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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】X線デバイスのための窓部材
(51)【国際特許分類】
   H01J 35/18 20060101AFI20230306BHJP
   G21K 5/00 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
H01J35/18
G21K5/00 W
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020542210
(86)(22)【出願日】2018-10-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 GB2018052945
(87)【国際公開番号】W WO2019073262
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】15/783,457
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520129724
【氏名又は名称】オックスフォード インストゥルメンツ エックス-レイ テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】アリヴォフ ヤーヤ
(72)【発明者】
【氏名】マッケンジー クリストファー ケイ
(72)【発明者】
【氏名】グリグスビー ブライアント
(72)【発明者】
【氏名】デグチャリョフ アンドレイ
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-082900(JP,A)
【文献】特開2012-242381(JP,A)
【文献】特開2013-161988(JP,A)
【文献】特開2014-013749(JP,A)
【文献】米国特許第05226067(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0089184(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105914121(CN,A)
【文献】国際公開第2005/029531(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/054591(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 35/18
G21K 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線デバイス(210)の内部環境を前記X線デバイスの外部環境から分離するための窓部材(201)を形成する方法であって、
第1の表面と、この第1の表面と反対側の第2の表面とを有する基板と、第1の表面と、この第1の表面と反対側の第2の表面とを有する被覆層(306)とを備える窓部材を準備し、前記基板は、前記被覆層よりも前記内部環境の近くにあり、前記被覆層は、前記基板よりも前記外部環境の近くにあり、前記基板の第1の表面は前記内部環境に面し、前記基板の第2の表面は前記被覆層の第1の表面に面し、前記被覆層の第2の表面は前記外部環境に面し、前記被覆層は、前記基板の第2の表面上に配置され、
前記基板が、多結晶材料から形成され、低エネルギーX線に対して実質的に透明であり、
前記被覆層が、非多孔質であり、前記基板の第2の表面にて結晶粒(307)を覆い、この結晶粒間の粒界(308)内に延びて、前記被覆層が、前記基板と前記外部環境との間に不浸透性障壁を形成し、
前記被覆層は、原子層堆積によって前記基板上に配置されることを特徴とする窓部材を形成する方法。
【請求項2】
前記被覆層(306)は、前記基板の第2の表面の下方の少なくとも100nmの深さまで前記粒界(308)内に延びる、請求項1に記載の方法によって形成された窓部材。
【請求項3】
前記被覆層(306)は、前記粒界における前記結晶粒(307)間の間隔が原子スケールである深さまで前記粒界(308)の各結晶粒内に延びる、請求項2に記載の窓部材。
【請求項4】
前記被覆層(306)は、均一な厚みを有して前記基板の第2の表面を覆う連続膜を形成する、請求項2又は3に記載の窓部材。
【請求項5】
前記被覆層(306)の厚みは、200nm未満である、請求項2~4の何れか1項に記載の窓部材。
【請求項6】
前記被覆層(306)は、前記結晶粒(307)及び粒界(308)によって定められる前記基板の第2の表面輪郭に共形となる、請求項2~5の何れか1項に記載の窓部材。
【請求項7】
前記被覆層(306)の気孔率は、1%以下である、請求項2~6の何れか1項に記載の窓部材。
【請求項8】
前記被覆層(306)のピンホール密度は、10cm-1未満である、請求項2~7の何れか1項に記載の窓部材。
【請求項9】
前記被覆層(306)によって生じる低エネルギーX線の減衰は、前記基板によって生じる前記低エネルギーX線の減衰の5%以下である、請求項2~8の何れか1項に記載の窓部材。
【請求項10】
前記被覆層(306)の厚み及び構成材料は、前記被覆層によって生じる前記低エネルギーX線の減衰が前記基板によって生じる前記低エネルギーX線の減衰の5%以下になるように、組み合わせて選択される、請求項2~9の何れか1項に記載の窓部材。
【請求項11】
前記被覆層(306)は、8~80の間の原子番号を有する元素を含む材料からのみ形成される、請求項2~10の何れか1項に記載の窓部材。
【請求項12】
前記被覆層(306)は、接着層及び保護層を含み、前記接着層は、前記保護層を前記基板の第2の表面に付着させ、前記保護層は非多孔質である、請求項2~11の何れか1項に記載の窓部材。
【請求項13】
前記保護層の気孔率は、前記基板の第2の表面が大気ガス又は液体に露出されるのを阻止するのに十分に低い、請求項12に記載の窓部材。
【請求項14】
前記接着層はAl23を含み、前記保護層はTiO2を含む、請求項12又は請求項13に記載の窓部材。
【請求項15】
前記接着層及び前記保護層の各々の厚みは、200nm未満である、請求項12~14の何れか1項に記載の窓部材。
【請求項16】
前記被覆層(306)は、導電性材料を含む、請求項2~15の何れか1項に記載の窓部材。
【請求項17】
前記被覆層(306)は、NbがドープされたTiO2を含む、請求項2~16の何れか1項に記載の窓部材。
【請求項18】
前記被覆層(306)は、10-6Sm-1よりも大きい導電性を有する、請求項2~17の何れか1項に記載の窓部材。
【請求項19】
前記基板は、0.5~10.0keVエネルギー帯域におけるX線に対して実質的に透明である、請求項2~18の何れか1項に記載の窓部材。
【請求項20】
前記基板は、0.5~10.0keVエネルギー帯域におけるX線に対して90%よりも大きい透過率を有する、請求項2~19の何れか1項に記載の窓部材。
【請求項21】
前記基板と前記被覆層(306)を組み合わせた前記透過率は、前記0.5~10.0keVエネルギー帯域におけるX線に対して85%よりも大きい、請求項20に記載の窓部材。
【請求項22】
前記基板と前記被覆層(306)を組み合わせた前記透過率は、前記基板単独の透過率の95%よりも大きい、請求項20又は21に記載の窓部材。
【請求項23】
前記基板は、ベリリウムから形成される、請求項2~22の何れか1項に記載の窓部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線デバイスのための窓部材、詳細には、X線デバイスの外部環境からX線デバイスの内部環境を分離するための窓部材に関する。
【背景技術】
【0002】
センサにおいて生成し又は検出されることになるX線光子は、典型的には、X線デバイスで通常見られる真空環境から周囲空気を分離する窓を透過する必要がある。X線デバイスは、窓を通してX線を透過することを可能にしながら、デバイスの内側と外側の間の環境の差異を持続する放射線出口窓又は入口窓を有する。X線窓は、典型的には、X線管又はX線検出器、或いは他のX線デバイスへの開口部又は入口の上に配置された材料シートから一般的に形成される窓部材を含む。低原子番号の材料は、一般に、0.5-10.0keVに対応する低エネルギー領域においてこれらがX線透過を可能にするときにこれらの窓を形成するのに用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第5226067号明細書
【文献】米国特許第5740228号明細書
【文献】特開昭57-82954号公報
【文献】米国特許出願公開第2015/0053640号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
X線窓は、典型的には、ベリリウム、アルミニウム、チタン、窒化ケイ素、及びダイヤモンドを含む低原子番号の広範囲の材料から作られる。これらの窓材料は、周囲の環境に晒されて窓の破損を生じることに起因して2つの有害な影響を受ける。第一に、X線窓は典型的には、多結晶材料から形成されるので、ガスは、結晶粒間の粒界を貫通することができる。これに加えて、材料は、周囲の水蒸気と材料が反応することによって引き起こされる腐食が生じやすく、窓表面上での酸化層の形成につながる。このような酸化層は、形成されると、剥離を生じ、従って、時間と共に窓の厚みを徐々に減少させる可能性がある。最終的には、X線窓の厚みは、X線デバイスの内側の真空を持続できない厚みまで減少する場合がある。
【0005】
窓の故障の問題に対する従来の解決策は、腐食に対して耐性を示す保護層で窓を被覆することを含む。これに対する候補材料は、被覆材料の質量減衰係数及び厚みによって決定付けられる最小軟X線減衰品質を有する必要がある。この理由のために、可能な限り薄肉で且つ低原子番号の構成元素を有する被覆は、この目的に最も適している。加えて、このような窓は、内部及び外部環境間の差圧から生じる圧力、重力、及び熱応力に耐えることができるはずである。
【0006】
これまで、X線窓の腐食の問題を克服するための取り組みがなされてきた。幾つかの手法、例えば、米国特許第5226067号及び米国特許第5740228号は、この問題を解決することを目標としている。米国特許第5226067号では、非晶質ホウ素水素化物(a-B:H)及びXが低原子番号の別の元素である他の非晶質ホウ素水素化物合金(a-B:X:H)を有する被覆が導入された。しかしながら、これらの層は、熱安定性に乏しく、200℃で分解し、これは、700℃もの高い処理温度を必要とする標準ろう付け技術を不可能にしてしまう。ホウ素水素化物系被覆の他の欠点は、薄膜成長中の成長チャンバがホウ素含有ガスで汚染され、そのため他のプロセスでは利用できないことである。従って、B:H:X被覆プロセスには別個のデバイスが必要とされる。米国特許第5740228号では、酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、及び非晶質炭素(a-C)を被覆層として用いた。これらの被覆層は、スパッタリング及び化学蒸着(CVD)法を用いて成長し、厚みは300nm~500nmの間で変化した。しかしながら、スパッタリング成長は、粒界が形成されることを意味する非平衡の高異方性成長法であり、空気が窓に接触して劣化プロセスを始めるチャネルを提供する。CVDを用いると、層の品質が良好となる。しかしながら、この方法の高い成長率では、ナノメートルスケールまで膜厚を制御することが困難になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この観点から、外部環境への露出よって生じる劣化の傾向がなく、また低エネルギーX線に対して最適に透明であるX線窓に対する必要性がある。本発明は、この問題を解決することを目標としている。
特開昭57-82954号公報Aは、ベリリウム箔の表面上に窒化ケイ素又は炭化ケイ素の層を含むX線窓を開示している。米国特許出願公開第2015/0053640号明細書A1は、キャリアと固体層の間にエッチングストップ層が存在する層状構造を含む放射窓を製造する方法を開示している。
【0008】
本発明によれば、X線デバイスの内部環境をX線デバイスの外部環境から分離するための窓部材が提供され、窓部材は、基板と、該基板の表面の上に配置された被覆層とを備え、基板は、多結晶材料から形成され、低エネルギーX線に対して実質的に透明であり、被覆層が、非多孔質であり、基板の表面にて結晶粒を覆い、結晶粒間の粒界内に延び、これらの被覆層が、基板と外部環境との間に不浸透性障壁を形成するようになる。発明者らは、粒界を通るガスの貫通及びベリリウムなどの基板材料の酸化の両方が外部環境から基板を隔離して保護する被覆層の存在によって阻止又は低減される基板を提供することによって、X線窓部材の劣化及び故障が緩和される可能性があることを認識した。窓部材は、有利には、空気又は酸素及び水分などの環境要因によって浸透できない被覆層を含み、被覆層が存在しないときにこのような要因に露出されることになる基板において、結晶粒の粒界内に延びるものを含む外部表面を覆ってこれらに共形となる。
【0009】
従来技術の窓部材では、拡散プロセスによって粒界の間に経路を取る空気分子は、漏出及び最終的にデバイス故障を引き起こす可能性がある。腐食に対して耐性を示す材料によるX線窓基板の被覆は、粒表面が堆積材料で覆われ、窓部材が周囲の空気に露出される可能性がある被覆層内に孔及び細孔が形成されないので、窓基板が被る腐食を大幅に低減することができる。
【0010】
基板の表面における結晶粒間の粒界内への被覆層の貫通は、被覆によって定められた障壁が、基板の表面上を連続的に延び、基板の表面の全てを覆って、表面の一部が外部環境雰囲気、ガス、又は流体によって接触されることがないようになることを意味する。被覆層が粒界内に延びる又は貫通する範囲は、典型的には、特定の深さにおける粒界のサイズ又は幅によって、すなわち、隣接する結晶粒間のギャップのスケールによって定められる。被覆層は、典型的には、ギャップのサイズがおよそ原子サイズにまで達する結晶粒の最外表面の下方の深さと同じほど所与の粒界内に深く延びる。典型的には、ベリリウムなどのX線窓基板が通常構成される材料では、粒界ギャップの幅は、外面の下方の深さが増加するにつれて狭くなり、基板又は外側結晶粒の表面の下方の約100nmの深さで、結晶粒間の距離が原子スケールであるようになる。従って、窓部材の被覆層は、典型的には、表面の下方の少なくとも100nmの深さまで粒界内に延びる。換言すると、被覆層は、典型的には、粒界における結晶粒間の空間が原子スケールにある深さまで窓部材の粒界の各々に延びる。この深さでは、結晶粒間のギャップは、被覆層の成長中に粒界を被覆するように原子層堆積(ALD)前駆体が拡散するには小さ過ぎる。
【0011】
被覆層が粒界内に延びる深さは、典型的には、粗い多結晶表面、結晶表面の平均平面又は高さの最外先端の下方又はその中の深さとして測定又は定めることができる。深さは、典型的には「垂直」方向、すなわち、基板又は基板表面の平面に垂直に定められる。粒界内の深さは、結晶粒の上部と隣接する結晶粒との第1の接合点との間の「垂直方向」距離として、すなわち、接触し、又はそれから原子スケールの距離にあり所与の粒が粒界を共有する場所として定めることができる。この深さは、ベリリウムディスク表面の粗さ又は仕上げの影響を受け、これは製造業者の間で、又は表面要件に応じて異なる場合がある。
【0012】
上述のように、基板表面の一部分が外部環境に露出される可能性がある被覆層においてギャップが存在しないことが有利である。このため、被覆層は、典型的には、均一な厚みを有し且つ基板の表面を覆う連続膜を形成する。
【0013】
上述のように、基板は、低エネルギーX線に対して透明又は実質的に透明である。被覆層に起因するX線の減衰を最小にするために、被覆層の厚みは、典型的には200nm未満である。外部環境に対して信頼性が高いカバレージ及び保護を提供するために、基板上の被覆層は典型的には10nm厚又はそれ以上である。被覆層に対して選択された構成材料に応じて、被覆層の厚みは、一部の実施形態において、被覆法に応じて10nm~5000nmに及ぶ可能性がある。
【0014】
被覆層は、典型的には、基板の表面全体にわたって均一な厚みのものである。被覆層は、典型的には、結晶粒及び粒界によって定められる基板の表面輪郭に共形である。換言すると、被覆層の微細構成は、被覆層の表面が基板表面及びその上の特徴部の輪郭に従うようなものである。従って、基板の表面における各結晶粒は、典型的には、被覆層の一部分によって完全に覆われた露出部分を有し、基板の表面にてそれぞれの隣接する結晶粒を覆う被覆層の各隣接部分は、粒界の幅が原子スケールにある粒界において縁部に沿って互いに接触するようになる。
【0015】
被覆層の気孔率は、典型的には1%以下である。このような程度の気孔率は、これらの流体が窓基板に達して影響を与えないように、気体及び液体から有利な程度の保護を提供する。
【0016】
典型的には、被覆層のピンホール密度は10cm-2未満である。これは、基板表面の著しい腐食又は酸化を阻止するために、被覆層の表面におけるピンホールの十分に低い密度である。
【0017】
上述のように、被覆層の減衰は、X線窓部材の性能にとって重要である。減衰は、一般的に非被覆基板を通る透過の程度が50%であるX線エネルギーで、非被覆基板を通る透過の一部として、被覆層で被覆した基板に対するX線透過の減少として定量化される。図8は、約2,500keVの光子エネルギーで非被覆基板Xに対する透過と並んでプロットされたこの減少を示している。図8は、被覆基板及び非被覆基板の両方に対して入射光子エネルギーに対するX線透過の依存性を示す。典型的には、減少ΔがXの5%未満であることが望ましい。従って、典型的には、被覆層によって生じる低エネルギーX線の減衰は、基板によって生じる低エネルギーX線の減衰の5%以下である。
【0018】
X線の透過に大きな影響を及ぼさない窓部材を達成するために、被覆層の厚み及び構成材料は、典型的には、被覆層によって生じる低エネルギーX線の減衰が基板によって生じる低エネルギーX線の減衰の5%以下になるように組み合わせて選択される。好ましくは、被覆層は、5~80の間の原子番号を有する元素を含む材料から、又はより好ましくはこれらのみから形成される。低原子番号の構成材料は、低レベルのX線減衰をもたらすので、上記で記載された原子番号の範囲を適用することができる。
【0019】
一部の実施形態において、被覆層は接着層及び保護層を含み、接着層は保護層を基板の表面に付着させ、保護層は非多孔質である。典型的には、基板表面に施工される第1の層は、このような実施形態において、基板への良好な接着を得るのに用いられる。その上に施工される第2の層は、典型的には、基板を腐食から保護するために選択され用いられる。多層窓部材は、二重層の被覆層と比較して、より低いピンホール密度を有する被覆層を提供することができる。
【0020】
好ましくは、保護層の気孔率は、基板の表面が大気ガス又は液体に露出されるのを阻止するのに十分に低い。
【0021】
一部の実施形態において、接着層はAl23を含み、保護層はTiO2を含む。これらの副層材料の何れもが、接着層又は被覆層の何れかに対してあらゆる他の適切な材料と組み合わせて用いることができる。従って、このような二層被覆は、Al23とTiO2の組み合わせに限定されることなく、同じ機能性を有する他の組み合わせを含むことができる。
【0022】
他の実施形態において、被覆材料は、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、窒化チタン、及び多層酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムの単層を含むことができる。被覆材料の他の実施例は、炭化チタン、二ホウ化チタン、窒化ホウ素、炭化ホウ素、及びこれらの組み合わせ(TiNO、TiBN、TiAlSnN、TiAlN、その他)を含む。
【0023】
接着層及び保護層の各々の厚みは、典型的には200nm未満である。これは、窓部材を通して透過するX線に生じた減衰をそれが最小にするという点で有利である。
【0024】
典型的には、被覆層は、原子層堆積によって基板上に配置される。このプロセスは、共形及び浸透する層成長を提供し、これにより均等且つ均一の厚みで、結晶粒の表面上及び粒界内に均等に施工される被覆層をもたらす。これは、被覆層の浸透品質を保護するのに有利である。一部の他の実施形態において、化学蒸着を用いて、被覆層を基板の表面に施工する。
【0025】
一部の他の実施形態において、DC/RFスパッタリング及びパルスレーザ堆積(PLD)などの、他の従来の薄膜成長技術を用いることができる。最も好ましくは、原子層堆積は、この技術が生成される膜の品質の観点で、及び膜厚を制御することができる精度の観点でスパッタリング及びCVD法よりも優れているので、この技術を用いて被覆層を施工する。X線窓は、基板を窓組立体の中にろう付けする前にベア基板を被覆することによるか、又はろう付け後に窓組立体を被覆することによって被覆することができる。
【0026】
一部の実施形態において、被覆層は導電性材料を含む。好ましくは、被覆層は、10-6Sm-1よりも大きい導電性を有する。所望の導電性を達成するために、被覆層は、例えば、ニオビウムがドープされた二酸化チタンを含むことができる。
【0027】
低エネルギーX線帯域の透明度が窓部材において最大になる場合に有益である。従って、好ましくは、基板は、0.5~10.0keVエネルギー帯域におけるX線に対して実質的に透明である。基板は、好ましくは、上述のエネルギー帯域における低エネルギーX線又はX線に対して90%よりも大きい透過率を有する。
【0028】
透明又は実質的に透明な基板は、有利には、同様に関連エネルギー帯域においてX線透過を有意に減衰しない被覆層と組み合わせて用いられる。典型的には、基板と被覆層を組み合わせた透過率は、0.5~10.0keVエネルギー帯域におけるX線に対して85%よりも大きい。
【0029】
好ましくは、窓部材のX線に対する有効な透明度に関する被覆層の悪影響が最小であり、好ましくは15%内、又はより好ましくは5%である。好ましくは、基板と被覆層を組み合わせた透過率は、基板単独の透過率の95%よりも大きい。
【0030】
一部の実施形態において、基板はベリリウムから形成される。他の実施形態において、基板は、アルミニウム、チタン、ダイヤモンド、又は窒化ケイ素から形成することができる。
【0031】
ここで、本発明による方法及び製品の一部の実施例について、添付図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】原子層堆積プロセスの4つのステージの概略図である。
図2】本発明による窓部材を含むX線デバイスの組立体の斜視図と並んで、本発明による窓部材の平面図を示す。
図3】本発明による窓部材の表面の一部分を概略的に示す図である。
図4】被覆層の構成元素の原子番号に対する被覆層厚みの依存性を示す図である。
図5a】本発明による基板及び被覆層に対する透過スペクトルを示す図である。
図5b】本発明による基板及び被覆層に対する透過スペクトルを示す図である。
図5c】本発明による基板及び被覆層に対する透過スペクトルを示す図である。
図5d】本発明による基板及び被覆層に対する透過スペクトルを示す図である。
図6】模擬高湿度状態への露出の前後の本発明による被覆基板と並んで非被覆基板を概略的に示す図である。
図7】本発明による被覆窓部材を備えた管と共に非被覆窓を有するX線管の出力X線スペクトルを示す図である。
図8】光子エネルギーに対するX線窓の透過率の依存性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1を参照すると、本発明による窓部材を生成するための例示的な方法の4つのステージが示されている。具体的には、例示の実施例は、原子層堆積(ALD)プロセスである。これは、循環堆積及び反応に基づく超薄被覆方法である。このような被覆プロセス中に、2又は3以上の化学蒸気又は気体前駆体は、基板表面に対して順次的に反応して、固体薄膜を生成する。このような方法では、不活性キャリアガスがシステムを流動し、前駆体が搬送流内に極めて短いパルスによって注入されて、反応室内に該前駆体を輸送する。
【0034】
ステージAでは、基板103の表面は、好適な気体状反応物121に露出され、これが表面103と反応すると単分子層を形成する。
【0035】
ステージBでは、過剰反応物121及びあらゆる副生成物は、アルゴン又は窒素などの不活性ガスをチャンバ内に流すことによってパージ又は排出され、従って、反応物又は副生成物が置き換わる。
【0036】
(酸化膜に対する)ステージCでは、原子状酸素(O)、過酸化水素(H22)、オゾン(O3)、又は水(H2O)などの酸化剤123が、チャンバ又は管の中にパルスとして導入される。これは、事前吸着層122を完全に酸化する効果を有し、これにより酸化物が形成される。他の反応物は、当技術分野で周知の窒化物又は炭化物を形成するのに用いられる。
【0037】
ステージDでは、過剰な酸化剤123は、この場合もアルゴン又は窒素もしくは別の適切な不活性ガスのパルスを送出することによって、チャンバ又は管からパージされる。従って、酸化物被覆層106で被覆された基板103が形成される。被覆層106の所望の厚みに応じて、ステージA~Dを通して示された堆積のサイクルは、これに応じて繰り返すことができる。
【0038】
ALDプロセスの結果は、基板103の表面全体にわたって連続的に延びる極めて均質で共形の膜である。この技術を用いて施工された被覆106は、基板表面のトレンチの中に深く延びるが、このようなトレンチは、図1に示す基板103の部分には示されていない。上述のように、反応が繰り返される回数は、堆積した被覆106の厚みを決定付ける。
【0039】
本発明による例示的な窓部材は、部材が据え付けられたX線デバイス210の一部分と共に図2に示されている。窓部材201は、多結晶ベリリウム基板を含み、マイクロメートルサイズのベリリウム粒は、基板の表面にて不浸透性被覆で被覆される。X線窓201は、5~20mmの直径及び12~500μmの厚みを有する円板である。
【0040】
窓部材がX線窓の要件を満たすように、被覆層の材料及び薄膜成長法を選択することができる複数の基準がある。
【0041】
第一に、被覆は均一であり、窓表面全体、又はX線デバイス210の外部環境に露出されることになる基板の表面全体を覆うべきである。被覆は、被覆の輪郭が基板の表面輪郭を繰り返すように基板表面上で成長する。基板の表面にて2つの隣接するベリリウム結晶粒307間の粒界308の断面は、図3に概略的に示されている。被覆層306は、原子層堆積によって施工され、このため粒307の表面輪郭に共形となる。従って、被覆層は、基板表面の平面を定める粒207の外向きのほとんどの部分の下方の約100nmの深さまで粒界208内に延びる。これは、隣接するベリリウム結晶間のギャップが原子スケールに達する深さに至るまで、露出した粒表面の全ての部分を均一に被覆するALDプロセスに起因する。100nmを超える深さは、典型的には、ベリリウム基板の粒界ギャップがこのサイズまで狭くなる表面粒界内の点である。従って、ALDよって生じる等方性的な成長は、基板の一部を露出させず、すなわち、被覆層によって覆われない。このようにして、デバイス210のものなどの据え付けられた窓部材201の基板は、デバイス210の外部にある周囲の雰囲気から完全に隔離される。
【0042】
被覆層に対する別の基準は、それが低気孔率膜の形態にあることである。すなわち、被覆は、あらゆる液体又は気体が通過することができる間隙がないか又は無視できる。従って、被覆は、被覆層の他方側の雰囲気、環境、又は流体から基板まで、膜が完全に配置される基板を隔離する働きをする。
【0043】
更なる基準は、0.5~10.0keVエネルギー帯域にある低エネルギーX線放射まで90%よりも大きい高い透過率を被覆層が有することである。
【0044】
更なる考慮事項は、被覆層の化学的安定性が高いことであり、これは、露出される可能性がある基板又は雰囲気もしくは環境に反応しないことを意味する。従って、このような化学的に安定した被覆層は、外部雰囲気から基板を隔離する障壁として機能し続けるように、窓の不浸透性構造及び全体被覆を保持することになる。
【0045】
被覆層の均一性及び気孔率は、施工するのに用いる成長法に部分的に依存する。以下の表1は、通常用いられる幾つかの成長法(スパッタリング、パルスレーザ堆積(PLD)、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)及びゾルゲル(溶液ベース))をリストアップしている。表1には、各方法を用いて達成可能な測定気孔率及び三次元均一性が提示されている。ゾルゲル以外の全ての方法を用いて、良好な程度の不浸透性を達成することができることが分かる。しかしながら、表から分かるように、基板及びその中の結晶粒の表面輪郭に共形となる成形層をもたらし、3D均一性によって示された等方性層成長は、ALD及びCVDによってのみ達成することができる。この理由は、等方性成長が表面限定反応と共に行うべきであり、そのためスパッタリング及びPLDベースの成長は方向性があり、前駆体材料に向かって角度をなす又はこれに対面する結晶粒の表面又は領域上で主として、又は専ら起こるためである。ベリリウム及び他の多結晶材料は、非平滑面をもたらすこれらの表面に結晶粒を含み、正常因子は、粒界と交差する粒構造に応じて変化し、粒界は、このような方法を用いるとき被覆されないままにする場合がある。これらの場合、粒界は、外部環境が基板に接触する場合がある漏出経路を提供することができる。
【0046】
被覆層が形成される方法に対する更なる考慮事項は、側厚を達成できるように、被覆層の厚みを正確に制御する能力である。これは、あらゆる過剰な厚みがX線が通過する必要がある被覆材料のあらゆる大きな深さの存在に起因して、X線透過率を低下させることになるので有利である。原子層堆積は、1サイクル当たり1原子の材料の堆積することを含むので、最大程度の層厚さ制御を可能にする。CVDを行うための種々の技術が利用可能であり、成長中に存在するガス環境の圧力が変化する。最も一般的には、CVDは、大気圧から数mTorr程度までに及ぶ比較的高い圧力で行われる。上述の例示的な方法の変形形態では、被覆層は、約10-3Torrの低圧でCVDを用いて施工される。本方法は、被覆層厚みの微細レベルの制御を可能にする。被覆層を多結晶窓に施工するCVD法は、例えば、被覆層を形成するのに極めて低い原子番号材料を用いるのに適している。このような材料の実施例は、ダイヤモンド状炭素、窒化アルミニウム、及び炭化ホウ素である。これらの低原子番号により、このような材料から生成される被覆層は、CVDベースの被覆プロセスから通常は生じる高成長率及び厚い層にもかかわらず、5%以下の所望のエネルギー帯域でX線減衰をもたらす。
(表1)
【0047】
上述したように、被覆層の低エネルギーX線への透過率は、被覆層の構成元素の原子番号(Z)と層の厚みの組み合わせに影響される。原子番号が低いほど、所与の所望の透過率の被覆を生成するために使用することができる層の厚みが大きくなる。この関係を立証する実験データが、図4に示されている。ここで、Y軸は、被覆層の厚みに対応する。ベリリウム基板及び被覆層を通過した後のX線は、好ましくは、入射X線ビームの90%よりも小さくすべきではない。従って、グラフは、90%閾値を上回る全体の透過率を有する被覆窓を依然としてもたらすことができる被覆層構成の原子番号に対する被覆層の厚みの依存性を示す。被覆層材料の原子番号が増加するにつれて、所望のレベルの透明性を呈する特定の閾値よりも大きい透過率をもたらす被覆層の最大厚みが減少することが分かる。
【0048】
本実施例では、被覆層は、酸化タングステン(WO3)から形成される。タングステンの原子番号はZ=74である。この例示的な被覆層は、100nmまでの膜厚に対して上述のエネルギー帯域における低エネルギーX線に対して効果的に透明であることが見出されている。本実施例に対する測定された透過率データが、図5Dに示されている。100nmの被覆厚みは、基板が窓部材の有用寿命において5倍の増加を生み出すようにある程度の保護環境隔離を提供するのに十分であることが見出されている。
【0049】
図5A、5B、及び5Cは、それぞれ1μm厚のAl23、500nm厚のZrO2、及び300nm厚のSnO3被覆層に対して測定された透過スペクトルを示す。これらの各々は、127μm厚のベリリウム基板窓の透過スペクトルと並んでプロットされ、127μm厚のベリリウム基板のものと組み合わせて、被覆窓部材を形成する。これらの比較から、被覆層を通る透過は、ベリリウム窓を通る透過に匹敵することが分かる。従って、被覆層に起因する追加のX線減衰は僅かなことが分かる。
【0050】
上で提示された基準に従って、広範囲の材料が、腐食保護被覆層として用いられるのに適していると識別されている。以下の表2には、それぞれの被覆層材料を基板に施工するのに用いることができる上述のものの成長法と並んで、複数の例示的な被覆層材料が挙げられている。
(表2)
【0051】
腐食に対する被覆層の抵抗を例示する目的のために、第1の例示的な窓部材によるベリリウム基板の比較研究は、被覆層の有無にかかわらず行われている。被覆及び非被覆ベリリウム基板は、高レベルの周囲湿度に露出された。高湿度は、ベリリウム基板の中心に水滴を形成する方法によって模擬され、基板がホットプレート上に置かれた。実験は、非被覆ベリリウム基板が時間と共に浸食し、ピットを形成したことを示したが、被覆層を有するベリリウム基板の表面は、水分と接触した後も不変のままであった。これらの結果は図6に示されている。図Aの概略図は、127μmの厚みを有する非被覆ベリリウム基板603Aを示す。上で説明した条件で水分と接触した後、ピット619は、模擬高湿度よって生じる腐食により基板603Aに形成される。100nm厚の被覆層606を施工した同様の基板603Bは、同じ条件でピットを形成しなかった。被覆基板を含む窓部材601の不変状態は、Bの前及び後図面で見ることができる。
【0052】
従って、ベリリウム基板の浸食率は、被覆層の存在によって著しく低下することが見出された。浸食の明確な兆候は、被覆ベリリウム窓では全く見出せなかった。
【0053】
加えて、ろう付け窓組立体を用いた実験が行われた。これらの実験では、被覆基板を有する組立体は、非被覆窓を有するろう付け窓組立体の有効寿命の5倍を上回ることを示したことが見出された。
【0054】
耐食層で基板を被覆する2つの方法は、ろう付け窓組立体を被覆し、又は被覆窓ディスクをろう付けしている。好ましい方法は、選ばれた被覆材料の特性により決まることになる。約800℃のろう付け温度に耐えることができる材料は、ろう付けする前にこれらの窓ディスク、すなわち多結晶基板ディスク上に被覆することができる。この方法で施工するのに好適な被覆の実施例は、2,500℃よりも高い溶融温度を有する、窒化ホウ素、炭化ホウ素、及び窒化チタンを含む。
【0055】
より低い融点の材料は、これらがろう付けされた後に窓組立体上に堆積するのにより適している。このような材料の実施例は、二酸化チタン、酸化アルミニウム(iii)、及び二酸化ジルコニウムを含む。
【0056】
模擬及び実験研究は、窓部材に最適又は適切な被覆層の厚みを確立するために行われている。これらは、Z=80までの構成原子番号を有する材料を用いることができることを示している。最適厚みは、材料の質量減衰係数により決まる。
【0057】
この係数は、材料の原子番号及び密度により決まる。これらのパラメータの値が大きいほど、十分高い透過率を達成するために、被覆層の厚みをより小さくする必要がある。元素及び複合材料の両方を用いて、被覆層を形成することができる。
【0058】
第2の例示的な窓部材では、被覆層は複数の副層を含む。詳細には、本実施例は、被覆層の一部として接着層及び保護層を含む。様々な化学組成を有するこれらの様々な副層は、基板の上にスタックを形成するように互いに積み重なって堆積される。この配列は、保護層として接着層の上部で成長したTiO2と共に、接着層として基板表面の上に形成されたAl23を含む。
【0059】
上述のように、被覆層の最大許容厚みは、被覆層の質量減衰係数により異なる。この最大許容厚みの基準は、関連するX線エネルギー帯域において被覆層を通るX線透過のスペクトルが、ベリリウム基板自体の透過スペクトルに匹敵すべきであるという要件によって決定することができる。上述したように、スペクトルは、図5A~5Dにプロットされる。
【0060】
以上で記載された例示的な窓部材の変形形態は、アルミニウム、チタン、ダイヤモンド、及び窒化ケイ素から作られた基板を含む。これらの種々の材料から形成された基板は、様々な程度の表面粗さを有することになる。各基板の表面粗さに応じて、被覆層が保護の不浸透性障壁として働くことを可能にする被覆層に対する最小厚みは、僅か10nmまで減少させることができる。
【0061】
窓部材のための構成材料を選択する上での更なる考慮事項は、透過X線強度を著しく低減しないと同時に、窓部材材料が窓部材自体に存在する元素によって生じるX線蛍光によって出力X線スペクトルを汚染してはいけないということである。TiO2被覆層で被覆されたX線窓を含むX線管を用いて行われた試験の実験結果が、図7に示されている。このデータは、管のX線スペクトルを被覆及び非被覆窓と比較する。被覆材料からの蛍光線は、スペクトルには存在しないことが分かる。
【0062】
2.7keV、20.21keV及び22.72keVでの発光ピークは、それぞれロジウムLα、Kα、及びKβ線に対応する。スペクトルにてチタン蛍光線が検出されていないことは、これが、この保護被覆で被覆された窓部材を通して汚染されていないX線を透過するのに適した材料であることを意味する。
【符号の説明】
【0063】
306 被覆層
307 結晶粒
308 粒界
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図6
図7
図8