(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】ヘア・スムージングツール
(51)【国際特許分類】
A46B 5/00 20060101AFI20230307BHJP
A46B 15/00 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
A46B5/00 F
A46B15/00 F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018088238
(22)【出願日】2018-05-01
【審査請求日】2021-05-06
(32)【優先日】2018-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518153911
【氏名又は名称】メアリー デボラ アレンズ
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125221
【氏名又は名称】水田 愼一
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】メアリー デボラ アレンズ
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/178977(WO,A1)
【文献】特開2016-154750(JP,A)
【文献】実開昭57-171729(JP,U)
【文献】特開2010-213730(JP,A)
【文献】特開平11-016663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 5/00
A46B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘア・スムージングツールであって、
使用者が毛髪の上を移動するために保持する支持基部と、複数の毛材と、カーペット構造と、クッション部材と、を備え、
前記複数の毛材は、前記
クッション部材に形成されており、
前記カーペット構造は、前記支持基部に少なくとも部分的に重なり、前記支持基部が毛髪の上を移動するときに、毛髪に入り込む複数のミニポストを含み、
前記ミニポストは、毛髪と相互作用する湾曲部分を含み、それにより毛髪を滑らかにし、
前記カーペット構造は、前記毛材の少なくとも一部が突出する複数のループポスト及び/又はフックポストを含み、
前記ループポスト及びフックポストは、毛髪に入り込んだときに、毛髪のキューティクルを滑らかにし、ちぢれを除去し、
前記クッション部材は、前記支持基部上に配置され、前記カーペット構造
は、前記支持基部上に固定され、
より触感を良くし、毛髪により密着するための緩衝手段が前記クッション部材と前記支持基部との間に存在
し、
前記カーペット構造は、複数のフック構造/ループ構造の層から成る多層構造を有する、
ことを特徴とするヘア・スムージングツール。
【請求項2】
前記支持基部は、硬質材料で作られている、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘア・スムージングツール。
【請求項3】
前記支持基部は、軟質材料で作られており、硬質物体に取付け可能及び取外し可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘア・スムージングツール。
【請求項4】
前記カーペット構造は、フックアンドループファスナのフック構造又はループ構造層により実現される、又は前記フック構造層の一部及び前記ループ構造層の一部で
継ぎ接ぎされている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のヘア・スムージングツール。
【請求項5】
前記カーペット構造(15)は、可撓性基部の
端部にループポスト及びフックポストを夫々含み、
前記可撓性基部は、前記可撓性基部
の端部で、ループポストとフックポストとの係合により、前記支持基部上にループ状に巻かれて固定されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のヘア・スムージングツール。
【請求項6】
前記ミニポストは
、複数のループポスト及び/又はフックポストを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のヘア・スムージングツール。
【請求項7】
前記クッション部材に形成され、前記カーペット構造に入り込む複数の毛材(12)を更に備える、
ことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載のヘア・スムージングツール。
【請求項8】
前記支持基部の第1の部分
に配置された前記クッション部材から突出する複数の毛材を更に備え、
前記カーペット構造は、前記支持基部の毛材が設けられていない第2の部分に設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のヘア・スムージングツール。
【請求項9】
前記クッション部材自体が、緩衝作用を有している、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のヘア・スムージングツール。
【請求項10】
前記カーペット構造を介して毛髪に熱を散逸させるために、前記カーペット構造と前記支持基部との間に配置されたヒーター材料を更に含む、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のヘア・スムージングツール。
【請求項11】
前記カーペット構造を介して毛髪に熱を散逸させるために、前記カーペット構造と前記クッション部材との間に配置されたヒーター材料を更に含む、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のヘア・スムージングツール。
【請求項12】
前記カーペット構造を介して毛髪に熱を散逸させるために、前記クッション部材と前記支持基部との間に配置されたヒーター材料(200)を更に含む、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のヘア・スムージングツール。
【請求項13】
前記緩衝手段は、エアギャップ、又は、ゴムを備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載のヘア・スムージングツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪を滑らかにするツール、例えば、櫛又はブラシといったヘア・スムージングツールに関し、より詳細には、毛髪をほぐし、輝かせるため、カーペット構造を含むヘア・スムージングツールに関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪を滑らかにするための様々な櫛及びブラシが市販されている。櫛及びブラシは、形状が異なり、異なる方法で製造されているにもかかわらず、両者は支持基部と複数の突起を有する点で共通しており、例えば、歯又は毛材が支持基部から突出している。一般に、櫛の歯は、支持基部と同じ材料で一体的に形成されている。一方、ブラシの毛材は、支持基部と一体的に形成されてもよく、支持基部上に固定されてもよく、又は支持基部上に取り外し可能に取り付けられてもよい。異なる目的のために、毛髪を滑らかにする効果を増強するため、又は追加の機能のために、特別な櫛又はブラシのデザインが開発されている。ブラシを例にとると、
図1Aに例示されるクッションブラシ、又は
図1Bに例示されるパドルブラシは、支持基部11と、支持基部11から突出した複数の毛材12と、を有する。毛材12は、支持基部11と一体的に形成されてもよく、支持基部11上に取り付けられてもよい。例えば、毛材12は、クッション部材13の孔に挿通されて固定され、クッション部材13は、支持基部11の一面111において支持基部11に係合する。クッション部材13は、例えば、スナッピング又は単に接着することによって、支持基部11に組み付けることができる。
【0003】
スナッピング工程において、クッション部材13の縁は、
図2に示すように、スナッピング部材14によって支持基部11上に固定される。
【0004】
あるいは、クッション部材13の縁は、支持基部11の環状溝110内に変形可能に挿入され、自動的に元の形状に復元して溝に係合し、
図3に示されるように、クッション部材13を支持基部11上に固定する。
【0005】
従来のブラシの毛材は、一般的に、金属材料又はプラスチック材料で作られている。 金属製の毛材は、使用者の頭皮を傷つけることがある一方で、プラスチック製の毛材では、静電気に悩まされることがあり、毛髪を滑らかにするのが不安になる。一方、従来の櫛では、一般的に、まばらな歯によって、毛髪を滑らかにする効果が不満足となることに悩まされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、頭皮を癒しながら、毛髪を滑らかにすることができるヘア・スムージングツールを開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、毛髪の上を移動するためにユーザによって保持される支持基部と、前記支持基部が毛髪上を移動するときに、毛髪に入り込み、前記支持基部から突出する複数のミニポストを含むカーペット構造と、を備えるヘア・スムージングツールを提供する。ミニポストは、例えば、ループポスト及び/又はフックポストである。
【0008】
本発明は、毛髪の上を移動するためにユーザによって保持される支持基部と、前記支持基部が毛髪の上を移動するときに、毛髪に入り込み、前記支持基部から突出する複数の毛材と、前記支持基部が毛髪の上を移動するときに、少なくとも前記支持基部及び/又は前記毛材を部分的に超えて毛髪に入り込む複数のミニポストを含むカーペット構造と、を備えるヘア・スムージングツールを更に提供する。
【0009】
好ましくは、ミニポスト、例えば、ループポスト及び/又はフックポストは、毛髪及び頭皮を傷つけることなく、毛髪をほぐし、毛髪を滑らかにするのに十分な硬さを有する軟質材料で作成されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の上記内容は、以下の詳細な説明及び添付図面を参照することにより、当業者にとってより明確に理解されよう。
【0011】
【0012】
【
図2】クッション部材が支持基部にスナップ嵌めされたヘアブラシを示す概略図。
【0013】
【
図3】支持基部の環状溝にクッション材の縁が挿入されたヘアブラシの部分拡大図。
【0014】
【
図4A】本発明の一実施形態に係るヘア・スムージングツールを示す概略図。
【0015】
【
図4B】本発明の他の実施形態に係るヘア・スムージングツールを示す概略図。
【0016】
【
図4C】本発明の更なる実施形態に係るヘア・スムージングツールを示す概略図。
【0017】
【
図4D】本発明の更に他の実施形態に係るヘア・スムージングツールを示す概略図。
【0018】
【
図5】本発明に係るヘア・スムージングツールに使用されるカーペット構造の一例を示す概略図。
【0019】
【
図6】本発明に係るヘア・スムージングツールの支持基部に対するカーペット構造の組立例を示す模式図。
【0020】
【
図7】本発明に係るカーペット構造が使用可能な絡み取りブラシを示す概略図。
【0021】
【
図8】本発​​明に係るカーペット構造が使用可能な金属サーマルラウンドブラシを示す概略図。
【0022】
【
図9A】本発明の更に他の実施形態に係るヘア・スムージングツールを示す概略図。
【0023】
【
図9B】本発明の更に他の実施形態に係るヘア・スムージングツールを示す概略図。
【0024】
【
図10】本発明の更に他の実施形態に係るヘア・スムージングツールを示す概略図。
【0025】
【
図11A】本発明の更に他の実施形態に係るヘア・スムージングツールに用いられる加熱部材の例を示す概略図。
【
図11B】本発明の更に他の実施形態に係るヘア・スムージングツールに用いられる加熱部材の例を示す概略図。
【0026】
【
図12】本発明の更に他の実施形態に係るヘア・スムージングツールの部分拡大図を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係るヘア・スムージングツールは、例えば、櫛、毛材、又は毛髪を滑らかにするための他の適切な構造として構成される。本発明の一実施形態によれば、ヘア・スムージングツールは、例えば、
図1A又は
図1Bに示されるように、従来のヘアブラシに一般的に含まれるものと同様の支持基部11と、毛材12と、クッション部材13と、を含む。毛材12及びクッション部材13は、支持基部11の第1の面111上に形成されている。ヘア・スムージングツールは、支持基部11(
図4A、4B)の第1の面111又は支持基部11(
図4C)の反対側の第2の面112のいずれか、又はその両方にカーペット構造15を更に含む。
【0028】
図4Aに示される実施形態では、毛材12は、クッション部材13に形成されており、クッション部材13は、適切な係合手段又は接着手段を介して、支持基部11に設けられている。例えば、クッション部材13を支持基部11に係合させるために、
図2又は3で参照される上記例示のスナッピング工程が用いられる。もっとも、クッション部材13を支持基部11上に単に貼り付けることもできる。クッション部材13の支持基部11への取り付け方法は、特に限られないが、クッション部材13は、任意であるが、好ましくは、ある材質で作成され、より触感が良くなり、毛髪に密着するため、クッション部材13と支持基部11との間の緩衝手段が介在する。緩衝手段は、エアギャップであってもよい。あるいは、例えば、クッション部材を浮上させる目的を達成するために、緩衝手段としてスポンジ又はゴム片といった弾性材料を使用することができる。あるいは、クッション部材13自体が、特別に設計された材料、厚さ及び/又は形状に寄与する緩衝作用を有してもよく、支持基部11上に直接的に接着されてもよい。
【0029】
一実施形態におけるカーペット構造15は、平面シートであり、例えば、同じスナッピング工程でクッション部材13と共に支持基部11上に固定することができる。例えば、カーペット構造15は、毛材12が入り込むための複数の穴151を有し、それにより、カーペット構造15とクッション部材13とを組み合わせる。そして、カーペット構造15の縁は、支持基部11上にスナップ留めされたり、支持基部11の溝に挿入されたり、クッション部材13と共に支持基部11に接着されたりする。別の実施形態では、カーペット構造15は、
図4Bに示すように、毛材12に隣接する行及び又は列の間に割り当てられた複数のカーペットストリップ15から構成される。カーペット構造を構成するために、この実施形態で例示されるカーペットストリップの行及び/又は列にかかわらず、カーペット構造は、複数の小部分として、構成される又は分割されてもよく、交差線、同心円、渦巻き又は波打ち等のようにされ、又はブリッスルの分布に応じて変化する特定の位置で提供される。
【0030】
あるいは、
図4Cに示されるように、クッション部材13が省略され、毛材12が支持基部11と一体に形成されてもよい。この実施形態において、カーペット構造15は、支持基部11と直接的に一体化されてもよい。あるいは、カーペット構造15は、可撓性基部150と一体化されてもよく、この可撓性基部150は、複数の穴151を有し、毛材12が穴に入り込むことによって支持基部11上に固定される。カーペット構造15は、例えば、後述する接着剤又は他の適切な手段によって、支持基部11上に固定される。可撓性基部150は、組み立て後に支持基部11と連続する平坦な材料片であってもよい。あるいは、可撓性基部150は、クッション効果を提供するように、組立後の中間で支持基部11の上に特定の距離にある材料の凸状片であってもよい。
【0031】
上記の実施形態では、カーペット構造15は、多数の小さなループポスト(
図4A)から成るループ構造、又は多数の小さなフックポスト(
図4C)から成るフック構造であり、可撓性基部150上のVelcro(登録商標)フックアンドループファスナのループポスト及びフックポストを含む。ループ構造及びフック構造の性質により、ループ構造又はフック構造が毛髪に浸透するときに、毛髪のキューティクルが更に滑らかにされ、ちぢれを除去することができる。一方、毛髪は、密なミニループ又はフック構造でコームされた後に、より輝かく。従って、比較的柔らかい材料で作られた毛材及び/又は本数を削減させた毛材を使用することができる。Velcro(登録商標)フックアンドループファスナを例として用いたが、本発明によるヘア・スムージングツールのカーペット構造として、同様のスムージング性能を有する他の類似の構造又は他のミニ構造を代替的に使用してもよい。更に、カーペット構造15の適切な材料を選択し、且つ柔らかさを調節することによって、カーペット構造は、毛髪をコームしながら、頭皮にマッサージ機能を更に行うことができる。
【0032】
別の実施形態では、カーペット構造15は、支持基部11に取り付けられ、毛材が示されていない支持基部11の表面上に部分的に重なる。より具体的には、毛材12は、支持基部11の第1の部分に配置され、カーペット構造15は、支持基部11の第2の部分に設けられる。カーペット構造15は、複数のループポスト及び/又はフックポストを含み、それらは、支持基部が毛髪上を移動するときに、毛髪に入り込むために支持基部から突出している。
図4Dに示すパドルブラシを一例として挙げると、毛材12は、第1の部分、例えば、第1の面111に設けられ、また、カーペット構造15は、第2の部分、例えば、第2の面112に設けられ、夫々所望の結果に応じて使用されても、使用されなくてもよい。あるいは、カーペット構造15は、毛材12を有する第1の面111と、毛材を有さない第2の面112との両方に適用することができる。
【0033】
別の実施形態では、カーペット構造15は、複数のフック構造/ループ構造の層から成る多層構造を有する。例えば、
図5に示すように、カーペット構造15は、フック構造層151と、フック構造層151を覆うループ構造層152と、ループ構造層152を覆う別のフック及び/又はループ構造153とを含み、ループ構造層152及びフック及び/又はループ構造153は、可撓性基部150の反対の表面上に形成される。フック構造層151は、クッション部材13又は支持基部11と一体化されているか(仮にクッション部材13が省略されている場合)、上述のようにして、別の可撓性基部150を介して支持基部11又はクッション部材13に接着又は係合する。ループ構造層152は、フック構造層151に面しているので、Velcro(登録商標)フックアンドループファスナのように、可撓性基部150がフック構造層151に着脱可能である。フック構造、ループ構造又はその両方から成るフック及び/又はループ構造153は、ループ構造層152の反対に配置され、上述したカーペット構造15と同様に、毛髪を滑らかにする機能を有する。この実施形態は、洗髪又は交換のために毛髪が蓄積される可撓性基部150を、容易に引き離して、ブラシを簡便に洗浄する点において優れている。3層以上の層で形成されたカーペット構造が、実用上必要とされることが理解されよう。
【0034】
上述したように、カーペット構造15は、スナップ、フローティング及び接着以外の方法で支持基部11又はクッション部材13上に固定することができる。一例は、可撓性基部150の反対側に配置されたフック構造及びループ構造を含む広範なカーペット構造を使用することである。フック構造サイド及びループ構造サイドが、例えば、支持基部11の背面112に接続されると、
図6に示すように、カーペット構造15を固定するために、フック構造及びループ構造が互いに係合する。
【0035】
上述したように、本発明に係るカーペット構造は、任意の適切なヘアコーム又はブラシスケルトンに適用することができる。例えば、カーペット構造15は、
図7に示すような、もつれほぐしブラシや、
図8に示すような金属サーマルラウンドブラシ、又は通気ブラシ(不図示)に適用することができる。上述したように、本発明に係るカーペット構造は、
図9A又は9B示すように、毛材の無い仕上げブラシにも適用することができる。
図9Aに示すように、フック/ループ構造15は、支持基部11のバレル115を取り囲む。
図9Bに示すように、バレル115の周囲に支持基部11を加えて、上面116及び/又は底面にフック/ループ構造15を更に適用する。
【0036】
また、上記支持基部11は、硬質である必要はない。あるいは、支持基部11は、ゴムのような柔らかい材料でできていてもよく、カーペット構造15は、例えば、上記手段により可撓性基部150を介して支持基部11と一体化することにより、支持基部11上に毛材が有ろうが無かろうが設けることができる。カーペット構造15を有する軟質基部11は、
図10に示すように、適切な硬質体16上に取り付けられ、また、硬質体16から取り外されてもよく、これはヘア・スムージング操作を行うためのハンドル又はユーザの手である。
【0037】
特に、ヘアスタイリングのためのヘア・スムージング性能を更に改善するために、ヘア・スムージングツールは、カーペット構造が、毛髪を滑らかにしている間に、熱を放出することが好ましい。この目的を達成するために、支持基部11、クッション部材13、及びカーペット構造15は、ヘアスタイリングのための適切な温度に加熱しても損傷することなく、保温性、熱伝導性及び熱放散性を示す耐熱性材料で作成されていてもよい。セラミック、銅、アルミニウム、チタン、ホイル、鉄、鋼、炭素繊維、繊維ガラス、セラミック、粘土、マグネシウム及び金属材料が、耐熱性及び熱伝導性材料のいくつかの例である。例えば、加熱手段は、マイクロ波、オーブン、電気、蒸気、太陽、誘導、又は任意の他の適切な加熱源であってもよい。
【0038】
あるいは、ヒーター材料200には、
図11A、11Bに示すように、加熱効率を高めるために、ヒートスムージングツール内に配置した後に自発的に消散する、及び/又は加熱することができるものが、付加的に使用することができる。
図11Aに示す実施形態では、ヒーター材料200は、カーペット構造15と支持基部11又はクッション部材13との間に配置される。
図11Bに示す実施形態では、ヒーター材料200は、クッション部材13と支持基部11との間に配置される。好ましくは、ヒーター材料200は、ユーザの頭皮と直接接触し得るヘア・スムージングツールの他の部分よりも高い比熱容量を有し、その結果、ヒーター材料200は、同じ加熱期間内にヘア・スムージングツールの他の部分よりも高い温度に加熱されてもよい。これにより、使用者の頭皮を傷つけることなく、効率的に加熱を行うことができる。ヒーター材料200は、例えば、セラミック、銅、アルミニウム、チタン、ホイル、鉄、鋼、炭素繊維、繊維ガラス、セラミック、粘土、マグネシウム及び金属材料から選択することができる。その材料には、反射性ホイル技術に適用可能なものであり、熱反射性アルミニウムフィルムで被覆された繊維ガラス布又はクロス、セラミック繊維紙、グラファイトコーティングを有するPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)ロープ、溶接バッキングテープ等が、本発明におけるヒーター材料200として用いられる。
【0039】
必要に応じて、ヘアコーム及び/又はヘアブラシの上記実施形態は、互いに組み合わせて、又は特定の目的のために他のツールと組み合わせて使用することができる。例えば、カーペット構造を有するパドルブラシと、加熱機能を有する別のパドルブラシとを連結して適切に構成し、また、複合ブラシを形成し、パドルブラシの間に毛髪を比較的通過させることによって、スムージングとスタイリングの両方の目的を同時に達成することができる。
【0040】
上記実施形態では、カーペット構造15は、フック構造又はループ構造のいずれかといった、均質な構成を有している。あるいは、カーペット構造15は、例えば、フック構造部分及びループ構造部分でパッチされたハイブリッド構成を有していてもよい。
【0041】
上記実施形態において、カーペット構造は、部分的又は全体的に、ヘアブラシ又はヘアコームの支持基部又はクッション部材に重なっている。 更なる実施形態では、カーペット構造は、代替的に又は追加的に、ヘアブラシ又はヘアコームの毛材又は歯に設けられてもよい。一体化された支持基部及び歯を備えたヘアコームを例にとる。
図12に示されるように、ミニポスト300は、支持基部11だけでなく、カーペット構造としての歯12の内面にも重なっている。同様に、ミニポストは、ループポスト、フックポスト、ハイブリッドループ/フックポスト、及び/又は任意の他の適切な形状のポストであって、毛髪や頭皮を傷つけることなく柔らかい素材で作られているが、毛髪をほぐし、毛髪を滑らかにするのに十分な剛性がある。
【0042】
添付の特許請求の範囲に記載された「毛材」という用語は、ヘアブラシの支持基部からの突出部を示すだけでなく、一般的に「歯」として知られるヘアコームの支持基部からの突出部と同等のものを示す。別の例では、添付の特許請求の範囲に記載されている「突出」という用語は、「直接的に」突出しているだけでなく、上層から突出しているといったように、「間接的に」突出していることも示す。