(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】アセンブリベアリング
(51)【国際特許分類】
F16F 1/38 20060101AFI20230307BHJP
F16F 15/08 20060101ALI20230307BHJP
F16B 21/07 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
F16F1/38 S
F16F15/08 K
F16F1/38 F
F16B21/07 Z
(21)【出願番号】P 2020568338
(86)(22)【出願日】2019-04-11
(86)【国際出願番号】 EP2019059246
(87)【国際公開番号】W WO2019233659
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-04-16
(31)【優先権主張番号】102018113503.3
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516171768
【氏名又は名称】ビブラコースティック エスイー
【住所又は居所原語表記】Europaplatz 4,64293 Darmstadt,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】トーマス シェーマー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン-ヒエウ リー
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01586789(EP,A1)
【文献】独国特許出願公開第102015016454(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102005058632(DE,A1)
【文献】特開2015-064013(JP,A)
【文献】特開2000-225941(JP,A)
【文献】特開2010-014258(JP,A)
【文献】実開平06-054936(JP,U)
【文献】特開2010-138949(JP,A)
【文献】特開2013-015151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 1/00- 6/00
15/00-15/36
F16B 21/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側部(12)と、該内側部(12)が埋め込まれた弾性を有する支持体(14)と、該支持体(14)を取り囲む外側部(16)と、を有し、前記外側部(16)が、前記支持体(14)に接続された少なくとも1つの固定要素(28)にクリップ止めされる第1の部品(22)および第2の部品(24)を有する、自動車アセンブリ用のアセンブリベアリング(10)。
【請求項2】
前記部品(22、24)のうちの少なくとも1つが、前記支持体(14)に面する内周面(60)上に少なくとも1つの止め具(64)を有する、請求項1に記載のアセンブリベアリング(10)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの固定要素(28)が少なくとも一対の突起(34、36)を有し、前記部品(22、24)を前記固定要素(28)にクリップ止めするために、第1の突起(34)が前記第1の部品(22)の切欠き(38)に係合し、第2の突起(36)が前記第2の部品(24)の切欠き(38)に係合する、請求項1または2に記載のアセンブリベアリング(10)。
【請求項4】
それぞれの突起(34、36)が、前記切欠き(38)への挿入のための導入面取り(40)を有する、請求項3に記載のアセンブリベアリング(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの固定要素(28)が、前記部品(22、24)のオリフィス(46)に押し込んだ状態で係合する、少なくとも1つのセンタリング要素(42)を有する、請求項1から4のいずれかに記載のアセンブリベアリング(10)。
【請求項6】
前記部品(22、24)のそれぞれが、押し込んで係止する連結要素(50)および該連結要素(50)のための対応する受け口(52)を有する、請求項1から5のいずれかに記載のアセンブリベアリング(10)。
【請求項7】
前記固定要素(28)が共にクリップ止めされた状態で押し込んだ状態で挿入されるくぼみ(62)が、それぞれの部品(22、24)の内周面(60)内に組み込まれた請求項1から6のいずれかに記載のアセンブリベアリング(10)。
【請求項8】
前記部品(22、24)が半割りシェル(26)の形に構成され、かつ対向する当接面(54)で互いに接続される、請求項1から7のいずれかに記載のアセンブリベアリング(10)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの固定要素(28)が、押し込んで係止、圧入、および/または物質的に接着される方法で前記支持体(14)に接続される、請求項1から8の一項に記載のアセンブリベアリング(10)。
【請求項10】
前記固定要素(28)が環状要素(30)である、請求項1から9のいずれかに記載のアセンブリベアリング(10)。
【請求項11】
前記固定要素(28)および/または前記部品(22、24)がプラスチックで作られている、請求項1から10のいずれかに記載のアセンブリベアリング(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内側部、内側部が埋め込まれた弾性支持体、および支持体を取り囲む外側部を有する、自動車アセンブリ用のアセンブリベアリングに関する。
【背景技術】
【0002】
導入部で言及した種類のアセンブリベアリングは、例えば内燃機関、トランスミッションまたは電動モータなどの自動車アセンブリを、自動車の車体上に支持するために使用される。また、アセンブリベアリングは、自動車アセンブリにより発生した振動を遮断し、路上の起振を減衰させることにより、運転の快適性を向上させる。
【0003】
従来のアセンブリベアリングは、自動車アセンブリに接続可能な内側部と、遮断要素および減衰要素として働く弾性支持体と、外側部と、を有している。外側部は、複数部品により構成可能な外側スリーブとすることができる。
【0004】
例えば、特許文献1には、内側ブッシング、弾性ベアリング要素および外側ブッシングを有する円形のベアリングが開示されており、外側ブッシングは、端部で互いにクリップ止めされた2つの半割りから構成されている。
【0005】
内側部の外側部に対する相対的な動きを制限するために、止め具を設けることが知られている。その結果、弾性支持体の、ひいてはアセンブリベアリングの使用寿命が延びる。
【0006】
特許文献2には、ゴム体を介して互いに接続された内側軸要素と、中間リングと、からなる備えるゴムブッシングが開示されている。ゴム体は、半分に分割され、一対の円筒体から成る外側円筒形要素に接続されている。一対の円筒体は、嵌合突起および嵌合穴によって互いに接続される。内側軸要素の動きを制限するために、軸要素に接続された止め具要素が設けられている。
【0007】
さらに、特許文献3には、寸法的に安定した内側ベアリングコアおよび中空円筒状の外側シェルを備えた弾性金属要素を有する弾性ベアリングが開示されており、外側シェルは2つのシェルの半割りから形成されている。2つのシェルの半割りは、長手方向の隙間端および軸方向にオフセットされたトングを有しており、予圧を掛けるために外側シェルが管状のベアリングハウジング内に押し込まれると、トングは他方のシェルの半割りの下に滑り込み、その結果長手方向の隙間端が互いに担持し合う。凸状の弾性止め具が内側ベアリングコアに固定的に接着され、前記止め具が外側シェルに対する弾性金属要素の動きを制限する。
【0008】
前述のベアリングの場合、止め具に必要な取付け空間が、減衰特性や衝撃特性に関する技術的要求を満足するのに十分ではない。また、外側から設置される止め具は、固定が困難で手間がかかる方法でしか固定できないという欠点もある。さらに、構成要素を追加すると追加の費用が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】独国特許出願公開第102005058632号明細書
【文献】独国特許出願公表第112013004246号明細書
【文献】独国特許出願公開第102015016454号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、止め具を一体化するための十分な取付け空間を提供し、かつ経済的なアセンブリベアリングを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、請求項1の特徴を有するアセンブリベアリングにより達成される。
【0012】
アセンブリベアリングの有利な構成が従属項の主題である。
【0013】
本発明による自動車アセンブリ用のアセンブリベアリングは、内側部と、内側部が埋め込まれた弾性支持体と、この支持体を取り囲む外側部と、を有し、外側部は、支持体に接続された少なくとも1つの固定要素にクリップ止めされる第1の部品と第2の部品を有する。
【0014】
2つの部品の結合の結果、支持体を取り囲む形状が生成され、前記形状がアンダーカットを生成し、その結果、オーバーラップを生成する。オーバーラップは止め具として利用可能である。止め具には、追加の取付け空間や、追加費用の原因となる追加の構成要素が必要ではないため、取付け空間に関する要求が簡単な方法で満足される。さらに、2つの部品を固定要素にクリップ止めすることで、2つの部品を簡単な方法で支持体に固定することができる。また、2つの部品をクリップ止めすることで、経済的で輸送が安全となる。
【0015】
部品が、互いに接触する当接面を有していると有利である。さらに、外側部が、外側スリーブの形態で構成されていると有利である。さらに支持体が、固定要素が取り付けられた少なくとも1つの支持ばねを有すると有利である。さらにまた、支持体は2つの固定要素を有することが可能である。従って、支持体は2つの支持ばねを有することができ、それぞれの支持ばねに1つの固定要素が取り付けられる。
【0016】
有利な構成では、部品のうちの少なくとも1つが、支持体に面する内周面上に少なくとも1つの止め具を有する。その結果、内部の止め具は既存の構成要素に一体化され、追加費用の原因となる追加の取付け空間または追加の構成要素が不要となる。止め具は内周面から突出する肩部の形態で構成することができる。また止め具は、部品の中に組み込まれ、内周面から半径方向内側へ突出するくぼみの形態で構成することもできる。少なくとも1つの止め具は、例えば部品を成型加工することによって部品を製作する間に、または部品の射出成形の間に生成されることが好ましい。有利には、少なくとも1つの部品が、複数の止め具を有することができる。さらに、有利には、部品のそれぞれが、支持体に面する内周面に少なくとも1つの止め具を有する。
【0017】
有利な構成では、少なくとも1つの固定要素は、少なくとも一対の突起を有し、第1の突起が第1の部品の切欠きに係合し、第2の突起が第2の部品の切欠きに係合して、部品を固定要素にクリップ止めする。その結果、部品を支持体に取り付ける、単純かつ経済的なラッチまたはクリップ止め接続が提供される。有利には、突起が剛体構造で、部品が弾性構造である。部品を固定要素にクリップ止めするため、部品は弾性的に撓み、その結果、突起がオリフィスにラッチし、オリフィスから突出し、および/またはオリフィスの裏側に係合することができる。さらに、切欠きが穴の形態で構成されていると有利である。その結果、突起が切欠きから突出する。
【0018】
有利な構成では、少なくとも1つの固定要素が、対向する一対の第1の突起および対向する一対のある第2の突起を有し、第1の突起が第1の部品の切欠きに係合し、第2の突起が第2の部品の切欠きに係合することで2つの部品を固定要素にクリップ止めする。その結果、部品を支持体に確実に固定することができる。第1の突起および第2の突起が、アセンブリベアリングの長手方向軸に直交する軸上に位置することが好ましい。さらに、それぞれの部品の切欠きが、互いに対向して位置すると有利である。それぞれの部品の切欠きが、アセンブリベアリングの長手方向軸に直交する軸上に位置していると有利である。さらに、切欠きが穴の形態で構成されていると有利である。結果として、突起が切欠きから突出する。
【0019】
有利な構成では、それぞれの突起が、切欠きへの挿入のための導入面取りを有する。これにより、部品の組立を容易にする。導入面取りが、断面が円錐の形式で延在する面取りの形態で構成されていると有利である。その結果、突起は斜めに平坦化されたウェブの形態で構成される。
【0020】
有利な構成では、少なくとも1つの固定要素は、部品のオリフィスに押し込んで係合する少なくとも1つのセンタリング要素を有する。その結果、2つの半割りシェルは、組立の間に互いに相対的にセンタリングされる。また、支持体が常に部品の中で正しい位置にあることが保証される。センタリング要素は、第1の突起と第2の突起の間に配置されることが好ましい。さらに、固定要素が、第1のセンタリング要素が第1の突起と第2の突起の間に配置され、第2のセンタリング要素が対向して第1の突起と第2の突起の間に配置されるように、対向する2つのセンタリング要素を有することが好ましい。有利な構成では、センタリング要素は、アセンブリベアリングの長手方向において、第1の突起と第2の突起の間に延びる、ウェブの形態で構成される。さらに、共にクリップ止めされた状態では、オリフィスが、センタリング要素が押し込んだ状態で係合する開口を形成する。
【0021】
有利な構成では、部品のそれぞれが、押し込んで係止する接続要素と、接続要素のための対応する受け口を有する。その結果、2つの部品の間に確実な押し込み接続が提供され、この接続は、輸送中に部品が滑ることを効果的に防止する。有利な構成では、接続要素は、部品から突出するピン要素の形態で構成され、受け口は、部品の中に組み込まれ、ピン要素が挿入することができる止まり穴の形態で構成される。さらに、接続要素および対応する受け口が、部品の当接面に配置されると有利である。
【0022】
有利な構成では、それぞれの部品の内周面の中には、共にクリップ止めさられた状態で、固定要素が押し込んで係止する形式で挿入される凹部が設けられている。その結果、支持体は、2つの部品の間の正確な位置に取付けられる。さらに、凹部が固定要素の輪郭に合致すると有利である。
【0023】
有利な構成では、部品が半割りシェル状に構成され、対向する当接面で互いに接続される。外側部が2つの半割りシェル形の部品に水平分割された結果、支持体が完全に取り囲まれる。有利な構成では、それぞれの半割りシェルが支持体の半分を取り囲む。
【0024】
有利な構成では、少なくとも1つの固定要素が、押し込んで係止、圧入、および/または物質的に接着される方法で支持体に接続される。その結果、固定要素の支持体への確実かつ十分な固定、従って2つの部品の支持体上への確実な保持が提供される。このように、固定要素は、支持体上にプレス成形され、および/または支持体へ接着剤で接着され得る。支持体の弾性体を固定要素に射出成型または加硫処理することも可能である。
【0025】
有利な構成では、固定要素は環状要素である。
【0026】
有利な構成では、固定要素および/または部品はプラスチックで構成される。その結果、アセンブリベアリングは軽量となり、製造の点で経済的でもある。また、固定要素および/または部品は繊維強化プラスチックで作られてもよい。固定要素および/または部品は金属で作られてもよく、あるいは固定要素が金属で作られ、部品がプラスチックで作られてもよいし、あるいは、固定要素がプラスチックで作られ、部品が金属で作られてもよい。
【0027】
アセンブリベアリングならびにさらなる特徴および利点を、図に簡略化して示されている例示的な実施形態をもとに、以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の、第1の実施形態による、2つの半割りシェルを有し、これらの2つの半割りシェルが共にクリップ止めされていないアセンブリベアリングの斜視図である。
【
図2】本発明の、
図1の線II-IIに沿った断面の、内側部が無い図である。
【
図3】本発明の、
図2の詳細部IIIの拡大図である。
【
図4】本発明の、半割りシェルが共にクリップ止めされたアセンブリベアリングの斜視図である。
【
図5】本発明の、
図4の線IV-IVに沿ったアセンブリベアリングの断面の、内側部が無い図である。
【
図6】本発明の、
図5の詳細部VIの拡大図である。
【
図7】本発明の、
図4の線VII-VIIに沿った断面の図である。
【
図8】本発明の、第2の実施形態による、2つの半割りシェルを有し、これらの2つの半割りシェルが共にクリップ止めされていない、アセンブリベアリングの斜視図である。
【
図9】本発明の、
図8の線IX-IXに沿った断面の図である。
【
図10】本発明の、
図9の詳細部Xの拡大図である。
【
図11】本発明の、第2の実施形態による、半割りシェルが共にクリップ止めされた、アセンブリベアリングの斜視図である。
【
図12】本発明、の
図11の線XII-XIIに沿った断面の図である。
【
図14】本発明の、
図11の線XIV-XIVに沿った断面の図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1から
図7は第1の実施形態によるアセンブリベアリング10を示し、前記ベアリングは、例えば内燃機関、トランスミッション、または電動モータなどの自動車アセンブリ(図示せず)を自動車の車体(図示せず)上に搭載するために使用される。アセンブリベアリング10は、自動車アセンブリにより発生した振動を遮断し、路上の起振を減衰もさせる。
【0030】
図1、
図4および
図7を共に考察するとわかるように、アセンブリベアリング10は、内側部12と、内側部12が埋め込まれた弾性支持体14と、支持体14を取り囲む外側部16と、を有している。
【0031】
内側部12は金属で構成されており、アセンブリベアリング10を自動車アセンブリに接続するために、支持アームまたはボルト(図示せず)が挿入可能な通過開口18を有している。
【0032】
特に
図7でわかるように、弾性支持体18が内側部12を取り囲み、支持体14は内側部12に物質的に接着された態様で接続され、具体的にはその上に射出成型および/または加硫処理されている。支持体18は、内側部12から半径方向Rに突出する第1の支持ばね20を有する。
【0033】
本実施例では、外側部16は、外側スリーブの形態で構成されており、
図1、
図2および
図5に示すように、半割りシェル26の形態で構成され、対向する当接面54で互いに接続される第1の部品22および第2の部品24を有する。2つの半割りシェル26はプラスチック、特に繊維強化プラスチックで作られるが、金属で作ることもできる。半割りシェル26のそれぞれが支持体14の半分を取り囲む。
【0034】
2つの半割りシェル26を支持体14に固定するため、前記支持体は、押し込んで係止、圧入、および/または物質的に接着される方法で第1の支持ばね20に接続された、環状要素30の形態の固定要素28を有する。
【0035】
特に
図2および
図3でわかるように、環状要素30が第1の支持ばね20の外側32に接続されるか、または環状要素30が第1の支持ばね20の外周を取り囲む。環状要素30は、第1の支持ばね20の外側32上にプレス成形可能であり、および/または、第1の支持ばね20の外側32上に物質的に接着する方法、例えば接着剤による接着により、もしくは固定要素28を射出成型の型に挿入し、続いて支持体18の弾性胴体を射出成型によって付けることにより、もしくは二要素射出成型処理により、接続可能である。
【0036】
図1、
図2、
図3、
図4、
図5および
図6を共に考察するとわかるように、2つの半割りシェル26は、支持体14、詳細には固定要素28にクリップ止めされる。この目的のために、固定要素28は、半割りシェル26の対応する切欠き38に係合するか、または切欠き38を通って延在する一対の突起34、36を有する。
【0037】
特に
図2でわかるように、固定要素28が、一対の対向する第1の突起34および一対の対向する第2の突起26を有し、第1の突起34が第1の部品22の切欠き38に係合し、第2の突起36が第2の部品24の切欠き38に係合する。その結果、2つの半割りシェル26が固定要素28にクリップ止めされる。2つの半割りシェル26の組立の間、半割りシェル26は、突起34、36が切欠き38に挿入されるように、弾性的に撓む。
【0038】
特に
図3でわかるように、それぞれの突起34、36は、突起34、36を切欠き38により挿入しやすくする導入面取り40を有する。
【0039】
固定要素28は、第1の突起34と第2の突起36の間に、アセンブリベアリングの長手方向Lに延在するウェブ44の形態で構成された、それぞれのセンタリング要素42を有する。センタリング要素42は開口48に押し込んだ状態で係合し、前記開口は、
図4、
図5および
図6でわかるように、半割りシェル26の2つの対向する切欠き46により形成される。センタリング要素42は、2つの半割りシェル26を互いにセンタリングするために用いられ、また支持体14を2つの半割りシェル26の間に位置決めするためにも用いられる。
【0040】
さらに
図1および
図7でわかるように、半割りシェル26のそれぞれが、押し込んで係止する連結要素50、および連結要素50のための対応する受け口52を有している。連結要素50は当接面54から突出するピン要素56の形態で構成され、受け口52は当接面54の中に組み込まれ、ピン要素56が係合する止まり穴58の形態で構成される。
【0041】
さらに
図1でわかるように、固定要素28の輪郭に合致し、固定要素28が押し込んだ状態で挿入される凹部62が、それぞれの半割りシェル26の内周面60の中に組み込まれる。その結果、支持体14が、半割りシェル26内の正確な位置に取り付けられる。
【0042】
半割りシェル26のそれぞれが内周面60上に止め具64を有し、
図1および
図7でわかるように、前記止め具が、内側部12の外側部16に対する動きを制限するように、内側部12から離間している。
【0043】
アセンブリベアリング10の第2の実施形態について、同一の、または機能的に同一の部分に対して同じ参照名称を使用しながら、以下に説明する。
【0044】
図8から
図14は、アセンブリベアリング10の第2の実施形態を示し、第2の実施形態は、支持体14が第2の支持ばね66を有する点で第1の実施形態と異なり、支持ばね20、66のそれぞれが固定要素28を備えている。2つの半割りシェル26を2つの固定要素28にクリップ止めするために、
図11から
図13でわかるように、半割りシェル26のそれぞれが、突起34、36が共にクリップ止めされた状態で、が係合するか、または切欠き38を通って突起34、36が突出する4つの切欠き38を有している。
【0045】
本実施例では、止め具64が半割りシェル26の中に組み込まれ、内周面60から半径方向に内側へ突出するくぼみ68の形態で構成されている。
図14でわかるように、半割りシェル26が共にクリップ止めされた状態では、くぼみ68は2つの支持ばね20、66の間に配置される。
【0046】
図8でわかるように、第2の実施形態の半割りシェル26は、押し込んで係止する連結要素50および連結要素50のための対応する受け口52を有していない。しかし、第1の実施形態によれば、半割りシェル26が、押し込んで係止する連結要素50、および連結要素50のための対応する受け口52を有することも考えられる。
【0047】
アセンブリベアリング10は、支持体14に接続された固定要素28にクリップ止めされる2つの半割りシェル26で形成された、外側部16によって特徴づけられる。2つの半割りシェル26の結合の結果、取り囲む形状が生成され、この形状がアンダーカットを生成し、従って、止め具64として利用可能なオーバーラップを生成する。その結果、取付け空間に関する要求を満たすことができ、また、追加費用の原因となる追加の構成要素を回避することができる。
【符号の説明】
【0048】
10 アセンブリベアリング
12 内側部
14 支持体
16 外側部
18 通過開口
20 第1の支持ばね
22 第1の部品
24 第2の部品
26 半割りシェル
28 固定要素
30 環状要素
32 外側
34 第1の突起
36 第2の突起
38 切欠き
40 導入面取り
42 センタリング要素
44 ウェブ
46 オリフィス
48 開口
50 連結要素
52 受け口
54 当接面
56 ピン要素
58 止まり穴
60 内周面
62 凹部
64 止め具
66 第2の支持ばね
68 くぼみ
R 半径方向
L 長手方向軸