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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】スポットエアコン
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/41 20180101AFI20230308BHJP
   F25B 47/02 20060101ALI20230308BHJP
   F24F 110/12 20180101ALN20230308BHJP
   F24F 140/12 20180101ALN20230308BHJP
【FI】
F24F11/41 120
F24F11/41 112
F25B47/02 H
F24F110:12
F24F140:12
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020205702
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2022092790
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2021-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】391007242
【氏名又は名称】三菱重工冷熱株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】池田 義昭
(72)【発明者】
【氏名】中川 翼
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-023942(JP,U)
【文献】特開平11-230609(JP,A)
【文献】実開昭62-083150(JP,U)
【文献】国際公開第2010/032430(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0069132(US,A1)
【文献】国際公開第2019/102566(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
F24F 1/02
F25B 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、蒸発器と、当該蒸発器用の送風機と、前記圧縮機及び前記送風機の駆動を制御可能であり、計時手段を有する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記圧縮機及び前記送風機を駆動する通常運転と、前記圧縮機を停止した場合に、待機時間の経過まで当該圧縮機の再起動を規制する再起動防止制御と、前記通常運転において所定の除霜開始条件を満たした場合に、前記圧縮機を停止させ、熱媒の移動を規制した状態で前記蒸発器の除霜を行うオフサイクル方式の除霜運転と、を実行可能であるスポットエアコンであって、
前記制御部は、前記除霜運転において、前記待機時間の1.3倍以上2.5倍以下の値が設定された除霜時間に亘って前記送風機による前記蒸発器への送風を行うことを特徴とするスポットエアコン。
【請求項2】
圧縮機と、蒸発器と、当該蒸発器用の送風機と、前記圧縮機及び前記送風機の駆動を制御可能であり、計時手段を有する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記圧縮機及び前記送風機を駆動する通常運転と、前記圧縮機を停止した場合に、待機時間の経過まで当該圧縮機の再起動を規制する再起動防止制御と、前記通常運転において所定の除霜開始条件を満たした場合に、前記圧縮機を停止させ、熱媒の移動を規制した状態で前記蒸発器の除霜を行うオフサイクル方式の除霜運転と、を実行可能であるスポットエアコンであって、
前記制御部は、外気温度センサを有し、前記除霜運転において、前記待機時間よりも長く且つ前記外気温度センサが検出した値に応じた値が設定された除霜時間に亘って前記送風機による前記蒸発器への送風を行うことを特徴とするスポットエアコン。
【請求項3】
前記制御部は、外気温度センサを有し、前記通常運転において、前記外気温度センサが検出した外気の温度が所定温度以下であった場合に、前記圧縮機を停止させ、前記待機時間に亘って前記送風機の送風を行う送風運転を実行することを特徴とする請求項1または2に記載のスポットエアコン。
【請求項4】
前記制御部は、熱媒の圧力を検出可能な圧力センサを有し、前記除霜開始条件は、前記圧力センサによって検出された圧力が所定圧力以下となることであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスポットエアコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所的に空気調和を行うことができるスポットエアコンに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な産業分野で空気調和を行うために利用されている空気調和装置は、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器から主に構成されるヒートポンプを備え、このような空気調和装置には、ヒートポンプの構成が、空気調和を行う対象となる室内に設置される室内ユニットと、室外に設置される室外ユニットに分割され、室外にて排熱を行うことで室内の空気調和の効率が高められているセパレート式のものや、1つの筐体内に収容され、任意の場所に移動させることが容易となっている一体式のものがある。
【0003】
一体式の空気調和装置に含まれるスポットエアコンは、その取り回しの良さから、工場、製鉄所、屋外等のように、セパレート式の空気調和装置が適さない作業環境等に設置することで、局所的な空気調和により環境改善を図ることが可能となっている。
【0004】
例えば、特許文献1に示されるスポットエアコンは、筐体内が仕切部材により区画されており、仕切部材の内部には蒸発器及び蒸発器用送風機のファンが配置されているとともに、筐体に設けられた空気の吸込口と供給口とが連通されている。また、筐体内の仕切部材の外側部分には、凝縮器、凝縮器用送風機のファン、膨張弁、及び圧縮機が配置されているとともに、別の吸込口と排気口が形成されている。これにより、蒸発器用送風機のファンによって吸込口から取り込まれた外気を、蒸発器により冷却された空調済み空気(以下、「冷気」と称する場合もある)として供給口から適所に供給する通常運転を行っている。
【0005】
また、スポットエアコンは、セパレート式と異なり、仕切部材によって仕切られていながらも、一つの筐体内で排熱と冷却が行われることから、セパレート式と比較して排気と冷気が互いに干渉しやすい。そこで、このようなスポットエアコンでは、セパレート式よりも圧縮機の出力を高め、蒸発器の温度をより低くして稼働させる場合が多く、蒸発器に着霜が生じやすい。
【0006】
蒸発器への着霜が進むと、蒸発器と外気との熱交換が阻害される、蒸発器の空隙が減じて外気の吸い込みが阻害される等の不具合が生じるため、除霜運転が必要となってくる。除霜運転には種々の方式があるが、スポットエアコンでは、除霜運転中に温風が漏出することを避けるため、オフサイクル方式の除霜運転が採用されているものが多い。オフサイクル方式の除霜運転では、開始するにあたって圧縮機が停止され、熱媒の移動が規制される。
【0007】
ところで、圧縮機は短時間内に発停が繰り返されると焼き付きが生じる虞がある。そこで、特許文献2に示されるような再起動防止制御を利用して除霜運転を行うスポットエアコンもある。
【0008】
このような再起動防止制御は、圧縮機の駆動を制御する制御部が、冷房運転の停止操作等を受けて圧縮機を停止させた後、電動機の温度が再起動可能となる温度に下がるまでに必要な待機時間が経過したことを計時手段によって検知するまで圧縮機の再起動を規制する制御である。これを利用した除霜運転では、制御部が所定の除霜開始条件を満たしたと判定すると除霜運転を開始し、圧縮機を停止させた後、再起動防止制御と同じ待機時間を設定し、当該待機時間が経過したことを計時手段によって検知するまで行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開平11-230609号公報(第3頁、第1図)
【文献】実全昭62-83150号公報(第3,4頁、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このようなオフサイクル方式の除霜運転を実行するスポットエアコンにおいては、除霜運転において特許文献2のような再起動防止制御と同じ待機時間が経過することで通常運転が再開されるため、圧縮機の保全を図ることができる。しかしながら、上述したように蒸発器に着霜が生じやすいことから、除霜運転終了後に霜が残っている、水滴が付着している等のように除霜が十分でなければ、通常運転が再開されてもすぐに除霜が必要となるため、除霜運転が頻発すると十分に冷気を供給することができなかった。
【0011】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、冷気供給効率の高いスポットエアコンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本発明のスポットエアコンは、
圧縮機と、蒸発器と、当該蒸発器用の送風機と、前記圧縮機及び前記送風機の駆動を制御可能であり、計時手段を有する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記圧縮機及び前記送風機を駆動する通常運転と、前記圧縮機を停止した場合に、待機時間の経過まで当該圧縮機の再起動を規制する再起動防止制御と、前記通常運転において所定の除霜開始条件を満たした場合に、前記圧縮機を停止させ、熱媒の移動を規制した状態で前記蒸発器の除霜を行うオフサイクル方式の除霜運転と、を実行可能であるスポットエアコンであって、
前記制御部は、前記除霜運転において、前記待機時間よりも長く設定された除霜時間に亘って前記送風機による前記蒸発器への送風を行うことを特徴としている。
この特徴によれば、オフサイクル方式の除霜運転を行うにあたって、外気を霜に吹き付けるため、外気の熱を霜に奪わせることによって除霜効率が高められていることに加え、待機時間よりも長い除霜時間に亘って除霜運転が行われることから、一度の除霜運転における除霜効率が高められており、次の除霜運転までの時間を長く確保することができる。これにより、除霜運転が頻発することを防止して冷却効率を向上させることができる。また、除霜運転において、霜によって冷却された外気を適所に送風することができるため、除霜運転中にも環境改善を図ることができる。
【0013】
前記制御部は、外気温度センサを有し、前記通常運転において、前記外気温度センサが検出した外気の温度が所定温度以下であった場合に、前記圧縮機を停止させ、前記待機時間に亘って前記送風機の送風を行う送風運転を実行することを特徴としている。
この特徴によれば、外気の温度が所定温度以下となった場合には、その外気を利用して環境改善を図りつつ、併せて蒸発器の除霜を行うことができる。
【0014】
前記制御部は、熱媒の圧力を検出可能な圧力センサを有し、前記除霜開始条件は、前記圧力センサによって検出された圧力が所定圧力以下となることであることを特徴としている。
この特徴によれば、熱媒の圧力は外気の温度に応じて変化し難いため、除霜時間内に除霜可能な着霜量を特定しやすい。
【0015】
前記除霜時間は、前記待機時間の1.3倍以上2.5倍以下の値が設定されることを特徴としている。
この特徴によれば、除霜に必要な時間を確保しつつも、除霜が完了しているにもかかわらず除霜運転が継続される時間を短縮することができる。
【0016】
前記制御部は、外気温度センサを有し、前記除霜時間は、前記外気温度センサが検出した値に応じた値が設定されることを特徴としている。
この特徴によれば、外気温度に応じて除霜時間を設定することができるため、通常運転が行われる時間の最適化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(a)は本発明の実施例におけるスポットエアコンを示す正面斜視図、(b)は同じく背面斜視図である。
図2】筐体の枠体を示す正面斜視図である。
図3】スポットエアコン要部の構成を示すブロック図である。
図4】スポットエアコンの制御部による冷房運転制御を示すフローチャートである。
図5】スポットエアコンの制御部による再起動防止制御を示すフローチャートである。
図6】時間設定に用いられる時間設定用テーブルを示す図である。
図7】時間設定に用いられる時間設定用テーブルの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るスポットエアコンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例
【0019】
実施例に係るスポットエアコンにつき、図1から図7を参照して説明する。以下、スポットエアコンの吹出口側を正面側(前方側)とし、正面から見て左右をスポットエアコンの左右側として説明する。
【0020】
図1に示されるように、スポットエアコン1は、工場や製鉄所などの作業場に配置され、作業者の近傍に対して局所的に空気調和を行うことができるものであり、作業環境を改善することができるようになっている。本実施例では、スポットエアコン1を冷房用として使用する形態を例示するが、暖房用にも使用可能である。
【0021】
図1及び図2に示されるように、スポットエアコン1は、略直方体を成す筐体10と、筐体10内に収容されたヒートポンプ20と、から主に構成されている。筐体10は、複数のフレーム材11aにより組み立てられた枠体11と、枠体11に取付けられ筐体10の外面を構成する複数の壁面パネル12と、により組み立てられている。
【0022】
筐体10の前面には、後述する空調済み空気A1を空調対象となる適所に供給する供給口10aが設けられている。また、筐体10の上面には、後述する排空気A2を筐体10の外部に排出する排気口10bが設けられている。また、筐体10の右面には空調用の吸込口10cが、筐体10の背面には排熱用の吸込口10dが設けられている。吸込口10c及び吸込口10dには通気性を有するカバー部材14,15が取付けられており、吸込む外気に含まれる塵芥等の微粒子を捕捉するとともに雨粒の進入を防止し、後述する排熱用熱交換器22、空調用熱交換器23に外部から触れることが防止されている。尚、カバー部材15は塵芥等の微粒子を捕捉するフィルター機能がなくてもよい。
【0023】
また、筐体10の底面を構成する壁面パネル12は、ドレンパンとして機能しており、筐体10内で発生したドレン水を一時的に貯留し、図示しない排水口より筐体10外に排出できるようになっている。
【0024】
この筐体10の内部には、空調用の吸込口10cと供給口10aとの間を繋ぐ空調用通路R1と、排熱用の吸込口10dと排気口10bとの間を繋ぐ排熱用通路R2と、が設けられている。空調用通路R1は、筒状のダクト16により構成されており、排熱用通路R2は筐体10の内部空間におけるダクト16以外の空間で構成されている。すなわち、筐体10の内部で空調用通路R1と排熱用通路R2はダクト16により区画されている。
【0025】
ヒートポンプ20は、圧縮機21、排熱用熱交換器22、膨張弁(図示略)、空調用熱交換器23、アキュームレータ24から主に構成され、圧縮機21、排熱用熱交換器22、膨張弁、空調用熱交換器23、アキュームレータ24の順に熱媒を循環させるようになっている。冷房時には、空調用熱交換器23は蒸発器として機能し、また排熱用熱交換器22は凝縮器として機能する。
【0026】
熱媒は、圧縮機21によって高温高圧の過熱蒸気となり、排熱用熱交換器22によって吸込口10dから吸い込んだ空気と熱交換され低温高圧の過冷却液となり、膨張弁により減圧されて低温低圧の湿り蒸気となり、空調用熱交換器23によって吸込口10cから吸い込んだ空気と熱交換されて少し過熱された蒸気となる。このように、吸込口10cから吸い込んだ空気は、空調用熱交換器23と熱交換されて冷却された空調済み空気A1となる。また、アキュームレータ24は空調用熱交換器23で蒸発されなかった液熱媒を気体と液体に分離して、液熱媒が圧縮機21に吸い込まれることが防止されるようになっている。
【0027】
尚、暖房時には、ヒートポンプ20の圧縮機21、空調用熱交換器23、膨張弁、排熱用熱交換器22の順、すなわち冷房時とは逆向きに熱媒を循環させればよい。このとき、空調用熱交換器23は凝縮器として機能し、また排熱用熱交換器22は蒸発器として機能する。より詳しくは、排熱用熱交換器22は低温の熱媒の熱を外気と熱交換して外気から吸熱するようになっている。換言すれば、排熱用熱交換器22は外気と熱交換して熱媒の低温の熱を筐体10の外部に排熱している。
【0028】
圧縮機21、排熱用熱交換器22、膨張弁、アキュームレータ24は、排熱用通路R2に配置されており、空調用熱交換器23は、空調用通路R1に配置されている。具体的には、排熱用熱交換器22は排熱用の吸込口10dの近傍に配置され、空調用熱交換器23は空調用の吸込口10cの近傍に配置されている。
【0029】
排気口10bには、排熱用送風機2が取付けられており、この排熱用送風機2により排熱用の吸込口10dから外気が排熱用通路R2内に導入され、排熱用熱交換器22と熱交換された後、排熱用通路R2を通って排気口10bから上方に排空気A2として排出される。
【0030】
ダクト16内には、蒸発器側の送風機としての空調用送風機3(図3参照)が取付けられており、後述する通常運転時には、この空調用送風機3により空調用の吸込口10cから外気が空調用通路R1内に導入され、空調用熱交換器23と熱交換された後、空調用通路R1を通って供給口10aから前方に空調済み空気A1として供給される(図1(a)参照)。また、後述する除霜運転時には、吸込口10cから外気が空調用通路R1内に導入され、この外気によって空調用熱交換器23を除霜するに伴い一定程度冷却された後、供給口10aから前方に空調済み空気A3として供給される。
【0031】
図3に示されるように、スポットエアコン1は、冷房運転、暖房運転等を切り替え可能に制御するための制御部5を備えている。制御部5は、演算・処理を行うCPU(Central Processing Unit)、プログラムが記憶されているROM(Read only memory)、プログラムの実行に関するデータが一時的に格納されるRAM(Random access memory)、計時手段としてのタイマー50(システムクロック)等から構成されている。
【0032】
制御部5は、時間を計時するにあたって、まずRAMに計時したい時間に対応する値を設定し、タイマー50によって時間がカウントされることに応じてRAMに設定した値を減算し、当該値が0となることで、設定した時間が経過したと判定する構成となっている。尚、計時したい時間に対する値は、RAMではなく、レジスタに設定されてもよい。
【0033】
尚、制御部5は、タイマー50によって時間がカウントされることに応じて値を加算し、当該値がRAMに設定した値となることで、設定した時間が経過したと判定する構成としてもよく、計時するためのプログラムは適宜変更されてもよい。
【0034】
また、制御部5には、電源スイッチ4と、圧縮機21と、空調用送風機3と、コントロールスイッチ6とが電気的に接続されている。
【0035】
電源スイッチ4は、スポットエアコン1の各構成品に電源を供給するための主電源スイッチであり、制御部5は、電源スイッチ4がONされることで起動し、OFFされることで停止する。
【0036】
コントロールスイッチ6は、時計回りに、暖房運転、運転停止、送風運転、冷房運転の順で切り替え可能な摘まみ式のものが採用されている。これにより、コントロールスイッチ6を回転停止させた位置に該当する運転状態を特定可能な出力信号を制御部5に送信可能となっている。
【0037】
尚、コントロールスイッチ6の代わりに、各種スイッチ、各種レバー、タッチパネル等が適用されてもよい。また、運転の切り替えばかりでなく、送風の強弱、熱交換効率の強弱を変更可能としてもよい。
【0038】
また、制御部5には、外気の温度を検出可能な外気温度センサ7と、空調用熱交換器23を通過し、圧縮機21に吸引される前の熱媒の圧力を検出可能な圧力センサ8とが電気的に接続されている。
【0039】
次に、スポットエアコン1の制御について、図4図6を参照して説明する。尚、本説明では、運転停止から冷房運転または冷房運転から運転停止に切り替えた場合の制御について説明する。
【0040】
制御部5は、スポットエアコン1の制御において、冷房運転制御、再起動防止制御を実行可能となっている。
【0041】
図4に示されるように、冷房運転制御は、冷気としての空調済み空気A1を供給するための通常運転と、主に外気の送風を行う送風運転と、空調用熱交換器23の除霜を行うための除霜運転と、から主に構成されており、利用者に空調済み空気A1(冷気)を供給するために、状況に応じて通常運転、送風運転、除霜運転を切り替える制御である。
【0042】
図5に示されるように、再起動防止制御は、冷房運転または暖房運転の停止操作後、圧縮機21の保全のため、圧縮機21の起動を再起動待機時間に亘って規制する制御である。以下、冷房運転制御、再起動防止制御について詳しく説明する。
【0043】
先ず、図4を参照して冷房運転制御について説明する。制御部5は、電源スイッチ4が操作され、電源がONされることで起動し(Sa1:Y)、コントロールスイッチ6が運転停止位置にいるときにはステップSa2を繰り返し(Sa2:N)、コントロールスイッチ6が操作されて冷房運転に切り替えられると(Sa2:Y)、冷房運転開始操作がなされたものとして、ステップSa3に移行する。
【0044】
ステップSa3では、RAMの所定記憶領域に後述する再起動防止制御の終了フラグ(以下、単に「終了フラグ」と称する)が設定されているか否かを判定し、終了フラグが設定されていない場合には、再起動防止制御が終了していないものとして、同制御が終了するまでステップSa3を繰り返す(Sa3:N)。
【0045】
一方、終了フラグが設定されている場合(Sa3:Y)には、外気温度センサ7から受信した信号に基づいて外気の温度が18度(所定温度)以下か否かを判定する(Sa4)。このとき、外気の温度が18度以下であると判定すると送風運転を開始し(Sa4:N,Sa10)、外気の温度が18度より高いと判定すると通常運転を開始する(Sa4:Y,Sa5)。
【0046】
先に、送風運転について説明する。送風運転は、外気が18度(所定温度)以下である場合に、圧縮機21を停止状態、かつ空調用送風機3を駆動状態として、外気を送風することで環境改善を図る運転である。
【0047】
送風運転は、圧縮機21を停止させた状態で行われるため、直前の運転状況によっては再起動防止制御と同様に圧縮機21の保全に努める必要がある。そのため、制御部5は、通常運転から送風運転への切り替わり時等、送風運転を開始するにあたって圧縮機21を停止させた場合には、図6に示されるように、ROMの所定記憶領域に格納されている時間設定用テーブル用いて、プログラムによって指定されるアドレス、すなわち送風運転に対応する送風時間が格納されているアドレスを参照し、これに対応する値である10分をRAMの所定記憶領域に格納する。
【0048】
送風時間が格納されているアドレスは、再起動待機時間が格納されているアドレスと同一であるため、送風運転では、再起動待機時間と同様に圧縮機21の保全を成すことができる。
【0049】
一方、再起動防止制御が終了したと判定された直後の送風運転開始時、送風運転の継続時、除霜運転から送風運転への切り替わり時等、送風運転を開始するにあたって圧縮機21を停止させなかった場合には、0分をRAMの所定記憶領域に格納する。
【0050】
図4に戻って、その後、送風時間が経過するまで送風運転を継続し(Sa11:N)、RAMの残り時間が0となり送風時間が経過したと判定すると(Sa11:Y)、外気温度センサ7から受信した信号に基づいて外気の温度が20度以上か否かを判定する(Sa12)。20度未満である場合(Sa12:N)には、再びSa10に移行する、すなわち送風運転を継続させる一方、20度以上である場合(Sa12:Y)には、通常運転(Sa5)へと移行する。
【0051】
これにより、送風運転開始後、送風時間が経過するまでの間に外気の温度が20度よりも高くなった場合には、送風時間が経過するまでは送風運転を継続して、圧縮機21の保全を行ったうえで通常運転に切り替えることができる。また、送風時間が経過した後、外気の温度が20度よりも高くなった場合には、十分に圧縮機21を停止させた後であり、再起動可能な状態であるため、即座に通常運転に切り替えることができる。
【0052】
尚、送風運転の開始時に、圧縮機21の直前の運転状況に関らず、一律に送風運転時間を設定し、送風時間経過後(Sa11:Y)、外気温度が20度以上であると判定されるまでステップSa12を繰り返す構成であってもよい。
【0053】
また、外気温度が18度から20度以上に短時間(例えば、10分以内で)で急激に高まることはほぼなく、すなわち送風運転に切り替わったのち通常運転に移行するまでに圧縮機21の保全に必要な時間以上を要するため、送風運転を開始後、送風時間を設定する行程を省略して、外気温度が20度以上になるか否かのみを判定する構成としてもよい。
【0054】
ちなみに、コントロールスイッチ6の切り替え操作により行われる手動の送風運転は、冷房運転制御における送風運転と同様に、圧縮機21を停止状態、かつ空調用送風機3を駆動状態として行われる一方、コントロールスイッチ6が送風運転から他の運転に切り替え操作がされるまで送風運転が継続される点で、冷房運転制御における一定の送風時間が設定された送風運転と異なっている。
【0055】
次いで、通常運転について説明する。通常運転は、圧縮機21を駆動状態、かつ空調用送風機3を駆動状態として、上述したように冷気としての空調済み空気A1を送風することで環境改善を図る運転である。
【0056】
制御部5は、通常運転を開始すると、図6に示されるように、ROMの所定記憶領域に格納されている時間設定用テーブル用いて、プログラムによって指定されるアドレス、すなわち初動時間が格納されているアドレスを参照し、これに対応する値である3分をRAMの所定記憶領域に格納する。
【0057】
ここでいう初動時間は、空調用熱交換器23の除霜が必要ではない状態において通常運転が開始された場合に、熱媒の圧力が所定圧力よりも相対的に高い圧力で安定するまでに十分な時間である。そのため、圧縮機21の起動直後故に熱媒の圧力が低い等、着霜以外の要因により除霜運転が開始されてしまう不具合が防止されている。
【0058】
尚、本実施例において圧力センサ8が検出する熱媒の圧力は、空調用熱交換器23の下流側、所謂低圧部における熱媒の圧力であり、低圧部では一般的に停止圧よりも圧縮機21の駆動時における圧力の方が低くなるため、圧縮機21の起動直後に所定圧力以下となりにくいことから、初動時間待機する行程を省略してもよい。
【0059】
図4に戻って、その後、初動時間が経過しているか否かを判定する(Sa:6)。そして、初動時間が経過していると判定すると(Sa6:Y)、圧力センサ8から受信した信号に基づいて熱媒の圧力が所定圧力以下か否かを判定し、熱媒の圧力が所定圧力より高いと判定すると(Sa7:N)、ステップSa4に移行する。
【0060】
ここで、上記した所定圧力は、圧縮機21の保全のために設けられているものである。より詳しくは、空調用熱交換器23の着霜が進むと、着霜していない状態と比較して、熱サイクル全体の圧力が相対的に低くなり、圧縮機21を駆動させていても熱媒が十分に圧縮されない事態に陥ることもある。そこで、除霜運転を開始するための条件として、圧縮機21の機能に悪影響を及ぼし難い範囲で所定圧力を定めている。さらに、所定圧力は、外気の温度、外気の湿度等の概ねの条件下において、除霜運転における除霜時間内(例えば10分)に余裕をもって除霜可能な着霜量である場合に検出される圧力でもある。
【0061】
一方、熱媒の圧力が所定圧力以下であると判定すると(Sa7:Y)、除霜運転を開始する(Sa8)。除霜運転は、図示しない電磁弁を閉塞状態とすることで圧縮機21を停止状態(この時、圧縮機21自身の駆動も停止(空転防止))とし、かつ空調用送風機3を駆動状態として、熱媒の移動を停止させたうえで、空調用熱交換器23に対して送風を行い、外気の熱を空調用熱交換器23に付着した霜に与えて融解させることが可能なオフサイクル方式の除霜運転である。尚、圧縮機21の停止方法は、電磁弁の閉塞に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
【0062】
制御部5は、除霜運転を開始するにあたって、図6に示されるように、ROMの時間設定用テーブルにおける、ROMの所定記憶領域に格納されている時間設定用テーブル用いて、プログラムによって指定されるアドレス、すなわち除霜運転に対応する除霜時間が格納されているアドレスを参照し、これに対応する値である20分をRAMの所定記憶領域に格納する。尚、除霜時間が格納されているアドレスは、送風時間が格納されているアドレスとは異なっている。
【0063】
また、除霜運転では、直前の運転が通常運転であるため、再起動防止制御と同様に圧縮機21の保全に努める必要があるが、再起動待機時間の10分よりも長い20分に亘って圧縮機21を停止させ続けることから、圧縮機21の保全を成すことができる。
【0064】
図4に戻って、その後、除霜時間が経過するまで除霜運転を継続し(Sa9:N)、RAMの残り時間が0となり除霜時間が経過したと判定すると(Sa9:Y)、ステップSa4に移行する。
【0065】
このようにして、制御部5は、冷房運転制御において、通常運転、除霜運転、送風運転を適宜切り替えながら繰り返し実行可能となっている。
【0066】
次いで、図5を参照して再起動防止制御について説明する。制御部5は、冷房運転が開始された後、通常運転、除霜運転、送風運転等の運転状況に関らず、コントロールスイッチ6が操作されて運転停止に切り替えられた場合、冷房運転停止操作がなされたと判定し(Sb1:Y)、再起動防止制御を開始する(Sb2)。
【0067】
制御部5は、再起動防止制御を開始すると、図6に示されるように、ROMの所定記憶領域に格納されている時間設定用テーブル用いて、プログラムによって指定されるアドレス、すなわち再起動防止制御に対応する再起動待機時間が格納されているアドレスを参照し、これに対応する値である10分をRAMの所定記憶領域に格納する(Sb2)。再起動待機時間が格納されているアドレスは、送風時間が格納されているアドレスと同一である。
【0068】
その後、再起動待機時間が経過するまでステップSb3を繰り返し(Sb3:N)、RAMの残り時間が0となり再起動待機時間が経過したと判定すると(Sb3:Y)、再起動防止制御が終了したものとして、RAMの所定記憶領域に終了フラグを設定し、再起動防止制御を終了する(Sb4)。尚、終了フラグは、フラグレジスタ等のステータスレジスタにおけるゼロフラグ、キャリーフラグ等の値を利用してもよい。これは、ステップSa4等、他の処理についても同様である。
【0069】
これにより、制御部5は、圧縮機21の停止後、再起動待機時間に亘って圧縮機21の再起動を防止することができるため、圧縮機21の保全を行うことができる。
【0070】
尚、再起動防止制御を含め、スポットエアコン1の運転状況に関らず、電源がOFFされた場合には、制御部5は、OFFされたときのリアルタイムクロックの時間をバックアップ領域に格納する。その後、再び電源がONされたときのリアルタイムクロックの時間と電源OFF時の時間から経過時間を算出し、経過時間が再起動待機時間以上であれば終了フラグを設定し、再起動待機時間未満であれば冷房運転または暖房運転が停止されたものとみなして(Sb1)、再起動防止制御を開始する(Sb2)。
【0071】
このような制御に限らず、電源再投入後に再起動防止制御を開始する(Sb2)制御としてもよく、電源OFF時の再起動待機時間の残数値をバックアップしておき、電源再投入後に計時を再開(Sb3)してもよく、適宜変更されてもよい。
【0072】
尚、図4図5で示されている各フローチャートは説明の便宜上定めたものであるため、その内容は適宜変更されてもよい。
【0073】
以上説明したように、本実施例のスポットエアコン1は、オフサイクル方式の除霜運転を行うにあたって、空調用送風機3を駆動させて外気を霜に吹き付けるため、空調用送風機3を停止させるオフサイクル方式の除霜運転と比較して、外気の熱を霜に奪わせる効率がよく、霜の融解や水滴の蒸発・落下による空調用熱交換器23の乾燥が促進される、すなわち除霜効率が高められている。
【0074】
これに加え、待機時間よりも長い除霜時間に亘って除霜運転が行われることから、待機時間と同じ時間に亘って行われるオフサイクル方式の除霜運転と比較して、一度の除霜運転における除霜効率が高められている。
【0075】
例えば、待機時間と同じ時間に亘って行われるオフサイクル方式の除霜運転において、空調用熱交換器23に霜や水滴が残っている場合には、通常運転が再開されても、霜や水滴がそのまま凍結して短時間で再び着霜が必要な状態となるため、初度時間経過後すぐに除霜運転が再開される。このように短時間で終了する通常運転では、除霜は進まず、また冷気の供給も満足に行えないことから、環境改善に寄与することができない時間となってしまう。そのため、除霜に係る時間が引き延ばされて冷却効率が低下してしまう場合がある。
【0076】
これに対して、本実施例のスポットエアコン1は、除霜運転において、空調用送風機3による送風と、待機時間よりも長い除霜時間に亘って継続することを併用することで、高い除霜効率を発揮することから、次の除霜運転までの時間を長く確保することができるため、除霜運転が頻発することを防止し、かつ環境改善に寄与することができない時間の発生を抑制して冷却効率を向上させることができる。
【0077】
また、除霜運転において、霜の融解熱または溶けた水の蒸発熱によって外気を一定程度冷却し、このように冷却した空調済み空気A3を外部環境に向けて送風することが可能であるため、除霜運転中にも環境改善を図ることができる。
【0078】
また、除霜運転において、霜が溶けた水の蒸発熱を利用して冷却した空調済み空気A3を送風するため、空調用送風機3を停止させるオフサイクル方式の除霜運転と比較して、図示しない排出孔から排出されるドレン水の量を少なくすることができる。これにより、例えばドレン水等を容器に回収する必要のある環境にスポットエアコン1を設置した場合に、ドレン水の廃棄量を低減することができる。
【0079】
また、通常運転中に外気の温度が18度以下となった場合には、通常運転から送風運転に切り替わり、その外気を利用して環境改善を図りつつ、併せて空調用熱交換器23の除霜を行うことができる。
【0080】
また、除霜開始条件は、圧力センサ8によって検出された圧力が所定圧力以下となることであるが、熱媒の圧力はその温度よりも外気の温度に応じて変化し難いため、熱媒の温度が所定温度以下となることが除霜開始条件である構成と比較して、除霜時間内に除霜可能な着霜量を特定しやすくなっている。そのため、安定して除霜時間内に空調用熱交換器23の除霜を終えることができる。
【0081】
また、除霜時間は、再起動待機時間の2倍の値が設定されているため、除霜に必要な時間を確保しつつも、除霜が完了しているにもかかわらず除霜運転が継続される時間を短縮することができる。
【0082】
また、送風時間及び再起動待機時間は、時間設定用テーブルにおける同じアドレスに格納されている値を共用していることから、プログラム容量を削減することができる。
【0083】
また、除霜時間は、送風時間及び再起動待機時間とは異なるアドレスに格納されていることから、例えば送風時間及び再起動待機時間を変更するにあたって、除霜時間の値が変更されないことを担保することができる。
【0084】
また、初動時間は、送風時間、再起動待機時間及び除霜時間とは異なるアドレスに格納されていることから、例えば送風時間、再起動待機時間及び除霜時間のいずれかを変更するにあたって、初動時間の値が変更されないことを担保することができる。
【0085】
また、図7に示されるように、時間設定用テーブルには、除霜運転時間として、外気の温度に応じた時間がそれぞれ設定されている構成であってもよく、このような構成であれば、霜が溶け難い低温時にあっては除霜時間を長くし、霜が溶けやすい高温時にあっては除霜時間を短くすることができる。すなわち、外気温度に応じて除霜時間を設定することができるため、通常運転が行われる時間の最適化を図ることができる。
【0086】
このような構成であれば、図7に示されるように、除霜時間は、時間設定用テーブルにおいて、想定される温度に応じて昇順または降順に配置されていることが好ましく、これにより、除霜時間の内、先頭のアドレスに設定されている温度との差を参照するアドレス値に加算することで、外気の温度に対応する除霜時間を特定することができるため、プログラムを簡素にすることができる。
【0087】
また、除霜時間は、外気の温度が18度の時は25分が設定され、外気の温度が22度以上の場合は13度の温度が設定される。すなわち、外気の温度に応じて再起動待機時間の1.3倍から2.5倍の間の時間が設定されることから、除霜に必要な時間を確保しつつも、除霜が完了しているにもかかわらず除霜運転が継続される時間を短縮することができる。
【0088】
また、制御部5は、空調用熱交換器23を通過後の空気の温度を検出可能な吹出口側温度センサを有し、除霜時間が経過した後、外気の温度と、空調済み空気A3の温度との差を検出して、これらの差が特定温度(例えば、1度)未満であれば、霜の融解熱や溶けた水の蒸発熱が失われたものとして、すなわち除霜が完了したものとして除霜運転を終了し、特定温度以上であれば、霜や結露が残存しているものとして、すなわち除霜が未完了であるものとして除霜時間に特定時間(例えば、1分)を加算する構成であってもよい。このような構成であれば、霜または結露が残存している場合には、これらによって外気が冷却された空調済み空気A3となり外気との温度差が生じることから、霜または結露が残存しているか否かを判定することができる。すなわち、確実に除霜することができる。尚、本実施例では、除霜運転中に空調用熱交換器23を通過した空気を一律に空調済み空気A3としている。
【0089】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0090】
例えば、前記実施例では、再起動待機時間は10分として説明したが、これに限らず、適宜変更されてもよい。そのため、除霜時間についても、適宜変更されてもよい。除霜時間については、再起動待機時間の1.3倍から2.5倍の範囲内で設定されることが好ましい。
【0091】
また、計時手段は、システムクロックであるタイマー50である構成として説明したが、これに限らず、例えばリアルタイムクロックであってもよく、測定したい時間に応じた回数分、所定のプログラムをループさせることで計時するプログラムであってもよく、制御部5から設定された時間が経過することで制御部5に信号を出力する、制御部5とは別個に設けられた外部タイマーであってもよく、適宜変更されてもよい。
【0092】
また、初動時間は、時間設定用テーブルに設定されている構成として説明したが、これに限らず、プログラムによってあらかじめ指定されていてもよい。このような構成であれば、時間設定用テーブルに設定されている他のアドレスの時間が設定されるようなエラーの発生を防止することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 スポットエアコン
3 空調用送風機
5 制御部
7 外気温度センサ
8 圧力センサ
21 圧縮機
23 空調用熱交換器(蒸発器)
50 タイマー(計時手段)
A1 通常運転における空調済み空気
A2 排空気
A3 除霜運転における空調済み空気
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7