併用するためにカートリッジ内に定置されてもよく、またはエアロゾル発生ユニットの容器内に定置されてもよい。エアロゾル発生基体は、エアロゾルを形成しうる揮発性化合物を放出する能力を有する基体でありうる。揮発性化合物はエアロゾル発生基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル発生基体は固体であってもよく、または液体であってもよく、あるいは固体構成成分および液体構成成分の両方の成分を備えてもよい。エアロゾル発生基体は固体であってもよい。
【0051】
エアロゾル発生基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル発生基体はニコチン塩マトリクスを含んでもよい。エアロゾル発生基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル発生基体はたばこを含みうる。たばこ含有材料は、加熱に伴いエアロゾル発生基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含有しうる。
【0052】
エアロゾル発生基体は均質化したたばこ材料を含みうる。均質化したたばこ材料は、粒子状のたばこを凝集することによって形成されてもよい。存在する場合には、均質化したたばこ材料は、乾燥質量基準で5%以上のエアロゾル形成体含有量を有してもよく、乾燥質量基準で重量30%超との間であることが好ましい。エアロゾル形成体の含有量は、乾燥質量基準で約95%未満であってもよい。
【0053】
エアロゾル発生基体は非たばこ含有材料を含みうる。エアロゾル発生基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0054】
エアロゾル発生基体は例えば、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、膨化たばこのうちの一つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートのうち一つ以上を含みうる。
【0055】
エアロゾル発生基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含みうる。エアロゾル形成体は、使用時に密度が高く安定したエアロゾルの形成を容易にし、エアロゾル発生要素の使用温度で熱分解に対して実質的に耐性のある任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物であってもよい。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールなど)であり、グリセリンが最も好ましい。エアロゾル発生基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。エアロゾル発生基体はニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含みうる。特に好ましい実施形態において、エアロゾル形成体はグリセリンである。
【0056】
固体のエアロゾル発生基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもまたはその中に包埋されてもよい。担体は、第一の主表面、第二の主外表面、または第一の主表面および第二の主表面の両方の上に固体基体が堆積された薄層を備えてもよい。担体は、例えば紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穿孔された金属箔またはその他の任意の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートの形態を取ってもよい。担体は、たばこ成分が組み込まれた不織布繊維または繊維束としうる。不織布繊維または繊維の束は、例えば炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含みうる。
【0057】
一部の実施例では、エアロゾル発生基体は懸濁液の形態である。例えば、エアロゾル発生基体は、粘度が高い糖蜜様の懸濁液の形態であってもよい。
【0058】
カートリッジに入る空気は、エアロゾル発生基体を横切って流れ、エアロゾルを混入し、エアロゾル出口を経由してカートリッジと容器を出る。エアロゾル出口から、エアロゾルを搬送する空気がベッセルに入る。
【0059】
シーシャ装置は、液体を収容するように構成された内部容積を画定し、かつ上部空間出口を画定する任意の好適なベッセルを備えてもよい。上部空間出口は通常、ベッセルの上部空間領域に配置される。上部空間領域は一般に、ベッセルの液体充填レベルよりも高い。ベッセルは、ベッセル内に収容された内容物を消費者が観察することを可能にする光学的に透明または不透明なハウジングを備えてもよい。ベッセルは、液体充填ラインなどの液体充填境界を備えてもよい。ベッセルハウジングは任意の好適な材料で形成されてもよい。例えば、ベッセルハウジングは、ガラスまたは好適な剛直なプラスチック材料を備えてもよい。ベッセルは、消費者がベッセルを充填または清掃することを可能にするために、エアロゾル発生要素を備えるシーシャ装置の一部分から取り外し可能でありうる。
【0060】
ベッセルは、消費者によって液体充填レベルまで充填されてもよい。液体は水を備えてもよく、これには一つ以上の着色剤もしくは風味剤、または着色剤および風味剤が随意に注入されてもよい。例えば、水には、植物または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0061】
エアロゾル発生ユニットのエアロゾル出口を出る空気中に混入されたエアロゾルは、ベッセル内に位置付けられた導管を通って移動しうる。容器を通って流れるエアロゾルが、導管の開口部を通った後、液体を通過し、容器のヘッドスペース内に入り、ヘッドスペース出口を出て、消費者に送達されるように、導管はエアロゾル出口に連結されてもよく、また容器の液体充填レベルより下の開口部を有してもよい。
【0062】
上部空間出口は、エアロゾルを消費者に送達するためのマウスピースを備えるホースに連結されてもよい。
【0063】
シーシャ装置は、ユーザーによって起動可能な、シーシャ装置の制御電子回路に動作可能に結合されたスイッチを備えてもよい。スイッチは、シーシャ装置上の任意の好適な位置に配置されうる。例えば、スイッチは、エアロゾル発生要素に、ベッセルに、またはマウスピースに配置されうる。スイッチは、制御電子回路に無線で結合されうる。スイッチの起動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子回路に発熱体を起動させる。その結果、スイッチの使用は、こうした要素を採用していない装置と比較してエネルギーを節約するよう機能し、一定の加熱ではなく要求に応じた加熱を提供する場合がある。
【0064】
シーシャ装置は、気流経路と連通する吸煙センサーを備えてもよい。吸煙センサーは、気流経路の任意の好適な場所に位置付けられうる。例えば、マウスピースは吸煙センサーを含みうる。吸煙センサーは、ネブライザーに動作可能に結合されて、ネブライザーに、吸煙の検出に応答して少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子を気流経路に送達させうる。吸煙センサーは、ネブライザーに結合されうる制御電子回路に動作可能に結合されてもよい。
【0065】
シーシャ装置は、エアロゾル発生要素の下流にあり、入ってくる空気、蒸気、およびエアロゾル発生要素からのエアロゾルを加速するための入口を有する、チャンバーを備えてもよい。チャンバーは、空気、蒸気およびエアロゾルが、入口を出てチャンバーに入るときの減速を可能にするようなサイズおよび形状であってもよい。こうした配置はさらに、蒸気の凝縮、エアロゾルの核生成、および可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量の一方または両方の増加を促進しうる。
【0066】
一部の実施例では、ユーザーは、起動要素を使用することによって一つ以上の発熱体を起動してもよい。起動要素は、シーシャ装置上の任意の好適な場所に配置されてもよい。例えば、起動要素はマウスピースに配置されてもよい。例えば、起動要素は、制御電子回路と無線通信してもよく、また制御電子回路に信号を送って、スタンバイモードから最大加熱まで発熱体を起動してもよい。一部の実施例では、こうした手動起動は、カートリッジ内のエアロゾル発生基体の過熱または不要な加熱を防止するために、ユーザーがマウスピースを吸煙する間のみ有効でありうる。
【0067】
本発明のシーシャ装置は、任意の好適な空気管理を有する場合がある。一実施例では、ユーザーからの吸煙動作は、装置内部の低圧を生じさせる吸引効果を作り出すことになり、これによって外部の空気を装置の空気吸込み口を通して流し、外気吸込み口チャネル内、およびエアロゾル発生要素の容器内に流すことになる。次いで空気は、エアロゾル発生基体、または容器内の基体を収容するカートリッジを通して流れ、容器のエアロゾル出口を通してエアロゾルを搬送する場合がある。ユーザーが吸煙することで生じた低圧がネブライザーを起動させ、ネブライザーに、エアロゾル発生基体から発生した蒸気と混合させるために少なくとも一つのエアロゾル凝縮粒子を気流経路内に導入させうるが、これにより、蒸気は冷却されてエアロゾルを形成するために核生成が向上し、可視的なエアロゾルの強化につながりうる。エアロゾルを含む空気は、その後、導管を通してベッセル内の液体へと流れうる。その後、エアロゾルは、泡になって液体から出て、そして液体のレベルの上方のベッセル内の上部空間へと入り、そしてホースおよびマウスピースを通して消費者へと送達するために、上部空間出口を出る。外部の空気の流れ、およびシーシャ装置内側のエアロゾルの流れは、ユーザーからの吸煙動作によって駆動される場合がある。
【0068】
本発明のシーシャ装置のすべての主要部品の組立品が、装置の密封機能を確実にしうる。密封機能は、適正な気流の管理が行われることを確実にするべきである。密封機能は、任意の好適な様式で達成されうる。例えば、シールリングおよびシールワッシャーなどのシールが、密封シールを確保するため使用されてもよい。
【0069】
シールリングおよびシールワッシャーまたはその他のシール要素は、任意の好適な材料(複数可)で作製されうる。例えば、シールは、グラフェン化合物およびシリコン化合物のうちの一つ以上を備えてもよい。その材料は、米国食品医薬品局によって、ヒトにおける使用が認可されうる。
【0070】
チャンバー、チャンバーからの導管、容器のカバーハウジング、およびベッセルなどの主要部品は、任意の好適な材料(複数可)で作製されてもよい。例えば、これらの部品は、ガラス、ガラス系化合物、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、またはポリフェニルスルホン(PPSU)から独立して作製されてもよい。それらの部品は、標準的な食器洗い機での使用に好適な材料で形成されるうる。
【0071】
一部の実施例では、本発明のマウスピースは、ホースユニットに接続するためのクイックカップリングのオス/メスの特徴を組み込む。
【0072】
例示目的で、一つの例示的なシーシャ装置は、上述の通り、ベッセル、エアロゾル発生要素、およびベッセルとエアロゾル発生要素との間の空気加速吸込み口を備えたチャンバーと、を備えうる。シーシャ装置はさらに、マウスピースをベッセルの上部空間出口に接続するホースを備えうる。エアロゾル発生要素は、電気ヒーター、およびエアロゾル発生基体を受けるための容器またはエアロゾル発生基体を受けるためのカートリッジを含みうる。シーシャ装置はさらに、エアロゾル発生要素に電力を供給するための電源と、エアロゾル発生要素への電力供給を制御する制御電子回路と、エアロゾル発生要素を起動するためのマウスピースにおける起動要素と、を備えうる。本発明によれば、シーシャ装置は、外気吸込み口、エアロゾル発生要素、チャンバー、チャンバーをベッセルに接続する導管、ベッセル、ホースおよびマウスピース、の間に延びる気流経路を備える。また、本発明によると、シーシャ装置はさらに、エアロゾル凝縮粒子の供給源に動作可能に接続されたネブライザーを備え、ネブライザーは、エアロゾル凝縮粒子をエアロゾル発生要素の電気ヒーターの下流、空気加速吸込み口を備えたチャンバーの上流で気流経路に直接送達するように配置されたノズルを有する。
【0073】
例示の目的で、上述される例示的なシーシャ装置を使用する一つの方法が、時系列で以下に提供される。ベッセルは、シーシャ装置の他の構成要素から取り外され、水で充填されてもよい。天然の果実飲料、植物成分、および薬草の浸出液のうちの一つ以上が、風味付けのために水に添加されてもよい。添加される液体の量は、導管の一部分を覆うべきであるが、ベッセル上に随意に存在する場合がある充填レベルマークを越えてはならない。次いで、ベッセルは、シーシャ装置へと再組み立てされうる。エアロゾル発生要素の一部分は、エアロゾル発生基体またはカートリッジを容器の中へと挿入できるように取り外され、または開かれてもよい。その後、エアロゾル発生要素は再組み立てされるかまたは閉じられうる。その後、装置は起動要素を操作するユーザーによってオンされてもよい。これは、エアロゾル発生要素の電気ヒーターをオンにして、容器内のエアロゾル発生基体を加熱しうる。
【0074】
ユーザーは、マウスピースから吸煙して、外気吸込み口において、そして気流経路を通してシーシャ装置内に空気を引き出しうる。空気はエアロゾル発生要素を通して引き出されてもよく、加熱式エアロゾル発生基体によって発生した蒸気を混入してもよい。空気および蒸気は、エアロゾル発生要素から引き出され、空気加速吸込み口を通してチャンバー内に引き出されうる。マウスピースを吸煙すると、ネブライザーが起動し、空気および蒸気がチャンバーに入る前に、エアロゾル凝縮粒子を気流経路に導入する。この配置は、エアロゾル凝縮粒子が蒸気と混合されることを可能にし、核生成工程を促進しうる。蒸気はチャンバー内で凝縮してエアロゾルを形成することができ、エアロゾルは導管を通してチャンバーからベッセルの中へと引き出されうる。エアロゾルは、導管からベッセル内の水中に引き出されてもよく、また、ユーザーによる吸入のために、上部空間出口を通してベッセルからホースに沿ってマウスピースにエアロゾルが引き出される上部空間内へと引き出されてもよい。ユーザーは、チャンバー内にエアロゾルが見えなくなるまで、装置を使い続けてもよい。カートリッジまたは基体が使用可能なエアロゾル発生基体を消耗した時に、装置は自動的に停止しうる。一部の実施例では、消費者は、例えば、消耗品が枯渇した、またはほとんど枯渇したという合図を装置から受けた後、装置を未使用のエアロゾル発生基体または未使用のカートリッジで再充填してもよい。未使用基体またはカートリッジで再充填されると、装置を継続して使用することができる。一部の実施例では、シーシャ装置は、例えば起動要素のスイッチをオフにすることによって、消費者によっていつでもオフにできうる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
本開示に記載の一つ以上の態様を描写する図面をこれから参照する。しかし、当然のことながら図面に描写されていないその他の態様も、本開示の範囲および趣旨に収まる。図内で使用されている類似の番号は、類似の構成要素、工程、およびこれに類するものを指す。しかし当然のことながら、所与の図内で一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図内で同一の番号が付けられた構成要素を制限することを意図するものではない。加えて、異なる図内で構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号の付いた構成要素を他の番号の付いた構成要素と同一または類似のものとすることはできないと示すことを意図するものではない。図面は例示の目的で提示されていて、制限の目的で提示されていない。図面に提示された概略図は、必ずしも縮尺通りではない。
【0076】
図1図1は、本発明の方法の一実施形態を示す流れ図である。
図2図2は、本発明のシーシャシステムの一実施形態を図示した概略ブロック図である。
図3図3は、本発明のシーシャシステムの一実施形態を図示した概略断面図である。
図4図4は、本発明のシーシャ装置の一部分を図示した概略断面図である。
図5図5は、本発明のシーシャ装置の一実施形態で使用するためのエアロゾル発生基体を収容するカートリッジの概略斜視図である。
図6図6は、本発明の方法の別の実施形態を図示した流れ図である。
図7図7は、本発明のシーシャシステムの別の実施形態を図示した概略ブロック図である。
図8図8Aおよび8Bは、使用中のシーシャ装置の画像である。図8Aのシーシャ装置はネブライザーを含まず、図8Bの装置は、エアロゾル発生基体の加熱から発生する蒸気と混合させるために気流経路内にエアロゾル発生粒子を導入するネブライザーを含む。
図9図9は、ネブライザーが、蒸気と混合させるために気流経路内にエアロゾルを導入したシーシャ装置によって(丸)、およびネブライザーを有さないシーシャ装置によって(三角)発生した総エアロゾル質量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0077】
次に図1を参照すると、エアロゾル発生基体を加熱するが燃焼しないエアロゾル発生要素を備える、シーシャ装置内の可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量の一方または両方を増加させるための方法が示される。方法は、エアロゾル発生基体を加熱することによってシーシャ装置内で蒸気を発生すること(2)を含む。方法はさらに、基体を加熱することによって発生した蒸気と混合させるために、エアロゾル凝縮粒子をシーシャ装置の気流経路内の蒸気に導入すること(4)を含む。蒸気は、冷却されるにつれて、凝縮してエアロゾルを形成する。この実施形態では、エアロゾル凝縮粒子は、エアロゾル発生基体の下流で気流経路内に導入される。エアロゾル凝縮粒子の導入は、核生成を向上し、可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量の一方または両方を増加させうる。したがって、基体を燃焼することなくエアロゾル発生基体を電気的に加熱するシーシャ装置は、基体を燃焼させる装置と類似したまたはそれより大きい可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量を生成しうる。
【0078】
次に図2を参照すると、シーシャ装置100およびエアロゾル発生基体300を備えるシステム10が示される。シーシャ装置100は、入口102と、出口104と、入口102から出口104に延びる気流経路103(矢印で示す)とを備える。装置100は、エアロゾル発生基体300を加熱するための電気発熱体を含むエアロゾル発生要素130を含む。基体300は、装置100の気流経路103内にある。基体300が加熱されると、エアロゾルが発生し、これは、気流経路103を通って流れる気流中に混入されうる。エアロゾルは、ユーザーが装置100を吸煙した時に、出口104を通してユーザーに送達されうる。
【0079】
エアロゾル発生要素130は、電源35および制御電子回路30に動作可能に結合され、これらは一緒に、基体300がエアロゾルを生成するのに十分に加熱されるが燃焼されないように、エアロゾル発生要素130の発熱体が基体300を加熱する温度に制御する。したがって、燃焼副産物は吸入のためにユーザーに送達されない。
【0080】
装置は、エアロゾル凝縮粒子を気流経路に送達するように位置付けられたネブライザー400を含む。ネブライザー400は、基体300の下流にある。加熱された基体300によって発生した蒸気を搬送する空気が出口104に向かって気流経路内を移動すると、蒸気はエアロゾル凝縮粒子と混合してエアロゾルの核生成を促進し、可視的なエアロゾルを増加させ、総エアロゾル質量を増加させる。
【0081】
装置100は、気流経路103と連通する吸煙センサー109を随意に含む。ユーザーが出口104を介して装置100を吸煙した時、吸煙センサー109によって内圧の降下が検出されうる。吸煙センサー109およびネブライザー400は、制御電子回路30に動作可能に結合される。センサー109による吸煙検出は、制御電子回路30にネブライザー400を起動させうる。
【0082】
ここで図3を参照すると、シーシャ装置100の実施例の概略断面図が示される。装置100は、液体19を収容するように構成される内部容積を画定し、また液体19に対する充填レベルの上にある上部空間出口15を画定するベッセル17を含む。液体19は水を備えることが好ましく、この水には一つ以上の着色剤、一つ以上風味剤、または一つ以上着色剤および一つ以上風味剤が随意に注入されてもよい。例えば、水には、植物の浸出液または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0083】
装置100はまた、エアロゾル発生要素130も含む。エアロゾル発生要素130は、エアロゾル発生基体を収容するカートリッジ150を受ける(またはカートリッジ内にないエアロゾル発生基体を受ける)ように構成された容器140を含む。エアロゾル発生要素130はまた、容器140の少なくとも一つの表面を形成する発熱体160も含む。図示した実施形態では、発熱体160は、容器140の上面および側面を画定する。エアロゾル発生要素130はまた、外気を装置100の中へと引き出す外気吸込み口チャネル170も含む。外気吸込み口チャネル170の一部分は、空気が容器140に入る前に空気を加熱するために発熱体160によって形成される。次いで、予熱された空気はカートリッジ150(またはカートリッジ内にはない基体)に入り、これもまた発熱体160によって加熱されて、加熱されたエアロゾル発生基体によって発生した蒸気を搬送する。空気および蒸気はエアロゾル発生要素130の出口を出て、空気加速吸込み口(図示せず)を通ってチャンバー200に入る。蒸気は、冷却されるにつれて、凝縮してエアロゾルを形成する。
【0084】
導管190は、チャンバー200からの空気およびエアロゾルをベッセル17内の液体19のレベルの下に搬送する。空気およびエアロゾルは、泡になって液体19を通してベッセル17の上部空間18に入り、ベッセル17の上部空間出口15を介して上部空間18を出てもよい。エアロゾルをユーザーの口へと搬送するために、ホース20を上部空間出口15に取り付けてもよい。マウスピース25がホース20に取り付けられてもよく、またはホース20の一部を形成してもよい。
【0085】
使用時における装置の気流経路103は、図3に太い矢印で図示されている。
【0086】
マウスピース25は起動要素27を含んでもよい。起動要素27は、スイッチ、ボタンもしくはこれに類するものであってもよく、または吸煙センサーもしくはこれに類するものであってもよい。当然のことながら、その他の実施形態では、起動要素27は装置100上の任意のその他の好適な場所に定置されてもよい。起動要素27は制御電子回路30と無線通信して、例えば、電源35に発熱体160を給電させることによって、装置100を使用状態にするか、または制御電子回路30に発熱体160を起動させてもよい。
【0087】
制御電子回路30および電源35は、図3に図示するエアロゾル発生要素130の底部部分以外のエアロゾル発生要素130の任意の好適な位置に配置されてもよい。
【0088】
図4は、シーシャ装置100の一実施例の概略断面図を示す。装置100の一部の構成要素は、実施形態を理解するのには必要ではないため、図示されない。装置は、エアロゾル発生基体300を電気的に加熱するように構成されたエアロゾル発生要素130を含む。エアロゾル発生要素130は、外気を、エアロゾル発生基体300を通してエアロゾル発生要素130の外側から、ベッセルへ送達するために導管190内に流すための入口133を含む。装置100は、液体組成物を収容する貯蔵部407に動作可能に結合されたネブライザー400を含む。ネブライザー400は、液体組成物を霧状化して、基体300の下流かつ導管190の上流で気流経路に導入される複数のエアロゾル凝縮粒子405を形成する。
【0089】
この実施形態において、ネブライザー400は、エアロゾル凝縮粒子を、発熱体160とチャンバー200との間で気流経路内に導入するように位置付けられる。しかしながら、当然のことながら、別の実施形態では、ネブライザー400は、エアロゾル凝縮粒子を気流経路内の異なる場所に導入するように位置付けられうる。例えば、ネブライザー400は、チャンバー200に、または導管190になど、発熱体160の上流またはエアロゾル発生要素130の下流でエアロゾル凝縮粒子を気流経路に導入するように位置付けられうる。
【0090】
ここで図5を参照すると、本明細書に記載のシーシャ装置とともに使用されてもよいカートリッジ150の実施例の概略斜視図が示される。カートリッジ150は、ハウジング151と、カートリッジ150およびハウジング内に収容されたエアロゾル発生基体を通る空気の流れを可能にするためにハウジングの上面に形成された複数の開口部153とを含む。カートリッジ150の底部はまた、カートリッジ150を通る気流を可能にするために一つ以上の開口部も含むことができる。
【0091】
次に図6を参照すると、エアロゾル発生基体を加熱するが燃焼しないエアロゾル発生要素を備える、シーシャ装置内の可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量の一方または両方を増加させるための別の方法が示される。方法は、図1の工程と類似の工程を含んでおり、図6の工程を指すのに使用される同様の数字は、図1の方法の同様の工程を指すのに使用される同様の数字に対応する。方法は、エアロゾル凝縮粒子をシーシャ装置の気流経路に導入すること(4’)を含む。方法はさらに、エアロゾル発生基体を加熱することによってシーシャ装置内で気流経路内に蒸気を発生すること(2’)を含む。蒸気は気流経路内でエアロゾル凝縮粒子と混合し、これにより、蒸気が冷却されてエアロゾルを形成すると、核生成が促進される。この実施形態では、エアロゾル凝縮粒子は、エアロゾル発生基体の上流で気流経路内に導入される。エアロゾル凝縮粒子の導入は、核生成を向上し、可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量の一方または両方を増加させうる。
【0092】
次に図7を参照すると、シーシャ装置100’およびエアロゾル発生基体300’を備えるシステム10’が図示される。システム10’は、図2のシステム10に類似の特徴を備えており、図7のシステムの特徴を指すのに使用される同様の数字は、図2のシステムの特徴を指すのに使用される同様の数字に対応する。シーシャ装置100’は、入口102’と、出口104’と、入口102’から出口104’に延びる気流経路103’(矢印で示す)とを備える。装置100’は、エアロゾル発生基体300’を加熱するための電気発熱体を含むエアロゾル発生要素130’を含む。基体300’は、装置100’の気流経路103’内にある。基体300’が加熱されると、エアロゾルが発生し、これは、気流経路103’を通って流れる気流中に混入されうる。エアロゾルは、ユーザーが装置100’を吸煙した時に、出口104’を通してユーザーに送達されうる。
【0093】
エアロゾル発生要素130’は、電源35’および制御電子回路30’に動作可能に結合され、これらは一緒に、基体300’がエアロゾルを生成するのに十分に加熱されるが燃焼されないように、エアロゾル発生要素130’の発熱体が基体300’を加熱する温度に制御する。
【0094】
装置は、エアロゾル凝縮粒子を気流経路に送達するように位置付けられたネブライザー400’を含む。ネブライザー400’は、基体300’の上流にある。エアロゾル凝縮粒子を運搬する空気が基体300’にわたって、または基体300’を通して出口104’に向かって移動すると、エアロゾル凝縮粒子は、基体300’によって蒸気が発生する場所で気流経路内にある。このように、蒸気は、発生するとすぐにエアロゾル凝縮粒子と混合してエアロゾルの核生成を促進し、可視的なエアロゾルを増加させ、総エアロゾル質量を増加させる。
【0095】
装置100’は、気流経路103’と連通する吸煙センサー109’を随意に含む。ユーザーが出口104’を介して装置100’を吸煙する時、吸煙センサー109’によって内圧の降下が検出されうる。吸煙センサー109’およびネブライザー400’は、制御電子回路30’に動作可能に結合される。センサー109’による吸煙検出は、制御電子回路30’にネブライザー400’を起動させうる。
【0096】
本発明の一態様に関連して上述した特徴は、本発明の別の態様にも適用されうる。
【0097】
以下の非限定的な例では、エアロゾルの可視的な量を増加させ、ユーザーへと送達可能な総エアロゾル質量を増加させるエアロゾル凝縮粒子の能力が説明されている。
【0098】
ネブライザーを有するシーシャ装置が組み立てられ、またネブライザーを有しないシーシャ装置が組み立てられた。二つのシーシャ装置は、ネブライザーのあるなしを除き、本質的に同一であった。
【0099】
カートリッジ容器および巻回ワイヤー発熱体を収容するエアロゾル発生要素は、ベッセル内の液体レベルより下に延びる導管に結合された。10gの市販のAl-Fakherたばこモラセスで充填されたカートリッジを、両方の装置内の巻回ワイヤー発熱体と接触して定置した。巻回ワイヤーは230℃の一定温度に設定された。
【0100】
35グラムのNaClを蒸留水1リットル中に溶解した。得られた溶液を、30バールの圧力を有するネブライザーを用いてシーシャ装置のエアロゾル相に噴霧した。霧状化されたNaClおよび水を、カートリッジの上方2cmにシーシャ装置のエアロゾル経路に噴霧した。
【0101】
エアロゾルを、液体レベルよりも高いベッセルの上部空間出口を介して収集した。収集されたエアロゾルは、喫煙の体験の前後に重量が記録された合計10個のCambridgeパッドを使用して収集された。体験の総持続時間は105回の吸煙に対応する。望ましい吸煙の体験を達成するために、四つのプログラム可能なデュアルシリンジポンプ(PDSP)を同時に使用して、以下の吸煙レジームを作成した。
吸煙体積:530mL
吸煙持続時間:2600ms
吸煙間の期間:17秒
【0102】
ネブライザーを有さないシーシャ装置および本発明の一実施形態によるネブライザーを備えるシーシャ装置のベッセルの上部空間内に存在する可視的なエアロゾルの量の比較を、図8Aおよび8Bに示す。図8Aは、ネブライザーを有さないシーシャ装置を示す。図8Bは、ネブライザーを有するシーシャ装置を示す。
【0103】
図8A図8Bに示すように、ネブライザーを備えたシーシャ装置のベッセルの上部空間における可視的なエアロゾルの量は、ネブライザーを有さないシーシャ装置と比較して劇的に増加した。さらに、収集されたエアロゾルの総量は、1202mg(ネブライザーを有さない)から1773mg(ネブライザーを有する)に増加した。
【0104】
実験のセットアップは、10個のCambridgeパッドのうちの2個のみが所与の時点で発生したエアロゾルを収集するように配置された。20回の吸煙ごとに、逆止め弁を使用してエアロゾルが確実にCambridgeパッドの正しい対へと分配されるようにした。それゆえ、エアロゾルの生成を時間の関数として監視することが可能である。
【0105】
図9は、吸煙当たりの平均総エアロゾル質量(TAM)を、シーシャ装置の二つの異なる構成での吸煙20回、40回、60回、80回、および105回について示す。ネブライザーを有しない電気シーシャによって得られた吸煙当たりの平均TAMは、三角形を使用して図示される。ネブライザーを追加した同一の装置を使用して得られたTAMは、円を使用して表示される。
【0106】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般的に使用される意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0107】
本明細書および添付した請求の範囲で使用される単数形(「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」)は、複数形の対象を有する実施形態を含蓄するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0108】
本明細書および添付した請求の範囲で使用される「または」という用語は概して、「および/または」を含む意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0109】
本明細書で使用される「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含まれる(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは制約のない意味で使用され、概して「含むが、これに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「含む(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0110】
「好ましい」および「好ましくは」という語は、ある特定の状況下で、ある特定の利益をもたらしうる本発明の実施形態に言及する。しかしながら、同一のまたはその他の状況下で、その他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図するものではない。
【0111】
「上」、「下」、「左」、「右」、「上方」、「下方」およびその他の方向または向きなど、本明細書で言及される任意の方向は、本明細書において明確さおよび簡潔さのため記述されていて、実際の装置またはシステムを限定する意図はない。本明細書に記載の装置およびシステムは、多数の方向および向きで使用されうる。
【0112】
上述の例示的な実施形態は限定するものではない。上述の実施形態と一貫性のあるその他の実施形態は、当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9