(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230307BHJP
【FI】
A63F7/02 312A
(21)【出願番号】P 2020119012
(22)【出願日】2020-07-10
【審査請求日】2021-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】引地 正太郎
【審査官】大山 栄成
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-301219(JP,A)
【文献】実開平02-126683(JP,U)
【文献】特開2009-011627(JP,A)
【文献】特開2005-066330(JP,A)
【文献】特開2009-034339(JP,A)
【文献】特開2004-089411(JP,A)
【文献】特開2007-252606(JP,A)
【文献】特開2019-041871(JP,A)
【文献】特開2005-066331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射操作に応じて遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置と、
前記発射装置から発射された遊技球を案内する板状のレールと、を有し、
前記レールには、前記レールの位置決めを可能とする所定の位置決め部が複数形成されており、
隣り合う前記所定の位置決め部同士の間隔は、不均等であり、
前記レールの前記発射装置側の端部を始端とし、
前記レールの前記発射装置から離れた側の端部を終端とし、
前記レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲とし、
前記レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲とし、
前記レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲とし、
前記レールの左端から終端までの範囲を第5の範囲とすると、
前記レールの終端は、前記レールの上端よりも右方に位置し、
各範囲における前記所定の位置決め部の数は、前記第1の範囲の方が前記第2の範囲よりも多く、前記第2の範囲の方が前記第3の範囲よりも多く、前記第1の範囲が前記第5の範囲以上となっていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技盤および発射装置等を備えたパチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機では、遊技球(遊技媒体)が遊技盤の前面に設けられた遊技領域に発射され、遊技球が、遊技領域に設けられている入賞口に進入したことに基づき、遊技者に遊技上の利益が付与される。このような遊技機に代表される所定の遊技機は、遊技球を案内するレールを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、レールを有する遊技機では、レールを転がる遊技球の動きが安定していることが求められる。一方で、レールの加工や取り付け作業等が複雑となってしまうと製造コストが増加してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、遊技球の動きを安定させることができるとともに、製造コストを抑えることができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
発射操作に応じて遊技領域に向けて遊技球を発射する発射装置と、
前記発射装置から発射された遊技球を案内するレールと、を有し、
前記レールには、前記レールの位置決めを可能とする所定の位置決め部が複数形成されており、
前記レールの前記発射装置側の端部を始端とし、
前記レールの前記発射装置から離れた側の端部を終端とし、
前記レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲とし、
前記レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲とし、
前記レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲とすると、
各範囲における前記所定の位置決め部の数は、前記第1の範囲の方が前記第2の範囲よりも多く、前記第2の範囲の方が前記第3の範囲よりも多くなっていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、遊技球から受ける衝撃が大きく、かつ、レールの配置について特に正確さが求められる発射装置側(第1の範囲側)の位置決め部の数を多くし、発射装置側のレールのずれや振動を確実に防止することができる。また、このような構成によれば、遊技球から受ける衝撃が小さく、かつ、遊技に与える影響が少ない終端側(第3の範囲側)の位置決め部の数を少なくし、レールの加工やレールの取り付け作業を容易にすることができる。したがって、レールを転がる遊技球の動きを安定させることができるとともに、製造コストを抑えることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技球の動きを安定させることができるとともに、製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図2】同、CPUと制御ROMとの接続状態を説明するための図である。
【
図3】同、電源が投入されてから、端子の設定が完了するまでを時系列に沿って説明する図である。
【
図4】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の、CPUとICとの接続状態を説明するための図である。
【
図5】本発明の第3の実施の形態に係る遊技機の、CPUと制御ROMとの接続状態を説明するための図である。
【
図6】同、(a)は電源が投入されてから、CPUが動作電圧に達するまでを時系列に沿って説明する図であり、(b)は電源がOFFされてから、CPUがOFF状態となるまでを時系列に沿って説明する図である。
【
図7】本発明の第4の実施の形態に係る遊技機の、CPUとICとの接続状態を説明するための図である。
【
図8】本発明の第5の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その正面図である。
【
図10】同、
図8に示すA-A線の概略断面図である。
【
図11】同、外レールとレールベースと遊技盤とを示す分解斜視図である。
【
図13】同、レールベースおよび外レールを背面側から見た図であって、その全体図と一部拡大図である。
【
図14】同、レールベースおよび外レールの右上部を背面側から見た斜視図である。
【
図15】同、レールベースおよび外レールの左下部を背面側から見た斜視図である。
【
図16】同、遊技球と、孔との関係について説明するための概略断面図である。
【
図17】同、外レールと遊技盤とを正面から見た図であり、外レールの孔の位置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の一つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機であってもよい。また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダルの払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0012】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイやスピーカの他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
【0013】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態の遊技機では、第1リール20aの中段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの中段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施の形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0014】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに当選役抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0015】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサが設けられている。
【0016】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0017】
スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)、およびサブ制御基板(副制御装置)等が設けられている。メイン制御基板は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板は、メイン制御基板から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置(演出装置)の制御を行う。
【0018】
また、メイン制御基板とサブ制御基板とは電気的に接続されており、メイン制御基板からサブ制御基板へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板からメイン制御基板へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板やサブ制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0019】
本実施形態および後述する第2の実施形態では、電源が投入され、CPUの電圧が動作電圧となった後におけるCPUの処理において生じ得る問題と、その問題の発生を防ぐ構成について説明する。
スロットマシン10の内部には、液晶ディスプレイ13を介しての演出を制御する液晶制御基板(制御基板)50が設けられている。
図2に示すように、液晶制御基板50は、CPU(制御回路)(マイコン)51と制御ROM52とを備えている。CPU51は、入出力端子AO1~AO24を有している。CPU51の入出力端子AO1~AO24は、配線(配線パターン:基板上の配線)(信号線)A1~A24を介して、制御ROM52の入力端子AI1~AI24に接続されている。この配線A1~A24は、CPU51から制御ROM52へ24ビットのデータ(アドレス情報)を送信可能なアドレスバスとなっている。CPU51は、入出力端子AO1~AO24を介して、制御ROM52の指定アドレスを示す24ビットのデータ(24ビットのアドレス信号)をパラレル通信で送信可能となっている。なお、CPU51および制御ROM52は、これ以外にも複数の端子を有している。
【0020】
また、CPU51は、情報入力端子PI0~PI15を備えている。また、制御ROM52は、情報出力端子PO0~PO15を備えている。情報出力端子PO0~PO15は、データバスD0~D15(配線)を介して、情報入力端子PI0~PI15に接続されている。また、CPU51のCS信号出力端子COは、配線(CS信号線)を介して、制御ROM52のCS信号入力端子CIに接続されている。CS信号出力端子COからは、通信相手を示す(複数のROMのうちのいずれのROMを選択するかを示す)CS信号(チップセレクト信号)(選択信号)が出力される。なお、図示を省略するが、CS信号出力端子は、通信相手となるICの数に応じて複数設けられていてもよい。また、CPU51のRD信号出力端子ROは、配線(リード信号線)を介して、制御ROM52のRD信号入力端子RIと接続されている。RD信号出力端子ROからは、情報の読み出すことを示すRD信号(リード信号)(読出信号)が出力される。
【0021】
制御ROM52は、CS信号入力端子CIにCS信号が入力され、RD信号入力端子RIにRD信号が入力されると、入力端子AI1~AI24(アドレス信号入力端子)に入力されるアドレス信号によって示されるアドレス(指定番地)に記憶されているデータを、情報出力端子PO0~PO15から出力する。そして、情報出力端子PO0~PO15から出力されたデータは、データバスD0~D15を介して、CPU51の情報入力端子PI0~PI15に入力される。
【0022】
上記では、CPU51とROM52との関係について説明した。図示および具体的な説明を省略するが、CPU51とRWM(図示せず)との間の関係である場合には、CPU51がWR信号出力端子をさらに備え、RWMが上記ROM502の構成に加えてWR信号入力端子を備える。CPUのWR信号出力端子は、配線(ライト信号線)を介して、RWMのWR信号入力端子に接続されている。WR信号出力端子からは、情報の書き込みであることを示すWR信号(ライト信号)(書込信号)が出力される。なお、CPU51とRWMとの関係においては、データバスD0~D15は双方向通信となる。すなわち、入力端子PI0~PI15および出力端子PO0~PO15は、入出力端子となる。
【0023】
なお、本実施形態では、CPU51の情報入力端子PI0~PI15と、制御ROM52の情報出力端子PO0~PO15とを繋ぐ配線D0~D15(データバス)が、プルアップ抵抗を介して電源(CPU51の主動作電位Vdd)に繋がれている。
【0024】
本実施形態では、入出力端子AO1~AO24のそれぞれから送信される信号によって24ビットのデータが構成され、CPU51はこの24ビットのデータを出力することによって、制御ROM52からプログラムを読み出すことができる。よって、この入出力端子AO1~AO24から出力される24ビットのアドレス信号は、所定の一群の信号(関連する一組の信号)といえる。
【0025】
CPU51の入出力端子AO1~AO24は、複数の機能(複数のモード)のうちの所定の機能(所定のモード)を設定することが可能な端子となっている。当該複数の機能としては、入力ポート状態(IN)としての機能や出力ポート状態(OUT)としての機能等がある。入出力端子AO1~AO24には初期状態(初期設定)が定められており、電源投入時から後述する所定の処理が行われるまでの間は、初期設定に基づき機能する。本実施形態では、CPU51の入出力端子AO1~AO20は、初期設定が出力ポートに設定されている。また、CPU51の入出力端子AO21~AO24は、初期設定が入力ポートに設定されている。
【0026】
図3は、電源が投入されてから、所定の処理が完了するまでを時系列に沿って説明する図である。(1)まず電源が投入される。
(2)次にCPU51は特定プログラム(スタート用のプログラム)を制御ROM52から読み出す。(3)次にCPU51は、所定の処理として、読み出したプログラム(特定プログラム)に基づいて入出力端子AO1~AO24の設定を行う。具体的には、CPU51は、読み出したプログラムに基づいて入出力端子AO1~AO24を出力ポートまたは入力ポートのいずれかに設定する。ここで、
図3に示すように、電源が投入されてから、CPU51による各端子の設定が完了するまでの間を第1期間(特定期間)とする。既述のとおり、第1期間の間、入出力端子AO1~AO24は、初期設定に従って出力ポートまたは入力ポートのいずれかに設定されることとなる。
【0027】
図2に戻り説明する。初期設定が出力ポートである入出力端子AO1~AO20は、所定の処理が完了した後も出力ポートとして機能する。また、初期設定が入力ポートである入出力端子AO21~AO24は、所定の処理が完了した後は、出力ポートとして機能する。
【0028】
なお、入出力端子AO1~AO20を、常に出力ポートとして機能する端子としてもよい。よって、入出力端子AO1~AO24のうち、少なくとも入出力端子AO21~AO24は、出力ポートに設定されるとともに、所定時(電源が投入されてから、CPU51による各端子の設定が完了するまでの間(少なくとも特定プログラムを読み出す時))に入力ポートに設定される端子(特定の端子)となっている。また、制御ROM52の入力端子AI1~AI24は、常に入力ポートに設定されている。
【0029】
第1期間では、CPU51の入出力端子AO1~AO20が出力ポートであり、かつ制御ROM52の入力端子AI1~AI20が入力ポートであるという状態となる。このとき、入出力端子AO1~AO20が電圧レベルHigh(以下Highとする)または電圧レベルLow(以下Lowとする)を出力するので、入出力端子AO1~AO20の電圧がHighまたはLowとなる。よって、第1期間において、入出力端子AO1~AO20がハイインピーダンスとなることはない。なお、本例では、第1期間において、入出力端子AO1~AO20がLowを出力し、端子電圧がLowになっているものとする。
【0030】
また、第1期間では、CPU51の入出力端子AO21~AO24が入力ポートであり、かつ制御ROM52の入力端子AI21~AI24が入力ポートであるという状態となる。このとき、入出力端子AO21~AO24と入力端子AI21~AI24との両方がハイインピーダンスとなり、入出力端子AO21~AO24の電圧が不定となる(配線A21~A24が不定となる)。
【0031】
第1期間において、CPU51は特定プログラムを制御ROM52から読み出すが、上記のように入出力端子AO21~AO24の電圧が不定であると、CPU51が特定プログラムを読み出す際に、CPU51から出力されるアドレス信号が、特定プログラムが記憶されている番地とは異なる番地を示すアドレス(不適切なアドレスとする)を示すものとなってしまうおそれがある。特定プログラムは、制御ROM52の例えば0番地(アドレス[000000H])に記憶されているが、アドレス信号が不適切なアドレスを示すものである場合、CPU51は0番地とは異なる番地にアクセスしてしまうおそれがある。仮にCPU51が特定プログラムとは異なるプログラム(最初に読み出すプログラムとして不適切なプログラム)を制御ROM52から読み出した場合、当該不適切なプログラムに基づいて、誤動作してしまうおそれがある。
【0032】
このような問題の発生を防ぐために、本実施形態では、
図2に示すように、CPU51の入出力端子AO21~AO24と制御ROM52の入力端子AI21~AI24とを繋ぐ配線A21~A24を、プルダウン抵抗R1~R4を介してGND(グランド、グラウンド)に接続させている(プルダウンさせている)。したがって、第1期間において、ハイインピーダンスとなっている入出力端子AO21~AO24の電圧がLowに固定(論理固定)される。
【0033】
このように第1期間において入出力端子AO21~AO24の出力端子電圧がLowに固定されているため、CPU51が特定プログラムを制御ROM52から読み出す際に、CPU51から出力されるアドレス信号が不適切なアドレスを示すものとはならず、CPU51は適切なプログラム(特定プログラム)を読み出すことができる。すなわち、CPU51は0番地にアクセスすることができる。
【0034】
なお、
図2では、CPU51の入出力端子AO21~AO24と制御ROM52の入力端子AI21~AI24とを繋ぐ配線A21~A24をプルダウンさせる場合を示したが、当該配線A21~A24をプルアップさせてもよい。すなわち、CPU51の入出力端子AO21~AO24と制御ROM52の入力端子AI21~AI24とを繋ぐ配線A21~A24が、プルアップ抵抗を介して電源(CPU51の主動作電位)に繋がれているものとしてもよい。この場合、第1期間において、ハイインピーダンスとなっている入出力端子AO21~AO24がHighに固定されることとなる。このような構成とする場合、制御ROM52における例えばn番地(アドレス[F00000H]に特定プログラムを記憶させておく。これにより、第1期間においてCPU51が特定プログラムを制御ROM52から読み出す際に、CPU51はn番地にアクセスし、正確なプログラムを読み出すことができる。
【0035】
本実施形態によれば、制御回路(51)は、所定の一群の信号(アドレス信号)を出力可能な複数の端子(AO1~AO20)を備え、前記所定の一群の信号を構成する各信号は、前記複数の端子のそれぞれから配線(A1~A24)を介して出力され、前記複数の端子には、出力状態(出力ポート)に設定されるとともに、所定時(第1期間:電源が投入されてから、CPUによる各端子の設定が完了するまでの間(少なくとも特定プログラムを読み出す時))に入力状態(入力ポート)に設定される特定の端子(AO21~AO24)があり、前記特定の端子に接続された配線(A21~A24)が、プルアップまたはプルダウンされている。電源投入後、CPU51が特定プログラムを読み出す際に、前記特定の端子の電圧がHighまたはLowのいずれかに固定されている。このため、CPU51は正確なプログラムを読み出すことができる。これにより、誤動作の発生を防ぐことができる。
【0036】
また、所定時に入力ポートに設定される特定の端子に接続された配線(A21~A24)のみにプルダウン抵抗またはプルアップ抵抗を接続している。このため、部品点数の増加を最小限としつつ、上記の誤動作の発生を防ぐことができる。
【0037】
本実施形態では、液晶制御基板50におけるCPU51および制御ROM52を用いて説明したが、本内容は他の基板におけるCPUとROMとの関係にも適用することができる。
【0038】
なお、配線をプルダウンさせるかプルアップさせるかは、CPU、ROM、RWM等の入出力ピンの仕様や、データ等に依るが、本実施形態では、CPU51とROM52とを接続する複数の配線について、アドレスバス(A21~A24)はプルダウン抵抗を介してGNDに接続されており、データバス(D1~D15)はプルアップ抵抗を介して電源(CPU51の主動作電位)に接続されているという特徴を有する。
【0039】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、液晶制御基板50におけるCPU51と制御ROM52とを用いて説明したが、本実施形態では、
図4に示すサブ制御基板(制御基板)40におけるCPU41とIC42とを用いて説明する。本実施形態の遊技機は、基本的に第1の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0040】
図4に示すように、サブ制御基板40は、CPU(制御回路)(マイコン)41とIC42とを有している。IC42は信号変換ICであり、デジタルRGB信号をLVDS信号(低電圧作差動信号)へと変換して出力する。
【0041】
CPU41は、入出力端子D0(DCLKO端子)、入出力端子D1(HSYNC端子)、入出力端子D2(VSYNC端子)、および入出力端子D3(RGBDE端子)を有している。入出力端子D0~D3は、複数の機能のうちの所定の機能を設定可能な端子である。本実施形態では、入出力端子D0,D1,D3は常に出力ポートに設定されている。また、入出力端子D2は、初期設定が入力ポートに設定され、所定の処理(CPU41が特定プログラムを読み出し、特定プログラムに基づき端子を設定する処理)が完了すると出力ポートに設定される。なお、CPU41はこれ以外にも複数の端子を有している。
【0042】
IC42は、入力端子P0(DCLKO端子)、入力端子P1(HSYNC端子)、入力端子P2(VSYNC端子)、入力端子P3(RGBDE端子)を有している。入力端子P0~P3は、常に入力ポートに設定されている。なお、IC42はこれ以外にも複数の端子を有している。
【0043】
CPU41の入出力端子D0は、配線(信号線)B0を介してIC42の入力端子P0に接続されている。入出力端子D0から入力端子P0へはDCLKO(ドットクロック)信号が送られる。DCLKO信号は、液晶上の1ピクセルを処理するためのクロック信号である。
【0044】
CPU41の入出力端子D1は、配線(信号線)B1を介してIC42の入力端子P1に接続されている。入出力端子D1から入力端子P1へはHSYNC信号が送られる。HSYNC信号は水平同期信号である。
【0045】
CPU41の入出力端子D2は、配線(信号線)B2を介してIC42の入力端子P2に接続されている。入出力端子D2から入力端子P2へはVSYNC信号が送られる。VSYNC信号は垂直同期信号である。
【0046】
CPU41の入出力端子D3は、配線(信号線)B3を介してIC42の入力端子P3に接続されている。入出力端子D3から入力端子P3へはRGBDE信号が送られる。RGBDE(RGBデータイネーブル)信号は、信号変換IC42の制御のON/OFFを切り替える信号である。
【0047】
DCLKO信号、HSYNC信号、VSYNC信号およびRGBDE信号の4つの信号によって、液晶の表示が制御されている。換言すると、DCLKO信号、HSYNC信号、VSYNC信号およびRGBDE信号の4つの信号は、液晶の表示に関する信号(デジタルRGB信号の制御用の信号)である。よって、入出力端子D0~D3から出力される信号は、所定の一群の信号(関連する一組の信号)といえる。
【0048】
第1の実施形態における
図3の説明と同様に、電源が投入されると、CPU41は特定プログラムをROMから読み出して、読み出したプログラムに基づき各端子の設定を行う。電源投入時から各端子の設定が完了するまでの間(すなわち第1期間)では、CPU41の入出力端子D0,D1,D3が出力ポート設定であり、かつIC42の入力端子P0,P1,P3が入力ポート設定であるという状態となる。このとき、入出力端子D0,D1,D3がLowまたはHighを出力するので、端子電圧はLowまたはHighとなる。よって、第1期間において、入出力端子D0,D1,D3がハイインピーダンスとなることはない。
【0049】
また、第1期間では、CPU41の入出力端子D2が入力ポート設定であり、かつIC42の入力端子P2が入力ポート設定であるという状態となる。このとき、入出力端子D2と入力端子P2との両方がハイインピーダンスとなり、入出力端子D2の電圧が不定となる(配線B2が不定となる)。
【0050】
また、入出力端子D2は、High、Low、オープン(ハイインピーダンス)を示す3種類の出力状態をとることができるスリーステート(3ステート)端子であり、CPU41にリセット信号が入力されると、リセット中に(リセット状態において)、CPU41の入出力端子D2がオープンに設定される。よって、第1期間において、CPU41の入出力端子D2がオープンとなるため、入出力端子D2がハイインピーダンスとなり、入出力端子D2の電圧が不定となる(配線B2が不定となる)。
【0051】
入出力端子電圧D2の電圧が不定であると、誤動作の発生や部品(CPU41および/またはIC42)の破損等のおそれがある。そこで、本実施形態では、
図4に示すように、CPU41の入出力端子D2とIC42の入力端子P2とを繋ぐ配線B2を、プルダウン抵抗R1を介してGND(グランド、グラウンド)に接続させている(すなわちプルダウンさせている)。なお、図示を省略するが、当該配線B2が、プルアップ抵抗を介して電源(CPU41の主動作電位)に繋がれている(プルアップされている)ものとしてもよい。このように構成することで、第1期間やCPU41のリセット中において、CPU41の入出力端子D2が、LowまたはHighのいずれかに固定される。
【0052】
本実施形態によれば、制御回路(41)は、所定の一群の信号(液晶の表示に関する信号)を出力可能な複数の端子(D0~D3)を備え、前記所定の一群の信号を構成する各信号は、前記複数の端子のそれぞれから配線(B0~B3)を介して出力され、前記複数の端子には、出力状態(出力ポート)に設定されるとともに、所定時(第1期間:電源が投入されてから、CPUによる各端子の設定が完了するまでの間(少なくとも特定プログラムを読み出す時))に入力状態(入力ポート)に設定される特定の端子(D2)があり、前記特定の端子に接続された配線(B2)が、プルアップまたはプルダウンされている。
【0053】
また、制御回路(41)は、所定の一群の信号(液晶の表示に関する信号)を出力可能な複数の端子(D0~D3)を備え、前記所定の一群の信号を構成する各信号は、前記複数の端子のそれぞれから配線(B0~B3)を介して出力され、前記複数の端子には、出力状態(出力ポート)に設定されるとともに、所定時(リセット中)にオープンに設定される特定の端子(D2)があり、前記特定の端子に接続された配線(B2)が、プルアップまたはプルダウンされている。
よって、第1期間の間やCPUリセット中であっても、前記特定の端子の電圧がHighまたはLowのいずれかに固定される。このため、誤動作の発生や部品の破損を防ぐことができる。
【0054】
なお、第1の実施形態では液晶制御基板50を用いて説明し、第2の実施形態ではサブ制御基板40を用いて説明したが、本発明は、IC(CPU、ROM等)が実装されている他の基板(例えばメイン制御基板)にも適用可能である。
【0055】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施形態では、電源が投入された後、CPUの電圧が動作電圧に達するまでの間等に生じ得る問題と、その問題の発生を防ぐ構成について説明する。本実施形態では、液晶制御基板50を用いて説明する。本実施形態の遊技機は基本的に第1の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0056】
図5に示すように、液晶制御基板50は、CPU51と制御ROM52とを備えている。CPU51の入出力端子AO1~AO24は、複数の機能のうちの所定の機能を設定可能な端子となっている。CPU51の入出力端子AO1~AO20は、初期設定が出力ポートに設定されている。また、CPU51の入出力端子AO21~AO24は、初期設定が入力ポートに設定されている。また、制御ROM52の入力端子AI1~AI24は、常に入力ポートに設定されている。
【0057】
図6(a)は、電源が投入されてから、CPU51の電圧が動作電圧に達するまでを時系列に沿って説明する図である。(1)まず電源が投入され、電源電圧が上昇し始める。詳細な説明は省略するが、液晶制御基板50は、電源電圧(12V)の供給を受け、12Vの電源電圧から3.3VのCPU電圧を生成する。(2)次にCPU51への電源供給が開始され、CPU51の電圧が上昇し始める。(3)次にCPU51の電圧が動作電圧に達し、CPU51による制御が実行される状態(制御状態)となる。
図6(a)に示すように、CPU51は、OFF状態から、CPU未制御状態(過渡状態)とリセット状態とを経て、制御状態に至る。CPU未制御状態は、CPU51に供給される電圧が低く、CPU51が動作不可能な状態である。また、リセット状態は、所定の初期化処理が行われ、CPU51の電圧が所定の電圧となるのを待機している状態である。
【0058】
図6(b)は、電源がOFFされてから、CPU51へ電源が供給されない状態(すなわちOFF状態)となるまでを時系列に沿って説明する図である。(1)まず電源がOFFされ、電源電圧が降下し始める。(2)次にCPU51の電圧が降下し始める。(3)次にCPU51へ電源が供給されない状態となり、OFF状態となる。
図6(b)に示すように、CPU51は、制御状態から、リセット状態とCPU未制御状態(過渡状態)とを経て、OFF状態に至る。リセット状態は、電断処理(退避処理)が行われ、電圧が降下してOFF状態となるのを待機している状態である。本実施形態では、CPU51がCPU未制御状態およびリセット状態である間を第2期間(特定期間)とする。
【0059】
図5に戻り説明する。入出力端子AO1~AO24は、入力ポート状態、出力ポート状態、あるいはオープン状態を設定可能となっているが、第2期間(CPU未制御状態またはリセット状態)において、入出力端子AO1~AO24のうちの少なくとも1つの端子(これを第1所定端子とする)に、入力ポート状態が設定される可能性がある。第2期間において、第1所定端子が入力ポート状態に設定されると、第1所定端子と、配線を介して第1所定端子と接続された入力端子(入力端子AI1~AI24のうちの少なくとも1つの端子)との両方がハイインピーダンスとなり、第1所定端子の電圧が不定となる。
また、第2期間において、入出力端子AO1~AO24のうちの少なくとも1つの端子(これを第2所定端子とする)に、オープン状態が設定される可能性がある。第2期間において、第2所定端子がオープン状態に設定されると、第2所定端子がハイインピーダンスとなり、第2所定端子の電圧が不定となる。
【0060】
ここで、CPU51の動作可能電圧よりも制御ROM52の動作可能電圧が低い場合、電源投入後に(電源投入後における第2期間の間に)、CPU51は動作不可能となるが、制御ROM52は動作可能となる所定の期間がある。また、電源OFF後に(電源OFF後における第2期間の間に)、CPU51は動作不可能となるが、制御ROM52は動作可能となる所定の期間がある。これらの所定の期間において、入出力端子AO1~AO24のうちの少なくとも一部の端子の端子電圧が不定となると、誤動作の発生や接続先の制御ROM52(CMOSIC等)の破損という問題が生じるおそれがある。
【0061】
このような問題の発生を防ぐために、本実施形態では、
図5に示すように、CPU51の入出力端子AO1~AO24と制御ROM52の入力端子AI1~AI24とを繋ぐ配線A1~A24のすべてを、プルダウン抵抗R1~R24を介してGND(グランド、グラウンド)に接続させている(プルダウンさせている)。したがって、第2期間の間にハイインピーダンスとなる可能性がある入出力端子AO1~AO24の端子電圧がLowに固定され、ハイインピーダンスとならない。すなわち、第2期間の間に、入出力端子AO1~AO24の端子電圧がLowに固定されるため、入出力端子AO1~AO24の端子電圧が不定となることがない(第2期間の間における入出力端子AO1~AO24の端子電圧を安定させることができる)。なお、第2期間は、CPU51および制御ROM52の両方が所定の電圧(動作電圧)となるまでの期間ともいえる。
【0062】
また、
図5では、CPU51の入出力端子AO1~AO24と制御ROM52の入力端子AI1~AI24とを繋ぐ配線A1~A24すべてをプルダウンさせる場合を示したが、当該配線A1~A24すべてをプルアップさせてもよい。すなわち、CPU51の入出力端子AO1~AO24と制御ROM52の入力端子AI1~AI24とを繋ぐ配線A1~A24が、プルアップ抵抗を介して電源(CPU51の主動作電位)に繋がれているものとしてもよい。この場合、第2期間の間にハイインピーダンスとなる可能性がある入出力端子AO1~AO24がHighに固定され、ハイインピーダンスとならない。
【0063】
本実施形態によれば、制御回路(51)は、所定の一群の信号(アドレス信号)を出力可能な複数の端子(AO1~AO24)を備え、前記所定の一群の信号を構成する各信号は、前記複数の端子のそれぞれから配線(A1~A24)を介して出力され、前記複数の端子には、出力状態(出力ポート)に設定されるとともに、所定時に入力状態(入力ポート)に設定される特定の端子(例えばAO21~AO24)があり、前記特定の端子を含む前記複数の端子に接続されたすべての配線(A1~A24)が、プルアップまたはプルダウンされている。このように構成することで、第2期間の間に、前記複数の端子の電圧がHighまたはLowのいずれかに固定されるため、前記複数の端子の端子電圧が不安定となることがない。これにより、誤動作の発生や接続先の部品の破損を防ぐことができる。
【0064】
また、所定時に入力ポートに設定される特定の端子(AO21~AO24)に接続された配線(A21~A24)が、プルアップまたはプルダウンされている。このため、本実施形態による上記効果に加えて、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0065】
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、液晶制御基板50におけるCPU51と制御ROM52とを用いて説明したが、本実施形態では、サブ制御基板40のCPU41とIC43とを用いて説明する。本実施形態の遊技機は、基本的に第2の実施の形態および第3の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第2の実施の形態および第3の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0066】
図7に示すように、サブ制御基板40はCPU41とIC43とを備えている。本実施形態では、CPU41がVDP(Video Display Processor)を内蔵しており、所定の信号(デジタルRGB信号)に基づきLVDS信号(低電圧差動信号)を生成し、LVDS信号をIC43へ出力する。IC43は、液晶モジュール用のICであり、LVDS信号に基づいて最終的な画像信号を生成する。
【0067】
CPU41は、入出力端子D0~D19を有している。入出力端子D0~D19は、複数の機能のうちの所定の機能を設定可能な端子となっている。なお、本実施形態では、入出力端子D0~D19は、常に出力ポートに設定されているものとする。また、CPU41はこれ以外にも複数の端子を有している。
【0068】
IC43は、入力端子P0~P19を有している。入力端子P0~P19は、常に入力ポートに設定されている。なお、IC43はこれ以外にも複数の端子を有している。
【0069】
図7に示すように、CPU41の入出力端子D0は、配線(信号線)C0を介してIC43の入力端子P0に接続されている。入出力端子D0から入力端子P0へはLVDS信号「TTA1+」が送られる。また、入出力端子D1は、配線C1を介して入力端子P1に接続されている。入出力端子D1から入力端子P1へはLVDS信号「TTA1-」が送られる。LVDS信号「TTA1+」とLVDS信号「TTA1-」とは、差動で伝送される一対のLVDS信号となっている。
【0070】
入出力端子D2は、配線C2を介して入力端子P2に接続されている。入出力端子D2から入力端子P2へはLVDS信号「TTB1+」が送られる。また、入出力端子D3は、配線C3を介して入力端子P3に接続されている。入出力端子D3から入力端子P3へはLVDS信号「TTB1-」が送られる。LVDS信号「TTB1+」とLVDS信号「TTB1-」とは、差動で伝送される一対のLVDS信号となっている。
【0071】
入出力端子D4は、配線C4を介して入力端子P4に接続されている。入出力端子D4から入力端子P4へはLVDS信号「TTC1+」が送られる。また、入出力端子D5は、配線C5を介して入力端子P5に接続されている。入出力端子D5から入力端子P5へはLVDS信号「TTC1-」が送られる。LVDS信号「TTC1+」とLVDS信号「TTC1-」とは、差動で伝送される一対のLVDS信号となっている。
【0072】
入出力端子D6は、配線C6を介して入力端子P6に接続されている。入出力端子D6から入力端子P6へはLVDS信号「TTD1+」が送られる。また、入出力端子D7は、配線C7を介して入力端子P7に接続されている。入出力端子D7から入力端子P7へはLVDS信号「TTD1-」が送られる。LVDS信号「TTD1+」とLVDS信号「TTD1-」とは、差動で伝送される一対のLVDS信号となっている。
【0073】
入出力端子D8は、配線C8を介して入力端子P8に接続されている。入出力端子D8から入力端子P8へはLVDS信号「TTCLK1+」が送られる。また、入出力端子D9は、配線C9を介して入力端子P9に接続されている。入出力端子D9から入力端子P9へはLVDS信号「TTCLK1-」が送られる。LVDS信号「TTCLK1+」とLVDS信号「TTCLK1-」とは、差動で伝送される一対のLVDS信号となっている。
【0074】
なお、重複するため説明を省略するが、入出力端子D10~D19、配線C10~C19、入力端子P10~P19、LVDS信号「TTA2+」~LVDS信号「TTCLK2-」も上記と同様である。
【0075】
上述の各LVDS信号は、所定のドットのRGBを指示する信号や、同期信号等であり、液晶の表示に関する信号(映像に関する信号)である。よって、入出力端子D0~D19から出力される上述の各信号は、所定の一群の信号(関連する一組の信号)といえる。
【0076】
なお、上記ではD0~D19から出力される信号を所定の一群の信号としたが、入出力端子D0~D9から出力される各信号が、所定の一群の信号(第1群の信号)を構成し、入出力信号D10~D19から出力される各信号が、所定の一群の信号(第2群の信号)を構成しているともいえる。本実施形態では、映像表示の制御に第1群の信号と第2群の信号とを要する液晶(19インチ)を用いているため、CPU41が第1群の信号および第2群の信号を出力するように構成されている。なお、搭載する液晶の仕様によっては一方(第1群の信号)のみが出力されるようになっていてもよい。また、第1群の信号および第2群の信号の両方が出力されるように構成して、第1群の信号によって1つの液晶の映像表示が制御され、第2群の信号によって1つの液晶の映像表示が制御されるようにしてもよい。
【0077】
ここで、CPU41の動作可能電圧よりもIC43の動作可能電圧が低い場合、電源投入後に(電源投入後における第2期間の間に)、CPU41は動作不可能となるが、IC43は動作可能となる所定の期間がある。また、電源OFF後に(電源OFF後における第2期間の間に)、CPU41は動作不可能となるが、IC43は動作可能となる所定の期間がある。これらの所定の期間において、入出力端子D1~D19のうちの少なくとも一部の端子電圧が不定となると、誤動作の発生や出力先のIC43(CMOSIC等)の破損という問題が生じるおそれがある。
【0078】
このような問題の発生を防ぐために、本実施形態では、
図7に示すように、CPU41の入出力端子D0~D19とIC43の入力端子P0~P19とを繋ぐ配線C0~C19のすべてを、プルダウン抵抗R1~R20を介してGND(グランド、グラウンド)に接続させている(プルダウンさせている)。したがって、CPU41がCPU未制御状態およびリセット状態である間(すなわち第2期間の間)にハイインピーダンスとなる可能性がある入出力端子D0~D19の端子電圧がLowに固定され、ハイインピーダンスとならない。すなわち第2期間の間に、入出力端子D0~D19の端子電圧がLowに固定されるため、入出力端子D0~D19の端子電圧が不定となることがない(第2期間の間における入出力端子D0~D19の端子電圧を安定させることができる)。
【0079】
なお、
図7では、CPU41の入出力端子D0~D19とIC43の入力端子P0~P19とを繋ぐ配線C0~C19をプルダウンさせる場合を示したが、所定の場合には、当該配線C0~C19をプルアップさせてもよい。すなわち、Highの電圧がサブ制御基板40上に存在する電圧であり、かつLowがGND電圧である場合には、そのHigh-Low間で動く信号ライン(配線C0~C19)を、プルアップ抵抗を介して電源に繋いでもよい。この場合、第2期間の間、CPU41の入出力端子D0~D19がHighに固定され、ハイインピーダンスとならない。
【0080】
本実施形態によれば、制御回路(41)は、所定の一群の信号(液晶の表示に関する信号)を出力可能な複数の端子(D0~D19)を備え、前記所定の一群の信号を構成する各信号は、前記複数の端子のそれぞれから配線(C0~C19)を介して出力され、前記複数の端子には、出力状態(出力ポート)に設定されるとともに、所定時に入力状態(入力ポート)に設定される特定の端子があり、前記特定の端子を含む前記複数の端子に接続されたすべての配線(C0~C19)が、プルアップまたはプルダウンされている。このように構成することで、第2期間の間、前記複数の端子の電圧がHighまたはLowのいずれかに固定されるため、前記複数の端子の端子電圧が不安定となることがない。これにより、誤動作の発生や接続先の部品の破損を防ぐことができる。
【0081】
なお、本実施形態では、CPU41とIC43とを用いて説明したが、CPU41は、信号変換ICであってもよい。また、本実施形態では、IC43がCPU41と同一基板上(サブ制御基板40上)に設けられているものとしたが、IC43はCPU41とは別の基板上(液晶モジュール側の液晶制御基板上)に設けられていてもよい。その場合、サブ制御基板40と、IC43が実装された液晶制御基板とが、コネクタおよびケーブル(例えばFPC)を介して接続される。また、サブ制御基板40または液晶制御基板に、プルダウン抵抗またはプルアップ抵抗のいずれかが実装される。
【0082】
(第5の実施の形態)
次に本発明の第5の実施の形態について説明する。
なお、本実施形態では遊技機の一つであるパチンコ遊技機について説明するが、その他の遊技機(例えば、スロットマシン等)であってもよい。以下の説明において、基本的に「前後」とは、遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とは遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0083】
図8は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10とを備えている。
【0084】
前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカ14が複数設けられている。
【0085】
前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側側面の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口が設けられている。前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機の内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0086】
上皿16の内側側面の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口が設けられている。また、上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
【0087】
上皿16の縁部の手前側には、演出操作装置26が設けられており、遊技者が演出操作装置26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。詳細には演出操作装置26は、押しボタンスイッチおよびロータリースイッチ(ジョグダイヤル)を内蔵しており、演出操作装置26を押下する操作と、演出操作装置26を回転させる操作を検出することができるようになっている。
【0088】
図9は、
図8で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。
図9に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0089】
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像等を表示する液晶ディスプレイ32と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。
【0090】
本実施形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4か右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0091】
ディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0092】
ステージ44の中央部の下方には、第1始動入賞口46が設けられている。
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48の下方に、第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50には、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52が設けられている。
【0093】
液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、第2始動入賞口50の下方に、大入賞口54が設けられている。この大入賞口54には、大入賞口54を塞ぐ可動部材を備える特別役物56が設けられている。特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入不可能な閉状態と、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(
図9は閉状態を示している)。特別役物56は、大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において、所定条件下で開状態となるように制御される。
【0094】
大入賞口54の下方には、大入賞通路58が下方に向かって設けられている。大入賞通路58の下端には、通常進入口62が設けられている。また、大入賞通路58の下方には、大入賞通路58の途中から下方に向かって分岐するように特定通路65が設けられている。この特定通路65には、特定通路65を塞ぐ可動部材を備える特定役物66が設けられている。特定役物66は、特定通路65に遊技球が進入不可能な閉状態と、特定通路65に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(
図9は閉状態を示している)。特定役物66は、特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。特定通路65の下端には、特定進入口68が設けられている。また、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機の内部に回収するアウト口69が設けられている。
【0095】
遊技球の発射装置は、
図8で示したグリップユニット20の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0096】
遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動入賞口46に進入するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が進入するように、あるいは大入賞口54に遊技球が進入するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0097】
遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。本実施形態の遊技機は、メイン基板およびサブ基板を含む制御基板によって制御される。そして、メイン基板やサブ基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0098】
メイン基板は、入力手段(第1始動入賞口センサ、通過ゲートセンサ、第2始動入賞口センサ、大入賞口センサ、通常進入口センサ、特定通路センサ、払出センサ等)からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、出力手段(状態表示駆動装置、普通役物駆動装置、特別役物駆動装置、特定役物駆動装置、払出装置等)の動作制御を行う。
【0099】
サブ基板は、メイン基板から送られてくるコマンドや、演出操作装置26に対する操作を検出する演出操作センサからの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出装置(演出表示装置、音響装置、演出物駆動装置等)の動作制御を行う。
【0100】
本実施形態の遊技機では、
図9に示すように、遊技領域4が左側に位置する左打ち領域4aと右側に位置する右打ち領域4bとに区画されており、遊技者が遊技球の発射強度を変化させることにより、異なる領域に遊技球を落下させることができるようになっている。
【0101】
また、遊技領域4の上端部(上部)には、左打ち領域4aと右打ち領域4bとを繋ぐ遊技球通路80が設けられている。そして、所定の発射強度以上で発射装置から発射された遊技球は遊技球通路80を通過して右打ち領域4bに進む一方、所定の発射強度未満で発射装置から発射された遊技球は遊技球通路80を通過せずに左打ち領域4aに進むようになっている。
【0102】
遊技球通路80は、外レール28と、この外レール28に沿って、外レール28よりも下方に設けられたレール81とによって形成されている。また、遊技球通路80は、外レール28の上端を含んで形成されている。また、遊技球通路80の幅(外レール28とレール81との間隔)は、最も狭い部分で、遊技球1個分の直径よりも長く、遊技球2個分の直径よりも短くなっている。また、この遊技球通路80の幅が最も狭くなる部分は、遊技球通路80の頂部、換言すると外レール28の上端(頂部:頂点)とレール81の当該上端に対向する部分によって形成される部分、さらに換言すると遊技領域4の上端に位置する部分となっている。
【0103】
また、本実施形態の遊技機では、
図8および
図10に示すように、前枠10の上部に、左右方向に長尺な略方形箱状の意匠部(意匠部材)84が設けられている。また、意匠部84は、左右方向の長さが前枠10の左右方向の長さの半分以上となっている。また、意匠部84は、その前面が、遊技領域4およびガラスユニット8よりも前方に位置するよう、前方に突出して配置されている。
なお、本実施形態の遊技機においては、ガラスユニット8は、板面を平行にして前後方向に並べられた2枚の透明板(ガラス板)8a,8bを有している。
【0104】
意匠部84は、その内部に設けられた照明用のLED基板(図示せず)と、これを覆う外装部材85とを備えており、外装部材85の内側に、LED基板を収納するスペースが確保されている。また、外装部材85の意匠部84前面を構成する部分には機種名等を表わすロゴが付されており、内部に設けられたLED基板によってロゴが光るようになっている。
なお、意匠部84の内部にスピーカ等が設けられていてもよい。
【0105】
意匠部84の下面86は、前側部分が最も下方に位置している。また、当該前側部分は、水平面に略平行な平面87となっている。また、意匠部84の下面86は、平面87の後端より後ろ側が、水平面に対して傾斜した傾斜面88となっている。そして、意匠部84の下面86は、後側部分(傾斜面88部分)が、後方に向かうにつれて上方に向かう形状となっている。すなわち、意匠部84は、後側部分よりも前側部分が下方に突出しており、突出部90が形成されている。また、意匠部84の下面86(傾斜面88)の後端は、ガラスユニット8に当接または近接している。
なお、意匠部84の下面86の後端の形状は、外レール28の形状に沿って形成されていてもよい。すなわち、下面86の後端が、正面から見た場合に上側に凸となるように湾曲した形状となっていてもよい。また、これに合わせて下面86(傾斜面88)の形状が上側に向けてくぼんだすり鉢状となっていてもよい。
【0106】
図10は、
図8のA-A線断面における要部の概略図であり、遊技領域4の上端(頂部:外レール28の上端)を通る上下方向および前後方向に平行な面で切った断面を示すものである。
図10に示す断面は、レール81の上端(頂部)および意匠部84の下面86の後端の上端(頂部)も通っている。
【0107】
意匠部84の下面86の後端は、遊技領域4の上端に対応する部分(遊技領域4上端の前方部分)において、遊技領域4の上端よりも下方に位置している。換言すると、意匠部84の下面86の後端は、遊技球通路80の上面80a(外レール28の後述する案内面113)の上端よりも下方に位置している。また、意匠部84の下面86の後端は、遊技球通路80の下面80b(レール81の遊技球が接する面)の上端よりも上方に位置している。また、意匠部84の下面86の後端は、遊技領域4の上端に位置した状態の遊技球B(遊技球通路80の上面80aの上端に接した状態の遊技球:外レール28(案内面113)の頂部に接した状態の遊技球)の下端よりも上方に位置している。より具体的には、当該状態の遊技球Bの中心(
図10に一点鎖線Cで図示)よりも上方に位置している。
【0108】
また、突出部90は、遊技領域4の上端に位置した状態の遊技球Bの中心よりも下方に突出している。換言すると、突出部90の下端は、当該状態の遊技球Bの中心よりも下方に位置している。より具体的には、突出部90の下端は、当該状態の遊技球Bの下端よりも下方に位置している。また、突出部90は、遊技球通路80の下面80bの上端よりも下方に突出している。
【0109】
以上から明らかなように、意匠部84は、前後方向(遊技盤6およびガラスユニット8に垂直な方向)において、遊技領域4の上端に位置した状態の遊技球Bと重なり合うようになっており、当該状態の遊技球B全体を覆うようになっている。また、意匠部84は、下面86の後端における遊技領域4の上端に対応する部分(遊技領域4上端の前方部分)が、前後方向(遊技盤6およびガラスユニット8に垂直な方向)において、遊技領域4の上端に位置した状態の遊技球Bの少なくとも下半分と重ならないようになっており、当該状態の遊技球の少なくとも下半分を覆わないようになっている。また、下面86の後側部分は、傾斜面88となっている。このため、遊技球が遊技領域4の上端に位置する場合であっても、遊技領域4を転がる遊技球を遊技者が容易に視認できるようになっている。ここで、所定の位置、具体的には遊技者のアイポイントからは、遊技者が顔を上下左右に動かすことなく当該状態の遊技球の少なくとも下半分が見えるようになっていることが好ましい。遊技者のアイポイントとは、椅子に座って遊技をするときの遊技者の目の位置を意味する。具体的には、例えば、遊技者の目とガラスユニット8との前後方向における距離が30~50cmの間であって、遊技者の目と遊技機底面との上下方向における距離(高さ)が40~60cmの間である場合に、当該状態の遊技球の少なくとも一部(下半分)を視認することができるようになっているとよい。換言すると、ガラスユニット8からの距離が30~50cmの間であって、遊技機底面からの高さが40~60cmの間である所定点から遊技領域4の上端に位置する遊技球B(遊技球Bの中心よりも下側の部分)までの直線上に意匠部84がかからないようになっているとよい。このような構成によれば、意匠部84を大型化しつつ遊技領域を移動する遊技媒体の視認性を確保することができる。
【0110】
次に、遊技領域4の上端(頂部:外レール28の上端)を通る上下方向および前後方向に平行な面で切った断面における、意匠部84と、遊技球通路80と、遊技領域4の上端に位置した状態の遊技球Bとに関する各種長さについて、
図10を参照しながら説明する。
【0111】
図10に示すように、当該断面において、遊技球通路80の上面80a(後述する第1の基準線BL1)は、意匠部84の下面86の後端91よりも上方に位置している。なお、以下では、意匠部84の下面86の後端部を、第1意匠部91ともいう。第1意匠部91は、遊技球通路80の上面の上端を通り、遊技球通路80の上面80aの短手方向に延びる水平線(遊技盤面に直交する方向に延びる直線)を第1の基準線BL1とした場合に、意匠部84の下面86における、第1の基準線BL1と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も後側の部分ともいえる。また、第1意匠部91は、遊技球通路80の下面80bのうち、遊技球通路80の上面80aの上端の直下に位置する部分を通り、遊技球通路80の上面80aの短手方向に延びる水平線(遊技盤面に直交する方向に延びる直線)を第2の基準線BL2とした場合に、意匠部84の下面86における、第2の基準線BL2と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も後側の部分ともいえる。なお、ここで、遊技球通路80の下面80bのうち、遊技球通路80の上面80aの上端の直下に位置する部分は、下面80bの上端であってもよく、下面80bの上端でなくてもよい。本実施形態の遊技機では、当該断面において、遊技球通路80の上面80aと第1意匠部91との上下方向における間隔L1は、約4mmとなっている。すなわち、間隔L1は、遊技球の直径(11mm)以下、より具体的には直径未満となっている。なお、間隔L1は、第1の基準線BL1から第1意匠部91までの距離(鉛直線上における距離)ともいえる。
【0112】
また、当該断面において、遊技球通路80の上面80a(第1の基準線BL1)は、意匠部84の下面86の下端92(平面87の後端)よりも上方に位置している。なお、以下では、意匠部84の下面86の下端部(平面87の後端部)を、第2意匠部92ともいう。第2意匠部92は、意匠部84の下面86における、第1の基準線BL1と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も下側の部分ともいえる。また、第2意匠部92は、意匠部84の下面86における、第2の基準線BL2と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も下側の部分ともいえる。本実施形態の遊技機では、当該断面において、遊技球通路80の上面80aと第2意匠部92との上下方向における間隔L2は、約40mmとなっている。すなわち、間隔L2は、遊技球の直径以上、より具体的には直径を超える長さとなっている。なお、間隔L2は、第1の基準線BL1から第2意匠部92までの距離(鉛直線上における距離)ともいえる。
【0113】
また、当該断面において、遊技球通路80の下面80b(第2の基準線BL2)は、第1意匠部91よりも下方に位置している。本実施形態の遊技機では、当該断面において、遊技球通路80の下面80bと第1意匠部91との上下方向における間隔L3は、約14mmとなっている。すなわち、間隔L3は、遊技球の半径以上、より具体的には半径を超える長さ、さらに具体的には直径以上(直径を超える長さ)となっている。なお、間隔L3は、第2の基準線BL2から第1意匠部91までの距離(鉛直線上における距離)ともいえる。
【0114】
また、当該断面において、遊技球通路80の下面80b(第2の基準線BL2)は、第2意匠部92よりも上方に位置している。本実施形態の遊技機では、当該断面において、遊技球通路80の下面80bと第2意匠部92との上下方向における間隔L4は、約22mmとなっている。すなわち、間隔L4は、遊技球の直径以上、より具体的には直径を超える長さとなっている。なお、間隔L4は、第2の基準線BL2から第2意匠部92までの距離(鉛直線上における距離)ともいえる。
【0115】
以上のように、第2意匠部92を、遊技球通路80の上面80a(第1の基準線BL1)よりも下方に位置させることで意匠部84を大型化することができ、遊技球通路80の下面80b(第2の基準線BL2)よりも下方に位置させることで意匠部84をさらに大型化することができる。また、このように意匠部84を大型化しつつも、遊技球通路80の上面80a(第1の基準線BL1)と第1意匠部91との間隔L1を遊技球の直径以下(直径未満)としたことにより、遊技球が強く打ち出された場合(上面80aに沿って遊技球が転がる場合)において、遊技球の視認性を確保することができる。また、このように意匠部84を大型化しつつも、遊技球通路80の下面80b(第2の基準線BL2)と第1意匠部91との間隔L3を遊技球の半径以上(半径を超える長さ)としたことにより、遊技球が弱く打ち出された場合(下面80bに沿って遊技球が転がる場合)において遊技球の視認性を確保することができる。
【0116】
次に、外レール28に係る構成について
図11~
図16を参照しながら説明する。
外レール28は、外レール28を支持する支持部材としてのレールベース100に支持される。そして、レールベース100が、遊技盤6に固定されることで、外レール28が遊技盤6に取り付けられる。なお、レールベース100は、例えば、ねじ止めによって遊技盤6に固定される。また、遊技盤6は、透明の樹脂によって略方形の板状に形成されている。
【0117】
外レール28は、薄板状の長尺な部材となっている。なお、以下では、外レール28に係る各長さについて、長さ方向(長手方向)の長さを「長さ」といい、幅方向(短手方向)の長さを「幅」といい、厚さ方向の長さ(板厚)を「厚さ」という。本実施形態においては、
図12に示すように、外レール28の長さLは、900mm以上(少なくとも、800mm以上)となっている。また、外レール28の幅Wは、約15mmとなっている。また、外レール28の板厚Tは、約0.6mmとなっている。また、本実施形態においては、外レール28は金属、具体的にはステンレス鋼(例えば、SUS430)によって形成されている。
【0118】
外レール28の一端部(始端部)には、略L字状に折り曲げられた折り曲げ部110が形成されている。また、外レール28の他端部(終端部)には、略U字状に曲げられたU字形状部(曲部)112が形成されている。
【0119】
U字形状部112の曲げ半径Rは、約6mmとなっている。換言すると、U字形状部112の両端の間隔(U字形状部112における対向する面同士の間隔)は、約12mmとなっている。また、U字形状部112は、外レール28の厚さ方向において、約12mmの高さHを有している。
なお、U字形状部112の曲率は、後述する湾曲面126の曲率よりも大きく、レールベース100に取り付けられた状態(遊技機として組み立てられた状態)の外レール28の案内面113の曲率よりも大きくなっている。
【0120】
外レール28には、折り曲げ部110とU字形状部112との間に、案内面113が形成されている。案内面113は、発射装置から発射された遊技球が当たる面であり、発射装置から発射された遊技球は案内面113に沿って転がり、遊技領域4に案内される。
【0121】
また、外レール28には、略方形状の穴114が形成されている。穴114は、外レール28のU字形状部112(U字形状部112に対応する位置)に形成されている。また、穴114の長さは、U字形状部112の長さを超える長さとなっている。換言すると、穴114は、U字形状部112の長さ方向(U字に沿った方向)の全体にわたり形成されている。具体的には、穴114は、U字形状部112と、案内面113との間に形成された角部115aにまでわたって形成されている。換言すると、穴114は、U字形状部112の長さ方向における両側端部(U字形状部112と他の部分との境目)に形成された角部115a,115bの少なくとも一方(好ましくは両方)にまでわたって形成されている。
なお、穴114は、角部115a,115bの少なくとも一方を越えて形成されていてもよい。なお、角部115a,115bは、R形状となっている。
【0122】
穴114の幅Waは、外レール28(U字形状部112)の幅Wの1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることがさらに好ましい。また、穴114の幅Waは、外レール28(U字形状部112)の幅Wの1/5以上であることが好ましく、1/4以上であることがさらに好ましい。穴114の幅Waをこのように設定することで、U字形状部112の柔軟性を高めつつ、U字形状部112の強度を高く維持することができる。本実施形態においては、穴114の幅Waは、4mmに設定されている。
【0123】
なお、穴114は、外レール28の厚さ方向に貫通するものでなくてもよい。換言すると、穴114部分は、他の部分に比べて肉薄に形成されていればよい。さらに換言すると、穴114は、何らかの肉抜きがされた肉抜き部であればよい。すなわち、外レール28のうち、U字形状部112の穴114が形成された部分は、案内面113が形成された部分に比べて、板面に垂直な断面における断面積が小さくなっていればよい。
【0124】
また、外レール28には、位置決め用の孔118が複数(本実施形態では5個)形成されている。各孔118には、後述する突出部128が挿入されるようになっている。孔118は、長さが幅の2倍以上の長円形となっている。本実施形態では、孔118は、長さLaが5.2mm、幅Wbが2mmとなっている。
【0125】
また、孔118は、長さ方向において一列に並べて配置されている。また、孔118は、幅方向における中心から外れて(中心にかからないように)配置されている。具体的には、外レール28の幅方向において、孔118の中心から外レール28の端までの距離Wcは、2.7mmに設定されている。また、孔118は、案内面113を転がる遊技球が当たることのない位置に配置されている。より具体的には、案内面113を転がる遊技球が当たることのない位置に、全ての孔118が配置されている。
【0126】
また、隣り合う孔118同士の間隔は、一定ではなく、不均等となっている。すなわち、隣り合う孔118同士の間隔が相対的に長い部分と、相対的に短い部分とが存在する。具体的には、隣り合う孔118同士の間隔を、発射装置側から順に間隔G1、間隔G2、間隔G3、間隔G4とした場合に、本実施形態では、間隔G1が104.6mm、間隔G2が123.1mm、間隔G3が116.2mm、間隔G4が280.1mmとなっている。すなわち、隣り合う孔118同士の間隔について、複数の間隔G1~G4のうち、発射装置に最も近い側の間隔G1が一番短くなっている。また、複数の間隔G1~G4のうち、発射装置から最も遠い側の間隔G4が一番長くなっている。また、複数の間隔G1~G4のうち、一番長い部分の間隔(280.1mm)は、一番短い部分の間隔(104.6mm)の2倍以上となっている。また、連続する複数の間隔G1~G4について、発射装置側から1番目の間隔G1よりも2番目の間隔G2の方が長く、2番目の間隔G2よりも3番目の間隔G3の方が短く、3番目の間隔G3よりも4番目の間隔G4の方が長くなっている。すなわち、連続する複数の間隔G1~G4について、隣り合う間隔同士の長短の関係が、交互(本実施形態においては、長-短-長)になっている。
【0127】
また、外レール28の始端から各孔118までの長さは、始端側から数えて1個目の孔118までの長さが13.3mm、2個目の孔118までの長さが117.9mm、3個目の孔118までの長さが241.0mm、4個目の孔118までの長さが357.2mm、5個目の孔118までの長さが637.3mmとなっている。
【0128】
なお、孔118は、全て案内面113に形成されており、折り曲げ部110、U字形状部112およびU字形状部112よりも終端側の部分(延長部120)には形成されていない。また、外レール28の案内面113には、複数の孔118と同一直線状に、円形の孔119が2つ形成されている。この2つの孔119は、外レール28の加工の際に使用される孔であり、孔119には、後述する突出部128は挿入されない。
【0129】
図13~
図15は、レールベース100に外レール28が取り付けられた取付状態を示す図である。レールベース100は、
図13に示すように、黒色の樹脂材料によって略L字状に形成されている。また、レールベース100は、円弧状に形成された湾曲面126を有している。湾曲面126は、遊技盤6(遊技領域4)の左下側から、左上側を通って、右上側に至るように形成されており、右下側が開いた形状に形成されている。
【0130】
湾曲面126には、長さ方向に沿って複数(本実施形態では5個)の突出部128が形成されている(
図11参照)。突出部128は、湾曲面126の前後方向における中心よりも後方に配置されている。また、各突出部128は、外レール28の各孔118と、互いに対応する位置に配置されている。
【0131】
また、湾曲面126の前縁には、湾曲面126よりも遊技領域4側に突出する壁部129が、湾曲面126に沿って形成されている(
図15、
図16参照)。
【0132】
レールベース100の左下部(一端部)には、
図13および
図15に示すように、外レール28の折り曲げ部110が挿入される断面略L字状の凹部130が設けられている。また、凹部130には、外レール28の長さ方向における一端面(始端側の端面)が突き当たる突き当て面(当接面)131が形成されている。
なお、凹部130は、外レール28の長さ方向において、外レール28の当該一端面以外の部分が当たらないようになっている。具体的には、外レール28の折り曲げ部110のうち、案内面113に交差(略直交)する方向に延びる逃げ部110aは、(少なくとも外レール28の長さ方向において)凹部130に当たらないようになっている。
【0133】
また、レールベース100の右上部(他端部)には、
図13および
図14に示すように、外レール28の長さ方向における他端面(終端側の端面)が突き当たる突き当て面(当接面)135が形成されている。また、レールベース100の右上部には、U字形状部112が収容される収容部137が形成されている。
【0134】
収容部137は、湾曲面126の右上側の端に隣接して設けられている。収容部137は、断面略コ字状の壁部137aによって形成された空間137bを有している。また、空間137bは、湾曲面126よりも遊技領域4の外側に向かって広がる空間となっている。そして、この空間137bにU字形状部112が収容されるようになっている。壁部137aの一端は、湾曲面126の右上側の端に接続されている。また、壁部137aの他端137cは、湾曲面126の仮想延長線上(湾曲面126をその曲率にしたがってそのまま延長した場合の所定位置)に配置されている。また、当該他端137cよりも湾曲面126から遠ざかる位置であって、外レール28の板厚方向反対側の位置には、リブ139が形成されている。そして、当該他端137cとリブ139との間に挟まれるように、外レール28の延長部120が配置されるようになっている。
【0135】
外レール28は、折り曲げ部110がレールベース100の凹部130に挿入され、一端面が突き当て面131に突き当てられている。また、外レール28は、他端面が突き当て面135に突き当てられている。そして、外レール28は、レールベース100に取り付けられた取付状態において、突き当て面131と突き当て面135との間で突っ張った状態となっている。すなわち、外レール28の長さLは、突き当て面131から突き当て面135までの距離(湾曲面126に沿った方向における距離)よりも長く設定されている。本実施形態の遊技機においては、外レール28の長さLは、当該距離よりも3mm長く設定されている。換言すると、外レール28は、外レール28が設置される部分の長さ(突き当て面131から突き当て面135までの距離)に対して、3mmの余長を有している。
【0136】
取付状態においては、U字形状部112によって、外レール28の余長が吸収されるようになっている。すなわち、まず、取付状態においては、外レール28は、レールベース100の湾曲面126に沿って配置される。このとき、外レール28の案内面113とは反対側の面(裏面)の略全体が、湾曲面126の略全体に接した状態となる。換言すると、案内面113は、湾曲面126に沿った面(略平行な面)となる。また、U字形状部112の両端の間隔(角部115a,115bの間隔)が縮まるようにU字形状部112がたわみ、これによって外レール28の余長が吸収される。そして、突き当て面131と突き当て面135との間で、外レール28が張られた状態となる。
なお、
図13および
図14では、外レール28の終端28aが、突き当て面135を貫いて表示されているが、実際には、当該終端28aは、突き当て面135に突き当たって止まり、突き当て面135を貫通するものではない。換言すると、
図13および
図14における、突き当て面135を貫通している部分が、外レール28の余長部分であり、当該貫通している部分の長さが、U字形状部112によって吸収される。なお、U字形状部112は、取付状態(余長を吸収してたわんだ状態)でも、収容部137の壁部137aに当たらないようになっている。
【0137】
本実施形態の遊技機では、外レール28の余長3mmは、U字形状部112の両端の間隔(U字形状部112における対向する面同士の間隔:約12mm)よりも短く設定されている。より具体的には、余長は、U字形状部112の曲げ半径R(約6mm)以下(U字形状部112の両端の間隔の半分以下)に設定されている。このため、U字形状部112によって余長を効果的に吸収することができる。
なお、基準値(設計値)としての余長3mmは、外レール28の公差よりも長く設定されている。本実施形態の遊技機では、外レール28の長さLの公差は、±0.8mmに設定されている。そこで、外レール28が最大限短く製造された場合(公差が下限となる-0.8mmとなる場合)であっても、0mm以上の余長(本例においては、2.2mmの余長)が生じるように、余長の基準値が設定されている。すなわち、外レール28の長さLは、公差を含めても余長が生じる長さに設定されている。また、外レール28が最大限長く製造された場合(公差が上限となる+0.8mmとなる場合)であっても、U字形状部112の曲げ半径R以下(U字形状部112の両端の間隔の半分以下)の余長(本例においては3.8mmmの余長)となるように、余長の基準値が設定されている。
【0138】
また、取付状態においては、レールベース100の複数の突出部128のそれぞれが、外レール28の複数の孔118のそれぞれに挿入されている。ここで、孔118の長さLaは、取付状態において突出部128に当接しない長さに設定されている。また、孔118の幅Wbは、取付状態において突出部128に当接し得る長さに設定されている。
【0139】
突出部128は、外レール28の幅方向において孔118に当接することで、外レール28が幅方向に動くことを規制している。すなわち、突出部128は、外レール28の動きを規制する規制部(規制手段)となっている。そして、突出部128と孔118とは、外レール28の幅方向における位置を決める位置決め部(位置決め手段)として機能している。
なお、当該規制部は、突出部128のような形でなくてもよく、例えば、ピン等であってもよい。具体的には、例えば、規制部としての割りピンを、孔118を貫通するようにして(割りピンの足が孔118を跨ぐようにして)設け、当該割りピンの両足をレールベース100あるいは遊技盤6等に嵌め込むことで、当該割りピンによって、外レール28の動きを規制してもよい。
【0140】
一方で、取付状態において、突出部128は、外レール28の長さ方向において孔118に当接しないようにされており、外レール28が長さ方向に動くことは規制しないようになっている。換言すると、突き当て面131と突き当て面135との間に収められ、長さが縮められた外レール28の反発力は、突き当て面131と突き当て面135に加わり、突出部128には(ほとんど)加わらないようになっている。これにより、外レール28の長さ方向における位置決めを、突き当て面131と突き当て面135とによって安定して行うことができる。さらに、本実施形態の遊技機では、外レール28の折り曲げ部110の逃げ部110aが、外レール28の長さ方向において凹部130に当たらないようになっているので、外レール28の長さ方向における位置決めを、突き当て面131と突き当て面135とによってより安定して行うことができる。
なお、突き当て面131,135からの反発力以外の外力を無理やり加え(例えば、人力等により)、U字形状部112を無理やり縮ませた場合等には、外レール28の長さ方向において、孔118や逃げ部110aがレールベース100に当接し得るようになっていてもよい。
【0141】
また、突出部128は、外レール28の板厚方向における長さ(高さ)が、外レール28の板厚以下に設定されている。すなわち、突出部128は、外レール28の案内面113よりも遊技領域4側に突出しないようになっている。
【0142】
また、外レール28が、レールベース100に対して遊技機の前側(外レール28の幅方向)に最大限動いた場合でも、外レール28の前側の端面は、レールベース100の壁部129に当接しないようになっている。すなわち、壁部129は、外レール28の動きを規制する機能は有していない。一方、壁部129は、外レール28の板厚方向における長さ(高さ)が、外レール28の板厚以上に設定されており、外レール28の端面が遊技者から見えないようにする機能を有している。
ただし、壁部129は、外レール28の動きを規制するものであってもよい。
【0143】
ここで、外レール28に沿って転がる遊技球Bと、孔118等との関係について、
図16を参照しながら説明する。
図16は、外レール28およびレールベース100の要部を示す概略図であり、案内面113および湾曲面126に垂直な平面で切った断面を示すものである。
【0144】
図16に示すように、孔118および突出部128は、外レール28に沿って転がる遊技球Bに当たらない位置に形成されている。より詳細に説明すると、孔118は、外レール28が幅方向において最大限動いた場合であっても(例えば、
図16における上側に最大限動いた場合であっても)、遊技球Bに当たらない位置に形成されている。換言すると、突出部128は、孔118が遊技球Bに当たらないように、外レール28の幅方向における動きを規制しているともいえる。なお、
図16では、突出部128は、案内面113よりも遊技領域4側に突出しているが、このように突出部128が突出して形成される場合であっても、突出部128の突出量は、突出部128が遊技球Bに当たらないように設定されることが好ましい。
【0145】
なお、
図16に示すように、案内面113(湾曲面126)は、外レール28の幅方向において、前側に向かうほど遊技領域4側(外レール28の径方向内側)に向かう傾斜面となっている。換言すると、案内面113は、遊技球を前方向に流れにくくする(後側に沿って流れやすくする)ための傾斜面となっている。
【0146】
本実施形態の遊技機によれば、レール28は、略U字状に曲がったU字形状部112と、U字形状部112に対応する位置に形成された穴114と、を備え、穴114は、U字形状部112のU字に沿った方向において、U字形状部112の全体にわたる長さとなるので、製造上生じるレール28の長さのバラつきをU字形状部112で吸収し、レール28を安定して正確に取り付けることができる。また、U字形状部112に対応する位置に穴114を形成することで、U字形状部112を案内面113部分よりも柔らかくすることができ、U字形状部112を案内面113部分に比べ変形しやすくすることができる。このため、レール28をレールベース100に取り付ける際に、案内面113を適度に張りつつ、余計な力をU字形状部112に逃がして、レール28を正確に取り付けることができる。したがって、レール28に沿って転がる遊技球の動きを安定させることができ、快適な遊技が提供できる。
【0147】
また、穴114の長さをU字形状部112の全体にわたる長さとしたことにより、U字形状部112内における力のかかり具合を均等にすることができる。このため、U字形状部112内における一部に力がかかりすぎる等して、レール28の変形がいびつとなることを防止でき、レール28をより正確に取り付けことができる。また、U字形状部112内における一部に力がかかりすぎる等して、レール28が破損してしまうことを防止できる。さらに、本実施形態においては、穴114は、U字形状部112の長さ方向における両側端部に形成された角部115a,115bの少なくとも一方にまでわたって形成されているので、負荷が集中しやすい角部115a,115bの柔軟性を高め、角部115a,115bが壊れてしまうことを防止できる。
【0148】
また、穴114は、レール28の幅方向において、レールの幅Wの1/3以下の長さ(4mm)となっているので、U字形状部112の剛性を適切な範囲にすることができる。すなわち、U字形状部112の剛性を一定以上の高さとすることができ、レール28にかかる力をU字形状部112が吸収しすぎてしまうことを防止できる。したがって、案内面113の張りが弱まりすぎてしまうことを防止でき、遊技球の動きをより安定させることができる。
【0149】
また、案内面113には、位置決めを可能とする孔118が複数(5個)形成されており、孔118は、全て、前記案内面に沿って転がる遊技球が当たらない位置に形成されているので、遊技球が孔118の上を転がり振動してしまうことなどを防止できる。したがって、遊技球の動きをより安定させることができる。
【0150】
なお、
図14に示すように、案内面113のU字形状部112側の端部には、弾性体(例えばゴム)により形成された弾性部材150が配置される。そして、U字形状部112の近傍において、外レール28は、弾性部材150と湾曲面126とに挟まれた状態となる。弾性部材150は、案内面113に沿って終端側(右打ち領域4b)まで案内された遊技球が衝突する衝突面151を有している。そして、弾性部材150は、遊技球が遊技機の部材に衝突する際の衝撃を緩和するようになっている。
【0151】
また、
図17に示すように、複数の孔118(複数の突出部128)は、全て、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)P1よりも左側(発射装置側)に設けられている。また、孔118(突出部128)の数は、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上下方向中心を境として下側の方が上側よりも多くなっている。換言すると、孔118(突出部128)の数は、遊技領域4(外レール28:案内面113)の左端(左頂点)P2を境として下側の方が上側よりも多くなっている。具体的には、例えば、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上下方向中心よりも上側に1個または2個の孔118(突出部128)が設けられており、上下方向中心よりも下側に3個の孔118(突出部128)が設けられている。
なお、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)P1および左端(左頂点)P2には、孔118(突出部128)が設けられていない。
【0152】
なお、複数の孔118(複数の突出部128)のうち、いくつかが、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)P1よりも右側に設けられていてもよい。この場合に、孔118(突出部128)の数は、遊技領域4(外レール28:案内面113)の左右方向中心を境として左側の方が右側よりも多くなっているとよい。換言すると、孔118(突出部128)の数は、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)P1を境として左側の方が右側よりも多くなっているとよい。具体的には、例えば、遊技領域4(外レール28:案内面113)の左右方向中心よりも右側に1個の孔118(突出部128)が設けられており、左右方向中心よりも左側に3個または4個の孔118(突出部128)が設けられていてもよい。また、左右方向中心よりも左側に設けられる複数の孔118(突出部128)については、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上下方向中心の下側に配置される孔118(突出部128)の方が、上側に配置される孔118(突出部128)よりも多くなっていてもよい。例えば、左側に4個の孔118が設けられる場合に、下側に3個配置され、上側に1個配置されてもよい。また、左右方向中心よりも左側に設けられる複数の孔118(突出部128)については、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上下方向中心の上側に配置される孔118(突出部128)の方が、下側に配置される孔118(突出部128)よりも多くなっていてもよい。例えば、左側に3個の孔118が設けられる場合に、上側に2個配置され、下側に1個配置されてもよい。
なお、このようにいくつかの孔118(突出部128)が、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)よりも右側に設けられる場合であっても、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)および左端(左頂点)には、孔118(突出部128)が存在しないようにするとよい。遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)や、左端(左頂点)に、孔118(突出部128)が存在しないようにすることで遊技球が安定した軌道を辿ることができる。
【0153】
また、外レール28(案内面113)について、始端(左下端)から左端(最も左側に位置する部分:正面視における9時の位置)P2までの範囲を第1の範囲H1とし、左端から上端(最も上側に位置する部分:正面視における12時の位置)P1までの範囲を第2の範囲H2とし、上端P1から終端(右上端)までの範囲を第3の範囲H3とした場合に、各範囲の孔118(突出部128)の数を以下のような関係にしてもよい。
すなわち、孔118(突出部128)の数は、第3の範囲H3よりも第2の範囲H2の方が多く、第2の範囲H2よりも第1の範囲H1の方が多くなっていてもよい。すなわち、第1の範囲H1>第2の範囲H2>第3の範囲H3としてもよい。また、孔118(突出部128)の数は、第1の範囲H1が第2の範囲H2以上であり、第2の範囲H2が第3の範囲H3以上であってもよい。すなわち、第1の範囲H1≧第2の範囲H2≧第3の範囲H3としてもよい。また、孔118(突出部128)の数は、第3の範囲H3よりも第2の範囲H2の方が多く、第1の範囲H1は第2の範囲H2以上となっていてもよい。すなわち、第1の範囲H1≧第2の範囲H2>第3の範囲H3としてもよい。また、孔118(突出部128)の数は、第1の範囲H1の方が第3の範囲H3よりも多く、第2の範囲H2は第1の範囲H1以上となっていてもよい。すなわち、第2の範囲H2≧第1の範囲H1>第3の範囲H3としてもよい。また、孔118(突出部128)の数は、第1の範囲H1の方が第3の範囲H3よりも多く、第2の範囲H2の方が第3の範囲H3よりも多くなっていてもよい。すなわち、第1の範囲H1および第2の範囲H2>第3の範囲H3としてもよい。また、孔118(突出部128)の数は、第1の範囲H1が第3の範囲H3以上であり、第2の範囲H2が第3の範囲H3以上であってもよい。すなわち、第1の範囲H1および第2の範囲H2≧第3の範囲H3としてもよい。また、孔118(突出部128)の数は、第1の範囲H1が第2の範囲H2以上であり、かつ第3の範囲H3以上であってもよい。すなわち、第1の範囲H1≧第2の範囲H2および第3の範囲H3としてもよい。なお、孔118(突出部128)の最も少ない範囲における孔118(突出部128)の数は、0個であってもよい。
なお、外レール28(案内面113)のうち、遊技領域4(外レール28:案内面113)の左端を通り左右方向に延びる仮想直線をX軸とし、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端を通り上下方向に延びる仮想直線をY軸とするXY平面において、第3象限に位置する部分を第1の範囲と呼び、第2象限に位置する部分を第2の範囲と呼び、第1象限に位置する部分を第3の範囲と呼ぶこともできる。また、外レール28(案内面113)のうち、遊技領域4の中心を通り左右方向に延びる仮想直線をX軸とし、遊技領域4の中心を通り上下方向に延びる仮想直線をY軸とするXY平面において、第3象限に位置する部分を第1の範囲と呼び、第2象限に位置する部分を第2の範囲と呼び、第1象限に位置する部分を第3の範囲と呼ぶこともできる。
【0154】
また、外レール28(案内面113)について、始端(左下端)から左端(最も左側に位置する部分:正面視における9時の位置)P2までの範囲を第4の範囲とし、左端P2から終端(右上端)までの範囲を第5の範囲とした場合に、各範囲の孔118(突出部128)の数を以下のような関係にしてもよい。
すなわち、孔118(突出部128)の数は、第4の範囲の方が第5の範囲より多くなっていてもよく、第4の範囲が第5の範囲以上となっていてもよい。すなわち、第4の範囲>第5の範囲あるいは第4の範囲≧第5の範囲としてもよい。具体的には、例えば、第4の範囲の孔118(突出部128)の数を3個とし、第5の範囲の孔118(突出部128)の数を2個としてもよい。
なお、外レール28の長さ方向における寸法は、第5の範囲の方が第4の範囲よりも長くなっている。すなわち、第4の範囲は、第5の範囲よりも寸法が短いにも拘らず、第4の範囲に多くの孔118が設けられている。
【0155】
また、外レール28(案内面113)について、始端(左下端)から上端(最も上側に位置する部分:正面視における12時の位置)P1までの範囲を第6の範囲とし、上端P1から終端(右上端)までの範囲を第7の範囲とした場合に、各範囲の孔118(突出部128)の数を以下のような関係にしてもよい。
すなわち、孔118(突出部128)の数は、第6の範囲の方が第7の範囲より多くなっていてもよく、第6の範囲が第7の範囲以上となっていてもよい。すなわち、第6の範囲>第7の範囲あるいは第6の範囲≧第7の範囲としてもよい。具体的には、例えば、第6の範囲の孔118(突出部128)の数を5個とし、第7の範囲の孔118(突出部128)の数を0個としてもよい。
【0156】
また、外レール28(案内面113)について、始端(左下端)から中間(始端と終端との中間地点:外レール29の長さ方向における中心)までの範囲を第8の範囲とし、中間から終端(右上端)までの範囲を第9の範囲とした場合に、各範囲の孔118(突出部128)の数を以下のような関係にしてもよい。
すなわち、孔118(突出部128)の数は、第8の範囲の方が第9の範囲より多くなっていてもよく、第8の範囲が第9の範囲以上となっていてもよい。すなわち、第8の範囲>第9の範囲あるいは第8の範囲≧第9の範囲としてもよい。具体的には、例えば、第8の範囲の孔118(突出部128)の数を4個とし、第9の範囲の孔118(突出部128)の数を1個としてもよい。
【0157】
以上のように、孔118の数は、発射装置に近い側の方が、発射装置から遠い側に比べて多くなるようにするとよい。具体的には、前述の各配置のようにするとよい。このような構成によれば、遊技球から受ける衝撃が大きく、かつ、外レール28の配置について特に正確さが求められる発射装置側(第1の範囲H1側)の孔118を多くし、発射装置側の外レール28のずれや振動を確実に防止することができる。また、このような構成によれば、遊技球から受ける衝撃が小さく、かつ、遊技に与える影響が少ない終端側(第3の範囲H3側)の孔118を少なくし、外レール28の加工やレールベース100への取り付けを容易にすることができる。
【0158】
また、
図17に示すように、本実施形態の遊技機では、発射装置から発射された遊技球を遊技領域4へ導く案内通路(遊技球通路)140の幅が最も狭くなる部分(外レール28と内レール30との間隔が最も短くなる部分)を最狭小部Aとすると、外レール28には、始端から最狭小部Aまでの間に3個の孔118が設けられている。なお、始端から最狭小部Aまでの間に少なくとも2個の孔118が設けられていることが好ましい。また、外レール28の孔118の数は、始端から最狭小部Aまでの範囲の方が、最狭小部Aから案内通路140の出口(内レール30の上端に対向する部分)までの範囲よりも多くなっていてもよく、始端から最狭小部Aまでの範囲が、最狭小部Aから案内通路140の出口までの範囲以上となっていてもよい。また、外レール28の孔118の数は、始端から最狭小部Aまでの範囲の方が、最狭小部Aから上端P1までの範囲よりも多くなっていてもよく、始端から最狭小部Aまでの範囲が、最狭小部Aから上端P1までの範囲以上となっていてもよい。また、外レール28の孔118の数は、始端から最狭小部Aまでの範囲の方が、最狭小部Aから終端までの範囲よりも多くなっていてもよく、始端から最狭小部Aまでの範囲が、最狭小部Aから終端までの範囲以上となっていてもよい。このように、発射装置から最狭小部Aまでの間にある孔118の数を多くすることで、発射装置から最狭小部Aまでの間で外レール28がねじれたりすることを確実に防止することができる。このため、最狭小部Aを通過するまでに、遊技球が必ずレールに沿った状態とすることができるので、最狭小部Aを狭く設定することが可能となり、遊技領域4の範囲を広くすること(左右方向の寸法を長くすること)が可能となる。すなわち、発射装置から発射された遊技球は外レール28に衝突し、何度かバウンドすることとなるが、最狭小部Aまでの孔118の数を多くすることで、バウンドする遊技球の動作精度を高めることが可能となり、遊技球が2回目の衝突後に最狭小部Aを通過するようにして、遊技球がレールに沿った状態で最狭小部Aを通過するようにすることが可能となる。
【0159】
また、本実施形態の遊技機では、間隔G2と間隔G3とをほぼ同じ間隔(差を20mm以内、より具体的には10mm以内)とし、案内通路140の出口までの孔118の間隔を狭くすることで、案内通路140の出口までの球飛びの精度を特に高いものとしている(
図12、
図17参照)。
【0160】
なお、孔118は、本実施形態に示したような形状でなくてもよく、例えば、切り欠き等であってもよい。すなわち、孔118は、外レール28の位置決め(遊技盤6(レールベース100)に対する位置決め、外レール28の幅方向における位置決め)を可能とする所定の位置決め部であればよい。換言すると、孔118は、遊技盤6に対する取り付け位置を案内する所定の案内部ともいえる。また、切り欠き等の場合であっても、切り欠き等の配置は上述の孔118の場合と同様にすればよい。具体的には、例えば、複数の切り欠きを、全て、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)P1よりも左側に設けてもよい。また、このような場合であって、例えば、切り欠きが2個あるような場合、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上下方向中心よりも上側に1個の切り欠きを設け、上下方向中心よりも下側に1個の切り欠きを設けてもよい。
なお、このようにいくつかの切り欠きが外レール28に設けられる場合であっても、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)P1および左端(左頂点)P2には、切り欠きが存在しないようにするとよい。
【0161】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の任意の構成要素の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。また、スロットマシンやパチンコ遊技機の遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、スロットマシンを例に取り説明した各構成は、パチンコ遊技機等の遊技機にも適用でき、パチンコ遊技機を例に取り説明した各構成は、スロットマシン等の遊技機にも適用できる。例えば、パチンコ遊技機が前述のCPU(制御回路)(マイコン)41,51、制御ROM52、IC42、IC43等に係る構成を有していてもよく、スロットマシンが前述の外レール28に係る構成等を有していてもよい。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、例えば、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【符号の説明】
【0162】
4 遊技領域
10 遊技機
28 外レール(レール)
40,50 制御基板
41,51 制御回路
118 孔(位置決め部)
AO1~AO24,D0~D19 (制御回路の)複数の端子
A1~A24,C0~C19 (制御回路の複数の端子のそれぞれに接続された)配線
AO21~AO24 所定時に入力ポートに設定される特定の端子