(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/5258 20140101AFI20230307BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20230307BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20230307BHJP
【FI】
A63F13/5258
A63F13/55
G06T19/00 A
(21)【出願番号】P 2021210679
(22)【出願日】2021-12-24
(62)【分割の表示】P 2020121890の分割
【原出願日】2017-03-31
【審査請求日】2021-12-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1、平成29年3月7日付で、グリー株式会社が、高 大輔及び佐藤 真也らがした発明について、クローズドβテストにて、公募した一般ユーザーに公開した。 2、https://www.youtube.com/watch?v=ZMkPKeqcNfA 平成29年3月29日付で、グリー株式会社が、高 大輔及び佐藤 真也らがした発明について、上記URLにて、公開した。 3、 https://www.youtube.com/watch?v=3dyIQqLtNZQ 平成29年3月31日付で、グリー株式会社が、高 大輔及び佐藤 真也らがした発明について、上記URLにて、公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196829
【氏名又は名称】中澤 言一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼ 大輔
(72)【発明者】
【氏名】佐籐 真也
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-146338(JP,A)
【文献】特開2003-150980(JP,A)
【文献】特開平10-057628(JP,A)
【文献】特開2011-096017(JP,A)
【文献】特開2006-314633(JP,A)
【文献】特開2002-163684(JP,A)
【文献】特開平10-113465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する情報処理装置に、
3次元の仮想空間内に、仮想カメラと、フィールドオブジェクトと、前記フィールドオブジェクト上に位置するオブジェクトと、を配置
し、
前記仮想カメラを視点として、前記フィールドオブジェクト及び前記オブジェクトを透視投影により投影した2次元画像を含むゲーム画面を
前記表示部に表示
させ、
前記フィールドオブジェクト及び前記オブジェクトの少なくとも一方を、前記仮想カメラに対して相対的に移動させる
こと、
を実行させ、
前記ゲーム画面の表示において、前記情報処理装置に、
前記オブジェクトのうちユーザによって操作可能なオブジェクトが前記フィールドオブジェクト上の所定の範囲内である場合、前記透視投影により投影された前記操作可能なオブジェクトの前記2次元画像の大きさを一定にする
こと、
を実行させ、
前記
相対的な移
動において、
前記情報処理装置に、
前記フィールドオブジェクトを前記仮想カメラに対して相対的に移動させ
た場合、前記仮想カメラの視野内に前記所定の範囲が含まれるように、前記所定の範囲を変化させること、
を実行させる
ことを特徴とするためのプログラム。
【請求項2】
前記
相対的な移
動において、
前記情報処理装置に、
前記操作可能なオブジェクトが前記所定の範囲内から前記所定の範囲の端に到達した場合、前記操作可能なオブジェクトの前記仮想カメラに対する相対的な移動を停止する
こと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記
相対的な移
動において、
前記情報処理装置に、
前記操作可能なオブジェクトが前記所定の範囲内から前記所定の範囲の端に到達した場合、前記操作可能なオブジェクトの移動方向と逆方向に、前記フィールドオブジェクトを前記仮想カメラに対して相対的に移動させる
こと、を実行させる、請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記所定の範囲の変化において、前記情報処理装置に、
前記所定の範囲の位置、大きさ、及び形状のうち少なくとも1つ
を変化
させる
こと、を実行させる、請求項1~3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記情報処理装置に、前記フィールドオブジェクトの形状の変化に応じて、前記フィールドオブジェクト上の前記所定の範囲の位置、大きさ、及び形状のうち少なくとも1つを変化させること
、を実行させる、請求項1~4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記フィールドオブジェクトは、曲面部を有し、
前記曲面部の法線と前記仮想カメラの光軸に平行な直線との成す角度が、前記仮想カメラの光軸方向における前記仮想カメラからの距離に応じて異なる、請求項1~5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記
ゲーム画面の表示において、
前記情報処理装置に、
前記オブジェクトのうち前記情報処理装置によって自動で移動するオブジェクトが前記所定の範囲内である場合、前記自動で移動するオブジェクトの前記2次元画像の大きさを一定にする
こと、を実行させる、請求項1~6のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記
相対的な移
動において、
前記情報処理装置に、
前記自動で移動するオブジェクトが前記所定の範囲内である場合、前記自動で移動するオブジェクトを前記仮想カメラに対して相対的に移動させ、
前記自動で移動す
るオブジェクトが前記所定の範囲内から前記所定の範囲の端に到達した場合、前記フィールドオブジェクトを前記仮想カメラに対して相対的に移動させる
こと、を実行させる、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
表示部と
、
3次元の仮想空間内に、仮想カメラと、フィールドオブジェクトと、前記フィールドオブジェクト上に位置するオブジェクトと、を配置し、
前記仮想カメラを視点として、前記フィールドオブジェクト及び前記オブジェクトを透視投影により投影した2次元画像を含むゲーム画面を前記表示部に表示させ、
前記フィールドオブジェクト及び前記オブジェクトの少なくとも一方を、前記仮想カメラに対して相対的に移動させ
る、
制御部と、
を有し、
前記ゲーム画面の表示において、前記制御部は、
前記オブジェクトのうちユーザによって操作可能なオブジェクトが前記フィールドオブジェクト上の所定の範囲内である場合、前記透視投影により投影された前記操作可能なオブジェクトの前記2次元画像の大きさを一定に
し、
前記相対的な移動において、前記制御部は、
前記フィールドオブジェクトを前記仮想カメラに対して相対的に移動させ
た場合、前記仮想カメラの視野内に前記所定の範囲が含まれるように、前記所定の範囲を変化させる、
ことを特徴とす
る情報処理装置。
【請求項10】
表示部を有する情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置が、
3次元の仮想空間内に、仮想カメラと、フィールドオブジェクトと、前記フィールドオブジェクト上に位置するオブジェクトと、を配置
し、
前記仮想カメラを視点として、前記フィールドオブジェクト及び前記オブジェクトを透視投影により投影した2次元画像を含むゲーム画面を
前記表示部に表示
させ、
前記フィールドオブジェクト及び前記オブジェクトの少なくとも一方を、前記仮想カメラに対して相対的に移動させる
こと、
を含み、
前記ゲーム画面の表示において、前記情報処理装置が、
前記オブジェクトのうちユーザによって操作可能なオブジェクトが前記フィールドオブジェクト上の所定の範囲内である場合、前記透視投影により投影された前記操作可能なオブジェクトの前記2次元画像の大きさを一定にする
こと、を含み、
前記
相対的な移
動において、
前記情報処理装置が、
前記フィールドオブジェクトを前記仮想カメラに対して相対的に移動させ
た場合、前記仮想カメラの視野内に前記所定の範囲が含まれるように、前記所定の範囲を変化させること、
を含む
ことを特徴とす
る制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばスマートフォン又は携帯ゲーム機等の情報処理装置が実行するゲームにおいて、3次元仮想空間内の仮想カメラを視点とし、当該仮想空間内のオブジェクトを2次元平面に描画した画像をゲーム画面として表示する技術が知られている。例えば特許文献1には、仮想カメラを視点として、キャラクタが配置されたフィールドを上空から斜めに俯瞰したゲーム画面を表示する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような情報処理装置に備えられた表示デバイスの画面サイズは比較的小さく、必ずしも画面の視認性が十分でない場合がある。したがって、情報処理装置におけるゲーム画面の視認性について改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、情報処理装置に表示されるゲーム画面の視認性を向上させるプログラム、情報処理装置、及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係るプログラムは、
ゲームを実行する情報処理装置に、
3次元の仮想空間内に、仮想カメラと、フィールドオブジェクトと、前記フィールドオブジェクト上に位置するオブジェクトと、を配置するステップと、
前記仮想カメラを視点として、前記フィールドオブジェクト及び前記オブジェクトを透視投影により投影した2次元画像を含むゲーム画面を表示するステップと、
前記フィールドオブジェクト及び前記オブジェクトの少なくとも一方を、前記仮想カメラに対して相対的に移動させるステップと、
前記仮想カメラの光軸方向における前記オブジェクトの前記仮想カメラからの距離が第1範囲内である場合、前記距離が長くなるほど前記オブジェクトを大きくする補正を行う第1補正ステップと、
前記距離が前記仮想カメラの光軸方向において前記第1範囲と異なる第2範囲内である場合、前記距離が長くなるほど前記オブジェクトを小さくする補正を行う第2補正ステップと、を実行させる。
【0007】
また、本発明に係る情報処理装置は、
表示部と、制御部と、を備え、
前記制御部は、
3次元の仮想空間内に、仮想カメラと、フィールドオブジェクトと、前記フィールドオブジェクト上に位置するオブジェクトと、を配置し、
前記仮想カメラを視点として、前記フィールドオブジェクト及び前記オブジェクトを透視投影により投影した2次元画像を含むゲーム画面を前記表示部に表示させ、
前記フィールドオブジェクト及び前記オブジェクトの少なくとも一方を、前記仮想カメラに対して相対的に移動させ、
前記仮想カメラの光軸方向における前記オブジェクトの前記仮想カメラからの距離が第1範囲内である場合、前記距離が長くなるほど前記オブジェクトを大きくする補正を行い、
前記距離が前記仮想カメラの光軸方向において前記第1範囲と異なる第2範囲内である場合、前記距離が長くなるほど前記オブジェクトを小さくする補正を行う。
【0008】
また、本発明に係る制御方法は、
ゲームを実行する情報処理装置の制御方法であって、
3次元の仮想空間内に、仮想カメラと、フィールドオブジェクトと、前記フィールドオブジェクト上に位置するオブジェクトと、を配置するステップと、
前記仮想カメラを視点として、前記フィールドオブジェクト及び前記オブジェクトを透視投影により投影した2次元画像を含むゲーム画面を表示するステップと、
前記フィールドオブジェクト及び前記オブジェクトの少なくとも一方を、前記仮想カメラに対して相対的に移動させるステップと、
前記仮想カメラの光軸方向における前記オブジェクトの前記仮想カメラからの距離が第1範囲内である場合、前記距離が長くなるほど前記オブジェクトを大きくする補正を行う第1補正ステップと、
前記距離が前記仮想カメラの光軸方向において前記第1範囲と異なる第2範囲内である場合、前記距離が長くなるほど前記オブジェクトを小さくする補正を行う第2補正ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るプログラム、情報処理装置、及び制御方法によれば、情報処理装置に表示されるゲーム画面の視認性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のブロック図である。
【
図2】3次元の仮想空間内に配置された各オブジェクトを示す図である。
【
図3】3次元の仮想空間内に配置されたフィールドオブジェクト、第1オブジェクト、及び仮想カメラをXw軸方向から見た図である。
【
図5】透視投影による投影像の大きさが等しい3つのオブジェクトを示す図である。
【
図6】光軸方向における仮想カメラからの距離と、第1オブジェクトの大きさの倍率との関係の第1例を示す図である。
【
図8】光軸方向における仮想カメラからの距離と、第1オブジェクトの大きさの倍率との関係の第2例を示す図である。
【
図9】情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
(情報処理装置の概要)
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置10の概要について説明する。情報処理装置10は、例えばスマートフォン、PC、又は携帯ゲーム機等であって、本実施形態に係るゲームのアプリケーションを実行可能である。ゲームのアプリケーションは、例えばインターネットを介して所定のアプリケーション配信サーバから受信されてもよく、或いは情報処理装置10に備えられた記憶装置又は情報処理装置10が読取可能なメモリカード等の記憶媒体に予め記憶されていてもよい。
【0013】
(ゲームの概要)
本実施形態に係るゲームの概要について説明する。本実施形態に係るゲームは、1つ以上のゲームパートを含む。少なくとも1つのゲームパートは、ゲーム媒体を用いて実行されてもよい。
【0014】
ゲーム媒体は、ゲームに使用される電子データであり、例えば、カード、アイテム、仮想通貨、チケット、キャラクタ、及びアバタ等、任意の媒体を含む。また、ゲーム媒体は、ユーザによってゲーム内で取得、所有、使用、管理、交換、合成、強化、売却、廃棄、又は贈与等され得る電子データであるが、ゲーム媒体の利用態様は本明細書で明示されるものに限られない。
【0015】
以下、特に明示した場合を除き、「ユーザが所有するゲーム媒体」とは、当該ユーザを一意に識別可能なユーザIDに所有ゲーム媒体として対応付けられたゲーム媒体を示す。
また、「ゲーム媒体をユーザに付与する」とは、ゲーム媒体を所有ゲーム媒体としてユーザIDに対応付けることを示す。また、「ユーザが所有するゲーム媒体を破棄する」とは、ユーザIDと所有ゲーム媒体との対応付けを解消することを示す。また、「ユーザが所有するゲーム媒体を消費する」とは、ユーザIDと所有ゲーム媒体との対応付けの解消に応じて、何らかの効果又は影響をゲーム内で発生させ得ることを示す。また、「ユーザが所有するゲーム媒体を売却する」とは、ユーザIDと所有ゲーム媒体との対応付けを解消し、且つ、ユーザIDに他のゲーム媒体(例えば、仮想通貨又はアイテム等)を所有ゲーム媒体として対応付けることを示す。また、「ユーザAが所有するゲーム媒体をユーザBに譲渡する」とは、ユーザAのユーザIDと所有ゲーム媒体との対応付けを解消し、且つ、ユーザBのユーザIDに当該ゲーム媒体を所有ゲーム媒体として対応付けることを示す。また、「ゲーム媒体を作成する」とは、ゲーム媒体に関する情報の少なくとも一部を定義又は決定することを示す。
【0016】
ゲームパートは、ゲーム内でユーザがプレイ可能なコンテンツであって、例えばクエスト、ミッション、ミニゲーム、ゲーム媒体の育成、強化、及び合成、ゲーム媒体入手イベント、仮想空間の探索イベント、並びに対戦相手(例えば、他のユーザ、敵キャラクタ、及び敵の建物等)との対戦イベント等を含む。各ゲームパートには、1つ以上の所定の課題(ゲーム課題)が設定されてもよい。例えば、ユーザによってプレイされるゲームパートに設定された1つ以上のゲーム課題の達成に成功したと判定された場合、ユーザに対して、例えばゲーム媒体等が報酬として付与されてもよい。ゲーム課題には、例えば敵キャラクタとの対戦に勝利するとの課題、仮想空間内のゴール地点まで到達するとの課題、及び所定時間が経過するまでユーザのキャラクタが所定の状態(例えば、行動不能の状態)にならないとの課題等、ゲームパートの内容に応じた任意の課題が採用可能である。また、ゲームパートに設定された1つ以上のゲーム課題のうち、特定の課題(クリア課題)が達成されることを、ゲームパートのクリアともいう。ゲームパートをプレイするユーザがクリア課題の達成に成功した場合、当該ゲームパートのクリアと判定され、当該ゲームパートが終了してもよい。
【0017】
例えば、ゲームをプレイするユーザは、3次元の仮想空間内のフィールド上に配置されたユーザキャラクタを操作する。ユーザ操作に応じてユーザキャラクタがフィールド上を移動する。フィールドには、例えば町及びダンジョン等の多様なエリアが設けられてもよい。例えば町の住人キャラクタとの会話イベント、及びダンジョン内で遭遇する敵キャラクタとの対戦イベント等、エリアに応じた多様なイベントが発生してもよい。イベントが実行されることによって、ゲームのストーリーが進行してもよい。ユーザが敵キャラクタとの対戦に勝利すると、例えばアイテム、仮想通貨、又はキャラクタ等のゲーム媒体がユーザに付与されてもよい。
【0018】
本実施形態に係るゲームにおいて、3次元の仮想空間内の仮想カメラを視点とし、透視投影によって当該仮想空間内のオブジェクトを仮想スクリーンに投影した2次元画像を含むゲーム画面が表示される。例えば、仮想スクリーンに投影されたオブジェクトの投影像が、ゲーム画面上に表示される。以下、画面上のオブジェクトを、当該オブジェクトの投影像ともいう。透視投影によるゲーム画面上では、仮想カメラからの距離に応じた遠近感が表現される。具体的には、仮想カメラとオブジェクトとの間の距離に応じて、当該オブジェクトの投影像の大きさが変化する。例えば、仮想空間内でオブジェクトが仮想カメラから離れるほど、当該オブジェクトの投影像が小さくなる。また、本実施形態に係るゲームにおいて、所定の条件を満たす場合には、仮想カメラからの距離に応じた当該オブジェクトの投影像の大きさの変化を低減するように、当該オブジェクト自体の大きさを補正する処理が実行される。本実施形態に係るゲームの処理の詳細については後述する。
【0019】
(情報処理装置の構成)
情報処理装置10の構成について具体的に説明する。情報処理装置10は、通信部11と、記憶部12と、表示部13と、入力部14と、制御部15と、を備える。
【0020】
通信部11は、無線又は有線を介して外部装置と通信可能なインタフェースを含む。通信部11は、例えばLTE(Long Term Evolution)(登録商標)等のモバイル通信規格に対応する無線通信モジュール、無線LAN通信モジュール、又は有線LAN通信モジュール等を含んでもよい。
【0021】
記憶部12は、例えば一次記憶装置及び二次記憶装置を含む。記憶部12は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んでもよい。記憶部12は、ゲームの処理に用いられる情報及びプログラムを記憶する。ゲームの処理に用いられる情報及びプログラムは、通信部11を介して外部装置から取得されてもよい。例えば、ゲームのアプリケーションプログラムが、所定のアプリケーション配信サーバから取得されてもよい。以下、アプリケーションプログラムを、単にアプリケーションともいう。また例えば、ゲームの処理に用いられる情報が、ゲーム提供者のサーバ装置から取得されてもよい。
【0022】
表示部13は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等の表示デバイスを含む。表示部13は、多様な画面を表示可能である。
【0023】
入力部14は、情報処理装置10に対するユーザ操作を検出する入力インタフェースを含む。入力インタフェースは、例えば物理キー及びポインティングデバイス等を含んでもよい。ポインティングデバイスは、例えばマウス、タッチパッド、及び表示部13と一体的に設けられたタッチパネル等を含んでもよい。
【0024】
制御部15は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、特定のプログラムを読み込むことにより特定の機能を実現する汎用プロセッサ、及び特定の処理に特化した専用プロセッサを含んでもよい。制御部15は、情報処理装置10全体の動作を制御する。例えば制御部15は、表示部13に対するユーザ操作に応じてゲームのアプリケーションを実行する。また制御部15は、ゲームに関する多様な処理を実行する。
【0025】
例えば制御部15は、
図2及び
図3に示すように、ワールド座標系が設定された3次元の仮想空間内に、フィールドオブジェクト20と、第1オブジェクト21と、第2オブジェクト22と、仮想カメラ24と、を配置する。
図2においては、仮想カメラ24の図示を省略している。
図3においては、第2オブジェクト22の図示を省略している。ワールド座標系は、例えばXw軸、Yw軸、及びZw軸を含む。
【0026】
フィールドオブジェクト20は、仮想のフィールド(例えば、地面)に対応する。フィールドオブジェクト20には、フィールド(例えば、地面)のテクスチャ画像が投影されていてもよい。フィールドオブジェクト20は、例えば実質的に厚みの無いシート状のオブジェクトであってもよい。
【0027】
フィールドオブジェクト20の少なくとも一部は、曲面形状を有する。フィールドオブジェクト20全体が曲面形状であってもよい。曲面形状は、1つ以上の自由曲面で構成されてもよく、或いは複数のポリゴンで構成されてもよい。以下、フィールドオブジェクト20の曲面形状部分を、曲面部ともいう。例えば、フィールドオブジェクト20の曲面部の形状は、Zw軸正方向に凸である曲面形状に略一致してもよい。また例えば、フィールドオブジェクト20の曲面部の形状は、例えば
図2及び
図3に示すように、Yw-Zw平面上でZw軸正方向に凸である曲線がXw軸方向に延設された形状に略一致してもよい。
ここで、「曲面部の形状が所定形状に略一致する」とは、曲面部の形状が、当該所定形状と細部において異なってもよいことを示す。例えば、曲面部の形状は、当該所定形状の少なくとも一部に凹凸又は孔等を形成した形状であってもよい。
【0028】
フィールドオブジェクト20上は、後述するように第1オブジェクト21が移動可能な移動可能領域が設定されていてもよい。例えば、移動可能領域は、フィールド上の道等に対応し得る。フィールドオブジェクト20上には、第1オブジェクト21が進入できない進入禁止領域が設定されていてもよい。例えば、進入禁止領域は、フィールド上の川、池、及び海等に対応し得る。
【0029】
第1オブジェクト21は、フィールドオブジェクト20上の移動可能領域内を移動可能なゲーム媒体に対応する。フィールドオブジェクト20上の移動可能領域内を移動可能なゲーム媒体は、例えばユーザが操作するユーザキャラクタ、ユーザキャラクタの後について自動的に移動する仲間キャラクタ、及び自動的に移動するNPC(Non Player Character)等を含んでもよい。第1オブジェクト21には、対応する第1ゲーム媒体のテクスチャ画像が投影されていてもよい。第1オブジェクト21は、フィールドオブジェクト20の、Zw軸正方向側の面上に配置される。本実施形態において、ユーザキャラクタに対応する第1オブジェクト21は、フィールドオブジェクト20上の対象領域23内に配置される。対象領域23は、上述した移動可能領域の少なくとも一部である。
【0030】
第2オブジェクト22は、フィールドオブジェクト20上を移動しないゲーム媒体に対応する。フィールドオブジェクト20上を移動しないゲーム媒体は、例えば建物、壁、及び樹木等の設置物を含んでもよい。第2オブジェクト22には、対応する第2ゲーム媒体のテクスチャ画像が投影されていてもよい。第2オブジェクト22は、フィールドオブジェクト20の、Zw軸正方向側の面上に配置される。
【0031】
第1オブジェクト21及び第2オブジェクト22の形状は、任意に定められる。例えば、第1オブジェクト21及び第2オブジェクト22は、厚みの無い平面形状であってもよい。
【0032】
配置された第1オブジェクト21及び第2オブジェクト22の向きは、仮想カメラ24に対して所定条件を満たすように、制御部15によって制御されてもよい。
【0033】
例えば、所定条件は、第1オブジェクト21及び第2オブジェクト22に設定された特定方向が、仮想カメラ24の光軸25に略平行になるとの条件を含んでもよい。特定方向は、平面形状であるオブジェクトの法線方向であってもよい。或いは、特定方向は、オブジェクトに設定されたオブジェクト座標系によって示される任意の方向であってもよい。
【0034】
また例えば、所定条件は、第1オブジェクト21及び第2オブジェクト22に設定された特定方向が仮想カメラ24に向くとの条件を含んでもよい。
【0035】
仮想カメラ24は、後述するフィールド画面を表示部13に表示させる処理に用いられる。仮想カメラ24の位置、向き、及び視野は、任意に定められる。
【0036】
例えば
図3に示すように、仮想カメラ24は、フィールドオブジェクト20に対してZw軸正方向側に位置してもよい。仮想カメラ24の向きは、光軸25がYw-Zw平面に略平行となるように定められてもよい。仮想カメラ24の向きは、光軸25がフィールドオブジェクト20と交わるように定められてもよい。仮想カメラ24から見て右方向が、Xw軸正方向と略一致してもよい。フィールドオブジェクト20の曲面部の法線と仮想カメラ24の光軸25に平行な直線との成す角度が、光軸25方向における仮想カメラ24からの距離に応じて異なってもよい。仮想カメラ24の視野内に対象領域23が含まれるように、仮想カメラ24の位置、向き、及び視野が定められてもよい。仮想カメラ24の視野内にフィールドオブジェクト20の曲面部の少なくとも一部が含まれるように、仮想カメラ24の位置、向き、及び視野が定められてもよい。仮想カメラ24の視野内に対象領域23が含まれる場合、後述するフィールド画面には、ユーザキャラクタに対応する第1オブジェクト21の少なくとも一部が含まれる。
【0037】
制御部15は、仮想カメラ24を視点として仮想空間を眺めた透視投影によるゲーム画面を、表示部13に表示させる。詳細には、制御部15は、仮想カメラ24を視点とし、仮想空間内のオブジェクトを透視投影によって2次元平面に描画した2次元画像を生成する。制御部15は、当該2次元画像を含むゲーム画面を表示部13に表示させる。以下、当該2次元画像を含むゲーム画面を、フィールド画面ともいう。
【0038】
フィールド画面には、フィールドオブジェクト20の少なくとも一部と、第1オブジェクト21の少なくとも一部と、第2オブジェクト22の少なくとも一部と、が含まれ得る。例えば
図4に示すフィールド画面には、フィールドオブジェクト20の一部と、ユーザキャラクタに対応し対象領域23内に位置する第1オブジェクト21と、建物に対応する第2オブジェクト22と、が含まれる。
【0039】
制御部15は、フィールドオブジェクト20、第1オブジェクト21、及び第2オブジェクト22のうち少なくとも1つを、仮想カメラ24に対して相対的に移動させる。仮想カメラ24に対してオブジェクトを相対的に移動させることは、仮想空間内で仮想カメラ24及びオブジェクトの少なくとも一方を移動させることを含む。上述したように、フィールドオブジェクト20上を移動しないゲーム媒体に対応する第2オブジェクト22は、フィールドオブジェクト20と一体的に移動する。
【0040】
仮想カメラ24に対して、ユーザキャラクタである第1オブジェクト21を相対的に移動させる処理について詳細に説明する。制御部15は、第1オブジェクト21が対象領域23内に位置している場合、ユーザ操作に応じて又は自動的に、対象領域23内において、第1オブジェクト21を仮想カメラ24に対して相対的に移動させる。このとき、第1オブジェクト21は、フィールドオブジェクト20に対しても相対的に移動している。したがって、フィールド画面上では、フィールドオブジェクト20は移動せず、第1オブジェクト21が対象領域23内において移動する。
【0041】
移動する第1オブジェクト21が対象領域23の端に到達すると、制御部15は、第1オブジェクト21の仮想カメラ24に対する相対的な移動を停止させる。一方、制御部15は、第1オブジェクト21のフィールドオブジェクト20に対する相対的な移動を継続する。換言すると、制御部15は、仮想カメラ24に対してある方向に相対移動する第1オブジェクト21を停止させ、且つ、仮想カメラ24に対してフィールドオブジェクト20を当該方向とは逆方向に相対移動させる。したがって、フィールド画面上では、第1オブジェクト21は移動せず、フィールドオブジェクト20が移動する。
【0042】
仮想カメラ24に対してフィールドオブジェクト20を相対的に移動させる処理について、詳細に説明する。例えば、制御部15は、移動する第1オブジェクト21が対象領域23のXw軸正方向の端に到達すると、フィールドオブジェクト20をXw軸負方向に平行移動させる。反対に、制御部15は、移動する第1オブジェクト21が対象領域23のXw軸負方向の端に到達すると、フィールドオブジェクト20をXw軸正方向に平行移動させる。フィールドオブジェクト20がXw軸方向に平行移動することによって、フィールド画面上では、フィールドオブジェクト20が左右方向に移動する。
【0043】
また例えば、制御部15は、移動する第1オブジェクト21が、仮想カメラ24から見て対象領域23の手前側の端に到達すると、フィールドオブジェクト20を奥側に向かってスライド移動させる。反対に、制御部15は、移動する第1オブジェクト21が、仮想カメラ24から見て対象領域23の奥側の端に到達すると、フィールドオブジェクト20を手前側に向かってスライド移動させる。上述したように、フィールドオブジェクト20は、例えば実質的に厚みの無いシート状のオブジェクトである。フィールドオブジェクト20のスライド移動は、例えば
図3の両矢印で示すようにYw-Zw平面に略平行な面によるフィールドオブジェクト20の断面形状を含む軌道に沿って、シート状のフィールドオブジェクト20が送り出されるように移動する態様を含んでもよい。フィールドオブジェクト20がスライド移動することによって、フィールド画面上では、フィールドオブジェクト20が奥側又は手前側に向かってスライド移動する。
【0044】
仮想カメラ24に対してフィールドオブジェクト20を相対的に移動させる場合、制御部15は、仮想カメラ24とフィールドオブジェクト20との相対的位置関係に応じて、フィールドオブジェクト20上の対象領域23の位置、大きさ、及び形状のうち少なくとも1つを変化させる。仮想カメラ24に対してフィールドオブジェクト20を相対的に移動させることは、仮想空間内において仮想カメラ24及びフィールドオブジェクト20の少なくとも一方を移動させることを含む。
【0045】
例えば、制御部15は、仮想カメラ24の視野内に対象領域23が含まれるように、フィールドオブジェクト20上の対象領域23の位置を変化させてもよい。制御部15は、仮想カメラ24に対する対象領域23の相対的位置を維持するように、フィールドオブジェクト20上の対象領域23の位置を変化させてもよい。
【0046】
また例えば、制御部15は、仮想カメラ24の視野内に含まれるフィールドオブジェクト20上の移動可能領域に応じて、フィールドオブジェクト20上の対象領域23の大きさ及び形状の少なくとも一方を変化させてもよい。具体例として、フィールドオブジェクト20上の移動可能領域が道である例について説明する。ユーザキャラクタである第1オブジェクト21がフィールドオブジェクト20上の道を進むに従って、例えば道の幅及び形状が変化する場合がある。かかる場合、制御部15は、仮想カメラ24の視野内に含まれる道の幅及び形状に応じて、対象領域23の大きさ及び形状の少なくとも一方を変化させてもよい。
【0047】
また例えば、フィールドオブジェクト20の形状(例えば、曲面部の曲率等)が変化し得る構成において、制御部15は、フィールドオブジェクト20の形状の変化に応じて、フィールドオブジェクト20上の対象領域23の位置、大きさ、及び形状のうち少なくとも1つを変化させてもよい。
【0048】
制御部15は、仮想カメラ24の光軸25方向における仮想カメラ24と第1オブジェクト21との間の距離に応じて、当該第1オブジェクト21の大きさを補正する。以下、光軸25方向における仮想カメラ24からの距離を、光軸方向距離ともいう。第1オブジェクト21の大きさを補正することによって、例えば、透視投影による第1オブジェクト21の投影像の大きさの変化が低減され得る。以下、詳細に説明する。
【0049】
上述したように、透視投影によれば、光軸方向距離に応じてオブジェクトの投影像の大きさが変化する。具体的には、オブジェクトの投影像は、光軸方向距離が短いほど大きくなり、光軸方向距離が長いほど小さくなる。これに対して、オブジェクト自体の大きさを、光軸方向距離が短いほど小さくし、光軸方向距離が長いほど大きくすることによって、光軸方向距離に対するオブジェクトの投影像の大きさの変化を低減することができる。例えば
図5に示すように、光軸方向距離がnからn±dに変化する場合、オブジェクト自体の大きさを倍率α=(n±d)/nで補正すると、光軸方向距離の変化前後で当該オブジェクトの投影像の大きさが等しくなる。
【0050】
制御部15は、
図6に示すように、第1オブジェクト21の光軸方向距離が第1範囲内である場合、光軸方向距離が長くなるほど当該第1オブジェクト21を大きくし、光軸方向距離が短くなるほど当該第1オブジェクト21を小さくする。第1範囲は、フィールドオブジェクト20上の対象領域23に対応する、仮想カメラ24の光軸25方向における距離の範囲(即ち、光軸方向距離の範囲)である。第1範囲は、光軸方向距離をLとして、例えば次式(1)で示されてもよい。
n-d≦L≦n+d (1)
制御部15は、光軸方向距離Lに応じた倍率αで、第1オブジェクト21の大きさを補正してもよい。補正によって、第1オブジェクト21の大きさが変化し得る。光軸方向距離Lが第1範囲内である場合における第1オブジェクト21の大きさの倍率αは、例えば次式(2)で示されてもよい。
α=L/n (n-d≦L≦n+d) (2)
【0051】
かかる構成によって奏される効果について、第1オブジェクト21の大きさを補正しない場合と比較して説明する。
【0052】
図7に示すように、仮に、第1オブジェクト210の大きさを補正しない場合には、必ずしもフィールド画面の視認性が十分でない場合がある。具体的には、透視投影によれば、第1オブジェクト210の光軸方向距離Lが短くなるほど、第1オブジェクト210の投影像が大きくなる(図中の第1オブジェクト210aに対する第1オブジェクト210b)。フィールド画面上で手前側に位置する第1オブジェクト210bの投影像は、比較的大きい。このため、第1オブジェクト210bの影に他のオブジェクトが隠れる蓋然性が増加するので、画面の視認性が必ずしも十分でない。一方、第1オブジェクト210の光軸方向距離Lが長くなるほど、第1オブジェクト210の投影像が小さくなる(図中の第1オブジェクト210aに対する第1オブジェクト210c)。フィールド画面上で奥側に位置する第1オブジェクト210cの投影像は、比較的小さい。このため、第1オブジェクト210cの視認性が必ずしも十分でない。
【0053】
これに対して、制御部15は、例えば第1オブジェクト21が対象領域23内で移動する場合、光軸方向距離Lに応じ第1オブジェクト21の大きさを補正する。詳細には、第1オブジェクト21が対象領域23内に存在する場合、第1オブジェクト21の光軸方向距離は上述した第1範囲内である。制御部15は、例えば上述した式(2)で算出される倍率αを用いて、第1オブジェクト21の大きさを補正してもよい。第1オブジェクト21の大きさが倍率αで補正されることによって、例えば
図7に示すように、第1オブジェクト21の投影像の大きさが、対象領域23内において一定となり得る(図中の第1オブジェクト21aに対する第1オブジェクト21b及び21c)。上述したように、対象領域23は、ユーザキャラクタに対応する第1オブジェクト21が存在し得るフィールドオブジェクト20上の領域である。このため、ユーザキャラクタを操作するユーザは、フィールド画面上の対象領域23に注目する蓋然性が高い。したがって、注目される蓋然性の高い対象領域23内において、第1オブジェクト21の投影像の大きさの変化が低減されるので、フィールド画面の視認性が向上する。
【0054】
制御部15は、例えばNPC等、ユーザキャラクタ以外の第1ゲーム媒体に対応する第1オブジェクト211の光軸方向距離Lが第2範囲内である場合、光軸方向距離Lが長くなるほど当該第1オブジェクト211を小さくし、光軸方向距離Lが短くなるほど当該第1オブジェクト211を大きくする。第2範囲は、仮想カメラ24の光軸25方向における距離の範囲(即ち、光軸方向距離Lの範囲)である。第2範囲は、例えば次式(3)で示されてもよい。
n-d-e≦L≦n-d,n+d≦L≦n+d+e (3)
光軸方向距離Lが第2範囲内である場合における第1オブジェクト211の大きさの倍率αは、例えば次式(4)で示されてもよい。
【数1】
【0055】
かかる構成によれば、以下に説明するように、フィールド画面の違和感が低減される。
例えば
図6に示すように、光軸方向距離L=n±dであるとき、倍率α=(n±d)/nである。したがって、第1オブジェクト211がフィールド画面上で対象領域の手前側又は奥側の端に位置するとき、第1オブジェクト211の倍率αは1ではなくなっている。
倍率α≠1である場合、例えば第2オブジェクト22と、倍率α≠1で補正された第1オブジェクト211と、の縮尺が一致しない。これに対して、第1オブジェクト211がフィールド画面上で対象領域23から手前側又は奥側へ離れていくと、上述した第2範囲において、当該第1オブジェクト211の大きさの倍率αが1に近づく。このため、例えば第2オブジェクト22と、フィールド画面上で対象領域23から手前側又は奥側に離れた第1オブジェクト211と、の縮尺が一致するので、フィールド画面の違和感が低減される。
【0056】
制御部15は、例えばNPCに対応する第1オブジェクト211の光軸方向距離Lが第3範囲内である場合、光軸方向距離Lによらず、第1オブジェクト211の大きさを一定に維持する。換言すると、制御部15は、光軸方向距離Lに応じた第1オブジェクト211の大きさの変化を停止させる。第3範囲は、仮想カメラ24の光軸25方向における距離の範囲(即ち、光軸方向距離Lの範囲)である。第3範囲は、例えば次式(5)で示されてもよい。
L≦n-d-e,n+d+e≦L (5)
光軸方向距離Lが第3範囲内である場合における第1オブジェクト211の大きさの倍率αは、例えば次式(6)で示されてもよい。
α=1 (L≦n-d-e,n+d+e≦L) (6)
【0057】
図7を参照して、光軸方向距離Lに応じて第1オブジェクト21及び211の大きさが補正される場合における、第1オブジェクト21及び211の投影像の大きさについて説明する。
図7に示す領域A、B、及びCは、それぞれ上述した第1範囲、第2範囲、及び第3範囲に対応する、フィールド画面上の領域である。領域Aにおいて、第1オブジェクト21及び211の投影像の大きさは一定となり得る(図中の第1オブジェクト21a-21c、211a、及び211b参照)。領域Bにおいて、第1オブジェクト211が領域Aの手前側の端又は奥側の端から離れるにしたがって、第1オブジェクト211の大きさの倍率αが1に近づくように変化しつつ(即ち、第2オブジェクト22と同一の縮尺に近づきつつ)、第1オブジェクト211の投影像の大きさが透視投影により変化する(図中の第1オブジェクト211c及び211e参照)。領域Cにおいて、第1オブジェクトの倍率αは1のまま、第1オブジェクト211の投影像の大きさが透視投影により変化する(図中の第1オブジェクト211d参照)。
【0058】
例えば
図6に示すように、上述の例では、第1範囲及び第2範囲において、倍率αは、光軸方向距離Lに対して直線的に変化している。しかしながら、光軸方向距離Lに対する倍率αの変化は、直線的な変化に限られない。例えば
図8に示すように、第1範囲及び第2範囲において、倍率αが、光軸方向距離Lに対して曲線的に変化してもよい。
【0059】
図9を参照して、情報処理装置10の動作について説明する。
【0060】
ステップS100:制御部15は、3次元の仮想空間内に、仮想カメラ24と、フィールドオブジェクト20と、第1オブジェクト21と、第2オブジェクト22と、を配置する。
【0061】
ステップS101:制御部15は、仮想カメラ24を視点として、仮想空間を眺めた透視投影によるゲーム画面を、表示部13に表示させる。
【0062】
ステップS102:制御部15は、フィールドオブジェクト20、第1オブジェクト21、及び第2オブジェクト22のうち少なくとも1つを、仮想カメラ24に対して相対的に移動させる。
【0063】
ステップS103:制御部15は、仮想カメラ24の光軸25方向における仮想カメラ24と第1オブジェクト21との間の距離に応じて、当該第1オブジェクト21の大きさを補正する。補正によって、第1オブジェクト21の大きさが変化し得る。その後、プロセスはステップS102に戻る。
【0064】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置10は、仮想カメラ24の光軸25方向における仮想カメラ24と第1オブジェクト21との間の距離に応じて、第1オブジェクト21の大きさを補正する。かかる構成によれば、例えば、透視投影による第1オブジェクト21の投影像の大きさの変化が低減され得るので、フィールド画面の視認性を向上可能である。
【0065】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0066】
例えば、上述した実施形態では、光軸方向距離Lに応じて第1オブジェクト21の大きさを補正することによって、第1オブジェクト21の投影像の大きさを制御する構成について説明した。他の実施形態において、第1オブジェクト21の大きさを補正することなく、第1オブジェクト21の投影像の大きさを補正する構成であってもよい。
【0067】
具体的には、制御部15は、第1オブジェクト21の光軸方向距離が第1範囲内である場合、光軸方向距離が長くなるほど当該第1オブジェクト21の投影像を大きくし、光軸方向距離が短くなるほど当該第1オブジェクト21の投影像を小さくしてもよい。制御部15は、ユーザキャラクタ以外の第1ゲーム媒体に対応する第1オブジェクト211の光軸方向距離が第2範囲内である場合、光軸方向距離が長くなるほど当該第1オブジェクト211の投影像を小さくし、光軸方向距離が短くなるほど当該第1オブジェクト211の投影像を大きくしてもよい。制御部15は、第1オブジェクト211の光軸方向距離が第3範囲内である場合、光軸方向距離によらず、第1オブジェクト211の投影像の大きさを一定に維持してもよい。
【0068】
また、上述した実施形態にかかるゲームは、ロールプレイングゲーム又はシミュレーションゲーム等であるものとして説明したが、本発明は、ゲーム内のフィールド上でゲーム媒体を移動させる多様なジャンルのゲームに適用可能である。
【0069】
また、上述した実施形態において、各種のゲーム画面の一部を、情報処理装置10との間で通信可能なサーバ装置が生成したデータに基づいて情報処理装置10に表示させるウェブ表示とし、ゲーム画面の一部(例えば、メニューボタンが配されるヘッダ領域及びフッタ領域)を、情報処理装置10にインストールされているネイティブアプリによって表示させるネイティブ表示としてもよい。このように、上述した実施形態に係るゲームは、情報処理装置10及びサーバ装置のそれぞれが処理の一部を担うハイブリッドゲームとすることもできる。
【0070】
また、上述した実施形態に係る情報処理装置10として機能させるために、コンピュータ又は携帯電話等、情報処理を実行可能な装置を好適に用いることができる。このような装置は、実施形態に係る情報処理装置10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、装置の記憶部に格納し、装置のCPUによって当該プログラムを読み出して実行させることにより実現可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 表示部
14 入力部
15 制御部
20 フィールドオブジェクト
21、21a-21c、210a-210c、211a-211e 第1オブジェクト
22 第2オブジェクト
23 対象領域
24 仮想カメラ
25 光軸