(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】フィッシャー・トロプシュ合成用触媒酸化物の製造方法
(51)【国際特許分類】
B01J 23/75 20060101AFI20230307BHJP
B01J 32/00 20060101ALI20230307BHJP
B01J 37/02 20060101ALI20230307BHJP
B01J 37/08 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
B01J23/75 M
B01J32/00
B01J37/02 101D
B01J37/08
(21)【出願番号】P 2019029066
(22)【出願日】2019-02-21
【審査請求日】2021-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000190024
【氏名又は名称】日揮触媒化成株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】ENEOS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002756
【氏名又は名称】弁理士法人弥生特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田河 勝吾
(72)【発明者】
【氏名】三津井 知宏
(72)【発明者】
【氏名】水野 隆喜
(72)【発明者】
【氏名】荒木 泰博
(72)【発明者】
【氏名】横井 真由美
(72)【発明者】
【氏名】秋山 正成
(72)【発明者】
【氏名】新宮 英樹
【審査官】佐藤 慶明
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-074533(JP,A)
【文献】特開平03-178339(JP,A)
【文献】特開2011-224458(JP,A)
【文献】特開2008-073687(JP,A)
【文献】特開2012-139617(JP,A)
【文献】特開2014-214061(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0125201(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0016042(US,A1)
【文献】特表2011-519308(JP,A)
【文献】特表2002-515823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
C07B 31/00 - 63/04
C07C 1/00 - 409/44
C10G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体の圧壊強度が0N<圧壊強度≦5.1×10
-2Nの範囲にある担体を準備する工程、
当該担体にジルコニウム化合物を含浸法により担持してジルコニウム化合物担持担体を調製する工程、
当該ジルコニウム化合物担持担体を焼成して焼成担体を調製する工程、
当該焼成担体に活性金属成分を含む酸化物を担持してフィッシャー・トロプシュ合成用触媒酸化物を調製する工程、
を含むフィッシャー・トロプシュ合成用触媒酸化物の製造方法。
【請求項2】
当該焼成担体に活性金属成分を含む酸化物を担持してフィッシャー・トロプシュ合成用触媒酸化物を調製する工程において、活性金属成分を含む化合物が担持された焼成担体を、雰囲気ガスを19
Nm
3/kg-活性金属
成分を含む化合物/hr未満の範囲となるように流通させた状態で、300~500℃の温度で焼成することを特徴とする請求項1に記載のフィッシャー・トロプシュ合成用触媒酸化物の製造方法。
【請求項3】
当該ジルコニウム化合物担持担体を焼成して焼成担体を調製する工程において、ガスを19
Nm
3/mol-Zr/hr未満の流量で流通させた状態で、当該ジルコニウム担持担体を焼成することを特徴とする請求項1または2に記載のフィッシャー・トロプシュ合成用触媒酸化物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィッシャー・トロプシュ合成用触媒酸化物(FT触媒酸化物)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィッシャー・トロプシュ合成(FT合成)は、一酸化炭素と水素から触媒反応を用いて液体炭化水素を合成するプロセスであって、天然ガスから液体炭化水素を合成するGTL(Gas To Liquid)プロセス等に使用されている。このFT合成には、固定床、流動床、懸濁床、移動床等の様々な反応形式があり、その反応形式に応じて様々なFT触媒が使用されている。
【0003】
FT触媒は、一般的に、鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウムといった活性金属がシリカやアルミナ等の担体上に担持されたものが広く知られている(例えば、特許文献1)。また、FT触媒に、前述の活性金属の他に第二成分の金属化合物を担持することで、触媒性能が向上することも広く知られている(例えば、特許文献2、3)。なお、これらのFT触媒は、前記活性金属の酸化物が担体に担持されたFT触媒酸化物を還元処理することで得ることができる。
【0004】
FT触媒は、前述の触媒性能の他にも、強度や耐摩耗性といった物理的特性が重要である。そして、FT触媒の物理的特性は、FT触媒酸化物の物理的特性に大きく影響を受ける。強度や耐摩耗性が低いFT触媒を長期間使用すると、FT触媒が粉化して発生した微粉によりリアクターの抵抗が増加したり後段の配管が根詰まりを起こしたりするので、プラントの運転に支障が生じる。そこで、金属酸化物微粒子分散液と金属酸化物ゲルの混合分散液を噴霧乾燥し、得られた金属酸化物粉末を焼成して得られた担体に、活性金属成分、第二金属成分を担持することで、耐摩耗性に優れたFT触媒酸化物を合成する方法が提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平4-227848号公報
【文献】特開2008-73687号公報
【文献】特開2007-302558号公報
【文献】特開2011-224458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の通り、FT触媒酸化物には、耐摩耗性に優れた触媒が求められている。FT触媒酸化物の耐摩耗性を改善する方法は種々提案されているが(例えば、特許文献4)、その耐摩耗性は、より長期間のプラント運転を想定すると必ずしも満足できるものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、FT触媒酸化物の担体の製造方法に着目し、鋭意検討した。その結果、圧壊強度の低い担体をあえて使用し、これにジルコニウム化合物を含浸した後に焼成することで、担体の耐摩耗性が飛躍的に向上することを見出した。更に、本発明者らはこの担体に活性金属成分を含む酸化物を担持して得られるFT触媒酸化物は圧壊強度の高い担体に活性金属成分を含む酸化物を担持して得られる既存のFT触媒酸化物と比べて耐摩耗性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、耐摩耗性に優れるFT触媒酸化物の製造方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】これは、本製造方法で用いる担体および焼成担体のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のFT触媒酸化物の製造方法(以下、本製造方法ともいう。)について、詳細に説明する。
【0011】
本製造方法は、FT触媒酸化物の製造方法であって、下記(1)~(4)の工程を含むことを特徴とする。
(1) 担体の圧壊強度が0N<圧壊強度≦5.1×10-2Nの範囲にある担体を準備する工程、
(2) 当該担体にジルコニウム化合物を含浸法により担持してジルコニウム化合物担持担体を調製する工程、
(3) 当該ジルコニウム化合物担持担体を焼成して焼成担体を調製する工程、
(4) 当該焼成担体に活性金属成分を含む酸化物を担持してFT触媒酸化物を調製する工程。
【0012】
FT触媒酸化物は、前述の通り、その耐摩耗性が優れたものが求められているので、FT触媒酸化物に用いられる担体も、圧壊強度等の粒子の強度が高いもの、即ち割れたり欠けにくく耐摩耗性に優れたものを用いるのが一般的である。このような担体は、無機化合物等を成型した後で高温(例えば焼成温度が300℃よりも高い温度)にて焼成したものが多く、担体を構成する無機化合物等の粒子を焼結させることで担体の粒子密度を高めたり、担体を構成する粒子の表面OH基同士を脱水縮合させて粒子間に強固な化学結合を形成したりすることで、その耐摩耗性を高めている。
一方、本製造方法は、圧壊強度が低い担体を用いることを特徴の一つとしている。本製造方法において、圧壊強度が低い担体とは、例えば
図1の左側に示すような、担体を構成する無機化合物粒子の密度が疎であり(つまり、隙間が多い状態)、担体を構成する無機化合物粒子同士の結合が弱い状態(表面OH基を介した水素結合程度の結合状態。但し、OH基の図示は省略してある)にあるものを指す。このような圧壊強度が低い担体にジルコニウム化合物を含浸担持したあと焼成して得られた焼成担体は、圧壊強度が高い担体にジルコニウム化合物を担持したあと焼成して得られる焼成担体と比較して、その耐摩耗性がより向上する。この耐摩耗性が向上するメカニズムははっきりとしていないが、担体の無機化合物粒子の表面OH基と担体の表面に担持されたジルコニウム化合物の表面OH基が焼成されることで脱水縮合し、担体の表面で無機化合物粒子とジルコニウム化合物が化学結合したためと考えられる(
図1の右側)。また、無機化合物粒子の密度が疎である担体にジルコニウム化合物を含浸法で担持することで、ジルコニウム化合物を担体の表面により広く担持することができるので、その結果、無機化合物粒子とジルコニウム化合物が化学結合することにより前述の効果がより増加したものと考えらえる。そして、このような方法で得られた焼成担体を用いてFT触媒酸化物を調製すると、耐摩耗性が高いFT触媒酸化物を得ることができる。
このように、本製造方法を用いることで、従来、FT触媒の分野において活性を向上させるために添加していたジルコニウム化合物に、FT触媒酸化物の耐摩耗性を高めるという新たな機能を付与することができる。
【0013】
本製造方法の上記(1)~(4)の工程について、以下にその詳細を説明する。
【0014】
[(1)の工程]
本製造方法における(1)の工程は、圧壊強度が0N<圧壊強度≦5.1×10
-2Nの範囲にある担体を準備する工程である。ここで、本製造方法における担体とは、無機化合物を主成分とした成型体である。担体のモデルを、
図1の左側に示す。
【0015】
本製造方法における担体は、その圧壊強度が0N<圧壊強度≦5.1×10-2Nの範囲にある。圧壊強度がこの範囲にある担体を用いることで、最終的に得られるFT触媒酸化物の耐摩耗性が高くなる。本製造方法における担体の圧壊強度は、後述する圧壊強度試験法を用いて10個の成型体の圧壊強度を測定し、その圧壊強度の平均値とした。圧壊強度が5.1×10-2Nより高い担体は、担体を構成する無機化合物の粒子密度が密であったり、無機化合物の粒子同士が既に強く結合していることが多く、このような担体にジルコニウム化合物を含浸法で担持して焼成しても、本製造方法の作用効果は十分に得られない。なお、圧壊強度が2.0×10-2N≦圧壊強度≦4.0×10-2Nの範囲にある担体を用いると、最終的に得られるFT触媒酸化物の耐摩耗性がより高くなるので好ましい。
【0016】
本製造方法における担体に含まれる無機化合物は、触媒の担体として一般的に用いられている無機化合物であれば、従来公知のものを用いることができる。例えば、Si、Al、Tiなどの元素を含む無機化合物であることが好ましい。前述の元素を含む無機化合物は、酸化物、水酸化物またはその両方が混在したものであることが特に好ましい。このような無機化合物は、その表面により多くのOH基を有しているので、本製造方法の作用効果がより顕著に表れる。
【0017】
本製造方法おける担体は、その粒子密度が疎であることが好ましい。本製造方法において、担体の粒子密度を量る尺度として、担体の吸水量を用いた。担体の吸水量とは、単位重量当たりの担体が吸収できる溶媒の体積を表す指標であって、担体が吸収できる溶媒の体積が大きいということは、担体内に溶媒が侵入することができる隙間が多いということを表している。つまり、吸水量が大きい担体は、その粒子密度が疎であり、吸水量が少ない担体は、その粒子密度が密であることを表している。なお、後述の吸水率は、この吸水量を担体の重量で除した値である。
本製造方法における担体は、その吸水量が0.5mL/g以上であることが好ましい。吸水量が0.5mL/g以上の担体を用いると、後述する工程にてジルコニウム化合物が担体の表面により広く担持されるので、最終的に得られるFT触媒酸化物の耐摩耗性が高くなる。吸水量が0.5mL/gより低い担体を用いると、後述する工程にてジルコニウム化合物が担体の表面に広く担持されず、最終的に得られるFT触媒酸化物の耐摩耗性が低くなることがある。また、本製造方法における担体は、その吸水量が0.5~1.5mL/gの範囲にあることが特に好ましい。担体の吸水量が前述の範囲にある担体を用いると、最終的に得られるFT触媒酸化物の耐摩耗性が特に高くなる。
【0018】
本製造方法における担体は、担体が成型された後に300℃以上の温度まで加熱されていないものが好ましい。担体が300℃を超える温度まで加熱されると、無機化合物の表面に存在するOH基が脱水縮合して無機化合物の粒子間に強固な化学結合が形成されてしまい、後述の工程で担持するジルコニウム化合物との化学結合が形成されづらくなるので、好ましくない。
【0019】
本製造方法における担体は、その圧壊強度が0N<圧壊強度≦5.1×10-2Nの範囲にある担体を購入して使用してもよい。また、例えば、平均一次粒子径の異なる無機化合物を溶媒中で混合して無機化合物スラリーを調製し、この無機化合物スラリーを噴霧乾燥して担体を調製することもできる。
【0020】
前述の方法を用いて担体を調製する場合、平均一次粒子径が異なる2種類の無機化合物を用いることが好ましい。平均一次粒子径が大きい無機化合物(大)の平均一次粒子径をR大としたとき、その平均一次粒子径(R大)は、10nm<R大≦50nmの範囲にあることが好ましく、10nm<R大≦30nmの範囲にあることが特に好ましい。また、一次粒子径が小さい無機化合物(小)の平均一次粒子径をR小としたとき、その平均一次粒子径(R小)は、1nm≦R小≦10nmの範囲にあることが好ましく、5nm≦R小≦10nmの範囲にあることが特に好ましい。更に、これらの無機化合物の平均一次粒子径の比率(R小/R大)は、0<(R小/R大)<0.5の範囲にあることが好ましく、0.2<(R小/R大)<0.5の範囲にあることが特に好ましい。このような平均一次粒子径を有する無機化合物を用い、これを溶媒中に分散させたのち噴霧乾燥することで、粒子密度が疎である担体を調製することができる。
【0021】
前述の方法を用いて担体を調製する場合、前述の無機化合物(大)の重量をW大、無機化合物(小)の重量をW小としたとき、その重量比(W小/W大)の比率は、0.2≦(W小/W大)≦10の範囲にあることが好ましく、0.2≦(W小/W大)≦5の範囲にあることが特に好ましい。この重量比(W小/W大)が前述の範囲にあると、粒子密度が疎である担体が調製されやすくなる。
【0022】
前述の方法を用いて担体を調製する場合、無機化合物スラリー中の無機化合物は、噴霧乾燥により球状の担体に成型される。ここで、噴霧乾燥とは、熱風気流中に無機化合物スラリーを噴霧することで、無機化合物スラリー中の溶媒を除去するとともに、既述のようにナノメートルオーダーの無機化合物の一次粒子を例えばマイクロメータ―オーダーの直径を有する球状粒子に成型する方法である。この時、熱風気流の入口温度(T入口:無機化合物スラリーを噴霧する前の熱風気流の温度)は、300℃より低い範囲にあることが好ましく、100~200℃の範囲にあることが特に好ましい。熱風気流の入口温度が300℃を超えると、無機化合物の表面に存在するOH基が脱水縮合されやすくなり、最終的に得られる担体の圧壊強度が高くなりやすいので好ましくない。一方、熱風気流の入口温度が100℃より低い場合、無機化合物スラリー中の溶媒を効率的に除去することができず、担体の生産性が低下することがあるので好ましくない。
【0023】
[(2)の工程]
本製造方法における(2)の工程は、(1)の工程で準備した担体に、含浸法を用いてジルコニウム化合物を担持する工程である。ここで、本工程における含浸法とは、ジルコニウム化合物が溶媒に溶解又は分散した含浸液を(1)の工程で準備した担体に吸収させ、その後乾燥して溶媒を除去する方法を指す。例えば、触媒調製の分野で一般的に用いられる、平衡吸着法、Pore-filling法、Incipient wetness法、蒸発乾固法、スプレー法等により、ジルコニウム化合物を担体に担持することができる。
【0024】
本製造方法の(2)の工程における含浸液は、ジルコニウム化合物が溶媒中に溶解又は分散したものである。従って、この工程では、溶媒に溶解・分散しやすいジルコニウム化合物を用いることが好ましく、例えば、水を溶媒とした場合、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニル、酢酸ジルコニル等を用いることが好ましい。特に、炭酸ジルコニウムアンモニウムは、その分子構造中に多くのOH基を有しており、担体中の無機化合物の表面OHと脱水縮合して強固な化学結合を形成しやすいので、好ましい。
【0025】
本製造方法の(2)の工程において用いるジルコニウム化合物は、最終的に得られる活性金属成分担持後のFT触媒酸化物に含まれるジルコニウム化合物の含有量(ZrO2換算)が2~15wt%の範囲となるよう担持されることが好ましく、3~10wt%の範囲となるよう担持されることが特に好ましい。最終的に得られるFT触媒酸化物に含まれるジルコニウム化合物の含有量が2wt%より少ない場合、担体の表面を充分に覆うことができないので、最終的に得られるFT触媒酸化物の耐摩耗性を高める効果が小さくなることがある。一方、最終的に得られるFT触媒酸化物に含まれるジルコニウム化合物の含有量が多すぎる場合、担体の表面に接することができないジルコニウム化合物が増加し、最終的に得られるFT触媒酸化物が粉化しやすくなったりその細孔が閉塞することがあるので、好ましくない。
【0026】
本製造方法の(2)の工程において含浸法を用いてジルコニウム化合物を担体に担持する場合、含浸液を担体に接触させる温度(以下、担持温度ともいう。)は、40℃以下であることが好ましく、30℃以下であることが特に好ましい。担持温度が40℃より高い場合、担体の表面でジルコニウム化合物が凝集してしまい、担体との接触面積が少なくなるので、本発明の作用効果が十分に得られないことがある。なお、本製造方法の(2)の工程において、担持温度は、担体の表面に測温機器を接触させて測定した温度とする。
【0027】
本製造方法の(2)の工程において含浸法を用いてジルコニウム化合物を担体に担持する場合、担体に含浸液を接触させた後、静置する。静置時間は制約とはならないが、担体の表面に含浸液を十分に広げ、担体の表面でジルコニウム化合物が凝集することを抑制するために、1時間以上静置することがより好ましい。
【0028】
本製造方法の(2)の工程において得られるジルコニウム化合物担持担体は、300℃以下の温度で乾燥してもよい。含浸液を担体に吸収させた後、乾燥せずに(3)の工程で焼成することもできるが、焼成工程では高温にさらされるため、担体中に溶媒が急激に気化され、その内圧により担体が破裂することがあるので、(2)の工程で予め除去しておくことが好ましい。乾燥する際の雰囲気は、大気雰囲気下でもよく、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。更に、これらの雰囲気ガスを一定の流量で流通させて乾燥することが特に好ましい。流量が19Nm3/kg-担体/hr未満の範囲となるよう前述の雰囲気ガスを流通させて担体からゆっくりと溶媒を除去することで、担体の崩壊を抑制することができる。また、ジルコニウム化合物の凝集が抑制されるためか、耐摩耗性も向上する。
【0029】
本製造方法の(2)の工程において、ジルコニウム化合物の担持量が目標量に達しない場合は、(2)の工程を複数回繰り返して、ジルコニウム化合物の担持量が目標量になるよう調整することができる。
【0030】
本製造方法の(3)の工程は、(2)の工程で調製されたジルコニウム化合物担持担体を焼成して焼成担体を調製する工程である。この工程では、ジルコニウム化合物担持担体を焼成することで、ジルコニウム化合物担持担体に含まれるジルコニウム化合物と無機化合物の表面OH基を脱水縮合して無機化合物とジルコニウム化合物の間に化学結合を形成することが目的である。したがって、その脱水縮合が始まる温度まで加熱できる方法であれば、従来公知の方法によりジルコニウム化合物担持担体を焼成することができる。例えば、ジルコニウム化合物担持担体をサヤに充填した後マッフル炉等を用いて焼成する固定式の焼成方法や、ジルコニウム担持担体を流動させたままロータリーキルン等を用いて焼成する流動式の焼成方法を用いることができる。
【0031】
本製造方法の(3)の工程において、ジルコニウム化合物担持担体を焼成する温度(T担体焼成)は、500℃≦T担体焼成≦900℃の範囲にあることが好ましく、600℃≦T担体焼成≦800℃の範囲にあることが特に好ましい。ジルコニウム化合物担持担体を焼成する温度が低すぎると、ジルコニウム化合物と無機化合物の表面OH基が十分に脱水縮合せず、最終的に得られるFT触媒酸化物の強度が低下することがある。また、ジルコニウム化合物担持担体を焼成する温度が高すぎても、ジルコニウム化合物と無機化合物が担体中で過度に融着し、得られる焼成担体の比表面積が低下したり、細孔を閉塞させることがある。焼成担体の細孔が閉塞すると、後述する(4)の工程にて活性金属成分を担持する際に、活性金属成分が十分に担持されないことがある。また、最終的に得られるFT触媒酸化物の比表面積が低下するので、これを還元して得られるFT触媒の活性が低下することがある。なお、本製造方法の(3)の工程において、T焼成担体は、ジルコニウム化合物担持担体の表面に測温機器を接触させて測定した温度とする。
【0032】
ジルコニウム化合物担持担体を焼成する際の雰囲気は、大気雰囲気であってもよく、不活性ガス雰囲気であってもよい。但し、この工程ではジルコニウム化合物と無機化合物の表面OH基同士を脱水縮合させることを目的とする。ただし、この脱水縮合が早く進みすぎるとジルコニウム化合物担持担体の割れや欠けが発生しやすくなるので、流通させるガスの流量は19Nm3/mol-Zr/hr未満の範囲にあることが好ましく、9Nm3/mol-Zr/hr未満の範囲にあることが特に好ましい。ジルコニウム化合物担持担体をこのような割れ等が起こりにくい雰囲気下で焼成することで、ジルコニウム化合物担持担体中に含まれるジルコニウム化合物と無機化合物の表面OH基同士とを十分に脱水縮合させることが重要である。
【0033】
本製造方法における(4)の工程は、(3)の工程で調製された当該焼成担体に活性金属成分を含む酸化物を担持してFT触媒酸化物を調製する工程である。この工程では、焼成担体にFT反応に有効な活性金属成分の酸化物を担持することが目的である。FT反応に有効な活性金属成分は、例えばFe,Ru,Co,Rh,Ni,Pdから選ばれる1種以上であることが好ましく、少なくともCoを含むことが特に好ましい。
【0034】
活性金属成分を含む酸化物は、触媒の分野で従来公知の方法を用いて焼成担体に担持することができる。例えば、(2)の工程と同様に、含浸法を用いることができる。含浸法により活性金属成分を含む酸化物を担持する場合、活性金属成分を含む酸化物が分散した含浸液を調製し、これを焼成担体に吸収させ、その後これを乾燥して溶媒を除去することで、焼成担体の表面に活性金属成分を含む酸化物を担持することができる。また、焼成により分解して酸化物を生成する活性金属成分を含む化合物が溶解した含浸液を調製し、これを焼成担体に吸収させ、その後これを乾燥および焼成することで、焼成担体の表面に活性金属成分を含む酸化物を担持することもできる。この方法を用いる場合、活性金属成分を含む化合物は、焼成により分解して酸化物を生成する硝酸塩、酢酸塩、塩酸塩、蟻酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、アセチルアセトナート塩であることが好ましく、硝酸塩、酢酸塩であることが特に好ましい。例えば、活性金属成分がCoの場合は、硝酸コバルト、硫酸コバルト、酢酸コバルト、塩化コバルト、蟻酸コバルト、プロピオン酸コバルト、コバルトアセチルアセトナート等を具体例として例示することができる。なお、これらの活性金属成分を含む化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0035】
焼成により分解して酸化物を生成する活性金属成分を含む化合物を担持した後で焼成する場合は、活性金属成分を含む化合物の分解温度以上の温度で焼成するのが一般的である。しかし、過度に高温の状態で焼成すると、FT触媒酸化物に含まれる活性金属成分の酸化物が凝集してしまい、これを還元処理して得られるFT触媒の反応活性が低下することがある。したがって、活性金属成分を含む化合物を焼成して酸化物にする場合は、活性金属成分を含む化合物の分解温度以上かつ500℃以下の温度で焼成することが好ましい。例えば、焼成担体に含まれる硝酸コバルトを焼成する場合は、300℃以上かつ500℃以下の温度で焼成することができる。このとき、焼成温度は、焼成担体の表面に測温機器を接触させて測定した温度とする。
【0036】
焼成する際の雰囲気は、大気雰囲気下でもよく、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。更に、これらの雰囲気ガスを一定の流量で流通させて焼成することが特に好ましい。このとき、雰囲気ガスの流量は、19Nm3/kg-活性金属成分を含む化合物/hr未満の範囲であることが好ましく、9Nm3/kg-活性金属成分を含む化合物/hr未満の範囲であることが特に好ましい。雰囲気ガスの流量を遅くすることで緩やかに活性金属成分を含む化合物が分解されるので、分解時に発生するガス等の内圧で焼成担体が破裂するのを防止することができる。また、活性金属成分を含む酸化物の凝集を抑制することもできる。
【0037】
活性金属成分は、最終的に得られるFT触媒酸化物に含まれる活性金属成分の含有量(酸化物換算)が5~40wt%の範囲となるよう焼成担体に担持されることが好ましく、15~35wt%の範囲となるよう担持されることが特に好ましい。活性金属成分の含有量が少なすぎると、FT触媒酸化物を還元処理して得られるFT触媒の反応活性が低下するので好ましくない。また、活性金属成分の含有量が多すぎると、最終的に得られるFT触媒酸化物の細孔を閉塞させることがあり、これを還元処理して得られるFT触媒の反応活性が低下する恐れがある。
【0038】
本製造方法における(4)の工程では、活性金属以外の成分を含む化合物を助触媒として焼成担体に担持してもよい。助触媒として使用することができる活性金属以外の成分を含む化合物は、例えば、アルカリ、アルカリ土類、希土類から選ばれる元素をすくなくとも1種以上含む化合物を担持してもよい。このような助触媒は、活性金属成分を含む酸化物を担持する方法と同様の方法を用いて焼成担体に担持することができる。このような助触媒を担持することにより、FT触媒酸化物を還元処理して得られるFT触媒の活性や選択性を改善することができる。なお、助触媒の担持量は、最終的に得られるFT触媒酸化物を基準として、酸化物換算で0.005~5重量%の範囲にあることが好ましい。
【0039】
上述の各工程を経て製造されたFT触媒酸化物は、製造後の粉末状の状態で還元した後、流動床、懸濁床、移動床の反応に用いてもよいし、さらに粒状やリング状などにバルク成型して還元した後、固定床の反応に用いてもよい。
【実施例】
【0040】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0041】
[実施例1]
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:S-20LE、平均粒子径19nm(比表面積換算の平均一次粒子径)、SiO2濃度20重量%)7500gと、シリカ微粉末((株)トクヤマ製:レオロシールQS-40(登録商標、以下同じ)、平均粒子径7nm(比表面積換算の平均一次粒子径))1500gと、水6000gとを混合して、固形分濃度20重量%の無機化合物スラリーを調製した。ついで、ホモジナイザー((株)国産精工:ホモジナイザー LL型)を用いて、この無機化合物スラリーに含まれる無機化合物を均一に分散した。ついで、この無機化合物スラリーを16.8kg/hrの流量で回転ディスク法噴霧乾燥装置に供給し、入口温度165℃の熱風気流中に噴霧して担体を得た((1)の工程)。この時、噴霧乾燥装置の出口温度は105℃であった。得られた担体の吸水量は、0.70ml/gであり、その圧壊強度は2.9×10-2Nであった。
【0042】
前述の工程で得られた担体を500g計量した。ついで、炭酸ジルコニウムアンモニウム水溶液(濃度:ZrO2換算で13重量%)328gに、担体の吸水量(担体の重量×吸水率)と同一の容積となるまで水を加えて含浸液を調製した。ついで、恒温槽を用いて、この含浸液の温度を15℃にした。ついで、この含浸液を担体500gに全量吸収させ、3時間静置してジルコニウム化合物担持担体を調製した((2)の工程)。含浸液を担体に吸収させたあとの担体温度(「担持温度」に相当する)は、25℃であった。
【0043】
前述の工程で得られたジルコニウム化合物担持担体を、回転焼成炉を用いて6℃/分の昇温速度で650℃まで昇温し、このまま1.5時間回転焼成して焼成担体を得た((3)の工程)。このとき、回転焼成炉に6.9Nm3/mol-Zr/hrの速度で空気を供給した。
【0044】
硝酸コバルト・6水和物(濃度:Co3O4換算で27.6wt%)281gに、前述の工程で得られた焼成担体の吸水量と同一の容積となるまで水を加えて含浸液を調製した。ついで、この含浸液を前述の工程で得られた焼成担体に全量吸収させた。ついで、この焼成担体を、回転焼成炉を用いて3℃/分の昇温速度で300℃まで昇温し、1.5時間回転焼成し、焼成担体に含まれる水分を除去した。このとき、回転焼成炉に8.5Nm3/hrの速度で空気を供給した。
【0045】
硝酸コバルト・6水和物(濃度:Co3O4換算で27.6wt%)281gに、前述の工程で得られたコバルト化合物を担持した焼成担体の吸水量と同一の容積となるまで水を加えて含浸液を調製した。ついで、この含浸液を前述の工程で得られたコバルト化合物を担持した焼成担体に全量吸収させた。ついで、この焼成担体を、回転焼成炉を用いて3℃/分の昇温速度で300℃まで昇温し、1.5時間回転焼成し、焼成担体に含まれる水分を除去した。このとき、回転焼成炉に8.5Nm3/kg-活性金属成分を含む化合物/hrの速度で空気を供給した。
【0046】
更に、硝酸コバルト・6水和物(濃度:Co3O4換算で27.6wt%)281gに、前述の工程で得られたコバルト化合物を2回担持した焼成担体の吸水量と同一の容積となるまで水を加えて含浸液を調製した。ついで、この含浸液を前述の工程で得られたコバルト化合物を2回担持した焼成担体に全量吸収させた。ついで、この焼成担体を、回転焼成炉を用いて4℃/分の昇温速度で450℃まで昇温し、このまま1.5時間回転焼成してFT触媒酸化物を得た((4)の工程)。このとき、回転焼成炉に8.5Nm3/kg-活性金属成分を含む化合物/hrの速度で空気を供給した。
【0047】
前述の工程で得られた担体、ジルコニウム化合物担持担体、焼成担体およびFT触媒酸化物について、圧壊強度、組成、平均粒子径(粒子径分布)、比表面積、細孔容積、耐摩耗性等を評価した。なお、組成は、仕込み量を基準として算出した。結果を表1~3に示す。
【0048】
なお、圧壊強度、平均粒子径、比表面積、細孔容積、耐摩耗性の評価は、以下の条件で行った。
[圧壊強度]
測定対象物から、測定対象物の平均粒子径の±10%の範囲に含まれる大きさの粒子を抽出し、微小圧縮試験機(島津製作所製:MCT-211)を用いて、粒子に圧力を加える圧子にはFLAT200を使用し、負荷速度0.1975gf/secの条件にて粒子を押圧して、この粒子が破壊(圧壊)されるまでに要した強度を測定した。この測定を10回行い、得られた値の平均値を強度とした。
平均粒子径(粒子径分布)
測定対象物の電子顕微鏡の画像から10個の粒子をランダムに抽出し、その粒子の長径の平均値を平均粒子径とした。
比表面積
測定対象物について、下記の条件で比表面積を測定した。
測定方法 : 窒素吸着法(BET1法:相対圧0.33)
測定装置 : BELSORP―miniII(マイクロトラック・ベル株式会社製)
前処理 : 300℃、2時間(窒素流通下)
吸水量
測定対象物(10g)をガラス瓶に充填し、これに少量の水を滴下して測定対象物に吸収させ、測定対象物の表面が濡れてガラス壁に付着するようになるまで繰り返した。測定対象物がガラス壁に付着し始めるまでの水の滴下量を測定対象物の重量で除して、これを吸水量とした。
耐摩耗性
耐摩耗性は、ASTM(American Society for Testing and Materials)-5757-00を参照したJET-Cup法を参考に実施した。具体的には、測定対象物を400℃1時間焼成した後、測定対象物45gに、水5gを添加して調湿した。ついで、上記ASTMを参照して自作したAtrrition装置に測定対象物を仕込み、Air JET法で、空気(相対湿度約10%)を7L/minの速度で供給し、測定対象物を流動させた。このとき、Atrrition装置のオリフィス出口の流速は304m/sであった。流動開始後5~20時間の間、摩耗により発生した微粒子をフィルターで捕集した。フィルターで捕集された微粒子の重量を仕込んだ測定対象物の重量で除して、摩耗率を求めた。
以上に説明した、FT触媒酸化物の各製造工程における製造条件、及び各特性値の測定結果を表1~3に記す。
【0049】
[実施例2:W小/W大比率 大]
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:S-20LE、平均粒子径19nm、SiO2濃度20重量%)6000gと、シリカ微粉末((株)トクヤマ製:レオロシールQS-40)1800gと、水7200gとを混合したこと以外は、実施例1と同様の方法でFT触媒酸化物を調製し、実施例1と同様の方法で評価した。FT触媒酸化物の製造条件及び結果を表1~3に示す。
【0050】
[実施例3:W小/W大比率 小]
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:S-20LE、平均粒子径19nm、SiO2濃度20重量%)9000gと、シリカ微粉末((株)トクヤマ製:レオロシールQS-40)1200gと、水4800gとを混合したこと以外は、実施例1と同様の方法でFT触媒酸化物を調製し、実施例1と同様の方法で評価した。FT触媒酸化物の製造条件及び結果を表1~3に示す。
【0051】
[実施例4:Co増]
3回の硝酸コバルト・6水和物の添加量をそれぞれ324gとしたこと以外は、実施例1と同様の方法でFT触媒酸化物を調製し、実施例1と同様の方法で評価した。FT触媒酸化物の製造条件及び結果を表1~3に示す。
【0052】
[実施例5:Co減]
3回の硝酸コバルト・6水和物の添加量をそれぞれ206gとしたこと以外は、実施例1と同様の方法でFT触媒酸化物を調製し、実施例1と同様の方法で評価した。FT触媒酸化物の製造条件及び結果を表1~3に示す。
【0053】
[実施例6:担持温度 高]
担持温度を45℃としたこと以外は、実施例1と同様の方法でFT触媒を調製し、実施例1と同様の方法で評価した。FT触媒の製造条件及び結果を表1~3に示す。
【0054】
[実施例7:含浸後の静置時間なし]
担体に炭酸ジルコニウムアンモニウムを含む含浸液を全量吸収させた後、静置時間を0時間としたこと以外は、実施例1と同様の方法でFT触媒酸化物を調製し、実施例1と同様の方法で評価した。FT触媒酸化物の製造条件及び結果を表1~3に示す。
【0055】
[実施例8:(4)の工程の空気供給速度変更]
(4)の工程で、回転焼成炉に21Nm3/kg-活性金属成分を含む化合物/hrの速度で空気を供給した以外は、実施例1と同様の方法でFT触媒酸化物を調製し、実施例1と同様の方法で評価した。FT触媒酸化物の製造条件及び結果を表1~3に示す。
【0056】
[比較例1:担体の圧壊強度 高]
実施例1の担体を、回転焼成炉を用いて担体を6℃/分の昇温速度で650℃まで昇温し、1.5時間回転焼成したこと以外は、実施例1と同様の方法でFT触媒酸化物を調製し、実施例1と同様の方法で評価した。(1)の工程で得られた担体の圧壊強度は5.2×10-2Nであった。FT触媒酸化物の製造条件及び結果を表1~3に示す。
【0057】
[比較例2:担体の圧壊強度 高]
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:S-20LE、平均粒子径19nm、SiO2濃度20重量%)12750gと、シリカ微粉末((株)トクヤマ製:レオロシールQS-40)450gと、水1800gとを混合したこと以外は、実施例1と同様の方法でFT触媒酸化物を調製し、実施例1と同様の方法で評価した。(1)の工程で得られた担体の圧壊強度は6.1×10-2Nであった。FT触媒酸化物の製造条件及び結果を表1~3に示す。
【0058】