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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】揚水システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 77/00 20060101AFI20230307BHJP
   A01K 79/00 20060101ALI20230307BHJP
   A01K 73/02 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
A01K77/00 Z
A01K79/00 G
A01K73/02
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020500772
(86)(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-02
(86)【国際出願番号】 NO2018050086
(87)【国際公開番号】W WO2018174723
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-03-02
(31)【優先権主張番号】20170485
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519342507
【氏名又は名称】カルム ウィンチ エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヒスタッド,マグネ
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許発明第01399321(FR,A)
【文献】国際公開第2008/125332(WO,A2)
【文献】特表2007-521012(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 65/00
A01K 69/00 - 77/00
A01K 79/00 - 81/06
A01K 91/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体または液体と1または複数の物体(P)との混合物を、水域(W)内に沈められたコレクタデバイス(2、2’)から、水上船舶または構造(1、1’)に配置された受容設備(31)へ移動するための揚水システムであって、
前記コレクタデバイス(2、2’)が、牽引手段(3)を介して前記水上船舶または搬送構造(1、1’)によって牽引されるように構成されるか、前記水域内で浮遊しているか、前記水域の下の海底(B)に沿って動いているか、又は、前記海底(B)において静止しており、
前記揚水システムは、前記コレクタデバイス(2、2’)と、前記受容設備(31)と、前記水上船舶または構造(1、1’)とを備えると共に、第1の送出ライン(7)、第2の送出ライン(11)、およびポンプ(22)を有するポンプユニット(9)をさらに備え、
前記第1の送出ライン(7)は、前記コレクタデバイス(2、2’)とポンプユニット入口(18)との間で流体連結され、
前記第2の送出ライン(11)は、ポンプユニット出口(17)と前記受容設備(31)との間で流体連結され、
前記ポンプユニットは、前記第1の送出ライン(7)における吸引力および前記第2の送出ライン(11)における正圧を生み出すように構成され、
前記ポンプユニット(9)は、前記水域の表面(S)下で第1の深さ(d)において前記水域(W)内に沈められ、前記コレクタデバイス(2、2’)と前記受容設備(31)との間に配置される一方、前記コレクタデバイス(2、2’)は、前記表面(S)下で第2の深さ(t)に配置され、
前記ポンプユニット(9)は、前記コレクタデバイス(2、2’)に連結されていない連結手段(10、27、28)を介して前記船舶または他の搬送構造(1、1’)によって支持されている、揚水システム。
【請求項2】
前記ポンプ(22)は、渦巻きポンプ、容積型ポンプ、または前記液体に機械エネルギを加える任意のポンプから成るグループから選択される、請求項1に記載の揚水システム。
【請求項3】
前記ポンプユニット(9)は、密封ハウジング内のポンプモータ(22a)を備え、当該ポンプモータ(22a)は、前記ポンプ(22)から独立しているが、軸(22b)を介して前記ポンプに連結されている、請求項1または2に記載の揚水システム。
【請求項4】
前記受容設備(31)は、前記表面(S)より上の高さ(h)において構造(1、1’)に配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の揚水システム。
【請求項5】
前記ポンプユニット(9)の近傍の入口(18)において前記第1の送出ライン(7)に流体連結され、前記第1の送出ライン内への周囲の海水の流入を可能にするように動作可能な弁(30)を更に備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の揚水システム。
【請求項6】
前記弁は、チェック弁(30)である、請求項5に記載の揚水システム。
【請求項7】
前記弁は、手動あるいは自動で操作され、または、1または複数の所定の圧力で開閉するように設定されている、請求項5または6に記載の揚水システム。
【請求項8】
前記弁(30)は、調節可能弁である、請求項5~7のいずれか1項に記載の揚水システム。
【請求項9】
前記受容設備(31)の近傍に配置され、海水入口管(34)および前記第2の送出ライン(11)に流体連結されたフラッシングポンプ(32)を更に備え、
前記フラッシングポンプ(32)と前記第2の送出ライン(11)との間に遮断弁(33)が配置されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の揚水システム。
【請求項10】
前記ポンプユニット(9)は、水中の流体力学的抵抗を低減するために形作られたハウジング(13)を更に備える、請求項1~9のいずれか1項に記載の揚水システム。
【請求項11】
前記ポンプユニット(9)は、1または複数の重り(14)を更に備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の揚水システム。
【請求項12】
前記ポンプユニット(9)は、前記ポンプユニットに下方向への力を加えるように構成されて動作可能な深さ舵(19)を更に備える、請求項1~11のいずれか1項に記載の揚水システム。
【請求項13】
前記受容設備は、前記液体および物体(P)のための処理手段(31a~c)を備える処理プラントである、請求項1~11のいずれか1項に記載の揚水システム。
【請求項14】
前記コレクタデバイスは、トロール船(1)によって牽引されるように構成されたトロール網(2)であり、
前記牽引手段は、牽引ワイヤ(3)を有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の揚水システム。
【請求項15】
前記液体は、海水であり、
前記物体(P)は、魚、オキアミ、または他のバイオマス、ホタテ貝、岩石、鉄鉱石片から成るグループから選択される、請求項1~14のいずれか1項に記載の揚水システム。
【請求項16】
前記ポンプユニット(9)を支持する前記連結手段(10、27、28)は、牽引ワイヤ(10)、搬送アーム(27)、吊上げワイヤ(28)、舷外材及び伸縮アームのいずれか一つを有する、請求項1~15のいずれか1項に記載の揚水システム。
【請求項17】
前記連結手段(10、27、28)は、沈められた動作位置と、前記ポンプユニットが前記表面(S)上に持ち上げられた非動作位置との間で前記ポンプユニットを動かすように構成されている、請求項1から16のいずれか1項に記載の揚水システム。
【請求項18】
前記ポンプユニット(9)は、前記水上船舶または搬送構造(1、1’)内のタンクまたはムーンプール内に配置され、前記タンクまたはムーンプールは、周囲の海域に対し開かれている、請求項1~17のいずれか1項に記載の揚水システム。
【請求項19】
前記液体または混合物を前記受容設備へ送出する真空ポンプシステムとしての、請求項1~18のいずれか1項に記載の揚水システムの使用。
【請求項20】
請求項1~19に記載の揚水システムを動作させる方法であって、
a)前記第1の送出ライン(7)における圧力降下を決定、推定、または感知すること、および
b)前記ポンプユニット(9)内のポンプ(22)におけるキャビテーションを防ぐために十分なポンプ入口圧を提供する深さ(d)に前記ポンプユニット(9)を配置すること
によって特徴付けられる方法。
【請求項21】
請求項8に記載の揚水システムを動作させる方法であって、
a)前記第1の送出ライン(7)における圧力降下を決定、推定、または感知すること、および
b)前記ポンプユニット(9)内の前記ポンプ(22)におけるキャビテーションを防ぐために前記ポンプ(22)への流入圧を調整するために前記調節可能弁(30)を動作させること
によって特徴付けられる方法。
【請求項22】
前記第1の送出ライン(7)における前記圧力降下は、前記第1の送出ライン(7)の長さ、内径及び内側表面特性に基づいて決定または推定される、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記工程b)は、牽引ワイヤ(10)、搬送アーム(27)、吊上げワイヤ(28)、舷外材及び伸縮アームのいずれか一つを有するポンプユニット連結手段を動作させることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の深さ(d)は、10~30メートルであり、
前記第2の深さ(t)は、平均海面と300メートルとの間である、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揚水による流体輸送の分野に関し、具体的には、液体に浮遊する物体の輸送に関する。本発明は、たとえばペレット、岩石、鉄鉱石、食料品、魚、オキアミ、および他の水生バイオマスなどの浮遊物体の汲み上げに役立つ。
【背景技術】
【0002】
オキアミは、海洋に生息し、商業目的で収穫される動物プランクトンの一種である。オキアミは、その小さなサイズによって、細かい網目のプランクトンネットで作られたトロール網によって捕獲する必要がある。トローリングは、細かい網目のネットによって生じる高抗力によって、またオキアミおよびネットの詰まりおよび損傷を防ぐために、低速で行われる必要がある。
【0003】
元来、オキアミ捕獲物は、トロール網を水から揚げることによってトロール船上に持ち込まれていた。これによって、オキアミが圧縮されることによりその液体の大部分が失われ、それが捕獲物の品質に不利益をもたらした。その後の技術開発は、ネットの狭小端から大型ホースを通してトロール船上にオキアミを汲み上げることを含む。この方法は、捕捉容積およびオキアミ処理速度を増加させ、オキアミがトロール網内に留まる時間を低減することにより捕獲物の品質を改善する。
【0004】
従来技術はトローリングプロセス中、トロール網からトロール船へ捕獲物が継続的に輸送される手段によるトローリング法およびデバイスを説明するWO2008/125332 A2を含む。トロール網の開口端に開放フィッシュポンプが設けられ、ポンプは吸引側においてトロール網の方へ向けられ、圧力側は送出ホースに連結される。ポンプは、表面からの圧力下で供給される油圧油または他の油圧流体によって、または電動モータによって動かされる。トローリングプロセス中にトロール網の端部へ向かって導かれる捕獲物は、トローリングプロセス中に捕獲物/水の混合物として送出ホース内へ継続的に汲み上げられ、トロール船上で輸送される。
【0005】
また従来技術は、入口開口部においてトロール船の後端に連結され、入口開口部から、壁部、屋根部、および水を濾すための穴を有する底部によって画定された第2の部分へ伸長し、下流部分において終結する、好適には剛性または可撓性の細長い収集かごを備えるトロール網を説明するWO2005/004593 A1も含む。収集かごから水上船舶へバイオマスを運搬する運搬ホースまたはパイプは、漏斗を介してかごの下流または船尾内へ開いている。空気または他の流体は、インジェクタ効果または(噴射された空気がホース内で膨張すると流体が持ち上げられ、収集かごから船へのバイオマスの吸引をもたらす)エアリフトポンプ効果によって、噴射用供給ホースを介して船から運搬ホースまたはパイプ内へ順に供給される。
【0006】
また従来技術は、入口および出口、上記入口および出口の間に配置されたジェットパイプ、ジェットパイプの下流端と上記出口との間の第1の位置から、ジェットパイプの上流端と上記入口との間の第2の位置における推進水リングノズルへ至る通路システム、および上記システムの周囲で水を汲み上げ、上記推進水リングノズルを通過させるための上記通路システム内のポンプロータを備える、魚と水との混合物を運搬するためのポンプアセンブリを説明するGB 1 172 179も含む。
【0007】
また従来技術は、トローリング動作中にトロール網を空にするための装置を説明するGB 1 225 469も含む。この装置は、エジェクタを通るように魚および水を推進させ、管をトロール船上の収集地点へ戻すために、開口部を通して水を引き入れ、出口を通して圧力下で水を供給する高圧水ポンプを備える。油圧モータは、ポンプの動作のために用いられ得る。
【0008】
従来技術による欠点の1つは、トロール網と水上船舶との間で魚またはバイオマスを輸送するために大きな径の管およびホースが必要であるという点である。他の欠点は、非常に長いホース、制御および電力線、またそれに対応するトロール船上の大きな収納ドラムの必要性であり、その観点から、トロール船とトロール網との間の距離は600~800メートル以上であり得る。
【0009】
本発明は、従来技術に対する特定の改善を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、独立請求項において記載および特徴付けされ、従属請求項は、本発明の他の特性を説明する。
【0011】
よって、液体または液体と1または複数の物体との混合物を、水域内に沈められたコレクタデバイスから、水上船舶または構造に配置された受容設備へ移動するための揚水システムであって、第1の送出ライン、第2の送出ラインおよびポンプユニットを備え、
ポンプユニットは、水域の表面下で第1の深さにおいて水域内に沈められ、コレクタと受容設備との間に配置され、
第1の送出ラインは、コレクタデバイスとポンプユニット入口との間で流体連結され、
第2の送出ラインは、ポンプユニット出口と受容設備との間で流体連結され、
ポンプユニットは、第1の送出ラインにおける吸引力および第2の送出ラインにおける正圧を生み出すように構成される、揚水システムが提供される。
【0012】
1つの実施形態において、ポンプユニットは、渦巻きポンプ、容積型ポンプ、または上記液体に機械エネルギを加える任意のポンプから成るグループから選択されるポンプを備える。ポンプユニットは、ポンプから独立しているが軸を介してポンプに連結された密封ハウジング内のポンプモータを備えてよい。
【0013】
1つの実施形態において、受容設備は、表面より上の高さにおいて構造に配置される。
コレクタデバイスは、表面下で第2の深さに配置される。
【0014】
1つの実施形態において、揚水システムは、ポンプユニットの近傍の入口において第1の送出ラインに流体連結され、第1の送出ライン内への周囲の海水の流入を可能にするように動作可能な弁を備える。弁は、チェック弁であってよい。弁は、手動または自動で操作され、または1または複数の所定の圧力で開閉するように設定され得る。弁は、調節可能弁であってよい。
【0015】
1つの実施形態において、揚水システムは、受容設備の近傍に配置され、海水入口管および第2の送出ラインに流体連結されたフラッシングポンプを更に備え、フラッシングポンプと第2の送出ラインとの間に遮断弁が配置される。
【0016】
1つの実施形態において、ポンプユニットは、支持手段を介して船舶または他の搬送構造によって支持され、支持手段は、沈められた動作位置と、ポンプユニットが表面上に持ち上げられた非動作位置との間でポンプユニットを動かすように構成される。
【0017】
ポンプユニットは、水中の流体力学的抵抗を低減するために形作られたハウジングを備えてよい。1つの実施形態において、ポンプユニットは、1または複数の重りを備える。またポンプユニットは、ポンプユニットに下方向への力を加えるように構成され動作可能な深さ舵も備えてよい。
【0018】
1つの実施形態において、受容設備は、液体および物体のための処理手段を備える処理プラントである。1つの実施形態において、コレクタは、牽引ワイヤを介してトロール船によって牽引されるように構成されたトロール網である。コレクタは、海底に置かれたコレクタであってもよい。
【0019】
液体は好適には海水であり、物体は、魚、オキアミ、または他のバイオマス、ホタテ貝、岩石、鉄鉱石片から成るグループから選択される。
【0020】
よって本発明の揚水システムは、上記液体または混合物を上記受容設備へ送出する真空ポンプシステムとして用いられ得る。これは、水を(吸引によって)第1の送出ライン(真空ライン)を通して引き入れる時のポンプキャビテーションを防ぐために、ポンプ入口における十分な圧力を得るために必要な深さまでポンプユニットを沈めることによって実現される。必要な深さは、第1の送出ラインの長さに(特に)依存する。たとえば、トローリングが海水位(海面)で行われる場合、第1の送出ラインの一般的な長さは150メートルほどであり、このラインを通した圧力降下は、トローリングがより深い深さで行われる(ことによって第1の送出ラインにより長い長さが必要である)場合よりも大幅に少ない。
【0021】
また、本発明に係る揚水システムを動作させる方法であって、
a)第1の送出ラインにおける圧力降下を決定、推定、または感知すること、および
b)ポンプユニット内のポンプにおけるキャビテーションを防ぐために十分なポンプ入口圧を提供する深さにポンプユニットを配置すること
によって特徴付けられる方法も提供される。
【0022】
また、本発明に係る揚水システムを動作させる方法であって、
a)第1の送出ラインにおける圧力降下を決定、推定、または感知すること、および
b)ポンプユニット内のポンプにおけるキャビテーションを防ぐためにポンプへの流入圧を調整するために調節可能弁を動作させること
によって特徴付けられる方法も提供される。
【0023】
第1の送出ラインにおける圧力降下は、第1の送出ラインの長さ、内径、および内側表面特性に基づいて決定または推定され得る。
【発明の効果】
【0024】
ポンプユニットが沈められる本発明によると、ポンプユニットを船舶付近に、または船舶に連結して配置することが可能であり、その結果、たとえばより短い制御ケーブルおよび電力ケーブル、より簡単なメンテナンスなど、いくつかの動作上の利点がもたらされる。
【0025】
表面からの追加の流体(たとえば水または空気)の注入または噴射に大幅に頼り、事実上、ベンチュリ駆動インジェクタポンプまたはエアリフトポンプである従来技術は、比較的大きな径の送出ラインを必要とする。対照的に本発明は、揚水される媒体のみを用い、そのような任意の外部供給流体に依存しない。冠水ポンプユニットは、送出ライン径をたとえば8~10インチ(20.3~25.4cm)まで、従来技術と比較して著しく低減することを可能にする。ポンプユニットを水域内により深く沈めることにより、第1の送出ラインは、より大きな真空に耐え得る。
【0026】
ポンプ(たとえば渦巻きポンプまたは容積型ポンプ)が水域内に沈められる本発明のシステムは、事実上、水面より十分上の高さまで流体を送出することが可能な真空ポンプシステムである。
【0027】
本発明のシステムによると、ポンプ用の長いホースおよびケーブルの必要性、および対応するトロール船上の大きな収納ドラムの必要性が緩和される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明のこれらの特性および他の特性は、添付図面を参照して、非限定的な例として与えられた好適な形式の実施形態に関する以下の説明から明らかになる。
【0029】
図1】水域内でトロール網を牽引するトロール船および本発明の揚水システムの実施形態の略側面図である。
図2図1に示すポンプユニットの実施形態の略断面図である。
図3】ポンプユニットの他の実施形態の略側面図である。
図4図4aおよび図4bは、それぞれ動作(伸長)位置および非動作(退避)位置においてポンプユニットを吊り下げ、動作させるための代替実施形態の略部分断面図である。
図5図5aおよび図5bは、それぞれ動作(伸長)位置および非動作(退避)位置においてポンプユニットを吊り下げ、動作させるためのまた別の実施形態の略部分断面図である。
図6】本発明の揚水システムの実施形態の略見取り図である。
図7図6に示す揚水システムの実施形態の略図である。
図8】通常動作を示す、本発明の揚水システムの実施形態の略図である。
図9】ホース清掃手順を示す、図8に対応する本発明の揚水システムの実施形態の略図である。
図10】ポンプチェック弁または遠隔制御解放弁が作動している状態を示す、図8および図9に対応する本発明の揚水システムの実施形態の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の説明は、たとえば「水平」、「垂直」、「横方向」、「前後」、「上下」、「上側」、「下側」、「内側」、「外側」、「前方」、「後方」などの用語を用いる。これらの用語は一般に、図面に示され、本発明の通常の使用に関連する外観および配向に言及するものである。この用語は、単に読み手の利便性のために用いられており、限定的なものではない。
【0031】
図1は、トロールワイヤ3によって水域W(たとえば海)内でトロール網2を牽引するトロール船1を示す。トロールワイヤは、ブーム4またはオッターボードなどの連結部材を介してトロール網開口端20に連結される。トロール網は、当該技術において知られるような網を備え、流量センサ5a、5bが狭小端21に向かって配置される。1または複数の重り6は、当該技術において周知の方法で開口端20に連結される。参照文字Pは、トロール網によって捕捉されるバイオマスを示し、バイオマスは、たとえば魚またはオキアミである。
【0032】
トロール船1のすぐ後ろかつ水面S下の距離dに、ポンプユニット9が配置される。図示された実施形態において、ポンプユニット9は、牽引ワイヤ10を介してトロール船1に連結され、その後ろで牽引される。油圧系および必要に応じて他の必要な電力線、制御線、およびシグナリング線を備えるアンビリカル12は、トロール船上の電力システム、制御システム、支持システム、およびユーティリティシステム(不図示)とポンプユニットとの間に連結される。トロール網の狭小端(すなわち、後方の狭い端部)21とポンプユニット9との間に、第1の送出ホース7が伸長する。参照番号8は、第1の送出ホースがトロール網2内に連結され、トロール網2内に部分的に組み込まれる手段(縫い合わせなど)を示す。ポンプユニット9とトロール船1との間に、第2の送出ホース11が伸長する。トロール船上で、第2の送出ホース11は、貨物倉または処理設備(図1には不図示)内で終わりをなす。
【0033】
次に図2を参照すると、ポンプユニット9は、ポンプユニットが水中で引き回される時の流体力学的抗力を低くするために、図示された実施形態において球形であるハウジング13を備える。
【0034】
ハウジング13の内部には、好適には油圧駆動式であり、アンビリカル12(図1を参照、図2には不図示)を介して制御される内部モータ(図2には不図示)によって駆動される羽根車23を備える渦巻きポンプ22がある。理解すべき点として、モータは電動モータであってもよい。羽根車およびモータ構成は当該技術において周知であるため、ここで詳細に説明する必要はない。理解すべき点として、ポンプは容積型ポンプであってもよい。
【0035】
使用中、ポンプ22は部分的真空を生み出し、それによって第1の送出ホース7における吸引力、および第2の送出ホース11における過圧(吐出圧)が生じる。したがって第1の送出ホース7は、ポンプユニットの吸引端(入口)18に連結され、第2の送出ホース11は、ポンプユニットの吐出端(出口)17に連結される。ポンプは、羽根車の吸引側に流体連結された、すなわち第1の送出ホース7およびポンプ入口18と流体連通状態にあるチェック弁30も備える。
【0036】
図2は、流体流入QがオキアミPを伴ってどのように第1の送出ホース7を通ってポンプ内へ流入し、流体流出Qがどのように第2の送出ホース11を通りポンプから流出し、オキアミPをトロール船(図1を参照、図2には不図示)に送出するかを示す。
【0037】
理解すべき点として、第1の送出ホース7は、崩壊せずに吸引に耐えられる必要があり、そのために、スパイラル鉄筋ストリングなどで仕上げられ得る。しかし、第2の送出ホース11は、正圧しか受けないので、そのような性能を有する必要はないが、高い正圧およびたとえば飛沫帯における波の作用や船体による摩耗などの外力に耐えるように設計され得る。非限定的な例として、第1の送出ホース7は、長さ600メートルかつ内径8~10インチ(20.3~25.4cm)の真空ホースであってよく、3バールの真空(すなわち負圧)に耐える性能を有し得る。第2の送出ホース11は、長さ約60メートルかつ内径8~10インチ(20.3~25.4cm)の圧力ホースであってよい。
【0038】
実用において、トロール船とトロール網の開口端20との間の水平距離は、一般に約100~600メートルであってよい。また、たとえばオキアミのトローリングの場合、トロール網の深さtは一般に0(平均海面)~水面S下300メートルであってよく、ポンプユニット9が配置される水面下の距離dは10~30メートルであってよい。典型的な水面上の揚高h(図1を参照)は、5~10メートルであってよい。本発明は、これらの数値に限定されるものではないが、海中のポンプユニットをトロール船付近または少なくともトロール網の前方の距離に配置することによって、従来技術のシステムと比較して第1の送出ホースにおけるより大きな圧力降下が許容され得る。これは、ポンプユニットが、ポンプ内のキャビテーションを防ぐために必要な深さまで沈められなければならないためである。また、チェック弁30は、キャビテーションを防ぐために(たとえば遠隔的に)制御され得る。したがって、理解すべき点として、チェック弁30は、解放弁によって作動され、または解放弁と置き換えられ得る。チェック弁(解放弁)を作動させることにより、制御された水流が弁を通ることができるので、第1の送出ホース7(すなわち真空ホース)内の流量が少なくなる。
【0039】
上述したように、ポンプユニットハウジング13は、流体力学的抗力を最小限にするための形状である。また、ポンプユニット9が水中で安定した予測可能な方法で動くために、ハウジングは、図示した実施形態において腹側フィン15および背側フィン16であるスタビライザフィンを備える。理解されるように、他のフィン構成が有利であってもよい。ポンプユニット9の流体力学的特性を更に強化するために、1または複数の重り群14がポンプハウジングに取り付けられ得る。図2は1つの重り群のみを示すが、理解すべき点として、重りは様々な方法でポンプユニットに追加され得る。非限定的な例において、重り群14は、3トンの下方向への力Fを生み出し得る。牽引ワイヤ10における引張力Fは5.8トンであり、トロール船および第1の送出ホースによって生じる抗力Dは4トンであり、第2の送出ホースによって生じる抗力Dは1トンである。
【0040】
ポンプユニットの重量を小さくすることが望ましくあり得るため、たとえばポンプユニットを持ち上げて海から出し入れする時、重り群14を取り外し、あるいはその質量を低減することが望ましくなり得る。これは、図3に示す実施形態によって実現され得る。ここで、ポンプユニットに深さ舵が取り付けられる。深さ舵は、それ自体が当該技術において周知である方法で、たとえば上述したアンビリカルを介して水力または電力によって動かされ得る。深さ舵は、重り群への依存を緩和または除去する下方向への力を生み出すために動作してよい。
【0041】
ポンプユニット9は牽引ワイヤによって牽引されるものとして上述されたが、理解すべき点としてポンプユニットは様々な方法でトロール船に連結され得るように、本発明はこの連結手段に限定されるものではない。たとえばポンプユニットは、トロール船の舷外材、またはポンプユニットを水面下に沈めることが可能な伸縮アームや他の構造に連結され得る。また、ポンプユニット9はトロール船内のタンク(不図示)またはムーンプール内に配置され、タンクが周囲の海域に対し開かれていることも考えられる。ポンプユニットは、タンクまたはムーンプール内に配置され、水およびバイオマスの混合物が第1の送出ホース7(真空ホース)およびトロール網出口を通って輸送される時のキャビテーションを防ぐために必要な圧力をポンプ入口18にもたらすために、水面S下の深さdまで沈められる。
【0042】
図4aおよび図4bは、そのような代替連結手段の1つを示す。ここでポンプユニット9は、車軸または他の枢軸部材25によって軸支された搬送アーム27に連結される。吊上げワイヤ28は、ポンプユニット(または搬送アームの下部)とオーバーヘッドウィンチ24との間に伸長する。第2の送出ホース11(正圧)およびアンビリカル12は搬送アームに沿って配置され、参照番号26は、第2の送出ホースの開口部を示す。したがって、ウィンチ24を動作させることにより、ポンプユニットは、トロール船下の伸長位置(図4a、動作状態)と退避位置(図4b、非動作状態)との間で動作してよい。
【0043】
図5aおよび図5bは、他のそのような代替連結手段を示す。ここで、ポンプユニット9は、ガイド構造29を通って走る吊上げワイヤ28に連結される。ガイド構造29の頂部にウィンチ24が配置され、ガイド構造の下部は、トロール船体を通って海に対して開かれている。第2の送出ホース11(正圧)およびアンビリカル12は、ガイド構造に沿って配置される。したがって、ウィンチ24を動作させることにより、ポンプユニットは、トロール船下の伸長位置(図5a、動作状態)と退避位置(図5b、非動作状態)との間で動作してよい。
【0044】
図6は、図1に示すシステムの特定の部分の概略図である(たとえば牽引手段などの特定の特徴は省略されている)。トロール網2は、海底Bの上で、水域W内に浮遊しているものとして示される。ただし、理解すべき点として、本発明は、トロール網が水中で動いている、水中で停止している、海底Bに沿って動いている、または海底Bにおいて静止している状況および構成にも等しく適用可能である。これは図6において、参照番号2’および海底コレクタを示す点線によって示される。また、上記説明は、魚または他のバイオマスPのためのトロール船を参照するが、理解すべき点として、トロール船は、水中に浮遊する任意の物体を収集し、水およびそのような物体の混合物を第1の送出ホース7内へ供給するために設計された任意の適切なコレクタと置き換えられ得る。したがってトロール網2は、以下に示すいくつかの例において、単に「コレクタ」2と称される。魚、オキアミ、および他のバイオマスに加えて、物体Pは、岩石、砂利、鉄鉱石、ホタテ貝などであってよく、当業者が理解するように、コレクタ2は、意図された特定の捕獲物のために設計される必要がある。たとえば意図された捕獲物が海底にある物体である場合、コレクタは、第1の送出ホース入口の直前で海底から物体を投げ上げるように構成されたデバイス(たとえば機械ショベル)を備えてよい。
【0045】
したがって、上述したトロール船1は、実際は水面上の任意のボート、船、または構造であってよく、処理プラント31は、適用可能な捕獲物(物体Pと水との混合物)を処理するために設計される。したがって図6は、第1の送出ホース7によって冠水ポンプユニット9に流体連結された、水域内に配置されたコレクタ2(または海底上の2’)を示し、ポンプユニット9は、第2の送出ホース11によって船1上の処理プラント31に流体連結される。
【0046】
実用において、物体Pと水との混合物は、可撓性ホース7、11によってコレクタ2から処理プラント31へ輸送されるが、本発明は、そのような導管に限定されるものではない。一般に、任意の既知の流体導管が使用され得る。したがって、第1および第2のホースは、以下、第1および第2の送出ライン7、11とも称される。
【0047】
図7は基本的に、図6に示す揚水システムの概略図である。参照番号1’は、水面S上の距離hにある(たとえば船の)デッキまたはプラットフォームを示す。ポンプユニット9は、軸22bを介してモータ22aによって駆動されるポンプ22を備える。モータ22aは、電動モータ、油圧モータ、または当該技術において既知である他の任意の適切なモータであってよい。モータ22aは、自身のハウジング内に配置され、ポンプ22およびそれに伴う揚水媒体から密封される。ポンプモータ22aとポンプ22との間の唯一の連結は、シール(不図示)を通って伸長する軸22bを介する。このモータとポンプとの分離は、モータが油圧流体(油)を利用する実施形態において特に有利であり、漏洩によって揚水媒体(魚および水)が汚染されることがない。ポンプモータ22aは、スプライン連結を介して軸22bに連結されてよく、それによってモータは、ポンプ22を送出ラインから切り離す必要なく取外しまたは交換され得る。
【0048】
ポンプユニット9は、水面下の垂直距離(深さ)dにおいて水中に配置され、コレクタ2(または2’)は、水面下の垂直距離tに配置される。図6および図7には示さないが、コレクタ2とデッキ1’との間の距離は600メートルほどであってよい。
【0049】
渦巻きポンプまたは容積型ポンプであってよいポンプ22は、部分的真空を生み出し、それによって第1の送出ライン7における吸引力、および第2の送出ライン11における過圧(吐出圧)が生じる。図2を参照して上述したように、第1の送出ライン(送出ホース)7は、崩壊せずに吸引に耐えられる必要があり、そのために、スパイラル鉄筋ストリングなどで仕上げられ得る。しかし、第2の送出ライン(送出ホース)11は、正圧しか受けないので、そのような性能を有する必要はない。
【0050】
実用的かつ非限定的な例として、第1の送出ライン7の長さは600メートルであってよく、このライン(吸引ホース)の径は8インチ(20.3cm)であり、流速は400トン/時間であり、第1の送出ライン7(すなわち、コレクタ2からポンプ22まで)において約1.8バールの圧力降下が生じる。ポンプユニット9(およびポンプ22)が深さd=30メートル(すなわち圧力4バール)に配置された場合、ポンプは、ポンプ内でキャビテーションが起こるまでに2.2バールの圧力マージンを有する。デッキ1’が水面上の約h=6メートルに配置された場合、水中からデッキ上へ送出ラインの内容物(水および物体P)を持ち上げるために約0.6バールが必要である。したがって、やはりキャビテーションが起こるまでに十分なマージンが存在する(対照的に、当該技術において既知であるように、冠水ポンプがデッキ上の真空ポンプと置き換えられた場合、必要な真空は2.4バールであり、キャビテーションが引き起こされる)。
【0051】
上記に基づいて、理解されるように、更なる深さ(d)までポンプを沈めると、ポンプキャビテーションに対するマージンは増加する。また、第1の送出ライン7の長さがより短い(たとえば150メートル)場合、第1の送出ライン7における圧力降下は比例して(たとえば0.45バールまで)減少し、対応して深さdの要件が減少する。そのようなより短い送出ラインは、より浅い深さで魚のトローリングを行う場合に適用可能である。
【0052】
よって理解すべき点として、上述したようにポンプを水域内に沈めることにより、事実上、水面よりも十分に上の高さまで流体を送出することができる真空ポンプシステムが生じる。
【0053】
本発明の基本原理は、キャビテーションを防ぐために十分な深さdまでポンプユニット9を沈めることである。したがって必要な深さdは、(コレクタ2を含む)第1の送出ライン7における圧力降下に基づいて決定され得る。
【0054】
ここで図8を参照すると、入口弁37およびゲート弁36が第2の送出ライン11に配置され、送出ラインは、水分離器31a、貯蔵タンク31b、および処理設備31cに連続的に連結される。当業者が知るところとなるように、これらの構成要素は、適用可能な捕獲物(すなわち物体Pの性質)のために設計、構成、および寸法決めされてよく、処理プラント31は事実上、任意の受容設備であってよい。排水パイプ35は、水を海へ還元するように構成される。フラッシングポンプ32は、パイプ34を介して入口弁37とゲート弁36との間で第2のライン11内へ水を供給するように構成され、フラッシングポンプ32と第2のライン11との間に遮断弁33が配置される。フラッシングポンプ32は一般に、船上に配置され、約3バールで500~1000トン/時間の流量を送出するように構成される。
【0055】
チェック弁30は、第1のライン7に連結され、よってポンプ2の入口側に連結され、ポンプユニット9内に配置される。チェック弁30は、第1のライン7の崩壊を防ぐように事前設定され、または動作し、その結果、システムの安全弁として機能する。チェック弁の典型的な動作圧は2バールであるが、この圧力は、適用可能な要件に従って設定され得る。安全弁機能を実行することに加えて、チェック弁は、ポンプを通過する海水および魚の混合物を制御し、その結果、実際は混合弁として機能するように(手動で、またはたとえばセンサ入力に基づいて自動的に)動作してよい。水流量を増加させることが望ましい場合、弁は、所望の期間、完全にまたは部分的に開かれ得る。
【0056】
図8は、システムが動作している、すなわち水および物体Pの混合物をコレクタ2から処理プラント31へ供給している状況を示す。遮断弁33は閉じられ、フラッシングポンプ32はオフである。入口弁37およびゲート弁36は開いている。ポンプ22は動作中であり、チェック弁30は、海水が弁30を通過しないように閉じている。この状態において、システムは、キャビテーションを防ぐために許容可能な公差内で動作している。弁30は、所定の圧力で開閉するように設計され、あるいは遠隔操作され得る。
【0057】
動作(たとえばトローリング)中、第1の送出ライン7またはトロール網出口は、物体Pの集合によって、または瓦礫や他の不所望の物体によって詰まることがある。本発明のシステムは、ポンプおよびラインを水中から出す必要なく、この問題を解決することが可能である。図9は、送出ラインから障害物を除去するためのそのような清掃手順を示す。この構成において、冠水ポンプ22は動作しておらず、ゲート弁36は閉じている。入口弁37および遮断弁32は開いており、フラッシングポンプ32は動いている。したがって、海水は、フラッシングポンプ32によって、パイプ34を通って第2のライン11内へ汲み出され、非動作ポンプ22を通って第1の送出ライン7内へ至り、それによって第1の送出ラインおよびトロール網出口を通り再びトロール網内へ流れる。
【0058】
図10は、チェック弁30に固有の安全特徴を示す。通常動作時のように、遮断弁33は閉じており、フラッシングポンプ32はオフであり、入口弁37およびゲート弁36は開いている。第1のライン7内またはコレクタ2の入口において詰まりが生じた場合、チェック弁30の開放圧を超えるまで第1のライン内に真空をもたらすことにより、チェック弁が開く。特定の用途において、センサおよび制御システム(不図示)が冠水ポンプ22を遮断する。その後、図9を参照して上述した手順によって、詰まりは除去され得る。
【0059】
本発明のシステムは、ポンプユニット9がトロール船に(ワイヤ、搬送アームなどを介して)連結されるものとして上述されたが、本発明は、そのような物理的連結に限定されるものではない。理解すべき点として、本発明は、ポンプユニットがトロール網(コレクタ)の前方、すなわちトロール船に向かう方向に配置され、第2の送出ラインがポンプユニットとコレクタとの間で連結されたシステムにも等しく適用可能である。
【0060】
本発明は、渦巻きポンプを参照して説明されたが、理解すべき点として、本発明は、渦巻きポンプおよび容積型ポンプ、および揚水されている海水に機械エネルギを加える他のポンプにも等しく適用可能である。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10