(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】回旋式マッサージ伝動機構
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20230307BHJP
【FI】
A61H7/00 300H
(21)【出願番号】P 2020137082
(22)【出願日】2020-08-14
【審査請求日】2020-08-14
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-14
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】596087199
【氏名又は名称】巫 東和
(73)【特許権者】
【識別番号】518034241
【氏名又は名称】艾力斯特健康科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】巫 東和
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】安井 寿儀
【審判官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】台湾特許第I686188(TW,B)
【文献】特開2020-108729(JP,A)
【文献】実開昭52-169105(JP,U)
【文献】特開平8-105502(JP,A)
【文献】特開2012-201339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H15/00
F16H21/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝動機構と、マッサージ部材と、固定ベースとを含む回旋式マッサージ伝動機構であって、
前記伝動機構には駆動モーターと、少なくとも一本の第一連接棒と、少なくとも一本の第二連接棒が設けられ、前記駆動モーターの側辺には少なくとも一本の駆動軸が設けられ、前記第一、第二連接棒はそれぞれ第一端と第二端とを有し、前記第一連接棒の第一端は前記駆動モーターの駆動軸に枢設され、前記第二端は前記第二連接棒の第一端
に枢設されるため、前記駆動モーターによって前記第一、第二連接棒が連動して回旋作動し、
前記マッサージ部材は、マッサージ端と揺れ端とを有し、前記マッサージ端は
、前記マッサージ端に設けられた駆動モーターによって、少なくとも一つのマッサージユニットを駆動し、前記揺れ端の内部は前記伝動機構の駆動モーターに合わせて組み入れられ、さらに前記駆動軸は前記揺れ端より突き出されて前記第一連接棒の第一端と連結され、また前記揺れ
端に軸貫通孔が設けられ、
前記固定ベースには少なくとも一つの組み合わせ部が設けられ、前記組み合わせ部には軸孔と固定孔とが設けられ、前記軸孔は心軸によって前記揺れ端の軸貫通孔と枢設連結され、前記固定孔は軸栓によって前記第二連接棒の第二端に
枢設され、
これによって、前記伝動機構の駆動モーターは前記駆動軸を連動して回転する時、前記第二連接棒の第二端が前記組み合わせ部の固定孔
に枢設されることで、前記第一連接棒は駆動軸によって回旋連動され、前記第二連接棒は揺れ腕の状態になり、そして前記揺れ端を押し動かし、さらに前記心軸を支点に往復に揺れ、前記マッサージ部材は持続的に前後に揺れることを特徴とする回旋式マッサージ伝動機構。
【請求項2】
前記伝動機構の駆動モーターは両側辺の同軸にそれぞれ駆動軸が設けられ、さらに前記駆動モーターの二本の前記駆動軸に合わせて二本の前記第一連接棒と二本の前記第二連接棒とが設けられることで、前記駆動モーターの両辺の駆動軸はそれぞれ前記第一連接棒と前記第二連接棒とを連動して回旋作動することを特徴とする請求項1の回旋式マッサージ伝動機構。
【請求項3】
前記固定ベースには互いに平行する二つの組み合わせ部が設けられ、また二つの前記組み合わせ部の間に組み合わせ空間が形成され、二つの前記組み合わせ部にはそれぞれ軸孔と固定孔とが設けられ、前記組み合わせ空間は前記マッサージ部材の揺れ端の取り付けに提供され、また二つの前記組み合わせ部の軸孔は前記心軸によって前記揺れ端の軸貫通孔と枢設連結され、二つの前記組み合わせ部の固定孔はそれぞれ軸栓によって前記第二連接棒の第二端
に枢設されることを特徴とする請求項2の回旋式マッサージ伝動機構。
【請求項4】
前記組み合わせ部の固定孔の位置は前記軸孔の位置より高いことを特徴とする請求項1または3の回旋式マッサージ伝動機構。
【請求項5】
前記組み合わせ部の固定孔の位置は前記軸孔の位置より低いことを特徴とする請求項1または3の回旋式マッサージ伝動機構。
【請求項6】
前記マッサージ部材のマッサージ端は、
前記マッサージ端に設けられた駆動モーターによって、二つの前記マッサージユニットを連動し、作動してマッサージすることを特徴とする請求項1の回旋式マッサージ伝動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ装置に関し、特に回旋式マッサージ伝動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
現代人は仕事におけるストレスが大きいため、肩こりや筋肉痛になりやすい。このため、マッサージ器具を購入して体の異なる部位をマッサージすることで、体をほぐしたり、ストレス解消したりする。一般的なマッサージ器具は全身マッサージと局部マッサージに分かれ、全身マッサージは例えば、マッサージチェア、マッサージベッドなどがある。局部マッサージは例えば、肩首マッサージベルト、腰部マッサージベルトまたはふくらはぎと足部のマッサージ機などがある。ローラー、エアバッグまたは振動などの機械式の揉み解しによって部位を対応し、筋肉の緊張状態を緩和する。
【0003】
特に今はサービス業で働く人が多く、長時間の立ち仕事は下肢の筋肉痛、緊張感とむくみなどの不具合をもたらす。このため、業者が下肢をマッサージする機械を開発し、下肢、太もも部のマッサージに使用される。従来の下肢マッサージ装置は、台湾特許証書番号第M580989号の「振り子式下肢マッサージ機構」を参照されたい。上述マッサージ機構は底ベースと、該底ベースに振り子のように作動する振り腕から構成される。また、該振り腕のマッサージ端は二つのマッサージタイヤ―が設けられ、該構造を使用する時、該マッサージタイヤ―モーターと揺れモーターが同時にスタートすることによって、振り子が循環して下肢をマッサージする効果を達し、下肢のマッサージ範囲が広げられる。さらに振り腕が上昇する時、該下肢を支えて上げ、筋肉のほぐしを奏し、下肢筋肉のマッサージ効果が向上される。
【0004】
しかし、従来のマッサージ器具は二つのリミットスイッチを合わせて駆動モーターの正反回転を切り替え、振り腕が偏揺れする時に該リミットスイッチを押すことで該駆動モーターが駆動方向を変換するため、振り腕が別の方向へ揺らされ、振り腕が往復する振り子状態になる。しかし、このようなことは構造の組み立て難度とコストを増加するだけでなく、該駆動モーターが長時間に正反回転して切り替えることは駆動モーターが故障して壊れる率が大幅に上昇し、使用寿命を下げて実用性に欠ける。
【0005】
従って、本発明者は長年にわたって関係商品の製造開発と設計をした経験により、上述の目標について、詳しく設計をして慎重に評価した結果、実用性に満ちた本発明を得た。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在技術における上述の欠点を解決し、回旋式マッサージ伝動機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の回旋式マッサージ伝動機構は、伝動機構と、マッサージ部材と、固定ベースとを含む。該伝動機構には駆動モーターと、少なくとも一本の第一連接棒と、少なくとも一本の第二連接棒とが設けられる。該駆動モーターの側辺には少なくとも一本の駆動軸が設けられ、該第一、第二連接棒はそれぞれ第一端と第二端が設けられる。該第一連接棒の第一端は該駆動モーターの駆動軸に枢設され、該第二端は該第二連接棒の第一端と栓接されるため、該駆動モーターによって該第一、第二連接棒が連動されて回旋作動される。マッサージ部材は、マッサージ端と揺れ端とを有し、該マッサージ端は少なくとも一つのマッサージユニットを駆動し、該揺れ端の内部は該伝動機構の駆動モーターに合わせて組み入れられ、さらに該駆動軸は該揺れ端より突き出されて該第一連接棒の第一端と連結され、また該揺れ端の偏心位置に軸貫通孔が設けられる。固定ベースは、該固定ベースには少なくとも一つの組み合わせ部が設けられ、該組み合わせ部には軸孔と固定孔とが設けられ、該軸孔は心軸によって該揺れ端の軸貫通孔と枢設連結され、該固定孔は軸栓によって該第二連接棒の第二端と栓接され位置決めされる。
【0008】
該伝動機構はマッサージ装置に応用され、該マッサージ装置にはマッサージ部材と固定ベースとがある。該伝動機構は該駆動モーターによって該第一、第二連接棒を連動し、さらに該第一、第二連接棒が該マッサージ部材と固定ベースとの合わせにより、駆動モーターは正反回転を切り替えなくてもマッサージ部材が往復でき、構造を組み立てるコストを低減できるだけでなく、構造組み立ての利便性も向上される。一方、駆動モーターが正反回転の切り替えによって故障して壊れることが避けられ、構造の耐用性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明に係る回旋式マッサージ伝動機構の立体図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る回旋式マッサージ伝動機構の分解図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る回旋式マッサージ伝動機構の俯瞰図である。
【
図4】
図4は、本発明が連続使用する状態を示す図(一)である。
【
図5】
図5は、本発明が連続使用する状態を示す図(二)である。
【
図6】
図6は、本発明が連続使用する状態を示す図(三)である。
【
図7】
図7は、本発明が連続使用する状態を示す図(四)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず、
図1と
図2を参照されたい。本発明の回旋式マッサージ伝動機構は、伝動機構10を含む。該伝動機構10は駆動モーター11、少なくとも一本の第一連接棒12と少なくとも一本の第二連接棒13が設けられる。該駆動モーター11の側辺には少なくとも一本の駆動軸111が設けられ、該第一、第二連接棒12、13はそれぞれ第一端121、131と第二端122、132が設けられる。該第一連接棒12の第一端121は該駆動モーター11の駆動軸111に枢設され、該第二端122は該第二連接棒13の第一端131とは軸柱133によって栓接されるため、該駆動モーター11によって該第一、第二連接棒12、13が連動されて回旋作動される。
【0011】
上述構造によると、本発明の伝動機構はマッサージ装置に応用した実施例は、引き続き
図1から
図3を参照されたい。該伝動機構10の駆動モーター11は両側辺の同軸にそれぞれ駆動軸111が設けられ、さらに該駆動モーター11の二本の該駆動軸111に合わせて二本の該第一連接棒12と二本の該第二連接棒13が設けられることで、該駆動モーター11の両辺の駆動軸111はそれぞれ該第一連接棒12と該第二連接棒13を連動して回旋作動する。マッサージ部材20は、マッサージ端21と揺れ端22とを有し、該マッサージ端21は別の駆動モーター23によって二つのマッサージユニット24を連動し、作動してマッサージする。該揺れ端22の内部は該伝動機構10の駆動モーター11に合わせて組み入れられ、さらに二本の該駆動軸111は該揺れ端22の両側辺より突き出されて、そしてそれぞれ該第一連接棒12の第一端121と連結され、また該揺れ端22の偏心位置に軸貫通孔221が設けられる。固定ベース30には互いに平行する二つの組み合わせ部31が設けられ、また二つの該組み合わせ部31の間に組み合わせ空間32が形成される。二つの該組み合わせ部31にはそれぞれ軸孔311と固定孔312とが設けられ、また該固定孔312の位置は必要によって、該軸孔311より高い位置または低い位置に設置できる。該組み合わせ空間32は該マッサージ部材20の揺れ端22の取り付けに提供され、また二つの該組み合わせ部31の軸孔311は心軸313によって該揺れ端22の軸貫通孔221と枢設連結され、二つの該組み合わせ部31の固定孔312はそれぞれ軸栓314によって該第二連接棒13の第二端132と栓接され位置決めされる。これによると、該マッサージ部材20が該固定ベース30に取り付けられ、さらに伝動機構10によって該マッサージ部材20を連動して該固定ベース30に偏揺れして作動する。
【0012】
上述マッサージ機構の実施例の使用は引き続き
図1、
図3に合わせて
図4から
図7を参照されたい。該伝動機構10の駆動モーター11は二本の該駆動軸111を連動して回転する時、二本の該第二連接棒13の第二端132が二つの該組み合わせ部31の固定孔312と栓接され位置決められることで、該第一連接棒12は駆動軸111によって回旋連動され、該第二連接棒13は該第二端132を支点にして揺れ腕の状態になり、そして反対方向に該第一連接棒12と駆動軸111を押し動かすことで、該マッサージ部材20の揺れ端22は偏揺れ動力が得られ、さらに該心軸313を支点に往復に揺れ、該マッサージ部材20は該第二連接棒13の揺れ腕作動に連れて持続的に往復に揺れ、同時に該マッサージユニットによって往復してマッサージする。
【0013】
上述の具体的な実施例の構造によって、以下の効果が得られる。該伝動機構10は該駆動モーター11によって該第一、第二連接棒12、13を連動し、さらに該第一、第二連接棒12、13が該マッサージ部材20と固定ベース30との組合わせにより、該第一連接棒12は曲柄状態に形成され、さらに該第二連接棒13に連動して往復する揺れ腕状態に形成されることで、駆動モーター11は正回転し続け、該マッサージ部材20が往復に揺れる目的を達することで、リミットスイッチを取り付けてモーターの正反転をコントロールする必要がなく、コストを低減できるだけでなく、構造組み立ての利便性も向上する。一方、駆動モーター11が正反回転の切り替えによって故障して壊れることが避けられ、構造の耐用性が向上する。
【0014】
以上は、本発明に係る実施例の一部に過ぎないため、本発明の実施範囲を制限するものではない。即ち、本発明の特許請求の範囲内で行われる変化、修飾なども本発明の範囲に属すべきである。
【符号の説明】
【0015】
10 伝動機構
11 駆動モーター
111 駆動軸
12 第一連接棒
121 第一端
122 第二端
13 第二連接棒
131 第一端
132 第二端
133 軸柱
20 マッサージ部材
21 マッサージ端
22 揺れ端
221 軸貫通孔
23 駆動モーター
24 マッサージユニット
30 固定ベース
31 組み合わせ部
311 軸孔
312 固定孔
313 心軸
314 軸栓
32 組み合わせ空間