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特許7239728電池モジュール、二次電池及びその上蓋組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】電池モジュール、二次電池及びその上蓋組立体
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/55 20210101AFI20230307BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20230307BHJP
   H01M 50/176 20210101ALI20230307BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20230307BHJP
   H01M 50/188 20210101ALI20230307BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20230307BHJP
   H01M 50/516 20210101ALI20230307BHJP
   H01M 50/557 20210101ALI20230307BHJP
   H01M 50/562 20210101ALI20230307BHJP
   H01M 50/159 20210101ALN20230307BHJP
【FI】
H01M50/55 101
H01M50/15
H01M50/176
H01M50/184 A
H01M50/188
H01M50/503
H01M50/516
H01M50/557
H01M50/562
H01M50/159
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021551825
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-19
(86)【国際出願番号】 CN2020080212
(87)【国際公開番号】W WO2020215939
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-09-01
(31)【優先権主張番号】201920589861.6
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】鄭于煉
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼承友
(72)【発明者】
【氏名】王鵬
(72)【発明者】
【氏名】李国偉
【審査官】山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208622794(CN,U)
【文献】国際公開第2014/064888(WO,A1)
【文献】特開2002-299551(JP,A)
【文献】特開2005-294668(JP,A)
【文献】特開2019-012727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子孔が設けられた上蓋板と、
前記端子孔をカバーする電極端子と、を備え、
前記電極端子は、外表面を有し、前記電極端子は、位置決め孔を備え、前記位置決め孔は、前記電極端子の前記外表面に対して凹みかつ第1の部分と第2の部分を有し、前記第2の部分は、前記第1の部分の前記外表面から離れた一方側に位置し、前記第1の部分の前記位置決め孔の中心軸に平行な断面は台形であり、
前記第1の部分の前記第2の部分に近づく方向に沿って、前記第1の部分の孔径サイズは、次第に減少し、かつ前記第1の部分の最小の孔径サイズは、前記第2の部分の孔径サイズより大きく又はそれと等しいである二次電池の上蓋組立体。
【請求項2】
前記第1の部分は、第1の周面を有し、前記第1の周面と前記外表面との夾角は、135度~175度である請求項1に記載の上蓋組立体。
【請求項3】
前記第2の部分の前記第1の部分から離れた方向に沿って、前記第2の部分のサイズは、次第に減少し、
前記第2の部分は、第2の周面を有し、前記第2の周面は、円弧面である請求項1又は2に記載の上蓋組立体。
【請求項4】
前記第2の部分の形状は、前記第1の部分の形状と異なる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の上蓋組立体。
【請求項5】
前記位置決め孔は、第3の部分をさらに備え、前記第3の部分は、柱状でありかつ前記第1の部分と前記第2の部分との間に位置している請求項1乃至4のいずれか1項に記載の上蓋組立体。
【請求項6】
前記電極端子は、第1の端子板と第2の端子板を備え、前記第1の端子板は、前記第2の端子板の前記上蓋板から離れた一方側に位置し、
前記第1の端子板は、アルミニウムによって製造され、前記第2の端子板は、銅によって製造され、
前記位置決め孔は、前記第1の端子板に形成され、かつ前記位置決め孔の深さは、前記第1の端子板の厚さより小さい請求項1乃至5のいずれか1項に記載の上蓋組立体。
【請求項7】
前記上蓋組立体は、固定部材をさらに備え、前記固定部材は、前記上蓋板と前記電極端子を接続し、前記電極端子のエッジは、前記固定部材と前記上蓋板との間に位置している請求項1乃至6のいずれか1項に記載の上蓋組立体。
【請求項8】
前記電極端子は、前記上蓋板の一方側に設けられている請求項1乃至7のいずれか1項に記載の上蓋組立体。
【請求項9】
前記上蓋組立体は、接続シートをさらに備え、前記接続シートに凸部が設けられ、前記凸部は、前記端子孔内に挿入されて前記電極端子に接続されている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の上蓋組立体。
【請求項10】
前記上蓋組立体は、シールリングをさらに備え、前記シールリングは、前記上蓋板と前記電極端子との間に設けられている請求項1乃至9のいずれか1項に記載の上蓋組立体。
【請求項11】
ケースと、
前記ケースに収容された電極組立体と、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の上蓋組立体と、を備え、
前記上蓋組立体の上蓋板は、前記ケースに接続され、前記上蓋組立体の電極端子は、前記上蓋板の前記電極組立体から離れた一方側に設けられている二次電池。
【請求項12】
請求項11に記載の二次電池と、
前記二次電池の上蓋組立体の電極端子に接続され、かつ前記電極端子の位置決め孔と上下に対向している貫通孔を有するバスバーと、を備え、
前記貫通孔から前記位置決め孔の第1の部分の第1の周面が露出され、かつ前記第1の周面の露出された面積と前記第1の周面の総面積との比は2/3より大きい電池モジュール。
【請求項13】
前記バスバーは、前記電極端子の外表面の第2の領域に溶接され、前記貫通孔から前記外表面の第1の領域の少なくとも一部が露出される請求項12に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互引用
本出願は、2019年04月26日に提出された発明名称が「電池モジュール、二次電池及びその上蓋組立体」の中国特許出願第201920589861.6号の優先権を主張し、該出願の全内容は参照により本明細書に援用される。
【0002】
本出願は、電池の技術分野に関し、特に、電池モジュール、二次電池及びその上蓋組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、エネルギー密度が高く、耐用年数が長く、省エネルギー及び環境にやさしいなどの利点を有し、新エネルギー自動車、エネルギー貯蔵発電所などの異なる分野に広く用いられる。複数の二次電池が接続されてグループになる場合、通常に、バスバーによって上記複数の二次電池を直列又は並列接続する必要がある。バスバーは通常に二次電池の電極端子に溶接される。しかしながら、従来技術において、溶接時に電極端子とバスバーの位置決め精度が悪くてバスバーの溶接位置がずれ、溶接強度が不足することにより、電池モジュールの失効を引き起こす。
【発明の概要】
【0004】
背景技術の問題に鑑み、本出願は、電池モジュール、二次電池及びその上蓋組立体を提供し、それにより、電極端子とバスバーの位置決め精度を改善し、溶接強度を向上させることを目的とする。
【0005】
一側面において、本出願により提供された上蓋組立体は、端子孔が設けられた上蓋板と、端子孔をカバーする電極端子と、を備える。電極端子は外表面を有する。電極端子は位置決め孔を備え、位置決め孔は電極端子の外表面に対して凹みかつ第1の部分と第2の部分を有し、第2の部分は第1の部分の外表面から離れた一方側に位置し、第1の部分の位置決め孔の中心軸に平行な断面は台形である。第1の部分の第2の部分に近づく方向に沿って、第1の部分の孔径サイズは次第に減少し、かつ第1の部分の最小の孔径サイズは第2の部分の孔径サイズより大きく又はそれと等しいである。
【0006】
1つの実施例において、第1の部分は第1の周面を有し、第1の周面と外表面との夾角は135度~175度である。
【0007】
1つの実施例において、第1の部分は第1の周面を有する。外表面は第1の領域と第2の領域を有し、第1の領域は第1の周面の外側を取り囲みかつ第1の周面に接続し、第2の領域は第1の領域の外側を取り囲みかつ第1の領域に接続している。第1の領域の粗さは、第1の周面の粗さより大きい。
【0008】
1つの実施例において、第1の領域の粗さは1μm~14μmである。
【0009】
1つの実施例において、第2の部分の第1の部分から離れた方向に沿って、第2の部分のサイズは次第に減少する。第2の部分は第2の周面を有し、第2の周面は円弧面である。
【0010】
1つの実施例において、第2の部分の形状は第1の部分の形状と異なる。
【0011】
1つの実施例において、位置決め孔は第3の部分をさらに備え、第3の部分は柱状でありかつ第1の部分と第2の部分との間に位置している。
【0012】
1つの実施例において、電極端子は第1の端子板と第2の端子板を備え、第1の端子板は第2の端子板の上蓋板から離れた一方側に位置している。第1の端子板はアルミニウムによって製造され、第2の端子板は銅によって製造される。位置決め孔が第1の端子板に形成され、かつ位置決め孔の深さは第1の端子板の厚さより小さい。
【0013】
1つの実施例において、上蓋組立体は固定部材をさらに備え、固定部材は上蓋板と電極端子を接続し、電極端子のエッジは固定部材と上蓋板との間に位置している。
【0014】
1つの実施例において、電極端子は上蓋板の一方側に設けられている。
【0015】
1つの実施例において、上蓋組立体は接続シートをさらに備え、接続シートに凸部が設けられ、凸部が端子孔内に挿入されて電極端子に接続されている。
【0016】
1つの実施例において、上蓋組立体はシールリングをさらに備え、シールリングは上蓋板と電極端子との間に設けられている。
【0017】
他の側面において、本出願は電極組立体と、ケースと、上記の上蓋組立体と、を備える二次電池を更に提供する。電極組立体はケースに収容され、上蓋組立体の上蓋板はケースに接続され、上蓋組立体の電極端子は上蓋板の電極組立体から離れた一方側に設けられている。
【0018】
他の側面において、本出願は上記の二次電池と、バスバーと、を備える電池モジュールを更に提供する。バスバーは二次電池の上蓋組立体の電極端子に接続され、かつバスバーは電極端子の位置決め孔と上下に対向している貫通孔を有する。貫通孔から位置決め孔の第1の部分の第1の周面が露出され、かつ第1の周面の露出された面積と第1の周面の総面積との比は2/3より大きい。
【0019】
1つの実施例において、バスバーは電極端子の外表面の第2の領域に溶接され、貫通孔から外表面の第1の領域の少なくとも一部が露出される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本出願は、添付の図面を参照した以下の詳細な説明からよりよく理解される。ここで、以下の図面を参照して非限定的な実施例に対する詳細な説明を読むことにより、本出願の他の特徴、目的及び利点はより明らかになり、同一又は類似の参照符号は、同一又は類似の特徴を示す。
【0021】
図1図1は、本出願に係る二次電池を示す一概略図である。
図2図2は、本出願に係る二次電池を示す一断面図である。
図3図3は、図2におけるブロック部分を示す拡大図である。
図4図4は、図3における電極端子を示す概略図である。
図5図5は、図4におけるブロック部分を示す拡大図である。
図6図6は、図4における電極端子を示す上面図である。
図7図7は、本出願に係る電池モジュールを示す概略図である。
図8図8は、二次電池とバスバーの接続を示す概略図である。
【発明を実施するための例】
【0022】
以下、本出願の各態様の特徴および例示的な実施例を詳細に説明する。以下の詳細な説明では、本出願の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が開示されている。しかしながら、これらの特定の詳細の一部を必要とせずに本出願を実施できることは、当業者には明らかである。以下の実施例の説明は、単に、本出願の実施例を示すことで、本出願をより良く理解させるためのものである。本出願は、以下に記載される特定の構成に限定されるものではなく、本出願の精神から逸脱しない限り、要素および部材の変形、置換および改良を含む。本出願に対する不必要な曖昧性を回避するために、公知の構造および技術は、添付の図面および以下の説明において示されていない。
【0023】
図7を参照すると、本出願の電池モジュールは複数の二次電池を備える。二次電池は柱状のリチウムイオン電池であってもよい。複数の二次電池は幅方向Yに沿って順に配列されていてもよい。
【0024】
電池モジュールはエンドプレートとサイドプレートとをさらに備え、エンドプレートは2つであり、かつそれぞれ上記複数の二次電池の幅方向Yの両端に設けられ、サイドプレートは2つであり、かつそれぞれ上記複数の二次電池の長さ方向Xの両側に設けられる。エンドプレートとサイドプレートは一体に接続され、かつ矩形のフレームを形成し、上記フレームが上記複数の二次電池を固定する。
【0025】
図1及び図2を参照すると、本出願の二次電池は上蓋組立体1、電極組立体2及びケース3を備える。
【0026】
電極組立体2は、充放電機能を実現する二次電池のコア部材である。電極組立体2は正極シートと、負極シートと、ダイヤフラムとを備え、ダイヤフラムは正極シートと負極シートを仕切る。正極シートは正極集電体と正極集電体の表面に塗布された正極活物質層を含み、正極集電体はアルミホイルであってもよく、正極活物質層は三元材料、マンガン酸リチウムまたはリン酸鉄リチウムを含む。負極シートは負極集電体と負極集電体の表面に塗布された負極活物質層を含み、負極集電体は銅箔であってもよく、負極活物質層は黒鉛又はシリコンを含む。
【0027】
電極組立体2は巻回式構造であってもよい。具体的に、正極シート及び負極シートはいずれも1つであり、かつ正極シート及び負極シートは帯状の構造である。正極シート、ダイヤフラム及び負極シートを順に積層して2周以上巻回して電極組立体2を形成する。電極組立体2を製造する場合、電極組立体2はまず中空の柱状構造に巻回し、巻回した後に扁平状に平坦化することができ。
【0028】
あるいは、電極組立体2は積層式構造であってもよい。具体的に、正極シートを複数に設置し、負極シートを複数に設置し、上記複数の正極シートと負極シートが交互に積層され、ダイヤフラムにより正極シートと負極シートを仕切る。
【0029】
ケース3は、六面体形状であってもよいし、他の形状であってもよい。電極組立体2及び電解液を収容するためにケース3の内部に収容室が形成される。ケース3の一端に開口が形成され、電極組立体2が上記開口を介してケース3の収容室に配置される。ケース3は導電性金属の材料で製造されてもよく、いくつかの例において、ケース3はアルミニウム又はアルミニウム合金で製造される。
【0030】
上蓋組立体1は上蓋板11と電極端子12を備え、上蓋板11がケース3に設けられかつケース3の開口をカバーし、それにより、電極組立体2をケース3内に密封する。上蓋板11は金属板であってもよく、かつ溶接の方式によりケース3に接続される。
【0031】
上蓋板11に2つの貫通している端子孔111が設けられる。電極端子12は2つでありかつ上蓋板11の高さ方向Zに沿う上側、すなわち上蓋板11の電極組立体2から離れた一方側に設けられる。各電極端子12は、対応している1つの端子孔111をカバーする。上蓋板11と電極端子12の間にシールリングが設けられ、シールリングを圧縮することにより端子孔111の密封を実現することができる。
【0032】
上蓋組立体1は固定部材13と接続シート14を更に備え、固定部材13は電極端子12を上蓋板11に固定する。接続シート14は2つであり、1つの接続シート14は1つの電極端子12と電極組立体2の正極シートを接続し、もう1つの接続シート14はもう1つの電極端子12と電極組立体2の負極シートを接続する。接続シート14に凸部141が設けられてもよく、凸部141が端子孔111内に挿入されてかつ電極端子12に接続されている。
【0033】
電池モジュールにおいて、複数の二次電池はバスバー4によって接続することができる。図7を参照すると、バスバー4の一端が1つの二次電池の電極端子12に接続され、バスバー4の他端がもう1つの二次電池の電極端子12に接続され、それにより、2つの二次電池を直列又は並列接続している。
【0034】
バスバー4は、レーザ溶接により電極端子12に固定される。溶接時に、レーザがバスバー4の表面に作用し、バスバー4の位置がずれると、レーザの位置がずれて溶接不良を引き起こす。更に深刻なことは、位置ずれたレーザは上蓋板11に直接作用する可能性があることで、上蓋板11が溶けられ、安全上の問題を引き起こす可能性がある。
【0035】
電極端子12は、上蓋板11から離れた一端に外表面121を有する。いくつかの例において、電極端子12は位置決め孔122を有し、位置決め孔122は電極端子12の外表面121に対して凹む。それに応じて、バスバー4は、電極端子12の位置決め孔122と上下に対向している貫通孔41を有する。貫通孔41のサイズは、位置決め孔122のサイズより大きい。
【0036】
溶接時に、まずバスバー4を電極端子12の上方に放置し、かつ貫通孔41と電極端子12の位置決め孔122が高さ方向Zに沿って上下に対向させ、貫通孔4から位置決め孔122が露出させる。そして、CCD(Charge Coupled Device、電荷結合デバイス)画像センサを用いて位置決め孔122の位置を決める。
【0037】
具体的に、レーザ溶接装置にCCD撮影捕獲機能を有し、溶接する必要がある位置を探すために用いられる。電荷結合デバイス画像センサCCD(Charge Coupled Device)は高感光度の半導体材料を用いて製造され、光線を電荷に変換することができ、アナログデジタルコンバーターチップによりデジタル信号に変換し、デジタル信号が圧縮された後にカメラ内部のフラッシュメモリ又は内蔵ハードディスクカードに保存されるので、コンピュータにデータを簡単に伝送し、かつコンピュータの処理手段により、必要と想像に応じて画像を修正する。CCDは複数の感光単位で構成され、通常に百万画素を単位とする。CCDの表面が光線により照射される場合、複数の感光単位は電荷を組立体に反映し、全ての感光単位で生成された信号を加えて完全な画面を構成する。位置決め孔122は外表面121に対して内部へ凹んでいるので、位置決め孔122の輪郭がCCDに表示されることができる。コンピュータアルゴリズムにより、位置決め孔122の幾何中心を発見し、さらに該幾何中心により溶接軌跡を算出することができる。最後に、レーザ溶接装置は算出された溶接軌跡に沿って溶接すればよい。
【0038】
したがって、本出願において、位置決め孔122は電極端子12とバスバー4の位置決め精度を改善し、溶接強度を向上させることに役立つ。
【0039】
しかしながら、位置決め孔122が柱状孔に設置されると、CCDで撮られた写真において、位置決め孔122と外表面121との境界は細線であり、同時に、誤差があるので、バスバー4は位置決め孔122の一部の領域を遮蔽する可能性もある。したがって、位置決め孔122のCCDに表示された輪郭は明らかではなく、CCDの位置決めの失効率が高くて溶接失効のリスクが存在する。
【0040】
したがって、いくつかの例において、図4及び図5を参照すると、位置決め孔122は第1の部分122aと第2の部分122bを備え、第2の部分122bは第1の部分122aの外表面121から離れた一方側に位置している。第1の部分122aの位置決め孔122の中心軸に平行な断面は台形である。第2の部分122bは、第1の部分122aと異なる形状を有する。外表面121から離れた方向に沿って、第1の部分122aの孔径サイズは次第に減少し、かつ第1の部分122aの最小の孔径サイズは第2の部分122bの孔径サイズより大きく又はそれと等しい。
【0041】
本出願において、第1の部分122aはほぼ円錐台状でありかつ外部が大きく内部が小さい孔である。第1の部分122aは第1の周面122cを有し、第2の部分122bは第2の周面122dを有し、第1の周面122cが第2の周面122dに接続される。位置決め孔122は止まり孔であり、第2の部分122bの高さ方向Zの下端に底面122gをさらに有する。
【0042】
ストレートホールに比べて、第1の部分122aの第1の周面122cはCCDで撮られた写真において環状の領域として表示され、大きい幅を有し、それにより、CCDの捕獲範囲を増加することができる。また、第1の周面122cは外表面121に対して一定の角度で傾斜しているので、CCDで撮られた写真において、第1の周面122cと外表面121の顔色は異なるインテンシティーを有し、CCDが位置決め孔122の幾何中心(即ち位置決め孔122の中心軸)を発見することに役立つ。
【0043】
また、位置決め孔122はサイズが小さい第2の部分122bを更に有する。第2の部分122bを設置することにより位置決め孔122の深さを増大させ、かつ第1の部分122aと第2の部分122bの間のコントラストを強化させ、CCDが第1の周面122cを捕獲する能力をさらに向上させることができる。CCDは捕獲された第1の周面122cの輪郭に基づいて、位置決め孔122の幾何中心を正確に算出することができる。
【0044】
上記により、本出願は特定の形状を有する位置決め孔122を設けることにより、CCD装置は位置決め孔122の幾何中心を正確に算出することができ、電極端子12とバスバー4の位置決め精度を改善し、レーザが上蓋板11に作用することを回避し、溶接強度を向上させる。
【0045】
第1の周面122cがCCDで撮られた写真は大きな幅及び濃い色を有するため、バスバー4が誤差で位置決め孔122の一部の領域を遮蔽しても、CCDの位置決めに影響を与えない。つまり、貫通孔41から第1の周面122cが完全に露出される必要がない。もちろん、CCDの位置決め精度を確保するために、第1の周面122cの露出された面積と第1の周面122cの総面積との比は2/3より大きい。第1の周面122cのバスバー4により遮蔽された範囲が1/3を超えると、第1の周面122cがCCDで撮られた写真が大きな幅及び濃い色を有しても、位置決めが失効になる可能性がある。
【0046】
図5を参照すると、第1の周面122cと外表面121との夾角はαである。第1の部分122aの高さ方向Zの深さが一定である場合、αの値が大きいほど、第1の周面122cの傾斜の程度が小さくなり、CCDで撮られた写真において、第1の周面122cと外表面121の顔色の差異が小さくなるが、CCDで撮られた写真において、第1の周面122cの幅が大きい。αの値が小さいほど、第1の周面122cの傾斜の程度が大きくなり、CCDで撮られた写真において、第1の周面122cと外表面121の顔色の差異が大きくなる。もちろん、CCDで撮られた写真において、第1の周面122cの幅が小さくなる。したがって、いくつかの例において、αの値は135度~175度であり、この場合、第1の周面122cのCCDで撮られた写真における幅及び顔色のインテンシティーを両立させ、位置決め機能を改善することができる。
【0047】
位置決め孔122は第3の部分122eをさらに備え、第3の部分122eは柱状でありかつ第1の部分122aと第2の部分122bとの間に位置している。第3の部分122eは柱状の第3の周面122fを有し、第3の周面122fは第1の周面122cと第2の周面122dを接続する。第3の部分122eは等径の孔である。第3の部分122eを設置することにより、第1の部分122aと第2の部分122bの距離を増加させ、反射を減少し、第1の周面122cと第2の周面122dの写真におけるコントラストを強化させ、位置決め機能を改善することができる。
【0048】
外表面121は第1の領域121aと第2の領域121bを有し、第1の領域121aは第1の周面122cの外側を取り囲みかつ第1の周面122cに接続し、第2の領域121bは第1の領域121aの外側を取り囲みかつ第1の領域121aに接続している。第1の領域121aの粗さは、第1の周面122cの粗さより大きい。
【0049】
本出願において、第1の領域121aの粗さを増加することにより、CCDが第1の周面122cを容易に捕獲するために、第1の領域121aと第1の周面122cの写真におけるコントラストを強化させ、位置決め機能を改善する。もちろん、CCDは第1の領域121aが撮れるために、貫通孔41から第1の領域121aの少なくとも一部が露出される。
【0050】
第1の領域121aの粗さは1μm~14μmである。第1の領域121aの粗さが1μmより小さいと、第1の領域121aと第1の周面122cの写真におけるコントラストに対する影響が小さい。第1の領域121aの粗さが14μmより大きいと、第1の領域121aの平坦性が悪くなり、バスバー4が第1の領域121a及び第2の領域121bと貼り合わせる場合、バスバー4の安定性が悪い。いくつかの例において、第1の領域121aの粗さは1.2μm~7μmである。
【0051】
バスバー4は、外表面121の第2領域121bに溶接可能である。第2の領域121bの粗さが大きすぎると、バスバー4が第2の領域121bに溶接される場合、溶接不良を引き起こしやすい。したがって、第2の領域121bの粗さは第1の領域121aの粗さより小さい。
【0052】
外表面121から離れた方向に沿って、第2の部分122bのサイズは次第に減少する。第2の部分122bの第2の周面122dは円弧面である。
【0053】
本出願において、電極端子12が上蓋板11の一方側に設けられ、電極端子12は上蓋板11の端子孔を貫通する必要がないので、電極端子12は小さい厚さを有してもよい。しかしながら、二次電池が動作する場合、ケース3の内部にガスが生成され、ガスは上蓋板11と電極端子12に対し圧力を印加する。電極端子12の厚さが小さいため、電極端子12はガスの圧力の作用で変形する。しかしながら、圧力は電極端子12の位置決め孔122に集中し、ガスの圧力が大きすぎると、電極端子12が破裂する。本出願によれば、位置決め孔122の底部にR面取りを設置し、さらに円弧状の第2の周面122dを形成する。円弧状の第2の周面122dは応力を分散することができ、電極端子12が破裂するリスクを低減する。
【0054】
前記上蓋組立体1は固定部材13を更に備え、固定部材13は上蓋板11と電極端子12を接続し、電極端子12のエッジは固定部材13と上蓋板11との間に位置している。
【0055】
固定部材13は固定シート131と絶縁部材132を備え、固定シート131が溶接により上蓋板11に固定され、絶縁部材132が固定シート131に集積されかつ固定シート131と電極端子12を仕切る。絶縁部材132は電極端子12の外側を取り囲むことができ、かつ電極端子12のエッジは絶縁部材132と上蓋板11との間に位置している。絶縁部材132は電極端子12を上蓋板11に押し付け、電極端子12が上蓋板11から離脱することを回避できる。
【0056】
もちろん、電極端子12のエッジは絶縁部材132により制限されるため、電極端子12の位置決め孔122が設けられた中部領域はガスの圧力の作用で膨出変形しやすい。円弧状の第2の周面122dを設けないと、電極端子12はガスの圧力の作用で破裂しやすい。
【0057】
負極シートと電気接続している電極端子12は、金属複合板であってもよい。具体的に、電極端子12はアルミニウム製の第1の端子板123と銅製の第2の端子板124を備え、第1の端子板123と第2の端子板124は冷間圧延法、熱間圧延法、爆発複合法又は爆発圧延法などの方式で一体に複合することができる。第1の端子板123は、第2の端子板124の上蓋板11から離れた一方側に位置している。
【0058】
第2の端子板124と負極シートを容易に接続するために、銅製の第2の端子板124を使用する。通常に、バスバー4の材質はアルミニウムであり、アルミニウム製の第1の端子板123を使用して第1の端子板123とバスバー4との溶接を容易にする。
【0059】
位置決め孔122は、第1の端子板123に形成される。すなわち、位置決め孔122の深さは第1の端子板123の厚さより小さい。それにより、第1の端子板123と第2の端子板124との接触面が露出することを回避し、第1の端子板123と第2の端子板124が分離することが防止できる。
【0060】
当業者は、上記の実施例は、いずれも例示的なものであり、限定的なものではないことを理解すべきである。異なる実施例に現れる異なる技術的特徴を組み合わせて、有益な効果を達成することができる。当業者は、図面、明細書、特許請求の範囲を検討したうえ、開示された実施例の他の変更された実施例を理解し且つ実現できる。特許請求の範囲において、用語「含む」とは、他の手段又はステップを除外せず、物品に対して数量詞によって修飾されない場合に、1つ/一種又は複数/多種の物品を含むことを意図し、かつ「一つ/一種又は複数/多種の物品」と交換して使用することができる。用語「第1」、「第2」は、名称を表すものであり、特定の順番を示すものと理解すべきではない。請求項における参照符号は、本出願の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。請求項に現れる複数の部分の機能は、単一のハードウェア又はソフトウェアモジュールによって実現できる。ある技術的特徴が異なる従属請求項に記載されていることは、このような技術的特徴を組み合わせて有益な効果が得られないことを意味しない。
【符号の説明】
【0061】
1上蓋組立体
11 上蓋板
111 端子孔
12 電極端子
121 外表面
121a 第1の領域
121b 第2の領域
122 位置決め孔
122a 第1の部分
122b 第2の部分
122c 第1の周面
122d 第2の周面
122e 第3の部分
122f 第3の周面
122g 底面
123 第1の端子板
124 第2の端子板
13 固定部材
131 固定シート
132 絶縁部材
14 接続シート
141 凸部
2 電極組立体
3 ケース
4 バスバー
41 貫通孔
X 長さ方向
Y 幅方向
Z 高さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8