(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/79 20140101AFI20230308BHJP
A63F 13/30 20140101ALI20230308BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20230308BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20230308BHJP
【FI】
A63F13/79
A63F13/30
A63F13/69 510
A63F13/792
(21)【出願番号】P 2020121096
(22)【出願日】2020-07-15
【審査請求日】2021-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-186414(JP,A)
【文献】特開2014-071567(JP,A)
【文献】デレステ「ツインテールの風」,デレステ攻略まとめ,[online],2018年04月25日,<URL>https://deresute-kouryaku.com/twintailnokaze,[2022年2月9日検索]
【文献】かわいいブタさんと。『脱出ゲーム ガールフレンド』, [online],2019年03月10日,<URL>http://nekosuki1223.livedoor.blog/archives/16172788.html,[2022年2月9日検索]
【文献】[イベント]LIVE Groove Vocal burst 201802,アイマス デレステ攻略まとめwiki[アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ], [online],2018年09月04日,<URL>https://imascg-slstage-wiki.gamerch.com/[イベント]LIVE Groove Vocal burst 201802,[2022年2月9日検索]
【文献】『Identity V(第五人格)』新ハンター「結魂者」が妨害力の高さで世界を変える!?,APPBANK, [online],2018年07月18日,<URL>https://www.appbank.net/2018/07/18/iphone-application/1584260.php,[2022年2月9日検索]
【文献】Identity V 無課金ガチャのやり方や確率は?[第五人格], [online],2019年08月08日,<URL>https://無課金裏技.xyz/identity-v-3/,[2022年2月9日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置と、前記複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を含むゲームシステムにおいて、前記ゲーム装置および前記サーバ装置の少なくとも一方のコンピュータにより実行されるゲームプログラムであって、
前記ゲーム装置または前記サーバ装置の記憶部には、前記複数のユーザがプレイ可能な既存ゲームに対して追加されたゲームイベントまたはゲーム要素である追加ゲームを実行するための追加ゲームデータが記憶されており、
前記コンピュータを、
前記ユーザに早期プレイ権を付与する権利付与手段、
前記ユーザに対して、前記追加ゲームのプレイを許可する許可手段、として機能させ、
前記許可手段は、
前記早期プレイ権が付与されたユーザに対しては、所定の第1時点以降に前記追加ゲームのプレイを許可し、
前記早期プレイ権が付与されていないユーザに対しては、前記第1時点より後の所定の第2時点以降に前記追加ゲームのプレイを許可し、
前記権利付与手段は、前記ユーザが前記既存ゲームをどの程度プレイしたかを示す指標となるゲームプレイ状況
であって、前記既存ゲームのプレイ頻度および前記既存ゲームのプレイ時間の少なくとも1つを含むゲームプレイ状況が所定の条件を満たした場合に、前記ユーザに前記早期プレイ権を付与
することを決定して、前記早期プレイ権を付与し、
前記早期プレイ権が付与されたユーザの前記ゲーム装置に対する操作入力により、前記早期プレイ権を消滅させた場合、または、前記早期プレイ権が付与されることが決定されたユーザの前記ゲーム装置に対する操作入力により、前記早期プレイ権を前記ユーザに付与することが拒否された場合、前記権利付与手段は、前記早期プレイ権とは別の特典を前記ユーザに付与する、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記権利付与手段は、
前記第2時点より前に、前記ゲーム装置に対する前記ユーザの操作入力に基づき、前記既存ゲーム内の権利付与イベントを実行し、
前記権利付与イベントの結果に応じて、前記ユーザに前記早期プレイ権を付与するか否かを決定する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記許可手段は、前記早期プレイ権が付与されたユーザであって、前記第1時点以降で且つ前記第2時点より前の期間にゲームにログインせず、前記第2時点より後にゲームへログインしたユーザに対して、前記早期プレイ権とは別の特典を付与する、請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記許可手段は、
前記サーバ装置から前記早期プレイ権が付与されたユーザのゲーム装置へは、前記第1時点以降に前記追加ゲームデータのダウンロードを許可し、
前記サーバ装置から前記早期プレイ権が付与されていないユーザのゲーム装置へは、前記第2時点以降に前記追加ゲームデータのダウンロードを許可する、請求項1~
3のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、
前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータとを備えた、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザにより操作入力されるゲーム装置とゲーム運営者などにより運営されるサーバ装置とがネットワークを通じて相互に通信接続されたゲームシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなゲームシステムにより実現されるゲームでは、期間限定のゲームイベントの開催やソフトウェアのアップデートなどがしばしば行われ、予め規定された時間になると、ユーザは、ゲームイベントやゲーム内機能などが追加された最新のゲームをプレイすることが可能となる。しかしながら、最新のゲームのプレイが可能となる時間には、ゲーム装置からサーバ装置へのアクセスが集中する傾向にあり、このようなアクセス集中は、サーバダウンやゲーム進行の遅延につながる虞がある。
【0005】
そこで本発明は、ユーザにより操作入力されるゲーム装置とサーバ装置とがネットワークを通じて相互に通信接続されたゲームシステムにおいて、ゲーム装置からサーバ装置へアクセスが集中することを抑制することができるゲームプログラムおよびゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、第1の発明は、複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置と、前記複数のゲーム装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を含むゲームシステムにおいて、前記ゲーム装置および前記サーバ装置の少なくとも一方のコンピュータにより実行されるゲームプログラムであって、前記ゲーム装置または前記サーバ装置の記憶部には、前記複数のユーザがプレイ可能な既存ゲームに対して追加されたゲームイベントまたはゲーム要素である追加ゲームを実行するための追加ゲームデータが記憶されており、前記コンピュータを、前記ユーザに早期プレイ権を付与する権利付与手段、前記ユーザに対して、前記追加ゲームのプレイを許可する許可手段、として機能させ、前記許可手段は、前記早期プレイ権が付与されたユーザに対しては、所定の第1時点以降に前記追加ゲームのプレイを許可し、前記早期プレイ権が付与されていないユーザに対しては、前記第1時点より後の所定の第2時点以降に前記追加ゲームのプレイを許可する、ゲームプログラムである。
【0007】
第1の発明によれば、早期プレイ権が付与されたユーザであるか否かに応じて、追加ゲームのプレイが許可される時間が異なる。これにより、ゲーム装置からサーバ装置へのアクセスが分散されるため、サーバ装置へのアクセスが集中することを抑制することができる。
【0008】
また、第1の発明において、前記権利付与手段は、前記第2時点より前に、前記ゲーム装置に対する前記ユーザの操作入力に基づき、前記既存ゲーム内の権利付与イベントを実行し、前記権利付与イベントの結果に応じて、前記ユーザに前記早期プレイ権を付与するか否かを決定してもよい。早期プレイ権の付与自体を既存ゲーム内のイベントとすることにより、既存ゲームの興趣性を向上することができる。
【0009】
また、第1の発明において、前記権利付与イベントは、前記ゲーム装置に対する前記ユーザの操作入力により、前記既存ゲーム内において所定のアイテムの使用または所定の代価の支払いが実行されることによって、複数種類のゲーム媒体の中から前記ユーザに付与するゲーム媒体を抽選する抽選イベントであり、前記権利付与手段は、前記抽選イベントにおいて所定のゲーム媒体が当選した場合に、前記ユーザに前記早期プレイ権を付与することを決定してもよい。これにより、従来から対価の支払いを条件として、ユーザに付与するゲーム媒体を抽選する抽選イベント(いわゆるガチャ)を含むゲームにおいて、ユーザに早期プレイ権を付与するか否かを簡易な方法で決定することができる。
【0010】
また、第1の発明において、前記権利付与手段は、前記ユーザを識別するためのユーザIDに応じて、前記ユーザに前記早期プレイ権を付与するか否かを決定してもよい。ユーザに早期プレイ権を付与するか否かを簡易な方法で決定することができる。
【0011】
また、第1の発明において、前記権利付与手段は、前記ゲーム装置に対する前記ユーザの操作入力により、前記既存ゲーム内において所定のアイテムの使用または所定の代価の支払いが実行された場合に、前記ユーザに前記早期プレイ権を付与してもよい。既存ゲーム内において所定のアイテムの使用や所定の代価の支払いを行ったことによる対価として早期プレイ権をユーザに付与することで、早期プレイ権を付与されるユーザと付与されないユーザとの間の公平性を確保することができる。
【0012】
また、第1の発明において、前記権利付与手段は、前記ユーザが前記既存ゲームをどの程度プレイしたかを示す指標となるゲームプレイ状況が所定の条件を満たした場合に、前記ユーザに前記早期プレイ権を付与し、前記ゲームプレイ状況には、前記既存ゲームの進行度、前記既存ゲームのプレイ頻度、前記既存ゲームのプレイ時間、並びに、前記ゲーム進行度、前記プレイ頻度、および、前記プレイ時間の少なくとも一方の増加に伴って増加するパラメータ、の少なくとも1つが含まれてもよい。これにより、既存ゲームへのやり込み度に応じてユーザに早期プレイ権を付与するか否かが決定されるため、既存ゲームへのやりこみ度を上げるようユーザを促すことができる。
【0013】
また、第1の発明において、前記許可手段は、前記サーバ装置から前記早期プレイ権が付与されたユーザのゲーム装置へは、前記第1時点以降に前記追加ゲームデータのダウンロードを許可し、前記サーバ装置から前記早期プレイ権が付与されていないユーザのゲーム装置へは、前記第2時点以降に前記追加ゲームデータのダウンロードを許可してもよい。これにより、早期プレイ権が付与されたユーザのゲーム装置であるか否かに応じて、追加ゲームデータのダウンロードが許可される時間を異ならせることができるため、追加ゲームデータのダウンロードのためにサーバ装置へのアクセスが集中することを抑制することができる。
【0014】
第2の発明は、上記のいずれかのゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムを実行するコンピュータとを備えた、ゲームシステムである。
【0015】
なお、前記ゲームプログラムを記憶したプログラム記憶部は、ゲームシステムが含む装置に内蔵または外付けされる読み書き可能または読み取り可能な記憶装置または記憶媒体であり、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、光ディスク等を用いることができる。前記プログラム記憶部に記憶されたプログラムは、前記プログラム記憶部が直接接続される装置において実行されてもよいし、前記プログラム記憶部とネットワーク(例えば、インターネット)を介して接続された装置においてダウンロードされて実行されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザにより操作入力されるゲーム装置とサーバ装置とがネットワークを通じて相互に通信接続されたゲームシステムにおいて、ゲーム装置からサーバ装置へアクセスが集中することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態に係るゲームシステムの概要を説明するための模式図である。
【
図2】ゲーム装置に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図3】追加イベントのプレイを許可するスケジュールの一例を説明するための図である。
【
図4】
図1に示すゲームシステムの構成を示すブロック図である。
【
図5】プレイ許可処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】ゲーム装置に表示されるゲーム画面の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係るゲームシステムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
[システムの概要]
図1は、本実施形態に係るゲームシステム1の概要を説明するための模式図である。ゲームシステム1は、サーバ装置2と複数のゲーム装置3とを備える。サーバ装置2は、ゲームシステム1により実現されるゲームの運営者などにより管理される装置である。複数のゲーム装置3は、それぞれ複数のユーザにより操作入力される装置である。例えば、ゲーム装置3は、多機能携帯電話(スマートフォン)などの携帯端末装置であり、ゲームシステム1では、サーバ装置2とゲーム装置3とがネットワーク4を通じて相互に通信することによって進行されるモバイルゲームを実現する。
【0020】
図2に、ゲーム装置3に表示されるゲーム画面101の一例を示す。本実施形態で説明されるゲームでは、ゲーム装置3に1以上のゲームイベントを含むゲーム画面101(以下、「イベント選択画面」と称する)が表示される。ゲームイベントは、例えば、アクションゲームやシューティングゲームなどにおけるステージや、レースゲームやゴルフゲームなどのスポーツゲームにおけるコースなどである。
【0021】
各ユーザは、イベント選択画面101に含まれる1以上のゲームイベント102,103,104の中から1のゲームイベントを選択することによって、そのゲームイベントをプレイすることができる。ユーザがプレイ可能なゲームイベントは、ゲーム運営者により定期的にまたは不定期に追加される。以下の説明では、ユーザがプレイ可能な既存のゲームイベントに対してある時点から新たに追加されるゲームイベントを、追加イベントと称することとする。また、以下の説明において、本ゲームのうち、追加イベントが追加される前からプレイ可能であった部分を、便宜上、既存ゲームと称することもある。
【0022】
例えばゲーム運営者は、追加イベントのプレイが可能となる日時より前に、ゲーム内または別の媒体を通じて、追加イベントについての情報(例えば追加イベントのプレイが可能となる日時や追加イベントの内容など)をユーザに対して告知する。そして、ゲーム運営者などにより予め設定された時刻(以下、「通常開始時刻」と称する)になると、ユーザは、イベント選択画面101中の追加イベント104を選択してプレイすることが可能となる。
【0023】
本実施形態では、複数のユーザのうちの一部のユーザに早期プレイ権が付与される。早期プレイ権が付与されたユーザは、通常開始時刻よりも早く追加イベントをプレイすることが可能となる。
【0024】
図3は、追加イベントのプレイを許可するスケジュールの一例を説明するための図である。本実施形態では、追加イベントの通常開始時刻より前のある時刻から、本ゲーム内において早期プレイ権を付与するためのゲームイベント(以下、「権利付与イベント」と称する)が開始される。権利付与イベントの開始が許可される時刻は、例えばゲーム運営者などにより予め設定される。権利付与イベントにて早期プレイ権が付与されたユーザ(以下、「権利取得ユーザ」と称する)は、通常開始時刻より前の所定の時刻(以下、「早期開始時刻」と称する)になると、追加イベントをプレイすることができる。一方、早期プレイ権が付与されていないユーザ(以下、「権利無しユーザ」と称する)は、通常開始時刻になるまで追加イベントをプレイすることができない。なお、早期プレイ権のあるなしに関わらず、ユーザは、既存ゲームに関してはいつでもプレイ可能である。
【0025】
[サーバ装置のハードウェア構成]
図4は、ゲームシステム1の構成を示すブロック図である。
図4を参照して、サーバ装置2のハードウェア構成について説明する。
【0026】
サーバ装置2は、各ゲーム装置3(アカウント)のゲームデータを管理する。また、各ゲーム装置3と所定のタイミングで相互に通信し、各ゲーム装置3にてユーザがプレイするゲームを進行させる。
【0027】
サーバ装置2は、制御部20を備える。制御部20は、サーバ装置2の動作を制御する。制御部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含む。制御部20には、バス20aを介して記憶部21および通信I/F部22が、それぞれ接続されている。
【0028】
記憶部21は、例えば、大容量記録媒体であるHDD(Hard Disk Drive)、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAM(Random Access Memory)を含む。記憶部21は、ゲームを実現するためのゲームデータを記憶する。ゲームデータには、ゲームプログラムが含まれる。また、ゲームデータには、ユーザデータ21aおよびゲームイベントデータ21cが含まれる。これらユーザデータ21aおよびゲームイベントデータ21cについて、詳細は後述する。
【0029】
通信I/F部22は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワーク4に対してサーバ装置2を接続するインタフェースである。サーバ装置2は、通信I/F部22を介して、ゲーム装置3との間で、データの送受信を行う。
【0030】
[ゲーム装置のハードウェア構成]
次に、ゲーム装置3のハードウェア構成について説明する。ゲーム装置3は、ユーザによる操作入力に応じてゲームを進行させるコンピュータである。
【0031】
ゲーム装置3は、制御部30を備える。制御部30は、ゲーム装置3の動作を制御する。制御部30は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含む。制御部30には、バス30aを介して、タッチスクリーン31、記憶部32、音響出力部33、および通信I/F部34が、それぞれ接続されている。
【0032】
タッチスクリーン31は、ユーザによるゲームを行うための操作を受け付けるとともに、ゲーム画像を表示する。すなわち、タッチスクリーン31は、ユーザの操作に対応した操作情報を制御部30に入力する入力装置として機能するとともに、制御部30の制御に従ってゲームの画像などを表示する表示装置としても機能する。
【0033】
記憶部32は、例えば、大容量記録媒体であるHDD、マスクROMまたはPROMなどの半導体メモリであるROM、および、DRAMまたはSRAMなどから成るRAMを含む。記憶部32には、通信ネットワーク4などを介して外部からダウンロードしたゲームデータが記憶されている。ゲームデータには、ゲームプログラムが含まれる。
【0034】
音響出力部33は、制御部30の制御に従って、ゲームの進行に応じたゲーム音声を出力する装置である。
【0035】
通信I/F部34は、インターネットまたはLANなどの通信ネットワーク4に対してゲーム装置3を接続するインタフェースである。ゲーム装置3は、通信I/F部34を介して、他のゲーム装置3との間で、およびサーバ装置2との間で、データの送受信を行う。
【0036】
[サーバ装置の機能的構成]
図4には、サーバ装置2の制御部20の機能的構成が示される。サーバ装置2の制御部20は、記憶部21に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、データ管理手段41、権利付与手段42および許可手段43として機能する。
【0037】
データ管理手段41は、ユーザデータ21aおよびゲームイベントデータ21cなどのサーバ装置2の記憶部21に記憶されたデータを管理する。
【0038】
ユーザデータ21aは、ユーザを識別するためのユーザアカウント(ユーザID)とそれに紐づけられたデータである。ユーザIDに紐づけられたデータには、ユーザが過去に進行させたゲームの進行状態を示すセーブデータが含まれる。また、ユーザIDに紐づけられたデータには、早期プレイ権データ21bが含まれる。早期プレイ権データ21bは、ユーザIDで特定されるユーザが早期プレイ権を取得した状態にあるか否かの判別を可能にするデータである。なお、早期プレイ権を取得した状態であることを示す早期プレイ権データ(情報)は、本ゲームをプレイする全てのユーザではなく、そのうちの一部のユーザのユーザIDに紐づけられている。
【0039】
ゲームイベントデータ21cは、ゲームイベントを実行するためのデータである。ゲームイベントデータ21cには、ユーザがプレイ可能な1以上のイベントデータが含まれる。また、ゲームイベントデータ21cには、追加ゲームデータ21dが含まれる。追加ゲームデータ21dは、ユーザがプレイ可能な既存ゲームに対して追加されたゲームイベントまたはゲーム要素である追加ゲームを実行するためのデータである。本実施形態において、追加ゲームデータ21dは、新たに追加されたゲームイベントである追加イベントを実行するためのイベントデータである。
【0040】
権利付与手段42は、複数のユーザのうちの一部のユーザに早期プレイ権を付与する。なお、ユーザに早期プレイ権を付与するとは、ユーザが早期プレイ権を取得した状態であることを示す早期プレイ権情報を、そのユーザのユーザIDに紐づけて記憶することを意味する。
【0041】
本実施形態では、権利付与手段42は、予め設定された通常開始時刻より前に、権利付与イベントを実行する。そして、権利付与手段42は、権利付与イベントの結果に応じて、ユーザに早期プレイ権を付与するか否かを決定する。なお、権利付与イベントをユーザがプレイ可能となる時間、すなわち、権利付与イベントの実行許可を開始する時刻は、早期開始時刻以前であればよく、例えば権利付与イベントの実行許可を開始する時刻と早期開始時刻とは同じであってもよい。
【0042】
本実施形態では、権利付与イベントは、ユーザに早期プレイ権を付与するか否かの抽選を実行する抽選イベントである。権利付与イベントとしての抽選イベントは、ゲーム装置3に対するユーザの操作入力に基づき実行される。すなわち、早期プレイ権を付与するための抽選を要求するための抽選要求が、ゲーム装置3に対するユーザの操作入力に基づきゲーム装置3からサーバ装置2に送られ、権利付与手段42は、受信した抽選要求に基づき抽選イベントを実行する。
【0043】
本実施形態において、抽選イベントは、ゲーム装置3に対するユーザの操作入力により、既存ゲーム内において所定のアイテムの使用または所定の代価の支払いが実行されることによって、複数種類のゲーム媒体の中からユーザに付与するゲーム媒体を抽選するゲームイベント、いわゆるガチャである。すなわち、本ゲームでは、抽選イベントにおける早期プレイ権を付与するか否かの抽選は、キャラクタやアイテムなどのゲーム媒体の抽選に付随して行われる。例えば、権利付与手段42は、複数種類のゲーム媒体の中からユーザに付与するゲーム媒体を抽選し、所定のゲーム媒体が当選した場合に、当選したゲーム媒体とともに早期プレイ権もおまけでユーザに付与する。
【0044】
ただし、権利付与イベントとしての抽選イベントは、早期プレイ権を付与するか否かの抽選のみを行うものあってもよい。また、権利付与イベントとしての抽選イベントは、ゲーム内において所定のアイテムの使用や所定の代価の支払いが行われることとは別の条件(例えば早期プレイ権付与のために用意されたクエストのクリアなど)で実行されるものであってもよい。
【0045】
許可手段43は、複数のユーザに対して、追加イベントのプレイを許可する。許可手段43は、複数のユーザのうち、早期プレイ権が付与された権利取得ユーザに対しては、所定の早期開始時刻(本発明の「第1時点」に対応)以降に追加イベントのプレイを許可する。すなわち、許可手段43は、権利取得ユーザに対しては、早期開始時刻以降で且つ通常開始時刻より前の期間(以下、「早期プレイ期間」と称する)に追加イベントをプレイすることを許可する。
【0046】
また、許可手段43は、複数のユーザのうち、早期プレイ権が付与されていない権利無しユーザに対しては、早期開始時刻より後の通常開始時刻(本発明の「第2時点」に対応)以降に追加イベントのプレイを許可する。すなわち、許可手段43は、権利無しユーザに対して、早期プレイ期間に追加イベントをプレイすることを禁止する。
【0047】
[ゲーム装置の機能的構成]
また、
図4には、ゲーム装置3の制御部30の機能的構成が示される。ゲーム装置3の制御部30は、記憶部32に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、ログイン要求手段51、表示制御手段52、およびイベント実行手段53として機能する。
【0048】
ログイン要求手段51は、ユーザによるタッチスクリーン31に対する操作に応じて、サーバ装置2へログイン要求を送信する。本実施形態では、所定のアプリケーションソフトウェアを起動すると、ゲーム装置3からサーバ装置2にログイン要求を送る。
【0049】
表示制御手段52は、タッチスクリーン31に表示されるゲーム画面を制御する。例えば、表示制御手段52は、ユーザによるタッチスクリーン31に対する操作やゲームの進行状況に応じて、タッチスクリーン31に表示されるゲーム画像を切り替えたり、ゲームへログインしたタイミングで、タッチスクリーン31に所定のゲーム画像を表示したりする。
【0050】
例えば表示制御手段52は、ユーザによるゲーム装置3に対する操作入力に応じて、
図2に示したイベント選択画面101をタッチスクリーン31に表示する。
【0051】
イベント実行手段53は、ユーザによるタッチスクリーン31に対する操作入力により選択されたゲームイベントを実行する。
【0052】
例えば、タッチスクリーン31に対するユーザの操作入力により、タッチスクリーン31に表示されたイベント選択画面101に含まれる1以上のイベントの中から1のイベントが選択されると、イベント実行手段53は、選択したイベントを実行するための実行要求をゲーム装置3からサーバ装置2に送る。これにより、選択したイベントがプレイ可能となり、ゲーム装置2とサーバ装置3とがネットワーク4を通じて相互に通信しつつ、イベントが進行する。なお、イベント実行手段53は、選択したイベントを実行するための実行要求をゲーム装置3からサーバ装置2に送ることなく選択したイベントを実行してもよく、イベントのプレイが完了した後にプレイ結果をゲーム装置3からサーバ装置2に送るようにしてもよい。
【0053】
[プレイ許可処理]
次に、追加イベントのプレイをユーザに許可するプレイ許可処理の流れについて、
図5を参照して説明する。
【0054】
例えば、プレイ許可処理は、ユーザがゲームへログインしたタイミングで実行される。具体的には、本実施形態では、所定のアプリケーションソフトウェアを起動すると、ログイン要求手段51が、ゲーム装置3からサーバ装置2にログイン要求を送る。サーバ装置2がログイン要求を受信すると、許可手段43が、プレイ許可処理を実行する。
【0055】
図5に示すように、プレイ許可処理では、まず許可手段43が、現在時刻が通常開始時刻(本発明の「第2時点」に対応)以降であるか否かを判定する(ステップS1)。
【0056】
ステップS1で、現在時刻が通常開始時刻以降であると判定された場合(ステップS1:Yes)、許可手段43は、そのユーザ(そのユーザのゲーム装置3)に対して追加イベントのプレイを許可する(ステップS2)。
【0057】
ステップS1で、現在時刻が通常開始時刻以降でないと判定された場合(ステップS1:No)、許可手段43は、さらに現在時刻が早期開始時刻(本発明の「第1時点」に対応)以降であるか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3で、現在時刻が早期開始時刻以降であると判定された場合(ステップS3:Yes)、許可手段43は、ユーザが早期プレイ権取得済みか否かを判定する(ステップS4)。具体的には、許可手段43は、サーバ装置2の記憶部21に、ユーザが早期プレイ権を取得した状態であることを示す早期プレイ権情報が、そのユーザのユーザIDと紐付けて記憶されているか否かを判定する。
【0058】
ステップS4で、ユーザが早期プレイ権取得済みであると判定された場合(ステップS4:Yes)、許可手段43は、そのユーザ(そのユーザのゲーム装置3)に対して追加イベントのプレイを許可する(ステップS2)。
【0059】
ステップS3で現在時刻が早期開始時刻以降でないと判定された場合(ステップS3:No)やステップS4でユーザが早期プレイ権取得済みでないと判定された場合(ステップS4:No)には、許可手段43は、そのユーザ(そのユーザのゲーム装置3)に対して追加イベントのプレイを許可しない(ステップS5)。ステップS2またはS5の後、プレイ許可処理は終了する。
【0060】
ステップS2における追加イベントのプレイを許可する態様、および、ステップS5における追加イベントのプレイを不許可とする態様の例を説明する。例えば、ステップS2およびS5の双方において、許可手段43は、ユーザがプレイを許可されたイベントを示すプレイ許可情報を、サーバ装置2からゲーム装置3に送信する。ステップS2でゲーム装置3に送られるプレイ許可情報が示すプレイ許可されたイベントの中には、追加イベントが含まれる。このため、表示制御手段52は、受信したプレイ許可情報に基づき、追加イベントをユーザが選択および実行可能にタッチスクリーン31に表示する(
図2参照)。
【0061】
一方、ステップS5でプレイ許可情報が示すプレイ許可されたイベントの中には、追加イベントが含まれていない。このため、表示制御手段52は、受信したプレイ許可情報に基づき、追加イベントをタッチスクリーン31に表示しない。あるいは、表示制御手段52は、例えば
図6に示すように追加イベントのアイコン104’をグレーアウトして選択不能に表示させるなど、追加イベントをユーザが実行できない態様でタッチスクリーン31に表示してもよい。ゲームへログインしている間に通常開始時刻となったときは、その通常開始時刻になったタイミングで、許可手段43は、追加イベントのプレイを可能にするプレイ許可情報を、サーバ装置2からゲーム装置3に送信する。この場合、通常開始時刻になったタイミングで即時にユーザが追加イベントを実行できるよう、追加イベントを実行するためのデータは、ゲーム装置2に通常開始時刻より前に予めサーバ装置3からダウンロードされていてもよい。
【0062】
以上をまとめると、本実施形態に係るゲームプログラムは、複数のユーザによりそれぞれ操作入力される複数のゲーム装置3と、複数のゲーム装置3とネットワーク4を介して接続されるサーバ装置2と、を含むゲームシステム1において、サーバ装置2の制御部20(コンピュータ)により実行されるゲームプログラムであって、サーバ装置2の記憶部21には、前記複数のユーザがプレイ可能な既存ゲームに対して新たに追加された追加イベント(追加ゲーム)を実行するための追加ゲームデータ21dが記憶されており、制御部20を、ユーザに早期プレイ権を付与する権利付与手段42、複数のユーザに対して、追加ゲームのプレイを許可する許可手段43、として機能させ、許可手段43は、複数のユーザのうち、早期プレイ権が付与されたユーザに対しては、所定の早期開始時刻(第1時点)以降に追加イベントのプレイを許可し、複数のユーザのうち、早期プレイ権が付与されていないユーザに対しては、早期開始時刻より後の所定の通常開始時刻(第2時点)以降に追加イベントのプレイを許可する。
【0063】
本実施形態によれば、早期プレイ権が付与されたユーザであるか否かに応じて、追加イベントのプレイが許可される時間が異なる。これにより、ゲーム装置3からサーバ装置2へのアクセスが分散されるため、サーバ装置2へのアクセスが集中することを抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態では、権利付与手段42は、通常開始時刻より前に、ゲーム装置3に対するユーザの操作入力に基づき、既存ゲーム内の権利付与イベントを実行し、権利付与イベントの結果に応じて、ユーザに早期プレイ権を付与するか否かを決定する。このように早期プレイ権の付与自体をゲーム内のイベントとすることにより、既存ゲームの興趣性を向上することができる。
【0065】
また、権利付与イベントは、ゲーム装置3に対するユーザの操作入力により、既存ゲーム内において所定のアイテムの使用または所定の代価の支払いが実行されることによって、複数種類のゲーム媒体の中からユーザに付与するゲーム媒体を抽選する抽選イベントである。このため、従来から対価の支払いを条件として、ユーザに付与するゲーム媒体を抽選する抽選イベント(いわゆるガチャ)を含むゲームにおいて、ユーザに早期プレイ権を付与するか否かを簡易な方法で決定することができる。
【0066】
<その他の実施形態>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態で説明した制御手段および処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。
【0067】
また、上記実施形態では、ゲーム装置3として携帯端末装置を用いた例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、ゲーム装置3として、ゲームセンターなどに提供されるアーケードゲーム筐体や家庭用の据え置き型ゲーム装置、パーソナルコンピュータなどを用いて本発明を実現することもできる。
【0068】
また、ゲーム装置3はタッチスクリーン31を備えなくてもよい。例えば、ゲーム装置3におけるユーザの操作入力を受け付ける入力部は、ボタン等の操作子が設けられたコントローラなどであってもよいし、また、ゲーム装置3におけるゲーム画面が表示される表示装置は、単体の液晶ディスプレイであってもよい。
【0069】
本発明のゲームプログラムは、ゲーム装置3およびサーバ装置2の少なくとも一方のコンピュータにより実行されるものであればよい。例えば、本発明のゲームプログラムの一部が、サーバ装置に記憶され、本発明のゲームプログラムの残りは、ゲーム装置にダウンロードされたり、ゲーム装置3に読み込ませるために記録媒体に記録されたりするものであってもよい。
【0070】
例えば上記実施形態では、サーバ装置2の制御部20は、記憶部21に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、データ管理手段41、権利付与手段42および許可手段43として機能したが、これら機能部41~43の一部の機能部については機能しなくてもよい、あるいは、ゲーム装置3の制御部30により機能してもよい。また、ゲーム装置3の制御部30は、記憶部32に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、ログイン要求手段51、表示制御手段52、およびイベント実行手段53として機能したが、これら機能部51~53の一部の機能部については機能しなくてもよい、あるいは、サーバ装置2の制御部20により機能してもよい。
【0071】
例えば、上記実施形態では、サーバ装置2の制御部20にて、権利付与イベントの実行とユーザに早期プレイ権の付与とが行われたが、権利付与イベントの実行とユーザに早期プレイ権の付与との一方または双方が、ゲーム装置3の制御部30にて行われてもよい。
【0072】
本発明は、ゲーム装置3にゲームデータをダウンロードすることなく実現されるオンラインゲームに適用可能である。例えば、本発明は、ウェブブラウザを使ったブラウザゲームや、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上で提供されるソーシャルゲーム、サーバ装置でのゲーム処理結果をゲーム装置3にストリーミング配信するクラウドゲームなどに適用可能である。
【0073】
追加イベントや権利付与イベントを含むゲームイベントとして、上記実施形態では、アクションゲームやシューティングゲームなどにおけるステージや、レースゲームやゴルフゲームなどのスポーツゲームにおけるコースなどが例示されたが、ゲームイベントは、これらに限定されない。例えばゲームイベントは、設定された複数種類の特典の中から1つまたは複数の特典を抽選してユーザに付与する抽選イベント(いわゆるガチャ)でもよい。
【0074】
また、ゲームイベントは、ゲーム運営者に所定の料金を支払う処理(課金処理)が実行されることで、またはユーザが所有する所定のゲーム内通貨やゲーム内アイテムを消費することで、所定のゲーム内アイテムやゲーム内キャラクタなどを取得(購入)できる購入イベントであってもよい。ゲームイベントは、ノベルゲーム等におけるシナリオ(ストーリー)であってもよい。つまり、追加イベントは、追加シナリオであってもよい。
【0075】
また、ゲームイベントにおける追加イベントは、予め設定された時刻になると全ユーザが実行できなくなる期間限定イベントであってもよい。追加イベントが、期間限定イベントである場合、早期プレイ権が付与された権利取得ユーザとそうでない権利無しユーザとの間で、期間限定イベントが終了する日時が異なっていてもよい。例えば、権利取得ユーザに対する期間限定イベントの開始時刻が、権利無しユーザに対する期間限定イベントの開始時刻より所定時間(例えば1時間)早くなるとともに、権利取得ユーザに対する期間限定イベントの終了時刻が、権利無しユーザに対する期間限定イベントの終了時刻より所定時間(例えば1時間)早くなってもよい。
【0076】
上記実施形態では、追加ゲームとしてゲームイベントが説明されたが、追加ゲームは、ゲームイベントだけでなく、例えば新たに追加されたゲーム内要素(例えば、新たに追加されたユーザビリティを向上させるためのゲーム内の機能や、新たに使用可能となったアイテムやキャラクタなど)に関するものであってもよい。すなわち、追加ゲームデータは、ゲームのアップデート版のアプリケーションソフトウェアであってもよく、この場合、追加ゲームは、アプリケーションソフトウェアがアップデートされることによって、アップデート前に比べて追加されたゲームイベントやゲーム要素であってもよい。例えば、許可手段は、権利取得ユーザに対して、アプリケーションソフトウェアのアップデートを、権利無しユーザよりも早く許可してもよい。つまり、許可手段は、権利取得ユーザに対しては、早期プレイ期間に追加ゲームのプレイが可能となるようアプリケーションソフトウェアのアップデートを許可し、権利無しユーザに対しては、早期プレイ期間にアプリケーションソフトウェアのアップデートを禁止してもよい。
【0077】
追加ゲームは、ユーザがプレイ可能な既存ゲームに対して追加されたゲームイベントまたはゲーム要素であればよく、例えば、追加されたゲームイベントまたはゲーム要素は、ゲーム開発者により新たに作成されたものでなくてもよい。例えば、追加ゲームは、既存のゲームに過去に含まれていたことのある過去のゲームイベントまたはゲーム要素であってもよい。例えば、追加イベントは、ゲーム開発者により新たに作成された最新のゲームイベントでなくてもよく、過去に存在した期間限定のゲームイベントが復興という形でゲームに再度追加されたものであってもよい。また、追加ゲームは、メインのゲームに対しておまけの要素として追加された、または、メインのゲームをクリアするために必須のイベントとして用意されたミニゲームであってもよい。
【0078】
なお、既存ゲームに対して追加ゲームが追加された後でも、ユーザは既存ゲームをプレイすることが可能である。ただし、追加ゲームが追加される前にユーザがプレイ可能な既存ゲームの一部のゲームイベントまたはゲーム要素が、追加ゲームが追加された後または追加と同時に削除されてもよい。
【0079】
また、ユーザに対する早期プレイ権の付与の態様は、上記実施形態で説明されたものに限定されない。
【0080】
例えば、権利付与手段42による権利付与イベントの実行可能回数や実行可能タイミング(実行可能期間)などは、特に限定されない。権利付与手段42は、第1時点より前に権利付与イベントを実行し、第1時点より後に権利付与イベントを実行しなくてもよい。また、権利付与手段42は、第1時点と同時刻に、全ユーザに対して権利付与イベントの実行許可を開始してもよい。また、権利付与手段42は、全ユーザに対して権利付与イベントの実行許可を開始した時刻以降であって、第2時点より前の時間範囲内において、ユーザにつき所定回数を上限として権利付与イベントを実行してもよい。
【0081】
権利付与手段42は、ユーザによるゲーム装置3に対する操作入力なしで権利付与イベントを実行するものであってもよい。また、権利付与手段42は、権利付与イベントを実行しなくてもよい。例えば権利付与手段42は、ユーザを識別するためのユーザIDに応じて、ユーザに早期プレイ権を付与するか否かを決定してもよい。例えば権利付与手段42は、ユーザIDの所定の桁(例えば下一桁)が所定の数値(例えば1)であるユーザに早期プレイ権を付与し、それ以外のユーザに早期プレイ権を付与しなくてもよい。その結果、ユーザに早期プレイ権を付与するか否かを簡易な方法で決定することができる。
【0082】
また、例えば権利付与手段42は、ゲーム装置3に対するユーザの操作入力により、ゲーム内において所定のアイテムの使用または所定の代価の支払い(課金処理)を実行された場合に、ユーザに早期プレイ権を付与してもよい。ゲーム内において所定のアイテムの使用や所定の代価の支払いを行ったことによる対価として早期プレイ権をユーザに付与することで、早期プレイ権を付与されるユーザと付与されないユーザとの間の公平性を確保することができる。
【0083】
また、例えば権利付与手段42は、ユーザが既存ゲームをどの程度プレイしたかを示す指標となるゲームプレイ状況が所定の条件を満たした場合に、ユーザに早期プレイ権を付与してもよい。ゲームプレイ状況には、既存ゲームの進行度、既存ゲームのプレイ頻度、既存ゲームのプレイ時間、並びに、ゲーム進行度、プレイ頻度、および、プレイ時間の少なくとも一方の増加に伴って増加するパラメータ、の少なくとも1つが含まれる。なお、「既存ゲームの進行度」には、本編となるゲームの達成度合いなどが含まれる。「既存ゲームのプレイ頻度」には、追加ゲームが追加される前にプレイ可能であったクエストのプレイ回数や既存ゲームへのログイン回数、ログイン日数、所定のゲームイベント(クエスト)のプレイ回数などが含まれる。また、既存ゲームのプレイ時間には、既存ゲームにログインしているトータルの時間や、所定のゲームイベントやストーリーをプレイしている時間などが含まれる。「ゲーム進行度、プレイ頻度、および、プレイ時間の少なくとも一方の増加に伴って増加するパラメータ」には、例えば、ゲーム内における所定のランクやレベル(ユーザレベル、ユーザランク、キャラクタレベル、キャラクタ経験値など)が含まれる。これにより、ゲームへのやり込み度に応じてユーザに早期プレイ権を付与するか否かが決定されるため、ゲームやりこみ度を上げるようユーザを促すことができる。
【0084】
例えば、上記実施形態では、早期プレイ権を付与する権利付与イベントは、抽選イベントであったが、権利付与イベントは抽選イベントに限定されない。権利付与イベントは、例えば、達成したり所定値以上のスコアを獲得したりすることで早期プレイ権が付与されるクエストなどのミッションイベントであってもよい。
【0085】
例えば上記実施形態において説明されたプレイ許可処理は一例にすぎない。例えばプレイ許可処理は、早期開始時刻以降にだけ実行されるものであってもよく、この場合ステップS1は省略される。例えばプレイ許可処理は、早期開始時刻以降であって且つ通常開始時刻より前にだけ実行されるものであってもよく、この場合ステップS1だけでなくステップS3も省略される。
【0086】
また、上記実施形態では、プレイ許可処理が実行されるタイミングの一例として、ユーザがゲームへログインしたタイミングが例示されたが、プレイ許可処理が実行されるタイミングはこれに限定されない。例えばプレイ許可処理は、ゲーム装置3に対してユーザにより所定の操作入力が行われたときに実行されてもよい。例えばプレイ許可処理は、ゲーム装置3に対してユーザにより、イベント選択画面101を表示させるための操作入力が行われたり、追加イベントを選択する操作入力が行われることによりイベント実行手段53が追加イベントの実行要求をゲーム装置3からサーバ装置2に送られたりしたタイミングで実行されてもよい。
【0087】
また、ユーザに対する追加ゲームの許可の態様は、上記実施形態で説明されたものに限定されない。
【0088】
例えば、許可手段は、サーバ装置から早期プレイ権が付与されたユーザのゲーム装置へは、第1時点以降に追加ゲームデータのダウンロードを許可し、サーバ装置から早期プレイ権が付与されていないユーザのゲーム装置へは、第2時点以降に追加ゲームデータのダウンロードを許可してもよい。これにより、早期プレイ権が付与されたユーザのゲーム装置3であるか否かに応じて、追加ゲームデータのダウンロードが許可される時間を異ならせることができるため、追加ゲームデータのダウンロードのためにサーバ装置2へのアクセスが集中することを抑制することができる。
【0089】
本発明は、ゲームへログイン中における常時または所定期間ごとに、ゲーム装置3とサーバ装置2とが互いに通信を行うゲーム(オンラインゲームやスマートフォンゲームなど)への適用はもちろんのこと、ゲームプレイ中のゲーム装置3とサーバ装置2との通信を不要とするオフラインゲームへの適用も可能である。すなわち、本発明は、サーバ装置2からゲームデータをダウンロードする際にゲーム装置3からサーバ装置2にアクセスし、それ以外の場合にはゲーム装置3からサーバ装置2へのアクセスを不要となるゲームに適用してもよい。本発明をオフラインゲームに適用した場合でも、上記のように、許可手段が、早期プレイ権が付与されたユーザのゲーム装置3であるか否かに応じて、追加ゲームデータのダウンロードが許可される時間を異ならせることで、ゲーム装置からサーバ装置へのアクセスが集中することを抑制することができる。
【0090】
権利取得ユーザは、通常開始時刻に追加イベントをプレイすることが許可され、権利なしユーザは、通常開始時刻より遅い時刻に追加イベントをプレイすることが許可されてもよい。すなわち、許可手段43は、権利取得ユーザに対して、通常開始時刻(本発明の「第1時点」に対応)以降に追加イベントのプレイを許可し、権利無しユーザに対して、通常開始時刻より後の所定の時刻(本発明の「第2時点」に対応)に追加イベントのプレイを許可してもよい。
【0091】
また、早期プレイ権には、複数の種類があってもよく、追加ゲームのプレイが許可される時刻は、権利取得ユーザが取得した早期プレイ権の種類に応じて異なってもよい。例えば、早期プレイ権は、S級早期プレイ権とA級早期プレイ権とを含み、通常開始時刻が15時である場合に、S級早期プレイ権が付与されたユーザは、通常開始時刻の2時間前の13時に追加ゲームのプレイを許可されてもよく、A級早期プレイ権が付与されたユーザは、通常開始時刻の1時間前の14時に追加ゲームのプレイを許可されてもよい。早期プレイ権に複数の種類がある場合、早期プレイ権が付与される条件が早期プレイ権の種類に応じて異なっていてもよい。例えば、ある種類の早期プレイ権(例えばS級早期プレイ権)は、抽選イベントの結果に応じて付与され、別の種類の早期プレイ権(例えばA級早期プレイ権)は、ユーザがゲームをどの程度プレイしたかを示す指標となるゲームプレイ状況(例えば、ゲームの進行度、ゲームのプレイ時間など)に応じて付与されてもよい。
【0092】
許可手段は、権利取得ユーザに対して、第1時点以降であって第2時点より前の時間範囲内に追加ゲームのプレイを許可し、第2時点以降の追加ゲームのプレイを禁止してもよい。
【0093】
早期プレイ権を取得したユーザは、取得した早期プレイ権を返却または消滅させることができてもよい。すなわち、早期プレイ権を取得した状態のユーザのゲーム装置に対する操作入力により早期プレイ権を返却するまたは消滅させることが選択された場合、権利付与手段は、そのユーザのユーザIDに紐づけて記憶された早期プレイ権情報を消去してもよい。この場合、権利付与手段は、早期プレイ権の返却または消滅を選択したユーザに対して、ユーザIDに紐づけて記憶された早期プレイ権情報を消去する代わりに、別の特典(例えばゲーム媒体)を付与してもよい。
【0094】
早期プレイ権が付与されることを、ユーザは辞退できてもよい。すなわち、権利付与手段がユーザに早期プレイ権を付与することを決定した後に、ゲーム装置に対するユーザの操作入力により早期プレイ権の取得を拒否することが選択された場合、権利付与手段は、ユーザに早期プレイ権を付与しなくてもよい。この場合、権利付与手段は、早期プレイ権の取得を拒否したユーザに対して、早期プレイ権を付与しない代わりに、別の特典(例えばゲーム媒体)を付与してもよい。
【0095】
また、権利取得ユーザのみが追加ゲームのプレイを許可される期間(第1時点以降で且つ第2時点より前の期間。つまり早期プレイ期間)に、権利取得ユーザがゲームにログインしなかった場合、許可手段は、早期プレイ期間の後にゲームへログインした権利取得ユーザに対して、別の特典(例えばゲーム媒体)を付与してもよい。
【0096】
追加ゲームは、複数のユーザが協力または対戦するマルチプレイ型のゲームでもよい。この場合、サーバ装置2の制御部20またはゲーム装置3の制御部30は、記憶部21または32に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、マルチプレイ型ゲームに参加する複数のユーザ同士を周知の方法でマッチングするマッチング手段として機能してもよい。さらに、この場合、マッチングされた複数のユーザは、マッチングされた複数のユーザのいずれかに早期プレイ権が付与されていることを条件に、早期プレイ期間における追加ゲームのプレイを許可されてもよいし、あるいは、マッチングされた複数のユーザの全てに早期プレイ権が付与されていることを条件に、早期プレイ期間における追加ゲームのプレイを許可されてもよい
【0097】
言い換えれば、前記追加ゲームは、前記複数のユーザのうち2以上のユーザが参加して前記2以上のユーザが同時にプレイするマルチプレイ型ゲームであり、前記コンピュータを、前記ユーザと同時にゲームをプレイする他のユーザとをマッチングするマッチング手段(前記ゲーム装置に他のゲーム装置をマッチングするマッチング手段)として更に機能させ、前記許可手段は、前記早期プレイ権が付与されていないユーザに対して、前記早期プレイ権が付与されていないユーザとマッチングされた前記他のユーザの全てまたはいずれかが、前記早期プレイ権が付与されている場合には、前記第2時点より前であっても、前記第1時点以降に前記他のユーザの参加する前記追加ゲームのプレイを許可してもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 :ゲームシステム
2 :サーバ装置
3 :ゲーム装置
20 :制御部
21 :記憶部
30 :制御部
31 :タッチスクリーン
32 :記憶部
41 :データ管理手段
42 :権利付与手段
43 :許可手段
51 :ログイン要求手段
52 :表示制御手段
53 :イベント実行手段