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特許7238065抗増殖化合物、ならびにそれらの薬学的組成物及び使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】抗増殖化合物、ならびにそれらの薬学的組成物及び使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/675 20060101AFI20230306BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20230306BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230306BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230306BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230306BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20230306BHJP
   C07F 9/6558 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A61K31/675
A61K31/454
A61K45/00
A61P35/00
A61P35/02
C07D401/04
C07F9/6558
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021164033
(22)【出願日】2021-10-05
(62)【分割の表示】P 2018535156の分割
【原出願日】2017-01-06
(65)【公開番号】P2022008860
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-11-02
(31)【優先権主張番号】62/276,763
(32)【優先日】2016-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509307635
【氏名又は名称】セルジーン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ディー. アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ディー. コルレア
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア ハンセン
(72)【発明者】
【氏名】ラジ クマル ラヘジャ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン サピエンザ
【審査官】土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/007848(WO,A1)
【文献】特表2012-507541(JP,A)
【文献】特表2011-522803(JP,A)
【文献】特表2010-502627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
C07D
C07F
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
白血病を治療するための医薬組成物であって:
(3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミド)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチル二水素ホスファート、
(3-(5-((2-(4-クロロフェニル)-2,2-ジフルオロアセトアミド)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチル二水素ホスファート、
(3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミド)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルL-バリネート、及び
(3-(5-((2-(4-クロロフェニル)-2,2-ジフルオロアセトアミド)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルL-バリネート
から選択される化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体を含み、該医薬組成物が約0.1~約50mg/日の量の化合物を投与するためのものである、前記医薬組成物。
【請求項2】
前記医薬組成物が、0.5~約50mg/日から選択される量の化合物を投与するためのものである、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記医薬組成物が、1~約50mg/日の量の化合物を投与するためのものである、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記医薬組成物が、0.1~約5mg/日の量の化合物を投与するためのものである、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記医薬組成物が、0.5~約5mg/日の量の化合物を投与するためのものである、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記医薬組成物が、0.1、約0.2、約0.5、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約20、約25、約30、約40、約45、約50mg/日の量の化合物を投与するためのものである、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記化合物が、(3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミド)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチル二水素ホスファートまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記化合物が、(3-(5-((2-(4-クロロフェニル)-2,2-ジフルオロアセトアミド)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチル二水素ホスファートまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記化合物が、(3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミド)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルL-バリネートまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記化合物が、(3-(5-((2-(4-クロロフェニル)-2,2-ジフルオロアセトアミド)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチルL-バリネートまたはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記白血病が、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、または急性骨髄性白血病である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記白血病が、急性骨髄性白血病である、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記白血病が、再発性、不応性、または従来の療法に耐性を示す、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項14】
治療上有効量の第2の活性薬剤を投与することまたはサポートケア療法を施すことをさらに含む、請求項1記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.関連出願の相互参照
本出願は、2016年1月8日出願の米国仮出願第62/276,763号の優先権の
利益を主張し、この開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
2.技術分野
がんを治療、予防、または管理するための、式A-IまたはB-Iの化合物、またはそ
の立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和
物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体が本明細書に提供
される。化合物を含む薬学的組成物、ならびに化合物及び組成物の使用の方法もまた、提
供される。ある種の実施形態では、本方法は、本明細書に提供される化合物を用いる、固
形腫瘍及び血液由来腫瘍を含む、がんを治療、予防、または管理することを含む。ある種
の実施形態では、本方法は、本明細書に提供される化合物を用いて、急性骨髄性白血病及
び骨髄異形成症候群を含む、がんを治療、予防、または管理することを含む。
【背景技術】
【0003】
3.背景技術
3.1 がん及び他の疾患の病理生物学
がんは、主に、所与の正常組織に由来する異常細胞の数の増加、隣接組織へのこれらの
異常細胞による侵入、または局所リンパ節及び遠位部位への悪性細胞のリンパ節もしくは
血液由来の蔓延(転移)により特徴付けられる。臨床データ及び分子生物学的研究は、が
んが、わずかな前新生物変化から開始される多段階のプロセスであり、ある特定の条件下
で新生組織形成へと進行し得ることを示している。新生物病変は、特に、新生物細胞が宿
主の免疫監視を回避する条件下で、クローン的に発生し、侵入、成長、転移、及び異質化
の増大する能力を発達させ得る。Roitt,I.,Brostoff,J and K
ale,D.,Immunology,17.1-17.12(3rd ed.,Mos
by,St.Louis,Mo.,1993)。
【0004】
医学文献に詳細に記載されている莫大な種類のがんが存在する。例としては、肺、結腸
、直腸、前立腺、乳房、脳、及び腸の癌が挙げられる。がんの発生率は、一般集団が老齢
化するにつれて、新しいがんが発生するにつれて、及び罹患しやすい人口(例えば、AI
DSに感染した人々または日光を過剰に浴びた人々)が増えるにつれて、上昇し続けてい
る。しかしながら、がんの治療の選択肢は限られている。例えば、血液がん(例えば、多
発性骨髄腫)の症例では、特に、従来の化学療法が失敗し、骨髄移植が選択肢とならない
とき、利用可能な治療選択はほとんどない。したがって、がん患者を治療するために使用
することができる新しい方法及び組成物に対する多大な需要が存在する。
【0005】
多くの種類のがんは、血管新生として知られるプロセスである新しい血管の形成と関連
している。腫瘍誘導性の血管新生に関与する機構のいくつかは解明されている。これらの
機構のうちの最も直接的なものは、腫瘍細胞による血管新生特性を有するサイトカインの
分泌である。これらのサイトカインの例としては、酸性及び塩基性線維芽細胞成長因子(
a-FGF、b-FGF)、アンギオゲニン、血管内皮成長因子(VEGF)、及びTN
F-αが挙げられる。あるいは、腫瘍細胞は、プロテアーゼの産生及びいくつかのサイト
カインが貯蔵されている(例えば、b-FGF)細胞外マトリックスのその後の破壊によ
り、血管新生ペプチドを放出することができる。血管新生はまた、炎症細胞(特に、マク
ロファージ)の動員及び血管新生サイトカイン(例えば、TNF-α、b-FGF)のそ
れらからのその後の放出を介して、間接的に誘導することもできる。
【0006】
様々な他の疾患及び障害はまた、望ましくない血管新生に関連付けられるか、またはそ
れにより特徴付けられる。例えば、増強されたまたは無調節な血管新生は、眼血管新生疾
患、脈絡膜血管新生疾患、網膜血管新生疾患、ルベオーシス(隅角部の血管新生)、ウイ
ルス性疾患、遺伝的疾患、炎症性疾患、アレルギー性疾患、及び自己免疫性疾患が含まれ
るが、これらに限定されない、いくつかの疾患及び病的症状に関係しているとみなされて
きた。このような疾患及び疾病の例としては、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、角膜移植
拒絶反応、血管新生緑内障、水晶体後線維増殖症、関節炎及び増殖性硝子体網膜症が挙げ
られるが、これらに限定されない。
【0007】
したがって、血管新生を抑制したり、TNFαを含む特定のサイトカインの産生を阻止
したりすることができる化合物は、様々な疾患及び症状の治療及び予防に有用であり得る
【0008】
3.2 がんを治療する方法
現行のがん療法は、患者の腫瘍性細胞を根絶するための外科手術、化学療法、ホルモン
療法、及び/または放射線治療を含み得る(例えば、Stockdale,1998,M
edicine,vol.3,Rubenstein and Federman,ed
s.,Chapter 12,Section IVを参照のこと)。近年、がん療法は
また、生物学的療法または免疫療法も含み得る。これらのアプローチはすべて、患者にと
って顕著な欠点を伴う。例えば、外科手術は、患者の健康によっては禁忌となり得るか、
または患者にとって許容し得ないものとなり得る。さらに、外科手術では、腫瘍性組織を
完全に除去し得ない可能性もある。放射線療法は、腫瘍性組織が放射線に対して正常組織
よりも高い感受性を示す場合にのみ効果的である。放射線療法はまた、深刻な副作用を誘
発することがしばしばある。ホルモン療法は、単剤として施されることが稀である。ホル
モン療法は、効果的であり得るが、それは、他の治療によってがん細胞の大部分を除去し
た後に、がんの再発を予防するまたは遅延させるために用いられることが多い。生物学的
療法及び免疫療法は、数が限られており、発疹もしくは腫脹、発熱、悪寒、及び疲労を含
むインフルエンザ様症状、消化管異常、またはアレルギー反応のような副作用を生じ得る
【0009】
化学療法に関しては、がんの治療に利用可能な様々な化学療法剤が存在する。がん化学
療法剤の大部分は、デオキシリボヌクレオチド三リン酸前駆体の生合成を阻害してDNA
複製及び付随する細胞分裂を妨害することにより直接的または間接的のいずれかでDNA
合成を阻害することによって作用する。Gilman et al.,Goodman
and Gilman’s:The Pharmacological Basis o
f Therapeutics,Tenth Ed.(McGraw Hill,New
York)。
【0010】
様々な化学療法剤が利用可能であるにもかかわらず、化学療法には多くの欠点がある。
Stockdale,Medicine,vol.3,Rubenstein and
Federman,eds.,ch.12,sect.10,1998。ほぼすべての化
学療法剤は毒性があり、化学療法は、重度の吐き気、骨髄抑制、及び免疫抑制を含む、重
大で、かつしばしば危険な副作用を引き起こす。さらに、化学療法剤の組み合わせを投与
しても、多くの腫瘍細胞は、化学療法剤に対して耐性であるかまたは耐性を生じる。実際
、治療プロトコルに使用した特定の化学療法剤に対して耐性があるそれらの細胞は、それ
らの薬剤が特定の治療に使用した薬剤の機序と異なる機序により作用する場合であっても
、他の薬物に耐性があることが判明することが多い。この現象は、多面的薬剤耐性または
多剤耐性と称される。薬剤耐性のために、多くのがんは、標準的な化学療法治療プロトコ
ルに不応性であることが判明しているか、または不応性となる。
【0011】
望ましくない血管新生に関連付けられるか、またはそれにより特性付けられる他の疾患
または症状もまた、治療が困難である。しかしながら、プロタミン、ヘパリン、及びステ
ロイドのようないくつかの化合物は、ある特定の疾患の治療に有用であるとの提案がなさ
れている。Taylor et al.,Nature 297:307(1982);
Folkman et al.,Science 221:719(1983);ならび
に米国特許第5,001,116号及び同第4,994,443号。
【0012】
外科手術、放射線療法、化学療法、及びホルモン療法のような標準的な治療に不応性で
ある疾患を含む、がんならびに他の疾患及び症状を、従来療法に伴う毒性及び/または副
作用を軽減または回避しつつ、治療、予防、及び管理する安全かつ有効な方法が、依然と
してかなり必要とされている。
【発明の概要】
【0013】
4.発明の概要
固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含むがんを治療する際の、化合物、当該化合物を含有する
薬学的組成物、及びそれらの使用方法が本明細書に提供される。一実施形態では、本明細
書に提供される組成物及び方法で用いる化合物は、式A-Iの化合物、またはその立体異
性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和
物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体(化合物A)、あるいは式
B-Iの化合物、またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学
的に許容される塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしく
は多形体(化合物B)である。
【0014】
ある種の実施形態では、式A-Iの化合物、
【化1】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体(化合物
A)が本明細書に提供され、式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

が、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換さ
れたヘテロアリール、または任意に置換されたヘテロシクリルであり、
及びRが、それぞれ、ハロであり、
の置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、アルキル、
ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任
意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、-ROR、-
SR、-RN(R)(R)、RORN(R)(R)、またはR
C(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換される。
【0015】
他の実施形態では、式B-Iの化合物、
【化2】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体(化合物
B)が本明細書に提供され、式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
が、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換さ
れたヘテロアリール、または任意に置換されたヘテロシクリルであり、
及びRが、それぞれ、ハロであり、
の置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、アルキル、
ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任
意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、-ROR、-
SR、-RN(R)(R)、RORN(R)(R)、またはR
C(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換される。
【0016】
一態様では、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含む、がんを治療する際の、化合物Aまたは
化合物Bを含有する薬学的組成物、及びそれらの使用方法が本明細書に提供される。
【0017】
一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式A-Iの化合物である。一実施形
態では、本明細書に提供される化合物は、式A-Iの化合物の互変異性体である。一実施
形態では、本明細書に提供される化合物は、式A-Iの化合物の薬学的に許容される塩で
ある。一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式A-Iの化合物の溶媒和物で
ある。一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式A-Iの化合物の水和物であ
る。一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式A-Iの化合物のクラスレート
である。一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式A-Iの化合物のアイソト
ポログである。
【0018】
一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式B-Iの化合物である。一実施形
態では、本明細書に提供される化合物は、式B-Iの化合物の互変異性体である。一実施
形態では、本明細書に提供される化合物は、式B-Iの化合物の薬学的に許容される塩で
ある。一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式B-Iの化合物の溶媒和物で
ある。一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式B-Iの化合物の水和物であ
る。一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式B-Iの化合物のクラスレート
である。一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式B-Iの化合物のアイソト
ポログである。
【0019】
有効濃度の本明細書に提供される1つ以上の化合物を含有し、任意に、少なくとも1つ
の薬学的担体を含む、適切な経路及び手段による投与のために製剤化された薬学的組成物
も提供される。
【0020】
一実施形態では、薬学的組成物は、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含む、がんの治療に有
効な量を送達する。一実施形態では、薬学的組成物は、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含む
、がんの予防に有効な量を送達する。一実施形態では、薬学的組成物は、固形腫瘍及び血
液由来腫瘍を含む、がんの緩和に有効な量を送達する。
【0021】
また、療法剤、例えば、がんまたはその症状に対して活性を有する別の薬学的薬剤と組
み合わせて、本明細書に提供される1つ以上の化合物または組成物を用いた併用療法が本
明細書に提供される。本方法の範囲内に療法の例としては、手術、化学療法、放射線療法
、ホルモン療法、生物学的療法、免疫療法、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、こ
れらに限定されない。
【0022】
本明細書に提供される化合物または組成物は、上述の療法剤のうちの1つ以上の投与と
同時に、その投与前に、またはその投与後に、投与され得る。本明細書に提供される化合
物Aまたは化合物B及び上述の薬剤のうちの1つ以上を含む薬学的組成物もまた、提供さ
れる。
【0023】
ある種の実施形態では、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含む、がん、またはそれらの1つ
以上の症状もしくは病因を治療、予防、または改善する方法が本明細書に提供される。あ
る種の実施形態では、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含む、がん、またはそれらの1つ以上
の症状もしくは病因を治療する方法が本明細書に提供される。ある種の実施形態では、固
形腫瘍及び血液由来腫瘍を含む、がん、またはそれらの1つ以上の症状もしくは病因を予
防する方法が本明細書に提供される。ある種の実施形態では、固形腫瘍及び血液由来腫瘍
を含む、がん、またはそれらの1つ以上の症状もしくは病因を改善する方法が本明細書に
提供される。ある種の実施形態では、血液由来腫瘍は、白血病である。ある種の実施形態
では、本明細書に提供される方法は、白血病の様々な形態、例えば、慢性リンパ球性白血
病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、及び急性骨髄芽球性
白血病を治療する方法を含む。ある種の実施形態では、本明細書に提供される方法は、白
血病の様々な形態、例えば、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ球性
白血病、急性骨髄性白血病、及び急性骨髄芽球性白血病を予防する方法を含む。ある種の
実施形態では、本明細書に提供される方法は、白血病の様々な形態、例えば、慢性リンパ
球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、及び急性骨
髄芽球性白血病を管理する方法を含む。本明細書に提供される方法は、再発性、難治性、
または抵抗性である白血病の治療を含む。本明細書に提供される方法は、再発性、難治性
、または抵抗性である白血病の予防を含む。本明細書に提供される方法は、再発性、難治
性、または抵抗性である白血病の管理を含む。一実施形態では、本明細書に提供される方
法は、急性骨髄性白血病を治療する方法を含む。一実施形態では、本明細書に提供される
方法は、急性骨髄性白血病を予防する方法を含む。一実施形態では、本明細書に提供され
る方法は、急性骨髄性白血病を管理する方法を含む。一実施形態では、本明細書に提供さ
れる方法は、骨髄異形成症候群を治療する方法を含む。一実施形態では、本明細書に提供
される方法は、骨髄異形成症候群を予防する方法を含む。一実施形態では、本明細書に提
供される方法は、骨髄異形成症候群を管理する方法を含む。一実施形態では、本明細書に
記載される化合物は、本明細書に記載される疾患のうちのいずれかを治療、予防、及び/
または改善する方法において使用され得る。
【0024】
方法を実施する際に、治療上有効な濃度の化合物を含有する有効量の化合物または組成
物は、治療される疾患または障害の症状を示す個体に投与される。量は、疾患または障害
のうちの1つ以上の症状を緩和または解消するのに有効である。
【0025】
薬学的組成物の成分の1つ以上を充填した1つ以上の容器を備える、薬学的パックまた
はキットが、さらに提供される。医薬品または生物学的製品の製造、使用、または販売を
規制する政府機関が定めた形式の通知が、このような容器(複数可)に任意に付属し得、
この通知は、ヒトへの投与に対する製造、販売の使用の政府機関による承認を表す。パッ
クまたはキットは、投与様式、薬物投与の順序(例えば、別々に、連続して、または同時
に)等に関する情報が標識され得る。
【0026】
本明細書に記載される主題のこれらの及び他の態様は、以下の詳述への言及において明
らかになろう。
【発明を実施するための形態】
【0027】
5.詳細な説明
化合物、方法、及び組成物は、以下の項に詳述されている。
【0028】
5.1.定義
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業
者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。すべての特許、特許出願、公開
出願、及び他の刊行物は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本明細書の用語に複
数の定義がある場合、別途記述されない限り、この項の定義が優先される。
【0029】
「アルキル」は、不飽和を含まず、1~10個、1~8個、1~6個、または1~4個
の炭素原子を有し、単結合により分子の残りの部分に結合した、炭素及び水素原子のみか
らなる直鎖または分岐鎖炭化水素鎖基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1-メ
チルエチル(イソ-プロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(
t-ブチル)等を指す。
【0030】
「アルキレン」及び「アルキレン鎖」は、不飽和を含まず、1~8個の炭素原子を有する
、炭素及び水素原子のみからなる直鎖または分岐鎖二価炭化水素鎖、例えば、メチレン、
エチレン、プロピレン、n-ブチレン等を指す。アルキレン鎖は、鎖内の任意の2つの炭
素を介して分子の残りに結合され得る。
【0031】
「アルケニレン」または「アルケニレン鎖」は、2~8個の炭素原子を有する、炭素及
び水素原子のみからなる直鎖または分岐鎖不飽和の二価ラジカルを指し、不飽和は、二重
結合としてのみ存在し、二重結合が、鎖内のいずれか2つの炭素原子間で存在し得る、例
えば、エテニレン、プロパ-1-エニレン、ブタ-2-エニレン等である。アルケニレン
鎖は、鎖内のいずれか2つの炭素を介して分子の残りに結合され得る。
【0032】
「アルコキシ」は、式-ORを有する基を指し、式中、Rは、アルキルまたはハロアル
キルである。「任意に置換されたアルコキシ」は、式-ORを有する基を指し、式中、R
は、本明細書に定義される、任意に置換されたアルキルである。
【0033】
「アミノ」は、式-NR’R’’を有するラジカルを指し、式中、R’及びR’ ’は
、それぞれ独立して、水素、アルキル、またはハロアルキルである。「任意に置換された
アミノ」は、式-NR’R’’を有するラジカルを指し、式中、R’及びR’’のうちの
1つまたはその両方は、本明細書に定義される、任意に置換されたアルキルである。
【0034】
「アリール」は、炭素環式環系の基を指し、単環、二環、三環、四環、C-C18
系を含み、環のうちの少なくとも1つが芳香族である。アリールは、完全に芳香族であり
得、これらの例は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、アセナフチレニル、アズレニ
ル、フルオレニル、インデニル、及びピレニルである。アリールはまた、非芳香族環と組
み合わせて、芳香族環も含有し得、これらの例は、アセナフテン、インデン、及びフルオ
レンである。
【0035】
「シクロアルキル」は、炭素及び水素原子のみからなる安定した一価単環または二環炭
化水素基を指し、飽和される3~10個の炭素原子を有し、例えば、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、デカリニル、ノルボルナン、ノルボルネ
ン、アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクタン等である。
【0036】
「ハロ」、「ハロゲン」、または「ハロゲン化物」は、F、Cl、Br、またはIを指
す。
【0037】
「ハロアルキル」は、アルキル基、ある種の実施形態では、C1-6アルキル基を指し
、水素原子のうちの1つ以上がハロゲンによって置き換えられる。このような基としては
、クロロメチル、トリフルオロメチル 1-クロロ-2-フルオロメチル、2,2-ジフ
ルオロエチル、2-フルオロプロピル、2-フルオロプロパン-2-イル、2,2,2-
トリフルオロエチル、1,1-ジフルオロエチル、1,3-ジフルオロ-2-メチルプロ
ピル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、(トリフルオロメチル)シクロプロピル、4
,4-ジフルオロシクロヘキシル、及び2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-
エチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
「複素環」または「ヘテロシクリル」は、炭素原子、ならびに窒素、酸素、及び硫黄か
らなる群から選択される1~5個のヘテロ原子からなる、安定した3~15員非芳香族環
ラジカルを指す。一実施形態では、複素環式環系ラジカルは、単環、二環、三環、または
四環の環系であり得、縮合または架橋環系を含み得、複素環式環系ラジカルにおける窒素
または硫黄原子は、任意に酸化され得、窒素原子は、任意に四級化され得、ヘテロシクリ
ルラジカルは、部分的にまたは完全に飽和され得る。複素環式環系は、安定した化合物の
作製をもたらす、任意のヘテロ原子または炭素原子で主な構造に結合され得る。例示的な
複素環式ラジカルには、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピラニル、ピロリ
ジニル、オキセタニル、アゼチジニル、キヌクリジニル、オクタヒドロキノリジニル、デ
カヒドロキノリジニル、アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、アザビシクロ[2.2
.2]オクタニル、イソインドリニル、インドリニル等が含まれる。
【0039】
「ヘテロアリール」は、芳香族である、上記に定義される、ヘテロシクリル基を指す。
ヘテロアリール基としては、モノシクリル、ビシクリル、及びトリシクリル基が挙げられ
るが、これらに限定されず、安定した化合物の作製をもたらす、任意のヘテロ原子または
炭素原子で主な構造に結合され得る。このようなヘテロアリール基の例としては、フラニ
ル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、ピリジニル、ピリ
ダジニル、チアゾリル、チエニル、ベンズイミダゾリル、イミダゾ[4,5-b]ピリジ
ニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル、イミ
ダゾ[1,2-a]ピラジニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
「IC50」は、本明細書に記載される、インビトロまたは細胞系アッセイのうちのい
ずれかを介して測定した細胞成長または増殖等の最大反応の50%の阻害を達成する、特
定の試験化合物の量、濃度、または投与量を指す。
【0041】
「互変異性体」は、互いに平衡状態にある、化合物の異性体形態を指す。異性体形態の
濃度は、化合物が見出される環境に応じて異なり、例えば、当該化合物が固体であるか、
または有機溶液もしくは水溶液中にあるのかどうかに応じて異なり得る。例えば、水溶液
において、ピラゾールは、以下の異性体形態を示し得、これらは、互いの互変異性体と称
される。
【化3】
【0042】
当業者には容易に理解されるように、多種多様な官能基及び他の構造が、互変異性を示
し得、化合物Aまたは化合物Bのすべての互変異性体は、本発明の範囲内にある。
【0043】
薬学的に許容される塩としては、限定されるものではないが、アミン塩(限定されるも
のではないが、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ア
ンモニア、ジエタノールアミン、及び他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン
、N-メチルグルカミン、プロカイン、N-ベンジルフェンエチルアミン、1-パラ-ク
ロロベンジル-2-ピロリジン-1’-イルメチル-ベンズイミダゾール、ジエチルアミ
ン、及び他のアルキルアミン、ピペラジン、及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン等);アルカリ金属塩(限定されるものではないが、リチウム、カリウム、及びナトリ
ウム等);アルカリ土類金属塩(限定されるものではないが、バリウム、カルシウム、及
びマグネシウム等);遷移金属塩(限定されるものではないが、亜鉛等);ならびに他の
金属塩(限定されるものではないが、リン酸水素ナトリウム及びリン酸二ナトリウム等)
が挙げられ、さらには、限定されるものではないが、鉱酸の塩(限定されるものではない
が、塩酸塩及び硫酸塩等);ならびに有機酸の塩(限定されるものではないが、酢酸塩、
乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、酪酸塩、
吉草酸塩、フマル酸塩、及び有機スルホン酸塩等)も挙げられる。
【0044】
本明細書で使用される場合、特に指定のない限り、「水和物」という用語は、本明細書
に提供される化合物またはその塩であって、非共有結合性の分子間力によって結合した水
の化学量論的量または非化学量論的量をさらに含むことを意味する。
【0045】
本明細書で使用される場合、特に指定のない限り、「溶媒和物」という用語は、1つ以
上の溶媒分子が本明細書に提供される化合物に会合することから形成される溶媒和物を意
味する。「溶媒和物」という用語は、水和物(例えば、一水和物、二水和物、三水和物、
四水和物等)を含む。
【0046】
本明細書に別途記述されて具体的に記載されない限り、置換は、アルキル、アルケニル
、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基の
いずれの原子にも生じ得ることを理解されたい。
【0047】
いずれかの所与の置換基の数が特定されない場合(例えば、ハロアルキル)、1つ以上
の置換基が存在してもよい。例えば、「ハロアルキル」は、1つ以上の同じまたは異なる
ハロゲンを含んでもよい。
【0048】
本明細書に記載される基が、アルキル基を例外として、「置換された」と言われる場合
に、それらは、任意の適切な置換基(複数可)で置換され得る。置換基の例示的な例は、
本明細書に開示される例示的な化合物及び実施形態に見出されるもの、ならびにハロゲン
(クロロ、ヨード、ブロモ、またはフルオロ);アルキル;ヒドロキシル;アルコキシ;
アルコキシアルキル;アミノ;アルキルアミノ;カルボキシ;ニトロ;シアノ;チオール
;チオエーテル;イミン;イミド;アミジン;グアニジン;エナミン;アミノカルボニル
;アシルアミノ;ホスホネート;ホスフィン;チオカルボニル;スルフィニル;スルホン
;スルホンアミド;ケトン;アルデヒド;エステル;尿素;ウレタン;オキシム;ヒドロ
キシルアミン;アルコキシアミン;アリールオキシアミン、アラルコキシアミン;N-オ
キシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;イソシアネート;イソチオシア
ネート;シアネート;チオシアネート;酸素(=O);B(OH)、O(アルキル)ア
ミノカルボニル;シクロアルキル(単環もしくは融合もしくは非融合多環式であり得る)
(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、もしくはシクロヘキシル)
、またはヘテロシクリル(単環もしくは融合もしくは非融合多環式であり得る)(例えば
、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、もしくはチアジニル);単
環もしくは融合もしくは非融合多環式アリールもしくはヘテロアリール(例えば、フェニ
ル、ナフチル、ピロリル、インドリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサ
ゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリ
ジニル、キノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリ
ミジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、またはベンゾフラニル)アリール
オキシ;アラルキルオキシ;ヘテロシクリルオキシ;及びヘテロシクリルアルコキシであ
る。本明細書に記載されるアルキル基が、「置換された」と言われる場合、それらは、本
明細書に開示される例示的な化合物及び実施形態に見出される、任意の置換基(複数可)
、ならびにハロゲン(クロロ、ヨード、ブロモ、またはフルオロ);アルキル;ヒドロキ
シル;アルコキシ;アルコキシアルキル;アミノ;アルキルアミノ;カルボキシ;ニトロ
;シアノ;チオール;チオエーテル;イミン;イミド;アミジン;グアニジン;エナミン
;アミノカルボニル;アシルアミノ;ホスホネート;ホスフィン;チオカルボニル;スル
フィニル;スルホン;スルホンアミド;ケトン;アルデヒド;エステル;尿素;ウレタン
;オキシム;ヒドロキシルアミン;アルコキシアミン;アリールオキシアミン、アラルコ
キシアミン;N-オキシド;ヒドラジン;ヒドラジド;ヒドラゾン;アジド;イソシアネ
ート;イソチオシアネート;シアネート;チオシアネート;B(OH)、またはO(ア
ルキル)アミノカルボニルで置換され得る。
【0049】
別途具体的に記載されない限り、化合物が、代替の互変異性体、位置異性体、及び/ま
たは立体異性体の形態をとり得る場合には、すべての代替の異性体が、特許請求される主
題の範囲内に包含されることが意図されている。例えば、化合物が2つの互変異性体形態
のうちの1つを有するとして記載される場合には、両方の互変異性体が本明細書に包含さ
れることが意図される。
【0050】
したがって、本明細書に提供される化合物は、鏡像異性的に純粋であってもよく、また
は立体異性体またはジアステレオマーの混合物であってもよい。
【0051】
本明細書に提供される化合物はキラル中心を含み得ることを理解されたい。このような
キラル中心は、(R)もしくは(S)のいずれかの立体配置を有していてもよく、または
それらの混合物であってもよい。本明細書に提供される化合物のキラル中心は、インビボ
でエピマー化を受け得ることを理解されたい。したがって、当業者であれば、その(R)
型の化合物の投与が、インビボでエピマー化を受ける化合物にとって、その(S)型の化
合物の投与と同等であることを認識するであろう。
【0052】
光学活性の(+)及び(-)、(R)-及び(S)-、または(D)-及び(L)-異
性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製され得るか、またはキラル固
定相上のクロマトグラフィー等の従来技術を用いて分解され得る。
【0053】
本明細書中の説明で、化学名と化学構造との間に何らかの不一致がある場合、この構造
が優先される。
【0054】
本明細書で使用される場合、別途示されない限り、「治療する」、「治療すること」、
及び「治療」という用語は、治療される疾患または状態に関連する症状の重症度を緩和ま
たは低減することを指す。
【0055】
「予防」という用語は、特定の疾患または障害の症状の阻害を含む。いくつかの実施形
態では、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含む、がんの家族歴を有する患者は、予防レジメン
の候補である。一般に、「予防すること」という用語は、特に、固体腫瘍及び血液由来腫
瘍を含む、がんのリスクがある患者に、症状の発症前の薬物の投与を指す。
【0056】
本明細書で使用される場合、別途示されない限り、「管理すること」という用語は、特
定の疾患または病態を患っている患者における特定の疾患または病態の再発を防止するこ
と、疾患または病態を患っている患者が寛解期のままでいる時間を長期化すること、患者
の死亡率を低減すること、及び/または管理されている疾患もしくは病態に関連する症状
の重症度の低減もしくは回避を維持することを包含する。
【0057】
本明細書で使用される場合、「対象」は、動物、典型的にはヒト患者等のヒトを含む哺
乳動物である。
【0058】
本明細書で使用される場合、「腫瘍」という用語は、悪性または良性にかかわらず、す
べての腫瘍性細胞成長及び増殖、ならびにすべての前癌性及び癌性細胞及び組織を指す。
「腫瘍性」は、本明細書で使用される場合、悪性または良性にかかわらず、細胞に異常な
成長をもたらす、調節されていない細胞または制御されていない細胞成長の任意の形態を
指す。したがって、「腫瘍性細胞」には、調節されていないまたは制御されていない細胞
成長を有する悪性及び良性細胞が含まれる。
【0059】
本明細書で使用される場合、「血液悪性腫瘍」は、体内の血液形成及び免疫系-骨髄及
びリンパ組織のがんを指す。このようながんには、白血病、リンパ腫(非ホジキンリンパ
腫)、ホジキン病(ホジキンリンパ腫とも呼ばれる)、及び骨髄腫が含まれる。一実施形
態では、骨髄腫は、多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、白血病は、例えば、
急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、成人T細胞白血病、慢
性リンパ球性白血病(CLL)、有毛細胞性白血病、骨髄異形成、骨髄増殖性障害、慢性
骨髄性白血病(CML)、骨髄異形成症候群(MDS)、ヒトリンパ向性ウイルス1型(
HTLV 1)白血病、肥満細胞症、またはB細胞急性リンパ芽球性白血病である。いく
つかの実施形態では、リンパ腫は、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBC
L)、B細胞免疫芽球性リンパ腫、小非切断細胞リンパ腫、ヒトリンパ向性ウイルス1型
(HTLV-1)白血病/リンパ腫、成人T細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫(PTC
L)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、ホジキンリ
ンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、AIDS関連リンパ腫、濾胞性リンパ
腫、小リンパ球性リンパ腫、T細胞/組織球リッチ大細胞型B細胞リンパ腫、変形性リン
パ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、脾性辺縁帯リンパ腫、リヒターの変換
、節性辺縁帯リンパ腫、またはALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫である。一実施形態で
は、血液がんは、例えば、DLBCL、濾胞性リンパ腫、または辺縁帯リンパ腫を含む、
緩慢性リンパ腫である。
【0060】
「白血病」という用語は、血液形成組織の悪性腫瘍を指す。白血病としては、慢性リン
パ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、及び
急性骨髄芽球性白血病が挙げられるが、これらに限定されない。白血病は、従来の療法に
対して再発性、難治性、または耐性であり得る。
【0061】
「骨髄異形成症候群」という用語は、血液の細胞成分(赤血球、白血球(リンパ球以外
)、及び血小板(もしくはそれらの前駆細胞、巨核球))のうちの1つ以上の生成におけ
る異常を特徴とする血液学的状態を指し、これには、不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を
伴うRA(RARS)、過剰な芽細胞を有するRA(RAEB)、多血球系異形成を伴う
不応性血球減少症(RCMD)、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCU
D)、未分類骨髄異形成症候群(MDS-U)、単離されたdel(5q)の染色体異常
に付随する骨髄異形成症候群、療法関連骨髄性腫瘍、及び慢性骨髄単球性白血病(CMM
L)が含まれる。
【0062】
本明細書で使用される場合、「前骨髄球性白血病」または「急性前骨髄球性白血病」は
、細胞の骨髄細胞系における成熟血液細胞の欠損及び過剰な前骨髄球と呼ばれる未成熟細
胞が存在する骨髄の悪性腫瘍を指す。それは、通常、15番及び17番染色体の領域の交
換を特徴とする。
【0063】
本明細書で使用される場合、「急性リンパ芽球性白血病」としても既知である、「急性
リンパ球性白血病(ALL)」は、初期の非顆粒状白血球、またはリンパ球の異常な増殖
及び発達により引き起こされた悪性疾患を指す。
【0064】
本明細書で使用される場合、「T細胞白血病」は、Tリンパ球またはT細胞と呼ばれる
リンパ系のある特定の細胞が悪性である疾患を指す。T細胞は、通常、ウイルス感染細胞
、外来細胞、及びがん細胞を攻撃し、免疫応答を調節する物質を生成することができる白
血球である。
【0065】
「再発した」という用語は、療法後に白血病の寛解があった患者において、骨髄に白血
病細胞の復帰及び正常な血液細胞の減少がある状況を指す。
【0066】
「不応性または耐性」という用語は、患者が、集中的な治療の後でさえ、彼らの骨髄に
残留する白血病細胞がある環境を指す。
【0067】
本明細書で使用される場合、及び別途指定されない限り、化合物の「治療上有効な量」
、及び「有効量」は、治療される疾患または障害に付随する1つ以上の症状を遅延させる
または最小限に抑えるために、疾患の治療、予防、及び/または管理において治療的有用
性を提供するのに十分な量を指す。「治療上有効な量」及び「有効量」という用語は、全
療法を改善し、疾患もしくは障害の症状もしくは原因を低減または回避する、または別の
治療剤の治療効果を増強させる量を包含し得る。
【0068】
「共投与」及び「組み合わせて」という用語は、2つの治療剤(例えば、本明細書に提
供される化合物及び別の抗がん剤)を、同時に、一斉に、または特定の時間制限がなく連
続して投与することを含む。一実施形態では、両方の薬剤は、細胞内または患者の体内に
同時に存在するか、または生物学的もしくは治療効果を同時に発揮する。一実施形態では
、2種の治療薬剤は、同じ組成物または単位剤形中にある。別の実施形態では、2種の治
療薬剤は、別の組成物または単位剤形中にある。
【0069】
「サポートケア剤」という用語は、式Iの化合物での治療からの有害な効果を治療、予
防、または管理する任意の物質を指す。
【0070】
「生物学的療法」という用語は、臍帯血、幹細胞、成長因子等の生物学的治療剤の投与
を指す。
【0071】
「約」という用語は、本明細書で使用される場合、特に指定のない限り、その用語によ
って修飾される値を10%上回るまたは下回る値を指す。例えば、「約10mg/m
という用語は、9mg/m~11mg/mの範囲を意味する。
【0072】
「抗がん剤」は、代謝拮抗薬(例えば、5-フルオロ-ウラシル、メトトレキサート、
フルダラビン)、抗微小管剤(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン等のビンカアル
カロイド;パクリタキセル、ドセタセル等のタキサン)、アルキル化剤(例えば、シクロ
ホスファミド、メルファラン、カルマスティン、ビスクロロエチルニトロソ尿素及びヒド
ロキシ尿素等のニトロソ尿素)、プラチナ製剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン
、オキサリプラチン、JM-216、またはサトラプラチン、CI-973)、アントラ
サイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン)、抗腫瘍抗生物質(例えば、マ
イトマイシン、イダルビシン、アドリアマイシン、ダウノマイシン)、トポイソメラーゼ
阻害剤(例えば、エトポシド、カンプトセシン)、抗血管新生剤(例えば、Sutent
(登録商標)、ベバシズマブ)、もしくは任意の他の細胞毒性剤(リン酸エストラムスチ
ン、プレドニムスチン)、ホルモン剤もしくはホルモンアゴニスト、アンタゴニスト、部
分アゴニストもしくは部分アンタゴニスト、キナーゼ阻害剤、チェックポイント阻害剤、
及び放射線治療を指す。
【0073】
本明細書で使用される場合、全生存(OS)は、臨床試験におけるランダム化から任意
の原因による死亡までの時間を意味する。本明細書で使用される場合、無増悪生存率(P
FS)は、臨床試験におけるランダム化から進行または死亡までの時間を意味する。本明
細書で使用される場合、無事象生存(EFS)は、研究登録から、疾患の増悪を含む任意
の治療の失敗、任意の理由における治療の中止、または死亡までの時間を意味する。本明
細書で使用される場合、全奏功率(ORR)は、完全及び部分的な応答を達成する患者の
割合の合計を意味する。本明細書で使用される場合、奏功期間(DoR)は、応答の達成
から再発または疾患の増悪までの時間である。
【0074】
本出願における任意の参照文献の引用または識別は、そのような参照が本出願に対して
先行技術であるという承認として解釈されるべきではない。
【0075】
本明細書で使用される場合、任意の保護基、アミノ酸、及び他の化合物に対する略語は
、特に指示されない限り、それらの共通使用、認識された略語、または生化学命名に関す
るIUPAC-IUB委員会に準じる(Biochem.1972、11:942-94
4を参照のこと)。
【0076】
5.2.化合物
ある種の実施形態では、式A-Iの化合物、
【化4】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体が本明細
書に提供され、式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

が、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換さ
れたヘテロアリール、または任意に置換されたヘテロシクリルであり、
及びRが、それぞれ、ハロであり、
の置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、アルキル、
ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任
意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、-ROR、-
SR、-RN(R)(R)、RORN(R)(R)、またはR
C(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換される。
【0077】
一実施形態では、式A-IIの化合物、
【化5】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体が本明細
書に提供され、式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

が、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換さ
れたヘテロアリール、または任意に置換されたヘテロシクリルであり、
の置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、アルキル、
ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任
意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、-ROR、-
SR、-RN(R)(R)、RORN(R)(R)、またはR
C(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換される。
【0078】
一実施形態では、化合物は、式A-Iまたは式A-IIを有し、式中、Rが、Hまたは
(C-C)アルキルであり、
が、任意に置換されたアリールであり、
の置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、アルキル、
ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任
意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、-ROR、-
SR、-RN(R)(R)、RORN(R)(R)、またはR
C(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換される。
【0079】
一実施形態では、化合物は、式A-Iまたは式A-IIを有し、式中、Rが、Hまたは
(C-C)アルキルであり、Rが、任意に置換されたアリール、任意に置換された
シクロアルキル、任意に置換されたヘテロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリ
ールであり、Rの置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、
ハロ、アルキル、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、-R
OR、または-RN(R)(R)であり、各Rが、独立して、直接結合または
アルキレンであり、各Rが、独立して、水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアル
コキシ、またはハロアルキルであり、R及びRが、それぞれ独立して、水素もしくは
アルキルであるか、またはR及びRが、それらが置換された窒素原子と共に、5もし
くは6員のヘテロシクリルまたはヘテロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つの
ハロ、アルキル、またはハロアルキルで置換される。
【0080】
一実施形態では、化合物は、式A-Iまたは式A-IIを有し、式中、Rが、Hまたは
(C-C)アルキルであり、Rが、任意に置換されたフェニル、任意に置換された
シクロヘキシル、任意に置換されたピペリジニル、または任意に置換されたピリジルであ
り、Rの置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、ハロ、ア
ルキル、-ROR、または-RN(R)(R)であり、各Rが、独立して、
直接結合またはアルキレンであり、各Rが、独立して、水素、ハロ、アルキル、アルコ
キシ、ハロアルコキシ、またはハロアルキルであり、R及びRが、それぞれ独立して
、水素もしくはアルキルであるか、またはii)R及びRが、それらが置換された窒
素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリル環を形成する。
【0081】
一実施形態では、化合物は、式A-Iまたは式A-IIを有し、Rが、Hまたは(C
-C)アルキルであり、式中、Rが、任意に置換されたフェニル、任意に置換された
シクロヘキシル、任意に置換されたピペリジニル、または任意に置換されたピリジルであ
り、Rの置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、ブロモ、
フルオロ、クロロ、メチル、イソプロピル、tertブチル トリフルオロメチル、メト
キシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、メトキシエトキシ、イソプロピルオキシエトキシ
、トリフルオロメトキシ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、またはピペリジニルである。
【0082】
一実施形態では、化合物は、式A-Iまたは式A-IIを有し、式中、Rが、Hまたは
(C-C)アルキルであり、Rが、任意に置換されたアリールであり、Rの置換
基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、ハロ、アルキル、-R
OR、-RSR、またはRORC(O)N(R)(R)であり、各R
、独立して、直接結合またはアルキレンであり、各Rが、独立して、水素、ハロ、アル
キル、またはハロアルキルであり、R及びRが、それぞれ独立して、水素またはアル
キルである。
【0083】
一実施形態では、化合物は、式A-Iまたは式A-IIを有し、式中、Rが、Hまたは
(C-C)アルキルであり、Rが、任意に置換されたアリールであり、Rの置換
基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、フルオロ、クロロ、メチ
ル、-ROR、-RN(R)(R)、-RSR、またはRORC(O
)N(R)(R)であり、各Rが、独立して、直接結合またはメチレンであり、各
が、独立して、水素、メチル、エチル、またはトリフルオロメチルであり、R及び
が、それぞれ独立して、水素またはメチルである。
【0084】
一実施形態では、化合物は、式A-Iまたは式A-IIを有し、式中、Rが、Hまたは
(C-C)アルキルであり、Rが、任意に置換されたフェニルであり、Rの置換
基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、フルオロ、クロロ、メチ
ル、tertブチル、-ROR、-RN(R)(R)、-RSR、または
ORC(O)N(R)(R)であり、各Rが、独立して、直接結合またはメ
チレンであり、各Rが、独立して、水素、メチル、エチル、またはトリフルオロメチル
であり、R及びRが、それぞれ独立して、水素またはメチルである。
【0085】
一実施形態では、式A-IIIの化合物、
【化6】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体が本明細
書に提供され、式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

各Qが、独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキ
シル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル
アルキル、任意に置換されたアリール -ROR、-RSR、-RN(R
(R)、RORN(R)(R)、またはRORC(J)N(R)(R
)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換され、
nが、0~3である。
【0086】
一実施形態では、式A-IIIの化合物が本明細書に提供され、式中、Rが、Hまたは
(C-C)アルキルであり、かつQが、アルキルまたはハロである。別の実施形態
では、式A-IIIの化合物が本明細書に提供され、式中、RがHであり、かつQがハ
ロである。一実施形態では、式A-IIIの化合物が本明細書に提供され、式中、RがH
であり、かつQが、フルオロまたはクロロである。
【0087】
一実施形態では、式A-IVの化合物、
【化7】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される
塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体が本明細書に提供され、
式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

が、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置
換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換された
アリール、-ROR、-RSR、-RN(R)(R)、RORN(R
)(R)、またはRORC(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素またはアルキルである。
【0088】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式A-IVの化合物であり、式中、Rが
、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、Q
が、水素、ハロ、アルキル、任意に置換されたアリール、-ROR、または-R
(R)(R)であり、Rが、独立して、直接結合またはアルキレンであり、R
、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、R及びRが、それぞれ独立して、水
素またはアルキルである。いくつかの実施形態では、Rが、H、任意に置換されたアルキ
ル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、Qが、水素、Br、Cl、F、メ
チル、イソプロピル、t-ブチル、イソプロピル、-OCH、-SCH、-C(CH
F、-OCH(CH、-O(CHOCH、またはp-フルオロフェ
ニルである。
【0089】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式A-IVの化合物であり、式中、Rが
、独立して、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルで
あり、Qが、Br、Cl、またはFである。
【0090】
一実施形態では、式A-Vの化合物、
【化8】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体が本明細書に提供され、式
中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

及びQが、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキ
シル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル
アルキル、-ROR、-RSR、-RN(R)(R)、RORN(R
)(R)、またはRORC(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、またはア
ルコキシアルキルであり、
及びRが、それぞれ独立して、水素またはアルキルである。
【0091】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式A-Vの化合物であり、式中、Rが、
H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、Q
びQが、それぞれ独立して、水素、ハロ、アルキル、アルコキシアルキル、-ROR
、または-RN(R)(R)であり、Rが、直接結合またはアルキレンであり
、Rが、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、R及びRが、それぞれ独立
して、水素もしくはアルキルである。いくつかのこのような実施形態では、Rが、H、任
意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、Q及びQ
が、それぞれ独立して、水素、F、メチル、-CF、OH、-OCF、-OCH
、OCH(CH、-OCHCF、または-NHCHである。
【0092】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式A-Vの化合物であり、Rが、H、任
意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、式中、Q
水素であり、Qが、水素、ハロ、アルキル、アルコキシアルキル、-RN(R)(
)、または-RORであり、Rが、直接結合またはアルキレンであり、R
、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、R及びRが、それぞれ独立して、水
素もしくはアルキルである。
【0093】
一実施形態では、式A-VIの化合物、
【化9】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される
塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体が本明細書に提供され、
式中、Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキル
であり、
及びQが、それぞれ独立して、水素,アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキ
シル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル
アルキル、-ROR、-RSR、-RN(R)(R)、RORN(R
)(R)、またはRORC(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、またはヒ
ドロキシアルキルであり、
及びRが、以下のように選択される:
i)R及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、または
ii)R及びRが、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロ
シクリルまたはヘテロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、
またはハロアルキルで置換される。
【0094】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式A-VIの化合物であり、式中、Rが
、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、Q
及びQが、それぞれ独立して、水素、ハロ、アルキル、アルコキシアルキル、-R
(R)(R)、または-RORであり、Rが、直接結合またはアルキレンであ
り、Rが、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、R及びRが、それらが置
換された窒素原子と共に、6員ヘテロシクリルを形成する。いくつかのこのような実施形
態では、Q及びQが、それぞれ独立して、水素、F、Cl、OH、メチル、-CF
、-NHCH、-N(CH、-OCF、-OCHCH、-OCHCF
、-OCH(CH、-O(CHOCH、-O(CHOCH(CH
、-O(CHO(CHOCH、O(CH-モルホリニル、ピペ
リジル、モルホリニル、-CH-モルホリニル、または-O(CH-4,4-ジ
フルオロ-1-ピペリジルである。
【0095】
一実施形態では、式A-VIIの化合物、
【化10】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される
塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体が本明細書に提供され、
式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

が、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置
換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキルアルキル、-ROR、-
SR、-RN(R)(R)、RORN(R)(R)、またはR
C(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、またはヒ
ドロキシアルキルであり、
及びRが、以下のように選択される:
i)R及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、または
ii)R及びRが、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロ
シクリルまたはヘテロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、
またはハロアルキルで置換される。
【0096】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式A-VIIの化合物であり、式中、R
が、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、Q
が、水素、ハロ、アルキル、アルコキシアルキル、-RN(R)(R)、または
-RORであり、Rが、直接結合またはアルキレンであり、Rが、水素、アルキ
ル、またはハロアルキルであり、R及びRが、それらが置換された窒素原子と共に、
6員ヘテロシクリルを形成する。いくつかのこのような実施形態では、Qが、水素、F
、Cl、メチル、ピペリジル、モルホリニル、-CH-モルホリニル、-N(CH
、-O(CHOCH、-O(CHOCH(CH、-O(CH
O(CHOCH、または-O(CH-4,4-ジフルオロ-1-ピペリ
ジルである。
【0097】
一実施形態では、式A-VIIIの化合物、
【化11】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体が本明細書に提供され、式
中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

及びQが、それぞれ独立して、水素,アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキ
シル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル
アルキル、任意に置換されたアリール、-ROR、-RSR、-RN(R
(R)、RORN(R)(R)、またはRORC(J)N(R)(R
)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、6員ヘテロシクリルを形成する。
【0098】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式A-VIIIの化合物であり、式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、
及びQが、それぞれ独立して、水素、F、Br、Cl、メチル、イソプロピル、t
-ブチル、-C(CHF、p-フルオロフェニル、シクロプロピル、-N(CH
、-OCH、-OCH(CH、O(CHOCH、-O(CH
OCH(CH、-O(CHOCH、-O(CHO(CHOC
、-OCF、-O(CH-4,4-ジフルオロ-1-ピペリジル、-SCF
、モルホリニル、ピペリジル、またはCH-モルホリニルである。
【0099】
一実施形態では、式A-IXの化合物、
【化12】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される
塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体が本明細書に提供され、
式中、Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルで
あり、
各Qが、独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキ
シル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル
アルキル、任意に置換されたヘテロシクリル、-ROR、-ROR-ROR
、-RN(R)(R)、-RSR、-RORN(R)(R)、-R
ORC(J)N(R)(R)、-C(J)R、またはRS(O)であり

Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、
アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ま
たはヘテロシクリルアルキルであり、式中、Rのアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ
アルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシ
クリル、またはヘテロシクリルアルキル基が、それぞれ独立して、1~3つのQ基で任
意に置換され、それぞれ独立して、アルキル、ハロアルキル、またはハロから選択され、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであり、
が、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであり、
が、アルキルまたはアリールであり、
Jが、OまたはSであり、
tが、1または2であり、
nが、0~3である。
【0100】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式A-IXの化合物であり、式中、Rが
、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、各Q
が、独立して、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、またはハ
ロアルコキシアルキルである。いくつかの実施形態では、各Qが、独立して、フルオロ
、クロロ、ブロモ、メチル、イソプロピル、t-ブチル、-CF、-O-CHCH
、-O-CH(CH、またはシクロプロピルである。
【0101】
一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、
【化13】
からなる群から選択される。
【0102】
一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式A-I、A-II、A-III、
A-IV、A-V、A-VI、A-VII、A-VIII、またはA-IXの化合物の互
変異性体である。一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式A-I、A-II
、A-III、A-IV、A-V、A-VI、A-VII、A-VIII、またはA-I
Xの化合物の薬学的に許容される塩である。いくつかのこのような実施形態では、塩は、
ナトリウム、カリウム、マグネシウム、またはカルシウム塩である。一実施形態では、本
明細書に提供される化合物は、式A-I、A-II、A-III、A-IV、A-V、A
-VI、A-VII、A-VIII、またはA-IXの化合物の溶媒和物である。一実施
形態では、本明細書に提供される化合物は、式A-I、A-II、A-III、A-IV
、A-V、A-VI、A-VII、A-VIII、またはA-IXの化合物の水和物であ
る。一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式A-I、A-II、A-III
、A-IV、A-V、A-VI、A-VII、A-VIII、またはA-IXの化合物の
クラスレートである。一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式A-I、A-
II、A-III、A-IV、A-V、A-VI、A-VII、A-VIII、またはA
-IXの化合物のアイソトポログである。
【0103】
他の実施形態では、式B-Iの化合物、
【化14】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体が本明細
書に提供され、式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
が、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換さ
れたヘテロアリール、または任意に置換されたヘテロシクリルであり、
及びRが、それぞれ、ハロであり、
の置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、アルキル、
ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任
意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、-ROR、-
SR、-RN(R)(R)、RORN(R)(R)、またはR
C(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換される。
【0104】
一実施形態では、式B-IIの化合物、
【化15】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体が本明細
書に提供され、式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
が、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換さ
れたヘテロアリール、または任意に置換されたヘテロシクリルであり、
の置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、アルキル、
ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任
意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、-ROR、-
SR、-RN(R)(R)、RORN(R)(R)、またはR
C(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換される。
【0105】
一実施形態では、化合物は、式B-Iまたは式B-IIを有し、式中、
Rが、Hまたは(C-C)アルキルであり、
R’が、Hまたは(C-C)アルキルであり、
が、任意に置換されたアルキルまたは任意に置換されたアリールであり、Rの置
換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、アルキル、ハロ、ハロ
アルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換さ
れたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、-ROR、-RSR
、-RN(R)(R)、RORN(R)(R)、またはRORC(J
)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換される。
【0106】
一実施形態では、化合物は、式B-Iまたは式B-IIを有し、式中、Rが、Hまたは
(C-C)アルキルであり、R’が、Hまたは(C-C)アルキルであり、R
が、任意に置換されたアリール、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたヘ
テロシクリル、または任意に置換されたヘテロアリールであり、Rの置換基が、存在す
るとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、ハロ、アルキル、任意に置換されたシ
クロアルキル、任意に置換されたアリール、-ROR、またはRN(R)(R
)であり、各Rが、独立して、直接結合またはアルキレンであり、各Rが、独立して
、水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはハロアルキルであり、R
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及びR
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘテロ
アリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキルで
置換される。
【0107】
一実施形態では、化合物は、式B-Iまたは式B-IIを有し、式中、Rが、Hまたは
(C-C)アルキルであり、R’が、Hまたは(C-C)アルキルであり、R
が、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたシクロヘキシル、任意に置換されたピ
ペリジニル、または任意に置換されたピリジルであり、Rの置換基が、存在するとき、
1~3つの基Qであり、各Qが独立して、ハロ、アルキル、-ROR、または-R
N(R)(R)であり、各Rが、独立して、直接結合またはアルキレンであり、各
が、独立して、水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、またはハロア
ルキルであり、R及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、ま
たはii)R及びRが、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテ
ロシクリル環を形成する。
【0108】
一実施形態では、化合物は、式B-Iまたは式B-IIを有し、式中、Rが、Hまたは
(C-C)アルキルであり、R’が、Hまたは(C-C)アルキルであり、R
が、任意に置換されたフェニル、任意に置換されたシクロヘキシル、任意に置換されたピ
ペリジニル、または任意に置換されたピリジルであり、Rの置換基が、存在するとき、
1~3つの基Qであり、各Qが独立して、ブロモ、フルオロ、クロロ、メチル、イソプロ
ピル、tertブチル、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ
、メトキシエトキシ、イソプロピルオキシエトキシ、トリフルオロメトキシ、メチルアミ
ノ、ジメチルアミノ、またはピペリジニルである。
【0109】
一実施形態では、化合物は、式B-Iまたは式B-IIを有し、式中、Rが、Hまたは
(C-C)アルキルであり、R’が、Hまたは(C-C)アルキルであり、R
が、任意に置換されたアリールであり、Rの置換基が、存在するとき、1~3つの基Q
であり、各Qが独立して、ハロ、アルキル、-ROR、-RSR、またはR
C(O)N(R)(R)であり、各Rが、独立して、直接結合またはアルキレ
ンであり、各Rが、独立して、水素,ハロ、アルキル、またはハロアルキルであり、R
及びRが、それぞれ独立して、水素またはアルキルである。
【0110】
一実施形態では、化合物は、式B-Iまたは式B-IIを有し、式中、Rが、Hまたは
(C-C)アルキルであり、R’が、Hまたは(C-C)アルキルであり、R
が、任意に置換されたアリールであり、Rの置換基が、存在するとき、1~3つの基Q
であり、各Qが独立して、フルオロ、クロロ、メチル、-ROR、-RN(R
(R)、-RSR、またはRORC(O)N(R)(R)であり、各R
が、独立して、直接結合またはメチレンであり、各Rが、独立して、水素、メチル、エ
チル、またはトリフルオロメチルであり、R及びRが、それぞれ独立して、水素また
はメチルである。
【0111】
一実施形態では、化合物は、式B-Iまたは式B-IIを有し、式中、Rが、Hまたは
(C-C)アルキルであり、R’が、Hまたは(C-C)アルキルであり、R
が、任意に置換されたフェニルであり、Rの置換基が、存在するとき、1~3つの基Q
であり、各Qが独立して、フルオロ、クロロ、メチル、tertブチル、-ROR
-RN(R)(R)、-RSR、またはRORC(O)N(R)(R
)であり、各Rが、独立して、直接結合またはメチレンであり、各Rが、独立して、
水素、メチル、エチル、またはトリフルオロメチルであり、R及びRが、それぞれ独
立して、水素またはメチルである。
【0112】
一実施形態では、式B-IIIの化合物、
【化16】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体が本明細
書に提供され、式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
各Qが、独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキ
シル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル
アルキル、任意に置換されたアリール、-ROR、-RSR、-RN(R
(R)、RORN(R)(R)、またはRORC(J)N(R)(R
)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換され、
nが、0~3である。
【0113】
一実施形態では、式B-IIIの化合物が本明細書に提供され、式中、Rが、Hまたは
(C-C)アルキルであり、R’がHであり、Qが、アルキルまたはハロである。
別の実施形態では、式B-IIIの化合物が本明細書に提供され、式中、Rのうちの1つ
が、Hであり、もう一方が、任意に置換されたアルキルであり、R’がHであり、Q
ハロである。一実施形態では、式B-IIIの化合物が本明細書に提供され、式中、Rの
うちの1つが、Hであり、もう一方が、任意に置換されたアルキルであり、R’がHであ
り、Qがフルオロである。
【0114】
一実施形態では、式B-IVの化合物、
【化17】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される
塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体が本明細書に提供され、
式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
が、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置
換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換された
アリール、-ROR、-RSR、-RN(R)(R)、RORN(R
)(R)、またはRORC(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素またはアルキルである。
【0115】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式B-IVの化合物であり、式中、Rが
、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、R’
が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、Qが、水素、ハロ、アルキル、任意に
置換されたアリール、-ROR、または-RN(R)(R)であり、Rが、
独立して、直接結合またはアルキレンであり、Rが、水素、アルキル、またはハロアル
キルであり、R及びRが、それぞれ独立して、水素またはアルキルである。いくつか
の実施形態では、Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロ
アルキルであり、R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、Qが、水素、B
r、Cl、F、メチル、イソプロピル、t-ブチル、イソプロピル、-OCH、-SC
、-C(CHF、-OCH(CH、-O(CHOCH、または
p-フルオロフェニルである。
【0116】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式B-IVの化合物であり、式中、Rが
、独立して、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、R’が、独立して、Hまたは任
意に置換されたアルキルであり、Qが、Br、Cl、またはFである。
【0117】
一実施形態では、式B-Vの化合物、
【化18】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される
塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体が本明細書に提供され、
式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
及びQが、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキ
シル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル
アルキル、-ROR、-RSR、-RN(R)(R)、RORN(R
)(R)、またはRORC(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、またはア
ルコキシアルキルであり、
及びRが、それぞれ独立して、水素またはアルキルである。
【0118】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式B-Vの化合物であり、式中、Rが、
H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、R’が
、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、Q及びQが、それぞれ独立して、水素
、ハロ、アルキル、アルコキシアルキル、-ROR、または-RN(R)(R
)であり、Rが、直接結合またはアルキレンであり、Rが、水素、アルキル、または
ハロアルキルであり、R及びRが、それぞれ独立して、水素またはアルキルである。
いくつかのこのような実施形態では、Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意
に置換されたシクロアルキルであり、R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり
、Q及びQが、それぞれ独立して、水素、F、メチル、CF、OH、-OCF
-OCHCH、OCH(CH、-OCHCF、または-NHCHである
【0119】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式B-Vの化合物であり、式中、Rが、
H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、R’が
、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、Qが水素であり、Qが、水素、ハロ、
アルキル、アルコキシアルキル、-RN(R)(R)、または-RORであり
、Rが、直接結合またはアルキレンであり、Rが、水素、アルキル、またはハロアル
キルであり、R及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルである。
【0120】
一実施形態では、式B-VIの化合物、
【化19】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される
塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体が本明細書に提供され、
式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
及びQが、それぞれ独立して、水素,アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキ
シル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル
アルキル、-ROR、-RSR、-RN(R)(R)、RORN(R
)(R)、またはRORC(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、またはヒ
ドロキシアルキルであり、
及びRが、以下のように選択される:
i)R及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、または
ii)R及びRが、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロ
シクリルまたはヘテロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、
またはハロアルキルで置換される。
【0121】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式B-VIの化合物であり、式中、Rが
、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、R’
が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、Q及びQが、それぞれ独立して、水
素、ハロ、アルキル、アルコキシアルキル、-RN(R)(R)、または-R
であり、Rが、直接結合またはアルキレンであり、Rが、水素、アルキル、また
はハロアルキルであり、R及びRが、それらが置換された窒素原子と共に、6員ヘテ
ロシクリルを形成する。いくつかのこのような実施形態では、Q及びQが、それぞれ
独立して、水素、F、Cl、OH、メチル、-CF、-NHCH、-N(CH
、-OCF、-OCHCH、-OCHCF、-OCH(CH、-O(C
OCH、-O(CHOCH(CH、-O(CHO(CH
OCH、O(CH-モルホリニル、ピペリジル、モルホリニル、-CH
モルホリニル、または-O(CH-4,4-ジフルオロ-1-ピペリジルである。
【0122】
一実施形態では、式B-VIIの化合物、
【化20】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される
塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体が本明細書に提供され、
式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
が、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置
換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキルアルキル、-ROR、-
SR、-RN(R)(R)、RORN(R)(R)、またはR
C(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、またはヒ
ドロキシアルキルであり、
及びRが、以下のように選択される:
i)R及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、または
ii)R及びRが、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロ
シクリルまたはヘテロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、
またはハロアルキルで置換される。
【0123】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式B-VIIの化合物であり、式中、R
が、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、R
’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、Qが、水素、ハロ、アルキル、アル
コキシアルキル、-RN(R)(R)、または-RORであり、Rが、直接
結合またはアルキレンであり、Rが、水素、アルキル、またはハロアルキルであり、R
及びRが、それらが置換された窒素原子と共に、6員ヘテロシクリルを形成する。い
くつかのこのような実施形態では、Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に
置換されたシクロアルキルであり、Qが、水素、F、Cl、メチル、ピペリジル、モル
ホリニル、-CH-モルホリニル、-N(CH、-O(CHOCH、-
O(CHOCH(CH、-O(CHO(CHOCH、または
-O(CH-4,4-ジフルオロ-1-ピペリジルである。
【0124】
一実施形態では、式B-VIIIの化合物、
【化21】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される
塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体が本明細書に提供され、
式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
及びQが、それぞれ独立して、水素,アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキ
シル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル
アルキル、任意に置換されたアリール、-ROR、-RSR、-RN(R
(R)、RORN(R)(R)、またはRORC(J)N(R)(R
)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、6員ヘテロシクリルを形成する。
【0125】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式B-VIIIの化合物であり、式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、
R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、Q及びQが、それぞれ独立して
、水素、ハロ、アルキル、アルコキシアルキル、任意に置換されたアリール、または-R
ORであり、Rが、直接結合またはアルキレンであり、Rが、水素、アルキル、
またはハロアルキルである。いくつかのこのような実施形態では、Rが、H、任意に置換
されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、Q及びQが、それ
ぞれ独立して、水素、F、Br、Cl、メチル、イソプロピル、t-ブチル、-C(CH
F、p-フルオロフェニル、シクロプロピル、-N(CH、-OCH、-
OCH(CH、O(CHOCH、-O(CHOCH(CH
-O(CHOCH、-O(CHO(CHOCH、-OCF、-
O(CH-4,4-ジフルオロ-1-ピペリジル、-SCF、モルホリニル、ピ
ペリジル、またはCH-モルホリニルである。
【0126】
一実施形態では、式B-IXの化合物、
【化22】
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される
塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体が本明細書に提供され、
式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
各Qが、独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキ
シル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル
アルキル、任意に置換されたヘテロシクリル、-ROR、-ROR-ROR
、-RN(R)(R)、-RSR、-RORN(R)(R)、-R
ORC(J)N(R)(R)、-C(J)R、またはRS(O)であり

Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、オキソ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、
アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ま
たはヘテロシクリルアルキルであり、式中、Rのアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ
アルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシ
クリル、またはヘテロシクリルアルキル基が、それぞれ独立して、アルキル、ハロアルキ
ル、またはハロから選択される、1~3つのQ基で任意に置換され、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであり、
が、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであり、
が、アルキルまたはアリールであり、
Jが、OまたはSであり、
tが、1または2であり、
nが、0~3である。
【0127】
一実施形態では、本明細書における化合物は、式B-IXの化合物であり、式中、Rが
、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり、R’
が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、各Qが、独立して、水素、ハロ、アル
キル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、またはハロアルコキシアルキルである。いく
つかの実施形態では、Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシ
クロアルキルであり、R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、各Qが、独
立して、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、イソプロピル、t-ブチル、-CF、-
O-CHCH、-O-CH(CH、またはシクロプロピルである。
【0128】
一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、
【化23】
からなる群から選択される。
【0129】
一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式B-I、B-II、B-III、
B-IV、B-V、B-VI、B-VII、B-VIII、B-IX、またはB-Xの化
合物の互変異性体である。一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式B-I、
B-II、B-III、B-IV、B-V、B-VI、B-VII、B-VIII、B-
IX、またはB-Xの化合物の薬学的に許容される塩である。いくつかのこのような実施
形態では、塩は、塩酸塩である。一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式B
-I、B-II、B-III、B-IV、B-V、B-VI、B-VII、B-VIII
、B-IX、またはB-Xの化合物の溶媒和物である。一実施形態では、本明細書に提供
される化合物は、式B-I、B-II、B-III、B-IV、B-V、B-VI、B-
VII、B-VIII、B-IX、またはB-Xの化合物の水和物である。一実施形態で
は、本明細書に提供される化合物は、式B-I、B-II、B-III、B-IV、B-
V、B-VI、B-VII、B-VIII、B-IX、またはB-Xの化合物のクラスレ
ートである。一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、式B-I、B-II、B
-III、B-IV、B-V、B-VI、B-VII、B-VIII、B-IX、または
B-Xの化合物のアイソトポログである。
【0130】
化合物のアイソトポログ
本明細書に提供される化合物の同位体が濃縮された類似体(「アイソトポログ」)もま
た、本明細書に提供される。薬物動態(「PK」)、薬力学(「PD」)、及び毒性プロ
ファイルを改善するために医薬品の同位体濃縮(例えば、重水素化)は、いくつかのクラ
スの薬物によって以前に実証されている。例えば、Lijinsky et.al.,F
ood Cosmet.Toxicol.,20:393(1982);Lijinsk
y et.al.,J.Nat.Cancer Inst.,69:1127(1982
);Mangold et.al.,Mutation Res.308:33(199
4);Gordon et.al.,Drug Metab.Dispos.,15:5
89(1987);Zello et.al.,Metabolism,43:487(
1994);Gately et.al.,J.Nucl.Med.,27:388(1
986);Wade D,Chem.Biol.Interact.117:191(1
999)を参照のこと。
【0131】
任意の特定の理論によって限定されるものではないが、薬物の同位体濃縮が、例えば、
(1)望ましくない代謝産物を減少または除外するため、(2)親薬物の半減期を増加す
るため、(3)所望の効果を達成するために必要とされる投薬回数を減少するため、(4
)所望の効果を達成するために必要な投与量を減少するため、(5)もし形成されるなら
ば、活性代謝産物の形成を増加するため、ならびに/または(6)特定の組織における有
害な代謝産物の生成を減少するため、及び/または併用療法が意図されるかどうかに関わ
らず、併用療法のためのより有効な薬物及び/もしくはより安全な薬物を作製するために
使用することができる。
【0132】
その同位体の1つに関する原子の置換は、しばしば、化学反応の反応速度に変化を生じ
るであろう。この現象は、速度論的同位体効果(「KIE」)として既知である。例えば
、化学反応の律速ステップ(すなわち、最高の遷移状態エネルギーを持つステップ)にお
いてC-H結合が破壊される場合、その水素と重水素の置換は、反応速度の減少を引き起
こし、このプロセスは遅くなるであろう。この現象は、重水素速度論的同位体効果(「D
KIE」)として既知である。(例えば、Foster et al.,Adv.Dru
g Res.,vol.14,pp.1-36(1985);Kushner et a
l.,Can.J.Physiol.Pharmacol.,vol.77,pp.79
-88(1999)を参照のこと)。
【0133】
DKIEの規模は、C-H結合が破壊される所定の反応の速度と、重水素が水素と置換
される同じ反応の速度比として表すことができる。DKIEは、約1(同位体効果なし)
から50以上等の非常に大きい数までに及ぶことができ、重水素が水素と置換される場合
、この反応は、50倍以上緩徐であることができることを意味する。特定の理論によって
制限されるものではないが、高いDKIE値は、不確定な原理の結果であるトンネリング
として既知の現象に一部よるのかもしれない。トンネリングは、少量の水素原子に起因し
ており、またトンネリングが生じるのはプロトンを包含する遷移状態が、必要とされる活
性化エネルギーの非存在下で時々形成することができるためである。重水素が水素よりも
大きな質量を有しているので、この現象を受けている確率は統計的に非常に低い。
【0134】
トリチウム(「T」)は、研究、核融合炉、中性子発生装置、及び放射性医薬品におい
て使用される水素の放射性同位体である。トリチウムは、核内に2個の中性子を有し、か
つ3に近い原子量を有する水素原子である。それは、非常に低い濃度で環境において天然
に生じ、最も一般には、TOとして見出される。トリチウムは緩徐に壊変し(半減期=
12.3年)、ヒトの皮膚の外層を貫通できない低エネルギーベータ粒子を放出する。内
部被曝は、この同位体と関係した主要なハザードであるが、未だ、多量に摂取しなければ
ならないことで顕著な健康リスクがもたらされる。重水素と比較して、より少ない量のト
リチウムが有害なレベルに到達する前に消費されなければならない。トリチウム(「T」
)の水素との置換は、重水素よりもそれでもより強い結合を結果的に生じ、数の上ではよ
り大きな同位体効果を付与する。
【0135】
同様に、炭素に対する13Cまたは14C、硫黄に対する33S、34S、または36
S、窒素に対する15N、及び酸素に対する17Oまたは18Oを含むがこれらに限定し
ない、他の元素に対する同位体置換は、類似の速度論的同位体効果をもたらすであろう。
【0136】
5.3.治療方法
一実施形態では、患者に、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを投与するこ
とを含む、がんの治療、予防、及び管理方法が本明細書に提供される。
【0137】
一実施形態では、患者に、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを投与するこ
とを含む、がんの治療方法が本明細書に提供される。
【0138】
一実施形態では、患者に、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを投与するこ
とを含む、がんの予防方法が本明細書に提供される。
【0139】
別の実施形態では、患者に、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを投与する
ことを含む、がんの管理方法が本明細書に提供される。
【0140】
また、がんに対して以前に治療されているが、標準療法に対して非応答性であり、また
以前に治療されていない患者の治療方法も本明細書に提供される。本発明はまた、一部の
疾患または障害は、ある特定の年齢群においてより一般的であるが、患者の年齢に関わら
ず、患者の治療方法も含む。本発明は、未解決の疾患または状態を治療するための試みに
おいて手術を受けた患者、ならびに手術を受けなかった患者の治療方法をさらに包含する
。がんに罹患している患者は、異種の臨床徴候及び様々な臨床転帰を有するため、患者に
施される治療は、その予後に応じて異なり得る。当業者は、過度の実験の具体的な二次薬
剤、ある種の手術、及びある種の、がんに罹患している個体患者を治療するために効果的
に使用され得る非薬物系標準療法なしに容易に決定することができるであろう。
【0141】
本明細書で使用される場合、「がん」という用語は、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含む
が、これらに限定されない。「がん」という用語は、膀胱、骨、血液、脳、乳房、子宮頸
部、胸部、結腸、子宮内膜、食道、眼、頭部、腎臓、肝臓、リンパ節、肺、口、頸部、卵
巣、膵臓、前立腺、直腸、胃、精巣、喉、及び子宮の癌を含むが、これらに限定されない
、皮膚組織、臓器、血液、及び血管の疾患を指す。特定の癌としては、進行悪性腫瘍、ア
ミロイドーシス、神経芽細胞腫、髄膜腫、血管周囲細胞腫、多発性脳転移、多形膠芽腫、
膠芽細胞腫、脳幹神経膠腫、予後不良悪性脳腫瘍、悪性神経膠腫、再発性悪性神経膠腫、
未分化星状細胞腫、未分化乏突起膠腫、神経内分泌腫瘍、結腸直腸癌(3期及び4期結腸
直腸癌を含む)、切除不能結腸直腸癌、転移性肝細胞癌、カポジ肉腫、核型急性骨髄芽球
性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リ
ンパ腫、びまん性大B細胞リンパ腫、低悪性度濾胞性リンパ腫、悪性黒色腫、悪性中皮腫
、悪性胸水中皮腫症候群、腹膜癌、乳頭状漿液性癌、婦人科肉腫、軟部組織肉腫、強皮症
、皮膚血管炎、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、平滑筋肉腫、進行性骨化性繊維形成異
常症、ホルモン抵抗性前立腺癌、切除高リスクの軟部組織の肉腫、切除不能肝細胞癌、ヴ
ァルデンストレームマクログロブリン血症、くすぶり型骨髄腫、無症候性骨髄腫、ファロ
ピウス管癌、アンドロゲン非依存性前立腺癌、アンドロゲン依存性第IV期非転移性前立
腺癌、ホルモン非感受性前立腺癌、化学療法非感受性前立腺癌、乳頭状甲状腺癌、濾胞状
甲状腺癌、髄様甲状腺癌、及び平滑筋腫が挙げられるが、これらに限定されない。
【0142】
ある種の実施形態では、がんは、固形腫瘍である。ある種の実施形態では、固形腫瘍は
、転移性である。ある種の実施形態では、固形腫瘍は、薬物耐性である。ある種の実施形
態では、固形腫瘍は、肝細胞癌、前立腺癌、卵巣癌、または膠芽腫である。
【0143】
ある種の実施形態では、がんは、血液由来腫瘍である。ある種の実施形態では、血液由
来腫瘍は、転移性である。ある種の実施形態では、血液由来腫瘍は、薬物耐性である。あ
る種の実施形態では、がんは、白血病である。
【0144】
一実施形態では、本明細書に提供される方法は、治療上有効量の、本明細書に提供され
る化合物Aまたは化合物Bを投与することによって、慢性リンパ球性白血病(CLL)、
慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(
AML)、及び急性骨髄芽球性白血病(AML)等の様々な種類の白血病を治療、予防、
または管理することを含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、対象における急性白血病を治
療、予防、または管理することを含む。いくつかの実施形態では、急性白血病は、未分化
AML(M0)、骨髄芽球性白血病(M1)、骨髄芽球性白血病(M2)、前骨髄球性白
血病(M3またはM3変異体(M3V))、骨髄単球性白血病(好酸球増加を伴うM4ま
たはM4変異体(M4E))、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)、及び巨核芽球
性白血病(M7)が挙げられるが、これらに限定されない、急性骨髄性白血病(AML)
である。一実施形態では、急性骨髄性白血病は、未分化AML(M0)である。一実施形
態では、急性骨髄性白血病は、骨髄芽球性白血病(M1)である。一実施形態では、急性
骨髄性白血病は、骨髄芽球性白血病(M2)である。一実施形態では、急性骨髄性白血病
は、前骨髄球性白血病(M3またはM3変異体(M3V))である。一実施形態では、急
性骨髄性白血病は、骨髄単球性白血病(好酸球増加を伴うM4またはM4変異体(M4E
))である。一実施形態では、急性骨髄性白血病は、単球性白血病(M5)である。一実
施形態では、急性骨髄性白血病は、赤白血病(M6)である。一実施形態では、急性骨髄
性白血病は、巨核芽球性白血病(M7)である。
【0146】
ある種の実施形態では、対象における急性骨髄性白血病の治療、予防、または管理方法
は、急性骨髄性白血病を治療、予防、または管理するのに有効な、ある量の本明細書に提
供される化合物Aまたは化合物Bを単独でまたは組み合わせて、対象に投与するステップ
を含む。
【0147】
一実施形態では、化合物Aまたは化合物Bの静脈内投与によって急性骨髄性白血病の治
療、予防、または管理方法が本明細書に提供される。
【0148】
いくつかの実施形態では、方法は、急性骨髄性白血病を治療、予防、または管理するの
に有効な量で、第2の活性薬剤と組み合わせて、本明細書に提供される化合物Aまたは化
合物Bを対象に投与するステップを含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、対象における急性リンパ球性
白血病(ALL)を治療、予防、または管理することを含む。いくつかの実施形態では、
急性リンパ球性白血病は、骨髄(B細胞)、胸腺(T細胞)、及びリンパ節の芽細胞に由
来する白血病を含む。急性リンパ球性白血病は、仏国-米国-英国(FAB)形態学的分
類スキームに従って、L1-成熟した外見のリンパ芽球(T細胞またはプレB細胞)、L
2-未熟及び多形(多様な形状)リンパ芽球(T細胞またはプレB細胞)、ならびにL3
-リンパ芽球(B細胞、バーキット細胞)として分類され得る。一実施形態では、急性リ
ンパ球性白血病は、骨髄(B細胞)の芽細胞に由来する。一実施形態では、急性リンパ球
性白血病は、胸腺(T細胞)に由来する。一実施形態では、急性リンパ球性白血病は、リ
ンパ節に由来する。一実施形態では、急性リンパ球性白血病は、成熟した外見のリンパ芽
球(T細胞またはプレB細胞)によって特徴付けられるL1型である。一実施形態では、
急性リンパ球性白血病は、未成熟及び多形(多様な形状)リンパ芽球(T細胞またはプレ
B細胞)によって特徴付けられるL2型である。一実施形態では、急性リンパ球性白血病
は、リンパ芽球(B細胞、バーキット細胞)によって特徴付けられるL3型である。ある
種の実施形態では、急性リンパ球性白血病は、T細胞白血病である。一実施形態では、T
細胞白血病は、末梢T細胞白血病である。別の実施形態では、T細胞白血病は、T細胞リ
ンパ芽球性白血病である。別の実施形態では、T細胞白血病は、皮膚T細胞白血病である
。別の実施形態では、T細胞白血病は、成人型T細胞白血病である。したがって、対象に
おける急性リンパ球性白血病の治療、予防、または管理方法は、急性リンパ球性白血病を
治療、予防、または管理するのに有効な、ある量の本明細書に提供される化合物Aまたは
化合物Bを単独でまたは第2の活性薬剤と組み合わせて、対象に投与するステップを含む
。いくつかの実施形態では、方法は、急性リンパ球性白血病を治療、予防、または管理す
るのに有効な量で、第2の活性薬剤と組み合わせて、本明細書に提供される化合物Aまた
は化合物Bを対象に投与するステップを含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、対象における慢性骨髄性白血
病(CML)を治療、予防、または管理することを含む。方法は、慢性骨髄性白血病を治
療、予防、または管理するのに有効な、ある量の本明細書に提供される化合物Aまたは化
合物Bを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、方法は、慢性骨髄性
白血病を治療、予防、または管理するのに有効な量で、第2の活性薬剤と組み合わせて、
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを対象に投与するステップを含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、対象における慢性リンパ球性
白血病(CLL)を治療、予防、または管理することを含む。方法は、慢性リンパ球性白
血病を治療、予防、または管理するのに有効な、ある量の本明細書に提供される化合物A
または化合物Bを対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、方法は、慢
性リンパ球性白血病を治療、予防、または管理するのに有効な量で、第2の活性薬剤と組
み合わせて、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを対象に投与するステップを
含む。
【0152】
ある種の実施形態では、腎機能障害を有する患者における疾患の治療、予防、及び/ま
たは管理方法が本明細書に提供される。ある種の実施形態では、腎機能障害を有する患者
におけるがんの治療、予防、及び/または管理方法が本明細書に提供される。ある種の実
施形態では、疾患、老化、または他の患者因子によるものであるが、これらに限定されな
い、腎機能障害を有する患者に対して適切な投与量の調節を提供する方法が本明細書に提
供される。
【0153】
一実施形態では、治療的に活性な量の本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを
投与することによって骨髄異形成症候群(MDS)の治療、予防、及び/または管理方法
が本明細書に提供される。一実施形態では、MDSは、再発性、耐性、または不応性MD
Sである。一実施形態では、MDSは、不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴うRA(R
ARS)、過剰な芽細胞を有するRA(RAEB)、多血球系異形成を伴う不応性血球減
少症(RCMD)、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD)、未分類
骨髄異形成症候群(MDS-U)、単離されたdel(5q)の染色体異常に付随する骨
髄異形成症候群、療法関連骨髄性腫瘍、及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)から選択
される。
【0154】
ある種の実施形態では、非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫の治療、予防、及び/また
は管理方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、予後因子を用いて、びま
ん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を含むが、これに限定されない、非ホジキン
リンパ腫(NHL)の治療または管理のための方法が本明細書に提供される。
【0155】
ある種の実施形態では、腎機能障害またはその症状に罹患している患者における再発性
/不応性多発性骨髄腫を含む、多発性骨髄腫の治療、予防、及び/または管理の方法が本
明細書に提供され、本方法は、治療上有効量の本明細書に提供される化合物Aまたは化合
物Bを、腎機能障害を有する再発性/不応性多発性骨髄腫に罹患している患者に投与する
ことを含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、上述の疾患または病態のうちのいずれかの治療、予防、及び
/または管理方法で用いるための化合物A及び化合物Bが本明細書に提供される。
【0157】
ある種の実施形態では、治療的または予防的に有効な量の本明細書に提供される化合物
Aまたは化合物Bは、約0.005~約1,000mg/日、約0.01~約500mg
/日、約0.01~約250mg/日、約0.01~約100mg/日、約0.1~約1
00mg/日、約0.5~約100mg/日、約1~約100mg/日、約0.01~約
50mg/日、約0.1~約50mg/日、約0.5~約50mg/日、約1~約50m
g/日、約0.02~約25mg/日、約0.05~約10mg/日、約0.05~約5
mg/日、約0.1~約5mg/日、または約0.5~約5mg/日である。
【0158】
ある種の実施形態では、治療的または予防的に有効な量は、約0.1、約0.2、約0
.5、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約15、約2
0、約25、約30、約40、約45、約50、約60、約70、約80、約90、約1
00、または約150mg/日である。いくつかのこのような実施形態では、治療的また
は予防的に有効な量は、約2、約3、約4、約5、約6、または約7mg/日である。
【0159】
一実施形態では、本明細書に記載される状態についての本明細書に提供される化合物A
または化合物Bの推奨される1日用量範囲は、約0.05mg~約50mg/日の範囲内
にあり、好ましくは単一の1日1回の用量として、または1日の全体にわたって分割用量
として与えられる。いくつかの実施形態では、投与量は、約1mg~約50mg/日の範
囲に及ぶ。他の実施形態では、投与量は、約0.5~約5mg/日の範囲に及ぶ。1日当
たりの特定の用量には、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9
、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、
23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、3
6、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49
、または50mg/日が含まれる。
【0160】
特定の実施形態では、推奨される出発投薬量は、0.1、0.5、1、2、3、4、5
、10、15、20、25、または50mg/日であり得る。別の実施形態では、推奨さ
れる出発投薬量は、0.1、0.5、1、2、3、4、または5mg/日であり得る。投
与量は、15、20、25、30、35、40、45、及び50mg/日まで増量され得
る。特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、AMLを含
む白血病に罹患している患者に、約25mg/日の量で投与され得る。特定の実施形態で
は、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、AMLを含む白血病に罹患してい
る患者に、約10mg/日の量で投与され得る。特定の実施形態では、本明細書に提供さ
れる化合物Aまたは化合物Bは、AMLを含む白血病に罹患している患者に、約5mg/
日の量で投与され得る。特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合
物Bは、AMLを含む白血病に罹患している患者に、約4mg/日の量で投与され得る。
特定の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、AMLを含む白
血病に罹患している患者に、約3mg/日の量で投与され得る。
【0161】
特定の実施形態では、化合物Aまたは化合物Bは、MDSに罹患している患者に、約2
5mg/日の量で投与され得る。特定の実施形態では、化合物Aまたは化合物Bは、MD
Sに罹患している患者に、約10mg/日の量で投与され得る。特定の実施形態では、化
合物Aまたは化合物Bは、MDSに罹患している患者に、約5mg/日の量で投与され得
る。特定の実施形態では、化合物Aまたは化合物Bは、MDSに罹患している患者に、約
4mg/日の量で投与され得る。特定の実施形態では、化合物Aまたは化合物Bは、MD
Sに罹患している患者に、約3mg/日の量で投与され得る。特定の実施形態では、化合
物Aまたは化合物Bは、MDSに罹患している患者に、約2mg/日の量で投与され得る
。特定の実施形態では、化合物Aまたは化合物Bは、MDSに罹患している患者に、約1
mg/日の量で投与され得る。特定の実施形態では、化合物Aまたは化合物Bは、MDS
に罹患している患者に、約0.5mg/日の量で投与され得る。
【0162】
ある種の実施形態では、治療的または予防的に有効な量は、約0.001~約100m
g/kg/日、約0.01~約50mg/kg/日、約0.01~約25mg/kg/日
、約0.01~約10mg/kg/日、約0.01~約9mg/kg/日、0.01~約
8mg/kg/日、約0.01~約7mg/kg/日、約0.01~約6mg/kg/日
、約0.01~約5mg/kg/日、約0.01~約4mg/kg/日、約0.01~約
3mg/kg/日、約0.01~約2mg/kg/日、約0.01~約1mg/kg/日
、または約0.01~約0.05mg/kg/日である。
【0163】
投与された用量はまた、mg/kg/日以外の単位で表され得る。例えば、非経口投与
のための投与量は、mg/m/日として表され得る。当業者は、所与の対象の身長もし
くは体重のいずれかまたはその両方に対する投与量をmg/kg/日からmg/m/日
へ変換する方法を容易に知り得る(www.fda.gov/cder/cancer/
animalframe.htmを参照のこと)。例えば、65kgのヒトに対する1m
g/kg/日の投与量は、38mg/m/日とほぼ同等である。
【0164】
ある種の実施形態では、投与される本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの量
は、約0.001~約500μM、約0.002~約200μM、約0.005~約10
0μM、約0.01~約50μM、約1~約50μM、約0.02~約25μM、約0.
05~約20μM、約0.1~約20μM、約0.5~約20μM、または約1~約20
μMの範囲に及ぶ、定常状態で化合物Aまたは化合物Bの血漿濃度を提供するのに十分で
ある。
【0165】
他の実施形態では、投与される本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの量は、
約5~約100nM、約5~約50nM、約10~約100nM、約10~約50nM、
または約50~約100nMの範囲に及ぶ、定常状態で化合物Aまたは化合物Bの血漿濃
度を提供するのに十分である。
【0166】
本明細書で使用される場合、「定常状態で血漿濃度」という用語は、本明細書に提供さ
れる化合物Aまたは化合物Bの投与期間後に到達した濃度である。一旦定常状態に到達す
ると、化合物の血漿濃度の時間依存性曲線上には、小さいピーク及びトラフが存在する。
【0167】
ある種の実施形態では、投与される本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの量
は、約0.001~約500μM、約0.002~約200μM、約0.005~約10
0μM、約0.01~約50μM、約1~約50μM、約0.02~約25μM、約0.
05~約20μM、約0.1~約20μM、約0.5~約20μM、または約1~約20
μMの範囲に及ぶ、化合物の最大血漿濃度(ピーク濃度)を提供するのに十分である。
【0168】
ある種の実施形態では、投与される本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの量
は、約0.001~約500μM、約0.002~約200μM、約0.005~約10
0μM、約0.01~約50μM、約1~約50μM、約0.01~約25μM、約0.
01~約20μM、約0.02~約20μM、約0.02~約20μM、または約0.0
1~約20μMの範囲に及ぶ、化合物の最小血漿濃度(トラフ濃度)を提供するのに十分
である。
【0169】
ある種の実施形態では、投与される本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの量
は、約100~約100,000nghr/mL、約1,000~約50,000ng
hr/mL、約5,000~約25,000nghr/mL、または約5,000~
約10,000nghr/mLの範囲に及ぶ、化合物の曲線下面積(AUC)を提供す
るのに十分である。
【0170】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される方法の1つにより治療されるべき患者は
、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの投与の前に、抗がん療法により治療さ
れていない。ある種の実施形態では、本明細書に提供される方法の1つにより治療される
べき患者は、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの投与の前に、抗がん療法に
より治療されている。ある種の実施形態では、本明細書に提供される方法の1つにより治
療されるべき患者は、抗がん療法に対し薬物耐性を発達させている。
【0171】
本明細書に提供される方法は、一部の疾患または障害は、ある特定の年齢群においてよ
り一般的であるが、患者の年齢に関わらず、患者を治療することを含む。
【0172】
治療されるべき疾患及び対象の状態に応じて、本明細書に提供される化合物Aまたは化
合物Bは、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、嚢内への注射もし
くは注入、皮下注射、または埋植)、吸入、経鼻、経膣、経直腸、舌下、または局部(例
えば、経皮もしくは局所的)投与経路により投与することができる。本明細書に提供され
る化合物Aまたは化合物Bは、好適な投与単位において、単独で、または各投与経路に適
した薬学的に許容される賦形剤、担体、アジュバント、及びビヒクルと一緒に、製剤化す
ることができる。
【0173】
一実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、経口的に投与され
る。
【0174】
別の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、非経口的に投与
される。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを含む水
溶液は、非経口的に投与される。
【0175】
さらに別の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、静脈内に
投与される。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを含
む水溶液は、静脈内に投与される。
【0176】
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、例えば、単回ボーラス注射、または
経口錠剤もしくは丸剤等の、単回投与量として、あるいは、例えば、経時的な連続注入も
しくは経時的分割ボーラス投与量等、経時的に送達することができる。本明細書に提供さ
れる化合物Aまたは化合物Bは、患者が安定した疾患もしくは寛解を経験するまで、また
は患者が疾患の増悪もしくは許容し難い毒性を経験するまで、必要ならば、反復投与する
ことができる。例えば、固形腫瘍に関して安定した疾患とは、一般に、測定可能な病巣の
直交する直径が、最後の測定から、25%以上増大していないことを意味する。固形腫瘍
の治療効果判定のための(RECIST)ガイドライン、Journal of the
National Cancer Institute 92(3):205-216
(2000)。安定した疾患またはそれらの欠如は、X-線、CAT、PET、またはM
RI走査及び他の一般に受け入れられた評価様式を使用し画像化されている、患者症状の
評価、健康診断、腫瘍の視覚化等の、当該技術分野において既知の方法により決定される
【0177】
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、1日1回(QD)で、または1日2
回(BID)、1日3回(TID)、及び1日4回(QID)等、複数回の1日投与量に
分割して投与することができる。加えて、投与は、連続して(すなわち、連続する日に毎
日、または毎日)、間欠的に、例えばサイクルで(すなわち、数日、数週間、または数ヶ
月の休薬期間を含む)であることができる。本明細書で使用される場合、「毎日」という
用語は、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物B等の治療的化合物が、例えば、あ
る期間にわたり、各日に1回または1回超投与されることを意味することが意図されてい
る。「連続」という用語は、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物B等の治療的化
合物が、少なくとも10日間から52週間までの断続されることのない期間、毎日投与さ
れることを意味することが意図されている。本明細書に使用される「断続」または「断続
的に」という用語は、規則的間隔または不規則な間隔のいずれかで、停止及び開始するこ
とを意味することが意図されている。例えば、本明細書に提供される化合物Aまたは化合
物Bの断続的投与は、1週間につき1~6日間の投与、サイクル投与(例えば、2~8連
続する週について毎日投与、その後最大1週間は投与しない休薬期間)、または隔日投与
である。本明細書に使用される「サイクル」という用語は、本明細書に提供される化合物
Aまたは化合物B等の治療的化合物が、休薬期間を伴い、毎日または連続して投与される
ことを意味することが意図されている。いくつかのこのような実施形態では、2~6日間
、1日1回投与であり、その後5~7日間は投与しない休薬期間である。
【0178】
いくつかの実施形態では、投与頻度は、約1日投与量から約1月投与量までの範囲であ
る。ある種の実施形態では、投与は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、隔日1
回、週2回、週1回、2週間毎に1回、3週間毎に1回、または4週間毎に1回である。
一実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、1日1回投与される
。別の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、1日2回投与さ
れる。さらに別の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、1日
3回投与される。さらに別の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物
Bは、1日4回投与される。
【0179】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、1日から6
ヶ月まで、1週間から3ヶ月まで、1週間から4週間まで、1週間から3週間まで、また
は1週間から2週間まで、1日1回投与される。ある種の実施形態では、本明細書に提供
される化合物Aまたは化合物Bは、1週間、2週間、3週間、または4週間、1日1回投
与される。一実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、4日間、
1日1回投与される。一実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは
、5日間、1日1回投与される。一実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは
化合物Bは、6日間、1日1回投与される。一実施形態では、本明細書に提供される化合
物Aまたは化合物Bは、1週間、1日1回投与される。別の実施形態では、本明細書に提
供される化合物Aまたは化合物Bは、2週間、1日1回投与される。さらに別の実施形態
では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、3週間、1日1回投与される。
さらに別の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、4週間、1
日1回投与される。
【0180】
5.3.1.第2の活性薬剤を用いた併用療法
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bはまた、本明細書に記載されるがんの治
療及び/または予防に有用な他の治療剤と組み合わせて、混合または使用され得る。
【0181】
一実施形態では、1つ以上の第2の活性薬剤と組わせて、及び任意に放射線療法、輸血
、または外科手術と組み合わせて、患者に、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物
Bを投与することを含む、がんの治療、予防、または管理方法が本明細書に提供される。
第2の活性薬剤の例は、本明細書に開示されている(例えば、5.4項を参照のこと)。
例えば、化合物Aまたは化合物Bは、がんの治療方法において、1つ以上の第2の活性薬
剤と組み合わせて、使用され得る。
【0182】
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bはまた、本明細書に記載されるMDSの
治療及び/または予防に有用な他の治療剤と組み合わせて、混合または使用され得る。
【0183】
一実施形態では、1つ以上の第2の活性薬剤と組わせて、及び任意に放射線療法、輸血
、または外科手術と組み合わせて、患者に、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物
Bを投与することを含む、MDSの治療、予防、及び/または管理方法が本明細書に提供
される。第2の活性薬剤の例は、本明細書に開示されている。
【0184】
本明細書で使用される場合、「組み合わせて」という用語は、1つを超える療法剤(例
えば、1つ以上の予防的及び/または治療的薬剤)の使用を含む。しかしながら、「組み
合わせて」という用語の使用は、治療剤(例えば、予防的及び/または治療的薬剤)が疾
患または障害を有する患者に投与される順序を限定しない。第1の療法剤(例えば、本明
細書に提供される化合物等の予防的または治療的薬剤、例えば、化合物Aまたは化合物B
は、対象に、第2の治療剤(例えば、予防的または治療的薬剤)の投与の前(例えば、5
分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、
48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8
週間、または12週間前)、投与とともにまたは投与の後(例えば、5分、15分、30
分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時
間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12
週間後)に投与され得る。三重療法剤もまた、本明細書に企図される。
【0185】
患者への本明細書に提供される化合物Aまたは化合物B及び1つ以上の第2の活性薬剤
の投与は、同じまたは異なる投与経路によって同時または逐次に行うことができる。特定
の活性薬剤のために利用される特定の投与経路の適性は、活性薬剤それ自体(例えば、そ
れが血流に進入する前に分解されることなく、経口投与することができるかどうか)及び
治療されるがんに応じて異なるであろう。
【0186】
化合物Aまたは化合物Bの投与経路は、第2の療法剤の投与経路と無関係である。一実
施形態では、化合物Aまたは化合物Bは、経口的に投与される。別の実施形態では、化合
物Aまたは化合物Bは、静脈内に投与される。したがって、これらの実施形態に従って、
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、経口的または静脈内に投与され、第2
の療法剤は、経口的、非経口的、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉注射、直腸
、経頬、鼻腔内、リポソーム、吸入を介して、経膣的、眼内、カテーテルもしくはステン
トによる局所送達を介して、皮下、脂肪内、関節内、髄腔内、または持続放出の剤形で投
与され得る。一実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物B及び第2の
療法剤は、同じ投与様式、経口、またはIVによって投与される。別の実施形態では、本
明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、ある投与様式、例えば、IVによって投
与される一方で、第2の薬剤(抗がん剤)は、別の投与様式、例えば、経口によって投与
される。
【0187】
一実施形態では、第2の活性薬剤は、静脈内または皮下に、約1~約1000mg、約
5~約500mg、約10~約350mg、または約50~約200mgの量で1日1回
または2回投与される。第2の活性薬剤の特定の量は、使用される特定の薬剤、治療また
は管理される疾患の種類、疾患の重症度及び病期、本明細書に提供される化合物Aまたは
化合物B、及び患者に同時に投与される任意に追加される活性薬剤の量によって決まるで
あろう。
【0188】
1つ以上の第2の活性成分または薬剤は、本明細書に提供される方法及び組成物におい
て化合物Aまたは化合物Bと一緒に使用することができる。第2の活性薬剤は、大分子(
例えば、タンパク質)または小分子(例えば、合成無機、有機金属、または有機の分子)
であり得る。
【0189】
大分子活性薬剤の例としては、造血成長因子、サイトカイン、ならびにモノクローナル
及びポリクローナル抗体、特に、がん抗原への治療抗体が挙げられるが、これらに限定さ
れない。典型的な大分子活性薬剤は、天然に存在する、または合成、または組換えタンパ
ク質等の生体分子である。本明細書に提供される方法及び組成物に特に有用であるタンパ
ク質は、インビトロまたはインビボでの造血前駆細胞及び免疫学的に活性な造血細胞の生
存及び/または増殖を刺激するタンパク質を含む。他の有用なタンパク質は、インビトロ
またはインビボで細胞におけるコミットされた赤血球系前駆体の分裂及び分化を刺激する
。特定のタンパク質としては、IL-2(組換えIL-II(「rIL2」)及びカナリ
ア痘IL-2を含む)、IL-10、IL-12、及びIL-18;インターフェロン(
例えばインターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-n
1、インターフェロンα-n3、インターフェロンβ-Ia、及びインターフェロンγ-
Ib);GM-CF及びGM-CSF;ならびにEPOが挙げられるが、これらに限定さ
れない。
【0190】
ある種の実施形態では、GM-CSF、G-CSF、SCF、またはEPOは、約1~
約750mg/m/日、約25~約500mg/m/日、約50~約250mg/m
/日、または約50~約200mg/m/日の範囲に及ぶ量で、4または6週間のサ
イクルにおいて、約5日間皮下に投与される。ある種の実施形態では、GM-CSFは、
約60~約500mcg/mの量で2時間にわたって静脈内に、または約5~約12m
cg/m/日の量で皮下に投与することができる。ある種の実施形態では、G-CSF
は、最初に約1mcg/kg/日の量で皮下に投与することができ、かつ総顆粒球数の上
昇に応じて調整することができる。維持投与量のG-CSFは、約300(より小さい患
者において)または480mcgの量で皮下に投与することができる。ある種の実施形態
では、EPOは、1週当たり10,000単位の量で3回皮下に投与することができる。
【0191】
方法及び組成物に使用することができる特定のタンパク質には、商品名Neupoge
n(登録商標)(Amgen,Thousand Oaks,CA)として米国で販売さ
れているフィルグラスチム;商品名Leukine(登録商標)(Immunex,Se
attle,WA)として米国で販売されているサルグラモスチム;及び商品名Epog
en(登録商標)(Amgen,Thousand Oaks,CA)として米国で販売
されている組換えEPOが挙げられるが、これらに限定されない。
【0192】
GM-CSFの組換え及び変異形態は、米国特許第5,391,485号、同第5,3
93,870号、及び同第5,229,496号に記載されているように調製することが
でき、これらの文献のすべては、参照により本明細書に組み込まれている。G-CSFの
組換え及び変異形態は、米国特許第4,810,643号、同第4,999,291号、
同第5,528,823号、及び同第5,580,755号に記載されているように調製
することができ、これらの文献の全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0193】
また、未処置のタンパク質、天然に存在するタンパク質、及び組換えタンパク質が、本
明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bと組み合わせて使用するために提供される。
天然に存在するタンパク質の変異体及び誘導体(例えば、修飾された形態)が、元となる
タンパク質の薬学的に活性な少なくとも一部をインビボで呈する当該タンパク質の変異体
及び誘導体をさらに包含する。変異体の例としては、タンパク質の天然に存在する形態で
対応する残基とは異なる1つ以上のアミノ酸残基を有するタンパク質が挙げられるが、こ
れらに限定されない。また、「変異体」という用語によって包含されるのは、それらの天
然に存在する形態(例えば、非グリコシル化形態)で通常存在する炭水化物部分を欠失し
ているタンパク質である。誘導体の例としては、ペグ化誘導体、及びIgG1またはIg
G3を、対象となるタンパク質または当該タンパク質の活性部分に融合することによって
形成されるタンパク質等の融合タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。例え
ば、Penichet,M.L.and Morrison,S.L.,J.Immun
ol.Methods 248:91-101(2001)を参照のこと。
【0194】
化合物Aまたは化合物Bと組み合わせて使用することができる抗体は、モノクローナル
抗体及びポリクローナル抗体を含む。抗体の例としては、トラスツズマブ(Hercep
tin(登録商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、ベバシズマブ(
Avastin(商標))、ペルツズマブ(Omnitarg(商標))、トシツモマブ
(Bexxar(登録商標))、エドレコロマブ(Panorex(登録商標))、及び
G250が挙げられるが、これらに限定されない。化合物Aまたは化合物Bはまた、例え
ば、Erbitux(登録商標)またはパニツムマブ等の抗TNF-α抗体及び/または
抗EGFR抗体と組み合わせることができるか、またはそれらと組み合わせて使用するこ
とができる。
【0195】
大分子活性薬剤は、抗がんワクチンの形態で投与され得る。例えば、IL-2、G-C
SF、及びGM-CSF等のサイトカインを分泌する、またはその分泌を引き起こすワク
チンは、提供される方法及び薬学的組成物において使用され得る。例えば、Emens,
L.A.,et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.3(1):7
7-84(2001)を参照のこと。
【0196】
小分子である第2の活性薬剤もまた、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの
投与に関連する有害作用を緩和するために使用され得る。しかしながら、一部の大分子の
ように、多くは、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bと共に投与した場合(例
えば、前に、後に、または同時に)、相乗効果を提供することができると考えられている
。小分子の第2の活性薬剤の例としては、抗がん剤、抗生物質、免疫抑制剤、及びステロ
イドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0197】
ある種の実施形態では、第2の薬剤は、HSP阻害剤、プロテアソーム阻害剤、FLT
3阻害剤、またはTORキナーゼ阻害剤である。
【0198】
本明細書に記載される方法または組成物で使用される抗がん剤の例としては、アシビシ
ン、アクラルビシン、アコダゾールヒドロクロリド、アクロニン、アドゼレシン、アルデ
スロイキン、アルトレタミン、アンボマイシン、酢酸アメタントロン、アムサクリン、ア
ナストロゾール、アントラマイシン、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アザシチジン、
アゼテパ、アゾトマイシン、バチマスタット、ベンゾデパ、ビカルタミド、ビサントレン
ヒドロクロリド、ビスナフィドジメシラート、ビゼレシン、硫酸ブレオマイシン、ブレキ
ナルナトリウム、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カラ
セミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルムスチン、カルビシンヒドロクロリド、カ
ルゼレシン、セデフィンゴール、セレコキシブ(COX-2阻害剤)、クロラムブシル、
シロレマイシン、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリスナトールメシラ
ート、シクロホスファミド、Ara-C、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビ
シンヒドロクロリド、デシタビン、デキソルマプラチン、デザグアニン、デザグアニンメ
シラート、ジアジクオン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドキソルビシンヒドロクロリ
ド、ドロロキシフェン、ドロロキシフェンシトラート、ドロモスタノロンプロピオナート
、デュアゾマイシン、エダトレキサート、エフロルニチンヒドロクロリド、エルサミトル
シン、エンロプラチン、エンプロマート、エピプロピジン、エピルビシンヒドロクロリド
、エルブロゾール、エソルビシンヒドロクロリド、エストラムスチン、エストラムスチン
リン酸ナトリウム、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、塩酸
ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フロクスウリジン、リン酸フルダラビ
ン、フルオロウラシル、フルオロシタビン、ホスキドン、ホストリエシンナトリウム、ゲ
ムシタビン、ゲムシタビンヒドロクロリド、ヒドロキシ尿素、イダルビシンヒドロクロリ
ド、イホスファミド、イルモフォシン、イプロプラチン、イリノテカン、イリノテカンヒ
ドロクロリド、酢酸ランレオチド、レトロゾール、酢酸ロイプロリド、リアロゾールヒド
ロクロリド、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、ロソキサントロンヒドロクロリ
ド、マソプロコール、マイタンシン、メクロレタミンヒドロクロリド、酢酸メゲストロー
ル、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレ
キサート、メトトレキサートナトリウム、メトプリン、メツレデパ、ミチンドミド、ミト
カルシン、ミトクロミン、ミトギリン、ミトマルシン、ミトマイシン、ミトスペル、ミト
タン、ミトキサントロンヒドロクロリド、ミコフェノール酸、ノコダゾール、ノガラマイ
シン、オマセタキシン、オルマプラチン、オキシスラン、パクリタキセル、ペグアスパル
ガーゼ、ペリオマイシン、ペンタムスチン、ペプロマイシンスルファート、ペルホスファ
ミド、ピポブロマン、ピポスルファン、ピロキサントロンヒドロクロリド、プリカマイシ
ン、プロメスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、
プロカルバジンヒドロクロリド、ピューロマイシン、ピューロマイシンヒドロクロリド、
ピラゾフリン、リボプリン、サフィンゴール、サフィンゴールヒドロクロリド、セムスチ
ン、シムトラゼン、ソラフェニブ、スパルフォサートナトリウム、スパルソマイシン、ス
ピロゲルマニウムヒドロクロリド、スピロムスチン、スピロプラチン、ストレプトニグリ
ン、ストレプトゾシン、スロフェヌル、タリソマイシン、テコガランナトリウム、タキソ
テレ、テガフル、テロキサントロンヒドロクロリド、テモポルフィン、テニポシド、テロ
キシロン、テストラクトン、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チ
ラパザミン、トレミフェンシトラート、酢酸トレストロン、リン酸トリシリビン、トリメ
トレキサート、トリメトレキサートグルクロナート、トリプトレリン、ツブロゾールヒド
ロクロリド、ウラシルマスタード、ウレデパ、バプレオチド、ベルテポルフィン、ビンブ
ラスチンスルファート、ビンクリスチンスルファート、ビンデシン、ビンデシンスルファ
ート、ビネピジンスルファート、ビングリシナートスルファート、ビンロイロシンスルフ
ァート、ビノレルビンタートラート、ビンロシジンスルファート、ビンゾリジンスルファ
ート、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン、及びゾルビシンヒドロクロリドが挙げ
られるが、これらに限定しない。
【0199】
方法または組成物に含まれる他の抗がん薬物としては、20-エピ-1,25ジヒドロ
キシビタミンD3、5-エチニルウラシル、アビラテロン、アクラルビシン、アシルフル
ベン、アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、ALL-TKアンタゴニスト
、アルトレタミン、アンバムスチン、アミドックス、アミホスチン、アミノレブリン酸、
アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラホリド、
血管新生阻害剤、アンタゴニストD、アンタゴニストG、アンタレリクス、抗背側化形態
形成タンパク質1、抗アンドロゲン薬、前立腺癌、抗エストロゲン薬、アンチネオプラス
トン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アフィジコリングリシナート、アポトーシス遺
伝子調節剤、アポトーシス調節剤、アプリン酸、ara-CDP-DL-PTBA、アル
ギニンデアミナーゼ、アスラクリン、アタメスタン、アトリムスチン、アクシナスタチン
1、アクシナスタチン2、アクシナスタチン3、アザセトロン、アザトキシン、アザチロ
シン、バッカチンIII誘導体、バラノール、バチマスタット、BCR/ABLアンタゴ
ニスト、ベンゾクロリン、ベンゾイルスタウロスポリン、ベータラクタム誘導体、ベータ
-アレチン、ベタクラマイシンB、ベツリン酸、bFGF阻害剤、ビカルタミド、ビサン
トレン、ビサジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ビストラテンA、ビゼレシン、ブレ
フラート、ブロピリミン、ブドチタン、ブチオニンスルホキシミン、カルシポトリオール
、カルホスチンC、カンプトテシン誘導体、カペシタビン、カルボキサミド-アミノ-ト
リアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、CaRestM3、CARN700、軟骨
由来阻害剤、カルゼレシン、カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS)、カスタノスペルミン
、セクロピンB、セトロレリクス、chlorlns、クロロキノキサリンスルホンアミ
ド、シカプロスト、シス-ポルフィリン、クラドリビン、クロミフェン類似体、クロトリ
マゾール、コリスマイシンA、コリスマイシンB、コンブレタスタチンA4、コンブレタ
スタチン類似体、コナゲニン、クランベシジン816、クリスナトール、クリプトフィシ
ン8、クリプトフィシンA誘導体、クラシンA、シクロペンタントラキノン、シクロプラ
タム、シペマイシン、Ara-Cオクホスファート、細胞溶解因子、シトスタチン、ダク
リキシマブ、デシタビン、デヒドロジデムニンB、デスロレリン、デキサメタゾン、デキ
シホスファミド、デクスラゾキサン、デクスベラパミル、ジアジクオン、ジデムニンB、
ジドックス、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ-5-アザシチジン、ジヒドロタキソー
ル、9-、ジオキサマイシン、ジフェニルスピロムスチン、ドセタキセル、ドコサノール
、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドロロキシフェン、ドロナビノー
ル、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン、エデルホシン、エドレコロマ
ブ、エフロルニチン、エレメン、エミテフル、エピルビシン、エプリステリド、エストラ
ムスチン類似体、エストロゲンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニスト、エタニダゾー
ル、リン酸エトポシド、エキセメスタン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニ
ド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチン、フルアス
テロン、フルダラビン、フルオロダウノルビシンヒドロクロリド、フォルフェニメクス、
フォルメスタン、ホストリエシン、フォテムスチン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸
ガリウム、ガロシタビン、ガニレリクス、ゼラチナーゼ阻害剤、ゲムシタビン、グルタチ
オン阻害剤、ヘプスルファム、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセトアミド、ハイペリ
シン、イバンドロン酸、イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン、イルモフォシ
ン、イロマスタット、イマチニブ(例えば、Gleevec(登録商標))、イミキモド
、免疫刺激ペプチド、インスリン様増殖因子1受容体阻害剤、インターフェロンアゴニス
ト、インターフェロン、インターロイキン、ヨーベングアン、ヨードドキソルビシン、イ
ポメアノール、4-、イロプラクト、イルソグラジン、イソベンガゾール、イソホモハリ
コンドリンB、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF、ラメラリン-Nトリ
アセタート、ランレオチド、レイナマイシン、レノグラスチム、レンチナンスルファート
、レプトルスタチン、レトロゾール、白血病抑制因子、白血球アルファインターフェロン
、ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン、ロイプロレリン、レバミソール、リア
ロゾール、直鎖ポリアミン類似体、親油性二糖ペプチド、親油性白金化合物、リッソクリ
ナミド7、ロバプラチン、ロンブリシン、ロメトレキソール、ロニダミン、ロソキサント
ロン、ロソキソリビン、ルルトテカン、ルテチウムテキサフィリン、リソフィリン、溶解
性ペプチド、マイタンシン、マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マス
ピン、マトリリジン阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、メノガリル、メ
ルバロン、メテレリン、メチオニナーゼ、メトクロプラミド、MIF阻害剤、ミフェプリ
ストン、ミルテホシン、ミリモスチム、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトマイシン類
似体、ミトナフィド、ミトトキシン線維芽細胞増殖因子-サポリン、ミトキサントロン、
モファロテン、モルグラモスチム、Erbitux、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン、モノ
ホスホリルリピドA+ミコバクテリウム細胞壁ストレプトキナーゼ、モピダモール、マス
タード抗がん剤、ミカペルオキシドB、ミコバクテリア細胞壁抽出物、ミリアポロン、N
-アセチルジナリン、N置換ベンズアミド、ナファレリン、ナグレスチプ、ナロキソン+
ペンタゾシン、ナパビン、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシ
ン、ネリドロン酸、ニルタミド、ニサマイシン、一酸化窒素調節剤、一酸化窒素抗酸化剤
、ニトルリン、オブリマーセン(Genasense(登録商標))、O6ベンジルグア
ニン、オクトレオチド、オキセノン、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセ
トロン、オンダンセトロン、オラシン、口腔サイトカイン誘導因子、オルマプラチン、オ
サテロン、オキサリプラチン、オキサウノマイシン、パクリタキセル、パクリタキセル類
似体、パクリタキセル誘導体、パラウアミン、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、
パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペグアスパルガーゼ
、ペルデシン、ペントサンポリスルファートナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾー
ル、ペルフルブロン、ペルホスファミド、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、酢
酸フェニル、ホスファターゼ阻害薬、ピシバニル、ピロカルピンヒドロクロリド、ピラル
ビシン、ピリトレキシム、プラセチンA、プラセチンB、プラスミノーゲン活性化因子阻
害剤、白金錯体、白金化合物、白金-トリアミン錯体、ポルフィマーナトリウム、ポルフ
ィロマイシン、プレドニゾン、プロピルビス-アクリドン、プロスタグランジンJ2、プ
ロテアソーム阻害剤、プロテインA系免疫調節剤、プロテインキナーゼC阻害剤、プロテ
インキナーゼC阻害剤、微細藻類、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤、プリンヌ
クレオシドホスホリラーゼ阻害剤、プルプリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化ヘ
モグロビンポリオキシエチレン共役体、rafアンタゴニスト、ラルチトレキセド、ラモ
セトロン、rasファルネシルタンパク質転移酵素阻害剤、ras阻害剤、ras-GA
P阻害剤、脱メチル化レテリプチン、レニウムRe 186エチドロナート、リゾキシン
、リボザイム、RIIレチナミド、ロヒツキン、ロムルチド、ロキニメクス、ルビギノン
B1、ルボキシル、サフィンゴール、サイントピン、SarCNU、サルコフィトールA
、サルグラモスチム、Sdi 1模倣薬、セムスチン、老化由来阻害因子1、センスオリ
ゴヌクレオチド、シグナル伝達阻害因子、シゾフィラン、ソブゾキサン、ボロカプタート
ナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、ソルベロール、ソマトメジン結合タンパク質、ソ
ネルミン、スパルホス酸、スピカマイシンD、スピロムスチン、スプレノペンチン、スポ
ンギスタチン1、スクアラミン、スチピアミド、ストロメリシン阻害剤、スルフィノシン
、超作用性血管作動性腸管ペプチドアンタゴニスト、スラジスタ、スラミン、スワインソ
ニン、タリムスチン、タモキシフェンメチオヂド、タウロムスチン、タザロテン、テコガ
ランナトリウム、テガフル、テルラピリリウム、テロメラーゼ阻害剤、テモポルフィン、
テニポシド、テトラクロロデカオキシド、テトラゾミン、サリブラスチン、チオコラリン
、トロンボポエチン、トロンボポエチン模倣薬剤、チマルファシン、チモポエチン受容体
アゴニスト、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、エチルエチオプルプリンスズ、チラパ
ザミン、二塩化チタノセン、トプセンチン、トレミフェン、翻訳阻害剤、トレチノイン、
トリアセチルウリジン、トリシリビン、トリメトレキサート、トリプトレリン、トロピセ
トロン、ツロステリド、チロシンキナーゼ阻害剤、チルホスチン、UBC阻害剤、ウベニ
メクス、泌尿生殖洞由来増殖阻害因子、ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト、バプレオチ
ド、バリオリンB、ベラレソール、ベラミン、ベルジン、ベルテポルフィン、ビノレルビ
ン、ビンキサルチン、ビタキシン、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ジラスコル
ブ、及びジノスタチンスチマラマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0200】
ある種の実施形態では、化合物Aまたは化合物Bは、チェックポイント阻害剤と組み合
わせて投与される。一実施形態では、あるチェックポイント阻害剤は、本明細書に提供さ
れる方法に関連して化合物Aまたは化合物Bと組み合わせて使用される。別の実施形態で
は、2つのチェックポイント阻害剤は、本明細書に提供される方法に関連して化合物Aま
たは化合物Bと組み合わせて使用される。さらに別の実施形態では、3つ以上のチェック
ポイント阻害剤は、本明細書に提供される方法に関連して化合物Aまたは化合物Bと組み
合わせて使用される。
【0201】
本明細書で使用される場合、「免疫チェックポイント阻害剤」または「チェックポイン
ト阻害剤」という用語は、1つ以上のチェックポイントタンパク質を完全にまたは部分的
に減らす、阻害、拮抗、または調節する分子を指す。特定の理論によって制限されること
なく、チェックポイントタンパク質は、T細胞活性化または機能を調節する。CTLA-
4とそのリガンドCD80及びCD86;ならびにPD-1とそのリガンドPD-Ll及
びPD-L2等の多くのチェックポイントタンパク質が、既知である(Pardoll,
Nature Reviews Cancer,2012,12,252-264)。こ
れらのタンパク質は、T細胞応答の共刺激または阻害性相互作用を担うと思われる。免疫
チェックポイントタンパク質は、自己寛容性、ならびに生理学的免疫応答の期間及び程度
を調節して維持する。免疫チェックポイント阻害剤は、抗体を含むか、または抗体から誘
導される。
【0202】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。一実施形態
では、CTLA-4阻害剤は、抗CTLA-4抗体である。抗CTLA-4抗体の例とし
ては、米国特許第5,811,097号、同第5,811,097号、同第5,855,
887号、同第6,051,227号、同第6,207,157号、同第6,682,7
36号、同第6,984,720号、及び同第7,605,238号に記載されるものが
挙げられるが、これらに限定されず、これらのすべては、本明細書にそれらの全体が組み
込まれる。一実施形態では、抗CTLA-4抗体は、トレメリムマブ(チシリムマブまた
はCP-675,206としても知られる)である。別の実施形態では、抗CTLA-4
抗体は、イピリムマブ(MDX-010またはMDX-101としても知られる)である
。イピリムマブは、CTLA-4に結合する完全ヒトモノクローナルIgG抗体である。
イピリムマブは、Yervoy(商標)という商品名で販売されている。
【0203】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-1/PD-L1阻害剤である。P
D-l/PD-L1阻害剤の例としては、米国特許第7,488,802号、同第7,9
43,743号、同第8,008,449号、同第8,168,757号、同第8,21
7,149号、ならびにPCT特許出願公開第WO2003042402号、同第WO2
008156712号、同第WO2010089411号、同第WO201003695
9号、同第WO2011066342号、同第WO2011159877号、同第WO2
011082400号、及び同第WO2011161699号に記載されるものが挙げら
れるが、これらに限定されず、これらのすべては、本明細書にそれらの全体が組み込まれ
る。
【0204】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。一実施形態では
、PD-1阻害剤は、抗PD-1抗体である。一実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボ
ルマブ(ONO-4538、BMS-936558、もしくはMDX1106としても知
られる)またはペンブロリズマブ(MK-3475、SCH 900475、もしくはラ
ンブロリズマブとしても知られる)である。一実施形態では、抗PD-1抗体は、ニボル
マブである。ニボルマブは、ヒトIgG4抗PD-1モノクローナル抗体であり、Opd
ivo(商標)という商品名で販売されている。別の実施形態では、抗PD-1抗体は、
ペンブロリズマブである。ペンブロリズマブは、ヒト化モノクローナルIgG4抗体であ
り、Keytruda(商標)という商品名で販売されている。さらに別の実施形態では
、抗PD-1抗体は、ヒト化抗体CT-011である。単独で投与されたCT-011は
、再発時に急性骨髄性白血病(AML)の治療への反応を示すことができない。さらに別
の実施形態では、抗PD-1抗体は、融合タンパク質AMP-224である。
【0205】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-L1阻害剤である。一実施形態で
は、PD-L1阻害剤は、抗PD-L1抗体である。一実施形態では、抗PD-L1抗体
は、MEDI4736(デュルバルマブ)である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体
は、BMS-936559(MDX-1105-01としても知られる)である。さらに
別の実施形態では、PD-L1阻害剤は、アテゾリズマブ(MPDL3280A、及びT
ecentriq(登録商標)としても知られる)である。
【0206】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD-L2阻害剤である。一実施形態で
は、PD-L2阻害剤は、抗PD-L2抗体である。一実施形態では、抗PD-L2抗体
は、rHIgM12B7Aである。
【0207】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)
阻害剤である。一実施形態では、LAG-3阻害剤は、可溶性Ig融合タンパク質IMP
321である(Brignone et al.,J.Immunol.,2007,1
79,4202-4211)。別の実施形態では、LAG-3阻害剤は、BMS-986
016である。
【0208】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、B7阻害剤である。一実施形態では、B
7阻害剤は、B7-H3阻害剤またはB7-H4阻害剤である。一実施形態では、B7-
H3阻害剤は、抗B7-H3抗体MGA271でる(Loo et al.,Clin.
Cancer Res.,2012,3834)。
【0209】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、TIM3(T細胞免疫グロブリンドメイ
ン及びムチンドメイン3)阻害剤である(Fourcade et al.,J.Exp
.Med.,2010,207,2175-86、Sakuishi et al.,J
.Exp.Med.,2010,207,2187-94)。
【0210】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、OX40(CD134)アゴニストであ
る。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、抗OX40抗体である。一実施形態で
は、抗OX40抗体は、抗OX-40である。別の実施形態では、抗OX40抗体は、M
EDI6469である。
【0211】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、GITRアゴニストである。一実施形態
では、チェックポイント阻害剤は、抗GITR抗体である。一実施形態では、抗GITR
抗体は、TRX518である。
【0212】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CD137アゴニストである。一実施形
態では、チェックポイント阻害剤は、抗CD137抗体である。一実施形態では、抗CD
137抗体は、ウレルマブである。別の実施形態では、抗CD137抗体は、PF-05
082566である。
【0213】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CD40アゴニストである。一実施形態
では、チェックポイント阻害剤は、抗CD40抗体である。一実施形態では、抗CD40
抗体は、CF-870,893である。
【0214】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、組換えヒトインターロイキン-15(r
hIL-15)である。
【0215】
一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、IDO阻害剤である。一実施形態では、
IDO阻害剤は、INCB024360である。別の実施形態では、IDO阻害剤は、イ
ンドキシモドである。
【0216】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される併用療法は、本明細書に記載されるチェ
ックポイント阻害剤(同じまたは異なる種類のチェックポイント阻害剤を含む)のうちの
2つ以上を含む。さらに、本明細書に記載される併用療法は、本明細書に記載される疾患
を治療するために適切であり、当該技術分野で理解される、本明細書に記載される第2の
活性薬剤と組み合わせて使用することができる。
【0217】
ある種の実施形態では、化合物Aまたは化合物Bは、それらの表面(例えば、修飾され
た免疫細胞)上の1つ以上のキメラ抗原受容体(CAR)を発現する1つ以上の免疫細胞
と組み合わせて使用することができる。通常、CARは、第1のタンパク質、例えば、抗
原結合タンパク質)からの細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び細胞内シグナル伝達ド
メインを含む。ある種の実施形態では、一旦細胞外ドメインが、腫瘍関連抗原(TAA)
または腫瘍特異的抗原(TSA)などの標的タンパク質に結合すると、シグナルは、例え
ば、標的タンパク質を発現する細胞を標的とし、死滅させるために、免疫細胞を活性化す
る細胞内シグナル伝達ドメインを介して生成される。
【0218】
細胞外ドメイン:CARの細胞外ドメインは、対象となる抗原に結合する。ある種の実
施形態では、CARの細胞外ドメインは、受容体、または該抗原に結合する受容体の一部
分を含む。ある種の実施形態では、細胞外ドメインは、抗体またはその抗原結合部分を含
むか、または抗体またはその抗原結合部分である。特定の実施形態では、細胞外ドメイン
は、一本鎖Fv(scFv)ドメインを含むか、または一本鎖Fv(scFv)ドメイン
である。一本鎖Fvドメインは、例えば、可撓性リンカーによってVHに連結されたVL
を含み得、当該VL及びVHは、当該抗原に結合する抗体からのものである。
【0219】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるポリペプチドの細胞外ドメインによって
認識される抗原は、腫瘍関連抗原(TAA)または腫瘍特異的抗原(TSA)である。様
々な特定の実施形態では、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原は、Her2、前立腺幹細
胞抗原(PSCA)、アルファ-フェトタンパク質(AFP)、がん胎児性抗原(CEA
)、がん抗原-125(CA-125)、CA19-9、カルレチニン、MUC-1、B
細胞成熟抗原(BCMA)、上皮膜タンパク質(EMA)、上皮腫瘍抗原(ETA)、チ
ロシナーゼ、メラノーマ-24関連抗原(MAGE)、CD19、CD22、CD27、
CD30、CD34、CD45、CD70、CD99、CD117、EGFRvIII(
上皮成長因子変異体III)、メソテリン、PAP(前立腺酸性ホスファターゼ)、プロ
ステイン、TARP(T細胞受容体ガンマ代替リーディングフレームタンパク質)、Tr
p-p8、STEAPI(前立腺の6回膜貫通上皮抗原1)、クロモグラニン、サイトケ
ラチン、デスミン、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、総嚢胞性疾患液体タンパ
ク質(GCDFP-15)、HMB-45抗原、タンパク質メラン-A(Tリンパ球によ
って認識されるメラノーマ抗原;MART-1)、myo-D1、筋特異的アクチン(M
SA)、ニューロフィラメント、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)、胎盤アルカリ
ホスファターゼ、シナプトフィシス、チログロブリン、甲状腺転写因子-1、二量体形態
のピルビン酸キナーゼアイソエンザイムM2型(腫瘍M2-PK)、異常なrasタンパ
ク質、または異常なp53タンパク質であるが、これらに限定されない。ある特定の他の
実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTSAは、イン
テグリンαvβ3(CD61)、ガラクチン、またはRal-Bである。
【0220】
ある種の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまたはTS
Aは、がん/精巣(CT)抗原、例えば、BAGE、CAGE、CTAGE、FATE、
GAGE、HCA661、HOM-TES-85、MAGEA、MAGEB、MAGEC
、NA88、NY-ES0-1、NY-SAR-35、OY-TES-1、SPANXB
I、SPA17、SSX、SYCPI、またはTPTEである。
【0221】
ある特定の他の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまた
はTSAは、炭水化物またはガングリオシド、例えば、fuc-GMI、GM2(腫瘍胎
児抗原-免疫原性-1、OFA-I-1);GD2(OFA-I-2)、GM3、GD3
等である。
【0222】
ある特定の他の実施形態では、CARの細胞外ドメインによって認識されるTAAまた
はTSAは、アルファ-アクチニン-4、Bage-l、BCR-ABL、Bcr-Ab
l融合タンパク質、ベータ-カテニン、CA 125、CA 15-3(CA 27.2
9\BCAA)、CA 195、CA 242、CA-50、CAM43、Casp-8
、cdc27、cdk4、cdkn2a、CEA、coa-l、dek-can融合タン
パク質、EBNA、EF2、エプスタインバーウイルス抗原、ETV6-AML1融合タ
ンパク質、HLA-A2、HLA-All、hsp70-2、KIAA0205、Mar
t2、Mum-1、2、及び3、neo-PAP、ミオシンクラスI、OS-9、pml
-RARα融合タンパク質、PTPRK、K-ras、N-ras、トリオースホスファ
ートイソメラーゼ、Gage 3,4,5,6,7、GnTV、Herv-K-mel、
Lage-1、NA-88、NY-Eso-1/Lage-2、SP17、SSX-2、
TRP2-Int2、gp100(Pmel17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP
-2、MAGE-l、MAGE-3、RAGE、GAGE-l、GAGE-2、p15(
58)、RAGE、SCP-1、Hom/Mel-40、PRAME、p53、HRas
、HER-2/neu、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RA
R、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6及びE7、TSP-180、MAGE-
4、MAGE-5、MAGE-6、p185erbB2、p180erbB-3、c-m
et、nm-23H1、PSA、TAG-72-4、CA 19-9、CA 72-4、
CAM 17.1、NuMa、K-ras、13-カテニン、Mum-1、p16、TA
GE、PSMA、CT7、テロメラーゼ、43-9F、5T4、791Tgp72、13
HCG、BCA225、BTAA、CD68\KP1、C0-029、FGF-5、G2
50、Ga733(EpCAM)、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-
Ag、MOV18、NB\70K、NY-C0-1、RCAS1、SDCCAG16、T
A-90、TAAL6、TAG72、TLP、またはTPSである。
【0223】
様々な特定の実施形態では、腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原は、S.Anguil
le et al,Leukemia(2012),26,2186-2196に記載さ
れるような、AML関連腫瘍抗原である。他の腫瘍関連抗原または腫瘍特異的抗原は、当
業者に既知である。
【0224】
キメラ抗原受容体を構築する際に有用なTSA及びTAAに結合する受容体、抗体、及
びscFvは、それらをコードするヌクレオチド配列として当該技術分野で既知である。
【0225】
ある種の特定の実施形態では、キメラ抗原受容体の細胞外ドメインによって認識される
抗原は、TSAまたはTAAであるが、それにもかかわらず腫瘍細胞に関連するものであ
るか、または腫瘍によって引き起こされる損傷であると一般にみなされない抗原である。
ある種の実施形態では、例えば、抗原は、例えば、成長因子、サイトカイン、またはイン
ターロイキン、例えば成長因子、サイトカイン、または血管新生もしくは血管形成に関連
するインターロイキンである。このような成長因子、サイトカイン、またはインターロイ
キンは、例えば、血管内皮成長因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF
)、血小板由来成長因子(PDGF)、肝細胞成長因子(HGF)、インスリン様成長因
子(IGF)、またはインターロイキン-8(IL-8)を含み得る。腫瘍はまた、腫瘍
に局所的な低酸素環境を作製し得る。したがって、他の特定の実施形態では、抗原は、低
酸素症関連因子、例えば、HIF-1α、HIF-1β、HIF-2α、HIF-2β、
HIF-3α、またはHIF-3βである。腫瘍はまた、局所的な損傷を通常の組織に引
き起こし、損傷関連分子パターン分子(DAMP、アラーミンとしても知られる)として
も知られる分子の放出を引き起こし得る。したがって、ある種の他の特定の実施形態では
、抗原は、DAMP、例えば、熱ショックタンパク質、クロマチン関連タンパク質高移動
度群ボックス1(HMGB 1)、S100A8(MRP8、カルグラニュリンA)、S
100A9(MRP14、カルグラニュリンB)、血清アミロイドA(SAA)であるか
、またはデオキシリボ核酸、アデノシン三リン酸、尿酸、もしくはヘパリン硫酸であり得
る。
【0226】
膜貫通ドメイン:ある種の実施形態では、CARの細胞外ドメインは、リンカー、スペ
ーサ、またはヒンジポリペプチド配列、例えば、CD28からの配列またはCTLA4か
らの配列によってポリペプチドの膜貫通ドメインに結合される。膜貫通ドメインは、任意
の膜貫通タンパク質の膜貫通ドメインから得られ得るか、またはそれに由来し得、このよ
うな膜貫通ドメインのすべてまたはその一部分を含み得る。特定の実施形態では、膜貫通
ドメインは、例えば、CD8、CD16、サイトカイン受容体、及びインターロイキン受
容体、または成長因子受容体等から得られ得るか、またはそれに由来し得る。
【0227】
細胞内シグナル伝達ドメイン:ある種の実施形態では、CARの細胞内ドメインは、T
細胞の表面上で発現されるタンパク質の細胞内ドメインまたはモチーフであるか、または
それらを含み、当該T細胞の活性化及び/または増殖をもたらす。このようなドメインま
たはモチーフは、CARの細胞外部分への抗原の結合に応答してTリンパ球の活性化に必
要な一次抗原結合シグナルを伝送することができる。典型的には、このドメインまたはモ
チーフは、ITAM(免疫受容体チロシン系活性化モチーフ)を含むか、またはITAM
である。CARに好適なITAM含有ポリペプチドには、例えば、ゼータCD3鎖(CD
3ζ)またはそのITAM含有部分が含まれる。特定の実施形態では、細胞内ドメインは
、CD3ζ細胞内シグナル伝達ドメインである。他の特定の実施形態では、細胞内ドメイ
ンは、リンパ球受容体鎖、TCR/CD3複合体タンパク質、Fe受容体サブユニットま
たはIL-2受容体サブユニットからの細胞内ドメインである。ある種の実施形態では、
CARは、さらに、例えば、ポリペプチドの細胞内ドメインの一部として1つ以上の共刺
激ドメインまたはモチーフを含む。1つ以上の共刺激ドメインまたはモチーフは、共刺激
CD27ポリペプチド配列、共刺激CD28ポリペプチド配列、共刺激OX40(CD1
34)ポリペプチド配列、共刺激4-1BB(CD137)ポリペプチド配列、または共
刺激誘導性T細胞共刺激性(ICOS)ポリペプチド配列、または他の共刺激ドメインも
しくはモチーフ、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上であり得るか、また
はそれらを含み含み得る。
【0228】
CARはまた、T細胞生存モチーフも含み得る。T細胞生存モチーフは、抗原による刺
激後のTリンパ球の生存を促進する任意のポリペプチド配列またはモチーフであり得る。
ある種の実施形態では、T細胞生存モチーフは、CD3、CD28、IL-7受容体の細
胞内シグナル伝達ドメイン(IL-7R)、IL-12受容体の細胞内シグナル伝達ドメ
イン、IL-15受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン、IL-21受容体の細胞内シグ
ナル伝達ドメイン、または形質転換成長因子β(TGFβ)受容体の細胞内シグナル伝達
ドメインであるか、またはそれらに由来する。
【0229】
CARを発現する修飾免疫細胞は、例えば、Tリンパ球(T細胞、例えば、CD4+T
細胞またはCD8+T細胞)、細胞傷害性リンパ球(CTL)、または天然キラー(NK
)細胞であり得る。本明細書に提供される組成物及び方法で使用されるTリンパ球は、未
処置のTリンパ球またはMHCの制限されたTリンパ球であり得る。ある種の実施形態で
は、Tリンパ球は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。ある種の実施形態では、Tリン
パ球は、腫瘍生検から単離されているか、または腫瘍生検から単離されたTリンパ球から
拡大されたものである。ある種の他の実施形態では、T細胞は、末梢血、臍帯血、または
リンパ液から単離されたものであるか、または末梢血、臍帯血、もしくはリンパ液から単
離されたTリンパ球から拡大されるものである。CARを発現する修飾免疫細胞を生成す
るために使用される免疫細胞は、当該技術分野で認められた常法、例えば、血液収集後、
アフェレーシス及び任意に抗体媒介性の細胞単離または選別を用いて単離され得る。
【0230】
修飾免疫細胞は、好ましくは修飾免疫細胞が投与される個体に自己移植される。ある種
の他の実施形態では、修飾免疫細胞は、修飾免疫細胞が投与される個体に同種である。同
種Tリンパ球またはNK細胞は、修飾されたTリンパ球を調製するために使用される場合
、個体における移植片対宿主病(GVHD)の可能性を低めるであろうTリンパ球または
NK細胞を選択することが好ましい。例えば、ある種の実施形態では、ウイルス特異的T
リンパ球は、修飾Tリンパ球の調製のために選択され、このようなリンパ球は、任意のレ
シピエント抗原に結合する著しく低減された天然能力を有することが予想され、それ故に
、それらによって活性化されるであろう。ある種の実施形態では、同種Tリンパ球のレシ
ピエント媒介性拒絶は、1つ以上の免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、タクロリムス
、シロリムス、シクロホスファミド等の宿主への共投与により減少され得る。
【0231】
Tリンパ球、例えば、未修飾Tリンパ球、またはCD3及びCD28を発現するTリン
パ球、またはCD3ζシグナル伝達ドメイン及びCD28共刺激ドメインを含むポリペプ
チドを含むTリンパ球は、CD3及びCD28への抗体、例えば、ビーズに結合した抗体
を用いて拡張され得、例えば、米国特許第5,948,893号、同第6,534,05
5号、同第6,352,694号、同第6,692,964号、同第6,887,466
号、及び同第6,905,681号を参照のこと。
【0232】
修飾免疫細胞、例えば、修飾Tリンパ球は、所望される場合、修飾免疫細胞の実質的に
すべての死滅を可能にする「自殺遺伝子」または「安全スイッチ」を任意に含むことがで
きる。例えば、修飾Tリンパ球は、ある種の実施形態では、ガンシクロビルと接触した時
に、修飾Tリンパ球の死をもたらす、HSVチミジンキナーゼ遺伝子(HSV-TK)を
含むことができる。別の実施形態では、修飾Tリンパ球は、誘導性カスパーゼ、例えば、
誘導性カスパーゼ9(icaspase9)、例えば、カスパーゼ9と特定の低分子医薬
を用いた二量体化を可能にするヒトFK506結合タンパク質との融合タンパク質を含む
。Straathof et al.,Blood 105(11):4247-425
4(2005)を参照のこと。
【0233】
方法または組成物に特に有用な特定の第2の活性薬剤としては、リツキシマブ、オブリ
マーセン(Genasense(登録商標))、レミケード、ドセタキセル、セレコキシ
ブ、メルファラン、デキサメタゾン(デカドロン(登録商標))、ステロイド、ゲムシタ
ビン、シスプラチナム、テモゾロミド、エトポシド、シクロホスファミド、テモダール、
カルボプラチン、プロカルバジン、グリアデル、タモキシフェン、トポテカン、メトトレ
キサート、Arisa(登録商標)、タキソール、タキソテール、フルオロウラシル、ロ
イコボリン、イリノテカン、キセロダ、インターフェロンα、ペグ化インターフェロンα
(例えば、PEG INTRON-A)、カペシタビン、シスプラチン、チオテパ、フル
ダラビン、カルボプラチン、リポソームダウノノルビシン、Ara-C、ドキセタキソー
ル、パシリタキセル、ビンブラスチン、IL-2、GM CSF、ダカルバジン、ビノレ
ルビン、ゾレドロン酸、パルミトロナート、バイアキシン、ブスルファン、プレドニゾン
、ビスホスホネート、三酸化ヒ素、ビンクリスチン、ドキソルビシン(Doxil(登録
商標))、パクリタキセル、ガンシクロビル、アドリアマイシン、エストラムスチンリン
酸ナトリウム(Emcyt(登録商標))、スリンダク、及びエトポシドが挙げられるが
、これらに限定されない。
【0234】
化合物Aまたは化合物B 本明細書に提供される方法のある種の実施形態では、本明細
書に提供されるものと組み合わせた第2の活性薬剤の使用は、当業者によって適切である
とみなされるとおりに、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの投与の間、また
は投与直後に、修飾または遅延され得る。ある種の実施形態では、本明細書に提供される
化合物Aまたは化合物Bを単独でまたは他の療法剤と組み合わせて投与される対象は、適
切な場合、制吐剤、骨髄性成長因子、及び血小板の輸血を含む、支持療法を受けてもよい
。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される投与される対象は、当業者の判断に従
って、第2の活性薬剤として成長因子を投与されてもよい。いくつかの実施形態では、エ
リスロポエチンまたはダルベポエチン(Aranesp)と組み合わせた本明細書に提供
される化合物Aまたは化合物Bの投与が、提供される。
【0235】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、局所進行性
または転移性移行細胞の膀胱癌に罹患している患者に、ゲムシタビン、シスプラチナム、
5-フルオロウラシル、ミトマイシン、メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビ
シン、カルボプラチン、チオテパ、パクリタキセル、またはドセタキセルと共に投与され
る。
【0236】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、以下の通り
に第2の活性成分と組み合わせて投与される:再発性もしくは進行性の脳腫瘍または再発
性神経芽細胞腫に罹患している小児患者に対してはテモゾロミド;再発性または進行性の
CNS癌に対してはセレコキシブ、エトポシド、及びシクロホスファミド;再発性または
進行性の髄膜腫、悪性髄膜腫、血管周囲細胞腫、多発性脳転移、再発性脳腫瘍、または新
しく診断された多形性膠芽腫に罹患している患者に対してはテモダール;再発性膠芽腫に
罹患している患者に対してはイリノテカン;脳幹神経膠腫を有する小児患者に対してはカ
ルボプラチン;進行性悪性神経膠腫に罹患している小児患者に対してはプロカルバジン;
予後不良の悪性脳腫瘍、新しく診断されたもしくは再発性多形性膠芽腫に罹患している患
者に対してはシクロホスファミド;高悪性度の再発性悪性神経膠腫に対してはGliad
el(登録商標);未分化星状細胞腫に対してはテモゾロミド及びタモキシフェン;また
は神経膠腫、膠芽腫、未分化星状細胞腫、または未分化乏突起神経膠腫に対してはトポテ
カン。
【0237】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、メトトレキ
サート、シクロホスファミド、5-フルオロウラシル、タキサン、エベロリムス、アブラ
キサン、ラパチニブ、ヘルセプチン、パミドロネート二ナトリウム、エリブリンメシレー
ト、エベロリムス、ゲムシタビン、パルボシクリブ、イキサベピロン、カドサイラ、ペル
ツズマブ、テオテパ、アロマターゼ阻害剤、エキセメスタン、選択的エストロゲン調節剤
、エストロゲン受容体アンタゴニスト、アントラサイクリン、エムタンシン、及び/また
はペキシダルチニブと共に、転移性乳癌に罹患している患者に投与される。
【0238】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、テモゾロミ
ド、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、フルオロウラシル(アドルシル、5-フルオ
ロウラシル)、またはストレプトゾシン(Zanosar)と共に、神経内分泌腫瘍に罹
患している患者に投与される。
【0239】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、メトトレキ
サート、ゲムシタビン、シスプラチン、セツキシマブ、5-フルオロウラシル、ブレオマ
イシン、ドセタキセル、またはカルボプラチンと共に、再発性または転移性の頭頸部癌に
罹患している患者に投与される。
【0240】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、ゲムシタビ
ン、アブラキサン、5-フルオロウラシル、アフィニトール、イリノテカン、マイトマイ
シンC、スニチニブ、またはタルセバと共に、膵臓癌に罹患している患者に投与される。
【0241】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、ARISA
(登録商標)、アバスタチン、オキサリプラチン、5-フルオロウラシル、イリノテカン
、カペシタビン、セツキシマブ、ラムシルマブ、パニツムマブ、ベバシズマブ、ロイコボ
リンカルシウム、ロンサーフ、レゴラフェニブ、ziv-アフリベルセプト、タキソール
、及び/またはタキソテールと組み合わせて、結腸癌に罹患している患者に投与される。
【0242】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、カペシタビ
ン及び/またはベムラフェニブと共に、不応性結腸直腸癌に罹患している患者、あるいは
初回療法に失敗する、または結腸もしくは直腸腺癌に不良な性能を有する患者に投与され
る。
【0243】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、フルオロウ
ラシル、ロイコボリン、及びイリノテカンと組み合わせて、Dukes C&D結腸直腸
癌に罹患している患者、または転移性結腸直腸癌を以前に治療されたことがある患者に投
与される。
【0244】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、カペシタビ
ン、キセロダ、及び/またはイリノテカンと組み合わせて、不応性結腸直腸癌に罹患して
いる患者に投与される。
【0245】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、カペシタビ
ン及びイリノテカンと共に、不応性結腸直腸癌に罹患している患者または切除不能もしく
は転移性結腸直腸癌に罹患している患者に投与される。
【0246】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、単独でまた
はインターフェロンアルファもしくはカペシタビンと組み合わせて、切除不能もしくは転
移性肝細胞癌に罹患している患者に、またはシスプラチン及びチオテパと共に、またはト
シル酸ソラフェニブと共に、原発性もしくは転移性肝臓癌に罹患している患者に投与され
る。
【0247】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、ドキソルビ
シン、パクリタキセル、ビンブラスチン、またはペグ化インターフェロンアルファと組み
合わせて、カポジ肉腫に罹患している患者に投与される。
【0248】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、三酸化ヒ素
、フルダラビン、カルボプラチン、ダウノルビシン、シクロホスファミド、シタラビン、
ドキソルビシン、イダルビシン、塩酸ミトキサントロン、チオグアニン、ビンクリチン、
及び/またはトポテカンと組み合わせて、不応性または再発性または高リスク急性骨髄性
白血病に罹患している患者に投与される。
【0249】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、リポソーム
ダウノルビシン、トポテカン、及び/またはシタラビンと組み合わせて、好ましくない核
型急性骨髄芽球性白血病に罹患している患者に投与される。
【0250】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、メトトレキ
サート、塩酸メクロレタミン、アファチニブジマレアート、ペメトレキセド、ベバシズマ
ブ、カルボプラチン、シスプラチン、セリチニブ、クリゾチニブ、ラムシルマブ、ペンブ
ロリズマブ、ドセタキセル、酒石酸ビノレルビン、ゲムシタビン、アブラキサン、エルロ
チニブ、ゲフィチニブ、及び/またはイリノテカンと組み合わせて、非小細胞肺癌に罹患
している患者に投与される。
【0251】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、カルボプラ
チン及びイリノテカンと組み合わせて、非小細胞肺癌に罹患している患者に投与される。
【0252】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、ドキセタキ
ソールと共に、炭水化物/エトポシド及び放射線療法で以前に治療されたことがある非小
細胞肺癌に罹患している患者に投与される。
【0253】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、カルボプラ
チン及び/もしくはタキソテールと組み合わせて、またはカルボプラチン、パクリタキセ
ル、及び/もしくは胸部放射線療法と組み合わせて、非小細胞肺癌に罹患している患者に
投与される。
【0254】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、タキソテー
ルと組み合わせて、ステージIIIBまたはIV非小細胞肺癌に罹患している患者に投与
される。
【0255】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、オブリマー
セン(Genasense(登録商標))、メトトレキサート、塩酸メクロレタミン、エ
トポシド、トポテカン、またはドキソルビシンと組み合わせて、小細胞肺癌に罹患してい
る患者に投与される。
【0256】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、ABT-7
37(Abbott Laboratories)及び/またはオバトクラックス(GX
15-070)と組み合わせて、リンパ腫及び他の血液がんに罹患している患者に投与さ
れる。
【0257】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、単独でまた
は第2の活性成分、例えば、ビンブラスチン、フルダラビンアドセトリス、アンボクロリ
ン、ベセヌム、ブレオマイシン、ブレンツキシマブベドチン、カルムスチンクロラムブシ
ル、シクロホスファミド、ダカルバジン、ドキソルビシン、ロムスチン、マチュレン、塩
酸メクロレタミン、プレドニゾン、塩酸プロカルバジン、またはビンクリスチンと組み合
わせて、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リン
パ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、または再発性もしくは不応性の低悪性度濾胞性
リンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない、様々な種類のリンパ腫に罹患している
患者に投与される。
【0258】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、タキソテー
ル、ダブラフェニブ、イムリジック、イピリムマブ、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、ト
ラメチニブ、ベムラフェニブ、タリモジーンラハーパレプベック、IL-2、IFN、G
M-CSF、及び/またはダカルバジンと組み合わせて、様々な種類またはステージの黒
色腫に罹患している患者に投与される。
【0259】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、単独でまた
はビノレルビンと組み合わせて、悪性中皮腫、または胸膜インプラントもしくは悪性胸水
中皮腫症候群を有するステージIIIB非小細胞肺癌に罹患している患者に投与される。
【0260】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、様々な種類
またはステージの多発性骨髄腫に罹患している患者に、デキサメタゾン、ゾレドロン酸、
パルミトロナート、GM-CSF、バイアキシン、ビンブラスチン、メルファラン、ブス
ルファン、シクロホスファミド、IFN、プレドニゾン、ビスホスホネート、セレコキシ
ブ、三酸化ヒ素、PEG INTRON-A、ビンクリスチン、ベセヌム、ボルテゾミブ
、カーフィルゾミブ、ドキソルビシン、パノビノスタット、レナリドマイド、ポマリドマ
イド、サリドマイド、モゾビル、またはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0261】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、様々な種類
または病期の多発性骨髄腫に罹患している患者に、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞と
組み合わせて投与される。
【0262】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、ドキソルビ
シン(Doxil(登録商標))、ビンクリスチン、及び/またはデキサメタゾン(De
cadron(登録商標))と組み合わせて、再発性または不応性の多発性骨髄腫に罹患
している患者に投与される。
【0263】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、様々な種類
または病期の卵巣癌、例えば、腹膜癌、乳頭状漿液性癌、不応性卵巣癌、または再発性卵
巣癌に罹患している患者に、タキソール、カルボプラチン、ドキソルビシン、ゲムシタビ
ン、シスプラチン、キセロダ、パクリタキセル、デキサメタゾン、アバスチン、シクロホ
スファミド、トポテカン、オラパリブ、チオテパ、またはこれらの組み合わせと組み合わ
せて投与される。
【0264】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、様々な種類
または病期の前立腺癌に罹患している患者に、キセロダ、5FU/LV、ゲムシタビン、
イリノテカン+ゲムシタビン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、デキサメタゾン、
GM-CSF、セレコキシブ、タキソテール、ガンシクロビル、パクリタキセル、アドリ
アマイシン、ドセタキセル、エストラムスチン、Emcyt、デンデロン、ザイティガ、
ビカルタミド、カバジタキセル、デガレリクス、エンザルタミド、ゾラデックス、酢酸ロ
イプロリド、塩酸ミトキサントロン、プレドニゾン、シプリューセル-T、ラジウム22
3ジクロリド、またはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0265】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、様々な種類
または病期の腎細胞癌に罹患している患者に、カペシタビン、IFN、タモキシフェン、
IL-2、GM-CSF、Celebrex(登録商標)、またはこれらの組み合わせと
組み合わせて投与される。
【0266】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、様々な種類
またはステージの婦人科、子宮、または軟部組織肉腫の癌に罹患している患者に、IFN
、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、メシル酸イマチニブ、パゾパニブ、塩酸塩、トラ
ベクテジン、COX-2阻害剤、例えばCelebrex(登録商標)、及び/またはス
リンダクと組み合わせて投与される。
【0267】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、様々な種類
または病期の固形腫瘍に罹患している患者に、セレブレックス、エトポシド、シクロホス
ファミド、ドセタキセル、アペシタビン、IFN、タモキシフェン、IL-2、GM-C
SF、またはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0268】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、強皮症また
は皮膚血管炎に罹患している患者に、セレブレックス、エトポシド、シクロホスファミド
、ドセタキセル、アペシタビン、IFN、タモキシフェン、IL-2、GM-CSF、ま
たはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0269】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、MDSに罹
患している患者に、アザシチジン、シタラビン、ダウノルビシン、デシタビン、イダルビ
シン、レナリドマイド、またはこれらの組み合わせと組み合わせて投与される。
【0270】
患者に安全かつ効果的に投与され得る抗がん薬物または薬剤の投与量の増加方法もまた
、包含され、本方法は、患者(例えばヒト)に、本明細書に提供される化合物Aまたは化
合物Bを投与することを含む。この方法によって利益を享受することができる患者は、皮
膚、皮下組織、リンパ節、脳、肺、肝臓、骨、腸、結腸、心臓、膵臓、副腎、腎臓、前立
腺、胸部、結腸直腸の特異癌、またはこれらの組み合わせを治療するための抗がん薬物と
関連する有害な効果を患う可能性が高い者である。本明細書に提供される化合物Aまたは
化合物Bの投与は、そのような重症度のものである有害な効果を軽減または低減し、それ
は、抗がん薬物の量を限定するものであり得る。
【0271】
一実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、患者に、抗がん薬
物の投与と関連する有害な効果の発生の前、その間、またはその後に、約0.1~約15
0mg、約1~約50mg、約2~約25mgの範囲内の量で毎日投与される。ある種の
実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、好中球減少症または血
小板減少症等であるが、これらに限定されない抗がん薬物と関連する有害な効果を回避す
るために、ヘパリン、アスピリン、クマジン、またはG-CSF等の特定の薬剤と組み合
わせて投与される。
【0272】
一実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、抗がん薬物、抗炎
症、抗ヒスタミン、抗生物質、及びステロイドを含むが、これらに限定されないさらなる
活性成分と組み合わせて望ましくない血管新生と関連するか、またはこれを特徴とする疾
患及び障害を有する患者に投与される。
【0273】
別の実施形態では、がんの治療、予防、及び/または管理の方法が、本明細書に包含さ
れ、本方法は現在がんの治療、予防または管理に使用される、外科手術、免疫療法、生物
学的療法、放射線療法、または他の非薬物に基づいた療法が挙げられるが、これらに限定
されない、従来の療法と共に(例えば、その前、その間、またはその後に)、本明細書に
提供される化合物Aまたは化合物Bを投与することを含む。本明細書に提供される化合物
と従来の療法との併用使用は、ある特定の患者に予想外に有効である固有の治療レジメン
を提供し得る。理論によって限定されるものではないが本明細書に提供される化合物Aま
たは化合物Bが従来の療法と同時に施される場合に、相加または相乗効果を提供し得ると
考えられる。
【0274】
本明細書に他の箇所に論じられるように、外科手術、化学療法、放射線療法、ホルモン
療法、生物学的療法、または免疫療法が挙げられるが、これらに限定されない、従来の療
法と関連する有害なまたは望ましくない効果を減らす、治療、及び/または予防する方法
が、本明細書に包含される。本明細書に提供される化合物Aまたは化合物B及び他の活性
成分は、従来の療法と関連する有害な効果の発生の前、その間、またはその後に、患者に
投与され得る。
【0275】
一実施形態では、本明細書に提供される化合物は、従来の療法の使用の前に、その間、
またはその後に、単独でまたは本明細書(例えば、項5.4を参照のこと)に開示される
第2の活性薬剤と組み合わせて、約0.1~約150mg、約1~約25mg、約2~約
10mgの範囲内の量で投与され得る。
【0276】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される方法は、化合物Aまたは化合物Bによる
カルシウム、カルチトリオール、及びビタミンDの補充投与を含む。ある種の実施形態で
は、本明細書に提供される方法は、化合物Aまたは化合物Bによる治療の前に、カルシウ
ム、カルチトリオール、及びビタミンDの補充投与を含む。
【0277】
ある種の実施形態では、カルシウムの補充は、分割した投与量で施された1日当たり少
なくとも1200mgのカルシウム元素を送達するために投与される。ある種の実施形態
では、カルシウムの補充は、経口で(PO)1日3回投与された500mgの投与量で炭
酸カルシウムとして投与される。
【0278】
ある種の実施形態では、カルチトリオールの補充は、0.25μgのカルチトリオール
を送達するために1日1回投与される(PO)。
【0279】
ある種の実施形態では、ビタミンDの補充は、約500IU~約5000IUのビタミ
ンDを送達するために1日1回投与される。ある種の実施形態では、ビタミンDの補充は
、約1000IUのビタミンDを送達するために1日1回投与される。ある種の実施形態
では、ビタミンDの補充は、約50,000IUのビタミンDを送達するために毎週投与
される。ある種の実施形態では、ビタミンDの補充は、約1000IUのビタミンD2ま
たはD3を送達するために1日1回投与される。ある種の実施形態では、ビタミンDの補
充は、約50,000IUのビタミンD2またはD3を送達するために毎週投与される。
【0280】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物B及びドキセタキ
ソールは、炭水化物/VP16及び放射線療法で以前に治療されたことがある非小細胞肺
癌に罹患している患者に投与される。
【0281】
5.3.2.移植療法による使用
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、移植片対宿主病(GVHD)のリス
クを軽減するために使用することができる。したがって、移植療法と共に、本明細書に提
供される化合物Aまたは化合物Bを投与することを含む、がんの治療、予防、及び/また
は管理の方法が本明細書に包含される。
【0282】
当業者が認識しているように、がんの治療は、しばしば、疾患のステージ及び機序に基
づいている。例えば、回避不能な白血病性形質転換は、がんの特定のステージで発病する
ので、末梢血幹細胞の移植、造血幹細胞製剤、または骨髄が必要であり得る。本明細書に
提供される化合物Aまたは化合物Bと移植療法との併用使用は、独特の、及び予想外の相
乗作用を提供する。特に、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、がんに罹患
している患者に移植療法と同時に施される場合に、相加または相乗効果を提供し得る免疫
調節活性を示す。
【0283】
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、移植療法と組み合わせて機能して、
移植の侵襲的技法に付随する合併症及びGVHDのリスクを減少させることができる。臍
帯血、胎盤血、末梢血幹細胞、造血幹細胞製剤、または骨髄の移植の前に、その間に、ま
たはその後に、患者(例えばヒト)に、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを
投与することを含む、がんの治療、予防、及び/または管理の方法が、本明細書に包含さ
れる。本明細書に提供される方法で用いるために好適な幹細胞のいくつかの例は、米国特
許第7,498,171号に開示されており、この開示は、参照によりその全体が本明細
書に組み込まれる。
【0284】
一実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、移植の前、その間
に、またはその後に、急性骨髄性白血病(AML)に罹患している患者に投与される。
【0285】
一実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、自己末梢血前駆細
胞の移植の前、その間に、またはその後に、多発性骨髄腫に罹患している患者に投与され
る。
【0286】
一実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、自己末梢血前駆細
胞の移植の前、その間に、またはその後に、NHL(例えばDLBCL)に罹患している
患者に投与される。
【0287】
5.3.3.サイクリング療法
ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、患者に周期
的に投与される。サイクリング療法には、一定期間の活性薬剤の投与と、それに続く一定
期間の休薬を含み、この連続的投与を繰り返す。サイクリング療法により、1つ以上の療
法に対する耐性の発達を減少させること、療法の1つの副作用を回避し、もしくは減少さ
せること、及び/または治療の有効性を改善することができる。
【0288】
結果的に、ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、
4~6週サイクルの単回または分割用量で毎日、約1週または2週の休止期で投与される
。サイクリング方法は、さらに投薬サイクルの頻度、数、及び長さを増加することができ
る。したがって、ある種の実施形態では、それが単独で投与されるときに典型的であるよ
りも多くのサイクルの間の本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの投与が、本明
細書に包含される。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物
Bは、また、第2の活性成分が投与されていない患者における用量限定毒性を典型的には
生じさせ得る、より多くのサイクル数の間投与される。
【0289】
一実施形態では、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、3または4週の間
、約0.1~約150mg/日の用量で毎日及び連続的に投与され、続いて1または2週
中断する。
【0290】
別の実施形態では、化合物Aまたは化合物B及び第2の活性成分は、4~6週のサイク
ルの間に、第2の活性成分の30~60分前に行う化合物の投与と共に、経口投与される
。ある種の実施形態では、化合物Aまたは化合物Bと第2の活性成分との組み合わせは、
サイクル毎に約90分にわたって静脈内注入によって投与される。ある種の実施形態では
、1サイクルには、3~4週の間に毎日約0.1~約150mg/日の化合物Aまたは化
合物B、及び約50~約200mg/m/日の第2の活性成分の投与と、次いで、1ま
たは2週の休止とを含む。ある種の実施形態では、併用治療が患者に施される間のサイク
ル数は、約1~約24サイクル、約2~約16サイクル、または約4~約3サイクルの範
囲内である。
【0291】
5.4.患者集団
本明細書に提供される方法のある種の実施形態では、対象は、動物、好ましくは哺乳動
物、より好ましくは非ヒト霊長類である。特定の実施形態では、対象は、ヒトである。対
象は、男性または女性対象であり得る。
【0292】
本明細書に提供される方法に対して特に有用な対象は、ヒトがん患者、例えば、急性骨
髄性白血病、急性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、及び慢性骨髄性白血病を含む白
血病であると診断されている患者を含む。ある種の実施形態では、対象は、急性前骨髄球
性白血病であると診断されていない。
【0293】
いくつかの実施形態では、対象は、正常なブラスト集団よりも高い。いくつかの実施形
態では、対象は、少なくとも10%のブラスト集団を有する。いくつかの実施形態では、
対象は、10~15%のブラスト集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、少な
くとも15%のブラスト集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、15~20%
のブラスト集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、少なくとも20%のブラス
ト集団を有する。いくつかの実施形態では、対象は、約10~15%、約15~20%、
または約20~25%のブラスト集団を有する。他の実施形態では、対象は、10%未満
のブラスト集団を有する。本明細書に記載される方法の文脈において、10%未満のブラ
スト集団を有する有用な対象は、当業者の判断に従ういかなる理由においても、本明細書
に提供される化合物Aまたは化合物Bを、単独でまたは第2の活性薬剤と組み合わせて治
療を必要とする対象を含む。
【0294】
いくつかの実施形態では、対象は、白血病に対する対象の米国東海岸がん臨床試験グル
ープ(ECOG)のパフォーマンスステータススコアに基づいて治療される。ECOGの
パフォーマンスステータスは、0~5のスケールにおいて採点され得、0が無症候性を示
し、1が症状を示すが完全に外来であることを示し、2が症状を示し、その日の間中、5
0%未満休んでいることを示し、3が症状を示し、50%超休んでいるが、寝たきりでな
いことを示し、4が寝たきりであることを示し、5が死を示す。いくつかの実施形態では
、対象は、0または1のECOGのパフォーマンスステータススコアを有する。いくつか
の実施形態では、対象は、0のECOGのパフォーマンスステータススコアを有する。い
くつかの実施形態では、対象は、1のECOGのパフォーマンスステータススコアを有す
る。他の実施形態では、対象は、2のECOGのパフォーマンスステータススコアを有す
る。
【0295】
ある種の実施形態では、本明細書に提供される方法は、白血病のために以前に治療され
ていない対象の治療を包含する。いくつかの実施形態では、対象は、同種骨髄移植を受け
ていない。いくつかの実施形態では、対象は、幹細胞移植を受けていない。いくつかの実
施形態では、対象は、ヒドロキシ尿素治療を受けていない。いくつかの実施形態では、対
象は、白血病についてのいかなる治験的製品でも治療されていない。いくつかの実施形態
では、対象は、全身的グルココルチコイドで治療されていない。
【0296】
他の実施形態では、本方法は、白血病について以前に治療された対象、または現在治療
されている対象を治療することを包含する。例えば、対象は、白血病についての標準的な
治療レジメンで以前に治療されていてよく、または現在治療されている。対象は、当業者
に既知の任意の標準的な白血病の治療レジメンで治療されてもよい。ある種の実施形態で
は、対象は、少なくとも1つの導入/再導入または強化AMLレジメンで以前に治療され
た。いくつかの実施形態では、対象は、強化レジメンの一部として、自己骨髄移植または
幹細胞移植を受けている。いくつかの実施形態では、骨髄または幹細胞移植は、本明細書
に提供される方法に従って治療の少なくとも3カ月前に行われた。いくつかの実施形態で
は、対象は、ヒドロキシ尿素治療を受けている。いくつかの実施形態では、ヒドロキシ尿
素治療は、本明細書に提供される方法に従って治療前の24時間以内に行われた。いくつ
かの実施形態では、対象は、事前にシタラビン(Ara-C)を用いる導入または強化療
法を受けている。いくつかの実施形態では、対象は、全身的グルココルチコステロイドで
の治療を受けている。いくつかの実施形態では、グルココルチコステロイド治療は、本明
細書に記載される方法に従って治療前の24時間以内に行われた。他の実施形態では、本
方法は、がんについて以前に治療されたが、標準的な療法に非応答性である対象を治療す
ることを包含する。
【0297】
また、再発性または不応性白血病を有している対象の治療方法も包含する。いくつかの
実施形態では、対象は、世界保健機関(WHO)により定義されている再発性または不応
性AML亜型と診断されている。再発性または不応性疾患は、新生AMLまたは二次AM
L、例えば、療法関連AML(t-AML)であってもよい。
【0298】
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される方法は、慢性骨髄性白血病(CML)
等の薬物耐性白血病を治療するために使用される。それ故に、本明細書に提供される化合
物Aまたは化合物Bによる治療は、他の治療方法に応答しない患者に代替的治療を提供し
得る。いくつかの実施形態では、そのような他の治療方法は、Gleevec(登録商標
)(メシル酸イマチニブ)による治療を包含する。いくつかの実施形態では、Phila
delphia染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)の治療方法が本明細書に提
供される。いくつかの実施形態では、Gleevec(登録商標)(メシル酸イマチニブ
)耐性Philadelphia染色体陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML)の治療方
法が本明細書に提供される。
【0299】
一部の疾患または障害は、ある特定の年齢群においてより一般的であるが、対象の年齢
に関わらず、対象の治療方法も、含まれる。いくつかの実施形態では、対象は、少なくと
も18歳である。いくつかの実施形態では、対象は、18、25、35、40、45、5
0、55、60、65、または70歳超である。他の実施形態では、対象は、65歳未満
である。いくつかの実施形態では、対象は、18歳未満である。いくつかの実施形態では
、対象は、18、15、12、10、9、8、または7歳未満である。
【0300】
いくつかの実施形態では、本方法は、より若い対象が同様に本方法から利益を得るが、
少なくとも50歳の対象での使用を見出すことができる。他の実施形態では、対象は、少
なくとも55歳、少なくとも60歳、少なくとも65歳、及び少なくとも70歳である。
別の実施形態では、対象は、有害な細胞遺伝学を有する。「有害な細胞遺伝学」は、任意
の非二倍体核型、または3つ以上の染色体異常として定義される。別の実施形態では、対
象は、少なくとも60歳であり、かつ有害な細胞遺伝学を有する。別の実施形態では、対
象は、60~65歳であり、かつ有害な細胞遺伝学を有する。別の実施形態では、対象は
、65~70歳であり、かつ有害な細胞遺伝学を有する。
【0301】
ある種の実施形態では、治療される対象は、3ヵ月以内に、本明細書に提供される方法
に従う心筋梗塞の治療の病歴を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、3ヵ月以内
に、本明細書に提供される方法に従う脳血管発作または一過性脳虚血発作の治療の病歴を
有しない。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に提供される方法に従う治療の2
8日以内に、深部静脈血栓症または肺動脈塞栓を含む血栓塞栓性事象を被っていないわけ
ではない。他の実施形態では、対象は、非制御的な播種性血管内血液凝固を経験しなかっ
たか、または経験していない。
【0302】
がんに罹患している対象は、異種の臨床症状及び様々な臨床転帰を有するので、患者に
与えられる治療は、予後に応じて変更し得る。臨床医は、過度の実験の具体的な二次薬剤
、ある種の手術、及びある種の、がんに罹患している個体を治療するために効果的に使用
され得る非薬物系標準的治療なしに容易に決定することができるであろう。
【0303】
本明細書に提供される化合物と前述の化合物のうちの1つ以上及び任意に1つ以上のさ
らなる薬理学的に活性な物質とのすべての好適な組み合わせが、本明細書に企図されるこ
とが認識されよう。
【0304】
5.5.薬学的組成物の製剤
本明細書に提供される薬学的組成物は、治療上有効な量の本明細書に提供される1つ以
上の化合物と、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤とを含有する。
【0305】
一実施形態では、本明細書に提供される薬学的組成物は、本明細書に提供される化合物
Aまたは化合物Bと、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む。
【0306】
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、経口投与のための溶液、懸濁液、錠
剤、分散性錠剤、丸剤、カプセル、粉末、持続放出製剤もしくはエリキシル剤、または眼
科用もしくは非経口投与のための滅菌溶液もしくは懸濁液等の好適な薬学的調製物、なら
びに経皮パッチ調製物及び乾燥粉末吸入器に製剤化され得る。典型的には、上述の化合物
A及び/または化合物Bは、当該技術分野で周知の技術及び手順を用いて薬学的組成物に
製剤化される(例えば、Ansel Introduction to Pharmac
eutical Dosage Forms,Seventh Edition 199
9を参照のこと)。
【0307】
組成物において、有効濃度の本明細書に提供される1つ以上の化合物を、好適な薬学的
担体またはビヒクルと混合する。ある種の実施形態では、本明細書に提供される化合物A
または化合物Bの濃度は、投与時に、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含む、がんの症状及び
/または進行のうちの1つ以上を治療、予防、または緩和する、ある量の送達に有効であ
る。
【0308】
典型的には、組成物は、単回用量の投与のために製剤化される。組成物を製剤化するた
めに、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの重量分率は、治療された状態が軽
減または緩和されるように有効濃度で選択されたビヒクルにおいて溶解、懸濁、分散、ま
たはそうでなければ混合される。本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの投与に
好適な薬学的担体またはビヒクルは、特定の投与様式に好適であることが当業者に既知の
任意のかかる担体を含む。
【0309】
加えて、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、組成物中の唯一の薬学的活
性成分として製剤化され得るか、または他の活性成分と組み合わせられてもよい。腫瘍標
的リポソーム等の組織標的化リポソームを含むリポソーム懸濁液はまた、薬学的に許容さ
れる担体として好適であり得る。これらは、当業者に既知の方法に従って調製することが
できる。例えば、リポソーム製剤は、当該技術分野で既知のように調製することができる
。簡潔には、多重膜小胞(MLV)等のリポソームは、卵ホスファチジルコリンと脳ホス
ファチジルセリン(モル比7:3)をフラスコの内側で乾燥させることによって形成され
得る。二価陽イオンを欠いているリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の本明細書に提供さ
れる化合物Aまたは化合物Bの溶液を添加し、脂質フィルムが分散されるまでフラスコを
振盪する。結果として得られる小胞を洗浄して、カプセル化されていない化合物を除去し
、遠心分離によってペレット化し、次いでPBS中に再懸濁する。
【0310】
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、治療される患者において望ましくな
い副作用の不在下で治療的に有用な効果を発揮するのに十分な量で薬学的に許容される担
体に含まれる。治療上有効な濃度は、本明細書に記載されるインビトロ及びインビボ系で
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを試験することによって経験的に決定され
、次いでそこからヒトに対する投与量を推定され得る。
【0311】
薬学的組成物における本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの濃度は、化合物
の吸収、組織分布、不活性化、及び排泄速度、化合物の物理化学的特性、投与スケジュー
ル、及び投与される量、ならびに当業者に既知の他の因子に応じて異なるであろう。例え
ば、送達される量は、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含む、がんの症状のうちの1つ以上を
緩和するのに十分である。
【0312】
ある種の実施形態では、治療上有効な投与量は、約0.1ng/mL~約50~100
μg/mLの活性成分の血清濃度を生成するべきである。一実施形態では、薬学的組成物
は、1日体重1kg当たり約0.001mg~約2000mgの化合物の投与量を提供す
る。薬学的投与単位形態は、投与単位形態当たり約1mg~約1000mg、ある種の実
施形態では、約10~約500mgの必須活性成分または必須成分の組み合わせを提供す
るために調製される。
【0313】
活性成分は、1回で投与されてもよく、またはいくつかのより少ない用量に分割して、
時間間隔をおいて投与されてもよい。治療の正確な投与量及び持続時間は、治療される疾
患の関数であり、既知の試験プロトコルを用いるか、またはインビボもしくはインビトロ
試験データからの外挿によって、実験的に決定され得ることを理解されたい。濃度及び投
与量の値はまた、緩和される状態の重症度で変化し得ることに留意されたい。任意の特定
の対象に対しても、特定の投与量レジメンは、時間にわたって、個人の必要性と、本組成
物を投与するまたはその投与を監督する人の専門的な判断に従って調整すべきであり、か
つ本明細書に記載される濃度範囲は例示のみであり、特許請求される組成物の範囲または
実施を制限することを意図されないことをさらに理解されたい。
【0314】
それ故に、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの有効濃度または量を、全身
性、局部、または局所投与のために好適な薬学的担体またはビヒクルを混合し、薬学的組
成物を形成する。本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、1つ以上の症状を改
善する、または治療する、進行を遅延させる、もしくは予防するために有効な量で含まれ
る。組成物において本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの濃度は、化合物の吸
収、組織分布、不活性化、及び排泄速度、投与スケジュール、及び投与される量、特定の
製剤、ならびに当業者に既知の他の因子に応じて異なるであろう。
【0315】
組成物は、経口、非経口、直腸、局部、及び局所が挙げられるが、これらに限定されな
い、好適な経路により投与されることが意図される。経口投与のために、カプセル及び錠
剤が、製剤化され得る。組成物は、液体、半液体、または固体形態であり、各投与経路に
好適な様式で製剤化される。
【0316】
非経口、皮内、皮下、または局部適用に使用される溶液または懸濁液は、以下の成分の
うちのいずれかを含み得る:注射用蒸留水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリ
コール、グリセリン、プロピレングリコール、ジメチルアセトアミド、または他の合成溶
媒等の滅菌希釈剤、ベンジルアルコール及びメチルパラベン等の抗微生物剤、アスコルビ
ン酸及び重亜硫酸ナトリウム等の抗酸化剤、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のキ
レート剤、酢酸塩、クエン酸塩、及びリン酸塩等の緩衝液、ならびに塩化ナトリウムまた
はデキストロース等の等張性調節のための薬剤。非経口調製物は、アンプル、ペン、使い
捨てシリンジ、またはガラス、プラスチック、もしくは他の好適な材料から作製された単
一もしくは複数用量バイアルに封入され得る。
【0317】
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bが不十分な溶解度を示す場合に、化合物
を可溶化するための方法を使用することができる。このような方法は、当業者に既知であ
り、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の共溶媒を用いて、TWEEN(登録商標)等
の界面活性剤を用いて、または水性重炭酸ナトリウム中での溶解が挙げられるが、これら
に限定されない。
【0318】
化合物(複数可)の混合または添加時に、結果として得られた混合物は、溶液、懸濁液
、エマルジョン等であり得る。結果として得られた混合物の形態は、意図する投与様式、
及び選択される担体またはビヒクル中の化合物の可溶性を含む、多数の因子に依存する。
有効濃度は、治療される疾患、障害、または状態の症状を緩和するのに十分なものであり
、実験的に決定され得る。
【0319】
薬学的組成物は、単位剤形、例えば、錠剤、カプセル、丸剤、粉末、顆粒、滅菌の非経
口溶液または懸濁液、及び経口溶液もしくは懸濁液、ならびに好適な量の本明細書に提供
される化合物Aまたは化合物Bを含有する油水エマルジョンで、ヒト及び動物への投与用
に提供される。本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、製剤化され、単位剤形
または複数の剤形で投与される。本明細書で使用される単位剤形は、ヒト及び動物対象に
好適であり、当該技術分野で既知のように個別包装された物理的に分離した単位を指す。
各単位用量は、必要とされる薬学的担体、ビヒクル、または希釈剤と共に、所望の治療効
果を得るのに十分な所定量の本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを含有する。
単位剤形の例には、アンプル及びシリンジ、ならびに個々に包装された錠剤またはカプセ
ルが含まれる。単位剤形は、分数でまたはその倍数で投与され得る。複数の剤形は、分割
された単位剤形で投与されるべき単一容器に包装される複数の同一の単位剤形である。複
数の剤形の例には、バイアル、錠剤もしくはカプセルのボトル、またはパイントもしくは
ガロンのボトルが含まれる。したがって、複数の剤形は、包装の際に分割されない複数の
単位用量である。
【0320】
徐放性調製物もまた、調製され得る。徐放性調製物の好適な例には、本明細書に提供さ
れる化合物Aまたは化合物Bを含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスが含
まれ、このマトリックスは、造形品、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの形状で
ある。徐放性マトリックスの例には、イオントフォレシス用パッチ、ポリエステル、ヒド
ロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)またはポリ(ビニルア
ルコール))、ポリラクチド、L-グルタミン酸及びエチル-L-グルタメートのコポリ
マー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸-グリ
コール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドから構成される注射可能なミクロスフェア)等
の分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、及びポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が
含まれる。エチレン-酢酸ビニル及び乳酸-グリコール酸等のポリマーが100日間にわ
たる分子の放出を可能にする一方で、ある特定のヒドロゲルは、より短い期間にわたって
タンパク質を放出する。カプセル化された化合物は、長期間にわたって体内に残存する場
合、それらは、37℃の水分への曝露の結果として変性または凝集し、生物学的活性の損
失、及びそれらの構造の可能な変化をもたらし得る。関与する作用機構に応じて、安定化
のための合理的な方策が講じられ得る。例えば、凝集機構がチオ-ジスルフィド相互交換
による分子間S-S結合形成であると発見されれば、スルフヒドリル残基を修飾すること
、酸性溶液から凍結乾燥すること、水分含有量を制御すること、適切な添加剤を使用する
こと、及び特定のポリマーマトリクス組成物を開発することによって、安定化が達成され
得る。
【0321】
非毒性担体から作られる平衡で0.005%~100%の範囲内における本明細書に提
供される化合物Aまたは化合物Bを含有する剤形または組成物が、調製され得る。経口投
与のために、薬学的に許容される非毒性組成物は、例えば、医薬品グレードのマンニトー
ル、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、滑石、セルロース誘導体、クロ
スカルメロースナトリウム、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウム、もしくはサッ
カリンナトリウム等の通常使用された賦形剤のうちのいずれかを取り込むことによって形
成される。このような組成物には、溶液、懸濁液、錠剤、カプセル、粉末、及び徐放性製
剤が含まれ、例えば、インプラント及びマイクロカプセル化送達系、及び生体分解性、生
体適合性ポリマー、例えば、コラーゲン、エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコ
ール酸、ポリオルトエステル、ポリ乳酸等であるが、これらに限定されない。これらの組
成物の調製のための方法は、当業者に既知である。企図される組成物は、約0.001%
100%の活性成分、ある種の実施形態では、約0.1 85%または約75~95%
を含有し得る。
【0322】
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、体からの急速な排出に対して化合物
を保護する担体、例えば、時間放出製剤またはコーティングによって調製することができ
る。
【0323】
組成物は、所望の特性の組み合わせを得るために他の活性化合物を含んでもよい。本明
細書に提供される化合物Aまたは化合物Bはまた、有利に、酸化的ストレスに関連する疾
患等の上記に称される疾患または医学的状態のうちの1つ以上を治療する際の値からなる
一般的分野で既知の別の薬理学的薬剤と一緒に、治療的または予防目的のために投与され
得る。このような併用療法は、本明細書に提供される治療の組成物及び方法のさらなる態
様を構成することを理解されたい。
【0324】
本明細書に提供されるラクトースフリー組成物は、当技術分野で周知であり、かつ例え
ば、米国薬局方(USP)SP(XXI)/NF(XVI)に記載されている賦形剤を含
み得る。一般に、ラクトースフリー組成物は、薬学的に適合し、かつ薬学的に許容される
量の活性成分、結合剤/充填剤、及び潤滑剤を含む。例示的なラクトースフリー剤形は、
活性成分、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、及びステアリン酸マグネシウムを
含む。
【0325】
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを含有する無水薬学的組成物及び剤形が
さらに包含される。例えば、水(例えば、5%)の添加は、時間の経過に伴う製剤の貯蔵
寿命または安定性等の特徴を判定するために、長期保管のシミュレーションを行なう手段
として、薬学的分野に広く受け入れられる。例えば、Jens T.Carstense
n,Drug Stability:Principles & Practice,2
d.Ed.,Marcel Dekker,NY,NY,1995,pp.379-80
を参照のこと。実際、水及び加熱は、いくつかの化合物の分解を促進する。したがって、
蒸気及び/または湿気は、一般的に、製剤の製造、操作、包装、貯蔵、輸送、及び使用時
に引き起こされるので、製剤における水の作用は、非常に重要となり得る。
【0326】
本明細書に提供される無水薬学的組成物及び剤形は、無水または低水分含有成分、及び
低水分または低湿度条件を用いて調製され得る。ラクトース、及び第一級または第二級ア
ミンを含む少なくとも1つの活性成分を含む薬学的組成物及び剤形は、製造、包装、及び
/または保管時に、蒸気及び/または湿気との実質的接触が予想される場合、無水である
【0327】
無水薬学的組成物は、その無水性質を維持するように、調製及び保管されるべきである
。したがって、無水組成物は、好適な定式のキットに含まれ得るように、水への曝露を阻
止することで既知の材料を用いて包装される。好適な包装の例としては、密封のシールフ
ォイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、及びス
トリップパックが挙げられるが、これらに限定されない。
【0328】
5.5.1.経口剤形
経口薬学的剤形は、固体、ゲル、または液体のいずれかである。固体剤形は、錠剤、カ
プセル、顆粒剤、及び原末である。経口錠剤の種類には、腸溶コーティング、糖衣コーテ
ィング、またはフィルムコーティングされてもよい圧縮、チュアブルロゼンジ、及び錠剤
が含まれる。カプセルは、硬質または軟質ゼラチンカプセルであってよい一方で、顆粒ま
たは粉末剤を、当業者に既知の他の成分と組み合わせて、非発泡または発泡形態で提供さ
れ得る。
【0329】
ある種の実施形態では、製剤は、カプセルまたは錠剤等の固体剤形である。錠剤、丸薬
、カプセル、トローチ等は、以下の成分または同様の性質の化合物のうちのいずれかを含
有し得る:結合剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、甘味剤、及び香味剤。
【0330】
結合剤の例には、微結晶性セルロース、トラガントゴム、グルコース溶液、アラビアゴ
ム粘液、ゼラチン溶液、スクロース、及びデンプン糊が含まれる。滑沢剤には、タルク、
デンプン、ステアリン酸マグネシウム、またはステアリン酸カルシウム、リコポジウム、
及びステアリン酸が含まれる。希釈剤には、例えば、ラクトース、スクロース、デンプン
、カオリン、塩、マンニトール、及びリン酸二カルシウムが含まれる。流動促進剤として
は、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられるが、これに限定されない。崩壊剤には、クロス
カルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、コーンスター
チ、ジャガイモデンプン、ベントナイト、メチルセルロース、寒天、及びカルボキシメチ
ルセルロースが含まれる。着色剤は、例えば、許認可された水溶性FD及びC染料、それ
らの混合物のうちのいずれか、及びアルミナ水酸化物上で懸濁された非水溶性のFD及び
C着色料を含む。甘味剤は、スクロース、ラクトース、マンニトール、及びサッカリン等
の人工甘味剤、ならびに任意の数の噴霧乾燥風味剤を含む。香味剤は、フルーツ等の植物
から抽出された天然香味料、ならびにペパーミント及びサリチル酸メチル等であるが、こ
れらに限定されない、心地良い感覚をもたらす化合物の合成ブレンドを含む。湿潤剤は、
プロピレングリコールモノステアリン酸塩、ソルビタンモノオレイト、ジエチレングリコ
ールモノラウレート、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルを含む。吐剤被膜剤は、
脂肪酸、脂肪、ワックス、セラック、アンモニア処理されたセラック、及び酢酸フタル酸
セルロースを含む。フィルムコーティングは、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウム
カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セル
ロースを含む。
【0331】
経口投与が所望される場合、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、胃の酸
性環境からそれを保護する組成物内に提供され得る。例えば、組成物は、胃の中ではその
完全性を維持して、腸の中で活性化合物を放出する腸溶コーティング中に製剤化され得る
。組成物はまた、制酸剤または他のこのような成分と組み合わせて製剤化され得る。
【0332】
投与単位形態がカプセルである場合、それは、上記の種類の材料に加えて、脂肪油等の
液状担体を含むことができる。加えて、投与単位形態は、投与単位の物理的な形態を改変
する種々の他の材料、例えば、砂糖及び他の腸溶性薬のコーティングを含むことができる
。本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bはまた、エリキシル、懸濁液、シロップ
、ウエハー、粉砂糖、チューインガム等の構成要素としても投与することができる。シロ
ップは、活性化合物に加えて、甘味剤としてのスクロース、ならびに一定の防腐剤、着色
料及び色素及び風味を含んでいてもよい。
【0333】
活性材料はまた、所望の作用を損なわない他の活性材料、または制酸剤、H2ブロッカ
ー、及び利尿薬等の所望の作用を補う材料と混合され得る。活性成分は、本明細書に記載
される、化合物Aまたは化合物Bである。より高い濃度、活性成分の最大約98重量%が
含まれ得る。
【0334】
錠剤に含まれた薬学的に許容される担体は、結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤
、香味剤、及び湿潤剤である。腸溶コーティング錠剤は、腸溶コーティングにより、胃酸
の作用に耐えて、中性またはアルカリ性の腸内で溶解または分解する。糖衣錠剤は、薬学
的に許容される物質とは異なる層が適用された圧縮錠剤である。フィルムコーティング錠
剤は、ポリマーまたは他の好適なコーティングでコーティングされた圧縮錠剤である。多
重圧縮錠剤は、先に言及された薬学的に許容される物質を利用して、1つを超える圧縮サ
イクルによって作製された圧縮錠剤である。着色剤もまた、上記の剤形において用いられ
てもよい。風味剤及び甘味剤は、圧縮錠剤、糖衣錠、多重圧縮剤、及びチュアブル錠にお
いて用いられる。風味剤及び甘味剤は、チュアブル錠とトローチ剤の形成において特に有
用である。
【0335】
液体経口剤形には、水溶液、エマルジョン、懸濁液、溶液、及び/または非発泡性の顆
粒から再構成された懸濁液、ならびに発泡性の顆粒から再構成された発泡性調製物を含む
。水溶液は、例えば、エリキシル剤やシロップ剤を含む。エマルジョンは、水中油型また
は油中水型のいずれかである。
【0336】
エリキシル剤は、透明で、甘味がある、水アルコール調製物である。エリキシル剤中で
使用される薬学的に許容される担体は、溶媒を含む。シロップは、砂糖、例えばスクロー
スの濃縮された水溶液であり、かつ防腐剤を含んでいてもよい。エマルジョンは、ある液
体が、別の液体の全体にわたって小さな球の形態で分散された、2相系である。エマルジ
ョン中で使用される薬学的に許容される担体は、非水性の液体、乳化剤、及び防腐剤であ
る。懸濁液は、薬学的に許容される懸濁化剤及び防腐剤を使用する。液体経口剤形に再構
成されるために、非発泡性の顆粒に使用される薬学的に許容される物質は、希釈剤、甘味
料、及び湿潤剤を含む。液体経口剤形に再構成されるために、発泡性の顆粒に使用される
薬学的に許容される物質は、有機酸及び二酸化炭素源を含む。着色料及び香味剤は、上記
の剤形のすべてにおいて用いられる。
【0337】
溶媒には、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、及びシロップが含まれる。
防腐剤の例には、グリセリン、メチル及びプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリ
ウム、ならびにアルコールが含まれる。エマルジョンにおいて利用される非水性液体の例
には、鉱油及び綿実油が含まれる。乳化剤の例には、ゼラチン、アカシア、トラガカント
、ベントナイト、及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等の界面活性剤が含
まれる。懸濁化剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカン
ト、ビーガム、及びアカシアが含まれる。希釈剤には、ラクトース及びスクロースが含ま
れる。甘味剤には、スクロース、シロップ、グリセリン、及びサッカリン等の人工甘味料
が含まれる。湿潤剤は、プロピレングリコールモノステアリン酸塩、ソルビタンモノオレ
イト、ジエチレングリコールモノラウレート、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル
を含む。有機酸は、クエン酸及び酒石酸を含む。二酸化炭素源は、重炭酸ナトリウム及び
炭酸ナトリウムを含む。着色剤は、許認可された水溶性FD及びC染料、及びこれらの混
合物のうちのいずれかを含む。香味剤は、フルーツ等の植物から抽出された天然香味料、
及び心地良い味覚をもたらす化合物の合成ブレンドを含む。
【0338】
固体剤形について、例えば、炭酸プロピレン、植物油、またはトリグリセリド中の溶液
または懸濁液は、ゼラチンカプセルに封入される。このような溶液、ならびにその調製物
及びカプセル封入は、米国特許第4,328,245号、同第4,409,239号、及
び同第4,410,545号に開示されている。液体剤形について、例えば、ポリエチレ
ングリコール中などの溶液は、投与のための容易に測定されるのに十分な量の薬学的に許
容される液体担体、例えば、水で希釈することができる。
【0339】
あるいは、液体または半固体経口製剤は、活性化合物または塩を、植物油、グリコール
、トリグリセリド、プロピレングリコールエステル(例えば、炭酸プロピレン)、及び他
のこのような担体に溶解または分散させることと、これらの溶液または懸濁液を硬質また
は軟質ゼラチンカプセルシェルにカプセル化することとによって調製され得る。他の有用
な製剤としては、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを含有するもの、1,2
-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-
350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリ
エチレングリコール-750-ジメチルエーテル(式中、350、550、及び750は
、ポリエチレングリコールのおよそ平均分子量を指す)が挙げられるが、これらに限定さ
れない、ジアルキル化モノ-またはポリ-アルキレングリコール、ならびにブチル化ヒド
ロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピ
ル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケ
ファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、チオジプロピオン酸及び
そのエステル、及びジチオカルバメートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0340】
他の製剤としては、薬学的に許容されるアセタールを含む水性アルコール溶液が挙げら
れるが、これに限定されない。これらの製剤中で使用されるアルコールは、プロピレング
リコール及びエタノールを含むが、これらに限定されない、1つ以上のヒドロキシル基を
有する任意の薬学的に許容される水混和性溶媒である。アセタールとしては、アセトアル
デヒドジエチルアセタール等の低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0341】
すべての実施形態では、錠剤及びカプセル製剤は、活性成分の溶解を改変または維持す
るために、当業者に既知であるように、コーティングし得る。それ故に、例えば、それら
は、サリチル酸フェニル、ワックス、及び酢酸フタル酸セルロース等の従来の経腸的に消
化可能なコーティングで被覆されてもよい。
【0342】
5.5.2.注射剤、溶液、及びエマルジョン
一般的には、皮下、筋肉注射、または静脈内を特徴とする非経口投与もまた、本明細書
に企図される。注射剤は、液体の溶液または懸濁液のいずれかとしての従来の形態で、注
射前に液体中の溶液または懸濁液に好適な固体形態、またはエマルジョンとして調製され
得る。好適な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、またはエ
タノールである。加えて、所望により、投与される薬学的組成物はまた、少量の非毒性補
助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解度向上剤、及び他のこ
のような薬剤、例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールア
ミンオレエート、及びシクロデキストリン等を含有してもよい。一定のレベルの投与量が
維持されるように、遅い放出または持続放出系の移植も、本明細書で企図される。簡潔に
言えば、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、固体内部マトリックス、例え
ば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、可塑化または非可塑化塩化ポリ
ビニル、可塑化ナイロン、可塑化テレフタル酸ポリエチレン、天然ゴム、ポリイソプレン
、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー
、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水
性ポリマー(例えば、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲル)、コラーゲ
ン、架橋ポリビニルアルコール、及び部分的に加水分解された架橋ポリ酢酸ビニル中に分
散され、それは、体液中で不溶性である、外部ポリマー膜、例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー
、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプ
レンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレ
ン、及びプロピレンとの塩化ビニルのコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタレー
ト、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エ
チレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、ならびにエチレン/ビニルオキシ
エタノールコポリマーにより包囲される。化合物は、放出速度制御ステップにおいて外部
ポリマー膜を通って拡散する。このような非経口組成物中に含有される活性化合物の割合
は、その特定の性質、ならびに化合物の活性及び対象の必要性に高度に依存している。
【0343】
組成物の非経口投与は、静脈内、皮下、及び筋肉内投与を含む。非経口投与のための調
製物は、そのまま注射できる滅菌溶液、使用直前に溶媒と組み合わせることができる滅菌
し乾燥した可溶性製品、例えば凍結乾燥粉末が含まれ、皮下錠剤、そのまま注射できる滅
菌懸濁液、使用直前にビヒクルと組み合わされる滅菌し乾燥した不溶性製品、及び滅菌し
たエマルジョンを含む。溶液は、水性または非水性のいずれかであり得る。
【0344】
静脈内投与される場合、好適な担体には、生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水(P
BS)、ならびに増粘剤及び可溶化剤(グルコース、ポリエチレングリコール、及びポリ
プロピレングリコール、ならびにこれらの混合物等)を含有する溶液が含まれる。
【0345】
非経口調製物で使用される薬学的に許容される担体には、水性ビヒクル、非水性ビヒク
ル、抗微生物剤、等張剤、緩衝液、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁剤及び分散剤、乳化剤、
金属イオン封鎖剤またはキレート剤、ならびに他の薬学的に許容される物質が含まれる。
【0346】
水性ビヒクルの例には、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、等張性デキストロー
ス注射液、滅菌水注射液、デキストロース、及び乳酸加リンガー注射液が含まれる。非水
性非経口ビヒクルとしては、植物由来の不揮発性油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油、
及びピーナッツ油が挙げられる。静菌的または静真菌濃度の抗微生物剤は、フェノールま
たはクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピル
pヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、及び塩化ベンゼ
トニウムを含む、複数回用量容器に包装される非経口調製物に加えなければならない。等
張剤は、塩化ナトリウム及びデキストロースを含む。緩衝液は、リン酸塩及びクエン酸塩
を含む。抗酸化剤は、重硫酸ナトリウムを含む。局所麻酔剤は、塩酸プロカインを含む。
懸濁剤及び分散剤は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む。乳化剤は、Polysorbate8
0(TWEEN(登録商標)80)を含む。金属イオンの、金属イオン封鎖剤またはキレ
ート剤は、EDTAを含む。薬学的担体はまた、水混和性ビヒクル用のエチルアルコール
、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコール、ならびにpH調整用の水酸化ナ
トリウム、塩酸、クエン酸、または乳酸も含む。
【0347】
薬学的に活性な化合物の濃度は、注射が所望の薬理学的効果を生じるのに有効な量を提
供するように調整される。正確な用量は、当該技術分野で既知であるように、患者または
動物の年齢、体重、及び状態に依存する。
【0348】
単位用量非経口調製物は、アンプル、バイアル、または針付き注射器で包装される。非
経口投与用のすべての調製物は、当技術分野で既知かつ実践されているように、滅菌でな
ければならない。
【0349】
例として、本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bを含有する滅菌水溶液の静脈
内または動脈内注入は、有効な投与様式である。別の実施形態は、望ましい薬理学的効果
を生じさせるのに必要に応じて、注入される活性物質を含有する、滅菌の水性もしくは油
性溶液、または懸濁液である。
【0350】
注射剤は、局所投与及び全身投与用に設計される。典型的には、治療的に有効な投与量
は、治療される組織(複数可)に対して、少なくとも約0.1%w/w~約90%w/w
もしくはそれ以上、例えば、1%w/w超の濃度の本明細書に提供される化合物Aまたは
化合物Bを含有するように製剤化される。活性成分は、1回で投与されてもよく、または
いくつかのより少ない用量に分割して、時間間隔をおいて投与されてもよい。治療の正確
な投与量及び持続時間は、治療される組織の関数であり、既知の試験プロトコルを用いる
か、またはインビボもしくはインビトロ試験データからの外挿によって、実験的に決定さ
れ得ることを理解されたい。濃度及び投与量の値はまた、治療される個人の年齢で変化し
得ることに留意されたい。任意の特定の対象に対しても、特定の投与量レジメンは、時間
にわたって、個人の必要性と、製剤を投与するまたはその投与を監督する人の専門的な判
断に従って調整すべきであり、かつ本明細書に記載される濃度範囲は例示のみであり、特
許請求される製剤の範囲または実施を制限することを意図されないことをさらに理解され
たい。
【0351】
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、微粉化された形態または他の好適な
形態で懸濁され得るか、またはより可溶性で活性な生成物を生成するためもしくはプロド
ラッグを生成するために誘導体化され得る。結果として得られた混合物の形態は、意図す
る投与様式、及び選択される担体またはビヒクル中の化合物の可溶性を含む、多数の因子
に依存する。有効濃度は、状態の症状を緩和するのに十分なものであり、実験的に決定し
得る。
【0352】
5.5.3.凍結乾燥粉末
投与用に、溶液、エマルジョン、及び他の混合物として再構成され得る、凍結乾燥粉末
もまた、本明細書において対象となる。それらはまた、固体またはゲルとして再構成及び
製剤化され得る。
【0353】
滅菌の凍結乾燥粉末は、好適な溶媒中の本明細書に提供される化合物Aまたは化合物B
を溶解することによって調製される。溶媒は、安定性を改善する賦形剤もしくは粉末の他
の薬理学的成分、または粉末から調製された再構成された溶液を含有してもよい。使用さ
れ得る賦形剤としては、デキストロース、ソルビトール、フルクトース、コーンシロップ
、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロース、または他の好適な薬剤が挙げら
れるが、これらに限定されない。溶媒はまた、緩衝液、例えば、クエン酸緩衝液、リン酸
ナトリウム緩衝液、もしくはリン酸カリウム緩衝液、または当業者に既知の他のこのよう
な緩衝液、一実施形態では、pHがほぼ中性の緩衝液を含有してもよい。その後、当業者
に既知の標準的な条件下で溶液を滅菌濾過し、続いて凍結乾燥することにより、所望の製
剤を提供する。一般に、得られた溶液は、凍結乾燥用のバイアルに分配されるであろう。
各バイアルは、化合物の、単一投与量(10~1000mgまたは100~500mgが
挙げられるが、これらに限定されない)または複数回投与量を含有するであろう。凍結乾
燥粉末は、適切な条件下で、例えば、約4℃~室温で保管することができる。
【0354】
注射用水を用いたこの凍結乾燥粉末の再構成は、非経口投与において使用するための製
剤を提供する。再構成のために、約1~50mg、約5~35mg、または約9~30m
gの凍結乾燥粉末を、滅菌水または他の好適な担体の1mL当たりに添加する。正確な量
は、本明細書に提供される選択された化合物に依存する。このような量は、実験的に決定
することができる。
【0355】
5.5.4.局部投与
局所及び全身投与について記載されるように、局部混合物を、調製する。結果として得
られた混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョン等であり得、クリーム、ゲル、軟膏、エマ
ルジョン、溶液、エリキシル剤、ローション剤、懸濁液、チンキ剤、ペースト、発泡剤、
エアロゾル、灌注剤、スプレー、坐薬、包帯、皮膚パッチ、または局部投与に適当な任意
の他の製剤として製剤化される。
【0356】
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、例えば吸入による局部適用のための
エアロゾルとして製剤化され得る(例えば、炎症性疾患、特にぜんそくの治療に有用なス
テロイドの送達用のエアロゾルについて説明されている、米国特許第4,044,126
号、同第4,414,209号、及び同第4,364,923号を参照のこと)。気道に
投与するためのこれらの製剤は、単独で、またはラクトース等の不活性担体と組み合わせ
て、ネブライザー用にエアロゾルまたは溶液の形態であってもよく、吹き入れ用超微粒粉
末であってもよい。このような場合、製剤の粒子は、50ミクロン未満、または10ミク
ロン未満の直径を有するであろう。
【0357】
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、局所的または局部適用のために、例
えば、皮膚及び粘膜、例えば眼内への局部適用のために、ゲル、クリーム、及びローショ
ン剤の形態で、及び眼への適用、または嚢内もしくは脊髄内適用のために、製剤化され得
る。局部投与は、経皮送達、眼もしくは粘膜への投与、または吸入療法のために企図され
る。また、化合物の点鼻溶液は、単独でまたは他の薬学的に許容される賦形剤と組み合わ
せて投与することもできる。
【0358】
これらの溶液、特に眼科用を企図した溶液は、適切な塩を含む、pHが約5~7であっ
て、0.01%~10%の等張溶液として製剤化され得る。
【0359】
5.5.5.他の投与経路のための組成物
局部適用、経皮パッチ、及び直腸投与のような他の投与経路もまた、本明細書に企図さ
れる。
【0360】
例えば、直腸投与のための薬学的剤形は、全身的な効果のための直腸坐薬、カプセル剤
、及び錠剤である。本明細書において用いられる直腸坐薬は、体温で融解するか、または
軟らかくなって1つ以上の薬理学的または治療的に活性な成分を放出する、直腸に挿入す
るための固形物を意味する。直腸坐薬中で利用される薬学的に許容される物質は、融点を
上昇させるための基剤またはビヒクル及び薬剤である。基剤の例には、カカオバター(カ
カオ脂)、グリセリン ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、
ならびに脂肪酸のモノ-、ジ-及びトリグリセリドの適切な混合物が含まれる。様々な基
剤の組み合わせが、使用され得る。坐薬の融点を上昇させる薬剤には、鯨蝋及びワックス
が含まれる。直腸坐薬は、圧縮法または成形のいずれかによって調製することができる。
直腸坐薬の例示的な重量は、約2~3グラムである。
【0361】
直腸投与のための錠剤及びカプセル剤は、経口投与用製剤と同じ薬学的に許容される物
質を使用して及び同じ方法により製造する。
【0362】
5.5.6.徐放性組成物
本明細書に提供される活性成分は、制御された放出手段により、または当業者に周知で
ある送達デバイスにより投与され得る。例としては、米国特許第3,845,770号、
同第3,916,899号、同第3,536,809号、同第3,598,123号、及
び同第4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号、
同第5,591,767号、同第5,120,548号、同第5,073,543号、同
第5,639,476号、同第5,354,556号、同第5,639,480号、同第
5,733,566号、同第5,739,108号、同第5,891,474号、同第5
,922,356号、同第5,972,891号、同第5,980,945号、同第5,
993,855号、同第6,045,830号、同第6,087,324号、同第6,1
13,943号、同第6,197,350号、同第6,248,363号、同第6,26
4,970号、同第6,267,981号、同第6,376,461号、同第6,419
,961号、同第6,589,548号、同第6,613,358号、同第6,699,
500号、及び同第6,740,634号が挙げられるが、これらに限定されず、これら
のそれぞれが、参照により本明細書に組み込まれる。このような剤形は、様々な割合で所
望の放出プロファイルを提供するために、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他
のポリマーマトリックス、ゲル、透過性膜、浸透圧システム、多層コーティング、微小粒
子、リポソーム、ミクロスフェア、またはこれらの組み合わせを使用して、徐放性または
持続放出性の、1つ以上の活性成分を提供することができる。本明細書に記載されるもの
を含む、当業者に既知の好適な制御放出製剤は、本明細書に提供される活性成分とともに
使用するために容易に選択することができる。
【0363】
すべての制御された放出薬学的生成物は、それらの非制御の対応物により達成されたも
のを超える薬物療法の改善という共通の目的を有する。一実施形態では、医療における最
適に設計された制御放出調製物の使用は、最小限の薬剤物質を用いて最小限の時間で状態
を治癒させるまたは制御することを特徴とする。ある種の実施形態では、制御放出製剤の
利点には、薬物活性の延長、投与頻度の低下、及び患者コンプライアンスの増加が含まれ
る。加えて、制御放出製剤を用いて、作用発現時間、または薬物の血中濃度等の他の特性
に影響を及ぼすことができ、したがって、副作用(例えば、有害作用)の発生に影響を及
ぼすことができる。
【0364】
ほとんどの制御放出製剤は、所望の治療効果を素早くもたらす量の薬物(活性成分)を
最初に放出し、長期間にわたってこのレベルの治療または予防効果を維持する他の量の薬
物を徐々にかつ継続的に放出するように設計されている。この一定の薬物レベルを体内で
維持するために、薬物は、代謝されて体から排泄される薬物の量を補うであろう速度で剤
形から放出されなければならない。活性成分の制御放出は、pH、温度、酵素、水、また
は他の生理的条件が挙げられるが、これらに限定されない、様々な状態によって刺激され
得る。
【0365】
ある種の実施形態では、薬剤は、静脈内点滴、埋め込み可能な浸透ポンプ、経皮パッチ
、リポソーム、または他の投与様式を使用して投与され得る。一実施形態では、ポンプが
使用され得る(Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14
:201(1987);Buchwald et al.,Surgery 88:50
7(1980);Saudek et al.,N.Engl.J.Med.321:5
74(1989)を参照のこと。別の実施形態において、ポリマー材料が使用され得る。
さらに別の実施形態では、制御放出系を治療標的に近接して配置すること、すなわち、か
くしてほんの少しの全身性用量を必要とすることができる(例えば、Goodson,M
edical Applications of Controlled Releas
e,vol.2,pp.115-138(1984)を参照のこと。
【0366】
いくつかの実施形態では、制御放出デバイスは、不適切な免疫活性化または腫瘍の部位
に近接して対象中に導入される。他の制御放出系は、Langerによる総説において考
察される(Science 249:1527-1533(1990)。活性成分は、固
体内部マトリックス、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、可塑
化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化テレフタル酸ポリエチレン、
天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレ
ン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンラバー、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカ
ーボネートコポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸のエステルのヒドロゲル等の親水性
ポリマー、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール及び部分的に加水分解された架橋ポリ
酢酸ビニル中に分散され得、それは、体液中で不溶性である、外部ポリマー膜、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルア
クリル酸コポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンラバー、ポリジメチ
ルシロキサン、ネオプレンラバー、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニルと
の塩化ビニルコポリマー、塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレン、イオノマーテレフ
タル酸ポリエチレン、ブチルラバーエピクロロヒドリンラバー、エチレン/ビニルアルコ
ールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、ならびにエチ
レン/ビニルオキシエタノールコポリマーにより包囲される。次いで、活性成分は、放出
速度制御ステップにおいて外部ポリマー膜を通って拡散する。このような非経口組成物中
に含まれる活性薬剤のパーセンテージは、それらの特定の性質、ならびに対象の必要性に
高度に依存している。
【0367】
5.5.7.標的製剤
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bはまた、特定の組織、受容体、または治
療される対象の身体の他の領域に標的とされるように製剤化されてもよい。多くのこのよ
うな標的方法は、当業者に周知である。すべてのこのような標的方法は、本組成物におけ
る使用のために本明細書で企図される。標的方法の非限定的な方法については、例えば、
米国特許第6,316,652号、同第6,274,552号、同第6,271,359
号、同第6,253,872号、同第6,139,865号、同第6,131,570号
、同第6,120,751号、同第6,071,495号、同第6,060,082号、
同第6,048,736号、同第6,039,975号、同第6,004,534号、同
第5,985,307号、同第5,972,366号、同第5,900,252号、同第
5,840,674号、同第5,759,542号、及び同第5,709,874号を参
照のこと。
【0368】
一実施形態では、腫瘍標的リポソーム等の組織標的化リポソームを含むリポソーム懸濁
液はまた、薬学的に許容される担体として好適であり得る。これらは、当業者に既知の方
法に従って調製することができる。例えば、リポソーム製剤は、米国特許第4,522,
811号に記載されるように調製することができる。簡潔には、多重膜小胞(MLV)等
のリポソームは、卵ホスファチジルコリンと脳ホスファチジルセリン(モル比7:3)を
フラスコの内側で乾燥させることによって形成され得る。二価陽イオンを欠いているリン
酸緩衝生理食塩水(PBS)中の本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bの溶液を
添加し、脂質フィルムが分散されるまでフラスコを振盪する。結果として得られる小胞を
洗浄して、カプセル化されていない化合物を除去し、遠心分離によってペレット化し、次
いでPBS中に再懸濁する。
【0369】
5.5.8.製品
固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含むがんの1つ以上の症状または進行の治療、予防、また
は緩和のために使用される本明細書に提供される化合物Aまたは化合物B、ならびに当該
化合物が、固形腫瘍及び血液由来腫瘍を含むがんの1つ以上の症状または進行の治療、予
防、または緩和のために使用されることを示すラベル。
【0370】
本明細書に提供される製品は、包装材料を含有する。薬学的製品の包装で使用するため
の包装材料は、当業者に周知である。例えば、米国特許第5,323,907号、同第5
,052,558号、及び同第5,033,252号を参照のこと。薬学的包装材料の例
としては、ブリスターパック、ボトル、チューブ、吸入器、ポンプ、袋、バイアル、容器
、シリンジ、ペン、ボトル、ならびに選択された製剤ならびに意図する投与様式及び治療
に好適な任意の包装材料が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に提供される
化合物及び組成物の豊富な製剤が、企図される。
【0371】
5.6.活性の評価
標準的な生理学的、薬理学的、及び生化学的手順は、所望の抗増殖性活性を有するもの
を特定するために、化合物を試験するために利用可能である。
【0372】
このようなアッセイには、生化学的アッセイ、例えば、結合アッセイ、放射能組込みア
ッセイ、ならびに実施例の項に記載される、KG-1細胞増殖アッセイを含む、様々な細
胞系アッセイが含まれる。
【0373】
5.7.化合物の調製
本明細書に提供される化合物Aまたは化合物Bは、当業者に既知の方法、ならびに以下
の、本明細書の実施例の項に記載されるものと同様の手順及びそれらの日常的修正によっ
て調製され得る。
【実施例
【0374】
6.実施例
以下の実施例は、例示のために示されているが、限定するものではない。以下の略語は
、説明及び実施例において使用される。
【0375】
実施例1
(3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミド)メ
チル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イ
ル)メチル二水素ホスファートの調製
【化24】
A.メチル4-ブロモ-2-メチル安息香酸塩:メタノール(1L)中の4-ブロモ-
2-メチル安息香酸(100g、465.02mmol)、濃硫酸(52mL)を混合し
、65℃に18時間加熱した。反応を濃縮し、残渣を酢酸エチル(500mL)で希釈し
、飽和重炭酸ナトリウム溶液(150mL)、水(200mL)、及びブライン(250
mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機相を減圧下で濃縮し、高真空下でさ
らに乾燥させて、赤色液体としてメチル4-ブロモ-2-メチル安息香酸塩(102g、
445.27mmol、収率95%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホル
ム-d1)δ7.78(d,J=8.3Hz,1H),7.45-7.30(m,2H)
,3.88(s,3H),2.57(s,3H)。
【0376】
B.メチル-4-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸塩:アセトニトリル(600
mL)中のメチル4-ブロモ-2-メチル安息香酸塩(102g、445.27mmol
)、NBS(79.2g、445.27mmol)、アゾ-イソブチロニトリル(2.5
8g、16mmol)を混合し、85℃で18時間還流した。混合物を濃縮し、残渣に、
ジクロロメタン(150mL)を添加した。得られた固体を、濾過によって除去した。濾
液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~4% EtOAc
)によって精製した。生成物を含有する画分を、減圧下で濃縮し、高真空下でさらに乾燥
させて、オフホワイト色固体としてメチル-4-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸
塩(100g、324.70mmol、収率72.9%)を得た。1H NMR(300
MHz,ジメチルスルホキシド-d)δ7.88(d,J=2.2Hz,1H),7.
82(dd,J=8.4,2.1Hz,1H),7.72-7.64(m,1H),5.
00(s,2H),3.88(s,3H)。
【0377】
C.3-(5-ブロモ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-
ジオン:メチル-4-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸塩(100g、324.7
0mmol)、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン.塩酸塩(53.2g、324.
70mmol)、トリエチルアミン(113.29mL、811.75mmol)、及び
乾燥ジメチルホルムアミド(400mL)を混合し、不活性雰囲気下、室温で18時間撹
拌した。反応物を5℃に冷却し、水(400mL)、酢酸(115mL)、ジエチルエー
テル(300mL)で希釈し、室温で2時間撹拌し続けた。結果として得られた固体を濾
過し、エーテル(100mL)で洗浄し、高真空下でさらに乾燥させて、薄青色固体とし
て3-(5-ブロモ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオ
ン(46g、142.35mmol、収率43.8%)を得た。MS(ESI)m/z3
25.0[M+1]
【0378】
D.2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5
-カルボニトリル:3-(5-ブロモ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジ
ン-2,6-ジオン(46g、142.35mmol)、1,1’-ビス(ジフェニルホ
スフィノ)フェロセン(788mg、1.423mmol)、シアン化亜鉛(25g、2
13.52mmol)、酢酸亜鉛(7.83g、42.7mmol)、及び乾燥ジメチル
ホルムアミド(360mL)を混合し、脱気し、その後、トリス(ジベンジリデンアセト
ン)ジパラジウム(0)(0.364g、0.398mmol)を添加した。混合物を脱
気し、アルゴンで3回置き換え、次いで、120℃で20時間撹拌した。混合物を室温ま
で冷却し、濾過し、シリカカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の0~5%メタ
ノール)によって精製した。生成物を含有する画分を混合し、溶媒を減圧下で除去し、次
いで、高真空下でさらに乾燥させて、茶色固体として2-(2,6-ジオキソピペリジン
-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-カルボニトリル(22g、81.78m
mol、収率57.2%)を得た。MS(ESI)m/z268.0[M-H]。
【0379】
E.3-(5-(アミノメチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン
-2,6-ジオン:2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソイ
ンドリン-5-カルボニトリル(10g、37.13mmol)、メタンスルホン酸(2
.6mL、40.85mmol)、10%の乾燥パラジウム炭素(4g)、及びジメチル
アセトアミド(320mL)を混合し、水素化容器中で振盪し、40℃で20時間、50
Psi下で保持した。水素雰囲気を脱気し、混合物を、セライトパッドを通して濾過し、
水(100mL)で洗浄し、濃縮した。結果として得られた残渣に、1%メタノール-ジ
クロロメタンを添加し、濾過し、高真空下で乾燥させて、オフホワイト色固体として3-
(5-(アミノメチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-
ジオン(5.6g、15.17mmol、収率40%)を得た。MS(ESI)m/z2
72.0[M-1]。
【0380】
F.N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインド
リン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセト
アミド。DMF(3mL)中の3-(5-(アミノメチル)-1-オキソイソインドリン
-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンメタンスルホン酸塩(.200g、0.541
mmol)に、HATU(0.226g、0.596mmol)、2,2-ジフルオロ-
2-(4-フルオロフェニル)酢酸(0.103g、0.541mmol)を添加し、続
いて、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.262ml、1.62
4mmol)を添加した。混合物を25℃で16時間撹拌した。30mLの水を添加し、
結果として得られた混合物を濾過した。濾液をEtOAcですすぎ、真空下で乾燥させて
、白色固体としてN-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ
イソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニ
ル)アセトアミド(0.100g、0.225mmol、収率41.5%)を得た。
NMR(500MHz,DMSO-d)δppm10.98(br.s.,1H)9
.66(t,J=5.99Hz,1H)7.58-7.73(m,3H)7.29-7.
47(m,4H)5.11(dd,J=13.40,5.20Hz,1H)4.38-4
.53(m,3H)4.24-4.36(m,1H)2.81-3.00(m,1H)2
.56-2.67(m,1H)2.40(qd,J=13.19,4.57Hz,1H)
1.91-2.07(m,1H)。
【0381】
G.ジ-tert-ブチル((3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオ
ロフェニル)アセトアミド)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6
-ジオキソピペリジン-1-イル)メチル)ホスファート。NMP(4ml)中のN-(
(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イ
ル)メチル)-2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミド(1.
0g、2.245mmol)、炭酸セシウム(2.195g、6.74mmol)、及び
ヨウ化カリウム(0.745g、4.49mmol)の混合物を、室温で撹拌し、ジ-t
ert-ブチル(クロロメチル)ホスファート(4.65g、17.96mmol)を添
加した。混合物を30℃で2時間撹拌し、この時点で出発物質は、LCMSによってほと
んど検出できなかった。反応物を周囲温度で一晩撹拌した。14時間後、反応物をDMS
Oで希釈し、分取HPLC(Gemini-NX C18カラム;水中10mM炭酸アン
モニウム中の40~85%アセトニトリル)によって精製して、LCMSによって86%
の純粋な所望の生成物(収率64.4%)である1.12gの白色固体を得た。この物質
は、さらに精製することなく、次のステップに移された。H NMR(500MHz,
DMSO-d)δppm9.55-9.79(m,1H),7.60-7.77(m,
3H),7.32-7.50(m,4H),5.35-5.48(m,2H),5.24
-5.32(m,1H),5.10-5.21(m,2H),4.41-4.52(m,
3H),4.23-4.33(m,1H),3.07-3.15(m,1H),2.81
-2.89(m,1H),2.35-2.43(m,1H),2.04-2.10(m,
1H),1.43-1.45(m,4H),1.42(s,12H),1.40(s,2
H),1.37-1.39(m,1H),1.34(s,6H),1.34(s,3H)
【0382】
H.(3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミ
ド)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-
1-イル)メチル二水素ホスファート。DCM(20mL)中のジ-tert-ブチル(
(3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミド)メ
チル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イ
ル)メチル)ホスファート(1.12g、1.648mmol)の撹拌溶液に、トリフル
オロ酢酸(20mL、260mmol)を添加し、反応物を周囲温度で撹拌した。15分
後、LCMSは、所望の生成物に対して完全な変換を示した。反応物を回転蒸発によって
濃縮し、分取HPLC(Polar Lunaカラム;0.1%ギ酸を含む水中5~65
%アセトニトリル)によって精製した。生成物を含有する画分を凍結させ、凍結乾燥させ
て、綿毛状の白色粉末(410mg、0.738mmol、収率44.8%)を得、これ
が、LCMS及びHNMRによって99.9%純粋な所望の生成物であることを決定した
H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ9.67(t,J=5.99Hz,
1H),7.53-7.80(m,3H),7.24-7.50(m,4H),5.42
(d,J=7.25Hz,2H),5.24(dd,J=5.04,13.24Hz,1
H),4.38-4.53(m,3H),4.27-4.34(m,1H),4.00-
4.13(m,2H),3.00-3.12(m,1H),2.78-2.87(m,1
H),2.33-2.44(m,1H),2.00-2.10(m,1H)。
【0383】
あるいは、(3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセ
トアミド)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリ
ジン-1-イル)メチル二水素ホスファートは、以下のステップに従って調製され得る。
【0384】
ステップA~Fは、上記の方法と同じであり、ステップG及びステップHは以下の通り
である。
【0385】
G.ジ-tert-ブチル((3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオ
ロフェニル)アセトアミド)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6
-ジオキソピペリジン-1-イル)メチル)ホスファート。DMA(45mL)中のN-
((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-
イル)メチル)-2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミド(2
.0g、4.49mmol)の懸濁液を、透明な溶液が得られるまで、40℃で加熱した
(約30秒)。固体ヨウ化カリウム(1.491g、8.98mmol)及びジ-ter
t-ブチル(クロロメチル)ホスファート(9.29g、35.9mmol)を添加した
。混合物を40℃で5分間撹拌し、その後、水素化ナトリウム(0.198g、4.94
mmol)を一度に添加した。45分後、LCMSによる分析は、約7%の出発物質が残
留する完全な反応を示した。2時間後、反応物を300mLのEtOAcで希釈し、水(
2×300mL)で洗浄した。有機層を、ヘキサン(100mL)で希釈し、ブライン(
2×300mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、11.3g
の黄色油を得、これは、依然としてLCMSにより6%の出発物質を含有した。この物質
のHNMR及びFNMRスペクトルは、ほんの少しの出発物質、大量のリン酸塩試薬、及
び一部のEtOAcを伴う所望の生成物と一致した。粗生成物を、次の反応にそのまま用
いた。
【0386】
H.(3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミド
)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1
-イル)メチル二水素ホスファート。DCM(20mL)中の粗物ジ-tert-ブチル
((3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミド)
メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-
イル)メチル)ホスファート(3.00g、4.49mmol)の撹拌溶液に、トリフル
オロ酢酸(20mL、260mmol)を0℃で添加し、反応物を、0℃で5分間、及び
周囲温度で90分間撹拌した。LCMS分析は、一部の少量の不純物と共に、82%の所
望の生成物及び6.7%のN-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1
-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオ
ロフェニル)アセトアミド(前の反応からの出発物質)を示した。反応物を回転蒸発によ
って濃縮し、高真空下で1時間置いた。得られた濃い橙色油(8.48g)を、超音波処
理を行いながら、EtOAc(200mL)に溶解し、周囲温度で静置した。90分後、
大量の白色固体が沈殿した。固体を、真空濾過によって収集し、EtOで洗浄して、1
.738g(2ステップにわたって収率67.8%)の微白色粉末を得た。LCMS分析
は、97.3%の純度を示した。HNMRスペクトルは、完了し、所望の生成物と一致し
ており、FNMRによりTFAは検出できなかった。H NMR(500MHz,DM
SO-d)δ9.67(t,J=5.99Hz,1H),7.63-7.73(m,3
H),7.34-7.46(m,4H),5.44(d,J=7.25Hz,2H),5
.25(dd,J=5.20,13.40Hz,1H),4.42-4.49(m,3H
),4.28-4.34(m,1H),3.58-3.89(m,2H),3.08(d
dd,J=5.36,13.48,17.73Hz,1H),2.80-2.87(m,
J=2.21,4.10Hz,1H),2.35(br.s.,1H),2.03-2.
10(m,1H);19F NMR(471MHz,DMSO-d)δ-100.62
(s,2F),-109.54(s,1F);MS(ESI)m/z458.2(100
%)[M-PO4H2]、556.1(90%)[M+1],578.1(15%)
[M+Na]
【0387】
実施例2
(3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミド)メ
チル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イ
ル)メチルL-バリネートの調製
【化25】
A.メチル4-ブロモ-2-メチル安息香酸塩:メタノール(1L)中の4-ブロモ-
2-メチル安息香酸(100g、465.02mmol)、濃硫酸(52mL)を混合し
、65℃に18時間加熱した。反応物を濃縮し、残渣を酢酸エチル(500mL)で希釈
し、飽和重炭酸ナトリウム溶液(150mL)、水(200mL)、ブライン(250m
L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機相を減圧下で濃縮し、高真空下でさら
に乾燥させて、赤色液体としてメチル4-ブロモ-2-メチル安息香酸塩(102g、4
45.27mmol、収率95%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム
-d1)δ7.78(d,J=8.3Hz,1H),7.45-7.30(m,2H),
3.88(s,3H),2.57(s,3H)。
【0388】
B.メチル-4-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸塩:アセトニトリル(600
mL)中のメチル4-ブロモ-2-メチル安息香酸塩(102g、445.27mmol
)、NBS(79.2g、445.27mmol)、アゾ-イソブチロニトリル(2.5
8g、16mmol)を混合し、85℃で18時間還流した。混合物を濃縮し、残渣に、
ジクロロメタン(150mL)を添加した。得られた固体を、濾過によって除去した。濾
液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~4%EtOAc)
によって精製した。生成物を含有する画分を、減圧下で濃縮し、高真空下でさらに乾燥さ
せて、オフホワイト色固体としてメチル-4-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸塩
(100g、324.70mmol、収率72.9%)を得た。1H NMR(300M
Hz,ジメチルスルホキシド-d)δ7.88(d,J=2.2Hz,1H),7.8
2(dd,J=8.4,2.1Hz,1H),7.72-7.64(m,1H),5.0
0(s,2H),3.88(s,3H)。
【0389】
C.3-(5-ブロモ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-
ジオン:メチル-4-ブロモ-2-(ブロモメチル)安息香酸塩(100g、324.7
0mmol)、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン.塩酸塩(53.2g、324.
70mmol)、トリエチルアミン(113.29mL、811.75mmol)、及び
乾燥ジメチルホルムアミド(400mL)を混合し、不活性雰囲気下、室温で18時間撹
拌した。反応物を5℃に冷却し、水(400mL)、酢酸(115mL)、ジエチルエー
テル(300mL)で希釈し、室温で2時間撹拌し続けた。結果として得られた固体を濾
過し、エーテル(100mL)で洗浄し、高真空下でさらに乾燥させて、薄青色固体とし
て3-(5-ブロモ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオ
ン(46g、142.35mmol、収率43.8%)を得た。MS(ESI)m/z3
25.0[M+1]
【0390】
D.2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5
-カルボニトリル:3-(5-ブロモ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジ
ン-2,6-ジオン(46g、142.35mmol)、1,1’-ビス(ジフェニルホ
スフィノ)フェロセン(788mg、1.423mmol)、シアン化亜鉛(25g、2
13.52mmol)、酢酸亜鉛(7.83g、42.7mmol)、及び乾燥ジメチル
ホルムアミド(360mL)を混合し、脱気し、その後、トリス(ジベンジリデンアセト
ン)ジパラジウム(0)(0.364g、0.398mmol)を添加した。混合物を脱
気し、アルゴンで3回置き換え、次いで、120℃で20時間撹拌した。混合物を室温ま
で冷却し、濾過し、シリカカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の0~5%メタ
ノール)によって精製した。生成物を含有する画分を混合し、溶媒を減圧下で除去し、次
いで、高真空下でさらに乾燥させて、茶色固体として2-(2,6-ジオキソピペリジン
-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-カルボニトリル(22g、81.78m
mol、収率57.2%)を得た。MS(ESI)m/z268.0[M-H]。
【0391】
E.3-(5-(アミノメチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン
-2,6-ジオン:2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソイ
ンドリン-5-カルボニトリル(10g、37.13mmol)、メタンスルホン酸(2
.6mL、40.85mmol)、10%の乾燥パラジウム炭素(4g)、及びジメチル
アセトアミド(320mL)を混合し、水素化容器中で振盪し、40℃で20時間、50
Psi下で保持した。水素雰囲気を脱気し、混合物を、セライトパッドを通して濾過し、
水(100mL)で洗浄し、濃縮した。結果として得られた残渣に、1%メタノール-ジ
クロロメタンを添加し、濾過し、高真空下で乾燥させて、オフホワイト色固体として3-
(5-(アミノメチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-
ジオン(5.6g、15.17mmol、収率40%)を得た。MS(ESI)m/z2
72.0[M-1]。
【0392】
F.N-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインド
リン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセト
アミド。DMF(3mL)中の3-(5-(アミノメチル)-1-オキソイソインドリン
-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンメタンスルホン酸塩(.200g、0.541
mmol)に、HATU(0.226g、0.596mmol)、2,2-ジフルオロ-
2-(4-フルオロフェニル)酢酸(0.103g、0.541mmol)を添加し、続
いて、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.262ml、1.62
4mmol)を添加した。混合物を25℃で16時間撹拌した。水(30mL)を添加し
、結果として得られた混合物を濾過した。濾液をEtOAcですすぎ、真空下で乾燥させ
て、白色固体としてN-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキ
ソイソインドリン-5-イル)メチル)-2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェ
ニル)アセトアミド(0.100g、0.225mmol、収率41.5%)を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)δppm10.98(br.s.,1H)
9.66(t,J=5.99Hz,1H)7.58-7.73(m,3H)7.29-7
.47(m,4H)5.11(dd,J=13.40,5.20Hz,1H)4.38-
4.53(m,3H)4.24-4.36(m,1H)2.81-3.00(m,1H)
2.56-2.67(m,1H)2.40(qd,J=13.19,4.57Hz,1H
)1.91-2.07(m,1H)。
【0393】
G.クロロメチル(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリネート。(S)-2-
((Tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタン酸(20g、92mm
ol)、重炭酸ナトリウム(30.9g、368mmol)、及び硫酸水素テトラブチル
アンモニウム(3.13g、9.21mmol)を、ジクロロメタン(150mL)及び
水(150mL)中で混合した。混合物を周囲温度で5分間撹拌した。混合物を0℃に冷
却し、次いでクロロメチルスルホクロリデート(11.17mL、110mmol)を滴
加し、混合物を周囲温度で撹拌した。2時間後、溶液を分液漏斗に添加し、水溶液を、ジ
クロロメタン(3×150mL)で分配した。有機物を混合し、水(2×150mL)で
さらに洗浄し、有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して
、無色油(28.0g)を得た。油を、正常相クロマトグラフィー(ヘキサン中の5%酢
酸エチル)を介して精製して、表題化合物として無色油(24.3g、91mmol、収
率99%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ6.94-7.4
4(m,1H),5.79-6.02(m,2H),3.72-3.98(m,1H),
2.00(s,1H),1.40(s,9H),0.91(dd,J=2.36,6.7
8Hz,6H)。
【0394】
H.(3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミド
)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1
-イル)メチル(tert-ブトキシカルボニル)-L-バリネート。N-((2-(2
,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル
)-2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミド(20g、44.
9mmol:21グラムのバッチに分割する)を、熱いN,N-ジメチルホルムアミド(
90mL)に溶解した。均質な室温溶液に、(S)-クロロメチル2-((tert-ブ
トキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエート(13.13g、49.4mmo
l)を滴加し、その直後に、炭酸セシウム(16.09g、49.4mmol)を滴加し
、混合物を周囲温度で撹拌した。2時間後、反応バイアルのすべてを合わせて、ジクロロ
メタン(1L)中の10%のメタノールと水(750mL)に分配した。この水溶液を、
ジクロロメタン(2×500mL)とさらに分配した。有機物を硫酸マグネシウムで乾燥
させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、粘性黄色液体を得た。粘性液体を、ヘキサン(
1L)中の75%酢酸エチルで希釈し、水(2×500mL)で洗浄して、ジメチルホル
ムアミドを除去した。有機物を、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で
除去して、黄色発泡体(25.05g)を得た。黄色発泡体を、バイオタージクロマトグ
ラフィー((340gのカラム(100mL/分)、ヘキサン(1.3L)中の0~70
%酢酸エチル、次いで、ヘキサン(3.0L)中の70%酢酸エチル)を用いて精製した
。関連画分を混合して、白色発泡固体として表題化合物(6.34g、9.40mmol
、収率21%)を得た。MS(ESI)m/z575[M-Boc]
【0395】
I.(3-(5-((2,2-ジフルオロ-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミ
ド)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)-2,6-ジオキソピペリジン-
1-イル)メチルL-バリネート。(2S)-(3-(5-((2,2-ジフルオロ-2
-(4-フルオロフェニル)アセトアミド)メチル)-1-オキソイソインドリン-2-
イル)-2,6-ジオキソピペリジン-1-イル)メチル2-((tert-ブトキシカ
ルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエート(6.34g、9.40mmol)を、ジ
オキサン中の4.0M塩酸(117mL、468mmol)に0℃で溶解した。混合物を
0℃で撹拌した(均質)。0℃で45分後、混合物を、濾紙を通して濾過し、ジオキサン
でさらに洗浄した。溶液を、減圧下、38℃の水浴温度で凝縮して、白色固体を得た。固
体を、無水酢酸エチル(200mL)で粉砕した。次いで、溶液を減圧下で凝縮して、ガ
ラス状固体(5.40g、8.84mmol、収率94%)を得た。固体をpH3の水(
100mL)に溶解し、次いで減圧下で凝縮した。固体を、pH3の水(100mL)に
再度供し、減圧下で凝縮して、表題化合物(4.95g、8.10mmol、収率86%
)を得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δppm9.70(t,J=
5.83Hz,1H),8.43(br.s.,2H),7.57-7.77(m,3H
),7.30-7.51(m,4H),5.83(dd,J=9.62,5.52Hz,
1H),5.70-5.78(m,1H),5.24-5.33(m,1H),4.42
-4.53(m,3H),4.28(t,J=17.50Hz,1H),3.94(br
.s.,1H),3.64-3.76(m,1H),3.49(dd,J=15.13,
4.73Hz,1H),3.05-3.19(m,1H),2.82-2.93(m,1
H),2.34-2.48(m,2H),2.03-2.22(m,2H),0.89-
1.01(m,6H);MS(ESI)m/z575[M]
【0396】
実施例3:KG-1細胞増殖アッセイ
以下は、治療から72時間後のKG-1細胞株(American Type Cul
ture Collection[ATCC]:カタログ番号ATCC(登録商標)CC
L-246(商標))の化合物A及び化合物Bの抗増殖活性を決定するために使用され得
るアッセイの例である。KG-1に対する播種密度は、384ウェルプレートにおけるア
ッセイ直線性を確実にするために最適化され得る。
【0397】
試験化合物(0.5nM~10μM)の濃度の増加を、音響液体分注器(EDC AT
S-100)を介して、2重で、10点連続希釈様式(3倍希釈)で空の384ウェルプ
レートにスポットした。ジメチルスルホキシド(DMSO)の濃度は、0.1%DMSO
の最終アッセイ濃度に対して一定に維持した。試験前に、KG-1細胞を、10%FBS
(ウシ胎仔血清:HyClone)を有するRPMI-1640(Roswell Pa
rk Memorial Institute-1640)培地中で増殖させ、培養フラ
スコ中で拡張して、十分な量の出発物質を得た。次いで、細胞を、50μLの体積で1ウ
ェル当たり5000個の細胞に希釈し、化合物をスポットした384ウェルプレートに直
接添加した。細胞を、5%CO中で、37℃で72時間増殖させた。化合物への細胞の
曝露を開始した時点(t)で、初期生存細胞数を、生存細胞中に存在するアデノシン-
5’-トリホスファート(ATP)によって生成された発光のレベルを定量化することに
よって、製造業者の取扱説明書(Promega Corporation,Madis
on,WI)に従って、1体積:2体積の比でCell Titer-Glo(登録商標
)発光細胞生存アッセイを介して評価した。72時間後、処理された細胞の細胞生存を、
Cell Titer-Glo(登録商標)を介して評価し、発光について読み取った。
例示の化合物のIC50値を、表1に提供する。
【0398】
代表的な化合物の活性を、以下に提供されるようにIC50値を用いて表1に示す。
A:0.01~0.1μM及びB:0.1μM超~0.7μM。
表1
【表1】
【0399】
本開示が特定の実施形態に関して説明されているが、特許請求の範囲に定義される、本
開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変化及び修正が行われ得ることは、当
業者には明らかであろう。このような修正はまた、添付の特許請求の範囲内に入ることが
意図される。
【0400】
本明細書で言及される特許、特許出願、及び刊行物のすべてが、それらの全体が本明細
書に組み込まれる。本出願における任意の参照の引用または識別は、このような参照が本
開示の先行技術として利用可能であることを認めない。本開示の完全な範囲は、添付の特
許請求の範囲を参照してより良好に理解される。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
式A-Iの化合物、
(化1)
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体であって
、式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

が、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換さ
れたヘテロアリール、または任意に置換されたヘテロシクリルであり、
及びRが、それぞれ、ハロであり、
の前記置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、アルキ
ル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、-ROR
、-RSR、-RN(R)(R)、RORN(R)(R)、またはR
ORC(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換される、前記化合物。
(構成2)
前記化合物が、式A-IIの化合物、
(化2)
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体であり、
式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

が、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換さ
れたヘテロアリール、または任意に置換されたヘテロシクリルであり、
の前記置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、アルキ
ル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、-ROR
、-RSR、-RN(R)(R)、RORN(R)(R)、またはR
ORC(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換される、構成1に記載の化合物。
(構成3)
Rが、Hまたは(C-C)アルキルであり、Rが、任意に置換されたアリールで
あり、Rの前記置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、ハ
ロ、アルキル、-ROR、-RSR、またはRORC(O)N(R)(R
)であり、各Rが、独立して、直接結合またはアルキレンであり、各Rが、独立し
て、水素、ハロ、アルキル、またはハロアルキルであり、R及びRが、それぞれ独立
して、水素もしくはアルキルである、構成1または2に記載の化合物。
(構成4)
Rが、Hまたは(C-C)アルキルであり、Rが、任意に置換されたアリールで
あり、Rの前記置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、フ
ルオロ、クロロ、メチル、-ROR、-RN(R)(R)、-RSR、ま
たはRORC(O)N(R)(R)であり、各Rが、独立して、直接結合また
はメチレンであり、各Rが、独立して、水素、メチル、エチル、またはトリフルオロメ
チルであり、R及びRが、それぞれ独立して、水素またはメチルである、構成1~3
のいずれか一項に記載の化合物。
(構成5)
Rが、Hまたは(C-C)アルキルであり、Rが、任意に置換されたフェニルで
あり、Rの前記置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、フ
ルオロ、クロロ、メチル、tertブチル、-ROR、-RN(R)(R)、
-RSR、またはRORC(O)N(R)(R)であり、各Rが、独立し
て、直接結合またはメチレンであり、各Rが、独立して、水素、メチル、エチル、また
はトリフルオロメチルであり、R及びRが、それぞれ独立して、水素またはメチルで
ある、構成1~3のいずれか一項に記載の化合物。
(構成6)
前記化合物が、式A-IIIの化合物、
(化3)
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体であり、
式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

各Qが、独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキ
シル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル
アキル、任意に置換されたアリール -ROR、-RSR、-RN(R)(
)、RORN(R)(R)、またはRORC(J)N(R)(R
であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換され、
nが、0~3である、構成1~3のいずれか一項に記載の化合物。
(構成7)
前記化合物が、
(化4)
からなる群から選択される、構成1~3のいずれか一項に記載の化合物。
(構成8)
式B-Iの化合物、
(化5)
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体であって
、式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
が、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換さ
れたヘテロアリール、または任意に置換されたヘテロシクリルであり、
及びRが、それぞれ、ハロであり、
の前記置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、アルキ
ル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、-ROR
、-RSR、-RN(R)(R)、RORN(R)(R)、またはR
ORC(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換される、前記化合物。
(構成9)
前記化合物が、式B-IIの化合物、
(化6)
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体であり、
式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
が、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたアリール、任意に置換さ
れたヘテロアリール、または任意に置換されたヘテロシクリルであり、
の前記置換基が、存在するとき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、アルキ
ル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル
、任意に置換されたシクロアルキルアルキル、任意に置換されたアリール、-ROR
、-RSR、-RN(R)(R)、RORN(R)(R)、またはR
ORC(J)N(R)(R)であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換される、構成8に記載の化合物。
(構成10)
Rが、Hまたは(C-C)アルキルであり、R’が、Hまたは(C-C)アル
キルであり、Rが、任意に置換されたアリールであり、Rの前記置換基が、存在する
とき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、ハロ、アルキル、-ROR、-R
SR、またはRORC(O)N(R)(R)であり、各Rが、独立して、直
接結合またはアルキレンであり、各Rが、独立して、水素、ハロ、アルキル、またはハ
ロアルキルであり、R及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルである、
構成8または9に記載の化合物。
(構成11)
Rが、Hまたは(C-C)アルキルであり、R’が、Hまたは(C-C)アル
キルであり、Rが、任意に置換されたフェニルであり、Rの前記置換基が、存在する
とき、1~3つの基Qであり、各Qが独立して、フルオロ、クロロ、メチル、tertブ
チル、-ROR、-RN(R)(R)、-RSR、またはRORC(
O)N(R)(R)であり、各Rが、独立して、直接結合またはメチレンであり、
各Rが、独立して、水素、メチル、エチル、またはトリフルオロメチルであり、R
びRが、それぞれ独立して、水素またはメチルである、構成8~10のいずれかに記載
の化合物。
(構成12)
前記化合物が、式B-IIIの化合物、
(化7)
またはその立体異性体もしくは立体異性体の混合物、互変異性体、薬学的に許容される塩
、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、アイソトポログ、もしくは多形体であり、
式中、
Rが、H、任意に置換されたアルキル、または任意に置換されたシクロアルキルであり

R’が、Hまたは任意に置換されたアルキルであり、
各Qが、独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ヒドロキ
シル、アルコキシ、任意に置換されたシクロアルキル、任意に置換されたシクロアルキル
アキル、任意に置換されたアリール、-ROR、-RSR、-RN(R)(
)、RORN(R)(R)、またはRORC(J)N(R)(R
であり、
Jが、OまたはSであり、
各Rが、独立して、アルキレン、アルケニレン、または直接結合であり、
各Rが、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、またはヒドロキシアルキルであ
り、
及びRが、それぞれ独立して、水素もしくはアルキルであるか、またはR及び
が、それらが置換された窒素原子と共に、5もしくは6員のヘテロシクリルまたはヘ
テロアリール環を形成し、任意に1つもしくは2つのハロ、アルキル、またはハロアルキ
ルで置換され、
nが、0~3である、構成8~11のいずれか一項に記載の化合物。
(構成13)
前記化合物が、
(化8)
からなる群から選択される、構成8~12のいずれか一項に記載の化合物。
(構成14)
構成1~13のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体、希釈剤、ま
たは賦形剤とを含む、薬学的組成物。
(構成15)
前記組成物が、非経口または静脈内投与用に製剤化される、構成14に記載の薬学的組
成物。
(構成16)
前記組成物が、単一の単位剤形として製剤化される、構成15に記載の薬学的組成物。
(構成17)
がんの治療方法であって、がんを有する哺乳動物に、治療上有効量の構成1~13のい
ずれか一項に記載の化合物または構成14~16のいずれか一項に記載の薬学的組成物を
投与することを含む、前記方法。
(構成18)
前記がんが、白血病である、構成17に記載の方法。
(構成19)
前記白血病が、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄球性白血病、急性リンパ芽球性白血病
、または急性骨髄性白血病である、構成18に記載の方法。
(構成20)
前記白血病が、急性骨髄性白血病である、構成19に記載の方法。
(構成21)
前記白血病が、再発性、不応性、または従来の療法に耐性を示す、構成20に記載の方
法。
(構成22)
治療上有効量の別の第2の活性薬剤を投与することまたはサポートケア療法を施すこと
をさらに含む、構成17に記載の方法。
(構成23)
前記第2の活性薬剤が、がん抗原に特異的に結合する治療抗体、造血成長因子、サイト
カイン、抗がん剤、抗生物質、cox-2阻害剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、コルチコス
テロイド、またはその薬理学的に活性な変異型もしくは誘導体である、構成22に記載の
方法。
(構成24)
構成17~23のいずれか一項に記載の方法で用いるための、構成1~13のいずれか
一項に記載の化合物。