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特許7239749情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-06
(45)【発行日】2023-03-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20230307BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022003730
(22)【出願日】2022-01-13
(62)【分割の表示】P 2018188671の分割
【原出願日】2018-10-03
(65)【公開番号】P2022036262
(43)【公開日】2022-03-04
【審査請求日】2022-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田島 玲
(72)【発明者】
【氏名】塚本 浩司
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩司
(72)【発明者】
【氏名】山田 寛
(72)【発明者】
【氏名】二反田 哲
(72)【発明者】
【氏名】水本 慎太郎
【審査官】新里 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-257696(JP,A)
【文献】特開2018-120337(JP,A)
【文献】特開2015-184949(JP,A)
【文献】特表2008-504785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のコンテンツを配信するコンテンツ配信サービスとは異なる他のウェブサービスにおいてユーザに対して付与された属性情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された属性情報であって、前記コンテンツ配信サービスによりコンテンツが配信されたユーザの属性情報毎に、前記属性情報が付与されるユーザに配信された各コンテンツの配信回数を集計する集計部と、
前記集計部によって集計された前記属性情報毎の配信回数に基づいて、前記属性情報が付与されるユーザに推奨するコンテンツを決定する決定部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記集計部は、
前記コンテンツ配信サービスにより配信されたコンテンツ毎に、当該コンテンツが配信されたユーザの属性情報を集計し、集計結果に基づいて、属性情報毎の各コンテンツの配信回数を集計する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記集計部は、
前記コンテンツが配信されたユーザの属性情報の前記集計結果が所定値以下である場合、前記属性情報毎の各コンテンツの配信回数を集計する集計対象から除外する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、
前記コンテンツ配信サービスを新規に利用する新規ユーザの属性情報に対応する配信回数に基づいて、前記新規ユーザに推奨するコンテンツを決定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、
前記ユーザに推奨するコンテンツを決定する際に、前記属性情報に対応する配信回数に応じて重み付けを行う
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定部は、
前記属性情報を有するユーザ数のユーザ全体に対する割合が、所定値よりも大きい場合、前記割合が小さい場合よりも前記属性情報に対応する配信回数の重みを小さくする
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記決定部は、
前記属性情報を有するユーザ数のユーザ全体に対する割合が、所定値よりも小さい場合、前記割合が大きい場合よりも前記属性情報に対応する配信回数の重みを大きくする
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取得部は、
前記他のウェブサービスにおいてユーザに対して付与された属性情報として、前他のウェブサービスにおける前記ユーザの行動情報を取得する
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記コンテンツは動画コンテンツである
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
所定のコンテンツを配信するコンテンツ配信サービスとは異なる他のウェブサービスにおいてユーザに対して付与された属性情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された属性情報であって、前記コンテンツ配信サービスによりコンテンツが配信されたユーザの属性情報毎に、前記属性情報が付与されるユーザに配信された各コンテンツの配信回数を集計する集計工程と、
前記集計工程によって集計された前記属性情報毎の配信回数に基づいて、前記属性情報が付与されるユーザに推奨するコンテンツを決定する決定工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
所定のコンテンツを配信するコンテンツ配信サービスとは異なる他のウェブサービスにおいてユーザに対して付与された属性情報を取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された属性情報であって、前記コンテンツ配信サービスによりコンテンツが配信されたユーザの属性情報毎に、前記属性情報が付与されるユーザに配信された各コンテンツの配信回数を集計する集計手順と、
前記集計手順によって集計された前記属性情報毎の配信回数に基づいて、前記属性情報が付与されるユーザに推奨するコンテンツを決定する決定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえばウェブ広告ごとにクリック等の応答実績があった複数のユーザに共通する特徴属性を抽出し、抽出した特徴属性が付与された広告を、同じ特徴属性に関連付けられたユーザに配信する技術がある(たとえば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-238020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなウェブ広告の配信であれば、他の広告から特徴属性を特定しやすいためターゲティングすることも比較的に容易である。
【0005】
しかしながら、たとえば動画などを配信するコンテンツ配信サービスでは、コンテンツを閲覧するユーザの嗜好が多岐にわたってターゲティングが極めて難しい。そのため、たとえばコンテンツ配信サービスに初めて来訪した新規ユーザなどのように履歴のないユーザに対しては、推奨するコンテンツを決定することが難しい。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、たとえばコンテンツ配信サービスに初めて来訪した新規ユーザに対しても、ユーザの嗜好に応じたコンテンツの推奨が可能となる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、取得部と、集計部とを備える。取得部は、コンテンツを配信するコンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスにおいてユーザに対して付与された属性情報を取得する。集計部は、前記取得部によって取得された属性情報であって、前記コンテンツ配信サービスによりコンテンツが配信されたユーザの属性情報毎に、前記属性情報が付与されるユーザに配信された各コンテンツの配信回数を集計する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、コンテンツ配信サービスに初めて来訪した新規ユーザに対しても、ユーザの好みに応じたコンテンツの推奨が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す説明図である。
図2図2は、情報処理システムの構成例を示す説明図である。
図3図3は、情報処理装置の構成例を示す説明図である。
図4図4は、属性情報記憶部の一例を示す説明図である。
図5図5は、配信回数記憶部の一例を示す説明図である。
図6A図6Aは、コンテンツランキング記憶部の一例を示す説明図である。
図6B図6Bは、コンテンツランキング記憶部の一例を示す説明図である。
図6C図6Cは、コンテンツランキング記憶部の一例を示す説明図である。
図7図7は、情報処理装置における情報処理の流れを示すフローチャートである。
図8図8は、変形例に係る情報処理装置の構成例を示す説明図である。
図9図9は、変形例に係る情報処理装置における情報処理の流れを示すフローチャートである。
図10図10は、プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しながら説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0011】
〔1.情報処理〕
実施形態に係る情報処理の一例について、図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す説明図であり、図1に示す例では、情報処理装置10によって情報処理が実行される。
【0012】
情報処理装置10は、コンテンツ配信装置20およびユーザ端末30とインターネット等のネットワークを介して接続されており、これらの装置との間でユーザ情報を含む各種情報の送受信を行うサーバである。各種情報には、後述するコンテンツのIDや、このコンテンツに付随するユーザ情報などが含まれている。コンテンツに付随するユーザ情報には、コンテンツ配信装置20によるコンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスにおいてユーザに付与された属性情報60が含まれる。
【0013】
コンテンツとしては、たとえば、コンテンツ配信装置20によるコンテンツ配信サービスによりユーザが視聴可能な映画やテレビドラマなどの動画コンテンツを想定している。かかる映画やテレビドラマなどの動画コンテンツは、ユーザの嗜好に応じてターゲティングすることが難しいとされている。特に、コンテンツ配信サービス(以下、「動画配信サービス」とする)に履歴がないユーザに対して効果的にレコメンドすることは難しい。
【0014】
情報処理装置10は、コンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスにおいてユーザに対して付与された属性情報60を取得する。そして、情報処理装置10は、取得した属性情報60であって、動画配信サービスにより動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60毎に、この属性情報60が付与されるユーザに配信された各コンテンツの配信回数を集計する。
【0015】
たとえば、あるユーザが、コンテンツ配信サービスを実行するコンテンツ配信装置20にアクセスしたとすると、かかるユーザにタグ付けられている属性情報60を情報処理装置10は取得する。ここで、情報処理装置10が取得する属性情報60は、コンテンツ配信サービスとは異なる他のサービスを利用したときに付与された情報であり、ユーザにタグ付けられている様々な情報の中に含まれている。
【0016】
かかる属性情報60は、コンテンツ配信装置20により配信される動画コンテンツにタグ付けされた付随情報の中にも含まれている。すなわち、動画コンテンツにタグ付けされた付随情報には、男性、女性、年代などのユーザに関するメタ情報に加え、行動ターゲティングなどの情報を含む属性情報60が含まれている。情報処理装置10は、動画コンテンツが配信されるユーザが有する属性情報60を取得する。
【0017】
なお、配信される動画コンテンツへの属性情報60の付与は、情報処理装置10が行ってもよいし、コンテンツ配信装置20が行ってもよい。いずれにしても、動画コンテンツが所定のユーザに配信されてユーザに閲覧されると、この動画コンテンツには、閲覧したユーザの属性情報60がタグ付けされる。かかる属性情報60には、たとえば、ニュースサイト、通販サイト、あるいはグルメサイトなど、コンテンツ配信装置20が実行する動画配信サービスとは異なる他のウェブサービスをユーザが利用した際に付与された属性情報60が含まれる。
【0018】
そして、情報処理装置10は、動画配信サービスにより動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60毎に、属性情報60が付与されるユーザに配信された各動画コンテンツの配信回数を集計する。このとき、コンテンツ配信サービスにより配信された動画コンテンツ毎に、この動画コンテンツが配信された各ユーザがそれぞれ有する属性情報60を集計する。
【0019】
たとえば、これまでに他のユーザに配信された実績がある動画コンテンツには、配信されたユーザ毎の属性情報60が付与されている。情報処理装置10は、かかる属性情報60毎の各動画コンテンツの配信回数を集計するのである。属性情報60毎の各動画コンテンツの配信回数の集計結果から、情報処理装置10は、動画コンテンツが、どのようなカテゴリに属する属性情報60を有するユーザにどれだけ配信されたかを把握することが可能となる。
【0020】
こうして、情報処理装置10は、各種カテゴリに属する属性情報60を有するユーザに配信された動画コンテンツの配信回数を把握することにより、属性情報60毎のユーザの動画コンテンツの閲覧傾向を推定することができる。ひいては、属性情報60毎に、ユーザの動画コンテンツの好みを推定することができるため、ユーザにレコメンドするための推奨コンテンツを決定することができる。
【0021】
このように、情報処理装置10は、コンテンツ配信サービスにより動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60毎に、属性情報60が付与されるユーザに配信された各動画コンテンツの配信回数を集計する。そして、情報処理装置10は、その集計結果に基づいて、属性情報60に応じたコンテンツランキングを設定することができ、設定したコンテンツランキングを利用して、ユーザにレコメンドするための推奨コンテンツの決定処理を行うことができる。
【0022】
なお、上述した情報処理装置10およびコンテンツ配信装置20は、それぞれが単体の処理装置である必要はなく、クラウドシステム等の複数の処理装置が協調して動作することで実現されてもよい。また、図1では、情報処理装置10およびコンテンツ配信装置20を別々の装置としたが、これは例示であって限定されるものではなく、後述するように、情報処理装置10がコンテンツ配信装置20の機能を備えるものであってもよい。
【0023】
ところで、属性情報60には、上述したメタ情報に加え、個人嗜好に関する情報が含まれている。かかる属性情報60は、エンターテイメント、スポーツ、ショッピング、旅行、経済活動などの大カテゴリに分類されるとともに、大カテゴリの中は、さらに中カテゴリに分類される。また、中カテゴリの中には小カテゴリが含まれる場合がある。たとえば大カテゴリがエンターテイメントであれば、中カテゴリは音楽、芸能などに分類され、さらに、音楽は、クラッシク、映画音楽、演歌、J-pop、K-popなどの小カテゴリに分類される。なお、これらは一例であって、属性情報60は、ユーザの属性に関する情報であればいかなる情報であっても構わない。
【0024】
また、属性情報60にはユーザの行動ターゲティング情報が含まれる。行動ターゲティング情報は、たとえば、ユーザがインターネットなどを利用して、いかなる商品を購入したか、いかなるニュースを視聴したか、いかなるサイトを訪れたかなどの情報が含まれ、これからも個人の嗜好などを推定することができる。
【0025】
コンテンツを動画コンテンツとすると、動画コンテンツは、コンテンツ配信装置20へユーザ端末30を介して行われるユーザからの配信要求に応じて配信される。動画コンテンツには、作品名などを示すID情報や作品のカテゴリ(コメディ、アクション、歴史、ミュージカルなど)を示す作品情報が付されている。
【0026】
ここで、ユーザに推奨する動画コンテンツを決定する手順について、図1を参照しながらより具体的に説明する。なお、図1においては、便宜上、コンテンツ配信装置20が備える複数の動画コンテンツを、第1~第nの動画コンテンツC1~Cnと区別するとともに、ユーザに付与された属性情報60についても、第1の属性情報60a~第5の属性情報60eとカテゴリ毎に区分している。
【0027】
図1に示すように、情報処理装置10は、動画コンテンツを配信する動画配信サービスとは異なる他のサービスにおいてユーザに対して付与された属性情報60を取得する(ステップS1)。たとえば、動画配信サービスを初めて利用するユーザXがコンテンツ配信装置20にアクセスすると、情報処理装置10は、動画配信サービスとは異なる他のウェブサービスをユーザXが利用した際に付与された属性情報60として、第2の属性情報60bを取得したとする。
【0028】
また、情報処理装置10は、動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60毎に、当該属性情報60が付与されるユーザに配信された各動画コンテンツの配信回数を集計する(ステップS2)。
【0029】
ステップS2の処理について説明を加える。図示するように、ここでは、便宜的に、第1のコンテンツC1が、第1、第2の属性情報60a,60bが付与されているユーザAと、第2~第4の属性情報60b,60c,60dが付与されているユーザBに配信されていた場合とする。また、第2のコンテンツC2が、第2の属性情報60bおよび第5の属性情報60eが付与されているユーザCに配信されていたとする。
【0030】
この場合、第1のコンテンツC1が配信されたユーザの属性情報60毎の第1のコンテンツC1の配信回数の集計結果は、以下のようになる。すなわち、第2の属性情報60bについてみれば、第1のコンテンツC1は、第2の属性情報60bが付与されているユーザAとユーザBに配信されているので、配信回数の集計は2回となる。
【0031】
同様に、それぞれ、第1の属性情報60a、第3の属性情報60c、第4の属性情報60dについてみると、以下のようになる。すなわち、第1の属性情報60aについてみれば、第1のコンテンツC1は、第1の属性情報60aが付与されているユーザAのみに配信されているので、配信回数の集計は1回である。また、第3の属性情報60cについてみれば、第1のコンテンツC1は、第3の属性情報60cが付与されているユーザBに配信されているので、配信回数の集計は1回である。また、第4の属性情報60dについてみれば、第4の属性情報60dが付与されているユーザBに配信されているので、これも配信回数の集計は1回である。
【0032】
他方、第5の属性情報60eについてみると、かかる第5の属性情報60eが付与されているユーザCには第1のコンテンツC1は配信されていない。したがって、第5の属性情報60eが付与されているユーザへの第1のコンテンツC1の配信回数の集計は0回になる。
【0033】
また、第2のコンテンツC2が配信されたユーザの属性情報60毎の第2のコンテンツC2の配信回数の集計結果は、以下のとおりである。すなわち、第2のコンテンツC2が配信されたのは、第2の属性情報60bおよび第5の属性情報60eが付与されているユーザCのみである。そのため、第2の属性情報60bが付与されているユーザへの第2コンテンツC2の配信回数、および第5の属性情報60eが付与されているユーザへの第2コンテンツC2の配信回数は、それぞれユーザCに対する1回となる。第1の属性情報60a、第3の属性情報60c、および第4の属性情報60dでみると、これらは、第2のコンテンツC2が配信されたユーザCには付与されていないため、属性情報60c,60dが付与されているユーザへの第2コンテンツC2の配信回数の集計は、それぞれ0回となる。
【0034】
次いで、情報処理装置10は、集計した属性情報60毎の動画コンテンツの配信回数に基づいて、属性情報60が付与されるユーザに推奨するコンテンツを決定する(ステップS3)。
【0035】
ここで、ステップS1において取得した属性情報60は、前述したように、動画配信サービスを初めて利用したユーザXに付与されていた第2の属性情報60bである。
したがって、情報処理装置10は、ステップS2の集計結果に基づいて、第2の属性情報60bでみると、配信回数は第1のコンテンツC1が2回で、第2のコンテンツC2は1回であるため、相対的に配信回数の多い第1のコンテンツC1をユーザXに推奨する動画コンテンツとして決定する。
【0036】
すなわち、ユーザXは、動画配信サービスとは異なる他のサービスにおいて第2の属性情報60bが付与されている。そして、かかる第2の属性情報60bは、これまでに動画配信サービスを利用したことのあるユーザAとユーザBも有している。したがって、共通の第2の属性情報60bが紐付いているユーザX、ユーザAおよびユーザBは、好みが共通すると推定される。したがって、ユーザAおよびユーザBが共に閲覧したとみなされる第1のコンテンツC1は、ユーザXの好みと合致すると推定される。こうして、動画配信サービスに初めて来訪した新規ユーザであるユーザXに対しても、このユーザXの好みに応じた動画コンテンツの推奨が可能となる。
【0037】
上述してきた例では、コンテンツを動画コンテンツとして説明したが、コンテンツはこれらに限定されるものではなく、ゲーム、電子書籍など、その他のカテゴリに含まれるコンテンツであってもよい。また、コンテンツは、コンテンツ配信装置20によりユーザ端末30へ配信されて利用されるが、配信の手法はこれに限られない。
【0038】
〔2.情報処理システム〕
図2は、情報処理システムの構成例を示す説明図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システムは、情報処理装置10と、コンテンツ配信装置20と、ユーザ端末30とを備える。
【0039】
これら各種装置10,20,30は、ネットワークNを介して無線または有線で互いに通信可能に接続される。ネットワークNは、たとえば、LAN(Local Area Network)や、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。
【0040】
ユーザ端末30は、図示しないユーザが利用する端末装置であり、ユーザ端末30は、たとえば、スマートフォンや、タブレット型端末や、PDA(Personal Digital Assistant)や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC等である。なお、図2において、情報処理装置10とコンテンツ配信装置20とは1台、ユーザ端末30については複数台(ここでは3台)示したが、情報処理システムを構成する各装置10,20,30の台数については限定されない。
【0041】
〔3.ユーザ端末30〕
ユーザ端末30は、前述したように、たとえば、スマートフォン、タブレット型端末、PDA、あるいはPCなどであり、その構成の図示は省略するが、通信部と、表示部と、入力部と、制御部と、記憶部とを有する。
【0042】
通信部は、ネットワークNと有線または無線で接続され、コンテンツ配信装置20や情報処理装置10等との間で情報の送受信を行うことができる。たとえば、通信部は、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0043】
表示部は、たとえば動画コンテンツを含む各種情報を表示する表示デバイスである。たとえば、表示部は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイである。なお、表示部にはタッチパネル式のディスプレイを採用することもできる。
【0044】
入力部は、ユーザから各種操作を受け付ける入力デバイスである。入力部は、たとえば、文字や数字などを入力するためのボタン等を有する。また、表示部がタッチパネル式のディスプレイである場合、表示部の一部は入力部として機能する。
【0045】
記憶部は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部には、各種プログラムや設定データ、受信したコンテンツの情報などが記憶される。
【0046】
制御部は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。制御部は、送信部と、受信部と、処理部とを備える。
【0047】
送信部は、たとえば、入力部を介して受け付けたユーザ操作に従って、コンテンツ配信装置20にコンテンツ(たとえば、動画コンテンツ)の取得要求を送信する。
【0048】
また、たとえば、送信部は、コンテンツが表示部に表示された状態で、ユーザのコンテンツに対する操作を受け付けた場合、かかる操作を示す信号をコンテンツ配信装置へ送信する。なお、コンテンツに対する操作には、たとえば、コンテンツが動画の場合、再生操作、早送り操作、巻き戻し操作、停止操作など、種々の操作が含まれる。
【0049】
受信部は、たとえば、コンテンツ配信装置20から配信されたコンテンツの情報を受信する。受信部は、受信されたコンテンツの情報を記憶部に記憶させることができる。
【0050】
処理部は、表示部などを含め、ユーザ端末30の全体を制御する。たとえば、処理部は、受信部によって受信されたコンテンツの情報を記憶部から読み出し、表示部へ出力して表示させることができる。
【0051】
〔4.コンテンツ配信装置20〕
コンテンツ配信装置20は、たとえば、ユーザ端末30からコンテンツの取得要求を受け付けた場合に、取得要求に対応する各種コンテンツを配信するサーバである。たとえば、コンテンツ配信装置20が動画配信サービスを実行する装置である場合、コンテンツ配信装置20は、コンテンツとして、映画やテレビドラマなどの動画コンテンツの情報を配信する。
【0052】
また、コンテンツ配信装置20は、情報処理装置10から、たとえばユーザ属性などのコンテンツの付随情報の取得要求を受け付けた場合に、コンテンツの付随情報を情報処理装置10へ送信することができる。なお、所定のユーザ端末30に動画コンテンツが配信されると、配信先のユーザの属性情報60が付随情報として動画コンテンツにタグ付けされる。かかるタグ付けについては、情報処理装置10が行うこととしているが、動画コンテンツを配信するコンテンツ配信装置20が行ってもよい。
【0053】
〔5.情報処理装置10〕
図3は、情報処理装置10の構成例を示す説明図である。図3に示すように、情報処理装置10は、通信部11と、制御部40と、記憶部50とを有する。
【0054】
情報処理装置10は、上述したように、動画配信サービスとは異なる他のサービスにおいてユーザに付与された属性情報60を取得し、動画配信サービスにより動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60毎にユーザに配信された各動画コンテンツの配信回数を集計することができる。そして、集計された属性情報60毎の動画コンテンツの集計結果に基づいて、コンテンツ配信装置20にアクセスしたユーザに推奨する動画コンテンツを決定することができる。以下、情報処理装置10の構成について具体的に説明する。
【0055】
〔6.1.通信部11〕
通信部71は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNに接続されるコンテンツ配信装置20などの各装置との間で情報の送受信を行う。たとえば、通信部71は、NIC等によって実現される。
【0056】
〔6.2.記憶部50〕
記憶部50は、たとえば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。本実施形態に係る記憶部50は、属性情報記憶部51と、配信回数記憶部52と、コンテンツランキング記憶部53と、レコメンド情報記憶部54とを備える。
【0057】
〔6.2.1.属性情報記憶部51〕
属性情報記憶部51は、コンテンツ配信装置20による動画配信サービスとは異なる他のサービスにおいて、ユーザに対して付与された属性情報60(図1参照)を記憶する。図4は、属性情報記憶部51の一例を示す図である。たとえば、属性情報記憶部51には、「ユーザID」、「ユーザ属性」といった項目が含まれる。
【0058】
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。「ユーザ属性」は、図示するように、男性、女性などの性別や、20代、40代といった年代などのメタ情報に加え、アニメ、ゲーム、ドラマ、サッカー、野球、演歌などといった個人嗜好に関する情報が含まれている。
【0059】
特に、個人嗜好に関する情報としては、たとえば、「サッカー」は、ニュース配信サービスを実行するサイトにおいて、スポーツのカテゴリの中でサッカーに関する情報に接したユーザに付されている。同様に「野球」であれば、スポーツのカテゴリの中で野球に関する情報に接したユーザに付与されている。また、「K・POP」や「演歌」については、たとえば、楽曲ダウンロードサービスなどを実行するサイトにおいて、K・POPのジャンルに含まれる楽曲をダウンロードしたユーザに付与されている。同様に、演歌のジャンルに含まれる楽曲をダウンロードしたユーザに付与されている。
【0060】
また、「アニメ」、「ドラマ」などは、たとえば、テレビ番組に関する情報を提供するサービスサイトなどで、アニメに関する情報、ドラマに関する情報にアクセスしたユーザにそれぞれ付与されている。ドラマに関する情報の中でも、韓国ドラマに関する情報にアクセスしたユーザには、さらに下位のカテゴリとして「韓流」といった属性情報が付与されている。同様に、ドラマの下位のカテゴリとしては、「アクション」、「恋愛」など様々な属性情報60が含まれる。
【0061】
このように、属性情報記憶部51には、動画配信サービスとは異なる他のサービスにおけるユーザの行動情報が、ユーザ属性を示すユーザの属性情報60(図1参照)として記憶される。かかる属性情報60は、取得部41(図3参照)により取得され、データベース化される。
【0062】
なお、コンテンツ配信装置20が行う動画配信サービスを利用したユーザであれば、コンテンツ配信装置20において、動画コンテンツを閲覧したユーザに属性情報60を付与することができる。たとえば、動画配信サービスを利用したユーザが閲覧した動画コンテンツにタグ付けされているID情報や作品情報に基づいて、コンテンツ配信装置20は、上記した「アニメ」、「アクション」、「恋愛」などと同様の属性情報60をユーザに付与する。
【0063】
したがって、取得部41は、動画配信サービスに加え、動画配信サービスとは異なる他のサービスにおいてユーザに対して付与されたユーザの行動情報を属性情報60として取得することができる。そして、かかる取得部41が取得した属性情報60が属性情報記憶部51に記憶される。
【0064】
〔6.2.2.配信回数記憶部52〕
配信回数記憶部52には、ユーザに配信された各コンテンツの配信回数がユーザの属性情報60毎に記憶される。具体的には、動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60毎に、配信された動画コンテンツの集計結果が記憶される。図5は、配信回数記憶部52の一例を示す説明図である。たとえば、配信回数記憶部52には、配信回数テーブルが記憶される。配信回数テーブルには、動画コンテンツの識別情報である「AAA」、「BBB」、「CCC」・・・「XXX」、各動画コンテンツにおけるユーザの属性情報60毎の当該動画コンテンツの配信回数が順位付けされている。
【0065】
図5に示す例では、たとえば動画コンテンツ「AAA」は、属性情報60である「男」を付与されたユーザに1800回配信されている。また、この動画コンテンツ「AAA」は、属性情報60である「アニメ」を付与されたユーザに1100回配信され、属性情報60である「ドラマ」を付与されたユーザには1000回配信されている。また同様に、この動画コンテンツ「AAA」は、属性情報60である「女」を付与されたユーザに650回配信され、属性情報60である「野球」を付与されたユーザには100回配信されている。
【0066】
また、各動画コンテンツにおける属性情報60毎の配信回数は、順位付けされており、図6A図6Cに示す例では、1位から50位までの閲覧回数が含まれている。
【0067】
〔6.2.3.コンテンツランキング記憶部53〕
コンテンツランキング記憶部53は、属性情報60毎の各コンテンツの配信回数に応じたランキング情報が記憶される。すなわち、後述する集計部42(図3参照)により所定の属性情報60が付されたユーザによる動画コンテンツの配信回数がランキング情報として導出され、導出されたランキング情報がコンテンツランキング記憶部53に記憶される。
【0068】
図6A図6Bおよび図6Cは、コンテンツランキング記憶部の一例を示す説明図である。たとえば、コンテンツランキング記憶部53には、「ランク」、「コンテンツ」、「属性情報毎集計情報」といった項目が含まれる。また、「属性情報毎集計情報」の項目は、さらに「属性情報」と「集計結果」の項目に区分されている。
【0069】
「ランク」は、属性情報60毎の各コンテンツの配信回数の順位を示し、ここでは3位までに規定しているが、必要に応じた順位まで設定することができる。「コンテンツ」は、動画コンテンツの識別情報を示す。「属性情報毎集計情報」の「属性情報」は、属性情報記憶部51(図4参照)に記憶された「ユーザ属性」を示し、性別情報や年代情報などのメタ情報、および個人嗜好に関する情報が含まれている。個人嗜好に関する情報は、前述したように、動画配信サービスとは異なる他のサービスにおけるユーザの行動情報が含まれる。また、「集計数」は、「属性情報」に対応する動画コンテンツの数の集計結果を示す。
【0070】
図6Aに示す例では、属性情報60として「アニメ」が付与されたユーザに最も多く配信された動画コンテンツは「AAA」であり、2位は400回の「XXX」、3位は200回の「BBB」である。
【0071】
すなわち、コンテンツランキング記憶部53に記憶されるランキング情報は、図5に示した配信回数テーブルに基づいて集計された、所定の属性情報60が付されたユーザへの動画コンテンツの配信回数によるものである。図5に示すように、属性情報60である「アニメ」が最も多く含まれるのは、動画コンテンツ「AAA」の1100回であり、次が動画コンテンツ「XXX」の400回、その次が動画コンテンツ「BBB」の200回であり、かかる集計結果がランキング情報として記憶される。
【0072】
図6Aに示したランキング情報の例は、属性情報60として「アニメ」が付与されたユーザが最も多く閲覧した動画コンテンツについてであった。他方、属性情報60が複数の場合、たとえば属性情報60として「アニメ」+「女」が付与されたユーザであると、図6Bあるいは図6Bのように、異なるランキング結果が記憶される。
【0073】
たとえば、図5における閲覧回数記憶テーブルにおいて、ユーザの属性情報60毎の動画コンテンツの閲覧回数が順位付けされているが、その順位(ランク)に制限を設けない場合、「アニメ」+「女」が付与されたユーザが最も多く閲覧した動画コンテンツは、図6Bに示すように、1位は1900回の「×××」であり、2位は1750回の「AAA」、3位は300回の「BBB」となる。
【0074】
すなわち、図5に示すように、属性情報60である「アニメ」と属性情報60である「女」との和は、動画コンテンツ「AAA」では、「アニメ」が1100回、「女」が650回なので1750回となる。また、動画コンテンツ「BBB」では、「アニメ」が200回、「女」が100回なので300回となる。また、動画コンテンツ「CCC」では、「アニメ」が0回、「女」が350回なので350回となる。同様に、動画コンテンツ「×××」では、「アニメ」が400回、「女」が1500回なので1900回となる。
【0075】
順位の制限がないため、動画コンテンツ「×××」では50位の「アニメ」の400回もカウントされて1900回となってランキングでは1位となっている(図6B参照)。他方、ユーザの属性情報60毎の動画コンテンツの閲覧回数において順位制限を設けた場合は、動画コンテンツ「×××」は、図6Cに示すように、「アニメ」+「女」が付与されたユーザが最も多く閲覧した動画コンテンツとしては2位にランクされることがある。すなわち、たとえばユーザの属性情報60毎の動画コンテンツの閲覧回数が10位以内のものをカウントすると条件付けた場合、動画コンテンツ「×××」では、「アニメ」の400回が除外されるため、閲覧回数は1500回と記憶されるからである。
【0076】
ところで、上述した例では、ランキング情報をコンテンツランキング記憶部53に記憶させている。しかし、コンテンツランキング記憶部53を廃止することもできる。属性情報60毎の各コンテンツの集計結果の順位は、たとえば配信回数記憶部52に記憶されている閲覧回数テーブルに基づいて導出することもできる。
【0077】
〔6.2.4.レコメンド情報記憶部54〕
レコメンド情報記憶部54は、上記コンテンツランキング記憶部53に記憶されたランキング情報、あるいは配信回数記憶部52に記憶された閲覧回数テーブルに基づいて、属性情報60が付与されるユーザに推奨する動画コンテンツが記憶される。推奨する動画コンテンツは、後述する決定部43により決定される。
【0078】
〔7.制御部40〕
図3の説明に戻り、制御部40について説明する。制御部40は、コントローラであり、たとえば、CPU、ROM、RAM、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。かかる制御部40は、たとえば、ASICやFPGA等のハードウェアで構成されてもよい。
【0079】
図3に示すように、制御部40は、取得部41と、集計部42と、決定部43とを備える。
【0080】
〔7.1.取得部41〕
取得部41は、動画コンテンツを配信する動画配信サービスとは異なる他のサービスにおいてユーザに対して付与された属性情報60を取得する。すなわち、コンテンツ配信装置20にアクセスしたユーザが、このコンテンツ配信装置20が実行する動画配信サービスとは異なる他のサービスにおいて付与された属性情報60を取得する。かかる属性情報60には、ユーザの行動情報などが含まれる。また、取得部41は、このようにコンテンツ配信装置20にアクセスしたユーザに紐付けられている属性情報60を取得すると、取得した属性情報60を属性情報記憶部51に記憶させる。
【0081】
また、取得部41は、動画コンテンツにタグ付けされた付随情報に含まれる属性情報60をコンテンツ配信装置20から取得することもできる。
【0082】
〔7.2.集計部42〕
集計部42は、動画配信サービスにより配信された動画コンテンツ毎に、当該動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60を集計し、集計結果に基づいて、属性情報60毎の各コンテンツの配信回数を集計する。すなわち、集計部42は、動画配信サービスにより動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60毎に、属性情報60が付与されるユーザに配信された各動画コンテンツの配信回数を集計する。そして、集計部42は、ユーザの属性情報60毎の各動画コンテンツの集計結果を配信回数記憶部52に記憶させる(図5参照)。
【0083】
そして、集計部42は、属性情報60毎の各動画コンテンツの配信回数に応じたランキング情報を、コンテンツランキング記憶部53に記憶させる(図6A図6C参照)。なお、前述したように、必ずしもランキング情報を集計部42により導出して、独立してコンテンツランキング記憶部53に記憶する必要はない。必要に応じて、配信回数記憶部52に記憶されている閲覧回数テーブルに基づいて、属性情報60毎の各コンテンツの集計結果に対応する順位を導出することもできる。
【0084】
また、集計部42は、前述したように、動画配信サービスにより配信された動画コンテンツ毎に、当該動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60を集計するが、その際に、条件によって集計する集計対象から除外することができる。たとえば、集計部42は、動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60毎の動画コンテンツの配信回数の集計結果が所定値以下である場合、属性情報60毎の各動画コンテンツを集計する集計対象から除外する。
【0085】
すなわち、所定の動画コンテンツの配信回数が、他の動画コンテンツに比べてかなり少ない場合、属性情報60毎の動画コンテンツの配信回数もかなり少なくなる。その場合の配信回数は、推奨コンテンツを決定する際の貢献度が低いと考えられるため、予め除外して集計する負荷を減じることができる。
【0086】
〔7.3.決定部43〕
決定部43は、集計部42によって集計された属性情報60毎の配信回数に基づいて、属性情報60が付与されるユーザに推奨するコンテンツを決定する。すなわち、決定部43は、ユーザの属性情報60が記憶された属性情報記憶部51から、コンテンツ配信装置20にアクセスしたユーザの属性情報60を読み取る。そして、決定部43は、読み取った属性情報60と同じ属性情報60が付与されたユーザによる配信回数の多い動画コンテンツを、ランキング順に必要数だけコンテンツランキング記憶部53から読み出す。
【0087】
そして、決定部43は、コンテンツランキング記憶部53から読み出した動画コンテンツの作品名を示すID情報を、コンテンツ配信装置20へ送信する。
【0088】
こうして、コンテンツ配信装置20は、当該コンテンツ配信装置20にアクセスしたユーザに対し、そのユーザの好みに合った動画コンテンツを推奨することができる。ユーザへの推奨に際しては、たとえば、動画配信サービスのウェブページに設けられたレコメンド領域に、推奨する動画コンテンツを表示することができる。かかるレコメンド領域は、たとえば、動画配信サービスのウェブページのトップページに設定するとよい。
【0089】
また、決定部43は、ユーザに推奨する動画コンテンツを決定する際に、属性情報60に対応する配信回数に応じて重み付けを行うことができる。
【0090】
たとえば、属性情報60毎の各コンテンツの配信回数に応じたランキングを設定する際に、ユーザに配信されたコンテンツの配信回数の多寡によって、属性情報60のランキングの採用数を適宜決定することができる。
【0091】
また、重み付けを行う場合、決定部43は、属性情報60を有するユーザ数のユーザ全体に対する割合が、所定値よりも大きい場合、割合が小さい場合よりも属性情報60に対応する配信回数の重みを大きくすることができる。また、逆に、決定部43は、属性情報60を有するユーザ数のユーザ全体に対する割合が、所定値よりも小さい場合、割合が大きい場合よりも前記属性情報に対応する配信回数の重みを小さくくすることができる。すなわち、属性情報60のカバレッジに応じて、重み付けを変更することができる。
【0092】
たとえば、属性情報60の中でも「男」や「女」などのようにカバレッジが広い場合、属性情報60を各動画コンテンツ毎に集計する集計対象としては、少なくともトップ10にあることを条件付けるなどである。他方、属性情報60の中でも、たとえば小カテゴリに含まれる属性であれば(たとえば音楽のカテゴリの中で「演歌」など)、数が少なくても集計対象とするなどである。
【0093】
〔8.情報処理装置10の処理フロー〕
次に、情報処理装置10における情報処理の手順について説明する。図7は、情報処理装置10における情報処理の流れを示すフローチャートである。なお、図7に記された「コンテンツ」は動画コンテンツを示す。
【0094】
図7に示すように、情報処理装置10の制御部40は、動画コンテンツを配信する動画配信サービスとは異なる他のサービスにおいてユーザに対して付与された属性情報60を取得する(ステップS10)。次いで、制御部40は、属性情報60毎の動画コンテンツの配信回数を集計する(ステップS11)。すなわち、制御部40は、動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60毎に、この属性情報60が付与されるユーザに配信された各動画コンテンツの配信回数を集計する。
【0095】
次いで、制御部40は、ステップS11で集計した属性情報60毎の動画コンテンツの配信回数の集計結果に基づいて、コンテンツランキングを設定する(ステップS12)。
【0096】
次いで、制御部40は、コンテンツ配信装置20にアクセスしたユーザの属性情報60と同じ属性情報60が付与されたユーザによる配信回数の多い動画コンテンツをユーザに推奨する動画コンテンツとして決定する(ステップS13)。そして、決定した推奨動画コンテンツを示すID情報をコンテンツ配信装置20へ送信する(ステップS14)。
【0097】
なお、ここでは、制御部40は、属性情報60毎の動画コンテンツの配信回数を集計した後にコンテンツランキングを設定したが、前述したように、属性情報60毎の動画コンテンツの配信回数の集計結果から推奨コンテンツを決定することもできる。
【0098】
このように、本実施形態に係る情報処理装置10によれば、たとえば、コンテンツ配信装置20が実行する動画配信サービスを初めて利用するユーザに対してでも、当該ユーザの好みに合う可能性の高い動画コンテンツを推奨することが可能となる。すなわち、動画配信サービスを初めて利用するユーザに付与された他サービスによるユーザ属性である属性情報60を利用することにより、当該ユーザの好みに見合ったとみなされる動画コンテンツの推奨が可能となる。
【0099】
(変形例)
〔9.変形例に係る情報処理装置10〕
次に、変形例に係る情報処理装置10について説明する。図8は、変形例に係る情報処理装置10の構成例を示す説明図である。
【0100】
変形例に係る情報処理装置10は、制御部40がコンテンツ配信部44を備えている点が図3に示した情報処理装置10と異なる。なお、その他の構成については図3に示した情報処理装置10と同じであり、ここでの説明は省略する。
【0101】
変形例に係る情報処理装置10は、コンテンツ配信装置20としての機能も担うことができる構成となっている。したがって、変形例に係る情報処理装置10では、コンテンツ配信部44が実行する動画配信サービスに初めて訪れるユーザに対し、当該ユーザの嗜好に合うと思われる動画コンテンツを効果的に推奨することが可能となる。
【0102】
〔9.1.変形例に係る情報処理装置の処理フロー〕
ここで、変形例に係る情報処理装置10における情報処理の手順について説明する。図9は、変形例に係る情報処理装置10における情報処理の流れを示すフローチャートである。なお、図9に記された「コンテンツ」は動画コンテンツを示す。
【0103】
情報処理装置10の制御部40は、動画コンテンツを配信する動画配信サービスとは異なる他のサービスにおいてユーザに対して付与された属性情報60を取得する(ステップS100)。次いで、制御部40は、動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60毎に、この属性情報60が付与されるユーザに配信された各動画コンテンツの配信回数を集計する(ステップS110)。次いで、制御部40は、ステップS110で集計した属性情報60毎の動画コンテンツの配信回数の集計結果に基づいて、コンテンツランキングを設定する(ステップS120)。
【0104】
その後、制御部40は、動画配信サービスを利用するためにアクセスしてきたユーザの属性情報60を取得し、取得した属性情報60と同じ属性情報60が付与されたユーザによる配信回数の多い動画コンテンツをユーザに推奨する動画コンテンツとして決定する(ステップS130)。
【0105】
次いで、制御部40は、設定したコンテンツランキングに基づいて、動画配信サービスのウェブページにレコメンド領域を設定する(ステップS140)。そして、制御部40は、設定したレコメンド領域に、ステップS130で決定した推奨コンテンツを表示する(ステップS150)。
【0106】
このように、変形例に係る情報処理装置10においても、動画配信サービスを初めて利用するユーザに対し、当該ユーザの好みに合う可能性の高い動画コンテンツを推奨することが可能となる。
【0107】
〔10.効果〕
映画やドラマなどの動画コンテンツは、ユーザ嗜好でターゲティングすることが難しいとされており、特に、動画配信サービスに履歴がないようなユーザに対して効果的にレコメンドすることが難しい。
【0108】
そこで、実施形態に係る情報処理装置10は、取得部41と、集計部42とを備えることとした。取得部41は、動画コンテンツを配信する動画配信サービスとは異なる他のサービスにおいてユーザに対して付与された属性情報60を取得する。集計部42は、取得部41によって取得された属性情報60であって、動画配信サービスにより動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60毎に、属性情報60が付与されるユーザに配信された各動画コンテンツの配信回数を集計する。
【0109】
これにより、動画配信サービスに初めて来訪した新規ユーザに対しても、ユーザの好みに応じた動画コンテンツの推奨が可能となる。
【0110】
また、集計部42は、動画配信サービスにより配信されたコンテンツ毎に、当該コンテンツが配信されたユーザの属性情報60を集計し、集計結果に基づいて、属性情報60毎の各コンテンツの配信回数を集計する。これにより、各動画コンテンツをどのような属性を有するユーザがどれだけ閲覧したかを把握することができる。
【0111】
また、集計部42は、動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60の集計結果が所定値以下である場合、属性情報60毎の各コンテンツの配信回数を集計する集計対象から除外する。これにより、その後に推奨コンテンツを決定する際の貢献度が低いと考えられる数値を予め省くことで負荷の軽減に寄与することができる。
【0112】
情報処理装置10は、集計部42によって集計された属性情報60毎の配信回数に基づいて、属性情報60が付与されるユーザに推奨するコンテンツを決定する決定部43をさらに備える。これにより、たとえば動画配信サービスを運営するサイトに来訪したユーザに対して、ユーザの好みに応じた動画コンテンツの推奨が可能となる。
【0113】
また、決定部43は、動画配信サービスを新規に利用する新規ユーザの属性情報に対応する配信回数に基づいて、新規ユーザに推奨する動画コンテンツを決定する。これにより、動画配信サービスを運営するサイトに初めて来訪した新規ユーザに対しても、ユーザの好みに応じた動画コンテンツの推奨が可能となる。
【0114】
また、決定部43は、ユーザに推奨する動画コンテンツを決定する際に、属性情報60に対応する配信回数に応じて重み付けを行う。これにより、ユーザ嗜好に応じてターゲティングすることが難しいとされる動画コンテンツであっても、より効果的にユーザの好みに応じた動画コンテンツの推奨が可能となる。
【0115】
また、決定部43は、属性情報60を有するユーザ数のユーザ全体に対する割合が、所定値よりも大きい場合、割合が小さい場合よりも属性情報60に対応する配信回数の重みを大きくする。あるいは、逆に、決定部43は、属性情報60を有するユーザ数のユーザ全体に対する割合が、所定値よりも小さい場合、割合が大きい場合よりも属性情報に対応する配信回数の重みを大きくする。これにより、レアな属性であっても、ユーザの嗜好を反映した動画コンテンツの推奨が可能となる。
【0116】
取得部41は、他のサービスにおいてユーザに対して付与された属性情報60として、他のサービスにおけるユーザの行動情報を取得する。これにより、動画コンテンツを推奨する際に、ユーザの嗜好を反映させやすくなる。
【0117】
〔11.ハードウェア構成〕
上述した実施形態における情報処理装置10は、たとえば図10に示すような構成のコンピュータ100がプログラムを実行することによって実現される。
【0118】
図10は、プログラムを実行するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、通信インターフェイス(I/F)105、入出力インターフェイス(I/F)106、およびメディアインターフェイス(I/F)107を備える。
【0119】
CPU101は、ROM103またはHDD104に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM103は、コンピュータ100の起動時にCPU101によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ100のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0120】
HDD104は、CPU101によって実行されるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス105は、通信部71に対応し、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU101へ送り、CPU101が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0121】
CPU101は、入出力インターフェイス106を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU101は、入出力インターフェイス106を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU101は、生成したデータを、入出力インターフェイス106を介して出力装置へ出力する。
【0122】
メディアインターフェイス107は、記録媒体108に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM102を介してCPU101に提供する。CPU101は、当該プログラムを、メディアインターフェイス107を介して記録媒体108からRAM102上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体108は、たとえばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0123】
コンピュータ100が情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ100のCPU101は、RAM102上にロードされたプログラムを実行することにより、図3および図8に示す取得部41、集計部42、決定部43、場合によってはコンテンツ配信部44の各機能を実現する。
【0124】
コンピュータ100のCPU101は、これらのプログラムを、記録媒体108から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0125】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0126】
たとえば、情報処理装置10は、動画配信サービスにより動画コンテンツが配信されたユーザの属性情報60毎に、この属性情報60が付与されるユーザに配信された各コンテンツの配信回数を集計することとした。本実施形態におけるコンテンツの配信回数は、コンテンツの閲覧回数も含む概念としている。よって、発明の実施に際し、配信回数ではなく閲覧回数を集計する態様であってもよい。その場合、属性情報60毎の各コンテンツの閲覧回数の集計はコンテンツ配信装置20で行い、情報処理装置10は、コンテンツ配信装置20から集計結果を示す情報を取得することができる。
【0127】
〔12.その他〕
また、上記第1および第2実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。たとえば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0128】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0129】
また、上述してきた第1および第2実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0130】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。たとえば、集計部42は、集計手段や集計回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0131】
10 情報処理装置
20 コンテンツ配信装置
40 制御部
41 取得部
42 集計部
43 決定部
44 コンテンツ配信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10