(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】プラスチック部材同士を接合する方法
(51)【国際特許分類】
B29C 65/12 20060101AFI20230307BHJP
B65D 13/00 20060101ALI20230307BHJP
C12M 1/22 20060101ALI20230307BHJP
C12M 3/00 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
B29C65/12
B65D13/00
C12M1/22
C12M3/00 A
C12M3/00 Z
(21)【出願番号】P 2020561948
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(86)【国際出願番号】 EP2019052295
(87)【国際公開番号】W WO2019149779
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-12-03
(31)【優先権主張番号】102018201349.7
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501112208
【氏名又は名称】グライナー バイオ-ワン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュテームラー,ルッツ
(72)【発明者】
【氏名】トゥム,アンドレアス
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-116075(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0245471(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00-65/82
B65D 6/00-13/02
C12M 1/00-3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1の区画要素と、該第1の区画要素に接合領域において熱可塑性により溶着された少なくとも1つの第2の区画要素とを含む、少なくとも部分的に熱可塑性のプラスチックから構成された容器を製造する方法であって、
a)少なくとも1つの第1の区画要素(1)および第2の区画要素(2)を提供する方法ステップであって、該区画要素(1,2)が、該区画要素の外縁部を含む熱可塑性の材料から成る少なくとも1つの接合ゾーン(3)を備えた板要素をそれぞれ有していて、少なくとも前記第2の区画要素が、前記板要素の外周面周りに配置された、遠位の第1の外縁部(6)および近位の第2の外縁部(5)をそれぞれ備えた側壁(4)を含む、方法ステップと、
b)少なくとも2つの前記区画要素(1,2)を互いに接合する方法ステップであって、熱可塑性のプラスチックから成る前記接合ゾーン(3)同士を接触させ、前記第1の区画要素の外縁部を、前記第2の区画要素の前記第1の外縁部に全周にわたって突き合わせ、2つの区画要素(1,2)間に全周にわたる突き合わせ部を形成する、方法ステップと、c)前記少なくとも2つの区画要素(1,2)を温度調整式の少なくとも1つのノズル(7)により溶着する方法ステップであって、前記少なくとも1つのノズル(7)を前記突き合わせ部に接触させて該突き合わせ部の周面周りにガイドするか、または前記突き合わせ部を前記少なくとも1つのノズル(7)に接触させて該少なくとも1つのノズル(7)に沿ってガイドし、前記区画要素のそれぞれの前記第1の外縁部(6)および前記第2の外縁部(5)を可塑化すると同時に、可塑化された溶加材(8)を前記突き合わせ部に移送し、これにより、前記両区画要素(1,2)間に溶着継目(15)を形成する、方法ステップと、
d)前記少なくとも2つの区画要素(1,2)が互いに溶着されているプラスチック容器(9)を得る方法ステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の区画要素が、前記板要素の外周面周りに配置された、前記板要素に対して平行に配置された遠位の第1の外縁部(6)および近位の第2の外縁部(5)をそれぞれ備えた側壁(4)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
方法ステップa)において、少なくとも1つの別の区画要素を提供し、方法ステップb)において、該別の区画要素の第1の外縁部(6)を前記第2の区画要素または場合により存在するさらに別の区画要素の前記第2の外縁部(5)に全周にわたって接合し、ステップc)において、互いに接合された前記区画要素間に形成された前記突き合わせ部を溶着する、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各々の別の区画要素が、板要素と、該板要素の外周面周りに配置された、前記板要素に対して平行に配置された遠位の第1の外縁部(6)および近位の第2の外縁部(5)をそれぞれ備えた側壁(4)とを含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
方法ステップb)において、前記区画要素同士を互いに相対回動不能に互いに接合する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの区画要素および前記溶加材(8)が、同一の材料から成る、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのノズル(7)が、前記溶加材(8)を可塑化する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも2つの区画要素(1,2)のうちの少なくとも1つの区画要素が、ポリスチロール、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンから成る群から選択された1種または複数種の熱可塑性樹脂を含む材料から成る、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記溶加材(8)の材料が、ポリスチロール、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンから成る群から選択された1種または複数種の熱可塑性樹脂である、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記溶加材(8)を、造粒体の形で前記少なくとも1つのノズル(7)に供給する、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記溶加材(8)を、連続的なストランドの形で前記少なくとも1つのノズル(7)に供給する、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
別の方法ステップb’)において、前記区画要素を前記突き合わせ部の領域において予熱する、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
方法ステップb’)において、前記区画要素を前記突き合わせ部の領域において加熱空気、赤外線放射および/またはマイクロ波放射により予熱する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
別の方法ステップc’)において、前記溶着継目(15)を加熱する、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
方法ステップc’)において、前記溶着継目(15)を加熱空気、赤外線放射および/またはマイクロ波放射により加熱する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記区画要素相互の突き合わせにより、方法ステップb)において、前記区画要素間の前記突き合わせ部の領域に少なくとも1つの凹部を形成する、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記温度調整式の少なくとも1つのノズル(7)を、方法ステップc)において、前記少なくとも1つの凹部内に完全にまたは部分的に導入する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記区画要素
を含む前記容器が、細胞の培養および/または検査のため
の細胞培養容器である、請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの区画要素が、細胞培養シャーレである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの区画要素が、細胞培養培地用の供給通路としての接続通路を有している、請求項18または請求項19に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つの区画要素が、消費された細胞培養培地用の排出通路を有している、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの第1の区画要素と、この第1の区画要素に接合領域において熱可塑性により溶着された少なくとも1つの第2の区画要素とを含む、少なくとも部分的に熱可塑性のプラスチックから構成された容器を製造する方法、ならびに本発明に係る方法により製造可能な、好適には製造されたプラスチック容器に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性のプラスチックから成る容器を製造する際の特別な課題は、容器を形成する複数のプラスチック要素の、固くて、特に余すところのない接合である。現在、プラスチック部材同士の溶着のためには、先行技術において種々異なる方法が使用されている。
【0003】
いわゆるレーザ溶着は、互いに異なる2種のプラスチックを使用することに基づいている。これらのプラスチックのうち、一方のプラスチックはレーザに対して透過性であり、他方のプラスチックはレーザのエネルギを吸収するので、熱可塑性のプラスチックが局所的に加熱され、接合圧を加えることで個別のプラスチック部材間の溶着が行われる。
【0004】
いわゆる超音波法では、意図的に特定されたプラスチックの部分が超音波により加熱され、これにより、加熱された熱可塑性のプラスチック部材の接合が接合圧を加えつつ行われる。この方法において不都合であるのは、特にパーティクル形成のリスクである。
【0005】
個別のプラスチック要素を互いに接合するための別の可能性は、プラスチック容器の個別の要素を互いに接着することにある。しかし、これにより、不都合なことには、接着剤もしくは使用された溶剤の残分が接合箇所に残ってしまうリスクがあり、したがって、この形式で製造された容器の使用分野は著しく制限されてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
加熱要素溶着、熱風溶着またはスピン溶着では、熱可塑性のプラスチック部材は、まず、加熱により可塑化され、次いで接合圧を加えることによって互いに接合される。加熱要素溶着は、溶着すべき両方の熱可塑性のプラスチック部材のうちの少なくとも一方のプラスチック部材と加熱要素との接触を含む。これにより、接合面が局所的に可塑化される。次いで、第2のステップにおいて、溶着すべきプラスチック部材同士の接合が接合圧を加えることによって行われる。加熱要素溶着とは異なり、熱風溶着では、溶着すべきプラスチック部材のうちの少なくとも一方のプラスチック部材の接合面が、加熱ガス流により局所的に可塑化される。この方法でも、プラスチック部材同士の接合は、接合圧を加えることによって行われる。スピン溶着では、プラスチックの可塑化が、摩擦熱によって行われる。この摩擦熱は、溶着すべきプラスチック部材を、回動しないように固定された第2のプラスチック部材上で回転させる際に発生させられる。接触し合う接合面の領域において、接合すべきプラスチック部材同士が溶融し始め、圧力を加えることによって互いに固く接合される。
【0007】
独国特許出願公開第3609775号明細書は、少なくとも接合箇所の領域において熱可塑性であるプラスチックを材料接合式に接合する装置に関する。この装置は、熱放射機構および/またはマイクロ波放射機構と、2つのプラスチック部材の接触領域に、可塑化されたプラスチックを供給する供給ノズルとを含む。これにより、少なくとも接合箇所の領域において熱可塑性であるプラスチック部材が材料接合式に互いに接合される。
【0008】
本発明の課題は、少なくとも部分的に熱可塑性のプラスチックから構成された容器を製造する方法を改良して、先行技術において公知の接合方法の欠点を克服し、これにより、有利には接合圧を加える必要なしに、容器を形成する個別のプラスチック部材同士の、特に接着剤、溶剤およびパーティクルのない溶着が行われるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、その根底にある技術的な問題を、特に独立請求項に記載の対象により解決する。
【0010】
本発明は、特に、少なくとも1つの第1の区画要素と、この第1の区画要素に接合領域において熱可塑性により溶着された少なくとも1つの第2の区画要素とを含む、少なくとも部分的に熱可塑性のプラスチックから構成された容器を製造する方法であって、
a)少なくとも1つの第1の区画要素および第2の区画要素を提供する方法ステップであって、これらの区画要素が、これらの区画要素の外縁部を含む熱可塑性の材料から成る少なくとも1つの接合ゾーンを備えた板要素をそれぞれ有していて、少なくとも第2の区画要素が、板要素の外周面周りに配置された、遠位の第1の外縁部および近位の第2の外縁部をそれぞれ備えた側壁を含む、方法ステップと、
b)少なくとも2つの区画要素を互いに接合する方法ステップであって、熱可塑性のプラスチックから成る接合ゾーン同士を接触させ、第1の区画要素の外縁部を、第2の区画要素の第1の外縁部に全周にわたって突き合わせ、2つの区画要素間に全周にわたる突き合わせ部を形成する、方法ステップと、
c)少なくとも2つの区画要素を温度調整式の少なくとも1つのノズルにより溶着する方法ステップであって、少なくとも1つのノズルを突き合わせ部に接触させてこの突き合わせ部の周面周りにガイドするか、または突き合わせ部を少なくとも1つのノズルに接触させてこの少なくとも1つのノズルに沿ってガイドし、区画要素のそれぞれの第1の外縁部および第2の外縁部を可塑化すると同時に、可塑化された溶加材を突き合わせ部に移送し、これにより、両区画要素間に溶着継目を形成する、方法ステップと、
d)少なくとも2つの区画要素が互いに溶着されているプラスチック容器を得る方法ステップと
を含む方法に関する。
【0011】
本発明の好適な実施形態では、第1の区画要素が板要素である。この実施形態によれば、第2の区画要素は、板要素と、この板要素の外周面周りに配置された、板要素に対して平行に配置された遠位の第1の外縁部および近位の第2の外縁部をそれぞれ備えた側壁とを含む。
【0012】
本発明の別の好適な実施形態では、第1の区画要素および/または第2の区画要素が、板要素の外周面周りに配置された、板要素に対して平行に配置された遠位の第1の外縁部および近位の第2の外縁部をそれぞれ備えた側壁を含む。好適には、第1の区画要素および/または第2の区画要素の側壁は、板要素により形成された平面に対して垂直に、板要素の外周面周りに配置されている。好適には、板要素により形成された平面は、遠位の第1の外縁部および近位の第2の外縁部により形成された平面に対して平行に延びている。好適には、遠位の第1の外縁部により形成された平面に対する、板要素により形成された平面の間隔は、近位の第2の外縁部により形成された平面に対する、板要素により形成された平面の間隔よりも大きい。好適には、遠位の第1の外縁部により形成された平面に対する、板要素により形成された平面の間隔は、近位の第2の外縁部により形成された平面に対する、板要素により形成された平面の間隔よりも小さい。好適には、遠位の第1の外縁部により形成された平面に対する、板要素により形成された平面の間隔は、近位の第2の外縁部により形成された平面に対する、板要素により形成された平面の間隔と同一である。
【0013】
本発明の好適な実施形態では、区画要素の側壁が、2mm~200mm、好適には2mm~180mm、好適には2mm~160mm、好適には2mm~140mm、好適には2mm~120mm、好適には2mm~100mm、好適には2mm~80mm、好適には2mm~60mm、好適には4mm~40mm、好適には4mm~30mm、好適には4mm~25mm、好適には4mm~20mm、好適には4mm~18mm、好適には4mm~16mm、好適には6mm~14mm、好適には6mm~12mm、好適には8mm~12mm、好適には10mmの高さを有している。好適には、区画要素の側壁の高さは、少なくとも2mm、好適には少なくとも4mm、好適には少なくとも6mm、好適には少なくとも8mm、好適には少なくとも10mmである。
【0014】
本発明の別の好適な実施形態では、個別の区画要素の側壁は、それぞれ異なる高さを有している。好適には、個別の区画要素の全ての側壁は、同一の高さを有している。
【0015】
本発明の別の好適な実施形態では、区画要素の側壁が、0.1mm~10mm、好適には0.1mm~9mm、好適には0.2mm~8mm、好適には0.3mm~7mm、好適には0.4mm~6mm、好適には0.5mm~5mm、好適には0.6mm~4.5mm、好適には0.7mm~4mm、好適には0.8mm~3.5mm、好適には1mm~3mm、好適には1.25mm~2.5mm、好適には1.5mm~2.5mm、好適には1.75mm~2.25mm、好適には2mmの厚さを有している。好適には、区画要素の側壁の厚さは、少なくとも0.1mm、好適には少なくとも0.2mm、好適には少なくとも0.3mm、好適には少なくとも0.4mm、好適には少なくとも0.5mm、好適には少なくとも0.6mm、好適には少なくとも0.7mm、好適には少なくとも0.8mm、好適には少なくとも0.9mm、好適には少なくとも1mmである。
【0016】
本発明の別の好適な実施形態では、個別の区画要素の側壁は、それぞれ異なる厚さを有している。好適には、個別の区画要素の全ての側壁は同一の厚さを有している。
【0017】
本発明の好適な実施形態では、少なくとも2つの区画要素の板要素は、正方形、長方形、楕円形または円形である。好適には少なくとも2つの区画要素の板要素は正方形である。好適には少なくとも2つの区画要素の板要素は長方形である。好適には少なくとも2つの区画要素の板要素は楕円形である。好適には少なくとも2つの区画要素の板要素は円形である。
【0018】
本発明の好適な実施形態では、方法ステップa)において、少なくとも1つの別の区画要素が提供され、方法ステップb)において、この別の区画要素の第1の外縁部が、第2の区画要素または場合により存在するさらに別の区画要素の第2の外縁部に全周にわたって接合され、方法ステップc)において、互いに接合された区画要素間に形成された突き合わせ部が溶着される。
【0019】
本発明の好適な実施形態では、各々の別の区画要素が、板要素と、この板要素の外周面周りに配置された、板要素に対して平行に配置された遠位の第1の外縁部および近位の第2の外縁部をそれぞれ備えた側壁とを含む。
【0020】
本発明の好適な実施形態では、方法ステップb)において、区画要素同士が互いに相対回動不能に互いに接合される。
【0021】
本発明の好適な実施形態では、少なくとも1つの区画要素および溶加材が、同一の材料から成り、好適には1種の同一の材料から成る。
【0022】
本発明の好適な実施形態では、溶加材が、温度調整式の少なくとも1つのノズルにより可塑化される。好適には、溶加材は、温度調整式の少なくとも1つのノズル内で可塑化される。
【0023】
本発明の好適な実施形態では、温度調整式の少なくとも1つのノズルの温度は、150℃~320℃、好適には160℃~310℃、好適には170℃~300℃、好適には180℃~290℃、好適には190℃~280℃、好適には200℃~275℃、好適には210℃~270℃、好適には220℃~265℃、好適には255℃~260℃、好適には230℃~255℃、好適には235℃~250℃、好適には240℃~250℃である。好適には、温度調整式の少なくとも1つのノズルの温度は、最低でも150℃、好適には最低でも160℃、好適には最低でも170℃、好適には最低でも180℃、好適には最低でも190℃、好適には最低でも200℃、好適には最低でも210℃、好適には最低でも220℃、好適には最低でも230℃、好適には最低でも240℃、好適には最低でも250℃である。温度調整式の少なくとも1つのノズルの調整された温度は、本発明に係る方法において選択された少なくとも1種の熱可塑性の材料の固有の溶融温度に依存し、かつ温度調整式の少なくとも1つのノズルと、少なくとも2つの区画要素間に形成された突き合わせ部との接触によって、区画要素の接合ゾーンの領域においてそれぞれの第1の外縁部および第2の外縁部の可塑化が生じると同時に、可塑化された溶加材を温度調整式の少なくとも1つのノズルにより突き合わせ部に移送することができるように、選択される。
【0024】
本発明の好適な実施形態では、少なくとも1種の熱可塑性の材料は、ポリスチロールであり、温度調整式の少なくとも1つのノズルの温度は、225℃~240℃であり、好適には230℃~235℃である。別の好適な実施形態では、少なくとも1種の熱可塑性の材料は、ポリウレタンであり、温度調整式の少なくとも1つのノズルの温度は、200℃~240℃、好適には205℃~235℃、好適には220℃である。別の好適な実施形態では、少なくとも1種の熱可塑性の材料は、ポリエチレンテレフタレートであり、温度調整式の少なくとも1つのノズルの温度は、205℃~255℃、好適には210℃~250℃、好適には230℃である。別の好適な実施形態では、少なくとも1種の熱可塑性の材料は、アクリルニトリル-ブタジエン-スチロールであり、温度調整式の少なくとも1つのノズルの温度は、235℃~265℃、好適には240℃~260℃、好適には250℃である。別の好適な実施形態では、少なくとも1種の熱可塑性の材料は、ポリアミドであり、温度調整式の少なくとも1つのノズルの温度は、235℃~265℃であり、好適には240℃~260℃であり、好適には250℃である。別の好適な実施形態では、少なくとも1種の熱可塑性の材料は、ポリプロピレンであり、温度調整式の少なくとも1つのノズルの温度は、245℃~275℃、好適には250℃~270℃であり、好適には260℃である。別の好適な実施形態では、少なくとも1種の熱可塑性の材料は、ポリエチレン(LDPE)であり、温度調整式の少なくとも1つのノズルの温度は、155℃~265℃、好適には160℃~260℃、好適には180℃~240℃、好適には200℃~220℃、好適には210℃である。別の有利な実施形態では、少なくとも1種の熱可塑性の材料は、ポリエチレン(HDPE)であり、温度調整式の少なくとも1つのノズルの温度は、255℃~305℃、好適には260℃~300℃、好適には280℃である。
【0025】
本発明の好適な実施形態では、少なくとも2つの区画要素の接合ゾーンが、ポリスチロール、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンから成る群から選択された1種または複数種の熱可塑性樹脂を含む材料から成る。
【0026】
別の好適な実施形態では、少なくとも2つの区画要素のうちの少なくとも1つの区画要素が、ポリスチロール、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンから成る群から選択された1種または複数種の熱可塑性樹脂を含む材料から成る。
【0027】
本発明の好適な実施形態では、溶加材の材料が、ポリスチロール、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンから成る群から選択された1種または複数種の熱可塑性樹脂である。
【0028】
本発明の別の好適な実施形態では、少なくとも2つの区画要素のうちの少なくとも1つの区画要素および溶加材が、同一の材料から成る。好適には、少なくとも2つの区画要素のうちの少なくとも1つの区画要素および溶加材が、ポリスチロール、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンから成る群から選択された1種または複数種の熱可塑性樹脂から成る。
【0029】
本発明の別の好適な実施形態では、溶加材が、造粒体または連続的なストランドの形で少なくとも1つのノズルに供給される。好適には、溶加材は、造粒体の形で少なくとも1つのノズルに供給される。好適には、溶加材は、連続的なストランドの形で、好適には溶着線材の形で少なくとも1つのノズルに供給される。
【0030】
本発明の好適な実施形態では、別の方法ステップb’)において、区画要素が、突き合わせ部の領域において予熱される。好適には、方法ステップb’)において、区画要素の予熱が、突き合わせ部の領域において加熱空気、赤外線放射および/またはマイクロ波放射により行われる。
【0031】
本発明の好適な実施形態では、別の方法ステップc’)において、溶着継目が加熱される。好適には、方法ステップc’)において、溶着継目が、加熱空気、赤外線放射および/またはマイクロ波放射により加熱される。
【0032】
本発明の好適な実施形態では、区画要素相互の突き合わせにより、方法ステップb)において、区画要素間の突き合わせ部の領域に少なくとも1つの凹部が形成される。
【0033】
本発明の好適な実施形態では、少なくとも2つの区画要素の溶着が、温度調整式の少なくとも1つのノズルによって、方法ステップc)において、少なくとも1つのノズルを突き合わせ部に接触させてこの突き合わせ部の周面周りにガイドすると同時に、可塑化された溶加材を突き合わせ部に移送し、これにより、両区画要素間に溶着継目を形成することにより、行われる。
【0034】
別の好適な実施形態では、少なくとも2つの区画要素の溶着が、温度調整式の少なくとも1つのノズルによって、方法ステップc)において、突き合わせ部を少なくとも1つのノズルに接触させてこの少なくとも1つのノズルに沿ってガイドすると同時に、可塑化された溶加材を突き合わせ部に移送し、これにより、両区画要素間に溶着継目を形成することにより、行われる。
【0035】
好適には、少なくとも2つの区画要素の溶着が、温度調整式の少なくとも1つのノズルによって、方法ステップc)において、突き合わせ部と少なくとも1つのノズルとを互いに接触させて互いに相対的に運動させると同時に、可塑化された溶加材を突き合わせ部に移送し、これにより、両区画要素間に溶着継目を形成することにより、行われる。
【0036】
本発明の別の好適な実施形態では、温度調整式の少なくとも1つのノズルは、0.3mm~2mm、好適には0.3mm~1.8mm、好適には0.4mm~1.6mm、好適には0.4mm~1.4mm、好適には0.5mm~1.2mm、好適には0.5mm~1mm、好適には0.5mm~0.8mmの直径を有している。小さなノズル直径を有する温度調整式の少なくとも1つのノズルの使用は、有利には、方法ステップc)において区画要素間に形成される溶着継目が特に小さな幅を有していることを可能にする。
【0037】
本発明の好適な実施形態では、方法ステップc)において区画要素間に形成される溶着継目の幅が、好適には5mm未満、好適には4.5mm未満、好適には4mm未満、好適には3.5mm未満、好適には3mm未満、好適には2.5mm未満、好適には2mm未満である。
【0038】
本発明の好適な実施形態では、方法ステップa)において提供され、かつ方法ステップb)において互いに接合される少なくとも3つの、好適には少なくとも4つの、好適には少なくとも5つの、好適には少なくとも6つの、好適には全ての区画要素が、方法ステップc)において互いに同時に溶着される。好適には、方法ステップa)において提供され、かつ方法ステップb)において互いに接合される少なくとも3つの、好適には少なくとも4つの、好適には少なくとも5つの、好適には少なくとも6つの、好適には全ての区画要素が、方法ステップc)において相前後して溶着される。
【0039】
本発明の好適な実施形態では、温度調整式の少なくとも1つのノズルが、方法ステップc)において、少なくとも1つの凹部内に完全にまたは部分的に導入される。好適には、方法ステップc)において、温度調整式の少なくとも1つのノズルが、少なくとも1つの凹部内に完全に導入される。好適には、方法ステップc)において、温度調整式の少なくとも1つのノズルが、少なくとも1つの凹部内に部分的に導入される。この実施形態では、温度調整式の少なくとも1つのノズルが、少なくとも1つの凹部内への完全なまたは部分的な導入時に、凹部を形成する両区画要素に、特に凹部を形成する区画要素の両外縁部に接触する。この接触により、接合領域において、区画要素の熱可塑性の材料が溶融し始め、その際に凹部に、温度調整式の少なくとも1つのノズルによって溶加材が少なくとも部分的に、好適には完全に充填され、これにより、特に区画要素の、接着剤、溶剤およびパーティクルのない溶着が行われる。
【0040】
本発明の好適な実施形態では、区画要素が、細胞の培養および/または検査のために適している。好適には、少なくとも1つの区画要素が、細胞の培養および/または検査のために適している。好適には、少なくとも1つの区画要素が、細胞培養シャーレである。
【0041】
本発明の好適な実施形態では、ステップd)において得られたプラスチック容器が、少なくとも2個、好適には少なくとも3個、好適には少なくとも4個、好適には少なくとも5個、好適には少なくとも6個、好適には少なくとも7個、好適には少なくとも8個、好適には少なくとも9個、好適には少なくとも10個、好適には少なくとも20個、好適には少なくとも30個、好適には少なくとも40個、好適には少なくとも50個、好適には少なくとも100個、好適には少なくとも200個の、互いに溶着されている区画要素を含んでいる。好適には、ステップd)において得られたプラスチック容器は、2個~20個、好適には2個~18個、好適には2個~16個、好適には2個~14個、好適には2個~12個、好適には2個~10個、好適には4個~10個、好適には4個~8個、好適には4個~6個の、互いに溶着されている区画要素を含んでいる。
【0042】
本発明の好適な実施形態では、少なくとも1つの区画要素が、好適には中央の接続通路を有している。好適には、少なくとも1つの区画要素が、細胞培養培地用の供給通路としての、好適には中央の接続通路を有している。好適には、各区画要素が、好適には中央の接続通路を有している。好適には各区画要素が、細胞培養培地用の供給通路としての、好適には中央の接続通路を有している。
【0043】
本発明の好適な実施形態では、少なくとも1つの区画要素が、排出通路を有している。好適には、少なくとも1つの区画要素が、消費された細胞培養培地用の排出通路を有している。
【0044】
本発明の好適な実施形態では、個別の区画要素間で物質交換、好適には気体交換および/または液体交換が可能である。好適には、全ての区画要素間で物質交換、好適には気体交換および/または液体交換が可能である。
【0045】
本発明の好適な実施形態では、少なくとも1つの区画要素、好適には正確に1つの区画要素が、閉鎖可能な、好適には再閉鎖可能な少なくとも1つの開口を有している。好適な実施形態では、少なくとも1つの開口は、ねじ山、好適には雄ねじ山を有している。好適には、少なくとも部分的に熱可塑性のプラスチックから構成された容器は、少なくとも1つの開口を介して充填しかつ空にすることができる。
【0046】
本発明は、本発明に係る方法により製造可能な、好適には製造された、少なくとも2つの区画要素を含むプラスチック容器にも関する。
【0047】
好適な実施形態では、少なくとも2つの区画要素を含むプラスチック容器が、細胞培養容器である。好適には、少なくとも2つの区画要素を含むプラスチック容器は、少なくとも1つの細胞培養シャーレから構成されている細胞培養容器である。
【0048】
好適な実施形態では、本発明に係る方法に関連してなされた説明は、本発明に係る方法により製造可能な、好適には製造されたプラスチック容器自体にも準用される。
【0049】
本発明に関連して、「側壁」とは、開放または閉鎖した中空室を取り囲む区画要素の壁であると理解される。少なくとも2つの区画要素のそれぞれの側壁は、本発明に係るプラスチック容器の側壁を形成することができる。区画要素の側壁は、遠位の第1の外縁部および近位の第2の外縁部を有している。両外縁部はそれぞれ、板要素により形成された平面に対して平行に延びる平面に位置している。第1の区画要素または第2の区画要素が側壁を有していない場合、第1の区画要素または第2の区画要素は、板要素であり、したがって、この第1の板要素または第2の板要素の外縁部は、側壁の遠位の第1の外縁部および近位の第2の外縁部に対応する。
【0050】
本発明に関連して、「区画要素」という用語は、少なくとも部分的に熱可塑性のプラスチックから構成された容器の個別の構造ユニットであると理解される。区画要素は、板要素であってよく、または板要素と、この板要素の外周面周りに配置された側壁とを含んでよい。第1の区画要素が板要素である場合、少なくとも第2の区画要素は、板要素と、この板要素の外周面周りに配置された側壁とを含む。
【0051】
本発明に関連して、「板要素」は、それ自体が遠位の第1の外縁部および近位の第2の外縁部を有するか、またはその外周面周りに側壁を有する区画要素の部分であると理解される。側壁は、板要素に対して平行に配置された遠位の第1の外縁部および近位の第2の外縁部をそれぞれ含む。
【0052】
本発明に関連して、板要素の外周面周りに配置された側壁の、板要素により形成された平面から離れて位置する方の外縁部が、「遠位の」外縁部と呼ばれる。対応して、板要素の外周面周りに配置された側壁の、板要素により形成された平面の近くに位置する方の外縁部が、「近位の」外縁部であると理解される。第1の外縁部と第2の外縁部とが、板要素により形成された平面から同じだけ離れて位置している場合、本発明によれば、「遠位の」外縁部は、板要素自体の、または存在する場合には板要素の外周面周りに配置された側壁の、すぐ隣りの区画要素の板要素により形成された平面から離れて位置している方の外縁部である。
【0053】
本発明によれば、少なくとも2つの区画要素の接合が行われる区画要素の領域が、「接合ゾーン」という用語で呼ばれる。本発明によれば、接合ゾーンは、熱可塑性の材料から成るので、この領域において、温度調整式の少なくとも1つのノズルとの接触により区画要素の可塑化が行われる。区画要素の接合ゾーンは、熱可塑性の材料から成る遠位の第1の外縁部および熱可塑性の材料から成る近位の第2の外縁部を含む。したがって、典型的には、各区画要素は、2つの接合ゾーンを有している。しかし、第1の区画要素および第2の区画要素が板要素である場合、板要素は単に1つの接合ゾーンしか含むことができない。
【0054】
本発明に関連して、「および/または」という用語は、「および/または」という用語により接続されている1つの群の全ての要素が、互いに代替的にも、それぞれ互いに追加的に任意に組み合わせても開示されていると理解される。これは、「A、Bおよび/またはC」という表現にとって、以下の開示内容、AまたはBまたはC、あるいは(AおよびB)または(AおよびC)または(BおよびC)または(AおよびBおよびC)を含むと理解されることを意味する。
【0055】
本発明に関連して、「含む」という用語は、この用語により明示的に含まれる要素に対して付加的に、明示的に挙げられていないさらに別の要素を加えることができると理解される。本発明に関連して、この用語は、明示的に挙げられた要素しか含まれず、別の要素は存在しないとも理解される。この特別な実施形態では、「含む」という用語の意味は、「~から成る」という用語と同一である。さらに、「含む」という用語は、明示的に挙げられた要素の他に、機能的および質的に下位の性質である挙げられていない別の要素も含む全体を含む。この実施形態では、「含む」という用語は、「実質的に~から成る」という用語と同一の意味である。
【0056】
本発明の別の有利な構成は、従属請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】2つの区画要素間に位置する接合ゾーン内への温度調整式のノズルの進入状態を示す図。
【
図2】接合ゾーンの形状の代替的な幾何学形状を示す図。
【
図5】本発明に係る方法により製造された、2つの区画要素から成るプラスチック容器を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本発明を以下に図面および実施例につき詳しく説明する。
【0059】
図1は、2つの区画要素1,2間に位置する接合ゾーン3内への温度調整式のノズル7の進入状態を示している。両区画要素1,2は、接合ゾーン3の領域において可塑化される。
【0060】
接合ゾーン3の形状の代替的な幾何学形状が、
図2に示されている。区画要素1,2間の接合ゾーン3の領域において、溝が形成される。このような溝の利点は、可塑化された溶加材を、可塑化された区画要素1,2間に、より自由に導入することができることにある。なぜならば、ノズル出口のすぐ前方の領域に中空室が形成されるからである。この中空室内に、溶加材を調量供給することができる。
【0061】
溶着継目の形状が
図3に示されている。温度調整式のノズル7が両区画要素1,2を接合ゾーン3に沿って可塑化すると同時に、可塑化された溶加材8が、可塑化された接合ゾーン3内に塗布される。これにより、温度調整式のノズル7により接合ゾーン3の領域において可塑化された区画要素1,2と、溶加材8とが融合され、これにより、冷却後に固い溶着継目15が形成される。
【0062】
図4は、温度調整式のノズル7の構造を示している。ノズルは、前方でノズル出口11に向かって先細りし、これにより、2つの区画要素間の接合ゾーン3を意図的に加熱し、この接合ゾーン3に溶加材8を配置することができる。
【0063】
図5は、本発明に係る方法により製造された、2つの区画要素1,2から成るプラスチック容器9を示している。接合ゾーン3の領域において第2の区画要素2に溶着された、側壁4の遠位の第1の外縁部6および側壁4の近位の第2の外縁部5を含む区画要素1が図示されている。
【0064】
実施例
少なくとも2つの区画要素を本発明に係る方法によって溶着するために適している温度調整式のノズル7が、
図4に図示されている。ノズル7は、加熱ブロック13内にねじ込まれている。この加熱ブロック13は、たとえば加熱カートリッジおよびセンサを介して所望の温度へと調整される。熱伝導により、加熱ブロック13の温度がノズル7に伝達されるので、このノズル7は、温度調整されて作動させられる。溶加材8は、裏側からノズルに供給される。その際に、溶加材8を溶着線材の形で供給することが可能である。溶加材8を溶着線材として供給することの利点は、1.75mmまたは2.85mmの直径を有する溶着線材が一般的に3Dプリンタにおいても使用され、したがって、標準的に提供されていることにある。溶着線材の形の溶加材は、刻み付きねじと組み合わせたモータによって送ることもできるし、引き戻すこともできる。これにより、正確な調量供給が可能となる。しかし代替的には、たとえば造粒体の使用も可能である。造粒体の使用時には、溶加材8の貯蔵およびノズル7への分配がよりフレキシブルである。これは、特に、複数の溶着が並行して実施される場合、つまり、複数のノズルに同時に溶加材を供給しなければならない場合に重要である。本明細書において説明する方法の例では、0.5mm~1mmの直径を有する前側の開口11を備えたノズル7が使用される。これは、約2mmの溶着継目15の幅を可能にする。開口11の別の直径は、溶着継目15の幅の他に、溶着の強度も変更する。
【0065】
図5に示された円筒形のプラスチック容器の場合、接合ゾーン3を可塑化するために、温度調整式のノズル7を接合ゾーン3内へと移動させることができる。同時に温度調整式のノズル7は、溶加材8を、円筒形のプラスチック容器9の周面を取り囲むように区画要素1,2間に調量供給する。本発明の簡単な実施形態では、円筒形のプラスチック容器9が、その固有の軸線を中心として回転する一方で、ノズル7は定置に留まる。
【0066】
円筒形状を有していないプラスチック容器では、温度調整式のノズル7を、2つの区画要素間に形成された接合ゾーン3に沿ってガイドしなければならない。これは、3Dプリンタまたはフライス盤に類似して、たとえば3軸システムにより実現することができる。ジョイントアームシステムまたはヘキサポッドシステムの使用も可能である。