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特許7239811患者情報一覧表示プログラム、方法および情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】患者情報一覧表示プログラム、方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/26 20190101AFI20230308BHJP
   G16H 10/60 20180101ALI20230308BHJP
【FI】
G06F16/26
G16H10/60
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019014684
(22)【出願日】2019-01-30
(65)【公開番号】P2020123149
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 燈
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-088858(JP,A)
【文献】特開2017-037566(JP,A)
【文献】特開2013-137784(JP,A)
【文献】特開2012-226632(JP,A)
【文献】特開2016-045926(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0186602(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G16H 10/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
一覧表示の指示を検出すると、複数の患者のそれぞれについて、複数の項目にそれぞれ対応するデータが登録された患者データベースを参照して、前記複数の患者の中から一覧表示の対象となる対象患者を1以上抽出し、
前記対象患者のそれぞれについて、前記患者データベースから取得した、前記複数の項目のそれぞれに対応するデータを一覧表示した一覧表を表示し、前記一覧表では、前記複数の項目のうちあらかじめ決められた複数の第1項目に対応するデータが列方向に配列された第1領域と、前記複数の項目のうち1以上の第2項目に対応するデータが行方向に配列された第2領域とが、同一の行に配置された患者情報が、前記対象患者ごとに生成されて列方向に配列され、前記複数の第1項目のそれぞれに対応する項目名が列方向に配列された第3領域が、前記第1領域の表示位置に対応する位置に表示されており、
前記第3領域における前記項目名に対する選択操作を検出すると、選択された前記項目名に対応付けられた所定の規則にしたがって前記患者情報を並び替える、
処理を実行させる患者情報一覧表示プログラム。
【請求項2】
前記対象患者を抽出するための条件に応じて、前記第1領域に表示される前記複数の第1項目の項目名が可変である、
請求項1記載の患者情報一覧表示プログラム。
【請求項3】
前記各患者情報の前記第1領域は、同一の列上に配置され、
前記第3領域は、前記第1領域が配置された列の一端に配置される、
請求項1または2記載の患者情報一覧表示プログラム。
【請求項4】
コンピュータが、
一覧表示の指示を検出すると、複数の患者のそれぞれについて、複数の項目にそれぞれ対応するデータが登録された患者データベースを参照して、前記複数の患者の中から一覧表示の対象となる対象患者を1以上抽出し、
前記対象患者のそれぞれについて、前記患者データベースから取得した、前記複数の項目のそれぞれに対応するデータを一覧表示した一覧表を表示し、前記一覧表では、前記複数の項目のうちあらかじめ決められた複数の第1項目に対応するデータが列方向に配列された第1領域と、前記複数の項目のうち1以上の第2項目に対応するデータが行方向に配列された第2領域とが、同一の行に配置された患者情報が、前記対象患者ごとに生成されて列方向に配列され、前記複数の第1項目のそれぞれに対応する項目名が列方向に配列された第3領域が、前記第1領域の表示位置に対応する位置に表示されており、
前記第3領域における前記項目名に対する選択操作を検出すると、選択された前記項目名に対応付けられた所定の規則にしたがって前記患者情報を並び替える、
患者情報一覧表示方法。
【請求項5】
複数の患者のそれぞれについて、複数の項目にそれぞれ対応するデータが登録された患者データベースを記憶する記憶部と、処理部とを有し、
前記処理部は、
一覧表示の指示を検出すると、前記複数の患者の中から一覧表示の対象となる対象患者を1以上抽出し、
前記対象患者のそれぞれについて、前記患者データベースから取得した、前記複数の項目のそれぞれに対応するデータを一覧表示した一覧表を表示し、前記一覧表では、前記複数の項目のうちあらかじめ決められた複数の第1項目に対応するデータが列方向に配列された第1領域と、前記複数の項目のうち1以上の第2項目に対応するデータが行方向に配列された第2領域とが、同一の行に配置された患者情報が、前記対象患者ごとに生成されて列方向に配列され、前記複数の第1項目のそれぞれに対応する項目名が列方向に配列された第3領域が、前記第1領域の表示位置に対応する位置に表示されており、
前記第3領域における前記項目名に対する選択操作を検出すると、選択された前記項目名に対応付けられた所定の規則にしたがって前記患者情報を並び替える、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者情報一覧表示プログラム、方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理技術の進歩に伴い、医療分野においてもデータベースの活用が進んでいる。例えば、患者それぞれに関する各種の情報をデータベースに保存し、医師などの医療従事者が検索条件を指定して患者や患者に関する情報を検索できる技術の導入が進んでいる。
【0003】
医療分野でのデータベースの活用に関しては、次のような診察支援装置が提案されている。この診察支援装置は、患者リストの表示画面において、各種の診療プロセスの進捗状況をアイコンを用いて表示する。
【0004】
また、画像の一覧表示に関して、次のような画像表示装置が提案されている。この画像表示装置は、並び順リストボックスのボタンが押下されて並び順が選択されると、サムネイルエリアに表示された画像を、選択された並び順で並び替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-143205号公報
【文献】特開2014-059773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、患者の検索結果を一覧表示する際には、検索された患者に関する患者情報を患者ごとに個別の行に表示した一覧表を用いることが一般的である。しかし、この方法では、表示する患者情報の項目が多いほど、行が長くなって一覧表の横幅が増大する。画面の大きさは有限であるので、項目が多い場合、横方向のスクロール操作によって所望の項目を閲覧できるようにするか、あるいは、各項目の表示領域の横幅を狭くする必要がある。これらのいずれの方法でも、患者情報の視認性は低下する。
【0007】
また、上記の一覧表において各患者の患者情報を並び替えたい場合に、一覧表における項目名の表示領域を、並び替え操作を実行するための操作ボタンとして利用する方法がある。この方法では、操作された表示領域に対応する項目のデータが並び替えの際のキー情報として選択されるので、並び替えの操作が容易である。しかし、上記のように項目の数が多くなるほど、操作対象の項目を探しにくくなり、並び替えの操作性が低下する。
【0008】
1つの側面では、本発明は、患者情報が見やすく並び替え操作も容易な一覧表示を可能とした患者情報一覧表示プログラム、方法および情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの案では、コンピュータに次のような処理を実行させる患者情報一覧表示プログラムが提供される。この患者情報一覧表示プログラムは、コンピュータに、一覧表示の指示を検出すると、複数の患者のそれぞれについて、複数の項目にそれぞれ対応するデータが登録された患者データベースを参照して、複数の患者の中から一覧表示の対象となる対象患者を1以上抽出し、対象患者のそれぞれについて、患者データベースから取得した、複数の項目のそれぞれに対応するデータを一覧表示した一覧表を表示する処理を実行させる。ここで、一覧表では、複数の項目のうち複数の第1項目に対応するデータが列方向に配列された第1領域と、複数の項目のうち1以上の第2項目に対応するデータが行方向に配列された第2領域とが、同一の行に配置された患者情報が、対象患者ごとに生成されて列方向に配列され、複数の第1項目のそれぞれに対応する項目名が列方向に配列された第3領域が、第1領域の表示位置に対応する位置に表示されている。さらに、患者情報一覧表示プログラムは、コンピュータに、第3領域における項目名に対する選択操作を検出すると、選択された項目名に対応付けられた所定の規則にしたがって患者情報を並び替える処理を実行させる。
【0010】
また、1つの案では、上記の患者情報一覧表示プログラムに基づく処理と同様の処理をコンピュータが実行する患者情報一覧表示方法が提供される。
さらに、1つの案では、上記の患者情報一覧表示プログラムに基づく処理と同様の処理を実行する情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
1つの側面では、患者情報が見やすく並び替え操作も容易な一覧表示が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施の形態に係る情報処理装置の構成例および処理例を示す図である。
図2】第2の実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3】サーバのハードウェア構成例を示す図である。
図4】サーバの処理機能の構成例を示すブロック図である。
図5】患者データベースのデータ構成例を示す図である。
図6】表示制御データベースのデータ構成例を示す図である。
図7】検索結果表示画面の表示例を示す図である。
図8】患者グループ設定画面の表示例を示す図である。
図9】検索結果一覧表の表示例を示す第1の図である。
図10】検索結果一覧表の表示例を示す第2の図である。
図11】患者ごとのレコードのソートについて説明するための図である。
図12】サーバの処理手順を示すフローチャートの例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理装置の構成例および処理例を示す図である。図1に示す情報処理装置1は、記憶部1aと処理部1bを有する。記憶部1aは、例えば、情報処理装置1が備える図示しない記憶装置の記憶領域として実現される。処理部1bは、例えば、情報処理装置1が備える図示しないプロセッサとして実現される。
【0014】
また、情報処理装置1には、表示装置2が接続されている。表示装置2は、例えば、情報処理装置1に対して直接的に接続されていてもよいし、情報処理装置1に接続された端末装置に接続されていてもよい。
【0015】
情報処理装置1において、記憶部1aは、患者データベース(DB)1cを記憶する。患者データベース1cには、複数の患者のそれぞれについて、複数の項目にそれぞれ対応するデータが登録されている。
【0016】
処理部1bは、一覧表示の指示を検出すると、患者データベース1cを参照して、登録された複数の患者の中から一覧表示の対象となる対象患者を抽出する。例えば、処理部1bは、検索条件を受け付け、患者データベース1cに登録されたデータが検索条件に合致する患者を、対象患者として抽出する。
【0017】
以下、例として、対象患者として患者P1~P3が抽出されたものとする。処理部1bは、抽出された患者P1~P3のそれぞれについて、上記の複数の項目のそれぞれに対応するデータを患者データベース1cから取得する。そして、処理部1bは、患者P1~P3のそれぞれについて患者データベース1cから取得したデータを一覧表示した一覧表10を、表示装置2に表示する。この一覧表10は、次のような構成になっている。
【0018】
一覧表10では、患者P1,P2,P3のそれぞれについての患者情報11a,11b,11cが、列方向に配列されている。すなわち、患者情報11a~11cは、一覧表10における「行」に対応している。
【0019】
また、患者情報11a~11cのそれぞれにおいては、上記の複数の項目のうち複数の第1項目に対応するデータが列方向(縦方向)に配列された領域12aと、上記の複数の項目のうち1以上の第2項目に対応するデータが行方向(横方向)に配列された領域12bとが、行方向に配列されている。すなわち、同一患者についての領域12aと領域12bとが、その患者に対応する同一の行に表示されている。図1の例では、領域12aには、第1項目として項目A1~A3の各データが列方向に配列され、領域12bには、第2項目として項目B1,B2の各データが行方向に配列されている。
【0020】
さらに、一覧表10では、複数の第1項目のそれぞれに対応する項目名(項目A1~A3)が列方向に配列された領域13(太線で示す領域)が、領域12aの表示位置に対応する位置に表示されている。領域13は、項目名として項目A1,A2,A3がそれぞれ表示された項目名表示領域13a,13b,13cに分割されている。そして、これらの項目名表示領域13a~13cは、項目名を表示する役割だけでなく、患者情報11a~11cの並び替えを実行するための操作ボタンとしての役割を担っている。
【0021】
処理部1bは、領域13における項目名の1つ、すなわち項目名表示領域13a~13cのいずれかに対する選択操作を検出すると、選択された項目名に対応付けられた所定の規則にしたがって患者情報11a~11cを並び替える。
【0022】
例えば、図1に示すように、項目A2のデータは日付を示すものとし、患者P1,P2,P3のそれぞれについての項目A2のデータは、「2018/9/10」「2019/1/10」「2018/11/1」であるとする。また、項目A2に対して「昇順に並び替える」という規則が設定されているとする。この場合に、項目A2の項目名(項目名表示領域13b)に対する選択操作を検出すると、処理部1bは、患者情報11a~11cを、上側から患者情報11a,11c,11bとなるように並び替える。
【0023】
以上の一覧表10では、患者情報11a~11cのそれぞれの表示領域において、患者データベース1cの項目のうちの一部の項目(項目A1~A3)のデータのみ、列方向に配列して表示される。これにより、項目A1~A3,B1,B2のすべてのデータを行方向に配列して表示した場合と比較して、一覧表10の横幅が縮小され、その結果、項目A1~A3,B1,B2のそれぞれのデータの視認性を向上させることができる。
【0024】
例えば、項目B1,B2のデータを閲覧できるようにするために画面を横方向にスクロールしなければならなくなる可能性が低減される。あるいは、スクロールしないように一覧表10を画面内に収める場合に、項目A1~A3,B1,B2の各データの表示領域の横幅を広くすることができる。いずれにしても、項目A1~A3,B1,B2のそれぞれのデータの視認性が向上する。
【0025】
また、一覧表10では、項目A1~A3のデータは列方向に配列されるので、これらのデータの表示領域の大きさは、項目B1,B2のデータの表示領域より小さくなる。しかし、領域12aに表示される項目としては、患者情報11a~11cの並び替えに利用される項目が選択される。このような項目のデータは、並び替えに利用されない他の項目のデータより閲覧の必要性が低い場合が多い。また、並び替えに利用される項目のデータは、必ずしも閲覧者にとって確認したいデータではない、ともいえる。このため、並び替えに利用される項目のデータの表示領域が小さくなることは、データ視認性を低下させる要因にはなりにくい。したがって、一覧表10においては、全体として患者情報11a~11cの内容が見やすくなっている。
【0026】
さらに、項目A1~A3の項目名自体を選択するという簡単な操作によって、患者情報11a~11cの並び替えを実行させることができる。このとき、上記のように一覧表10の横幅が縮小され、なおかつ、選択対象の項目名が列方向に配列して表示されているので、項目名を探しやすくなっている。したがって、患者情報11a~11cの並び替えを実行するための操作性を向上させることができる。
【0027】
以上より、本実施の形態に係る情報処理装置1によれば、患者情報が見やすく、並び替え操作も容易な一覧表示が可能となっている。
〔第2の実施の形態〕
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図2に示す情報処理システムは、サーバ100および端末装置200,200a,200b,・・・を含む。サーバ100と端末装置200,200a,200b,・・・とは、ネットワーク300を介して接続されている。ネットワーク300は、LAN(Local Area Network)でもよいし、WAN(Wide Area Network)やインターネットなどの広域ネットワークでもよい。なお、サーバ100は、図1に示した情報処理装置1の一例である。
【0028】
サーバ100は、複数の患者情報が登録された患者データベースを記憶する。患者情報には、患者に関する複数項目の情報が登録される。例えば、患者の性別などの属性情報、患者の診察や入院の日程やその内容、患者の検査結果や診断結果などの情報が、患者情報に登録される。また、サーバ100は、端末装置200,200a,200b,・・・からの検索要求に応じて、患者データベースから検索条件に合致する患者を検索し、検索された患者に関する患者情報を要求元の端末装置に一覧表示させる。
【0029】
端末装置200,200a,200b,・・・は、ユーザが使用するクライアントコンピュータである。端末装置200,200a,200b,・・・を使用するユーザとしては、医師や看護師、検査技師、医療事務担当者などの医療機関に勤務する者が考えられる。この場合、サーバ100の患者データベースには、例えば、この医療機関にかかっている患者に関する情報が記憶される。
【0030】
図3は、サーバのハードウェア構成例を示す図である。サーバ100は、例えば、図3に示すようなコンピュータとして実現される。
サーバ100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。また、プロセッサ101は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。なお、プロセッサ101は、図1に示した処理部1bの一例である。
【0031】
プロセッサ101には、バス108を介して、RAM102と複数の周辺機器が接続されている。
RAM102は、サーバ100の主記憶装置として使用される。RAM102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、プロセッサ101による処理に必要な各種データが格納される。
【0032】
バス108に接続されている周辺機器としては、HDD(Hard Disk Drive)103、グラフィックインタフェース(I/F)104、入力インタフェース(I/F)105、読み取り装置106および通信インタフェース(I/F)107がある。
【0033】
HDD103は、サーバ100の補助記憶装置として使用される。HDD103には、OSプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、SSD(Solid State Drive)などの他の種類の不揮発性記憶装置を使用することもできる。なお、HDD103またはRAM102は、図1に示した記憶部1aの一例である。
【0034】
グラフィックインタフェース104には、ディスプレイ104aが接続されている。グラフィックインタフェース104は、プロセッサ101からの命令にしたがって、画像をディスプレイ104aに表示させる。ディスプレイとしては、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)などがある。
【0035】
入力インタフェース105には、入力デバイス105aが接続されている。入力インタフェース105は、入力デバイス105aから出力される信号をプロセッサ101に送信する。入力デバイス105aとしては、キーボードやポインティングデバイスなどがある。ポインティングデバイスとしては、マウス、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0036】
読み取り装置106には、可搬型記録媒体106aが脱着される。読み取り装置106は、可搬型記録媒体106aに記録されたデータを読み取ってプロセッサ101に送信する。可搬型記録媒体106aとしては、光ディスク、半導体メモリなどがある。
【0037】
通信インタフェース107は、ネットワーク300を介して端末装置200,200a,200b,・・・などの他の装置との間でデータの送受信を行う。
以上のようなハードウェア構成によって、サーバ100の処理機能を実現することができる。なお、端末装置200,200a,200b,・・・も図3に示すようなコンピュータとして実現することができる。
【0038】
図4は、サーバの処理機能の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、サーバ100は、記憶部110、検索処理部120および表示制御部130を有する。記憶部110は、例えば、RAM102またはHDD103に確保された記憶領域として実装される。検索処理部120および表示制御部130の処理は、例えば、プロセッサ101が所定のプログラムを実行することで実現される。
【0039】
記憶部110は、患者データベース111および表示制御データベース112を記憶する。患者データベース111には、前述のように、複数の患者のそれぞれについての患者情報が登録されている。表示制御データベース112には、検索条件にしたがって患者データベース111から検索された各患者についての情報を一覧表示する検索結果表示画面を表示するための制御情報が登録されている。
【0040】
検索処理部120は、端末装置からの検索要求を表示制御部130を介して受け付け、患者データベース111から検索条件に合致する患者を検索する。検索処理部120は、検索された各患者についての情報を患者データベース111から読み出して表示制御部130に受け渡し、検索結果表示画面の表示を依頼する。
【0041】
表示制御部130は、端末装置200,200a,200b,・・・から検索要求を受信し、検索処理部120に対して検索要求に応じた検索の実行を依頼する。そして、表示制御部130は、検索された各患者についての情報を検索処理部120から受け取り、それらの情報が一覧表示された検索結果表示画面を表示制御データベース112に基づいて生成して、検索要求元の端末装置の表示装置に表示させる。
【0042】
図5は、患者データベースのデータ構成例を示す図である。図5に示すように、患者データベース111は、患者ごとのレコード111aを含む。各患者のレコード111aには、基本情報、入院情報、手術情報、診察情報、文書関連情報および検査情報が登録される。
【0043】
基本情報は、患者の識別番号、患者名、患者の年齢や性別など、患者に関する基本的な情報を含む。入院情報は、入院日、退院日、入院先の病棟や病室、診療科、担当医など、入院に関する情報を含む。手術情報は、手術の日時、手術の種別を示す術式、執刀医、補助者など、手術に関する情報を含む。診察情報は、診察予約日時、診察日時、診療科、担当医など、診察に関する情報を含む。
【0044】
文書関連情報は、入院診療計画書、栄養管理計画書、手術の説明書や同意書などの各種の文書に関する情報を含む。例えば、文書関連情報には、それらの文書の作成状況を示す情報や、それらの文書のデータ位置を示すリンク情報などが含まれる。検査情報は、患者に対する検査結果を示す情報を含む。検査情報には、検査の項目ごとに検査結果のデータが登録される。
【0045】
図6は、表示制御データベースのデータ構成例を示す図である。図6に示すように、表示制御データベース112は、患者グループごとのレコード112aを含む。
患者グループとは、患者グループに対応付けて設定された検索条件にしたがって患者データベース111から検索される患者のグループである。サーバ100における検索処理では、患者グループ名が選択されることで、その患者グループ名に対応付けられた検索条件にしたがって患者データベース111から患者が検索され、検索された患者についての情報を示す検索結果表示画面が表示される。
【0046】
患者グループは、端末装置200,200a,200b,・・・を操作するユーザごとに1つ以上設定することができる。したがって、表示制御データベース112において、患者グループごとのレコード112aは、実際にはユーザごとに区別して登録される。
【0047】
各患者グループのレコード112aには、患者グループ名、検索条件、付帯項目定義情報および通常項目定義情報が登録される。これらの患者グループ名、検索条件、付帯項目定義情報および通常項目定義情報は、ユーザによって任意に設定される。
【0048】
患者グループ名は、患者グループを識別するための名称である。検索条件は、患者グループに属する患者を検索するための条件である。
付帯項目定義情報は、付帯項目に関する定義情報である。付帯項目とは、患者データベース111の項目(基本情報の項目を除く)のうち、患者の付帯情報として表示される項目である。後述するように、付帯項目のデータ(付帯情報)は、検索結果表示画面におけるユーザごとのレコードをソートするためのキー情報として利用される。付帯項目定義情報には、付帯項目に分類される項目の項目名が設定されるとともに、それらの項目の表示の仕方が定義される。また、付帯項目定義情報には、付帯項目として設定された項目名ごとに、ソートの際に用いられるソート規則が設定される。
【0049】
通常項目定義情報は、通常項目に関する定義情報である。通常項目とは、患者データベース111の項目(基本情報の項目を除く)のうち、付帯項目以外の項目として検索結果表示画面に表示される項目である。上記のように、付帯項目のデータがソート用のキー情報として利用可能なデータであるのに対し、通常項目のデータは、検索結果表示画面において閲覧者によって確認される、あるいは閲覧者によって患者間で比較されるメインのデータであるということができる。通常項目定義情報には、通常項目に分類される項目の項目名が設定されるとともに、それらの項目の表示の仕方が定義される。
【0050】
次に、検索結果表示画面について説明する。
図7は、検索結果表示画面の表示例を示す図である。図7に示す検索結果表示画面400は、患者グループを選択するための選択領域410と、検索結果一覧表420とを含む。
【0051】
選択領域410には、それぞれ患者グループを選択するための選択ボタン411~413が表示される。選択ボタン411~413に対する選択操作が行われることで、選択された選択ボタンに対応する患者がその選択ボタンに対応する患者グループとして患者データベース111から検索される。そして、検索された患者に関する情報が検索結果一覧表420に一覧表示される。
【0052】
図7の例では、「入院」「予約」「手術」という名称の患者グループが設定されており、選択ボタン411,412,413がそれぞれ「入院」「予約」「手術」の患者グループに対応付けられている。例えば、選択ボタン411に対する選択操作が行われると、患者グループ「入院」に対応する検索条件が表示制御データベース112から取得され、取得された検索条件に合致する患者が患者データベース111から検索される。そして、検索された患者に関する情報が検索結果一覧表420に表示される。
【0053】
検索結果一覧表420は、項目名が表示される項目表示領域430と、検索された各患者に対応するレコード441a~441fを含む。レコード441a~441fのそれぞれには、検索された患者に関する情報が基本的に行方向(横方向)に配列して表示される。なお、図7では例として患者6人分のレコードが表示されているが、例えば、画面の上下方向のスクロールによって、検索された他の患者のレコードが表示されるようにしてもよい。
【0054】
各患者のレコード441a~441fには、基本情報欄451、付帯情報欄452a,452bおよび通常情報欄が、行方向に配列される(すなわち、同一の行に配置される)。図7では例として、7個の通常情報についての通常情報欄453a~453gが配列されている。
【0055】
基本情報欄451には、患者の識別番号や氏名など、患者の基本的な情報(基本情報)が表示される。これらの情報は、患者データベース111に基本情報として登録された情報から抽出される。
【0056】
付帯情報欄452a,452bのそれぞれには、表示制御データベース112の付帯項目定義情報に定義された付帯項目のデータ(付帯情報)が表示される。付帯情報欄452a,452bのそれぞれには、複数の付帯項目のデータを表示可能になっており、その場合には各付帯項目のデータが列方向(縦方向)に配列して表示される。
【0057】
項目表示領域430においては、付帯情報欄452aに対応する位置に付帯項目名表示部431が表示され、付帯情報欄452bに対応する位置に付帯項目名表示部432が表示される。付帯項目名表示部431には、付帯情報欄452aに表示されるデータの項目名が表示される。付帯情報欄452aに複数の項目のデータが列方向に配列される場合、付帯項目名表示部431にも、それらの項目の項目名が列方向に配列して表示される。同様に、付帯項目名表示部432には、付帯情報欄452bに表示されるデータの項目名が表示される。付帯情報欄452bに複数の項目のデータが列方向に配列される場合、付帯項目名表示部432にも、それらの項目の項目名が列方向に配列して表示される。
【0058】
通常情報欄453a~453gのそれぞれには、表示制御データベース112の通常項目定義情報に定義された通常項目のデータ(通常情報)が表示される。通常情報欄453a~453gのそれぞれには、1種類の通常項目のデータのみが表示される。したがって、各患者のレコード441a~441fにおいては、通常項目のデータはすべて行方向に配列される。
【0059】
項目表示領域430においては、通常情報欄453a~453gに対応する位置にそれぞれ通常項目名表示部433a~433gが表示される。通常項目名表示部433a~433gには、それぞれ通常情報欄453a~453gに表示されるデータの項目名が表示される。また、項目表示領域430においては、通常項目名を項目内容の種類ごとに分類できるようになっている。例えば図7では、通常項目名表示部433a,433bの項目名が分類名表示部434aに表示される分類名によって分類され、通常項目名表示部433c~433eの項目名が分類名表示部434bに表示される分類名によって分類されている。なお、通常項目として表示される項目名や、各項目の分類に関する情報は、表示制御データベース112の通常項目定義情報に設定される。
【0060】
ここで、患者グループの選択に応じた検索処理について説明する。前述のように、患者グループのそれぞれに対して、患者を検索するための検索条件が設定される。検索条件は、次の図8に示すような患者グループ設定画面を用いて設定される。
【0061】
図8は、患者グループ設定画面の表示例を示す図である。図8に示すように、患者グループ設定画面500は、患者グループを選択するための選択領域510と、検索条件が設定される検索条件設定領域520を含む。
【0062】
選択領域510には、「入院」「予約」「手術」のタブが表示されている。「入院」タブが選択されることで、検索条件設定領域520において患者グループ「入院」についての検索条件を設定可能になる。「予約」タブが選択されることで、検索条件設定領域520において患者グループ「予約」についての検索条件を設定可能になる。「手術」タブが選択されることで、検索条件設定領域520において患者グループ「手術」についての検索条件を設定可能になる。
【0063】
図8の例では「入院」タブが選択されており、このとき検索条件設定領域520には、患者グループ「入院」についての検索条件を設定するための設定領域521~525が表示されている。
【0064】
設定領域521では、検索区分として「入院日」「退院日」「入院中」のいずれかを選択可能になっており、設定領域522では、検索期間を設定可能になっている。検索区分として「入院日」が選択されている場合、入院日が検索期間に含まれている患者が検索の対象となる。検索区分として「退院日」が選択されている場合、退院日が検索期間に含まれている患者が検索の対象となる。検索区分として「入院中」が選択されている場合、検索期間において入院している患者が検索の対象となる。
【0065】
設定領域523では、診療科が選択的に設定可能になっている。設定領域524では、患者が入院している病棟を示す情報が選択的に設定可能になっている。設定領域525では、患者の担当医が選択的に設定可能になっている。
【0066】
以上の図8の例では、設定領域521,522、設定領域523、設定領域524、設定領域525でそれぞれ指定される検索条件をすべて満たす患者が、患者グループ「入院」に属する患者として患者データベース111から検索されるようになる。また、図8の例のように、患者グループ「入院」が選択された場合、患者の入院に関する情報が検索条件として設定される。
【0067】
また、図示しないが、患者グループ「予約」が選択された場合、患者の診察予約に関する情報が検索条件として設定される。例えば、予約日の期間や、診察が行われる診療科、診察を担当する担当医、診察内容の種別、診察時の検査内容などが、検索条件として設定される。さらに、また、図示しないが、患者グループ「手術」が選択された場合、患者の手術に関する情報が検索条件として設定される。例えば、手術日の期間、手術内容の種別を示す術式、手術を担当する執刀医や助手などが、検索条件として設定される。
【0068】
図9は、検索結果一覧表の表示例を示す第1の図である。図9では例として、患者グループ「入院」が選択された場合の表示例を示す。
まず、図9を用いて、各レコードの基本情報欄451に表示される項目について説明する。前述のように、基本情報欄451には、患者の基本的な情報(基本情報)が表示される。図9の例では、基本情報欄451には、患者の識別番号、患者のカナ氏名(氏名をカナで表記したもの)、患者の漢字氏名(氏名を漢字で表記したもの)、患者の年齢の各項目のデータが、列方向に配列して表示されている。
【0069】
次に、付帯項目名表示部431,432および付帯情報欄452a,452bについて説明する。
付帯項目名表示部431は、列方向に対して4つの項目名表示部431a~431dに分割されている。項目名表示部431a~431dのそれぞれは、付帯情報欄452aに表示される付帯項目を示している。同様に、付帯項目名表示部432は、列方向に対して4つの項目名表示部432a~432dに分割されている。項目名表示部432a~432dのそれぞれは、付帯情報欄452bに表示される付帯項目を示している。
【0070】
図9の例では、付帯項目名表示部431,432のいずれも、付帯項目を表示可能な項目名表示部を4つ含んでいる。これは、付帯情報欄452a,452bのそれぞれに対して、最大4つの付帯項目のデータを列方向に配列して表示できることを示している。
【0071】
ところで、前述のように、付帯情報欄452a,452bのそれぞれに対しては、患者グループごとに個別に設定された付帯項目のデータを表示できるようになっている。図9では、患者グループ「入院」に対して設定された付帯項目の項目名が、付帯項目名表示部431,432に表示されている。
【0072】
付帯項目名表示部431においては、付帯項目の項目名として「入院日」「退院日」「病棟/病室」「診療科」が、それぞれ項目名表示部431a,431b,431c,431dに表示されている。したがって、患者グループ「入院」が選択された場合、各レコードの付帯情報欄452aには、「入院日」「退院日」「病棟/病室」「診療科」の各項目に対応するデータが、列方向に対して上から順に配列して表示される。
【0073】
また、付帯項目名表示部432においては、付帯項目の項目名として「転科区分」「主担当医」「担当医」が、それぞれ項目名表示部432a,432b,432cに表示されている。項目名表示部432dには項目名は表示されていない。したがって、患者グループ「入院」が選択された場合、各レコードの付帯情報欄452bには、「転科区分」「主担当医」「担当医」の各項目に対応するデータが、列方向に対して上から順に配列して表示される。
【0074】
一方、前述のように、通常情報欄のそれぞれに対しても、患者グループごとに個別に設定された通常項目のデータを表示できるようになっている。図9では、患者グループ「入院」に対して設定された通常項目の項目名が、通常項目名表示部433a~433dに表示されている。通常項目名表示部433a,433b,433c,433dには、通常項目の項目名としてそれぞれ「入院診療計画書」「栄養管理計画書」「予約」「説明書・同意書」が表示されている。したがって、各レコードの通常情報欄453a,453b,453c,453dには、それぞれ「入院診療計画書」「栄養管理計画書」「予約」「説明書・同意書」の各項目に対応するデータが表示される。
【0075】
なお、図9の例では、分類名表示部434aに示すように、「入院診療計画書」「栄養管理計画書」の各項目が「入院文書」という分類名で分類されている。また、分類名表示部434bに示すように、「予約」「説明書・同意書」の各項目が「手術予定」という分類名で分類されている。
【0076】
図10は、検索結果一覧表の表示例を示す第2の図である。図10では例として、患者グループ「手術」が選択された場合の表示例を示す。
図10の例では、付帯項目名表示部431においては、付帯項目の項目名として「手術日」「術式」が、それぞれ項目名表示部431a,431bに表示されている。したがって、患者グループ「手術」が選択された場合、各レコードの付帯情報欄452aには、「手術日」「術式」の各項目に対応するデータが、列方向に対して上から順に配列して表示される。
【0077】
また、付帯項目名表示部432においては、付帯項目の項目名として「執刀医」「担当医」「助手」が、それぞれ項目名表示部432a,432b,432cに表示されている。したがって、患者グループ「手術」が選択された場合、各レコードの付帯情報欄452bには、「執刀医」「担当医」「助手」の各項目に対応するデータが、列方向に対して上から順に配列して表示される。
【0078】
一方、図10の例では、通常項目名表示部433a,433b,433c,433dには、通常項目の項目名としてそれぞれ「(手術に関する)説明書」「(手術に関する)同意書」「入院日」「退院日」が表示されている。したがって、各レコードの通常情報欄453a,453b,453c,453dには、それぞれ「説明書」「同意書」「入院日」「退院日」の各項目に対応するデータが表示される。
【0079】
なお、図10の例では、分類名表示部434aに示すように、「説明書」「同意書」の各項目が「手術文書」という分類名で分類されている。また、分類名表示部434bに示すように、「入院日」「退院日」の各項目が「入院予定」という分類名で分類されている。
【0080】
ところで、付帯項目名表示部431の項目名表示部431a~431dおよび付帯項目名表示部432の項目名表示部432a~432dは、それぞれ選択操作を受け付け可能な選択ボタンとなっている。ある項目名表示部が選択された場合、その項目名表示部に表示された項目のデータをキー情報として用い、当該項目に対応付けられたソート規則にしたがって検索結果一覧表420のレコードがソートされる(並び替えられる)。
【0081】
図11は、患者ごとのレコードのソートについて説明するための図である。図11では例として、図9のように患者グループ「入院」が選択されて検索結果が表示された状態から、付帯項目名表示部431の項目名表示部431bに対する選択操作が行われたものとする。項目名表示部431bには項目名として「退院日」が表示されているので、選択操作によって「退院日」の項目のデータをキー情報として用いてレコード441a~441fがソートされる。例えば、「退院日」の日付が降順または昇順となるようにレコード441a~441fがソートされる。
【0082】
ソートのためのソート規則は、項目名表示部ごと、およびそこに表示される項目名ごとにあらかじめ決められる。例えば、項目名が日付などの数値である場合、その項目の数値が降順または昇順となるようにレコード441a~441fがソートされる。また、項目名が診療科や担当医のように文字列である場合、特定の文字列が上になるようにレコード441a~441fがソートされる。あるいは、文字列の頭文字がアルファベット順またはあいうえお順に並ぶようにレコード441a~441fがソートされる。
【0083】
以上説明した検索結果表示画面400によれば、各レコードに表示される項目のうち特定の項目(付帯項目)のデータだけは列方向に配列され、それ以外の項目(通常項目)のデータについては1つずつ行方向に配列される。一部の項目のデータが列方向に配列されることで、行方向に配列される項目数が少なくなり、各項目のデータの表示領域の幅が縮小される。その結果、各項目のデータ、特に通常項目のデータをユーザが閲覧しやすくなる。
【0084】
例えば、表示される全項目のデータを行方向に配列した場合、項目数が多くなるほど表示領域の幅が大きくなる。この場合、各項目のデータを閲覧するためには、各項目の表示領域の横幅を小さくするか、あるいは、横方向のスクロール操作を頻繁に行わなくてはならなくなる。これに対して、本実施の形態によれば、各項目の表示領域の横幅を大きくでき、スクロール操作の頻度も抑制できるので、閲覧のしやすさが高まる。
【0085】
また、このような項目の表示方法により、1つのレコード上で列方向に配列される付帯項目の表示領域の大きさ(縦方向の長さ)は、通常項目の表示領域より小さくなる。このため、付帯項目のデータは、通常項目のデータより閲覧しにくい状態となり得る。しかし、付帯項目としては、ソートのためのキー情報として利用される項目が設定される。このような付帯項目のデータは、キー情報として利用されない通常項目のデータより閲覧の必要性が低い場合が多い。また、キー情報として利用される付帯項目のデータは必ずしも閲覧者にとって確認したいデータではない、ということもできる。このため、このような付帯項目のデータの表示領域が小さくなることは、閲覧のしやすさを妨げる要因にはなりにくい。
【0086】
特に、患者情報の検索では、その患者に関して閲覧者が本当に知りたい情報と、単に患者を分類するためだけに利用される付属的な情報とが分かれている場合がある。このため、前者の情報を通常情報に分類し、後者の情報を付帯情報に分類することで、前者の情報の視認性を向上させ、結果として検索結果表示画面400の全体における検索結果の視認性を向上させることができる。
【0087】
さらに、付帯項目の項目名の表示領域(項目名表示部431a~431d,432a~432d)自体を選択するという簡単な操作によって、ソートのキー情報を選択してソートを実行させることができる。すなわち、上記のように閲覧の必要性が高い情報の視認性を向上させながら、ソートを簡単な操作で実行させることが可能になっている。
【0088】
ここで、付帯項目および通常項目に限らず全項目を行方向に配列することで表示領域の横幅が大きくなった場合、ソートのために選択すべき項目の表示領域が小さくなったり、その項目を探すのに横方向のスクロール操作が必要になったりする。このため、ソートのための操作性が低くなる。これに対して本実施の形態では、上記のように検索結果一覧表420の横幅が短縮されていることで、項目名表示部431a~431d,432a~432dの場所を閲覧者が探しやすくなり、またそれらの表示面積を大きくすることができる。したがって、ソートのための操作性を向上させることができる。
【0089】
また、上記のサーバ100では、キー情報として利用される付帯項目が、患者グループごとに任意に設定可能になっている。これにより、患者の検索条件ごとに、ソートに利用する項目を設定できるので、閲覧者の操作性を向上させることができる。また、患者の検索条件によって変わり得る項目ごとの閲覧の重要性に応じて、データを小さく表示する項目と大きく表示する項目とを設定できる。これにより、項目ごとのデータの閲覧の重要性に応じた適切なレイアウトで各項目のデータを表示できる。なお、患者の検索条件のパターンに応じて、ソートに利用する項目をあらかじめ設定しておくこともできる。
【0090】
次に、サーバ100の処理についてフローチャートを用いて説明する。
図12は、サーバの処理手順を示すフローチャートの例である。
[ステップS11]表示制御部130は、端末装置において、検索結果表示画面400に対して患者グループを選択する操作が行われたかを判定する。選択ボタン411~413のいずれかに対する選択操作が行われた場合に、患者グループの選択操作が行われたと判定される。患者グループの選択操作が行われた場合、処理はステップS12に進められる。患者グループの選択操作が行われなかった場合、処理はステップS15に進められる。
【0091】
[ステップS12]表示制御部130は、選択された患者グループを検索処理部120に通知する。検索処理部120は、通知された患者グループに対して設定された検索条件を、表示制御データベース112から取得する。検索処理部120は、取得した検索条件を用いて患者データベース111を検索し、検索条件に合致する患者を特定する。
【0092】
[ステップS13]検索処理部120は、表示制御部130から通知された患者グループに対して設定された付帯項目定義情報および通常項目定義情報を、表示制御データベース112から取得する。検索処理部120は、ステップS12で特定された各患者について、付帯項目定義情報および通常項目定義情報に定義された項目のデータを患者データベース111から取得する。このとき、検索処理部120は、各患者についての患者基本情報も患者データベース111から取得する。
【0093】
[ステップS14]検索処理部120は、ステップS13で取得したデータを表示制御部130に通知する。表示制御部130は、通知されたデータを表示した検索結果表示画面400を生成し、この画面を示す画像データを端末装置に送信して、端末装置の表示装置に検索結果表示画面400を表示させる。この後、処理はステップS11に進められる。
【0094】
[ステップS15]表示制御部130は、端末装置において、付帯項目名表示部431,432に表示されたいずれかの付帯項目名(項目名表示部431a~431d,432a~432dのいずれか)に対する選択操作が行われたかを判定する。付帯項目名に対する選択操作が行われた場合、処理はステップS16に進められる。一方、付帯項目名に対する選択操作が行われなかった場合、一定時間後にステップS11の処理が実行される。すなわち、ステップS11,S15の処理は、一定時間間隔で繰り返し実行される。
【0095】
[ステップS16]表示制御部130は、選択された付帯項目に対応付けられたソート規則を、表示制御データベース112から取得する。表示制御部130は、検索結果表示画面400に表示された当該付帯項目のデータを用い、表示制御データベース112から取得したソート規則にしたがって、検索結果表示画面400に表示された各患者のレコードをソートする(並び替える)。この後、処理はステップS11に進められる。
【0096】
なお、上記の各実施の形態に示した装置(例えば、情報処理装置1、サーバ100、端末装置200,200a,200b,・・・)の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供され、そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc:BD、登録商標)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0097】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CDなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0098】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【符号の説明】
【0099】
1 情報処理装置
1a 記憶部
1b 処理部
1c 患者データベース
2 表示装置
10 一覧表
11a~11c 患者情報
12a,12b,13 領域
13a~13c 項目名表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12