(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230307BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
(21)【出願番号】P 2019124082
(22)【出願日】2019-07-02
【審査請求日】2021-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智章
(72)【発明者】
【氏名】古橋 和宏
【審査官】堀 圭史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-121916(JP,A)
【文献】特開2018-075421(JP,A)
【文献】特開2016-022149(JP,A)
【文献】特開2019-047915(JP,A)
【文献】特開2019-042575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動入賞口への遊技球の入球に起因して大当り当否判定を行い、その大当り当否判定で当りになったときに実行される大当り遊技の終了時から次の大当り遊技までの遊技状態が、通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な特典遊技状態と、の何れかに設定される遊技機であって、
特別図柄を変動表示してから確定停止表示することで、前記大当り当否判定の結果を報知する特図判定報知手段と、
前記大当り当否判定の前記変動表示の開始時以降
の所定の基準タイミングから、その大当り当否判定の前記確定停止表示が終了するまでの特定時間を、前記遊技状態に応じて変更することが可能な時間変更手段と、を有
し、
前記特図判定報知手段は、前記特別図柄の前記変動表示を開始してから前記特別図柄を仮停止表示し、その後、前記確定停止表示を行うように構成され、
前記基準タイミングは、前記仮停止表示の開始時であり、
前記時間変更手段は、前記遊技状態に応じた前記特定時間の変更を、前記仮停止表示の開始時から前記確定停止表示の開始時までの時間を変更することで行う遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、始動入賞口への遊技球の入球に起因して行われる大当り当否判定で当りになったときに、大当り遊技が実行される遊技機が記載されている。このような遊技機の中には、大当り遊技の終了後の遊技状態が、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特典遊技状態と、の何れかに設定されるものがある。
【0003】
また、従来より、特別図柄を変動表示した後に確定停止表示することで、大当り当否判定の結果を報知する遊技機が知られている。このような従来の遊技機では、特別図柄の変動表示の開始時以降の所定の基準タイミング(例えば、変動表示において特別図柄を仮停止表示したタイミング)から、確定停止表示が終了するまでの時間が、遊技状態にかかわらず一定となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-018522号公報(段落[0025])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の遊技機では、図柄の表示についての新鮮味が欠けていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた発明の第1態様は、始動入賞口への遊技球の入球に起因して大当り当否判定を行い、その大当り当否判定で当りになったときに実行される大当り遊技の終了時から次の大当り遊技までの遊技状態が、通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な特典遊技状態と、の何れかに設定される遊技機であって、特別図柄を変動表示してから確定停止表示することで、前記大当り当否判定の結果を報知する特図判定報知手段を有し、前記大当り当否判定の前記変動表示の開始時以降に設けられた所定の基準タイミングから、その大当り当否判定の前記確定停止表示が終了するまでの特定時間を、前記遊技状態に応じて変更することが可能な時間変更手段と、を有する遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、大当り当否判定における特別図柄の変動表示の開始時以降の所定の基準タイミングから、その大当り当否判定についての確定停止表示が終了するまでの時間が、遊技状態に応じて変化可能となっているので、従来よりも図柄の表示についての新鮮味を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】(A)特別図柄が変動表示中のときの表示画面の模式図、(B)特別図柄が確定停止表示したときの表示画面の模式図、(C)特別図柄が変動表示を開始したときの表示画面の模式図
【
図3】(A)非時短状態で開始された第2の特別図柄当否判定の変動時間及び確定停止時間を示すタイムチャート、(B)時短状態で開始された第2の特別図柄当否判定の変動時間及び確定停止時間と遊技状態の変化を示すタイムチャート、(C)普通図柄当否判定の変動時間と第2始動入賞部の開閉状態を示すタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
図1に示されるように、本実施形態の遊技機10は、パチンコ遊技機であって、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zの内側に設けられたガラス窓10Wを通して、遊技盤11の前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。
【0010】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射ハンドル28が備えられている。そして、発射ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。なお、前面枠10Zのうち、ガラス窓10Wの左右には、サイドランプ(図示せず)が設けられていると共に、ガラス窓10Wの上方にはスピーカ(図示せず)が設けられている。
【0011】
遊技領域R1には、例えば、液晶モジュールで構成された表示装置13が備えられている。表示装置13は、長方形状の表示画面13Gを前面に有し、その表示画面13Gが遊技領域R1における中央より若干上寄り位置に配置されている。表示画面13Gには、遊技に関する種々の演出が表示される。
【0012】
遊技領域R1のうち表示画面13Gの下方には、第1の始動入賞部41、センター大入賞部15、アウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、表示画面13Gの右側には、始動ゲート18が設けられている。始動ゲート18の下方には上面に転動路39を有するサイドブロック38が設けられている。サイドブロック38には、転動路39上に開口するサイド大入賞部30が設けられている。サイドブロック38と第1の始動入賞部41との左右方向の間には、第2の始動入賞部42が設けられている。また、遊技領域R1には、図示しない複数の一般入賞部が設けられている。なお、遊技領域R1には、各種入賞部41,42,15,30や始動ゲート18等の役物以外に、遊技球の流下方向を変化させる障害釘や風車等が配置されている。
【0013】
次に、上述した各役物の構成について詳説する。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を通過した遊技球は始動ゲート18に内蔵されたゲートセンサ73(
図4参照)によって検出され、その検出信号に基づいて、普通図柄当否判定(以下、適宜、普図判定という。)が行われる。普図判定の判定結果は、普通図柄表示装置18X(
図4参照。特許請求の範囲に記載の「普図判定報知手段」に相当する。)にて、普通図柄が変動表示された後に、停止表示されることで、報知される。なお、本実施形態では、始動ゲート18の内側部分が、特許請求の範囲に記載の「始動領域」に相当する。
【0014】
普通図柄表示装置18Xの変動表示中に始動ゲート18を遊技球が通過した場合、その通過に起因する普図判定の判定結果の報知は保留され、その普図判定の当否判定権は、所定の上限数まで(例えば、4個)まで保留記憶される。普通図柄表示装置18Xの変動表示が終了して停止表示すると、所定の停止表示時間を経過後に、その保留記憶に基づいて普通図柄表示装置18Xが変動表示される。なお、普通図柄の変動表示の保留記憶数は、図示しない普通図柄保留表示部にて表示される。
【0015】
第1の始動入賞部41は、遊技盤11から突出した突出部材の上面に第1始動入賞口41Kを備えた、所謂、ポケット構造をなしている。第1の始動入賞口41Kは、遊技球が1つずつ入る開口幅を有している。
【0016】
第2の始動入賞部42は、遊技盤11から突出した突出部材の上面に第2始動入賞口42Kを備えている。また、第2の始動入賞部42には、遊技盤11を貫通して前後に移動し、第2の始動入賞口42Kを開閉する開閉部材42Cが設けられている。開閉部材42Cは、通常は、遊技盤11から前側に突出して第2の始動入賞口42Kを閉塞する一方で、上述した普図判定が当りとなったときには、遊技盤11の後側に退避して第2の始動入賞口42Kを開放し、これにより、遊技球が第2の始動入賞口42Kに入球可能となる。なお、普図判定で1回当りになると、開閉部材42Cは、第2の始動入賞口42Kを1回又は複数回開放する開放動作を行う。
【0017】
各始動入賞部41,42に遊技球が入球すると、その遊技球は、それぞれ第1始動入賞部センサ71、第2始動入賞部センサ72(
図4参照)によって検出され、その検出信号に基づいて、所定個数の遊技球が賞球として上皿26に払い出されると共に、特別図柄当否判定(特許請求の範囲に記載の「大当り当否判定」に相当する。以下、適宜、特図判定という。)が行われる。
【0018】
この特図判定の判定結果は、特別図柄表示装置14X(
図4参照)にて表示されると共に、表示装置13(特許請求の範囲に記載の「特図判定報知手段」に相当する。)の表示画面13Gにおいて図柄の組み合わせで表示される。具体的には、表示画面13Gでは、特別図柄13A,13B,13Cが、変動表示後に、特図判定の判定結果を示す組み合わせで停止表示され、その組み合わせによって判定結果が報知されるという判定報知演出が行われる。特図判定の判定結果には、「大当り」、「小当り」、「外れ」がある。以下では、特別図柄13A,13B,13Cが、特図判定の判定結果を示す組合せで停止表示することを、「確定停止表示」するということとする。
【0019】
より詳細には、表示装置13には、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが横並びに表示される。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」~「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されている。そして、第1の始動入賞部41又は第2の始動入賞部42に遊技球が入賞したときに、3つの特別図柄13A,13B,13Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に確定停止表示される(
図2(A)及び
図2(B)参照)。そして、特図判定の判定結果が「大当り」の場合には、特別図柄13A,13B,13Cが大当りに対応する特別図柄(例えば、
図1に示すように全て同じ図柄(ゾロ目))で確定停止表示され、遊技が「大当り遊技」に移行する。また、特図判定の判定結果が「小当り」の場合には、特別図柄13A,13B,13Cが、小当りに対応する特別図柄で確定停止表示され、遊技が「小当り遊技」に移行する。特図判定の判定結果が外れの場合には、特別図柄13A,13B,13Cが、大当りと小当りに対応する特別図柄以外の組み合わせの特別図柄で確定停止表示され、「大当り遊技」と「小当り遊技」の何れでもない通常遊技が続く。
【0020】
本実施形態では、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示において、特別図柄13A,13B,13Cがスクロール表示されてから一旦仮停止表示され、その後、確定停止表示される(
図3(A)参照)。仮停止表示では、例えば、特別図柄13A,13B,13Cは、上下方向にスクロールしないものの、完全には停止しておらず、例えば、左右に揺れている。なお、特別図柄13A~13Cが仮停止表示されてから確定停止表示されるまでの間には、特別図柄13A~13Cの全てがスクロールしなくてもよいし、特別図柄13A~13Cの少なくとも1つが再度スクロールしてもよい。
【0021】
本実施形態の遊技機10では、上述のように、第1始動入賞口41K、第2始動入賞口42Kへの遊技球の入球によって、それぞれ第1と第2の特図判定を受ける当否判定権利が発生する。そして、その当否判定権利に基づく特図判定の結果が大当り(1種大当り)になることが、大当り遊技が実行される条件の1つとなっている。なお、本実施形態では、第1の始動入賞口41Kへの遊技球の入球に基づく特図判定(第1の特図判定)と、第2の始動入賞口42Kへの遊技球の入球に基づく特図判定(第2の特図判定)と、では、大当りとなる確率は同じであり、小当りとなる確率は第2の特図判定の方が高くなっている。
【0022】
センター大入賞部15は、横長矩形のセンター大入賞口15Kを有し、センター大入賞口15Kは、通常は、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、「大当り遊技」が実行されると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されてセンター大入賞口15Kが開放し、可動扉15Tを案内にして、センター大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの動作を「ラウンド」と称すると、1回の大当り遊技は、所定回数のラウンドが実行されるまで継続する。1回のラウンドは、センター大入賞口15Kに所定個数の遊技球が入球した場合、又は、センター大入賞口15Kが開放してから所定時間が経過した場合に終了する。センター大入賞口15Kに遊技球が入賞すると、例えば、1回の入賞につき所定個数の遊技球が賞球として上皿26に払い出される。
【0023】
サイドブロック38の転動路39は、左下がりに傾斜し、流下してきた遊技球を受け止めて、遊技領域R1の左右方向中央側に遊技球を転動させることが可能となっている。転動路39の一部は、前後に進退可能な可動蓋部32からなる。そして、「小当り遊技」が実行されると、可動蓋部32が後退し、転動路39上にサイド大入賞部30が、例えば所定時間、開口する。
【0024】
サイド大入賞部30の内部には、サイド大入賞部30に入賞した遊技球が入球可能な特定入球口201V(V入賞口)が設けられている。詳細には、サイド大入賞部30に入球した遊技球が流下する排出流路200は、途中で2股に分岐していて、一方の分岐路201に特定入球口201Vが設けられている。また、排出流路200の分岐部分には、排出流路200を流下してきた遊技球を一方の分岐路201と他方の分岐路202の何れかに振り分ける振分部材203が備えられている。
【0025】
特定入球口201Vに遊技球が入球した場合には、大当り(2種大当り)となり、センター大入賞口15Kが開放される大当り遊技が実行される。このように、本実施形態の遊技機10には、大当り遊技が実行される条件として、上述の特図判定で当りとなること(1種大当り)と、特図判定で小当りとなってさらに遊技球を特定入球口201Vに入球させること(2種大当り)、との2つが用意されている。
【0026】
なお、例えば、小当り遊技として、振分部材203が特定入球口201Vに遊技球が入球し易くなる配置となる入球容易小当りと、入球容易小当りのときよりも振分部材203が特定入球口201Vに遊技球が入球し難い配置となる入球困難小当りと、が設けられていてもよい。例えば、第1の特図判定で小当りとなった場合よりも第2の特図判定で小当りとなった場合の方が、入球容易小当りになり易くなっていてもよい。
【0027】
特別図柄13A,13B,13Cの変動表示中(
図2(A)参照)又は大当り遊技の最中に第1の始動入賞部41に遊技球が入賞した場合、その入賞に起因した当否判定権(第1の当否判定権)分の判定報知演出は保留され、その当否判定権は、所定上限回数(本実施形態の例では、4回)分まで保留記憶される。
図2に示されるように、第1の当否判定権の保留は、表示画面13Gの下端部に設けられた特図保留表示部14Hの例えば左半分に、保留表示体14Zとして表示される(
図2では、第1の当否判定権の保留の表示の例が示されている)。特図保留表示部14Hには、保留された順に左端から横一列に保留表示体14Zが並べて表示され、保留表示体14Zの個数により第1の当否判定権の保留数が遊技者に報知される。そして、変動表示されていた特別図柄13A,13B,13Cが確定停止表示されるか(
図2(B)参照)又は大当り遊技が終了すると、保留されていた次の第1の当否判定権に基づいて特別図柄13A,13B,13Cが変動表示されると共に(
図2(C)参照)、その保留に対応した左端の保留表示体14Zが消滅して(保留数が1つ減り)、それより右側の保留表示体14Zが左側へと移動する。また、新たに第1の当否判定権が発生すると、既に表示されている最後尾(即ち、最も右側)の保留表示体14Zの右隣に新たに保留表示体14Zが加えて表示される(即ち、特図保留表示部14Hが、
図2(C)の状態から
図2(A)と同様の状態になる)。
【0028】
第2の特図判定についても、第1の特図判定と同様に、当否判定権が保留記憶される。即ち、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示中(
図2(A)参照)又は大当り遊技の最中に第2の始動入賞部42に遊技球が入賞した場合にも、その入賞に起因した当否判定権(第2の当否判定権)分の判定報知演出は保留され、その当否判定権は、所定上限回数(本実施形態の例では、4回)分まで保留記憶される。この場合にも、第1の当否判定権の場合と同様に、第2の当否判定権の保留に対応する保留表示体14Zが、特図保留表示部14Hに表示され、例えば、この保留表示体14Zは、特図保留表示部14Hの右半分に表示される。
【0029】
本実施形態の遊技機10では、大当り遊技終了後から次の大当り遊技までの遊技状態が非時短状態と時短状態との何れかに設定される。時短状態においては、非時短状態に比べて、普図判定で当り易くなっていると共に、普図判定で当りとなったときに第2始動入賞部42の開閉部材42Cが開状態となる時間が長くなっている。即ち、時短状態では非時短状態に比べて、開閉部材42Cが開放されやすく、遊技球が第2の始動入賞口42Kに入球し易くなっている。本実施形態では、大当りとして、時短付大当りと時短なし大当りとが用意されていて、何れの大当りかによって、大当り遊技の終了後の遊技状態が決定される。本実施形態では、第1の特図判定よりも第2の特図判定の方が、時短付き大当りになり易くなっている。なお、本実施形態では、電源投入後に最初に遊技が開始されたときには、非時短状態となっていて、大当り遊技が実行されると、大当り遊技の終了後の遊技状態が、非時短状態か時短状態の何れかに設定される。本実施形態では、非時短状態と時短状態が、それぞれ特許請求の範囲に記載の「通常遊技状態」、「特典遊技状態」に相当する。
【0030】
本実施形態の遊技機10では、時短状態は、時短状態になってからの始動入賞口41K,42Kへの遊技球の入賞に起因する特図判定の変動表示の回数が、予め設定された基準条件を満たした場合に、所定の切替タイミングで非時短状態に切り替えられる。具体的には、この基準条件としては、時短状態になってからの第1の始動入賞口41Kへの入賞に基づく第1の特図判定の変動回数(第1実行回数)が、予め設定された第1規定回数(本実施形態では、例えば7回)に到達したという条件と、時短状態になってからの第2の始動入賞口42Kへの入賞に基づく第2の特図判定の変動回数(第2実行回数)が、予め設定された第2規定回数(本実施形態では、例えば1回)に到達したという条件と、が少なくとも用意されている。即ち、これらのうち何れかの条件が成立すると、時短条件から非時短条件に切り替わる。そして、上記切替タイミングは、特別図柄13A~13Cの変動表示の終了時、即ち、確定停止表示の開始時となっている。なお、本実施形態では、切替タイミングが、特許請求の範囲に記載の「基準タイミング」に相当する。
【0031】
ここで、本実施形態の遊技機10では、特図判定の判定報知演出において、切替タイミングから(確定停止表示の開始時から)確定停止表示の終了時までの特定時間、即ち、確定停止表示を行っている時間(以下、確定停止時間という。)が、遊技状態に応じて変更可能となっている。具体的には、第2の特図判定の確定停止時間T1(以下、第2確定停止時間T1という。)が、第2の特図判定が時短状態で開始された場合に、第2の特図判定非時短状態で開始された場合よりも、長くなっている。詳細には、後述するように、特図判定における確定停止時間や変動表示に関する時間等の設定時間の組は、主制御基板50に備えられた時間決定テーブルに複数パターン用意されていて、遊技状態に応じて何れかのパターンが設定されるようになっている。例えば、本実施形態では、通常パターンと特別パターンの2つが用意されていて、通常パターンが非時短状態に適用され、特別パターンが時短状態に適用される。そして、特別パターンでは通常パターンよりも、第2確定停止時間T1が長くなっている。
【0032】
時短状態では、第2始動入賞部42への入賞が非時短状態よりも容易になるため、遊技者は第2始動入賞部42へ遊技球を入球させようとする(即ち、遊技領域R1のうち表示画面13Gの右側の領域に遊技球を流下させる「右打ち」を行う)。ここで、第2始動入賞部42の保留数が上限に達している状況では、さらに第2始動入賞部42に遊技球が入球しても、その入球に基づく当否判定権は保留記憶されない。しかしながら、第2の始動入賞部42の開閉部材42Cが開放している間に、次の第2の特図判定が行われると、保留数が1つ減るため、開閉部材42Cの開放が終わる前に、遊技球が第2の始動入賞部42に入球して当否判定権が保留記憶されることが起こり得る。このようなことが起きると、保留上限数が実質的に1つ増えることとなってしまう。そして、これは、開閉部材42Cが開状態となり易い時短状態中の方が、非時短状態中よりも起き易くなる。
【0033】
これに対し、本実施形態の遊技機10では、上述のように第2確定停止時間T1、即ち、第2の特図判定の確定停止表示が開始されてから次の第2の特図判定の変動表示が開始されるまで最低限確保される時間が、時短状態で第2の特図判定が行われた場合の方が、非時短状態で第2の特図判定が行われた場合よりも、長くなっている(例えば、6秒。
図3(A)及び
図3(B)参照)。具体的には、第2確定停止時間T1は、時短状態における普図判定の当りに起因する開閉部材42Cの開放動作の時間T3(開放動作の開始時から終了時までの期間)よりも長くなっている(
図3(B)及び
図3(C)参照)。これにより、第2の特図判定の確定停止表示の開始の直前に(即ち、切替タイミングの直前に)、普図判定の変動表示が開始されても、開閉部材42Cの開放動作を、確定停止時間中に(即ち、次の第2の特図判定が開始する前に)終了させ易くすることが可能となる。その結果、時短状態から非時短状態に転落した後に、この開放動作で開放している第2の始動入賞部42に遊技球が入球して保留記憶が行われることを防ぐことが可能となる。さらに、本実施形態では、第2確定停止時間T1は、普図判定の変動表示が開始されてから、その普図判定において開閉部材42Cが開放動作を終了するまでの時間T4よりも長くなっている(
図3(B)及び
図3(C)参照)。これにより、時短状態の終了直前に普図判定の変動表示が開始された場合にも、開閉部材42Cの開放動作を、次の第2の特図判定が開始する前にまでに終了させ易くすることが可能となる。なお、開閉部材42Cの開放動作とは、1つの特図判定での当りで複数回、開閉部材42Cが開放される場合には、最初の開放の開始から、最後の開放の終了までのことである。
【0034】
なお、時短状態でも第1始動入賞部41に遊技球が入球することがある。この場合、第1の特図判定の確定停止時間が長いと、遊技者に違和感を与えることに繋がるため、第1の特図判定の確定停止時間は、第2の特図判定の確定停止時間T1よりも短くなっている(例えば、0.5秒)。第1の特図判定の確定停止時間は、時短状態と非時短状態で異なっていてもよいし、同じであってもよい。
【0035】
また、本実施形態では、第2の特図判定の仮停止表示の開始時から、確定停止表示の開始時までの時間T2も、遊技状態に応じて変更可能となっている。具体的には、この時間T2は、第2の特図判定が非時短状態で行われた場合よりも時短状態で行われた場合の方が、長くなっている。なお、第2特図判定の変動表示の開始時から確定停止表示の開始時までに、仮停止表示が複数回行われる場合には、何れの仮停止表示の開始時から確定停止表示の開始時までの時間を時間T2として遊技状態に応じて変更してもよい。
【0036】
また、第2の特図判定の変動表示の開始時から確定停止表示の終了時までの時間T5は、第2の特図判定が非時短状態で行われた場合よりも時短状態で行われた場合の方が、長くなっている(
図3(A)及び
図3(B)参照)。なお、第1及び第2の特図判定の変動表示は、特図判定が非時短状態で行われた場合よりも非時短状態で行われた場合の方が、短くなっている。
【0037】
なお、時短状態から非時短状態への切替タイミングは、特図判定の変動表示の開始時であってもよい。この場合、遊技状態に応じて、第2の特図判定の変動表示の時間が変更されてもよいし、第2確定停止時間T1が変更されてもよいし、第2特図判定の仮停止表示の開始時から確定停止表示の開始時までの時間T2が変更されてもよい。また、時短状態から非時短状態への切替タイミングは、特図判定の仮停止表示の開始時であってもよい。これらの場合においても、遊技状態の切り替えが起きた際の切替タイミングから確定停止表示の終了時までの時間である特定時間を、開閉部材42Cの開放動作の時間T3よりも長くすることで、時短状態から非時短状態への切替直前に開放した開閉部材42Cの開放動作を、確定停止表示の終了時までに、終わらせ易くすることが可能となり、その開放動作の間に第2の始動入賞部42に遊技球が入球してしまうことを抑制できる。さらに、切替タイミングから確定停止表示の終了時までの特定時間を、普図判定の変動開始から開閉部材42Cの開放終了までの時間T4よりも長くすることで、切替タイミングの直前に変動開始した第2の特図判定の当りに起因する開閉部材42Cの開放動作の間に第2の始動入賞部42に遊技球が入球することを防ぐことが可能となる。
【0038】
次に、
図4を参照しつつ、遊技状態に応じた特定時間の変更を実現するための遊技機10の電気的な構成について説明する。
図4に示すように、符号50は、主制御基板50であって、CPU50AとRAM50B及びROM50C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータ53と、このマイクロコンピュータ53とサブ制御基板52を結ぶ入出力回路を備えると共に、第1始動入賞センサ71、第2始動入賞センサ72、ゲートセンサ73、一般入賞センサ、センター大入賞センサ、サイド大入賞センサ、V入賞センサ201S等が接続された中継回路、及び、発射ハンドル28のタッチセンサや払出される賞球を検出する払出センサ等が接続された払出制御基板、と接続される入出力回路も備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU50Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当りや普通図柄当りに関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御基板52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM50Bは、CPU50Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、各種カウンタや、CPU50Aの作業領域等を備える。ROM50Cには、CPU50Aが実行するメインプログラムPG1や、制御データ等が書き込まれている他、特図判定や普図判定等の判定値が書き込まれている。
【0039】
ここで、マイクロコンピュータ53が備えるカウンタには、第1実行回数をカウントする第1時短カウンタと、第2実行回数をカウントする第2時短カウンタが含まれる。第1時短カウンタは、大当り遊技が終了すると、上限回数(本実施形態の例では、7回)がセットされ、その後、値が0になるまで、第1実行回数が1回増えるたびに1ずつ減算される。第2時短カウンタも、大当り遊技が終了すると、上限回数(本実施形態の例では、1回)がセットされ、その後、値が0になるまで、第1実行回数が1回増えると1減算される。
【0040】
サブ制御基板52は、主制御基板50と同様に、CPU52AとRAM52B、ROM52C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータ52Mを備える。また、サブ制御基板52は、マイクロコンピュータ52Mと主制御基板50を結ぶ入出力回路を備えると共に、表示制御基板54、ランプ制御回路、演出用操作部等を結ぶ入出力回路を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御基板54及びランプ制御回路、音声制御回路等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、CPU52Aが実行するメインプログラムや、各種演出の制御データ等が記憶されている。
【0041】
表示制御基板54は、表示装置13に設けられていて、サブ制御基板52からの制御信号に基づきCPU54AがROM54Cから所定の表示制御データを読み出し、RAM54Bの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPU54Aからの指令に基づいてROM54Cから必要なデータを読み出し、表示画面13Gで表示する表示画像(特別図柄、大当り遊技演出を含む各種演出等の表示画像)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示画面13Gに出力される。
【0042】
なお、主制御基板50、サブ制御基板52、表示制御基板54及びその他の回路(音声制御回路、ランプ制御回路等)は、電源基板60からの電源供給を受けて作動する。
【0043】
以上が、本実施形態の遊技機10の制御フロー以外の説明である。制御フローに関しては後に詳説することとする。
【0044】
本実施形態の遊技機10では、特図判定における特別図柄13A~13Cの変動表示の開始時以降の所定の基準タイミング(例えば、確定停止表示の開始時、仮停止表示の開始時、又は、変動表示の開始時)から、その大当り当否判定についての確定停止表示が終了するまでの時間が、遊技状態に応じて変化可能となっているので、従来よりも図柄の表示についての新鮮味を提供することが可能となる。
【0045】
また、本実施形態の遊技機10では、第1の始動入賞部41への入賞にて発生する第1の当否判定権と、第2の始動入賞部42への入賞にて発生する第2の当否判定権とを使用して、それぞれ大当り当否判定が行われる。そして、大当り当否判定で当りとなると、大当り遊技が実行され、大当り遊技後の遊技状態が時短状態に設定される。時短状態は、時短状態になってからの第1の当否判定の実行回数である第1実行回数が予め設定された第1規定回数に達するか、又は、時短状態になってからの第2の当否判定の実行回数である第2実行回数が予め設定された第2規定回数に達するか、の何れかの条件が少なくとも成立すると、終了し、遊技状態が非時短状態に転落する。従って、大当り遊技の終了後に時短状態になってから非時短状態になるまでの第1実行回数と第2実行回数の合計回数は、遊技者が第1と第2の始動入賞部41,42のうち何れの始動入賞部に遊技球を入球させるかによって変わってくる。このように、本実施形態の遊技機10によれば、時短状態になってから非時短状態になるまでの当否判定の回数が変わり得るので、当否判定の回数が一定である従来の遊技機に比べて、遊技の趣向性を向上させることが可能となる。
【0046】
また、上述のように、時短状態になってから非時短状態になるまでの当否判定の上記合計回数が変わり得るため、従来のように、第1と第2の当否判定を区別せずに、大当り当否判定の上記合計回数によって、確定停止時間を切り替える構成では、遊技状態が変化したタイミングを把握できず、確定停止時間を、遊技状態に応じて設定することができなかった。
【0047】
これに対し、本実施形態の遊技機10では、確定停止時間が、第1実行回数と第2実行回数とのそれぞれに基づいて決定される。具体的には、確定停止時間が、第1特図変動カウンタと第2特図変動カウンタのそれぞれの値に基づいて、決定される。従って、時短状態が非時短状態に転落する条件が、2つ用意されていても、従来の遊技機では不可能であった、確定停止時間を遊技状態に応じて切り替えるということが可能となる。
【0048】
以下、本実施形態の遊技機10の内部処理の詳細を、
図5から
図15に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0049】
遊技機10の電源60をオンすると、遊技機10に備えられた主制御基板50がメインプログラムPG1を実行する。
図5に示すように、メインプログラムPG1は、まず、CPU等の初期設定を行う(S1)。なお、初期設定(S1)は、主制御回路メインプログラムPG1が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。初期設定(S1)では、各種のフラグ、カウンタ、ステータス等のリセット等も行われる。フラグの初期値は「0」(即ち、「OFF」)であり、カウンタの初期値は「0」であり、ステータスの初期値は「1」である。
【0050】
初期設定(S1)に次いで、後述する割り込み処理(S5)を実行するまでの残余時間には、以下のステップS2~S4の各処理をループして行う。まず、割り込みを禁止し(S2)、タイマ割り込みが入って来ても割り込み許可となるまで割り込み処理を行わないようにする。続いて、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)を実行する。この処理(S3)では、特別図柄や普通図柄の決定用の乱数カウンタを1加算して更新する。更新したカウンタ値はRAMの更新値記憶領域に逐一記憶する。普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みを許可し(S4)、メイン割り込み処理(S5)を実行可能とする。
【0051】
なお、上述の各乱数カウンタ値は、遊技機10の電源60がオンされたときに0から始まって乱数更新処理(S3,S11(後述))が行われると1加算され、設定された数値範囲の最大値(上限値)に至ると0にされて再び上記加算を繰り返す。
【0052】
主制御基板50のRAM50Bの乱数記憶領域には、始動入賞部への入賞時に取得される特別図柄関連カウンタ値や、始動ゲート18へ遊技球が通過した時に取得された普通図柄関連カウンタ値を、それぞれ保留の上限値まで記憶可能となっている。そして、乱数記憶領域に記憶された各カウンタ値(乱数値)は、古いものから順に遊技に使用されるようになっている。
【0053】
割り込み処理(S5)は、例えば、4msec周期で入力する割り込みパルスに従って実行される。そして、割り込み処理(S5)が終了してから、次に割り込み処理(S5)が開始するまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理を複数回に亘って繰り返し実行する。また、割り込み禁止状態のときに割り込みパルスが入力した場合は、割り込み処理(S5)をすぐには開始せず、割り込み許可(S4)となってから開始する。
【0054】
メイン割り込み処理(S5)について説明する。
図6に示すように、メイン割り込み処理(S5)では、まず、コマンド処理(S10)を行う。コマンド処理(S10)では、RAM50Bの出力バッファにセットされた各種コマンドを、対応するサブ制御装置(例えば、表示制御基板54、ランプ制御回路等)に出力する。
【0055】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S11)は、上記したメインプログラムPG1のループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、各種カウンタ値の更新処理は、メイン割り込み処理(S5)の実行期間内と、その残余処理期間(メイン割り込み処理(S5)の終了後、次のメイン割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で行われている。
【0056】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S11)に次いで、始動入賞センサ検出処理(S12)が実行される。始動入賞センサ検出処理(S12)では、始動ゲート18、第1始動入賞部41、第2始動入賞部42のそれぞれの通過又は入賞に応じて(即ち、第1始動入賞センサ71、第2始動入賞センサ72、ゲートセンサ73の検出結果に応じて)、対応した保留球数の加算及び当否判定用の乱数取得を行う。
【0057】
詳細には、始動ゲート18を遊技球が通過した場合に、普通図柄保留球数が上限値(例えば、4個)未満であれば、普通図柄保留球数を1加算し、普通図柄乱数取得処理を実行する。具体的には、RAM50Bの更新値記憶領域から普図判定カウンタ値を乱数として取得してRAM50Bの乱数格納領域に記憶する。そして、取得したカウンタ値に基づき普図判定の判定結果を取得し、その内容を入賞コマンドに設定し、入賞コマンドをRAM50Bの出力バッファにセットする。このとき、普図判定の判定結果については、判定時の遊技状態に拘わらず、時短状態と非時短状態それぞれにおける普図判定の判定結果を取得し、両方を設定する。
【0058】
また、第1始動入賞部41に遊技球が入賞した場合には、第1の特図判定の保留球数(第1特図保留球数)が上限値未満であれば、第1特図保留球数を1加算し、特図関係乱数取得処理を実行する。具体的には、RAM50Bの更新値記憶領域から、特別図柄関連カウンタ値を取得して、それらをRAM50Bの乱数記憶領域に記憶する。なお、第2始動入賞部42に遊技球が入賞した場合も、第1入賞部41に遊技球が入賞した場合と同様の処理が行われる。
【0059】
図6に示されるように、メイン割り込み処理(S5)では、始動入賞センサ検出処理(S12)に次いで、普図判定に関する普通動作処理(S13)が実行される。普通動作処理(S13)が実行されると、特図判定に関する特別動作処理(S14)が実行され、その後、その他の処理(S15)が実行されてから、メイン割り込み処理(S5)が終了する。以下、普通動作処理(S13)と特別動作処理(S14)について詳説する。
【0060】
図7に示されるように、普通動作処理(S13)では、普通図柄表示装置14X(
図4参照)及び第2始動入賞部42についての処理が4段階に分けられていて、各段階に、普通動作ステータス1,2,3,4が割り当てられている。普通動作ステータスは、初期設定では、「1」となっていて、普通動作ステータスが1,2,3,4の場合には、それぞれ、普通図柄待機処理(S132)、普通図柄変動中処理(S134)、普通図柄確定処理(S136)、普通役物処理(S137)が実行される。
【0061】
図8に示されるように普通図柄待機処理(S132)では、始動入賞センサ検出処理(S12)において、普図判定カウンタ値が乱数として取得され、記憶されているかが判断される(S1321)。普図判定カウンタ値が記憶されていない場合、この処理を終了する。一方、普図判定カウンタ値が記憶されている場合には、普通図柄当否判定処理(S1322)が実行される。普通図柄当否判定処理(S1322)では、普図判定テーブルに基づいて、普図判定の当否判定がなされる。具体的には、普図判定の当否判定は、遊技状態が非時短状態(時短フラグがOFF)であるときには、非時短状態用の普図判定テーブルに基づいて行われ、遊技状態が時短状態(時短フラグがON)であるときには、時短状態用の普図判定テーブルに基づいて行われる。
【0062】
普通図柄当否判定処理(S1322)が終わると、普通図柄変動パターン選択処理(S1323)が行われる。普通図柄変動パターン選択処理(S1323)では、普通図柄変動パターン選択テーブルに従って、普通図柄の変動パターンが選択される。具体的には、遊技状態が非時短状態(時短フラグがOFF)であるときには、非時短状態用の変動表示時間及び確定停止時間が設定された、非時短状態用の普図変動パターンが選択される。一方、遊技状態が時短状態(時短フラグがON)であるときには、時短状態用の変動表示時間及び確定停止時間が設定された、時短状態用の普図変動パターンが選択される。
【0063】
普通図柄変動パターン選択処理(S1323)が終わると、普図判定カウンタ値の記憶がクリアされ(S1324)、その後、普通図柄変動開始処理(S1325)が行われる。普通図柄変動開始処理(S1325)では、S1323で選択された普図変動パターンにて普通図柄の変動表示が開始されると共に、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板52に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。なお、普通図柄変動開始コマンドには、停止図柄のデータの情報や、普通図柄変動パターン選択処理(S1323)で選択した普図変動パターンの情報(変動表示時間や確定停止時間等)が含まれている。
【0064】
図9に示すように、普通図柄変動中処理(S134)では、まず、S1323で選択された普通図柄の変動表示時間が経過したか否かが判定される(S1341)。経過していなければ(S1341でNO)、普通図柄変動中処理(S134)を終了する。この場合、普通図柄の変動表示が継続される。一方、変動時間が経過していれば(S1341でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S1342)、普通動作ステータスを「3」にセットする(S1343)。そして、普通図柄の変動表示を、選択された図柄で停止させる等のその他の処理が実行され(S1344)、普通図柄変動中処理(S134)が終了する。
【0065】
図10に示すように、普通図柄確定処理(S136)では、まず、普通図柄の確定停止時間が経過したか否かを判定する(S1361)。確定停止時間が経過していなければ(S1361でNO)、この処理を終える。一方、確定停止時間が経過していれば(S1361でYES)、その後、普図当りフラグがONであるか否かが判断される(S1362)。
【0066】
普図当りフラグがONであれば(S1362でYES)、その後、時短フラグがONであるか否か(即ち、時短状態であるか否か)が判断される(S1363)。時短状態であれば(S1363でYES)、開閉部材42Cの開放パターンとして時短状態の開放パターンが設定され(S1364)、その後、普通動作ステータスが「4」にセットされる(S1366)。
【0067】
一方、ステップS1363において、時短フラグがONでない場合(S1363でNO)、即ち、非時短状態である場合には、開閉部材42Cの開放パターンとして、非時短状態中の開放パターンがセットされ(S1365)、ステップS1366に進む。
【0068】
ステップS1366が終わると、その他の処理(S1367)を実行して普通図柄確定処理(S136)を終える。ステップS1362において、普図当りフラグがONでないと判定された場合には(S1362でNO)、普通動作ステータスを「1」にセットして(S1368)、普通図柄確定処理(S136)を終える。
【0069】
図7に示す普通役物処理(S137)では、普通図柄当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断され、この終了条件が成立していれば普通動作ステータスが「1」にセットされ、この処理が終わる。一方、上記終了条件が成立していなければ、開閉部材42Cの開放処理が行われる。なお、例えば、普通図柄当りの終了条件とは、開閉部材42Cの開放時間が所定時間に到達したか、第2始動入賞部42に遊技球が所定個数入球したか、の何れかが起こると成立する。
【0070】
上述のように、
図6に示されるメイン割り込み処理(S5)では、普通動作処理(S13)の後に、特別動作処理(S14)が実行される。この処理(S14)では、特別図柄表示装置14Xとセンター大入賞部15とサイド大入賞部30に関する処理を5段階に分けて、各段階に特別動作ステータス1,2,3,4,5を割り当てている。
図11に示すように、特別動作ステータスが「1」である場合には(S141でYES)、特別図柄待機処理(S142)を行う。特別動作ステータスが「2」である場合には(S141でNO、S143でYES)、特別図柄変動中処理(S144)を実行する。特別動作ステータスが「3」である場合には(S141,S143でNO、S145でYES)、特別図柄確定処理(S146)を実行する。特別動作ステータスが「4」である場合には(S141,S143,S145でNO、S147でYES)、特別役物処理1(大当り遊技処理。S148)を実行する。特別動作ステータスが「5」である場合には(S147でNO)、特別役物処理2(小当り遊技処理。S149)を実行する。なお、特別動作ステータスは、初期設定では「1」となっている。
【0071】
図12に示すように、特別図柄待機処理(S142)では、まず、第2始動入賞部42の保留球数(第2特図保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S2001)。第2特図保留球数が「0」である場合(S2001でYES)、即ち、第2始動入賞部42への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動入賞部41の保留球数(即ち、第1特図保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S2007)。そして、第1特図保留球数も「0」である場合(S2007でYES)、即ち、第1始動入賞部41への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、画像表示装置13の表示画面13Gを待機画面(客待ち画面)としたか否かを判断し(S2013)、そうであれば(S2013でYES)、この処理(S142)を終え、そうでなければ(S2013でNO)、待機画面設定処理(S2014)を行ってから、特別図柄待機処理(S142)を終える。待機画面設定処理(S2014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
【0072】
ステップS2001において第2特図保留球数が「0」でない場合(NO)、即ち、第2始動入賞部42への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(第2の特図判定の保留情報)がある場合には、後述の特
図2大当り判定処理(S2002)が実行され、その後、特
図2変動パターン選択処理(S2003)が実行される。
【0073】
ここで、特
図2変動パターン選択処理(S2003)では、第2の特図判定の変動パターンの情報が設定される。具体的には、第2の特図判定の変動表示をしている時間や、変動表示開始から仮停止表示開始までの時間(仮停止表示のタイミング)や、仮停止表示開始から確定停止表示開始までの時間T2や、確定停止表示する時間(第2確定停止時間T1)がセットされる。これら設定される時間は、マイクロコンピュータ53に備えられた時間決定テーブルに基づいて設定される。時間決定テーブルには、上記設定される時間の組について、遊技状態に応じた複数のパターンが用意されている。本実施形態では、例えば、通常パターンと特別パターンの2つが用意され、通常パターンが非時短状態の場合に適用され、特別パターンが時短状態の場合に適用される。即ち、第2確定停止時間T1や上記時間T2は、特別パターンの方が、通常パターンよりも長くなっている。なお、本実施形態では、例えば、時間決定テーブルにおける特別パターンでは、第2確定停止時間T1が、時短状態における普図判定の変動表示の開始からその普図判定で当りとなったときの開閉部材42Cの開放動作の終了までの時間T4よりも長くなっている。
【0074】
なお、上述の第2規定回数が複数回になっている場合、それら複数回において、第2時短カウンタの値を参照することで、時短状態における最後の第2の特図判定の変動表示の際にのみ、第2確定停止時間T1や上記時間T2を、通常パターンから特別パターンに変更する構成としてもよい(後述の[他の実施形態](3)参照)。
【0075】
特
図2変動パターン選択処理(S2003)が終了すると、第2特図保留球数が1減算される(S2004)。そして、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の記憶場所が、読み出される側に1つシフトされるとともに、第2特図保留記憶部における保留上限個数に対応する記憶場所(読み出される側から最も遠い記憶場所)がクリアされる(S2005)。このようにして、第2の特図判定の保留が保留された順に消化されるようにしている。
【0076】
次に、特
図2変動開始処理(S2006)が実行される。この処理(S2006)では、特別動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAM50Bの出力バッファにセットして、第2の特図判定の特別図柄の変動表示を開始する。特
図2変動開始処理(S2006)でセットされる変動開始コマンド(特
図2変動開始コマンド)には、特
図2大当り判定処理(S2002)でセットされた特図確定停止図柄データの情報や特
図2変動パターン選択処理(S2003)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。この変動パターンの情報には、上述のように、変動表示している時間や、変動表示における仮停止表示開始のタイミングや、時間T2、第2確定停止時間T1の情報等が含まれている。
【0077】
また、第2特図保留球数が「0」であるが第1特図保留球数が「0」でない場合(S2001でYES、S2007でNO)、即ち、第2の特図判定の保留情報はないが、第1始動入賞部41への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特
図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特
図1大当り判定処理(S2008)及び特
図1変動パターン選択処理(S2009)を実行する。その後、第1特図保留球数を1減算する(S2010)。そして、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の記憶場所を、読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部における保留上限個数に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶場所)をクリアする(S2011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。次に、特
図1変動開始処理(S2012)を実行する。この処理(S2012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1の特図判定の特別図柄の変動表示を開始する。特
図1変動開始処理(S2012)でセットされる変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド)には、特
図1大当り判定処理(S2008)でセットされた特図停止図柄データの情報や特
図1変動パターン選択処理(S2009)でセットされた変動パターンの情報(変動表示時間及び確定停止時間の情報等)が含まれている。
【0078】
上述のように、本実施形態では、第1の特図判定の保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S2001でYESの場合)に限って行われ、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化よりも優先される。
【0079】
上述の特
図2大当り判定処理(S2002)、特
図1大当り判定処理(S2008)では、判定値として、特別図柄関連乱数カウンタ値を読み出す。詳細には、特
図2大当り判定処理(S2002)では、RAM50Bの第2特図保留記憶部(詳細には、第2の特図判定の保留の1つ目)に記憶されている特別図柄関連乱数カウンタ値(始動入賞センサ検出処理(S12)で取得された特別図柄関連乱数カウンタ値)を読み出す。また特
図1大当り判定処理(S2008)では、RAM50Bの第1特図保留記憶部(詳細には、第1特図判定の保留の1つ目)に記憶されている特別図柄関連乱数カウンタ値(S12で取得されたもの)を読み出す。 次に、大当り判定テーブルに従って大当りか否か及び小当りか否かを判定する。判定結果が大当りであれば、大当りフラグをONし、当り種別乱数を判定して大当り図柄をセットしてから、この処理(S2002、S2008)を終える。また、判定結果が小当りであれば、小当りフラグをONし、当り種別乱数の判定をして小当り図柄をセットしてから、この処理(S2002、S2008)を終える。判定結果が大当りでも小当りでもなく外れである場合には、外れ図柄をセットしてから、この処理(S2002、S2008)を終了する。なお、遊技機10は、特図判定の当否判定を、S2002やS2008で行う代わりに、S12で行うように構成することもできる。
【0080】
図13に示すように、特別図柄変動中処理(S144)では、まず、変動表示の開始から、所定のスクロール時間(特別図柄が仮停止表示される前にスクロールされる所定時間)が経過したか否かが判断される(S1441)。スクロール時間が経過していなければ(S1441でNO)、特別図柄変動中処理(S144)を終え、特別図柄13A~13Cの変動表示が継続される。一方、スクロール時間が経過していれば(S1441でYES)、仮停止表示したか否かが判断される(S1442)。仮停止表示していれば(S1442でYES)、そのままS1444に進む。一方、仮停止表示していなければ(S1442でNO)、仮停止表示コマンドをセットし、仮停止表示を開始させてから(S1443)、S1444に進む。S1444では、特別図柄13A~13Cの変動表示時間(S2003又はS2009で選択された変動パターンの変動表示時間)が経過したか否かが判定される。変動表示時間が経過していなければ(S1444でNO)、特別図柄変動中処理(S144)を終え、特別図柄13A~13Cの変動表示(仮停止表示)が継続される。
【0081】
一方、S1444において変動時間が経過していれば(YES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1445)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1446)。そして、特別図柄13A~13Cの変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当り図柄、小当り図柄又は外れ図柄)で確定停止表示させる(S1447)。その後、次述の遊技状態管理処理(S1448)が実行されてから、特別図柄変動中処理(S144)を終える。
【0082】
図15に示すように、遊技状態管理処理(S1448)では、まず、時短フラグがONか否か判定する(S4001)。時短フラグがOFFであれば(S4001でNO)、遊技状態管理処理(S1448)が終了する。時短フラグがONであれば(S4001でYES)、続いて、実行されていた特別図柄13A~13Cの変動表示が、第2の特図判定に基づくものか否かが判定される(S4002)。S4002でYESであれば、後述の特別役物処理1(S148)でセットされた第2時短カウンタの値が、1減算される(S4003)。次に、第2時短カウンタの値が0か否かが判断される(S4004)。第2時短カウンタの値が0である場合には(S4004でYES)、時短フラグがOFFされてから(S4005)、遊技状態管理処理(S1448)が終了する。第2時短カウンタの値が0でない場合には(S4004でNO)、直ちに遊技状態管理処理(S1448)を終了する。
【0083】
一方、S4002でNOであれば(即ち、実行されていた変動表示が第1の特図判定に基づくものであれば)、後述の特別役物処理1(S148)でセットされた第1時短カウンタの値が、1減算される(S4006)。次に、第1時短カウンタの値が0か否かが判断される(S4007)。第1時短カウンタの値が0である場合には(S4007でYES)、時短フラグがOFFされてから(S4008)、遊技状態管理処理(S1448)が終了する。第1時短カウンタの値が0でない場合には(S4007でNO)、直ちに遊技状態管理処理(S1448)を終了する。
【0084】
図14示すように、特別図柄確定処理(S146)では、まず、特別図柄13A~13Cの確定停止表示時間が経過したか否かを判定する(S3001)。S3001において特別図柄13A~13Cの確定停止時間が経過していない場合は(NO)、特別図柄確定処理(S146)を終える。一方、確定停止時間が経過している場合は(S3001でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S3002)。大当りフラグがONであれば(S3002でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S3003)。そして、設定リセット処理(S3004)を実行する。この設定リセット処理により、大当り遊技の実行中は非時短状態に制御される。その後、大当り遊技を開始するために、大当りのオープニングコマンドがセットされて(S1606)、大当り遊技のオープニングを開始する(S1607)。S1607の後に、当選した大当り図柄の種別に応じたセンター大入賞部15の開放パターンをセットする(S1608)。
【0085】
一方、ステップS3002において、大当りフラグがONでなければ(NO)、小当りフラグがONであるか否かが判定される(S3008)。小当りフラグがONであれば(YES)、特別動作ステータスが「5」にセットされる(S3009)。その後、小当り遊技を開始するために、小当りのオープニングコマンドがセットされて(S3010)、小当り遊技のオープニングを開始する(S3011)。S3011の後に、小当り図柄の種別に応じたサイド大入賞部30の開放パターンをセットする(S3012)。さらに、振分部材203の配置パターンを設定する等のその他の処理(S3013)が実行されてから、特別図柄確定処理(S146)を終える。
【0086】
ステップS3008において、小当りフラグがONでなければ(NO)、特別動作ステータスを「1」にセットし(S3014)、その後、特別図柄確定処理(S146)を終える。
【0087】
図11に示す特別役物処理1(S148)は、大当り遊技の実行のための処理である。この処理では、大当り遊技の終了条件が成立しているか(例えば、所定回数のラウンドが終了したか)が判断される。終了条件が成立していないときには、ラウンドに応じた開放条件に基づいてセンター大入賞部15の開放動作の処理が行われ、特別役物処理1(S148)が終了する。一方、大当り遊技の終了条件が成立している場合には、特別動作ステータスが「1」にセットされると共に、第1時短カウンタ及び第2時短カウンタの値にそれぞれ上限値がセットされる。また、時短付き大当りの場合には、時短フラグがONにされる。そして、特別役物処理1(S148)が終了する。
【0088】
図11に示す特別役物処理2(S149)は、小当り遊技の実行のための処理である。この処理では、小当り遊技の終了条件が成立しているか(例えば、小当り遊技の時間が終了したか等)が判断される。小当り遊技の終了条件が成立していないときには、サイド大入賞部30の開放処理が行われ、特別役物処理2(S149)が終了する。一方、小当り遊技の終了条件が成立している場合には、小当り遊技中に特定入球口201Vへの遊技球の入賞があったか(V入賞センサ201Sの検出があったか)否かが判断される。特定入球口201Vへの入賞があった場合には、特別動作ステータスが「5」にセットされ、その後、S3010~S3013と同様の処理が実行される。即ち、小当りのオープニングコマンドがセットされ、小当り遊技のオープニングが開始され、当選した小当り図柄の種別に応じた開放パターンがセットされる。その後、特別役物処理2(S149)が終了する。一方、小当り遊技中に特定入球口201Vへの入賞がなかった場合には、特別動作ステータスが「1」にセットされ、特別役物処理2(S149)が終了する。
【0089】
以上が、メインプログラムPG1の説明である。なお、本実施形態では、特別図柄待機処理(S142)における特
図2変動パターン選択処理(S2003)と特
図2変動開始処理(S2006)を実行しているときの主制御基板50のCPU50Aが、特許請求の範囲に記載の「時間変更手段」に相当する。また、本実施形態では、遊技状態管理処理(S1448)を実行しているときの主制御基板50のCPU50Aが、特許請求の範囲に記載の「状態切替手段」に相当する。
【0090】
[他の実施形態]
(1)時短状態の終了条件として、第1実行回数が第1規定回数に達したことと、第2実行回数が第2規定回数に達したこと、の2つの条件以外に、第3の条件が設けられていてもよい。この場合、例えば、第3の条件は、第1実行回数と第2実行回数の合計回数が、予め設定された第3規定回数に達したことであってもよい。この第3規定回数は、例えば、第1規定回数と第2規定回数の和であってもよいし、第1規定回数と第2規定回数の和よりも小さくてもよい。
【0091】
(2)遊技機10は、特図判定で当りとなる確率が低い通常遊技状態と、該確率が高い確変状態との何れかに、大当り遊技後の遊技状態が設定される構成となっていてもよい。この場合、確変状態は、確変状態になってからの第1の当否判定の実行回数である第1実行回数が予め設定された第1規定回数に達するか、又は、確変状態になってからの第2の当否判定の実行回数である第2実行回数が予め設定された第2規定回数に達するか、の何れかの条件が成立すると、終了し、遊技状態が通常遊技状態に転落する構成となっていてもよい。この場合、第1実行回数と第2実行回数をそれぞれカウントするカウンタを設け、それら各カウンタに基づいて、確定停止時間を決定するように主制御基板50等を構成すればよい。
【0092】
(3)上記実施形態の例では、時短状態から非時短状態への遊技状態の切り替えが、時短状態における第2の始動入賞口42Kへの入賞に基づく第2の特図判定の実行回数(第2実行回数)が1回に達しただけで行われたが、第2実行回数が複数回である規定回数に達したときに行われてもよい。この場合、時短状態で行われた第2の特図判定の第2確定停止時間T1のうち、時短状態から非時短状態への切替時から開始される第2確定停止時間T1のみが、非時短状態で行われた第2の特図判定の第2確定停止時間T1よりも長くなっていてもよい(例えば、時間T3や時間T4(
図3(C)参照)よりも長くなっていてもよい)。この場合、第2時短カウンタの値に基づくことで、第2確定停止時間T1が上記切替時から開始される第2確定停止時間T1か否かをCPU50Aが判断することができ、この第2特図判定の際にのみ、特
図2変動パターン選択処理(S2003)において、時間決定テーブルの特別パターンが設定される。
【0093】
(4)上記実施形態では、遊技状態に応じて、第2確定停止時間T1と時間T2とのうち、両方が変更されていたが、何れか一方のみが変更されてもよい。
【0094】
(5)上記実施形態において、第2確定停止時間T1と時間T2を遊技状態に応じて変更せずに、第2の特図判定の変動表示の開始から確定停止表示の終了までの時間T5(
図3(A)及び
図3(b)参照)を遊技状態に応じて変更してもよい。即ち、第2の特図判定の変動表示の開始から仮停止表示の開始までの時間のみを遊技状態に応じて変更してもよい。
【0095】
(6)上記実施形態では、特
図2変動パターン選択処理(S2003)で参照する時間決定テーブルにおける特別パターンでは、第2確定停止時間T1が、時短状態における普図判定で当りとなったときの時間T4よりも長くなっていたが、第2確定停止時間T1が、この時間T4よりも短くかつ、時短状態における普図判定で当りとなったときの開放動作の時間T4よりも長くなっていてもよいし、この時間T4よりも短くなっていてもよい。この場合、時間決定テーブルにおいて、特別パータンの方が通常パターンよりも、第2確定停止時間T1が長くなっていることが好ましい。
【0096】
(7)上記実施形態において、時短状態から非時短状態への切替タイミングは、特図判定の変動表示の開始時であってもよい。この場合、
図15に示す遊技状態管理処理(S1448)を、特別図柄変動中処理(S144)において実行する代わりに、
図12に示す特別図柄待機処理(S142)において特
図2変動開始処理(S2006)の後に実行すればよい。また、時短状態から非時短状態への切替タイミングは、特図判定の仮停止表示の開始時であってもよい。この場合、
図15に示す遊技状態管理処理(S1448)を、
図13に示す特別図柄変動中処理(S144)において、S1447の後に行う代わりに、S1443の直後に実行すればよい
【0097】
(7)上記実施形態において、特図判定の判定結果に小当りが設けられていなくてもよい。この場合、サイド大入賞部30が設けられず、大当りとして1種大当りのみが設定される。
【0098】
(8)上記実施形態では、特別図柄13A~13Cの確定停止表示の時間を遊技状態に応じて異ならせることが可能となっていたが、普通図柄の確定停止表示の時間を遊技状態に応じて変更可能であってもよい。また、普通図柄について、仮停止表示又は変動表示の開始時から確定停止表示の開始時までの時間を遊技状態に応じて変更可能であってもよい。
【符号の説明】
【0099】
10 遊技機
41K 第1始動入賞口
42K 第2始動入賞口
50 主制御基板
50A CPU