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特許7238059昇降機保守作業システム、作業方法、および、端末用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】昇降機保守作業システム、作業方法、および、端末用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20230306BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
G06Q10/20
B66B5/00 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021149251
(22)【出願日】2021-09-14
【審査請求日】2021-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 智史
【審査官】新里 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-256143(JP,A)
【文献】特開2019-156511(JP,A)
【文献】特開2019-028556(JP,A)
【文献】特開2007-207276(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0173217(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B66B 5/00-5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降機の保守点検のための昇降機保守作業システムであって、
前記昇降機の保守点検時に作業者により携帯される携帯端末と、
前記携帯端末にネットワーク接続されるセンターシステムと、
を備え、
前記センターシステムは、前記昇降機の保守点検のための作業手順を規定する作業項目と、前記作業項目の作業内容に応じて、前記作業項目ごとに設定される属性情報と、を含む作業シナリオを設定する作業シナリオ設定部を備え、
前記携帯端末は、
前記センターシステムの前記作業シナリオ設定部で設定された前記作業シナリオを呼び出し、前記作業シナリオに沿って進められる前記作業項目を音声メッセージとして読み上げる音声案内部と、
前記音声案内部によって前記音声メッセージとして読み上げられる前記作業項目の前記属性情報を判定する判定部と、
前記判定部での判定結果に基づいて、前記音声メッセージとして読み上げられるメッセージデータに前記属性情報に応じた加工を施す変換部と、を備え、
前記変換部で加工が施された前記メッセージデータによって、前記音声案内部により読み上げられる前記作業項目を目視せずに確認可能にしたことを特徴とする昇降機保守作業システム。
【請求項2】
前記変換部は、前記メッセージデータの加工として、前記音声メッセージに効果音を付加したり、振動の追加、または、声色を変更したりすることを特徴とする請求項1に記載の昇降機保守作業システム。
【請求項3】
前記センターシステムは、
前記携帯端末とデータ通信を行う通信部と、
前記作業シナリオ設定部で設定された前記作業シナリオを保管する作業シナリオ保管部と、
前記作業シナリオに沿って進められる前記作業項目の作業内容に対する、前記作業者による作業結果を保管する作業結果保管部と、
を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の昇降機保守作業システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、
前記センターシステムとデータ通信を行う通信部と、
前記音声案内部により前記音声メッセージとして読み上げられる前記作業項目の作業内容に対する、前記作業者による作業結果を音声により入力させる収音部と、
前記収音部で収集された音声を認識する認識部と、
前記認識部での認識結果から、前記昇降機の点検作業に関する作業状況を管理する管理部と、
前記音声案内部により読み上げられる前記音声メッセージに合わせて振動する振動部と、
を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の昇降機保守作業システム。
【請求項5】
前記携帯端末とネットワーク接続されるスマートデバイスをさらに備え、
前記スマートデバイスは、
前記作業シナリオに沿って進められる前記作業項目を音声メッセージとして読み上げる音声案内部と、
前記音声案内部により前記音声メッセージとして読み上げられる前記作業項目の作業内容に対する、前記作業者による作業結果を音声により入力させる収音部と、
前記音声案内部により読み上げられる前記音声メッセージに合わせて振動する振動部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の昇降機保守作業システム。
【請求項6】
昇降機の保守点検を、携帯端末と前記携帯端末にネットワーク接続されるセンターシステムとを有する昇降機保守作業システムを用いて行う作業方法であって、
前記センターシステムは、
前記昇降機の保守点検のための作業手順を規定する作業項目と、前記作業項目の作業内容に応じて、前記作業項目ごとに設定される属性情報と、を含む作業シナリオを設定する作業シナリオ設定部を備え、
前記携帯端末は、
前記昇降機の保守点検時に作業者により携帯され、前記センターシステムの前記作業シナリオ設定部で設定された前記作業シナリオを呼び出し、前記作業シナリオに沿って進められる前記作業項目の作業内容を音声メッセージとして読み上げる音声案内部と、
前記音声案内部によって前記音声メッセージとして読み上げられる前記作業項目の前記属性情報を判定する判定部と、
前記判定部での判定結果に基づいて、前記音声メッセージとして読み上げられるメッセージデータに前記属性情報に応じた加工を施す変換部と、を備え、
前記変換部で加工が施された前記メッセージデータによって、前記音声案内部により読み上げられる前記作業項目を目視せずに確認可能にした工程を有することを特徴とする昇降機保守作業システムを用いて行う作業方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の昇降機保守作業システムとしてコンピュータを機能させるための端末用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、昇降機保守作業システム、作業方法、および、端末用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、昇降機の保守作業は、作業者が事前に把握している作業手順に沿って、予定している作業項目の作業内容を実施するようになっている。作業手順の確認が必要な場合には、作業手順が記されたものを目視により確認した上での作業となる。
【0003】
また、表示されている項目をタッチすることで、表示の内容を読み上げるガイド機能付きの端末装置も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-71145号公報
【文献】特開平8-227341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来は、単に読み上げられる音声ガイダンス(音声メッセージ)を聞くだけであったため、作業手順は確認できたとしても、その作業項目が予定していたものなのかどうかまでは、音声ガイダンスを聞いただけではわからない。つまり、音声ガイダンスを聞いただけでは、その作業項目が今般の保守作業で必ず実施しなければならないものなのか、逆に、次回の保守作業での実施でも良いものなのか、といった作業の重要度まではわからない。
【0006】
同様に、読み上げられる音声ガイダンスを最後まで聞かないと、その作業項目が、良否判定のものなのか、測定値判定のものなのか、あるいは、決められた選択肢の中から候補を選ぶ選択(項目)判定のものなのか、といった判断が難しい。
【0007】
本発明の実施形態は、昇降機の保守作業において、作業手順を目視により確認したり、音声ガイダンスを最後まで聞かずとも、作業項目の重要度などの属性情報を容易に判断でき、保守作業時の作業性を向上させることが可能な昇降機保守作業システム、作業方法、および、端末用プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態は、昇降機の保守点検のための昇降機保守作業システムであって、前記昇降機の保守点検時に作業者により携帯される携帯端末と、前記携帯端末にネットワーク接続されるセンターシステムと、を備え、前記センターシステムは、前記昇降機の保守点検のための作業手順を規定する作業項目と、前記作業項目の作業内容に応じて、前記作業項目ごとに設定される属性情報と、を含む作業シナリオを設定する作業シナリオ設定部を備え、前記携帯端末は、前記センターシステムの前記作業シナリオ設定部で設定された前記作業シナリオを呼び出し、前記作業シナリオに沿って進められる前記作業項目を音声メッセージとして読み上げる音声案内部と、前記音声案内部によって前記音声メッセージとして読み上げられる前記作業項目の前記属性情報を判定する判定部と、前記判定部での判定結果に基づいて、前記音声メッセージとして読み上げられるメッセージデータに前記属性情報に応じた加工を施す変換部と、を備え、前記変換部で加工が施された前記メッセージデータによって、前記音声案内部により読み上げられる前記作業項目を目視せずに確認可能にしたことを特徴とする。
【0009】
本発明の実施形態は、昇降機の保守点検を、携帯端末と前記携帯端末にネットワーク接続されるセンターシステムとを有する昇降機保守作業システムを用いて行う作業方法であって、前記センターシステムは、前記昇降機の保守点検のための作業手順を規定する作業項目と、前記作業項目の作業内容に応じて、前記作業項目ごとに設定される属性情報と、を含む作業シナリオを設定する作業シナリオ設定部を備え、前記携帯端末は、前記昇降機の保守点検時に作業者により携帯され、前記センターシステムの前記作業シナリオ設定部で設定された前記作業シナリオを呼び出し、前記作業シナリオに沿って進められる前記作業項目の作業内容を音声メッセージとして読み上げる音声案内部と、前記音声案内部によって前記音声メッセージとして読み上げられる前記作業項目の前記属性情報を判定する判定部と、前記判定部での判定結果に基づいて、前記音声メッセージとして読み上げられるメッセージデータに前記属性情報に応じた加工を施す変換部と、を備え、前記変換部で加工が施された前記メッセージデータによって、前記音声案内部により読み上げられる前記作業項目を目視せずに確認可能にした工程を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の実施形態は、昇降機保守作業システムとしてコンピュータを機能させるための端末用プログラムであることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る昇降機保守作業システムとしての作業手順音声アシストシステムの構成例を示すブロック図。
図2】作業手順音声アシストシステムで用いられる属性情報マスタの一例を示す図。
図3】作業手順音声アシストシステムで用いられる出力区分マスタの一例を示す図。
図4】作業手順音声アシストシステムで用いられる出力設定マスタの一例を示す図。
図5】作業手順音声アシストシステムの作業手順シナリオデータ(作業シナリオデータ)の一例を示す図。
図6】作業手順音声アシストシステム(センターシステム)の動作の流れを示すフローチャート。
図7A】第1実施形態に係る作業手順音声アシストシステムの動作の流れを示すフローチャート(その1)。
図7B】第1実施形態に係る作業手順音声アシストシステムの動作の流れを示すフローチャート(その2)。
図8】第2実施形態に係る昇降機保守作業システムとしての作業手順音声アシストシステムの構成例を示すブロック図。
図9A】第2実施形態に係る作業手順音声アシストシステムの動作の流れを示すフローチャート(その1)。
図9B】第2実施形態に係る作業手順音声アシストシステムの動作の流れを示すフローチャート(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
[第1実施形態]
<第1実施形態に係る作業手順音声アシストシステム(昇降機保守作業システム)の構成>
まず、本発明の第1実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1の概略(制御系のハードウェア構成)について説明する。
【0014】
図1は、第1実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1の構成例を示すものである。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1は、エレベータなどの昇降機30と、当該昇降機30と通信ネットワーク20を介して接続され、当該昇降機30のメンテナンス作業を行う作業者が携帯する携帯端末10と、当該携帯端末10および昇降機30と通信ネットワーク20を介して接続されるセンターシステム130と、を備える。
【0016】
ここで、本実施形態の携帯端末10、昇降機30、および、センターシステム130の制御系は、それぞれ、一般的なOS(Operating System)などが搭載された情報処理装置(コンピュータ)により実現できる。
【0017】
即ち、携帯端末10、昇降機30、および、センターシステム130の制御系は、いずれも図示していないが、端末全体を制御するCPU(Central Processing Unit)などの制御部と、各種データや各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの主記憶部と、各種データや各種プログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)や各種ドライブ装置などの補助記憶部と、これらを接続するバスと、を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成により実現可能である。
【0018】
なお、CPUは、現在時刻を計る計時機能を有する。補助記憶部に記憶されるプログラムとしては、後述する作業手順音声アシスト用アプリケーションなどが挙げられる。
【0019】
そして、制御部には、情報を表示するディスプレイである表示部と、作業者の指示入力を受け付けるキーボードやマウスなどの操作入力部と、通信ネットワーク20を介した通信を制御する通信I/F(interface)と、マイクと、スピーカと、がバスにより、各々接続される。
【0020】
また、本実施形態の携帯端末10、昇降機30、および、センターシステム130の制御系で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルであって、CD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0021】
なお、本実施形態の携帯端末10、昇降機30、および、センターシステム130の制御系で実行されるプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。
【0022】
または、本実施形態の携帯端末10、昇降機30、および、センターシステム130の制御系で実行されるプログラムを、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0023】
または、本実施形態の携帯端末10、昇降機30、および、センターシステム130の制御系で実行されるプログラムを、ROMなどに予め組み込んで提供するように構成しても良い。
【0024】
次に、携帯端末10のCPUがプログラムにしたがって実行する各種の演算処理、昇降機30のCPUがプログラムにしたがって実行する各種の演算処理、および、センターシステム130のCPUがプログラムにしたがって実行する各種の演算処理のうち、本実施形態の特徴的な処理である作業手順音声アシスト用アプリケーションの機能を実現するための構成について、以下に説明する。
【0025】
まず、携帯端末10の機能について説明する。
【0026】
図1に示すように、携帯端末10は、出力構成機器である振動部11、音声出力部(音声案内部)12、および、情報表示部13と、入力構成機器である収音部14と、音声アシストアプリケーション処理部15と、昇降機30およびセンターシステム130との通信を行う第1通信部16と、を有する。
【0027】
収音部14は、昇降機30の点検運転操作時の当該携帯端末10の周囲の音を、マイクを介して収集する。
【0028】
音声アシストアプリケーション処理部15は、当該携帯端末10に搭載された作業手順音声アシスト用アプリケーションを実行する機能部であり、出力変換部151と、作業状況管理部152と、データ記憶部153と、属性情報判定部154と、動作制御部155と、音声認識部156と、判定処理部157と、を有する。
【0029】
データ記憶部153は、後述する「保守作業用の作業シナリオデータ」、「作業項目ごとに実施のインターバルをもち、今回の作業時に対応が必須かどうかを定義する重要度」、「作業項目に対する結果の判定方法が、良否判定なのか、測定値判定なのか、選択項目判定なのかを示す判定種別」、「作業項目の危険度」などの属性情報、および、「通知用の効果音」や「作業結果、判定マスタ(例えば、出力設定マスタ)の情報」などを記録する。
【0030】
作業状況管理部152は、保守作業用の作業シナリオデータのどの位置(作業項目)まで作業が進行しているかを管理する。
【0031】
属性情報判定部154は、作業項目ごとに設定されている重要度、判定種別、危険度などの属性情報や効果音などを判定する。
【0032】
出力変換部151は、属性情報判定部154の結果を受けて出力内容を変換し、振動部11、音声出力部12、および、情報表示部13に出力する。
【0033】
音声認識部156は、収音部14から収集した音から言葉を認識する。
【0034】
判定処理部157は、音声認識部156で認識した言葉が作業項目の登録結果として適切か否かを判定する。
【0035】
動作制御部155は、作業手順音声アシスト用アプリケーションの各処理の連携を制御する。
【0036】
第1通信部16は、通信I/F(図示省略)および通信ネットワーク20を介して、昇降機30やセンターシステム130との情報通信を行う。
【0037】
音声出力部12は、出力変換部151からの出力(メッセージデータ)を受けてスピーカより音声出力(音声メッセージの読み上げなど)を行う。
【0038】
情報表示部13は、出力変換部151からの出力を受けて表示部に文字表示する。
【0039】
振動部11は、出力変換部151からの出力を受けて携帯端末10を振動させる。
【0040】
次に、昇降機30の機能について説明する。
【0041】
図1に示すように、昇降機30は、第2通信設定部31と、第2通信部32と、信号記憶部33と、運転モード切替操作部34と、運転指令操作部35と、運転可否判定部36と、運転指令部37と、駆動部38と、を有する。
【0042】
第2通信設定部31は、通信I/F(図示省略)および通信ネットワーク20を介して、携帯端末10やセンターシステム130との情報通信に必要な情報を記憶する。
【0043】
第2通信部32は、通信I/F(図示省略)および通信ネットワーク20を介して、携帯端末10やセンターシステム130との情報通信を行う。
【0044】
信号記憶部33は、携帯端末10やセンターシステム130より受信した情報から運転可否の信号を記憶する。より詳細には、携帯端末10から送信された運転可能の信号、または、運転モード切替操作部34によって点検速度運転に切り替えられた際の運転不可の信号を記憶する。
【0045】
運転モード切替操作部34は、昇降機30の運転モードを通常速度運転か、メンテナンス作業のための点検速度運転か、の切り替えを行う。
【0046】
運転指令操作部35は、昇降機30を上昇運転または下降運転させる指令を出すための操作を受け付ける操作部である。
【0047】
運転可否判定部36は、運転指令操作部35からの昇降機30を上昇運転または下降運転させる指令に対し、信号記憶部33の運転可否の信号状態を基に、運転可否の判定結果を生成する。
【0048】
運転指令部37は、運転指令操作部35から運転指令の操作を受け付けた際に、運転可否判定部36の判定結果に基づき、上昇運転または下降運転の運転指令を出力する。例えば、運転指令部37は、信号記憶部33に運転可能の信号が記憶されている場合、駆動部38に運転指令を出力する。
【0049】
駆動部38は、運転指令部37からの運転指令を受けて上昇運転または下降運転を行う。
【0050】
次に、センターシステム130の機能について説明する。
【0051】
図1に示すように、センターシステム130は、作業シナリオデータの取得先または作業結果の送信先として機能するものであって、作業項目の手順を設定する作業シナリオ設定部131と、作業シナリオ設定部131で設定した内容(作業シナリオデータ)を保管する作業シナリオ保管部132と、携帯端末10や昇降機30との通信を行う第3通信部133と、作業者が携帯端末10で登録した作業結果を保管する作業結果保管部134と、を有する。
【0052】
作業シナリオ設定部131は、昇降機30の保守点検のための作業手順を規定する作業項目と、作業項目の作業内容に応じて、作業項目ごとに設定される属性情報と、を含む作業シナリオデータ(詳細については、後述する)を設定する。
【0053】
次に、本実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1で用いられる各種のマスタについて説明する。
【0054】
図2は、本実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1で用いられる属性情報マスタの一例を示すものである。
【0055】
属性情報マスタとは、例えば図2に示すように、重要度、判定種別、危険度の属性情報について、作業シナリオデータ上で持つ数値を定義したものである。
【0056】
即ち、作業シナリオデータ上の作業項目の重要度が、その作業内容に応じて、いずれかの数値「1」~「3」により設定される。重要度としては、例えば属性情報マスタにおいて、今般の保守作業で必ず実施しなければならない作業項目の場合には[必須]として「1」が、できれば実施したほうが良い作業項目の場合には[実施可]として「2」が、次回の保守作業での実施でも良い作業項目の場合には[実施不要]として「3」が、それぞれ重要度区分として割り当てられる。
【0057】
同様に、作業シナリオデータ上の作業項目の判定種別が、その作業内容に応じて、いずれかの数値「1」~「3」により設定される。判定種別としては、例えば属性情報マスタにおいて、[良否判定]の作業項目の場合には「1」が、[測定値判定]の作業項目の場合には「2」が、決められた選択肢の中から候補を選ぶ[選択判定]の作業項目の場合には「3」が、それぞれ判定種別区分として割り当てられる。
【0058】
同様に、作業シナリオデータ上の作業項目の危険度が、その作業内容に応じて、いずれかの数値「1」~「3」により設定される。危険度としては、例えば属性情報マスタにおいて、[大]の作業項目の場合には「1」が、[中]の作業項目の場合には「2」が、[小]の作業項目の場合には「3」が、それぞれ危険度区分として割り当てられる。
【0059】
図3は、本実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1で用いられる出力区分マスタの一例を示すものである。
【0060】
出力区分マスタとは、例えば図3に示すように、重要度、判定種別、危険度の属性情報について、各値に対する属性情報判定部154で出力する処理を数値で定義したものである。
【0061】
即ち、作業シナリオデータ上の作業項目の重要度区分が、例えば出力区分マスタにおいて、「1」であれば、後述する出力設定マスタの「101」が、「2」であれば、出力設定マスタの「102」が、「3」であれば、出力設定マスタの「103」が、それぞれ出力区分として割り当てられる。
【0062】
同様に、作業シナリオデータ上の作業項目の判定種別区分が、例えば出力区分マスタにおいて、「1」であれば、後述する出力設定マスタの「0」が、「2」であれば、出力設定マスタの「301」が、「3」であれば、出力設定マスタの「303」が、それぞれ出力区分として割り当てられる。
【0063】
同様に、作業シナリオデータ上の作業項目の危険度区分が、例えば出力区分マスタにおいて、「1」であれば、後述する出力設定マスタの「401」が、「2」であれば、出力設定マスタの「402」が、「3」であれば、出力設定マスタの「0」が、それぞれ出力区分として割り当てられる。
【0064】
図4は、本実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1で用いられる出力設定マスタの一例を示すものである。
【0065】
出力設定マスタとは、例えば図4に示すように、重要度、判定種別、危険度の属性情報について、属性情報判定部154で判定した数値を基に、出力変換部151で変換する処理内容を定義したものである。
【0066】
即ち、作業シナリオデータ上の作業項目の属性情報の出力区分が、例えば出力設定マスタにおいて、「0」であれば「無」が、「101」であれば「警告音(効果音)1の付加」が、「102」であれば「警告音2の付加」が、「103」であれば「警告音3の付加」が、それぞれ割り当てられる。
【0067】
同様に、作業シナリオデータ上の作業項目の属性情報の出力区分が、例えば出力設定マスタにおいて、「201」であれば「振動パターン1の付加」が、「202」であれば「振動パターン1の付加」が、「203」であれば「振動パターン1の付加」が、それぞれ割り当てられる。
【0068】
同様に、作業シナリオデータ上の作業項目の属性情報の出力区分が、例えば出力設定マスタにおいて、「301」であれば「女性の声に変換」が、「302」であれば「男性の声に変換」が、「303」であれば「ロボットの声に変換」が、それぞれ割り当てられる。
【0069】
同様に、作業シナリオデータ上の作業項目の属性情報の出力区分が、例えば出力設定マスタにおいて、「401」であれば「危険音(効果音)1の付加」が、「402」であれば「危険音2の付加」が、「403」であれば「危険音3の付加」が、それぞれ割り当てられる。
【0070】
次に、本実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1の作業シナリオデータについて説明する。
【0071】
図5は、本実施形態の作業シナリオデータおよび作業結果データの一例を示すものである。
【0072】
作業シナリオデータとは、昇降機30の保守作業における作業手順とその属性情報とを設定するためのもので、センターシステム130の作業シナリオ設定部131で設定され、作業シナリオ保管部132で保管される。作業結果データは、作業シナリオデータの作業項目に対応付けられて、作業結果保管部134に保管される。
【0073】
即ち、作業シナリオデータとしては、例えば図5に示すように、[作業シナリオ番号]と、[作業項目番号]と、[作業項目名]と、[重要度]、[判定種別]、[危険度]の属性情報と、からなる。
【0074】
ここで、本実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1によれば、作業手順を音声によりアシスト可能なシステムとして、作業項目ごとの重要度や危険度などの属性情報に応じて、音声出力を変化、例えば、作業項目を読み上げる際の冒頭に効果音(警告音など)を付したり、振動させたり、声色を変えることなどが可能となる。したがって、作業手順や作業項目の表示画面を目視により確認せずとも、作業項目が実施必須項目かどうかの判別や実施する作業項目の危険度などを容易に認識することが可能となる。
【0075】
特に、作業項目の説明時の声色で、良否判定の項目なのか、測定値判定の項目なのか、選択式の選択判定の項目なのか、の識別が可能となったり、説明を最後まで聞かなくても、音声ガイダンスの冒頭の部分を聞くだけで、必須項目でなければ今般の保守作業では実施しないといった判断が容易になる。
【0076】
<第1実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1の動作>
次に、本実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1の動作について説明する。
【0077】
図6は、センターシステム130における動作(処理)の流れを示すものである。
【0078】
センターシステム130においては、図6に示すように、まずは、作業シナリオ設定部131で保守作業を実施する手順に応じた作業シナリオデータ(図5参照)が作成される(ステップS01)。
【0079】
次いで、作業シナリオ設定部131で作成した作業シナリオデータはマスターデータとして、作業シナリオ保管部132で保存される(ステップS02)。
【0080】
図7A,7Bは、携帯端末10における動作(処理)の流れを示すものである。
【0081】
まずは、携帯端末10の第1通信部16と昇降機30の第2通信部32とセンターシステム130の第3通信部133との間で、通信ネットワーク20を介した通信設定(ペアリング)が行われる。
【0082】
この状態において、作業者は昇降機30の保守作業を行うため、携帯端末10の音声アシストアプリケーション処理部15を起動させる(ステップS11)。
【0083】
そして、センターシステム130の作業シナリオ保管部132から作業シナリオデータをダウンロード取得し、データ記憶部153に記憶させる(ステップS12)。
【0084】
こうして、ダウンロードした作業シナリオデータに基づいて、音声アシストを開始させる(ステップS13)。
【0085】
次いで、動作制御部155によって、データ記憶部153から作業シナリオデータを読み込む(ステップS14)。
【0086】
このようにして、読み込んだ作業シナリオデータを作業状況管理部152に展開させ、作業完了まで、作業シナリオデータ内のどの作業項目まで進捗しているか、現在の進捗状況が管理される(ステップS15)。
【0087】
一方、動作制御部155では、作業シナリオデータ内より実施する作業の1作業項目の読み込みが行われる(ステップS16)。
【0088】
また、動作制御部155では、読み込んだ作業項目の属性情報が属性情報判定部154へと引き渡されて、属性情報判定部154において、作業項目に付属されている重要度、判定種別、危険度の属性情報(図2参照)が読み込まれる。そして、データ記憶部153に記録されている出力区分マスタ(図3参照)に基づいて、出力区分についての判定の結果が取得される(ステップS17)。
【0089】
一方、出力変換部151では、取得した出力設定マスタ(図4参照)に基づき、読み上げる作業項目が加工される(ステップS18)。
【0090】
そして、加工した変換データが、当該出力先となる、振動部11、音声出力部12、情報表示部13に、それぞれ出力される(ステップS19)。これにより、音声出力部12から所定の音声ガイダンスが読み上げられる際に、この音声ガイダンスは、その作業項目の作業内容に応じて、指定の警告音1~3や危険音1~3などの効果音を伴った状態で出力される。
【0091】
音声ガイダンスの声色を、女性、男性、または、ロボットの声に代えたり、音声ガイダンスに伴って振動部11を振動させたりすることも可能である。
【0092】
こうして、音声出力部12から流れる音声ガイダンスに沿って保守作業が実施される(ステップS20)。
【0093】
その際、作業者は、音声ガイダンスの冒頭にどんな効果音が付加されているかなどにより、作業する作業項目とともに、その作業内容が重要であるかや危険であるかといった作業項目の属性を目視によらず確認することが可能となる。
【0094】
そして、その作業結果は、作業者の発声により収音部14で収集される(ステップS21)。
【0095】
この収音部14で収集された音声データは音声認識部156に送られて、音声認識部156で発話内容が認識される(ステップS22)。
【0096】
その後、判定処理部157において、例えば、属性情報の判定種別の型と一致する結果(良否判定に対しては良好/否。測定値判定に対しては数値。選択判定に対しては、選択番号)が入力されているか否かの判定が行われる(ステップS23)。
【0097】
判定種別の型と作業の結果とが一致しないとき(ステップS23のNO)、入力内容が正しくないので再入力が促される(ステップS24)。そして、処理がステップS21へと移行されて、再入力が行われる。
【0098】
一方、判定種別の型と作業の結果とが一致するとき(ステップS23のYES)、次の作業項目があるか否かが判定される(ステップS25)。
【0099】
次の作業項目があるときには(ステップS25のYES)、処理がステップS15に移行され、作業状況管理部152での進捗が1つずつ進められて、次の作業項目の作業が行われる。
【0100】
次の作業項目がないとき(ステップS25のNO)、動作制御部155は作業完了と判断し、作業シナリオデータの結果をセンターシステム130へ送り、作業結果保管部134で保管させる(ステップS27)。
【0101】
本実施形態によれば、作業手順や作業項目の表示画面を目視により確認しなくても、作業項目が音声で読み上げられる際に、音声の冒頭に発する効果音で、作業項目が実施必須項目かどうかの判別と、実施する作業項目の危険度と、を識別できる。
【0102】
また、作業項目の説明時の声色で、良否判定の項目なのか、測定値判定の項目なのか、選択式の選択判定の項目なのか、の識別が可能となる。
【0103】
また、作業の実施必須項目かどうかを示す効果音を冒頭に発することで、項目説明の全文を聞かなくても、今回は必須項目でなければ実施しないといった判断が容易になる。
【0104】
[第2実施形態]
<第2実施形態に係る作業手順音声アシストシステム(昇降機保守作業システム)の構成>
以下に、本発明の第2実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1について説明するが、第1実施形態で説明した作業手順音声アシストシステムと同一部分については、同一または類似の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0105】
図8は、第2実施形態に係る昇降機保守作業システムとしての作業手順音声アシストシステム1の構成例を示すものである。
【0106】
本実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1は、第1実施形態で説明した作業手順音声アシストシステムの構成に加え、携帯端末10に無線ネットワーク40を介して接続されたスマートデバイス50を備える。
【0107】
スマートデバイス50は、例えば図8に示すように、無線ネットワーク40を介して接続される第4通信部51と、この第4通信部51にそれぞれ接続された、振動部52、音声出力部53、情報表示部54、および、収音部55を備える。
【0108】
そして、携帯端末10には、振動部11、音声出力部12、情報表示部13、および、収音部14に代えて、無線ネットワーク40との接続のための第3通信部17が追加されている。
【0109】
それ以外の構成は、第1実施形態に係る作業手順音声アシストシステムの場合とほぼ同様の構成とされている。
【0110】
即ち、本実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1は、出力構成機器である携帯端末10の振動部11、音声出力部(音声案内部)12、および、情報表示部13と、入力構成機器である収音部14と、をスマートデバイス50に搭載させるようにしたものである。
【0111】
したがって、携帯端末10の音声アシストアプリケーション処理部15の出力変換部151からの出力は、スマートデバイス50が備える振動部52、音声出力部53、情報表示部54より出力される。
【0112】
また、携帯端末10の収音部14で収集された作業者の発声は、スマートデバイス50の収音部55で収集させて、携帯端末10の音声アシストアプリケーション処理部15の音声認識部156へ入力される。
【0113】
<第2実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1の動作>
次に、図9A,9Bを参照して、本実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1の動作について説明する。ここでは、上述した第1実施形態に係る作業手順音声アシストシステムの動作と異なる部分について説明する。
【0114】
図9A,9Bに示すように、本実施形態に係る作業手順音声アシストシステム1の場合、まずは、携帯端末10とスマートデバイス50との双方向通信ができるように、例えばBluetooth(登録商標)などの無線通信を可能とするペアリングを行う(ステップS1)。
【0115】
その後、第1実施形態の場合と同様の処理(ステップS11~S18)を実施し、得た出力変換部151の変換データを、第3通信部17、無線ネットワーク40、スマートデバイス50の第4通信部51を介して、スマートデバイス50の振動部52、音声出力部53、情報表示部54へ出力する(ステップS2)。
【0116】
また、第1実施形態の場合と同様の処理(ステップS20)を実施後、スマートデバイス50における収音部55を用いて、発声による結果入力を行う(ステップS3)。
【0117】
次いで、第1実施形態の場合と同様の処理(ステップS22,S23)を実施後、音声による入力結果が判定種別の型と一致しないとき(ステップS23のNO)、スマートデバイス50における音声出力部53より、入力内容が正しくないので再入力が促される(ステップS4)。そして、処理がステップS3へと移行されて、再入力が行われる。
【0118】
一方、判定種別の型と作業の結果とが一致するとき(ステップS23のYES)、第1実施形態の場合と同様の処理(ステップS25~S27)を実施する。
【0119】
本実施形態によれば、携帯端末10の出力構成機器である振動部11、音声出力部12、情報表示部13を使用せず、外部の連携機器としてのスマートデバイス50により出力情報を取得することができ、また、携帯端末10の入力構成機器である収音部14を使用せず、外部の連携機器としての収音部55により作業結果を入力することができる。
【0120】
これにより、携帯端末10を手に持った状態で作業を行う必要がなくなる。つまり、携帯端末10をポケットなどにしまった状態では、携帯端末10からの音声ガイダンスが遮断され、音声ガイダンスが聞き取りづらい状況や、収音部14が端末内蔵マイクのような場合には音声による入力を収集しづらい、ポケット内で雑音を拾うといった状況を気にすることなく、ポケットなどに携帯端末10をしまった状態での作業が可能となる。
【0121】
また、近距離であれば、携帯端末10を携帯する必要はなく、身軽な状態での作業が可能である。さらには、携帯端末10を充電させながら作業することも可能になる。
【0122】
なお、携帯端末10の収音部14および/またはスマートデバイス50の収音部55に、現場の雑音をキャンセルできる機能を備えるようにすることも可能である。
【0123】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0124】
1…作業手順音声アシストシステム、10…携帯端末、11…振動部、12…音声出力部(音声案内部)、13…情報表示部、14…収音部、15…音声アシストアプリケーション処理部、20…通信ネットワーク、30…昇降機、40…無線ネットワーク、50…スマートデバイス、52…振動部、53…音声出力部(音声案内部)、54…情報表示部、55…収音部、130…センターシステム、131…作業シナリオ設定部、132…作業シナリオ保管部、151…出力変換部、154…属性情報判定部。
【要約】
【課題】昇降機の保守作業において、作業手順を目視により確認したり、音声ガイダンスを最後まで聞かずとも、作業項目の重要度などを容易に判断でき、作業性を向上させる。
【解決手段】昇降機30の保守点検時に作業者により携帯される携帯端末10と、携帯端末10にネットワーク接続されるセンターシステム130と、を備え、センターシステム130は、作業手順を規定する作業項目と作業項目ごとに設定される属性情報とを含む作業シナリオを設定する作業シナリオ設定部131を備え、携帯端末10は、作業シナリオ設定部131で設定された作業シナリオの作業項目を音声ガイダンスとして読み上げる音声出力部12と、音声出力部12によって音声ガイダンスとして読み上げられる作業項目の属性情報を判定する属性情報判定部154と、属性情報判定部154での判定結果に基づいて、音声ガイダンスに属性情報に応じた加工を施す出力変換部151と、を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B