(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-03
(45)【発行日】2023-03-13
(54)【発明の名称】ヒータシステムの動作方法
(51)【国際特許分類】
H05B 3/00 20060101AFI20230306BHJP
F01N 3/00 20060101ALI20230306BHJP
G01K 7/16 20060101ALI20230306BHJP
H05B 3/12 20060101ALI20230306BHJP
H05B 3/40 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
H05B3/00 310C
F01N3/00 F
G01K7/16 Z
H05B3/12 Z
H05B3/40 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022014971
(22)【出願日】2022-02-02
(62)【分割の表示】P 2018545968の分割
【原出願日】2017-03-02
【審査請求日】2022-03-02
(32)【優先日】2016-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501162454
【氏名又は名称】ワットロー・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エヴァリー、マーク・デー
(72)【発明者】
【氏名】オーセ、ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】マーガヴィオ、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ザング、サンホン
【審査官】菅野 京一
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-523174(JP,A)
【文献】特開2009-058501(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101962294(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1160273(CN,A)
【文献】特開平09-180907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00-3/38
H05B 3/12、3/40
G01K 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非単調抵抗率対温度プロファイルを有する材料を含む抵抗加熱エレメントを含むヒータシステムの動作方法であって、前記方法は、
前記抵抗加熱エレメントが負のdR/dT特性を示す制限された温度範囲内に前記抵抗加熱エレメントを加熱することと、
前記抵抗加熱エレメントを前記制限された温度範囲内と少なくとも部分的に重なる動作温度範囲内で動作させることと、
前記抵抗加熱エレメントがヒータと温度センサの両方として機能するように、前記抵抗加熱エレメントの抵抗値を測定することにより前記抵抗加熱エレメントの温度を決定することと、
を具備
し、
前記抵抗加熱エレメントの材料に対する前記非単調抵抗率対温度プロファイルは、局所極大と局所極小とを有し、
前記非単調抵抗率対温度プロファイルの前記局所極大および前記局所極小の少なくとも一方に基づき、前記抵抗加熱エレメントの前記材料における抵抗ドリフトを修正することをさらに含むヒータシステムの動作方法。
【請求項2】
前記ヒータシステムを通って流れる流体を加熱する工程をさらに具備する
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記抵抗加熱エレメントは、500℃と800℃の間の温度範囲内で温度センサとして動作する
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記抵抗加熱エレメントの材料は、前記動作温度範囲に亘って前記負のdR/dT特性を有する複合セラミックおよび金属材料を具備する
請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記抵抗加熱エレメントの材料は、前記制限された温度範囲において-175ppm/℃を超える抵抗の瞬間的な負の熱係数を含む
請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記抵抗加熱エレメントは、530℃より低い温度で温度センサとして機能する
請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記抵抗加熱エレメントは、850℃を超える温度で温度センサとして機能する
請求項1記載の方法。
【請求項8】
厚膜、薄膜、プラズマ溶射及びゾルゲルからなるグループから選択された積層プロセスによって前記負のdR/dT特性を有する前記材料を適用することをさらに具備する
請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記抵抗加熱エレメントは、回路内に配置された少なくとも1つの抵抗加熱エレメントである
請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記回路は、動作中に前記回路を横切って期待された温度プロファイルを規定し、前記方法は、前記期待された温度プロファイルと比較してより高い温度が予測される前記回路内の位置に少なくとも1つの抵抗加熱エレメントを配置することをさらに具備する
請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記回路は、動作中に前記回路を横切って期待された温度プロファイルを規定し、前記方法は、より高温度の少なくとも1つが予測され、期待された温度プロファイルと比べて高出力密度が生じる前記回路内の場所に少なくとも1つの抵抗加熱エレメントを配置すること、をさらに具備する
請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記回路は、正のdR/dT特性を有する材料を具備する少なくとも1つの第2抵抗加熱エレメントをさらに備え、前記方法は、平均温度プロファイルと比較して、少なくとも1つの低温及び低出力密度が生じる前記回路内の場所に少なくとも1つの第2抵抗加熱エレメントを配置することをさらに具備する
請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記回路は、負のdR/dT特性を有する材料を含む複数の抵抗加熱エレメントと、正のdR/dT特性を有する材料を含む複数の抵抗加熱エレメントとを含み、前記方法は、前記負のdR/dT特性を有する前記材料を具備する前記複数の抵抗加熱エレメントと前記正のdR/dT特性を有する前記材料を具備する前記複数の抵抗加熱エレメントとを、高出力密度位置、低出力密度位置、高温位置及び低温位置の少なくとも1つに対応する予め定められた位置に従って、前記回路内にそれぞれ配置することをさらに具備する
請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記負のdR/dT特性を有する前記材料を含む前記複数の抵抗加熱エレメントと前記正のdR/dT特性を有する前記材料を含む前記複数の抵抗加熱エレメントとを互いに関連する複数の層に配置することをさらに含む
請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記ヒータシステムは、前記抵抗加熱エレメントのための2線式構成をさらに具備し、前記方法は、前記動作温度範囲内で前記抵抗加熱エレメントをヒータと温度センサの両方として動作させ、前記動作温度範囲外で前記抵抗加熱エレメントをヒータとして動作させる
請求項1記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディーゼル排気や後処理システムのような、流体流用途、例えば車両の排気システムのための加熱及び検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本部分の記述は、本開示に関する背景情報を単に提供するものであり、従来技術を構成しない可能性がある。
【0003】
エンジンの排気系のような過渡的な流体流用途において物理センサを使用することは、振動や熱サイクルのような過酷な環境条件のため困難である。既知の温度センサは、管状エレメントを保持する支持ブラケットにその後溶接されるサーモウェルの内部に鉱物で絶縁されたセンサを含んでいる。残念ながら、この設計は、安定に至るまでに長時間を要し、振動の多い環境では物理センサが損傷する可能性がある。
【0004】
物理センサは、多くの用途において実際の抵抗素子温度の不確実性も提示し、その結果、ヒータ電力の設計に大きな安全マージンがしばしば適用される。したがって、一般に低ワット密度を提供する物理的センサと共に使用されるヒータは、大きなヒータサイズとコスト(抵抗素子の表面領域に亘って同じヒータ電力が広がる)を犠牲にして、ヒータが損傷するリスクを低減する。
【0005】
さらに、既知の技術は、温度制御ループにおいて、外部センサからのオン/オフ制御又はPID制御を使用する。外部センサは、配線とセンサ出力と間の熱抵抗による固有の遅延を有している。どんな外部センサも、構成要素の欠陥モードのポテンシャルを高め、システム全体に任意の機械的マウントの制限を設定する。
【0006】
流体流システムにおけるヒータの1つの用途は、車両排気であり、これらは、大気中への種々のガスの望ましくない放出や他の汚染物質の放出の低減を補助するため内燃エンジンに結合される。これら排気システムは、ディーゼル微粒子フィルタ(diesel particulate filters :DPF)、触媒コンバータ、選択式触媒還元(selective catalytic reduction:SCR)、ディーゼル酸化物触媒(diesel oxidation catalyst :DOC)、リーンNOxトラップ(lean NOx trap :LNT)、アンモニアスリップ触媒、又は改質器などの後処理装置を典型的に含んでいる。DPF、触媒コンバータ、及びSCRは、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PMs)、及び排気ガス中に含まれる未燃焼炭化水素(HCs)を捕捉する。ヒータは、排気温度を上昇させて触媒を活性化するため、及び/又は排気システムにおいて捕捉された粒子状物質、又は未燃焼炭化水素を燃焼させるため定期的又は所定の時間に活性化されてもよい。
【0007】
ヒータは、排気管又は排気システムの容器などの構成要素に一般に設置される。ヒータは、排気管内に複数の加熱エレメントを含み、典型的には同じ熱出力を提供するために同じ目標温度に制御される。しかしながら、温度勾配は、典型的には、隣接する加熱エレメントからの異なる熱放射、及び加熱エレメントを流れる異なる温度の排気ガスのような、異なる運転条件のために生じる。例えば、下流加熱エレメントは、上流加熱エレメントによって加熱されたより高い温度を有する流体に晒されるので、一般に上流エレメントよりも高い温度を有する。さらに、中間加熱エレメントは、隣接する上流及び下流加熱エレメントからより多くの熱放射を受ける。
【0008】
ヒータの寿命は、最も過酷な加熱条件下にあり、最初に故障する加熱エレメントの寿命に依存する。どの加熱エレメントが最初に故障するかを知らずにヒータの寿命を予測することは困難である。すべての加熱エレメントの信頼性を向上させるために、加熱エレメントは、典型的には加熱エレメントのいずれかの故障を回避する安全率で動作するように設計される。したがって、あまり過酷でない加熱条件下にある加熱エレメントは、典型的には、それらの最大利用可能な熱出力をはるかに下回る熱出力を生成するように動作される。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、非単調抵抗率(a non-monotonic resistivity)対温度プロファイルを有する材料を具備する少なくもと1つの抵抗加熱エレメントを含むヒータを提供し、所定の動作温度範囲に亘って負のdR/dT特性を示す。
【0010】
本開示は、流体を加熱する加熱システムをさらに提供する。この加熱システムは、流体の流路内に直列に配置された複数の回路を含んでいる。複数の回路の少なくとも1つの回路は、非単調抵抗率対温度プロファイルを有する材料を含む抵抗加熱エレメントを含み、所定の動作温度範囲に亘って負のdR/dT特性を示す。
【0011】
本開示は、非単調抵抗率対温度プロファイルを有する材料を含む抵抗加熱エレメントを含むヒータシステムの動作方法をさらにまた提供する。この方法は、抵抗加熱エレメントが負のdR/dT特性を示す制限された温度範囲内に抵抗加熱エレメントを加熱すること;抵抗加熱エレメントを制限された温度範囲と少なくとも部分的に重なる動作温度ゾーンの範囲内で動作させること;及び抵抗加熱エレメントがヒータと温度センサの両方として機能するように抵抗加熱エレメントの温度を決定すること、を含んでいる。
【0012】
適用性のさらなる領域は、本明細書で提供される説明から明らかになるであろう。説明及び特定の実施例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示が十分に理解され得るため、添付の図面を参照して、例として与えられた様々な形態について説明する。
【0014】
【
図1】
図1は、本開示に係るその中に複数の加熱回路を有する導管の概略図。
【
図2】
図2は、本開示に係る流体流加熱方法の概略フローチャート。
【
図3】
図3は、本開示の開発の範囲内で得られた実験値による局所dR/dT極大と局所dR/dT極小及び抵抗対温度(R-T)特性のグラフ。
【
図4】
図4は、本開示の開発の範囲内で得られた実験値による極大とR-T特性を例示する別のグラフ。
【
図5】
図5は、本開示の開発の範囲内で得られた実験値による局所dR/dT最大と局所dR/dT最小とR-T特性を例示する別のグラフ。
【
図6】
図6は、本開示によるヒータのR-T特性における校正の影響を例示するグラフ。
【
図7】
図7は、本開示の教示に用いられたNiCr材料の負のdR/dTゾーンを含む複数のゾーンを例示するグラフ。
【
図8A】
図8Aは、本開示に従って導かれたテストによる複数の加熱サイクルに関するNiCr材料のdR/dT特性を例示するグラフ。
【
図8B】
図8Bは、本開示に従って導かれたテストによる複数の加熱サイクルに関するNiCr材料のドリフトを修正するために行われた調整を例示するグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の説明は、本質的に単に例示的なものであり、本開示、用途、又は使用を限定するものではない。図面を通して、対応する参照符号は、同様の又は対応する部分及び特徴を示すことが理解されるべきである。
【0016】
本開示は、減少する抵抗対温度特性を有する1つ以上の電気ヒータ回路を提供する。その結果、加熱回路の表面上の出力分布は、目標温度プロファイルからのずれが低減されるように、環境又は物理的摂動に調整される。加えて、「ホットスポット」の強度が低減され、それによってヒータ寿命/信頼性が改善される。
【0017】
図1を参照すると、本開示の一形態では、概略的な流体流システム10が示されている。流体流システム10は、少なくとも1つの抵抗加熱エレメント14を有するヒータ11を含む。ヒータ11は、流体流路13内に設けられ、流体流を加熱するために適合される。この例では、ヒータ11は、複数の抵抗加熱エレメント14,16及び18を含む。少なくとも1つの抵抗加熱エレメント14は、非単調抵抗率対温度プロファイルを有する材料を含み、所定の動作温度範囲に亘って負のdR/dT特性を示す。本明細書で使用する「非単調」という用語は、本明細書の様々なグラフによって示されるように、異なる間隔での増加及び減少の両方の期間に亘って材料の抵抗率の挙動を反映することを意図している。
【0018】
一形態において、負のdR/dT特性は、530℃未満又は850℃を超える温度で使用されてもよく、負のdR/dT特性は、温度に関する抵抗率の局所極大の変化が、抵抗率の局所極小の変化よりも少なくとも2.3%高いという所定の動作条件で発生してもよい。別の形態において、材料は、複合セラミック及び所定の動作温度範囲に亘って負のdR/dT特性を有する金属材料を含んでいる。少なくとも1つの抵抗加熱エレメントは、延性ワイヤ、箔、ストリップ、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つをさらに含むことができ、材料は、既定の範囲に亘って-175ppm/℃を超える抵抗の瞬間的な負の熱係数を含む。
【0019】
別の形態において、ヒータ11の抵抗加熱エレメント14は、
図1に示すような回路内に配置されてもよい。回路は、動作中に回路を横切って期待された温度プロファイルを規定し、少なくとも1つの負のdR/dT特性抵抗加熱エレメントが、予想される温度プロファイルと比較してより高い温度が予測される回路内の位置に配置される。回路は、より低い温度が平均温度プロファイルと比較される位置に配置された正のdR/dT特性抵抗加熱エレメント(例えば、抵抗加熱エレメント16及び/又は18のいずれか)を含むことができる。さらに、回路は、負のdR/dT特性又は正のdR/dT特性を有する材料を含む複数の抵抗加熱エレメントを含むことができ、負のdR/dT抵抗加熱エレメント及び正のdR/dT抵抗加熱エレメントは、予測されたより高温度位置及びより低温度位置にそれぞれ対応する所定の位置に従って、回路内にそれぞれ配置される。
【0020】
さらに別の形態において、負のdR/dT特性を有する材料を含む少なくとも1つの抵抗加熱エレメントは、温度プロファイルの平均と比較して高出力密度の回路内の位置に配置される。さらに別の形態において、負のdR/dT材料は、例えば、薄膜、厚膜、プラズマ溶射及びゾルゲルのような積層プロセスによって適用される。負のdR/dT抵抗加熱エレメント及びヒータの正のdR/dT抵抗加熱エレメントは、互いに関連する複数の層に配置されてもよい。正のdR/dT特性抵抗加熱エレメントは、平均温度プロファイルと比較して低温及び低出力密度の少なくとも1つが生じる回路内の場所に配置することができる。
【0021】
別の形態において、複数のヒータ層は、第1層及び第2層を有する。第1層は、複数の温度制御ゾーンを画定し、第2層は、第1層に対してより少ない温度制御ゾーンを画定し、第2層は、少なくとも1つの負のdR/dT抵抗加熱エレメントを含む。さらに、ヒータの第1層は、少なくとも1つの正のdR/dT抵抗加熱エレメントを含んでもよい。さらに、ヒータの任意の層はピクセル化されてもよい。このようなピクセル化構造は、本出願と共通に譲渡された米国特許第9,263,305号に開示されており、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0022】
一形態において、負のdR/dT特性を有する抵抗加熱エレメント材料は、ニクロムを含む。ニクロムは、ニッケルとクロムの任意の組み合わせとすることができる。別の形態において、ニクロムは約80%の重量パーセントでニッケルを含み、約20%の重量パーセントでクロムを含む。
【0023】
さらに別の形態において、流体を加熱するためのヒータシステムが提供される。ヒータシステムは、流体の流路内に提供される直列に配置された複数の回路を含む。複数の回路の少なくとも1つの回路は、所定の動作温度範囲に亘って負のdR/dT特性を有する材料を含む抵抗加熱エレメントを含む。
【0024】
本開示のさらに別の形態において、ヒータシステムは、正のdR/dT特性を有する材料を含む抵抗加熱エレメントを有する複数の回路の第2セットを含むことができる。第2回路は、回路全体の温度の測定を可能にするように適合可能である。さらに、ヒータシステムの第1回路及び第2回路は、直列に互いに関連して配置され、負のdR/dT抵抗加熱エレメントを有する回路の無い一連の回路に比較して、ホットスポットの形成を低減するために適合される。
【0025】
図2を参照すると、本開示のさらなる別の形態では、流体流を加熱するためのヒータシステムを動作させる方法20が開示されており、ヒータシステムは抵抗加熱エレメントを含む。この方法は、ブロック22に示すように、抵抗加熱エレメントが負のdR/dT特性を示す温度範囲内に抵抗加熱エレメントを加熱することと、ブロック24に示すように、制限された温度範囲と少なくとも部分的にオーバーラップする動作温度ゾーン内で抵抗加熱エレメントを動作させることと、ブロック26に示すように、抵抗加熱エレメントがヒータと温度センサの両方として機能するように抵抗加熱エレメントの温度を決定することを含んでいる。抵抗加熱エレメントは、さらに、約500℃と約800℃の間の温度範囲において温度センサとして動作することがさらに可能である。
【0026】
歴史的に、温度による抵抗率の変化の特性が考慮されている場合、抵抗加熱回路に使用される材料は、最小dR/dT(突入電流を最小にするか、動作温度範囲に亘り一定の電力のための電流の変化を最小とするため)が選択され、ある場合には正のdR/dT(回路抵抗、又は電流及び印加電圧の変化による回路温度の決定を可能にするため)が選択されていた。そのような金属材料の中には、穏やかな正のdR/dT(温度に亘って抵抗が変化する)や、他には強力な正のdR/dTがある。このような金属材料で作られた回路は、ホットスポットをより高温にすることによって、熱負荷における摂動に反応する傾向がある。例えば、表面上に配置された回路が、あるセクションが設計条件よりも比較的小さな熱負荷を受ける条件に遭遇すると、その熱負荷の減少は回路のそのセクションの温度を上昇させる傾向がある。正のdR/dT材料は、温度が上昇した領域で増加した抵抗を示し、従って、回路の他の部分より比例してより多くの熱を生成する。回路の比較的熱い部分でより多くの熱を発生させるこの傾向は、その部分(すなわち、「ホットスポット」)で温度がさらに上昇し、所望の温度分布からのずれを回路のその部分の抵抗が増加していなかった場合、より大きくさせる。この同じ特性は、局所的な発熱の減少のためより冷たくなり熱負荷の増加によってコールドスポットを引き起こす。
【0027】
有利なことに、必要なワット数分布を提供できないことが認められたためヒータ用途に使用されたことのない負のdR/dTを有する材料の適用が本開示の教示により用いられる。負のdR/dT特性を有する材料からなる加熱回路は、熱負荷における摂動の有害な影響を打ち消す傾向がある。例えば、表面上に配置された回路が、ある部分が設計条件よりも比較的低い熱負荷を受ける条件に遭遇すると、その熱負荷の低下は回路のその部分の温度を上昇させる傾向がある。負のdR/dT材料は、温度が上昇した領域で減少した抵抗値を示し、したがって回路の他の部分より比例して少ない熱を生成する。より少ない熱を生成するこの傾向は、温度をより低くし、所望の温度分布からのずれを、回路のその部分の抵抗(及び抵抗率)が低下していない場合よりも少なくする。この同じ特性は、コールドスポットが一定の抵抗率と抵抗を持つ回路のように冷たくないようにする。選択された動作温度範囲に亘って改善された負のdR/dT特性を有する加熱回路材料の選択は、これまで試みられていなかった。
【0028】
さらに、局所温度の摂動は、回路の物理的特性の変化(例えば、寸法、酸化など)によって引き起こされる可能性がある。負のdR/dT材料は、これらの物理的変化によって引き起こされる対応する局所的な温度上昇(又は減少)を減少させる傾向がある。加熱エレメントの局部的損傷、疲労割れ又は酸化及び関連する局所的な温度上昇は、加熱回路の欠陥を加速する源であるため、負のdR/dT材料は、同じ動作条件のセットが与えられた、正のdR/dT材料よりも改善された信頼性及び発熱能力を提供する傾向がある。
【0029】
このような負のdR/dT材料の様々な用途は、次の例が含まれる:
1.温度分布に亘る制御を強化するために高精細度又はピクセル化ヒータが使用される場合において、複数のヒータ層は、温度制御の多くのゾーンを持つため配置された少なくとも1つの層と、少ないゾーンを有し単位面積当たりの発熱量がはるかに大きい少なくとも1つの層とともに使用される。この場合、より高い発熱を有する層の動作温度範囲において負のdR/dTを有する材料を使用し、ピクセル化層(温度フィードバック信号としてヒータ抵抗を使用する2線式制御/温度制御を可能にするため)に正のdR/dT(又は複数のそのような材料)を有する材料を使用することが望ましい。この構成において、負のdR/dT材料の利点は、ヒータの適用環境に起因する温度負荷における摂動を回避するため(及びヒータの特性を克服するために必要とされる電力がより少なくなるように)制御された不均一な発電を使用するため容量以上を可能とすることにより、ピクセル化された層によって克服される必要がある不均一性を低減するであろう。負のdR/dT材料も、ピクセル化層に使用され、所与の抵抗に関連する温度のあいまいさを克服するためのアルゴリズムを作成することができる場合、ピクセル内の改善された均一性及び信頼性の利点を得ることができる。
【0030】
2.流体の流れが加熱されるべき場合において、一連の回路は、それらを流れ内に配置し、流れが直列の回路上を通過するように配置することによって使用することができる。そのような場合において、回路の抵抗変化の測定から温度の測定値を推測できるように、加熱回路に強い正のdR/dTを持つ材料を有することも有用である。しかしながら、この強い正のdR/dT特性を有する回路は、ヒータ回路の長さに沿ったホットスポットをより高温にする傾向があり、したがって、所与の回路の寿命に悪影響を与える(又は最大設計熱流束は、受け入れ可能な信頼性、より大きくより高価なヒータに帰結することを維持するため、低減される必要があるであろう)。したがって、流れを横切って配置された複数の加熱回路を備えたシステムでは、動作温度範囲内で負のdR/dTを有する材料と、温度の測定を可能にする正のdR/dTを有するものからいくつかの回路を作製することが有利であろう。負のdR/dT材料で構成された回路を最も高い温度に遭遇する位置に配置し、低温度(流れにおいて上流のそれらの位置のため、又はより低い熱流束を生成するように設計されているため)で動作するように設計された位置に正のdR/dT材料を有する回路を配置することは、複数の抵抗加熱エレメントを使用するシステムのために両方の材料の利点を提供する。
【0031】
3.リソグラフィツールの用途において、1つの目的は、室温で高い精度と高速な応答時間で熱負荷を補償することである。この技術は、抵抗加熱エレメントとして使用され、連続的に冷却される(室温で、又はその近くでプレートを保持するために)負のdR/dT材料で生成された均一な熱プロファイルに適用してもよい。したがって、材料の負のdR/dT特性は、これらの変動を自動的かつ迅速に補償するのに役立つ。任意の負のdR/dT材料候補は、22℃±0.00001℃以下で必要な安定性を維持することができるようなこの範囲内で極端に負のdR/dT特性を有するであろう。このような材料の1つは、10℃~150℃から負性抵抗特性を有することができる酸化グラフェンであってもよい。
【0032】
本開示の教示に従って使用することができる有用な加熱範囲において負のdR/dT特性を示す追加の例示的な材料には、次の例が含まれる:
Haynes(登録商標) 214(UNS N07214)
Haynes(登録商標) 230(UNS N06230)
Haynes(登録商標) 25(UNS R30605)
Haynes(登録商標) B-3(UNS N10675)
還元グラフェン酸化物(RGO)
酸化バナジウム
Cermet(登録商標)材料(例えばCr/Si、TaN(Cu)、TaN(Ag)など)(セラミックのある濃度(数パーセントのCr/SiO、Cr/SiO2内の50% SiO2、<30% Ag、<40% Cu)において、負のdR/dT特性に変化し、負のdR/dT特性の大きさは、セラミック組成物によって制御することができる)。これらの材料は一般に高抵抗を有し、従って、有用な形態の1つは薄膜である。従って、Cermet(登録商標)薄膜は、高精細/ピクセル化ヒータ用途において、高いレベルの2線制御性を可能とすることができる。
【0033】
ニクロム合金:これらの材料は、軽度の負のdR/dT特性を有することが判明しており、従って、「有用な」温度範囲に亘って2線式検知及び電気ヒータの制御をサポートする材料として使用することができる。この有用な範囲は約550℃と約800℃の間である。抵抗加熱エレメント材料に使用されるが、軽度の負のdR/dT特性は2線制御には使用されていない。さらに、この材料は、その軽度の負のdR/dT特性を用いてその場で再較正するためにさらに使用することができる。
【0034】
図3は、3つの異なる温度で同じ抵抗が達成され、また、高温での使用後にシフトした温度関係に対する抵抗を示す非単調の挙動を示している。
図3によれば、局所的なdR/dTの極大の温度は、急速な加熱中に安定であることが試験で示されている。
図4は、約900℃の温度に対する180サイクル以上の結果を示す。(温度は、この実験において、カートリッジ型ヒータ内で内部熱電対により測定された)。追加の試験は、短時間のバーンイン後、急速加熱による、ヒータに損傷を与える可能性のある高温に晒された場合においても、局所的なdR/dTの極大は15℃の範囲内に留まることが示されている。
図3はこの挙動の一例を示しており、抵抗値は、高温に晒された後に上昇するが、局所的なdR/dTの極大における温度は大きく変化しない。局所的なdR/dTの極小は、局所的なdR/dTの極大よりも変化しているように見えるが、明らかな変化は、曲線の傾きの全体的な変化に起因する可能性がある。局所的なdR/dTの極小を取り囲む曲線の部分もまた、抵抗対温度(R-T)の解釈及び較正を改善するために使用することができる。
【0035】
図3は、カートリッジヒータ内の80ニッケル、20クロム抵抗加熱エレメントの3つ(3)の抵抗対温度曲線を示している。1200℃以上の高温に晒されるため、抵抗曲線がシフトする。チャート上の表は、室温抵抗が、温度に晒す前の初期値からシフトしたことを示している。より正確な抵抗測定が可能であれば、局所極大でのシフトと別の温度でのシフトとの組み合わせを、2点その場較正として使用することができる。
【0036】
図5は、200℃での抵抗値と局所極大を用いて、どのようにシフトカーブを修正できるかの例を示している。2点較正は、第2修正点の第2温度を知る能力に依存する。これは追加のセンサを必要とするか、又は室温で行うことができる。この室温点は、システムの事前の冷却又は停止から取得することができる。ディーゼルシステムにおいて、ヒータ入口温度は、しばしば利用可能であり、修正に使用され得る。局所極大と追加のR-T点は、その場較正の複数の点として使用することができる。追加の点は、室温でのR-T、又は他の任意の既知の温度でのRであり得る。
図5は、
図3からのデータの使用例を示している。200℃の抵抗値と局所極大は、R-T特性のゲインを変更するために使用され、有効な較正を行った。
【0037】
図6は、同じヒータの3つのR-T曲線を示している。幾つかのシフトが生じているかもしれないが、曲線間の主な相違は、現在の変換器の測定限界内の較正修正に起因する。抵抗測定を行う場合、回路の低温部分と加熱部分の両方が全抵抗に寄与する。低温部分は、低抵抗のヒータピン、電源配線の部分及び測定回路の部分を含むことができる。時間が経つに従って、回路のこれらの低温部分の抵抗がシフトし、例えば、接続点が酸化し始め、抵抗回路の増加を引き起こす可能性がある。これらの誤差は、異なる抵抗加熱エレメント温度での2つ以上の測定で同じであるため、回路の低温部分のシフトは打ち消される可能性がある。
【0038】
ニクロムに関して、
図7に示すように、「ゾーン2」内の温度範囲に亘って負のdR/dTを示す80/20ニッケルクロム合金について試験を行った。それがゾーン、又は温度範囲内にあり、特定の加熱用途の動作温度範囲と重なる場合、NiCr材料は、加熱と温度検知の両方がNiCr材料を具備する単一の抵抗加熱エレメントにより提供されるような二線構成に使用される。
【0039】
温度がゾーン3に達し、加熱及び冷却の速度に依存する場合、dR/dTの不可逆的変化が、ドリフトを含み高速度で生じ得る。この場合、修正は、局所極大と局所極小での抵抗値に基づいて行うことができ、これらは
図8A(ドリフトを示す)及び8B(修正を示す)に示されている。図示のように、抵抗加熱エレメント材料の抵抗の永続的な変化は、可逆性シフトに著しい影響を与えない。
【0040】
一般に、少なくとも重なる、又は部分的に含まれる既知の温度範囲に亘って電気抵抗が低下する可逆的な物理的変化を受けるあらゆる材料、ヒータの動作温度、又は回路の加熱部分、及び抵抗値の変化が局所極小と極大との間(例えば、
図3~
図8Bを参照)で少なくとも約2%(そして一例示的形態において約2.3%)であることは、本開示の範囲内にとどまり使用することができる。このような材料は、本明細書で使用される「限定された負のdR/dT」材料であると理解されるべきである。
【0041】
本明細書で使用される、「モデル」という用語は、式又は式のセット、様々な動作条件でのパラメータの値を表す値の集計、アルゴリズム、コンピュータプログラム又はコンピュータ命令のセット、信号処理装置、又は予測/計画/将来の条件に基づいて制御変数(例えば、ヒータへの電力)を変更する任意の他の装置を意味すると解釈されるべきであり、予測/計画は、演繹的なことその場測定の組み合わせに基づくものである。
【0042】
したがって、様々な異なる形態のヒータ、センサ、制御システム、及び関連する装置及び方法が、流体流システムでの使用のためにここに開示されている。異なる形態の多くは、互いに組み合わせることができ、また、本明細書に記載されたデータ、方程式、及び構成に特有の追加の特徴を含むこともできる。そのような変形は、本開示の範囲内にあると解釈されるべきである。
【0043】
本開示の説明は、本質的に単なる例示であり、したがって、本開示の内容から逸脱しない変形は、本開示の範囲内にあるものとする。そのような変形は、開示の精神及び範囲からの逸脱と見なすべきではない。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
非単調抵抗率対温度プロファイルを有し、前記プロファイルに沿って所定の動作温度範囲に亘って負のdR/dT特性を示す材料を具備する少なくとも1つの抵抗加熱エレメント
を具備するヒータ。
[2]
前記材料は、複合セラミックと前記所定の動作温度範囲に亘って負のdR/dT特性を有する金属材料とを具備する
[1]記載のヒータ。
[3]
前記少なくとも1つの抵抗加熱エレメントは、延性ワイヤ、箔、ストリップ、及びこれらの組み合わせの少なくとも1つを含み、前記材料は、既定の範囲に亘って-175ppm/℃を越える抵抗の瞬間的な負の熱係数を含む
[1]記載のヒータ。
[4]
前記負のdR/dT特性は、530℃より低い温度で使用される
[1]記載のヒータ。
[5]
前記負のdR/dT特性は、850℃より高い温度で使用される
[1]記載のヒータ。
[6]
前記負のdR/dT特性は、温度に関する抵抗率の変化の極大が、極小より少なくとも2.3%高い、予め定められた動作条件で起こる
[1]記載のヒータ。
[7]
前記少なくとも1つの抵抗加熱エレメントは、回路内に配置される
[1]記載のヒータ。
[8]
前記回路は、動作中に前記回路を横切って期待された温度プロファイルを規定する
[7]記載のヒータ。
[9]
前記少なくとも1つの抵抗加熱エレメントは、少なくもと1つの高温が予想され、期待された温度プロファイルに比べて高出力密度が生じる前記回路内の場所に位置された前記負のdR/dT特性を有する前記材料を具備する
[7]記載のヒータ。
[10]
前記負のdR/dT材料は、厚膜、薄膜、プラズマ溶射及びゾルゲルからなるグループから選択された積層プロセスによって適用される
[7]記載のヒータ。
[11]
前記回路は、平均温度プロファイルに比較して低温と低出力密度の少なくとも1つが生じる回路内の場所に配置された正のdR/dT特性を有する材料を具備する少なくとも第2抵抗加熱エレメントをさらに具備する
[7]記載のヒータ。
[12]
前記回路は、負のdR/dT特性を有する材料を具備する複数の抵抗加熱エレメントと、正のdR/dT特性を有する材料を具備する複数の抵抗加熱エレメントを含み、前記負のdR/dT抵抗加熱エレメントと前記正のdR/dT抵抗加熱エレメントは、高出力密度位置、低出力密度位置、高温位置、及び低温位置の少なくとも1つに対応する予め定められた位置に従って、前記回路内にそれぞれ配置される
[11]記載のヒータ。
[13]
前記負のdR/dT抵抗加熱エレメントと前記正のdR/dT抵抗加熱エレメントは、互いに関連する複数の層に位置される
[12]記載のヒータ。
[14]
第1層と第2層を有する複数のヒータ層をさらに具備し、前記第1層は、複数の温度制御ゾーンを画定し、前記第2層は、前記第1層に対してより少ない温度制御ゾーンを画定しており、前記第2層は、少なくとも1つの負のdR/dT抵抗加熱エレメントを含む
[1]記載のヒータ。
[15]
前記第1層と前記第2層の少なくとも1つは、ピクセル化されている
[12]記載のヒータ。
[16]
前記第1層は、少なくとも1つの正のdR/dT抵抗性エレメントを含んでいる
[15]記載のヒータ。
[17]
流体の流路内に直列に配置された複数の回路を具備し、
前記複数の回路の少なくとも1つは、非単調抵抗率対温度プロファイルを有し、前記プロファイルに沿って予め定められた動作温度範囲に亘って負のdR/dT特性を示す材料を含む抵抗加熱エレメント
を具備する[1]記載の前記ヒータを含む流体加熱用ヒータシステム。
[18]
前記複数の回路の少なくとも第2回路は、正のdR/dT特性を有する材料を含む抵抗加熱エレメントを具備し、前記第2回路は、前記回路に亘って温度測定を可能とするため適合される
[17]記載のヒータシステム。
[19]
前記第1回路と前記第2回路は、直列に互いに関連して配置され、負のdR/dT抵抗加熱エレメントを有する回路が無い一連の回路に比較して、ホットスポットの形成を低減するために適合される
[17]記載のヒータシステム。
[20]
非単調抵抗率対温度プロファイルの材料を有する抵抗加熱エレメントを含むヒータシステムの動作方法であって、
前記抵抗加熱エレメントが前記プロファイルに沿って負のdR/dT特性を示す制限された温度範囲に前記抵抗加熱エレメントを加熱することと、
前記制限された温度範囲と少なくとも部分的にオーバーラップする動作温度ゾーン内で前記抵抗加熱エレメントを動作させることと、
前記抵抗加熱エレメントがヒータと温度センサの両方として機能するように前記抵抗加熱エレメントの温度を決定することと、
を具備する方法。
[21]
前記ヒーティングシステムを通る流体流を加熱することをさらに具備する
[20]記載の方法。
[22]
前記抵抗加熱エレメントは、約500℃と約800℃の間の温度範囲において温度センサとして機能する
[20]記載の方法。