(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】副室式内燃機関の燃料噴射制御システム
(51)【国際特許分類】
F02D 41/02 20060101AFI20230307BHJP
F02D 41/34 20060101ALI20230307BHJP
F02D 45/00 20060101ALI20230307BHJP
F02B 19/12 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
F02D41/02
F02D41/34
F02D45/00 360A
F02D45/00 360E
F02D45/00 368S
F02B19/12 A
(21)【出願番号】P 2021509278
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(86)【国際出願番号】 JP2020012155
(87)【国際公開番号】W WO2020196205
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-08-23
(31)【優先権主張番号】P 2019061126
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177460
【氏名又は名称】山崎 智子
(72)【発明者】
【氏名】野中 一成
(72)【発明者】
【氏名】田中 大
(72)【発明者】
【氏名】城田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】井上 欣也
(72)【発明者】
【氏名】菅田 佳博
(72)【発明者】
【氏名】津田 晃弘
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 遼太
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 捷
【審査官】戸田 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特許第4458036(JP,B2)
【文献】特開2007-192204(JP,A)
【文献】特開2001-342883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 41/02
F02D 41/34
F02D 45/00
F02B 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主室と、
前記主室と隔てられ、前記主室内の燃焼の前の予備燃焼が生じる副室と、
前記主室と前記副室とを連通する連通路と、
前記主室および前記副室を含む燃焼空間に燃料を噴射する噴射部と、
前記主室に供給する空気を制御するスロットルバルブと、
前記噴射部
と前記スロットルバルブを制御する制御部と、
大気圧を検知する第1検知部と、
を備え、
前記予備燃焼は、前記連通路を介して前記主室から前記副室に導入された混合気の着火により生じ、
前記制御部は、前記噴射部により、
前記主室に前記燃料を供給する第1噴射と、
圧縮行程中に前記主室に燃料を噴射し、前記副室に前記連通路を介して前記燃料を供給する第2噴射と、
を行い、
前記制御部は、前記大気圧が高いほど
前記スロットルバルブの開度を小さくし、前記第2噴射の噴射時期を進角する、
副室式内燃機関の燃料噴射制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記副室の空燃比が前記燃焼空間の空燃比よりもリッチとなるように、前記第2噴射を行う、請求項1に記載の副室式内燃機関の燃料噴射制御システム。
【請求項3】
前記第2噴射の1サイクル当たりの噴射量は、前記第1噴射の1サイクル当たりの噴射量よりも少ない、
請求項1または2に記載の副室式内燃機関の燃料噴射制御システム。
【請求項4】
大気温度を検知する第2検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記第2噴射において、前記第2噴射の1サイクル当たりの噴射量を所定回数分に割った噴射量を前記1サイクルで前記所定回数噴射し、前記大気温度が高くなるほど、前記所定回数を減らす、請求項1から3のいずれか1項に記載の副室式内燃機関の燃料噴射制御システム。
【請求項5】
前記燃料の温度を検知する第3検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記第2噴射において、前記第2噴射の1サイクル当たりの噴射量を所定回数分に割った噴射量を前記1サイクルで前記所定回数噴射し、前記燃料の温度が高くなるほど、前記所定回数を減らす、請求項1から4のいずれか1項に記載の副室式内燃機関の燃料噴射制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記副室の圧力が前記主室の圧力よりも低くなる際に、前記第2噴射を行う、請求項1から5のいずれか1項に記載の副室式内燃機関の燃料噴射制御システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記第2噴射において、前記第2噴射の1サイクル当たりの噴射量を複数回分に割った噴射量を前記1サイクルで前記複数回噴射する、請求項1から3のいずれか1項に記載の副室式内燃機関の燃料噴射制御システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記副室式内燃機関が吸気工程である際に前記第1噴射を行い、前記副室式内燃機関が圧縮工程である際に前記第2噴射を行う、請求項1から7のいずれか1項に記載の副室式内燃機関の燃料噴射制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、副室式内燃機関の燃料噴射制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、主室(主燃焼室)およびその主室に隣接して設けられる副室(副燃焼室)を備えた副室式内燃機関が提案されている(例えば、日本国特許第4458036号公報参照)。このような副室式内燃機関では、主室に噴射された燃料から混合気が形成される。形成された混合気は、連通路を介して副室内に供給され、副室内で点火プラグによって点火される。これにより、火炎が形成される。副室内で形成された火炎は、連通路を介して主室に噴射され、主室の混合気に着火する。このように、副室で形成された火炎を主室に噴射することで、主室の燃焼速度が高まる。これによって、より希薄な空燃比での運転が可能となり、燃費が向上する。
【0003】
また、日本国特許第4458036号公報に記載された副室式内燃機関は、気筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射部を有する。この副室式内燃機関では、燃料噴射部から噴射された燃料がピストンの冠面に当たり、噴霧された燃料の微粒化が促進される。こののち、副室に混合気が供給される。
【0004】
しかし、日本国特許第4458036号公報に記載された副室式内燃機関では、主室のピストンに向けて燃料を噴射する第1噴射が行われる。このため、ピストンに付着した燃料量などを考慮して燃料が噴射される必要がある。ピストンに付着する燃料量は、主室内の燃焼状態によっても変化する。これによって、副室の空燃比を調整することが難しくなる。
【0005】
また、日本国特許第4458036号公報に記載された副室式内燃機関では、第1噴射は、吸気行程において行われ、第1噴射によって噴射される燃料の一部は、副室に供給される。しかし、副室式内燃機関では、圧縮行程においても、主室から燃料(混合気)が供給されるため、副室の空燃比がリッチになる。副室の空燃比は、副室の混合気の着火に影響する。すなわち、副室内の空燃比がリーンになると、副室の混合気への着火が悪くなり、主室に噴射する火炎に影響する。これによって、主室の燃焼速度が遅くなる。一方、副室内の空燃比がリッチになると、副室内で窒素酸化物が発生する。これによって、主室の排気浄化性能が悪化する。このように、副室式内燃機関の空燃比がリッチであってもリーンであっても、主室の燃焼は安定しない。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、副室の空燃比を安定させた副室式内燃機関の燃料噴射制御システムに関する。
【0007】
本開示の実施形態によれば、副室式内燃機関の燃料噴射制御システムは、主室と、副室と、連通路と、噴射部と、スロットルバルブと、制御部と、第1検知部と、を備える。副室は、主室と隔てられる。連通路は、主室と副室を連通する。噴射部は、主室および副室を含む燃焼空間に燃料を噴射する。スロットルバルブは、主室に供給する空気を制御する。制御部は、噴射部とスロットルバルブを制御する。第1検知部は、大気圧を検知する。副室では、主室内の燃焼の前の予備燃焼が生じ、予備燃焼は、連通路を介して主室から副室に導入された混合気の着火により生じる。制御部は、主室に燃料を供給するための第1噴射と、圧縮行程中に主室に燃料を噴射し、副室に連通路を介して燃料を供給するための第2噴射と、を噴射部により行う。制御部は、大気圧が高いほどスロットルバルブの開度を小さくし、第2噴射の噴射時期を進角する。
【0008】
この副室式内燃機関の燃料噴射制御システムでは、制御部は、燃料を主室に供給する第1噴射と、連通路を介して副室に燃料を供給する第2噴射を、燃料噴射部により行う。これによって、制御部は、副室に供給する燃料量を容易に調整する。このため、制御部は、副室の空燃比を容易に調整する。この結果、副室の空燃比が安定する。副室の空燃比が安定すると、主室の燃焼が安定する。
【0009】
制御部は、副室の空燃比が燃焼空間の空燃比よりもリッチとなるように、第2噴射を行ってもよい。
【0010】
この構成によれば、制御部が第2噴射を行うことによって、副室の空燃比が燃焼空間の空燃比よりも確実にリッチになる。より具体的には、制御部が第1噴射を行うことによって、主室に混合気が形成される。この混合気は、圧縮行程で連通路を介して副室に導入される。制御部は、この主室から副室に導入された混合気に対して燃料を供給するように、第2噴射を行う。これによって、制御部は、燃焼空間の空燃比に対して、副室の空燃比を確実にリッチに調整する。この結果、副室の着火が安定する。
【0011】
第2噴射の1サイクル当たりの噴射量は、第1噴射の1サイクル当たりの噴射量よりも少なくてもよい。
【0012】
この構成によれば、第2噴射の1サイクル当たりの噴射量が少なくなる。噴射量が少ないほど、噴射部から噴射される燃料噴霧が微粒化される。燃料噴霧が微粒化されると、副室に燃料が供給されやすい。すなわち、制御部は、副室に燃料を供給しやすい。
【0013】
副室式内燃機関の燃料噴射制御システムは、大気圧を検知する第1検知部をさらに備えてもよい。制御部は、大気圧が高いほど、第2噴射の噴射時期を進角してもよい。
【0014】
同一の副室式内燃機関の出力で比較した場合、大気圧が高いほど、主室に供給される空気の流れが弱くなる。これによって、噴射部から副室まで燃料が到達する時間が長くなる。この構成によれば、制御部は、大気圧が高いほど第2噴射の噴射時期を進角する。これにより、燃料が副室に確実に到達する。
【0015】
副室式内燃機関の燃料噴射制御システムは、大気温度を検知する第2検知部をさらに備えてもよい。制御部は、第2噴射の1サイクル当たりの噴射量を所定回数分に割った噴射量を1サイクルで所定回数噴射し、大気温度が高くなるほど、所定回数を減らしてもよい。
【0016】
噴射部から噴射される燃料噴霧の噴射量が少ないほど、燃料噴霧の微粒化が促進され、噴射量の微調整も容易となる。一方、大気温度が高くなると、噴射部から噴射された燃料噴霧の貫徹力は弱くなる。すなわち、燃料噴射部から噴射された燃料が、副室に到達し難くなる。この結果、副室に供給される燃料が減る。この構成によれば、制御部は、大気温度が高くなるほど、第2噴射の1サイクル当たりの噴射量を割る所定回数を減らすことで、第2噴射における1回当たりの噴射量を増やす。これによって、噴射部から噴射される燃料噴霧の貫徹力が補われる。この結果、噴射部から副室に供給される燃料の減少が防止される。
【0017】
副室式内燃機関の燃料噴射制御システムは、燃料の温度を検知する第3検知部をさらに備えてもよい。制御部は、第2噴射の1サイクル当たりの噴射量を所定回数分に割った噴射量を1サイクルで所定回数噴射し、燃料の温度が高くなるほど、所定回数を減らしてもよい。
【0018】
燃料温度が高くなると、噴射部から噴射された燃料噴霧の貫徹力は弱くなる。この構成によれば、制御部は、燃料温度が高くなるほど第2噴射1サイクル当たりの噴射量を割る所定回数を減らすことで、第2噴射における1回当たりの噴射量を増やす。これによって、噴射部から噴射される燃料噴霧の貫徹力が補われる。この結果、噴射部から副室に供給される燃料の減少が防止される。
【0019】
制御部は、副室の圧力が主室の圧力よりも低くなる際に、第2噴射を行ってもよい。
【0020】
副室の圧力が主室の圧力よりも低くなる際に、主室から副室に混合気がより多く流れる。この構成によれば、制御部は、このタイミングに第2噴射を行う。これによって、第2噴射による燃料は、連通路を介して副室により多く供給される。
【0021】
制御部は、第2噴射の1サイクル当たりの噴射量を複数回数分に割った噴射量を1サイクルで複数回噴射してもよい。
【0022】
この構成によれば、噴射部から噴射される燃料噴霧が微粒化され、副室に燃料が供給されやすい。すなわち、制御部は、副室に燃料を供給しやすい。
【0023】
制御部は、内燃機関が吸気工程である際に第1噴射を行い、内燃機関が圧縮工程である際に第2噴射を行ってもよい。
【0024】
内燃機関が圧縮工程である際に副室の圧力が主室の圧力よりも低くなる。この構成によれば、制御部は、副室の圧力が主室の圧力よりも低くなるタイミングに第2噴射を行う。これによって、第2噴射による燃料は、連通路を介して副室により多く供給される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示の実施形態の副室式内燃機関の燃料噴射制御システムの概略構成を示すブロック図。
【
図2】
図1の副室式内燃機関の概略構成を示す縦断面図。
【
図3A】
図1の副室式内燃機関の制御部が燃料を噴射する際の噴霧状態と、点火後の火炎状態を説明する縦断面図。
【
図3B】
図1の副室式内燃機関の制御部が燃料を噴射する際の噴霧状態と、点火後の火炎状態を説明する縦断面図。
【
図3C】
図1の副室式内燃機関の制御部が燃料を噴射する際の噴霧状態と、点火後の火炎状態を説明する縦断面図。
【
図4】
図1の副室式内燃機関の気筒内圧力の変化と燃料噴射時期を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1および
図2に示すように、副室式内燃機関1の燃料噴射制御システム2は、主室4と、副室6と、複数の連通路8と、点火プラグ(点火部の一例)10と、燃料噴射弁(噴射部)12と、過給機14と、大気圧センサ(第1検知部)16と、大気温度センサ(第2検知部)18と、燃料温度センサ(第3検知部)20と、制御部22と、排気循環装置24と、を備える。本実施形態では、制御部22は、ECU(Electrоnic Control Unit)28に記憶されるソフトウェアによって実現される機能構成である。
【0028】
また、本実施形態では、副室式内燃機関1は、発電機30を駆動し、図示しない駆動用電池、および、車両を走行させるモータに電力を供給する電動車両に用いられる。さらに、本実施形態では、副室式内燃機関1は、複数の気筒Nが直列に配置された直列型の内燃機関である。すなわち、主室4、副室6、複数の連通路8、点火プラグ10、および、燃料噴射弁12は、各気筒Nに備えられる。しかし、副室式内燃機関1が用いられる車両、および、気筒Nの配置についてはこれに限定されず、副室式内燃機関1によって走行する車両であってもよいし、V型、または、水平対向型の配置であってもよい。
【0029】
図2に示すように、主室4は、シリンダブロック101のシリンダ101a,シリンダヘッド102およびピストン103によって画定された空間である。本実施形態では、主室4は、ペントルーフ形状であり、シリンダヘッド102の後述する吸気ポート105側および排気ポート110側に向けて2つの斜面を有する。主室4は、吸気バルブ104を介して吸気ポート105に接続される。
図1に示すように、吸気ポート105は、吸気通路106、スロットルバルブ107、インタークーラ115、および、エアクリーナ108に接続される。吸気バルブ104は、吸気カム113によって駆動される。また、
図2示すように、主室4は、排気バルブ109を介して、排気ポート110に接続される。
図1に示すように、排気ポート110は、排気通路111、および、排気浄化触媒112に接続される。排気バルブ109は、排気カム114によって駆動される。
【0030】
図2に示すように、副室6は、ペントルーフ形状の頂上部に設けられ、主室4と隣接する。副室6は、副室壁61によって画定された空間である。副室6は、シリンダヘッド102から主室4に向かって突出し、副室壁61を介して主室4と隔てられる。本実施形態では、副室6は、主室4のペントルーフ形状の2つの斜面の交線(稜線)の略中央に設けられる。しかし、副室6は、主室4の略中央からシリンダ101aの内壁面に向けてオフセットしてもよい。副室壁61は、断面が円形に形成され、底部61aが半球状に形成される。
【0031】
点火プラグ10は、副室6の略中央に設けられ、副室6の混合気に着火する。点火プラグ10の中心電極10aは、副室6に突出している。本実施形態では中心電極10aは、副室6の略中央に設けられる。しかし、中心電極10aは、副室6の略中央からオフセットしてもよい。
【0032】
連通路8は、副室壁61の底部61aに複数個設けられる。連通路8は、主室4と副室6とを連通し、主室4の混合気を副室6に導く。本実施形態では、連通路8は、例えば、6つ設けられる。
【0033】
副室6の容積は、主室4よりも小さく、点火プラグ10で点火した混合気の火炎が、副室6内に素早く伝播する。副室6は、副室6で発生した火炎を、連通路8を介して主室4に噴射する。主室4に噴射された火炎は、主室4の混合気に着火し、主室4の混合気を燃焼させる。すなわち、副室式内燃機関1では、主室4および副室6を含んで燃焼空間3が形成される。
【0034】
燃料噴射弁12は、主室4に向けて設けられ、主室4に燃料を噴射する。燃料噴射弁12は、シリンダヘッド102の吸気バルブ104側に配置される。燃料噴射弁12は、燃料を噴霧状にして供給することで、主室4に混合気を形成する。また、燃料噴射弁12は、主室4に燃料を噴射することで、連通路8を介して副室6に燃料を供給する。燃料噴射弁12は、副室6に燃料を供給することで、副室6の混合気を形成する。本実施形態では、燃料噴射弁12は、先端が主室4に向けて設けられ、主室4に直接燃料を噴射する。すなわち、副室式内燃機関1は、直噴型の内燃機関である。
図1に示すように、燃料噴射弁12は、ECU28に電気的に接続され、制御部22によって、噴射量と噴射時期が制御される。
【0035】
また、燃料噴射弁12は、デリバリーパイプ13に接続される。デリバリーパイプ13は、図示しない燃料配管、燃料噴射ポンプ、および、燃料タンクに接続される。燃料温度センサ20は、デリバリーパイプ13に設けられる。しかし、燃料温度センサ20は、燃料配管のいずれかに設けられればよい。
【0036】
過給機14は、タービン14a、タービン14aと同軸上に配置されるコンプレッサ14bと、を含む。タービン14aは、排気通路111に設けられる。タービン14aは、主室4からの排気によって駆動される。コンプレッサ14bは、吸気通路106に設けられる。コンプレッサ14bは、タービン14aによって駆動されて、主室4に供給する空気(吸気)を加圧する。
【0037】
大気圧センサ16は、大気圧を検知する。大気温度センサ18は、大気温度を検知する。本実施形態では、大気圧センサ16、および、大気温度センサ18は、吸気通路106に設けられるエアフロセンサ15に内蔵される。エアフロセンサ15は、副室式内燃機関1の各気筒Nに吸入される空気量を計測する。エアフロセンサ15は、大気圧センサ16、および、大気温度センサ18とともに、ECU28に電気的に接続される。
【0038】
排気循環装置24は、排気通路111と吸気通路106とを、排気循環バルブ24aを介して繋ぎ、主室4から排出される排気を、排気通路111から吸気通路106に循環する。排気循環装置24は、排気を副室式内燃機関1で再燃焼させることで、排気中の窒素酸化物を低減する。
【0039】
制御部22は、第1噴射I1と、第2噴射I2と、を行うように燃料噴射弁12を制御する(
図4参照)。より具体的には、制御部22は、副室式内燃機関1の運転領域ごとに定められた目標空燃比Rを取得する。制御部22は、取得した目標空燃比Rと、エアフロセンサ15で計測した空気量から、第1噴射I1で噴射すべき第1噴射量V1、および、第2噴射I2で噴射すべき第2噴射量V2を算出する。制御部22は、算出された燃料噴射量に基づき、燃料噴射弁12を駆動するパルス信号に変換する。制御部22は、燃料噴射弁12にパルス信号を送り、燃料噴射弁12を制御する。なお、本実施形態では、目標空燃比Rは、理論空燃比よりもリーンな値に設定される。すなわち、副室式内燃機関1は、理論空燃比より希薄な空燃比で運転される(以下リーン運転と記す)。さらに、制御部22は、点火プラグ10の点火時期を制御する。
【0040】
また、本実施形態では、制御部22は、ECU(Electrоnic Control Unit)28に記憶されるソフトウェアによって実現される機能構成である。ECU28は、実際には、演算装置と、メモリと、入出力バッファ等とを含むマイクロコンピュータによって構成される。ECU28は、各センサおよび各種装置からの信号、ならびにメモリに格納されたマップおよびプログラムに基づいて、副室式内燃機関1が所望の運転状態となるように、各種装置を制御する。なお、各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)による処理でもよい。
【0041】
次に、
図3Aから
図3Cを用いて、制御部22が行う燃料噴射弁12の制御と、燃料噴射弁12が燃料を噴射する際の噴霧状態と、点火プラグ10による点火後の火炎状態について説明する。また、
図4を用いて、副室式内燃機関1の気筒内圧力の変化と噴射時期について説明する。なお、
図4は、下段に気筒Nの吸気行程から排気行程までの気筒内圧力の変化を示し、上段に吸気行程から排気行程までの制御部22が燃料噴射弁12を制御する燃料噴射時期、燃料噴射期間、および、噴射量を示す。
図4の破線は点火時期を示す。
【0042】
図3Aは、副室式内燃機関1の気筒Nが吸気行程にある際の燃料噴霧状態を示す。
図3Aに示すように、吸気行程では、吸気バルブ104が開弁するとともに、ピストン103が下がり(
図3A矢印参照)、吸気が主室4および副室6に流入する。本実施形態では、吸気は、過給機14によって加圧される。すなわち、
図4の実線に示すように、主室4および副室6の圧力は、吸気の圧力と同じ圧力を維持する。なお、このとき、排気循環装置24によって、排気循環ガスが吸気に混入されてもよい。
【0043】
図3Aおよび
図4に示すように、制御部22は、吸気行程の場合に、主として主室4に燃料を供給するための第1噴射I1を燃料噴射弁12に行わせる。
図3Aに示すように、このとき、主室4に供給される燃料噴霧F1の一部が、連通路8を介して副室6に流入してもよい。しかし、第1噴射I1は、主として主室4の混合気を形成するために行われる。
【0044】
主室4の燃焼は、副室式内燃機関1の出力燃費性能、および、排気浄化性能に対する影響が、副室6の燃焼よりも大きい。このため、主室4には、副室式内燃機関1の運転状態に合わせた燃料が供給される必要がある。制御部22は、副室式内燃機関1の運転状態に合わせた出力燃費性能、および、排気浄化性能が出せるように、燃料噴射弁12を制御し、主室4に燃料を供給する。第1噴射I1によって噴射された燃料は、主室4内で吸気と混じり混合気を形成する。混合気は、ピストン103が下がるとともに主室4全体に供給される。
【0045】
図3Bは、副室式内燃機関1が圧縮行程にある際の燃料噴霧状態を示す。
図3Bに示すように、圧縮行程では、吸気バルブ104が閉弁するとともにピストン103が上がり(
図3B矢印参照)、主室4の混合気が圧縮される。このとき、
図4に実線で示す主室4の気筒内圧力は、上昇する。また、このとき、連通路8を介して副室6に流入する混合気は、連通路8で絞られて、混合気に圧力損失が生じる。これによって、
図4に二点鎖線で示したように、副室6の圧力は、主室4に対して遅れて上昇する。したがって、副室6の圧力は、主室4の圧力よりも低くなる。
【0046】
図3Bおよび
図4に示すように、制御部22は、副室6の圧力が主室4の圧力よりも低くなった際に、第2噴射I2を燃料噴射弁12に行わせる。第2噴射I2は、連通路8を介して副室6に燃料を供給するために行われる。
図3Bに示すように、このとき、副室6に供給される燃料噴霧F2の一部が、連通路8に入らず、主室4に流入してもよい。しかし、第2噴射I2は、主として副室6の混合気を形成するために行われる。
【0047】
より具体的には、制御部22は、副室6の空燃比が、主室4および副室6を含む燃焼空間3の空燃比よりもリッチとなるように、第2噴射I2を燃料噴射弁12に行わせる。すなわち、制御部22は、第1噴射I1で噴射した1サイクル当たりの第1噴射量V1と、目標空燃比Rに基づいて、第2噴射I2における1サイクル当たりの噴射量である第2噴射量V2を算出する。制御部22は、燃料噴射弁12を制御し、算出された第2噴射量V2を第2噴射I2で燃料噴射弁12に噴射させることで、副室6に燃料を供給する。このとき、燃焼空間3の空燃比は、目標空燃比Rに近くなる。しかし、第2噴射I2によって副室6に燃料が供給されることで、副室6内の空燃比は、目標空燃比Rよりもリッチとなる。
【0048】
また、
図4の燃料噴射時期が示すように、制御部22は、燃料噴射弁12に送信するパルス信号のパルス幅を調整することで、第2噴射I2を複数回の噴射に均等に分割し、複数回の噴射を燃料噴射弁12に行わせる。すなわち、制御部22は、第2噴射I2で噴射する1サイクル当たりの第2噴射量V2を所定回数に割った量の燃料を燃料噴射弁12に1サイクルで所定回数噴射させる。このように、燃料噴射弁12が、第2噴射I2で噴射される1サイクル当たりの第2噴射量V2を均等に分割した量で、燃料を複数回噴射することで、燃料噴射弁12から噴射される燃料噴霧F2の微粒化が促進される。燃料の微粒化が促進されると、燃料は、連通路8を通過しやすくなる。これによって、制御部22は、燃料噴射弁12を制御して、副室6に燃料を容易に供給する。
【0049】
また、制御部22は、第2噴射量V2を均等に分割した量の燃料を燃料噴射弁12に複数回噴射させることで、第2噴射量V2の微調整も容易となる。より具体的には、制御部22は、パルス信号のパルス幅を一定にしたまま、噴射回数を可変させることで、第2噴射量V2を調整する。これによって、制御部22は、連通路8を介して副室6に供給する燃料を調整しやすくなる。この結果、制御部22は、副室6の空燃比を調整しやすくなる。
【0050】
さらに、第2噴射I2の1サイクル当たりの第2噴射量V2は、第1噴射I1の1サイクル当たりの第1噴射量V1よりも少ない。具体的には、第2噴射量V2は、第1噴射量V1の半分以下である。第2噴射量V2が小さいほど、燃料噴射弁12から噴射される燃料噴霧F2が微粒化される。これによって、制御部22は、第2噴射I2によって、副室6に燃料を容易に供給できる。
【0051】
さらに、制御部22は、大気圧センサ16で検出された大気圧Pоが高いほど、第2噴射I2の噴射時期を進角する。より具体的には、制御部22は、検出された大気圧Pоが所定大気圧より高い場合は、検出された大気圧Pоと所定大気圧の差分に応じて、差分が大きいほど第2噴射I2の噴射時期を進角する。同一出力で比較した場合に、大気圧Pоが低いときよりも大気圧Pоが高いときの方が、スロットルバルブ107の開度は、小さくなる。これによって、主室4の吸気流動が抑制される。このため、燃料噴射弁12から噴射される燃料が、副室6に到達するまでの時間が長くなる。制御部22は、第2噴射I2の燃料噴射時期を進角する。これにより、燃料が、副室6に到達しやすくなる。
【0052】
また、制御部22は、大気温度センサ18で検出された大気温度Tоが高いほど、第2噴射I2の1サイクル当たりの第2噴射量V2を割る所定回数を減らす。より具体的には、制御部22は、検出された大気温度Tоが所定温度より高い場合は、検出された大気温度Tоと所定温度の差分に応じて、差分が大きいほど第2噴射I2を行う際のパルス信号のパルス幅を小さくし、1サイクル当たりの第2噴射量V2を割る所定回数を減らす。さらに、制御部22は、燃料温度センサ20で検出された燃料温度Tfが高いほど、第2噴射I2の1サイクル当たりの第2噴射量V2を割る所定回数を減らす。より具体的には、制御部22は、検出された燃料温度Tfが所定燃料温度より高い場合は、検出された燃料温度Tfと所定燃料温度の差分に応じて、差分が大きいほど第2噴射I2を行う際のパルス信号のパルス幅を小さくし、1サイクル当たりの第2噴射量V2を割る所定回数を減らす。このほか、制御部22は、副室式内燃機関1の水温が高いときなど、燃料が受熱しやすい環境で同様の制御を行ってもよい。
【0053】
燃料の温度が高いほど、燃料噴霧F2の貫徹力が弱まる。すなわち、燃料噴射弁12から噴射された燃料が、副室6に到達し難くい。大気温度Tоが高いときは、吸気温度が高くなり燃料温度Tfが高くなる。また、燃料タンクなどからの受熱によって、燃料温度Tf自体が高くなることもある。制御部22は、第2噴射I2の分割する回数を減らし、1回あたりの噴射量(1パルス幅あたりの噴射量)を増加させることで、副室6に到達する燃料の減少を防止する。
【0054】
制御部22は、このほか、副室式内燃機関1が加速状態にあるときなど、副室6に到達するまでの時間に余裕がないときは、第2噴射I2を進角してもよい。
【0055】
図3Cは、点火プラグ10によって副室6の混合気に点火した状態を示す。制御部22は、点火プラグ10を制御し、第2噴射I2によって燃焼空間3の空燃比よりもリッチとなった副室6の混合気に点火する。副室6の混合気が点火されると、副室6では予備燃焼が生じ、予備燃焼により副室6内で生じた火炎は、連通路8を介して主室4に噴射される。そして、主室4の混合気が燃焼し、燃焼によって発生する燃焼ガスで圧力が上昇する。これにより、ピストン103が押し下げられ、膨張行程に進む。ピストン103が下死点付近まで下がると、排気バルブ109が開いて排気行程に進み、ピストン103が下死点から上昇し、シリンダ内の燃焼ガス(排気)が排気ポート110に排出される。そして、ピストン103が上死点に達すると、再び吸気行程が始まる。このようにピストン103が2往復すると4つの行程が完了する。
【0056】
以上説明した通り、本実施形態の副室式内燃機関1の燃料噴射制御システム2では、制御部22は、第2噴射I2によって副室6を、燃焼空間3の空燃比よりもリッチにする。これによって、副室6の空燃比が、着火に適した空燃比に調整される。この結果、副室6の混合気の空燃比は安定し、着火に適した状態となる。副室6の着火が安定すると、副室6の燃焼が安定し、ひいては主室4の燃焼も安定する。
【0057】
また、本実施形態では、制御部22は、副室式内燃機関1をリーン運転する。さらに、制御部22は、副室式内燃機関1をリーン運転する場合に、窒素酸化物を低減するように排気循環装置24を制御する。このような状態では、副室6から噴射される火炎の安定性が、主室4の燃焼に大きく影響する。本実施形態の副室式内燃機関1の燃料噴射制御システム2であれば、副室6の空燃比が安定することで、主室4の燃焼が安定する。これによって、出力性能と排気浄化性能を維持しながらも、より希薄な空燃比での運転が達成される。この結果、燃費が向上する。特に、制御部22が副室式内燃機関1を定常運転する場合に、副室6の空燃比がより安定する。これより、さらに燃費が向上する。すなわち、副室式内燃機関1が発電機30を駆動する際の運転に適している。
【0058】
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0059】
上記実施形態では、副室式内燃機関1は、直噴型の燃料噴射弁12を各気筒Nに備えるが、本開示はこれに限定されるものではない。副室式内燃機関1は、直噴型の燃料噴射弁と、吸気ポートに燃料を噴射する吸気ポート型の燃料噴射弁と、を各気筒Nにそれぞれ備えても良い。この場合、制御部22は、第1噴射I1と第2噴射I2を、直噴型の燃料噴射弁と吸気ポート型の燃料噴射弁で分担して行うように各燃料噴射弁を制御してもよい。
【0060】
また、副室式内燃機関1は、2つの直噴型の燃料噴射弁を各気筒Nに備えてもよい。この場合、制御部22は、それぞれ第1噴射I1と第2噴射I2を別々の直噴型の燃料噴射弁で行うように各燃料噴射弁を制御してもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、燃料噴射弁12が、主室4に向けて設けられ、主室4に燃料を噴射するが、本開示はこれに限定されるものではない。燃料噴射弁12は、副室6の副室壁61に囲まれた空間に設けられてもよい。また、直噴型の第1燃料噴射弁と、副室6の副室壁61に囲まれた空間に設けられる第2燃料噴射弁とが、気筒N毎にそれぞれ設けられてもよい。
【0062】
上記実施形態では、副室の形状はシリンダ軸方向に垂直な面による断面が円形となる形状(半球や円筒形状など)を例にしている。しかしながら、副室の形状はこれに限られない。断面が楕円や正多角形となる形状であってもよい。火炎伝播の観点からは、対称性のある形状が好ましいが、これに限られない。
【0063】
上記実施形態では、副室に設けられた点火プラグで混合気が点火される火花点火内燃機関を例にしている。本開示の内燃機関では燃料としてガソリンが使用されるが、当然これに限定されず、アルコールなどの他の燃料であってもよい。また、本開示の特徴は、火花点火内燃機関に限られず、ディーゼルエンジンなどの圧縮着火内燃機関にも適用可能である。つまり、副室内に点火プラグ等の火花発生手段を設けることは必須ではなく、内燃機関の1燃焼サイクル(4ストロークエンジンであれば吸入、圧縮、燃焼、排気からなるサイクル)の中で最初の正常燃焼(予備燃焼)が副室内で生じるように設計された内燃機関であれば同様の作用効果が期待される。なお、圧縮着火内燃機関であっても、インジェクタから副室内に燃料を直接噴射させることや圧縮比を適宜設定することで、副室内で予備燃焼を発生させられることは従来周知である。また、圧縮着火内燃機関であっても、燃料は特に軽油に限定されず、ガソリンやアルコール等であってもよい。
【0064】
本開示の実施形態によれば、副室式内燃機関(1)の燃料噴射制御システム(2)は、
主室(4)と、
前記主室(4)と隔てられ、前記主室内の燃焼の前の予備燃焼が生じる副室(6)と、
前記主室(4)と前記副室(6)とを連通する連通路(8)と、
前記主室(4)および前記副室(6)を含む燃焼空間に燃料を噴射する噴射部(12)と、
前記噴射部(12)を制御する制御部(22)と、
を備え、
前記予備燃焼は、前記連通路(8)を介して前記主室(4)から前記副室(6)に導入された混合気の着火により生じ、
前記制御部(22)は、前記噴射部(12)により、
前記主室(4)に前記燃料を供給する第1噴射(I1)と、
前記副室(6)に前記連通路(8)を介して前記燃料を供給する第2噴射(I2)と、
を行う。
【0065】
前記制御部(22)は、前記副室(6)の空燃比が前記燃焼空間の空燃比よりもリッチとなるように、前記第2噴射(I2)を行ってもよい。
【0066】
前記第2噴射(I2)の1サイクル当たりの噴射量(V2)は、前記第1噴射(I1)の1サイクル当たりの噴射量(V1)よりも少なくてもよい。
【0067】
副室式内燃機関(1)の燃料噴射制御システム(2)は、大気圧を検知する第1検知部(16)をさらに備えてもよい。そして、前記制御部(22)は、前記大気圧が高いほど、前記第2噴射(I2)の噴射時期を進角してもよい。
【0068】
副室式内燃機関(1)の燃料噴射制御システム(2)は、大気温度を検知する第2検知部(18)をさらに備えてもよい。そして、前記制御部(22)は、前記第2噴射(I2)において、前記第2噴射(I2)の1サイクル当たりの噴射量(V2)を所定回数分に割った噴射量を前記1サイクルで前記所定回数噴射してもよく、前記大気温度が高くなるほど、前記所定回数を減らしてもよい。
【0069】
副室式内燃機関(1)の燃料噴射制御システム(2)は、前記燃料の温度を検知する第3検知部(20)をさらに備えてもよい。そして、前記制御部(22)は、前記第2噴射(I2)において、前記第2噴射(I2)の1サイクル当たりの噴射量(V2)を所定回数分に割った噴射量を前記1サイクルで前記所定回数噴射してもよく、前記燃料の温度が高くなるほど、前記所定回数を減らしてもよい。
【0070】
前記制御部(22)は、前記副室(6)の圧力が前記主室(4)の圧力よりも低くなる際に、前記第2噴射(I2)を行ってもよい。
【0071】
前記制御部(22)は、前記第2噴射(I2)において、前記第2噴射(I2)の1サイクル当たりの噴射量(V2)を複数回分に割った噴射量を前記1サイクルで前記複数回噴射してもよい。
【0072】
前記制御部(22)は、前記内燃機関が吸気工程である際に前記第1噴射(I1)を行い、前記内燃機関が圧縮工程である際に前記第2噴射(I2)を行ってもよい。
【0073】
本出願は、2019年3月27日出願の日本特許出願特願2019-061126に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【符号の説明】
【0074】
1:副室式内燃機関
2:燃料噴射制御システム
3:燃焼空間
4:主室
6:副室
8:連通路
12:燃料噴射弁(噴射部)
16:大気圧センサ(第1検知部)
18:大気温度センサ(第2検知部)
20:燃料温度センサ(第3検知部)
22:制御部
61:副室壁
I1:第1噴射
I2:第2噴射
V1:第1噴射量
V2:第2噴射量