(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】アレイ基板、その製造方法及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230307BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
G09F9/30 336
G09F9/30 348
G09F9/00 342
G09F9/30 338
(21)【出願番号】P 2019546891
(86)(22)【出願日】2018-11-21
(86)【国際出願番号】 CN2018116770
(87)【国際公開番号】W WO2019174297
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】201810208808.7
(32)【優先日】2018-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】マー ホンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン カイ
(72)【発明者】
【氏名】シャオ ユンシォン
(72)【発明者】
【氏名】ドン シャンダン
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-351354(JP,A)
【文献】国際公開第2017/146058(WO,A1)
【文献】特開2012-128006(JP,A)
【文献】特開平10-020339(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0277288(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0047802(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0229527(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0262109(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0035812(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133-1/1334
1/1339-1/1368
G09F9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板であって、
ベース基板と、
前記ベース基板上に位置する第1金属層と、
前記第1金属層の前記ベース基板から離れた一側に位置する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた一側に位置する第2金属層と、
前記第2金属層の前記ベース基板から離れた一側に位置する第2絶縁層とを備え、
前記アレイ基板は、表示領域と前記表示領域を取り囲んでいる周辺領域とを含み、前記第1金属層は、前記周辺領域において複数本の信号線を含み、前記第2絶縁層は、前記周辺領域において前記複数本の信号線のうち少なくとも2本の信号線と重なる少なくとも1つの溝を含み、前記第2金属層は、前記周辺領域において金属バーを含み、
前記溝と前記信号線との重なる領域では、前記信号線の前記ベース基板での正投影が前記金属バーの前記ベース基板での正投影内にあ
り、
前記第1金属層は、第1ゲート金属層であり、前記第2金属層は、第2ゲート金属層である
アレイ基板。
【請求項2】
前記金属バーは、前記複数本の信号線に1対1で対応して設置された複数の金属バーを含み、前記溝と前記信号線との重なる領域では、前記信号線のそれぞれの前記ベース基板での正投影が対応して設置された前記金属バーの前記ベース基板での正投影内にある
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記溝と前記信号線との重なる領域では、各前記金属バーの幅が各前記信号線の幅より大きい
請求項1又は2に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記複数本の信号線は、前記表示領域まで延びている
請求項1-3のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記第2金属層は、前記表示領域において導電性パターンを含み、各前記金属バーは、前記導電性パターンと絶縁している
請求項1-4のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記第1絶縁層の材料は、無機絶縁材料を含み、前記第2絶縁層の材料は、無機絶縁材料を含む
請求項1-5のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記溝は、前記周辺領域の前記金属バーが設置されていない領域において、前記ベース基板に垂直な方向に沿って前記第1絶縁層を貫通している
請求項1-6のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記第2絶縁層は、層間誘電体層を含む
請求項1-
7のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記第2絶縁層の前記第2金属層から離れた一側に位置する第3金属層をさらに備え、前記第3金属層は、前記周辺領域において前記溝の底角に位置する金属残留を含む
請求項1-
8のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記第3金属層は、前記表示領域においてソース、ドレイン及びソース・ドレイン信号線のうち少なくとも1つを含む
請求項
9に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記第3金属層の前記第2絶縁層から離れた一側に設置されたパッシベーション層と、
前記表示領域であって前記パッシベーション層の前記第3金属層から離れた一側に位置する画素電極とをさらに備える
請求項
10に記載のアレイ基板。
【請求項12】
表示装置であって、請求項1-
11のいずれか1項に記載のアレイ基板を備える
表示装置。
【請求項13】
アレイ基板の製造方法であって、
ベース基板上に第1金属層を形成するステップと、
前記第1金属層の前記ベース基板から離れた一側に第1絶縁層を形成するステップと、
前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた一側に第2金属層を形成するステップと、
前記第2金属層の前記ベース基板から離れた一側に第2絶縁層を形成するステップと、
前記第2絶縁層をエッチングして少なくとも1つの溝を形成するステップとを含み、
前記アレイ基板は、表示領域と前記表示領域を取り囲んでいる周辺領域とを含み、前記第1金属層は、前記周辺領域において複数本の信号線を含み、前記溝は、前記複数本の信号線のうち少なくとも2本の信号線と重なり、前記第2金属層は、前記周辺領域において金属バーを含み、前記溝と前記信号線との重なる領域では、前記信号線の前記ベース基板での正投影が前記金属バーの前記ベース基板での正投影内にあ
り、
前記第1金属層は、第1ゲート金属層となるように形成され、前記第2金属層は、第2ゲート金属層となるように形成される
アレイ基板の製造方法。
【請求項14】
前記金属バーは、前記複数本の信号線に1対1で対応して設置された複数の金属バーを含み、前記溝と前記信号線との重なる領域では、前記信号線のそれぞれの前記ベース基板での正投影が対応して設置された前記金属バーの前記ベース基板での正投影内にある
請求項
13に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項15】
前記溝と前記信号線との重なる領域では、各前記金属バーの幅が各前記信号線の幅より大きい
請求項
13に記載のアレイ基板の製造方法。
【請求項16】
前記第2金属層は、前記表示領域において導電性パターンを含み、各前記金属バーは、前記導電性パターンと絶縁しており、前記金属バー及び前記導電性パターンは、同一のマスクプロセスにより作製される
請求項
13に記載のアレイ基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年03月14日に提出した中国特許出願第201810208808.7号の優先権を主張し、上記中国特許出願に開示されている全内容を引用により本願の一部としてここに組み込む。
本開示の実施例は、アレイ基板、その製造方法及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示技術の持続的な発展に伴い、低温ポリシリコン-アクティブマトリックス発光ダイオード(LTPS-AMOLED)表示装置は、広色域、高コントラスト、低消費電力、軽量化及び薄型化、可撓性などの利点を有するため、それについての研究が盛んに行われており、次世代の表示技術と考えられる。一方、スマートフォン、スマートテレビの持続的な発展に伴い、狭額縁及び超狭額縁の設計は、市場の主流及び競争の方向となっている。
【0003】
通常、低温ポリシリコン-アクティブマトリックス発光ダイオード表示装置のバックプレーン回路は、複数層の金属信号線及び絶縁層を含み、構造が複雑である。
【発明の概要】
【0004】
本開示の少なくとも1つの実施例は、アレイ基板を提供し、該アレイ基板は、ベース基板と、前記ベース基板上に位置する第1金属層と、前記第1金属層の前記ベース基板から離れた一側に位置する第1絶縁層と、前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた一側に位置する第2金属層と、前記第2金属層の前記ベース基板から離れた一側に位置する第2絶縁層とを備え、前記アレイ基板は、表示領域と前記表示領域を取り囲んでいる周辺領域とを含み、前記第1金属層は、前記周辺領域において複数本の信号線を含み、前記第2絶縁層は、前記周辺領域において前記複数本の信号線のうち少なくとも2本の信号線と重なる少なくとも1つの溝を含み、前記第2金属層は、前記周辺領域において金属バーを含み、前記溝と前記信号線との重なる領域では、前記信号線の前記ベース基板での正投影が前記金属バーの前記ベース基板での正投影内にある。
【0005】
たとえば、本開示の一実施例によるアレイ基板において、前記金属バーは、前記複数本の信号線に1対1で対応して設置された複数の金属バーを含み、前記溝と前記信号線との重なる領域では、前記信号線のそれぞれの前記ベース基板での正投影がそれに対応して設置された前記金属バーの前記ベース基板での正投影内にある。
【0006】
たとえば、本開示の一実施例によるアレイ基板において、前記溝と前記信号線との重なる領域では、各前記金属バーの幅が各前記信号線の幅より大きい。
【0007】
たとえば、本開示の一実施例によるアレイ基板において、前記複数本の信号線は、前記表示領域まで延びている。
【0008】
たとえば、本開示の一実施例によるアレイ基板において、前記第2金属層は、前記表示領域において導電性パターンを含み、各前記金属バーは、前記導電性パターンと絶縁している。
【0009】
たとえば、本開示の一実施例によるアレイ基板において、前記第1絶縁層の材料は、無機絶縁材料を含み、前記第2絶縁層の材料は、無機絶縁材料を含む。
【0010】
たとえば、本開示の一実施例によるアレイ基板において、前記溝は、前記周辺領域の前記金属バーが設置されていない領域において、前記ベース基板に垂直な方向に沿って前記第1絶縁層を貫通している。
【0011】
たとえば、本開示の一実施例によるアレイ基板において、前記第1金属層は、第1ゲート金属層であり、前記第2金属層は、第2ゲート金属層である。
【0012】
たとえば、本開示の一実施例によるアレイ基板において、前記第2絶縁層は、層間誘電体層を含む。
【0013】
たとえば、本開示の一実施例によるアレイ基板は、前記第2絶縁層の前記第2金属層から離れた一側に位置する第3金属層をさらに備え、前記第3金属層は、前記周辺領域において前記溝の底角に位置する金属残留を含む。
【0014】
たとえば、本開示の一実施例によるアレイ基板において、前記第3金属層は、前記表示領域において、ソース、ドレイン及びソース・ドレイン信号線のうち少なくとも1つを含む。
【0015】
たとえば、本開示の一実施例によるアレイ基板は、前記第3金属層の前記第2絶縁層から離れた一側に設置されたパッシベーション層と、前記表示領域であって前記パッシベーション層の前記第3金属層から離れた一側に位置する画素電極とをさらに備える。
【0016】
本開示の少なくとも1つの実施例は、上記いずれかに記載のアレイ基板を備える表示装置を提供する。
【0017】
本開示の少なくとも1つの実施例は、アレイ基板の製造方法を提供し、該製造方法は、ベース基板上に第1金属層を形成するステップと、前記第1金属層の前記ベース基板から離れた一側に第1絶縁層を形成するステップと、前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた一側に第2金属層を形成するステップと、前記第2金属層の前記ベース基板から離れた一側に第2絶縁層を形成するステップと、前記第2絶縁層をエッチングして少なくとも1つの溝を形成するステップとを含み、前記アレイ基板は、表示領域と前記表示領域を取り囲んでいる周辺領域とを含み、前記第1金属層は、前記周辺領域において複数本の信号線を含み、前記溝は、前記複数本の信号線のうち少なくとも2本の信号線と重なり、前記第2金属層は、前記周辺領域において金属バーを含み、前記溝と前記信号線との重なる領域では、前記信号線の前記ベース基板での正投影が前記金属バーの前記ベース基板での正投影内にある。
【0018】
たとえば、本開示の一実施例によるアレイ基板の製造方法において、前記金属バーは、前記複数本の信号線に1対1で対応して設置された複数の金属バーを含み、前記溝と前記信号線との重なる領域では、前記信号線のそれぞれの前記ベース基板での正投影がそれに対応して設置された前記金属バーの前記ベース基板での正投影内にある。
【0019】
たとえば、本開示の一実施例によるアレイ基板の製造方法において、前記溝と前記信号線との重なる領域では、各前記金属バーの幅が各前記信号線の幅より大きい。
【0020】
たとえば、本開示の一実施例によるアレイ基板の製造方法において、前記第2金属層は、前記表示領域において導電性パターンを含み、各前記金属バーは、前記導電性パターンと絶縁しており、前記金属バー及び前記導電性パターンは、同一のマスクプロセスにより作製される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明するが、勿論、以下の説明における図面は、本開示の一部の実施例に関するものに過ぎず、本開示を制限するものではない。
【0022】
【
図3A】アレイ基板の製造方法のステップを示す模式図である。
【
図3B】アレイ基板の製造方法のステップを示す模式図である。
【
図3C】アレイ基板の製造方法のステップを示す模式図である。
【
図3D】アレイ基板の製造方法のステップを示す模式図である。
【
図3E】アレイ基板の製造方法のステップを示す模式図である。
【
図3F】アレイ基板の製造方法のステップを示す模式図である。
【
図4A】別のアレイ基板の平面を示す模式図である。
【
図4B】
図4Aに示したアレイ基板における金属残留による短絡を示す模式図である。
【
図5A】本開示の一実施例によるアレイ基板の断面を示す模式図である。
【
図5B】本開示の一実施例によるアレイ基板の断面を示す模式図である。
【
図6】本開示の一実施例によるアレイ基板の平面を示す模式図である。
【
図7A】本開示の一実施例によるアレイ基板の製造方法のステップを示す模式図である。
【
図7B】本開示の一実施例によるアレイ基板の製造方法のステップを示す模式図である。
【
図7C】本開示の一実施例によるアレイ基板の製造方法のステップを示す模式図である。
【
図7D】本開示の一実施例によるアレイ基板の製造方法のステップを示す模式図である。
【
図7E】本開示の一実施例によるアレイ基板の製造方法のステップを示す模式図である。
【
図7F】本開示の一実施例によるアレイ基板の製造方法のステップを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明瞭かつ完全に説明する。勿論、説明する実施例は、本開示の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。説明する本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力を必要とせずに想到しうるすべてのほかの実施例は、本開示の保護範囲に属する。
【0024】
特に断らない限り、本開示に使用されている技術用語又は科学用語は、当業者が理解しうる一般的な意味である。本開示に使用されている「第1」、「第2」及び類似した用語は、いかなる順番、数量又は重要性を示すものでもなく、異なる構成部分を区別するために過ぎない。「含む」又は「備える」などの類似した用語は、該用語の前に記載の素子又は物品が該単語の後に挙げられている素子又は物品及びその同等物を含み、ほかの素子又は物品を排除しないことを意図する。「接続」又は「接続されている」などの類似した用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接か間接かを問わず、電気的接続を含む。
【0025】
研究したところ、本願の発明者は、割れの表示領域への広がりを防止するために、アレイ基板のエッジでは、通常、層間誘電体層(Interlayer Dielectric Layer)に少なくとも1つの溝を形成する。しかし、上記アレイ基板を作製する過程に、溝が形成された層間誘電体層の上において金属層(たとえば、以下の第3金属層)の製造プロセス及びパターニングプロセスを行うときに、溝の底角の位置には金属層残留が発生してしまう。残留された金属により異なる金属信号線が電気的に接続され、その結果、短絡が発生し、さらに該アレイ基板を用いた表示装置には表示不良が生じることを見出した。
【0026】
図1は、アレイ基板の断面模式図である。
図1には、該アレイ基板の周辺領域のみが示されている。
図1に示されるように、該アレイ基板は、ベース基板01と、ベース基板01上に設置された信号線02と、信号線02上に設置された第1絶縁層03と、第1絶縁層03上に設置された第2絶縁層04とを備える。たとえば、第2絶縁層04は、層間誘電体層である。割れの表示領域への広がりを防止するために、該アレイ基板の周辺領域には、少なくとも1つの溝30が形成される。溝30は、第1絶縁層03と第2絶縁層04を貫通して、信号線02を露出させる。しかしながら、後続の第3金属層の製造プロセス及びパターニングプロセスを行うときに、溝30の底角の位置には、第3金属層の金属残留40が発生してしまう。
図2には、金属残留による短絡の模式図が示されている。
図2に示されるように、溝30の底角の位置における金属残留40により異なる信号線02が電気的に接続され、その結果、短絡が発生し、さらに該アレイ基板を用いた表示装置には表示不良が生じる。なお、上記信号線02は、第1ゲート金属層をパターニングすることにより得られる。
【0027】
上記金属残留による信号線の短絡の問題をより明瞭に説明するために、
図3A-
図3Fには、アレイ基板の製造方法のステップ模式図が示されている。同様に、
図3A-3Fには、該アレイ基板の周辺領域のみが示されている。
図3Aに示されるように、ベース基板01上に信号線02を形成し、信号線02は、まず1層の金属層を形成し、次にパターニングプロセスを行うことにより得られ得る。
図3Bに示されるように、第1絶縁層03が信号線02を被覆するように、ベース基板01と信号線02上に第1絶縁層03を形成し、
図3Cに示されるように、第1絶縁層03上に第2絶縁層04を形成し、たとえば、第1絶縁層03及び第2絶縁層04は、いずれも無機絶縁層としてもよい。
図3Dに示されるように、第2絶縁層04をエッチングして少なくとも1つの溝30を形成し、第2絶縁層04及び第1絶縁層03のいずれも無機絶縁層であるため、第2絶縁層04をエッチングする過程に、溝30の位置での第1絶縁層03もエッチング液にエッチングされ、それにより、信号線02が露出する。
図3Eに示されるように、上記基板上に第3金属層05を堆積させ、このとき、溝30にも第3金属層05が堆積される。
図3Fに示されるように、第3金属層05をエッチングし、周辺領域における第3金属層05を除去し、溝30にも第3金属層05が堆積されているため、第3金属層05をエッチングする過程に、溝30の底角の位置には金属残留40が形成されやすくなる。
図3Fに示されるように、溝30の底角の位置における金属残留40により異なる信号線02が電気的に接続され、その結果、短絡が発生し、さらに該アレイ基板を用いた表示装置には表示不良が生じる。なお、第3金属層は、信号線として機能しない場合、表示領域のみにパターンを保留し、周辺領域では完全に除去する必要があり、また、第1絶縁層が形成された後であって第2絶縁層が形成される前に、該製造方法は、第2金属層(たとえば、第2ゲート金属層)を形成するステップをさらに含み、同じく第2金属層は、表示領域のみにパターンを保留し、周辺領域では完全に除去する必要がある。
【0028】
一方、上記した信号線02が第3金属層05をパターニングすることによって形成される場合でも、信号線の短絡の問題が発生する。
図4Aは、別のアレイ基板の平面模式図である。
図4Bは、
図4Aに示すアレイ基板における金属残留による短絡の模式図である。
図4A及び4Bには、該アレイ基板の周辺領域のみが示されている。
図4A及び4Bに示されるように、該アレイ基板は、ベース基板01と、ベース基板01上に設置された第1絶縁層(未図示)と、第1絶縁層上に設置された第2絶縁層04とを備える。たとえば、第2絶縁層04は、層間誘電体層である。割れの表示領域への広がりを防止するために、該アレイ基板の周辺領域には、少なくとも1つの溝30が形成される。溝30は、第1絶縁層03と第2絶縁層04を貫通する。後続の第3金属層の製造プロセス及び第3金属層をパターニングして信号線02を形成することを行うときに、溝30の底角の位置には、第3金属層の金属残留40が生じる。溝30の底角の位置における金属残留40により異なる信号線02が電気的に接続され、その結果、短絡が発生し、さらに該アレイ基板を用いた表示装置には表示不良が生じる。
【0029】
本開示の実施例は、アレイ基板、その製造方法及び表示装置を提供する。該アレイ基板は、ベース基板と、ベース基板上に位置する第1金属層と、第1金属層のベース基板からは離れた一側に位置する第1絶縁層と、第1絶縁層の第1金属層から離れた一側に位置する第2金属層と、第2金属層の第1絶縁層から離れた一側に位置する第2絶縁層とを備え、アレイ基板は、表示領域と表示領域を取り囲んでいる周辺領域とを含み、第1金属層は、周辺領域において複数本の信号線を含み、第2絶縁層は、周辺領域において複数本の信号線のうち少なくとも2本の信号線と重なる少なくとも1つの溝を含み、第2金属層は、周辺領域において金属バーを含み、溝と信号線の重なり領域では、信号線のベース基板での正投影が金属バーのベース基板での正投影内にある。該アレイ基板は、溝の位置で信号線に孤立した金属バーを増設することで、絶縁層に形成された溝における金属残留による信号線の短絡の問題を防止し、それにより製品の歩留まりを向上させる。
【0030】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施例によるアレイ基板、その製造方法及び表示装置について詳細に説明する。
【0031】
本開示の一実施例は、アレイ基板を提供する。
図5A及び5Bは、本開示の一実施例によるアレイ基板の断面模式図である。
図5Aには、該アレイ基板の周辺領域が示され、
図5Bには、該アレイ基板の表示領域が示されている。
図5A及び5Bに示されるように、該アレイ基板は、ベース基板101と、ベース基板101上に位置する第1金属層110と、第1金属層110のベース基板101から離れた一側に位置する第1絶縁層103と、第1絶縁層103の第1金属層110から離れた一側に位置する第2金属層120と、第2金属層120の第1絶縁層103から離れた一側に位置する第2絶縁層104とを備える。アレイ基板は、表示領域180と表示領域180を取り囲んでいる周辺領域190とを含み、第1金属層110は、周辺領域190において複数本の信号線102を含み、第2絶縁層104は、周辺領域190において複数本の信号線102のうち少なくとも2本の信号線102と重なる少なくとも1つの溝130を含み、つまり、溝130は、少なくとも2本の信号線102と重なり、第2金属層120は、周辺領域190において金属バー150を含み、溝130と信号線102との重なる領域では、金属バー150のベース基板101での正投影が信号線102のベース基板101での正投影にあり、つまり、信号線102のベース基板101での正投影が金属バー150のベース基板101での正投影内にある。なお、溝130は、割れの表示領域への広がりを防止する役割を果たす。
【0032】
本開示の実施例によるアレイ基板の作製過程において、第2絶縁層104の周辺領域190における溝130が複数本の信号線102のうち少なくとも2本の隣接する信号線102と重なるため、後続の第3金属層の製造プロセス及びパターニングプロセスでも、溝130における金属残留する140による信号線102の短絡の問題が生じる。しかしなから、
図5Aに示されるように、溝130と信号線102との重なる領域では、金属バー150のベース基板101での正投影が信号線102のベース基板101での正投影に被覆されているため、第2絶縁層104に溝130を形成するステップでは、金属バー150によってエッチング液(絶縁層に対するエッチング液)をブロックして金属バー150に被覆されている第1絶縁層103のエッチングが防止され、つまり、導線102と金属バー150との間の第1絶縁層103がエッチング液にエッチングされず、残されている。それによって、溝130と信号線102との重なる領域では、後続の第3金属層の製造プロセス及びパターニングプロセスにおいて、金属残留140が存在しても、金属残留140は、金属バー150にしか接続できず、導線102に接続されることがなく、それにより金属残留による信号線の短絡の問題を防止し、さらに製品の歩留まりを向上させる。また、金属バー150のベース基板101での正投影が信号線102のベース基板101での正投影に被覆されているため、後続の電極(たとえば、画素電極、陽極等)の製造プロセス及びパターニングプロセスにおいて、エッチング液(電極に対するエッチング液)が最大に金属バー150のみをエッチングし、導線102と金属バー150との間の第1絶縁層103により導線102のエッチングが防止され、従って、金属バー150は、また信号線102に対して保護効果を果たす。
【0033】
たとえば、ベース基板101としては、ガラス基板、石英基板又はプラスチック基板が使用され得る。
【0034】
たとえば、第1金属層110は、第1ゲート金属層であり、第2金属層120は、第3金属層である。
【0035】
たとえば、いくつかの例では、第1絶縁層の材料は、無機絶縁材料を含み、第2絶縁層の材料は、無機絶縁材料を含む。
【0036】
たとえば、いくつかの例では、第2絶縁層は、層間誘電体層である。
【0037】
たとえば、第1絶縁層103及び第2絶縁層104の材料は、窒化ケイ素、酸化ケイ素及び酸窒化ケイ素のうち1種又は複数種である。
【0038】
たとえば、いくつかの例では、
図5A及び5Bに示されるように、第2金属層120は、表示領域180において導電性パターン106を含み、各金属バー150は、導電性パターン106と絶縁している。つまり、金属バー150は、導電性パターン106に対して孤立している。それによって、金属残留140が金属バー150にしか接続できない場合、導電性パターン106へ悪影響を与えることがない。一方、金属バー150は、導電性パターン106を形成するための第2金属層120をパターニングすることにより形成され、従って、本開示の実施例によるアレイ基板は、マスクプロセスを追加せずに、信号線の間の短絡の発生を防止し、金属線に対して良好な保護効果を果たし、従ってコストを低減させることができる。
【0039】
たとえば、第1金属層は、第1ゲート金属層であり、第1ゲート金属層は、表示領域において第1ゲートを含み、第2金属層は、第2ゲート金属層であり、この場合、導電性パターンは、第2ゲートとしてもよい。
【0040】
たとえば、いくつかの例では、
図5A及び5Bに示されるように、該アレイ基板は、第2絶縁層104の第2金属層120から離れた一側に位置する第3金属層160をさらに備え、第3金属層160は、周辺領域190において溝の底角に位置する金属残留140を含む。第3金属層160は、信号線として機能しない場合、表示領域180のみにパターンを保留し、周辺領域190ではパターニングプロセスにより完全に除去する必要があり、一般的なパターニングプロセスは、露光、現像、エッチングなどのステップを含む。溝130に第3金属層160を形成するときに溝130の斜辺で登坂の現象が発生するため、溝130の底角の位置における第3金属層160を完全に除去できず、金属残留140を形成しやすい。
【0041】
たとえば、いくつかの例では、第3金属層160は、表示領域190においてソース107、ドレイン108、ソース・ドレイン信号線109のうち1つ又は複数を含む。
【0042】
たとえば、いくつかの例では、
図5Bに示されるように、該アレイ基板は、ベース基板101上に設置された活性層210及び活性層210と第1金属層110との間に設置された絶縁層220をさらに備える。
【0043】
たとえば、いくつかの例では、
図5Bに示されるように、該アレイ基板は、ソースドレイン金属160の第2絶縁層104から離れた一側に設置されたパッシベーション層171と、表示領域180であってパッシベーション層171の第3金属層160から離れた一側に位置する画素電極172とをさらに備える。画素電極172の製造プロセス及びパターニングプロセスにおいて、金属バー150のベース基板101での正投影が信号線102のベース基板101での正投影に被覆されているため、エッチング液(画素電極に対するエッチング液)が最大に金属バー150のみをエッチングし、導線102と金属バー150との間の第1絶縁層103により導線102のエッチングが防止され、従って、金属バー150は、また信号線102に対して保護効果を果たす。
【0044】
たとえば、いくつかの例では、該アレイ基板は、有機発光ダイオード表示装置のアレイ基板である。この場合、画素電極は、陽極である。
【0045】
たとえば、該アレイ基板が有機発光ダイオード表示装置のアレイ基板である場合、
図5Bに示されるように、該アレイ基板は、画素電極172のパッシベーション層171から離れた一側に位置する有機発光層173をさらに備える。
【0046】
図6は、本開示の一実施例によるアレイ基板の平面模式図である。
図6には、該アレイ基板の周辺領域のみが示されている。
図6に示されるように、金属バー150は、複数あり、複数本の信号線102に1対1で対応して設置される。溝130と信号線102との重なる領域では、各金属バー150のベース基板101での正投影がそれに対応して設置された信号線102のベース基板101での正投影に被覆されており、つまり、各信号線102のベース基板101での正投影がそれに対応して設置された金属バー150のベース基板101での正投影内にある。それによって、第2絶縁層104に溝130を形成するステップでは、金属バー150によってエッチング液(絶縁層に対するエッチング液)をブロックして金属バー150に被覆されている第1絶縁層103のエッチングが防止され、つまり、金属バー150とそれに対応して設置された導線102との間の第1絶縁層103がエッチング液にエッチングされず、残されている。それによって、溝130と信号線102との重なる領域では、後続の第3金属層の製造プロセス及びパターニングプロセスにおいて、金属残留140が存在しても、金属残留140は、金属バー150にしか接続できず、導線102に接続されることがなく、それにより金属残留による信号線の短絡の問題を防止し、さらに製品の歩留まりを向上させる。また、金属バー150のベース基板101での正投影がそれに対応して設置された信号線102のベース基板101での正投影に被覆されているため、後続の電極(たとえば、画素電極、陽極等)の製造プロセス及びパターニングプロセスにおいて、エッチング液(電極に対するエッチング液)が最大に金属バー150のみをエッチングし、金属バー150とそれに対応して設置された導線102との間の第1絶縁層103により導線102のエッチングが防止され、従って、金属バー150は、それに対応して設置された信号線102に対しても保護効果を果たす。
【0047】
なお、金属バー150は、複数あり、且つ複数本の信号線102に1対1で対応して設置される。該アレイ基板は、面積が大きい一枚の金属バー(金属ブロック)を設置してすべての信号線を被覆することがないため、面積が大きい一枚の金属バー(金属ブロック)による該アレイ基板の可撓性への影響を避ける一方、面積が大きい一枚の金属バー(金属ブロック)に起因する反射の問題を防止できる。
【0048】
たとえば、いくつかの例では、
図6に示されるように、金属バー150は、複数あり、複数本の信号線102に1対1で対応して設置される。溝130は、周辺領域190の金属バー150が設置されていない領域においてベース基板101に垂直な方向に沿って第1絶縁層103を貫通している。それにより、信号線間の短絡の発生を防止し、金属線に対して良好な保護効果を果たすと同時に、第1絶縁層の割れの表示領域への広がりの阻止作用を最大限に果たす。
【0049】
たとえば、いくつかの例では、
図6に示されるように、各金属バー150の幅が信号線102の幅より大きく、それにより導線102と金属バー150との間の第1絶縁層103がエッチング液によりエッチングされず、残されることを確実に確保できる。なお、上記幅とは、信号線の延び方向に垂直な方向における寸法である。
【0050】
たとえば、いくつかの例では、複数本の信号線は、表示領域まで延びている。たとえば、信号線は、走査駆動ライン、ソース・ドレイン信号線、又は電源線などとしてもよい。
【0051】
本開示の一実施例は、上記実施例のいずれかの例によるアレイ基板を備える表示装置をさらに提供する。該表示装置は、上記実施例のいずれかの例によるアレイ基板を備えるため、それが備えるディスプレイパネルの技術的効果に対応した技術的効果を有し、すなわち、第2絶縁層に形成された溝における金属残留による信号線の短絡の問題を防止し、それにより製品の歩留まりを向上させ、具体的には、上記実施例の関連説明を参照すればよく、ここで重複説明を省略する。
【0052】
たとえば、該表示装置は、テレビ、コンピュータ、携帯電話、ナビゲータ、表示計器など表示機能を有する任意の電子機器であってもよい。
【0053】
本開示の一実施例は、アレイ基板の製造方法をさらに提供する。該製造方法は、
ベース基板上に第1金属層を形成するステップS301と、
第1金属層のベース基板から離れた一側に第1絶縁層を形成するステップS302と、
第1絶縁層のベース基板から離れた一側に第2金属層を形成するステップS303と、
第2金属層の第1絶縁層から離れた一側に第2絶縁層を形成するステップS304と、
第2絶縁層をエッチングして少なくとも1つの溝を形成するステップS305とを含み、アレイ基板は、表示領域と表示領域を取り囲んでいる周辺領域とを含み、第1金属層は、周辺領域において複数本の信号線を含み、溝は、複数本の信号線のうち少なくとも2本の信号線と重なり、第2金属層は、周辺領域において金属バーを含み、溝と信号線との重なる領域では、信号線のベース基板での正投影が金属バーのベース基板での正投影内にある。
【0054】
本開示の実施例によるアレイ基板の製造方法では、第2絶縁層の周辺領域における溝が複数本の信号線のうち少なくとも2本の隣接する信号線と重なるため、後続の第3金属層の製造プロセス及びパターニングプロセスでも、溝における金属残留による信号線の短絡の問題が生じる。しかしながら、溝と信号線との重なる領域では、金属バーのベース基板での正投影が信号線のベース基板での正投影に被覆されているため、第2絶縁層に溝を形成するステップでは、金属バーによってエッチング液(絶縁層に対するエッチング液)をブロックして金属バーに被覆されている第1絶縁層のエッチングが防止され、つまり、導線と金属バーとの間の第1絶縁層がエッチング液にエッチングされず、残されている。それによって、溝と信号線との重なる領域では、後続の第3金属層の製造プロセス及びパターニングプロセスにおいて、金属残留が存在しても、金属残留は、金属バーにしか接続できず、導線に接続されることがなく、それにより金属残留による信号線の短絡の問題を防止し、さらに製品の歩留まりを向上させる。また、金属バーのベース基板での正投影が信号線のベース基板での正投影に被覆されているため、後続の電極(たとえば、画素電極、陽極等)の製造プロセス及びパターニングプロセスにおいて、エッチング液(電極に対するエッチング液)が最大に金属バーのみをエッチングし、導線と金属バーとの間の第1絶縁層により導線のエッチングが防止され、従って、金属バーは、また信号線に対して保護効果を果たす。
【0055】
たとえば、ベース基板としては、ガラス基板、石英基板又はプラスチック基板が使用され得る。
【0056】
たとえば、第1金属層は、第1ゲート金属層であり、第2金属層は、第3金属層である。
【0057】
たとえば、いくつかの例では、第1絶縁層の材料は、無機絶縁材料を含み、第2絶縁層の材料は、無機絶縁材料を含む。
【0058】
たとえば、いくつかの例では、第2絶縁層は、層間誘電体層である。
【0059】
たとえば、第1絶縁層及び第2絶縁層の材料は、窒化ケイ素、酸化ケイ素及び酸窒化ケイ素のうち1種又は複数種である。
【0060】
図7A-7Fは、本開示の一実施例によるアレイ基板の製造方法のステップ模式図である。
図7A-7Fには、該アレイ基板の周辺領域のみが示されている。
図7Aに示されるように、ベース基板101上に第1金属層110を形成し、第1金属層110は、周辺領域において複数本の信号線102を含む。
図7Bに示されるように、第1金属層110のベース基板101から離れた一側に第1絶縁層103を形成する。
図7Cに示されるように、第1絶縁層103のベース基板101から離れた一側に第2金属層120を形成し、第2金属層120は、周辺領域において金属バー150を含む。
図7Dに示されるように、第2金属層120の第1絶縁層103から離れた一側に第2絶縁層104を形成し、第2絶縁層104をエッチングして少なくとも1つの溝130を形成し、溝130は、複数本の信号線102のうち少なくとも2本の隣接する信号線102と重なり、溝130と信号線102との重なる領域では、金属バー150のベース基板101での正投影が信号線102のベース基板101での正投影に被覆されている。溝130と信号線102との重なる領域では、導線102と金属バー050との間の第1絶縁層103は、エッチング液によりエッチングされず、残されている。
【0061】
図7Eに示されるように、上記した基板上に第3金属層160を堆積させ、このとき、溝130にも第3金属層160が堆積される。
図7Fに示されるように、第3金属層160をエッチングし、周辺領域190における第3金属層160を除去し、第3溝30にも金属層160が堆積されているため、第3金属層160をエッチングする過程に、溝130の底角の位置には金属残留140が形成されやすくなる。
図7Fに示されるように、溝130と信号線102との重なる領域では、金属残留140が存在しても、金属残留140は、金属バー150にしか接続できず、導線102に接続されることがなく、それにより金属残留による信号線の短絡の問題を防止し、さらに製品の歩留まりを向上させる。
【0062】
たとえば、いくつかの例では、金属バー150は、複数あり、複数本の信号線102に1対1で対応して設置される。溝130と信号線102との重なる領域では、各金属バー150のベース基板101での正投影がそれに対応して設置された信号線102のベース基板101での正投影に被覆されており、すなわち、各信号線のベース基板での正投影がそれに対応して設置された金属バーのベース基板での正投影内にある。
【0063】
たとえば、いくつかの例では、
図6に示されるように、各金属バー150の幅が信号線102の幅より大きく、それにより導線102と金属バー150との間の第1絶縁層103がエッチング液によりエッチングされず、残されることを確実に確保できる。なお、上記幅とは、信号線の延び方向に垂直な方向における寸法である。
【0064】
たとえば、いくつかの例では、第2金属層は、表示領域において導電性パターンを含み、各金属バーは、導電性パターンと絶縁しており、金属バー及び導電性パターンは、同一のマスクプロセスによって作製される。従って、本開示の実施例によるアレイ基板の製造方法は、マスクプロセスを追加せずに、信号線間の短絡の発生を防止し、金属線に対して良好な保護効果を果たし、従ってコストを低減させることができる。
【0065】
なお、以下の点について説明する。
(1)本開示の実施例の図面では、本開示の実施例に係る構造のみを示しており、その他の構造は、通常の設計を参照すればよい。
(2)矛盾しない限り、本開示の同一実施例及び異なる実施例における特徴を互いに組み合わせ得る。
【0066】
以上、本開示の特定の実施形態を説明したが、本開示の保護範囲は、それに制限されない。当業者が本開示による技術範囲から逸脱せずに容易に想到しうる変化又は置換は、本開示の保護範囲に含まれる。従って、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲を基準にする。