(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】二輪車用太陽光薄膜発電装置及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
B62M 6/85 20100101AFI20230307BHJP
B62J 43/10 20200101ALI20230307BHJP
【FI】
B62M6/85
B62J43/10
(21)【出願番号】P 2021519631
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(86)【国際出願番号】 CN2020095887
(87)【国際公開番号】W WO2021120549
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2021-04-05
(31)【優先権主張番号】201911315769.1
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521143952
【氏名又は名称】嘉興智行物聯網技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIAXING ZHIXING INTERNET OF THINGS TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Room 901,Building 11,No.36 Changsheng South Road,Economic Development ZoneJiaxing City,Zhejiang 314000 China
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】陳可
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3171686(JP,U)
【文献】中国実用新案第204761383(CN,U)
【文献】特表2017-534184(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104442424(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109995123(CN,A)
【文献】中国実用新案第208433775(CN,U)
【文献】実開平06-084758(JP,U)
【文献】特開2000-277165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/85
B62J 43/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車に固定され、二輪車の電池を充電するための太陽光薄膜発電装置であって、
巻き取り状態と
展開状態とを切り替え、筐体と薄膜太陽光モジュールとを含み、
前記薄膜太陽光モジュールは、巻き取り状態にある場合、巻き取られて筐体に内蔵され、展開状態にある場合、回動手段により長さを調整され、
前記薄膜太陽光モジュールは、筐体に内蔵された電圧変換機構をさらに含み、前記電圧変換機構を介して筐体に内蔵された電池を逆充電
し
前記回動手段は、順次接続された、ローラと、ユニバーサバーサルジョイントと、ユニバーサルジョイントに接続され、太陽光薄膜発電装置を二輪車に対して固定して取り付けることで長さを設定するヘッド位置決め調整部とを含み、前記ローラは転がり軸に接続され、前記ヘッド位置決め調整部は筐体に接続されており、
前記ヘッド位置決め調整部は、一端が二輪車のヘッドにボルトで接続され、他端に係合部材が設けられた調整バーと、第1リンクに設けられ、前記係合部材を内蔵する調整溝とを含み、
前記ヘッド位置決め調整部と協働して設けられたフックとして実施されるテール位置決め調整部をさらに含み、
二輪車のフレームに屈曲可能な薄膜太陽光モジュールが取り付けられることを特徴とする太陽光薄膜発電装置。
【請求項2】
前記薄膜太陽光モジュールの発電材料が、具体的には、テルル化カドミウム、銅・インジウム・ガリウム・セレン、非結晶シリコン、ガリウム砒素のうちの1種又は2種以上である、ことを特徴とする請求項1に記載の二輪車用太陽光薄膜発電装置。
【請求項3】
前記転がり軸には転がり軸ジャケットが設けられ、前記転がり軸と転がり軸ジャケットとの間に衝撃吸収パッドが設けられる、ことを特徴とする請求項
2に記載の二輪車用太陽光薄膜発電装置。
【請求項4】
前記薄膜太陽光モジュールは、筐体に内蔵された制御表示機構をさらに含み、前記制御表示機構は、調整溝に対する係合部材のスライド又は固定を制御する制御部と、電池の残量及び当日の太陽光強度の発電効率を表示する表示部とを含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の二輪車用太陽光薄膜発電装置。
【請求項5】
前記筐体の両端にLED表示灯が設けられており、前記LED表示灯の形状は、具体的には、円形、三角形、正方形のいずれかである、ことを特徴とする請求項1に記載の二輪車用太陽光薄膜発電装置。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか1項に記載の二輪車用太陽光薄膜発電装置の使用方法であって、
最初に取り付ける時に、太陽光薄膜装置の筐体を取り付ける開口の大きさを他の異なる二輪車のテール部分に合わせるステップ1)と、
最初に取り付ける時に、太陽光薄膜装置を固定して取り付けるヘッド位置決め調整部を他の異なる二輪車に合わせるステップ2)と、
制御部により回動手段を調整し、薄膜太陽光モジュールを必要な長さと角度にするステップ3)と、
調整部で長さを設定してロック部材するステップ4)と、
制御部により本装置を起動するステップ5)とを含む、ことを特徴とする二輪車用太陽光薄膜発電装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽光発電の技術分野に属し、具体的には、屋外駐車の条件下で簡便に使用することができ、所望の大きさに迅速に展開することができる二輪車用太陽光薄膜発電装置、及び二輪車用太陽光薄膜発電装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
社会の発展、人々の生活の需要、家庭の経済条件や住宅状況の様々な要素に伴って、現在、二輪電動車は、中、小都市及び広大な農村で人々の旅行に利便性をもたらしている。このような小型の交通工具は、市場では数え切れないほどの造形があるが、どのような造形であっても、二輪電動車であれば、その運動エネルギーとして車の蓄電池を充電してから、電気エネルギーから機械エネルギーに変換して車を走行させ、現実の状況によれば、この車の欠点は次の通りである。
1、曇りや雨の日に外で充電した電動車は電線のプラグで漏電事故が発生しやすい。
2、屋外で長時間駐車すると、車体やシートが老化しやすい。
3、屋外で充電すると、自然な火災を引き起こしやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術の状況に鑑み、以上の欠陥を解決し、上記課題を解決するために、二輪車用太陽光薄膜発電装置、及び二輪車用太陽光薄膜発電装置の使用方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、以下の技術案を採用し、二輪車の電池を充電するための太陽光薄膜発電装置であって、巻き取り状態と巻き取り状態とを切り替え、筐体と薄膜太陽光モジュールとを含み、
前記薄膜太陽光モジュールは、巻き取り状態にある場合、巻き取られて筐体に内蔵され、展開状態にある場合、回動手段により長さを調整され、
前記薄膜太陽光モジュールは、筐体に内蔵された電圧変換機構をさらに含み、前記電圧変換機構を介して筐体に内蔵された電池を逆充電する。
【0005】
さらに、前記薄膜太陽光モジュールの発電材料が、具体的には、テルル化カドミウム、銅・インジウム・ガリウム・セレン、非結晶シリコン、ガリウム砒素のうちの1種又は2種以上である。
【0006】
さらに、前記回動手段は、順次接続された、ローラと、ユニバーサバーサルジョイントと、ユニバーサルジョイントに接続されたヘッド位置決め調整部とを含み、前記ローラは転がり軸に接続され、前記ヘッド位置決め調整部は筐体に接続されている。
【0007】
さらに、前記ローラは、具体的には、ベアリング式ローラ、ベルト式ローラ、ボール式ローラのうちの1つである。
【0008】
さらに、前記ヘッド位置決め調整部は、一端が二輪車のヘッドにボルトで接続され、他端に係合部材が設けられた調整バーと、第1リンクに設けられ、前記係合部材を内蔵する調整溝とを含む。
【0009】
さらに、前記二輪車用太陽光薄膜発電装置は、前記ヘッド位置決め調整部と協働して設けられたテール位置決め調整部をさらに含む。
【0010】
前記テール位置決め調整部は、具体的にはフックとして実施されている。
【0011】
さらに、前記転がり軸には転がり軸ジャケットが設けられ、前記転がり軸と転がり軸ジャケットとの間に衝撃吸収パッドが設けられる。
【0012】
さらに、前記薄膜太陽光モジュールは、筐体に内蔵された制御表示機構をさらに含み、前記制御表示機構は、調整溝に対する係合部材のスライド又は固定を制御する制御部と、電池の残量及び当日の太陽光強度の発電効率を表示する表示部とを含む。
【0013】
さらに、前記筐体は、筐体の先端に位置する調整部可能なロック部材が設けられ、前記調整部可能なロック部材は、調整部リングとロックディスクとを含み、前記調整部リングはロックディスクに套設され、前記調整部リングの内壁には第1の溝が設けられ、前記ロックディスクの外壁には第1のバンプが設けられ、前記第1の溝と前記第1のバンプは嵌合して設けられる。
【0014】
さらに、前記ロックディスクの中心に正六角形の貫通孔が開けられ、前記貫通孔の内壁に第2の溝が設けられ、前記第2の溝が位置する水平面が伝動軸の軸方向に垂直となり、前記貫通孔内に調整リングに接続されたロックスライダが設けられる。
【0015】
さらに、前記筐体の両端にLED表示灯が設けられており、前記LED表示灯の形状は、具体的には、円形、三角形、正方形のいずれかである。
【0016】
さらに、前記筐体には、前記制御表示機構に電力を供給するための第2の内蔵電池がさらに内蔵されている。
【0017】
本発明の特許出願は、以下のステップを含む二輪車用太陽光薄膜発電装置の使用方法をさらに開示している。
最初に取り付ける時に、太陽光薄膜装置の筐体を取り付ける開口の大きさを他の異なる二輪車のテール部分に合わせるステップ1)と、
最初に取り付ける時に、太陽光薄膜装置を固定して取り付けるヘッド位置決め調整部を他の異なる二輪車に合わせるステップ2)と、
制御部により回動手段を調整し、薄膜太陽光モジュールを必要な長さと角度にするステップ3)と、
調整部で長さを設定してロックするステップ4)と、
制御部により本装置を起動するステップ5)とを含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明で開示された二輪車用太陽光薄膜発電装置及びその使用方法は、次の利点を有する。
1.本発明における薄膜太陽光モジュールは可撓性材料を用いている。ライド中に薄膜太陽光モジュールを収納することができ、ライドの安全性を確保することができる。薄膜太陽光モジュールが光を受ける角度は変化するが、光を受ける面積は変化せず、このため、継続的に充電を行うことができ、それにより、ライド時の航続性を向上させる。一般的に、従来の二輪電動車(48ボルト12アンペア時の蓄電池、350ワットモーターを搭載)は、走行距離が約30kmであったのに対して、本発明による二輪車(同様に48ボルト12アンペア時のリチウム電池、350ワットモーターを搭載)は、昼間に薄膜太陽光モジュールを使用すると、最大走行距離が60~70kmに向上することが試験により証明された。
2.本発明は、単独の動力源を必要とせず、構造が簡単であり、薄膜太陽光モジュールの折り畳み及び展開を片手で行うことができ、このため、より便利に使用することができる。
3、薄膜太陽光モジュールは、二輪車を充電するだけでなく、駐車中に遮風板の役割を果たし、車両を保護することができる。
4.本発明における薄膜太陽光モジュールの配置は、従来の二輪電動車の使用機能及び外観構造を変えることなく、薄膜太陽光モジュールの面積及び電力を最大化し、薄膜太陽光モジュールが曇りの日や冬においても十分な電力を供給できることを確保する。また、天候が良い場合、電動車の蓄電池に満充電した電力を当日供給するほか、携帯電話などの小型電気機器に充電することもできる。
5.本発明における薄膜太陽光モジュールの配列方式は、薄膜太陽光モジュールが使用電圧を満たす場合に、シリコンウェハを切断する必要がなく、最大の利用率を実現し、かつ薄膜太陽光モジュールの加工コストを最小限に抑えることができ、最も経済的である。
6、電動車のフレームに屈曲可能で柔軟な薄膜太陽光モジュールを取り付けることにより、ライド中に薄膜太陽光モジュールを下方に収納することができるので、電動車の軽量性を確保することができ、電動車が停止した場合には、折り畳み支持機構を介して薄膜太陽光モジュールを展開して、蓄電池を充電することができ、このため、航続性をより向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、二輪車用太陽光薄膜発電装置及び二輪車用太陽光薄膜発電装置の使用方法を開示し、以下、好適な実施例を参照しながら、本発明の具体的な実施形態についてはさらに説明する。
【0021】
好適な実施例
図面の
図1~
図3を参照すると、好ましくは、前記二輪車用太陽光薄膜発電装置は、二輪車の電池(図示せず)への充電に用いられ、巻取り状態と展開状態とを切り替え、筐体10と薄膜太陽光モジュールとを含み、
前記薄膜太陽光モジュールは、巻き取り状態にある場合、巻き取られて筐体10に内蔵され、展開状態にある場合、回動手段により長さを調整され、
前記薄膜太陽光モジュールは、筐体10に内蔵された電圧変換機構11をさらに含み、電圧変換機構11を介して上記電池を逆充電する。
【0022】
さらに、前記薄膜太陽光モジュールの発電材料が、具体的には、テルル化カドミウム、銅・インジウム・ガリウム・セレン、非結晶シリコン、ガリウム砒素のうちの1種又は2種以上である。
【0023】
さらに、前記回動装置は、順次接続された、ローラ12と、ユニバーサバーサルジョイントと、ユニバーサバーサルジョイントに接続されたヘッド位置決め調整部13とを含み、前記ローラ12は前記転がり軸14に接続され、前記ヘッド位置決め調整部13は筐体10に接続される。
【0024】
さらに、前記ローラ12は、具体的には、ベアリング式ローラ、ベルト式ローラ、ボール式ローラのうちの1つである。
【0025】
さらに、前記ヘッド位置決め調整部13は、一端が二輪車のヘッド(図示せず)にボルトで接続され、他端に係合部材が設けられた調整バーと、第1リンクに設けられ、前記係合部材を内蔵する調整溝とを含む。
【0026】
さらに、前記二輪車用太陽光薄膜発電装置は、前記ヘッド位置決め調整部13と協働して設けられたテール位置決め調整部15をさらに含む。
【0027】
前記テール位置決め調整部15は、具体的には、フックとして実施される。
【0028】
さらに、前記転がり軸14には転がり軸ジャケットが設けられ、前記転がり軸14と前記転がり軸ジャケットとの間に衝撃吸収パッドが設けられている。
【0029】
さらに、前記薄膜太陽光モジュールは、筐体10に内蔵された制御表示機構をさらに含み、前記制御表示機構は、調整溝に対する係合部材のスライド又は固定を制御する制御部と、電池の残量及び当日の太陽光強度の発電効率を表示する表示部とを含む。
【0030】
さらに、前記筐体10は、筐体10の先端に位置する調整部可能なロック部材が設けられ、前記調整部可能なロック部材は、調整部リングとロックディスクとを含み、前記調整部リングはロックディスクに套設され、前記調整部リングの内壁には第1の溝が設けられ、前記ロックディスクの外壁には第1のバンプが設けられ、前記第1の溝と前記第1のバンプは嵌合して設けられる。
【0031】
さらに、前記ロックディスクの中心に正六角形の貫通孔が開けられ、前記貫通孔の内壁に第2の溝が設けられ、前記第2の溝が位置する水平面が伝動軸の軸方向に垂直となり、前記貫通孔内に調整リングに接続されたロックスライダが設けられる。
【0032】
さらに、前記筐体10の両端には、LED表示灯16が設けられており、前記LED表示灯16の形状は、具体的には、円形、三角形、正方形のいずれかである。
【0033】
さらに、前記筐体10には、前記制御表示機構に電力を供給するための第2内蔵電池がさらに内蔵されている。
【0034】
本発明の特許出願は、以下のステップを含む二輪車用太陽光薄膜発電装置の使用方法をさらに開示している。
【0035】
最初に取り付ける時に、太陽光薄膜装置の筐体を取り付ける開口の大きさを他の異なる二輪車のテール部分に合わせるステップ1)と、
最初に取り付ける時に、太陽光薄膜装置を固定して取り付けるヘッド位置決め調整部13を他の異なる二輪車に合わせるステップ2)と、
制御部により回動手段を調整し、薄膜太陽光モジュールを必要な長さと角度にするステップ3)と、
調整部で長さを設定してロックするステップ4)と、
制御部により本装置を起動するステップ5)とを含む。
【0036】
なお、本発明の特許出願に係わるテルル化カドミウムの具体的な処方などの技術的特徴は先行技術と見なされるべきであり、これらの技術的特徴の具体的な構造、動作原理及び関わる可能性のある制御方式、空間配置方式はその分野の通常の選択を採用すればよく、本発明特許の発明点と見なされるべきではなく、本発明の特許では、さらに詳述しない。
【0037】
当業者にとっては、前述の各実施例に記載された技術案を補正したり、その一部の技術的特徴を均等に置き換えたりすることが可能であり、本発明の精神及び原則内で行われた如何なる補正、均等置換や改良等はすべて本発明の特許範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0038】
10-筐体
11-電圧変換機構
12-ローラー
13-ヘッド位置決め調整部
14-転がり軸
15-テール位置決め調整部