(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】縦型充填包装設備を用いた包装袋の製造方法および縦型充填包装設備
(51)【国際特許分類】
B65B 9/207 20120101AFI20230307BHJP
【FI】
B65B9/207
(21)【出願番号】P 2022110436
(22)【出願日】2022-07-08
【審査請求日】2022-08-01
(31)【優先権主張番号】P 2022017391
(32)【優先日】2022-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022064400
(32)【優先日】2022-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】307028493
【氏名又は名称】株式会社悠心
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二瀬 克規
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-194211(JP,A)
【文献】特開2011-201546(JP,A)
【文献】特開2018-158733(JP,A)
【文献】特開2019-206389(JP,A)
【文献】特開2020-183238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状に巻き回されたフィルム原反から帯状プラスチックフィルムを順次に巻き戻す巻き戻しロールと、該巻き戻しロールにて巻き戻された帯状プラスチックフィルムを縦向き搬送姿勢に方向転換する天ロールと、該天ロールにて搬送姿勢が方向転換された帯状プラスチックフィルムを少なくとも2つに折り返す製袋ガイドと、少なくとも2つに折り返された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの長手方向に1本もしくは複数本の縦シール部を連続的に形成する縦シールロール対と、該縦シール部が形成された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの幅方向に横シール部を形成する1または2以上の横シールロール対と、該横シールロール対によって形成された1の横シール部および該縦シールロール対により形成された縦シール部にて区画された帯状プラスチックフィルムの内側空間内に被包装物を充填する充填ノズルと、を備えた縦型充填包装設備を用いて袋同士が相互に連ねられた複数の包装袋を連続的に製造するに当たり、
前記天ロールの軸芯角度の調整制御および前記製袋ガイドの設置位置の調整制御の少なくとも1つの制御を行うことにより
、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置と、縦型充填包装設備に係わる機械中心の位置とが一致するように該帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更することを特徴とする縦型充填包装設備を用いた包装袋の製造方法。
【請求項2】
ロール状に巻き回されたフィルム原反から帯状プラスチックフィルムを順次に巻き戻す巻き戻しロールと、該巻き戻しロールにて巻き戻された帯状プラスチックフィルムを縦向き搬送姿勢に方向転換する天ロールと、該天ロールにて搬送姿勢が方向転換された帯状プラスチックフィルムを少なくとも2つに折り返す製袋ガイドと、少なくとも2つに折り返された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの長手方向に1本もしくは複数本の縦シール部を連続的に形成する縦シールロール対と、該縦シール部が形成された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの幅方向に横シール部を形成する1または2以上の横シールロール対と、該横シールロール対によって形成された1の横シール部および該縦シールロール対により形成された縦シール部にて区画された帯状プラスチックフィルムの内側空間内に被包装物を充填する充填ノズルと、を備え、被包装物が充填された充填空間を該横シールロール対により形成されるもう1の横シール部にて封止することにより上下の端部を封止して袋同士が相互に連ねられた複数の包装袋を連続的に製造する縦型充填包装設備であって、
前記天ロールは、水平姿勢に保持されており、該天ロールの軸芯角度を水平面内または該水平面に交差する面内において調整
することで、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置と、縦型充填包装設備に係わる機械中心の位置とが一致するように前記帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更することのできる角度調整手段を有することを特徴とする縦型充填包装設備。
【請求項3】
前記角度調整手段は、前記製袋ガイドから前記縦シールロール対の入側に至るまでの間に設けられ、帯状プラスチックフィルムの搬送経路を検知する検知手段と、前記天ロールを両側軸端部において支持するロールチョックにつながり、該ロールチョックの少なくとも一方を該天ロールとともに水平面内または該水平面と交差する面内で移動させるアクチュエータと、該検知手段にて検知された情報にしたがい該アクチュエータを作動させ、該天ロールの軸芯角度の調整を行うことにより該帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更する制御部と、からなることを特徴とする請求項2に記載した縦型充填包装設備。
【請求項4】
ロール状に巻き回されたフィルム原反から帯状プラスチックフィルムを順次に巻き戻す巻き戻しロールと、該巻き戻しロールにて巻き戻された帯状プラスチックフィルムを縦向き搬送姿勢に方向転換する天ロールと、該天ロールにて搬送姿勢が方向転換された帯状プラスチックフィルムを少なくとも2つに折り返す製袋ガイドと、少なくとも2つに折り返された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの長手方向に1本もしくは複数本の縦シール部を連続的に形成する縦シールロール対と、該縦シール部が形成された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの幅方向に横シール部を形成する1または2以上の横シールロール対と、該横シールロール対によって形成された1の横シール部および該縦シールロール対により形成された縦シール部にて区画された帯状プラスチックフィルムの内側空間内に被包装物を充填する充填ノズルとを備え、被包装物が充填された充填空間を該横シールロール対により形成されるもう1の横シール部にて封止することにより上下の端部を封止して袋同士が相互に連ねられた複数の包装袋を連続的に製造する縦型充填包装設備であって、
前記製袋ガイドは、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中央部でその内側面に当接するガイド部材と、該ガイド部材を移動させてその設置位置を調整する
ことで、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置と、縦型充填包装設備に係わる機械中心の位置とが一致するように該帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更することのできる移動手段と、を有することを特徴とする縦型充填包装設備。
【請求項5】
前記製袋ガイドは、前記ガイド部材の軸芯に直交する向きの軸芯をそれぞれ有し、前記縦シールロール対のロール軸芯に平行でかつ、前記帯状プラスチックフィルムの外側面に当接する一対のロッドを備えることを特徴とする請求項4に記載の縦型充填包装設備。
【請求項6】
前記一対のロッドは、前記ガイド部材の両端側に隙間を隔てて配置されているか、該ガイド部材の配置位置の上流側または下流側に配置されるものであることを特徴とする請求項5に記載した縦型充填包装設備。
【請求項7】
前記ガイド部材は、前記縦シールロール対のロール軸芯に直交する向きの軸芯を有し、該軸芯を回転中心とするガイドロールと、該ガイドロールを回転自在に支持する支持部と、を有することを特徴とする請求項4に記載した縦型充填包装設備。
【請求項8】
前記ガイドロールは、そのロール軸の両端にそれぞれ設けられ、前記帯状プラスチックフィルムの内側面に当接するサブガイドロールを有することを特徴とする請求項7に記載した縦型充填包装設備。
【請求項9】
前記移動手段は、前記ガイド部材を、前記縦シールロール対の軸芯を含む水平面に平行な面内で該縦シールロール対の軸芯に直交する向きに移動させるか、
前記縦シールロール対の軸芯を含む水平面に平行な面内で回動させるか、もしくは、該縦シールロール対の軸芯を含む水平面に平行な面に対して傾動させるベースと、前記帯状プラスチックフィルムの搬送経路を製袋ガイドの入側または縦シールロール対の入側において検知する検知手段と、該検知手段にて検知された情報にしたがい該ベースを作動させ、該ガイド部材を該ベースとともに移動、
回動もしくは傾動させ、該ガイド部材の設置位置を調整することにより該帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更する制御部と、を有することを特徴とする請求項4~8のいずれか1項に記載した縦型充填包装設備。
【請求項10】
ロール状に巻き回されたフィルム原反から帯状プラスチックフィルムを順次に巻き戻す巻き戻しロールと、該巻き戻しロールにて巻き戻された帯状プラスチックフィルムを縦向き搬送姿勢に方向転換する天ロールと、該天ロールにて搬送姿勢が方向転換された帯状プラスチックフィルムを少なくとも2つに折り返す製袋ガイドと、少なくとも2つに折り返された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの長手方向に1本もしくは複数本の縦シール部を連続的に形成する縦シールロール対と、該縦シール部が形成された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの幅方向に横シール部を形成する1または2以上の横シールロール対と、該横シールロール対によって形成された1の横シール部および該縦シールロール対により形成された縦シール部にて区画された帯状プラスチックフィルムの内側空間内に被包装物を充填する充填ノズルとを備え、被包装物が充填された充填空間を該横シールロール対により形成されるもう1の横シール部にて封止することにより上下の端部を封止して袋同士が相互に連ねられた複数の包装袋を連続的に製造する縦型充填包装設備であって、
前記天ロールは、水平姿勢に保持されており、該天ロールの軸芯角度を水平面内または該水平面に交差する面内において調整可能な角度調整手段を有し、
前記製袋ガイドは、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中央部でその内側面に当接するガイド部材と、該ガイド部材を移動させてその設置位置を調整する
ことで、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置と、縦型充填包装設備に係わる機械中心の位置とが一致するように該帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更することのできる移動手段と、を有することを特徴とする縦型充填包装設備。
【請求項11】
前記角度調整手段は、前記製袋ガイドから前記縦シールロール対の入側に至るまでの間に設けられ、帯状プラスチックフィルムの搬送経路を検知する検知手段と、前記天ロールを両側軸端部において支持するロールチョックにつながり、該ロールチョックの少なくとも一方を該天ロールとともに水平面内または該水平面と交差する面内で移動させるアクチュエータと、該検知手段にて検知された情報にしたがい該アクチュエータを作動させ、該天ロールの軸芯角度の調整を行うことにより該帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更する制御部と、からなることを特徴とする請求項10に記載した縦型充填包装設備。
【請求項12】
前記製袋ガイドは、前記ガイド部材の軸芯に直交する向きの軸芯をそれぞれ有し、前記縦シールロール対のロール軸芯に平行でかつ、前記帯状プラスチックフィルムの外側面に当接する一対のロッドを備えることを特徴とする請求項10に記載の縦型充填包装設備。
【請求項13】
前記一対のロッドは、前記ガイド部材の両端側に隙間を隔てて配置されているか、該ガイド部材の配置位置の上流側または下流側に配置されるものであることを特徴とする請求項12に記載した縦型充填包装設備。
【請求項14】
前記ガイド部材は、前記縦シールロール対のロール軸芯に直交する向きの軸芯を有し、該軸芯を回転中心とするガイドロールと、該ガイドロールのロール軸の両端部をそれぞれ回転自在に支持する支持部と、を有することを特徴とする請求項10に記載した縦型充填包装設備。
【請求項15】
前記ガイドロールは、そのロール軸の両端にそれぞれ設けられ、前記帯状プラスチックフィルムの内側面に当接するサブガイドロールを有することを特徴とする請求項14に記載した縦型充填包装設備。
【請求項16】
前記移動手段は、前記ガイド部
材を、前記縦シールロール対の軸芯を含む水平面に平行な面内で該縦シールロール対の軸芯に直交する向きに移動させるか、
前記縦シールロール対の軸芯を含む水平面に平行な面内で回動させるか、もしくは、該縦シールロール対の軸芯を含む水平面に平行な面に対して傾動させるベースと、前記帯状プラスチックフィルムの搬送位置を製袋ガイドの入側または縦シールロール対の入側において検知する検知手段と、該検知手段にて検知された情報にしたがい該ベースを作動させ、該ガイド部材を該ベースとともに移動、
回動もしくは傾動させて該ガイド部材の設置位置の調整を行うことにより帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更する制御部と、を有することを特徴とする請求項10~15のいずれか1項に記載した縦型充填包装設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム原反から連続して巻き戻される帯状プラスチックフィルムを袋状に成形しながら内容物を自動的に充填包装し、複数の包装袋を連続して製造することのできる縦型充填包装設備を用いた包装袋の製造方法と縦型充填包装設備に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食物や調味液、医薬品、化学品等の液状物や粘稠物、粉・粒状物等からなる内容物を、帯状プラスチックフィルムを袋状に成形しながら自動的に充填包装し、複数の包装袋を連続して製造することのできる縦型充填包装設備としては、例えば特許文献1のようなものが知られている。
【0003】
この縦型充填包装設備では、帯状プラスチックフィルムを、該プラスチックフィルムがロール状に巻回してなるフィルム原反からフィルム案内機構を介してフィルム折返し機構である製袋ガイドに導き出し、該製袋ガイドによって該プラスチックフィルムを長手方向に沿って二つ折りとし、次いで、縦シール機構(縦シールロール対)によって該プラスチックフィルムの側端縁を挟みながら送り出すと共に、ヒートシールすることにより、該プラスチックフィルムを筒状に縦シールし、続いて横シール機構(横シールロール対)によって該筒状のプラスチックフィルムを横方向にヒートシールすることにより横シールして包装袋の底部となる横シール部を形成し、さらに有底筒状に形成された該プラスチックフィルム内に、充填ノズルによって液状や粘稠状等の被包装物を充填すると共に、前記横シール機構によって包装袋の袋口側を横シールして連続した包装袋を形成するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記縦型充填包装設備では、帯状プラスチックフィルムを、製袋ガイドによって長手方向に沿って二つ折りとする際、その折り返し位置がプラスチックフィルムの幅方向の中心位置から外れると、折り返した際に側端縁どうしが揃わず、所謂、耳ずれが発生するおそれがある。そのため、試運転の際に、作業員が、使用するプラスチックフィルムの幅方向中心位置にあわせて製袋ガイドの位置を調整する等して耳ずれの発生を防止していたが、非常に手間がかかると共に、一度、調整を行っても巻き戻しに係わるプラスチックフィルムの蛇行により中心位置がずれて耳ずれが発生してしまうことがあった。
【0006】
そこで、本発明では、フィルム原反から巻き戻される帯状プラスチックフィルムの搬送経路を適宜変更し、該帯状プラスチックフィルムを幅方向の中心位置で正確に二つに折り返すことで、耳ずれの軽減された包装袋を安定して製造することのできる縦型充填包装設備を用いた包装袋の製造方法と縦型充填包装設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、ロール状に巻き回されたフィルム原反から帯状プラスチックフィルムを順次に巻き戻す巻き戻しロールと、該巻き戻しロールにて巻き戻された帯状プラスチックフィルムを縦向き搬送姿勢に方向転換する天ロールと、該天ロールにて搬送姿勢が方向転換された帯状プラスチックフィルムを少なくとも2つに折り返す製袋ガイドと、少なくとも2つに折り返された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの長手方向に1本もしくは複数本の縦シール部を連続的に形成する縦シールロール対と、該縦シール部が形成された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの幅方向に横シール部を形成する1または2以上の横シールロール対と、該横シールロール対によって形成された1の横シール部および該縦シールロール対により形成された縦シール部にて区画された帯状プラスチックフィルムの内側空間内に被包装物を充填する充填ノズルと、を備えた縦型充填包装設備を用いて袋同士が相互に連ねられた複数の包装袋を連続的に製造するに当たり、
前記天ロールの軸芯角度の調整制御および前記製袋ガイドの設置位置の調整制御の少なくとも1つの制御を行うことにより、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置と、縦型充填包装設備に係わる機械中心の位置とが一致するように該帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更することを特徴とする縦型充填包装設備を用いた包装袋の製造方法である。
【0008】
また本発明は、ロール状に巻き回されたフィルム原反から帯状プラスチックフィルムを順次に巻き戻す巻き戻しロールと、該巻き戻しロールにて巻き戻された帯状プラスチックフィルムを縦向き搬送姿勢に方向転換する天ロールと、該天ロールにて搬送姿勢が方向転換された帯状プラスチックフィルムを少なくとも2つに折り返す製袋ガイドと、少なくとも2つに折り返された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの長手方向に1本もしくは複数本の縦シール部を連続的に形成する縦シールロール対と、該縦シール部が形成された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの幅方向に横シール部を形成する1または2以上の横シールロール対と、該横シールロール対によって形成された1の横シール部および該縦シールロール対により形成された縦シール部にて区画された帯状プラスチックフィルムの内側空間内に被包装物を充填する充填ノズルと、を備え、被包装物が充填された充填空間を該横シールロール対により形成されるもう1の横シール部にて封止することにより上下の端部を封止して袋同士が相互に連ねられた複数の包装袋を連続的に製造する縦型充填包装設備であって、
前記天ロールは、水平姿勢に保持されており、該天ロールの軸芯角度を水平面内または該水平面に交差する面内において調整することで、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置と、縦型充填包装設備に係わる機械中心の位置とが一致するように前記帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更することのできる角度調整手段を有することを特徴とする縦型充填包装設備である。
【0009】
また、本発明は、ロール状に巻き回されたフィルム原反から帯状プラスチックフィルムを順次に巻き戻す巻き戻しロールと、該巻き戻しロールにて巻き戻された帯状プラスチックフィルムを縦向き搬送姿勢に方向転換する天ロールと、該天ロールにて搬送姿勢が方向転換された帯状プラスチックフィルムを少なくとも2つに折り返す製袋ガイドと、少なくとも2つに折り返された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの長手方向に1本もしくは複数本の縦シール部を連続的に形成する縦シールロール対と、該縦シール部が形成された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの幅方向に横シール部を形成する1または2以上の横シールロール対と、該横シールロール対によって形成された1の横シール部および該縦シールロール対により形成された縦シール部にて区画された帯状プラスチックフィルムの内側空間内に被包装物を充填する充填ノズルとを備え、被包装物が充填された充填空間を該横シールロール対により形成されるもう1の横シール部にて封止することにより上下の端部を封止して袋同士が相互に連ねられた複数の包装袋を連続的に製造する縦型充填包装設備であって、
前記製袋ガイドは、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中央部でその内側面に当接するガイド部材と、該ガイド部材を移動させてその設置位置を調整することで、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置と、縦型充填包装設備に係わる機械中心の位置とが一致するように前記帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更することのできる移動手段と、を有することを特徴とする縦型充填包装設備である。
【0010】
さらに、本発明は、ロール状に巻き回されたフィルム原反から帯状プラスチックフィルムを順次に巻き戻す巻き戻しロールと、該巻き戻しロールにて巻き戻された帯状プラスチックフィルムを縦向き搬送姿勢に方向転換する天ロールと、該天ロールにて搬送姿勢が方向転換された帯状プラスチックフィルムを少なくとも2つに折り返す製袋ガイドと、少なくとも2つに折り返された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの長手方向に1本もしくは複数本の縦シール部を連続的に形成する縦シールロール対と、該縦シール部が形成された帯状プラスチックフィルムを挟持し、加圧、加熱して該帯状プラスチックフィルムの幅方向に横シール部を形成する1または2以上の横シールロール対と、該横シールロール対によって形成された1の横シール部および該縦シールロール対により形成された縦シール部にて区画された帯状プラスチックフィルムの内側空間内に被包装物を充填する充填ノズルとを備え、被包装物が充填された充填空間を該横シールロール対により形成されるもう1の横シール部にて封止することにより上下の端部を封止して袋同士が相互に連ねられた複数の包装袋を連続的に製造する縦型充填包装設備であって、
前記天ロールは、水平姿勢に保持されており、該天ロールの軸芯角度を水平面内または該水平面に交差する面内において調整可能な角度調整手段を有し、
前記製袋ガイドは、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中央部でその内側面に当接するガイド部材と、該ガイド部材を移動させてその設置位置を調整することで、前記帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置と、縦型充填包装設備に係わる機械中心の位置とが一致するように前記帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更することのできる移動手段と、を有することを特徴とする縦型充填包装設備である。
【0011】
なお、本発明の縦型充填包装設備においては、
(1)前記角度調整手段は、前記製袋ガイドから前記縦シールロール対の入側に至るまでの間に設けられ、帯状プラスチックフィルムの搬送経路を検知する検知手段と、前記天ロールを両側軸端部において支持するロールチョックにつながり、該ロールチョックの少なくとも一方を該天ロールとともに水平面内または該水平面と交差する面内で移動させるアクチュエータと、該検知手段にて検知された情報にしたがい該アクチュエータを作動させ、該天ロールの軸芯角度の調整を行うことにより該帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更する制御部と、からなること、
(2)前記製袋ガイドは、前記ガイド部材の軸芯に直交する向きの軸芯をそれぞれ有し、前記縦シールロール対のロール軸芯に平行でかつ、前記帯状プラスチックフィルムの外側面に当接する一対のロッドを備えること、
(3)前記一対のロッドは、前記ガイド部材の両端側に隙間を隔てて配置されているか、該ガイド部材の配置位置の上流側または下流側に配置されるものであること、
(4)前記ガイド部材は、前記縦シールロール対のロール軸芯に直交する向きの軸芯を有し、該軸芯を回転中心とするガイドロールと、該ガイドロールのロール軸の両端部をそれぞれ回転自在に支持する支持部と、を有すること、
(5)前記ガイドロールは、そのロール軸の両端にそれぞれ設けられ、前記帯状プラスチックフィルムの内側面に当接するサブガイドロールを有すること、
(6)前記移動手段は、前記ガイド部材を、前記縦シールロール対の軸芯を含む水平面に平行な面内で該縦シールロール対の軸芯に直交する向きに移動させるか、前記縦シールロール対の軸芯を含む水平面に平行な面内で回動させるか、もしくは、該縦シールロール対の軸芯を含む水平面に平行な面に対して傾動させるベースと、前記帯状プラスチックフィルムの搬送位置を製袋ガイドの入側または縦シールロール対の入側において検知する検知手段と、該検知手段にて検知された情報にしたがい該ベースを作動させ、該ガイド部材を該ベースとともに移動、回動もしくは傾動させて該ガイド部材の設置位置の調整を行うことにより帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更する制御部と、を有すること、
が好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、帯状プラスチックフィルムの搬送経路を、天ロールの軸芯角度および/または製袋ガイドの設置位置を調整することによって適宜変更することで、帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置と、縦型充填包装設備に係わる機械中心の位置とを常に一致させることができ、該帯状プラスチックフィルムを幅方向の中心位置で二つに折り返した際に、その側端縁どうしを正確に重ね合わせることができ、耳ずれの発生を効果的に抑制することができる。
【0013】
また従来の縦型充填包装設備では、使用する帯状プラスチックフィルムの偏肉等による蛇行を抑制するため、天ロールを縦シールロールよりも1000mm程度高い位置に配置し、該天ロールと製袋ガイドとの間で、走行する帯状プラスチックフィルムにテンションをかけて歪みを調整する必要があったが、本発明によれば、帯状プラスチックフィルムの蛇行(搬送経路)は、天ロールおよび/または製袋ガイドによって調整することができるため、前記天ロールの配置位置を低く(-500mm程度)することができ、縦型充填包装設備をコンパクトなものにすることができる。
【0014】
また、本発明によれば、天ロールから搬送された帯状プラスチックフィルムの幅方向の中心位置または側縁位置をCCDカメラやセンサー等の検知手段によって検知し、該検知手段によって得られた情報に従って製袋ガイドを、移動手段によって移動等させることで、包装袋を充填包装しながら帯状プラスチックフィルムの蛇行を調整することができる。このため、作業員を要することなく自動で帯状プラスチックフィルムの位置合わせを行うことが可能となり、包装袋に係わる製造コストを低減することができる。
【0015】
また、本発明によれば、天ロールに、その軸芯の角度を水平面内において変更可能とする角度調整手段を設けたことで、例えば、製袋ガイドの入側において帯状プラスチックフィルムの幅方向中心位置を検知し、その検知結果に基づいて、該天ロールを移動させる(軸芯の角度を調整)ことで、帯状プラスチックフィルムの搬送経路(蛇行)を調整することができ、さらに、製袋ガイドにおいて帯状プラスチックフィルムをその幅方向中心位置で正確に2つに折り返すことができ、耳ずれの発生をより効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の縦型充填包装設備の一実施形態を示す正面図である。
【
図5】天ロールの軸線角度を、その水平面内において調整する方法を示す図である。
【
図6】天ロールの軸線角度を、その水平面内において調整する他の方法を示す図である
【
図7】製袋ガイドの一実施形態を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)左側面図である。
【
図8】製袋ガイドを、縦シールロール対の軸芯を含む水平面に平行な面内で、縦シールロール対の軸芯に直交する向きに移動させた状態を示す図である。
【
図9】製袋ガイドを、縦シールロール対の軸芯を含む水平面に平行な面内で、回動させた状態を示す図である。
【
図10】製袋ガイドの他の実施形態を示す平面図である。
【
図11】
図10の製袋ガイドを、縦シールロール対の軸芯を含む水平面に平行な面に対して時計回りに傾動させた状態を示す図である。
【
図12】
図10の製袋ガイドを、縦シールロール対の軸芯を含む水平面に平行な面に対して反時計回りに傾動させた状態を示す図である。
【
図13】縦シールロール対の噛み込み中心を説明する図である。
【
図14】製袋ガイドの他の実施形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図(ロッドを図示せず)、(d)は(b)のA-A位置における断面図である。
【
図15】製袋ガイドのさらに他の実施形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図(ロッドを図示せず)、(d)は(b)のB-B位置における断面図である。
【
図16】製袋ガイドのさらに他の実施形態を示す図であり、(a)は平面図、(b)はガイド部材を断面で示した図、(c)は左側面図(ロッドを図示せず)、(d)は正面図(ロッドを図示せず)である。
【
図17】製袋ガイドのさらに他の実施形態を示す図である。
【
図18】本発明の縦型充填包装設備の参考例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、包装袋を一列もしくは複数列(多列)で同時に製造するいずれの場合にも適用が可能であるが、以下の説明は、主として一列充填の例で説明する。
【0018】
図1~4は、本発明にしたがう方法の実施に用いて好適な縦型充填包装設備を模式的に示した図であり、
図1は、縦型充填包装設備の正面図、
図2は、縦型充填包装設備の平面図、
図3は、縦型充填包装設備の右側面図、そして、
図4は、縦型充填包装設備の左側面図である。
【0019】
図1~4における符号1は、帯状プラスチックフィルムFがロール状に巻き回されて形成されたフィルム原反、2は、軸受けを介して回転可能に支持され、フィルム原反1から帯状プラスチックフィルムFを順次に巻き戻す巻き戻しロール、3、4は、巻き戻された帯状プラスチックフィルムFの進行する向きを変更するガイドロール、5は、水平姿勢に保持され、帯状プラスチックフィルムFを縦向き搬送姿勢(垂直姿勢)に方向転換する天ロールである。天ロール5は、ロールチョック5a内に収められた軸受け(図示せず)を介して回転可能に支持された無駆動式のロールから構成されており、後述する縦シールロール対の軸芯L1に直交する軸芯Lを有している。
【0020】
帯状プラスチックフィルムFのフィルム構成は、少なくともベース層とシーラント層を有するものであればとくに限定されるものではなく、本実施形態では、一軸もしくは二軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルム層やナイロン樹脂フィルム層等からなるベース層と、無延伸のポリエチレン層やポリプロピレン層等からなるシーラント層とを具える帯状プラスチックフィルムFを用いる。例えば、アルミ箔、アルミ合金箔、アルミニウム蒸着層および/または紙などを積層してなる積層プラスチックフィルムも好適に使用することができる。
【0021】
また、
図1~4における符号6は、天ロール5の下方に設置され、該天ロール5にて縦向き搬送姿勢に方向転換された帯状プラスチックフィルムFを2つ折りに折り返す製袋ガイド、7は、2つ折りに折り返された帯状プラスチックフィルムFの重ね合わせ部分の縁部を挟持し、加圧、加熱して縦シール部Sを連続的に形成する縦シールロール対、8は、縦シールロール対7の下部直近に設けられ、縦シール部Sが形成された帯状プラスチックフィルムFを挟持し、加圧、加熱して帯状プラスチックフィルムFの幅方向に横シール部S1を形成する横シールロール対、さらに、9は、縦シールロール対7と天ロール5との間に設けられ、横シール部S1、縦シール部Sにて区画された帯状プラスチックフィルムFの内側空間内に被包装物Mを充填する充填ノズル、10は、横シールロール対8の下部に設けられ、横シール部S1を冷却するための冷却ロール対、11は、冷却ロール対10の下部に設けられ、袋同士が相互に連ねられた複数の包装袋を横シール部S1において切断、該包装袋を個別袋として切り離す走間カッターである。
本実施形態では、製袋ガイド6が、充填ノズル9の設置位置よりも下流に配置されているが、該製袋ガイド6は、充填ノズル9の設置位置よりも上流に位置させてもよい。
【0022】
なお、横シールロール対8は、縦シール部Sと協働して内側空間を形成する1つの横シール部S1と、該内側空間に被包装物Mを充填したのち、その内側空間を密閉するもう一つの横シール部S1を交互に形成していく2つの機能を備えている。
【0023】
また、
図1~3における符号12は、天ロール5の軸芯角度θを水平面内あるいは該水平面に交差す面内において調整する角度調整手段である。
【0024】
角度調整手段12は、製袋ガイド6から縦シールロール対7の入側に至るまでの間に設けられ、帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置Cあるいは幅方向の端縁を検知する検知手段12aと、天ロール5を両側軸端部において支持するロールチョック5aの少なくとも一方を該天ロール5とともに水平面内または該水平面と交差する面内で移動させるアクチュエータ(油圧シリンダー等)12bと、該検知手段12aにて検知された情報にしたがい該アクチュエータ12bを作動させ、該天ロール5の軸芯角度θの調整を行うことにより帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を変更する制御部12cから構成されたものが適用される。上記のアクチュエータ12bは、ロールチャック5aの少なくとも一方を天ロール5とともに水平面内または該水平面内と交差する面内で移動されるものとして説明したが、それ以外の面内で移動させるものでもよい。
【0025】
なお、検知手段12aは、帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置Cあるいは幅方向の端縁位置を検知することができればどのようなものであってもよく、CCDカメラや各種エッジセンサー(例えば、画像センサーで帯状プラスチックフィルムFの幅を検出する方法や、超音波やレーザーなどを帯状プラスチックフィルムFに照射し、検出器にて透過してきたもの、あるいは反射してきたものを判断してエッジを検出する方法など)を用いることができる。
【0026】
検知手段12aによって検知された情報(帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置Cまたは幅方向の端縁位置)は、上記したように制御部12cに送信され、予め入力された設定値とのずれが算出され、該制御部12cにおいて設定値とのずれが規定した範囲以上であると判定されると、制御部12cにおいて、そのずれから天ロール5の軸芯角度θが算出されると共に、該制御部12cからの指令によってアクチュエータ12bが作動し、天ロール5が軸芯角度θだけ移動する(調整される)。
【0027】
なお、天ロール5の軸芯角度θは、天ロール5を水平姿勢に保持した状態で、
図5に示すように両側軸端において支持するロールチョック5aの両方を天ロール5とともに水平面内で移動させることで調整することができ、また該ロールチョック5aの両方は、天ロール5とともに水平面に交差する面内で移動させてもよい。
【0028】
また、天ロール5の軸芯角度θは、天ロール5を水平姿勢に保持した状態で、
図6に示すように、天ロール5の両側軸端において支持するロールチョック5aの一方を、天ロール5とともに水平面内で移動させることにより調整することができ、また該ロールチョック5aの一方を、天ロール5とともに水平面に交差する面内で移動させてもよい。
【0029】
ここで、帯状プラスチックフィルムFの搬送経路とは、巻き戻しロール2において巻き戻された帯状プラスチックフィルムFが縦シールロール対7に辿り着くまでの通り道であって、その搬送経路を変更するとは、搬送過程にある帯状プラスチックフィルFを、幅方向にずらすことを意味している。
【0030】
製袋ガイド6の一実施形態を
図7に示す。製袋ガイド6は、
図7(a)の平面図、
図7(b)の正面図および
図7(c)の左側面図に示すように、充填ノズル9の両側に間隔をおいて平行に配置され、帯状プラスチックフィルムFの外側面に当接する一対のロッド6a、6bと、一対のロッド6a、6bの相互間に隙間を隔てて配置され、帯状プラスチックフィルムFの幅方向の中央部でその内側面に当接して転動する無駆動式のロールからなるガイド部材6cと、該一対のロッド6a、6bおよびガイド部材6cを移動させてその設置位置を調整する移動手段6dとを有している。
なお、本実施形態では、ガイド部材6cが、転動可能なロールからなる場合を一例として示しているが、ガイド部材6cは、帯状プラスチックフィルムFの内側面に当接しながら摺動させるような部材を用いることもできる。
【0031】
一対のロッド6a、6bは、縦シールロール対7のロール軸芯L1に平行な軸芯L2、L3をそれぞれ有しており、ガイド部材6cは、該一対のロッド6a、6bの各軸L2、L3に直交する向きの軸芯L4を有している。
【0032】
移動手段6dとしては、ガイド部材6cにつながり、該ガイド部材6cを、縦シールロール対7の軸芯L1を含む水平面に平行な面内で該縦シールロール対7の軸芯L1に直交する向きに移動させるか、もしくは、縦シールロール対7の軸芯L1を含む水平面に平行な面に対して傾動させるベース6d1と、帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を製袋ガイド6の入側において検知する検知手段6d2と、該検知手段6d2にて検知され情報にしたがい該ベース6d1を油圧シリンダーや空気圧シリンダー等のアクチュエータ(図示せず)によって作動させ、該ガイド部材6cを、ベース6d1とともに移動させ、ガイド部材6cの設置位置を調整することにより該帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を変更する制御部6d3から構成されるものが適用される。なお、本実施形態では、一対のロッド6a、6bとガイド部材6cが、ベース6d1を介して一体に構成されているため、移動手段6によってベース6d1(ガイド部材6c)と共に、一対のロッド6a、6bが移動する。
【0033】
なお、本実施形態では、ガイド部材6cを、ベース6d1を介して一対のロッド6a、6bと一体に設け、ロッド6a、6bの軸芯L2、L3とガイド部材6cの軸芯L4を、同一平面内に配置した場合について示しているが、ガイド部材6cと、一対のロッド6a、6bとは別体としてもよく、この場合、一対のロッド6a、6bをガイド部材6cの上流位置や下流位置に設けて軸芯L2、L3と軸芯L4とをずらしてもよい。
【0034】
検知手段6d2は、帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置Cまたは幅方向の側縁位置を検知することができればどのようなものであってもよい。本実施形態では、検知手段6d2として、角度調整手段12の検知手段12aを利用しているが、角度調整手段12とは別の検知手段を用いてもよい。
【0035】
検知手段6d2によって検知された情報(帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置Cまたは側縁位置)は、制御部6d3に送信され、予め制御部6d3に入力された設定値とのずれが算出される。制御部6d3において設定値とのずれが規定した範囲以上であると判定されると、制御部6d3において、そのずれからガイド部材6cの設置位置が決定され、該制御部6d3からの指令により、ベース6d1をアクチュエータ(図示せず)によって所定位置まで移動させる。なお、本実施形態では、制御部6d3として、角度調整手段12の制御部12cを利用しているが、該制御部12cとは別のものを用いてもよい。
【0036】
製袋ガイド6を構成するガイド部材6cは、
図8に示すように、縦シールロール対7の軸芯L1を含む水平面に平行な面内で該縦シールロール対7の軸芯L1に直交する向きに移動させること(一対のロッド6a、6bと共に移動させた場合を例示する)や、
図9に示すように、縦シールロール対7の軸芯L1を含む水平面に平行な面内で支点Pを中心に回動させること(一対のロッド6a、6bと共に回動させた場合を例示する)により、その設置位置の調整を行うことができる。
【0037】
また、
図10に示すようにベース6d1の後端部に傾動軸6eを設けておき、
図11、
図12に示すように、この傾動軸6eを適宜回転させることで、ガイド部材6cを、縦シールロール対7の軸芯L1を含む水平面に平行な面に対して傾動させて(一対のロッド6a、6bと共に傾動させた場合を例示する)製袋ガイド6を構成するガイド部材6cの設置位置の調整を行うこともできる。
【0038】
上掲
図1~4に示した構成からなる縦型充填包装設備においては、
図5および
図6に示したように、天ロール5の軸芯角度θの調整制御により帯状プラスチックフィルムFの、天ロール5に対する摩擦抵抗を該帯状プラスチックフィルムFの幅方向において変化させるか、または、
図8、9、11、12に示したように、製袋ガイド6を構成するガイド部材6cの設置位置の調整制御を行うか、あるいは、その両方の制御を同時に行って帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を変更することにより、該帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置Cと、縦型充填包装設備に係わる機械中心C1とを一致させることが可能となる。
【0039】
ここで、縦型充填包装設備に係わる機械中心C1とは、
図13に示すように、縦シールロール対7(横シールロール対8)のロール相互間における噛み込み中心を意味しており、機械中心C1と帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心Cを一致させると、製袋ガイド6において帯状プラスチックフィルムFを長手方向に2つ折りにした際に、帯状プラスチックフィルムFの幅方向の端部とを正確に揃えることができ、後述するように縦シールロール対7によって形成される縦シール部Sに耳ずれが発生するのを効果的に抑制することができる。
【0040】
天ロール5の軸芯角度θの調整制御と製袋ガイド6のガイド部材6cの設置位置の調整制御を同時に行う場合にあっては、帯状プラスチックフィルムFの搬送経路の変更範囲を拡大することができる利点がある。とくに、
図11~12に示したように、ガイド部材6cを傾動させる場合には、応答性が高く、帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置Cと、縦型充填包装設備に係わる機械中心C1とを迅速に一致させることができる。また、製袋ガイド6は、縦シールロール7から上流に50~500mm、好ましくは100~300mmの位置に設けることで応答性が高くなり、迅速な位置合わせを行うことができる。
【0041】
なお、ガイド部材6cを紙面時計回りに傾動させると、帯状プラスチックフィルムFの端縁は、
図11の下部に平面で示したようにずれていき、逆に、紙面反時計回りに傾動させると、帯状プラスチックフィルムFの端縁は
図12の下部に平面で示したようにずれていく。傾動角度は水平面を基準に±10°程度の範囲で調整することができる。
【0042】
製袋ガイド6の他の実施形態を
図14に示す。
図14の(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は(b)のA-A位置における断面を示した図である。本実施形態の製袋ガイド6は、帯状プラスチックフィルムFの外側面に当接し、該帯状プラスチックフィルムFの折り畳みを誘導する一対のロッド6a、6bと、ガイド部材6cと、を有する。ガイド部材6cは、縦シールロール対7の軸芯L1に直交する向きの軸芯L4を有し、帯状プラスチックフィルムFの幅方向の中央部でその内側面に当接し、軸受け6f1によって転動する無駆動式のガイドロール6fと、ガイドロール6fのロール軸6kの両端部をそれぞれ、軸受け6g1、6h1によって回転自在に支持する支持部6g、6hと、ロール軸6kの両端にそれぞれ設けられ、帯状プラスチックフィルムFの内側面に当接してロール軸6kと一体で転動する無駆動式のサブガイドロール6i、6jと、ロール軸6kをベース6d1とともに移動または傾動させて、ガイドロール6fおよびサブガイドロール6i、6jの設置位置を調整する移動手段と、を有する。
【0043】
本実施形態では、ガイドロール6fと、サブガイドロール6i、6jがそれぞれ別体で回転するように構成されているが、ガイドロール6fをロール軸6kに固定して、ガイドロール6fおよびサブガイドロール6i、6jを、ロール軸6kと一体で回転するように構成してもよい。
【0044】
また、サブガイドロール6i,6jを設けず、帯状プラスチックフィルムFの内側面を、ガイドロール6fおよび支持部6g、6hの先端部に当接させるようにしてもよい。この場合、帯状プラスチックフィルムFは、支持部6g、6hに当接しながら摺動するが、摺動による摩擦を軽減するため、支持部6g、6hの先端部に転動可能なロールを設けてもよい。
【0045】
移動手段としては、ロール軸6kを回転自在に支持する支持部6g、6hにつながり、縦シールロール対7の軸芯L1を含む水平面に平行な面内で該縦シールロール対7の軸芯L1に直交する向きに移動させるか、縦シールロール対7の軸芯L1を含む水平面に平行な面内で回動させるか、もしくは、縦シールロール対7の軸芯L1を含む水平面に平行な面に対して傾動させるベース6d1と、帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を製袋ガイド6の入側において検知する検知手段6d2(
図1参照)と、該検知手段6d2にて検知され情報にしたがいベース6d1を油圧シリンダーや空気圧シリンダー等のアクチュエータによって作動させ、ロール軸6kを、ベース6d1とともに移動、回動もしくは傾動させ、ロール軸6kの設置位置を調整することにより帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を変更する制御部6d3(
図1参照)から構成されるものが適用される。
【0046】
なお、このように構成された製袋ガイド6は、先の実施形態と同様(
図8~12参照)に、縦シールロール対7の軸芯L1を含む水平面に平行な面内で該縦シールロール対7の軸芯L1に直交する向きに移動させることや、ロール軸6kを、縦シールロール対7の軸芯L1を含む水平面に平行な面内で回動させること、ロール軸6kを、縦シールロール対7の軸芯L1を含む水平面に平行な面に対して傾動させること等により、その設置位置の調整を行うことができる。
【0047】
また、本実施形態では、ガイドロール6fを、幅方向端部から中央部に向かって次第に大径となる樽形胴体を有するものとし、該中央部が支持部6g、6hの先端部よりも突出(突出先端T)するように構成されているが、これに限定されるものではなく、支持部6g、6hの先端部と面一に構成してもよい。
ガイドロール6fの表面は、突出先端Tに向かって
図14(a)に示した角度θ1(ガイドロール6fの軸芯L4に平行で、ガイドロール6fの突出先端Tを通る直線と、ガイドロール6fのロール胴体表面とのなす角度)が1~70°、好ましくは20~60°の範囲内になるように弧状またはテーパー状に構成することが好ましい。これにより、ガイドロール6fのロール胴体の中央部では、帯状プラスチックフィルムFとの摩擦抵抗が高まるため、移動手段によりロール軸5kをベース6d1とともに移動、回動あるいは傾動させると、搬送に係わる帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置Cが突出先端Tに向かって移動することになり(スライドし易くなる)、幅方向中心位置Cと縦型充填包装設備に係わる機械中心C1とを一致させることができる。そのため、帯状プラスチックフィルムFを幅方向中心位置Cで二つに折り畳むことができ、側端縁どうしを正確に重ね合わせて耳ずれの発生を効果的に抑制することができる。
【0048】
製袋ガイド6のさらに他の実施形態を
図15に示す。本実施形態の製袋ガイド6は、
図14に示した実施形態の製袋ガイド6において、サブガイドロール6iが、縦シールロール対7の軸芯L1方向に移動可能に構成されている。なお、本実施形態では、サブガイドロール6iのみが移動可能に構成されているが、サブガイドロール6i、6jの両方をそれぞれ移動可能に構成してもよい。
【0049】
サブガイドロール6iは、ガイドロール6fおよびサブガイドロール6jのロール軸6kとは異なるロール軸6mの端部に設けられ、軸受け6m1によってロール軸6mと一体で回転自在であると共に、ロール軸6mにつながるベース6d4によって、ロール軸6mと共に縦シールロール対7の軸芯L1方向に移動可能に構成されている。サブガイドロール6iは、検知手段6d2によって、帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を製袋ガイド6の入側において検知し、該検知手段6d2にて検知された情報にしたがい、ベース6d4を油圧シリンダーや空気圧シリンダー等のアクチュエータによって作動させることで、ロール軸6mと共に移動し、これによってサブガイドロール6iに内接する帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を変更することができる。
【0050】
なお、ガイドロール6fは、先の実施形態と同様に、縦シールロール対7の軸芯L1を含む水平面に平行な面内で該縦シールロール対7の軸芯L1に直交する向きに移動させることや、ロール軸6kを、縦シールロール対7の軸芯L1を含む水平面に平行な面内で回動させること、ロール軸6kを、縦シールロール対7の軸芯L1を含む水平面に平行な面に対して傾動させること等により、その設置位置の調整を行うことができるが、ガイドロール6fを固定として、サブガイドロール6i(および6j)の移動のみによって帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を変更してもよい。
【0051】
また、サブガイドロール6i,6jを設けず、帯状プラスチックフィルムFの内側面を、ガイドロール6fおよび支持部6g、6hの先端部に当接させるようにしてもよい。
図16(a)~(d)は、製袋ガイド6の他の一実施形態を示す図である。
図16(a)は平面図、
図16(b)は、
図16(a)においてガイド部材6cを断面で示した図、
図16(c)は、
図16(a)の左側面図、
図16(d)は、
図16(a)の正面図である。本実施形態の製袋ガイド6は、ガイドロール6fの突出先端Tを、支持部6g、6hの先端よりも大きく突出させ、帯状プラスチックフィルムFを、該突出先端Tとその両側に位置するロール胴体に巻き掛けるように構成したものである。これによれば、帯状プラスチックフィルムFは、移動手段によりロール軸6kをガイドロール6fとともに移動または傾動させた際に、ガイドロール6fのロール胴体表面に沿って、その突出先端Tに向かってスライドし易くなり、該帯状プラスチックフィルムFの幅方向中心位置Cと、縦型充填包装設備に係わる機械中心C1とを精度よく一致させることができる。
【0052】
なお、ガイドロール6fの表面は、上記したように帯状プラスチックフィルムFの該ガイドロール6fの突出先端Tに向かうスライドを容易にするため、
図16(a)に示した角度θ2(ガイドロール6fの軸芯に平行で突出先端Tを通る直線と、ガイドロール6fのロール胴体表面とのなす角度)が1~70°、好ましくは20~60°の範囲内になるように弧状またはテーパー状に構成することが好ましい。
【0053】
ガイドロール6fは、ロール径が中央部において局所的に拡大された拡径部6nと、該拡径部6nを両側に挟む2か所の巻き掛け域6pを有する
図17に示すような形状を有するものを適用することもできる。
【0054】
上記のような製袋ガイド6を経た帯状プラスチックフィルムFは、その幅方向中心位置Cで正確に二つに折り返された後、その折返しによって重なり合う側端部13どうしを、
図1において前後で一対の縦シールロール対7(水平面内で、図の前後方向で平行に延在する。図では手前側に位置する前方側のものだけを示す。)の回転下で、加熱、加圧することで、対面するシーラント層どうしを長手方向(縦方向)に連続して融着接合させて縦シール部Sを形成し、これによって筒状体16を形成する。
【0055】
ここで、縦シールロール対7は、それらを相互に逆向きに等速で回転駆動させる、一の駆動モータおよび歯車機構(図示しない)と、一方の縦シールロールの両端部を軸受け支持する軸受けブロックを、他方の縦シールロールを軸受け支持する軸受けブロックに向けて押圧する一対の、たとえばエアシリンダを具えている。
【0056】
一対の縦シールロール対7は、その外周面に円形フランジ状のシールバー7aを有するとともに、該シールバー7aの加熱に寄与するヒータを内蔵している。一対の縦シールロール対7は、図示しない一対のシリンダーによって前方側の縦シールロールを後方側の縦シールロールに向けて押圧することで、帯状プラスチックフィルムFの重ね合わせた側端部13をシールバー7a間に挟持し、加熱、加圧して合掌状に融着させて縦シール部Sを形成するとともに、縦シールロール対7の回転に基づいて筒状体16を
図1の下方側へ繰り出し走行させる。
【0057】
本実施形態では、縦シールロール対7が、駆動手段を具える場合を例示しているが、縦シールロール対7には駆動手段を設けず、縦シールロール対7の上流位置および/または下流位置に駆動手段を有するフィードロールを設け、該フィードロールによって帯状プラスチックフィルムFを繰り出すようにしてもよい。なお、縦シールロール対7の上流位置にフィードロールを設ける場合には、移動手段6の検知手段6d2によって、フィードロールの入側において帯状プラスチックフィルムFの搬送経路を検知させるようにすることが好ましい。
【0058】
また、本実施形態では、三方シール形の包装袋を製造する場合を示しているが、四方シール形の包装袋を製造する場合には、縦シールロール対7に、帯状プラスチックフィルムFの折返し部14位置をシールするためのシールバーをさらに設け、該縦シールロール対7によって、帯状プラスチックフィルムFの重ね合わせた側端部13および折返し部14のそれぞれに縦シール部Sを形成する。
【0059】
なお、
図1~4に示す実施形態の縦型充填包装設備では、1の巻き戻しロール2によってフィルム原反1から巻き戻された1枚の帯状プラスチックフィルムFを、幅方向の中央位置で二つに折り返し、重なり合う側端部どうしを縦シールすることで筒状体16に成形する場合を一例として示しているが、
図18に示すように、2枚の帯状プラスチックフィルムF、F’を縦シールロール対7の入側において重ね合わせ、その重ね合わせにかかわる帯状プラスチックフィルムF、F’の幅方向の両縁部に縦シール部を形成することで筒状体16に成形することもできる。
【0060】
図18に示す縦型充填包装設備では、天ロール5、5’の軸芯角度θの調整制御によって帯状プラスチックフィルムF、F’の搬送経路をそれぞれ変更することができると共に、巻き戻しロール2、2’が、フィルム原反1、1’とともにその軸方向にスライドさせることができる構造からなり、巻き戻しロール2、2’の巻き戻し直後の帯状プラスチックフィルムF、F’の搬送経路(幅方向中心位置C)をそれぞれ検知する検知手段20、20’を設けると共に、縦シールロール対7の入側に帯状プラスチックフィルムF、F’の搬送経路(幅方向中心位置C)をそれぞれ検知する検知手段21、21’を設け、この検知手段20、20’および/または検知手段21、21’にて検知された情報にしたがい制御部22によって巻き戻しロール2、2’を、フィルム原反1、1’とともにその軸方向に適宜スライドさせることにより、帯状プラスチックフィルムF、F’の搬送経路を相互に一致させることが可能で、縦シール部Sを形成する際のずれの発生を抑制することができる。
【0061】
上記のようにして形成された筒状体16の内側へは、それぞれ図示しないタンクから図示しないポンプおよび供給路を介して供給された被包装物Mが充填ノズル9から連続的に充填される。なお、被包装物Mは、固形物を含まない液状物や粘稠物の他、胡椒や胡麻などの穀物粒子や肉、魚、野菜などの固形物を含む液状物や粘稠物、塩や胡椒等の粉粒状物、流動性を有する固形物や半固形物(シリコンや練り物等)などの飲食品や化学品、医薬品等、各種のものを用いることができる。
【0062】
1対の横シールロール対8では、走行する筒状体16を挟持し、該筒状体16の長手方向に所定の間隔をおいて、充填ノズル9から充填された被包装物を絞り出しながら、その絞り出し位置を加熱および加圧して横シール部S1を形成することで、上下端部が横シール部S1によって、両側端部が縦シール部Sと折返し部14によって包囲された包装袋Wを、帯状プラスチックフィルムFの長手方向へ繋がった状態で製袋することができる。
【0063】
横シールロール対8は、
図1の前後方向に平行に延在させてあり(図では手前側に位置する前方側のものだけを示す。)、歯車組を介してモータで互いに逆向きにかつ等速で回転駆動するものである。例えば、該横シールロール対8については、その外周面上に等間隔に位置し、軸芯方向へ延在する複数本のシールバー8aを有し、対向するシールバー8a同士によって筒状体16を挟持し、加熱することで、筒状体16の走行方向と直交する方向に、その全幅にわたって横シール部S1を形成することができる。
【0064】
なお、横シールロール対8は、筒状体16に向かって接近または離間する開閉動作に合わせ、帯状プラスチックフィルムFの繰り出し方向に一定の間隔で上下動する昇降動作を組み合わせたボックスモーションの動作を行うものであることが好ましい。このボックスモーション形の横シールロール対8では、筒状体16を挟持して横シールしながら降下動作を行うため、横シール時間を十分に確保することができるため、横シール部S1のシール強度を高めることができ、たとえ帯状プラスチックフィルムFに、アルミ箔や紙等のシーラント層への熱の伝わりを阻害するような材料が積層されていても、シール不良(液漏れや剥離等)の発生を阻止することができる。
【0065】
次に、1対の冷却ロール対10は、横シールロール対8と同じ間隔で軸芯方向へ延在する複数本のシールバー10aを有し、横シールロール対5で形成された横シール部S1部分を、冷却された該シールバー10aによって押さえ付けることで、横シール部S1を定着させて安定化させることができる。
【0066】
次に、冷却ロール対10を経て連続して製袋された包装袋Wは、ロータリーカッター等による走間カッター11によって横シール部S1の走行方向の略中間位置を幅方向にカットして一体ずつ、もしくは所要の複数体ずつに切り離したり、横シール部S1の走行方向の略中間位置にミシン目を入れて複数体を繋げた状態で搬出される。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明によれば、耳ずれの抑制された包装袋を効率的に製造し得る縦型充填包装設備を用いた包装袋の製造方法および縦型充填包装設備が提供できる。
【符号の説明】
【0068】
1 フィルム原反
2、2’ 巻き戻しロール
3、4 ガイドロール
5、5’ 天ロール
5a ロールチャック
6 製袋ガイド
6a、6b ロッド
6c ガイド部材
6d 移動手段
6d1 ベース
6d2 検知手段
6d3 制御部
6d4 ベース
6e 傾動軸
6f ガイドロール
6f1 軸受け
6g、6h 支持部
6g1 軸受け
6h1 軸受け
6i、6j サブガイドロール
6k、6m ロール軸
6m1 軸受け
6n 拡径部
6p 巻き掛け域
7 縦シールロール対
7a シールバー
8 横シールロール対
8a シールバー
9 充填ノズル
10 冷却ロール対
10a シールバー
11 走間カッター
12 角度調整手段
12a 検知手段
12b アクチュエータ
12c 制御部
13 側端部
14 折り返し部
16 筒状フィルム
20 ロール本体
21、21’ 移動手段
20、20’、21、21’ 検知手段
22 制御部
F、F’ 帯状プラスチックフィルム
W 包装袋
M 被包装物
S 縦シール部
S1 横シール部
T 突出先端
P 支点
C 帯状プラスチックフィルムの幅方向中心位置
C1 機械中心
【要約】
【課題】フィルム原反から巻き戻される帯状プラスチックフィルムの搬送経路を適宜変更し、帯状プラスチックフィルムを幅方向の中心位置で正確に二つに折り返すことで、耳ずれの軽減された包装袋を安定して製造すること。
【解決手段】帯状プラスチックフィルムの巻き戻しロールと、帯状プラスチックフィルムを搬送姿勢に方向転換する天ロールと、帯状プラスチックフィルムを2つに折り返す製袋ガイドと、縦シール部を形成する縦シールロール対と、横シール部を形成する横シールロール対と、1の横シール部および縦シール部にて区画された帯状プラスチックフィルムの内側空間内に被包装物を充填する充填ノズルと、を備えた縦型充填包装設備を用いて複数の包装袋を連続的に製造するに当たり、天ロールの軸芯角度の調整制御および製袋ガイドの設置位置の調整制御の少なくとも1つの制御を行うことにより帯状プラスチックフィルムの搬送経路を変更すること。
【選択図】
図1