(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】位置検出装置
(51)【国際特許分類】
G01B 7/00 20060101AFI20230307BHJP
G01D 5/12 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
G01B7/00 101H
G01D5/12 B
(21)【出願番号】P 2019563021
(86)(22)【出願日】2018-12-18
(86)【国際出願番号】 JP2018046439
(87)【国際公開番号】W WO2019131295
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】P 2017251018
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【氏名又は名称】原田 卓治
(72)【発明者】
【氏名】須山 佑貴
(72)【発明者】
【氏名】菊井 佑樹
【審査官】眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-032155(JP,A)
【文献】特開2014-020922(JP,A)
【文献】特開2017-045190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 7/00-7/34
G01D 5/00-5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部への操作に伴い直線的に移動する被検出体と、
前記被検出体が接近したとき接近検出信号を出力し、前記被検出体が離間したとき離間検出信号を出力する複数の検出素子と、を有する位置検出装置であって、
前記複数の検出素子は、単数または複数の前記検出素子が列方向に並べられた素子列が複数列にわたって配置され、前記被検出体が前記列方向に直交する方向に沿って第1の位置から第2の位置に移動したときには前記複数の検出素子のうち前記接近検出信号と前記離間検出信号の間で出力する信号が切り替わる前記検出素子の数が3つ以上となるように配置され、前記第2の位置においては互いに隣り合う少なくとも3列の前記素子列の前記検出素子に前記接近検出信号を出力させ
、
前記複数列のうち第1列には前記検出素子として第1および第2の検出素子が配置され、
前記複数列のうち第2列には前記検出素子として第3の検出素子が配置され、
前記複数列のうち第3列には前記検出素子として第4および第5の検出素子が配置され、
前記複数列のうち第4列には前記検出素子として第6の検出素子が配置され、
前記被検出体は、前記第1の位置(A)にあるときには前記第1列に並ぶ前記第1および第2の検出素子から前記接近検出信号を出力させ、前記第2の位置(B又はC)にあるときには前記第1列、前記第2列及び前記第3列に並ぶ前記検出素子又は前記第2列、前記第3列及び前記第4列に並ぶ前記検出素子から前記接近検出信号を出力させる、
ことを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
操作部への操作に伴い直線的に移動する被検出体と、
前記被検出体が接近したとき接近検出信号を出力し、前記被検出体が離間したとき離間検出信号を出力する複数の検出素子と、を有する位置検出装置であって、
前記複数の検出素子は、単数または複数の前記検出素子が列方向に並べられた素子列が複数列にわたって配置され、前記被検出体が前記列方向に直交する方向に沿って第1の位置から第2の位置に移動したときには前記複数の検出素子のうち前記接近検出信号と前記離間検出信号の間で出力する信号が切り替わる前記検出素子の数が3つ以上となるように配置され、前記第2の位置においては互いに隣り合う少なくとも3列の前記素子列の前記検出素子に前記接近検出信号を出力させ
、
前記複数の検出素子のうち第1グループに属する検出素子は、前記接近検出信号をHi信号として出力し、前記離間検出信号をLo信号として出力し、
前記複数の検出素子のうち第2グループに属する検出素子は、前記接近検出信号をLo信号として出力し、前記離間検出信号をHi信号として出力する、
ことを特徴とす
る位置検出装置。
【請求項3】
前記複数列のうち第5列には前記検出素子として第7および第8の検出素子が配置され、
前記被検出体は、前記第2の位置(B)にあるときには前記第1列、前記第2列及び前記第3列に並ぶ前記検出素子から前記接近検出信号を出力させ、前記第2の位置(B)に隣接する第3の位置(C)にあるときには前記第2列、前記第3列及び前記第4列に並ぶ前記検出素子から前記接近検出信号を出力させ、前記第3の位置(C)に隣接する第4の位置(D)にあるときには前記第3列、前記第4列及び前記第5列に並ぶ前記検出素子から前記接近検出信号を出力させ、前記第4の位置(D)に隣接する第5の位置(E)にあるときには前記第5列に並ぶ前記第7および第8の検出素子から前記接近検出信号を出力させる、
ことを特徴とする請求項
1に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記複数列の前記素子列は、前記第1列から前記第5列の前記検出素子が配置され、
前記被検出体は、前記第1の位置(A)にあるときには前記第1列に並ぶ前記検出素子から前記接近検出信号を出力させ、前記第1の位置(A)に隣接する第2の位置(B)にあるときには前記第1列、前記第2列及び前記第3列に並ぶ前記検出素子から前記接近検出信号を出力させ、前記第2の位置(B)に隣接する第3の位置(D)にあるときには前記第3列、前記第4列及び前記第5列に並ぶ前記検出素子から前記接近検出信号を出力させ、前記第3の位置(D)に隣接する第4の位置(E)にあるときには前記第5列に並ぶ前記検出素子から前記接近検出信号を出力させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記複数列の前記素子列は、前記第1列から前記第5列の前記検出素子が配置され、
前記被検出体は、前記第1の位置(B)にあるときには前記第1列、前記第2列及び前記第3列に並ぶ前記検出素子から前記接近検出信号を出力させ、前記第1の位置(B)に隣接する第2の位置(C)にあるときには前記第2列、前記第3列及び前記第4列に並ぶ前記検出素子から前記接近検出信号を出力させ、前記第2の位置(C)に隣接する第3の位置(D)にあるときには前記第3列、前記第4列及び前記第5列に並ぶ前記検出素子から前記接近検出信号を出力させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記第1グループに属する検出素子と前記第2グループに属する検出素子は、それぞれ異なる電源から電力を受ける、
ことを特徴とする請求項
2に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記第1グループには、第2の検出素子、第4の検出素子、第5の検出素子及び第8の検出素子が属し、
前記第2グループには、第1の検出素子、第3の検出素子、第6の検出素子及び第7の検出素子が属する、ことを特徴とする請求項
2又は6に記載の位置検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の位置検出装置として、移動する被検出体の位置を、被検出体が有する磁石の磁場変化を利用して検出するものがある。この種の位置検出装置として、特許文献1には、車両のシフト装置におけるシフト位置を検出するポジションセンサ(位置検出装置)が開示されている。
【0003】
特許文献1に係るポジションセンサでは、被検出体(シフトレバー)に磁石を設け、被検出体のシフト位置にホール素子などの磁気検出素子を設けて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているポジションセンサでは、1つまたは2つの磁気検出素子を1つの素子列とし、略直線的に複数の素子列を配列しており、例えば5ポジションの検出のため、6列の素子列が配列されているため、ポジションセンサ自体が大きくなり、車両などへの取り付けの自由度が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、コンパクトに構成でき、車両などへの取り付けの自由度が高い位置検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る位置検出装置は、
操作部への操作に伴い直線的に移動する被検出体と、
前記被検出体が接近したとき接近検出信号を出力し、前記被検出体が離間したとき離間検出信号を出力する複数の検出素子と、を有する位置検出装置であって、
前記複数の検出素子は、単数または複数の前記検出素子が列方向に並べられた素子列が複数列にわたって配置され、前記被検出体が前記列方向に直交する方向に沿って第1の位置から第2の位置に移動したときには前記複数の検出素子のうち前記接近検出信号と前記離間検出信号の間で出力する信号が切り替わる前記検出素子の数が3つ以上となるように配置され、前記第2の位置においては互いに隣り合う少なくとも3列の前記素子列の前記検出素子に前記接近検出信号を出力させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コンパクトに構成でき、車両などへの取り付けの自由度が高い位置検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る位置検出装置の概略斜視図及び被検出体の概略斜視図である。
【
図4】シフト位置と検出素子の検出の関係の説明図である。
【
図5】他の一実施形態に係る回路基板の平面図である。
【
図6】さらに他の一実施形態に係る回路基板の平面図である。
【
図7】他の一実施形態に係る回路基板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る位置検出装置を、図面を参照して説明する。
【0011】
本発明の一実施形態に係る位置検出装置100は、
図1に示すように、例えば、車両に搭載され、変速機のシフトレンジを切り替える操作部の直線的な操作に伴うシフト位置を検出する。シフト位置は、複数設けられ、例えば5つのシフト位置A,B,C,D,Eが設定されてそれぞれの位置が検出される。
【0012】
位置検出装置100は、
図1,2に示すように、被検出体10と、ホルダ20と、検出素子30と、回路基板40と、を備える。
【0013】
被検出体10は、磁石11と、磁石保持部12と、を有する。
【0014】
磁石保持部12は、例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン等の摺動性及び熱可塑性を有する樹脂材からなり、直方体状あるいは立方体状の外形に形成されている。磁石保持部12は、ホルダ20のガイド部21に沿って直線的に移動可能にホルダ20内に収容されている。ホルダ20内には、検出素子30が実装された回路基板40が磁石保持部12の移動方向に沿って平行に配置されている。ホルダ20は、被検出体10と同様の摺動性及び熱可塑性を有する樹脂材で形成されている。
磁石11は、磁石保持部12の内部に保持される。磁石11は、例えば、円柱状に形成され、径方向に着磁されている。例えば、磁石11と磁石保持部12とは、インサート成形によって一体に形成される。
磁石11は、
図3に示すように、後述する5列の素子列のうち第1のシフト位置(第1の位置)A,Eを除く第2のシフト位置(第2の位置)B,C,Dでは、3列の素子列33のすべての検出素子30に対して検出信号を出力させることができる大きさ(直径)の円柱形とされる。
【0015】
また、検出素子30の素子列33および素子行34は、磁石11による漏れ磁束などの影響を抑えるために、素子列33および素子行34上の全ての位置で、できるだけ磁界が均一となるように検出素子30を配置してある。ここで、行は図のXD方向、列はYD方向とする。また、検出素子30の素子列33および素子行34の間隔は、
図3に示すように、磁石11の各シフト位置(検出位置)A,B,C,D,Eでの検出範囲を破線の円で示したように、磁石11の移動量を最小限として第1のシフト位置A,Eから隣接する第2のシフト位置B,C,Dにそれぞれ移動する場合の距離を小さくしている。
さらに、検出素子30の配列を、1列または3列のすべての検出素子30を3行に配置して各シフト位置での磁石11の検出範囲の周縁部に検出素子30を位置させ、磁界の変化をできるだけ均一にしている。
すなわち、第1のシフト位置Aでは、操作方向の後方で第1列の検出素子30に出力させるようにし、第1のシフト位置Eでは、操作方向の前方で第5列の検出素子30に出力させるようにしている。また、第2のシフト位置B,C,Dでは、3列の検出素子30の全てが磁石11の周縁部に位置するように配置し、全ての検出素子30に出力させるようにしている。これにより、位置検出装置100のコンパクト化を図っている。
【0016】
磁石保持部12には、シフトチェンジの操作を行う際に把持する操作部(図示せず)が取り付けられる。操作部がシフトチェンジの操作によって直線的に操作されると、これに伴って、磁石11を保持した磁石保持部12(つまり、被検出体10)が直線的に各シフト位置に移動される。
これにより、被検出体10は、ホルダ20に収容された回路基板40に実装された検出素子30に対して各シフト位置に磁石11を直線的に移動することになる。
【0017】
回路基板40は、例えば、リジッド基板に各種回路を形成してなるプリント回路板から構成される。回路基板40は、
図2に示すように、平面視で長方形状などの矩形状に形成される。検出素子30は、例えば磁気センサ31で構成され、図示しない保護回路とともに、例えば、回路基板40の基板表側に実装される。
【0018】
磁気センサ31は磁石11が形成する磁場の大きさに応じた検出信号(電圧信号)を制御部50へ出力する。
磁気センサ31は、例えば、ホール素子又は磁気抵抗素子と、信号処理回路とを有する1チップのセンサIC(Integrated Circuit)32から構成されている。
この実施形態では、
図2,3に示すように、センサIC(磁気センサ)32は、8個のセンサIC32-1~32-8で構成され、1個乃至複数個のセンサIC32を1つの素子列33として5列の素子列33-1~33-5で構成され、被検出体10の5つのシフト位置A,B,C,D,Eに応じて回路基板40に実装されている。保護回路は、抵抗、コンデンサ及び回路基板40に形成された図示しない配線パターンから構成され、センサIC32などを過電流などから保護する。
検出素子30の8個のセンサIC32による5列の素子列33の配列及び、これによって検出する5つのシフト位置A~Eで、隣接するシフト位置への移動に対し、少なくとも3つのセンサIC32の出力信号を変化させる(ハミング距離3としている)。
なお、これらについての詳細は、後述する。
【0019】
制御部50は、検出素子30を構成するセンサIC32-1~32-8の各々から検出信号を取得し、取得した検出信号に基づき、磁石11を有する被検出体10の位置、つまり、シフト位置を検出する。制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、回路基板40と、例えば、車両内に配設されたECU(Electronic Control Unit)と導通接続して構成される。なお、制御部50は、回路基板40の裏側に実装されていても良い。
【0020】
制御部50は、例えば、以下のようにして被検出体10の位置(シフト位置)を検出する。
検出素子30を構成するセンサIC32-1~32-8の各々からは、磁石11の位置に応じた検出電圧が出力される。これらの検出電圧は、例えば、図示しないコンパレータに入力されて予め定められた閾値電圧と比較される。
センサIC32からは、検出電圧が閾値電圧以上Hiの場合にはオン信号(1)が制御部50に出力される。つまり、オン信号(1)を出力するセンサIC32はオン状態となる。
また、検出電圧が閾値電圧より小さいLoの場合には制御部50にオフ信号(0)が出力される。つまり、オフ信号(0)を出力するセンサICはオフ状態となる。
制御部50は、各センサIC32-1~32-8のオン状態(1)またはオフ状態(0)の組み合わせと、シフト位置A,B,C,D,Eの各位置とを対応付けて構成したテーブルを予めROM内に記憶しており、当該テーブルを参照して、各センサIC32-1~32-8から取得したオン信号(1)又はオフ信号(0)に応じたシフト位置A~Eを特定する。
このように、シフト位置を特定した制御部50は、特定したシフト位置に応じた指示を車両側に与え、当該指示に応じて車両の変速機のシフトレンジが切り替えられる。
【0021】
この実施形態では、検出素子30を構成する8個のセンサIC32-1~32-8は、
図3に示すように、5列の素子列33-1~33-5に配列されており、操作部の操作方向に沿って第1列33-1、第2列33-2、第3列33-3、第4列33-4及び第5列33-5が配列されている。
また、8個のセンサIC32-1~32-8は、列33と直交する第1行34-1、第2行34-2、第3行34-3の3つの行34に配列されている。
【0022】
さらに、8個のセンサIC32-1~32-8は、
図4に示すように、グループXのX-1~X-4とグループYのY-5~Y-8の2つのグループX,Yに属するものに分けて配列されている。
2つのグループX,Yは、第1グループXに属するセンサIC32と第2グループYに属するセンサIC32は、それぞれ異なる電源から電力を受けるように構成される。これにより、一方のグループのセンサIC32への電力の供給を行う電源が故障しても他方のグループのセンサIC32での検出が可能となり、位置検出装置100の機能を確保することができる。
8個のセンサIC32-1~32-8とグループX,YのセンサIC X-1~X-4,Y-5~Y-8の関係は、第1グループXには、第2のセンサIC32-2(=X-1)、第4のセンサIC32-4(=X-2)、第5のセンサIC32-5(=X-3)及び第8のセンサIC32-8(=X-4)が属し、第2グループYには、第1のセンサIC32-1(=Y-5)、第3のセンサIC32-3(=Y-6)、第6のセンサIC32-6(=Y-7)及び第7のセンサIC32-7(=Y-8)が属する。
また、第2列33-2と第4列33-4をそれぞれ1個のセンサIC32とし、グループYのY-6,Y-7とする一方、第3列33-3の2個のセンサIC32を両方ともグループXのX-2,X-3としているので、グループXまたはグループYの上記の2個のセンサIC32の動作状態の変化からどちらのグループの電源が故障しているかを判定することができる。
【0023】
また、2つのグループX,Yは、複数のセンサIC32のうち第1グループXに属するセンサIC32は、検出信号(接近検出信号)をHi信号としてオン信号を出力し、検出信号(離間検出信号)をLo信号として出力し、複数のセンサIC32のうち第2グループYに属するセンサIC32は、検出信号(接近検出信号)をLo信号として出力し、検出信号(離間検出信号)をHi信号として出力するように分けられる。すなわち、検出信号の閾値のHiとLoを逆に設定してあり、グループXに属する4個のセンサIC32(X-1~X-4)は、磁石11が位置することによりHi信号によりオン信号を出力し、グループYに属する4個のセンサIC32(Y-5~Y-8)は、磁石が位置することによりLo信号によりオン信号を出力する。これにより、センサICの故障などを2つのグループX,Yのいずれに属するかを制御部50で判定することで、故障したセンサIC32を判別することに利用できる。
【0024】
次に、検出素子30を構成するセンサIC32の配列について具体的に説明する。
(第1列)
第1列33-1の素子列には、第1のセンサIC32-1と第2のセンサIC32-2の2個が操作方向と直交する行方向に配列されている。第1列33-1の素子列には、第1のセンサIC32-1が第2行34-2に配列され、第2のセンサICが第1行34-1にそれぞれ配列されることで、2行に配列されている。第1行34-1と第2行34-2とは、
図3に示すように、磁石11の中心を通る操作方向を挟んで配置されている。
また、
図4に示すように、第1のセンサIC32-1がグループYに属してY-5を構成し、第2のセンサIC32-2がグループXに属してX-1を構成している。
【0025】
(第2列)
第2列33-2の素子列には、第3のセンサIC32-3の1個が操作方向と直交する行方向に配列されている。この第3のセンサIC32-3は、第1列33-1の素子列の2個の第1のセンサIC32-1と第2のセンサIC32-2とは異なる3行目の第3行34-3に配列されている。第3行34-3は、
図3に示すように、磁石11の検出範囲の操作方向と直交する外縁部(
図3での上方部)に配置されており、磁界の変化を均一にできるようにしてある。
第3のセンサIC32-3は、グループYに属し、Y-6を構成する。
【0026】
(第3列)
第3列33-3の素子列には、第4のセンサIC32-4と第5のセンサIC32-5の2個が操作方向と直交する行方向に配列されている。第3列33-3の素子列の第4のセンサIC32-4は、第1列33-1の第1のセンサIC32-1と同一の第2行34-2に配列され、第5のセンサIC32-5が第1列33-1の第2のセンサIC32-2と同一の第1行34-1にそれぞれ配列されることで、2行に配列されている。
また、
図4に示すように、第4のセンサIC32-4がグループXに属してX-2を構成し、第5のセンサIC32-5もグループXに属してX-3を構成している。
【0027】
(第4列)
第4列33-4の素子列には、第6のセンサIC32-6の1個が操作方向と直交する行方向に配列されている。この第6のセンサIC32-6は、第1列33-1の素子列の2個の第1のセンサIC32-1と第2のセンサIC32-2とは異なり、第2列の第3のセンサIC32-3と同一の3行目の第3行34-3に配列されている。
第6のセンサIC32-6は、
図4に示すように、グループYに属し、Y-7を構成する。
【0028】
(第5列)
第5列33-5の素子列には、第7のセンサIC32-7と第8のセンサIC32-8の2個が操作方向と直交する行方向に配列されている。第5列33-5の素子列には、第7のセンサIC32-7が第2行34-2に配列され、第8のセンサIC32-8が第1行34-1にそれぞれ配列されることで、2行に配列されている。
また、
図4に示すように、第7のセンサIC32-7がグループYに属してY-8を構成し、第8のセンサIC32-8がグループXに属してX-4を構成している。
【0029】
(シフト位置A,E)
磁石11が設けられた被検出体10は、第1の位置であるシフト位置Aでは、
図3に示すように、第1列33-1のセンサIC32に検出信号を出力させる。すなわち、第1の位置であるシフト位置Aでは、第1列33-1の2個の第1のセンサIC32-1(Y-5)と第2のセンサIC32-2(X-1)に検出信号を出力させる。
この第1の位置は、シフト位置Eであっても同様であり、第5列33-5の2個の第7のセンサIC32-7(Y-8)と第8のセンサIC32-8(X-4)に検出信号を出力させる。
【0030】
(シフト位置B)
第1のシフト位置から第2のシフト位置に移動したときには、第2のシフト位置B,C,Dにおいては、互いに隣り合う少なくとも3列の素子列33のセンサIC32に検出信号を出力させる。
すなわち、第2のシフト位置Bにおいては、第1列33-1、第2列33-2、第3列33-3の5個の磁気センサ31に検出信号を出力させる。つまり、第1のセンサIC32-1(Y-5)、第2のセンサIC32-2(X-1)、第3のセンサIC32-3(Y-6)、第4のセンサIC32-4(X-2)、第5のセンサIC32-5(X-3)の5個のセンサIC32の3列5個に検出信号を出力させる。
【0031】
(シフト位置C)
第2のシフト位置Cにおいては、第2列33-2、第3列33-3、第4列33-4のセンサIC32に検出信号を出力させ、第3のセンサIC32-3~第6のセンサIC32-6の4個のセンサIC32に検出信号を出力させる。つまり、第3のセンサIC32-3(Y-6)、第4のセンサIC32-4(X-2)、第5のセンサIC32-5(X-3)、第6のセンサIC32-6(Y-7)の3列4個に検出信号を出力させる。
【0032】
(シフト位置D)
第2のシフト位置Dにおいては、第3列33-3、第4列33-4,第5列33-5のセンサIC32に検出信号を出力させ、第4のセンサIC32-4~第8のセンサIC32-8の5個の磁気センサ31に検出信号を出力させる。つまり、第4のセンサIC32-4(X-2)、第5のセンサIC32-5(X-3)、第6のセンサIC32-6(Y-7)、第7のセンサIC32-7(Y-8)、第8のセンサIC32-8(X-4)の3列5個に検出信号を出力させる。
【0033】
このような検出素子30を8個のセンサIC32-1~32-8で構成し、5列の素子列33-1~33-5に配列することにより、第1のシフト位置A,Eから第2のシフト位置B,C,Dに移動したときには、複数のセンサIC32のうち検出信号が切り替わるセンサIC32の数が3つ(ハミング距離3)以上となるように配置されている。
【0034】
次に、各シフト位置A~Eでの隣接するシフト位置への変化とセンサIC32の出力信号の関係について、
図4に基づき具体的に説明する。なお、
図4では、横の行の1~4は、グループXの検出素子であるセンサIC X-1~X-4を示し、横の行の5~8は、グループYの検出素子であるセンサIC Y-5~Y-8を示す。また、グループXでは、検出信号が1の場合が検出状態のオンを示し、グループYでは検出信号が0の場合が検出状態のオンを示す。
【0035】
(シフト位置AからBへ)
シフト位置Aでは、被検出体10の磁石11が第1列33-1上にのみ位置し、第1列33-1のセンサIC X-1がオン(1)となり、センサIC Y-5がオン(0)となる。
このシフト位置AからBに操作されると、磁石11が第1列33-1に加えた第2列33-2及び第3列33-3上に位置する。
これにより、第3列33-3の2つのセンサIC X-2,X-3がオン(1)に変化し、第2列33-2のセンサIC Y-6がオン(0)に変化する。
これにより、シフト位置Aから隣接するシフト位置Bに操作されると、センサIC X-2,X-3及びY-6の3つの検出信号が変化し、シフト位置Bを検出することができる。
このシフト位置Bの検出の際は、3つセンサIC32の検出信号が変化することで、例え3個のうち1個のセンサIC32が故障しても残りの2個のセンサIC32でシフト位置Bを検出することができる。
【0036】
(シフト位置BからCへ)
このシフト位置BからCに操作されると、磁石11が第1列33-1上から離間し、第2列33-2及び第3列33-3に加えて第4列33-4上に位置する。すると、第1列33-1のセンサIC X-1がオフ(0)に変化し、センサIC Y-5がオフ(1)に変化する。また、第4列33-4のセンサIC Y-7がオン(0)となる。
これにより、シフト位置Bから隣接するシフト位置Cに操作されると、センサIC X-1,Y-5及びY-7の3つのセンサIC32の検出信号が変化し、シフト位置Cを検出することができる。このシフト位置Cの検出の際は、3つのセンサIC32の検出信号が変化することで、例え3個のうち1個のセンサIC32が故障しても残りの2個のセンサIC32でシフト位置Cを検出することができる。
【0037】
(シフト位置CからDへ)
このシフト位置CからDに操作されると、磁石11が第2列33-2上から離間し、第3列33-3及び第4列33-4に加えて第5列33-5上に位置する。すると、第2列33-2のセンサIC Y-6がオフ(1)に変化する。また、第5列33-5のセンサIC Y-8がオン(0)となり、センサIC X-4がオン(1)に変化する。
これにより、シフト位置Cから隣接するシフト位置Dに操作されると、センサIC X-4,Y-6及びY-8の3つの検出信号が変化し、シフト位置Dを検出することができる。このシフト位置Dの検出の際は、3つのセンサIC32の検出信号が変化することで、例え3個のうち1個のセンサIC32が故障しても残りの2個のセンサIC32でシフト位置Dを検出することができる。
【0038】
(シフト位置DからEへ)
このシフト位置Dからシフト位置Eに操作されると、磁石11が第3列33-3及び第4列33-4上から離間し、第5列33-5上にのみ位置する。すると、第3列33-3のセンサIC X-2及びX-3がオフ(0)に変化し、第4列33-4のセンサIC Y-7がオフ(1)に変化する。また、第5列33-5のセンサIC Y-8がオン(0)となり、センサIC X-4がオン(1)となる。
これにより、シフト位置Dから隣接するシフト位置Eに操作されると、センサIC X-2,X-3及びY-7の3つの検出信号が変化し、シフト位置Eを検出することができる。このシフト位置Eの検出の際は、3つのセンサIC32の検出信号が変化することで、例え3個のセンサIC32のうち1個のセンサIC32が故障しても残りの2個のセンサIC32でシフト位置Eを検出することができる。
なお、シフト位置Eを第1のシフト位置として逆方向に操作する場合も同様にして各シフト位置A~Eを検出することができる。
以上のようにして位置検出装置100では、5つのシフト位置A~Eを検出することができる。
【0039】
次に、位置検出装置100で、4つのシフト位置を検出する場合について説明する。
4つのシフト位置の検出では、上記の5つのシフト位置A~Eのうち、両端部のシフト位置A,またはEを使用しないことで、4つのシフト位置A,B,C,Dまたは、シフト位置B,C,D,Eとして検出することができ、
図4に示したように、3つのセンサIC32の変化によって4つのシフト位置をそれぞれ検出することができる。
また、5つのシフト位置の検出の場合と同様に、例え3個のセンサIC32のうち1個のセンサIC32が故障しても残りの2個のセンサIC32で4つの各シフト位置を検出することができる。
【0040】
4つのシフト位置を検出する場合に、
図5に示すように、5つのシフト位置A~Eのうちシフト位置Cを除くシフト位置A,B,D,Eを用いて構成することができる。
この場合には、シフト位置AからB及びシフト位置Dからシフト位置Eへの検出は、既に説明した
図3及び
図4の場合と同一であるので、重複する説明は、省略する。
(シフト位置BからDへ)
シフト位置Bで磁石11が位置していた第1列33-1及び第2列33-2から磁石11が離間するとともに、第3列33-3に加えて第4列33-4及び第5列33-5上に磁石11が位置する。すると、第1列33-1のセンサIC X-1がオフ(0)に変化し、センサIC Y-5がオフ(1)に変化する。また、第2列33-2のセンサIC Y-6がオフ(1)に変化する。さらに、第4列33-4のセンサIC Y-7がオン(0)となり、第5列33-5のセンサIC Y-8がオン(0)となり、センサIC X-4がオン(1)に変化する。
これにより、シフト位置Bから隣接するシフト位置Dに操作されると、センサIC X-1,X-4,Y-5、Y-6、Y-7及びY-8の6つの検出信号が変化し、シフト位置Dを検出することができる。
この場合にも6つのセンサIC32の検出信号が変化することで、例え6個のセンサIC32のうち1個のセンサIC32が故障しても残りの5個のセンサIC32でシフト位置Dを検出することができる。
以上のように、位置検出装置100で4つのシフト位置を検出する場合には、いずれの場合でもセンサIC32は、5つのシフト位置を検出する場合と同様に、5列の素子列33-1~33-5で、3行の素子行34-1~34-3の8個のセンサIC32を用いることで4つの各シフト位置を検出することができる。
【0041】
次に、位置検出装置100により3つのシフト位置を検出する場合について説明する。
3つのシフト位置は、上記のシフト位置A,B,C(またはシフト位置C,D,E)とする場合には、
図6に示すように、センサIC32を4列の素子列33-1~33-4(または素子列33-2~33-5)で構成して3つのシフト位置A,B,C(またはシフト位置C,D,E)を検出することができる。
この場合のシフト位置A,B,C(またはシフト位置C,D,E)の隣接するシフト位置への移動によるセンサIC32の出力信号の関係については、
図4で説明した通りであり、重複する説明は省略する。
この場合にも3つのセンサIC32の検出信号が変化することで、例え3個のセンサIC32のうち1個のセンサIC32が故障しても残りの2個のセンサIC32で3つの各シフト位置を検出することができる。
【0042】
また、3つのシフト位置をシフト位置A,C,Eとすることでも検出することもできるが、この場合には、
図7に示すように、それぞれのシフト位置A,C,Eにそれぞれ独立したセンサIC32を配置する場合と同様になる。
この場合にもセンサIC32でシフト位置Aからシフト位置C、あるいは、シフト位置Cからシフト位置Eへの操作に伴って6つのセンサIC32の検出信号が変化することで、例え6個のセンサIC32のうち1個のセンサIC32が故障しても残りの5個のセンサIC32で3つの各シフト位置を検出することができる。
【0043】
以上、実施形態とともに、具体的に説明したように位置検出装置100によれば、操作部への操作に伴い直線的に移動する被検出体10と、被検出体10が接近したとき検出信号(接近検出信号)を出力し、被検出体10が離間したとき検出信号(離間検出信号)を出力する複数のセンサIC(検出素子)32と、を有する位置検出装置100であって、複数のセンサIC32は、単数または複数のセンサIC32が列方向に並べられた素子列33が複数列にわたって配置され、被検出体10が列方向に直交する方向に沿って第1のシフト位置(位置)A(E)から第2のシフト位置(位置)B,C,Dに移動したときには複数のセンサIC32のうち検出信号(接近検出信号)と検出信号(離間検出信号)の間で出力する信号が切り替わるセンサIC32の数が3つ以上となるように配置され、第2のシフト位置においては互いに隣り合う少なくとも3列の素子列33のセンサIC32に検出信号(接近検出信号)を出力させる。
これにより、第2のシフト位置B,C,Dで3列のセンサIC32の検出信号を用いてシフト位置を検出するので、操作方向のセンサIC32の配列を、例えば5列として5つのシフト位置を検出することができ、操作方向の位置検出装置100の大きさをコンパクトにすることができる。
また、シフト位置の操作に伴い、センサIC32の検出信号を少なくとも3つ変化させて検出すること(ハミング距離3)ができ、例え1個のセンサIC32が故障しても残りの2つでシフト位置を検出することができる。
また、センサIC32を3行に配置すること、及び/又は磁石11を円柱形として外周縁にセンサIC32が位置するように配置してあるので、被検出体10の磁石11で漏れ磁束などの影響を回避して略均一に検出信号を検出することができ、誤検出を防止して検出精度を高めることができる。
【0044】
(シフト位置A,B,Cまたは、C,D,Eの3段を4列で構成)
また、位置検出装置100によれば、複数列の素子列33のうち第1列33-1にはセンサIC32として第1および第2のセンサIC32-1,32-2が配置され、複数列の素子列33のうち第2列33-2にはセンサIC32として第3のセンサIC32-3が配置され、複数列の素子列33のうち第3列33-3にはセンサIC32として第4および第5のセンサIC32-4,32-5が配置され、複数列の素子列33のうち第4列33-4にはセンサIC32として第6のセンサIC32-6が配置され、被検出体10は、第1のシフト位置(A)にあるときには第1列33-1に並ぶ第1および第2のセンサIC32-1,32-2から検出信号(接近検出信号)を出力させ、第2のシフト位置B又はCにあるときには第1列33-1、第2列33-2及び第3列33-3に並ぶセンサIC32-1,32-2,32-3,32-4,32-5又は第2列33-2、第3列33-3及び第4列33-4に並ぶセンサIC32-3,32-4,32-5,32-6から検出信号(接近検出信号)を出力させる。
これにより、シフト位置A,B,C又はシフト位置C,D,Eとする3つのシフト位置を4列の素子列33で構成して位置検出装置100とすることができ、操作方向の位置検出装置100の大きさをコンパクトにすることができる。
また、シフト位置の操作に伴い、センサIC32の検出信号を少なくとも3つ変化させて検出すること(ハミング距離3)ができ、例え1個のセンサIC32が故障しても残りの2つでシフト位置を検出することができる。
【0045】
(シフト位置A,B,C,D,Eの5段を5列で構成)
位置検出装置100によれば、複数列の素子列33のうち第5列33-5にはセンサIC32として第7および第8のセンサIC32-7,32-8が配置され、被検出体10は、第2のシフト位置(位置)Bにあるときには第1列33-1、第2列33-2及び第3列33-3に並ぶセンサIC32から検出信号(接近検出信号)を出力させ、第2のシフト位置Bに隣接する第3のシフト位置(位置)Cにあるときには第2列33-2、第3列33-3及び第4列33-4に並ぶセンサIC32から検出信号(接近検出信号)を出力させ、第3のシフト位置(位置)Cに隣接する第4のシフト位置(位置)Dにあるときには第3列33-3、第4列33-4及び第5列33-5に並ぶセンサIC32から検出信号(接近検出信号)を出力させ、第4のシフト位置(位置)Dに隣接する第5のシフト位置(位置)Eにあるときには第5列33-5に並ぶ第7および第8のセンサIC32-7,32-8から検出信号(接近検出信号)を出力させる。
これにより、シフト位置A,B,C,D,Eとする5つのシフト位置を5列の素子列33で構成して位置検出装置100とすることができ、操作方向の位置検出装置100の大きさをコンパクトにすることができる。
また、シフト位置の操作に伴い、センサIC32の検出信号を少なくとも3つ変化させて検出すること(ハミング距離3)ができ、例え1個のセンサIC32が故障しても残りの2つでシフト位置を検出することができる。
【0046】
(シフト位置A,B,D,Eの4段を5列で構成)
位置検出装置100によれば、複数列の素子列33は、第1列33-1から第5列33-5のセンサIC32が配置され、被検出体10は、第1のシフト位置(位置)Aにあるときには第1列33-1に並ぶセンサIC32から検出信号(接近検出信号)を出力させ、第1のシフト位置(位置)Aに隣接する第2のシフト位置(位置)Bにあるときには第1列33-1、第2列33-2及び第3列33-3に並ぶセンサIC32から検出信号(接近検出信号)を出力させ、第2のシフト位置(位置)Bに隣接する第3のシフト位置(位置)Dにあるときには第3列33-3、第4列33-4及び第5列33-5に並ぶセンサIC32から検出信号(接近検出信号)を出力させ、第3のシフト位置(位置)Dに隣接する第4のシフト位置(位置)Eにあるときには第5列33-5に並ぶセンサIC32から検出信号(接近検出信号)を出力させる。
これにより、シフト位置A,B,D,Eとする4つのシフト位置を5列の素子列33で構成して位置検出装置100とすることができ、操作方向の位置検出装置100の大きさをコンパクトにすることができる。
また、シフト位置の操作に伴い、センサIC32の検出信号を少なくとも3つ変化させて検出すること(ハミング距離3)ができ、例え1個のセンサIC32が故障しても残りの2つでシフト位置を検出することができる。
【0047】
(シフト位置B,C,Dの3段を5列で構成)
位置検出装置100によれば、複数列の素子列33は、第1列33-1から第5列33-5のセンサIC32が配置され、被検出体10は、第1のシフト位置(位置)Bにあるときには第1列33-1、第2列33-2及び第3列33-3に並ぶセンサIC32から検出信号(接近検出信号)を出力させ、第1のシフト位置(位置)Bに隣接する第2のシフト位置(位置)Cにあるときには第2列33-2、第3列33-3及び第4列33-4に並ぶセンサIC32から検出信号(接近検出信号)を出力させ、第2のシフト位置(位置)Cに隣接する第3のシフト位置(位置)Dにあるときには第3列33-3、第4列33-4及び第5列33-5に並ぶセンサIC32から検出信号(接近検出信号)を出力させる。
これにより、シフト位置B,C,Dとする3つのシフト位置を5列の素子列33で構成して位置検出装置100とすることができ、操作方向の位置検出装置100の大きさをコンパクトにすることができる。
また、シフト位置の操作に伴い、センサIC32の検出信号を少なくとも3つ変化させて検出すること(ハミング距離3)ができ、例え1個のセンサIC32が故障しても残りの2つでシフト位置を検出することができる。
【0048】
位置検出装置100によれば、複数のセンサIC32のうち第1グループXに属するセンサIC32は、検出信号(接近検出信号)をHi信号として出力し、検出信号(離間検出信号)をLo信号として出力し、複数のセンサIC32のうち第2グループYに属するセンサIC32は、検出信号(接近検出信号)をLo信号として出力し、検出信号(離間検出信号)をHi信号として出力する。
これにより、2つのグループX,YにセンサIC32を分けることで、どのグループのセンサIC32の故障であるかを2つのセンサIC32の検出信号を用いて判定することできる。
【0049】
位置検出装置100によれば、第1グループXに属するセンサIC32と第2グループYに属するセンサIC32は、それぞれ異なる電源から電力を受ける。
こうすることにより、一方の電源が故障しても他方の電源でシフト位置の検出を続けることができる。
【0050】
位置検出装置100によれば、第1グループXには、第2のセンサIC X-1、第4のセンサIC X-2、第5のセンサIC X-3及び第8のセンサIC X-4が属し、第2グループYには、第1のセンサIC Y-5、第3のセンサIC Y-6、第6のセンサIC Y-7及び第7のセンサIC Y-8が属する。
このような2つのグループX,Yに属すセンサIC32をそれぞれ第1から第8のセンサICとして配置することで、5つのシフト位置から3つのシフト位置の各シフト位置の検出をコンパクトに配置したセンサIC32で検出することができ、シフト位置の操作に伴い、センサIC32の検出信号を少なくとも3つ変化させて検出すること(ハミング距離3)ができ、例え1個のセンサIC32が故障しても残りの2つでシフト位置を検出することができる。
【0051】
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能であり、それぞれの発明を任意に組み合わせることも可能である。
【0052】
以上の実施形態では、検出素子として磁石と、磁気センサを備えたセンサICと、を用いる場合を例に説明したが、光源と光センサとによる光学式の検出素子を用いて構成することもできるなど、検出素子は、これらに限られるものではない。
【0053】
また、位置検出装置100は、被検出体10の移動に伴って変化する検出信号を利用して被検出体10の位置を検出できるものであれば、シフト位置を検出する用途に限られず、様々な用途の位置検出に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、車両用のシフトポジションセンサに利用可能である。
【符号の説明】
【0055】
100…位置検出装置
10…被検出体
11…磁石
12…磁石保持部
20…ホルダ
21…ガイド部
30…検出素子
31…磁気センサ
32…センサIC(32-1~32-8)
33…素子列
33-1…第1列(素子列)
33-2…第2列(素子列)
33-3…第3列(素子列)
33-4…第4列(素子列)
33-5…第5列(素子列)
34…素子行(34-1~34-3)
40…回路基板
50…制御部
A…シフト位置(位置)
B…シフト位置(位置)
C…シフト位置(位置)
D…シフト位置(位置)
E…シフト位置(位置)
X…第1グループ(X-1~X-4)
Y…第2グループ(Y-5~Y-8)