(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】避難誘導システム
(51)【国際特許分類】
G08B 5/00 20060101AFI20230307BHJP
A62B 3/00 20060101ALI20230307BHJP
G09F 13/02 20060101ALI20230307BHJP
G09F 13/04 20060101ALI20230307BHJP
F21S 9/02 20060101ALI20230307BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230307BHJP
【FI】
G08B5/00 C
A62B3/00 B
G09F13/02
G09F13/04
F21S9/02 110
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019021975
(22)【出願日】2019-02-08
【審査請求日】2021-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】篠田 健吾
(72)【発明者】
【氏名】今▲吉▼ ちづる
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2010-0000252(KR,A)
【文献】特開昭63-189998(JP,A)
【文献】特開2008-310965(JP,A)
【文献】特開平07-153577(JP,A)
【文献】特開2004-186091(JP,A)
【文献】特開平06-044807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 5/00
A62B 3/00
G09F 13/00
F21S 9/00
F21Y 115/10
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
避難口の位置を示す誘導表示器と、
前記誘導表示器とは別個に設けられ、前記誘導表示器から電力を供給され非常状態を報知する報知器と、
を備え、
前記誘導表示器は電力出力部を備え、
前記報知器は、前記電力出力部から非接触で電力の供給を受ける電力入力部を有することを特徴とする避難誘導システム。
【請求項2】
前記誘導表示器は、
バッテリと、
外部電源から電力を供給され前記バッテリを充電する回路ユニット部と、
を備え、
前記バッテリから、または、前記外部電源から前記回路ユニット部を介して、前記報知器に電力が供給されることを特徴とする請求項1に記載の避難誘導システム。
【請求項3】
前記誘導表示器は、
避難口の位置を示す表示部と、
前記バッテリから電力を供給され、または、前記外部電源から前記回路ユニット部を介して電力を供給され、前記表示部を照らす光源部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の避難誘導システム。
【請求項4】
前記誘導表示器は、前記バッテリと、前記回路ユニット部と、を有する本体部を備え、
前記光源部は、前記本体部が取り付けられる被取付面に沿って前記本体部に差し込まれることで、前記本体部に取り付けられることを特徴とする請求項3に記載の避難誘導システム。
【請求項5】
前記誘導表示器と前記報知器の一方には凹部が設けられ、
前記誘導表示器と前記報知器の他方には凸部が設けられ、
前記凹部と前記凸部が嵌合することで、前記電力出力部と前記電力入力部は対向することを特徴とする請求項
1から4の何れか1項に記載の避難誘導システム。
【請求項6】
前記誘導表示器と前記報知器にはそれぞれ位置合わせマークが設けられ、
前記位置合わせマークに基づき前記誘導表示器に対する前記報知器の位置を合わせることで、前記電力出力部と前記電力入力部は対向することを特徴とする請求項
1から5の何れか1項に記載の避難誘導システム
。
【請求項7】
前記電力出力部は、前記誘導表示器のうち前記報知器と隣接する端部に設けられ、
前記電力入力部は、前記報知器のうち前記誘導表示器と隣接する端部に設けられ、
前記電力出力部と前記電力入力部は対向することを特徴とする請求項
1から
6の何れか1項に記載の避難誘導システム。
【請求項8】
前記報知器は、発光により非常状態を報知する発光部を備えることを特徴とする請求項1から
7の何れか1項に記載の避難誘導システム。
【請求項9】
前記報知器は、音声により非常状態を報知する音声発生器を備えることを特徴とする請求項1から
8の何れか1項に記載の避難誘導システム。
【請求項10】
前記報知器は、
発光により非常状態を報知する発光部と、
音声により非常状態を報知する音声発生器と、
を備え、
前記発光部と前記音声発生器とは別個に設けられ、
前記電力出力部は、前記発光部に電力を供給する第1電力出力部と、前記音声発生器に電力を供給する第2電力出力部と、を有することを特徴とする請求項
1から
7の何れか1項に記載の避難誘導システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、避難誘導システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、避難口の場所および方向を知らせるためのキセノンランプユニットと、誘導音声ユニットを有する誘導灯器具が開示されている。非常時にはスピーカからの音声とキセノンランプの点滅によって誘導を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、キセノンランプユニットと誘導音声ユニットとが一体となっている。このため、誘導灯器具が大型化し、重量が嵩むおそれがある。従って、器具を天井などに設置する場合は、施工が困難となる可能性があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、容易に施工できる避難誘導システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る避難誘導システムは、避難口の位置を示す誘導表示器と、該誘導表示器とは別個に設けられ、該誘導表示器から電力を供給され非常状態を報知する報知器と、を備え、該誘導表示器は電力出力部を備え、該報知器は、該電力出力部から非接触で電力の供給を受ける電力入力部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る避難誘導システムでは、誘導表示器と報知器を別個に構成する。このため、誘導表示器と報知器をそれぞれ設置すればよく、大型の器具を天井等に設置するよりも容易に施工できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る避難誘導システムの正面図および平面図である。
【
図2】実施の形態1に係る誘導表示器の正面図および平面図である。
【
図3】実施の形態1に係る本体部の正面図および平面図である。
【
図4】実施の形態1に係る誘導表示器の分解斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係る報知器から化粧カバーを外した状態を示す3面図である。
【
図7】実施の形態1に係る避難誘導システムの回路ブロック図である。
【
図8】実施の形態1に係る避難誘導システムから表示部と化粧カバーを外した状態を示す正面図および平面図である。
【
図9】実施の形態1の第1の変形例に係る誘導表示器の分解斜視図である。
【
図10】実施の形態1の第2の変形例に係る避難誘導システムの正面図である。
【
図11】実施の形態1の第3の変形例に係る避難誘導システムの正面図である。
【
図12】実施の形態1の第3の変形例に係る避難誘導システムの回路ブロック図である。
【
図13】実施の形態1の第4の変形例に係る避難誘導システムの正面図である。
【
図14】実施の形態1の第5の変形例に係る誘導表示器と報知器の側面図である。
【
図15】実施の形態1の第6の変形例に係る避難誘導システムの斜視図である。
【
図16】実施の形態1の第6の変形例に係る報知器の斜視図である。
【
図17】実施の形態1の第6の変形例に係る避難誘導システムが天井に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図18】実施の形態1の第6の変形例に係る報知器が天井に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係る避難誘導システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る避難誘導システム10の正面図および平面図である。避難誘導システム10は、避難口の位置を示す誘導表示器100と、非常状態を報知する報知器200とを備える。誘導表示器100は、誘導灯、表示灯、避難口誘導標識とも呼ばれる。報知器200は、誘導表示器100とは別個に設けられ、誘導表示器100に近接配置される。報知器200は、音声および光の点滅により非常時に避難誘導を行う。
【0011】
図2は、実施の形態1に係る誘導表示器100の正面図および平面図である。誘導表示器100は、本体部110と、表示部130と、光源部140を備える。表示部130は避難口の位置を示す。表示部130は本体部110に取り付けられる。光源部140は表示部130の上方に設けられ、表示部130を照らす。また、光源部140は表示部130を発光させても良い。光源部140は光源として例えばLEDを有する。光源部140は、表示部130に当接するように本体部110に取り付けられる。本体部110には、収容部材が収容されている。
【0012】
図3は、実施の形態1に係る本体部110の正面図および平面図である。
図4は、実施の形態1に係る誘導表示器100の分解斜視図である。本体部110は、周枠部111と、底板部112とを有する。周枠部111には、ローレットナット118により天井取付金具117が取り付けられる。底板部112には取付穴116が設けられる。取付穴116は壁取付用のノックアウト穴である。天井取付金具117および取付穴116は、天井または壁などの被取付部に本体部110を取り付けるための取付機構である。
【0013】
また、底板部112には、収容部材を取り付ける部品取付機構113が設けられる。部品取付機構113は周枠部111に設けられても良い。
図3、
図4では、部品取付機構113によってバッテリ122が保持されている。
【0014】
また、周枠部111および底板部112には、電源穴114、115がそれぞれ設けられる。電源穴114、115は電源線を本体部110内部に通すために設けられる。電源穴114は天井取付用のノックアウト穴である。電源穴115は壁取付用のノックアウト穴である。
【0015】
本体部110に収容される収容部材は、回路ユニット部121と、バッテリ122と、端子台123と、電力を外部に出力する電力出力部124を含む。バッテリ122は、例えば蓄電池である。バッテリ122は、停電などの災害時に避難誘導システム10を動作させるために設けられる。バッテリ122は、電線および蓄電池コネクタ122aを介して回路ユニット部121に接続される。
【0016】
端子台123は、電線を介して回路ユニット部121に接続される。また、端子台123には、外部から引き込まれた電源線が接続される。電力出力部124は、回路ユニット部121に接続され、電力を外部に出力する。電力出力部124は、例えば非接触給電用のコイルである。
【0017】
なお、回路ユニット部121は、バッテリ122または光源部140の寿命が尽きていないかを点検するための点検機能を有しても良い。誘導表示器100は、回路ユニット部121に点検を実施させるための点検スイッチ125を有しても良い。また、誘導表示器100は、リモコンにより操作されても良い。誘導表示器100は、リモコン受光部126を有しても良い。また、回路ユニット部121はリセットスイッチ121aを有しても良い。リセットスイッチ121aは、例えば非常状態からの復帰時等に回路ユニット部121を初期化するために用いられる。
【0018】
図5は、実施の形態1に係る報知器200の3面図である。
図6は、実施の形態1に係る報知器200から化粧カバー220を外した状態を示す3面図である。報知器200は、本体ケース210と、本体ケース210に取り付けられる化粧カバー220と、報知回路部230と、発光部240と、音声発生器250と、電力入力部260とを備える。報知回路部230と、発光部240と、音声発生器250と、電力入力部260は本体ケース210に内蔵される。音声発生器250は、この実施の形態では例えばスピーカである。なお、音声発生器250はピエゾ素子などであっても良い。
【0019】
化粧カバー220には開口222が設けられる。発光部240は、開口222から突出する。また、化粧カバー220には複数の開口221が設けられる。複数の開口221は、音声発生器250と重なる位置に設けられる。
【0020】
報知器200において、発光部240と音声発生器250とを近接配置すると良い。これにより、報知器200を小型化できる。また、発光部240と音声発生器250は、本体ケース210のうち化粧カバー220と対向する主面に配置される。これに限らず、発光部240と音声発生器250の一方を本体ケース210のうち化粧カバー220と対向する主面に配置し、他方を本体ケース210の側面に配置しても良い。
【0021】
また、発光部240は光源としてLEDを有しても良い。一般に、キセノンランプをスピーカの近傍に配置すると、キセノンランプの点滅時にスピーカが出力する音声に雑音が重畳されるおそれがある。光源としてLEDを用いることで、光源の点滅時に発生する雑音を低減できる。従って、発光部240をスピーカの近くに設置できる。
【0022】
図7は、実施の形態1に係る避難誘導システム10の回路ブロック図である。誘導表示器100において、回路ユニット部121は、端子台123および電源線を介して、外部電源ACから電力を供給される。外部電源ACは例えばAC100Vの商用電源である。回路ユニット部121は、外部電源ACを電力変換して、バッテリ122を充電する。回路ユニット部121は、例えば交流電源を直流電源に変換する。また、回路ユニット部121は、光源部140に電力を供給して点灯させる。また、回路ユニット部121は、外部電源ACが供給されないときは、バッテリ122から電力供給を受けて動作し、光源部140を点灯させる。
【0023】
このように、光源部140は、バッテリ122から電力を供給され、または、外部電源ACから回路ユニット部121を介して電力を供給され、表示部130を照らす。これにより、外部電源ACの供給の有無によらず、光源部140により表示部130を照らすことができる。
【0024】
また、回路ユニット部121は、外部電源ACから電力を供給され、電力出力部124から報知器200に電力を供給する。また、回路ユニット部121は、外部電源ACが供給されないときは、バッテリ122から電力を供給され、電力出力部124から報知器200に電力を供給する。
【0025】
報知器200は、誘導表示器100から電力を供給され非常状態を報知する。電力入力部260は、電力出力部124から非接触で電力の供給を受ける。電力入力部260は例えば非接触給電用のコイルである。
【0026】
発光部240、音声発生器250および電力入力部260は、報知回路部230に接続される。報知回路部230は、電力入力部260を介し、誘導表示器100から電力を供給される。発光部240は、報知回路部230を介して電力入力部260から電力を供給され、発光により非常状態を報知する。音声発生器250は、報知回路部230を介して電力入力部260から電力を供給され、音声により非常状態を報知する。
【0027】
図8は、実施の形態1に係る避難誘導システム10から表示部130と化粧カバー220を外した状態を示す正面図および平面図である。電力出力部124は、誘導表示器100のうち報知器200と隣接する端部に設けられる。また、電力入力部260は、報知器200のうち誘導表示器100と隣接する端部に設けられる。電力出力部124と電力入力部260は対向する。これにより、電力出力部124から電力入力部260に効率よく給電できる。
【0028】
次に、誘導表示器100と報知器200の設置方法について説明する。まず、本体部110の取付機構を被取付部にネジなどで固定する。被取付部は例えば天井面または壁面である。次に、電源穴114または電源穴115に電源線を通して、電源線を本体部110の内部に引き込む。電源穴114、115は電源線挿入口である。次に、電源線を端子台123に接続する。
【0029】
このあと、本体部110に表示部130および光源部140をこの順で取り付ける。避難誘導システム10が天井に取り付けられる場合、光源部140は、本体部110が取り付けられる被取付面に沿って本体部110に差し込まれることで、本体部110に取り付けられる。これにより、本体部110が天井に取り付けられた状態でも光源部140を容易に取り付けできる。
【0030】
次に、本体部110と隣り合うように、報知器200の本体ケース210を被取付部に取り付ける。この際、電力入力部260と電力出力部124とが電気的または電磁気的に結合するように、誘導表示器100と本体ケース210とを近接させる。次に、本体ケース210に化粧カバー220を取り付ける。なお、化粧カバー220は予め本体ケース210に取り付けられていても良い。
【0031】
本実施の形態では、誘導表示器100と報知器200とを別体として分けている。このため、誘導表示器100と報知器200とが一体化された器具よりも、誘導表示器100と報知器200を小さくできる。また、誘導表示器100と報知器200とが一体化された器具よりも、誘導表示器100と報知器200とを軽くできる。このため、軽量の誘導表示器100と報知器200とをそれぞれ被取付部に取り付ければ良く、避難誘導システム10を容易に施工できる。
【0032】
特に、報知器200は誘導表示器100から電力を供給され動作する。このため、報知器200にバッテリを内蔵する必要が無く、報知器200の構成部品を削減できる。従って、報知器20の小型化、軽量化および低コスト化が可能となる。また、誘導表示器100から報知器200に非接触で電力を供給するため、報知器200を電源線に接続する必要がない。さらに、誘導表示器100と報知器200とを電線で接続する必要がない。従って、報知器200を容易に取り付けられる。
【0033】
なお、本実施の形態では、バッテリ122から、または、外部電源ACから回路ユニット部121を介して、報知器200に電力が供給される。報知器200は、常用時には外部電源ACから回路ユニット部121を介して電力を供給され動作する。また、報知器200は、非常時にはバッテリ122から回路ユニット部121を介して電力を供給され動作する。なお、非常時においても外部電源ACからの給電が可能であれば、外部電源ACから回路ユニット部121を介して、報知器200に電力が供給されても良い。
【0034】
報知器200は、常用時には発光部240を一定の明るさで点灯させても良い。また、報知器200は、停電時には発光部240を点滅させても良い。また、報知器200は、常用時には音声発生器250を動作させず、非常時には音声発生器250から避難を促す音声を発生させても良い。
【0035】
また、誘導表示器100は、非常時にのみ報知器200に電力を供給しても良い。この場合、報知器200は非常時のみに動作する。つまり、報知回路部230は、電力供給を受けると発光部240を点滅動作させ、音声発生器250から音声を出力させる。このため、報知器200は常用時と非常時とを判別する必要がない。従って、報知回路部230の回路構成および制御を簡易にできる。
【0036】
また、誘導表示器100は、一般に、常用時においても表示部130を照らすことが必要とされる場合がある。本実施の形態では、誘導表示器100が外部電源ACから給電を受ける。このため、常用時は外部電源ACからの給電により、光源部140の点灯状態を維持できる。一方で、常用時に動作する必要がない報知器200は、外部電源ACから給電されない。これにより、誘導表示器100の機能を維持しつつ、報知器200を小型化できる。
【0037】
また、一般に表示部130は、一定の大きさを有する必要がある。このため、誘導表示器100では、表示部130の大きさに律速されて小型化が制限される場合がある。このような事情から、
図3に示されるように、本体部110の内部に余剰なスペースが発生することがある。余剰なスペースが存在する誘導表示器100に、外部電源ACから給電を受ける回路ユニット部121およびバッテリ122を配置することで、スペースを有効に活用できる。また、本体部110の余剰なスペースに電力出力部124を配置できる。このため、電力出力部124を設けたことによる誘導表示器100の大型化を抑制できる。
【0038】
図9は、実施の形態1の第1の変形例に係る誘導表示器100aの分解斜視図である。
図9に示されるように、本体部110の余剰なスペースを削減するように、誘導表示器100aを小型化しても良い。
【0039】
図10は、実施の形態1の第2の変形例に係る避難誘導システム10aの正面図である。本実施の形態では、報知器200が発光部240と音声発生器250の両方を備える場合について説明したが、いずれか一方のみを備えても良い。避難誘導システム10aは、誘導表示器100と報知器200aを備える。報知器200aは、発光部240を備え、音声発生器250を備えない。これにより、報知器200aをさらに小型化できる。
【0040】
図11は、実施の形態1の第3の変形例に係る避難誘導システム10bの正面図である。避難誘導システム10bは、誘導表示器100bと、報知器200bとを備える。報知器200bは、第1報知器201bと第2報知器202bから構成される。第1報知器201bと第2報知器202bは、別個に設けられる。第1報知器201bは発光部240を備える。第2報知器202bは音声発生器250を備える。また、第1報知器201bと第2報知器202bは、それぞれ誘導表示器100bと近接して設置される。
【0041】
図12は、実施の形態1の第3の変形例に係る避難誘導システム10bの回路ブロック図である。誘導表示器100bは、発光部240に電力を供給する第1電力出力部124aと、音声発生器250に電力を供給する第2電力出力部124bとを有する。
【0042】
第1報知器201bは、第1電力入力部261と、第1回路部231と、発光部240を備える。第1回路部231は、第1電力入力部261を介して第1電力出力部124aから電力を供給され、発光部240を点灯させる。
【0043】
第2報知器202bは、第2電力入力部262と、第2回路部232と、音声発生器250を備える。第2回路部232は、第2電力入力部262を介して第2電力出力部124bから電力を供給され、音声発生器250から音声を出力させる。
【0044】
第3の変形例では、第1報知器201bと第2報知器202bをさらに小型化できる。また、第1報知器201bと第2報知器202bの一方を選択して使用することで、避難誘導システム10bの機能を目的に応じて変更できる。
【0045】
図13は、実施の形態1の第4の変形例に係る避難誘導システム10cの正面図である。避難誘導システム10cは、誘導表示器100cと報知器200cとを備える。なお、
図13では説明のため、誘導表示器100cと報知器200cとが離れた状態で示されている。誘導表示器100cのうち周枠部111の報知器200cと隣接する側面には、凸部111aが設けられる。報知器200cのうち本体ケース210の誘導表示器100cと隣接する側面には、凹部210aが設けられる。
【0046】
凹部210aと凸部111aが嵌合することで、電力出力部124と電力入力部260は対向する。凹部210aと凸部111aは、電力入力部260から電力出力部124への給電の効率が最も高くなるように位置が調節されている。これにより、電力入力部260から電力出力部124へ効率良く給電できる。これに限らず、誘導表示器100cと報知器200cの一方に凹部が設けられ、他方に凹部と嵌合する凸部が設けられれば良い。
【0047】
図14は、実施の形態1の第5の変形例に係る誘導表示器100dと報知器200dの側面図である。上述の凹部210aと凸部111aに代えて、位置合わせマーク111b、210bを設けても良い。誘導表示器100dのうち周枠部111の報知器200dと隣接する側面には、位置合わせマーク111bが設けられる。報知器200dのうち本体ケース210の誘導表示器100dと隣接する側面には、位置合わせマーク210bが設けられる。
【0048】
位置合わせマーク111b、210bに基づき誘導表示器100dに対する報知器200dの位置を合わせることで、電力出力部124と電力入力部260は対向する。これにより、電力入力部260から電力出力部124へ効率良く給電できる。
【0049】
また、電力入力部260は、電力出力部124から有線で電力の供給を受けても良い。
【0050】
図15は、実施の形態1の第6の変形例に係る避難誘導システム10eの斜視図である。
図16は、実施の形態1の第6の変形例に係る報知器200eの斜視図である。
図17は、実施の形態1の第6の変形例に係る避難誘導システム10eが天井300に取り付けられた状態を示す斜視図である。
図18は、実施の形態1の第6の変形例に係る報知器200eが天井300に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【0051】
避難誘導システム10eは、誘導表示器100と報知器200eを備える。避難誘導システム10eは天井埋込形誘導灯器具である。避難誘導システム10eにおいて、報知器200eは誘導表示器100の上方に設けられる。報知器200eは天井300に埋め込まれる。誘導表示器100は天井300から下方に突出する。
【0052】
報知器200eは、本体ケース210eと、板部211eと、発光部240eを備える。本体ケース210eは天井300に埋め込まれる。板部211eは本体ケース210eの下面に設けられ、天井300から露出する。発光部240eは、板部211eの下面に設けられ、天井300から露出し、下方を照らす。誘導表示器100は、板部211eの下面に取り付けられる。
【0053】
避難誘導システム10eでは、報知器200eが天井300に埋め込まれることで、意匠性を向上できる。また、避難誘導システム10eが設置される空間において、避難誘導システム10eが占有するスペースを低減できる。
【0054】
音声発生器250は、発光部240eの隣に配置されても良い。また、音声発生器250はピエゾ素子を有しても良い。これにより、表示部130から音声が出力されるようにしても良い。この場合、スピーカが天井300から露出する構成と比較して、意匠性を向上できる。
【0055】
また、発光部240eにLEDを採用することで、発光部240eを小型化できる。これにより、発光部240eの配置の自由度が向上する。例えば点滅用の発光部240eを、表示部130の下方において床方向を照射するように配置しても良い。
【0056】
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0057】
10、10a、10b、10c、10e 避難誘導システム、20 報知器、100、100a、100b、100c、100d 誘導表示器、110 本体部、111 周枠部、111a 凸部、111b 位置合わせマーク、112 底板部、113 部品取付機構、114、115 電源穴、116 取付穴、117 天井取付金具、118 ローレットナット、121 回路ユニット部、121a リセットスイッチ、122 バッテリ、122a 蓄電池コネクタ、123 端子台、124 電力出力部、124a 第1電力出力部、124b 第2電力出力部、125 点検スイッチ、126 リモコン受光部、130 表示部、140 光源部、200、200a、200b、200c、200d、200e 報知器、201b 第1報知器、202b 第2報知器、210 本体ケース、210a 凹部、210b 位置合わせマーク、210e 本体ケース、211e 板部、220 化粧カバー、221、222 開口、230 報知回路部、231 第1回路部、232 第2回路部、240、240e 発光部、250 音声発生器、260 電力入力部、261 第1電力入力部、262 第2電力入力部、300 天井、AC 外部電源