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  • 特許-壁構造及び機能部材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】壁構造及び機能部材
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20230307BHJP
【FI】
E04F13/08 H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018223175
(22)【出願日】2018-11-29
(65)【公開番号】P2020084665
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-09-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2018年10月10日から10月12日、「LIVING & DESIGN 2018」にて発表。
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503367376
【氏名又は名称】ケイミュー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 正文
【審査官】佐藤 史彬
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-071035(JP,U)
【文献】特開2015-132116(JP,A)
【文献】特開2015-098745(JP,A)
【文献】実開昭60-117942(JP,U)
【文献】特開平09-273285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に隣接する複数の壁板を備え、前記複数の壁板のうち、上側の壁板の一部が下側の
壁板の表側に重ねられる壁構造であって、
前記上側の壁板と前記下側の壁板との重なり部分で固定される固定部と、前記重なり部
分の下側に位置する機能部と、を有する機能部材を備え、
前記固定部は、前記下側の壁板を固定するための固定具で固定され、
前記機能部は、棚板であって、前記固定部の下端から前方に突出し、かつ前記上側の壁板よりも前方に向かって突出している、
壁構造。
【請求項2】
請求項1において、
前記下側の壁板は、前記固定具を通す孔部を有する、
壁構造。
【請求項3】
上下に隣接する複数の壁板のうち、上側の壁板の一部が下側の壁板の表側に重ねられる壁構造に使用される機能部材であって、
前記上側の壁板と前記下側の壁板との重なり部分で、前記下側の壁板を固定するための固定具で固定される固定部と、
前記固定部の下端から前方に突出し、かつ前記上側の壁板よりも前方に向かって突出して、前記重なり部分の下側に配置される機能部と、を有し、
前記機能部は、棚板である、
機能部材
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁構造及び機能部材に関する。詳細には、複数の壁板を備える壁構造及び機能部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の壁板が鎧張りされた壁構造(鎧張り状の壁構造)が提案されている。この壁構造は、複数の壁板を上下に重ね合わせ、重ね合わせた部分に釘等の固定具を打ち込み、壁下地に固定している。
【0003】
このような壁構造は、多くの場合、外壁を形成するために使用されているので、その壁面に他の部材を配置して機能を付与することはほとんど行われていなかった。また、この壁構造の壁面には、隣り合う上側の壁板と下側の壁板との境界付近で段差が生じるため、他の部材を安定して配置することが難しい。したがって、このような段差が原因で、複数の壁板が鎧張りされた壁構造の壁面に他の部材を配置して機能を付与することはほとんど行われていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-86553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされており、複数の壁板が鎧張りされた壁構造の壁面に機能を付与することができる機能部材及びこれを備えた壁構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る壁構造は、上下に隣接する複数の壁板を備え、前記複数の壁板のうち、上側の壁板の一部が下側の壁板の表側に重ねられる壁構造である。前記上側の壁板と前記下側の壁板との重なり部分で固定される固定部と、前記重なり部分の下側にある機能部と、を有する機能部材を備える。前記固定部は、前記下側の壁板を固定するための固定具で固定される。前記機能部は、前記固定部の下端から前方に突出し、かつ前記上側の壁板よりも前方に向かって突出している。
【0007】
本発明の一態様に係る機能部材は、上下に隣接する複数の壁板のうち、上側の壁板の一部が下側の壁板の表側に重ねられる壁構造に使用される機能部材である。前記上側の壁板と前記下側の壁板との重なり部分で、前記下側の壁板を固定するための固定具で固定される固定部と、前記固定部の下端から前方に突出し、かつ前記上側の壁板よりも前方に向かって突出して、前記重なり部分の下側に配置される機能部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の壁構造によれば、機能部材は固定部が上側の壁板と下側の壁板との重なり部分で固定されるため、壁面の段差の影響を少なくして機能部材を配置することができ、複数の壁板が鎧張りされた壁構造の壁面に機能部材による機能を付与することができる。
【0009】
本発明の機能部材によれば、固定部が上側の壁板と下側の壁板との重なり部分で固定されるため、壁面の段差の影響を少なくして配置することができ、複数の壁板が鎧張りされた壁構造の壁面に機能部による機能を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1Aは、本発明に係る壁構造の一実施形態を示す断面図である。図1Bは、同上の正面図である。
図2図2A図2Cは、本発明に係る壁構造の一実施形態の施工手順を示す斜視図である。
図3図3は、本発明に係る機能部材の一実施形態を示す斜視図である。
図4図4A及び図4Bは、本発明に係る壁構造の一実施形態の施工手順を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
図1A及び図1Bに本実施形態の壁構造100を示す。この壁構造100は、建物の内壁を示している。すなわち、室内側に向いて形成されている壁の構造である。壁構造100は複数の壁板2を鎧張りより下地に取り付けた構造である。この壁構造100は、少なくとも上下方向に並ぶように複数の壁板2が配置されている。以下では、上下に隣接する壁板2のうち、下側の壁板2を下段壁板21といい、上側の壁板2を上段壁板22という。下段壁板21は、正面視において、同じ高さ位置において、左右方向に複数並設されている。また、上段壁板22についても、同じ高さ位置において、左右方向に複数並設されている。なお、符号101は室内の床である。
【0012】
下地は、建物において壁板2の下地となる部分であり、本実施形態では、壁板2の下地となる壁下地1により構成される。壁下地1は、複数の縦胴縁11と、複数の縦胴縁11の室内側の面に取り付けられた木質ボード12とを備える。複数の縦胴縁11は、例えば、複数の間柱(図示省略)に固定された構造用面材に、透湿防水シートを介して取り付けられている。木質ボード12は、例えば合板であり、屋内側の面が鉛直面に略平行である。そして、この木質ボード12の室内側の面に、複数の壁板2が取り付けられる。なお、縦胴縁11は、間柱に固定された構造用面材に取り付ける代わりに、間柱や柱に取り付けてもよい。
【0013】
図2A図2Cのように、各壁板2は、正面視略矩形状に形成された板体により構成されており、長手方向が左右方向に平行である。各壁板2としては、セメントを主成分とする成形材料の硬化物である窯業系サイディングが使用されるが、これに限定されず、各種の材質の壁板2が使用可能である。また各壁板2は、例えば、上下幅414mm、左右長さ910mm、厚み6mmで形成されているが、これに限定されるものではなく、他の大きさの壁板2であってもよい。壁板2の上端面は、左右方向の両端部において、側端面に近付くほど下方に位置するように傾斜している。
【0014】
各壁板2は、複数の取付孔23を有している。複数の取付孔23は、壁板2の上下方向の略中央部において、左右方向に所定の間隔をあけて形成されている。複数の取付孔23は、壁板2の下辺に平行な仮想直線上に配置されており、つまり、壁板2の下辺に沿う方向に平行に配置されている。各取付孔23は、壁板2を厚み方向で貫通する孔部(貫通孔)により構成されている。なお、取付孔23は、半貫通穴により構成されてもよい。半貫通穴とは、壁板2を貫通する貫通孔(図示せず)と、この貫通孔を覆う薄肉部(図示せず)とを備え、製造直後の状態では貫通していない孔である。
【0015】
壁構造100は、複数の壁板2が左右方向に並設されていると共に、上下方向にも並設されている。上下方向に隣り合う壁板2は、左右方向にずれており、正面視において、いわゆる千鳥状に配置されている。本実施形態において、上下方向に隣り合う壁板2は、壁板2の左右方向の長さの1/2ずれている。なお、各壁板2には、位置合わせのためのマークが形成されていてもよく、この場合、施工時において壁板2の配置位置がずれにくくなる。
【0016】
本実施形態の壁構造100は、機能部材3を備える。機能部材3は壁構造100に特定の機能を付与する部材である。本実施形態の壁構造100は、機能部材3として、図3に示すような棚部材30を備えている。棚部材30は、壁構造100の壁面102に、物品を載置するための棚の機能を付与することができる。棚部材30は、例えば、鋼板などの金属板で形成することができるが、これに限らず、プラスチックなどの各種の材質が使用可能である。
【0017】
機能部材3は固定部31と機能部32とを備えている。固定部31は機能部材3を固定するための部分を有している。機能部32は機能部材3の主たる機能を発揮する部分である。棚部材30では、機能部32は壁板2以外の物品が載置できる棚板の機能を有する部分である。
【0018】
棚部材30は固定部31と機能部32とがそれぞれ平板に形成されている。また棚部材30は断面略L字状に形成されており、固定部31の下端から前方に向かって機能部32が突出している。固定部31と機能部32との間の劣角の角度は90°である。固定部31と機能部32との左右長さは同じであり、例えば、910mmである。すなわち、棚部材30の左右長さと壁板2の左右長さとは同じである。また固定部31の上下幅は、例えば、110mmにすることができる。また機能部32の固定部31からの突出長さは、例えば、180mmにすることができる。また棚部材30の厚みは、例えば、2.3mmにすることができる。
【0019】
固定部31は固定孔33を有している。固定孔33は固定部31を壁下地1に固定具5で固定する部分である。固定孔33は固定部31を厚み方向で貫通する貫通孔である。固定孔33は上下方向に沿った長孔に形成されている。固定部31は複数の固定孔33を有している。固定部31は、例えば、8個の固定孔33を有している。この場合、例えば、4個の固定孔33を左右方向に一列に並べて形成し、その列の下に4個の固定孔33を左右方向に一列に並べて形成することができる。左右方向に並ぶ4個の固定孔33の間隔は、壁板2の取付孔23の左右方向の間隔と同じである。したがって、壁板2の表側(前側)に固定部31を位置させると、各取付孔23の前側に固定孔33が位置することになる。
【0020】
次に、本実施形態の壁構造100の施工方法を説明する。
【0021】
施工者は、壁下地1の下端部にスタータ4を取り付ける。スタータ4は、壁板2と比べて、上下寸法が短いことを除いて、壁板2と同様に形成される。次に、スタータ4の表側に壁板2を重ねて固定する。この壁板2は下側略半分がスタータ4に重なり、表側から取付孔23に釘やビスなどの固定具5を差し込んで壁下地1に打ち込むようにして固定される。したがって、壁板2は上端よりも下端のほうが前側に突出するようにやや傾斜して固定される。このようにして複数の壁板2を左右方向に一列に施工した後、次に、複数の別の壁板2をさらに壁下地1の表側に施工する。この場合、先に固定した壁板2の上側略半分の表側に、新たな壁板2の下側略半分を重ねるようにし、新たに重ねた壁板2の表側から取付孔23に釘やビスなどの固定具5を差し込んで壁下地1に打ち込むようにする。このようにして複数の壁板2を左右方向に一列にさらに施工することによって、複数の壁板2を鎧張りにより固定していく。
【0022】
棚部材30を施工するにあたっては、次のようにして行う。まず、図2Aのように、下段壁板21となる壁板2を下側の壁板2の表側に配置する。次に、下段壁板21の表側に棚部材30を配置する。このとき、棚部材30の固定部31に設けた固定孔33を下段壁板21の取付孔23の表側に位置合わせする。このとき、複数の固定孔33が上下二列に形成されているので、上一列に並ぶ複数の固定孔33を取付孔23に位置合わせするか、あるいは、下一列に並ぶ複数の固定孔33を取付孔23に位置合わせするかを選択する。これにより、棚部材30の上下方向の取り付け位置を調整することができる。また各固定孔33は上下方向に沿った長孔に形成されているので、各固定孔33の範囲内でも上下方向の取り付け位置を調整することができる。
【0023】
次に、図2Bのように、固定孔33に表側から釘やビスなどの固定具5を差し込んで壁下地1に打ち込む。この固定具5は固定孔33及び取付孔23を通して壁下地1に打ち込まれる。これにより、固定具5で下段壁板21と棚部材30との両方を同時に壁下地1に固定することができる。固定具5は全ての取付孔23及びこれらに位置合わせされた固定孔33に差し込んでもよいし、一部の取付孔23及びこれらに位置合わせされた固定孔33に固定具5を差し込むようにしてもよい。
【0024】
次に、固定した棚部材30の表側から上段壁板22となる壁板2を近づけて、固定部31の表側に上段壁板22の下側略半分の部分を配置する。これにより、下段壁板21の上側略半分と上段壁板22の下側略半分とが壁板2の厚み方向に重なって重なり部25が形成される。そして、固定部31が、上段壁板22(上側の壁板2)と下段壁板21(下側の壁板2)との重なり部25(重なり部分)に位置する。すなわち、壁下地1に固定した棚部材30の固定部31が、下段壁板21の上側略半分と上段壁板22の下側略半分との間に位置することになる。ここで、固定部31は下段壁板21の表面(室内側に向く面)と上段壁板22の裏面(室外側に向く面)との間に挟まれて位置する。したがって、上段壁板22が固定部31の表側に位置し、固定部31及び固定具5が室内から見えにくくなって、壁面102の外観が損なわれにくくなる。
【0025】
また機能部32は上段壁板22又は下段壁板21の表側に位置する。ここで、機能部32の基部(固定部31との境界部分)302は重なり部25を形成する上段壁板22の下端221よりも下側に位置する。機能部32の基部302以外の部分は上段壁板22の表側に位置していてもよいし、下段壁板21の表側に位置していてもよい。このようにして複数の棚部材30を左右方向に配置して施工することができる。
【0026】
上記のように取り付けられた棚部材30において、機能部32の先端部301は機能部32の基部302よりも、少し上方に位置する。これにより、機能部32が固定部31の下端よりも上方に向いてやや傾いた状態となる。これは、下段壁板21の表面が垂直に対して傾いており、下段壁板21の表面に沿って固定部31を配置するためである。したがって、機能部32に壁板2以外の物品を載せたときに、この物品が機能部32の先端部301に向かって滑りにくくなったり倒れにくくなったりするので、機能部32の先端部301から落下しにくくなる。なお、機能部32の上面は水平に対して2°程度傾くようにすることができる。
【0027】
また機能部32は、上段壁板22の位置合わせに使用できる。すなわち、上段壁板22を施工する際に、上段壁板22の下端221を機能部32の上面に当てた状態とする。これにより、上段壁板22の上下方向の位置合わせを行うことができる。また上段壁板22を固定具5で固定するまでの間、固定した棚部材30の機能部32で支持することができ、上段壁板22の施工作業の軽減を図ることができる。
【0028】
(変形例)
実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0029】
上記では、壁構造100として内壁の場合について説明したが、これに限らず、壁構造100が外壁であってもよい。
【0030】
上記では、機能部材3として棚部材30を使用した場合を説明したが、これに限られない。例えば、機能部材3としては照明装置を使用してもよく、この場合、機能部は光を放つ照明部として形成される。照明部は、例えば、固定部31の長手方向に沿って形成することができ、この場合、複数のLEDを固定部31の長手方向に沿って並べて照明部を形成することができる。また機能部32としては物が引っ掛け可能なフックであってもよい。また機能部32としては物がスライド移動可能に取り付け可能なレールであってもよい。
【0031】
上記では、機能部材3の左右方向の寸法が壁板2の左右方向の寸法と同じである場合について説明したが、これに限られない。例えば。機能部材3の左右方向の寸法が壁板2の左右方向の寸法よりも大きく形成することができる。また機能部材3の左右方向の寸法が壁板2の左右方向の寸法よりも小さく形成することも可能である。
【0032】
上記では、固定部31が壁下地1に固定具5で固定される場合を説明したが、これに限らず、例えば、固定部31は下段壁板21の上端に引っ掛けて固定されてもよい。また上記では、固定部31は下段壁板21の取付孔23を通す固定具5で固定される場合を説明したが、これに限らず、固定部31は接着剤で上段壁板22の裏面又は下段壁板21の表面に接着されていてもよい。
【0033】
また機能部32はその全体が重なり部25の下側に位置していてもよいし、機能部32の一部のみが重なり部25の下側に位置していてもよい。例えば、機能部32を固定部31の下端から延ばし、上段壁板22の表側に突出して設けてもよい。すなわち、機能部32はその一部が重なり部25の下側に位置していれば、任意の形状である。また一つの固定部31に複数の機能部32を設けてもよく、この場合、各機能部32の機能が同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0034】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る壁構造100は、上下に隣接する複数の壁板2を備える。複数の壁板2のうち、上側の壁板2の一部が下側の壁板2の表側に重ねられる。上側の壁板2と下側の壁板2との重なり部分で固定される固定部31と、重なり部分の下側にある機能部32と、を有する機能部材3を備える。
【0035】
この態様によれば、機能部材3は固定部31が上側の壁板2と下側の壁板2との重なり部分で固定されるため、壁面102の段差の影響を少なくして機能部材3を配置することができ、複数の壁板が鎧張りされた壁構造の壁面102に機能部32による機能を付与することができる、という利点がある。また、固定部31が上側の壁板2に隠れるため、美観上優れる。
【0036】
第2の態様に係る壁構造100は、第1の態様において、固定部31が下側の壁板2を固定するための固定具5で固定される。
【0037】
この態様によれば、固定部31と下側の壁板2とを同じ固定具5で固定することができ、省施工化及び少部材化を図ることができる、という利点がある。
【0038】
第3の態様に係る壁構造100は、第2の態様において、下側の壁板2は、固定具5を通す孔部を有する。
【0039】
この態様によれば、孔部を通る固定具5により固定部31と下側の壁板2との位置決めを行うことができ、機能部材3の施工が行いやすくなる、という利点がある。
【0040】
第4の態様に係る壁構造100は、第1~3のいずれか一つの態様において、機能部32が棚板である。
【0041】
この態様によれば、複数の壁板が鎧張りされた壁構造の壁面102に棚板の機能を付与することができる、という利点がある。
【0042】
第5の態様に係る機能部材3は、上下に隣接する複数の壁板2のうち、上側の壁板2の一部が下側の壁板2の表側に重ねられる壁構造100に使用される機能部材3である。上側の壁板2と下側の壁板2との重なり部分で固定される固定部31と、重なり部分の下側に配置される機能部32と、を有する。
【0043】
この態様によれば、機能部材3は固定部31が上側の壁板2と下側の壁板2との重なり部分で固定することによって、壁面102の段差の影響を少なくして機能部材3を配置することができ、複数の壁板が鎧張りされた壁構造の壁面102に機能部32による機能を付与することができる、という利点がある。
【符号の説明】
【0044】
100 壁構造
2 壁板
3 機能部材
31 固定部
32 機能部
5 固定具
図1
図2
図3
図4