IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社キッチハイクの特許一覧

特許7239124地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム
<>
  • 特許-地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム 図1
  • 特許-地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム 図2
  • 特許-地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム 図3
  • 特許-地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム 図4
  • 特許-地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム 図5
  • 特許-地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム 図6
  • 特許-地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム 図7
  • 特許-地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム 図8
  • 特許-地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム 図9
  • 特許-地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム 図10
  • 特許-地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム 図11
  • 特許-地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム 図12
  • 特許-地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20120101AFI20230307BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022180800
(22)【出願日】2022-11-11
(62)【分割の表示】P 2022076075の分割
【原出願日】2022-05-02
【審査請求日】2022-11-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516321396
【氏名又は名称】株式会社キッチハイク
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 祥見
(72)【発明者】
【氏名】林 悠太
(72)【発明者】
【氏名】川上 真生子
【審査官】緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-165899(JP,A)
【文献】特開2014-096108(JP,A)
【文献】特開2015-041237(JP,A)
【文献】特開2020-030612(JP,A)
【文献】[連載第4回]スカウトが届く移住支援サービス「SMOUT」を紹介|移住支援員の移住のはなし,[online],2021年11月15日,インターネット<URL:https://agripick.com/10239>,[検索日:2022.05.20]
【文献】地域貢献活動をアプリでスコア化、「AYA SCORE」実証実験を宮崎・綾町で開始,[online],2019年10月31日,インターネット<URL:https://www.isid.co.jp/news/release/2019/pdf/1031.pdf>,[検索日:2022.05.20]
【文献】キッチハイク、関係人口を可視化・育成する自治体専用システム「つながるDX」(特許出願中)を正式リリース,PRTIMES,株式会社PRTIMES,2022年05月16日,インターネット:<URL:http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000006899.html>,[検索日:2023/01/23]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの地域に対するつながり程度を測定する地域関心度測定システムであって、
当該地域に関心があるユーザが管理する端末から、当該地域に関する所定のデータを受信することで、ユーザの行動を分析する分析部と、
当該分析結果に応じて、当該ユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定する測定部と、
を備え、
前記地域に関心があるユーザは、少なくとも他の地域サービスシステム又は、所定の自治体サービスシステムの一方に管理されたユーザであって、各々のシステムのスコアを参照して、前記測定部が当該スコアに対して、前記分析結果に基づいて測定したスコアの増減を加味して最終的なスコアを測定する地域関心度測定システム。
【請求項2】
前記所定のデータとは、自治体が作成するメールの開封操作、メールに記載されたリンクへのアクセスである請求項1に記載の地域関心度測定システム。
【請求項3】
前記所定のデータとは、自治体が作成するSNSの投稿記事の評価状況、再投稿状況、又は、当該SNSのアカウント連携についてのデータである請求項1に記載の地域関心度測定システム。
【請求項4】
前記所定のデータとは、店舗の管理者が作成する地図データへの投稿記事の評価状況についてのデータである請求項1に記載の地域関心度測定システム。
【請求項5】
前記所定のデータとは、前記地域の自治体が開催するイベントに対する前記ユーザの行動である、請求項1に記載の地域関心度測定システム。
【請求項6】
前記所定のデータとは、前記イベントに対する前記ユーザによる予約、キャンセル、参加、レビュー投稿を含む、請求項5に記載の地域関心度測定システム。
【請求項7】
測定した前記最終的なスコアに基づいて前記地域に関心があるユーザを地域貢献の度合い及び移住に対する意欲の度合いに応じた複数のセグメントに分類し、当該セグメントに応じて受信した前記所定データに基づいて、当該ユーザの行動が分析され、当該ユーザのスコアが測定される請求項1に記載の地域関心度測定システム。
【請求項8】
ユーザが関心のある地域の自治体に対して、測定した前記最終的なスコアをユーザデータとして端末に出力させる送信部をさらに備える、請求項1に記載の地域関心度測定システム。
【請求項9】
前記他の地域サービスシステムが提供するサービスは、ふるさと食体験、産直EC、保育園留学を含む、請求項1に記載の地域関心度測定システム。
【請求項10】
前記所定の自治体サービスシステムが提供するサービスは、ふるさと納税、ふるさと住民、移住問い合わせを含む、請求項1に記載の地域関心度測定システム。
【請求項11】
ユーザの地域に対するつながり程度を測定するコンピュータが実行する地域関心度測定方法であって、
当該地域に関心があるユーザが管理する端末から、当該地域に関する所定のデータを受信することで、ユーザの行動を分析するステップと、
当該分析結果に応じて、当該ユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定するステップと、
を備え、
前記地域に関心があるユーザは、少なくとも他の地域サービスシステム又は、所定の自治体サービスシステムの一方に管理されたユーザであって、各々のシステムのスコアを参照して、前記測定するステップが当該スコアに対して、前記分析結果に基づいて測定したスコアの増減を加味して最終的なスコアを測定する地域関心度測定方法。
【請求項12】
ユーザの地域に対するつながり程度を測定するコンピュータに、
当該地域に関心があるユーザが管理する端末から、当該地域に関する所定のデータを受信することで、ユーザの行動を分析するステップ、
当該分析結果に応じて、当該ユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定するステップ、
を実行させ、
前記地域に関心があるユーザは、少なくとも他の地域サービスシステム又は、所定の自治体サービスシステムの一方に管理されたユーザであって、各々のシステムのスコアを参照して、前記測定するステップが当該スコアに対して、前記分析結果に基づいて測定したスコアの増減を加味して最終的なスコアを測定するためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの地域に対するつながり程度の測定に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地方の人口減少や過疎化が社会問題となって久しい。
昨今、ふるさと納税による行政施策等により地方の産品に興味を持ったり、コロナ禍によるリモートワークの普及により地方で仕事をしたりといった事により、都会に住んでいながら特定の地域に関心を持つ人が増えてきている。すなわち、地方に移住した定住者ではなく、観光に来た観光者でもないが、地方と多様に関わる人であり、この数は関係人口と呼ばれている。
このような関係人口の定量評価は、その地方への移住の問い合わせの人数や、移住を説明するイベント等の参加者の人数によるものが挙げられる。
例えば、特許文献1では、ユーザによる転居に関する情報の収集状態に基づいた転居検討段階に応じた情報をユーザに提供する技術が開示されている。
また、特許文献2では、特定の属性を持つユーザの移動履歴及びユーザデータから、所定地域における人流データを取得する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-169900号公報
【文献】特開2021-093088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
関係人口は、地方にとっては、地方の経済発展における需要な指標であるが、関係人口の定量評価が充分できていない。
例えば、その地方への移住の問合せや、移住を説明するイベント等の参加者リストは、関係人口の定量化に密接に関わるが活用が不十分であったり、横断的な参照ができていない。また、これらの説明会やイベントに対する効果検証も不十分である。
そこで、関係人口の地域に関する関心程度を定量化する技術が求められている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載された技術では、関係人口の地域に関する関心程度を定量化することが出来なかった。
そこで、本発明者は、関係人口の地域に関する関心程度を定量化する仕組みに着目した。
【0005】
本発明は、関係人口の地域に関する関心程度を定量化することを可能にする地域関心度測定システム、地域関心度測定方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ユーザの地域に対するつながり程度を測定する地域関心度測定システムであって、
当該地域に関心があるユーザが管理する端末から、当該地域に関する所定のデータを受信することで、ユーザの行動を分析する分析部と、
当該分析結果に応じて、当該ユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定する測定部と、
を備え、
前記地域に関心があるユーザは、少なくとも他の地域サービスシステム又は、所定の自治体サービスシステムの一方に管理されたユーザであって、各々のシステムのスコアを参照して、前記測定部が当該スコアに対して、前記分析結果に基づいて測定したスコアの増減を加味して最終的なスコアを測定する地域関心度測定システムを提供する。
【0007】
本発明によれば、ユーザの地域に対するつながり程度を測定する地域関心度測定システムは、当該地域に関心があるユーザが管理する端末から、当該地域に関する所定のデータを受信することで、ユーザの行動を分析し、当該分析結果に応じて、当該ユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定し、前記地域に関心があるユーザは、少なくとも他の地域サービスシステム又は、所定の自治体サービスシステムの一方に管理されたユーザであって、各々のシステムのスコアを参照して、前記測定部が当該スコアに対して、前記分析結果に基づいて測定したスコアの増減を加味して最終的なスコアを測定する。
【0008】
本発明は、システムのカテゴリであるが、方法及びプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、関係人口の地域に関する関心程度を定量化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】地域関心度測定システム1の概要を説明する図である。
図2】地域関心度測定システム1の機能構成を示す図である。
図3】地域関心度測定システム1が実行する計測用データ登録処理のフローチャートを示す図である。
図4】計測用データデータベースの一例を模式的に示した図である。
図5】地域関心度測定システム1が実行するスコア測定処理のフローチャートを示す図である
図6】ユーザ端末30が表示するメールの一例を模式的に示したものである。
図7】ユーザ端末30が表示するSNSの投稿記事の一例を模式的に示したものである。
図8】ユーザ端末30が表示するSNSの投稿記事の一例を模式的に示したものである。
図9】ユーザ端末30が表示する地図データへの掲載記事の一例を模式的に示したものである。
図10】ユーザ端末30が表示する地図データへの掲載記事の一例を模式的に示したものである。
図11】スコアデータベースの一例を模式的に示した図である。
図12】ランクデータベースの一例を模式的に示した図である。
図13】自治体端末20が表示するユーザデータの一例を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
なお、本明細書における「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を意図するものであり、具体的には、地域内にルーツがある近居・遠居者、過去の勤務や居住、滞在等何らかの関わりがある者等である。関係人口の例としては、地域(例えば、各都道府県、各市区町村)の出身者、家族や親戚がこの地域に居住する又は居住していた者、この地域にふるさと応援寄付金を納付した者、この地域内に固定資産を所有する者、この地域に通勤、通学する又は通勤していた者、この地域の所定の団体(例えば、郷友会、ふるさと会)に所属する者、その他のこの地域に愛着を持ち、積極的に関与する者が挙げられる。
【0012】
[地域関心度測定システム1の概要]
図1は、地域関心度測定システム1の概要を説明するための模式図である。
地域関心度測定システム1は、サーバ機能を有するコンピュータ10が、ユーザの地域に対するつながり程度を測定する処理を実現する。
【0013】
地域関心度測定システム1を構成する端末及び装置について説明する。
地域関心度測定システム1は、少なくともサーバ機能を有するコンピュータ10を備えるシステムであれば良い。このコンピュータ10は、例えば、1台のコンピュータで実現されても良いし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されても良い。
本明細書におけるクラウドコンピュータとは、ある特定の機能を果たす際に、任意のコンピュータをスケーラブルに用いるものや、あるシステムを実現するために複数の機能モジュールを含み、その機能を自由に組み合わせて用いるものの何れであっても良い。
本明細書において、地域関心度測定システム1は、コンピュータ10に加え、地域の自治体等が管理する自治体端末20、この地域に関心があるユーザが管理するユーザ端末30により構成される。
地域関心度測定システム1を構成する端末や装置類等は、あくまでも一例であり、コンピュータ10を除く各端末については、その数、種類及び機能については、適宜変更可能である。
【0014】
地域関心度測定システム1が、ユーザの地域に対するつながり程度を測定する際の処理ステップの概要について説明する。
本明細書は、その前提として、ユーザが、予め自身が関心を持つ地域の自治体が提供する所定のサービス(例えば、自治体CRM(Customer Relationship Management))に自身のアカウント等を作成しておき、このアカウントを用いてその処理を行うものである。このアカウントの作成時、ユーザの各種情報(例えば、識別子(名称、管理番号等)、住所、電話番号、年齢、職業、性別、メールアドレス、メッセージアプリケーションのID、SNS(Social Networking service)のID、地図データのID、SNSや地図データのアカウント連携状況等がアカウントに登録される。
【0015】
コンピュータ10は、地域に関心があるユーザに対して、地域に関するメッセージを端末に出力させる(ステップS1)。
メッセージは、例えば、メール又はSNSの投稿記事、地図データへの掲載記事である。メール又はSNSの投稿記事は、自治体等により作成されるものであり、地図データへの掲載記事は、店舗の管理者等により作成されるものである。
コンピュータ10は、地域に関心があるユーザに対して、ユーザ端末30に、このメッセージを自身の表示部等に表示させる、又は、所定のAPI(Application Programming Interface)を介して、ユーザ端末30が所定の文字列を含むこのメッセージを自身の表示部等に表示したことを検出することにより、地域に関心があるユーザに対して、この地域に関するメッセージを端末に出力させる。
【0016】
コンピュータ10は、メッセージを受信した端末から所定のデータを受信することで、メッセージを受信したユーザの行動を分析する(ステップS2)。
所定のデータは、メッセージがメールである場合、例えば、このメールの開封操作、メールに記載されたリンクへのアクセスである。また、所定のデータは、メッセージがSNSの投稿記事である場合、例えば、投稿記事の評価状況(例えば、お気に入り登録の有無)、投稿記事の再投稿状況(例えば、ユーザがこの投稿記事を引用した記事を投稿したか否か)、このSNSのアカウント連携についてのデータである。また、所定のデータは、メッセージが地図データへの掲載記事である場合、例えば、掲載記事の評価状況(例えば、レビュー投稿の有無、レビューの内容、画像の投稿数)である。
ユーザ端末30は、所定のAPIを介して、所定のデータを送信する。
コンピュータ10は、この所定のデータを受信する。
コンピュータ10は、受信したこの所定のデータに基づいて、このメッセージを受信したユーザの行動を分析する。コンピュータ10は、所定のデータに基づいて、メールの開封率、リンクのクリック率、投稿記事の評価状況、再投稿状況、アカウント連携状況、レビュー状況等を分析する。
【0017】
コンピュータ10は、分析結果に応じて、ユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定する(ステップS3)。
コンピュータ10は、メールの開封率、リンクのクリック率、投稿記事の評価状況、再投稿状況、アカウント連携状況、レビュー状況等に基づいて、ユーザのスコアを測定する。
【0018】
以上が、地域関心度測定システム1の概要である。
本地域関心度測定システム1によれば、関係人口の地域に関する関心程度を定量化することが可能となる。
【0019】
[装置構成]
図2は、地域関心度測定システム1の構成を示すブロック図である。地域関心度測定システム1は、ユーザの地域に対するつながり程度を測定するシステムであり、少なくともコンピュータ10から構成される。本実施形態では、地域関心度測定システム1は、更に、地域の自治体等が管理する自治体端末20、この地域に関心があるユーザが管理するユーザ端末30を備える。
地域関心度測定システム1は、コンピュータ10と、自治体端末20及びユーザ端末30とが、公衆回線網等のネットワーク5等を介して、データ通信可能に接続されたシステムである。
なお、地域関心度測定システム1を構成する端末や装置類等は、あくまでも一例であり、コンピュータ10を除く各端末については、その数、種類及び機能については、適宜変更可能である。
【0020】
コンピュータ10は、サーバ機能を有し、例えば、1台のコンピュータで実現されても良いし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されても良い。
コンピュータ10は、制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、地域に関心があるユーザに対して、この地域に関するメッセージを端末に出力させる送信部11等を備える。
コンピュータ10は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリ、記憶媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部等を備える。
コンピュータ10は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス、メッセージを受信した端末から所定のデータを受信することで、このメッセージを受信したユーザの行動を分析する分析部12、分析結果に応じて、このユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定する測定部13等を備える。
【0021】
コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、計測用データ受付モジュール、メッセージ送信モジュール、受信モジュール、管理データ取得モジュール、ユーザデータ送信モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記憶部と協働して、計測用データ登録モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、分析モジュール、測定モジュール、アクティビティ特定モジュール、分類モジュール、ランク設定モジュールを実現する。
【0022】
自治体端末20及びユーザ端末30の各々は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末やパーソナルコンピュータ等の端末である。
自治体端末20及びユーザ端末30の各々は、端末制御部として、CPU、GPU、RAM、ROM等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス等を備え、入出力部として、各種情報の入出力を実行するためのデバイス等を備える。
【0023】
以下、地域関心度測定システム1が実行する各処理について、上述した各モジュールが実行する処理と併せて説明する。
本明細書において、各モジュールは、その処理内容を、自身が有する機能として実行するものであっても良いし、所定のアプリケーションを介して実行するものであっても良い。
本発明は、その前提として、上述した通り、ユーザに、自治体が提供する所定のサービスにアカウントを作成させ、作成されたアカウントに登録された上述したユーザの各種情報を用いて、その処理を行うものである。
【0024】
[コンピュータ10が実行する計測用データ登録処理]
図3に基づいて、コンピュータ10が実行する計測用データ登録処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する計測用データ登録処理のフローチャートを示す図である。
【0025】
計測用データ受付モジュールは、計測用データの入力を受け付ける(ステップS10)。
計測用データは、例えば、所定の文字列(例えば、地域に関連するハッシュタグ)、地域に存在する店舗名である。
自治体端末20は、計測用データの入力を受け付ける。自治体端末20は、例えば、所定の文字列の入力や店舗名をSNSや地図データの識別子(例えば、名称)とともに、その入力を受け付ける。この計測用データは、SNSや地図データ毎に異なるものであっても良いし、同一のものであっても良い。
自治体端末20は、受け付けた計測用データを、コンピュータ10に送信する。
計測用データ受付モジュールは、この計測用データを受信することにより、計測用データの入力を受け付ける。
【0026】
計測用データ登録モジュールは、受け付けた計測用データを登録する(ステップS11)。
計測用データ登録モジュールは、受け付けた計測用データを、自治体端末20の識別子(例えば、自治体名、管理者名、ID、管理番号)と対応付けて登録し、計測用データデータベース(以下、データベースを単にDBと称す)を作成する(図4参照)。
図4に基づいて、計測用データDBについて説明する。同図は、計測用データDBの一例を模式的に示した図である。同図で示す通り、計測用データDBは、計測用データの対象となるSNS及び地図データの識別子と、計測用データと、自治体とを対応付けたものである。
なお、計測用データの種類、数及びその内容は、上述した例に限定されるものではない。
【0027】
以上が、計測用データ登録処理である。
【0028】
[コンピュータ10が実行するスコア測定処理]
図5に基づいて、コンピュータ10が実行するスコア測定処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行するスコア測定処理のフローチャートを示す図である。本スコア測定処理は、上述した地域に関心があるユーザに対して、この地域に関するメッセージを端末に出力させる送信処理(ステップS1)、このメッセージを受信した端末から所定のデータを受信することで、このメッセージを受信したユーザの行動を分析する分析処理(ステップS2)、この分析結果に応じて、このユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定する測定処理(ステップS3)の詳細である。
【0029】
メッセージ送信モジュールは、地域に関心があるユーザに対して、地域に関するメッセージを端末に出力させる(ステップS20)。
地域に関するメッセージは、上述した通り、例えば、メール又はSNSの投稿記事、地図データへの掲載記事である。具体的には、このメッセージは、自治体等により作成されたメール、自治体や所定のアカウントによりSNSに投稿された計測用データDBに登録された所定の文字列を含む記事、店舗の管理者が地図データに掲載した記事が挙げられる。なお、メッセージは、これらに限定されるものではない。
地域に関するメッセージを端末に出力させるとは、ユーザ端末30が、このメッセージを自身の表示部等に表示することに加えて、所定のAPIを介して、ユーザ端末30がこのメッセージを受信し、自身の表示部等に表示したことを検出するものも含む。
【0030】
地域に関するメッセージが、メールである場合について説明する。
このメールは、自治体等により作成されたものであり、自治体端末20は、コンピュータ10に、このメールを送信する。
メッセージ送信モジュールは、このメールを受信し、地域に関心があるユーザのアカウントに登録されたメールアドレス宛に、このメールを送信する。
ユーザ端末30は、このメールを受信し、自身の表示部等に表示する(図6参照)。
図6は、ユーザ端末30が表示するメールの一例を模式的に示したものである。同図において、メール40は、地域に関する文章41と、所定のWebサイト等にアクセス可能なURL(Uniform Resource Locator)記載されたリンク42とが記載されている。なお、メール40に記載された地域に関する文章41及びリンク42は、図示した例に限定されるものではなく、適宜変更可能である。更に、メール40は、地域に関する文章41及びリンク42の何れか一方のみが記載されたものであっても良い。
メッセージ送信モジュールは、ユーザ端末30に、このメールを表示させることにより、地域に関心があるユーザに対して、地域に関するメッセージを端末に出力させる。
なお、自治体端末20は、コンピュータ10を介さず、直接、ユーザ端末30に、メールを送信する構成であっても良い。この場合、メッセージ送信モジュールは、所定のAPIを介して、このメールをユーザ端末30が表示したことを検出することにより、地域に関心があるユーザに対して、地域に関するメッセージを端末に出力させるものとなる。
以上が、メッセージ送信モジュールが、地域に関心があるユーザに対して、地域に関するメールを端末に出力させる構成である。
【0031】
地域に関するメッセージが、SNSの投稿記事である場合について説明する。
この投稿記事は、自治体により作成されたものであり、自治体端末20は、所定のSNSに、計測用データDBに登録された所定の文字列を含むこの記事を投稿する。なお、この投稿記事は、自治体以外により作成されたものであっても良い。この場合、作成者が管理する端末等により、所定のSNSに、この記事を投稿するものであっても良い。
ユーザ端末30は、所定のアプリケーション等により、この投稿記事を自身の表示部等に表示する(図7及び図8参照)。
図7は、ユーザ端末30が表示するSNSの投稿記事の一例を模式的に示したものである。同図において、投稿記事50は、地域に関する文章51及び画像52と、上述した計測用データDBに登録された所定の文字列(例えば、地域に関するハッシュタグ)53とが記載されている。
図8は、ユーザ端末30が表示する別のSNSの投稿記事の一例を模式的に示したものである。同図において、投稿記事60は、地域に関する画像61と、上述した計測用データDBに登録された所定の文字列(例えば、地域に関するハッシュタグ)62とが記載されている。
メッセージ送信モジュールは、所定のAPIを介して、このSNSの投稿記事をユーザ端末30が表示したことを検出することにより、地域に関心があるユーザに対して、地域に関するメッセージを端末に出力させる。
以上が、メッセージ送信モジュールが、地域に関心があるユーザに対して、地域に関するSNSの投稿記事を端末に出力させる構成である。
【0032】
地域に関するメッセージが、地図データへの掲載記事である場合について説明する。
この掲載記事は、店舗の管理者等により作成されたものであり、この管理者等が管理する端末が、所定の地図データにこの記事を掲載する。更に、この掲載記事には、地図データの利用者等が投稿したこの店舗に対する評価(例えば、レビュー、画像)が含まれる。
ユーザ端末30は、所定のアプリケーション等により、この掲載記事を自身の表示部等に表示する(図9及び図10参照)。
図9は、ユーザ端末30が表示する地図データへの掲載記事の一例を模式的に示したものである。同図において、掲載記事70は、地域の店舗周辺の地図71と、この店舗に関する内容(計測用データDBに登録された店舗名を含む)72とが記載されている。ユーザ端末30は、所定の入力を行うことにより、図9で示す画面から、図10で示す画面に遷移する。図10は、ユーザ端末30が表示する地図データへの掲載記事の一例を模式的に示したものである。同図において、掲載記事80は、店舗の評価81と、所定の文字列(例えば、この店舗に関するタグ)82と、ユーザの評価83と、ユーザが投稿した画像84とが投稿されている。
メッセージ送信モジュールは、所定のAPIを介して、この地図データへの掲載記事をユーザ端末30が表示したことを検出することにより、地域に関心があるユーザに対して、地域に関するメッセージを端末に出力させる。
以上が、メッセージ送信モジュールが、地域に関心があるユーザに対して、地域に関する地図データへの掲載記事を端末に出力させる構成である。
【0033】
なお、メッセージ送信モジュールは、各メッセージの何れかのみを端末に出力させても良いし、複数の組み合わせを端末に出力させても良い。
【0034】
図5に戻り、スコア測定処理の続きを説明する。
受信モジュールは、メッセージを受信した端末から所定のデータを受信する(ステップS21)。
所定のデータは、メッセージがメールである場合、上述した通り、例えば、このメールの開封操作、メールに記載されたリンクへのアクセスであり、所定のAPIリクエストに基づいて受信するものである。また、所定のデータは、メッセージがSNSの投稿記事である場合、上述した通り、例えば、投稿記事の評価状況(例えば、お気に入り登録の有無)、投稿記事の再投稿状況(例えば、ユーザがこの投稿記事を引用した記事を投稿したか否か)、このSNSのアカウント連携についてのデータであり、上述した計測用データDBに登録された所定の文字列を指定したAPIリクエストに基づいて受信するものである。また、所定のデータは、メッセージが地図データへの掲載記事である場合、上述した通り、例えば、掲載記事の評価状況(例えば、レビュー投稿の有無、レビューの内容、画像の投稿数)であり、上述した計測用データDBに登録された店舗名を指定したAPIリクエストに基づいて受信するものであ。
ユーザ端末30は、所定のAPIを介して、所定のデータを送信する。
受信モジュールは、この所定のデータを受信する。
なお、コンピュータ10は、ユーザ端末30が、所定のデータの一部又は全部を送信しなかった場合、所定の条件(例えば、所定期間、所定時間)に基づいて、所定のデータが送信されなかったと判断し、後述する処理において、所定のデータの一部又は全部を受信していないものとしてその処理を行う。
【0035】
地域に関するメッセージが、メールである場合について説明する。
ユーザ端末30は、受信したメールを開封した(表示した)ことを示すデータと、受信したメールに記載されたリンクをクリックしたことを示すデータとを、コンピュータ10に送信する。なお、ユーザ端末30が、送信するデータは、上述した例に限定されるものではない。
受信モジュールは、これらのデータを受信する。
以上が、受信モジュールが、地域に関するメールを受信した端末から所定のデータを受信する構成である。
【0036】
地域に関するメッセージが、SNSの投稿記事である場合について説明する。
ユーザ端末30は、自身のこのSNSのアカウントを示すデータと、投稿記事の評価状況を示すデータと、投稿記事の再投稿状況を示すデータと、このSNSのアカウント連携を示すデータとをコンピュータ10に送信する。なお、ユーザ端末30が、送信するデータは、上述した例に限定されるものではない。
受信モジュールは、これらのデータを受信する。
以上が、受信モジュールが、地域に関するSNSの投稿記事を受信した端末から所定のデータを受信する構成である。
【0037】
地域に関するメッセージが、地図データへの掲載記事である場合について説明する。
ユーザ端末30は、自身の地図データのアカウントを示すデータと、自身が投稿したレビューを示すデータとをコンピュータ10に送信する。なお、ユーザ端末30が、送信するデータは、上述した例に限定されるものではない。
受信モジュールは、これらのデータを受信する。
以上が、受信モジュールが、地域に関する地図データへの掲載記事を受信した端末から所定のデータを受信する構成である。
【0038】
なお、受信モジュールは、各メッセージの何れかのみにより、所定のデータを受信しても良いし、複数の組み合わせにより、所定のデータを受信しても良い。
【0039】
分析モジュールは、メッセージを受信したユーザの行動を分析する(ステップS22)。
分析モジュールは、受信した所定のデータに基づいて、このユーザの行動を分析する。
【0040】
地域に関するメッセージが、メールである場合について説明する。
分析モジュールは、上述した各データに基づいたユーザ毎のメールの開封率及びリンクのクリック率を分析する。なお、分析モジュールは、複数のユーザから、所定のデータを受信することにより、メール単位でのメールの開封率及びリンクのクリック率を分析しても良い。
以上が、分析モジュールが、地域に関するメールを受信したユーザの行動を分析する構成である。
【0041】
地域に関するメッセージが、SNSの投稿記事である場合について説明する。
分析モジュールは、上述した各データに基づいたユーザ毎の投稿記事の評価状況、再投稿状況及びアカウント連携状況を分析する。なお、分析モジュールは、複数のユーザから所定のデータを受信することにより、投稿記事単位での投稿記事の評価率、再投稿率及びアカウント連携率を分析しても良い。
以上が、分析モジュールが、地域に関するSNSの投稿記事を受信したユーザの行動を分析する構成である。
【0042】
地域に関するメッセージが、地図データへの掲載記事である場合について説明する。
分析モジュールは、上述した各データに基づいたユーザ毎のレビュー状況を分析する。なお、分析モジュールは、複数のユーザから所定のデータを受信することにより、掲載記事単位でのレビュー率を分析しても良い。
以上が、分析モジュールが、地域に関する地図データへの掲載記事を受信したユーザの行動を分析する構成である。
【0043】
なお、分析モジュールは、今回受信した所定のデータのみに基づいた分析を行っても良いし、今回受信した所定のデータと、これまでに受信した所定のデータやこのユーザのこれまでの分析結果に基づいて、ユーザの行動を分析しても良い。
また、分析モジュールは、各メッセージの何れかのみにより、ユーザの行動を分析しても良いし、複数の組み合わせにより、ユーザの行動を分析しても良い。
【0044】
測定モジュールは、分析結果に応じて、ユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定する(ステップS23)。
【0045】
地域に関するメッセージが、メールである場合について説明する。
測定モジュールは、地域に関するメッセージが、メールである場合、このユーザメールの開封率及びリンクのクリック率に応じて、スコアを測定する。測定モジュールは、開封率又はリンクのクリック率をそのままスコアとして測定しても良いし、これらの平均値をスコアとして測定しても良いし、それ以外の方法によりスコアを測定しても良い。
また、測定モジュールは、これまでに測定したスコアを、今回の分析結果に応じて、増減させても良い。この場合、測定モジュールは、メールが開封されていた場合、スコアを増加させ、メールが未開封の場合、スコアを減少させる。また、測定モジュールは、リンクがクリックされていた場合、そのクリック数に応じて、スコアを増加させ、リンクが未クリックの場合、スコアを減少させる。また、測定モジュールは、メールの開封とリンクのクリックとを同一の数値としてそのスコアを増加させても良いし、異なる数値としてそのスコアを増加させても良い。また、測定モジュールは、メールの開封によるスコアの増減を、リンクのクリックより大きな数値としてスコアを測定しても良いし、その逆に、メールの開封によるスコアの増減を、リンクのクリックより小さな数値としてスコアを測定しても良い。測定モジュールは、メールの未開封とリンクの未クリックに対するスコアの増減でも同様にして良い。
以上が、測定モジュールが、地域に関するメールを受信したユーザの行動の分析結果に応じて、ユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定する構成である。
【0046】
地域に関するメッセージが、SNSの投稿記事である場合について説明する。
測定モジュールは、地域に関するメッセージが、SNSの投稿記事である場合、投稿記事の評価状況、再投稿状況及びアカウント連携状況に応じて、スコアを測定する。測定モジュールは、評価状況、再投稿状況又はアカウント連携状況をそのままスコアとして測定しても良いし、これらの平均値をスコアとして測定しても良いし、それ以外の方法によりスコアを測定しても良い。
また、測定モジュールは、これまでに測定したスコアを、今回の分析結果に応じて、増減させても良い。この場合、測定モジュールは、投稿記事が評価されていた場合、スコアを増加させ、投稿記事が未評価の場合、スコアを減少させる。また、測定モジュールは、投稿記事が再投稿されていた場合、スコアを増加させ、投稿記事が再投稿されていない場合、スコアを減少させる。また、測定モジュールは、アカウント連携がされている場合、スコアを増加させ、アカウント連携がされていない場合、スコアを減少させる。また、測定モジュールは、評価状況と再投稿状況とアカウント連携状況とを同一の数値としてそのスコアを増加させても良いし、異なる数値としてそのスコアを増加させても良い。また、測定モジュールは、評価状況によるスコアの増減を、再投稿状況及びアカウント連携状況の各々のスコアの増減より大きな数値としてスコアを測定しても良いし、再投稿状況によるスコアの増減を、評価状況及びアカウント連携状況の各々のスコアの増減より大きな数値としてスコアを測定しても良いし、アカウント連携状況によるスコアの増減を、評価状況及び再投稿状況の各々のスコアの増減より大きな数値としてスコアを測定しても良い。測定モジュールは、未評価、再投稿していない及びアカウント連携されていないに対するスコアの増減でも同様にしても良い。
以上が、測定モジュールが、地域に関するSNSの投稿記事を受信したユーザの行動の分析結果に応じて、ユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定する構成である。
【0047】
地域に関するメッセージが、地図データへの掲載記事である場合について説明する。
測定モジュールは、地域に関するメッセージが、地図データへの掲載記事である場合、掲載記事のレビュー状況に応じて、スコアを測定する。この場合、測定モジュールは、レビューの内容として、店舗に対する評価(特に、店舗に対する評価として付けられた点数)、投稿画像の枚数に応じて、スコアを測定する。測定モジュールは、この点数又は画像の枚数をそのままスコアとして測定しても良いし、これらの平均値をスコアとして測定しても良いし、それ以外の方法によりスコアを測定しても良い。
また、測定モジュールは、これまでに測定したスコアを、今回の分析結果に応じて、増減させても良い。この場合、測定モジュールは、レビューが投稿されている場合、このレビューにおける店舗に対する評価(特に、店舗に対する評価として付けられた点数)又は画像の枚数に応じて、スコアを増加させ、レビューが投稿されていない場合、スコアを減少させる。測定モジュールは、この点数と画像の枚数とを同一の数値としてそのスコアを増加させても良いし、異なる数値としてそのスコアを増加させても良い。また、測定モジュールは、この点数によるスコアの増減を、画像の枚数より大きな数値としてスコアを測定しても良いし、その逆に、この点数によるスコアの増減を、画像の枚数よりも小さな数値としてスコアを測定しても良い。
以上が、測定モジュールが、地域に関する地図データへの掲載記事を受信したユーザの行動の分析結果に応じて、ユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定する構成である。
【0048】
なお、測定モジュールは、各メッセージの何れかのみにより、スコアを測定しても良いし、複数の組み合わせにより、スコアを測定しても良い。
【0049】
測定モジュールが上述した例とは異なる方法により、スコアを測定する場合について説明する。
この場合において、地域に関心があるユーザが、他の地域サービスシステム又は所定の自治体サービスに管理された少なくとも一方のユーザである場合に有効である。他の地域サービスは、例えば、ふるさと食体験、産直EC(e-commerce)、保育園留学であり、他の地域サービスシステムは、これらのような地域サービスをユーザに提供するためのシステムである。また、所定の自治体サービスは、例えば、ふるさと納税、ふるさと住民、移住問い合わせであり、所定の自治体サービスは、このような自治体サービスをユーザに提供するためのシステムである。
地域に関心があるユーザは、これらの他のシステムの少なくとも一方にサービスの提供を受けるために必要な上述したアカウントと同様のアカウント等を登録する。これらの他のシステムは、ユーザによるアカウントの登録により、このユーザの管理及びこのユーザに対するサービスの提供を行う。
管理データ取得モジュールは、各々の他のシステムを管理するサーバ機能を有する各コンピュータ等から、このユーザに関する管理データを取得する。各々の他のシステムは、このユーザに対するサービスの提供の有無、サービスの種類等の管理データを、コンピュータ10に送信する。管理データ取得モジュールは、この管理データを受信する。このサービスの有無及び種類が、後述するスコアDBにおけるシステム以外のアクティビティに相当する。
また、アクティビティ特定モジュールは、地域関心度測定システム1を介して、このユーザが行ったアクティビティを特定する。アクティビティとは、地域に関心があるユーザが、この地域の自治体が開催するイベントに対しての行動であり、例えば、このイベントの予約、キャンセル、参加、レビュー投稿である。アクティビティ特定モジュールは、このユーザが、上述したメッセージに記載されたこのイベントのリンク先等にアクセスし、アクセス先において行った行動や、地域関心度測定システム1を利用するために登録したアカウントを介した行動をユーザのアクティビティとして特定する。
測定モジュールは、予め、自治体に対するアクティビティと、スコアとを対応付けて登録したスコアDB(図11参照)を参照し、このユーザのスコアを測定する。
図11は、スコアDBの一例を模式的に示した図である。同図において、スコアDBは、アクティビティ毎に、スコアが対応付けられたものである。このスコアは、ユーザがイベントに関与する行動内容(イベント予約、参加、レビュー投稿)である場合、正の数値が対応付けられており、ユーザがイベントに関与しない行動内容(イベントキャンセル)である場合、負の数値が対応付けられている。このスコアの数値は、ユーザがイベントに関与する度合いに応じた数値が設定されている。例えば、イベント予約よりもイベント参加の方が大きな数値が設定されている。また、地域関心度測定システム1以外のアクティビティのように、他のシステム(他の地域サービスシステム及び所定の自治体サービスシステム)におけるアクティビティは、地域関心度測定システム1を利用したアクティビティよりも、大きな数値が設定されている。すなわち、地域関心度測定システム1を利用したアクティビティと、地域関心度測定システム1以外の他のシステムを利用したアクティビティとは、そのスコアにおいて、重み付けが異なっており、地域関心度測定システム1以外の他のシステムを利用したアクティビティの方が、その重み付けが重くなっている。
測定モジュールは、受信した管理データと、特定したアクティビティと、スコアDBとに基づいて、このユーザのスコアを測定する。測定モジュールは、管理データにおけるこのユーザの地域関心度測定システム1以外のアクティビティのスコアを、スコアDBを参照し、測定する。例えば、ふるさと住民である場合、このユーザのスコアを30と測定し、ふるさと住民であり、かつふるさと納税者でもある場合、このユーザのスコアを60と測定する。
測定モジュールは、特定したユーザのアクティビティのスコアを、スコアDBを参照し、測定する。例えば、イベントを予約し、イベントに参加した場合、このユーザのスコアを35と測定し、イベントを予約したものの、イベントをキャンセルした場合、このユーザのスコアを5と測定する。測定モジュールは、地域関心度測定システム1以外のアクティビティと、ユーザのアクティビティとを合算し、ユーザのスコアを算出する。
測定モジュールは、このようにして算出したユーザのスコアに対して、上述した各メッセージの分析結果に基づいて算出したスコアの増減を加味して、最終的なこのユーザのスコアを測定する。
【0050】
コンピュータ10は、測定したスコアや所定のタグを用いて、ユーザを複数のセグメントに分類する構成も可能である。
この場合について説明する。
分類モジュールは、ユーザのスコアや、所定のタグ(例えば、ふるさと納税者、移住問い合わせ者、ふるさと住民、ふるさと食体験者、保育園留学利用者、産直EC利用者、メール閲覧者、SNSフォロワー)に基づいて、ユーザを、地域貢献の度合い及び移住に対する意欲の度合いに応じた複数のセグメントに分類しても良い。更に、メッセージ送信モジュールは、このセグメントの分類に応じて、端末に出力させるメッセージを選択し、選択したメッセージを端末に出力させても良い。コンピュータ10は、セグメントの分類に応じたメッセージに基づいて、ユーザの行動の分析及びスコアを測定することにより、より効果的なメッセージの内容の判断等を行うことが可能となり、ユーザがよりこの地域に対して関心を持つように図ることも可能となる。
【0051】
コンピュータ10は、測定したスコアに応じて、ユーザに対して、ランクを設定する構成も可能である。
この場合について説明する。
ランク設定モジュールは、予め、ランクとスコアと目安となるアクティビティとを対応付けて登録したランクDB(図12参照)を参照し、このユーザのランクを設定する。
図12は、ランクDBの一例を模式的に示した図である。同図において、ランクDBは、ランク毎に、スコア及びこのスコアが測定されるためのアクティビティの目安が対応付けられたものである。ランクは、スコアが高い程、その値が高いものであり、スコアを所定の段階毎に評価したものである。すなわち、このランクが高い程、地域に対する関心の度合いが高いユーザであると言える。ランクとスコアの関係として、最も高いランクSが、スコア85以上であり、次いで、ランクAが、スコア55以上であり、次いで、ランクBが、スコア35以上であり、次いで、ランクCが、スコア10以上であり、最後に、ランクDが、スコア5~9である。目安となるアクティビティは、各ランクの下限を満たすために必要となるアクティビティの内容である。
なお、ランクの内容及びその数と、スコアの数値とは上述した例に限定されるものではない。また、ランクDBにおいて、目安となるアクティビティは、必ずしも必要ではなく、少なくともランクとスコアとが対応付けられて登録されたものであれば良い。
ランク設定モジュールは、ランクDBを参照し、測定したスコアに対応付けられたランクをユーザに設定する。
【0052】
コンピュータ10は、測定したスコアやメッセージに対する所定のデータを、自治体端末20に出力する構成も可能である。
この場合について説明する。
ユーザデータ送信モジュールは、測定したスコア、設定したランク及び、メッセージに対する所定のデータを、ユーザデータとして自治体端末20に送信する。
自治体端末20は、このユーザデータを受信し、自身の表示部等に表示する(図13参照)。
図13は、自治体端末20が表示するユーザデータの一例を模式的に示した図である。同図において、ユーザデータ90において、スコア及びランク欄91、所定のデータ欄92が示されている。また、その他にも、ユーザのアイコン、名称、年代、性別、居住地、紹介文、利用年数(つながり年数)、これまでのイベント参加状況(イベント予約数)等が示されている。
スコア及びランク欄91において、このユーザの測定したスコア(スコア85)及び設定したランク(ランクA)が表示される。所定のデータ欄92において、このユーザのメッセージに対する所定のデータ(メール開封率80%及びリンククリック率50%)が表示される。
なお、自治体端末20が表示するユーザデータ90に含まれる内容は、上述した例に限定されるものではなく、各内容そのもの、各内容を表示する位置、各内容の表示形態等は、適宜変更可能である。
【0053】
以上が、スコア測定処理である。
【0054】
上述した各処理は、別個の処理として記載しているが、コンピュータ10は、上述した各処理の一部又は全部を組み合わせて実行する構成も可能である。また、コンピュータ10は、各処理において、説明したタイミング以外のタイミングであっても、その処理を実行する構成も可能である。
【0055】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態やクラウドサービスで提供されて良い。また、プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されて良い。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしても良い。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0057】
(1)ユーザの地域に対するつながり程度を測定する地域関心度測定システムであって、
当該地域に関心があるユーザに対して、当該地域に関するメッセージを端末(例えば、ユーザ端末30)に出力させる送信部(例えば、送信部11、メッセージ送信モジュール)と、
前記メッセージを受信した端末から所定のデータを受信することで、当該メッセージを受信したユーザの行動を分析する分析部(例えば、分析部12、分析モジュール)と、
当該分析結果に応じて、当該ユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定する測定部(例えば、測定部13、測定モジュール)と、
を備える地域関心度測定システム。
【0058】
(1)の発明によれば、関係人口の地域に関する関心程度を定量化することが可能となる。
【0059】
(2)前記送信部が端末に出力させるメッセージとは、メール又はSNSの投稿記事、地図データへの掲載記事である(1)に記載の地域関心度測定システム。
【0060】
(2)の発明によれば、関係人口の地域に関する関心程度を定量化することが可能となる。
【0061】
(3)前記送信部が端末に出力させるメッセージとは、メールであって、
前記所定のデータとは、前記メールの開封操作、メールに記載されたリンクへのアクセスである(1)に記載の地域関心度測定システム。
【0062】
(3)の発明によれば、自治体が送信したメールを用いて、関係人口の地域に関する関心程度を定量化することが可能となる。
【0063】
(4)前記送信部が端末に出力させるメッセージとは、SNSの投稿記事であって、
前記所定のデータとは、前記投稿記事の評価状況、再投稿状況、又は、当該SNSのアカウント連携についてのデータである(1)に記載の地域関心度測定システム。
【0064】
(4)の発明によれば、自治体がSNSに投稿した記事を用いて、関係人口の地域に関する関心程度を定量化することが可能となる。
【0065】
(5)前記地域に関心があるユーザは、他の地域サービスシステム又は、所定の自治体サービスシステムに管理された少なくとも一方のユーザであって、各々のシステムのスコアを参照して、前記測定部がスコアを測定する(1)に記載の地域関心度測定システム。
【0066】
(5)の発明によれば、関係人口の地域に関する関心程度を定量化することが可能となる。
【0067】
(6)ユーザの地域に対するつながり程度を測定するコンピュータが実行する地域関心度測定方法であって、
当該地域に関心があるユーザに対して、当該地域に関するメッセージを端末に出力させるステップ(例えば、ステップS20)と、
前記メッセージを受信した端末から所定のデータを受信することで、当該メッセージを受信したユーザの行動を分析するステップ(例えば、ステップS21、S22)と、
当該分析結果に応じて、当該ユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定するステップ(例えば、ステップS23)と、
を備える地域関心度測定方法。
【0068】
(7)ユーザの地域に対するつながり程度を測定するコンピュータに、
当該地域に関心があるユーザに対して、当該地域に関するメッセージを端末に出力させるステップ(例えば、ステップS20)、
前記メッセージを受信した端末から所定のデータを受信することで、当該メッセージを受信したユーザの行動を分析するステップ(例えば、ステップS21、S22)、
当該分析結果に応じて、当該ユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定するステップ(例えば、ステップS23)、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【符号の説明】
【0069】
1 地域関心度測定システム
5 ネットワーク
10 コンピュータ
11 送信部
12 分析部
13 測定部
20 自治体端末
30 ユーザ端末
40 メール
41 文章
42 リンク
50,60 投稿記事
51 文章
52,61 画像
53,62,82 文字列
70,80 掲載記事
71 地図
72 店舗に関する内容
81 店舗の評価
83 ユーザの評価
90 ユーザデータ
91 スコア及びランク欄
92 所定のデータ欄

【要約】
【課題】関係人口の地域に関する関心程度を定量化する。
【解決手段】ユーザの地域に対するつながり程度を測定する地域関心度測定システムは、当該地域に関心があるユーザに対して、端末から所定のデータを受信することで、ユーザの行動を分析し、当該分析結果に応じて、当該ユーザの地域に関する関心程度を示すスコアを測定し、前記地域に関心があるユーザは、少なくとも他の地域サービスシステム又は、所定の自治体サービスシステムの一方に管理されたユーザであって、各々のシステムのスコアを参照して、前記測定部が当該スコアに対して、前記分析結果に基づいて測定したスコアの増減を加味して最終的なスコアを測定する。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13