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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】点灯装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/24 20200101AFI20230307BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20230307BHJP
   H02M 7/04 20060101ALI20230307BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
H05B47/24
H05K1/18 S
H02M7/04 D
H02M3/155 Y
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019006169
(22)【出願日】2019-01-17
(65)【公開番号】P2020115421
(43)【公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】前田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 匠
(72)【発明者】
【氏名】平山 達也
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-127084(JP,A)
【文献】特開2010-056043(JP,A)
【文献】特開2016-207310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
H05B 45/00
H05K 1/18
H02M 7/04
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板と、
前記プリント基板の裏面に設けられた第1スイッチング素子と、前記プリント基板の裏面に設けられた第1ダイオードと、前記プリント基板の上面に設けられた電解コンデンサと、を有し、前記第1スイッチング素子のオンオフにより前記電解コンデンサの両端に電圧を発生させる電源回路と、
前記プリント基板に形成され、前記電解コンデンサから電源を供給されて光源を点灯させる点灯回路と、
を備え、
前記第1スイッチング素子または前記第1ダイオードの少なくとも一方は、平面視で前記電解コンデンサと重なり、
前記電源回路は、コイルと、前記電解コンデンサと並列に接続されたフィルムコンデンサとを有し、
前記電解コンデンサは、前記プリント基板の長手方向で前記コイルと前記フィルムコンデンサに挟まれることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
プリント基板と、
前記プリント基板の裏面に設けられた第1スイッチング素子と、前記プリント基板の裏面に設けられた第1ダイオードと、前記プリント基板の上面に設けられた電解コンデンサと、を有し、前記第1スイッチング素子のオンオフにより前記電解コンデンサの両端に電圧を発生させる電源回路と、
前記プリント基板に形成され、前記電解コンデンサから電源を供給されて光源を点灯させる点灯回路と、
を備え、
前記第1スイッチング素子または前記第1ダイオードの少なくとも一方は、前記電解コンデンサの正極または負極からの距離が平面視での前記電解コンデンサの半径以内の領域と、平面視で重なり、
前記電源回路は、コイルと、前記電解コンデンサと並列に接続されたフィルムコンデンサとを有し、
前記電解コンデンサは、前記プリント基板の長手方向で前記コイルと前記フィルムコンデンサに挟まれることを特徴とする点灯装置。
【請求項3】
前記電解コンデンサは、平面視で前記第1スイッチング素子と前記第1ダイオードに挟まれることを特徴とする請求項1または2に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記第1スイッチング素子と前記第1ダイオードはチップ部品であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記電解コンデンサは、前記プリント基板の長手方向の中央部に設けられることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の点灯装置
【請求項6】
前記コイルと前記フィルムコンデンサは、前記電解コンデンサの中心からの距離が平面視での前記電解コンデンサの半径の2倍以内の領域と平面視で重なることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項7】
前記電源回路は、前記第1スイッチング素子と直列に接続された金属皮膜抵抗を有し、
前記金属皮膜抵抗は前記電解コンデンサに隣接して設けられることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項8】
前記金属皮膜抵抗は、前記電解コンデンサの中心からの距離が平面視での前記電解コンデンサの半径の2倍以内の領域と平面視で重なることを特徴とする請求項に記載の点灯装置。
【請求項9】
前記プリント基板を収納するケースを備え、
前記ケースの長手方向の両側は開口していることを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項10】
プリント基板と、
前記プリント基板の裏面に設けられた第1スイッチング素子と、前記プリント基板の裏面に設けられた第1ダイオードと、前記プリント基板の上面に設けられた電解コンデンサと、を有し、前記第1スイッチング素子のオンオフにより前記電解コンデンサの両端に電圧を発生させる電源回路と、
前記プリント基板に形成され、前記電解コンデンサから電源を供給されて光源を点灯させる点灯回路と、
前記プリント基板を収納するケースと、
を備え、
前記第1スイッチング素子または前記第1ダイオードの少なくとも一方は、平面視で前記電解コンデンサと重なり、
前記点灯回路は第2スイッチング素子と第2ダイオードとを有し、
前記第1スイッチング素子と前記第1ダイオードは前記ケースと離れ、
前記第2スイッチング素子と前記第2ダイオードは前記ケースと接することを特徴とする点灯装置。
【請求項11】
プリント基板と、
前記プリント基板の裏面に設けられた第1スイッチング素子と、前記プリント基板の裏面に設けられた第1ダイオードと、前記プリント基板の上面に設けられた電解コンデンサと、を有し、前記第1スイッチング素子のオンオフにより前記電解コンデンサの両端に電圧を発生させる電源回路と、
前記プリント基板に形成され、前記電解コンデンサから電源を供給されて光源を点灯させる点灯回路と、
前記プリント基板を収納するケースと、放熱パッドと、
を備え、
前記第1スイッチング素子または前記第1ダイオードの少なくとも一方は、前記電解コンデンサの正極または負極からの距離が平面視での前記電解コンデンサの半径以内の領域と、平面視で重なり、
前記点灯回路は第2スイッチング素子と第2ダイオードとを有し、
前記放熱パッドは、前記第2スイッチング素子および前記第2ダイオードと前記ケースとの間に設けられ、前記第1スイッチング素子および前記第1ダイオードと前記ケースとの間には設けられないことを特徴とする点灯装置。
【請求項12】
前記光源と、
請求項1から1の何れか1項に記載の点灯装置と、
を備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
点灯装置では、平滑用のコンデンサとして電解コンデンサを使用する場合がある。しかし、低温環境下で点灯装置が使用されると、電解コンデンサの電解液が凍結することがある。これにより、電解コンデンサの等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)が上昇し、過電圧が発生する可能性があった。
【0003】
特許文献1には、電解コンデンサが昇圧チョッパ回路の出力側に接続された点灯装置が開示されている。制御部は、温度測定部によって測定された使用温度が基準温度未満となる場合、温度測定部の測定値が基準温度以上となる通常時に比べて昇圧チョッパ回路の出力を低下させる。これにより、低温環境下で電解コンデンサのESRが上昇することによって発生する過電圧を低減している。また、特許文献1には、昇圧チョッパ回路が昇圧動作を行うことによって部品が発熱し、電解コンデンサの温度が上昇することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-76288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、電解コンデンサを暖める部品の配置については考慮されていない。部品の配置によっては電解コンデンサに十分に熱が伝わらない可能性がある。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、電解コンデンサに効率よく熱を伝えることができる点灯装置および照明装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の開示に係る点灯装置は、プリント基板と、該プリント基板の裏面に設けられた第1スイッチング素子と、該プリント基板の裏面に設けられた第1ダイオードと、該プリント基板の上面に設けられた電解コンデンサと、を有し、該第1スイッチング素子のオンオフにより該電解コンデンサの両端に電圧を発生させる電源回路と、該プリント基板に形成され、該電解コンデンサから電源を供給されて光源を点灯させる点灯回路と、を備え、該第1スイッチング素子または該第1ダイオードの少なくとも一方は、平面視で該電解コンデンサと重なり、該電源回路は、コイルと、該電解コンデンサと並列に接続されたフィルムコンデンサとを有し、該電解コンデンサは、該プリント基板の長手方向で該コイルと該フィルムコンデンサに挟まれる。
【0008】
第2の開示に係る点灯装置は、プリント基板と、該プリント基板の裏面に設けられた第1スイッチング素子と、該プリント基板の裏面に設けられた第1ダイオードと、該プリント基板の上面に設けられた電解コンデンサと、を有し、該第1スイッチング素子のオンオフにより該電解コンデンサの両端に電圧を発生させる電源回路と、該プリント基板に形成され、該電解コンデンサから電源を供給されて光源を点灯させる点灯回路と、を備え、該第1スイッチング素子または該第1ダイオードの少なくとも一方は、該電解コンデンサの正極または負極からの距離が平面視での該電解コンデンサの半径以内の領域と、平面視で重なり、該電源回路は、コイルと、該電解コンデンサと並列に接続されたフィルムコンデンサとを有し、該電解コンデンサは、該プリント基板の長手方向で該コイルと該フィルムコンデンサに挟まれる。
第3の開示に係る点灯装置は、プリント基板と、該プリント基板の裏面に設けられた第1スイッチング素子と、該プリント基板の裏面に設けられた第1ダイオードと、該プリント基板の上面に設けられた電解コンデンサと、を有し、該第1スイッチング素子のオンオフにより該電解コンデンサの両端に電圧を発生させる電源回路と、該プリント基板に形成され、該電解コンデンサから電源を供給されて光源を点灯させる点灯回路と、該プリント基板を収納するケースと、を備え、該第1スイッチング素子または該第1ダイオードの少なくとも一方は、平面視で該電解コンデンサと重なり、該点灯回路は第2スイッチング素子と第2ダイオードとを有し、該第1スイッチング素子と該第1ダイオードは該ケースと離れ、該第2スイッチング素子と該第2ダイオードは該ケースと接する。
第4の開示に係る点灯装置は、プリント基板と、該プリント基板の裏面に設けられた第1スイッチング素子と、該プリント基板の裏面に設けられた第1ダイオードと、該プリント基板の上面に設けられた電解コンデンサと、を有し、該第1スイッチング素子のオンオフにより該電解コンデンサの両端に電圧を発生させる電源回路と、該プリント基板に形成され、該電解コンデンサから電源を供給されて光源を点灯させる点灯回路と、該プリント基板を収納するケースと、放熱パッドと、を備え、該第1スイッチング素子または該第1ダイオードの少なくとも一方は、該電解コンデンサの正極または負極からの距離が平面視での該電解コンデンサの半径以内の領域と、平面視で重なり、該点灯回路は第2スイッチング素子と第2ダイオードとを有し、該放熱パッドは、該第2スイッチング素子および該第2ダイオードと該ケースとの間に設けられ、該第1スイッチング素子および該第1ダイオードと該ケースとの間には設けられない。

【発明の効果】
【0009】
本発明に係る点灯装置では、発熱部品である第1スイッチング素子または第1ダイオードを電解コンデンサの近傍に配置する。従って、電解コンデンサに効率よく熱を伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る照明装置の回路ブロック図である。
図2】実施の形態1に係る点灯装置の斜視図である。
図3】実施の形態1に係るプリント基板の下面図である。
図4】実施の形態1の変形例に係るプリント基板の下面図である。
図5】実施の形態1に係るプリント基板の斜視図である。
図6】実施の形態1に係るプリント基板の平面図である。
図7】実施の形態1に係る点灯装置の断面図である。
図8】実施の形態1の第1の変形例に係る下ケースの断面図である。
図9】実施の形態1の第2の変形例に係る点灯装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態に係る点灯装置および照明装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0012】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置50の回路ブロック図である。照明装置50は、LEDモジュール11および点灯装置1を備える。
【0013】
点灯装置1の入力側には、外部電源ACが接続されている。点灯装置1は、外部電源ACから電力を供給され、光源11aを点灯させる。外部電源ACは、例えば商用電源等の交流電源である。なお、点灯装置1は、直流電源に接続されていてもよい。点灯装置1に直流電源を接続する場合、後述する整流回路DBは不要となる。
【0014】
点灯装置1の出力側には、LEDモジュール11が接続される。LEDモジュール11は複数の光源11aを有する。光源11aは、例えばLED等の発光素子である。LEDモジュール11において、複数の光源11aは直列に接続されている。これに限らず、複数の光源11aは、並列または直並列に接続されても良い。また、LEDモジュール11は光源11aを1つ以上有すれば良い。
【0015】
また、点灯装置1に外部ユニット12を接続することで、LEDモジュール11の調光制御を行うことができる。
【0016】
点灯装置1は、整流回路DB、電源回路13、点灯回路14、制御装置15及びインタフェース回路16を備える。整流回路DBは、外部電源ACの交流電力を整流する。
【0017】
電源回路13は、PFC(Power Factor Correction)回路である。電源回路13は力率改善回路とも呼ばれる。電源回路13は整流回路DBの出力に接続される。電源回路13は、整流回路DBで整流された脈流電圧を昇圧し、電解コンデンサC2に予め定められた直流高電圧を充電する。電源回路13は、例えば昇圧チョッパ回路等の昇圧回路である。電源回路13は、第1スイッチング素子Q1のオンオフにより電解コンデンサC2の両端に電圧を発生させるスイッチング電源回路である。
【0018】
電源回路13において、整流回路DBの出力と並列に抵抗R1、R2の直列回路が接続される。抵抗R1、R2の接続点は、制御装置15に接続される。制御装置15は、例えばマイコンである。制御装置15は電源回路13および点灯回路14を制御する。抵抗R1、R2は、電源回路13への入力電圧を分圧する分圧回路を形成する。電源回路13への入力電圧は、抵抗R1、R2で分圧され、制御装置15が有する電圧検出部15aに入力される。これにより、制御装置15は電源回路13への入力電圧を検出する。
【0019】
電源回路13において、整流回路DBと並列にコンデンサC1が接続される。また、電源回路13はコイルL1を備える。コイルL1の一端は、整流回路DBの出力の高電位側と接続される。コイルL1の他端には、第1スイッチング素子Q1のドレインおよび第1ダイオードD1のアノードが接続される。
【0020】
第1スイッチング素子Q1は例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。第1スイッチング素子Q1のソースは、抵抗R21の一端に接続される。抵抗R21の他端は電解コンデンサC2の負極に接続される。第1スイッチング素子Q1のゲートは駆動回路13aに接続される。第1ダイオードD1のカソードは、電解コンデンサC2の正極に接続される。
【0021】
電解コンデンサC2の負極は、整流回路DBの出力の低電位側に接続される。電解コンデンサC2と並列に、抵抗R3、R4の直列回路が接続される。抵抗R3、R4の接続点は、制御装置15に接続される。
【0022】
電源回路13の出力電圧は、電解コンデンサC2に充電される。抵抗R3、R4は、電源回路13の出力電圧を分圧する分圧回路を形成する。電解コンデンサC2の両端電圧は、抵抗R3、R4で分圧され、制御装置15が有する制御部15bに入力される。制御装置15は記憶装置15fを有する。記憶装置15fには予め定められた電圧目標値が記憶されている。制御部15bは、電源回路13の出力電圧が電圧目標値と一致するように、第1スイッチング素子Q1をオンオフするスイッチング信号を出力する。
【0023】
ここで、一般にマイコンの出力電圧はMOSFETの駆動電圧よりも小さい。このため、制御部15bからのスイッチング信号は駆動回路13aに入力される。駆動回路13aはスイッチング信号に応じて、第1スイッチング素子Q1をオンオフする。これにより、安定なスイッチングを実現できる。
【0024】
また、抵抗R21の一端は制御装置15に接続される。抵抗R21には、第1スイッチング素子Q1を流れる電流に対応する電圧が印加される。抵抗R21に印加される電圧は、制御装置15が有する電流検出部15cに入力される。これにより、制御装置15は第1スイッチング素子Q1を流れる電流を検出する。
【0025】
また、電源回路13は電解コンデンサC2と並列に接続されたフィルムコンデンサC3を備える。なお、コイルL1に代えて、トランスを用いても良い。昇圧チョッパ回路に2次巻線を備えたトランスを用いることにより、ゼロ電流を検出する電流検出回路を設けることができる。
【0026】
電解コンデンサC2には点灯回路14が接続される。点灯回路14は、電解コンデンサC2から電力が供給されて光源11aを点灯させる。点灯回路14は、例えばバックコンバータ回路等の降圧回路である。点灯回路14において、電解コンデンサC2の正極には、第2スイッチング素子Q2のドレインが接続される。第2スイッチング素子Q2は、例えばMOSFETである。第2スイッチング素子Q2のソースには、第2ダイオードD2のカソードおよびコイルL2の一端が接続される。第2スイッチング素子Q2のゲートは、駆動回路14aに接続される。
【0027】
第2ダイオードD2のアノードには、電解コンデンサC2の負極および抵抗R7の一端が接続される。コイルL2の他端には、コンデンサC4の正極が接続される。コンデンサC4の負極には抵抗R7の他端が接続される。また、抵抗R7の他端は、制御装置15に接続される。コンデンサC4と並列にLEDモジュール11が接続される。点灯回路14の出力電圧は、コンデンサC4で平滑され、LEDモジュール11に供給される。
【0028】
抵抗R7に印加される電圧は、LEDモジュール11を流れる電流に対応する。LEDに流れる電流は、抵抗R7にて電圧に変換され、制御装置15が有する制御部15dに入力される。制御部15dは、抵抗R7に印加される電圧を検出する。記憶装置15fには予め定められた電流目標値が記憶されている。制御部15dは、抵抗R7に印加される電圧が電流目標値と一致するように、第2スイッチング素子Q2をオンオフするスイッチング信号を出力する。第1スイッチング素子Q1と同様に、制御部15dは駆動回路14aを介して、第2スイッチング素子Q2をオンオフする。これにより、光源11aは定電流制御で点灯する。
【0029】
また、コンデンサC4と並列に、抵抗R5、R6の直列回路が接続される。抵抗R5、R6の接続点は、制御装置15に接続される。抵抗R5、R6は、点灯回路14の出力電圧を分圧する分圧回路を形成する。点灯回路14の出力電圧は、抵抗R5、R6で分圧され、制御装置15が有する電圧検出部15eに入力される。これにより、制御装置15は点灯回路14の出力電圧を検出する。
【0030】
また、制御装置15は通信制御部15gを備える。通信制御部15gは、インタフェース回路16を介して外部ユニット12と双方向通信を行う。通信制御部15gは、インタフェース回路16を介し、外部ユニット12からの通信信号を受信する。制御装置15は通信信号に応じて調光制御を行う。また、通信制御部15gは、インタフェース回路16を介し、外部ユニット12に信号を送信する。
【0031】
図2は、実施の形態1に係る点灯装置1の斜視図である。点灯装置1はプリント基板21を備える。電源回路13および点灯回路14はプリント基板21に形成される。また、点灯装置1はプリント基板21を収納するケース20を備える。ケース20は、下ケース22及び上ケース23から構成される。プリント基板21は、図示しない絶縁シートを介して下ケース22に保持される。また、プリント基板21は、下ケース22と上ケース23に挟持される。ケース20の長手方向の両側は開口している。これにより、プリント基板21の放熱を促進できる。
【0032】
ここで、点灯装置を-40℃等の低温環境下で使用した場合、電解コンデンサの電解液が凍る場合がある。特に、LEDモジュールの消灯時には、点灯装置の温度が低下し易い。一般に、電解コンデンサの電解液が凍ると、電解液が凍結していないときと比較して電解コンデンサのコンデンサ容量が低くなる。また、電解コンデンサの等価直列抵抗の値が大きくなる。
【0033】
このため、昇圧チョッパ回路が動作したときに、電解コンデンサに充電される電荷量が少なくなる。この状態で点灯回路がLEDモジュールに電流を供給すると、電解コンデンサの電荷が減少し易く、電解コンデンサの電圧が低下し易い。従って、電解コンデンサの電圧低下を補うために、昇圧チョッパ回路は出力電圧を高めようとする。
【0034】
このように、電解コンデンサC2の電解液が凍結すると、昇圧チョッパ回路の動作時における電解コンデンサの電圧が大きく振動する場合がある。この結果、点灯装置を構成する部品に定格電圧よりも大きい電圧が印加されるおそれがある。また、点灯回路がLEDモジュールを安定して点灯させることができないおそれがある。
【0035】
本実施の形態では、電解コンデンサC2と並列にフィルムコンデンサC3が設けられる。一般にフィルムコンデンサC3は、-40℃等の低温環境下でも凍結しない。従って、低温時の電解コンデンサC2のインピーダンスを下げることができる。また、電解コンデンサC2の容量低下を補うことができる。
【0036】
図3は、実施の形態1に係るプリント基板21の下面図である。図3を用いて、電源回路13の発熱部品を電解コンデンサC2の近傍に配置する構成について説明する。電源回路13を構成する回路部品のうち、第1ダイオードD1及び第1スイッチング素子Q1は発熱部品である。第1スイッチング素子Q1と第1ダイオードD1は、プリント基板21の裏面に設けられる。また、電解コンデンサC2は、プリント基板21の上面に設けられる。図3では、便宜上、電解コンデンサC2の位置が破線で示されている。
【0037】
発熱部品をプリント基板21の裏面に配置することで、プリント基板21の上面に実装される電解コンデンサC2と発熱部品とのプリント基板21の上面に沿った方向の距離を近づけることができる。つまり、第1ダイオードD1及び第1スイッチング素子Q1を電解コンデンサC2の近傍に配置することができる。従って、電解コンデンサC2に効率よく熱を伝えることができ、電解コンデンサC2の凍結を防止できる。
【0038】
プリント基板21の裏面には、第1~第5導体パターン41~45が設けられる。第1導体パターン41には、パッド41a、41bが設けられる。パッド41aには、第1ダイオードD1のアノード端子が接合材によって接合される。また、パッド41bには、第1スイッチング素子Q1のドレイン端子が接合材によって接合される。接合材は例えばはんだである。第1スイッチング素子Q1のドレイン端子と第1ダイオードD1のアノード端子は、同じ方向を向く。
【0039】
第2導体パターン42にはパッド42aが設けられる。パッド42aには、第1スイッチング素子Q1のソース端子が接合材によって接合される。第3導体パターン43にはパッド43aが設けられる。パッド43aには、第1スイッチング素子Q1のゲート端子が接合材によって接合される。
【0040】
また、第1スイッチング素子Q1のソース端子およびゲート端子はリード状であり、ドレイン端子は平板状である。本実施の形態では、第1スイッチング素子Q1のドレイン端子のパッド41bが、ソース端子およびゲート端子のパッド42a、43aよりも大きい。これにより、第1スイッチング素子Q1から放熱し易くできる。従って、第1スイッチング素子Q1からの伝熱によって、電解コンデンサC2の電解液の解凍を促進させることができる。
【0041】
第4導体パターン44には、第1ダイオードD1のカソード端子が配置されるパッド44bが設けられる。パッド44bには、第1ダイオードD1のカソード端子が接合材によって接合される。第4導体パターン44と重なる位置には、電解コンデンサC2の正極が配置されるパッドが設けられる。プリント基板21の上面では、第4導体パターン44はレジスタで覆われている。
【0042】
ランド44aには、電解コンデンサC2の正極C2aのリード端子が挿入される。これにより、第1ダイオードD1のカソード端子と電解コンデンサC2の正極C2aとが電気的に接続される。
【0043】
本実施の形態では、第4導体パターン44を大きく設ける。第4導体パターン44は、電解コンデンサC2の直下を通って、第1ダイオードD1のカソード端子と電解コンデンサC2の正極C2aとを電気的に接続する。これにより、第1ダイオードD1の熱を電解コンデンサC2に効率よく伝えることができる。
【0044】
また、第1ダイオードD1のアノード端子はリード状であり、カソード端子は平板状である。本実施の形態では、第1ダイオードD1のカソード端子のパッド44bがアノード端子のパッド41aよりも大きい。第1ダイオードD1のカソード端子が接合されるパッド44bの面積を大きくすることで、第1ダイオードD1の熱を電解コンデンサC2に効率よく伝えることができる。
【0045】
第5導体パターン45は接地用パターンである。ランド45aには電解コンデンサC2の負極C2bのリード端子が挿入される。これにより、電解コンデンサC2の負極C2bと接地用端子が電気的に接続される。
【0046】
電解コンデンサC2は、平面視で第1スイッチング素子Q1と第1ダイオードD1に挟まれる。これにより、発熱部品からの熱を電解コンデンサC2に効率よく伝えることができる。
【0047】
また、第1スイッチング素子Q1と第1ダイオードD1はチップ部品である。チップ部品は、一般にディスクリート部品よりも小型である。このため、第1スイッチング素子Q1と第1ダイオードD1を、ディスクリート部品よりも電解コンデンサC2に近づけて配置することができる。
【0048】
また、第1スイッチング素子Q1のパッケージは、第1ダイオードD1のパッケージよりも平面視での面積が小さい。このとき、第1スイッチング素子Q1のパッケージの中心を、第1ダイオードD1のパッケージの中心よりも電解コンデンサC2の近くに配置できる。上述したように、第4導体パターン44により第1ダイオードD1の熱を電解コンデンサC2に効率よく伝えることができる。第1スイッチング素子Q1が第1ダイオードD1よりも電解コンデンサC2の近くに配置されることで、平面視での面積が小さい第1スイッチング素子Q1の熱を第1ダイオードD1と同等に電解コンデンサC2に伝えることができる。
【0049】
また、第1スイッチング素子Q1と第1ダイオードD1は、平面視で電解コンデンサC2と重なる。第1スイッチング素子Q1のパッケージ若しくは端子および第1ダイオードD1のパッケージ若しくは端子は、平面視で少なくとも一部が電解コンデンサC2と重なる。このように、電解コンデンサC2、第1ダイオードD1及び第1スイッチング素子Q1を配置することにより、第1ダイオードD1及び第1スイッチング素子Q1が発する熱を電解コンデンサC2に伝わり易くできる。
【0050】
従って、低温環境下で電解コンデンサC2の電解液が凍結した場合に、電解コンデンサC2の温度上昇を促進でき、電解コンデンサC2の電解液の解凍を促進させることができる。これにより、電解コンデンサC2から目標とする電圧を早期に出力することができる。また、電解コンデンサC2の電解液の凍結を防止できる。
【0051】
図4は、実施の形態1の変形例に係るプリント基板21の下面図である。図3に示される配置に代えて、第1スイッチング素子Q1と第1ダイオードD1は、電解コンデンサC2の正極C2aまたは負極C2bからの距離が平面視での電解コンデンサC2の半径以内の領域と、平面視で重なるように設けられても良い。図4では説明のため、中心が電解コンデンサC2の正極C2aであり、半径が平面視での電解コンデンサC2の半径である仮想円61が示されている。第1スイッチング素子Q1と第1ダイオードD1は、平面視で仮想円61と重なる。このような配置によっても、第1ダイオードD1及び第1スイッチング素子Q1が発する熱を電解コンデンサC2に伝わり易くできる。
【0052】
なお、一般に電解コンデンサを高温環境化で使用すると、寿命が短くなるおそれがある。このため、電解コンデンサC2には、長寿命の部品グレードを選択することが望ましい。
【0053】
次に、プリント基板21の上面側において、電解コンデンサC2近傍の空気を逃げにくくする構成について、図5、6を用いて説明する。図5は、実施の形態1に係るプリント基板21の斜視図である。図6は、実施の形態1に係るプリント基板21の平面図である。
【0054】
電解コンデンサC2は、プリント基板21の長手方向の中央部に設けられる。図2で示したように、ケース20の長手方向の両端部では、開口によってプリント基板21から放熱され易い。これに対し、プリント基板21の長手方向の中央付近では、プリント基板21は下ケース22及び上ケース23に覆われ、熱が逃げにくい。従って、電解コンデンサC2の温度の低下を抑制できる。
【0055】
プリント基板21の上面には、コイルL1とフィルムコンデンサC3が設けられる。電解コンデンサC2は、プリント基板21の長手方向でコイルL1とフィルムコンデンサC3に挟まれる。フィルムコンデンサC3は、プラスチック製のパッケージを有する。
【0056】
更にプリント基板21の上面には、抵抗R21が配置される。抵抗R21は電解コンデンサC2に隣接して設けられる。抵抗R21はコイルL1と電解コンデンサC2の間に配置される。抵抗R21は金属皮膜抵抗であり、ディスクリート部品である。抵抗R21は第1スイッチング素子Q1と直列に接続された発熱部品である。
【0057】
コイルL1、フィルムコンデンサC3および抵抗R21は、電解コンデンサC2の中心からの距離が平面視での電解コンデンサC2の半径の2倍以内の領域と平面視で重なる。図6には説明のため、中心が電解コンデンサC2の中心であり、半径が電解コンデンサC2の半径の2倍である仮想円62が示されている。コイルL1、フィルムコンデンサC3および抵抗R21は、仮想円62と平面視で重なる。
【0058】
本実施の形態では、コイルL1及びフィルムコンデンサC3が電解コンデンサC2を囲む。従って、発熱部品により暖められた電解コンデンサC2近傍の空気を逃げにくくすることができる。また、抵抗R21を電解コンデンサC2の近傍に配置することで、抵抗R21が発する熱を電解コンデンサC2に伝わり易くできる。これにより、低温環境下で電解コンデンサC2の電解液が凍結しても、電解コンデンサC2の電解液の解凍を促進させることができる。また、電解コンデンサC2の電解液の凍結を防止できる。
【0059】
次に、点灯装置1の放熱について説明する。図7は、実施の形態1に係る点灯装置1の断面図である。下ケース22はプリント基板21に向かって突出する複数の凸部22aを有する。複数の凸部22aは、第2スイッチング素子Q2、第2ダイオードD2および制御装置15に対応する位置にそれぞれ設けられる。複数の凸部22aは、第2スイッチング素子Q2、第2ダイオードD2および制御装置15とそれぞれ接する。また、第1スイッチング素子Q1と第1ダイオードD1の下には、凸部22aは設けられない。図8は、実施の形態1の第1の変形例に係る下ケース22の断面図である。複数の凸部22aは、図8に示されるように、板金をプレスして形成されても良い。
【0060】
従って、第1スイッチング素子Q1と第1ダイオードD1はケース20と離れ、第2スイッチング素子Q2、第2ダイオードD2および制御装置15はケース20と接する。本実施の形態では、制御装置15、第1ダイオードD1以外のダイオード、第1スイッチング素子Q1以外のスイッチング素子等の発熱部品が、下ケース22と接する。これにより、放熱が促進される。従って、常温環境下での発熱部品および電解コンデンサC2の温度上昇を抑制できる。
【0061】
一方、第1ダイオードD1及び第1スイッチング素子Q1は、ケース20と接していない。このため、第1ダイオードD1及び第1スイッチング素子Q1からの熱が下ケース22に伝わることを抑制できる。従って、第1ダイオードD1及び第1スイッチング素子Q1からの熱を、効率よく電解コンデンサC2に伝えることができる。
【0062】
図9は、実施の形態1の第2の変形例に係る点灯装置1の断面図である。凸部22aに代えて点灯装置1は放熱パッド70を備えても良い。放熱パッド70は下ケース22の上面に貼られる。放熱パッド70は、第2スイッチング素子Q2、第2ダイオードD2および制御装置15と下ケース22との間に設けられる。また、放熱パッド70は、第1スイッチング素子Q1および第1ダイオードD1と下ケース22との間には設けられない。
【0063】
この構成によっても、常温環境下での発熱部品および電解コンデンサC2の温度上昇を抑制しつつ、低温環境下で第1ダイオードD1及び第1スイッチング素子Q1からの熱を効率よく電解コンデンサC2に伝えることができる。
【0064】
本実施の形態の変形例として、第1スイッチング素子Q1または第1ダイオードD1の少なくとも一方が、平面視で電解コンデンサC2と重なっても良い。同様に、第1スイッチング素子Q1または第1ダイオードD1の少なくとも一方が、電解コンデンサC2の正極C2aまたは負極C2bからの距離が平面視での電解コンデンサC2の半径以内の領域と、平面視で重なっても良い。この場合にも、発熱部品が電解コンデンサC2の近傍に設けられることで、電解コンデンサC2に効率よく熱を伝えることができる。
【0065】
また、点灯装置1は例えば光源一体型照明に用いられても良い。照明装置50が点灯装置1を備えることにより、-40℃等の低温環境下で照明装置50が使用された場合にも、電解コンデンサC2の電解液の解凍を促進させることができる。従って、照明装置50を安定して点灯させることができる。
【0066】
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 点灯装置、11 LEDモジュール、11a 光源、12 外部ユニット、13 電源回路、14 点灯回路、15 制御装置、16 インタフェース回路、20 ケース、21 プリント基板、22 下ケース、22a 凸部、23 上ケース、41 第1導体パターン、42 第2導体パターン、43 第3導体パターン、44 第4導体パターン、45 第5導体パターン、50 照明装置、70 放熱パッド、AC 外部電源、C1、C4 コンデンサ、C2 電解コンデンサ、C2a 正極、C2b 負極、C3 フィルムコンデンサ、D1 第1ダイオード、D2 第2ダイオード、DB 整流回路、L1、L2 コイル、Q1 第1スイッチング素子、Q2 第2スイッチング素子、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R21 抵抗
図1
図2
図3
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図6
図7
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図9