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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】ブーム装置
(51)【国際特許分類】
   A01M 7/00 20060101AFI20230307BHJP
   B05B 17/00 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
A01M7/00 D
B05B17/00 101
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019092014
(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公開番号】P2020184938
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【弁理士】
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】清塚 雅樹
(72)【発明者】
【氏名】渋江 利夫
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-132643(JP,U)
【文献】特開2001-112397(JP,A)
【文献】特開2011-000494(JP,A)
【文献】実開昭48-074761(JP,U)
【文献】特開平11-314056(JP,A)
【文献】実開平05-039900(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 - 99/00
B05B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行可能な車両(2)に搭載されるブーム本体(101)と、
前記ブーム本体(101)に取り付けられた電気部品(150)と、
前記ブーム本体(101)に取り付けられた発電機(140)と、
前記ブーム本体(101)の長さ方向に沿って固定され、液体を噴霧するノズル(121a)を有する送液管(121)と、を備え、
前記電気部品(150)は、前記発電機(140)と電気的に接続されており、
前記発電機(140)は、前記送液管(121)に供給される液体の流れを動力として、前記送液管(121)に液体が流れているときにのみ電気部品(150)に電力を供給する、ブーム装置(100)。
【請求項2】
前記発電機(140)は、前記送液管(121)の基端に接続されている、請求項に記載のブーム装置(100)。
【請求項3】
前記電気部品(150)は、前記送液管(121)の長さ方向に沿って配置されており、
前記電気部品(150)における電力入力部(155)は、前記送液管(121)の長さ方向において、前記送液管(121)の前記基端側に設けられている、請求項に記載のブーム装置(100)。
【請求項4】
前記ブーム本体(101)は、前記車両(2)に接続される第1ブーム(110)と、前記第1ブーム(110)に沿ってスライド移動する第2ブーム(120)と、を含み、 前記電気部品(150)及び前記発電機(140)は、少なくとも前記第2ブーム(120)に設けられている、請求項1~のいずれか一項に記載のブーム装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体に搭載されるブーム装置が知られている。例えば、特許文献1に記載されたブーム装置は、元側ブームと先側ブームとを有している。先側ブームの先端部には、先側ブームの先端部付近を照らす照明燈が取り付けられている。照明燈は、電気回路によって、車体に搭載された電源と接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-112397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、照明燈のような電気部品がブームに設けられている場合、電気部品に電力を供給するための配線が煩雑となることがある。そのため、ブームに設けられた電気部品に対して、簡便に電力を供給することが求められる。
【0005】
本発明の一形態は、ブームに設けられた電気部品に対して簡便に電力を供給できるブーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るブーム装置(100)は、走行可能な車両(2)に搭載されるブーム本体(101)と、ブーム本体(101)に取り付けられた電気部品(150)と、ブーム本体(101)に取り付けられた発電機(140)と、を備え、電気部品(150)は、発電機(140)と電気的に接続されている。
【0007】
上記のブーム装置(100)では、電気部品(150)と、この電気部品(150)に電気的に接続される発電機(140)とが、いずれもブーム本体(101)に取り付けられている。そのため、電気部品(150)に電力を供給するための配線が煩雑になることが抑制される。したがって、ブーム本体(101)に設けられた電気部品(150)に対して簡便に電力を供給できる。
【0008】
また、ブーム本体(101)の長さ方向に沿って固定され、液体を噴霧するノズル(121a)を有する送液管(121)をさらに備え、発電機(140)は、送液管(121)に供給される液体の流れを動力として発電してもよい。この構成では、ノズル(121a)から噴霧される液体の流れを動力として活用しているため、発電機(140)の動力を別途用意する必要がない。
【0009】
また、発電機(140)は、送液管(121)の基端に接続されてもよい。この構成では、ノズル(121a)よりも上流の位置に発電機(140)が配置されるので、送液管(121)に供給される液体の流れをロスなく動力として活用できる。
【0010】
また、電気部品(150)は、送液管(121)の長さ方向に沿って配置されており、電気部品(150)における電力入力部(155)は、送液管(121)の長さ方向において、送液管(121)の基端側に設けられていてよい。この構成では、発電機(140)の近傍に電気部品(150)の電力入力部(155)が配置されるので、発電機(140)と電気部品(150)との接続を容易に行うことができる。
【0011】
また、ブーム本体(101)は、車両(2)に接続される第1ブーム(110)と、第1ブーム(110)に沿ってスライド移動する第2ブーム(120)と、を含み、電気部品(150)及び発電機(140)は、少なくとも第2ブーム(120)に設けられてもよい。この構成では、スライド移動によって第1ブーム(110)と第2ブーム(120)との位置関係が変化したとしても、第2ブーム(120)に取り付けられた電気部品(150)と発電機(150)との位置関係が変化しない。そのため、発電機(140)と電気部品(150)とを接続する配線が煩雑になることが抑制される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一側面に係るブーム装置によれば、ブームに設けられた電気部品に対して簡便に電力を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一例に係るブームスプレーヤの斜視図のである。
図2】一例に係るスライドブームの斜視図である。
図3】第1ブームの断面図である。
図4】第2ブームの断面図である。
図5】第3ブームの断面図である。
図6】水力発電機を模式的に示す概略図である。
図7】光照射装置を模式的に示す平面図である。
図8】光照射装置に係る電気系統を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。便宜上、実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0015】
図1は、ブーム装置が搭載されたブームスプレーヤを後方から見た状態を示す斜視図である。図2は、ブーム装置の斜視図である。図2では、多段式のブーム装置が伸長した状態が示されている。図3は、ブーム装置を構成する第1ブームの断面図である。図4は、ブーム装置を構成する第2ブームの断面図である。図5は、ブーム装置を構成する第3ブームの断面図である。図3図4及び図5では、それぞれのブームを先端側から基端側に向かって見ている。
【0016】
ブームスプレーヤ1は、車輪を備えた走行可能な車両2と、車両2に取り付けられたブーム装置100とを有する。ブームスプレーヤ1は、圃場において車両2を走行させながら、車両2に搭載された液体タンク10に貯留された薬液等の液体を散布する。図示例では、自走式の車両2を有するブームスプレーヤ1を示しているが、車両は、トラクタ等の自走機体に牽引されることによって、走行してもよい。以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」は、特に断らない限り、ブームスプレーヤ1を基準とする。
【0017】
ブーム装置100は、車両2の後部において左右の一端又は両端に取り付けられている。なお、図1では、車両前方に向かって右側に配置されたブーム装置100のみを示している。本実施形態では、ブーム装置100は、車両2に接続される基端ブームと基端ブームに接続される先端ブームとを含む多段式のスライドブーム(伸縮ブーム)である。図示例のブーム装置100は、第1ブーム110と、第1ブーム110に沿ってスライド移動する第2ブーム120と、第2ブーム120に沿ってスライド移動する第3ブーム130と、を含むブーム本体101を有している。また、図示例では、車両2の後部にセンターブーム3が取り付けられている。センターブーム3には複数のノズル(図示省略)が長さ方向に互いに離間して配置されている。センターブーム3のノズルには、配管を介して液体タンク10から薬液が送られるようになっている。
【0018】
第1ブーム110は、一方向に延びる長尺部材である。第1ブーム110の基端は、第1ブーム110が水平方向及び上下方向のそれぞれに対して揺動可能となるように、車両2のフレームに取り付けられている。薬液が散布される場合、例えばブーム装置100の長さ方向が水平方向に沿うように、第1ブーム110の揺動が制御される。
【0019】
図3に示すように、第1ブーム110は、筒状の送液管111を有する。送液管111は、第1ブーム110の長さ方向に沿って配置されるように、固定部材によって第1ブーム110の下部に固定されている。送液管111には、複数のノズル111aが長さ方向に沿って互いに離間して配置されている。送液管111は、例えば接続ホースを介して液体タンク10に接続されている。ノズル111aは、第1ブーム110の長さ方向が水平方向に沿った状態において、噴射口111bが下向きになるように配置されている。すなわち、薬液は、ノズル111aの噴射口111bから下側に向かって噴射される。なお、図示例では、第1ブーム110の先端から基端に向かって見たときに、ノズル111aの位置が送液管111に対して右側にオフセットされている。
【0020】
第2ブーム120は、一方向に延びる長尺部材である。第2ブーム120は、筒状の送液管121を有する。送液管121は、第2ブーム120の長さ方向に沿って配置されるように、固定部材によって第2ブーム120の下部に固定されている。送液管121には、複数のノズル121aが長さ方向に沿って互いに離間して配置されている。ノズル121aは、第2ブーム120の長さ方向が水平方向に沿った状態において、噴射口121bが下向きになるように配置されている。すなわち、薬液は、ノズル121aの噴射口121bから下側に向かって噴射される。なお、図示例では、第2ブーム120の先端から基端に向かって見たときに、ノズル121aの位置が送液管121に対して右側にオフセットされている。
【0021】
第2ブーム120は、第1ブーム110の外側において第1ブーム110に支持されており、第1ブーム110の長さ方向に沿ってスライド移動する。例えば、本実施形態では、第1ブーム110は、左右の一方の側面において長さ方向に沿って外方に張り出した上壁部113及び下壁部114を有している。上壁部113と下壁部114とは上下方向において互いに離間している。上壁部113の内側面及び下壁部114の内側面には、それぞれ第1ブーム110の長さ方向に延びた溝113a,114aが形成されている。一方、第2ブーム120の上面123及び下面124には、それぞれ第2ブーム120の長さ方向に延びるように溝123a,124aが形成されている。一例として、第2ブーム120の基端側に上下方向に互いに離間して設けられた一対のスライドローラ(図示省略)が第1ブーム110の溝113a,114aに係合するとともに、第1ブーム110の先端側に上下方向に違いに離間して設けられた一対のスライドローラ(図示省略)が第2ブーム120の溝123a,124aに係合する。これらの溝113a,114a,123a,124a及びスライドローラにより、第2ブーム120が第1ブーム110に対してその長さ方向に沿ってスライド可能とされている。
【0022】
第3ブーム130は、一方向に延びる長尺部材である。第3ブーム130は、筒状の送液管131を有する。送液管131は、第3ブーム130の長さ方向に沿って配置されるように、固定部材によって第3ブーム130の下部に固定されている。送液管131には、複数のノズル131aが長さ方向に沿って互いに離間して配置されている。ノズル131aは、第3ブーム130の長さ方向が水平方向に沿った状態において、噴射口131bが下向きになるように配置されている。すなわち、薬液は、ノズル131aの噴射口131bから下側に向かって噴射される。なお、図示例では、第3ブーム130の先端から基端に向かって見たときに、ノズル131aの位置が送液管131に対して左側にオフセットされている。
【0023】
第3ブーム130は、第2ブーム120の外側において第2ブーム120に支持されており、第2ブーム120の長さ方向に沿ってスライド移動する。例えば、本実施形態では、第2ブーム120は、左右の一方の側面において長さ方向に沿って外方に張り出した上壁部125及び下壁部126を有している。上壁部125と下壁部126とは上下方向において互いに離間している。上壁部125の内側面及び下壁部126の内側面には、それぞれ第2ブーム120の長さ方向に延びた溝125a,126aが形成されている。一方、第3ブーム130の上面133及び下面134には、それぞれ第3ブーム130の長さ方向に延びるように溝133a,134aが形成されている。一例として、第3ブーム130の基端側に上下方向に互いに離間して設けられた一対のスライドローラ(図示省略)が第2ブーム120の溝125a,126aに係合するとともに、第2ブーム120の先端側に上下方向に互いに離間して設けられた一対のスライドローラ(図示省略)が第3ブーム130の溝133a,134aに係合する。これらの溝125a,126a,133a,134a及びスライドローラにより、第3ブーム130が第2ブーム120に対してその長さ方向に沿ってスライド可能とされている。
【0024】
図1に示すように、第1ブーム110の基端には、上方へ延びる支柱117Aが固定されている。支柱117Aの途中には、側方に水平に突出する支持具117Bが形成されている。また、第1ブーム110の先端には、上方へ延びる支柱117Cが固定されている。支柱117Cの途中には、支持具117Bと同じ側の側方に水平に突出する支持具117Dが形成されている。第2ブーム120の基端には、上下方向に延びる支柱127Aが固定されている。第2ブーム120の先端には、上方へ延びる支柱127Bが固定されている。
【0025】
支柱117Aの上端部と支柱117Cの上端部との間、支持具117Bの上端部と支持具117Dの先端部との間、及び、支柱127Aと支柱127Bとの間には、それぞれワイヤ18,28,38が張架されている(図1及び図2)。すなわち、ワイヤ18,28は、第1ブームに沿って配置されており、ワイヤ38は第2ブーム120に沿って配置されている。ワイヤ18,28,38は互いに平行とされ、基端側にはそれぞれコイルホース19,29,39が伸縮自在に吊設されている。
【0026】
コイルホース19の基端は、支柱117Aに設けられた配管を介して液体タンク10に接続されている。コイルホース19の先端は、可撓性を有する連結ホース17の基端に接続されている。連結ホース17の先端は、水力発電機140A(140)を介して、第2ブーム120の長さ方向に沿って固定された送液管121に接続されている。一例では、水力発電機140Aは、第2ブーム120の基端において、送液管121の基端に接続されている。連結ホース17が送液管121に接続されているため、第2ブーム120が第1ブーム110に対してスライドした場合に、コイルホース19が連結ホース17に引っ張られてワイヤ18に沿って伸び、逆に第2ブーム120が戻るときは縮む。
【0027】
図6は、水力発電機140Aの一例である水力発電機(発電機)140を模式的に示す概略図である。図6に示すように、水力発電機140は、本体142と、本体142内に液体を流入させる入水部141と、本体142内から液体を排出させる出水部143とを備えている。本体142内には、入水部141から流入した液体によって回転する水車と、水車の回転を電力に変換する変換部とが組み込まれている。また、本体142には、発電による電力を外部に出力するためのワイヤーハーネス142aが設けられている。
【0028】
入水部141及び出水部143は、いずれも筒状をなしており、外周面にねじ切りがされている。本実施形態では、連結ホース17の先端が、接続部材によって入水部141に接続されている。また、送液管121の基端が、接続部材によって出水部143に接続されている。この構成により、散布すべき農薬等がコイルホース19、連結ホース17を経て、水力発電機140A内を通過してから、送液管121に供給される。水力発電機140Aは、農薬等が水力発電機140A内を通過することによって発電する。
【0029】
コイルホース29の基端は、支柱117Aに設けられた配管を介して液体タンク10に接続されている。コイルホース29の先端は、第2ブーム120の基端に固定された配管27を介してコイルホース39の基端に接続されている。コイルホース39の先端は、可撓性を有する連結ホース37の基端に接続されている。連結ホース37の先端は、水力発電機140Aと同様の水力発電機140B(140)を介して、第3ブーム130の長さ方向に沿って固定された送液管131に接続されている。本実施形態では、連結ホース37の先端が、接続部材によって入水部141に接続されている。また、送液管131の基端が、接続部材によって出水部143に接続されている。一例では、水力発電機140Bは、第3ブーム130の基端において、送液管131の基端に接続されている。この構成により、散布すべき農薬等がコイルホース29、配管27,コイルホース39,連結ホース37を経て、水力発電機140Bを通過してから、送液管131に供給される。水力発電機140Bは、農薬等が水力発電機140B内を通過することによって発電する。
【0030】
なお、配管27が第2ブーム120の支柱127Aに固定されているため、第2ブーム120が第1ブーム110に対してスライドした場合に、コイルホース29が配管27に引っ張られてワイヤ28に沿って伸び、逆に第2ブーム120が戻るときは縮む。また、連結ホース37が第3ブーム130の基端において送液管131に接続されているため、第3ブーム130が第2ブーム120に対してスライドした場合に、コイルホース39が連結ホース37に引っ張られてワイヤ38に沿って伸び、逆に第3ブーム130が戻るときは縮む。
【0031】
また、本実施形態では、ブーム装置100は、各ブームの長さ方向に沿って配置される光照射装置150を備えている。光照射装置150は、複数のノズル111a,121a,131aの噴射範囲に光を照射するように配置されている。すなわち、光照射装置150は、複数のノズル111a,121a,131aから噴射される薬液を照射するように配置されている。
【0032】
図7は、光照射装置を模式的に示す平面図である。図7に示すように、光照射装置(電気部品)150は、いわゆるLEDテープであり、一方向を長さ方向として、当該長さ方向に沿って延在するベース151と、ベース151上において長さ方向に沿って配置される複数のLEDチップ(LED光源)153と、を含んでいる。例えば、複数のLEDチップ153は、長さ方向に互いに等間隔に離間して配置されている。それぞれのLEDチップ153同士は、ベース151に形成された配線(回路)によって互いに並列となるように電気的に接続されていてよい。ベース151の一端には、ベース151に形成された配線を介して、それぞれのLEDチップ153に電気的に接続されたワイヤーハーネス(電力入力部)155が取り付けられている。LEDチップ153を点灯させる場合、ワイヤーハーネス155を介して各LEDチップ153に電力が供給される。また、ベース151においてLEDチップ153が配置される上面151aとは逆側の裏面151bには、光照射装置150を設置(固定)するための、例えば粘着層が形成されていてもよい。また、ベース151上に配置されたLEDチップ153は、透光性を有する樹脂によって被覆されていてもよい。
【0033】
本実施形態では、ブーム装置100は、第1ブーム110に配置される光照射装置150A(150)と、第2ブーム120に配置される光照射装置150B(150)と、第3ブーム130に配置される光照射装置150C(150)と、を有している。
【0034】
図3に示すように、光照射装置150Aは、ベース151の長さ方向が第1ブーム110の長さ方向に沿うように配置されている。例えば、光照射装置150Aは、第1ブーム110の下面のうち、送液管111が配置されている位置よりも第2ブーム120に近い位置において、送液管111に沿って配置されている。上下方向(Z方向)において、光照射装置150Aと送液管111とは略同じ高さに位置している。図示例では、光照射装置150Aの高さ位置は、送液管111の上端から下端までの範囲に位置している。なお、光照射装置150Aのワイヤーハーネス155は、第1ブーム110の長さ方向において、第1ブーム110の基端側に配置されていてよい。
【0035】
図4に示すように、光照射装置150Bは、ベース151の長さ方向が第2ブーム120の長さ方向に沿うように配置されている。例えば、光照射装置150Bは、第2ブーム120の下面のうち、送液管121が配置されている位置よりも第3ブーム130に近い位置において、送液管121に沿って配置されている。上下方向(Z方向)において、光照射装置150Bと送液管121とは略同じ高さに位置している。図示例では、光照射装置150Bの高さ位置は、送液管121の上端から下端までの範囲に位置している。なお、光照射装置150Bのワイヤーハーネス155は、送液管121の長さ方向において、送液管121の基端側に配置されていてよい。
【0036】
図5に示すように、光照射装置150Cは、ベース151の長さ方向が第3ブーム130の長さ方向に沿うように配置されている。例えば、光照射装置150Cは、第3ブーム130の下面のうち、送液管131が配置されている位置よりも第2ブーム120から遠い位置において、送液管131に沿って配置されている。上下方向(Z方向)において、光照射装置150Cと送液管131とは略同じ高さに位置している。図示例では、光照射装置150Cの位置は、送液管131の上端と略同じ高さに位置している。なお、光照射装置150Cのワイヤーハーネス155は、送液管131の長さ方向において、送液管131の基端側に配置されていてよい。
【0037】
図8は、光照射装置に係る電気系統を示す模式図である。本実施形態では、光照射装置150Aは、車両2に搭載された電源5と電気的に接続されている。電源5には、ワイヤーハーネス(第1の配線)6の一端が電気的に接続されている。ワイヤーハーネス6の中間には、ワイヤーハーネス6の通電を制御するスイッチ7が接続されている。なお、図8では、車両2が省略されているが、電源5及びスイッチ7は、車両2に搭載されていてよい。ワイヤーハーネス6の他端には、光照射装置150Aのワイヤーハーネス155が電気的に接続されている。
【0038】
第2ブーム120に取り付けられた光照射装置150Bのワイヤーハーネス155は、水力発電機140Aからの電力が光照射装置150Bに供給されるように、水力発電機140Aのワイヤーハーネス142aと電気的に接続されている。また、第3ブーム130に取り付けられた光照射装置150Cのワイヤーハーネス155は、水力発電機140Bからの電力が光照射装置150Cに供給されるように、水力発電機140Bのワイヤーハーネス142aと電気的に接続されている。
【0039】
光照射装置150Aは、スイッチ7が操作されることによって、電源5から供給される電力によって点灯する。光照射装置150Bは、ノズル121aから薬液が噴霧される際に、送液管121に供給される薬液により発電する水力発電機140Aの電力によって点灯する。同様に、光照射装置150Cは、ノズル131aから薬液が噴霧される際に、送液管131に供給される薬液により発電する水力発電機140Bの電力によって点灯する。
【0040】
以上説明したブーム装置100では、光照射装置150と、この光照射装置150に電気的に接続される水力発電機140とが、いずれもブーム本体101に取り付けられている。すなわち、第2ブーム120には、光照射装置150Bと水力発電機140Aとが設けられ、第3ブーム130には、光照射装置150Cと水力発電機140Bとが設けられている。そのため、水力発電機140Aから光照射装置150Bに電力を供給するための配線が煩雑になること、及び、水力発電機140Bから光照射装置150Cに電力を供給するための配線が煩雑になることが抑制される。したがって、光照射装置150に対して簡便に電力を供給できる。
【0041】
また、上記実施形態では、ブーム本体101のスライド移動によって、第1ブーム110、第2ブーム120及び第3ブーム130の互いの位置関係が変化する。この場合、光照射装置150B,150Cに対して、車両2に搭載された電源から電力が供給される形態では、電源と光照射装置150B,150Cとを接続する配線は、第2ブーム120及び第3ブーム130のスライド移動に追従するように構成される必要がある。本実施形態では、第2ブーム120に取り付けられた光照射装置150Bと水力発電機140Aとの位置関係、及び、第3ブーム130に取り付けられた光照射装置150Cと水力発電機140Bとの位置関係が変化しないため、水力発電機140と光照射装置150とを接続する配線が煩雑になることが抑制される。
【0042】
また、水力発電機140Aは、送液管121に供給される液体の流れを動力として発電し、水力発電機140Bは、送液管131に供給される液体の流れを動力として発電する。この構成では、ノズル121a,131aから噴霧される液体の流れを水力発電機140の動力として活用しているため、水力発電機140の動力を別途用意する必要がない。
【0043】
また、水力発電機140Aは送液管121の基端に接続されており、水力発電機140Bは送液管131の基端に接続されている。この構成では、ノズル121aよりも上流の位置に水力発電機140Aが配置され、ノズル131aよりも上流の位置に水力発電機140Bが配置されるので、送液管121,131に供給される液体の流れをロスなく動力として活用できる。
【0044】
また、光照射装置150Aのワイヤーハーネス155は、送液管121の長さ方向において、送液管121の基端側に設けられている。同様に、光照射装置150Bのワイヤーハーネス155は、送液管131の長さ方向において、送液管131の基端側に設けられている。この構成では、水力発電機140の近傍に光照射装置150のワイヤーハーネス155が配置される。これにより、水力発電機140と光照射装置150との接続を容易に行うことができる。
【0045】
以上、一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られない。
【0046】
例えば、電気部品は、光照射装置である場合に限られず、その他の部品または装置であってもよい。たとえば、電気部品は、噴霧した薬液に静電気を与えるための静電散布装置であってもよい。
【0047】
また、光照射装置150Aが車両2に搭載された電源5から電力を供給されている例を示したが、送液管111に供給される薬液によって発電する水力発電機を第1ブーム110に設けることにより、当該水力発電機から光照射装置150Aに電力を供給してもよい。
【符号の説明】
【0048】
2…車両、100…ブーム装置、101…ブーム本体、110…第1ブーム、120…第2ブーム、121…送液管、121a…ノズル、140…水力発電機(発電機)、150…光照射装置(電気部品)。
図1
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