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特許7238247可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置
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  • 特許-可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置 図1
  • 特許-可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置 図2A
  • 特許-可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置 図2B
  • 特許-可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置 図3
  • 特許-可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置 図4
  • 特許-可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置 図5
  • 特許-可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置 図6
  • 特許-可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置 図7
  • 特許-可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置 図8
  • 特許-可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置 図9
  • 特許-可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置
(51)【国際特許分類】
   H10N 30/30 20230101AFI20230307BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20230307BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230307BHJP
   H10N 30/20 20230101ALI20230307BHJP
   H10N 30/853 20230101ALI20230307BHJP
   H10N 30/88 20230101ALI20230307BHJP
   H10N 30/06 20230101ALI20230307BHJP
   H10N 30/02 20230101ALI20230307BHJP
   H10K 59/00 20230101ALI20230307BHJP
   H10K 50/00 20230101ALI20230307BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20230307BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
H10N30/30
H01L29/78 613Z
H01L29/78 626C
H10N30/20
H10N30/853
H10N30/88
H10N30/06
H10N30/02
H10K59/00
H05B33/14 A
H05B33/02
H05B33/10
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2018563610
(86)(22)【出願日】2018-05-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 CN2018087262
(87)【国際公開番号】W WO2019037485
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-05-11
(31)【優先権主張番号】201710740020.6
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【弁理士】
【氏名又は名称】寺山 啓進
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】梁 志偉
(72)【発明者】
【氏名】劉 英偉
【審査官】田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-120673(JP,A)
【文献】特開2014-197695(JP,A)
【文献】特開2010-151630(JP,A)
【文献】特開2015-228014(JP,A)
【文献】特開2011-099982(JP,A)
【文献】特開2012-189332(JP,A)
【文献】特開昭63-307326(JP,A)
【文献】特開2012-189335(JP,A)
【文献】特開2006-047229(JP,A)
【文献】特表2015-510292(JP,A)
【文献】特開2003-218664(JP,A)
【文献】特開2004-235874(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102435959(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102420582(CN,A)
【文献】特開2012-185129(JP,A)
【文献】特開昭53-081281(JP,A)
【文献】特表2006-524016(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0207102(US,A1)
【文献】特開2015-187850(JP,A)
【文献】特表2007-533039(JP,A)
【文献】特開平10-209464(JP,A)
【文献】特開2012-090256(JP,A)
【文献】特開平11-134087(JP,A)
【文献】特開2010-117606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10N 30/30
H01L 29/786
H01L 21/336
H10N 30/20
H10N 30/853
H10N 30/88
H10N 30/06
H10N 30/02
H10K 59/00
H10K 50/00
H05B 33/02
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性基板であって、
可撓性ベースと、
前記可撓性ベースに位置し、前記可撓性基板の屈曲を検出するように構成される表面弾性波発生素子と表面弾性波検出素子と、を備え
前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子は、
圧電層と、
前記圧電層に位置するインターデジタル電極とを含み、
前記可撓性ベースには、アレイ状に配置された複数の薄膜トランジスタを有し、
前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子は、隣接する薄膜トランジスタの間に位置し、前記薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極と前記インターデジタル電極とは、同一材料で形成されている可撓性基板。
【請求項2】
前記表面弾性波発生素子は、入力された電気信号に基づいて表面弾性波を発生させるように構成され、
前記表面弾性波検出素子は、前記表面弾性波を受信して出力電気信号を生成するように構成され、
前記可撓性ベースの屈曲によって前記表面弾性波の少なくとも1つの特性の変化を引き起こして、前記出力電気信号の変化を引き起こし、前記出力電気信号の変化に基づいて前記屈曲の検出が行われる請求項1に記載の可撓性基板。
【請求項3】
前記少なくとも1つの特性は、周波数、位相および振幅のうちの少なくとも1つを含む請求項2に記載の可撓性基板。
【請求項4】
前記圧電層の材料は、ZnO、AlNおよびc-BNのうちのいずれか一つを含む請求項に記載の可撓性基板。
【請求項5】
前記表面弾性波発生素子の前記表面弾性波検出素子より遠い側と、前記表面弾性波検出素子の前記表面弾性波発生素子より遠い側の少なくとも一方に位置する反射素子をさらに備える請求項に記載の可撓性基板。
【請求項6】
前記反射素子は、前記圧電層に位置する請求項に記載の可撓性基板。
【請求項7】
前記表面弾性波発生素子の前記表面弾性波検出素子より遠い側と、前記表面弾性波検出素子の前記表面弾性波発生素子より遠い側の少なくとも一方に位置する吸音材をさらに備える請求項に記載の可撓性基板。
【請求項8】
前記吸音材は、前記圧電層に位置する請求項に記載の可撓性基板。
【請求項9】
前記薄膜トランジスタが存在する領域に位置する第1部分と、隣接する薄膜トランジスタの間の領域に位置する第2部分とを有するパッシベーション層をさらに含み、
前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子は、前記第2部分に位置する請求項に記載の可撓性基板。
【請求項10】
前記パッシベーション層は、第1パッシベーション層と、前記第1パッシベーション層に位置する第2パッシベーション層とを含み、
前記可撓性基板は、前記第1パッシベーション層の第2部分に位置するリードをさらに含み、
前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子は、前記第2パッシベーション層のビアホールを介して前記リードと電気的に接続されている請求項に記載の可撓性基板。
【請求項11】
前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子とを覆う平坦化層をさらに備える請求項1~のいずれか1項に記載の可撓性基板。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の可撓性基板を備える可撓性OLED表示装置。
【請求項13】
前記表面弾性波発生素子に接続され、前記表面弾性波発生素子を駆動して表面弾性波を発生させるように構成されるドライバと、
前記表面弾性波検出素子に接続され、前記表面弾性波検出素子の出力電気信号を処理するように構成される処理ユニットとをさらに備える請求項12に記載の可撓性OLED表示装置。
【請求項14】
可撓性基板を製造するための方法であって、
可撓性ベースを用意することと、
前記可撓性基板の屈曲を検出するように構成される表面弾性波発生素子と表面弾性波検出素子を前記可撓性ベースに形成することとを含み、
前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子を形成することは、
前記可撓性ベースに圧電層を形成することと、
前記圧電層にインターデジタル電極を形成することとを含み、
前記可撓性ベースを用意することは、
アレイ状に配置される複数の薄膜トランジスタを前記可撓性ベースに形成することを含み、
前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子は、隣接する薄膜トランジスタの間に位置し、前記薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極と前記インターデジタル電極とは、同一材料で形成されている可撓性基板製造方法。
【請求項15】
前記可撓性ベースを用意することは
前記薄膜トランジスタが存在する領域に位置する第1部分と、前記可撓性ベースの隣接する薄膜トランジスタの間の領域に位置する第2部分とを有するパッシベーション層を前記可撓性ベースと前記複数の薄膜トランジスタに形成することを含み、
前記可撓性ベースに前記圧電層を形成することは、
前記パッシベーション層の前記第2部分に前記圧電層を形成することを含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記パッシベーション層は、第1パッシベーション層と、前記第1パッシベーション層に位置する第2パッシベーション層とを含み、
前記可撓性ベースを用意することは、
前記第1パッシベーション層の第2部分にリードを形成することを含み、
前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子を形成することは、
前記インターデジタル電極を形成する前に、前記圧電層と前記第2パッシベーション層の第2部分を貫通して前記リードに達する第1ビアホールを形成することをさらに含み、
前記インターデジタル電極を形成することは、
前記圧電層と前記第1ビアホールに第1導電層を形成することと、
前記第1導電層のパターニングによって前記インターデジタル電極を形成することとを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1ビアホールを形成すると同時に、前記パッシベーション層の前記第1部分を貫通して前記薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極の領域に達する第2ビアホールを形成することをさらに含み、
前記第1導電層は、さらに前記第2ビアホールを充填し、
前記第1導電層のパターニングによって、さらに前記薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極を形成する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1~11のいずれか一項に記載の可撓性基板の屈曲を検出するための方法であって、
前記表面弾性波発生素子に電気信号を入力して、少なくとも1つの特性の変化が前記可撓性ベースの屈曲によって引き起こされる表面弾性波を、発生させることと、
前記表面弾性波検出素子によって前記表面弾性波を受信して、前記表面弾性波の少なくとも1つの特性の変化に応じて変化する出力電気信号を発生させることと、
前記出力電気信号の変化に応じて前記屈曲を検出することとを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年08月23日に中国特許庁に提出された中国特許出願201710740020.6号の優先権を主張し、その全ての内容が援用により本願の一部として本願に取り込まれる。
本開示の実施例は、可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置に係る。
【背景技術】
【0002】
近年において飛躍的な発展を遂げている可撓性表示技術によって、フレキシブルディスプレイは、画面のサイズから表示の品質まで、大きく進歩している。従来のハード・スクリーン・ディスプレイに比べて、屈曲可能なディスプレイも称されるフレキシブルディスプレイは、例えば、耐衝撃性、耐震性、軽量、小型、携帯型、低コストなど、多くの利点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の実施例は、可撓性基板およびその製造方法、屈曲検出方法ならびに可撓性表示装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第1態様として、可撓性基板を提供する。当該可撓性基板は、可撓性ベースと、前記可撓性ベースに位置し、前記可撓性基板の屈曲を検出するように構成される表面弾性波(SurfaceACOUSTIC Wave)発生素子と表面弾性波検出素子とを備える。
【0005】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記表面弾性波発生素子は、入力された電気信号に基づいて表面弾性波を発生させるように構成され、前記表面弾性波検出素子は、前記表面弾性波を受信して出力電気信号を生成するように構成される。ここで、前記可撓性ベースの屈曲によって前記表面弾性波の少なくとも1つの特性の変化を引き起こして、前記出力電気信号の変化を引き起こし、前記出力電気信号の変化に基づいて前記屈曲の検出が行われる。
【0006】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記少なくとも1つの特性は、周波数、位相および振幅のうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子は、圧電層と、前記圧電層に位置するインターデジタル電極とを備える。
【0008】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記圧電層の材料は、ZnO、AlNおよびc-BNのうちのいずれか一つを含む。
【0009】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記可撓性基板は、前記表面弾性波発生素子の前記表面弾性波検出素子より遠い側と、前記表面弾性波検出素子の前記表面弾性波発生素子より遠い側の少なくとも一方に位置する反射素子をさらに備える。
【0010】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記反射素子は、前記圧電層に位置する。
【0011】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記可撓性基板は、前記表面弾性波発生素子の前記表面弾性波検出素子より遠い側と、前記表面弾性波検出素子の前記表面弾性波発生素子より遠い側の少なくとも一方に位置する吸音材をさらに備える。
【0012】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記吸音材は、前記圧電層に位置する。
【0013】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記可撓性ベースには、アレイ状に配置された複数の薄膜トランジスタを有する。前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子は、隣接する薄膜トランジスタの間に位置する。
【0014】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極と前記インターデジタル電極とは、同一材料で形成されている。
【0015】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記可撓性基板は、前記薄膜トランジスタが存在する領域に位置する第1部分と、隣接する薄膜トランジスタの間の領域に位置する第2部分とを有するパッシベーション層をさらに含む。前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子は、前記第2部分に位置する。
【0016】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記パッシベーション層は、第1パッシベーション層と、前記第1パッシベーション層に位置する第2パッシベーション層とを含む。前記可撓性基板は、前記第1パッシベーション層の前記第2部分に位置するリードをさらに含む。前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子は、前記第2パッシベーション層のビアホールを介して前記リードと電気的に接続されている。
【0017】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記可撓性基板は、前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子とを覆う平坦化層をさらに備える。
【0018】
本開示の第2態様として、可撓性OLED表示装置を提供する。前記可撓性OLED表示装置は、以上および/または以下でより詳細に開示される1つまたは複数の実施例による可撓性基板のような、本開示による可撓性基板を備える。
【0019】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記可撓性OLED表示装置は、前記表面弾性波発生素子に接続され、前記表面弾性波発生素子を駆動して表面弾性波を発生させるように構成されるドライバと、前記表面弾性波検出素子に接続され、前記表面弾性波検出素子の出力電気信号を処理するように構成される処理ユニットとをさらに備える。
【0020】
本開示の第3態様として、可撓性基板を製造するための方法を提供する。当該方法は、可撓性ベースを用意することと、前記可撓性基板の屈曲を検出するように構成される表面弾性波発生素子と表面弾性波検出素子を前記可撓性ベースに形成することとを含む。
【0021】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子を形成することは、前記可撓性ベースに圧電層を形成することと、前記圧電層にインターデジタル電極を形成することとを含む。
【0022】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記可撓性ベースを用意することは、アレイ状に配置される複数の薄膜トランジスタを前記可撓性ベースに形成することと、前記薄膜トランジスタが存在する領域に位置する第1部分と、前記可撓性ベースの隣接する薄膜トランジスタの間の領域に位置する第2部分とを有するパッシベーション層を前記可撓性ベースと前記複数の薄膜トランジスタに形成することとを含む。前記可撓性ベースに前記圧電層を形成することは、前記パッシベーション層の前記第2部分に前記圧電層を形成することを含む。
【0023】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記パッシベーション層は、第1パッシベーション層と、前記第1パッシベーション層に位置する第2パッシベーション層とを含む。前記可撓性ベースを用意することは、前記第1パッシベーション層の前記第2部分にリードを形成することを含む。前記表面弾性波発生素子と前記表面弾性波検出素子を形成することは、前記インターデジタル電極を形成する前に、前記圧電層と前記第2パッシベーション層の第2部分を貫通して前記リードに達する第1ビアホールを形成することをさらに含む。前記インターデジタル電極を形成することは、前記圧電層と前記第1ビアホールに第1導電層を形成することと、前記第1導電層のパターニングによって前記インターデジタル電極を形成することとを含む。
【0024】
本開示の1つまたは複数の実施例において、前記方法は、前記第1ビアホールを形成すると同時に、前記パッシベーション層の前記第1部分を貫通して前記薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極の領域に達する第2ビアホールを形成することをさらに含む。前記第1導電層は、さらに前記第2ビアホールを充填する。前記第1導電層のパターニングによって、さらに前記薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極を形成する。
【0025】
本開示の第4態様として、本開示による可撓性基板の屈曲を検出するための方法を提供する。前記方法は、前記表面弾性波発生素子に電気信号を入力して、少なくとも1つの特性の変化が前記可撓性ベースの屈曲によって引き起こされる表面弾性波を発生させることと、前記表面弾性波検出素子によって前記表面弾性波を受信して、前記表面弾性波の少なくとも1つの特性の変化に応じて変化する出力電気信号を発生させることと、前記出力電気信号の変化に応じて前記屈曲を検出することとを含む。
【0026】
適応のさらなる態様および範囲は、本明細書で提供される記載から明らかになるであろう。本出願の様々な態様は、単独で、または、1つまたは複数の他の態様と組み合わせて実施されうることを理解されたい。さらに、本明細書における記載および特定の実施例は、単に説明という目的に用いられ、本出願の範囲を限定するためのものではないことも理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本明細書に記載される図面は、全てのありうる実施形態ではなく、選択される実施例のみの説明に用いられるものであり、本出願の範囲を限定するためのものではない。
【0028】
図1】本開示の実施例による可撓性基板の例示的な断面図を概略的に示す。
図2A】本開示の実施例による可撓性基板の例示的な構造図を概略的に示す。
図2B】本開示の実施例による別の可撓性基板の例示的な構造図を概略的に示す。
図3】本開示の実施例の圧電層屈曲による表面弾性波の変化を概略的に示す。
図4】本開示の実施例による別の可撓性基板の断面図を概略的に示す。
図5】本開示の実施例による可撓性OLED表示装置の例示的なブロック図を概略的に示す。
図6】本発明の実施例による可撓性OLED表示装置の駆動回路図である。
図7】本開示の実施例による別の可撓性OLED表示装置の断面図を概略的に示す。
図8】本開示の実施例による可撓性基板製造方法のフローチャートである。
図9】本開示の実施例による図4の可撓性基板の製造方法のフローチャートである。
図10】本開示の実施例による可撓性基板の屈曲検出方法のフローチャートである。
【0029】
これら図面の各図を通して、対応する参照符号は、対応する部品または特徴を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
添付図面を参照して様々な実施例を詳細に記載する。これらの実施例は、本開示の例示的な例として挙げられ、当業者による本開示の実現を可能にする。以下の図面および例は、本開示の範囲に対する限定を意味しないことに留意されたい。本開示の特定の要素が、既知の部品(または方法またはプロセス)を使用して部分的または全体的に実施されうる場合、本開示を理解するために必要な既知の部品(または方法またはプロセス)の部分のみを記載する。既知の部品の他の部分の詳細な記載は、本開示を不明瞭にしないように省略される。さらに、様々な実施例は、説明の方式によって、ここに言及される部品と均等なものであって、現在や将来で既知の等価物を包含する。
【0031】
以下の記載のために、図面で方向が示されているように、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」およびその派生語は、本開示に関連するものでなければならない。「上部が…に覆われる」、「…の上部にある」、「…の上に位置する」または「…の上部に位置する」といった用語は、第1構造などの第1要素が第2構造などの第2要素に存在することを意味し、第1要素と第2要素との間に界面構造などの中間要素が存在してもよい。「直接に接触する」という用語は、第1構造などの第1の要素と第2構造などの第2要素とを、この2つの要素の界面に中間の導電性、絶縁性または半導電性の層を介することなく接続することを意味する。
【0032】
本明細書で使用される「有する(have)」、「含む(comprise)」および「包含(contain)」およびそれらの文法的な変形は、非排他的に使用される。したがって、「AはBを有する」、「AはBを含む」または「AはBを包含する」という表現は、AがB以外の1つ以上の他の部品および/または部材を含むという事実や、B以外の部品、部材または要素がAに存在しないことを指し得る。
【0033】
前後の文章で明確に示されない限り、本明細書と添付する特許請求の範囲に使用される用語の単数形は、複数形を含むが、その反対でも成立する。したがって、単数形を言及する場合、通常、対応する用語の複数形を含む。
【0034】
フレキシブルディスプレイは、屈曲可能な特性によって、前述の利点を有すると同時に、便利なヒューマンマシンインタラクション方式を提供する。このようなインタラクション方式は、屈曲のフィードバックによって達成される。例えば、電子書籍を閲覧する場合、画面をある程度屈曲させ、屈曲具合を検出することによって、電子書籍のページ数の増減を制御することができる。このような屈曲検出機能は、付加的なインタラクション方式を提供するだけでなく、手袋を着用しながら画面を屈曲させることによって機能的な制御を可能にする。
【0035】
本開示の第1態様として、可撓性基板を提供する。当該可撓性基板は、可撓性基板の屈曲を検出することによって、付加的なヒューマンマシンインタラクションを提供する。
【0036】
図1は、本開示の実施例による可撓性基板の例示的な断面図を概略的に示す。図1に示されているように、可撓性基板は、可撓性ベース101と、当該可撓性ベース101に位置し、可撓性基板の屈曲を検出するように構成される表面弾性波発生素子102と表面弾性波検出素子103とを備える。
【0037】
本開示の実施例において、可撓性基板の屈曲によって表面弾性波の特性の変化を引き起こすため、可撓性基板の屈曲による表面弾性波の変化に基づいて、可撓性基板の屈曲を検出することができる。当該可撓性基板を可撓性表示装置に応用する場合、可撓性基板の当該屈曲検出機能によって、付加的なヒューマンマシンインタラクション方式を提供する。例えば、屈曲を検出すると、電子書籍のページめくりを行うことができる。別の例として、可撓性基板の屈曲検出機能によって、基板の屈曲具合を検出することができ、過度の屈曲による基板の損害を回避する。
【0038】
本開示の実施例において、表面弾性波発生素子102は、入力された電気信号に基づいて表面弾性波を発生させるように構成され、表面弾性波検出素子103は、表面弾性波を受信して出力電気信号を生成するように構成される。可撓性ベースの屈曲によって表面弾性波の少なくとも1つの特性の変化を引き起こして、出力電気信号の変化を引き起こし、出力電気信号の変化に基づいて屈曲の検出が行われる。例として、表面弾性波の少なくとも1つの特性は、位相、周波数および振幅のうちの1つまたは複数である。
【0039】
本開示の実施例において、可撓性ベース101は、PET、PENおよびポリイミドのポリマー材料から形成される。
【0040】
図2Aは、本開示の実施例による可撓性基板の例示的な構造図を概略的に示す。図2Aに示されているように、表面弾性波発生素子102は、入力インターデジタル変換器であり、表面弾性波検出素子103は、出力インターデジタル変換器である。例の方式によって、表面弾性波発生素子102(例えば入力インターデジタル変換器)と表面弾性波検出素子103(例えば出力インターデジタル変換器)のそれぞれは、圧電層104と、圧電層104に位置するインターデジタル電極105とを備える。
【0041】
本開示の実施例において、表面弾性波発生素子102は、図2に示される入力インターデジタル変換器に限られず、表面弾性波を発生させることのできる素子であれば、表面弾性波発生素子102に用いられる。同様に、表面弾性波検出素子103は、図2に示される出力インターデジタル変換器に限られず、表面弾性波を電気信号に変換することのできる素子であれば、表面弾性波検出素子103に用いられる。
【0042】
本開示の実施例において、入力インターデジタル変換器に入力電気信号を印加でき、入力インターデジタル変換器は、逆圧電効果に基づいて、入力された電気信号を表面弾性波信号に変換する。当該表面弾性波信号は、圧電層の表面に沿って出力インターデジタル変換器に伝播し、出力インターデジタル変換器によって受信される。当該出力インターデジタル変換器は、表面弾性波信号を電気信号に変換して、例えば処理ユニットに出力する。
【0043】
図3は、本開示の実施例の圧電層屈曲による表面弾性波の変化を概略的に示す。図3に示されているように、圧電層に外部からの影響(例えば可撓性基板の屈曲による応力)が加わると、圧電層の表面を伝播する表面弾性波の特性(周波数、位相または振幅など)が変化し、さらに出力インターデジタル変換器から出力される電気信号を変化させる。出力電気信号の変化を分析することにより、圧電層を支持する可撓性基板の屈曲状況が得られる。したがって、本開示の実施例による可撓性基板によれば、可撓性基板の屈曲を検出することができ、屈曲具合および/または方向に基づいて、付加的なヒューマンマシンインタラクション方式を提供する。また、屈曲状況に応じて屈曲具合を検出して、可撓性基板の過度の屈曲による破損を避けることもできる。
【0044】
本開示の実施例において、インターデジタル電極105は、金属、または、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属合金で作製される。例として、アルミニウム合金は、アルミニウム‐銅合金(銅が合金の総量の25%を占める)またはアルミニウム‐チタン合金(チタンが合金の全量の25%を占める)である。
【0045】
圧電層104の材料は、ZnO、AlN、c-BNのいずれかを含む。表1には、音速、質量密度、格子定数、弾性率および熱伝導率など、圧電層に用いられるいくつかの材料のパラメータが挙げられている。
【0046】
【表1】
【0047】
本開示の実施例において、可撓性基板は、反射素子106をさらに備える。当該反射素子106は、表面弾性波発生素子102の表面弾性波検出素子103より遠い側に位置する。反射素子106を設けることにより、入力インターデジタル変換器によって発生した表面弾性波を出力インターデジタル変換器へ反射させ、表面弾性波の損失を低減することができる。図2Aまたは図3に示されているように、当該反射素子106は、入力インターデジタル変換器の出力インターデジタル変換器より遠い側に位置する。すなわち、入力インターデジタル変換器は、反射素子と出力インターデジタル変換器の間に位置する。当該実施例において、入力インターデジタル変換器によって発生した表面弾性波の一部が、出力インターデジタル変換器から離れる方向に伝播される場合、当該一部の表面弾性波は、出力インターデジタル変換器へ反射され、出力インターデジタル変換器によって受信される。
【0048】
代替的に、反射素子106を表面弾性波検出素子103の表面弾性波発生素子102より遠い側に設けてもよい。すなわち、表面弾性波検出素子103は、表面弾性波発生素子102と反射素子106の間に位置してもよい。代替的に、表面弾性波発生素子102の表面弾性波検出素子103より遠い側と、表面弾性波検出素子103の表面弾性波発生素子102より遠い側の両方に反射素子106を設けてもよい。
【0049】
本開示の実施例において、反射素子106は、図2Aに示されているように、反射グリッドの形態で提供される。この場合、反射素子106を用いて、表面発生素子102により発生する表面弾性波を共振させて、表面弾性波信号を強化させることもできる。
【0050】
本開示の実施例において、反射素子106を圧電層104に設けてもよい。反射素子106とインターデジタル電極105は、同じ材料で作製されてもよい。例として、反射素子106は、金属材料で作製される。この構成によって、インターデジタル電極105と反射素子106とを一回のパターニングで同時に形成することができる。
【0051】
図2Bは、本開示の実施例による別の可撓性基板の例示的な構造図を概略的に示す。図2Bに示されている実施例において、図2Aに示す実施例の反射素子106を吸音材210に置き換えた以外は、図2Aに示す実施例の可撓性基板の構造と同じである。図2Bに示されているように、吸音材210を表面弾性波発生素子102の表面弾性波検出素子103より遠い側に設けてもよい。吸音材210を表面弾性波検出素子103の表面弾性波発生素子102より遠い側に設けてもよいことが理解される。代替的に、吸音材210は、表面弾性波発生素子102の表面弾性波検出素子103より遠い側と、表面弾性波検出素子103の表面弾性波発生素子102より遠い側の両方に設けられてもよい。
【0052】
吸音材210を設けることによって、利用されなかった表面弾性波を吸収し、隣接する装置間の信号干渉を防止することができる。図4は、本開示の実施例による別の可撓性基板の断面図を概略的に示す。図4に示す実施例において、当該可撓性基板200は、可撓性OLEDディスプレイのバックプレーンであってもよい。
【0053】
なお、図4に示す実施例において、可撓性基板は、同様に図1に示す実施例における可撓性ベース101、表面弾性波発生ユニット102、表面弾性波検出ユニット103及び反射素子106を備える。したがって、本実施例において、これらの部品に関する解釈または説明は、図1に示す実施例を参照することができる。
【0054】
図4に示されているように、当該可撓性基板は、可撓性ベース101にアレイ状に配置された複数の薄膜トランジスタ(TFT)107をさらに備える。表面弾性波発生ユニット102と表面弾性波検出ユニット103は、隣接する薄膜トランジスタ107の間に位置する。
【0055】
薄膜トランジスタ107は、可撓性ベース101に位置するゲートと、ゲートおよび可撓性ベース101の隣接する薄膜トランジスタ107の間の領域に位置するゲート絶縁層と、ゲート絶縁層に位置するソース/ドレイン領域とチャネル領域を含む。
【0056】
本開示の実施例において、可撓性基板は、薄膜トランジスタのソース/ドレイン領域と電気的に接触するソース/ドレイン電極1071をさらに備える。ソース/ドレイン電極1071とインターデジタル電極105とは、同一の材料、例えば金属で形成される。この構成によって、1回のパターニング工程で、ソース/ドレイン電極とインターデジタル電極とを同時に作製することができる。
【0057】
図4に示す実施例において、可撓性基板は、パッシベーション層108をさらに備える。当該パッシベーション層108は、薄膜トランジスタ107が存在する領域に位置する第1部分108Aと、可撓性ベース101の隣接する薄膜トランジスタ107の間に位置する第2部分108Bとを有する。表面弾性波発生素子102と表面弾性波検出素子103は、パッシベーション層108の第2部分108Bに位置する。
【0058】
さらに図4を参照すると、パッシベーション層108は、第1パッシベーション層1081と、第1パッシベーション層1081に位置する第2パッシベーション層1082とを含む。
【0059】
例として、第1パッシベーション層1081と第2パッシベーション層1082は、SiO、SiN、またはその両方の積層を含む。
【0060】
当該実施例において、可撓性基板は、第1パッシベーション層1081の第2部分108Bに位置するリード109をさらに備える。表面弾性波発生素子102と表面弾性波検出素子103は、第2パッシベーション層1082のビアホールを介してリード109と電気的に接触する。
【0061】
さらに、図4に示されているように、当該可撓性基板は、表面弾性波発生素子102と表面弾性波検出素子103を覆う平坦化層110をさらに備え、超音波信号に外部からの影響を与えないようにする。例示的な実施例において、平坦化層110は、第2パッシベーション層1082、ソース/ドレイン電極1071およびインターデジタル電極105を覆う。
【0062】
さらに、図4に示されているように、当該可撓性基板は、平坦化層110に位置する導電層111と、導電層111に形成された画素定義層112とをさらに備える。
【0063】
平坦化層110は、表面弾性波発生素子102と表面弾性波検出素子103に悪影響を避けるためのフォトレジストを含む。
【0064】
導電層111は、平坦化層110のビアホールを介してソース/ドレイン電極1071と電気的に接触する。当該導電層111は、可撓性OLED表示装置のアノード電極とすることができる。
【0065】
画素定義層112の垂直投影は、平坦化層110の当該ビアホールを覆う。本開示の実施例における可撓性基板がOLED表示装置のバックプレートとして使用される場合、当該画素定義層112は、可撓性OLED表示装置の画素領域を画定して、有機発光材料を画素領域に堆積させる。
【0066】
本開示の第2態様では、可撓性OLED表示装置が提供される。選択的に、当該可撓性OLED表示装置は、以上および/または以下で詳細に開示される1つまたは複数の実施例の可撓性基板のような、本開示による可撓性基板を備える。したがって、当該可撓性OLED表示装置の選択可能な実施形態は、可撓性基板の実施例を参照することができる。
【0067】
図5は、本開示の実施例による可撓性OLED表示装置の例示的なブロック図を概略的に示す。図5に示されているように、当該可撓性OLED表示装置は、本開示による可撓性基板100を備える。
【0068】
本開示の実施例において、当該可撓性OLED表示装置は、表面弾性波発生素子102に接続され、表面弾性波発生素子102を駆動して表面弾性波を発生させるように構成されるドライバ501と、表面弾性波検出素子103に接続され、表面弾性波検出素子103の出力電気信号を受信して処理するように構成される処理ユニット502とをさらに備える。
【0069】
通常、表面弾性波発生素子102の動作周波数は、数十MHz~数GHzであり、薄膜トランジスタの駆動周波数よりも大きい。そこで、本開示の一実施例において、表面弾性波発生素子を駆動して表面弾性波を発生させるためのドライバ501を単独で設ける。
【0070】
図6は、本発明の実施例による可撓性OLED表示装置の駆動回路図である。図6に示されているように、表面弾性波発生素子102と表面弾性波検出素子103は、表示装置の各画素領域において、薄膜トランジスタ107が設けられていない領域に位置する。ドライバ501は、表面弾性波発生素子102のインターデジタル電極に電気的に接続され、表面弾性波発生素子102を駆動して表面弾性波を発生させることに用いられる。処理ユニット502は、表面弾性波検出素子103のインターデジタル電極に電気的に接続され、表面弾性波検出素子103の出力電気信号を受信して処理し、可撓性OLED表示装置の屈曲を確定することに用いられる。さらに、図6に示されているように、本開示の実施例による可撓性OLED表示装置は、薄膜トランジスタのゲート(G)と電気的に接続するゲートドライバ601、および、薄膜トランジスタ107のソース(S)と電気的に接続するソースドライバ602をさらに備える。本開示の実施例において、ゲートドライバ601は、薄膜トランジスタに駆動信号を供給し、ソースドライバ602は、薄膜トランジスタにデータ信号を供給する。
【0071】
本開示の実施例において、処理ユニット502は、プロセッサとメモリとの組み合わせとして実現される。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行して処理ユニットの機能を実現する。ゲートドライバ601、ソースドライバ602およびドライバ501は、ハードウェア回路(例えばアナログまたはデジタル回路)のみ、または回路とソフトウェア(および/またはファームウェア)の組み合わせ(例えば、共に動作して実行待ちの様々な機能を引き起こすデジタル信号プロセッサ、ソフトウェアおよびメモリ)によって実現される。
【0072】
図7は、本開示の実施例による別の可撓性OLED表示装置の断面図を概略的に示す。図7の実施例において、可撓性OLED表示装置は、図4に示す実施例の可撓性基板と、画素定義層112によって画定される画素領域に位置する有機発光層113と、有機発光層113と画素定義層112に位置するカソード層114と、カソード層114に位置するバッファ層115とを含む。
【0073】
本開示の実施例によれば、可撓性OLED表示装置の屈曲による表面弾性波の変化に基づいて、可撓性OLED表示装置の屈曲を検出することができる。この構成では、可撓性OLED表示装置に対して、例えば、屈曲が検出された場合の電子書籍のページめくり動作のような、付加的なヒューマンマシンインタラクション方式を提供することができる。また、屈曲検出機能により、可撓性OLED表示装置の屈曲具合を検出し、過度の屈曲による可撓性OLED表示装置の破損を防止することができる。
【0074】
本開示の第3態様では、可撓性基板を製造するための方法が提供される。選択的に、当該方法は、以上および/または以下でより詳細に開示される1つまたは複数の実施例による可撓性基板のような、本開示による可撓性基板を製造することができる。したがって、当該方法の選択可能な実施例では、可撓性基板の実施例を参照することができる。当該方法は、所定の順序で、または異なる順序で実行される以下のステップを含む。さらに、記載されていない追加のステップが提供されてもよい。さらに、少なくとも部分的に方法に係るステップの2つ以上またはさらにはすべてを同時に実行することができる。さらに、方法に係るステップは、2回または2回以上繰り返すことができる。
【0075】
図8は、本開示の実施例による可撓性基板製造方法のフローチャートである。図8に示されているように、当該方法は、ステップS81とS82を含む。ステップS81において、可撓性ベースを用意する。ステップS82において、可撓性ベースに表面弾性波発生素子と表面弾性波検出素子を形成する。当該表面弾性波発生素子と当該表面弾性波検出素子は、可撓性基板の屈曲を検出するように構成される。
【0076】
図8のステップS81において、可撓性ベースを用意することは、アレイ状に配置される複数の薄膜トランジスタを可撓性ベースに形成することと、可撓性ベース及び複数の薄膜トランジスタにパッシベーション層を形成することとを含む。当該実施例において、パッシベーション層は、薄膜トランジスタに位置する第1部分と、可撓性ベースの隣接する薄膜トランジスタの間の領域に位置する第2部分とを有する。
【0077】
図8のステップS82において、表面弾性波発生素子と表面弾性波検出素子を形成することは、可撓性ベースに圧電層を形成することと、圧電層上にインターデジタル電極を形成することとを含む。当該実施例では、隣接する薄膜トランジスタの間に表面弾性波発生素子と表面弾性波検出素子とが形成されるように、パッシベーション層の第2部分に圧電層を形成してもよい。
【0078】
本開示の実施例において、パッシベーション層は、第1パッシベーション層と、第1パッシベーション層に位置する第2パッシベーション層とを含む。可撓性ベースを用意することは、第1パッシベーション層の第2部分にリードを形成することをさらに含む。さらに、表面弾性波発生素子と前記該表面弾性波検出素子を形成することは、インターデジタル電極を形成する前に、圧電層と第2パッシベーション層の第2部分を貫通してリードに達する第1ビアホールを形成することをさらに備える。さらに、インターデジタル電極を形成することは、圧電層と第1ビアホールに第1導電層を形成することと、当該第1導電層のパターニングによってインターデジタル電極を形成することとを含む。当該インターデジタル電極は、第1ビアホール内の導電層を介してリードと電気的に接触する。
【0079】
本発明の本実施例において、可撓性基板を製造するための方法は、さらに、第1ビアホールを形成すると同時に、パッシベーション層の第1部分を貫通して薄膜トランジスタのソース/ドレイン領域に達する第2ビアホールを形成することを含む。当該実施例において、第1導電層が第2ビアホールを充填し、第1導電層のパターニングによって、さらに薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極を形成する。言い換えれば、インターデジタル電極とソース/ドレイン電極とを一回のパターニングで形成することができる。したがって、本開示の実施例による可撓性基板の製造方法は、比較的簡単である。
【0080】
本開示の実施例において、可撓性基板の製造方法は、第2パッシベーション層、ソース/ドレイン電極及びインターデジタル電極を覆う平坦化層を形成することと、ソース/ドレイン電極を露出させる第3ビアホールを平坦化層に形成することと、平坦化層と第3ビアホールに第2導電層を形成することと、垂直投影が第2ビアホールを覆う画素定義層を第2導電層に形成することとをさらに含む。
【0081】
図9は、本開示の実施例による図4の可撓性基板の製造方法のフローチャートである。例として、図9に示す実施例において、製造された可撓性基板を可撓性OLED表示装置のバックプレーンに用いることができる。図9に示されているように、当該方法は、ステップS91~S910を含む。
【0082】
ステップS91において、可撓性ベース101を用意する。当該可撓性ベース101は、例えば、PET、PEN、ポリイミドのポリマー材料から形成される。
【0083】
ステップS92において、アレイ状に配置される複数の薄膜トランジスタ107を可撓性ベース101に形成する。本開示の実施例において、薄膜トランジスタ107は、ゲート、ゲート絶縁層、活性層(ソース/ドレイン領域及びチャネル領域を含む)を含む。
【0084】
ステップS93において、薄膜トランジスタ107の活性層と、隣接する薄膜トランジスタの間のゲート絶縁層に第1パッシベーション層1081を形成する。第1パッシベーション層1081は、薄膜トランジスタ107に位置する第1部分108Aと、隣接する薄膜トランジスタ107間に位置する第2部分108Bとを含む。第1パッシベーション層1081の材料は、例えば、SiO、SiN、またはその両方の組み合わせである。
【0085】
ステップS94において、第1パッシベーション層1081の第2部分108Bにリード109を形成する。本開示の実施例において、リード109は、例えば、スパッタリングや蒸着などによって形成される。
【0086】
ステップS95において、第1パッシベーション層1081及びリード109に第2パッシベーション層1082を形成する。第2パッシベーション層1082は、薄膜トランジスタ107に位置する第1部分108Aと、隣接する薄膜トランジスタ108間に位置する第2部分108Bとを含む。第2パッシベーション層1082の材料は、例えば、SiO、SiN、またはその両方の組み合わせである。
【0087】
ステップS96において、第2パッシベーション層1082の第2部分108B上に圧電層104を形成する。圧電層104の材料は、例えば、ZnO、AlN、c-BNのいずれか一つが挙げられる。
【0088】
ステップS97において、圧電層104と第2パッシベーション層1082の第2部分108Bを貫通してリード109に達する第1ビアホールと、第1パッシベーション層1081と第2パッシベーション層1082を貫通して薄膜トランジスタ107のソース/ドレイン領域に達する第2ビアホールを形成する。
【0089】
ステップS98において、第2パッシベーション層1082と圧電層104に第1導電層を形成する。当該第1導電層は、第1ビアホールと第2ビアホールを介してそれぞれリード109、ソース/ドレイン領域と電気的接触する。
【0090】
ステップS99において、第1導電層のパターニングによって、インターデジタル電極105、反射素子106および薄膜トランジスタのソース/ドレイン電極1071を形成する。
【0091】
ステップS910において、第2パッシベーション層1082、ソース/ドレイン電極1071、反射素子106及びインターデジタル電極105を覆う平坦化層110を形成する。
【0092】
図9に示す実施例では、本開示を理解するために必要なステップのみが示されている。図9に示された実施例の方法は、必要に応じて他の既知の部品または部材を形成するステップを含むこともできることが理解されよう。非限定的な実施例において、可撓性基板を製造する方法は、ソース/ドレイン電極1071を露出させる第3ビアホールを平坦化層110に形成することと、平坦化層110と第3ビアホールに第2導電層111を形成することと、第2導電層111に画素定義層112を形成することとを含む。画素定義層112は、第3ビアホールを充填し、画素定義層112の垂直投影が第3ビアホールを覆う。本実施例において、これらのステップに対する詳細な記載を省略する。
【0093】
本開示の第4態様では、可撓性基板の屈曲を検出するための方法が提供される。選択的に、当該方法は、以上および/または以下でより詳細に開示される1つまたは複数の実施例による可撓性基板のような、本開示による可撓性基板の屈曲を検出することができる。したがって、当該方法の選択可能な実施例では、可撓性基板の実施例を参照することができる。
【0094】
図10は、本開示の実施例による可撓性基板の屈曲検出方法のフローチャートである。図10に示されているように、当該方法は、ステップS11~S13を含む。
【0095】
ステップS11において、表面弾性波発生素子に電気信号を入力して表面弾性波を発生させる。本開示の実施例において、可撓性ベースの屈曲によって、表面弾性波の少なくとも1つの特性の変化を引き起こし得る。
【0096】
表面弾性波発生素子は、例えば、表面弾性波入力インターデジタル変換器である。入力された電気信号によって、入力インターデジタル変換器は、逆圧電効果に基づいて、圧電層の表面に表面弾性波を発生させることができる。当該表面弾性波は、圧電層の表面で伝播される。圧電層が外部からの影響を受け、例えば、可撓性ベースの屈曲により圧電層に応力が発生すると、表面弾性波の少なくとも1つの特性が変化する。当該少なくとも1つの特性は、周波数、位相および振幅のうちの少なくとも1つである。
【0097】
ステップS12において、表面弾性波検出素子で表面弾性波を受信して出力電気信号を生成する。本開示の実施例において、出力電気信号は、表面弾性波の少なくとも1つの特性の変化に応じて変化する。
【0098】
表面弾性波検出素子は、例えば、表面弾性波出力インターデジタル変換器である。出力インターデジタル変換器は、圧電効果に基づいて、受信した表面弾性波信号を出力電気信号に変換することができる。可撓性基板の屈曲によって表面弾性波の少なくとも1つの特性が変化すると、表面弾性波の変化に応じて出力電気信号が変化する。
【0099】
ステップS13において、出力電気信号の変化に基づいて可撓性基板の屈曲を検出する。
【0100】
本発明の実施例において、出力される電気信号が表面弾性波の変化に応じて変化するため、出力電気信号に対する処理および分析によって、表面弾性波の変化が分かり、表面弾性波の変化から可撓性基板の屈曲応力分布が分かり、屈曲応力分布に基づいてフィードバックする。例として、屈曲応力が過大であることが検出された場合、可撓性基板の破損を回避するようにユーザに注意させる。あるいは、背面側への屈曲が検出された場合、例えば電子書籍のページめくりなど、付加的なヒューマンマシンインタラクション方式を提供する。
【0101】
以上、説明と記載を目的として、実施例の上記記載を提供したが、本願を網羅的に列挙しまたは限定することを意図したものではない。特定の実施例の個々の要素または特徴は、通常、特定の実施例に限られないが、具体的に図示または記載されていなくても、適宜、これらの要素および特徴を互いに置き換え、選択された実施例に用いることができる。同様に、様々な方式で変更することもできる。そのような変更は、本出願からの逸脱とみなされるべきではない。そのような変更の全ては、本出願の範囲内に含まれる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10